JP4214037B2 - 管状器官の治療用具 - Google Patents

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Description

本発明は、例えば血管、尿管、胆管、気管などの人体の管状器官に挿入、配置されるステント、ステントグラフトなどの治療用具に関する。
近年、血管、尿管、胆管、気管などの人体の管状器官における治療のため、カテーテルを通してステントを挿入し配置することが行われている。例えば血管の狭窄部にステントを配置して拡張したり、動脈瘤が形成された箇所にステントを配置して動脈瘤の破裂を防止する治療方法が知られている。特に動脈瘤の治療においては、ステントの外周に織布等を被覆してなるステントグラフトが使用されている。
このようなステント、ステントグラフトは、管状器官の患部に対して正確に配置されることが要求される。しかしながら、カテーテルの先端からこれらの治療具を押出す際に、血流の影響を受けたりするため、その留置位置がずれてしまうことがある。その結果、管状器官の閉塞部等を効果的に拡張できなかったり、動脈瘤等を完全に覆うことができなかったりする不具合がある。
また、留置ミスを防ぐために、動脈瘤を含む広い範囲をステントグラフトで覆うようにすると、動脈瘤の近傍から分岐する正常動脈部まで閉塞してしまい、臓器障害を発生する可能性がある。例えば肋間動脈を閉塞すると、脊髄血流障害が発生し、下半身運動麻痺という重大な合併症を招くおそれがある。
このような問題に鑑みて、ステント又はステントグラフトを血管内の患部に留置する前に、予め、体外に回収できるステント又はステントグラフトを血管内の患部に一時留置させて、ステント又はステントグラフトを血管内に留置する際に生じる血流障害等が発生する危険な部位及びそれらの血流障害が発生しない安全な部位を事前に把握しておくようにするため、血管内の患部に一時留置させた後体外に回収できるステント又はステントグラフトが提案されている(特許文献1参照)。
特開2001−333987号公報
しかしながら、上記特許文献1のステントグラフトにおいては、ステントグラフトを留置し、血流障害が発生しないことが確認できた後、このステントグラフトを抜去し、再度永久留置用のステントを留置する作業が必要になる。
そして、再度ステントグラフトを留置したときに、最初に留置した位置と同じ場所に置くことができず、留置位置がずれてしまう可能性がある。
また、留置位置がずれることにより、最初の留置では発生しなかった血流障害を起こす虞れがある。
更に、一時留置用のステントグラフトを抜去し、再び永久留置用のステントを挿入して留置させるため、血管等への挿入部からの出血や、患者への負担が大きくなり、結果的に侵襲のある治療となってしまう可能性がある。
したがって、本発明の目的は、留置位置の安全性を確認することができ、留置作業が短時間で済み、患者への負担がより軽減されるようにした管状器官の治療用具を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明の第1は、金属線材を編んでメッシュ状かつ筒状に形成してなるステントを有し、このステントの一端において、前記金属線材が複数本ずつ捩られて集束され、該集束線材が更に複数本ずつ捩られて集束されるというように段階的に集束されていて、この集束された端部が保持具によって開放可能に保持されていることを特徴とする管状器官の治療用具を提供するものである。
上記発明によれば、ステントの一端の集束された端部を保持具で保持して、カテーテル等を通して管状器官内に挿入し、保持具を介してステントを管状器官内に押出し、保持具で保持したまま一時留置させて、体内に異常が生じないかを検査することができる。そして、上記留置位置が安全であることが確認されたら、保持具を開放してステントをそのまま管状器官内に留置させることができる。また、留置位置が好ましくない位置である場合には、保持具を引張ってステントを再びカテーテル内に引き戻し、位置をずらしてステントを再度押出して留置することができる。
また、ステントの一端において、金属線材が複数本ずつ段階的に集束されているので、結束された金属線材どうしの間に隙間が広く開いており、血流を妨げることがなく、血栓等が生じる虞れもない。このことはまた、ステントグラフトをカテーテルから押出すときの血流の影響を軽減することにも寄与し、血流によってステントグラフトの留置位置がずれることを防止するのにも役立つ。
本発明の第2は、前記第1の発明において、前記集束された端部が複数本となっており、前記保持具から開放されると、互いに開くように構成されている管状器官の治療用具を提供することにある。
上記発明によれば、ステントを管状器官の所定箇所に配置して安全性を確認した後、保持具を開放してステントを留置するとき、保持具で保持された複数本の集束部が互いに開いて管状器官の内壁に移動するので、管状器官の流路内に障害物がなくなり、ステントを配置したことによる血液等の流通抵抗を小さくすることができる。
また、本発明の第3は、前記第2の発明において、前記集束された複数本の端部の長さがそれぞれ異なっている管状器官の治療用具を提供するものである。
本発明の第4は、前記第1の発明において、前記集束された端部が1つにまとめられている管状器官の治療用具を提供することにある。
上記発明によれば、集束された端部が1つにまとめられているので、該端部を保持具で保持しやすくなり、保持具を開放させてステントを一旦留置させた後でも、必要があれば再度上記端部を保持してカテーテル内に引き戻しやすくなる。
本発明の第5は、前記第1〜4の発明のいずれかにおいて、前記ステントの外周及び/又は内周には、筒状のシートからなるグラフトが被覆されており、このグラフトの一端は、前記金属線材が集束される部分よりも手前まで前記ステントに被覆されている管状器官の治療用具を提供するものである。
上記発明によれば、ステントを管状器官内に押出すとき、集束させた部分がグラフトで被覆されていないので、管状器官内を流れる血液等が上記集束させた部分から通過することができ、血流等の圧力の影響を受けにくくなり、ステントの留置位置がずれることを防止できる。
本発明の第6は、上記第1〜5の発明のいずれか1つにおいて、前記ステントを形成する金属線材は、少なくとも1本が外周の超弾性合金と、その中心部のX線不透過性材料とで構成されている管状器官の治療用具を提供するものである。
上記発明によれば、前記ステントは、少なくとも1本が外周の超弾性合金と、その中心部のX線不透過性材料とで構成されているので、柔軟性及び形状復元性が高く、しかも、血管等の管状器官内に留置する際に、その位置をX線透視カメラによって視認できるため、目的とする治療箇所に正確に留置することができる。
本発明によれば、ステントの一端の集束された端部を保持具で保持して、カテーテル等を通して管状器官内に挿入し、保持具を介してステントを管状器官内に押出し、保持具で保持したまま一時留置させて、体内に異常が生じないかを検査することができる。そして、上記留置位置が安全であることが確認されたら、保持具を開放してステントをそのまま管状器官内に留置させることができる。また、留置位置が好ましくない位置である場合には、保持具を引張ってステントを再びカテーテル内に引き戻し、位置をずらしてステントを再度押出して留置することができる。このため、留置作業が短時間で済み、患者への負担を軽減することができる。
以下に、本発明の実施の形態を図面につき詳しく説明する。本発明は、これらの実施の形態のみに限定されるものではない。
図1〜4には、本発明をステントグラフトの挿入装置に適用した一実施形態が示されている。図1は同ステントグラフトを示す斜視図、図2は同ステントグラフトを軸方向に切って広げた部分展開図、図3は同ステントグラフトを血管内に挿入する手順を示す説明図であり、(a)はステントグラフトをカテーテルから押出す状態の説明図、(b)はステントグラフトをカテーテルから押出して動脈瘤を覆うように配置した状態の説明図、図4は同じく同ステントグラフトを血管内に挿入する手順を示す説明図であってステントグラフトを開放した状態の説明図である。
図1に示すように、このステントグラフト10は、金属線材21をメッシュ状かつ筒状に編んで形成したステント20と、このステント20を覆う筒状カバーであるグラフト30とを有している。
ステント20の編み方は、特に限定されないが、例えば平織り、絡め織り等によって円筒状に織られていればよい。ステント20の一方の端部においては、金属線材21がループ状をなして折り返した構造をなすことが好ましい。
そして、本発明の一つの特徴は、ステント20の他方の端部において、金属線材21が複数本ずつ段階的に集束されていることである。すなわち、図2に示すように、ステント20の他方の端部において、金属線材21は、まず2本ずつ捩られて集束され、この集束線材21aが更に2本ずつ捩られて集束線材21bに集束され、最終的に3本の集束線材21bとなっている。3本の集束線材21bの端部までの長さはそれぞれ異なっており、最も長いもの、中間の長さのもの、最も短いものからなっている。そして、各端部には拡径端部22a、22b、22cが形成されている。
ステント20の円筒部を形成する金属線材21の交差点は、固着されていない方が好ましく、それによって、金属線材21どうしのずれの自由度が高まり、カテーテル挿入時の縮径や、カテーテルから押出したときの拡径をしやすくすることができる。金属線材21の端部どうしが重なる部分や、金属線材21の端部と金属線材21が重なる部分は、例えば半田、金属ろう、接着剤等で固着してもよく、又は金属材料等にてかしめてもよい。
なお、金属線材21の材料としては、熱処理による形状記憶効果や、超弾性が付与される形状記憶合金が好ましく採用されるが、用途によってはステンレス、タンタル、チタン、白金、金、タングステンなどを用いてもよい。形状記憶合金としては、Ni−Ti系、Cu−Al−Ni系、Cu−Zn−Al系などが好ましく使用される。また、形状記憶合金の表面に金、白金などをメッキ等の手段で被覆したものであってもよい。金属線材21の太さは、特に限定されないが、例えば血管用ステント等の場合には、0.08〜1mmが好ましい。
また、金属線材21としては、Co系合金等にX線不透過材料を含有した線材や、異種金属を多層構造に形成したクラッド材等の線材を用いることもできるが、これらの線材は弾性が低く、大きな変形を加えると塑性変形してしまうので、弾性変形が可能な範囲内でステントを作製する必要があり、形状や、デザイン等が制限される傾向がある。
図10には、上記のような問題点を解決した、本発明において特に好ましく用いられる金属線材が示されている。この金属線材21は、外周の超弾性合金Bと、その中心部のX線不透過性材料Aとで構成される。超弾性合金BとX線不透過性材料Aは、一体であっても、別体で相対的に移動可能であってもよい。この金属線材21は、X線不透過性材料及び超弾性合金で形成されているので、管状器官の屈曲部に自然に曲がって対応することが可能な柔軟性と、ステントの位置をX線透視カメラによって視認できる視認性とを兼ね備えており、ステントを、目的とする管状器官内部の治療箇所に、スムーズに、かつ、正確に留置することができる。なお、金属線材21のうち、少なくとも1本が、外周の超弾性合金Bと、その中心部のX線不透過性材料Aとで構成されていればよく、この場合でもX線透視カメラによる視認性を確保できる。
なお、上記芯線Aとしては、Au、Pt、Pd等の金属が用いられ、超弾性合金Bとしては、Ni−Ti系の形状記憶合金等が好ましく用いられる。また、図10における芯材Aの直径Xと、金属線材21の直径Yとの関係は、芯材Aの横断面積が金属線材21の横断面積に対して10〜40%の範囲となるように設定することが好ましい。
グラフト30は、ステント20の外周を覆い、その両端部でステント20に縫着されている。なお、ステント20の他方の端部においては、前記金属線材21が集束される部分よりも手前までグラフト30で覆われている。なお、グラフト30は、ステント20の内周を覆うように装着されてもよく、内周と外周の両面を覆うように装着されてもよく、更には、ステント20の一部を覆うように装着されてもよいが、好ましくは、ステント20の外周を覆うように装着される。
グラフト30は、熱可塑性樹脂を押出し成形、ブロー成形などの成形方法で円筒状に形成したもの、円筒状に形成した熱可塑性樹脂の繊維の編織物、円筒状に形成した熱可塑性樹脂の不織布、円筒状に形成した可撓性樹脂のシートや多孔質シートなどを用いることができる。編織物としては、平織、綾織などの公知の編物や織物を用いることができる。また、グラフト30としては、クリンプ加工などのヒダの付いたものを使用することもできる。また、グラフト30は、カバーの側部に穴を設けたものを使用することができる。
これらの中でも、グラフト30としては、特に円筒状に形成した熱可塑性樹脂の繊維の編織物、更には円筒状に形成した熱可塑性樹脂の繊維の平織りの織物が、強度及び有孔度、生産性が優れるため好ましい。
熱可塑性樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−α−オレフィン共重合体などのポリオレフィン、ポリアミド、ポリウレタン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリシクロヘキサンテレフタレート、ポリエチレン−2,6−ナフタレートなどのポリエステル、ポリ弗化エチレンやポリ弗化プロピレンなどのフッ素樹脂などの耐久性と組織反応の少ない樹脂などを用いることができる。
特に、化学的に安定で耐久性が大きく、組織反応の少ない、ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル、ポリ弗化エチレンやポリ弗化プロピレンなどのフッ素樹脂を好ましく用いることができる。
上記グラフト30は、上記実施形態においては、ステント20の両端部に縫着されているが、接着、溶着等によって固着することもできる。この場合、ステント20の縮径や拡径を妨げないように、ステント20への固着箇所を選定する必要がある。
グラフト30や、該カバーを構成する繊維、更にステント20を構成する金属線材21は、ヘパリン、コラーゲン、アセチルサリチル酸、ゼラチン等の抗血栓性材料で被覆処理されているものを用いることもできる。
また、上記ステントグラフト10の適当な箇所、例えば両端部等には、X線不透過性材料が固着されていてもよい。X線不透過性材料としては、例えば金、白金、イリジウム、タンタル、タングステン、銀等や、それらを含有する合金などが好ましく使用される。X線不透過性材料は、ステント20に、半田付け、ろう付け、溶着、接着、カシメ等の手段で固着することができる。
また、こうして得られた本発明のステントグラフト10は、その外径が2〜50mm、長さが1〜20cm程度であることが好ましい。
本発明の管状器官の治療具は、上記ステントグラフト10の他に、このステントグラフト10の上記拡径端部22a、22b、22cを保持して、挿入する保持具40を有している。図3、4に示すように、この保持具40は、金属線等からなる屈曲可能な棒状部材41の先端に、複数に分割されて常時は開く方向に弾性付勢されたクランプ部42を設け、この棒状部材41の外周に同じく屈曲可能な樹脂チューブ等からなる筒状部材43を装着して構成されている。なお、クランプ部42の内側には、上記各拡径端部22a、22b、22cが嵌合する凹部が軸方向に並んで形成されている。
そして、筒状部材43の先端部でクランプ部42を覆うと、クランプ部42が閉じた状態に維持され、筒状部材43の先端部からクランプ部42を突出させると、クランプ部42が弾性付勢力によって開くようになっている。なお、この実施形態では、クランプ部42が2つに分割されているが、チャック状に3つ又は4つに分割されていてもよい。
保持具40は、上記クランプ部42でステントグラフト10の各拡径端部22a、22b、22cを保持して、ステントグラフト10を先端に連結させた状態で、ステントグラフト10側からカテーテル50内に挿入され、血管51内に導入されるようになっている。
次に、上記管状器官の治療用具の使用方法について説明する。
まず、常法に従って、図示しないガイドワイヤを血管51内に挿入し、その先端を動脈瘤52が形成された患部に到達させる。その状態で、カテーテル50をガイドワイヤの外周に装着して、ガイドワイヤに沿って血管51内に侵入させ、その先端を同じく上記患部に到達させる。
更に、上記保持具40のクランプ部42で、ステントグラフト10の各拡径端部22a、22b、22cを保持させ、上記カテーテル50内に、ステントグラフト10側から挿入する。カテーテル50の先端を、動脈瘤52の前方に位置させ、ステントグラフト10がカテーテル50の開口部に位置した状態で、カテーテル50を徐々に手元側に引き寄せて、図3(a)に示すように、ステントグラフト10をカテーテル50の先端から突出させる。ステントグラフト10は、カテーテル50から突出すると、ステント20の弾性力や、形状復帰力等によって血管51の内周に圧接されてその位置が固定される。
そして、カテーテル50を更に手元側に引き寄せて、ステントグラフト10の全体を血管51内に突出させると、図3(b)に示すように、ステントグラフト10が動脈瘤52を完全に覆った状態で、血管51内に配置される。なお、ステントグラフト10の設置を修正したい場合には、保持具40を引き寄せて、ステントグラフト10をカテーテル50内に引き込んで、上記操作をやり直すことができる。
こうして、図3(b)に示すように、ステントグラフト10の各拡径端部22a、22b、22cを保持具40のクランプ部42で把持した状態で、ステントグラフト10を血管51内に留置させ、ステントグラフト10が適切な位置に留置できているか、また患者の体に異常が生じないかを観察する。すなわち、動脈瘤52へのエンドリークの確認だけでなく、肋間動脈等が閉塞されて脊髄血流障害等が発生する可能性がないかなどを検査するのである。
なお、前述したように、ステント20の他方の端部において、金属線材21が複数本ずつ段階的に集束されているので、結束された金属線材21どうしの間に隙間が広く開いており、血流を妨げることがなく、血栓等が生じる虞れもない。このことは、ステントグラフト10をカテーテル50から押出すときの血流の影響を軽減することにも寄与し、血流によってステントグラフト10の留置位置がずれることを防止するのにも役立つ。
そして、ステントグラフト10の上記留置箇所が安全であることが確認されたら、図4に示すように、保持具40の筒状部材43を棒状部材41に対して手元側に引き寄せ、クランプ部42を筒状部材43の開口部から突出させると、クランプ部42が弾性力によって開き、ステントグラフト10の各拡径端部22a、22b、22cを開放する。すると、各拡径端部22a、22b、22cは、ステント20自体の弾性によって、血管51の内壁に当接するように広がる。このように集束線材21bの弾性によって拡径端部22a、22b、22cがそれぞれ外方に開き、管状器官の内壁に当接するように配置されるので、管状器官内を流れる血液等の流通を妨げることがなく、血栓が発生したり、血液が流れにくくなったりする虞れがない。
図5には、本発明において、ステント20の金属線材21の集束された端部における形状のいくつかの例が示されている。同図(a)は、金属線材21の集束された端部22aを玉状に拡径させたものであり、前記図1〜4の実施形態に相当するものである。
同図(b)は、金属線材21の集束された端部22bをJ字状に屈曲させたものであり、この場合には、保持具40として、金属ワイヤ44をループ状に形成したものを使用し、上記ループにJ字状の屈曲端部22bを引き掛け、筒状部材43で絞るようにして保持することができる。
同図(c)は、金属線材21の集束された端部22cをループ状に折り曲げた形状にしたものであり、この部分を図3、4に示した保持具40のクランプ42で保持してもよく、あるいは、このループに引き掛けられるフックを有する保持具を用いることもできる。
図6、7には、本発明の治療用具で用いるステントグラフトの他の実施形態が示されている。図6は同ステントグラフトを示す斜視図、図7は同ステントグラフトを軸方向に切って広げた部分展開図である。なお、前記実施形態と実質的に同一部分には、同符合を付してその説明を省略することにする。
このステントグラフト11は、前記実施形態と同様に、金属線材21をメッシュ状かつ筒状に編んで形成したステント20と、このステント20を覆う筒状カバーであるグラフト30とを有している。
そして、このステントグラフト11が前記実施形態と異なる点は、ステント20の他方の端部における金属線材21の集束構造である。すなわち、グラフト30の端部から突出する金属線材21は、まず、2本ずつ捩られて集束され、この集束された集束線材21aが更に2本ずつ捩られて、合計3本の集束線材21bが形成され、こうしてできた3本の集束線材21bが、最後に1本の集束線材21cに集束されている。集束線材21cの端部には、保持具40で保持しやすくするための球状に拡径された拡径端部22が形成されている。
このステントグラフト11では、上記1本の集束線材21cの端部に形成された拡径端部22を、図示しない保持具のクランプ等で把持し、保持具に連結した状態でカテーテルに挿入し、カテーテル先端から患部に押出すことができる。そして、その状態で管状器官内に一時留置させ、他の組織等に対する弊害が生じないかを確認した後、上記クランプを開放させて管状器官内に留置することができる。
なお、この実施形態の場合は、ステントグラフト10を開放して血管51内に留置させた後でも、もし支障があれば、カテーテル50を通して保持具40を挿入し、保持具40のクランプ42でステントグラフト10の拡径端部22を保持してカテーテル50内に引き戻して、位置を修正することが可能である。
図8には、本発明の治療用具で用いるステントグラフトの更に他の実施形態が示されている。
この実施形態のステントグラフト12は、基本的には、図1〜4に示したステントグラフト10と同じ構造をなしているが、ステント20の一方の端部、すなわち集束線材21cの拡径端部22とは反対側の端部から、グラフト40の端縁から突出して側方に向けて延出された突出線材21dを有している点が、前記実施形態と相違している。
この突出線材21は、グラフト30の端縁から突出して側方に伸びており、カテーテル内に収容される場合には、ステントグラフト12の軸方向に伸ばされた状態で収容される。
このステントグラフト12は、例えば血管51の動脈瘤52に隣接して分岐管53が配置されている場合、ステントグラフト30の上記突出線材21dを分岐管53に挿入して係合させることができる。
このため、ステントグラフト12を血管51内に押出すとき、ステントグラフト12の端部を上記突出線材21dの分岐管53への係合によって動かないように固定でき、ステントグラフト12を位置ずれすることなく正確に設置することができる。
図9には、本発明の治療用具で用いるステントグラフトの更に他の実施形態が示されている。
この実施形態のステントグラフト13も、基本的には、図1〜4に示したステントグラフト10と同じ構造をなしているが、ステント20の一方の端部、すなわち集束線材21bの拡径端部22a、22b、22cとは反対側の端部において、グラフト40の端縁からステント20の端部が突出している点が異なっている。ステント20の端部の金属線材21eは、ループ状に折り返しており、頂点部分の高さが交互に異なっている。また、必要に応じてそのループの端部が外径方向に広がっていてもよい。
この実施形態のステントグラフト13によれば、血管等の管状器官内に挿入して留置した際に、グラフト40から突出するステント20の端部が、管状器官の内壁に圧接されるので、ステントグラフト13の固定力を高めることができる。なお、ステント20の端部の金属線材21eのループを外径方向に広がるようにしておけば、上記固定力を更に高めることができる。
また、グラフト40から突出するステント20の端部において、金属線材21eの頂点部分の高さが交互に異なっているので、カテーテルに収納するとき、頂点どうしが重なり合う部分が少なくなる。このため、より縮径しやすくなり、カテーテルへの出し入れがスムーズになる。
本発明は、例えば血管等の管状器官にステントを挿入するための治療用具であって、その留置位置の安全性を確認することができ、留置作業が短時間で済み、患者への負担がより軽減されるようにした管状器官の治療用具として利用することができる。
本発明をステントグラフトの挿入装置に適用した一実施形態を示すステントグラフトの斜視図である。 同ステントグラフトを軸方向に切って広げた部分展開図である。 同ステントグラフトを血管内に挿入する手順を示す説明図であり、(a)はステントグラフトをカテーテルから押出す状態の説明図、(b)はステントグラフトをカテーテルから押出して動脈瘤を覆うように配置した状態の説明図である。 同ステントグラフトを血管内に挿入する手順を示す説明図であって、ステントグラフトを開放した状態の説明図である。 本発明におけるステントの金属線材が集束された端部形状の例を示す説明図である。 本発明の治療用具で用いるステントグラフトの他の実施形態を示す斜視図である。 同ステントグラフトを軸方向に切って広げた部分展開図である。 本発明の治療用具で用いるステントグラフトの更に他の実施形態を示す説明図である。 本発明の治療用具で用いるステントグラフトの更に他の実施形態を示す斜視図である。 本発明におけるステントを形成する金属線材の他の例を示す説明図である。
符号の説明
10、11、12、13 ステントグラフト
20 ステント
21a、21b、21c 集束線材
22、22a、22b、22c 拡径端部
30 グラフト
40 保持具
41 棒状部材
42 クランプ部
43 筒状部材
50 カテーテル
51 血管
52 動脈瘤
A 芯線
B 超弾性合金

Claims (6)

  1. 金属線材を編んでメッシュ状かつ筒状に形成してなるステントを有し、このステントの一端において、前記金属線材が複数本ずつ捩られて集束され、該集束線材が更に複数本ずつ捩られて集束されるというように段階的に集束されていて、この集束された端部が保持具によって開放可能に保持されていることを特徴とする管状器官の治療用具。
  2. 前記集束された端部が複数本となっており、前記保持具から開放されると、互いに開くように構成されている請求項1記載の管状器官の治療用具。
  3. 前記集束された複数本の端部の長さがそれぞれ異なっている請求項2記載の管状器官の治療用具。
  4. 前記集束された端部が1つにまとめられている請求項1記載の管状器官の治療用具。
  5. 前記ステントの外周及び/又は内周には、グラフトが被覆されており、このグラフトの一端は、前記金属線材が集束される部分よりも手前まで前記ステントに被覆されている請求項1〜4のいずれか1つに記載の管状器官の治療用具。
  6. 前記ステントを形成する金属線材は、少なくとも1本が外周の超弾性合金と、その中心部のX線不透過性材料とで構成されている請求項1〜5のいずれか1つに記載の管状器官の治療用具。
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