(発明の要旨)
上で議論されるように、F152の新規アナログの開発およびこれらの生物学的活性の評価に対する必要性が残っている。本発明は、以下の一般式(I):
の新規化合物、およびその薬学的組成物(本明細書中で一般的に、およびサブクラスに記載されるような)を提供し、この化合物は、NK−κB活性化、AP−1活性化のインヒビター、およびプロテインキナーゼ(例えば、MEKK1、MEK1、VEGFr、PDGFr)として有用であり、抗新脈管形成活性を示し、そして/または抗炎症性効果を有する。従って、これらの化合物は、例えば、種々の障害(炎症性障害または自己免疫障害、および悪性または増加した脈管形成を包含する障害が挙げられる)の処置のために有用である。本発明の化合物はまた、外傷(例えば、血管形成術およびステント設置)に供された血管の再狭窄の予防において用途を見出す。
(発明の特定の好ましい実施形態の説明)
F152の新規アナログ、および一般的にこのクラスの大環状物質に接近し、そしてその生物学的活性をさらに開発する必要性を認識して、本発明は、本明細書中により詳細に記載されるような、新規大環状化合物を提供し、これらの化合物は、増加した安定性を示し、そしてNK−κB活性化、AP−1活性化のインヒビター、およびプロテインキナーゼ(例えば、MEKK1、MEK1、VEGFr、PDGFr)である。これらの作用機構に基づいて、これらの化合物は、種々の炎症誘発性サイトカインおよび/または免疫学的サイトカイン(例えば、TNFα、IL−1、IL−6、IL−8、IL−2など)の産生を阻害し、そしてまた、NF−κB経路の調節下での種々の炎症誘発性分子(例えば、COX−2、ICAM−1、ならびにMMP−1およびMMP−3など)の産生を阻害する。また、これらの化合物は、AP−1経路の調節下で、MEK1の阻害を介して、細胞増殖を阻害する能力を有する。さらに、これらの化合物は、VEGFrキナーゼおよびPDGFrキナーゼに対する阻害活性に主として基づいて、新脈管形成を阻害する能力を有する。従って、本発明の化合物、およびその薬学的組成物は、種々の炎症性疾患および異常な細胞増殖の処置のための抗炎症性剤および/または免疫抑制剤として、あるいは癌の処置のための抗脈管形成剤として、有用である。特定の実施形態において、本発明の化合物は、以下が挙げられるがそれらに限定されない疾患および障害の処置のため:敗血症、慢性関節リウマチ、乾癬性関節炎、骨関節炎、炎症性腸疾患(クローン病および潰瘍性大腸炎)、多発性硬化症、アトピー性皮膚炎、広汎性乾癬、喘息、骨粗鬆症、アレルギー性鼻炎、眼の炎症、肝炎、自己免疫障害、全身性エリテマトーデス、同種異型移植片拒絶/対宿主性移植片病、糖尿病、AIDS、固形腫瘍癌、白血病、リンパ腫、非ホジキンB細胞リンパ腫、慢性リンパ性白血病(CLL)、多発性骨髄腫、湿疹、蕁麻疹、重症筋無力症、突発性血小板減少性紫斑病、心血管性疾患(例えば、心筋梗塞、アテローム性動脈硬化症、肝炎、糸球体腎炎、増殖性腎炎、アデノウイルス、中枢神経系の疾患/障害(例えば、発作、アルツハイマー病、てんかん)、ならびに少しの例を挙げればマラリアの症状の処置のために、使用され得る。本発明の化合物はまた、外傷(例えば、血管形成術およびステント設置)に供された血管の再狭窄の予防において、用途を見出す。
さらに、UVB照射への曝露に起因して損傷されていない皮膚の光学的加齢(photoaging)は、転写因子AP−1およびNF−kBの1つまたは両方を阻害する薬剤を、このような曝露の前に皮膚に投与することによって、阻害される(例えば、米国特許第5,837,224号を参照のこと)。従って、本発明の化合物、およびその薬学的組成物は、光学的加齢に関連する障害/状態の処置において、有用である。
(1)本発明の化合物の一般的説明)
特定の実施形態において、本発明の化合物としては、以下にさらに定義されるような一般式(I):
の化合物、ならびにその薬学的に受容可能な誘導体が挙げられ、ここで、R1は、水素、脂肪族、複素脂肪族、脂環式、複素脂環式、アリールまたはヘテロアリールであり;
R2およびR3は、各々独立して、水素、ハロゲン、ヒドロキシル、保護ヒドロキシル、または脂肪族、複素脂肪族、脂環式、複素脂環式、アリールまたはヘテロアリール部分であり得るか;または
R1およびR2は、一緒になる場合、置換または非置換の、飽和または不飽和の、3炭素原子〜8炭素原子の環式環を形成し得るか;または
R1およびR3は、一緒になる場合、置換または非置換の、飽和または不飽和の、3炭素原子〜8炭素原子の環式環を形成し得;
R4は、水素またはハロゲンであり;
R5は、水素、酸素保護基またはプロドラックであり;
R6は、水素、ヒドロキシル、または保護ヒドロキシルであり;
nは、0〜2であり;
R7は、存在する各々に対して、独立して、水素、ヒドロキシル、または保護ヒドロキシルであり;
R8は、水素、ハロゲン、ヒドロキシル、保護ヒドロキシル、アルキルオキシ、またはヒドロキシル、保護ヒドロキシル、SR12、もしくはNR12R13で必要に応じて置換される脂肪族部分であり;
R9は、水素、ハロゲン、ヒドロキシル、保護ヒドロキシル、OR12、SR12、NR12R13、−X1(CH2)pX2−R14、であるか、またはヒドロキシル、保護ヒドロキシル、ハロゲン、アミノ、保護アミノ、または−X1(CH2)pX2−R14で必要に応じて置換されている低級アルキルであり;
ここで、R12およびR13は、存在するものの各々に対して独立して、水素、脂肪族、複素脂肪族,脂環式、複素脂環式、アリールもしくはヘテロアリール;または保護基であるか、あるいはR12およびR13は、一緒になって、1〜4個の炭素原子および1〜3個の窒素原子または酸素原子を含む、飽和または不飽和の環式環を形成し得、そして、R12およびR13の各々は、ヒドロキシル、保護ヒドロキシル、アルキルオキシ、アミノ、保護アミノ、アルキルアミノ、アミノアルキル、またはハロゲンの1以上の存在により必要に応じてさらに置換され、
ここで、X1およびX2は、各々が独立して、存在しないか、または酸素、NH、または−N(アルキル)であるか、あるいは、ここで、X2−R14は、一緒になって、N3であるかまたは飽和もしくは不飽和の、複素環式環部分であり、
pは、2〜10であり、そして、
R14は、水素、またはアリール、ヘテロアリール、アルキルアリール、またはアルキルヘテロアリール部分であるか、あるいは−(C=O)NHR15−(C=O)OR15、または−(C=O)R15であり、ここで、R15の存在の各々は、独立して、水素、脂肪族、複素脂肪族、脂環式、複素脂環式、アリールまたはヘテロアリールであり;あるいは、R14は、−SO2(R16)であり、ここで、R16は、脂肪族部分であり、ここで、1以上のR14、R15、またはR16は、ヒドロキシル、保護ヒドロキシル、アルキルオキシ、アミノ、保護アミノ、アルキルアミノ、アミノアルキル、またはハロゲンのうちの1つ以上の存在によって必要に応じて置換されるか;または
R8およびR9が、一緒になる場合、飽和または不飽和の、1〜4個の炭素原子および1〜3個の窒素原子または酸素原子を含む環式環を形成し得、そして、ヒドロキシル、保護ヒドロキシル、アルキルオキシ、アミノ、保護アミノ、アルキルアミノ、アミノアルキル、またはハロゲンで必要に応じて置換され;
R10は、水素、ヒドロキシル、保護ヒドロキシル、アミノ、または保護アミノで置換され;
R11は、水素、ヒドロキシルまたは保護ヒドロキシルであり;
Xは、存在しないか、またはO、NH、N−アルキル、CH2またはSであり;
Yは、CHR17、O、C=O、CR17またはNR17であり;そして、Zは、CHR18、O、C=O、CR18またはNR18であり、ここで、R17およびR18の存在の各々は、独立して、水素または脂肪族であるか、または一緒になったR17およびR18は、−O−、−CH2−または−NR19−であり、ここで、R19は水素、または低級アルキルであり、そして、YおよびZは、単結合または二重結合によって結合され得る。
上に直接記載される化合物ならびに本明細書中で特定のクラスおよびサブクラスにおいて記載されるような化合物ならびにその薬学的に受容可能な誘導体の特定の実施形態において、以下の基は、定義によれば、同時には存在しない:
Xは、酸素であり、
R1は、S配置のメチルであり、
R2およびR3は、各々が水素であり、
R4水素であり、
R5は、水素、低級アルキルまたは低級アルカノイルであり、
R6は、OR’であり,ここで、R’は、水素、S配置を有する、低級アルキルまたは低級アルカノイルであり、
R7は、水素であり、
YおよびZは、一緒に、−CHR17−CHR18−または−CR17=CR18−を表し、ここで、R17およびR18は、独立して、水素であるか、またはYおよびZが−CHR17−CHR18であるとき、R17およびR18は、一緒になって、−O−であり;
R8は、水素またはOR’であり、ここで、R’は、水素、低級アルキルまたは低級アルカノイルであり、
R9は、OR’であり、ここで、R’は、水素、低級アルキルまたは低級アルカノイルであり、
R10は、OR’’であり、ここで、R’’は、水素、低級アルキルまたは低級アルカノイルであり;そして
R11は、水素である。
特定の他の実施形態において、式(I)の化合物は、以下のように定義される:
R1は、水素、直鎖状または分枝状の低級アルキル、直鎖状または分枝状の低級ヘテロアルキル、またはアリールであり、
ここで、該アルキル基、該ヘテロアルキル基、およびアリール基は、ハロゲン、ヒドロキシルまたは保護ヒドロキシルの1以上の存在するもので必要に応じて置換され得;
R2およびR3の各々が独立して、水素、ハロゲン、ヒドロキシル、保護ヒドロキシル、直鎖状または分枝状の低級アルキル、直鎖状または分枝状の低級ヘテロアルキル、またはアリールであり、
ここで、該アルキル基、ヘテロアルキル基、およびアリール基は、ハロゲン、ヒドロキシルもしくは保護ヒドロキシルの1以上の存在するもので必要に応じて置換され得るか;または
R1およびR2は、一緒なる場合、ハロゲンの1以上存在するもので必要に応じて置換される、飽和または不飽和の、3〜8個の炭素原子の環式環を形成し得るか;または
R1およびR3、一緒になる場合、ハロゲンの1以上存在するもので必要に応じて置換される、飽和または不飽和の、3〜8個の炭素原子の環式環を形成し得;
R4は、水素またはハロゲンであり;
R5は、水素または保護基であり;
R6は、水素、ヒドロキシルまたは保護ヒドロキシルであり;
nは、0〜2であり;
R7は、存在するものの各々に対して、独立して、水素、ヒドロキシル、または保護ヒドロキシルであり;
R8は、水素、ハロゲン、ヒドロキシル、保護ヒドロキシル、アルキルオキシ、またはヒドロキシル、保護ヒドロキシル、SR12、もしくはNR12R13で必要に応じて置換された低級アルキルであり;
R9は、水素、ハロゲン、ヒドロキシル、保護ヒドロキシル、OR12、SR12、NR12R13、−X1(CH2)pX2−R14、またはヒドロキシル、保護ヒドロキシル、ハロゲン、アミノ、保護アミノ、もしくは−X1(CH2)pX2−R14で必要に応じて置換された低級アルキルであり、
ここで、R12およびR13は、存在するものの各々について、独立して、水素、低級アルキル、アリール、ヘテロアリール、アルキルアリール、またはアルキルヘテロアリール、または保護基であるか、またはR12およびR13が、一緒になって、飽和または不飽和の、1〜4個の炭素原子および1〜3個の窒素原子または酸素原子を含む環式環を形成し得、そして、R12およびR13の各々は、ヒドロキシル、保護ヒドロキシル、アルキルオキシ、アミノ、保護アミノ、アルキルアミノ、アミノアルキル、もしくはハロゲンのうちの1以上の存在するもので必要に応じてさらに置換され、
ここで、X1およびX2は、各々独立して、存在しないかまたは酸素、NH、または−N(アルキル)であるか、または、X2−R14は、一緒になって、N3であるか、または飽和または不飽和の、複素環式部分であり、
pは、2〜10であり、そして、
R14は、水素、またはアリール部分、ヘテロアリール部分、アルキルアリール部分、もしくはアルキルヘテロアリール部分であるか、あるいは−(C=O)NHR15−(C=O)OR15、または−(C=O)R15であり、ここで、R15の各存在は、独立して、水素、アルキル、ヘテロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アルキルアリール、またはアルキルヘテロアリールであるか、あるいはR14は、−SO2(R16)であり、ここで、R16は、アルキル部分であり、ここで、R14、R15、またはR16のうちの1つ以上は、必要に応じて、1つ以上存在するヒドロキシル、保護ヒドロキシル、アルキルオキシ、アミノ、保護アミノ、アルキルアミノ、アミノアルキル、またはハロゲンで置換されるか;あるいは
R8およびR9は、一緒になる場合、飽和または不飽和の、1〜4個の炭素原子および1〜3個の窒素原子または酸素原子を含み、そして必要に応じて、ヒドロキシル、保護ヒドロキシル、アルキルオキシ、アミノ、保護アミノ、アルキルアミノ、アミノアルキル、またはハロゲンで置換された環式環を形成し得;
R10は、水素、ヒドロキシル、保護ヒドロキシル、アミノ、または保護アミノであり;
R11は、水素、ヒドロキシルまたは保護ヒドロキシルであり;
Xは、存在しないか、またはO、NH、N−アルキル、CH2もしくはSであり;
Yは、CHR17、O、C=O、CR17またはNR17であり;そしてZは、CHR18、O、C=O、CR18またはNR18であり、ここで、R17およびR18の各存在は、独立して、水素もしくは低級アルキルであるか、またはR17およびR18は、一緒になって、−O−、−CH2−もしくは−NR19−であり、ここで、R19は、水素もしくは低級アルキルであり、そしてYおよびZは、単結合または二重結合によって結合され得る。
特定の他の実施形態において、式(I)の化合物は、以下のように定義される:
R1は、水素、直鎖状または分枝状の低級アルキル、直鎖状または分枝状の低級ヘテロアルキル、またはアリールであり、
ここで、該アルキル基、該ヘテロアルキル基、およびアリール基は、ハロゲン、ヒドロキシルまたは保護ヒドロキシルの1以上の存在するもので必要に応じて置換され得;
R2およびR3の各々が独立して、水素、ハロゲン、ヒドロキシル、保護ヒドロキシル、直鎖状または分枝状の低級アルキル、直鎖状または分枝状の低級ヘテロアルキル、またはアリールであり、
ここで、該アルキル基、ヘテロアルキル基、およびアリール基は、ハロゲン、ヒドロキシルもしくは保護ヒドロキシルの1以上の存在するもので必要に応じて置換され得るか;または
R1およびR2は、一緒なる場合、ハロゲンの1以上存在するもので必要に応じて置換される、飽和または不飽和の、3〜8個の炭素原子の環式環を形成し得;
R4は、水素またはハロゲンであり;
R5は、水素または保護基であり;
R6は、水素、ヒドロキシルまたは保護ヒドロキシルであり;
nは、0〜2であり;
R7は、存在するものの各々に対して、独立して、水素、ヒドロキシル、または保護ヒドロキシルであり;
R8は、水素、ハロゲン、ヒドロキシル、保護ヒドロキシル、アルキルオキシ、またはヒドロキシル、もしくは保護ヒドロキシルで必要に応じて置換された低級アルキルであり;
R9は、水素、ハロゲン、ヒドロキシル、保護ヒドロキシル、OR12、SR12、NR12R13、−X1(CH2)pX2−R14、またはヒドロキシル、保護ヒドロキシル、ハロゲン、アミノ、保護アミノ、もしくは−X1(CH2)pX2−R14で必要に応じて置換された低級アルキルであり、
ここで、R12およびR13は、存在するものの各々について、独立して、水素、低級アルキル、アリール、ヘテロアリール、アルキルアリール、またはアルキルヘテロアリール、もしくは保護基であるか、あるいはR12およびR13が、一緒になって、飽和または不飽和の、1〜4個の炭素原子および1〜3個の窒素原子または酸素原子を含む環式環を形成し得、そして、R12およびR13の各々は、ヒドロキシル、保護ヒドロキシル、アルキルオキシ、アミノ、保護アミノ、アルキルアミノ、アミノアルキル、もしくはハロゲンのうちの1以上の存在するもので必要に応じてさらに置換され、
ここで、X1およびX2は、各々独立して、存在しないかまたは酸素、NH、もしくは−N(アルキル)であるか、あるいは、X2−R14は、一緒になって、N3であるか、または飽和または不飽和の複素環式部分であり、
pは、2〜10であり、そして、
R14は、水素、またはアリール部分、ヘテロアリール部分、アルキルアリール部分、もしくはアルキルヘテロアリール部分であるか、あるいは−(C=O)NHR15−(C=O)OR15、または−(C=O)R15であり、ここで、R15の各存在は、独立して、水素、アルキル、ヘテロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アルキルアリール、またはアルキルヘテロアリールであるか、あるいはR14は、−SO2(R16)であり、ここで、R16は、アルキル部分であり、ここで、R14、R15、またはR16のうちの1つ以上は、必要に応じて、1つ以上存在するヒドロキシル、保護ヒドロキシル、アルキルオキシ、アミノ、保護アミノ、アルキルアミノ、アミノアルキル、またはハロゲンで置換されるか;あるいは
R8およびR9は、一緒になる場合、1〜4個の炭素原子および1〜3個の窒素原子または酸素原子を含み、そして必要に応じて、ヒドロキシル、保護ヒドロキシル、アルキルオキシ、アミノ、保護アミノ、アルキルアミノ、アミノアルキル、またはハロゲンで置換された、飽和または不飽和の環式環を形成し得;
R10は、水素、ヒドロキシル、保護ヒドロキシル、アミノ、または保護アミノで置換され;
R11は、水素、ヒドロキシルまたは保護ヒドロキシルであり;
Xは、存在しないか、またはO、NH、N−アルキル、もしくはCH2であり;
Yは、−CHR17、O、C=O、CR17またはNR17であり;そしてZは、CHR18、O、C=O、CR18またはNR18であり、ここで、R17およびR18の各存在は、独立して、水素もしくは低級アルキルである;ならびに
それらの薬学的に受容可能な誘導体。
特定の実施形態において、本発明は、特定の興味のある化合物の特定のクラスを規定する。例えば、特定の興味のある化合物の1つのクラスは、XがOであり、そしてnが1である、式(I)の構造を有し、そしてこの化合物は、以下の構造:
を有し、ここで、R1〜R11、YおよびZは、先に定義されたとおりである。
特定の興味のある化合物の別のクラスは、R4がハロゲン(Hal)である式(I)の構造を有し、そしてこの化合物は、以下の構造:
を有し、ここで、R1〜R3、R5〜R11、X、Y、Zおよびnは、先に定義されたとおりであり、そしてここで、Halは、フッ素、臭素、塩素およびヨウ素から選択されるハロゲンである。
特定の興味のある化合物の別のクラスは、YおよびZが一緒になって−CH=CH−を表す、式(I)の構造を有し、そしてこの化合物は、以下の構造:
を有し、ここで、R1〜R11、Xおよびnは、先に定義されたとおりである。
特定の興味のある化合物の別のクラスは、R1およびR2が各々メチルであり、そしてR3が水素である、式(I)の構造を有し、そしてこの化合物は、以下の構造:
を有し、ここで、R4〜R11、n、X、YおよびZは、先に定義されたとおりである。
特定の興味のある化合物の別のクラスは、R9がNR12R13である、式(I)の構造を有し、そしてこの化合物は、以下の構造:
を有し、ここで、R1〜R13、n、X、YおよびZは、以下に定義されたとおりであり、
そしてR13およびR8は、一緒になる場合、さらに1〜4個の炭素原子および1〜3個の窒素原子または酸素原子を含み、そして必要に応じて、ヒドロキシル、保護ヒドロキシル、アルキルオキシ、アミノ、保護アミノ、アルキルアミノ、アミノアルキル、およびハロゲンで置換される、飽和または不飽和の環式環を形成し得る。
特定の興味のある化合物の別のクラスは、R9がOR12である、式(I)の構造を有し、そしてこの化合物は、以下の構造:
を有し、ここで、R1〜R12、n、X、YおよびZは、先に定義されたとおりである。
特定の興味のある化合物の別のクラスは、R9が−X1(CH2)pX2R14である、式(I)の構造を有し、そしてこの化合物は、以下の構造:
を有し、ここで、R1〜R11、R14、X、Y、Z、n、X1、X2およびpは、上で定義された通りである。
以下の構造は、これらのクラスの化合物のいくつかの例示的な型を示す。さらなる化合物は、本明細書中の例証において記載される。本発明の他の化合物は、読者に容易に明らかである:
前述のクラスの各々の重要な多数のサブクラスは、別々に言及する価値がある;これらのサブクラスとしては、以下である前述のクラスのサブクラスが挙げられる:
i)R1は、水素、アリールまたは低級アルキルである;
ii)R-1は、水素、フェニル、メチルまたはエチルである;
iii)R1は、メチルである;
iv)R2は、水素、ハロゲンまたは低級アルキルである;
v)R2は、水素、F、メチルまたはエチルである;
vi)R2は、メチルである;
vii)R3は、水素である;
viii)R1およびR2は、各々メチルであり、そしてR3は、水素である;
ix)R1およびR2は、一緒になって、5〜6員環のシクロアルキル部分を形成する;
x)R1およびR3は、一緒になって、5〜6員環のシクロアルキル部分を形成する;
xi)R4は、フッ素、塩素、臭素、およびヨウ素から選択されるハロゲンである;
xii)R4は、水素である;
xiii)R4は、フッ素である;
xiv)R5は、保護基、水素またはプロドラッグ部分である;
xv)R5は、酸素保護基である;
xvi)R5は、メチルエーテル、置換メチルエーテル、置換エチルエーテル、置換ベンジルエーテル、シリルエーテル、エステル、カーボネート、環状アセタールおよびケタールから選択される酸素保護基である;
xvii)R6は、水素、ヒドロキシルまたは保護ヒドロキシルである;
xviii)R6は、保護ヒドロキシルであり、そしてこの保護基は、酸素保護基である;
xix)R6は、保護ヒドロキシルであり、そしてこの保護基は、メチルエーテル、置換メチルエーテル、置換エチルエーテル、置換ベンジルエーテル、シリルエーテル、エステル、カーボネート、環状アセタールおよびケタールから選択される酸素保護基である;
xx)R6は、保護ヒドロキシルであり、そしてこの保護基は、プロドラッグ部分である;
xxi)nは、1である;
xxii)R7は、水素である;
xxiii)R7は、ヒドロキシルである;
xxiv)R7は、保護ヒドロキシルであり、そしてこの保護基は、酸素保護基である;
xxv)R7は、保護ヒドロキシルであり、そしてこの保護基は、メチルエーテル、置換メチルエーテル、置換エチルエーテル、置換ベンジルエーテル、シリルエーテル、エステル、カーボネート、環状アセタールおよびケタールから選択される酸素保護基である;
xxvi)R7は、保護ヒドロキシルであり、そしてこの保護基は、プロドラッグ部分である;
xxvii)YおよびZは、一緒になって、−CH=CH−を表す;
xxviii)YおよびZは、一緒になって、トランス−CH=CH−を表す;
xxix)YおよびZは、一緒になって、−CR17=CR18−を表す;
xxx)YおよびZは、一緒になって、トランスCR17=CR18−を表す;
xxxi)YおよびZは、一緒になって、エポキシドである;
xxxii)YおよびZは、一緒になって、アジリジンである;
xxxiii)YおよびZは、一緒になって、シクロプロピルである;
xxxiv)YおよびZは、一緒になって、−CH2−CH2−である;
xxxv)Zは、Oである;
xxxvi)Yは、Oである;
xxxvii)Zは、C=Oであり、そしてYは、CHR17である;
xxxviii)Zは、NR18であり、そしてYは、CHR17である;
xxxix)Zは、CHR18であり、そしてYは、C=Oである;
xl)Zは、CHR18であり、そしてYは、NR17である;
xli)Xは、OまたはNHである;
xlii)R8は、水素である;
xliii)R8は、ハロゲン、ヒドロキシル、保護ヒドロキシル、アルキルオキシ、または低級アルキルであり、1つ以上のヒドロキシルまたは保護ヒドロキシルである場合、必要に応じて置換される;
xliv)R9は、水素である;
xlv)R9は、OR12であり、ここで、R12は、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、−CH2COOMe、Bn、PMB(MPM)、3,4−CIBnであるか、またはR9は、
である。
xlvi)R9は、NR12R13であり、ここで、R12は、ヒドロキシルまたは保護ヒドロキシルの1つ以上の存在で必要に応じて置換される、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、またはブチルであり、そしてR13は、水素または低級アルキルであるか、あるいはNR12R13は、一緒になって、5員環または6員環の複素環式部分を表す;
xlvii)R9は、O(CH2)pX2R14であり、ここで、X2R14は、一緒になって、N3、NMe2、NHAc、NHSO2Me、NHCONHMe、NHCONHPh、モルホリン、イミダゾール、アミノピリジン、または以下:
のいずれか1つを表す;
xlviii)R10は、ヒドロキシルまたは保護ヒドロキシルである;
xlix)R10は、ヒドロキシルである;そして/または
l)R11は、水素である。
読者が理解するように、特に興味深い化合物としては、とりわけ、上記サブクラスの1つ以上の性質を共有する化合物が挙げられる。これらのサブクラスのいくつかは、以下の種類の化合物によって説明される:
I)以下の式の化合物(およびその薬学的に受容可能な誘導体):
ここで、R5〜R8、R10〜R13は、本明細書中上記およびサブクラスにおいて定義されたとおりである。
II)以下の式の化合物(およびその薬学的に受容可能な誘導体):
ここで、R5〜R8、R10〜R13は、本明細書中上記およびサブクラスにおいて定義されたとおりである。
III)以下の式の化合物(およびその薬学的に受容可能な誘導体):
ここで、R5〜R8、R10、およびR12は、本明細書中上記およびサブクラスにおいて定義されたとおりである。
IV)以下の式の化合物(およびその薬学的に受容可能な誘導体):
ここで、R5〜R8、R10およびR12は、本明細書中上記およびサブクラスにおいて定義されたとおりである。
V)以下の式の化合物(およびその薬学的に受容可能な誘導体):
ここで、R5〜R8、R10、R14、X1、X2およびpは、本明細書中上記およびサブクラスにおいて定義されたとおりである。
VI)以下の式の化合物(およびその薬学的に受容可能な誘導体):
ここで、R5〜R8、R10、R14、X1、X2およびpは、本明細書中上記およびサブクラスにおいて定義されたとおりである。
上記サブグループI〜VIの各々について、種々の他のサブクラスが、特に興味深いこともまた理解され、これらとしては、上記i)〜l)に記載されるクラス、ならびに本明細書中上記および実施例に記載される化合物のクラス、サブクラスおよび種が挙げられるが、これらに限定されない。
上記化合物のいくつかは、1つ以上の不斉中心を含み得、従って、種々の異性体形態(例えば、立体異性体および/またはジアステレオマー)として存在し得る。従って、本発明の化合物およびその薬学的組成物は、個々のエナンチオマー、ジアステレオマーまたは幾何異性体の形態であり得るか、あるいは立体異性体の混合物の形態であり得る。特定の実施形態において、本発明の化合物は、エナンチオ純粋な化合物である。特定の他の実施形態において、立体異性体またはジアステレオマーの混合物が、提供される。
さらに、本明細書中に記載されるような特定の化合物は、他に示されない限り、Z異性体またはE異性体のいずれかとして存在し得る、1つ以上の二重結合を有し得る。本発明は、他の異性体を実質的に含まない個々の異性体としての化合物、および代替的に、種々の異性体の混合物(例えば、立体異性体のラセミ混合物)としての化合物を、さらに包含する。上記化合物自体に加えて、本発明はまた、これらの化合物の薬学的に受容可能な誘導体、ならびに1つ以上の本発明の化合物および1つ以上の薬学的に受容可能な賦形剤または添加剤を含有する組成物を包含する。
本発明の化合物はまた、式(I)の化合物を、異なる条件下で結晶化することによって調製され得、そして一般式(I)の化合物の多型の1つまたは組み合わせとして存在し得、本発明の一部を形成する。例えば、異なる多型が、異なる溶媒、または溶媒の異なる混合物を再結晶のために使用;結晶化を異なる温度で実施することによって;あるいは種々の様式の冷却(結晶化の間の非常に速い冷却から非常に遅い冷却までの範囲)を使用することによって、同定および/または調製され得る。多型の存在は、固体プローブNMR分光法、IR分光法、示差走査熱量測定法、粉末X線回折法および/または他の技術によって、決定され得る。従って、本発明は、本発明の化合物、これらの誘導体、これらの互変異性体、これらの立体異性体、これらの多型、これらの薬学的に受容可能な塩、これらの薬学的に受容可能な溶媒和物、およびこれらを含有する薬学的に受容可能な組成物を包含する。
(2)化合物および定義)
上で議論されたように、本発明は、ある範囲の生物学的特性を有する新規化合物を提供する。本発明の化合物は、炎症性障害および免疫障害、光学的加齢および癌の処置に関する生物学的活性を有する。特定の実施形態において、本発明の化合物は、慢性関節リウマチ、広汎性乾癬、多発性硬化症、および喘息の処置のために有用である。特定の他の実施形態において、本発明の化合物はまた、血管形成術およびステント設置のような外傷に供される血管の再狭窄の予防において用途を見出す。
本発明の化合物には、上で具体的に示し本明細書中で記述したものが挙げられ、一部には、本明細書中の他の箇所で開示された種々の分類、亜属および種により、例示される。
さらに、本発明は、本発明の化合物の薬学的に受容可能な誘導体、およびこれらの化合物を使用して被験体を治療する方法、それらの医薬組成物、またはこれらのいずれかと1種またはそれ以上の追加治療薬との組合せを提供する。本明細書中で使用する「薬学的に受容可能な誘導体」との語句は、このような化合物の任意の薬学的に受容可能な塩、エステル、またはこのようなエステルの塩、または任意の他の付加物または誘導体(これは、患者に投与すると、(直接または間接に)、他に本明細書中で記述した化合物、またはそれらの代謝物のまたは残留物を提供できる)を示す。薬学的に受容可能な誘導体は、それゆえ、特に、プロドラッグを包含する。プロドラッグとは、通常、薬理学活性を有意に低くした化合物の誘導体であって、これは、インビボで除去されやすい追加部分を含み、その薬理学的に活性な種として、親分子を生じる。プロドラックの一例には、インビボで開裂されて目的化合物を生じるエステルがある。種々の化合物のプロドラッグ、およびそれらの親化合物を誘導体化してプロドラックを作成する物質および方法は、公知であり、本発明に適応され得る。ある種の代表的な医薬組成物および薬学的に受容可能な誘導体は、本明細書中、以下でさらに詳細に論述される。
本発明のある種の化合物および特定の官能基の定義もまた、以下でより詳細に記述する。本発明の目的のために、それらの化学元素は、the Periodic Table of the Elements,CAS version,Handbook of Chemistry and Physics,75版、内表紙に従って同定され、特定の官能基は、一般に、本明細書中で記述したように定義される。さらに、有機化学の一般的な原理だけでなく、特定の官能部分および反応性は、「Organic Chemistry」、Thomas Sorrell,University Science Books,Sausalito:1999で記述されている;それらの全内容は、本明細書中で参考として援用されている。さらに、これらの合成方法は、本明細書中で記述したように、種々の保護基を利用することが当業者に理解できる。本明細書中で使用する「保護基」との用語は、特定の官能基部分(例えば、O、SまたはN)が一時的に遮断されて、その結果、多官能性化合物の他の反応部位で反応が選択的に実行できることを意味する。好ましい実施態様では、保護基は、良好な収率で選択的に反応して、保護基質を生じ、これは、計画された反応で安定である;この保護基は、容易に入手でき好ましくは非毒性の試薬(これらは、他の官能基を攻撃しない)により、良好な収率で、選択的に除去されなければならない;この保護基は、(より好ましくは、新しい立体中心を生じることなく)、容易に分離可能な誘導体を形成する;そして、この保護基は、さらなる反応部位を回避するために、最低の追加官能性を有する。本明細書中で詳述するように、酸素、イオウ、窒素および炭素保護基が使用され得る。例えば、ある実施態様では、本明細書中で詳述するように、ある種の代表的な酸素保護基が使用される。これらの酸素保護基には、メチルエーテル、置換メチルエーテル(例えば、少しだけ名前を挙げると、MOM(メトキシメチルエーテル)、MTM(メチルチオメチルエーテル)、BOM(ベンジルオキシメチルエーテル)、PMBMまたはMPM(p−メトキシベンジルオキシメチルエーテル))、置換エチルエーテル、置換ベンジルエーテル、シリルエーテル(例えば、少しだけ名前を挙げると、TMS(トリメチルシリルエーテル)、TES(トリエチルシリルエーテル)、TIPS(トリイソプロピルシリルエーテル)、TBDMS(t−ブチルジメチルシリルエーテル)、トリベンジルシリルエーテル、TBDPS(t−ブチルジフェニルシリルエーテル))、エステル(例えば、少しだけ名前を挙げると、ギ酸エステル、酢酸エステル、安息香酸エステル(Bz)、トリフルオロ酢酸エステル、ジクロロ酢酸エステル)、カーボネート、環状アセタールおよびケタールが挙げられるが、これらに限定されない。他の特定の代表的な実施態様では、窒素保護基が使用される。これらの窒素保護基には、少しだけ名前を挙げると、カルバミン酸エステル(少しだけ名前を挙げると、カルバミン酸メチル、エチルおよび置換エチル(例えば、Troc)を含めて)、アミド、環状イミド誘導体、N−アルキルおよびN−アリールアミン、イミン誘導体ならびにエナミン誘導体が挙げられるが、これらに限定されない。他の特定の代表的な保護基は、本明細書中で詳述されているが、しかしながら、本発明は、これらの保護基に限定されるとは解釈されないことが分かる;むしろ、種々の等価な追加保護基は、上記基準を使用して容易に同定でき、そして本発明で利用できる。さらに、種々の保護基は、「Protective Groups in Organic Synthesis」、3版、Greene,T.W.and Wuts,P.G.著、John Wiley & Sons編,New York:1999で記述されており、その全内容は、本明細書中で参考として援用されている。
これらの化合物は、本明細書中で記述されているように、任意数の置換基または官能部分で置換され得ることが分かる。一般に、「置換された」との用語(その前に「必要に応じて」との用語が付いていようといまいと)および本発明の式に含まれる置換基とは、特定した置換基のラジカルを有する所定の構造にある水素ラジカルを置き換えることを意味する。任意の所定の構造にある1つより多い位置が特定した基から選択される1個より多い置換基で置換され得るとき、その置換基は、どの位置でも、同一または異なるのいずれかであり得る。本明細書中で使用する「置換された」との用語は、有機化合物の全ての許容できる置換基を包含すると企図される。広い局面では、これらの許容できる置換基には、有機化合物の非環式および環式、分枝および非分枝、炭素環式および複素環式、芳香族および非芳香族の置換基が挙げられる。本発明の目的のために、窒素のようなヘテロ原子は、そのヘテロ原子の原子価を満たす本明細書中で記述した有機化合物の水素置換基および/または任意の許容できる置換基を有し得る。さらに、本発明は、いずれの様式でも、有機化合物の許容できる置換基に限定されるとは解釈されない。本発明で想定される置換基および変数の組合せは、好ましくは、例えば、炎症および増殖障害(関節リウマチ、乾癬、喘息および癌を含めるが、これらに限定されない)の治療で有用な安定な化合物の形成を生じるものである。本明細書中で使用する「安定な」との用語は、好ましくは、製造を可能にする十分な安定性を有し、検出されるための十分な時間(好ましくは、本明細書中で詳述する目的に有用な十分な時間)にわたってその化合物の完全性を維持する化合物を意味する。
本明細書中で使用する「脂肪族」との用語は、飽和および不飽和の両方の直鎖(すなわち、非分枝)、分枝脂肪族炭化水素を含み、これらは、必要に応じて、1個またはそれ以上の官能基で置換されている。当業者に理解されるように、「脂肪族」とは、本明細書中にて、アルキル、アルケニル、アルキニル部分を含むと解釈されるが、これらに限定されない。それゆえ、本明細書中で使用する「アルキル」との用語は、直鎖、および分枝のアルキル基を含む。「アルケニル」、「アルキニル」などのような他の一般用語には、類似の慣例が適用される。さらに、本明細書中で使用する「アルキル」、「アルケニル」、「アルキニル」などの用語は、置換基および非置換基の両方を包含する。ある種の実施態様では、本明細書中で使用する「低級アルキル」とは、1個〜6個の炭素原子を有するアルキル基(環式、非環式、置換、非置換、分枝または非分枝)を示すように使用される。
ある実施態様では、本発明で使用されるアルキル基、アルケニル基およびアルキニル基は、1個〜20個の脂肪族炭素原子を含む。特定の他の実施態様では、本発明で使用されるアルキル基、アルケニル基およびアルキニル基は、1個〜10個の脂肪族炭素原子を含む。さらに他の実施態様では、本発明で使用されるアルキル基、アルケニル基およびアルキニル基は、1個〜8個の脂肪族炭素原子を含む。さらに他の実施態様では、本発明で使用されるアルキル基、アルケニル基およびアルキニル基は、1個〜6個の脂肪族炭素原子を含む。さらに他の実施態様では、本発明で使用されるアルキル基、アルケニル基およびアルキニル基は、1個〜4個の脂肪族炭素原子を含む。それゆえ、例証的な脂肪族基には、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、アリル、n−ブチル、sec−ブチル、イソブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、sec−ペンチル、イソペンチル、tert−ペンチル、n−ヘキシル、sec−ヘキシル部分などが挙げられるが、これらに限定されない。また、これらは、1つ以上の置換基を保持し得る。アルケニル基には、例えば、エテニル、プロペニル、ブテニル、1−メチル−2−ブテン−1−イルなどが挙げられるが、これらに限定されない。代表的なアルキニル基には、エチニル、2−プロピニル(プロパルギル)、1−プロピニルなどが挙げられるが、これらに限定されない。
本明細書中で使用される「脂環族」との用語は、脂肪族化合物と環式化合物の特性を兼ね備える化合物を意味し、これらとしては、環式または多環式の脂肪族炭化水素および架橋シクロアルキル化合物が挙げられるがこれらに限定されず、これらは、必要に応じて1つ以上の官能基で置換される。当業者に理解されるように、本明細書中で、「脂環族」とは、シクロアルキル、シクロアルケニルおよびシクロアルキニル部分を含むがこれらに限定されず、これらは必要に応じて1つ以上の官能基で置換されることが意図される。従って、例示的な脂肪族基としては、例えば、シクロプロピル、−CH2−シクロプロピル、シクロブチル、−CH2−シクロブチル、シクロペンチル、−CH2−シクロペンチル−n、シクロヘキシル、−CH2−シクロヘキシル、シクロへキシニルエチル、シクロヘキサニルエチル、ノルボルビル部分などが挙げられるがこれらに限定されず、これらはまた、1つ以上の置換基を保持し得る。
本明細書中で使用する「アルコキシ」(または「アルキルオキシ」)、または「チオアルキル」との用語は、先に定義したように、酸素原子またはイオウ原子を介して親分子部分に結合したアルキル基を意味する。ある実施態様では、このアルキル基は、1個〜20個の脂肪族炭素原子を含む。特定の他の実施態様では、このアルキル基は、1個〜10個の脂肪族炭素原子を含む。さらに他の実施態様では、本発明で使用されるアルキル基、アルケニル基およびアルキニル基は、1個〜8個の脂肪族炭素原子を含む。さらに他の実施態様では、アルキル基は、1個〜6個の脂肪族炭素原子を含む。さらに他の実施態様では、アルキル基は、1個〜4個の脂肪族炭素原子を含む。アルコキシの例には、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシ、tert−ブトキシ、ネオペントキシおよびn−ヘキソキシが挙げられるが、これらに限定されない。チオアルキルの例には、メチルチオ、エチルチオ、プロピルチオ、イソプロピルチオ、n−ブチルチオなどが挙げられるが、これらに限定されない。
「アルキルアミノ」との用語は、−NHR’の構造を有する基を意味し、ここで、R’は、本明細書中で定義したアルキルである。「アミノアルキル」との用語は、−NH2R’の構造を有する基を意味し、ここで、R’は、本明細書中で定義したアルキルである。ある実施態様では、このアルキル基は、1個〜20個の脂肪族炭素原子を含む。特定の他の実施態様では、このアルキル基は、1個〜10個の脂肪族炭素原子を含む。さらに他の実施態様では、本発明で使用されるアルキル基、アルケニル基およびアルキニル基は、1個〜8個の脂肪族炭素原子を含む。さらに他の実施態様では、アルキル基は、1個〜6個の脂肪族炭素原子を含む。さらに他の実施態様では、アルキル基は、1個〜4個の脂肪族炭素原子を含む。アルキルアミノの例には、メチルアミノ、エチルアミノ、イソプロピルアミノなどが挙げられるが、これらに限定されない。
本発明の化合物の上記脂肪族(および他の)部分の置換基の一部の例には、以下が挙げられるが、これらに限定されない:脂肪族;ヘテロ脂肪族;アリール;ヘテロアリール;アルキルアリール;アルキルヘテロアリール;アルコキシ;アリールオキシ;ヘテロアルコキシ;ヘテロアリールオキシ;アルキルチオ;アリールチオ;ヘテロアルキルチオ;ヘテロアリールチオ;F;Cl;Br;I;−OH;−NO2;−CN;−CF3;−CH2CF3;−CHCl2;−CH2OH;−CH2CH2OH;−CH2NH2;−CH2SO2CH3;−C(O)Rx;−CO2(Rx);−CON(Rx)2;−OC(O)Rx;−OCO2Rx;−OCON(Rx)2;−N(Rx)2;−S(O)2Rx;−NRx(CO)Rxであって、ここで、Rxの各出現例には、別個に、脂肪族、ヘテロ脂肪族、アリール、ヘテロアリール、アルキルアリールまたはアルキルヘテロアリールが挙げられるが、これらに限定されず、ここで、上記および本明細書中で記述した脂肪族、ヘテロ脂肪族、アルキルアリールまたはアルキルヘテロアリール置換基のいずれかは、置換または非置換、分枝または非分枝、環式または非環式であり得、ここで、上記および本明細書中で記述したアリールまたはヘテロアリール置換基のいずれかは、置換または非置換であり得る。一般に適用可能な置換基の追加例は、本明細書中で記述された実施例で示された特定の実施態様により、例示される。
一般に、本明細書中で使用する「アリール」および「ヘテロアリール」との用語は、好ましくは、3個〜14個の炭素原子を有する安定で単環式または多環式の複素環、多環式環および多環複素環不飽和部分を意味し、それらの各々は、置換または非置換であり得る。本明細書中で定義したアリールおよびヘテロアリール部分は、脂肪族、脂環族、ヘテロ脂肪族、ヘテロ脂環族のアルキルまたはヘテロアルキル部分を介して結合され得、それゆえ、また、−(脂肪族)アリール、−(ヘテロ脂肪族)アリール、−(脂肪族)ヘテロアリール、−(ヘテロ脂肪族)ヘテロアリール、−(アルキル)アリール、−(ヘテロアルキル)アリール、−(ヘテロアルキル)アリールおよび−(ヘテロアルキル)ヘテロアリール部分が挙げられることも分かる。それゆえ、本明細書中で使用する「アリールまたはヘテロアリール」および「アリール、ヘテロアリール、−(脂肪族)アリール、−(ヘテロ脂肪族)アリール、−(脂肪族)ヘテロアリール、−(ヘテロ脂肪族)ヘテロアリール、−(アルキル)アリール、−(ヘテロアルキル)アリール、−(ヘテロアルキル)アリールおよび−(ヘテロアルキル)ヘテロアリール」との語句は、交換可能である。置換基には、先に述べた置換基(すなわち、脂肪族部分または本明細書中で開示した他の部分について列挙した置換基)のいずれかが挙げられるが、これらに限定されず、その結果、安定な化合物が形成される。本発明のある実施態様では、「アリール」は、1個または2個の芳香環を有する単環式または二環式の炭素環式の環系を意味し、これには、フェニル、ナフチル、テトラヒドロナフチル、インダニル、インデニルなどが挙げられるが、これらに限定されない。本発明のある実施態様では、本明細書中で使用する「ヘテロアリール」との用語は、5個〜10個の環原子を有する環式芳香族ラジカルを意味し、その1個の環原子は、S、OおよびNから選択される;0個、1個または2個の環原子は、S、OおよびNから別個に選択された追加ヘテロ原子である;そして残りの環原子は、炭素であり、このラジカルは、例えば、以下の環原子のいずれかを介して、その分子の残りの部分に結合される:ピリジル、ピラジニル、ピリミジニル、ピロリル、ピラゾリル、イミダゾリル、チアゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアジアゾリル、オキサジアゾリル、チオフェニル、フラニル、キノリニル、イソキノリニルなど。
アリール基およびヘテロアリール基(二環式アリール基を含めて)は、置換または非置換であり得ることが分かり、ここで、置換には、その上の水素原子の1個、2個または3個を、別個に以下の部分のいずれか1個またはそれ以上で置き換えることが挙げられ、これらの部分には、以下が挙げられるが、これらに限定されない:脂肪族;ヘテロ脂肪族;アリール;ヘテロアリール;アルキルアリール;アルキルヘテロアリール;アルコキシ;アリールオキシ;ヘテロアルコキシ;ヘテロアリールオキシ;アルキルチオ;アリールチオ;ヘテロアルキルチオ;ヘテロアリールチオ;F;Cl;Br;I;−OH;−NO2;−CN;−CF3;−CH2CF3;−CHCl2;−CH2OH;−CH2CH2OH;−CH2NH2;−CH2SO2CH3;−C(O)Rx;CO2(Rx);−CON(Rx)2;−OC(O)Rx;−OCO2Rx;−OCON(Rx)2;−N(Rx)2;−S(O)2Rx;−NRx(CO)Rxであって、ここで、Rxの各出現例には、別個に、脂肪族、ヘテロ脂肪族、アリール、ヘテロアリール、アルキルアリールまたはアルキルヘテロアリールが挙げられるが、これらに限定されず、ここで、上記および本明細書中で記述した脂肪族、ヘテロ脂肪族、アルキルアリールまたはアルキルヘテロアリール置換基のいずれかは、置換または非置換、分枝または非分枝、環式または非環式であり得、ここで、上記および本明細書中で記述したアリールまたはヘテロアリール置換基のいずれかは、置換または非置換であり得る。一般に適用可能な置換基の追加例は、本明細書中で記述された実施例で示された特定の実施態様により、例示される。
本明細書中で使用する「シクロアルキル」との用語は、具体的には、3個〜7個の炭素原子、好ましくは、3個〜10個の炭素原子を有する基を意味する。適当なシクロアルキルには、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチルなどが挙げられるが、これらに限定されず、これらは、脂肪族、ヘテロ脂肪族または複素環部分の場合と同様に、必要に応じて、置換基で置換され得、これらの置換基には、以下が挙げられるが、これらに限定されない:脂肪族;ヘテロ脂肪族;アリール;ヘテロアリール;アルキルアリール;アルキルヘテロアリール;アルコキシ;アリールオキシ;ヘテロアルコキシ;ヘテロアリールオキシ;アルキルチオ;アリールチオ;ヘテロアルキルチオ;ヘテロアリールチオ;F;Cl;Br;I;−OH;−NO2;−CN;−CF3;−CH2CF3;−CHCl2;−CH2OH;−CH2CH2OH;−CH2NH2;−CH2SO2CH3;−C(O)Rx;−CO2(Rx);−CON(Rx)2;−OC(O)Rx;−OCO2Rx;−OCON(Rx)2;−N(Rx)2;−S(O)2Rx;−NRx(CO)Rxであって、ここで、Rxの各出現例には、別個に、脂肪族、ヘテロ脂肪族、アリール、ヘテロアリール、アルキルアリールまたはアルキルヘテロアリールが挙げられるが、これらに限定されず、ここで、上記および本明細書中で記述した脂肪族、ヘテロ脂肪族、アルキルアリールまたはアルキルヘテロアリール置換基のいずれかは、置換または非置換、分枝または非分枝、環式または非環式であり得、ここで、上記および本明細書中で記述したアリールまたはヘテロアリール置換基のいずれかは、置換または非置換であり得る。一般に適用可能な置換基の追加例は、本明細書中で記述された実施例で示された特定の実施態様により、例示される。
本明細書中で使用する「ヘテロ脂肪族」との用語は、主鎖の1以上の炭素原子がヘテロ原子置換されている脂肪族部分を意味する。したがって、脂肪族基とは、例えば、炭素原子に代えて、1個またはそれ以上の酸素原子、イオウ原子、窒素原子、リン原子またはケイ素原子を含む脂肪族鎖を意味する。ヘテロ脂肪族部分は、分枝または直鎖の非分枝であり得る。ある実施態様では、ヘテロ脂肪族部分は、その上の水素原子の1個またはそれ以上を1個またはそれ以上の部分で別個に置き換えることにより置換され、これらの部分には、以下が挙げられるが、これらに限定されない:脂肪族;脂環族;ヘテロ脂肪族;ヘテロ脂環族;アリール;ヘテロアリール;アルキルアリール;アルキルヘテロアリール;アルコキシ;アリールオキシ;ヘテロアルコキシ;ヘテロアリールオキシ;アルキルチオ;アリールチオ;ヘテロアルキルチオ;ヘテロアリールチオ;F;Cl;Br;I;−OH;−NO2;−CN;−CF3;−CH2CF3;−CHC12;−CH2OH;−CH2CH2OH;−CH2NH2;−CH2SO2CH3;−C(O)Rx;−CO2(Rx);−CON(Rx)2;−OC(O)Rx;−OCO2Rx;−OCON(Rx)2;−N(Rx)2;−S(O)2Rx;−NRx(CO)Rxであって、ここで、Rxの各出現例には、別個に、脂肪族、脂環族、ヘテロ脂肪族、ヘテロ脂環族、アリール、ヘテロアリール、アルキルアリールまたはアルキルヘテロアリールが挙げられるが、これらに限定されず、ここで、上記および本明細書中で記述した脂肪族、脂環族、ヘテロ脂肪族、ヘテロ脂環族、アルキルアリールまたはアルキルヘテロアリール置換基のいずれかは、置換または非置換、分枝または非分枝、環式または非環式であり得、ここで、上記および本明細書中で記述したアリールまたはヘテロアリール置換基のいずれかは、置換または非置換であり得る。一般に適用可能な置換基の追加例は、本明細書中で記述された実施例で示された特定の実施態様により、例示される。
本明細書中で使用される「ヘテロ脂環族」との用語は、ヘテロ脂肪族化合物と環式化合物の特性を兼ね備える化合物を意味し、これらとしては、飽和および付飽和の単環式または多環式複素環(例えば、モルホリノ、ピロリジニル、フラニル、チオフラニル、ピロリルなど)が挙げられるがこれらに限定されず、これらは、本明細書中で定義されるような1つ以上の官能基で置換される。
さらに、上記または本明細書中に記載される脂環式部分またはヘテロ脂環式部分のいずれかが、それに縮合されたアリールまたはヘテロアリール部分を含み得ることが理解される。一般的に適用可能な置換基の追加例は、本明細書中に記述された実施例に示される特定の実施態様により例示される。
本明細書中で使用する「ハロ」および「ハロゲン」との用語は、フッ素、塩素、臭素およびヨウ素から選択される原子を意味する。
「ハロアルキル」との用語は、そこに1個、2個または3個のハロゲン原子が結合した上で定義したアルキル基を意味し、これは、クロロメチル、ブロモエチル、トリフルオロメチルなどのような基で例示される。
本明細書中で使用する「ヘテロシクロアルキル」または「複素環」との用語は、非芳香族の5員環、6員環または7員環または多環式基を意味し、これらには、酸素、イオウおよび窒素から別個に選択された1個と3個の間のヘテロ原子を有する縮合6員環を含む二環式または三環式基が挙げられるが、これらに限定されず、ここで、(i)各5員環は、0個〜1個の二重結合を有し、そして各6員環は、0個〜2個の二重結合を有し、(ii)この窒素およびイオウヘテロ原子は、必要に応じて、酸化され得、(iii)この窒素ヘテロ原子は、必要に応じて、四級化され得、そして(iv)上記複素環のいずれかは、アリールまたはヘテロアリール環に縮合され得る。代表的な複素環には、ピロリジニル、ピラゾリニル、ピラゾリジニル、イミダゾリニル、イミダゾリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、オキサゾリジニル、イソオキサゾリジニル、モルホリニル、チアゾリジニル、イソチアゾリジニルおよびテトラヒドロフリルが挙げられるが、これらに限定されない。ある実施形態では、「置換ヘテロシクロアルキルまたは複素環」基が使用され、これは、本明細書中で使用するように、その上の水素原子の1個、2個または3個を以下(これらに限定されない)で別個に置き換えて置換した上で定義したヘテロシクロアルキル基または複素環基を意味する:脂肪族;ヘテロ脂肪族;アリール;ヘテロアリール;アルキルアリール;アルキルヘテロアリール;アルコキシ;アリールオキシ;ヘテロアルコキシ;ヘテロアリールオキシ;アルキルチオ;アリールチオ;ヘテロアルキルチオ;ヘテロアリールチオ;F;Cl;Br;I;−OH;−NO2;−CN;−CF3;−CH2CF3;−CHC12;−CH2OH;−CH2CH2OH;−CH2NH2;−CH2SO2CH3;−C(O)Rx;−CO2(Rx);−CON(Rx)2;−OC(O)Rx;−OCO2Rx;−OCON(Rx)2;−N(Rx)2;−S(O)2Rx;−NRx(CO)Rxであって、ここで、Rxの各出現例には、別個に、脂肪族、ヘテロ脂肪族、アリール、ヘテロアリール、アルキルアリールまたはアルキルヘテロアリールが挙げられるが、これらに限定されず、ここで、上記および本明細書中で記述した脂肪族、ヘテロ脂肪族、アルキルアリールまたはアルキルヘテロアリール置換基のいずれかは、置換または非置換、分枝または非分枝、環式または非環式であり得、ここで、上記および本明細書中で記述したアリールまたはヘテロアリール置換基のいずれかは、置換または非置換であり得る。一般に適用可能な置換基の追加例は、本明細書中で記述された実施例で示された特定の実施形態により、例示される。
本明細書中で使用される、「脂肪族」、「ヘテロ脂肪族」、「アルキル」、「アルケニル」、「アルキニル」、「ヘテロアルキル」、「ヘテロアルケニル」、「ヘテロアルキニル」などの用語は、置換および非置換、飽和および不飽和、ならびに直鎖および分枝基を包含する。同様に、「脂環族」、「ヘテロ脂環族」、「ヘテロシクロアルキル」、「複素環」などの用語は、置換および非置換、ならびに飽和および不飽和基を包含する。さらに、「シクロアルキル」、「シクロアルケニル」、「シクロアルキニル」、「ヘテロシクロアルキル」、「ヘテロシクロアルケニル」、「ヘテロシクロアルキニル」、「アリール」、「ヘテロアリール」などの用語は、置換および非置換基を包含する。
(3)合成方法論)
上記のように、本発明は、上記ならびに本明細書中の特定の分類、および亜属のような式(I)を有する、新規の大環を提供する。本発明の化合物の例示的な合成の概要は、以下に提供される(詳細には、スキーム1〜7および本明細書中の実施例中)。本明細書中に記載される方法は、本明細書中に開示される化合物およびその等価物の各々に適用され得ることが理解される。さらに、試薬および開始物質は、当業者に周知である。以下のスキームは、特定の例示的な化合物を記載するが、代替的な開始物質の使用により本発明の他の類似物を得ることが理解される。例えば、XがOである化合物が以下に記載される;しかし、代替的な開始物質および/または中間体を用いて、XがNH、N−アルキル、CH2などである化合物を作製し得る。
一般的に、本明細書中に提供される化合物(特に、改変)(ここで、YおよびZは、一緒になってCH=CHまたはCH2CH2)は、以下に示されるように、環上の改変の位置に依存して、2つの異なる順でこれら3つのセグメントのアセンブリから調製される。
R4改変について、第3の経路は、以下に示されるように、R4を組込むために使用された:
。
YおよびZを有する化合物について、ヘテロ原子は、例えば、N、OまたはCOであり、異なるセットの反応条件は、C−C結合形成の代わりにこれらの結合を形成するために使用された。特定のアナログは、上に示されるこれらの方法のバリエーションを使用して、調製された。
R9アナログについて、本明細書中に提供されるように、以下の(2)に示されるように、上記される一般的方法の他に、一般進行中間体から調製される:
。
特定の実施形態において、この一般進行中間体は、2つの成分(芳香族成分および保護化ジオール成分)から合成され得、この芳香族成分の合成は、スキーム1に示され、本明細書中の実施例においてより詳細に記載され、この保護化ジオール成分の合成は、スキーム2に示され、本明細書中の実施例においてより詳細に記載される。スキーム3に示されるように、そして、本明細書中の実施例においてより詳細に記載されるように、これら2つの成分は、結合され、そして続いて還元され、二重結合を生成する。最後に、大環化は、マクロラクトン中間体を生成するために実施される。
スキーム4に示されるように、そして本明細書中の実施例において記載されるように、保護化ジオール中間体への代替的経路は、R4がハロゲンである化合物への容易なアクセスを提供する。上記され、本明細書中に記載される芳香族成分を有するこの中間体のカップリングは、R4がハロゲンであり、Fと示されるさらなる構造を提供する。
一旦、コア中間体構造が、構築され、種々の他のアナログが、生成され得ることが理解される。1つの実施例において、C14−Oアナログが、提供される(本明細書中に記載される場合、R9)。例えば、スキーム5は、Mitsunobu反応を使用するこれらのアナログを合成し、C14ヒドロキシ部分を官能基化することを示す。
あるいは、スキーム6に示されるように、進行中間体中のヒドロキシル官能基は、アミン官能基で置換され得る。このアミンは、当業者に利用可能な方法を使用して、本明細書中に示されるような種々の官能基(例えば、スキーム6に示されるようなメチル基)でさらに置換され得る。
あるいは、スキーム7および9に示されるように、アミン官能基は、合成の初期に導入され得る。このアミンは、当業者に利用可能な方法を使用して、本明細書中に示されるように種々の官能基(スキーム7および9に示されるように、メチル基またはエチル基)でさらに置換され得る。非環式中間体20の合成は、スキーム8に示される。
芳香族成分上の特定の縮合環系について、異なる芳香族セグメントが、フェノールの代わりに使用される。芳香族フラグメントの合成が、特定の合成技術を必要とする。その一方で、全流れは、以下に示されるように残る(スキーム10)。
(4)研究的使用、処方および投与)
本発明に従うと、本発明の化合物は、抗脈管形成活性、抗炎症性活性、プロテインキナーゼ阻害活性、NF−κB活性化阻害活性およびAP−1活性化阻害活性を有する化合物を同定するための、当該技術分野で公知の利用可能なアッセイのいずれかで、アッセイされ得る。例えば、このアッセイは、細胞性または非細胞性、インビボまたはインビトロ、ハイスループットフォーマットまたはロースループットフォーマットなどであり得る。
従って、1つの局面において、特に興味深い本発明の化合物としては、以下が挙げられる:
NF−κB活性化、AP−1活性化およびプロテインキナーゼ(例えば、MEKK1、MEK1、VEGFr、PDGFr)のインヒビターとして活性を示す;
固形腫瘍に対する抗増殖効果または抗脈管形成効果を示す;
インビトロまたは科学的に受容可能なモデルを使用する動物研究において維持される適切な細胞株に対する抗炎症性効果を示す;
光老化関連障害/状態の処置について有用である;そして/あるいは
好ましい治療プロフィール(例えば、安全性、効能、および安定性)を示す。
上述のように、本明細書中で記述した特定の化合物は、一般に、NF−κB活性化、AP−1活性化およびプロテインキナーゼのインヒビターとしての活性を示す。さらに具体的には、本発明の化合物は、免疫抑制活性を示し、従って、本発明は、さらに、炎症性障害または自己免疫障害を処置するための方法を提供する。本明細書中に記載される特定の化合物はまた、腫瘍増殖および新脈管形成のインヒビターとして作用する。この方法は、この化合物またはそれらの薬学的に受容可能な誘導体の治療有効量を、それを必要とする被験体(これには、ヒトおよび動物が挙げられるが、これらに限定されない)に投与する工程を包含する。特定の実施形態では、本発明の化合物は、いくつか名前を挙げると、敗血症、腎臓障害、慢性関節リウマチ(強直性脊椎炎が挙げられる)、乾癬性関節炎、変形性関節症、骨粗鬆症、アレルギー性鼻炎、眼の炎症、炎症性腸疾患(クローン病、潰瘍性大腸炎)、多発性硬化症、アトピー性皮膚炎、乾癬、喘息、炎症性肺疾患、肝炎、自己免疫障害、全身性エリテマトーデス、同種移植拒絶/対宿主性移植片病、糖尿病、AIDS、固形腫瘍癌、白血病、リンパ腫、非ホジキンB細胞リンパ腫、慢性リンパ性白血病(CLL)、多発性硬化症、湿疹、蕁麻疹、重症筋無力症、特発性血小板減少症紫斑病、心血管疾患(例えば、心筋梗塞、アテローム性動脈硬化症)、肝炎、腎臓障害、再生性腎炎(productive nephritis)、アデノウイルス、中枢神経系の疾患/障害(例えば、発作、アルツハイマー病、癲癇)の処置のため、そしてマラリアの症状の処置のために有用である。
特定の他の実施形態において、本発明の化合物は、光損傷を減少するために有用であり、従って、本発明は、光老化関連障害/状態を処置するための方法をさらに提供する。特定の例示的な実施形態において、本発明の化合物は、皮膚の粗さ、しわ、斑状色素沈着、顔色の悪さ(sallowness)、弛緩、斑状、毛細血管拡張症、ほくろ、紫斑および容易にかすり傷を負うこと(easy bruising)、萎縮症、線維症性脱色素化領域、ならびに最終的な前悪性新生物および悪性新生物の処置および/または予防のために有用である。特定の他の例示的な実施形態において、本発明の化合物は、しわおよび/または皮膚癌の処置および/または予防のために有用である。
(薬学的組成物)
上述のように、本発明は、炎症および自己免疫障害、光老化および癌の処置のために有用な生物学的特性を有する新規化合物を提供する。本発明の化合物はまた、外傷に対する血管対象の再狭窄の防止において用途(例えば、血管形成術およびステント挿入)を見出す。従って、本発明の別の局面において、本明細書中に記載される化合物のいずれか1つを含む薬学的組成物(すなわち、プロドラッグ、薬学的に受容可能な塩もしくはこれらの他の薬学的に受容可能な誘導体)が、提供され、そして、必要に応じて、薬学的に受容可能なキャリアを含む。特定の実施形態において、これらの組成物は、必要に応じて、さらに、1つ以上の追加治療剤を含有する。あるいは、本発明の化合物は、1つ以上の他の治療剤の投与と組み合わせて、それが必要な患者に投与され得る。例えば、本発明の化合物と共に投与されるか本発明の化合物を含む薬学的組成物に含有される追加治療剤は、本明細書中で詳述されているように、癌の処置のために認可されている免疫調節剤(例えば、慢性関節リウマチ、乾癬、多発性硬化症または喘息の処置のための薬剤)または抗脈管形成剤または抗癌剤であり得るか、あるいは、免疫障害または癌の処置について最終的に認可を得た、食品医薬局の認可を受けている多数の薬剤のいずれか1種であり得る。また、本発明の特定の化合物は、処置のための遊離形態で存在し得るか、または適切な場合、それらの薬学的に受容可能な誘導体として存在し得ることが理解される。本発明に従って、薬学的に受容可能な誘導体としては、本発明の化合物の薬学的に受容可能な塩、エステル、このようなエステルの塩、あるいはプロドラッグもしくは他の付加物または誘導体が挙げられるが、これらに限定されず、それらは、必要な患者に投与する際に、直接的または間接的に、本明細書中の他で記述した化合物またはそれらの代謝物もしくは残留物を提供し得る。
本明細書中で使用する場合、「薬学的に受容可能な塩」との用語は、正常な医学的判断の範囲内において、過度の毒性、刺激、アレルギー応答などなしで、ヒトおよび下等動物の組織と接触して使用するために適当な塩であって、合理的な有益性/リスク比と釣り合った塩を意味する。アミン、カルボン酸および他の型の化合物の薬学的に受容可能な塩は、当該技術分野で周知である。例えば、S.M.Bergeらは、J.Pharmaceutical Sciences、66:1−19(1977)(その内容は、本明細書中で参考として援用されている)において、薬学的に受容可能な塩を詳細に記述している。これらの塩は、本発明の化合物の最終的な単離および精製の間に、インサイチュ調製され得るか、以下で一般的に記述するように、遊離塩基官能基または遊離酸官能基を適当な試薬と反応させることにより、別々に調製され得る。例えば、遊離塩基官能基は、適当な酸と反応され得る。さらに、本発明の化合物が酸部分を保持する場合、それらの適切な薬学的に受容可能な塩は、金属塩(例えば、アルカリ金属塩(例えば、ナトリウム塩またはカリウム塩))およびアルカリ土類金属塩(例えば、カルシウム塩またはマグネシウム塩)を含み得る。薬学的に受容可能な非毒性の酸付加塩の例には、無機酸(例えば、塩酸、臭化水素酸、リン酸、硫酸および過塩素酸)または有機酸(例えば、酢酸、シュウ酸、マレイン酸、酒石酸、クエン酸、コハク酸またはマロン酸)と共にまたは当該技術分野で使用される他の方法(例えば、イオン交換)を使用することにより形成されたアミノ基の塩がある。他の薬学的に受容可能な塩としては、アジピン酸塩、アルギン酸塩、アスコルビン酸塩、アスパラギン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、安息香酸塩、重硫酸塩、ホウ酸塩、酪酸塩、ショウノウ酸塩、ショウノウスルホン酸塩、クエン酸塩、シクロペンタンプロピオン酸塩、ジグルコン酸塩、ドデシル硫酸塩、エタンスルホン酸塩、ギ酸塩、フマル酸塩、グルコヘプトン酸塩、グリセロリン酸塩、グルコン酸塩、ヘミ硫酸塩、ヘプタン酸塩、ヘキサン酸塩、ヨウ化水素酸塩、2−ヒドロキシ−エタンスルホン酸塩、ラクトビオン酸塩(lactobionate)、乳酸塩、ラウリン酸塩、ラウリル硫酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、マロン酸塩、メタンスルホン酸塩、2−ナフタレンスルホン酸塩、ニコチン酸塩、硝酸塩、オレイン酸塩、シュウ酸塩、パルミチン酸、パモ酸塩、ペクチン酸塩、過硫酸塩、3−フェニルプロピオン酸塩、リン酸塩、ピクリン酸塩、ピバリン酸塩、プロピオン酸塩、ステアリン酸塩、コハク酸塩、硫酸塩、酒石酸塩、チオシアン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩、ウンデカン酸塩、吉草酸塩などが挙げられる。代表的なアルカリ金属塩またはアルカリ土類金属塩には、ナトリウム、リチウム、カリウム、カルシウム、マグネシウムなどが挙げられる。さらなる薬学的に受容可能な塩としては、適切な場合、非毒性のアンモニウム、四級アンモニウム、およびアミンカチオンが挙げられ、これらは、対イオンを使用して形成される(例えば、ハロゲン化物、水酸化物、カルボン酸塩、硫酸塩、リン酸塩、硝酸塩、低級アルキルスルホン酸塩およびアリールスルホン酸塩)。
さらに、本明細書中で使用する場合、「薬学的に受容可能なエステル」との用語とは、インビボで加水分解するエステルを意味し、これらとしては、ヒトの体内で容易に分解して親化合物またはその塩を残すものが挙げられる。適当なエステル基には、例えば、薬学的に受容可能な脂肪族カルボン酸(特に、アルカン酸、アルケン酸、シクロアルカン酸およびアルカンジオン酸)から誘導されたものが挙げられ、ここで、各アルキル部分またはアルケニル部分は、有利には、6個以下の炭素原子を有する。特定のエステルの例には、ギ酸エステル、酢酸エステル、プロピオン酸エステル、酪酸エステル、アクリル酸エステルおよびエチルコハク酸エステルが挙げられる。
さらに、本明細書中で使用する場合、「薬学的に受容可能なプロドラッグ」との用語は、本発明の化合物のプロドラッグであって、正常な医学的判断の範囲内において、過度の毒性、刺激、アレルギー応答などを伴う、ヒトおよび下等動物の組織と接触して使用するのに適切なプロドラッグであって、合理的な有益性/リスク比と釣り合いかつそれらの意図される用途のために有効なプロドラッグを意味し、そして、可能な場合、本発明の化合物の双性イオン形状も意味する。「プロドラッグ」との用語は、例えば、血液内の加水分解により、インビボで急速に変換されて、上式の親化合物を生じる化合物を意味する。完全な論述は、T.Higuchi and V.Stella,Pro−drugs as Novel Delivery Systems,Vol.14 of the A.C.S.Symposium Series、およびEdward B.Roche編、Bioreversible Carriers in Drug Design,American Pharmaceutical Association and Pergamon Press,1987で提供されており、両方の内容は、本明細書中で参考として援用されている。
上記のように、本発明の薬学的組成物は、さらに、薬学的に受容可能なキャリアを含有し、これは、本明細書中で使用する場合、望ましい特定の投薬形態に適するように、任意の全ての溶媒、希釈剤、または他の液体ビヒクル、分散体または懸濁助剤、界面活性剤、等張剤、増粘剤または乳化剤、防腐剤、固形結合剤、潤滑剤などが挙げられる。Remington’s Pharmaceutical Sciences,第16版,E.W.Martin(Mack Publishing Co.,Easton,Pa.,1980)は、薬学的組成物を処方するのに使用される種々のキャリアおよびそれらの公知の調製技術を開示している。任意の従来のキャリア媒体が、例えば、望ましくない生体効果を生じることにより、あるいは、有害な様式で、薬学的組成物の任意の他の成分と相互作用することにより、本発明の化合物と非相溶性である範囲以外は、その用途は、本発明の範囲内であると企図される。薬学的に受容可能なキャリアとして役立ち得る物質の一部の例には、糖(例えば、ラクトース、グルコースおよびスクロース);デンプン(例えば、コーンスターチおよびポテトスターチ);セルロースおよびその誘導体(例えば、カルボキシメチルセルロースナトリウム、エチルセルロースおよび酢酸セルロース);粉末化トラガカント;モルト;ゼラチン;タルク;賦形剤(例えば、ココアバターおよび坐剤ワックス);オイル(例えば、落花生油、綿実油、サフラワー油、ゴマ油、オリーブ油、とうもろこし油および大豆油);グリコール(例えば、プロピレングリコール);エステル(オレイン酸エチルおよびラウリン酸エチル);寒天;緩衝剤(例えば、水酸化マグネシウムおよび水酸化アルミニウム);アルギン酸;発熱物質非含有水;等張性生理食塩水;リンゲル液;エチルアルコールおよびリン酸緩衝液、ならびに他の非毒性相溶性滑沢剤(例えば、ラウリル硫酸ナトリウムおよびステアリン酸マグネシウム)ならびに着色剤、解離剤、コーティング剤、甘味料、調香剤および香料、防腐剤および酸化防止剤が挙げられるが、これらに限定されず、それらは、調合者の判断に従って、その組成物中に存在し得る。
(本発明の化合物の用途および処方)
本明細書中でさらに詳細に記述するように、一般に、本発明は、炎症または免疫障害の処置、および癌の処置、特に固形腫瘍の処置に有用な化合物を提供する。いずれの特定の理論にも束縛されることを望まないが、さらに一般的には、本発明の化合物は、NF−κB活性を阻害することが示され、炎症の病因における中心的存在としてのNF−κBの同定は、NF−κB標的化療法が炎症性障害および免疫障害で有効であり得ることを示唆している(一般に、Defense and Disease,J.Clin.Investig.2001,107,7のNF−κBを参照)。さらに、本発明の特定の化合物はまた、本明細書中により詳細に記載されるように、インビトロでの、レセプターチロシンキナーゼ活性(例えば、VEGFrおよびPDGFr)を阻害することが示され、これは、癌(固形腫瘍を含む)の処置のために有用である(Angiogenesis:Potentials for Pharmacologic Intervention in the Treatment of Cancer,Cardiovascular Diseases,and Chronic Inflammation,Pharmacological Reviews,2000,52,237を参照のこと)。
本明細書中の例示において詳述されるように、NF−κBを阻害する化合物の能力を決定するためのアッセイにおいて、特定の本発明の化合物は、10μM未満のIC50値を示した。特定の他の実施形態において、本発明の化合物は、7.5μM未満のIC50値を示した。特定の実施形態において、本発明の化合物は、5μM未満のIC50値を示した。特定の他の実施形態において、本発明の化合物は、2.5μM未満のIC50値を示した。特定の実施形態において、本発明の化合物は、1μM未満のIC50値を示した。特定の実施形態において、本発明の化合物は、0.75μM未満のIC50値を示した。特定の実施形態において、本発明の化合物は、0.5μM未満のIC50値を示した。特定の実施形態において、本発明の化合物は、0.25μM未満のIC50値を示した。特定の実施形態において、本発明の化合物は、0.1μM未満のIC50値を示した。特定の他の実施形態において、本発明の化合物は、750nM未満のIC50値を示した。特定の他の実施形態において、本発明の化合物は、500nM未満のIC50値を示した。特定の他の実施形態において、本発明の化合物は、250nM未満のIC50値を示した。特定の他の実施形態において、本発明の化合物は、100nM未満のIC50値を示した。他の実施形態において、本発明の化合物は、75nM未満のIC50値を示した。他の実施形態において、本発明の化合物は、50nM未満のIC50値を示した。
なお他の実施形態において、特定の化合物は、インビトロでの腫瘍細胞株の増殖を阻害するためのこれらの活性について試験された。特定のこれらの化合物は、10μM未満のIC50値を示した。特定の他の実施形態において、本発明の化合物は、7.5μM未満のIC50値を示した。特定の実施形態において、本発明の化合物は、5μM未満のIC50値を示した。特定の他の実施形態において、本発明の化合物は、2.5μM未満のIC50値を示した。特定の実施形態において、本発明の化合物は、1μM未満のIC50値を示した。特定の実施形態において、本発明の化合物は、0.75μM未満のIC50値を示した。特定の実施形態において、本発明の化合物は、0.5μM未満のIC50値を示した。特定の実施形態において、本発明の化合物は、0.25μM未満のIC50値を示した。特定の実施形態において、本発明の化合物は、0.1μM未満のIC50値を示した。特定の他の実施形態において、本発明の化合物は、750nM未満のIC50値を示した。特定の他の実施形態において、本発明の化合物は、500nM未満のIC50値を示した。特定の他の実施形態において、本発明の化合物は、250nM未満のIC50値を示した。特定の他の実施形態において、本発明の化合物は、100nM未満のIC50値を示した。他の実施形態において、例示的な化合物は、75nM未満のIC50値を示した。他の実施形態において、例示的な化合物は、50nM未満のIC50値を示した。
上述のように、本発明の化合物は、免疫調節活性を示し、レセプターチロシンキナーゼの阻害によって新脈管形成の阻害についての活性を示す。このように、本発明の化合物は、種々の疾患、以下が挙げられるがこれらに限定されない:いくつか名前を挙げると、敗血症、腎臓障害、慢性関節リウマチ(強直性脊椎炎が挙げられる)、乾癬性関節炎、変形性関節症、骨粗鬆症、アレルギー性鼻炎、眼の炎症、炎症性腸疾患、アトピー性皮膚炎、乾癬、喘息、クローン病、潰瘍性大腸炎、炎症性肺疾患、肝炎、自己免疫障害、糖尿病、AIDS、固形腫瘍癌、白血病、リンパ腫、非ホジキンB細胞リンパ腫、慢性リンパ性白血病(CLL)、多発性硬化症、全身性エリテマトーデス、同種移植拒絶/対宿主性移植片病、湿疹、蕁麻疹、重症筋無力症、特発性血小板減少症紫斑病、心血管疾患(例えば、心筋梗塞、アテローム性動脈硬化症)、肝炎、再生性腎炎、アデノウイルス、中枢神経系の疾患/障害(例えば、発作、アルツハイマー病、癲癇)の処置のために有用である。そして、本発明の化合物は、マラリアの症状の処置のために有用である。特定の実施形態において、本発明の化合物は、慢性関節リウマチ、乾癬、多発性硬化症、喘息および癌の処置のために特に有用である。
慢性関節リウマチは、末梢関節の非特異的で、通常、対称的な炎症によって特徴付けられ、一般化された発現を有するかまたは有さない、関節構造および関節周囲構造の進行性の破壊を生じる(一般的に、The Merck Manual,1999,第17版、Merck & Co.(この内容の全体は、本明細書中に参考として援用される)を参照のこと)。過去の研究は、炎症性細胞および前炎症性サイトカイン(例えば、TNFα、IL−1β)の存在が、罹患した滑膜中に豊富であることを確立した。マクロファージ由来管壁細胞の増加は、初期疾患におけるいくつかのリンパ球変化および脈管変化と共に顕著である。治療が存在しないが、生体因子(例えば、Enbrel、RemicadeまたはAnakinra)の介入による循環性前炎症性サイトカイン(例えば、TNFα、IL−1β)の減少は、症状の低減における効力および臨床試験における疾患の進行の遅延を示した。NF−κB阻害による前炎症性サイトカインの調節における薬剤の開発(例えば、本願に記載される)は、RA患者に対して多大な利益をもたらし得る。
乾癬は、病気に効く療法が存在しない障害であるが、ほとんどの場合において、急性の発作が制御され得る。乾癬は、乾燥、限局性、銀白色の、スケーリング(scaling)丘疹および種々のサイズの斑によって特徴付けられる慢性の再発性疾患であり、伝統的に、上皮細胞増殖の増加および同時に起こる皮膚の炎症に寄与する。免疫抑制性薬物(シクロスポリン)に対する乾癬の応答は、原発性病原性因子が、免疫学的であり得ることを示唆する。上皮細胞の増殖はまた、皮膚に対する損傷、照射またはストレスからの刺激によるAP−1活性化に連結される(P.Angelら、「Function and regulation of AP−1 subunits in skin physiology and pathology」、Oncogene,2001,20:2413−2423;およびA.Grandjean−Laquerriereら、「Relative contribution of NF−kB and AP−1 in the modulation by Curcumin and pyrrolidine dithiocarbamate of the UVB−induced cytokine expression by keratinocytes」、Cytokine,2002,18(3):168−177(これらの各々は、その全体を本明細書中で参考として援用される)を参照のこと)。乾癬に対する現在利用可能な処置レジメンは、滑沢剤、角質溶解剤、局所的コルチコステロイド(cortisosteroid)、日光、局所的ビタミンD誘導体、アントラリン、および全身性の代謝拮抗物質(例えば、メトトレキサート)、免疫抑制性薬物(例えば、シクロスポリン、タクロリムス(tacrolimus)、ミコフェノレート、およびモフェチル)の使用を含む。しかし、免疫抑制性薬物は、乾癬の処置についてまだ認可されておらず、他の薬物(コルチコステロイドを含む)は、重篤な副作用(増悪または膿疱性病変を含む)を有する(一般的に、The Merck Manual,1999,第17版、Merck & Co.(この内容の全体は、本明細書中に参考として援用される)を参照のこと)。本発明は、この疾患および宿主のほかの関連する疾患(例えば、わずかに名前のみ挙げると、乾癬性関節炎、強直性脊椎炎)に、確かに適用可能である。
喘息はまた、免疫学的異常および増大した炎症性応答に関与すると考えられる。乾癬と同様に、病気に効く療法が存在しない。従って、新規療法の開発(例えば、本療法、好ましくは、安全かつ病気に効く療法)が、望ましい。これはまた、関連する免疫学的障害(例えば、移植片拒絶、SLEなど)に適用される。
脈管新生、すなわち既存の毛管から出た新規の血管形成は、多くの生理学的プロセスおよび病理学的プロセス(例えば、癌、虚血性疾患および慢性炎症)に対して根本である一連の事象である。いくつかの脈管新生促進性分子(例えば、血管内皮細胞増殖因子(VEGF)、線維芽細胞増殖因子(FGF))が同定されている(Angiogenesis:Potentials for Pharmacologic Intervention in the Treatment of Cancer,Cardiovascular Diseases,and chronic Inflammation,Pharmacological Reviews,2000,52,253を参照のこと)。従って、レセプターチロシンキナーゼ(例えば、VEGFr)活性の阻害は、種々の進行中の臨床試験の課題となっている。本発明の特定の化合物は、強力なVEGFr阻害を示した。従って、このような適用が、期待される。
上記に考察されるように、本発明の化合物はまた、外傷に供された血管の再狭窄の予防における使用(例えば、血管形成術およびステント挿入術(stenting))を見出す。例えば、本発明の化合物は、移植された医療デバイス(例えば、チュービング、シャント、カテーテル、人工移植物、ピン、ペースメーカーのような電気的移植物)のためのコーティングおよび特に動脈ステントまたは静脈ステント(バルーン拡大可能なステント)のためのコーティングとして有用であることが、企図される。特定の実施形態において、本発明の化合物は、移植可能な医療デバイスに結合され得るか、または代替的に、移植可能デバイスの表面に受動的に吸収され得る。他の特定の実施形態において、本発明の化合物は、例えば、ステント、スツール、埋め込み式カテーテル、プロテーゼ(補綴物)などのような、外科手術デバイスもしくは医療デバイスまたは外科的移植物もしくは医療的移植物の中に含まれるよう処方され得るか、それらによる放出に適合されるよう処方され得る。
特定の例示的な実施形態において、本発明の化合物は、ステントのためのコーティングとして使用され得る。ステントは、代表的に、ステント外側表面から管腔に伸びる開口部の様式を有する、開管状構造である。レーザー機械を用いて表面上に一様の切断を有する、生体適合性金属材料のステントを作製することが、通常である。このステントは、表面上の不均一性を最小にするために、電気的に研磨され得る。何故なら、これらの不均一性は、不都合な生物学的応答を誘発し得るからである。しかし、ステントは、依然として異物生体反応を刺激し得、これは結果的に血栓形成または再狭窄を生じる。これらの合併症を避けるため、種々のステントのコーティングおよび組成物が、これらの合併症および他の合併症の発生率を低減すること、およびそれ自身によるかまたは治療化合物の管腔への送達により組織機能を回復することの両方のために、従来技術文献において提案されている。例えば、抗増殖活性および抗炎症活性を有する薬物が、ステントコーティングとして評価されており、そして再狭窄を防止することにおいて有望性を示している(例えば、Presbitero P.ら,「Drug eluting stents do they make the difference?」,Minerva Cardioangiol,2002,50(5):431−442;Ruygrok P.N.ら,「Rapamycin in cardiovascular medicine」,Intern.Med.J.,2003,33(3):103―109;およびMarx S.O.ら,「Bench to bedside:the development of rapamycin and its application to stent restenosis」,Circulation,2001,104(8):852−855を参照のこと、これら参考文献の各々はその全体が参考として本明細書中で援用される)。従って、いずれの特定の理論と結び付けられることは所望しないが、本出願人は、抗炎症効果および/または抗増殖効果を有する本発明の化合物が、とりわけ再狭窄の予防または再狭窄率の低減のために、ステントコーティングとして使用され得ることおよび/または薬物送達デバイスにおいて使用され得ることを、提案する。再狭窄を予防するためのステントコーティングおよび/または局所的ステント薬物送達に関する種々の組成物および方法は、当該分野で公知である(例えば、米国特許第6,517,889号;同6,273,913号;同6,258,121号;同6,251,136号;同6,248,127号;同6,231,600号;同6,203,551号;同6,153,252号;同6,071,305号;同5,891,507号;同5,837,313号および米国特許出願公開第US2001/0027340号を参照のこと、これらの各々はその全体が参考として本明細書中で援用される)。例えば、ステントは、ポリマー−薬物結合体を用いて、ポリマー−薬物中にステントを浸漬することによるか、またはこのような溶液をステントにスプレーすることにより、コーティングされ得る。特定の実施形態において、移植可能デバイスに適合可能な材料としては、生体適合性かつ無毒性の材料が挙げられ、そしてこの材料は金属(例えば、ニッケル−チタン合金)、スチール、または生体適合性のポリマー、ヒドロゲル、ポリウレタン、ポリエチレン、エチレン酢酸ビニルコポリマーなどから選択され得る。特定の実施形態において、本発明の化合物は、バルーン血管形成術後の動脈または静脈中への挿入のためのステント上にコーティングされる。
従って、本発明は、血管外傷後の人為的再狭窄または人為的閉塞を阻害する方法であって、これを必要とする被験体に対して、適切なポリマーまたはポリマー性材料と結合体化された本発明の化合物を含む組成物を投与する工程を包含する方法のような、特定の広範な局面において記載され得る。本方法の実施において、被験体は、例えば、冠動脈バイパス患者、血管外科手術患者、器官移植患者、または冠動脈血管形成術患者もしくは他の任意の人工的血管形成術患者であり得、そして組成物は、直接投与され得るか、静脈内投与され得るか、またはさらに、血管外傷部位に移植されるためのステント上にコーティングされ得る。
別の局面において、本発明は、本明細書中に開示される本発明の化合物のいずれかでコーティングされるか、またはそれ以外にこれを含有および/もしくは放出するように構築される、移植物および外科手術デバイスまたは医療デバイス(ステントおよびグラフトを含む)を包含する。特定の実施形態において、本化合物は、抗炎症活性および/または抗増殖活性を有する。特定の他の実施形態において、本化合物は、平滑筋細胞の増殖を阻害する。本発明の移植物および外科手術デバイスまたは医療デバイスの代表例としては、以下が挙げられる:心臓血管デバイス(例えば、移植可能な静脈カテーテル、静脈の出入口、トンネル化静脈カテーテル、長期の注入ラインまたは注入口(肝動脈注入カテーテルを含む)、ペースメーカーのワイヤ、移植可能な細動除去器);神経学的デバイス/神経外科学的デバイス(例えば、脳室−腹膜シャント、脳室−心房シャント、神経刺激性デバイス、椎弓切除術後の硬膜外繊維形成を防止するための持続性パッチおよび持続性移植物、継続的なくも膜下腔注入のためのデバイス);胃腸管デバイス(例えば、長期埋め込み式カテーテル、食事供給チューブ、門脈静脈(portosystemic)シャント、腹水のためのシャント、薬物送達のための腹膜移植物、腹膜透析カテーテル、ヘルニアのための移植可能なメッシュ、外科手術的な癒着を防ぐための懸濁物または固体移植物(メッシュを含む));尿路デバイス(例えば、子宮移植物(子宮内デバイス(IUD)および子宮内膜増殖症を予防するためのデバイスを含む)、卵管移植物(取り外し可能な避妊デバイスを含む)、卵管ステント、尿失禁に対する人工括約筋および傍尿道移植物、尿管ステント、長期埋め込み式カテーテル、膀胱拡大物、または精管吻合のためのラップまたはスプリント(副木));眼科学的(phthalomologic)移植物(例えば、血管新生緑内障に対するモルテノ(multino)移植物および他の移植物、翼状片に対する薬物溶出性コンタクトレンズ、失敗した涙嚢鼻腔吻合に対するスプリント、角膜血管新成(neocascularity)に対する薬物溶出性コンタクトレンズ、糖尿病性網膜症に対する移植物、高リスクの網膜移植物に対する薬物溶出性コンタクトレンズ);耳咽喉科学的デバイス(例えば、伝音移植物、鼓膜横断式(transtempanic)ドレーンに対する代替物としての粘液性滲出液または慢性中耳炎に対する耳管スプリントまたは耳管ステント);形成性外科手術的移植物(例えば、胸筋不足(subprctoral)もしくは腺分泌物不足(subgrandular)のアプローチまたは乳房除去術後におけるゲル含有豊胸移植物(breast implant)または生理食塩水含有豊胸移植物あるいは顎移植物に応答した、線維性拘縮の予防);ならびに整形外科的移植物(例えば、セメント化整形外科的プロテーゼ)。
移植物および他の外科的デバイスまたは医療デバイスは、種々の様式で、本発明の組成物でコーティングされ得る(またはそうでなければこれを放出するように適合され得る)。この様式は、例えば、以下を含む:(a)移植物またはデバイスに、本発明の化合物または組成物を直接付着させることによる様式(例えば、ポリマー/薬物フィルムを移植物もしくはデバイスにスプレーすること、または移植物もしくはデバイスをポリマー/薬物溶液中に浸漬すること、あるいは他の共有手段または非共有手段によることのいずれかの様式);(b)ヒドロゲルのような物質で移植物またはデバイスをコーティングし、次いでこのヒドロゲルが本発明の化合物または組成物を吸収することによる様式;(c)移植物またはデバイス中に本発明の化合物または組成物でコーティングされた糸(または糸に形成されたポリマー自体)を織り込むことによる様式;(d)本発明の化合物もしくは組成物から構成されるかまたはこれでコーティングされたスリーブまたはメッシュ中に、移植物またはデバイスを挿入することによる様式;(e)本発明の化合物または組成物を用いて移植物自体またはデバイス自体を構築することによる様式;あるいは(f)そうでなければ、本発明の化合物を放出するように移植物またはデバイスを適合させることによる様式。特定の実施形態において、本組成物は、保存の間および挿入時に移植物またはデバイスにしっかりと接着するべきである。本発明の化合物または組成物はまた、好ましくは、保存の間、挿入前、または体内への挿入後(これが必要とされる場合)に体温まで暖められた場合に、分解しないべきである。さらに、好ましくは、ステントの外形を変更しないまま、なめらかにかつむらなく本発明の化合物を均一に分配させて、移植物またはデバイスをコーティングするべきである。本発明の好ましい実施形態の中で、本発明の移植物またはデバイスは、一旦これが展開されると、本発明の移植物またはデバイスを囲む組織中に、本発明の化合物または組成物の、均一で予測可能で長時間の放出を提供するべきである。血管ステントについては、上記の特性に加え、本組成物は、(このステント自体がコーティングされない場合に生じると推測されるより多大には)このステントがトロンボゲン形成(血餅を形成させる原因となる)をさせないべきであるか、または血流中に重大な乱流を引き起こさせないべきである。
ステントの場合、広範な種々のステントは、本明細書中に提供される本発明の化合物または組成物を含むように、そして/または放出するように、開発され得、これらステントとしては以下が挙げられる:食道ステント、胃腸管ステント、血管ステント、胆管ステント、結腸ステント、膵臓ステント、尿管ステントおよび尿道ステント、涙腺ステント、エウスタキーオ管ステント、ファローピウス管ステント、および気管/気管支ステント(例えば、米国特許第6,515,016号を参照のこと、この全体の内容は、本明細書中で参考として援用される)。ステントは、商用供給源より容易に入手され得るか、または周知の技術に従って容易に構築され得る。ステントの代表的な例としては、以下に記載されるものが挙げられる:「Hydrogel Adhesive」という表題の米国特許第4,768,523号;「Expandable Intraluminal Graft,and Method and Apparatus for Implanting and Expandable Intraluminal Graft」という表題の米国特許第4,776,337号;「Endovascular Stent and Delivery System」という表題の米国特許第5,041,126号;「Indwelling Stent and Method of Use」という表題の米国特許第5,052,998号;「Self−Expanding Prosthesis Having Stable Axial Length」という表題の米国特許第5,064,435号;「Water−insoluble Polysaccharide Hydrogel Foam for Medical Applications」という表題の米国特許第5,089,606号;「Nitinol Stent for Hollow Body Conduits」という表題の米国特許第5,147,370号;「Indwelling Stent」という表題の米国特許第5,176,626号;「Biodegradable Polymeric Endoluminal Sealing Process」という表題の米国特許第5,213,580号;および「Method and Apparatus for Treatment of Focal Disease in Hollow Tubular Organs and Other Tissue Lumens」という表題の米国特許第5,328,471号。
上記に考察したように、本発明の組成物でコーティングされた(またはそうでなければそれを放出するよう適合された)ステントは、血管閉塞を排除するため、そして再狭窄の防止または再狭窄率の低下のために、使用され得る。本発明の別の局面の中では、本発明の組成物でコーティングされた(またはそうでなければそれを放出するよう適合された)ステントが、体内通路の管腔を拡大するために、提供される。具体的に、ほぼ管状構造を有するステント、および本発明の化合物または組成物でコーティングされた(またはそうでなければそれを放出するよう適合された)表面は、通路中に挿入され得、その結果、この通路は拡大される。特定の実施形態において、本発明の組成物でコーティングされた(またはそうでなければそれを放出するよう適合された)ステントは、胆管閉塞、胃腸管閉塞、食道閉塞、気管/気管支閉塞、尿道閉塞または血管閉塞を排除するために、使用され得る。
本発明の別の局面において、免疫障害および癌の処置のための方法が提供され、この方法は、治療有効量の式(I)の化合物(本明細書中に記載されるとおり)を、これを必要とする被験体に投与する工程を包含する。特定の実施形態において、本発明の化合物は、慢性関節リウマチ、乾癬、多発性硬化症、喘息および癌の処置に有用である。この化合物および組成物は、本発明の方法に従って、炎症性障害の処置に有効な、任意の量および任意の投与経路を使用して、投与され得る。この炎症性障害としては、慢性関節リウマチ、乾癬、多発性硬化症、喘息および癌が挙げられるが、これらに限定されない。従って、本明細書中で使用される場合、「有効量」との表現は、腫瘍細胞の増殖を阻害するのに十分な量の薬剤をいうか、または慢性関節リウマチ、乾癬、多発性硬化症、喘息および癌(または任意の炎症性応答もしくは炎症性障害)の影響を低減するのに十分な量をいう。必要とされる正確な量は、被験体の種、年齢および全身状態、疾患の重篤度、特定の抗癌剤、その投与様式などに依存して、被験体ごとに変動する。本発明の化合物は、好ましくは、投与の容易さおよび投薬量の均一性のために、投薬単位形態で処方される。本明細書中で使用される場合、「投薬単位形態」との表現は、処置されるべき患者に適切な、物理的に別個な単位の治療剤をいう。しかし、本発明の化合物および組成物の1日あたりの総使用量は、正常な医療的判断の範囲内で、主治医によって決定されることが、理解される。任意の特定の患者または生物に対する特定の治療有効投薬レベルは、以下に挙げられる種々の要因に依存する:処置される障害およびその障害の重篤度、使用される特定の化合物の活性;使用される特定の組成物;患者の年齢、体重、全身の健康状態、性別および食事;使用される特定の化合物の投与時間、投与経路および排出速度;処置の持続時間、使用される特定の化合物と組み合わせて使用されるかまたは同時に使用される薬物;ならびに医療分野において周知の類似の要因(例えば、GoodmanおよびGilmanの「The Pharmacological Basis of Therapeutics」第10版、A.Gilman,J.HardmanおよびL.Limbird編、McGraw−Hill Press,155−173,2001を参照のこと、これはその全体が本明細書中で参考として援用される)。
特定の他の実施形態において、本発明の化合物または組成物でコーティングされた(またはそうでなければそれを放出するよう適合された)本発明の移植物および他の外科手術的デバイスまたは医療デバイスを使用するための方法が、提供される。特定の実施形態において、再狭窄を防止するための方法が提供され、この方法は、閉塞した血管内にステントを挿入し、その結果、その閉塞は排除され、そして本発明の化合物または組成物が、再狭窄を予防するのに有効な量で送達される工程を包含し、このステントはほぼ管状の構造を有し、この構造の表面は本発明の化合物または組成物でコーティングされる(またはそうでなければそれを放出するよう適合され)。他の実施形態において、再狭窄を予防するための方法が提供され、この方法は、閉塞した血管中にステントを挿入し、その結果、その閉塞は排除され、そして本発明の化合物または組成物が、平滑筋細胞増殖を防止するのに有効な量で送達される工程を包含し、このステントはほぼ管状の構造を有し、この構造の表面は、本発明の化合物または組成物でコーティングされ(またはそうでなければそれを放出するよう適合され)る。
本発明の他の局面の中で、体内通路の管腔を拡大するための方法が提供され、この方法は、その通路中にステントを挿入し、その結果、その通路が拡大される工程を包含し、このステントはほぼ管状の構造を有し、この構造の表面は本発明の化合物または組成物でコーティングされる(またはそうでなければそれを放出するよう適合され)。特定の実施形態において、体内通路の管腔は、胆管閉塞、胃腸管閉塞、食道閉塞、気管/気管支閉塞、尿道閉塞および/または血管閉塞を排除するために、拡大される。
特定の実施形態において、胆管閉塞を排除するための方法が提供され、この方法は、胆管の通路中に胆管ステントを挿入し、その結果、その胆管閉塞は排除される工程を包含し、このステントはほぼ管状の構造を有し、この構造の表面は、本発明の化合物または組成物でコーティングされる(またはそうでなければそれを放出するよう適合され)。簡潔に述べると、通常の胆管の腫瘍過増殖は、進行性の胆汁鬱帯性黄疸を生じ、これは生命とは相容れない。一般的に、肝臓から十二指腸中に胆汁を排出する胆汁系は、以下によって最もしばしば閉塞される:(1)胆管細胞からなる腫瘍(胆管癌)、(2)胆管に侵入する腫瘍(例えば、膵臓癌)、または(3)過度の圧迫を及ぼしそして胆管を圧縮する腫瘍(例えば、拡張されたリンパ節)。初期の胆道腫瘍ならびに胆道(biliary tree)の圧迫を生じる他の腫瘍の両方は、ステントを利用して処置され得る。移植物および他の外科手術的デバイスまたは医療的デバイスは、本発明の組成物でコーティングされ得る(またはそうでなければこれを放出するよう適合される)。初期の胆道腫瘍の1例は、腺癌である(これはまた、通常の肝管の分岐点に見出される場合、Klatskin腫瘍とも呼ばれる)。これらの腫瘍はまた、胆管癌、総胆管癌(choledocholangiocarcinoma)、または胆道系の腺癌ともいわれる。胆管に影響を及ぼす良性腫瘍(例えば、胆道系の腺癌)、および稀な場合、胆管の扁平上皮癌および胆嚢の腺癌もまた、胆道の圧迫を引き起こし得、そしてこれによって、胆管閉塞を生じ得る。胆道の圧迫は、最も通常には、肝臓腫瘍および膵臓腫瘍によるものであり、これらは管を圧迫し、そしてそれにより管を閉塞させる。膵臓由来の腫瘍の大部分は、膵管細胞より生じる。このことは、高い致死性形態の癌であり(全ての癌死亡のうち5%;米国において年あたり26,000の新規ケース)、平均6月の生存および10%のみの1年生存率である。これらの腫瘍が膵臓頭部に位置する場合、これらは頻繁に胆管閉塞を引き起こし、そしてこのことは、患者から生命の質を大いに下げる。全てのタイプの膵臓腫瘍は、一般的に「膵臓癌」といわれ、組織学的なサブタイプ(腺癌、腺扁平上皮癌、胆管細胞癌(cystadenocarcinoma)、および腺房細胞癌が挙げられる)が存在する。上記に考察されるように、肝臓腫瘍もまた、胆道の圧迫を引き起こし得、そしてこれによって胆管の閉塞を引き起こす。
特定の実施形態において、胆道ステントは、最初に、以下のいくつかの方法のうちの1つで胆汁通路中に挿入される:腹壁を通りそして肝臓を通ってニードルを挿入することにより上端から(経皮的肝臓横断性(transhepatic)胆管造影法、すなわち「PTC」);口、胃および十二指腸を通って挿入された内視鏡を介して胆管にカニューレ挿入することにより下端から(内視鏡的逆行性胆道膵管造影法、すなわち「ERCP」);または外科手術手順の間に直接挿入することによる。特定の実施形態において、ステント挿入の適切な位置を決定するために、外科手術時に挿入前試験(PTC、ERCPまたは直接の視覚化)が、実施される。次いで、ガイドワイヤが損傷部を通って進み、そしてこの間にわたって送達カテーテルが通され、ステントが、虚脱された形態で挿入されることを可能にする。診断試験がPTCであった場合、ガイドワイヤおよび送達カテーテルは、腹壁を介して挿入され、一方、最初の試験がERCPである場合、このステントは、口を通して配置され得る。次いで、ステントは、胆管中の狭い箇所を正確に横断して配置するのに特に用心をはらう、放射線学的視認制御、内視鏡視認制御または直接的視認制御のもとで、位置決めされる。次いで、送達カテーテルは、胆管を開いたまま保持する足場としてステントを固定したまま残して、除去される。さらなる胆管造影法は、ステントが適切に位置決めされることを証明するように実施される。
特定の実施形態において、食道閉塞を排除するための方法が提供され、この方法は、食道内に食道ステントを挿入し、その結果、その食道閉塞が排除される工程を包含し、このステントはほぼ管状の構造を有し、この構造の表面は本発明の化合物または組成物でコーティングされる(またはそうでなければそれを放出するよう適合され)。簡潔に述べると、食道は、口から胃まで食物および液体を移送する中空の管である。食道癌または隣接器官において生じた癌(例えば、胃癌または肺癌)による侵襲は、食物または唾液を嚥下することを不可能にさせることを生じる。特定の実施形態において、挿入前試験(通常は、バリウム嚥下または内視鏡検査法)が、ステント挿入のための適切な位置を決定するために実施される。次いで、カテーテルまたは内視鏡が口を通って位置決めされ得、そしてガイドワイヤがその障壁を通って進められる。ステント送達カテーテルは、、放射線学的制御または内視鏡視認制御のもとで、ガイドワイヤの上を通され、そしてステントは、食道中の狭い箇所を横切って正確に配置される。挿入後の試験(通常は、バリウム嚥下X線撮影)を利用して、適切な位置決めを確認し得る。
特定の実施形態において、結腸閉塞を排除するための方法が提供され、この方法は、結腸中に結腸ステントを挿入し、その結果、その結腸閉塞が排除される工程を包含し、このステントはほぼ管状の構造を有し、この構造の表面は本発明の化合物または組成物でコーティングされる(またはそうでなければそれを放出するよう適合され)。簡潔に述べると、結腸は、小腸から肛門まで、消化された食物および排泄物質を移送する、中空の管である。直腸癌および/もしくは結腸癌、または隣接器官において生じた癌(例えば、子宮癌、卵巣癌、膀胱癌)による侵襲は、腸から便を排泄するのを不可能にさせることを生じる。特定の実施形態において、挿入前試験(通常は、バリウム注腸または結腸内視鏡検査法)が、ステント挿入のための適切な位置決めを決定するために実施される。次いで、カテーテルまたは内視鏡は、肛門を通って位置決めされ得、そしてガイドワイヤはその障壁を通って進められる。ステント送達カテーテルは、、放射線学的制御または内視鏡制御のもとで、ガイドワイヤの上を通され、そしてステントは、結腸または直腸中の狭い箇所を横切って正確に配置される。挿入後の試験(通常、バリウム注腸X線撮影)を利用して、適切な位置決めを確認し得る。
特定の実施形態において、気管/気管支閉塞を排除するための方法が提供され、この方法は、気管または気管支内に気管/気管支ステントを挿入し、その結果、その気管/気管支閉塞が排除される工程を包含し、このステントはほぼ管状の構造を有し、この構造の表面は本発明の化合物または組成物でコーティングされる(またはそうでなければそれを放出するよう適合され)。簡潔に述べると、気管または気管支は、口および鼻から肺に空気を運搬する管である。癌による気管の封鎖、隣接器官において生じた癌(例えば、肺癌)による侵襲、または軟骨軟化症に起因する気管もしくは気管支の虚脱(軟骨環の弱化)は、呼吸不能を生じる。特定の実施形態において、挿入前試験(通常、内視鏡検査法)が、ステント挿入のための適切な位置を決定するために実施される。次いで、カテーテルまたは内視鏡は、口を通って位置決めされ、そしてガイドワイヤがその障害を横切って進められる。次いで、送達カテーテルがガイドワイヤ上を通され、折りたたまれたステントが挿入されることを可能にする。このステントは、放射線学的制御または内視鏡制御のもとで、狭い箇所に正確に配置される。次いで、送達カテーテルは、ステントをそれ自身の上に足場として固定したまま残して除去され得る。挿入後試験(通常、気管支内視鏡検査法)を利用して、適切な位置決めを確認し得る。
特定の実施形態において、尿道閉塞を排除するための方法が提供され、この方法は、尿道内に尿道ステントを挿入し、その結果、尿道閉塞が排除される工程を包含し、このステントはほぼ管状の構造を有し、この構造の表面は本発明の化合物または組成物でコーティングされる(またはそうでなければそれを放出するよう適合され)。簡潔に述べると、尿道は、陰茎を通って膀胱を排液する管である。精巣の肥大に起因して尿道が外因的に狭くなることは、これが前立腺を通る場合、実際には60歳を超える全ての男性において生じ、そして進行性の排尿困難を引き起こす。特定の実施形態において、挿入前試験(通常、内視鏡検査法または尿道造影法)は、ステント挿入のための適切な位置を決定するため、最初に実施され、この位置は、下端が外尿道括約筋の上にあり、そして上端が膀胱の頸部で流れ出すのに近位である。次いで、内視鏡またはカテーテルが、陰茎開口部を通って位置決めされ、そしてガイドワイヤが膀胱内へと進められる。次いで、送達カテーテルが、ガイドワイヤの上を通過され、ステント挿入を可能にする。次いで、送達カテーテルが除去され、そしてステントが広げられて配置される。挿入後の試験(通常、内視鏡検査法または逆行性尿道造影法(urethrogram))を利用して、適切な位置を確認し得る。
特定の実施形態において、血管閉塞を排除するための方法が提供され、この方法は血管内に血管ステントを挿入し、その結果、その血管閉塞が排除される工程を包含し、このステントはほぼ管状の構造を有し、この構造の表面は本発明の化合物または組成物でコーティングされる(またはそうでなければそれを放出するよう適合され)。簡潔に述べると、ステントは、失敗した血管形成術の部位での再発性狭窄を予防するため、血管形成術で処置される場合に失敗する可能性のある狭い部分を処置するため、そして外科手術後に狭い部分(例えば、透析用グラフトの狭窄)を処置するために、広いアレイの血管(動脈および静脈の両方)内に配置され得る。適切な部位としては、以下が挙げられるが、これらに限定されない:腸骨動脈、腎動脈および冠状動脈、上大静脈、ならびに透析用グラフト中。特定の実施形態において、血管形成術は、ステントの配置のための部位を局在化するために、最初に実施される。このことは、代表的に、X線撮影が撮られる場合に、動脈または静脈内に挿入されたカテーテルを通して、放射線不透過性の対比物を注射することによって、達成される。次いで、カテーテルが、大腿動脈、上腕動脈、大腿静脈または上腕静脈内に、経皮的にかまたは外科手術によるかのいずれかで挿入され得、そしてX線透視検査のガイドの下で血管系を通して操作することにより、適切な血管内へと進められる。次いで、ステントは血管狭窄を横切って位置決めされ得る。挿入後の血管造影法を利用して、適切な位置決めもまた確認し得る。
特定の他の実施形態において、本発明の化合物は、光損傷を低減するのに有用であり、そして従って、本発明はさらに、光加齢(photoaging)関連性の障害/状態を処置するための方法を提供する。光加齢は、日光に対する繰り返しの曝露の結果として皮膚の外観および機能における変化を記載するために使用される用語である。日光のうち紫外線(UV)成分、特に中波長UV(UVBといわれる、290〜320nm波長)は、光加齢の主要な原因因子である。光加齢を引き起こすのに必要とされるUVB曝露の程度は、現在、分かっていない。しかし、紅斑および日焼けすることを引き起こすレベルでUVBに繰り返し曝露されることは、通常、光加齢と関連する。臨床学的に、光加齢は以下によって特徴付けられる:きめの粗さ、しわ、斑紋のある色素沈着、血色の悪さ、たるみ(laxity)、毛管拡張症、ほくろ、紫斑病および簡単な挫傷、萎縮症、線維症性脱色領域、ならびに結果としての前悪性新生物および悪性新生物。光加齢は通常、顔面、耳、頭皮の禿げた領域、首および手のような、日光に習慣的に曝される皮膚において起こる。
加齢していない皮膚の光加齢を予防するための方法および既に光加齢した皮膚を処置するための方法が、利用可能である。日焼け止めは、通常、日光に習慣的に曝される皮膚領域の光加齢を予防するために使用される。日焼け止めは、UVを吸収、反射または散乱させる、局所的調製物である。いくつかは、酸化亜鉛、酸化チタン、粘土および塩化鉄のような、不透明粒子状物質に基づく。このような調製物は視認可能でありそして吸蔵性(occlusive)であるので、多くの人々は、見映え上、これらの不透明性処方物を受け入れられないと考えられる。他の日焼け止めは、不透明でなく且つ無色である、p−アミノ安息香酸(PABA)、オキシベンゾン、ジオキシベンゾン、エチレンヘキシルメトキシシアナミドおよびブチルメトキシジベンゾイルメタンのような化学物質を含有する。なぜなら、これらは可視な波長の光を吸収しないからである。これらの不透明でない日焼け止めは、見映え上、より受容可能であり得るが、これらは依然として有効性が比較的短く、そして洗浄または発汗によって除去されやすい。さらに、全ての日焼け止めは、ビタミンD生成を低減する。
UV光に曝された哺乳動物細胞において、転写因子AP−1およびNF−κBが活性化されることは、公知である。MAPキナーゼ/ERKキナーゼ1(MEK−1)の阻害が、UVBで誘導されたERK活性化を有意に阻害することもまた、示されている。(以下を参照のこと:Chenら,「Activation of p38 MAP kinase and ERK are required for ultraviolet−B induced c−fos gene expression in human keratinocytes」,Oncogene,18:7469−7476,1999;この内容の全体が、本明細書中で参考として援用される)。従って、いずれか特定の理論に結び付けられることも所望しないが、出願人は、本発明の化合物が、UVB曝露によって引き起こされた皮膚損傷の処置における使用を見出し得ることを提唱する。MAPキナーゼと光加齢とについてのさらなる参考については、Liら,「Rays and arrays:the transcriptional program in the response of human epidermal keratotinocutes to UVB illumination」,The FASEB Journal express article 10.1096/fj.01−01172fje,2001年9月17日にオンライン公開された;米国特許第5,837,224号および米国特許出願第20020106339号、これらの各々は、それらの全体が本明細書中で参考として援用される。
従って、本発明は、UVBで誘導される光加齢を予防または処置するための、本発明の化合物および薬学的に受容可能なキャリアを含む組成物を提供する。特定の実施形態において、本発明の化合物は、Map/Erkキナーゼを阻害するのに有効な量で存在する。特定の他の実施形態において、本発明の化合物はさらに、美容成分を含む。特定の例示的な実施形態において、この美容成分は香料である。特定の他の例示的な実施形態において、この美容成分は、日焼け止めである。特定の実施形態において、本発明の組成物は、薬学的に受容可能な局所的処方物として存在する。
本発明はさらに、被験体に長期間のUVBで誘導される光損傷に対して保護を提供する方法を包含し、この方法は、これを必要とする被験体に、本発明の化合物;および薬学的に受容可能なキャリアまたは希釈物を含む組成物を投与する工程を、包含する。特定の実施形態において、この組成物は局所的に投与される。本発明はさらに、被験体に長期間のUVBで誘導される光損傷に対して保護を提供する方法を包含し、この方法は、本発明の化合物を含む組成物を被験体に提供する工程、および光損傷を予防するためにこの組成物を使用するための指示書を被験体に提供する工程、を包含する。特定の実施形態において、この組成物は、局所的に投与され得るように処方される。特定の実施形態において、本発明の化合物は、Map/Erkキナーゼを阻害するのに有効な量で存在する。特定の実施形態において、指示書は、太陽への曝露前に、皮膚に組成物を塗布するための指導を含む。特定の例示的な実施形態において、組成物は、美容成分をさらに含む。特定の例示的な実施形態において、美容成分は香料である。特定の他の例示的な実施形態において、美容成分は日焼け止めである。特定の実施形態において、皮膚のきめの粗さ、しわになること、斑紋のある色素沈着、血色の悪さ、たるみ、毛管拡張症、ほくろ、紫斑病および軽い挫傷、萎縮症、線維症性脱色領域、ならびに結果としての前悪性新生物および悪性新生物を、処置および/または予防するための方法が、提供される。特定の例示的な実施形態において、本発明は、しわおよび/または皮膚癌を処置および/または予防するための方法を、提供する。
特定の実施形態において、本発明は、被験体において長期間のUVBで誘導される光損傷を予防するためのキットを提供し、このキットは、本発明の化合物を含む組成物;および光損傷を防ぐためにこの組成物を使用するための指示書を含む。特定の実施形態において、組成物は局所投与のために処方される。特定の実施形態において、本発明の化合物は、Map/Erkキナーゼを阻害するのに有効な量で存在する。特定の実施形態において、指示書は、太陽への曝露前に、皮膚に組成物を塗布するための指導を含む。特定の例示的な実施形態において、組成物は、美容成分をさらに含む。特定の例示的な実施形態において、美容成分は香料である。特定の他の例示的な実施形態において、美容成分は日焼け止めである。
さらに、所望の投薬量中に適切な薬学的に受容可能なキャリアと共に処方した後、本発明の薬学的組成物は、処置される感染の重篤度に依存して、経口的に、直腸に、非経口的に、クモ膜下槽内に、膣内に、腹腔内に、局所的に(散剤、軟膏、クリームまたは液滴によるように)、口内に(bucally)、経口スプレーまたは鼻腔内スプレーとして、などにより、ヒトまたは他の動物に投与され得る。特定の実施形態において、本発明の化合物は、所望の治療効果を得るために、1日あたり1回以上の回数で、1日あたり被験体の体重あたり、約0.001mg/kg〜約50mg/kg、約0.01mg/kg〜約25mg/kg、または約0.1mg/kg〜約10mg/kgの投薬レベルで、投与され得る。0.001mgより小さい投薬量または50mg/kgより大きい投薬量(例えば、50〜100mg/kg)が被験体に投与され得ることもまた理解される。特定の実施形態において、化合物は経口的にかまたは非経口的に投与される。
経口投与のための液体投薬形態としては、以下が挙げられるが、これらに限定されない:薬学的に受容可能なエマルジョン、ミクロエマルジョン、溶液、懸濁物、シロップおよびエリキシル剤。活性な化合物に加え、液体投薬形態は、例えば、水または他の溶媒、可溶化剤およびエマルジョン化剤(例えば、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、炭酸エチル、酢酸エチル、ベンジルアルコール、ベンジルベンゾエート、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ジメチルホルムアミド、油(特に、綿実油、落花生油、コーン油、胚芽油、オリーブ油、ひまし油およびゴマ油)、グリセロール、レトラヒドロフルフリルアルコール、ポリエチレングリコールおよびソルビタンの脂肪酸エステル、ならびにこれらの混合物)のような、当該分野で一般に使用される不活性希釈剤を含み得る。不活性希釈剤に加え、経口組成物はまた、保湿剤、エマルジョン化剤および懸濁剤、甘味剤、矯味矯臭剤、ならびに香料剤のような補助薬を含み得る。
注射可能調製物(例えば、無菌注射可能な水性懸濁液または油性懸濁液)は、適切な分散剤または湿潤剤および懸濁剤を使用して、公知技術に従って、処方され得る。この無菌注射可能調製物はまた、非毒性の非経口的に受容可能な希釈剤または溶媒中の無菌注射可能溶液、懸濁液または乳濁液(例えば、1,3−ブタンジオール溶液)であり得る。使用され得る受容可能なビヒクルおよび溶媒には、水、リンゲル液、U.S.P.および等張性塩化ナトリウム溶液がある。それに加えて、無菌の不揮発性油は、通常、溶媒または懸濁媒体として、使用される。この目的のために、任意のブランドの不揮発性油が使用でき、これらには、合成のモノグリセリドまたはジグリセリドが挙げられる。それに加えて、注射可能物の調製では、脂肪酸(例えば、オレイン酸)が使用される。
これらの注射可能処方物は、例えば、細菌保持フィルターで濾過することにより、または使用前に滅菌水または他の無菌注射可能媒体に溶解または分散できる無菌固形組成物の形態で滅菌化剤を組み込むことにより、滅菌できる。
薬剤の効果を延ばすために、しばしば、皮下注射または筋肉内注射からのその薬物の吸収を遅くすることが望ましい。これは、液状懸濁液、または水溶性に乏しい結晶性物質もしくは非晶質物質の使用により達成され得る。次いで、この薬物の吸収速度は、その溶解速度に依存し、これは、次に、結晶の大きさおよび結晶形態に依存し得る。あるいは、非経口投与した薬剤形態の遅延吸収は、その薬物をオイルビヒクルに溶解または懸濁することによって達成される。注射可能デポー形態は、その薬物のマイクロカプセル化マトリックスを生物分解性ポリマー(例えば、ポリラクチド−ポリグリコリド)で形成することにより、作製される。薬物とポリマーとの比および使用する特定のポリマーの性質に依存して、薬物放出速度が制御できる。他の生体分解性ポリマーの例には、(ポリ(オルトエステル))およびポリ(無水物)が挙げられる。注射可能デポー処方物もまた、その薬物をリポソームまたは微小乳濁液(これらは、体組織と相溶性である)に捕捉することにより、調製される。
直腸投与または膣内投与用の組成物には、好ましくは、座剤があり、これらは、本発明の化合物を適切な非刺激性の賦形剤またはキャリア(例えば、ココアバター、ポリエチレングリコールまたは座剤ワックス(これらは、室温で固形であるが、体温で液状となり、従って、直腸または膣腔で溶解して、活性化合物を放出する))と混合することにより、調製できる。
経口投与用の固形投薬形態には、カプセル、錠剤、丸薬、粉剤および顆粒が挙げられる。このような固形投薬形態では、その活性化合物は、少なくとも1種の不活性で薬学的に受容可能な賦形剤またはキャリア(例えば、クエン酸ナトリウムまたはリン酸二カルシウム)および/またはa)充填剤または増量剤(例えば、デンプン、ラクトース、スクロース、グルコース、マンニトールおよびケイ酸)、b)結合剤(例えば、カルボキシメチルセルロース、アルギン酸塩、ゼラチン、ポリビニルピロリドン、スクロースおよびアカシア)、c)湿潤剤(例えば、グリセロール)、d)崩壊剤(例えば、寒天−−寒天、炭酸カルシウム、ジャガイモデンプンまたはタピオカデンプン、アルギン酸、ある種のケイ酸塩、および炭酸ナトリウム)、e)溶解遅延剤(例えば、パラフィン)、f)吸収促進剤(例えば、四級アンモニウム化合物)、g)加湿剤(例えば、セチルアルコールおよびグリセロールモノステアレート)、h)吸収材(例えば、カオリンおよびベントナイト、粘土)、ならびにi)滑沢剤(例えば、タルク、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、固形ポリエチレングリコール、ラウリル硫酸ナトリウム、およびそれらの混合物)と混合される。カプセル、錠剤および丸薬の場合、それらの投薬形態はまた、緩衝剤を含有し得る。
類似の種類の固形組成物もまた、ラクトースまたは乳糖だけでなく高分子量ポリエチレングリコールなどのような賦形剤を使用して、軟質および硬質の充填ゼラチンカプセルの充填剤として、使用され得る。錠剤、糖衣錠、カプセル、丸薬および顆粒の固形投薬形態は、被覆および殻(例えば、腸溶性被覆および医薬処方技術で周知の他の被覆)と共に調製できる。それらは、必要に応じて、不透明化剤を含有し得、腸管の特定の部分にて、必要に応じて、遅延様式で、その活性成分のみ、またはこれを優先的に、放出する組成であり得る。使用できる包埋組成物の例には、ポリマー性物質およびワックスが挙げられる。類似の種類の固形組成物もまた、ラクトースまたは乳糖だけでなく高分子量ポリエチレングリコールなどのような賦形剤を使用して、軟質および硬質の充填ゼラチンカプセルの充填剤として、使用され得る。
これらの活性化合物はまた、上で述べたような1種またはそれ以上の賦形剤とのマイクロカプセル化形態であり得る。錠剤、糖衣錠、カプセル、丸薬および顆粒の固形投薬形態は、被覆および殻(例えば、腸溶性被覆、放出制御性被覆および医薬処方技術で周知の他の被覆)と共に調製できる。このような固形投薬形態では、その活性化合物は、少なくとも1種の不活性希釈剤(例えば、スクロース、ラクトースおよびデンプン)と混合され得る。このような投薬形態はまた、通常の方法と同様に、不活性希釈剤以外の追加物質(例えば、錠剤化滑沢剤および他の錠剤化助剤(例えば、ステアリン酸マグネシウムおよび微結晶セルロース))を含有し得る。カプセル、錠剤および丸薬の場合、それらの投薬形態はまた、緩衝剤を含有し得る。それらは、必要に応じて、不透明化剤を含有し得、腸管の特定の部分にて、必要に応じて、遅延様式で、その活性成分のみ、または、優先的に放出する組成であり得る。使用できる包埋組成物の例には、ポリマー性物質およびワックスが挙げられる。
本発明は、本発明の化合物の薬学的に受容可能な局所処方物を包含する。用語「薬学的に受容可能な局所処方物」は、本明細書中で使用される場合、表皮への処方物の適用によって、本発明の化合物の皮内投与のために薬学的に受容可能である任意の処方物を意味する。本発明の特定の実施形態において、局所処方物は、キャリア系を含む。薬学的に有効なキャリアとしては、以下が挙げられるが、これらに限定しない:溶媒(例えば、アルコール、ポリアルコール、水)、クリーム、ローション、軟膏、オイル、膏肓、リポソーム、粉末、エマルジョン、マイクロエマルジョン、および緩衝化溶液(例えば、低浸透圧性または緩衝化生理食塩水)、あるいは、局所投与薬品の分野において公知の任意の他のキャリア。当該分野において公知のキャリアのより完全なリストは、当該分野において標準的な参考文献(例えば、Remington’s Pharmaceutical Sciences,16th Edition、1980および17th Edition、1985(ともに、Mack Publishing Company,Easton,Pa.によって発行される)(これらの開示は、その全体が本明細書中において参考として援用される))によって提供される。特定の他の実施形態において、本発明の局所処方物は、賦形剤を含み得る。当該分野において公知の任意の薬学的に受容可能な賦形剤は、本発明の薬学的に受容可能な局所処方物を調製するために使用され得る。本発明の局所処方物に含まれ得る賦形剤の例としては、以下が挙げられるが、これらに限定されない:防腐剤、酸化防止剤、加湿剤、緩和薬、緩衝剤、可溶化剤、他の浸透剤、皮膚保護剤、界面活性剤、および噴霧剤、ならびに/あるいは本発明の化合物とともに使用されるさらなる治療剤。適切な防腐剤としては、アルコール、第4級アミン、有機酸、パラベン、およびフェノールが挙げられるが、これらに限定されない。適切な酸化防止剤としては、以下が挙げられるが、これらに限定されない:アスコルビン酸およびそのエステル、重亜硫酸ナトリウム、ブチル化ヒドロキシトルエン、ブチル化ヒドロキシアニソール、トコフェロール、ならびにEDTAおよびクエン酸のようなキレート剤。適切な湿潤剤としては、グリセリン、ソルビトール、ポリエチレングリコール、尿素、およびプロピレングリコールが挙げれらるが、これらに限定されない。本発明とともに使用するために適切な緩衝化剤としては、クエン酸、塩酸、および乳酸の緩衝液が挙げられるが、これらに限定されない。適切な可溶化剤としては、塩化第4級アンモニウム、シクロデキストリン、ベンジルベンゾエート、レシチン、およびポリソルベートが挙げられるが、これらに限定されない。本発明の局所処方物に使用され得る適切な皮膚保護剤としては、ビタミンEオイル、アラトイン(allatoin)、ジメチコーン、グリセリン、ワセリン、および酸化亜鉛が挙げられるが、これらに限定されない。
特定の実施形態において、本発明の薬学的に受容可能な局所処方物は、少なくとも本発明の化合物および浸透向上剤を含む。局所処方物の選択は、種々の因子(処置される状態、本発明の化合物および存在する他の賦形剤の物理化学的な特性、処方物におけるそれらの安定性、利用可能な製造設備、および費用の制限が挙げられる)に依存する。本明細書中で使用される場合、用語「浸透向上剤」は、角質層を通って、上皮または真皮内に、好ましくは、ほとんどまたは全く組織吸収なしに、薬理学的に活性な化合物を輸送し得る薬剤を意味する。幅広い種々の化合物は、皮膚を通る薬物の浸透速度を増強する際にそれらの有効性に関して評価されている。例えば、Percutaneous Penetration Enhancers,Maibach H.I.and Smith H.E.(編)、CRC Press,Inc.、Boca Raton,Fla.(1995)(これは、種々の皮膚浸透エンハンサーの使用および試験を調査する)、およびBuyuktimkinら、Chemical Means of Transdermal Drug Permeation Enhancement in Transdermal and Topical Drug Delivery Systems、Gosh T.K.,Pfister W.R.,Yum S.I.(編)、Interpharm Press Inc.、Buffalo Grove,III(1997)を参照のこと。特定の例示的な実施形態において、本発明の使用のための浸透剤としては、以下が挙げられるが、これらに限定されない:トリグリセリド(例えば、大豆油)、アロエ組成物(例えば、アロエゲル)、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、オクトリルフェニルポリエチレングリコール、オレイン酸、ポリエチレングリコール400、プロピレングリコール、N−デシルメチルスルホキシド、脂肪酸エステル(例えば、イソプロピルミリステート、メチルラウレート、グリセロールモノオレエート、およびプロピレングリコールモノオレエート)ならびにN−メチルピロリドン。
特定の実施形態において、組成物は、軟膏、ペースト、クリーム、ローション、ゲル、粉末、溶液、噴霧剤、吸入剤またはパッチの形態であり得る。特定の例示的な実施形態において、本発明に従う組成物の処方物は、ステアリン酸、パルミチン酸、オレイン酸、パルミト−オレイン酸、セチルアルコールまたはオレイルアルコールのような飽和または不飽和脂肪酸をさらに含み得るクリームであり、ステアリン酸が特に好ましい。本発明のクリームはまた、非イオン性界面活性剤(例えば、ポリオキシ−40−ステアレート)を含み得る。特定の実施形態において、活性成分は、必要に応じて、無菌条件下にて、薬学的に受容可能なキャリアおよび任意の必要な防腐剤または緩衝剤と混合される。眼科処方物、点耳液および点眼液もまた、本発明の範囲内であると見なされる。さらに、本発明は、経皮パッチの使用を考慮しており、これらは、ある化合物を体内に制御して送達するという追加の利点がある。このような投薬形態は、その化合物を適切な媒体に溶解または分散することにより、製造される。上で議論されるように、浸透向上剤はまた、皮膚を横切る化合物の流動を増加するために使用され得る。その速度は、速度制御膜を提供することによるか、またはその化合物をポリマーマトリックスまたはゲルに分散させることのいずれかにより、制御できる。
特定の実施形態において、上皮への局所処方物の適用の後に、この領域は、包帯(dressing)でカバーされ得る。用語「包帯」は、本明細書中で使用される場合、局所適用される薬物処方物を保護するために設計されるカバーを意味する。「包帯」としては、絆創膏(これは、多孔性または非多孔性であり得る)のようなカバーおよび種々の不活性なカバー(例えば、プラスチックフィルムラップまたは他の非吸収性フィルム)が挙げられる。用語「包帯」はまた、不織カバーまたは織られたカバー(特に、エラストマーカバー)を包含し、これは、熱および水蒸気の輸送を可能にする。これらの包帯は、処置された領域の冷却を可能にし、これは、より大きな快適性を提供する。
特定の例示的な実施形態において、本発明の薬学的に受容可能な局所処方物は、処置される皮膚の領域に隣接して適用されるパッチに含まれる。本明細書中で使用される場合、「パッチ」は、少なくとも局所的処方物およびカバー層を含み、その結果、パッチが、処置される皮膚の領域の上に配置され得る。好ましくは、必須ではないが、パッチは、角質層を通って上皮または真皮内への薬物の送達を最大にし、遅延時間を減少し、均一な吸収を促進し、そして/または機械的なこすり落としを減少するように設計される。特定の実施形態において、意図される使用が、皮膚状態(例えば、乾癬)の処置を包含する場合、このパッチは、循環系への吸収を最小にするように設計される。好ましくは、パッチ成分は、皮膚の粘弾性特性に似ており、動作の間、皮膚に適合し、過度な剪断および離層を妨げる。従来の投与方法に勝る本発明の局所処方物を含むパッチの利点としては、以下が挙げられる:(i)用量がパッチ表面積によって制御されること、(ii)一定の投与速度、(iii)より長い作用持続時間(1日、3日、7日またはそれより長い間、皮膚に接着する能力)、(iv)改善された患者のコンプライアンス、(v)非侵襲性投薬、および(vi)可逆的な作用(すなわち、パッチが単純に除去され得る)。
特定の実施形態において、本発明とともに使用するのに適したパッチは、少なくとも、(1)裏層(backing layer)および(2)本発明の化合物で処方されたキャリアを含む。本発明を実施するために適切なパッチ系の例としては、以下が挙げられるが、これらに限定しない:マトリクス型パッチ;レザバ型パッチ;接着剤中の多層薬物(muliti−laminate−drug−in−adhesive)型パッチ;および接着剤中のモノリシック型パッチ。例えば、Ghosh,T.K.;Pfister,W.R.;Yum,S.I.Transdermal and Topical Drug Delivery Systems,Interpharm Press,Inc.p.249−297(これは、その全体が、本明細書中において参考として援用される)を参照のこと。これらのパッチは、当該分野において周知であり、一般的に、市販される。
マトリックスパッチは、本発明の化合物を含むマトリクス、接着剤裏打ちフィルムオーバーレイ、および好ましくは、必須ではないが、リリースライナーを含む。いくつかの場合において、裏打ちフィルムへの薬物移動を最小限にするために不透過性層を含むことが必要であり得る(例えば、米国特許第4,336,243号(本明細書中において、参考として援用される)。特定の実施形態において、本発明の化合物を含むマトリクスは、接着剤オーバーレイによって皮膚に維持される。適切なマトリクス材料の例としては、親油性ポリマー(例えば、ポリ塩化ビニル、ポリジメチルシロキサン)、およびポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、ゼラチンに基づくヒドロゲル、またはポリビニルピロリドン/ポリエチレンオキシド混合物のような親水性ポリマーが挙げられるが、これらに限定されない。適切なリリースライナーとしては、感圧性リリースライナーの薄いコーティングを有する、閉塞性、不透明性、または透明性のポリエステルフィルム(例えば、シリコーン−フルオロシリコーンおよび過フルオロカーボンベースのポリマー)が挙げられるが、これらに限定されない。
レザバ型パッチ設計は、接着剤でコーティングされた裏打ちフィルム、および薬物処方物(好ましくは、溶液または懸濁液の形態)を含むレザバ区画(半透過性膜によって皮膚から分離される)によって特徴付けられる(例えば、米国特許第4,615,699号(本明細書中において参考として援用される))。接着剤コーティングされた裏打ち層は、レザバの境界の周りに広がり、皮膚と同心性のシールを提供し、そしてレザバを皮膚に隣接して維持する。
接着剤中のモノリシック薬物のパッチ設計は、皮膚接触接着層中の薬物処方物、裏打ちフィルムおよび好ましくはリリースライナーを含むことによって特徴付けられる。この接着剤は、化合物を放出することおよび化合物マトリクスを皮膚に接着することの両方のために機能する。接着剤中薬物系は、接着剤オーバーレイを必要とせず、従って、パッチサイズを最小化する。また、接着剤中薬物型のパッチは、薄く快適である(例えば、米国特許第4,751,087号(本明細書中において参考として援用される))。
接着剤中多層薬物のパッチ設計は、さらに、単一の裏打ちフィルム下に、2つの異なる接着剤中薬物の層の間または複数の接着剤中薬物の層の間に、さらなる半透過性膜を組み込む(Peterson,T.A.およびDreyer,S.J.Proceed.Intern.Symp.Control.Rel.Bioact.Mater.21:477−478(本明細書中において参考として援用される))。
半透過性膜(レザバパッチまたは多層パッチとともに有用である)としては、ミクロラミネート固体状態レザバにおいて使用される、薄い非多孔性エチレンビニルアセテートフィルムまたはポリエチレンの薄いマイクロポーラスフィルムが挙げられる。
接着剤中薬物型のパッチとともに使用するための接着剤は、当該分野において周知であり、関連の当業者は、意図される使用に適切な接着剤をどのように選択するかについて知っている。接着剤の例としては、ポリイソブチレン、シリコーン、およびアクリルが挙げられるが、これらに限定されない。好ましくは、接着剤は、幅広い範囲の状態(例えば、高い湿度および低い湿度、入浴(bathing)、発汗など)下で機能し得る。好ましくは、接着剤は、天然ゴムまたは合成ゴム:ポリアクリレート(例えば、ポリブチルアクリレート、ポリメチルアクリレート、ポリ−2−エチルヘキシルアクリレート);ポリビニルアセテート;ポリジメチルシロキサン;感圧性アクリル接着剤(例えば、Durotak.RTM接着剤(例えば、Durotak.RTM.2052、National Starch and Chemicals)またはヒドロゲル(例えば、高分子量ポリビニルピロリドンおよびオリゴマーポリエチレンオキシド)に基づく組成物である。接着剤はまた、シックナー(例えば、シリカシックナー(例えば、Aerosil、Degussa、Ridgefield Park、N.J.))または架橋材(例えば、アルミニウムアセチルアセトネート)を含み得る。
裏打ちフィルムは、閉塞性または透過性であり得、そしてポリオレフィンオイルポリエステル、ポリエチレン、ポリビニリジンクロリド、およびポリウレタンのような合成ポリマー由来であり得るか、または綿、羊毛などのような天然の材料由来であり得る。閉塞性裏打ちフィルム(例えば、合成ポリエステル)は、角質層の外側層の水和を生じるものの、非閉塞性裏打ちは、その領域が呼吸することを可能にする(すなわち、皮膚表面からの水蒸気伝達を促進する)。
適用部位への適切な投薬の選択は、重要な考察である。局所処方物またはパッチからの化合物の皮内投与の速度は、皮膚透過性の関数であり、そして皮膚透過性は、角質層の厚みに依存して解剖学的部位の間で変動することが示されている。例えば、透過性は、一般的に、足底(planter)足弓、側方足根関節、手掌、腹側前腕、背側前腕、背中、胸部、大腿、腹部、頭皮、腋、額、および陰嚢の順で増加する(Wester,R.C.and Maibach,H.I.(1989)Regional variation in Percutaneous Absorption:In Percutaneous Absorption,Mechanism,Methodology,Drug Delivery,2nd ed.,Eds.R.L.Bronaugh and H.I.Maibach,Marcel Dekker,Inc.,New York,pp.111−119(本明細書中において参考として援用される))。代表的に、投薬量および投薬頻度は、訓練した医療専門家によって決定される。
また、本発明の化合物および薬学的組成物は、併用療法で処方および使用でき、すなわち、これらの化合物および薬学的組成物は、1つまたはそれ以上の他の所望の治療法または医学手順と同時に、その前に、またはそれに引き続いて、処方できるかまたは投与できることが分かる。組合せレジメンで使用する療法(治療法または治療手順)の特定の組合せは、所望の治療法および/または治療手順と達成すべき所望の治療効果との適合性を考慮している。使用される得る治療法が、同じ障害について所望の効果を達成し得る(例えば、本発明の化合物が、別の免疫調節剤、抗癌剤または乾癬の処置に有用な薬剤と同時に投与され得る)か、あるいはこれらは、異なる効果(例えば、任意の有害な影響の制御)を達成し得ることもまた理解される。
例えば、本発明の化合物と組み合わせて使用され得る他の治療法または抗癌剤には、手術、放射線治療(少数だけ挙げると、γ−放射線、中性子ビーム放射線療法、電子ビーム放射線療法、水素イオン治療、近接照射療法および全身放射活性同位元素)、内分泌治療、生物学的応答モディファイヤー(少数だけ挙げると、インターフェロン、インターロイキン、および腫瘍壊死因子(TNF))、温熱療法および寒冷療法、任意の有害な影響を弱める薬剤(例えば、制吐剤)、および他の認可された化学療法薬が挙げられ、これらの化学療法薬には、少数だけ挙げると、アルキル化剤(メクロレタミン、クロランブシル、シクロホスファミド、メルファラン、イホスファミド)、代謝拮抗剤(メトトレキセート)、プリンアンタゴニストおよびピリミジンアンタゴニスト(6−メルカプトプリン、5−フルオロウラシル、シタラビル、ゲミシタビン)、紡錘体毒(ビンブラスチン、ビンクリスチン、ビノレルビン、パクリタキセル)、ポドフィロトキシン(エトポシド、イリノテカン、トポテカン)、抗生物質(ドキソルビシン、ブレオマイシン、マイトマイシン)、ニトロソ尿素(カルムスチン、ロムスチン)、無機イオン(シスプラチン、カルボプラチン)、酵素(アスパラギナーゼ)、ならびにホルモン(タモキシフェン、ロイプロリド、フルタミドおよびメゲストロール)が挙げられるが、これらに限定されない。最新の癌治療法のさらに包括的な論述については、The Merck Manual,第17版、1999を参照(その全内容は、本明細書中で参考として援用されている)を参照のこと。National Cancer Institute(CNI)のウェブサイト(www.nci.nih.gov)およびFDA認可された腫瘍薬物の一覧表についてのFood and Drug Administration(FDA)のウェブサイト(www.fda.gov/cder/cancer/druglistframe−Appendix Aを参照のこと)もまた参照のこと。
特定の実施形態では、本発明の薬学的組成物は、さらに、1種またはそれ以上の追加治療活性成分(例えば、化学療法薬および/または対症薬)を含有する。本発明の目的のために、「対症」との用語は、治癒的ではないが、その疾患の症状および/または治療レジメンの副作用の緩和に焦点を当てた治療を意味する。例えば、対症治療は、鎮痛剤、制吐薬および酔い止め剤を包含する。それに加えて、化学療法、放射線療法および手術は、全て、対症的に(すなわち、治癒を求めるのではなく症状を軽減するために、例えば、腫瘍を縮小し癌の圧力、出血、痛みおよび他の症状を減らすために)、使用できる。
特定の実施形態において、本発明の化合物は、乾癬の処置のために有用であり、そしてこれらの化合物を含む組成物は、当該分野において公知の抗乾癬治療法または治療剤のいずれかと組み合わせて投与され得る。例えば、本発明の化合物と組み合わせて使用され得る治療法または抗乾癬剤としては、以下が挙げられる:紫外線光処置(例えば、日光)、潤滑剤、角質溶解剤、緩和薬(例えば、水性クリーム、E45、および乳化軟膏)、アンモニア化水銀、代表的なビタミンDアナログ(例えば、Calcipotriol(Dovonex)、Tacalcitol(Curatoderm))、ジスラノール(例えば、DithrocreamおよびMiconal)、タール(例えば、Alphosyl、アントラリン)、局所ステロイド(例えば、コルチコステロイド、ハロベタゾール(halobetasol))、局所レチノイド(例えば、ゾラック(zorac)、Tazarotene)、全身性抗代謝薬(例えば、経口メトトレキサート)、免疫抑制薬(例えば、経口シクロスポリン、タクロリムス、ミオコフェノレート(mycophenolate)、およびモフェチル(mofetil))ならびに経口レチノイド(例えば、アシトレチン(acitretin))。
(治療キット)
他の実施形態では、本発明は、本発明による方法を便利かつ効果的に実行するキットに関する。一般に、この薬学的パックまたはキットは、1個またはそれ以上の容器を含み、これは、本発明の薬学的組成物の1種またはそれ以上の成分で満たされている。このようなキットは、固形経口投薬形態(例えば、錠剤またはカプセル)の送達に特に適している。このようなキットは、好ましくは、多数の投薬単位を含み、そしてまた、それらの目的用途の順に並べられた投薬量を有するカードを含み得る。もし望ましいなら、例えば、番号、文字または他の刻印の形態かまたはカレンダー挿入物で、メモリーエイドが提供でき、これは、処置スケジュールにおいて、それらの投薬量を投与できる日を指定する。あるいは、偽薬投薬量またはカルシウム栄養補助食品は、これらの薬学的組成物の投薬量と類似の形態または異なる形態のいずれかで含み、ある投薬量を毎日服用するキットを提供することができる。必要に応じて、このような容器には、医薬品の製造、使用または販売を規制する政府機関により規定された形態の通知を含めることができ、この通知は、その機関によるヒトへの投与のための製造、使用または販売の認可を示している。
(等価物)
以下の代表的な実施例は、本発明の説明を助けると解釈され、本発明の範囲を限定するとは解釈されず、また、解釈すべきでもない。実際、本発明の種々の改良、それらのさらに多くの実施形態は、本明細書中で示し記述したものに加えて、本文献の全内容から当業者に明らかとなり、これらには、以下の実施例および本明細書中で引用した科学文献および特許文献が挙げられる。さらに、引用した参考文献の内容は、現状を示すのに役立つように、本明細書中で参考として援用されていることが理解できるはずである。
以下の実施例は、その種々の実施形態およびそれらの等価物で本発明の実施に適用できる重要な追加の情報、例示および指針を含む。
(例示)
本発明の化合物およびそれらの調製は、これらの化合物が調製または使用されるプロセスのいくつかを説明する実施例によってさらに理解され得る。しかし、これらの実施例は、本発明を制限しないことが理解される。本発明のバリエーション(現在知られているかまたは将来開発される)は、本明細書中において記載され、そして本明細書に特許請求される本発明の範囲内に入ると考えられる。
(1)合成方法の一般的な説明)
実施者(practitioner)は、本発明の化合物の合成に有用な合成戦略、保護基、および他の物質および方法に関する指針について、本明細書中に含まれる情報と組み合わせて参考にするための定評のあるマクロリド化学の文献を持っている。
本明細書中で引用した種々の参考文献は、本明細書中で記述した本発明の化合物または関連した中間体と類似した化合物を調製することに関する有益な背景情報、ならびに有益であり得るこのような化合物の処方、用途および投与に関する情報を提供する。
さらに、実施者は、種々の代表的な化合物およびそれらの中間体に関連して本文献で提供された特定の指針および実施例に指示される。
本発明の化合物およびそれらの調製物は、これらの化合物を調製または使用するプロセスの一部を説明する実施例により、さらに理解できる。しかしながら、これらの実施例は、本発明を限定するものではないことが分かる。現在公知であるか将来開発されるであろう本発明の変更は、本明細書中で記述され請求された本発明の範囲内に入ると考えられる。
本発明によれば、本発明の化合物またはそれらを含有する組成物を製造または調製するために、任意の利用可能な技術が使用できる。例えば、種々の溶液相合成方法(例えば、以下で詳細に論述するもの)が使用され得る。あるいは、またはそれに加えて、本発明の化合物は、当該技術分野で公知の種々のコンビナトリアル技術、並行合成法および/または固相合成方法のいずれかを使用して、調製され得る。
下記のように、本明細書中で記述した方法に従って、種々の本発明の化合物が合成できることが分かる。これらの化合物を調製する際に使用される出発物質および試薬は、業者(例えば、Aldrich Chemical Company(Milwaukee,WI),Bachem(Torrance,CA),Sigma(St.Louis,MO))から入手できるか、以下のような参考文献で記述された次の手順での当業者に周知の方法により調製されるかのいずれかである:Fieser and Fieser 1991,「Reagents for Organic Synthesis」、1−17巻,John Wiley and Sons,New York,NY,1991;Rodd 1989 「Chemistry of Carbon Compounds」、1−5巻および補遺,Elsevier Science Publishers,1989;「Organic Reactions」、1−40巻,John Wiley and Sons,New York,NY,1991;March 2001,「Advanced Organic Chemistry」、第5版、John Wiley and Sons,New York,NY;およびLarock 1990,「Comprehensive Organic Transformations:A Guide to Functional Group Preparations」、第2版、VCH Publishers。これらのスキームは、単に、本発明の化合物が合成できる一部の方法の例示にすぎず、それらのスキームの種々の改良を行うことができ、これらは、本開示に関する当業者に提案される。
本発明の出発物質、中間体および化合物は、通常の技術(濾過、蒸留、結晶化、クロマトグラフィーなどを含めて)を使用して、単離され精製され得る。それらは、通常の方法(物理的定数およびスペクトルデータを含めて)を使用して、特徴付けられ得る。
本発明の特定の例示的な化合物は、以下に列挙され、そして示されるような化合物番号によって参照される。
(一般的な反応手順:)
特に言及しない限り、反応混合物を機械的に駆動する撹拌子を使用して撹拌した。不活性雰囲気とは、乾燥アルゴンまたは乾燥窒素のいずれかをいう。反応混合物から適切にワークアップサンプルの薄層クロマトグラフィーによってか、またはプロトン核磁気共鳴(NMR)によってか、または高圧液体クロマトグラフィー(HPLC)によってかのいずれかで、反応をモニタリングした。
本明細書で参照される幾つかの一般的な有機試薬について使用される略号を、以下に列挙する:
m−CPBA: メタ−クロロ過安息香酸
DDQ: 2,3−ジクロロ−5,6−ジシアノ−1,4−ベンゾキノン
DEAD: ジエチルアゾジカルボキレート
DIBAL−H: ジイソブチルアルミニウムヒドリド
DMAP: N,N−ジメチルアミノピリジン
DMF: N,N−ジメチルホルムアミド
HMPA: ヘキサメチルホスホラミド
LDA: リチウムジイソプロピルアミド
LiHMDS: リチウムビス(トリメチルシリル)アミド
PCC: ピリジニウム クロロクロメート
TBAF: フッ化テトラブチルアンモニウム
THF: テトラヒドロフラン
(一般的ワークアップ手順)
特に言及されない限り、反応混合物を室温か、またはそれより下の温度まで冷却し、次いで、必要ならば、水または飽和塩化アンモニウム水溶液によりクエンチした。所望の生成物を水と適切な水非混和性溶媒(例えば、酢酸エチル、ジクロロメタン、ジエチルエーテル)との間で分配することによって抽出した。抽出物を含む所望の生成物を水、続いて、飽和ブライン溶液で適切に洗浄した。抽出物を含む生成物が残留酸化物を含むとみなされた場合、上述の洗浄手順より前に、抽出物を飽和重炭酸ナトリウム水溶液中の10%亜硫酸ナトリウム溶液で洗浄した。抽出物を含む生成物が残留酸を含むとみなされた場合、上述の洗浄手順より前に、抽出物を飽和重炭酸ナトリウム水溶液中で洗浄した(所望の生成物自体が、酸性特性を有する場合を除く)。抽出物を含む生成物が残留塩基を含むとみなされた場合、上述の洗浄手順より前に、抽出物を10%クエン酸水溶液で洗浄した(所望の生成物自体が、塩基性特性を有する場合を除く)。洗浄後、抽出物を含む所望の生成物を、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、次いで、濾過した。次いで、減圧下、適切な温度(一般的に45℃未満)でロータリーエバポレーショによる溶媒の除去によって、粗生成物を単離した。
酸化トリフェニルホスフィンが反応の主要な副生成物であった場合、反応混合物を大容量の十分攪拌されているヘキサンに直接加えた。生じた酸化トリフェニルホスフィンの沈殿物を濾過によって除去し、濾液を通常の様式で処理した。
(一般的な精製手順:)
特に言及されない限り、クロマトグラフィー精製とは、溶出液として単一の溶媒または混合溶媒を使用する、シリカ上でのフラッシュカラムクロマトグラフィーをいう。溶出物を含む適切に精製された所望の生成物を合わせて、減圧下、適切な温度(一般的に45℃未満)で一定の質量になるまで濃縮した。最終化合物を50%アセトニトリル水溶液に溶解し、濾過し、そしてバイアルに移し、次いで、生物学的試験に供される前に、高真空圧下で凍結乾燥した。
(一般的に使用される中間体の合成:)
出発物質(50.0g、0.27mol)を0℃で650mlのTHFに溶解した。トリフェニルホスフィン(93.6g、0.35mol)を加え、続いて、メタノール(12.2mL、0.30mol)およびジエチルアゾジカルボキシレート(56.2ml、0.35mol)を加えた。0℃で1.5時間攪拌した後、反応混合物を濃縮し、ジエチルエーテルに再溶解し、1N水酸化ナトリウム水溶液で洗浄した。水層を濃塩酸で酸性化し、ジチルエーテルで抽出した。シリカゲルカラムでの精製後、42.0gの509−HD−207を淡黄色の固体として得た(収率78%)。
0℃の1LのTHF中のNaH(95%、14.5g、0.57mol)を含む反応フラスコに、0.5LのTHF中の509−HD−207(75.0g、0.38mol)を加えた。0.5時間攪拌した後、クロロメチルメチルエーテル(43.6mL、0.57mol)を加えた。0℃で1時間攪拌した後、それを室温まで温めた。反応を水でクエンチし、ペンタンで抽出した。シリカゲルカラムでの精製後、無色の油状物として83gの509−HD−209を得た(収率92%)。
ジイソプロピルアミン(68.1mL、486mol)を1LのTHFに0℃で溶解した。n−BuLi(2.5M、207mL)を加えた。この溶液を20分間攪拌し、次いで、−78℃まで冷却した。509−HD−209(77.8g、324mol)のTHF(250mL)溶液をゆっくりと加えた。1時間後、ジフェニルジセレニド(85.9g、275mol)のTHF(250mL)溶液を加えた。−78℃で1時間攪拌した後、反応を飽和塩化アンモニウム水溶液でクエンチし、ジエチルエーテルで抽出した。シリカゲルカラムでの精製後、90.2gの509−HD−211を淡黄色の油状物として得た(収率68%)。
509−HD−211(90.2g、228mmol)を500mLのエタノールに溶解した。水酸化ナトリウム溶液(1N、456mL)を加えた。得られた溶液を12時間還流下で加熱した。反応混合物を1N塩酸で酸性化し、ジエチルエーテルで抽出し、濃縮して、84.6gの509−HD−212を淡黄色の固体として得た(収率97%)。
509−HD−212(84.6g、222mmol)およびトリフェニルホスフィン(75.7g、289mmol)を、500mLのジエチルエーテルと125mLのトルエンとの混合物に0℃で溶解した。2−(トリメチルシリル)エタノール(38.2mL、266mmol)およびジエチルアゾジカルボキシレート(45.4mL、289mmol)をそれぞれ加えた。10分間攪拌した後、それを室温まで温めた。大量のペンタンを加えて、固体を沈殿させた。濾過後、粗生成物をシリカゲルカラムで精製し、80.0gの509−HD−213を淡黄色の油状物として得た(収率75%)。
出発物質(157g、0.86mol)のトルエン(1.6L)溶液(わずかに濁っている)に、TMS−エタノール(150g、1.27mol、1.48当量),およびPPh3(440g、1.68mol、1.95当量)を加えた。0℃まで冷却後、DEAD(725mLの40%溶液、1.29mol、1.5当量)を、内部温度を10℃より下の温度に維持しながら、滴下漏斗によってゆっくりと3時間かけて滴下した。室温で48時間攪拌後、それをヘキサン(12L)の速く攪拌されている溶液に注いだ。固体をセライトパッドにより濾過し、このパッドを1Lのヘキサンで洗浄した。この濾液を合わせて、濃縮し、褐色の油状物として粗生成物を得た。この油状物をヘキサン/EtOAc(15:1、10:1、6:1)を用いてシリカゲルで精製して、灰色固体として生成物(140g)を得た。
フェノール(140g、0.49mol)を400mLのCH2Cl2に溶解し、DBU(135.5mL、0.91mol、1.85当量)を加えた。0℃まで冷却後、MOMCl(66mL、0.87mol、1.78当量)を加えた。室温で24時間攪拌後、飽和NH4Clでクエンチし、EtOAcで抽出した。有機層をブラインで洗浄し、乾燥し、そして乾固するまで濃縮した。粗生成物をヘキサン/EtOAc、10:1、6:1を用いてカラムで精製し、所望の生成物(132g)を得た(収率82%)。
ジイソプロピルアミン(143.6mL、1.02mol、2.3当量)のTHF(320mL)溶液に、n−BuLi(422.6mL、2.5M)を添加漏斗により0℃で加えた。この間、内部温度を5℃付近に制御した。この温度で5分後、この反応物を−78℃まで冷却した。出発物質(145g、0.44mol)のTHF(475mL)溶液を、内部温度を−70℃以下に制御しながら、添加漏斗により加えた。添加後、−70℃で30分間攪拌した。次いで、−70℃で、PhSe2(140g、0.45mol、1当量)のTHF(400mL)溶液を添加漏斗により加えた。添加後、−78℃で45分間攪拌した。反応を飽和NH4Clでクエンチし、EtOAcで希釈した。これを室温まで温めた。有機層をブラインで洗浄し、乾燥し、そして乾固するまで濃縮した。粗生成物を精製することなく次の工程に使用した。
最終工程からの粗生成物を300mLのEtOHに溶解した。次いで、300mLの1N NaOHを加えた。反応物を一晩80℃で加熱した。冷却後、これを分離漏斗に移し、ヘキサンで洗浄した。水層を1N HClを用いて0℃でpH=3まで酸性化した。次いで、EtOAc(3回)で抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、乾燥し、そして乾固するまで濃縮した。粗製の酸を精製することなく次の工程で使用した。
エステル化を第1の工程に従い、1.4Lのトルエン中のDEAD(200g)、PPh3(330g)およびTMS−エタノール(150g)を使用して実施し、カラムクロマトグラフィー後、145gの生成物を得た。
他のC14−置換芳香族体(例えば、メチル、エチル、ベンジル、PMB(MPM)など)を、第1の工程を対応するアルコール(例えば、メタノール、エタノール、ベンジルアルコール、またはPMBアルコールなど)で置き換えて、類似の様式で作製した。
ジイソプロピルアミン(2当量、366mmol、51.3mL)の無水THF(200mL)攪拌溶液に、−78℃で、1.6Mのn−BuLi(2当量、366mmol、230mL)溶液を20分間でゆっくりと加えた。反応混合物を0℃まで温めて、そして45分間攪拌し、その後、この溶液を再び−78℃まで冷却した。次いで、メチル−3−ヒドロキシブチレート(21.6g、183mmol)の無水THF(100mL)溶液を、20分間かけてゆっくりと加え、その後、ニートのMeI(5当量、915mmol、57mL)を5分間かけて加えた。反応混合物を−78℃で10分間攪拌し、次いで、室温まで温めて、2時間攪拌した。この反応を飽和NH4Cl溶液(350mL)でクエンチし、Et2O(3 × 400mL)で抽出し、合わせた有機層を飽和NH4Cl溶液(350mL)、水(2 × 450mL)、ブライン(450mL)で洗浄し、K2CO3で乾燥し、濾過し、そして濃縮した。粗アルコール555−RB−224を無水DMF(100mL)に溶解し、イミダゾール(2.5当量、363mmol、24.7g)を加え、この混合物を氷/水浴中、0℃まで冷却した。次いで、TBSCl(1.2当量、33.0mmol、5g)を加え、この混合物をゆっくりと室温まで温め、16時間攪拌した後、飽和NaHCO3溶液(250mL)を加えた。この混合物をEt2O(3 × 250mL)で抽出し、合わせた有機抽出物を飽和NaHCO3溶液(350mL)、水(3×350mL)、ブライン(350mL)で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濾過し、そして濃縮した。粗生成物を5% EtOAc/ヘキサンを使用して、シリカゲルでのクロマトグラフィーにより精製し、31.7gの保護された化合物554−RB−225(129mmol、70% 2工程)を得た。
機械的攪拌子を備えた5Lの三口フラスコに、トルエン(750mL)に溶解した554−RB−225(221mmol、54.5g)を入れた。この混合物を−78℃まで冷却し、DIBAL−H(1M トルエン中、2.5当量、553mmol、553mL)をゆっくりと加えた。この混合物を−78℃で15分間攪拌し、その後、これを0℃まで温めて、2時間攪拌した。反応を−78℃でMeOH(10当量、2.2mol、89mL)によりクエンチし、室温まで温め、Et2O(2.5L)および飽和Na2SO4溶液(1L)を加え、そしてこの溶液を一晩攪拌した。混合物をセライトにより濾過し、この固体をEt2O(2 × 1L)で洗浄した。この濾液を減圧下で濃縮し、得られた残渣を10−15% EtOAc/ヘキサンを使用して、シリカゲルでのクロマトグラフィーにより精製して、40.6gのアルコール554−RB−227(186mmol、76%)を得た。
塩化オキサリル(2当量、372mmol、33.0mL)のCH2Cl2(800mL)溶液に、DMSO(4当量、744mmol、53.0mL)を−78℃で加えた。−78℃で30分間攪拌した後、554−RB−227(186mmol、40.6g)のCH2Cl2(200mL)溶液を、15分間かけて加えた。−78℃で50分後、Et3N(4当量、744mmol、104mL)を加え、この反応物を0℃まで温めて、45分間攪拌した。これを飽和NH4Cl溶液(500mL)でクエンチし、EtOAc(1 × 2L、2 × 400mL)で抽出した。合わせた有機層をNa2SO4で乾燥し、濾過し、そして濃縮した。この粗アルデヒドを10% EtOAc/ヘキサンを用いて短いシリカゲルカラムを通して濾過した。PPh3(3当量、558mmol、146g)のCH2Cl2(2L)溶液に、CBr4(1.5当量、279mmol、92.5g)を0℃で加えた。次いで、アルデヒドおよびEt3N(1当量、186mmol、26mL)のCH2Cl2(200mL)溶液を加えた。この溶液を窒素下、室温で1時間攪拌した後、この混合物を減圧下で濃縮した。残渣をCH2Cl2に溶解し、ヘキサン(2.5L)に注ぎ、そして攪拌した。沈殿物をセライトにより濾過し、濾液を濃縮した。溶出液としてCH2Cl2を使用したシリカゲルでのクロマトグラフィーにより精製し、62.9gの554−RB−228(169mmol、91% 2工程)を得た。
5Lの三口フラスコに機械的攪拌機、冷却浴を備え、窒素でフラッシュした。次いで、アルコール 491−HAD−46(202mmol、52.5g)およびMPMOTCI(2当量、404mmol、115.5g)のEt2O(1L)溶液をフラスコに加え、0℃まで冷却した。TfOH(1.5mL)のEt2O(120mL)溶液をシリンジポンプにより50分間かけてゆっくりと加えた。次いで、飽和NaHCO3溶液(500mL)を加え、この混合物をEt2O(2 × 700mL)で抽出し;合わせた有機抽出物をブライン(2 × 1L)で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、そして濃縮した。この残渣をCH2Cl2に溶解し、ヘキサン(2.5L)に注ぎ、この沈殿物をセライトにより濾過し、濾液を減圧下で濃縮した。粗物質を溶出液として5−10% EtOAc/ ヘキサンを使用して、シリカゲルでのクロマトグラフィーにより精製し、57.3gの保護されたアルコール554−RB−235(151mmol、75%)を得た。
機械的攪拌機を備えた3Lの三口フラスコに、トルエン(750mL)に溶解した554−RB−235(151mmol、57.3g)を入れた。この混合物を−78℃まで冷却し、DIBAL−H(1M トルエン中、2.65当量、400mmol、400mL)をゆっくりと加えた。この混合物を−78℃で10分間攪拌し、その後、0℃まで温めて、20分間攪拌した。反応を−78℃、MeOH(10当量、1.5mol、61mL)でクエンチし、室温まで温めた。Et2O(2.5L)および飽和Na2SO4溶液(1L)を加え、この溶液を一晩攪拌した。混合物をセライトにより濾過し、固体をEt2O(2 × 1L)により洗浄した。濾液を減圧下で濃縮し、生じた残渣を20−40% EtOAc/ヘキサンを使用する、シリカゲルでのクロマトグラフィーにより精製して、27gのアルコール554−RB−237(91mmol、60%)を得た。
塩化オキサリル(2当量、202mmol、18mL)のCH2Cl2(650mL)溶液に、DMSO(4当量、404mmol、29mL)を−78°Cで加えた。−78℃で30分後、アルコール 554−RB−237(101mmol、30g)のCH2Cl2(100mL)溶液w30分間かけて加えた。−78℃で45分後、Et3N(4当量、404mmol、56mL)を加え、反応物を0℃まで温めて、45分間攪拌した。これを飽和NH4Cl溶液(250mL)でクエンチし、EtOAc(1 × 2L、2 × 250mL)で抽出した。合わせた有機層をNa2SO4で乾燥し、濾過し、そして濃縮した。粗アルデヒドを10% EtOAc/ヘキサンを用いてシリカゲルクロマトグラフィーにより精製し、27g(91.7mmol、91%)のアルデヒド554−RB−238を得た。
ジブロモオレフィン554−RB−228(1.5当量、138mmol、51.2g)を、THF(1L)に溶解し、窒素下、−78℃まで冷却した。次いで、n−BuLi(1.6M/ヘキサン、3.3当量、302mmol、189mL)を加え、反応物を−78℃で40分間、0℃で30分間攪拌し、次いで、再び、−78℃に冷却した。THF(200mL)に溶解させたアルデヒド554−RB−238(91.7mmol、27.0g)をこの溶液に加え、−78℃で30分間攪拌した。この溶液を室温まで温めて、1.5時間攪拌した。この混合物を水(700mL)でクエンチし、EtOAc(3 × 750mL)で抽出して、合わせた有機抽出物をブライン(1L)で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濾過し、そして濃縮した。この残渣を10−30% EtOAc/ヘキサンを使用して、シリカゲルクロマトグラフィーにより精製し、43.7g(86mmol、94%)の554−RB−240を得た。
554−RB−240(86mmol、43.7g)をヘキサン(1L)に溶解した。次いで、キノリン(1mL)およびLindlar触媒(10g)を加えた。H2風船を取り付けて、この混合物をH2で5回パージした。反応物を水素下で攪拌した。13時間後、17時間後、22時間後、および38時間後、触媒を濾過し、新たな触媒(10g)およびキノリン(1mL)を各々の時間に加えた。42時間後、反応を停止し、触媒をセライトにより濾過し、混合物を減圧下で濃縮した。次いで、粗554−RB−241をCH2Cl2(700mL)に溶解し,Et3N(3.75当量、323mmol、45mL)、BzCl(3当量、258mmol、30mL)およびDMAP(0.075当量、6.45mmol、788mg)を加え、この混合物を窒素下、室温で96時間攪拌した。この混合物をEtOAc(2L)および0.1N NaOH溶液(800mL)で希釈した。有機層を分離し、水相をEtOAc(2 × 500mL)で抽出した。合わせた有機抽出物を0.2N NaOH溶液(5 × 500mL)、ブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濾過し、そして濃縮した。粗化合物を5% EtOAc/ヘキサンを用いてシリカゲルカラムを通して濾過して、定量的な収率で保護された化合物554−RB−242を得た。
554−RB−242をCH2Cl2(500mL)に溶解し,H2O(250mL)およびDDQ(1.1当量、94.6mmol、21.3g)を加え、この混合物を室温で4時間激しく攪拌した。この混合物を0.2N NaOH溶液(500mL)でクエンチし、EtOAc(2L)で希釈した。有機層を分離し、水相をEtOAc(2 × 500mL)で逆抽出した。合わせた有機層を0.2N NaOH溶液(3 × 700mL)、ブライン(700mL)で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濾過し、そして濃縮した。粗残渣を10% EtOAc/ヘキサンを用いるシリカゲルクロマトグラフィーにより精製し、39.9g(81mmol、94% アセチレンから3工程)の遊離アルコール554−RB−244を得た。
554−RB−244(6.09mmol、3.0g)のトルエン(100mL)溶液に、Ph3P(1.7当量、10.4mmol、2.71g)を室温で加えた。次いで、CH3I(1.3当量、7.92mmol、0.49mL)およびDEAD(1.1当量、6.70mmol、1.45mL)を同時に加えた。この混合物を室温で1.5時間攪拌し、その後、ヘキサンに注いで10分間攪拌した。この沈殿物を濾過し、そして濾液を濃縮した。この残渣を5% EtOAc/ヘキサンを使用して、シリカゲルクロマトグラフィーにより精製し、3.40g(5.64mmol、93%)のヨウ化物554−RB−260を得た。
(C4−Hシリーズの非環状セグメントの調製)
531−YW−2−3(7.5g)の20mLのDMF溶液に、イミダゾール(5g)およびTBDPSCl(8.4g)を加えた。添加の間、発熱を観察した。3時間後、これをEtOAcで抽出し、飽和NH4Cl水溶液およびブラインで洗浄した。乾燥および濾過後、これを濃縮した。この粗生成物をヘキサン/EtOAc、20:1、そして10:1を用いて、シリカゲルで精製して、11.0gの所望の生成物を得た。
この生成物を200mLのTHFに溶解した。LAH(1.4g)を0℃で加えた。0℃で10分後、これを水、1N NaOHでクエンチした。この混合物を室温で1時間攪拌した。次いで、これを濾過した。合わせた濾液を乾固するまで濃縮した。粗生成物をヘキサン/EtOAc、10: 1、4:1,そして2:1を用いて、シリカゲルにより精製し、9.0gの所望の生成物(1H NMRスペクトルが満足する)343−YW−275を得た。
市販の(s)−3−ヒドロキシブタノール(10g、Aldrich)の50mLのDMF溶液に、TsOH(20mg,触媒量)およびMeOPhCH(OMe)2(24g)を加えた。わずかに減圧したロータリーエバポレーターで35℃で3時間後、これを冷却し、飽和NaHCO3水溶液でクエンチした。この混合物をEtOAc(3×)で抽出した。有機層をブライン(2×)で洗浄し、乾燥し、そして濃縮した。この粗生成物をトルエン(3×)とともにエバポレートした。
この粗生成物を700mLのCH2Cl2に溶解した。0℃、DIBAL−H溶液(200mL、1.0M,過剰)を加えた。この反応物を室温まで一晩温めた。次いで、これをメタノール(50mL)、飽和Na2SO4により0℃でクエンチした。この混合物をEt2O(1.5L)で希釈した。5時間攪拌後、これをセライトパッドにより濾過した。濾液を濃縮して油状物を得た。この油状物をヘキサン/EtOAc、10:1、6:1、3:1、そして1:1を用いてシリカゲルで精製して、24gの所望の生成物343−YW−203を得た。
DMSO(3.7mL)の150mLのCH2Cl2溶液に、343−YW−203(3.6g)の50mLのCH2Cl2溶液を加えた。0℃で、固体のP2O5(6.06g)を加えた。この反応物を室温まで温めた。室温で1時間攪拌後、反応物は明るいピンク色に変わり、これを0℃まで冷却した。Et3N(12mL)を加えた。0℃で15分後、これを室温まで温めた。10分後、これを飽和NH4Clでクエンチし、CH2Cl2(2×)で抽出した。有機層を乾燥して、濃縮した。粗生成物をEt2Oに縣濁し、濾過した。濾液を乾固するまで濃縮した。
PPh3(11.6g)の30mLのCH2Cl2溶液に、CBr4(7.4g)を0℃で加えた。内部温度を10℃未満に制御した。10分後、アルデヒドのCH2Cl2(20mL)溶液を加えた。内部温度を20℃にした。これを室温まで温め、1時間攪拌した。次いで、これを速く攪拌しているペンタン溶液に注いだ。この沈殿物を濾過した。この濾液を濃縮した。粗生成物をヘキサン/EtOAc、20:1、15:1、10:1を用いて、シリカゲルカラムで精製し、所望の生成物343−YW−276(4.4g)を得た。
アルコールの酸化: 343−YW−275(3.6g)のCH2Cl2溶液(25mL)に、DMSO(1.84mL)に続き、0℃でP2O5(3.65g)固体を加えた。次いで、これを1時間室温まで温めた。0℃まで冷却後、Et3N(5.94mL)を加えた。0℃で30分間攪拌後、これを室温まで温めた。室温で3時間攪拌後、これを飽和NH4Clでクエンチし、CH2Cl2(2×)で抽出した。有機層をブラインで洗浄し、乾燥し、そして濃縮した。粗生成物をヘキサン/EtOAc、10:1、6:1,そして4:1を用いて、シリカゲルで精製して、アルデヒド343−YW−277(2.5g)を得た。
カップリング: 343−YW−276(4.5g、12.36mmol、2当量)のTHF(35mL)溶液に、n−BuLi(5.4mL、2.5M、2.2当量)を−78℃で加えた。−78℃で10分後、これを室温まで30分で温めた。再び−78℃まで冷却した後、343−YW−277(2.5g、6.06mmol、1当量)のTHF(10mL)溶液を加えた。30分後、次いで、これを0℃まで温めた。0℃で40分後、これを飽和NH4Cl水溶液でクエンチし、EtOAc(2×)で抽出した。有機層をブラインで洗浄し、乾燥し、そして濃縮した。粗生成物をヘキサン/EtOAc、20:1、15:1、10:1、6:1を用いて、シリカゲルで精製し、所望の生成物343−YW−278(2.5g)を回収される343−YW−276とともに得た。
343−YW−278(2.50g)のヘキサン(100mL)溶液に、Lindlar触媒(330mg,触媒量)およびキノリン(50μL,触媒量)を加えた。減圧下で脱気した後、H2で数回再充填し、これを3時間水素風船下で攪拌した。次いで、この触媒を濾過し、新たな触媒を加えた。脱気後、これを水素下で一晩攪拌した。この反応物をセライトにより濾過した。濾液を合わせて、乾固するまで濃縮して、所望の生成物343−YW−279(2.4g)を得た。
343−YW−279(2.4g)のCH2Cl2(15mL)溶液に,BzCl(0.9mL)、Et3N(2mL)およびDMAP(50mg)を加えた。18時間後、さらに200μLのBzClを加えた。合計24時間後、これを飽和NH4Cl水溶液でクエンチし、EtOAc(2×)で抽出した。有機層をブラインで洗浄し、乾燥し、そして濃縮した。粗生成物をヘキサン/EtOAc、20:1、10:1,そして6:1を用いてシリカゲルで精製して、所望のエステル(2.2g)を得た。
最終工程からのエステルのTHF(10mL)溶液に、固体TBAFを加えた。18時間後、これを飽和NH4Clでクエンチし、EtOAcで抽出した。有機層をブラインで洗浄し、乾燥し、そして濃縮した。粗生成物をヘキサン/EtOAc、10:1、6:1、4:1,そして2:1を用いてシリカゲルで精製して、アルコール(1.45g)を得た。
最終工程からのアルコールおよびPPh3(1.3g)のトルエン(20mL)溶液に、DEAD(750μL)およびMeI(250μL)を室温で同時に加えた。30分後、これをCH2Cl2で溶液が透明になるまで希釈した。次いで、これを素早く攪拌しながら、ペンタンに注いだ。沈殿物をセライトパッドにより濾過した。この濾液を濃縮した。粗生成物をヘキサン/EtOAc、20:1、10:1、8:1を用いて、シリカゲルで精製して、所望の生成物343−YW−281(1.5g)を得た。1H NMRは、満足したものが得られた。
(C14−アナログ合成のための進行したフェノール中間体の調製)
ヨウ化物2(4.94g、8.2mmol、1.0当量)およびセレニド3(7.00g、12.3mmol、1.5当量)をHMPA(10.0mL)およびTHF(90mL)に溶解した。得られた混合物を−78℃で磁気的に攪拌し、50分間かけてLiHMDS(18.0mL、9.0mmol、1.1当量、LiHMDS 0.5M THF中,添加速度 0.32mL/分)をゆっくりと加えた。この反応混合物を−78℃で1時間45分攪拌し、飽和NH4Cl(200mL)でクエンチし、H2Oで希釈し、酢酸エチル(500mL)を加えた。これらの層を分離し、水層を酢酸エチル(2 × 500mL)で抽出した。合わせた有機層をH2O(2 × 300mL)で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濾過し、そして減圧下で濃縮した。粗油状物をSiO2カラム(230−400 Meshシリカ)で精製した。この生成物をヘキサンに溶解して、カラムに充填した。溶出:3%,次いで5%の酢酸エチル/ヘキサン。所望の生成物4(5.43g,収率64%)を粘性の褐色油状物として単離した。
粗基質4(セレニド3と結合された物質4の混合物、<58.9mmol)を、CH2Cl2(750mL)中に溶解し、0℃まで冷却し、そして少量に分けてMCPBA(Aldrich 57−86%,43.5 g,>144mmol,2.4当量)を加えた。
最初の一部は、発熱性であり、そして添加の終了に向かって、発熱性は、観察されず、Tmaxは、4℃であった。0℃で45分間撹拌した後、トリエチルアミン(50mL,357mmol,6当量)を、加えた(徐々に!発熱性!)Tmax=10℃。いったん発熱がなくなると、反応混合物を、室温まで温めた。室温で60分間撹拌した後、NaS2O3(51.5g)の溶液を、飽和NaHCO3および蒸留水を使用して調製した。層を分離し;水層を、CH2Cl2で2回抽出した。合わせた有機層を、Na2SO4で乾燥し、ろ過し、濃縮し、前記小スケール実施の粗物質を加え、SiO2カラム(Silicycleから販売の1.25kgの230−400Meshシリカ)で精製した。粗物質を、3%酢酸エチル/ヘキサンおよび230−400Meshシリカで調製されたスラリーとしてカラムにロードした。溶出:3%(8L),7.5%(8L)および10%(6L)酢酸エチル/ヘキサン。所望の物質5(16.3g、合わせた収率30%、セレニドカップリングのための)は、粘性油状物である。
基質5を、THF(43mL)中に溶解し、イミダゾールHCl緩衝化TBAF溶液(60.5mL,60.5mmolのTBAF,THF中の3.4当量のTBAF 1Mおよび45mmolのイミダゾールHCl,2.5当量のイミダゾールHCl)を加えた。この緩衝液を、以下のように調製した:イミダゾールHClを、市販の1M TBAF/THF溶液中に溶解し、生じるイミダゾールHClを0.75Mのモル濃度で得た。生じる反応混合物を、室温で2分間撹拌し、次いで調節TBAF溶液(76mL,76mmol,THF中のTBAF 1.0M)を滴下した。反応混合液を、室温に冷却されるまでの全88時間の間、50℃で油浴中で撹拌し、飽和NH4Cl(300mL)およびEt2O(300mL)を加えた。これらの層を分離し、そして水層を、Et2O(3×150mL)で抽出した。この有機層を合わせ、ブライン(3×100mL)で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、ろ過し、乾燥するまで濃縮し、Et2O(2×100mL)で2回共沸し、所望の6を得、そして次の工程において粗生成物のまま使用した。
濃縮器および滴下漏斗を備えた5Lの3口フラスコ中に、CH2Cl2(2L)続いてトリエチルアミン(7.6mL,54.0mmol,3.0当量)および2−クロロ−1−ヨウ化メチルピリジニウム(14.2g,4.0mmol,3.0当量)を加えた。生じる混合液を、還流するまで温め、そしてヒドロキシ酸6(230mLのCH2Cl2中の14.4gの粗物質)のCH2Cl2溶液を滴下した。3時間かけて添加し、そして生じる反応混合物を、12時間還流しながら撹拌し、次いで室温まで冷却し、塩をろ過し、そしてCH2Cl2を、減圧下で除去した。残渣を、Et2O中に溶解し、飽和ブラインと飽和NaHCO3の1:1混合物で洗浄した。水層を、Et2Oで2回抽出した。合わせた有機層を、ブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥し、そして減圧下で濃縮し、SiO2カラム(Silicycleから販売されている230−400Meshシリカ(250g))で精製した。粗物質を、CH2Cl2中に溶解し、その後カラムにロードした。溶出:15%,25%,35%酢酸エチル/ヘキサン。所望の巨大環7(7g)は、なおわずかに汚濁し、次の工程に直接使用した。
THF(40mL)中の7(7g,<18mmol,1.0当量)の溶液に、室温でTBAF(85mL,85mmol,4.7当量,THF中のTBAF 1M)を滴下した。この反応混合物を、3時間室温で撹拌し、次いで飽和NH4Cl(250mL)およびEt2O(250mL)でクエンチした。層を分離し、そして水層をEt2O(2×150mL)で抽出した。合わせた有機層を、ブライン(2×100mL)で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、そして減圧下で濃縮し、SiO2カラム(Silicycle社製75gの230−400Meshシリカ)で精製した。粗物質を、CH2Cl2(15−20mL)中に溶解し、その後カラムにロードした。カラムを、25%酢酸エチル/ヘキサンを使用して調製した。溶出:25%,35%,50%酢酸エチル/ヘキサン。所望物質8(5.10g,5から合せた収率50%)は、白色発泡体である。
(C3−C4改変シリーズのための中間体の調製:)
EtOAc(800ml)中の2−デオキシ−D−リボース(100.8g,0.75mol,TCIから市販されている)の撹拌懸濁液に対して、N2下、室温で2−メトキシプロペン(94ml,0.98mol,1.3当量,Aldrich)およびPPTS(4.16g,17mmol,2mol%,Aldrich)を加えた。この混合物を、3時間激しく撹拌した。
次いで、不溶の残渣(残ったSM)をろ過し、そしてTEA(4.6ml,PPTSに対して2当量)を、ろ液に加えた。得られたろ液を、減圧下で濃縮し、そして残渣を、シリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル4kg、溶出液として、ヘキサン−EtOAc 9:1から1:1まで)によって精製し、無色油状物として68gの所望の化合物を得た(52%)。
氷/ブライン浴で冷却されたTHF(200mL)中のLiAlH4(9.26g,0.244mol,1.25当量,Wako)の撹拌された懸濁液に、N2(約1.5時間)下でTHF(600mL+100mLすすぎ)中のSM(68g,0.39mol)を滴下した。次いで、この混合液を、さらに15分間撹拌した。MeOHの注意深い滴下によってクエンチした後、9.26mlの水、9.26mlの10%NaOH水溶液、27.78mLの水を、連続的に加え、そしてこの混合液を、1時間激しく撹拌した。次いで、不溶の物質を、Celiteを使用してろ過し、そしてEtOAc(500mL×4)で洗浄し、そして得られたろ液を、減圧下で濃縮し、真空で乾燥し、明るい黄色油状物として62.23gの粗生成物を得た(90.5%)。
氷/ブライン浴で冷却されたDMF(200mL)中のNaH(8.09g,60%油状物分散,202mmol,2.2当量,Wako)の撹拌された懸濁液に、N2下でDMF(500mL+100mLすすぎ)中の(16.2g,91.9mmol)を滴下した。得られた混合液を、室温で75分間撹拌した。次いで、混合液を、−55℃(内部温度)**まで冷却し、PivCl(12.5mL,102mmol,1.1当量,TCI)を(約10分間)滴下した。添加後、この混合液を、−30℃まで温めた。
クエンチングを、飽和NH4Cl水溶液の注意深い添加によって実施し、次いで混合液を、EtOAc(1L)で抽出した。EtOAc(500mL)で水層を再抽出した後、合わせた有機相を、水(0.6L×3)、ブライン(0.3L)で洗浄し、そして無水Na2SO4で乾燥した。乾燥剤のろ過後、ろ液を濃縮し、そして残渣の褐色油状物(25.43g)を、シリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル2.8kg、溶出液として、ヘキサン−EtOAc 2:1から1:1まで)によって精製し、3.73gのより極性の小さい所望されない保護されたモノオール、531−YW−2−2(16%)および13.14gの極性のある所望の生成物、531−YW−2−3(55%)を、それぞれ無色の油状物として得た。
ヨウ化物形成:
400mLのトルエン中の531−YW−2−3(9.5g,36.5mmol)の溶液に、PPh3(18.3g,62.1mmol,1.9当量)を加えた。次いで、MeI(2.94mL,47mmol,1.3当量)およびDEAD(6.29mL)を、20分で2つのシリンジポンプによって同時に加えた。20分間、室温で撹拌した後、これを、敏速に撹拌されたペンタン溶液中に注いだ。固体を、少量のCH2Cl2に溶解し、そしてこのペンタン中に加えた。沈殿物を、セライトを通してろ過し、パッドを、ペンタンで洗浄した。合わせたろ液を、濃縮した。粗油状物を、20:1,10:1,6:1 ヘキサン/EtOAcを用いる短いシリカゲルカラムで素早く精製した。これによって、11.6gのヨウ化物531−YW−3を得た。
カップリング:
THFおよびHMPA(130mL,10:1比)の混合溶媒中でヨウ化物(531−YW−3,11.6g,31.3mmol)およびセレニド(509−HD−213,24.5g,50.9mmol,1.6当量)の溶液に、LiHMDS(94mL,0.5M)の溶液を、−78℃で1.5時間シリンジポンプで加えた。−78℃で20分間後、これを0℃まで温めた。−10℃まで冷却し戻した後、これを、飽和NH4Cl水溶液でクエンチし、そしてEtOAc(2×)で抽出した。有機層を、ブラインで洗浄し、乾燥し、そして濃縮した。粗生成物を、ヘキサン/EtOAc 20:1,10:1,6:1,4:1,および2:1を用いるシリカゲルで精製し、16.0gを得た。
上記生成物(16g)を、CH2Cl2(200mL)中に溶解し、MCPBA(16g,50.9mmol,1.6当量,55%)を、0℃で加えた。0℃で15分後、トリエチルアミン(20mL,過剰)を、加えた。30分間後、これを、飽和Na2S2O3水溶液でクエンチした。20分間撹拌した後、これを、EtOAc(2×)で抽出した。この有機層を、飽和Na2S2O3、飽和NaHCO3、ブラインで洗浄し、乾燥し、そして濃縮した。粗生成物を、ヘキサン/EtOAc,20:1,10:1,3:1を用いるシリカゲルで精製し、12.5gの所望の生成物、531−YW−4(3工程で83%)を得た。
EtOH(100mL)中のエステル(5.66g,10mmol)の溶液に、50mLの1N NaOHを加えた。この反応液を、室温で一晩撹拌した。次いで、この反応液を、水で希釈し、EtOAc(3×)で抽出した。合わせた有機層を、ブラインで洗浄し、乾燥し、そして濃縮した。これを、シリカゲルカラムで精製し、4.42gの所望の生成物を油状物として得た(92%)。
50mLのCH2Cl2中の(COCl)2(2.2mL,3当量)の溶液に、DMSOを、−78℃で徐々に加えた。−78℃で15分後、アルコール(4.1g,3.5mmol)の溶液を、−78℃で反応液中に加えた。この温度で30分後、TEA(10.7mL,9当量)を加えた。この反応液を、室温まで温めた。これを、飽和NH4Clでクエンチし、EtOAc(2×)で抽出した。合わせた有機層を、ブラインで洗浄し、乾燥し、そして乾燥するまで濃縮した。これを、精製することなく次の反応に使用した。
アルデヒドを、適切なアセチレンまたは等価物とのカップリングによるC3−C4改変体の合成のために一般的な中間体として使用した。
(C3−C4改変体のためのアセチレンの調製:)
−60℃で1LのTHF中のTMS−アセチレン(38.8mL)溶液に、n−BuLi(110mL,2.5M)を加えた。この反応液を、すぐに0℃まで温め、次いで再び−60℃まで冷却した。次いで、BF3Et2O(33.8mL)を、徐々に加え、続いて、シリンジポンプでエポキシド(15mL)を加えた。1.5時間−60℃で撹拌した後、これを、室温まで温め、飽和NH4Clでクエンチし、EtOAc(2×)で抽出した。この有機層を、乾燥し、そして濃縮した。粗生成物を、4:1 ヘキサン/EtOAcを用いるシリカゲルカラムによって精製し、油状物として13.9gの所望の生成物を得た。
アルコールを、塩化メチレン中でTBSClおよびイミダゾールを用いる標準条件下でシリル化した。
メタノール(120mL)中のTBS保護されたTMS−アセチレン(8.7g)およびK2CO3(8g)の混合液を、室温で5時間撹拌した。これを、EtOAc(2×)で抽出した。この有機層を、乾燥しそして濃縮した。粗生成物を、ヘキサンを用いるシリカゲルで精製し、6.17gの無色の油状物を得た(95%)。
以下のアセチレンを、記載された調製物と同様に調製した:
(ER803064の調製:)
アセチレン(2.65g,12.5mmol)を、30mLのTHF中に溶解し、そして−78℃まで冷却した。ヘキサン中のn−BuLi(2.5N,6.24mL)を加えた。この反応混合液を、10分間−78℃で撹拌し、次いで30mLのTHF中のアルデヒド(3.0g,6.24mmol)の溶液を、カニューレで加えた。この反応混合液を、30分間−78℃で撹拌し、そして室温まで段階的に温めた。これを、水でクエンチし、そしてEtOAcで抽出した。シリカゲルカラムで精製後、3.7gの509−HD−108を、収率78%で淡黄色油状物として得た。
509−HD−108(3.4g,4.91mmol)を、200mLのヘキサン中に溶解した。キノリン(200μL)およびLindlar触媒(500mg)を、加えた。この反応混合液を、H2バルーン雰囲気下、40℃で合計18時間撹拌した。次いで、触媒を、ろ過した。定量の509−HD−112を、淡黄色油状物として得た。
509−HD−112(3.4g,4.9mmol)を、室温で60mLのジクロロメタン中に溶解した。トリエチルアミン(1.71mL,9.8mmol)、塩化ベンゾイル(1.14mL,12.2mmol)および触媒量のDAMPを、それぞれ加えた。12時間撹拌した後、0.1N 水酸化ナトリウム溶液を加え、そして反応混合液を、EtOAcで抽出した。粗生成物を、シリカゲルカラムで精製し、収率94%で無色油状物として509−HD−115を得た。
509−HD−115(3.7g,4.64mmol)を、50mLのTHF中に溶解した。TBAF(1N,25mL)のTHF溶液を加えた。この反応混合液を、24時間50℃で加熱した。これを、Et2Oで希釈し、そしてH2Oで洗浄した。シリカゲルカラムで精製後、509−HD−116を収率68%で淡黄色の発泡体として得た。
2−クロロ−1−メチルピリジニウムヨウ化物(2.4g,9.5mmol)およびn−Bu3N(2.3mL,9.5mmol)を、180mLのジクロロメタン中に溶解し、そして加熱して還流した。50mLのTHF中の509−HD−116(1.85g,3.2mmol)溶液を、徐々に加えた。この反応混合液を、30分間加熱した。これを、0.02N 塩酸、飽和重炭酸ナトリウム溶液およびブラインでそれぞれ洗浄した。シリカゲルカラムで精製後、509−HD−118を、収率62%で淡黄色発泡体として得た。
509−HD−118(1.22g,2.2mol)を、30mLのエタノール中に溶解した。水酸化ナトリウム(1N,21.5mL)溶液を加えた。この反応混合液を、室温で48時間撹拌した。これを、H2Oで希釈し、EtOAcで抽出した。シリカゲルカラムで精製後、346mgの主に所望される単一異性体509−HD−119Bを、無色油状物として得た。
509−HD−119B(155mg,0.34mmol)を、9mLのジクロロメタン中に溶解した。モレキュラーシーブ(4A,360mg)およびPCC(360mg,1.7mmol)を加えた。この反応混合液を、室温で1時間撹拌した。セライトを通した後、509−HD−125を、定量的収率で無色油状物として得た。
509−HD−125を、2.5mLのジクロロメタン中に溶解した。次いで、フッ化水素酸(6N,10mL)を加えた。この反応混合液を、30分間室温で撹拌した。これを、さらにジクロロメタンで希釈し、水および飽和重炭酸ナトリウム溶液で洗浄した。シリカゲルのプラグで精製後、ER803064を、収率86%で白色固体として得た。
ER805149を、対応するアセチレンから出発する類似の様式で合成した。
(B2526の調製(所望のジオール構造を有するトランスシクロペンタン))
工程1
不活性な雰囲気下−78℃で、無水THF(100mL)中の(トリメチルシリル)アセチレン(8.8mL,62mmol)の溶液に、n−ブチルリチウム(24.9mL,62mmol)および三フッ化ホウ素ジエチルエーテラート(7.66mL,62mmol)の2.5M溶液を加えた。次いで、反応混合物を、シクロペンテンオキシド(2.71mL,31mmol)の溶液で滴下処理した。この反応混合液を、−78℃で1時間撹拌し、次いで室温まで温めた。通常のワークアップによって、化合物453−MS−226を得た(3.92g;69%)。
工程2
ジエチルエーテル(80mL)中の453−MS−226(3.92g;69%)および4−メトキシベンジル2,2,2−トリクロロアセチミデート(7g,24.8mmol)の混合溶液に、不活性な雰囲気下室温で、ジエチルエーテル(0.62mL)中のトリフルオロメタン硫酸の1M溶液を、約15分にわたって滴下して加えた。1M トリフルオロメタン硫酸溶液の2つの過剰のアリコート(各1mL)を、10分と60分で加えた。通常のワークアップ、続く、クロマトグラフィーによる部分的精製を含むによって、不純化合物453−MS−228(3.37g,約54%)を得、これを、さらなる精製をすることなく、次の工程に使用した。
工程3
メタノール(33mL)中の不純435−MS−228(3.37g,約0.011mol)の溶液を、炭酸カリウム(3.075g,0.022mol)で処理し、そして3.5時間撹拌した。通常のワークアップ、続いてクロマトグラフィー精製によって、化合物453−MS−230(2.22g,約88%)を得た。
工程4
乾燥THF(10mL)中の453−MS−230(1g,4.37mmol)の溶液に、不活性雰囲気下−78℃で、n−ブチルリチウム(2.73mL,4.37mmol)の1.6M溶液を滴下した。この反応混合液を、10分間−78℃で撹拌し、次いで0℃まで直ちに温め、そして−78℃まで冷却した。乾燥THF(15mL)中の343−YW−277(1.5g,3.63mmol)の溶液を、滴下して加えた。この反応混合液を、30分間−78℃で撹拌し、次いで室温まで温めた。通常のワークアップ、続いてクロマトグラフィー精製によって、化合物453−MS−232(1.90g,82%)を得た。
工程5
ヘキサン(30mL)中の化合物453−MS−232(1.68g,2.61mmol)の溶液を、室温および常圧で、Lindlar触媒(168mg)およびキノリン(30μL)の存在下で20時間、水素化した。真空下でのろ過および濃縮によって、化合物453−MS−237(1.68g,定量的であると推定される)を得、これを、精製することなく次の段階に使用した。
工程6
乾燥ジクロロメタン(20mL)中の化合物453−MS−237(1.61g,2.5mmol)の溶液に、トリエチルアミン(2.09mL,15mmol)、DMAP(30mg,0.25mmol)および塩化ベンゾイル(0.58mL,5mmol)を加えた。この反応混合液を、3日間室温で撹拌し、次いで通常の様式でワークアップした。クロマトグラフィー精製によって、化合物453−MS−240(1.29g,69%)を得た。
工程7
THF(6mL)中の化合物453−MS−240(300mg,0.4mmol)の溶液に、TBAF(210mg,0.8mmol)を加えた。この反応混合液を、2.5時間室温で撹拌し、次いで通常の様式でワークアップし、化合物453−MS−244(145mg,71%)を得た(m/z:533.2516測定値[M+23],533.2510計算値)。
工程8
乾燥トルエン(10mL)中の化合物453−MS−244(737mg,1.44mmol)およびトリフェニルホスフィン(682mg,2.6mmol)の混合溶液を、不活性な雰囲気下で0℃まで冷却した。トルエン(5mL)中のジベンジルアジドジカルボキシレート(1.033g,3.46mmol)の溶液、およびヨウ化メチル(117μL;1.88mmol)を、約15秒間にわたって反応混合液に、別々にそして同時に加えた。この反応混合液を、15分間0℃で撹拌し、次いで室温まで温めた。室温で30分後、この反応混合液を、通常の様式でワークアップした。クロマトグラフィー精製によって、化合物453−MS−253(550mg,61%)を得た。
工程9
化合物453−MS−253(475mg,0.765mmol)および化合物554−RB−260(519mg,0.86mmol)の混合物を、THF(6mL)中の10% HMPAの溶液中に溶解し、そして不活性な雰囲気下−78℃まで冷却した。次いでTHF(1.83mL,0.916mmol)中のLiHMDSの0.5M溶液を、約30分間にわたって滴下して加えた。次いで、この反応混合液を、1時間−78℃で撹拌し、次いで、THF(0.916mL;0.916mmol)中のLiHMDSの1M溶液で処理した。20分後、この反応混合物を、0℃まで温めた。中間粗生成物を、通常の様式でワークアップし、そしてクロマトグラフィーで部分的に精製した。中間体を、ジクロロメタン(8mL)中に溶解し、そして0℃まで冷却した。ジクロロメタン(2mL)中の約65%メタ−クロロ過安息香酸(249mg)の溶液を、少量に分けて加えた。30分後、トリエチルアミン(0.65mL)を加え、そして通常のワークアップ、続いてクロマトグラフィー精製によって、化合物453−MS−262(348mg,47%)を得た。
工程10
化合物453−MS−262(440mg,0.538mmol)、ジクロロメタン(20mL)および水(10mL)の激しく撹拌された二相性混合物に、ジクロロメタン(15mL)中のDDQ(147mg,0.646mmol)の溶液を滴下して加えた。室温で1時間後、この反応混合物を、通常の様式でワークアップした。クロマトグラフィー精製によって、部分的に分解されたジアステレオ異性体の2つの画分を得た:画分A(より小さい極性):3つの共溶出されたジアステレオ異性体の混合物−化合物453−MS−277A(190mg);画分B(より大きな極性):単一ジアステレオ異性体−化合物453−MS−277B(122mg);(全収率:312mg,83%)。
工程11
テトラヒドロフラン(5mL)中の化合物453−MS−277B(122mg,0.175mmol)の溶液を、THF(1mL)中のTBAF(92mg,0.35mmol)の溶液で処理した。この反応混合物を、6時間室温で撹拌し、次いで通常の様式でワークアップし、不純化合物453−MS−279(104mg)を得、これを、精製することなく、次の段階で使用した。
工程12
ジクロロメタン(30mL)中の粗化合物453−MS−279(80mg,0.134mmolを含むことが推定される)の溶液を、2−クロロ−1−ヨウ化メチルピリジニウム(45mg,0.174mmol)およびトリ−n−ブチルアミン(42μL,0.174mmol)で処理した。この反応混合物を、25分間還流下で加熱し、次いで室温まで冷却した。ワークアップおよびクロマトグラフィー精製によって、化合物453−MS−284(30mg,化合物453−MS−277Bから39%)を得た。
工程13
エタノール(1mL)およびテトラヒドロフラン(0.5mL)の混合液中の化合物453−MS−284(30mg,51mol)の溶液を、1M水酸化ナトリウム水溶液(518μL)で処理し、そして室温で約3日間撹拌した。通常のワークアップ、続いてクロマトグラフィー精製によって、化合物453−MS−289(16mg,65%)を得た。
工程14
ジクロロメタン(1.5mL)中の化合物453−MS−289(15mg,31.6μmol)の溶液を、粉末にされた4Åモレキュラーシーブ(81mg)の存在下でPCC(81mg,0.375mmol)で処理した。この反応混合液を、室温で70分間激しく撹拌した。過剰のトリエチルアミンで塩基性化し、続いて部分的クロマトグラフィー精製によって、不純化合物453−MS−296(約7mg)を得、これを、さらなる精製をすることなく、次の段階で使用した。
工程15
アセトニトリル(1600μL)およびジクロロメタン(400μL)の混合液中の不純化合物453−MS−296(約7mg)の溶液を、48%フッ化水素酸水溶液(400μL)で処理した。25分後、通常のワークアップ、続いてクロマトグラフィー精製によって、化合物B2526(1.1mg,化合物453−MS−289から約6%)を得た。
(B2538の調製(所望のジオール構造を有するシスシクロペンタン))
工程1
テトラヒドロフラン(7mL)中の化合物453−MS−277A(190mg,0.273mmol)の溶液に、THF(2mL)中のTBAF(143mg,0.545mmol)の溶液を加えた。室温で1時間後、この反応混合液を、さらなるTBAF(20mg,0.076mmol)で処理した。さらに3時間後、この反応混合液を、通常の様式でワークアップし、不純化合物453−MS−281(186mg)を得、これを、精製することなく、次の段階で使用した。
工程2
乾燥テトラヒドロフラン(2.5mL)中のトリフェニルホスフィン(31.5mg,0.12mmol)の溶液に、不活性雰囲気下、室温でジエチルアジドジカルボキシレート(19mL;0.12μmol)を加えた。無水テトラヒドロフラン(2.5mL)中の不純化合物453−MS−281(36mg,0.06mmol)の溶液を加えた。90分後、さらにトリフェニルホスフィン(31.5mg,0.12mmol)およびジエチルアジドジカルボキシレート(19ml,0.12μmol)を、加えた。さらに30分後、この反応混合液を、通常の様式でワークアップした。クロマトグラフィー精製によって、化合物501−MS−6(19mg,化合物453−MS−277Aから54%)を得た。
工程3
エタノール(1mL)およびTHF(0.5mL)の混合液中の化合物501−MS−6(19mg,32.8μmol)の溶液を、1M NaOH水溶液(380μL)で処理し、そして室温で約17時間撹拌した。次いで、この反応混合液を、約30分間100℃まで加熱した。通常のワークアップによって、化合物501−MS−8(15.5mg,定量的)を得た。
工程4
ジクロロメタン(3.2mL)中の化合物501−MS−8(15.5mg,32μmol)の溶液を、粉末にした4Åモレキュラーシーブ(85mg)の存在下、PCC(85mg,0.39mmol)で処理した。この反応混合液を、室温で2時間激しく撹拌した。過剰のトリエチルアミンでの塩基性化、続いてクロマトグラフィー精製によって、化合物501−MS−11(12.5mg,83%)を得た。
工程5
アセトニトリル(2400μL)およびジクロロメタン(600μL)の混合液中の化合物501−MS−11(12mg,25μmol)の溶液を、48%フッ化水素酸水溶液(600μL)で処理した。1時間後、通常のワークアップ、続いてクロマトグラフィー精製によって、化合物B2538(4mg,41%)(m/z:411.1[M+23,100%],412.1[35%])を得た。
(B2522の調製(所望されないジオール構造を有するトランスシクロペンタン)
工程1
THF(7mL)中の化合物453−MS−277A(190mg,0.273mmol)の溶液を、THF(2mL)中のTBAF(143mg,0.545mmol)の溶液で処理した。この反応混合液を、6時間室温で撹拌し、次いで通常の様式でワークアップし、不純化合物453−MS−281(186mg)を得、これを、精製することなく、次の段階に使用した。
工程2
ジクロロメタン(15mL)中の粗化合物453−MS−281(150mg,0.251mmolを含むと推定される)の溶液を、2−クロロ−1−ヨウ化メチルピリジニウム(84mg,0.327mmol)およびトリ−n−ブチルアミン(78μL,0.327mmol)で処理した。この反応混合液を、40分間還流下で加熱し、次いでさらなる2−クロロ−1−ヨウ化メチルピリジニウム(84mg,0.327mmol)およびトリ−n−ブチルアミン(78μL,0.327mmol)で処理した。この反応混合液を、さらに1時間還流して加熱し、次いで室温で冷却した。通常のワークアップおよびクロマトフラフィー精製によって、化合物453−MS−290(72mg,化合物453−MS−277Aから50%)を得た。
工程3
エタノール(2.4mL)およびTHF(1.2mL)の混合液中の化合物453−MS−290(72mg,0.124mol)の溶液を、1M NaOH(1.24mL,1.24mmol)水溶液で処理し、そして室温で約4日間撹拌した。通常のワークアップ、続いてクロマトグラフィーによって、分解された化合物の3つの画分を得た:
画分A(より小さい極性):ジアステレオ異性体の不確かな混合物(10mg);
画分B(より大きな極性):2ジアステレオ異性体の混合物−化合物453−MS−292B(46mg);
画分C(最も大きな極性):出発物質453−MS−290の単一ジアステレオ異性体(2mg);
(全収率:56mg;95%)
工程4
ジクロロメタン(2mL)中の化合物453−MS−292B(20mg,42μmol)の溶液を、粉末にした4Åモレキュラーシーブ(109mg)の存在下、PCC(109mg,0.505mmol)で処理した。この反応混合液を、室温で55分間激しく撹拌した。過剰のトリエチルアミンでの塩基性化、続いてクロマトグラフィー精製によって、化合物453−MS−299(17mg,86%)を得た。
工程5
アセトニトリル(4mL)およびジクロロメタン(1mL)の混合液中の化合物453−MS−299(19mg,0.04mmol)の溶液を、48%フッ化水素酸水溶液(1mL)で処理した。35分後、通常のワークアップ、続いてクロマトグラフィー精製によって、化合物B2522(9mg,58%)(m/z:411.1443測定値[M+23],411.1420計算値)を得た。
(ER804018およびER804019(C4−F):)
LDA(2.0M、36mL)を、 エチル2−フルオロプロパネート(7.23g)およびアセトアルデヒド(13.5mL)のエーテル(100mL)中の溶液に、−78℃で添加した。添加終了後、反応フラスコを氷浴中に保持し、室温まで徐々に加温した。この反応物を、一晩攪拌後、塩化アンモニウム水溶液でクエンチした。この水相をエーテルで抽出し、合わせた有機相を硫酸ナトリウムで乾燥させた。溶媒を取り除き、残渣を真空で蒸留して、541−YJ−97(4.22g)を得た。
クロロ−t−ブチルジフェニルシランを、541−YJ−97(4.22g)およびイミダゾール(3.5g)の混合物の塩化メチレン(50mL)中の溶液に添加し、一晩攪拌した。炭酸水素ナトリウム水溶液を、この反応混合物に添加した。この水相をエーテルで抽出し、合わせた有機相を硫酸ナトリウムで乾燥させた。溶媒を取り除き、残渣をフラッシュクロマトグラフ(ヘキサン/アセテート 50/1)で精製して、541−YJ−99(7.55g)を得た。
DIBAL−Hのトルエン溶液(1.0M、25ml)を、541−YJ−99のトルエン溶液(85mL)に、0℃で添加した。この反応物を、メタノール/水で1時間クエンチし、セライトを通して濾過した。この残渣を、フラッシュクロマトグラフで精製し、541−YJ−101(536mg)を得た。
Dess−Martinペルヨージナン(periodinane)を、541−YJ−101(511mg)の塩化メチレン(15ml)中の溶液に、室温で添加した。この混合物を、エーテルで40分間かけて希釈し、セライトを通して濾過した。濾液を濃縮し、この残渣を、分取用TLC(ヘキサン/アセテート 7/1)で精製して、541−Yj−105(355mg、70%)を得た。
トリフェニルホスフィン(2.08g)を、塩化メチレン中のカーボンテトラブロマイド(1.31g)に室温で添加した。40分間の攪拌後、541−YJ−105を添加し、2時間攪拌した。この混合物を濃縮し、シリカゲルを通して濾過(ヘキサン/アセテート 7/1)して、541−YJ−106(452mg、89%)を生成した。
n−ブチルリチウム(2.5M、0.74mL)を541−YJ−106(450mg)のTHF(10mL)中の溶液に、−78℃で添加した。1時間後、541−YJ−108を添加した。この反応物を0℃で1時間保持し、室温まで加温した後、塩化アンモニウム水溶液でクエンチした。水相をエーテルで抽出し、合わせた有機相を硫酸ナトリウムで乾燥させた。溶媒を取り除き、残渣をTLC(ヘキサン/アセテート 4/1)で精製し、541−YJ−109(394mg、54%)を得た。
ヘキサン(8mL)中のLindlar触媒および541−YJ−109(390mg)の懸濁液(420mg)に水素を充満させ、一晩攪拌した。この懸濁液を、セライトを通して濾過し、アセテートでリンスした。濾液を濃縮して、541−YJ−111(378mg)を得た。
塩化ベンゾイル(254mg)およびDMAP(触媒量)を、541−YJ−111(378mg)およびトリエチルアミン(0.5mL)の塩化メチレン(7mL)中の溶液に、室温で添加した。この混合物を、一晩攪拌し続け、そして炭酸水素ナトリウム水溶液でクエンチした。水相をエーテルで抽出し、合わせた有機相を硫酸ナトリウムで乾燥させた。溶媒を取り除き、残渣をTLC(ヘキサン/アセテート 7/1)で精製して、541−YJ−115(419mg)を得た。
541−YJ−115(419mg)およびTBAF(1.0M、2.2mL)のTHF(8mL)中の溶液を、一晩攪拌し続け、次いで水で希釈した。水相をエーテルで抽出し、そして濃縮した。残渣をTLC(塩化メチレン/メタノール 10/1)で精製して、541−YJ−116(194mg)を得た。
541−YJ−115(419mg)およびTBAF(1.0M、2.2mL)のTHF(8mL)中の溶液を、一晩攪拌し続け、次いで水で希釈した。水相をエーテルで抽出し、濃縮した。残渣をTLC(塩化メチレン/メタノール 10/1)で精製し、541−YJ−116’(21mg)を得た。
541−YJ−116(21mg)を、2−クロロ−1−ヨウ化メチルピリジウム(32mg)およびトリブチルアミン(23mg)の塩化メチレン(4mL)中の還流溶液に添加した。2時間の還流後、この混合物を一晩攪拌した。この混合物をエーテルで希釈し、HCl(1.0N)および水で洗浄した。残渣をTLC(ヘキサン/アセテート 1/1)で精製し、541−YJ−118−1(7.7mg)および541−YJ−118−2(8.4mg)を得た。
PCCを、塩化メチレン(2mL)中の541−YJ−118−1(7.7mg)およびMS 4Aの懸濁液に、室温で添加した。この混合物を3時間攪拌し、シリカゲルを通して濾過した。このシリカゲルをアセテートで溶出し、濃縮して541−YJ−119(3.3mg)を得た。
PCCを、塩化メチレン(2mL)中の541−YJ−118−2(8.4mg)およびMS 4Aの懸濁液に、室温で添加した。この混合物を3時間攪拌し、シリカゲルを通して濾過した。このシリカゲルをアセテートで溶出し、濃縮して541−YJ−120(3.0mg)を得た。
フッ化水素酸(49%、1mL)を、541−YJ−119(8.0mg)のアセトニトリル(3mL)中の溶液に添加し、15分間攪拌した。この混合物を水で希釈し、塩化メチレンで抽出した。有機相を濃縮し、短いシリカゲルパッドで精製して、541−YJ−126(5.1mg、ER−804018)を生成した。
フッ化水素酸(49%、1mL)を、541−YJ−120(6.0mg)のアセトニトリル(3mL)中の溶液に添加し、15分間攪拌した。この混合物を水で希釈し、塩化メチレンで抽出した。有機相を濃縮し、短いシリカゲルパッドで精製して、541−YJ−126(3.1mg、ER−804019)を生成した。
(ER804142およびER804143(C4−CF3アナログ)の調製:)
ニートなトリフルオロプロパン酸(10.0g)に、オキサリルクロライド(7.5mL)を室温で添加し、この混合物を50℃で一晩保持した。次いで、ベンジルアルコールを添加し、10時間攪拌し続けた。この反応を炭酸水素ナトリウム水溶液でクエンチし、クロロホルムで抽出した。この溶媒を取り除き、残渣をフラッシュクロマトグラフ(ヘキサン/アセテート 20/1)で精製し、541−YJ−139(16.05g、94%)を得た。
LDA(1.5M、53.9ml)を、541−YJ−139(7.23g)およびアセトアルデヒド(20.6ml)のTHF(180mL)中の溶液に−78℃で添加した。添加終了後、反応フラスコを氷浴中に保持し、室温まで徐々に加温した。この反応を、一晩攪拌後、塩化アンモニウム水溶液でクエンチした。この水相をエーテルで抽出し、合わせた有機相を硫酸ナトリウムで乾燥させた。溶媒を取り除き、残渣をフラッシュクロマトグラフ(ヘキサン/アセテート 20/1〜10/1)で精製して、541−YJ−141(10.26g、53%)を得た。
クロロ−t−ブチルジフェニルシラン(12.2ml)を、541−YJ−141(10.26g)およびイミダゾール(10.7g)の混合物の塩化メチレン(200ml)中の溶液に添加し、一晩攪拌した。炭酸水素ナトリウム水溶液を、この反応混合物に添加した。この水相を、クロロホルムで抽出し、合わせた有機相を、硫酸ナトリウムで乾燥させた。溶媒を取り除き、この残渣をフラッシュクロマトグラフ(ヘキサン/アセテート 40/1)で精製して、541−YJ−143(14.94g、76%)を得た。
DIBAL−Hのトルエン溶液(1.0M、89.4mL)を、541−YJ−143のトルエン溶液(300mL)に、0℃で添加した。この反応を、メタノール/水(70mL/45mL)で1時間半クエンチし、セライトを通して濾過した。この残渣を、フラッシュクロマトグラフ(ヘキサン/アセテート 10/1)で精製し、541−YJ−144(7.38g、62%)を得た。
Dess−Martinペルヨージナン(9.47g)を、541−YJ−144(7.38g)の塩化メチレン(150mL)中の溶液に室温で添加した。この混合物を1時間かけてエーテルで希釈し、セライトを通して濾過した。濾液を濃縮し、そして残渣をフラッシュクロマトグラフ(ヘキサン/アセテート 10/1)で精製して、541−YJ−145(7.37g)を得た。
トリフェニルホスフィン(39.2g)を、四臭化炭素(24.74g)の塩化メチレン溶液に、室温で添加した。45分間の攪拌後、541−YJ−145(7.37g)を添加し、3時間攪拌した。この混合物を濃縮し、フラッシュクロマトグラフ(塩化メチレン)で精製して、541−YJ−146(8.74g、85%)を得た。
n−ブチルリチウム(2.5M、3.47mL)を、541−YJ−106(2.39g)のTHF(20mL)中の溶液に、−78℃で添加した。1時間後、343−YW−277(0.98g)を−78℃で添加した。この反応物を、0℃で1時間保持し、次いで室温まで加温した後、塩化アンモニウム水溶液でクエンチした。水相をエーテルで抽出し、合わせた有機相を硫酸ナトリウムで乾燥させた。溶媒を取り除き、残渣をフラッシュクロマトグラフ(ヘキサン/アセテート、3/1)で精製して、541−YJ−148(1.40g、65%)を得た。
Rieke亜鉛の懸濁液(9.0mL)を、541−YJ−148(390mg)のメタノール/水(20mL/2mL)中の溶液に、室温で慎重に添加した。この懸濁液を70℃で1時間半加熱した。この混合物を、セライトを通して濾過し、アセテートでリンスした。この濾液を濃縮し、精製せずに541−YJ−151(1.09g)を得た。
塩化ベンゾイル(0.52ml)およびDMAP(触媒量)を、541−YJ−151(0.97g)およびトリエチルアミン(1.24mL)の塩化メチレン(15mL)中の溶液に、室温で添加した。この混合物を一晩攪拌し続け、炭酸水素ナトリウム水溶液でクエンチした。水相をクロロホルムで抽出し、合わせた有機相を硫酸ナトリウムで乾燥させた。溶媒を取り除き、残渣をフラッシュクロマトグラフ(ヘキサン/アセテート 5/1)で精製して、541−YJ−158(0.96g、88%)を得た。
541−YJ−158(0.96g)およびTBAF(1.0M、4.9mL)のTHF(20mL)中の溶液を、50℃で一晩保持し、次いで水で希釈した。水相をエーテルで抽出し、濃縮した。この残渣をフラッシュクロマトグラフ(アセテート)で精製し、541−YJ−159(186mg、30%)を得た。
541−YJ−159(186mg)を、2−クロロ−1−ヨウ化メチルピリジウム(223mg)およびトリブチルアミン(162mg)の塩化メチレン(25mL)中の溶液の還流に添加した。2時間の還流の後、混合物を冷却した。この混合物をエーテルで希釈し、HCl(1.0N)および水で洗浄した。残渣をTLC(ヘキサン/アセテート 1/1)で精製して、541−YJ−160(169mg)を得た。
593−YJ−160(169mg)および水酸化ナトリウム(1.0N、0.5mL)のエタノール(5mL)中の溶液を、75℃で一晩保持した。この混合物を濃縮し、塩化アンモニウム水溶液で希釈した。水相をエーテルで抽出し、合わせた有機相を濃縮した。この残渣をTLC(ヘキサン/アセテート、1/1)で精製し、593−YJ−161(39mg、28%)を得た。
Dess−Martinペルヨージナン(50mg)を、541−YJ−161(39mg)の塩化メチレン(2mL)中の溶液に室温で添加した。混合物を3時間攪拌し、エーテルで希釈した。この混合物をセライトを通して濾過し、TLC(ヘキサン/アセテート、2/1)で精製して、541−YJ−168−1(6.7mg)および541−YJ−168−2(5.3mg)を得た。
フッ化水素酸(49%、1mL)を541−YJ−168−1(6.7mg)または541−YJ−168−2(5.3mg)のアセトニトリル(3mL)中の溶液に添加し、15分間攪拌した。混合物を水で希釈し、クロロホルムで抽出した。有機相を濃縮し、TLC(ヘキサン/アセテート 1/4)で精製して、541−YJ−174(1.5mg、ER−804142)または541−YJ−175(0.5mg、ER−804143)を生成した。
(C4−オキソアナログである、NF0675、NF0879、NF0880、およびNF0905の調製)
(NF0675のための合成手順)
メチルS−ラクテート(20.8g、0.2mol)を乾燥THF(500mL)に溶解し、イミダゾール(17.7g、0.26mol)を添加し、そしてこの混合物を氷/水浴中で0℃まで冷却した。次いで、TBDPSCl(60.5g、0.22mol)を添加し、この混合物を室温まで緩やかに加温し、一晩攪拌した後、NaHCO3の飽和溶液を添加した。この混合物を、EtOAcで抽出し、そしてこの有機抽出物を、NaHCO3の飽和溶液、水、ブラインで洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させ、濾過し、そして濃縮した。
粗生成物(74.59g)を、乾燥Et2O(300mL)に溶解し、この溶液を氷/水浴中で0℃まで冷却した。次いで、LiBH4(4.36g、0.2mol)を少しずつ加え、この混合物を室温まで緩やかに加温し、2日間攪拌した後、NH4Clの飽和溶液を徐々に添加した。この混合物を、EtOAcで抽出し、そしてこの有機抽出物を、NH4Clの飽和溶液、水、ブラインで洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させ、濾過し、そして濃縮した。この粗生成物をシリカゲルのクロマトグラフィーで20%EtOAc/ヘキサンを用いて精製し、59.67g(0.19mol、95% 2工程)の保護化合物TM−01を得た。
塩化オキサリル(2.5当量、75mmol、6.54mL)のCH2Cl2(60mL)中の溶液に、DMSO(5当量、150mmol、10.6mL)を、−78℃で添加した。−78℃で15分後、アルコールTM−01(30mmol、9.44g)のCH2Cl2(100mL)中の溶液を、40分間かけて添加した。−78℃で30分後、Et3N(6.5当量、195mmol、27.2mL)を添加し、この反応物を−50℃まで加温し、そして30分間攪拌した。NH4Clの飽和溶液(100mL)でクエンチし、EtOAcで抽出した。この有機相をNa2SO4で乾燥させ、濾過し、そして濃縮した。粗製アルデヒド(9.55g)を乾燥THF(100mL)に溶解し、−78℃に冷却した。次いで、臭化プロパルギルマグネシウムの乾燥THF中の0.5M溶液(1.7当量、50mmol、100mL)を30分間かけて滴下し、この反応物を−10℃まで加温した。NH4Clの飽和溶液でクエンチし、EtOAcで抽出した。この有機相をNa2SO4で乾燥し、濾過し、そして濃縮した。粗製アルコールを5%EtOAc/ヘキサンを用いたシリカゲルクロマトグラフィーで精製し、5.125g(15.1mmol、50% 2工程)の所望のアルコールを得た。
このアルコール(5.124g、15.1mmol)を、CH2Cl2(55mL)中に溶解し、ジイソプロピルエチルアミン(15.84mL、90.8mmol)を添加し、そしてこの混合物を氷/水浴中で0℃まで冷却した。次いで、クロロメチルメチルエーテル(3.45mL、45.4mmol)を添加し、そしてこの混合物を室温まで加温した。2日後、NH4Clの飽和溶液でクエンチし、EtOAcで抽出した。有機相をNa2SO4で乾燥し、濾過し、そして濃縮した。粗生成物を5%EtOAc/ヘキサンを用いてシリカゲルクロマトグラフィーで精製し、4.866g(12.7mmol、84%)のTM−02を得た。
491−HAD−46(620mg、2.4mmol)を乾燥DMF(10mL)中に溶解し、イミダゾール(243mg、3.6mmol)を添加し、そしてこの混合物を氷/水浴中で0℃まで冷却した。次いで、TBSCl(430mg、2.9mmol)を添加し、混合物を室温まで徐々に加温し、30分間攪拌後、NaHCO3の飽和溶液を添加した。この混合物を、EtOAcで抽出し、この有機抽出物をNaHCO3の飽和溶液、水、ブラインで洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させ、濾過し、そして濃縮した。粗生成物を、5%EtOAc/ヘキサンを用いてシリカゲルクロマトグラフィーで精製し、856mg(2.3mmol、96%)のシリルエーテルを得た。
乾燥THF(7mL)中のLiAlH4の懸濁液(65mg、1.7mmol)に、乾燥THF(13.5mL)中のシリルエーテル(856mg、2.3mmol)の溶液を、0℃で添加した。この混合物を、室温まで徐々に加温し、50分間の攪拌後、EtOAcおよび1N HClを添加した。この混合物を、EtOAcで抽出し、この有機抽出物を水、NH4Clの飽和溶液、水、ブラインで洗浄し、無水Na2SO4で乾燥し、濾過し、そして濃縮した。この粗生成物を、25% EtOAc/ヘキサンを用いてシリカゲルのクロマトグラフィーで精製し、654mg(2.3mmol、99%)のアルコールを得た。
このアルコール(654mg、2.3mmol)を、乾燥CH2Cl2(25mL)に溶解した。次いで、Dess−Martinペルヨージナン(1.67g、3.94mmol)を添加し、4時間攪拌後、Na2S2O3の飽和溶液およびNaHCO3の飽和溶液を添加した。この混合物をEtOAcで抽出し、この有機抽出物をNaHCO3の飽和溶液、水、ブラインで洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させ、濾過し、そして濃縮して、648mg(2.3mmol、定量的)のTM−03を得た。
TM−02(2.2当量、5.0mmol、1.89g)をTHF(20mL)に溶解し、窒素下で−78℃まで冷却した。次いで、n−BuLi(1.6M/ヘキサン、2.0当量、4.5mmol、2.8mL)を添加し、この反応物を、−78℃で60分間攪拌した。THF(8mL)中に溶解したアルデヒドTM−03(2.3mmol、648mg)を、この溶液に添加し、そして−78℃で60分間攪拌した。この溶液を、室温まで加温し、1.5時間攪拌した。この混合物を水でクエンチし、EtOAcで抽出し、そしてこの有機抽出物をブラインで洗浄して、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、そして濃縮した。この残渣を15% EtOAc/ヘキサンを用いてシリカゲルのクロマトグラフィーで精製し、1.393g(2.1mmol、92%)のTM−04を得た。
TM−04(2.1mmol、1.39g)を、ヘキサン(40mL)に溶解した。次いで、炭素(88mg)上でキノリン(27mg)および5% Pd−BaSO4を添加した。H2バルーンを取り付け、混合物をH2で5回パージした。反応物を水素下で攪拌した。27時間後、反応を停止し、セライトを通して触媒を濾過し、そして混合物を減圧下で濃縮した。この粗生成物を15% EtOAc/ヘキサンを用いたシリカゲルのクロマトグラフィーで精製し、957mg(1.4mmol、69%)のTM−05を主要な異性体として、267mg(0.4mmol、19%)のアリルヒドロキシ位のジアステレオマーを得た。
554−RB−242に用いた手順と同じ手順を用いて、TM−05(954mg、1.4mmol)をTM−06(913mg、1.2mmol、83%)に変換した。
TM−06(912mg,1.2mmol)を、THF(23mL)に溶解した。次いで、酢酸(0.084mL,1.5mmol)、およびTHF(1.23mL,1.23mmol)中のテトラブチルアンモニウムフルオリドの1.0M溶液を、室温で添加した。この混合物を、NH4Clの飽和溶液を添加した後、一晩攪拌した。この混合物を、EtOAcで抽出し、そして有機抽出物を、NaHCO3の飽和溶液、水、ブラインで洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させ、濾過して、濃縮した。粗生成物を、溶離剤として30% EtOAc/ヘキサン〜EtOAcを用いるシリカゲルクロマトグラフィーによって精製し、362mg(0.55mmol,47%)のTM−07および212mg(0.50mmol,43%)のTM−08を得た。
554−RB−260についてと類似の手順を使用して、TM−07(359mg,0.54mmol)を、TM−09(374mg,0.48mmol,89%)に変換した。
5についてと類似の手順を使用して、TM−09(372mg,0.48mmol)を、TM−10(339mg,0.35mmol,72%)に変換した。
THF(2mL)およびEtOH(2mL)中、TM−10(172mg,0.18mmol)の攪拌溶液に、1N NaOH水溶液(2mL)を室温で添加した。2.5時間後、1N HClでクエンチし、そしてEtOAcで抽出した。この有機抽出物を、水、ブラインで洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させ、濾過し、そして濃縮した。粗生成物を、30% EtOAc/ヘキサンを使用するシリカゲルクロマトグラフィーによって精製し、143mg(0.16mmol,93%)のアリルアルコールを得た。
このアリルアルコール(143mg,0.16mmol)を、THF(3mL)に溶解した。次いで、THF(0.49mL,0.49mmol)中、テトラブチルアンモニウムフルオリドの1.0M溶液を、室温で添加した。この混合物を、1N HClを添加した後、3時間にわたって攪拌した。この混合物を、EtOAcで抽出し、そして有機抽出物を、水、ブラインで洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させ、濾過し、そして濃縮した。粗生成物を、10% MeOH/EtOAcを用いるシリカゲルクロマトグラフィーによって精製し、87mg(0.16mmol,定量的)のTM−11を得た。
THF(3mL)中、TM−11(87mg,0.16mmol)の攪拌溶液に、トリエチルアミン(0.029mL,0.2mmol)および2,4,6−塩化トリクロロベンゾイル(0.032mL,0.2mmol)を室温で添加した。16時間後、この反応混合物を、トルエン(80mL)で希釈し、そして還流下で8時間にわたって、トルエン(80mL)中、N,N−ジメチルアミノピリジン(498mg,4.1mmol)の溶液を滴下した。得られた混合物を、還流下で15時間攪拌した。減圧下での濃縮後、残渣を、EtOAcに溶解し、そして5%クエン酸水溶液、水、ブラインで洗浄し、そして無水Na2SO4で乾燥させ、濾過し、そして濃縮した。粗生成物を、30% EtOAc/ヘキサンを使用するシリカゲルクロマトグラフィーによって精製し、53mg(0.10mmol,64%)のTM−12を得た。
509−HD−125と同様の手順を使用して、TM−12(39.4mg,0.078mmol)を、TM−13(36.8mg,0.073mmol,94%)に変換した。
THF(1mL)−H2O(0.5mL)中、TM−13(12mg,0.024mmol)の攪拌溶液に、トリフルオロ酢酸(1mL)を0℃で添加した。次いで、この混合物を、室温に温めた。3.5時間後、この混合物を、NaHCO3の飽和溶液に注ぎ、EtOAcで抽出した。有機抽出物を、水、ブラインで洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させ、濾過し、そして濃縮した。粗生成物を、30% EtOAc/ヘキサンを使用するシリカゲルクロマトグラフィーによって精製し、1.2mg(0.0028mmol,12%)のNF0675を得た。
(NF0879およびNF0880についての合成手順)
TM−02について改変した手順を使用して、TM−15(10.56g,31.6mmol)を、10.4g(0.1mol)のメチルS−ラクテートから得た。
TM−04と類似の手順を使用して、TM−03(3.64g,12mmol)を、TM−16(5.29g,8.5mmol,69%)に変換した。
TM−05と類似の手順を使用して、TM−16(5.28g,8.5mmol)を、TM−17(4.91g,7.9mmol,93%)に変換した。
TM−07と類似の手順によって、4.904g(7.8mmol)のTM−17から、TM−19(1.120g,1.8mmol,23% 2工程)およびTM−20(2.218g,4.4mmol,57% 2工程)を得た。
TM−10と類似の手順を使用して、1.104g(1.8mmol)のTM−19を、TM−22(955mg,1.03mmol,58% 4工程)に変換した。
TM−11と類似の手順を使用して、955mg(1.03mmol)のTM−22を、TM−23(593mg,0.98mmol,95% 2工程)に変換した。
TM−12と類似の手順を使用して、590mg(0.98mmol)のTM−23を、TM−24(438mg,0.75mmol,77%)に変換した。
TM−13と類似の手順を使用して、209mg(0.36mmol)のTM−24を、TM−25(186mg,0.32mmol,89%)に変換した。
NF0675と類似の手順を使用して、186mg(0.32mmol)のTM−25を、NF0879(72mg,0.14mmol,45%)に変換した。
NF0879(16mg,0.032mmol)を、CH2Cl2(3mL)に溶解し、H2O(0.3mL)およびDDQ(2等量,0.064mmol,14.9mg)を添加し、そしてこの混合物を、室温で3時間激しく攪拌した。この混合物を、NaHCO3の飽和溶液でクエンチし、そしてEtOAcで希釈した。有機層を、分離し、そしてNaHCO3の飽和溶液、ブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、そして濃縮した。粗残渣を、5% MeOH/CHCl3を使用するシリカゲルクロマトグラフィーによって精製し、5mg(0.013mmol,41%)のNF0880を得た。
(NF0905の合成手順)
TM−20(2.218g,4.4mmol)を、CH2Cl2(45mL)に溶解し、イミダゾール(520mg,7.6mmol)を添加し、そしてこの混合物を、氷/水浴中にて、0℃に冷却した。次いで、TBSCl(768mg,5.1mmol)を添加し、この混合物を、ゆっくりと室温まで温め、1.5時間にわたって攪拌した。その後、NaHCO3の飽和溶液を添加した。この混合物を、EtOAcで抽出し、そして有機抽出物を、NaHCO3の飽和溶液、水、ブラインで洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させ、濾過し、濃縮して、粗生成物として2.79gのTM−26を得た。
TM−26(2.79g)を、CH2Cl2(45mL)に溶解し、トリエチルアミン(1.85mL,13.3mmol)およびN,N−ジメチルアミノピリジン(54mg,0.44mmol)を添加し、そしてこの混合物を、氷/水浴中にて、0℃に冷却した。次いで、塩化ベンゾイル(1.03mL,8.9mmol)を添加し、この混合物を、ゆっくりと室温まで温め一晩攪拌した。その後、NaHCO3の飽和溶液を添加した。この混合物を、EtOAcで抽出し、そして有機抽出物を、NH4Clの飽和溶液、5%クエン酸水溶液、水、およびブラインで洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させ、濾過し、濃縮して、粗生成物として4.33gのTM−27を得た。
TM−27(4.33g)を、CH2Cl2(50mL)に溶解し、H2O(5mL)およびDDQ(1.28g,5.5mmol)を添加し、そしてこの混合物を、室温で2時間激しく攪拌した。この混合物を、NaHCO3の飽和溶液でクエンチし、EtOAcで希釈した。有機層を分離し、NaHCO3の飽和溶液、ブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、そして濃縮した。粗残渣を、20% EtOAc/ヘキサンを使用する、シリカゲルクロマトグラフィーによって精製し、2.99gのTM−28(わずかな量の不純物を含む)を得た。
TM−28(2.99g)を、CH2Cl2(60mL)に溶解し、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチル−ピリジン(3.34g,16mmol)およびメチルトリフレート(1.5mL,13mmol)を添加し、そしてこの混合物を、還流下で一晩攪拌した。混合物を、NaHCO3の飽和溶液でクエンチし、そしてEtOAcで希釈した。有機層を分離し、NaHCO3の飽和溶液、ブラインで洗浄し、そしてNa2SO4で乾燥させ、濾過し、そして濃縮した。
粗残渣(6.25g)を、THF(60mL)に溶解した。次いで、THF(5.5mL,5.5mmol)中、テトラブチルアンモニウムフルオリドの1.0M溶液を室温で添加した。この混合物を1.5時間にわたって攪拌した。その後、NH4Clの飽和溶液を添加した。この混合物を、EtOAcで抽出し、有機抽出物を、水、ブラインで洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させ、濾過し、そして濃縮した。粗生成物を、30% EtOAc/ヘキサンを使用するシリカゲルクロマトグラフィーによって精製し、362mg(0.73mmol,16% 5工程)のTM−29を得た。
TM−09と類似の手順を使用して、359mg(0.72mmol)のTM−29を、TM−30(376mg,0.62mmol,86%)に変換した。
TM−23と類似の手順を使用して、371mg(0.61mmol)のTM−30を、TM−31(207mg,0.42mmol,69% 5工程)に変換した。
TM−12と類似の手順を使用して、207mg(0.42mmol)のTM−31を、TM−32(206mg,0.42mmol,定量的)に変換した。
TM−13と類似の手順を使用して、206mg(0.42mmol)のTM−32を、TM−33(170mg,0.36mmol,83%)に変換した。
NF0675と類似の手順を使用して、170mg(0.36mmol)のTM−33を、NF0905(50mg,0.13mmol,35%)に変換した。
(化合物ER−804003(C3トリフルオロメチル)の調製)
DMF(20mL)中、エチル(R)−3−ヒドロキシ−4,4,4−トリフルオロブタノエート(2g,10.7mmol)の溶液を、tert−ブチルジフェニルシリルクロリド(8.34mL,32.1mmol)およびイミダゾール(3.28g,35.3mmol)で処理した。この反応混合物を、不活性化雰囲気下で、16時間にわたって70℃に加熱した。クロマトグラフィーによる部分精製が後に続く通常のワークアップにより、不純な化合物557−MS−4(1g,約22%)を得た。
ジクロロメタン(5mL)中、不純な化合物557−MS−4(380mg,0.89mmol含むと仮定される)の溶液を、−78℃に冷却し、そしてジクロロメタン(1.79mL,1.79mmol)中、ジイソブチルアンモニウムヒドリドの1M溶液で処理した。この反応混合物を、室温まで温め、通常の様式にてワークアップした。クロマトグラフィーによる部分精製により、不純な化合物557−MS−10(これを、さらなる精製をせずに、次の工程において使用した)を得た。
(工程3)
乾燥ジクロロメタン(6mL)中、トリフェニルホスフィン(910mg,3.47mmol)の溶液に、0℃で、不活性雰囲気下にて、乾燥ジクロロメタン(3mL)中、四臭化炭素(575mg,1.73mmol)の溶液を滴下した。10分後に、乾燥ジクロロメタン(3ml)中、不純な化合物557−MS−10(0.86mmolを含むと仮定される)とトリエチルアミン(0.181mL,1.3mmol)との混合溶液を、滴下した。この反応混合物を、通常の様式でワークアップし、化合物557−MS−14(331mg,557−MS−4から72%)を得た。
(工程4)
乾燥THF(2.5mL)中、化合物557−MS−14(331mg,0.61mmol)の溶液に、−78℃にて、不活性な雰囲気下で、ヘキサン(0.771mL,1.23mmol)中、n−ブチルリチウムの1.6M溶液を滴下した。この反応混合物を、すぐに0℃まで温め、次いで再び−78℃に冷却した。乾燥テトラヒドロフラン(2.5mL)中、化合物480−XYL−075(247mg,0.51mmol)の溶液を滴下した。0℃まで温めた後、通常のワークアップおよびクロマトグラフィー精製により、化合物557−MS−19(300mg,57%)を得た。
(工程5)
ヘキサン(10mL)中、化合物557−MS−19(300mg,0.35mmol)の溶液を、室温および1気圧下において、Lindlar触媒(60mg)およびキノリン(4μL)の存在下にて、40時間(新たなLindlar触媒(120mg)を2時間後に添加した)にわたって水素化した。減圧下での濾過および濃縮により、化合物557−MS−22(302mg)(これは、精製せずに、次の工程において使用した)を得た。
(工程6)
1,2−ジクロロエタン(10mL)中、粗化合物557−MS−22(0.35mmolを含むと仮定される)を、塩化ベンゾイル(0.122mL,1.05mmol),トリエチルアミン(0.293mL,2.1mmol)およびN,N−4−ジメチルアミノピリジン(21mg,0.175mmol)で処理した。通常のワークアップに続くクロマトグラフィー精製により、化合物557−MS−26(177mg,化合物557−MS−19からの53%)を得た。
(工程7)
THF(3mL)中、化合物557−MS−26(177mg,0.183mmol)の溶液を、THF(1.83mL)中、TBAFの1M溶液で処理した。通常のワークアップにより、粗化合物557−MS−43(これは、さらなる精製をせずに、次の工程において使用した)(m/z:623.3[M−1,24%],249.1[100%])を得た。
(工程8)
1,2−ジクロロエタン(90mL)中、粗化合物557−MS−43(84mg,0.13mmol)の溶液を、ジクロロメタン(90mL)中、2−クロロ−1−メチルピリジニウムヨウ化物(210mg,0.81mmol)、およびトリ−n−ブチルアミン(0.192mL,0.81mmol)の加熱した溶液(80℃)に、ゆっくりと添加した。通常のワークアップおよびクロマトグラフィー精製により、化合物557−MS−70(15.7mg,化合物557−MS−26から20%)を得た。
(工程9)
エタノール(1.8mL)およびTHF(0.9mL)の混合液中、化合物557−MS−70(15.7mg,25μmol)の溶液を、1M NaOH水溶液(0.3mL)で処理し、そして室温で約16時間攪拌した。通常のワークアップにより、化合物557−MS−74(6mg,46%)を得た。
(工程10)
ジクロロメタン(3mL)中、化合物557−MS−74(9mg,18μmol)の溶液を、粉末の4Å分子シーブ(58mg)の存在下にて、PCC(58mg,0.269mmol)で処理した。この反応混合物を、室温で90分間激しく攪拌した。過剰なトリエチルアミンでの塩基性化、その後の部分クロマトグラフィー精製により、不純な化合物557−MS−77(これは、さらなる精製なしに次の工程において使用した)(m/z:523.1[M+23,100%],365.1[22%])を得た。
(工程11)
アセトニトリル(200μl)およびジクロロメタン(50μl)の混合液中、不純な化合物557−MS−77(1mg,2μmolを含むと仮定される)の溶液を、48%フッ化水素酸水溶液(50μl)で処理した。25分後、通常のワークアップ、引き続くクロマトグラフィー精製により、化合物ER−804003(0.3mg,化合物557−MS−74から約4%)を得た。
(化合物ER−803924(C4ベンジル)の調製)
乾燥THF(30mL)中、新たに調製した、LDA(0.053mmol)の溶液に、−78℃で、不活性な雰囲気下にて、乾燥THF(30mL)中、メチル(S)−3−ヒドロキシブタノエート(3g,0.025mol)の溶液を滴下した。−78℃にて、2時間後、この反応混合物に、臭化ベンジル(9.06mL,0.076mol)を滴下し、次いで室温まで温めた。通常のワークアップ、引き続くクロマトグラフィー精製により、化合物501−MS−226(1.28g,24%)を得た。
(工程2)
DMF(10mL)中、化合物501−MS−226(1.28g,6.14mmol)の溶液を、tert−ブチルジフェニルシリルクロリド(1.76mL.6.75mmol)およびイミダゾール(461mg,6.75mmol)で処理し、次いで50℃に4時間加熱した。通常のワークアップ、続くクロマトグラフィー精製により、化合物501−MS−251(1.87g,68%)を得た。
(工程3)
乾燥ジクロロメタン(50mL)中、化合物501−MS−251(1.37g,3.06mmol)の溶液に、−78℃で、不活性雰囲気下にて、トルエン(5.11mL,7.66mmol)中、DIBAL−Hの1.5M溶液を添加した。次いで、この反応混合物を、0℃まで温め、そして0℃にて2時間攪拌した。通常のワークアップ、引く続くクロマトグラフィー精製により、化合物501−MS−255(1.06g,83%)を得た。
(工程4)
乾燥ジクロロメタン(8mL)中、塩化オキサリル(0.314mL,3.6mmol)の溶液に、−78℃で、不活性雰囲気下にて、乾燥ジクロロメタン(4mL)中、ジメチルスルホキシド(0.51mL,7.2mmol)の溶液を滴下した。30分後、乾燥ジクロロメタン(8mL)中、化合物501−MS−255(1.369g,3.27mmol)の溶液を滴下した。この反応混合物を、−78℃にて1時間攪拌し、次いでトリエチルアミン(2.28mL,16.35mmol)で処理し、次いで室温までゆっくりと温めた。通常のワークアップにより、化合物501−MS−257(1.24g,91%)を得た。
(工程5)
乾燥ジクロロメタン(16mL)中、トリフェニルホスフィン(2.57g,9.81mmol)の溶液に、0℃で、不活性化雰囲気下にて、乾燥ジクロロメタン(8mL)中、四臭化炭素(1.63g,4.91mmol)の溶液を滴下した。化合物501−MS−257(1.24g,2.97mmol)とトリエチルアミン(0.501mL,3.6mmol)との混合溶液を滴下し、この反応混合物を、室温に温めた。通常のワークアップ、引き続くクロマトグラフィー精製により、化合物501−MS−261(1.47g,501−MS−255から79%)を得た。
(工程6)
乾燥THF(10mL)中、化合物501−MS−261(1.47g,2.57mmol)の溶液に、−78℃で、不活性雰囲気下にて、ヘキサン(3.21mL,5.14mmol)中、n−ブチルリチウムの1.6M溶液を滴下した。この反応混合物を、すぐに15℃まで温め、次いで再び−78℃に冷却した。乾燥THF(10mL)中、化合物480−XYL−075(950mg,1.976mmol)の溶液を滴下した。0℃まで温め、次いで通常のワークアップおよびクロマトグラフィー精製により、化合物501−MS−265(1.11g,63%)を得た。
(工程7)
ヘキサン(70mL)中、化合物501−MS−265(1.11g,1.24mmol)の溶液を、室温で、1気圧にて、Lindlar触媒(350mg)およびキノリン(70μL)の存在下において、5時間にわたって水素化した。減圧下での濾過および濃縮により、化合物501−MS−267(1.13g,定量的とみなす)(これを、精製なしで、次の工程において使用した)を得た。
(工程8)
THF(1mL)中、化合物501−MS−267(160mg,0.178mmol)の溶液を、THF(0.89mL)中、TBAFの1M溶液で処理した。約15時間後、通常のワークアップにより、粗化合物501−MS−279(81mg,約82%)を得た。
(工程9)
1,2−ジクロロエタン(100mL)中、化合物501−MS−279(81mg,0.146mmol)の溶液を、ジクロロメタン(100mL)中、2−クロロ−1−メチルピリジニウムヨウ化物(223mg,0.87mmol)およびトリ−n−ブチルアミン(0.207mL,0.87mmol)の加熱した溶液(85℃)にゆっくりと添加した。通常のワークアップおよびクロマトグラフィー精製により、化合物501−MS−282(15mg,19%)(m/z:555.4[M−1;100%],511.4[28%])を得た。
(工程10)
ジクロロメタン(3mL)中、化合物501−MS−282(15mg,0.027mmol)の溶液を、粉末の4Å分子シーブ(72mg)の存在下において、PCC(72mg,0.334mmol)で処理した。この反応混合物を、室温にて、90分間激しく攪拌した。過剰なトリエチルアミンでの塩基性化、続くクロマトグラフィー精製により、化合物501−MS−284(12mg,80%)を得た。
(工程11)
アセトニトリル(1.2mL)とジクロロメタン(300μL)との混合液中、化合物501−MS−284(9mg,約0.016mmol)の溶液を、48%フッ化水素酸水溶液(300μL)で処理した。20分後、通常のワークアップ、続くクロマトグラフィー精製により、化合物ER−803924(7.5mg,定量的)を得た。
(C4−メチルアナログを用いたC3−水素の調製)
(ER−804035の合成)
DMF(26mL)中、メチル(S)−(+)−3−ヒドロキシ−2−メチルプロピオネート(14.4g,0.121mol)に、0℃にて、4−ジメチルアミノピリジン(0.79g,0.006mol),イミダゾール(14.3g,0.210mol)およびt−ブチルジメチルクロロシラン(23.8g,0.158mol)を添加した。この混合物を、0℃で10分間攪拌し、次いで室温で一晩攪拌した。混合物を、エーテルと 飽和重炭酸ナトリウム溶液との間で分離した。2つの層を分離し、そして水層をエーテルで3回抽出した。このエーテル抽出物を、合わせ、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮した。粗サンプルを、5%酢酸エチルで溶出するシリカゲルカラムクロマトグラフィーで分離し、29.6g(98%)の生成物480−XYL−073(これは、満足のいく1H−NMRデータが得られた)。
化合物480−XYL−073(5.04g,21.7mmol)を、塩化メチレン(216mL)に溶解し、そして−78℃に冷却した。これを、塩化メチレン(1.0M,22mL)中、ジイソブチルアンモニウムヒドリド溶液に、1時間あたり13.3mLの速度で、フラスコ壁の内側面にポンプダウンした。添加の完了後、この混合物を、さらに30分間攪拌した。この反応を、メタノールを壁に沿わせて入れることによってゆっくりとクエンチし、酒石酸カリウムナトリウムの飽和水溶液をいくらか添加した。混合物を室温まで温め、さらに酒石酸カリウムナトリウム溶液を加え、1時間激しく攪拌した。これらの層を分離し、水層を、塩化メチレンで2回抽出した。合わせた有機層を、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、そして濃縮して4.36gの粗物質480−XYL−077を得た。1H−NMRデータ分析は、所望の無水生成物を示した:出発材料:過剰に還元されたアルコール比は3:1.33:1であった。この混合物は、480−XYL−079の合成のために直接使用した。
化合物480−XYL−079を、554−RB−228の合成と同じ手順に従って、合成した。
塩化メチレン(24mL)中、DMSO(0.5mL)を、−78℃に冷却した。これに、塩化メチレン(2.0M,1.7mL)中、塩化オキサリルの溶液を添加し、そしてこの混合物を、−78℃で10分間攪拌した。塩化メチレン(3mLおよびリンス,2×2mL)の溶液中の化合物531−YW−005(1.4g,2.9mmol)を、カニューレを通して添加し、そして混合物を−78℃で10分間攪拌した。これに、トリエチルアミン(2.5mL)を滴下し、そしてこの混合物を−78で1時間攪拌し、0℃まで温めた。この反応物を、多量のエーテルで希釈し、そして飽和塩化アンモニウム溶液および水(1:1)で1回洗浄し、そして水(3×)洗浄した。エーテル層を、減圧下で濃縮し、そして多量のエーテルに再溶解した。これを、水で2回洗浄し、そしてブラインで1回洗浄した。このエーテル層を濃縮し、酢酸エチルおよびトルエンと共沸させ、高減圧下で乾燥させて、1.36g(98%),480−XYL−075を得た(これは、1H−NMRスペクトルにより良好な純度を示した)。この材料を、480−XYL−081の合成のためにすぐに使用した。
480−XYL−084の合成は、554−RB−240の合成と同じ手順に従った。
化合物480−XYL−084(855mg,1.21mmol)を、メタノールおよび水の混合液(5:1,60mL)に溶解した。THF(8mL)中、Rieke−亜鉛のスラリー溶液を添加し、そしてこの混合物を、3時間にわたって攪拌しながら加熱還流した。この混合物を、セライトの栓およびシリカゲルを通して濾過し、酢酸エチルでリンスした。この濾液を、濃縮し、そして再び塩化メチレンに溶解し、そして飽和塩化アンモニウム溶液、次いで飽和重炭酸ナトリウム溶液で洗浄した。この水性相を、塩化メチレンで2回、そして酢酸エチルで1回逆抽出した。合わせた有機層を、硫酸ナトリウムで乾燥させ、そして濃縮して944mgの粗物質480−XYL−075を得た。この粗物質は、1H−NMRスペクトルにより満足のいく純度を示し、480−XYL−092の合成に直接使用した。
480−XYL−092の合成は、554−RB−242の合成の手順と同じであった。
480−XYL−092からのER−804035の合成は、ER−803064の合成と同じ手順に従った。
(ER804022の合成)
塩化オキサリル(6.5mL,74.1mmol)を、150mlジクロロメタンに−78oCにて溶解した。メチルスルホキシド(10.5mL,148.2mmol)を添加した。20分後、50mLのジクロロメタン出発物質(5.2g、24.7mmol)の溶液を、−78oCにて添加した。−78oCで1時間攪拌した後、トリエチルアミン(31.0mL,222mmol)を添加し、そして反応混合物を室温まで温めた。この混合物を、飽和塩化アンモニウムでクエンチし、そして酢酸エチルで抽出した。シリカゲルカラムによる精製後、509−HD−183を、収率79%で得た。
トリフェニルホスフィン(13.4g,51.2mmol)を、0oCにて100mLジクロロメタンに溶解した。四臭化炭素(8.5g,25.6mmol)を添加した。15分後、50mlジクロロメタン中、509−HD−183(4.1g,19.7mmol)およびトリエチルアミン(2.8mL,19.7mmol)の溶液を添加した。30分間攪拌した後、この反応混合物を、ペンタンで粉砕した。シリカゲルカラムによる精製後、509−HD−184を収率88%で得た。
509−HD−184(553mg,1.52mmol)を、−78oCにて10mL THFに溶解した。ヘキサン中、n−ブチルリチウム(2.5M,1.33mL)の溶液を添加した。−78oCにて15分後、5mL THF中の531−HYW−5を添加した。−78oCにて30分間の攪拌後、この反応混合物を、室温まで温めた。水でクエンチした後、酢酸エチルで抽出した。シリカゲルカラムによる精製後、509−HD−185を、収率95%で得た。
509−HD−185(750mg,1.09mmol)を、40mLヘキサンに添加した。キノリン(50 μL)およびLindlar触媒(120mg)を添加した。反応混合物を、室温にて、H2バルーン雰囲気下で5時間攪拌した。次いで、この触媒を、濾過除去した。定量的な量の509−HD−186を得た。
509−HD−186(861mg,1.09mmol)を、室温にて、15mLジクロロメタンに溶解した。トリエチルアミン(380μL,2.73mmol),塩化ベンゾイル(253μL,2.18mmol)および触媒量のDAMPをそれぞれ添加した。20時間にわたる攪拌後、0.1N水酸化ナトリウム溶液を添加し、反応混合物を酢酸エチルで抽出した。粗生成物を、シリカゲルカラムにより精製し、収率59%で509−HD−187を得た。
509−HD−187(813mg,1.03mmol)を、10mLジクロロメタンおよび5mL水の混合物に溶解した。DDQ(234mg,1.03mmol)を添加した。室温での1時間の攪拌後、反応混合物を飽和重炭酸ナトリウム溶液でクエンチし、そして酢酸エチルで抽出した。シリカゲルカラムによる精製後、収率48%で509−HD−188を得た。
509−HD−188(313mg,0.47mmol)を、0℃で、15mLジクロロメタンに溶解した。トリエチルアミン(130μL,0.94mmol)および塩化メタンスルホニル(54μL,0.71mmol)を添加した。20分間の攪拌後、反応混合物を、飽和重炭酸ナトリウムでクエンチし、そしてジクロロメタンで抽出した。シリカゲルカラムによる精製後、収率93%で509−HD−189を得た。
509−HD−189(327mg,0.44mmol)を、10mL DMFに溶解した。アジ化ナトリウム(85mg,1.32mmol)および触媒量のヨウ化テトラブチルアンモニウムを添加した。85℃にて2時間の攪拌後、反応混合物を、酢酸エチルで希釈し、そして水で洗浄した。シリカゲルカラムによる精製後、収率93%で509−HD−190を得た。
509−HD−190(297mg,0.43mmol)を、10mL THFに溶解した。TBAF溶液(1N,1.3mL)を添加した。反応混合物を、室温で1時間攪拌した。この混合物を、Et2Oで希釈し、そしてH2Oで洗浄した。シリカゲルカラムによる精製後、定量的な収量で509−HD−191(215mg)を得た。
トリメチルホスフィン(1N,1.5mL)を、15mL THFおよび5mL水の混合物に室温で溶解した。509−HD−191(215mg,0.31mmol)を添加した。12時間にわたる攪拌後、この混合物を濃縮し、そしてトルエンで共沸した。この残渣を、再び50mlジクロロメタンに溶解した。EDC(593mg,3.1mmol)を添加した。2時間にわたる攪拌後、水で希釈し、ジクロロメタンで抽出した。HPTLCによる精製後、509−HD−197を、収率30%で得た。
509−HD−197(51mg,0.092mmol)を、5mLエタノールに溶解した。水酸化ナトリウム溶液(1N,0.92mL)を添加した。反応混合物を、室温にて48時間攪拌した。この混合物を、H2Oで希釈し、EtOAcで抽出した。HPTLCによる精製後、11.5mgの主に所望される単一異性体509−HD−198を、無色の油状物として得た。
509−HD−198(10.0mg,0.022mmol)を、3mLジクロロメタンに溶解した。分子シーブ(4A,48mg)およびPCC(48mg,0.22mmol)を添加した。反応混合物を、室温で48時間にわたって攪拌した。調製TLCによる精製後、509−HD−200を、収率35%で得た。
509−HD−200(13mg,0.0079mmol)を、0.25mLジクロロメタンに添加した。次いで、フッ化水素酸(6N,1mL)を添加した。この反応混合物を、室温で1時間攪拌した。この混合物を、多量のジクロロメタンで希釈し、水および飽和重炭酸ナトリウム溶液洗浄した。シリカゲルの栓による精製後、ER804022を白色固体として、定量的な収量で得た。
(ER−803027−00−01の調製)
(447−JCH−245B)
15mLの乾燥DMF中531−YW−2−2(3.5g,13.4mmol)の磁気によって攪拌した溶液に、−0℃(氷/水;外部温度計)に冷却したNaH(0.39g,16mmol)、続いて臭化ベンジル(0.34g,20mmol)を導入した。室温での18時間の攪拌後、反応混合物を、0℃まで冷却し、水を添加した。この反応混合物を、水で希釈し、そしてエチルエーテルで抽出した。粗製物を、シリカゲル(ヘキサン/EtOAc:90/10)により精製し、447−JCH−245B(0.93g,収率20%)を得た。
(447−JCH−268B)
8mLエタノール中447−JCH−245B(0.93g,2.7mmol)の磁気によって攪拌した溶液に、1M NaOH水溶液(4mL)を添加した。室温にて18時間攪拌した後、この反応混合物を、水で希釈し、エチルエーテルで抽出した。粗製物を、シリカゲル(ヘキサン/EtOAc:60/40)により精製し、447−JCH−268B(0.47g,収率67%)を得た。
(447−JCH−271B)
中間体531−YW−3の合成について記載した手順と類似の手順を使用して、447−JCH−268B(0.450g,1.69mmol)を、トルエン(16.9mL)中、トリフェニルホスフィン(0.887g,3.38mmol)、DEAD(0.32mL,2mmol)およびヨウ化メチル(0.158mL,2.54mmol)と反応させ、447−JCH−271B(0.553g,収率86%)を得た。
(447−JCH−273B)
磁気により攪拌した、6mLのHMPA/THF(10:1比)混合物中、509−HD−213(0.553g,1.47mmol)および447−JCH−271B(1.06g,2.2mmol)の溶液に、−78℃(乾燥氷/アセトン;内部温度計)にて、2.2mLの同じ混合物で希釈したTHF(2.2mL,2.2mmol)中LiHMDSの1M溶液を、ゆっくりと(シリンジポンプ)で導入した。−78℃にて30分間後、この混合物を0℃まで温めた。次いで、反応物を、塩化アンモニウムの飽和水溶液を添加することによってクエンチした。この反応混合物を、水で希釈し、そしてエチルエーテルで抽出した。粗製物を、シリカゲル(ヘキサン/EtOAc:90/10)により精製し、447−JCH−273B(0.910g,収率84%)を得た。
(447−JCH−275B)
磁気によって攪拌した、24mLのジクロロエタン中、447−JCH−273B(0.910g,1.25mmol)の溶液に、0℃(氷/水;外部温度計)にて、MCPBA(0.66g,3.8mmol)を添加した。0℃にて15分間攪拌した後、トリエチルアミンを添加し(1.5mL)、この反応混合物を、室温まで温めた。室温で45分間攪拌した後、飽和重炭酸ナトリウの飽和水溶液中、チオ硫酸ナトリウムの10%溶液を添加し、そしてこの混合物を、30分間攪拌した。この反応混合物を水で希釈し、エチルエーテルで抽出した。粗製物を、シリカゲル(ヘキサン/EtOAc:80/20)により精製し、447−JCH−275B(0.70g,収率98%)を得た。
(447−JCH−277B)
磁気によって攪拌した、15mLメタノール中、447−JCH−275B(0.71g,1.2mmol)の溶液に、室温にて、触媒量の炭素担持Pd 10%を導入した。反応混合物を、室温で18時間攪拌し、次いでセライトのパッドを通して濾過した。粗製物を、シリカゲル(ヘキサン/EtOAc:70/30)により精製し、447−JCH−277B(0.58g,収率99%)を得た。
(447−JCH−280A)
中間体480−XYL−075の合成について記載した手順と類似の手順を使用して、447−JCH−277B(0.6g,1.2mmol)を、ジクロロメタン(48mL)中、Dess−Martin試薬(0.763g,1.8mmol)、および重炭酸ナトリウム(0.38g)と反応させ、447−JCH−280A(0.602g)を得た。
(447−JCH−282B)
ER−803064(ステージ509−HD−108)の合成について記載した手順と類似の手順を使用して、447−JCH−280A(0.6g,)を、THF(18mL)中、中間体と343−YW−276(0.32g,1.56mmol)反応させ、447−JCH−282B(0.6g,447−JCH−277Bから収率70%)を得た。
(447−JCH−283B)
ER−803064(stage 509−HD−112)の合成について記載した手順と類似の手順を使用して、Lindlar触媒を用いて447−JCH−282B(0.6g,)を水素化し、447−JCH−283B(0.61g)を得た。
(447−JCH−285B)
ER−803064(ステージ509−HD−115)の合成について記載した手順と類似の手順を使用して、447−JCH−283A(0.72g)を塩化ベンゾイル(0.37mL,2.63mmol)と反応させて、447−JCH−285B(0.78g,93%)を得た。
(447−JCH−287B)
447−JCH−285B(0.68g,0.86mmol)の2/1ジクロロメタン/水混合物(26mL)磁気攪拌溶液に、室温にて、DDQ(0.17g)を添加した。室温で40分間攪拌した後、その混合物を酢酸エチルで希釈し、水酸化ナトリウム(0.1N)水溶液で1回洗浄し、水で2回洗浄した。粗生成物を、ヘキサン/酢酸エチル(60/40)で溶出するフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、447−JCH−287B(0.52g,88%)を得た。
(447−JCH−288A)
ER−803064(ステージ509−HD−116)の合成のために記載されたのと類似する手順を使用して、447−JCH−287B(0.58g,0.86mmol)をTBAF(0.68g,2.6mmol)(THF(2.6mL)中)と反応させて、447−JCH−288A(0.47g)を得た。
(447−JCH−290B)
447−JCH−288A(0.31g,0.54mmol)およびトリフェニルホスフィン(0.34g,2.17mmol)の磁気攪拌THF(43mL)溶液に、室温にて、DEAD(0.57g,2.17mmol)を添加した。室温にて1時間の攪拌後、その反応混合物を真空下で濃縮した。その粗生成物を、ヘキサン/酢酸エチル(70/30)を用いて溶出するフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、447−JCH−290B(0.21g,70%)を得た。
(447−JCH−294B)
ER−803064(ステージ509−HD−119)の合成のために記載されたのと類似する手順を使用して、447−JCH−290B(0.21g,0.38mmol)を、エタノール(5.7mL)中の水酸化ナトリウム(1M溶液,1.9mL,1.9mmol)と反応させて、447−JCH−294B(0.128g,73%)を得た。
(447−JCH−295B)
447−JCH−294B(0.07g,0.155mmol)のジクロロメタン(15mL)の磁気攪拌溶液に、室温にて、炭酸水素ナトリウム(0.08g)およびDess−Martin試薬(165mg,0.388mmol)を添加した。室温にて45分間の攪拌の後、炭酸水素ナトリウム飽和水溶液中の10%(w/w)チオスルフェート溶液を添加した。この反応混合物を水で希釈し、エチルエーテルで抽出した。その粗生成物を、n−ヘキサン/酢酸エチル(60/40)を用いて溶出するフラッシュクロマトグラフィーによって精製した。447−JCH−295B(0.06g,88%)。
(447−JCH−296B/ER−803027)
ER−803064(ステージ509−HD−125)の合成のために記載されたのと類似する手順を使用して、447−JCH−295B(0.017g,0.038mmol)を、アセトニトリル(3.4mL)中のHF(48%)(0.85ml)と反応させて、447−JCH−296B/ER−803027(0.006g,97%)を得た。
(B2329の調製)
(447−SG−089A)
1,3−プロパンジオール(15g,197mmol)、p−アニサルデヒドジメチルアセタール(37mL,217mmol)およびp−トルエンスルホン酸(35mg)の混合物を、わずかに真空下で、35℃にて6時間、DMF(35.5mL)中で攪拌した。その反応混合物を室温まで冷却し、その後、炭酸水素ナトリウム飽和水溶液を添加した。この反応混合物を水で希釈し酢酸エチルで抽出して、447−SG−089A(35.8g)を得た。この粗生成物を、精製することなく、次の工程に直接使用した。
(447−SG−89B)
413−SG−89A(12.95g,66.67mmol)のジクロロメタン(225mL)磁気攪拌溶液を、−5℃(氷/塩,内部温度計)まで冷却し、トルエン(100mL,100mmol)中のDIBAL−H 1M溶液を添加した。室温にて2時間攪拌した後、その反応をメタノール(100mL)添加によりクエンチした。激しく2時間攪拌した後、100mlの硫酸ナトリウム飽和水溶液を添加した。1時間の攪拌の後、その反応混合物を100mLのエチルエーテルで希釈し、室温で30分間攪拌した。その反応混合物を、セライト栓に通して濾過し、その溶媒をエバポレーションにより除去した。その粗生成物を、ヘキサン/酢酸エチル(2:1、その後、1/1)を用いて溶出するフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、447−SG−89B(11.45 88%収率)を得た。
(413−SG−106A)
413−SG−89B(2g,10.9mmol)のジクロロメタン(225mL)磁気攪拌溶液を、0℃(氷/水,外部温度計まで冷却して、DMSO(2.5mL,35.67mmol)を添加し、その後P2O5(5.06g,35.67mmol)を添加した。室温にて1時間の攪拌の後、その反応を0℃まで冷却し、トリエチルアミン(7.1mL,50.95ml)を添加した。室温にて45分間の攪拌の後、この反応混合物を水で希釈し、ジクロロメタンで抽出した。その溶媒を、エバポレーションにより除去した。その残渣をエーテルで粉砕し、その固体を濾過して除き、エーテルで洗浄した。その溶媒を、エバポレーションにより除去して、413−SG−106A(2.1g)を得、その粗生成物を、精製することなく、次の工程に直接使用した。
(413−SG−106B)
中間体343−YW−276の合成のために記載されたのと類似する手順を使用して、413−SG−106A(10.9mmol)を、ジクロロメタン(12.6mL)中のトリフェニルホスフィン(7g,26.49mmol),四臭化炭素(4.39g,13.25mmol)およびトリエチルアミン(1.4mL,10.9mmol)と反応させた。その粗生成物を、ペンタン/ジクロロメタン(1/1)を用いて溶出するフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、413−SG−106B(3.04g,85%収率)を得た。
(413−SG−110B)
中間体554−RB−240Bの合成のために記載されたのと類似する手順を使用して、413−SG−106B(1.66g,4.73mmol)を、n−BuLi(トルエン中2.5M,4.2mL,10.41mmol)とTHF(32.5mL)中で−78℃にて反応させた。その後、生じたアルキニルリチウムを、中間体343−YW−277(1.64g,3.97mmol)とTHF(12mL)中で−78℃にて反応させた。その粗生成物を、ヘキサン/酢酸エチル(3/1)を用いて溶出するフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、413−SG−110B(2.01g,86%収率)を得た。
(413−SG−167A)
中間体554−RB−241の合成のために記載されたのと類似する手順を使用して、413−SG−110B(1.4g,2.27mmol)を、ヘキサン(32mL)中に溶解し、Lindlar触媒を使用して水素化して、413−SG−167A(1.4g)を得た。
(413−SG−169B)
554−RB−242の合成のために記載されたのと類似する手順を使用して、413−SG−167A(1.37g,2.27mmol)を、塩化ベンゾイル(0.53mL,4.54mmol)、トリエチルアミン(0.79mL,5.68ml)および触媒量のDMAPとジクロロメタン(12mL)中で反応させた。その粗生成物を、ヘキサン/酢酸エチル(3/1)を用いて溶出するフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、413−SG−169B(1.58g,99%収率)を得た。
(413−SG−169B)
413−SG−169B(1.58g,2.22mmol)を、TBAF(0.88g,3.34mmol)とTHF(6mL)中で室温にて反応させた。この反応混合物を水で希釈し、エチルエーテルで抽出した。その粗生成物を、ヘキサン/酢酸エチル(5/1その後、1/1)を用いて溶出するフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、413−SG−169B(1.02g,98%収率)を得た。
(413−SG−163B)
554−RB−260の合成のために記載されたのと類似する手順を使用して、413−SG−170B(1.02g、2.17mmol)を、トリフェニルホスフィン(0.97g,3.69mmol)、DEAD(0.36mL,2.28mmol)およびヨウ化メチル(0.175mL,2.82mmol)と、トルエン(19mL)中にて反応させた。その粗生成物を、ヘキサン/酢酸エチル(9/1その後、5/1)を用いて溶出するフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、413−SG−163B(1.12g,98%収率)を得た。
(413−SG−174B)
531−YW−4の合成のために記載されたのと類似する手順を使用して、413−SG−173B(1.12g,1.93mmol)を、中間体509−HD−213(1.2g,2.51mmol)およびLiHMDS(1M溶液(THF中),2.3mL,2.3mmol)と10:1 THF/HMPA混合物(17.3mL)と反応させて、413−SG−174Aを得た。413−SG−174A(粗製)を、MCPBA(0.61g,1.93mmol)およびトリエチルアミン(1.6mL,11.6mmol)と反応させた。その粗生成物を、ヘキサン/酢酸エチル(5/1その後、3/1)を用いて溶出するフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、413−SG−174B(0.895g,45%収率)を得た。
(413−SG−177B)
453−MS−262の合成のために記載されたのと類似する手順を使用して、413−SG−174B(0.89g,1.14mmol)を、DDQ(0.31g,1.37mmol)と2/1−ジクロロメタン/水混合物(48mL)中で反応させた。その粗生成物を、ヘキサン/酢酸エチル(5/1その後、3/1)を用いて溶出するフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、413−SG−177B(0.454g,61%収率)を得た。
(413−SG−179B)
ER−803064(ステージ509−HD−116)の合成のために記載されたのと類似する手順を使用して、413−SG−177B(0.45g,0.691mmol)を、TBAF(0.542g,2.07mmol)とTHF(2.2ml)中で反応させた。その粗生成物を、ジクロロメタン/メタノール:(95/5)を用いるフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、413−SG−179B(0.31g,79%収率)を得た。
(413−SG−180B)
413−SG−179B(0.31g,0.54mmol)を、トリフェニルホスフィン(0.175g,0.658mmol)およびDEAD(0.105ml,0.658mmol)とTHF(43ml)中で反応させた。その粗生成物を、ヘキサン/酢酸エチル:(3/1)を用いるフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、413−SG−180B(0.2g,69%収率)を得た。
(413−SG−182A)
ER−803064(ステージ509−HD−119)の合成のために記載されたのと類似する手順を使用して、413−SG−180B(0.18g,0.334mmol)を、水酸化ナトリウム(1M溶液,1.7mL,1.7mmol)と2/1混合物 エタノール/THF(10mL)中で反応させて、413−SG−182A(0.16g)を得た。その粗生成物を、さらに精製することなく次の工程のために使用した。
(413−SG−188B)
ER−803064(ステージ509−HD−125)の合成のために記載されたのと類似する手順を使用して、413−SG−182A(0.14g,0.32mmol)を、PCC(0.84g,3.87mmol)とジクロロメタン(34mL)中で分子篩4Å(800mg)を用いて反応させた。その粗生成物を、ヘキサン/酢酸エチル:(70/30)を用いるフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、413−SG−188B(0.07g,52%収率)を得た。
(413−SG−93B)
ER−803064(最終工程)の合成のために記載されたのと類似する手順を使用して、413−SG−188B(0.067g,0.157mmol)を、HF(6M溶液(アセトニトリル中),17.7ml)とジクロロメタン(3.1ml)中で反応させた。その粗生成物を、ヘキサン/酢酸エチル:(60/40)を用いるフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、413−SG−193B/B−2329(0.05g,91%収率)を得た。
(B2395の調製)
413−SG−178B(0.194g,0.289mmol)およびトリエチルアミン(0.08mL,0.578mmol)の乾燥ジクロロメタンの磁気攪拌溶液を、0℃(氷/水;外部温度計)まで冷却し、塩化メタンスルホニル(0.034ml,0.434mmol)を導入した。0℃で1時間攪拌した後、炭酸水素ナトリウム飽和水溶液を添加した。この反応混合物を水で希釈し、ジクロロメタンで抽出した。その粗生成物を、シリカゲル(ヘキサン/EtOAc:1/1)で精製して、413−SG−184B(0.215g,99%収率)を得た。
(413−SG−185B)
413−SG−184B(0.216g,0.288mmol)、アジ化ナトリウム(0.028g,0.432mmol)および触媒量のテトラ−ヨウ化ブチルアンモニウムのDMF溶液を、85℃にて磁気攪拌した。90分間後、その反応混合物を真空下で濃縮した。その粗生成物を、シリカゲル(ヘキサン/EtOAc:5/1)で精製して、413−SG−185B(0.086g,93%収率)を得た。
(413−SG−186A)
ER−803064(ステージ509−HD−116)の合成のために記載されたのと類似する手順を使用して、413−SG−185B(0.19g,0.27mmol)をTBAF(0.21g,0.8mmol)とTHF(1ml)中で反応させて、413−SG−186A(0.14g)を得た。その粗生成物を、さらに精製することなく、次の工程において使用した。
(413−SG−217A)
413−SG−186A(0.092g,0.156mmol)のTHF/水4/1(1.5mL)の磁気攪拌溶液に、室温にて、トリメチルホスフィン(0.78mL,0.778mmol)を導入した。室温にて18時間攪拌した後、その反応混合物を真空下で濃縮した。その残渣を水で希釈し、ジクロロメタンで抽出して、413−SG−217Aを得た。その粗製物質を乾燥し、さらに精製することなく、次の工程において使用した。
413−SG−217A(0.156mmol)のジクロロメタン(0.2mL)磁気攪拌溶液に、室温にてEDC(0.10mg,0.504mmol)を導入した。室温にて4時間攪拌した後、そのその反応混合物を、真空下で濃縮した。その粗製物質を、シリカゲル(ヘキサン/EtOAc:1/1)で精製して、413−SG−217B(0.036g,42%収率)を得た。
(413−SG−221A)
ER−803064(ステージ509−HD−119)の合成のために記載されたのと類似する手順を使用して、413−SG−217B(0.036g,0.065mmol)を、水酸化ナトリウム(1M溶液,0.3mL,0.3mmol)とエタノール/THF(2mL)の2/1混合物中で反応させて、413−SG−221A(0.031g)を得た。その粗生成物を、さらに精製することなく次の工程のために使用した。
(413−SG−226A)
ER−803027(ステージ447−JCH−295)の合成のために記載されたのと類似する手順を使用して、413−SG−221A(0.014g,0.031mmol)をDess−Martin試薬(80mg,0.188mmol)および2.6−ルチジン(0.036mL,0.313mmol)とジクロロメタン(2.1mL)中で反応させた。その粗製物質を、シリカゲル(ジクロロメタン/メタノール:98/2)で精製して、413−SG−226A(0.005g,36%収率)を得た。
(413−SG−235B)
ER−803064(最終工程)の合成のために記載されたのと類似する手順を使用して、413−SG−226AB(0.01g,0.022mmol)を、HF(1.5M溶液(アセトニトリル中),5mL)とジクロロメタン(2mL)中で反応させた。その粗生成物を、n−ヘキサン/酢酸エチル:(3/1)を用いて溶出するフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、413−SG−235B(0.004g,50%収率)を得た。
(C8−デオキシアナログ、NF0530、NF0531、NF0552およびNF0761の調製)
L−ジメチルマレート(50g,308.4mmol)を乾燥THF(308mL)中に溶解し、0℃まで冷却した。その後、BH3−Me2S複合体(10M,1.1当量、34mL,0.34mol)を滴下して添加し、その後、その混合物を、室温まで加温した。90分間攪拌した後、再び0℃まで冷却し、NaBH4(0.05当量、15.4mmol,583mg)を添加し、さらに60分間攪拌した。その反応を、MeOHでクエンチし、減圧下で濃縮した。粗製残渣を、シリカゲルクロマトグラフィー(AcOEt/MeOH)精製することによって、MK−001(26g,63%)を得た。
MK−001(10.0g,74.6mmol)およびp−アニサルデヒドジメチルアセタール(16.5mL,96.9mmol)の150mL乾燥CH2Cl2溶液に、DL−10−CSA(35mg,0.15mmol)を0℃で添加し、その後、その反応混合物を室温まで次第に加温した。1日間後、0.042mLのEt3Nを添加し、その後、エバポレートした。その粗生成物を、シリカゲル(ヘキサン/AcOEt:5/1〜3/1)でクロマトグラフィーで精製することによって、MK−002(12.1g,64%)を得た。
MK−002(12.1g,48.0mmol)を乾燥CH2Cl2−DME(240mL−240mL)中に溶解し、−78℃まで冷却した。その後、DIBAL−H(ヘキサン中)(1.0M,50.4mL,50.4mmol)を滴下して30分間にわたり添加し、その混合物を、さらに100分間、−78℃にて攪拌した。その反応を、MeOH(6mL)でクエンチし、その後、AcOEtおよび水性飽和酒石酸Na/Kの攪拌溶液に注いだ。その有機抽出物を、ブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濾過し、そして濃縮して、MK−003(11.84g)の粗製油状物を得た。これを、精製することなく次の工程のために使用した。
Ph3PCH3 +Br−(34.3g,96.0mmol)を乾燥THF(320mL)中に溶解した。その混合物を0℃まで冷却し、ヘキサン(1.6M,51.0mL,81.6mmol)中のn−BuLiをゆっくり添加した。120分間攪拌した後、粗製MK−003(11.84g)の50mL乾燥THF溶液を、ゆっくり添加した。その反応物を、30分間0℃にて攪拌し、その後、室温にて一晩攪拌し、その後、NH4Cl飽和水溶液でクエンチした。その混合物を、AcOEtで抽出し、ブラインで洗浄し、MgSO4で乾燥し、濾過し、そして濃縮して、粗製油状物を得た。その粗製油状物を、Et2O−ヘキサンで希釈し、生成した沈殿物を濾過して除去し、その後、その濾液をエバポレートした。その残留油状物を、シリカゲル(ヘキサン/AcOEt:20/1〜8/1)クロマトグラフィーにより精製して、MK−004(4.25g,40% 2工程)油状物を得た。
MK−004(4.05g,18.4mmol)の92mL乾燥THF溶液に、BH3−Me2S(2.0M THF中,4.60mL,9.2mmol)を0℃にてゆっくり添加し、その後、その反応混合物を0℃にて90分間攪拌し、その後、それを室温まで加温し、120分間攪拌した。その溶液を0℃まで再冷却し、その後、水性3N−NaOH(28mL)および水性30%−H2O2(28mL)で激しく攪拌しながら処理した。その混合物をEt2Oで抽出し、Na2SO3飽和水溶液で洗浄し、MgSO4で乾燥し、濾過し、そして濃縮して、粗製油状物を得た。その粗製油状物を、シリカゲル(ヘキサン/AcOEt:1/1〜2/3)クロマトグラフィーにより精製して、MK−005(2.64g,60%)油状物を得た。
TM−03中間体であるTBS−エーテルを491−HAD−46から合成のための類似する手順を使用して、MK−005(2.64g,11.1mmol)を粗製MK−006(3.91g)へと転換した。それを、精製することなく次の工程のために使用した。
MK−006(3.91g)を74mLの乾燥CH2Cl2中に溶解し、−78℃まで冷却した。DIBAL−H(ヘキサン中)(1.0M,5当量、55.3mL,55.3mmol)を滴下して30分間にわたって添加し、その溶液を−78℃にてさらに60分間攪拌し、その後、それを0℃まで50分間かけて加温した。その反応を、MeOH(7mL)でクエンチし、その後、AcOEtおよび飽和水性酒石酸Na/Kの攪拌溶液に注いだ。その有機抽出物を、ブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濾過し、そして濃縮して、粗製油状物を得た。その粗製油状物をシリカゲル(ヘキサン/AcOEt:3/1)クロマトグラフィーにより精製して、油状物であるMK−007(3.19g,81%2工程)を得た。
(COCl)2(3当量,2.24mL,25.6mmol)の84mL乾燥CH2Cl2溶液に、DMSO(6当量、3.64mL,51.3mmol)を−78℃にてゆっくり添加した。−78℃にて15分間後、MK−007(3.03g,8.55mmol)溶液を滴下してこの反応に−78℃にて添加した。その温度にて30分間後、Et3N(9当量、10.7mL,76.9mmol)をゆっくり添加した。その反応混合物を次第に−10℃まで加温した。それを、飽和NH4Cl水溶液でクエンチし、AcOEt−ヘキサンで抽出し、KHSO4水溶液で洗浄し、その後、ブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濾過し、そして濃縮して、MK−008(3.52g)の粗製油状物を得た。それを、精製することなく次の工程のために使用した。
TM−04をTM−03およびTM−02から合成するための類似する手順を使用して、MK−008(3.52g)をNY−22(6.06g)とカップリングし、その後、純粋なMK−009(5.76g,100% 2工程)へと、プロパルギル位置でのジアステレオマー混合物として転換した。
TM−05をTM−04からの合成するための類似する手順を使用して、MK−009(5.75g)を、粗製MK−010(6.11g)へと、アリル位置でのジアステレオマー混合物として転換した。
554−RB−242を554−RB−241からの合成するための類似する手順を使用して、粗製MK−010(6.11g)を、純粋なMK−011(5.93g,89%2工程)へと、アリル位置でのジアステレオマー混合物として転換した。
MK−011(5.93,7.59mmol)の76mL 99.5% EtOH攪拌溶液に、PPTS(0.15当量、286mg,1.14mmol)を室温にて添加し、その後、その混合物を、45℃まで加温した。1日間後、それをAcOEtで希釈し、その後、飽和NaHCO3水溶液およびブラインで洗浄し、MgSO4で乾燥し、濾過し、そして濃縮して、粗製油状物を得た。その粗製油状物をシリカゲル(ヘキサン/AcOEt:2/1)クロマトグラフィーにより精製して、MK−012(4.94g,98%)油状物を得た。.
554−RB−260を554−RB−244からの合成するための類似する手順を使用して、MK−012(4.20g,6.30mmol)をDIADおよびヨウ化メチルと、Ph3Pの存在下で反応させて、純粋なMK−013(4.74g,97%)を、アリル位置でのジアステレオマー混合物として得た。
ジフェノール(13.0g,66.3mmol)、MeOH(6.2mL,152mmol),およびiPr2EtN(13.9mL,79.5mmol)の110mLのCH3CN攪拌混合物に、TMSCHN2(ヘキサン中)(2M,38.1mL,76.2mmol)を滴下して80分間にわたって室温にて添加し、その後、一晩攪拌した。その反応を、5%クエン酸水溶液でクエンチし、AcOEtで抽出した。その有機抽出物を、NaHCO3飽和水溶液およびブラインで洗浄し、MgSO4で乾燥し、濾過し、そして濃縮した。その粗生成物を、シリカゲル(ヘキサン/AcOEt:9/1)クロマトグラフィーにより精製して、MK−014(12.4g,89%)結晶を得た。
509−HD−209を509−HD−207から合成するための類似する手順を使用して、MK−014(5.2g,25mmol)を純粋なMK−015(6.3g,100%)へと転換した。
509−HD−211を509−HD−209から合成するための類似する手順を使用して、MK−015(6.0g,23.5mmol)を、MK−016(5.3g,55%)と、分離不能なジセレニドとの混合物へと転換した(2.9g,22%)。
化合物4を化合物2および化合物3から合成するための類似する手順を使用して、MK−013(1.5g,1.93mmol)を、MK−016とジセレニド(2.90mmolのMK−016を含む)との混合物とカップリングして、MK−017(4.3g)の粗製油状物を得た。それを、精製することなく次の工程のために使用した。
化合物5を化合物4から合成するための類似する手順を使用して、粗製MK−017(4.3g)を、MK−018(1.60g,92% 3工程)へと精製化合物として転換した。
MK−018(1.59g,1.76mmol)を25mLのTHF中に溶解した。その後、テトラブチルアンモニウムフルオリド(TBAF)(THF中)(1M,7.0mL,7.0mmol)を室温にて添加した。その混合物を38時間攪拌し、その後、NH4Cl飽和水溶液を添加した。その混合物を、AcOEtで抽出し、その有機抽出物を、ブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濾過し、そして濃縮した。その粗生成物を、シリカゲル(ヘキサン/AcOEt:5/3〜1/2)クロマトグラフィーにより精製して、MK−019(1.10g,93%)油状物を得た。
MK−019(1.07g,1.61mmol)の20mL EtOH攪拌溶液に、32mLの水性1N−NaOHを添加し、その後、その混合物を、100℃まで加温した。32時間後、それを32mLの水性1N−HClでクエンチし、AcOEtで抽出した。その有機抽出物を、ブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濾過し、そして濃縮した。その粗生成物を、シリカゲル(AcOEt/MeOH:9/1)クロマトグラフィーにより精製して、MK−020(860mg,100%)油状物を得た。
TM−12をTM−11から合成するための類似する手順を使用して、MK−020(860mg,1.61mmol)をMK−021およびMK−022(402mg,49% 2工程;MK−021:MK−022=85:15)の混合物へと転換した。
Dess−Martinパーヨージナン(1.01g,2.38mmol)の40mL乾燥CH2Cl2攪拌溶液に、MK−021およびMK−022(402mg,0.794mmol)の40mL乾燥CH2Cl2溶液を、0℃にて添加し、その後、その混合物を、室温まで加温した。14時間後、それを0℃まで再冷却し、AcOEtで希釈し、Na2SO3飽和水溶液、NaHCO3およびブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濾過し、そして濃縮して、粗製油状物を得た。その粗製油状物を、シリカゲル(ヘキサン/AcOEt:3/1)クロマトグラフィーにより精製して、NF0552(301mg,74%)の無色結晶およびNF0530(35mg,9%)の無色油状物を得た。
NF0675をTM−13から合成するための類似する手順を使用して、NF0552(263mg,0.515mmol)を、NF0530(199mg,83%)へと、精製化合物として転換した。
NF0530(233mg,0.499mmol)の17mL CH2Cl2および1.7mL水性リン酸緩衝液(pH6.86)攪拌溶液に、DDQ(283mg,1.25mmol)を0℃にて少しずつ添加し、その後、その混合物を、室温までゆっくり加温した。3.5時間後、それをNaHCO3水溶液でクエンチし、AcOEtで希釈した。その有機抽出物を、NaHCO3水溶液およびブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濾過し、そして濃縮した。その粗生成物を、シリカゲル(ヘキサン/AcOEt:5/2)クロマトグラフィーにより精製して、NF0531(143mg,83%)の無色結晶を得た。
NF0552(30mg,0.059mmol)を、DDQ(3当量)で室温にて、NF0531をNF0530から合成するための類似する手順を使用して処理した。その乱雑な反応を、通常の様式でワークアップさせた。シリカゲル(ヘキサン/AcOEt:1/3)クロマトグラフィーによる精製によって、NF0761(1.7mg,7%)の無色油状物を得た。NF0761をHRMSにより分析した;FAB+ m/z 407(MH+),C21H26O8についての分析計算値:MH+,407.1706 実測値407.1711(MH+)。
(C11−C12、シクロプロピルアナログ、NF1226およびNF1227の調製)
TM−03を531−yw−2−3(491−HAD−46)から合成するのと同じ手順を使用して、MK−023を得た。
MK−023(2.5g,8.61mmol)および4−MPMCl(1.63mL,12.0mmol)の40mL DMF攪拌混合物に、NaH(66%,344mg,9.47mmol)を0℃にて少しずつ添加し、その混合物を、室温まで加温した。3時間攪拌した後、その反応を、NH4Cl飽和水溶液でクエンチし、AcOEtで抽出した。その有機抽出物を、NaHCO3飽和水溶液およびブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濾過し、そして濃縮した。その粗生成物を、シリカゲル(ヘキサン/AcOEt:15/1)クロマトグラフィーにより精製して、完全保護されたテトラオール(2.83g,80%)の無色油状物を得た。
その完全保護されたテトラオール(3.11g,7.58mmol)を、38mLのTHF中に溶解した。その後、テトラブチルアンモニウムフルオリド(TBAF)(THF中)(1M,9.9mL,9.9mmol)を室温にて添加した。その混合物を、2時間攪拌した後、NH4Cl飽和水溶液を添加した。その混合物を、AcOEtで抽出し、その有機抽出物を、ブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濾過し、そして濃縮した。その粗生成物を、シリカゲル(ヘキサン/AcOEt:1/1)クロマトグラフィーにより精製して、MK−024(2.22g,99%)油状物を得た。
531−YW−3を531−YW−2−3から合成するための類似する手順を使用して、MK−024(1.90g,6.41mmol)を、MK−025(2.36g,90%)へと、精製化合物として転換した。
531−YW−4を合成するための類似する手順を使用して、509−HD−213(3.63g,7.54mmol)とカップリングしたMK−025(2.36g,5.80mmol)を、MK−026(3.10g,89% 3工程)へと、精製化合物として転換した。
MK−026(2.0g,3.32mmol)の130mLトルエン攪拌溶液に、Et2Zn(ヘキサン(1M,16.6mL,16.6mmol)およびCH2I2(1.34mL,16.6mmol)中)を、−30℃にて添加した。30分間−30℃で攪拌した後、それを室温まで2時間かけて次第に加温し、その後、NH4Cl飽和水溶液でクエンチした。(標的産物の分解を回避するために、短い反応時間(1〜2時間)が、転換速度に関わらず必要とされたことに、留意のこと)。その混合物を、AcOEtで抽出し、その有機抽出物を、ブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濾過し、そして濃縮した。その粗生成物を、シリカゲル(ヘキサン/AcOEt:6/1〜5/1)クロマトグラフィーにより精製して、MK−027(369mg,<19%)油状物(少量のMK−026を含む)を得、MK−026(519mg,<26%)(少量のMK−027を含む)を回収した。その回収したMK−026を、同じ様式で再び処理して、MK−027(367mg,<29%)(少量のMK−026を含む)を得た。トランスシクロプロパンMK−027を、分離不能なステレオ異性体混合物として得た(1:1).
MK−027(736mg,約1.19mmol)(10%のMK−026を含む)を、24mLのTHFおよび4mLの水中に溶解した。tBuOH(3w/v%,0.05当量、0.51mL,0.06mmol)、N−メチルモルフォリン(0.2当量、0.026mL,0.24mmol)およびNaClO3(0.4当量、51mg,0.48mmol)中のOsO4を、室温にて攪拌溶液に添加した。2日間後、その混合物に、セライト、AcOEt、およびNa2SO3水溶液を添加した。その懸濁物を、濾過し、その濾液を、ブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濾過し、そして濃縮して、MK−027(768mg)粗製油状物を得た。これは、MK−026を含まなかった。それを、精製することなく次の工程のために使用した。
NF0531をNF0530から合成するための類似する手順を使用して、MK−027(768mg)粗製油状物を、MK−028(523mg,88% 2工程)へと、精製化合物として転換した。
MK−009をMK−007から合成するための類似する手順を使用して、MK−028(204mg,0.411mmol)を、MK−029(231mg,69% 2工程)へと、精製化合物として転換した。
MK−029(231mg,0.283mmol)を、7mLの99.5% EtOHおよび7mLのヘキサン(注意:ヘキサン中で反応なし)中に溶解した。その後、キノリン(0.3当量、0.01mL,0.085mmol)および5%炭素担持Pd−BaSO4(0.05当量、30mg,0.014mmol)を添加した。H2バルーンを取り付け、その混合物を、H2でパージした。3.5時間H2(1気圧)下で室温にて攪拌した後、その反応混合物をセライトを通して濾過し、その濾液を、エバポレートして、シス−オレフィン(240mg)粗製油状物を得た。
554−RB−242を554−RB−241から合成するための類似する手順を使用して、その粗製シス−オレフィン(240mg)を、MK−030(216mg,83% 2工程)へと、精製化合物として転換した。
MK−019をMK−018から合成するための類似する手順を使用して、MK−030(215mg,0.233mmol)を、カルボン酸MK−031(125mg,92%)へと、精製化合物へと直接転換した。
TM−12をTM−11から合成するための類似する手順を使用して、MK−031(123mg,0.210mmol)を粗製ラクトン化生成物へと転換した。それを、シリカゲル(ヘキサン/AcOEt:4/1,3/1,〜1/1)クロマトグラフィーにより精製して、MK−032(27mg,22%)油状物およびdes−MOM形態MK−033(20mg,18%)油状物を得た。
MK−032(24mg,0.0424mmol)の0.85mLのEtOHおよび0.85mLのTHF攪拌溶液に、水性1N NaOH(2.1当量、0.089mL,0.0889mmol)を添加した。室温にて3日間攪拌した後、その混合物を、AcOEtで希釈し、ブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濾過し、そして濃縮して、粗製生成物MK−034(24mg)を得た。それを、精製することなく次の工程のために使用した。
その粗製MK−034(24mg,0.0424mmolを含むと仮定される)を、9mLのCH2Cl2中に溶解した。その溶液に、分子篩4A(45mg)およびPDC(3当量、48mg,0.127mmol)を室温にて添加した。その反応混合物を室温にて4日間攪拌し、その後、Et2Oで希釈し、セライトパッドを通して濾過した。その濾液をエバポレートして、粗製生成物を得た。それを、シリカゲル(ヘキサン/AcOEt:3/1〜2/1)クロマトグラフィーにより精製して、MK−035(トランスシクロプロパン上で極性が低い単一異性体,3.6mg,18% 2工程)無色油状物,MK−036(トランスシクロプロパン上で極性異性体,5.8mg,30% 2工程)無色油状物およびMK−037(異性体化トランスオレフィン,5.4mg,28% 2工程)淡黄色油状物を得た。
50%フッ化水素酸(24N,0.2mL)を、極性が低い方の異性体MK−035(3.6mg,0.00782mmol)に0.8mLのCH3CN中にて添加し、0℃にて1時間攪拌した。室温でさらに1時間攪拌した後、その反応混合物を、NaHCO3飽和水溶液でクエンチし、AcOEtで抽出した。その有機抽出物を、ブラインで洗浄し、MgSO4で乾燥し、濾過し、そして濃縮して、粗製生成物を得た。それを、シリカゲル(ヘキサン/AcOEt:1/2)クロマトグラフィーにより精製して、NF1226(2.3mg,59%)無色結晶を、単一異性体として得た。
MK−034をMK−032から合成するための類似する手順を使用して、MK−033(20mg,0.0383mmol)を、ジオール中間体(13mg,81%)へと転換した。
NF530をMK−022から合成するための類似する手順を使用して、そのジオール中間体(15mg,0.0358mmol)を、MK−038(4.7mg,32%)へと転換した。
NF0675をTM−13から合成するための類似する手順を使用して、MK−038(4.8mg,0.0115mmol)を、NF1227(3.6mg,83%,単一異性体)無色結晶へと転換した。
NF1226をMK−035から合成するための類似する手順を使用して、極性異性体MK−036(5.8mg,0.0126mmol)を、NF1227(2.6mg,55%,単一異性体)無色結晶へと転換した。
NF1227は、トランスシクロプロパン上での立体化学に関して、NF1226とは異なる。
(C11−C12アミドアナログの、NF1535、NF1537およびNF2306の調製)
(NF1535およびNF1537の代表的な合成手順)
NY−06からNY−07の合成のための類似の手順を使用して、MK−014(12.40g,59.0mmol)を、MK−039に変換し(13.68g,92%)、そして精製した。
MK−039(13.68g,54.2mmol)を、360mLのCCl4に溶解し、そしてこの溶液を還流するまで加熱した。この撹拌溶液に、NBS(11.1g,62.4mmol,1.15当量)と(PhCO)2O2(722mg,2.98mmol,0.055当量)との混合物を、少しずつ添加し(1.5時間にわたって)、そして還流しながらさらに30分間撹拌した。この反応混合物を室温まで冷却し、そして不溶性物質を濾去し、次いで、濾液を濃縮して、粗生成物を得た。この粗生成物を、シリカゲルのクロマトグラフィー(ヘキサン/AcOEt:4/1〜3/1)により精製して、少量の出発物質およびジブロミドを含む、MK−040を得た(14.51g,<81%)。これを、さらに精製することなく、次の工程に使用した。
220mLのDMSO中のMK−040(14.51g,43.82mmolを含むと仮定する)を、55mLのDMSO中のAgBF4(11.09g,57.0mmol)の溶液に、室温で添加した。2時間後、Et3N(18.3mL,131.4mmol)を添加し、そして室温で40分間撹拌した。この反応混合物を、AcOEtで希釈し、次いで飽和NaHCO3水溶液およびブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濾過し、そして濃縮して、粗油状物を得た。この粗生成物を、シリカゲル(ヘキサン/AcOEt:3/1〜1/1)によって精製して、MK−041の無色の油状物を得た(5.49g,2工程で38%)。
140mLの99.5%のEtOH中のMK−041(5.49g,20.63mmol)の撹拌混合物に、室温で、イミダゾール(421mg,6.19mmol)を添加した。6日間撹拌した後、この混合物をエバポレートし、AcOEtで希釈し、水で洗浄し、次いでブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濾過し、そして濃縮して、MK−042の無色の粗結晶を得た(4.42g,<96%)。これを、さらに精製することなく、次の工程に使用した。
70mLのDMF中の、粗MK−042(2.41g,10.75mmolを含むと仮定する)およびK2CO3(3.94g,28.5mmol)の撹拌懸濁液に、MOMCl(1.77mL,23.3mmol)を、0℃で添加し、次いで、この混合物を室温まで加温した。14時間後、この反応混合物を、飽和NaHCO3水溶液でクエンチし、AcOEtで抽出した。有機抽出物を、ブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濾過し、そして濃縮して、MK−043の粗油状物を得た(2.93g,定量的)。これを、さらに精製することなく、次の工程に使用した。
粗MK−043(2.93g,10.75mmolを含むと仮定する)を、80mLのt−BuOHおよび20mLの水に溶解した。次いで、2−メチル−2−ブテン(5.69mL,53.7mmol,5当量)およびNaH2PO4−2H2O(1.68g,10.75mmol)を添加した。この撹拌懸濁液に、NaClO2(1.94g,21.5mmol,2当量)を室温で滴下した。室温で1時間後、この混合物を、AcOEtおよび水で希釈し、次いで、KHSO4水溶液で、約pH4まで酸性化した有機抽出物をブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濾過し、そして濃縮して、MK−044(3.20g,定量的)の粗油状物を得た。これを、さらに精製することなく、次の工程に使用した。
粗MK−044(3.20g,10.75mmolを含むと仮定する)を、72mLの乾燥THFおよび4.45mLのBnOH(43.00mmol,4当量)に溶解した。次いでEt3N(1.80mL,12.90mmol,1.2当量)およびDPPA(2.54mL,11.82mmol,1.1当量)を添加した。この混合物を、65℃まで加熱し、15時間撹拌し、次いで室温まで冷却した。この混合物を、AcOEtおよび飽和NH4Cl水溶液で希釈した。有機抽出物を、飽和NaHCO3水溶液、次いでブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濾過し、そして濃縮して、粗油状物を得た。この粗生成物を、シリカゲルのクロマトグラフィー(ヘキサン/AcOEt:5/1)によって精製して、MK−045の無色の結晶を得た(3.50g,4工程で80%)。
80mLのEtOH中のMK−045(2.73g,7.02mmol)の撹拌溶液に、0.5NのNaOH水溶液(1.15当量,16.2mL,8.07mmol)を添加した。室温で2日間撹拌した後、この混合物を0℃まで冷却し、0.2NのHCl水溶液(1.15当量,40.3mL,8.07mmol)でクエンチし、そして水(40mL)で希釈して、沈殿物を得た。この沈殿物を濾過し、ヘキサン−AcOEt(15mL〜2mL)で洗浄し、そして減圧下で乾燥して、MK−046の純粋な無色の結晶を得た(1.58g,62%)。
Ph3P(2.98g,11.37mmol,2.6 当量)を、30mLの乾燥THFに溶解し、そして0℃まで冷却した。トルエン中40%のDEAD(4.76mL,10.49mmol,2.4当量)を添加し、そして0℃で30分間撹拌した。この撹拌溶液に、25mLのTHF中の、MK−046(1.58g,4.37mmol)と2−(トリメチルシリル)エタノール(0.94mL,6.56mL,1.5当量)との混合物を、0℃で滴下した。30分後、この反応混合物を、1時間かけて徐々に室温まで加温した。得られた混合物をエバポレートし、そしてシリカゲルのクロマトグラフィー(ヘキサン/AcOEt:6/1〜5/1)によって精製して、MK−047の油状物を得た(2.01g,99%)。
MK−047(2.01g,4.35mmol)を、60mLのAcOEtに溶解した次いで、10% Pd/C(50%湿潤,200mg)を添加した。H2風船を取付け、そしてこの混合物を、H2(1atm)でパージした。室温で一晩撹拌した後、通常の様式で後処理し、そしてシリカゲルのクロマトグラフィー(ヘキサン/AcOEt:6/1〜5/1)によって精製して、MK−048の無色の結晶を得た(1.20g,84%)。
(S)−1,3−ブタンジオールから343−YW−203を合成するための類似の手順を使用して、(R)−1,3−ブタンジオール(9.80g,108.7mmol)をMK−049(21.54g,2工程で94%)に、精製化合物として変換した。
343−YW−203から343−YW−276を合成するための類似の手順を使用して、MK−049(15.57g,74.05mmol)を、MK−050に、精製化合物として変換した(19.51g,2工程で72%)。
35mLの乾燥THF中のMK−050(5.15g,14.16mmol)の撹拌溶液に、ヘキサン中のn−BuLi(1.6M,19.5mL,31.14mmol)を、−78℃で添加した。1時間後、この反応混合物を、飽和NH4Cl水溶液でクエンチし、そしてAcOEtで希釈した。有機抽出物を、ブラインで洗浄し、MgSO4で乾燥し、濾過し、そして濃縮して、粗生成物を得た。これを、シリカゲルのクロマトグラフィー(ヘキサン/AcOEt:6/1〜5/1)によって精製して、MK−051の油状物を得た(2.69g,93%)。
TM−03からNY−01を合成するための類似の手順を使用して、MK−051(2.68g,13.1mmol)と結合されたTM−03(2.79g,10.0mmolを含むと仮定する)を、粗アルコールに変換した。この粗生成物を、シリカゲルのクロマトグラフィー(ヘキサン/AcOEt:5/1〜3/1)によって精製して、MK−052の油状物(極性の小さい方の1つの異性体,986mg,20%)、およびMK−053の油状物(極性の大きい方の1つの異性体,1.48g,30%)を得た。
TM−04からTM−05を合成するための類似の手順を使用して、MK−052(極性の小さい方の1つの異性体,968mg,1.96mmol)を、MK−054の無色の油状物に変換し、そして精製した(1つの異性体,870mg,90%)。
MK−023からMK−024を合成するための類似の手順を使用して、3−MPMCl(0.61mL,4.21mmol)で処理したMK−054(834mg,1.69mmol)を、MK−055の無色の油状物に変換し、そして精製した(984mg,95%)。
16mLのTHF中のMK−055(998mg,1.62mmol)の撹拌溶液に、THF中のTBAF(1M,2.43mL,2.43mmol)を室温で添加した。3時間後、この混合物を、通常の様式で後処理し、そしてシリカゲルのクロマトグラフィー(ヘキサン/AcOEt:3/1)によって精製して、MK−056の無色の油状物を得た(696mg,86%)。
MK−007からMK−008を合成するための類似の手順を使用して、MK−056(695mg,1.39mmol)を、MK−057(728mg)の粗アルデヒドに変換した。この粗アルデヒドを、さらに精製することなく、次の工程に使用した。
MK−043からMK−044を合成するための類似の手順を使用して、MK−057(728mg,1.39mmolを含むと仮定する)をMK−058の無色の油状物に変換した(643mg,2工程で90%)。
5mLの乾燥CH2Cl2中の、MK−058(200mg,0.389mmol)および2,6−(tBu)2−4−Me−ピリジン(798mg,10当量,3.89mmol)の溶液に、CH2Cl2中の(COCl)2(2M,0.97ml,5当量,1.94mmol)を、0℃で添加し、そしてこの溶液を、室温まで加温した。45分間撹拌した後、この混合物を減圧下、窒素雰囲気下で濃縮して、酸塩化物MK−059を含む粗生成物を得た。この粗生成物を、さらに精製することなく、次の工程に使用した。
MK−059を含む粗生成物(0.389mmolのMK−058から誘導される0.389mmolを含むと仮定する、1.03当量)を、4mLの乾燥CH2Cl2に、0℃で溶解した。4mLのトルエン中のMK−048(124mg,0.377mmol)の溶液を添加し、そしてこの混合物を、室温まで加温した。15分撹拌した後、この混合物を、飽和NaHCO3でクエンチし、そしてAcOEtで抽出した。有機抽出物を、ブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濾過し、そして濃縮して、粗生成物を得た。これを、シリカゲルのクロマトグラフィー(ヘキサン/AcOEt:3/1)によって精製して、MK−060の淡褐色の油状物を得た(297mg,96%)。
4mLのCH2Cl2中のMK−060(194mg,0.235mmol)および水性リン酸緩衝液(pH6.86)の撹拌混合物0.2mLに、DDQ(59mg,1.1当量,0.259mmol)を0℃で添加した。0℃で1.5時間撹拌した後、この反応混合物を、NaHCO3水溶液でクエンチし、そしてAcOEtで抽出した。有機抽出物を、飽和NaHCO3水溶液およびブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濾過し、そして濃縮して、粗油状物を得た。この粗生成物を、シリカゲルのクロマトグラフィー(ヘキサン/AcOEt:5/2)によって精製した、MK−061の無色の油状物を得た(138mg,83%)。
MK−030からMK−031を合成するための類似の手順を使用して、MK−061(165mg,0.234mmol)を、粗MK−062に変換した(159mg,>100%)。この粗MK−062を、さらに精製することなく、次の工程に使用した。
Ph3P(221mg,0.844mmol,3.6当量)を、39mLの乾燥THFに溶解し、そして0℃まで冷却した。トルエン中40%のDEAD(0.32mL,0.703mmol,3.0当量)を添加し、そして0℃で20分間撹拌した。この撹拌溶液に、39mLのTHF中の粗MK−062(159mg,0.234mmolを含むと仮定する)の溶液を、0度で、15分間かけて滴下した。0℃で10分後、この反応混合物をエバポレートし、そしてシリカゲルのクロマトグラフィー(ヘキサン/AcOEt:2/1〜3/2)によって精製して、MK−063の油状物を得た(115mg,2工程で84%)。
5mLのCH2Cl2中のMK−063(115mg,0.196mmol)および水性リン酸緩衝液(pH6.86)0.5mLの撹拌混合物に、DDQ(103mg,2.3当量,0.452mmol)を0℃で添加し、そしてこの混合物を室温まで加温した。室温で24時間撹拌した後、この混合物を、通常の様式で後処理して、粗油状物を得た。この粗生成物を、シリカゲルのクロマトグラフィー(ヘキサン/AcOEt:2/1〜1/3)によって精製して、無色の油状物のMK−064(2番目の溶出物,14mg,15%)、無色の油状物のMK−065(3番目の溶出物,21mg,23%)、およびMK−066(15mg,72%)を、精製化合物として得た。
MK−021からNF0552を合成するための手順と類似の手順を使用して、低温で処理したMK−065(21mg,0.0451mmol)を、MK−066の無色の油状物(一番目の溶出物、14mg、15%)に、精製化合物として変換した。
MK−035からNF1226を合成するための類似の手順を使用して、MK−066(29mg,0.0626mmol)を、粗淡黄色結晶に変換した。この粗生成物を、シリカゲルのクロマトグラフィー(ヘキサン/AcOEt=1/3〜AcOEtのみ)によって精製して、NF1535の無色の結晶を得た(17.6mg,74%)。
MK−035からNF1226を合成するための類似の手順を使用して、MK−064(14mg,0.0302mmol)を、粗淡黄色結晶に変換した。この粗生成物を、シリカゲルのクロマトグラフィー(CH2Cl2/AcOEt=4/1→2/1→1/1)によって精製して、NF1537の無色の結晶を得た(8.2mg,72%)。
(NF2306の合成手順)
66mLのCH2Cl2および132mLのシクロヘキサン中のメチル(R)−(−)−3−ヒドロキシ−2−メチルプロピオネート(7.00g,59.26mmol)の撹拌溶液に、CCl3C(=NH)OBn(13.2mL,71.1mmol)およびCF3SO3H(触媒、0.2mL)を室温で添加した。3時間後、この反応混合物を、ヘキサンで希釈し、沈殿物を形成させた。沈殿物を濾去した後、濾液を、飽和NaHCO3水溶液およびブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濾過し、そして濃縮して、粗油状物を得た。この粗生成物を、シリカゲルのクロマトグラフィー(ヘキサン/AcOEt=20/1)によって精製して、MK−067の無色の油状物を得た(9.60g,78%)。
LiAlH4(2.62g,69.1mmol)を、250mLの乾燥THF中に懸濁した。この懸濁液に、57mLのTHF中のMK−067(9.59g,46.0mmol)の溶液を、0℃で滴下した。0℃で1時間撹拌した後、この反応混合物を、MeOH(13mL)、水(2.5mL)、10% NaOH(2.5mL)、次いで水(7.5mL)でクエンチした。この混合物を、MgSO4で乾燥し、濾過し、そしてエバポレートして、粗生成物を得た。この粗生成物を、シリカゲルのクロマトグラフィー(ヘキサン/AcOEt=2/1)によって精製して、MK−068の無色の油状物を得た(7.89g,95%)。
MK−007からMK−008を合成するための類似の手順を使用して、MK−068(7.89g,43.76mmol)を、粗MK−069に変換した(8.66g,>100%)。この粗MK−069を、さらに精製することなく、次の工程に使用した。
100mLの乾燥Et2O中のCuI(10.83g,56.9mmol,1.3当量)の撹拌懸濁液に、0℃で15分間かけて、Et2O中のMeLi(1.14M,98.6mL,112.5mmol,2.57当量)を添加した。0℃で30分間撹拌した後、この混合物を、−78℃まで冷却した。75mLの乾燥Et2O中の粗MK−069(8.66g,43.76mmolを含むと仮定する)を、−78℃で40分間かけて添加し、次いで、この混合物を、−78℃でさらに1時間撹拌した。この反応混合物を、1.5時間かけて−20℃まで加温し、次いで、28%NH3水溶液でクエンチし、そしてAcOEtで抽出した。有機抽出物を、ブラインで洗浄し、MgSO4で乾燥し、濾過し、そして濃縮して、粗油状物を得た。この粗生成物を、シリカゲルのクロマトグラフィー(ヘキサン/AcOEt:5/1)によって精製して、MK−070の淡黄色油状物を得た(6.89g,2工程で81%)。
Ph3P(9.24g,35.24mmol,1.4当量)を、70mLの乾燥THFに溶解し、そして0℃まで冷却した。トルエン中40%のDEAD(14.84mL,32.72mmol,1.3当量)を添加し、そして0℃で20分間撹拌した。この撹拌溶液に、30mLの乾燥THF中のMK−070(4.89g,25.17mmol)およびPhCO2H(4.00g,32.7mmol,1.3当量)の溶液を、0℃で滴下した。0℃で30分後、この混合物を、一晩、室温まで加温した。得られた反応混合物を、エバポレートし、そしてヘキサン−AcOEtで希釈した。生成した沈殿物を濾過した後、濾液を濃縮して、黄色の粗油状物を得た。この粗生成物を、シリカゲルのクロマトグラフィー(ヘキサン/AcOEt:15/1)によって精製して、MK−071の淡黄色の油状物を得た(6.84g,91%)。
38mLのEtOH中のMK−071(6.84g,22.91mmol)の撹拌溶液に、3NのNaOH水溶液(15.3mL,45.81mmol)を添加し、次いでこの混合物を、80℃で1時間撹拌下。得られた混合物を、エバポレートし、Et2Oで抽出し、ブラインで洗浄し、MgSO4で乾燥し、濾過し、そして濃縮して、粗油状物を得た。この粗生成物を、シリカゲルのクロマトグラフィー(ヘキサン/AcOEt:5/1〜5/3)によって精製して、MK−072の無色の油状物を得た(4.17g,94%)。
30mLのDMF中の66%のNaH(916mg,25.20mmol)の懸濁液を、10mLのDMF中のMK−072(2.72g,14.00mmol)の溶液を、0℃で添加した。0℃で30分間撹拌した後、4−MPMCl(3.80mL,28.00mmol)を添加し、次いで、この混合物を室温まで間下。2日後、この反応を、飽和NH4Cl水溶液でクエンチし、そしてAcOEtで抽出した。有機抽出物を、飽和NaHCO3水溶液およびブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濾過し、そして濃縮した。粗生成物を、シリカゲルのクロマトグラフィー(ヘキサン/AcOEt:12/1)によって精製して、MK−073の無色の油状物を得た(3.88g,88%)。
塩基性の水(9.5g)中のRaney−Ni(W2)の50wt%懸濁液を、フラスコに添加し、次いで、この懸濁液を、水およびEtOHで洗浄した。この懸濁液に、150mLのEtOH中のMK−073(3.88g,12.34mmol)の溶液を添加した。H2風船を取付け そしてこの混合物をH2でパージした。H2(1atm)下で5日撹拌した後、この混合物を、Celiteを通して濾過し、そして濾液をエバポレートして、粗油状物を得た。この粗生成物を、シリカゲルのクロマトグラフィー(ヘキサン/AcOEt:3/1)によって精製して、MK−074の無色の油状物を得た(2.61g,94%)。
MK−007からMK−008を合成するための類似の手順を使用して、MK−074(2.61g,11.63mmol)を、MK−075の粗油状物に変換した(2.70g,定量的)。この粗MK−075を、さらに精製することなく、次の工程に使用した。
343−YW−203から343−YW−276を合成するための類似の手順を使用して、粗MK−075(2.70g,11.63mmolを含むと仮定する)を、MK−076に変換した(3.92g,2工程で89%)。
MK−076(2.03g,5.37mmol,1.36当量)を、27mLの乾燥THF中に溶解し、そして窒素下で−78℃まで冷却した。ヘキサン中のn−BuLi(1.6M,6.71mL,10.73mmol,2.71当量)を添加し、そして−78℃で1時間攪拌した。7mLの乾燥THF中の粗製TM−03(1.11g,3.96mmolを含むと推測される)の溶液を、この混合物に滴下し、そして−78℃で30分間攪拌した。この反応混合物を10℃まで2.5時間かけてゆっくりと温めた。この混合物を、飽和NH4Cl水溶液でクエンチし、そしてAcOEtで抽出した。この有機抽出物を飽和NaHCO3水溶液およびブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濾過し、そして濃縮した。この粗製生成物を、シリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン/AcOEt:7/1〜4/1)で精製して、MK−077の油(極性の低い単一異性体,541mg,27%)およびMK−078の油(極性の単一異性体,1.21g,60%)を得た。
TM−04からのTM−05の合成と類似の手順を使用して、MK−077(極性の低い単一異性体,3.85g,7.61mmol)を、MK−079の無色の油(単一異性体,3.38g,87%)に転換した。
MK−023からのMK−024の合成と類似の手順を使用して、3−MPMCl(2.89mL,19.9mmol)で処理したMK−079(3.38g,6.63mmol)を、MK−080の無色の油(3.86g,92%)に転換した。
MK−055からのMK−056の合成と類似の手順を使用して、MK−080(3.85g,6.12mmol)を、MK−081の無色の油(3.00g,95%)に転換した。
MK−056からのMK−058の合成と類似の手順を使用して、MK−081(1.82g,3.54mmol)を、MK−083の無色の油(1.80g,96% 2工程)に転換した。
MK−058からのMK−059の合成と類似の手順を使用して、MK−083(1.80g,3.40mmol)を、MK−084の粗製油に転換した。この粗製MK−084を、精製せずに次の工程に使用した。
MK−059からのMK−060の合成と類似の手順を使用して、MK−048(853mg,2.60mmol)と合わせて、この粗製MK−084を、MK−085の淡褐色の油(2.14g,98% 2工程)に転換した。
MK−060からのMK−061の合成と類似の手順を使用して、MK−085(2.14g,2.55mmol)を、MK−086の淡黄色の油(1.74g,95%)に転換した。
MK−030からのMK−031の合成と類似の手順を使用して、MK−086(1.74g,2.42mmol)を、MK−087の粗製油(1.57g,定量的)に転換した。この粗製MK−087を、精製せずに次の工程に使用した。
MK−062からのMK−063の合成と類似の手順を使用して、粗製MK−087(1.57g,2.42mmolを含むと推測される)を、MK−088の淡黄色油(1.68g,DEAD由来の分離不能な不純物を約0.38g含む,約90% 2工程)に転換した。
MK−063からのMK−065の合成と類似の手順を使用して、MK−088(1.68g,DEAD由来の分離不能な不純物を約0.38g含む,2.17mmolを含むと推測される)を、MK−089の無色固体(525mg,50%)に転換した。
MK−021からのNF0552の合成と類似の手順を使用して、MK−089(458mg,0.955mmol)を、低温でDess−Martin試薬で処理して、MK−090の淡黄色固体(250mg,55%)を得た。
MK−090(250mg,0.524mmol)を、3.5mLのCH2Cl2中に溶解し、そして0℃まで冷却した。50%フッ化水素酸(24N,3.5mL)および14mLのCH3CNの混合物をこの溶液に添加し、そして0℃で1時間攪拌し、その後、この混合物を、1.5時間かけてゆっくりと15℃まで温めた。次いで、この反応混合物を、飽和NaHCO3水溶液およびAcOEtの攪拌二相溶液へと注いだ。この有機抽出物をブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濾過し、そして濃縮して粗製生成物を得た。この粗製生成物を、シリカゲルクロマトグラフィー(CH2C2/MeOH:13/1)によって精製して、NF2306の無色結晶(174mg,42%)を得た。
(C13−酸素およびフルオロアナログである、NF2432、NF2544、NF2547、NF2553およびNF2556の調製)
(NF2432の合成手順)
1)大環状部分の調製
二臭化物YE−43(18.6g,37mmol)(これは、メチル(S)−3−ヒドロキシブチレートからの中間体554−RB−228についてと類似の手順を使用して調製した(47%,5工程))の攪拌THF溶液に、n−ブチルリチウム(ヘキサン溶液中1.6M,47ml,75mmol)を−78℃で添加した。この混合物を、30分かけて0℃まで温め、次いで−78℃でさらに30分間攪拌した。アルデヒドNY−20(6.17g,24mmol)のTHF溶液を添加し、この混合物を0℃まで温め、そして0℃で30分間攪拌し、その後、NH4Clの飽和溶液を添加した。この混合物をEtOAcで抽出し、そしてこの有機抽出物を、飽和NaHCO3水溶液、ブラインで洗浄し、無水Na2SO4で乾燥し、濾過し、そして濃縮した。この粗製生成物を、12% EtOAc/ヘキサンを使用するシリカゲルクロマトグラフィーによって精製して、3.55g(5.9mmol,25%)の極性の低い異性体YE−01および5.5g(0.093mol,39%)のより極性の高い異性体YE−02を得た。
n−ヘキサン(170mL)中のYE−02(10.1g,17.0mmol)の溶液に、キノリン(0.25当量,4.25mmol,0.50mL)およびBaSO4担持5重量%Pd(0.05当量,0.85mmol,1.81g)を室温で添加した。そしてこの反応混合物をH2でパージし、H2雰囲気下で11時間攪拌した。触媒を濾過して除去し、そして濾液を濃縮した。粗製生成物(11.5g)を、16% EtOAc/ヘキサンを使用するシリカゲルクロマトグラフィーによって精製して、8.19g(13.7mmol,81% 2工程)の所望のアリルアルコールYE−03を得た。
アルコールYE−03(8.04g,13.5mmol)を、CH2Cl2(200mL)中に溶解し、2,6−ルチジン(7.8mL,67.0mmol)を添加し、そしてこの混合物を氷/水浴中で0℃まで冷却した。次いで、TBSOTf(7.7mL,33.5mmol)を添加し、そしてこの混合物を室温まで温めた。2時間後、これを0℃まで冷却し、そしてMeOHおよび飽和NaHCO3溶液でクエンチした。この混合物をEtOAcで抽出し、そして有機層を飽和NaHCO3溶液、5%クエン酸水溶液、飽和NaHCO3溶液およびブラインで洗浄した。この有機層を無水Na2SO4で乾燥し、濾過し、そして濃縮した。この粗製生成物を、2〜4% EtOAc/ヘキサンを使用するシリカゲルクロマトグラフィーによって精製して、9.60g(13.5mmol,定量的)のYE−04を得た。
YE−04(9.60g,13.5mmol)の攪拌エーテル溶液(200ml)に、0℃にてテトラヒドロホウ酸リチウム(0.60g,27.5mmol)を添加した。この混合物を室温まで温め、2日間攪拌した。次いで、この混合物を0℃まで冷却し、そしてテトラヒドロホウ酸リチウム(0.30g,13.8mmol)を再度添加した。この混合物を室温まで温め、一晩攪拌した。この混合物を0℃まで冷却し、次いで、飽和NH4Cl(2ml)溶液をゆっくりと添加した。20分間の攪拌後、飽和NH4Cl(100ml)溶液を添加した。この混合物をEtOAcで抽出し、そしてこの有機抽出物を、飽和NH4Cl溶液、ブラインで洗浄し、無水Na2SO4で乾燥し、濾過し、そして濃縮した。この粗製生成物を、12〜15% EtOAc/ヘキサンを使用するシリカゲルクロマトグラフィーによって精製して、8.51g(13.5mmol,定量的)のアルコールYE−05を得た。
トルエン(45ml)中YE−05(1.90g,3.03mmol)の攪拌溶液に、トリフェニルホスフィン(1.6g,6.1mmol)、ジエチルアゾジカルボキシレート(トルエン中40%,2.1ml,4.6mmol)およびヨードメタン(0.29ml,4.7mmol)の混合物を添加した。この混合物を40分間攪拌し、その後、ジエチルアゾジカルボキシレート(トルエン中,0.5ml,1.1mmol)およびヨードメタン(0.06ml,1.2mmol)の混合物を添加した。この混合物を20分間攪拌し、そして溶媒を減圧下でエバポレートした。この濃縮物を、1〜1.5% EtOAc/ヘキサンを使用するシリカゲルクロマトグラフィーによって精製して、2.05g(2.78mmol,92%)のヨウ化物YE−06を得た。
2)芳香族部分の調製
3−ブロモ−4−ヒドロキシ−5−メトキシベンズアルデヒド(24.8g,0.107mol)を、DMF(400ml)中に溶解した。K2CO3(20g,0.14mol)およびヨードメタン(8.8ml,0.14mol)を添加した。この混合物を4時間攪拌し、次いで、氷/水浴中で0℃まで冷却し、そしてエーテル(300ml)で希釈した。次いで、氷水(600ml)をゆっくりと添加した。この混合物をエーテルで抽出し、そしてこの有機抽出物を、水、ブラインで洗浄し、無水Na2SO4で乾燥し、濾過し、そして濃縮して、22.1g(90mmol,84%)のYE−07を得た。
YE−07(13.3g,54.2mmol)を、窒素下でクロロホルム(350mL)中に溶解した。m−CPBA(>70%,31g,126mmol)を添加し、そしてこの溶液を1時間穏やかに還流した。この反応混合物を0℃まで冷却し、そしてNaHCO3の飽和攪拌溶液に注いだ。15分間攪拌した後、有機層を分離し、そして飽和Na2SO3、飽和NaHCO3で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濾過し、そして濃縮した。
この濃縮物を、MeOH(150ml)中に溶解し、そして6N HCl(150ml)を添加した。この混合物を15分間攪拌し、そして部分的に濃縮した。この混合物をEtOAcで抽出し、そしてこの有機抽出物を水で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥し、濾過し、そして濃縮して、10.8gの粗製フェノールを得た。
この粗製フェノールを、YE−07の調製と同じ手順を用いてメチル化して、9.8g(39.7mmol,73%)のYE−08を得た。
ブロモベンゼンYE−08(14.6g,59.1mmol)の攪拌エーテル溶液に、−78℃にて、n−ブチルリチウム(ヘキサン溶液中1.6M,50ml,1.3当量,80mmol)を添加し、そしてこの混合物を、−78℃で1.5時間攪拌した。エーテル(20ml)中のヨードメタン(10ml,161mmol)溶液を添加し、そしてこの混合物を室温まで温め、そして1.5時間攪拌し、その後、NH4Clの飽和溶液を添加した。この混合物をエーテルで抽出し、そしてこの有機抽出物をブラインで洗浄し、無水Na2SO4で乾燥し、濾過し、そして濃縮した。この濃縮物を、6〜9% EtOAc/ヘキサンを使用するシリカゲルクロマトグラフィーで精製して、9.6g(52.6mmol,89%)の2,3,5−トリメトキシトルエンを得た。
トルエン9.6g(52.6mmol,89%)をDME(130mL)中に溶解し、そして臭化銅(II)(25g,112mmol)を、6時間にわたってすこしずつ添加した。さらに1時間攪拌した後、この反応混合物を濾過し、そして濾液を濃縮した。この濃縮物を、5〜12% EtOAc/ヘキサンを使用するシリカゲルクロマトグラフィーで精製して、12.7g(48.6mmol,92%)のYE−09を得た。
YE−09(45.6mmol,11.9g)の攪拌エーテル溶液に、−78℃で、n−ブチルリチウム(ヘキサン溶液中1.6M,37ml,59mmol)を添加し、そしてこの混合物を、−78℃で1時間攪拌した。微細に粉砕したドライアイスをゆっくりと添加し、そしてこの混合物を−10℃まで温めた。2時間後、この反応を水(200ml)でクエンチした。この混合物をエーテルで洗浄し、次いで、1N HClで酸性化した。この混合物をEtOAcで抽出し、そしてこの有機抽出物を水、ブラインで洗浄し、無水Na2SO4で乾燥し、濾過し、そして濃縮して、9.7g(42.8mmol,94%)のYE−10を得た。
乾燥CH2Cl2(40mL)中のYE−10(1.4g,6.3mmol)の攪拌溶液に、窒素雰囲気下にて−78℃で、BBr3(1M 溶液,28mL,28mmol)を添加し、そしてこの混合物を、室温まで温めた。8時間後、この混合物を0℃まで冷却し、そして水に注いだ。この有機層を分離し、そして5% グリセロール溶液、ブラインで洗浄し、無水Na2SO4で乾燥し、濾過し、そして濃縮して、0.9gの粗製生成物を得た。
乾燥アセトニトリル(20mL)中の粗製生成物(0.9g,4.8mmol)の攪拌溶液に、MeOH(0.78ml)を添加し、次いで、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(1.7ml,9.7mmol)を添加した。この混合物に、TMSCHN2(ヘキサン中2.0M,4.8mL,9.6mmol)を添加し、そしてこの混合物を30℃で攪拌した。1時間後、この混合物を0℃に冷却し、水に注ぎ、そしてEtOAcで抽出した。この有機抽出物を、飽和NH4Cl溶液、水、ブラインで洗浄し、無水Na2SO4で乾燥し、濾過し、そして濃縮した。この粗製生成物を、6% EtOAc/ヘキサンを使用するシリカゲルクロマトグラフィーによって精製して、0.37g(1.74mmol,28% 2工程)のYE−11を得た。
乾燥THF(10mL)中のNaH(0.16g,4.4mmol)の攪拌懸濁液に、乾燥THF(8mL)中のYE−11(0.37g,1.7mmol)を0℃で添加した。0℃で30分間攪拌した後、TBDPSCl(0.5ml,1.9mmol)を添加した。この混合物を室温まで温め、そして15分間攪拌した。この混合物を0℃まで冷却し、水に注ぎ、そしてEtOAcで抽出した。この有機抽出物を水、ブラインで洗浄し、無水Na2SO4で乾燥し、濾過し、そして濃縮した。この濃縮物を、6% EtOAc/ヘキサンを使用するシリカゲルクロマトグラフィーによって精製して、0.63g(1.39mmol,80%)のシリルエーテルを得た。
DMF(50mL)中のシリルエーテル(3.7g,8.3mmol)の攪拌溶液に、Cs2CO3(3.0g,9.2mmol)およびヨードメタン(1.3mL,20.8mmol)を添加した。この混合物を一晩攪拌し、そして氷/水浴中で0℃まで冷却した。次いで、この混合物を氷冷飽和NH4Cl溶液(100mL)に注ぎ、そしてEtOAcで抽出した。この有機抽出物を水、ブラインで洗浄し、無水Na2SO4で乾燥し、濾過し、そして濃縮した。この濃縮物を、5% EtOAc/ヘキサンを使用するシリカゲルクロマトグラフィーによって精製して、2.83g(6.09mmol,73%)のYE−12を得た。
NF2561の中間体10についての手順と類似の手順を使用して、YE−12(0.30g,0.64mmol)をYE−13(0.29g,0.51mmol,80% 2工程)に転換した。
YE−13(0.29g,0.51mmol)を、THF(10mL)中に溶解した。次いで、THF中TBAFの1.0M溶液(1.5mL,1.5mmol)を室温で添加した。この混合物を一晩攪拌し、その後、飽和NH4Cl溶液を添加した。この混合物をEtOAcで抽出し、そしてこの有機抽出物を、飽和NaHCO3溶液、水、ブラインで洗浄し、無水Na2SO4で乾燥し、濾過し、そして濃縮した。この粗製生成物を、溶離液として10% EtOAc/ヘキサン〜EtOAcを使用するシリカゲルクロマトグラフィーによって精製して、0.17g(0.51mmol,定量的)のフェノールを得た。
乾燥THF(10mL)中の水素化ナトリウム(0.28g,7.7mmol)の攪拌懸濁液に、乾燥THF(20mL)中のフェノール(2.0g,5.9mmol)を0℃で添加した。15分間の攪拌後、クロロメチルメチルエーテル(0.57mL,7.5mmol)を0℃で添加した。3時間後、この混合物を飽和NH4Cl溶液に注ぎ、EtOAcで抽出した。この有機抽出物を、飽和NaHCO3溶液、ブラインで洗浄し、無水Na2SO4で乾燥し、濾過し、そして濃縮した。この粗製生成物を、15% EtOAc/ヘキサンを使用するシリカゲルクロマトグラフィーによって精製して、1.4g(3.7mmol,62%)のYE−14を得た。
NF2561の中間体14についての手順と類似の手順を使用して、YE−14(1.4g,3.7mmol)を、YE−15(1.6g,3.4mmol,93% 2工程)に転換した。
NF2561の中間体18についての手順と類似の手順を使用して、このヨウ化物(502mg,0.68mmol)を、YE−16(315mg,0.33mmol,48% 3工程)に転換した。
YE−16(310mg,0.32mmol)を、THF(12mL)中に溶解した。次いで、THF中のテトラブチルアンモニウムフルオリドの1.0M溶液(1.6mL,1.6mmol)を0℃で添加した。この混合物を室温で2日間攪拌し、その後、10% KHSO4溶液を添加した。この混合物をEtOAcで抽出しそしてこの有機抽出物を、水、ブラインで洗浄し、無水Na2SO4で乾燥し、濾過し、そして濃縮した。この粗製生成物を、トルエンを用いる共沸蒸留によって乾燥して、シリル不純物と共に270mgのYE−17を得た。
THF(20mL)中の粗製YE−17(270mg)の攪拌溶液に、トリエチルアミン(0.090mL,0.64mmol)および2,4,6−トリクロロベンジルクロライド(0.085mL,0.54 mmol)を室温で添加した。16時間後、この反応混合物をトルエン(300mL)で希釈し、そして還流下で6時間にわたって、トルエン(320mL)中の4−(ジメチルアミノ)ピリジン(980mg,8.0mmol)の溶液に滴下した。得られた混合物を、還流下で0.5時間攪拌した。減圧下で濃縮後、残渣をEtOAc中に溶解し、そして10% KHSO4水溶液、水、ブラインで洗浄し、そして無水Na2SO4で乾燥し、濾過し、そして濃縮した。この粗製生成物を、6〜30% EtOAc/ヘキサンを使用するシリカゲルクロマトグラフィーによって精製して、114mg(0.23mmol,72% 3工程)のYE−18を得た。
509−HD−125についての手順と類似の手順を使用して、YE−18(20mg,0.041mmol)を、YE−19(22mg,定量的)に転換した。
THF(1.4mL)−H2O(0.7mL)中のYE−19(22mg,0.041mmol)の攪拌溶液に、トリフルオロ酢酸(1.4mL)を0℃で添加した。次いで、この混合物を室温まで温めた。1.5時間後、この混合物を、飽和NaHCO3溶液中に注ぎ、そしてEtOAcで抽出した。この有機抽出物を、水、ブラインで洗浄し、そして無水Na2SO4で乾燥し、濾過し、そして濃縮した。この粗製生成物を、30% EtOAc/ヘキサンを使用するシリカゲルクロマトグラフィーによって精製して、13.3mg(0.033mmol,81%)のNF2432を得た。
(NF2544の合成手順)
乾燥THF(100mL)中のNaH(2.3g,63mmol)の攪拌懸濁液に、乾燥THF(20mL)中の2−ブロモ−4−フルオロフェノール(10g,52mmol)を0℃で添加した。0℃で30分間の攪拌後、クロロメチルメチルエーテル(4.8mL,63mmol)を添加した。この混合物を室温まで温め、そして1.5時間攪拌した。この混合物を0℃まで冷却し、水中に注ぎ、そしてEtOAcで抽出した。この有機抽出物を、水、ブラインで洗浄し、無水Na2SO4で乾燥し、濾過し、そして濃縮した。この濃縮物を、10% EtOAc/ヘキサンを使用するシリカゲルクロマトグラフィーによって精製して、10.7g(45.5mmol,87%)のYE−20を得た。
乾燥エーテル(150mL)中のYE−20(10.7g,46mmol)の攪拌懸濁液に、窒素雰囲気下にて、−78℃で、ヘキサン中の1.6M n−BuLi(34mL,54.4mmol)を添加した。1時間後、乾燥DMF(15mL)を添加し、そしてこの混合物を室温まで温めた。これを、飽和NH4Cl溶液でクエンチし、そしてEtOAcで抽出した。この有機抽出物を、飽和NH4Cl溶液、水、ブラインで洗浄し、無水Na2SO4で乾燥し、濾過し、そして濃縮した。この粗製生成物を、10% EtOAc/ヘキサンを使用するシリカゲルクロマトグラフィーによって精製して、7.8g(42mmol,93%)のYE−21を得た。
トルエン(200mL)中のYE−21(6.8g,37mmol)の攪拌溶液に、エチレングリコール(12g,193mmol)およびp−トルエンスルホン酸一水和物(0.3g)を室温で添加し、そしてDean−Stark装置を用いて還流した。4時間後、この混合物を、氷/水浴中にて0℃まで冷却した。次いで、TEA(15ml,0.10mol)を添加し、この混合物を10分間攪拌し、次いで飽和NaHCO3溶液中に注いだ。この混合物をEtOAcで抽出し、そしてこの有機抽出物を、飽和NaHCO3溶液、ブラインで洗浄し、無水Na2SO4で乾燥し、濾過し、そして濃縮して、6.7gのフェノールを粗製生成物として得た。
乾燥THF(120mL)中のNaH(1.5g,41mmol)の攪拌懸濁液に、乾燥THF(20mL)中のフェノール(6.7g,36mmol)を0℃で添加した。0℃で10分間の攪拌後、TBSCl(6.3g,42mmol)を添加した。この混合物を室温まで温め、一晩攪拌した。この混合物を0℃まで冷却し、水中に注ぎ、そしてEtOAcで抽出した。この有機抽出物を、水、ブラインで洗浄し、無水Na2SO4で乾燥し、濾過し、そして濃縮した。この濃縮物を、2% EtOAc/ヘキサン(0.2%のトリエチルアミンを含む)を使用するシリカゲルクロマトグラフィーによって精製して、8.75g(29.3mmol,79% 2工程)のYE−22を得た。
THF(350mL)中のYE−22(20g,67mmol)の攪拌懸濁液に、窒素雰囲気下にて−78℃で、ヘキサン中の1.6M n−BuLi(50mL,80mmol)を添加した。1時間後、TMEDA(15mL,99mmol)を添加し、そして−78℃でもう10分間攪拌した。この混合物に、乾燥DMF(5.0mL,65mmol)を添加し、そしてこの混合物を、−20℃まで温め、40分間攪拌した。これを、AcOH(14mL)でクエンチし、そして水中に注いだ。この混合物をEtOAcで抽出し、そしてこの有機抽出物を、飽和NaHCO3溶液、ブラインで洗浄し、無水Na2SO4で乾燥し、濾過し、そして濃縮した。この粗製生成物を、2〜5% EtOAc/ヘキサンを使用するシリカゲルクロマトグラフィーによって精製して、15.8g(48.4mmol,72%)のYE−23を得た。
YE−23(15.8g,48.4mmol)の攪拌MeOH溶液(350mL)に、0℃にて、NaBH4(2.0g,53mmol)を添加した。この混合物を0℃で30分間攪拌した。次いで、この混合物をAcOH(10mL)でクエンチし、そして飽和NaHCO3溶液中に注いだ。この混合物を、エーテルで抽出し、そしてこの有機抽出物を飽和NaHCO3溶液、ブラインで洗浄し、無水Na2SO4で乾燥し、濾過し、そして濃縮して、16.4g(48.4mmol,定量的)のアルコールを得た。
アルコール(16.4g,48.4mmol)の攪拌アセトン溶液(300mL)に、0℃にて、1N HCl(8mL,8mmol)を添加した。この混合物を、0℃で70分間攪拌し、次いで、飽和NaHCO3溶液中に注いだ。この混合物を部分的に濃縮してアセトンを除去し、そしてこの濃縮物をエーテルで抽出した。この有機抽出物をブラインで洗浄し、無水Na2SO4で乾燥し、濾過し、そして濃縮して、13.6g(47.8mmol)のYE−24を得た。
YE−24(13.6g,47.8mmol)を900mLのジクロロメタン中に溶解し、そしてPDC(53.7g,143mmol)をこの溶液に添加した。この反応混合物を室温で7日間にわたって攪拌し、そしてこの混合物をエーテル(300mL)で希釈した。Florisilカラムを通過させた後、YE−25を、無色油として得た(11.7g,86%,3工程)。
TM−37と類似の方法を使用して、上記フェノール(4.2g、27.6mmol)をYE−26(4.2g、21.2mmol、77%)に変換した。
TM−50と類似の方法を使用して、YE−26(4.1g、20.9mmol)をYE−27(4.9g、14.6mmol、3段階で70%)に変換した。
TM−39と類似の方法を使用して、YE−27(1.5g、4.5mmol)をYE−28(1.60g、3.8mmol、2段階で85%)に変換した。
NF2561の中間体18と類似の方法を使用して、上記ヨウ化物(510mg、0.69mmol)をYE−29(690mg、0.67mmol、3段階で97%)に変換した。
中間体YE−17と類似の方法を使用して、シリル不純物と共に、YE−29(520mg、0.57mmol)をYE−30(430mg)に変換した。
YE−18と類似の方法を使用して、YE−30(430mg)をYE−31(94mg、0.21mmol、3段階で36.5%)に変換した。
ER803064と類似の方法を使用して、、YE−31(45mg、0.099mmol)をNF−2544(13mg、0.036mmol、2段階で36%)に変換した。
(NF2547の合成手順)
5−ブロモバリニン(20.0g、86.56mmol)およびAlCl3(12.70g、95.22mmol)を無水CH2Cl2(145mL)に溶解した。この攪拌溶液に、室温(発熱反応)で、10分間にわたって、ピリジン(30.80mL、380.9mmol)を滴下した。次いで、その混合物を45℃まで温め、そして20時間攪拌し、その後、それを室温まで冷却した。得られた混合物を3N HCl水溶液で酸性化し、そしてAcOEtで抽出した。その有機抽出物をブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濾過し、そして濃縮して、MK−101(18.4g、<98%)の粗無色結晶を得た。この粗MK−101を、次の工程で、さらに精製することなく使用した。
粗MK−101(13.15g、60.59mmolを含むと想定される)、Br−CH2−Cl(6.50mL、96.9mmol)およびCs2CO3(31.59g、96.9mmol)をDMF(200mL)に懸濁し、その混合物を、110oCで、20時間攪拌した。得られた混合物を水で希釈し、そしてAcOEtで抽出した。その有機抽出物をブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濾過し、そして濃縮して、MK−102の粗褐色オイルを得た。この粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン/AcOEt:6/1〜5/1)で精製して、MK−102の無色結晶(11.1g、2段階で77%)を得た。
MK−102(5.07g、22.12mmol)のCHCl3(110mL)攪拌溶液に、70%mCPBA(13.1g、53.1mmol)を加え、その混合物を、還流状態まで加熱した。還流状態で3時間後、この混合物を0℃まで冷却し、Na2SO3の水溶液でクエンチし、そしてCH2Cl2で抽出した。その有機抽出物をNaHCO3の飽和水溶液およびブラインで洗浄し、次いで、蒸発させて、中間体ホルメートの粗淡褐色固形物を得た。
この粗ホルメートを、MeOH(100mL)に溶解した。NaHCO3(3.7g、44mmol)を加え、その懸濁液を、室温で、30分間攪拌した。この混合物に、水およびAcOEtを加え、有機抽出物をブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濾過し、そして濃縮して、MK−103の粗油性固形物を得た。この粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン/AcOEt:4/1)で精製して、MK−103の無色結晶(3.78g、2段階で79%)を得た。
509−HD−207から509−HD−209を合成する手順と類似の手順を使用して、MK−103(3.78g、17.40mmol)をMK−104(4.42g、97%)の無色オイルに変換した。
MK−104(2.00g、7.66mmol)の無水Et2O(26mL)攪拌溶液に、−78℃で、ヘキサン中のn−BuLi(1.6M、5.74mL、9.19mmol、1.2当量)を滴下した。1時間後、その混合物に、無水DMF(1.20mL、15.3mmol、2.0当量)を一度に加え、そして−78℃で、30分間攪拌し、その後、NH4Clの飽和水溶液を加えた。その残留混合物をAcOEtで抽出し、その有機抽出物をブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濾過し、そして濃縮して、MK−105の粗黄色オイル(1.60g)を得た。この粗生成物を、次の工程で、さらに精製することなく使用した。
この粗MK−105(1.60g、7.66mmolを含むと想定される)をMeOH(26mL)に溶解し、その攪拌溶液を、0℃まで冷却した。NaBH4(290mg、7.66mmol)を数個に分けて加えた。0℃で20分後、この反応混合物をNH4Clの水溶液でクエンチし、そしてAcOEtで抽出した。その有機抽出物をブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濾過し、そして濃縮して、粗オイルを得た。この粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン/AcOEt:3/1〜2/1)で精製して、MK−106の無色結晶(1.44g、2段階で89%)を得た。
MK−106(1.26g、5.92mmol)のDMF(30mL)攪拌溶液に、0℃で、NBS(1.16g、6.51mmol、1.1当量)を加えた。その混合物を、0℃で、3時間攪拌した後、Na2SO3の水溶液およびAcOEtを加えた。その有機抽出物をブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濾過し、そして濃縮して、MK−107(1.73g、定量)を得た。この粗生成物を、さらに精製することなく、次の工程で使用した。
粗MK−107(1.73g、これは、6.51mmolを含むと想定される)およびイミダゾール(1.01g、14.80mmol)を、DMF(39mL)に溶解した。この溶液に、TBS−Cl(1.78g、11.84mmol)を加え、その混合物を、室温で、一晩攪拌し、その後、AcOEtを加えた。得られた混合物をNaHCO3の水溶液およびブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥し、そして濃縮して、粗結晶を得た。この粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン/AcOEt:9/1)で精製して、MK−108の無色結晶(2.25g、2段階で94%)を得た。
MK−108(2.25g、5.56mmol)を無水Et2O(90mL)に懸濁した。その攪拌溶液に、ヘキサン中のn−BuLi(1.6M、4.52mL、7.23mmol、1.3当量)を加え、その混合物を、−78℃で攪拌した。1.5時間後、この懸濁液は、均一になった。この混合物を、−78℃でさらに30分間撹拌した。次いで、入口を通って15分間泡立たせることにより、過剰の無水CO2ガス(約30当量)を加えた。得られた混合物を、−78℃で、40分間攪拌し、その後、室温まで温めた。1時間後、この反応混合物をNa2CO3の飽和水溶液でクエンチし、そしてEt2Oで洗浄した。その塩基性層をKHSO4で酸性化し、そしてAcOEtで抽出した。その有機層をブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濾過し、そして濃縮して、MK−109(1.93g)の淡黄色結晶を得た。この粗生成物を、さらに精製することなく、次の工程で使用した。
MK−092からMK−093を合成する手順と類似の手順を使用して、粗MK−109(1.93g)をMK−110の粗褐色オイル(1.73g)の変換した。この粗生成物を、さらに精製することなく、次の工程で使用した。
粗MK−110(1.73g)をTHF(75mL)に溶解した。次いで、室温で、THF中のTBAF(1M、9.0mL、9.0mmol、2当量)を加えた。その混合物を2日間攪拌した後、AcOEtおよびKHSO4Cの水溶液を加えた。その有機抽出物をブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濾過し、そして濃縮した。この粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン/AcOEt:2/1)で精製して、MK−111の無色結晶(476mg、4段階で36%)を得た。
NY−89からNY−90を合成する手順と類似の手順を使用して、MK−111(412mg、1.73mmol)をMK−112の粗淡黄色オイル(435mg)に変換した。この粗生成物を、さらに精製することなく、次の工程で使用した。
NY−90からNY−91を合成する手順と類似の手順を使用して、粗MK−112(435mg)をMK−113の無色オイル(494mg、79%3段階)に変換した。
MK−113(423mg、1.17mmol)のDMSO(9mL)攪拌溶液に、KOH(196mg、3.50mmol)の水(4.5mL)溶液を加え、その混合物を80℃まで加熱した。2時間攪拌した後、この混合物を室温まで冷却し、そしてEt2Oで希釈した。この混合物をKHSO4の水溶液で酸性化し、そしてAcOEtで抽出した。その有機抽出物をブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濾過し、そして濃縮して、MK−114の淡黄色結晶(428mg)を得た。それを、さらに精製することなく、次の工程で使用した。
MK−046からMK−047を合成する手順と類似の手順を使用して、化合物を精製しつつ、粗MK−114(428mg)をMK−115の淡ピンク色オイル(476mg、91%2段階)に変換した。
化合物16から、化合物18、すなわち、NF2561の中間体を合成する手順と類似の手順を使用して、MK−115(474mg、1.06mmol)とカップリングしたYE−06(627mg、0.851mmol)をMK−116の淡黄色オイル(804mg、3段階で99%)を得た。
YE−16からYE−17を合成する手順と類似の手順を使用して、MK−116(800mg、0.844mmol)をMK−117の粗製オイル(735mg、シリル不純物を含む)に変換した。この粗生成物を、さらに精製することなく、次の工程で使用した。
YE−17からYE−18を合成する手順と類似の手順を使用して、粗MK−117(735mg、0.844mmolを含むと想定される)をMK−118の無色オイル(192mg、3段階で48%)に変換した。
509−HD−119Bから509−HD−125を合成する手順と類似の手順を使用して、MK−118(141mg、0.296mmol)をMK−119の粗淡黄色固形物(104mg、<74%)に変換した。この粗MK−119を、次の工程で、さらに精製することなく使用した。
MK−090からNF2306を合成する手順と類似の手順を使用して、粗MK−119(104mg)を粗淡黄色オイルに変換した。この粗生成物を、シリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン/AcOEt:1/2)で精製して、NF2547の淡黄色結晶(59mg、2段階で51%)を得た。
(NF−2553の合成手順)
509−HD−209と同じ手順を使用して、NY−37(4.8g、19.59mmol)をNY−117(4.93g)に変換した。
NY−117(2.89g、10mmol)をEt2O(40mL)に溶解し、そして窒素下にて、−78℃まで冷却した。次いで、sec−BuLi(1.3M/シクロヘキサン、9.3mL、12.09mmol)をゆっくりと加え、その反応物を、−78℃で、30分間攪拌した。この溶液に、DMF(1.55mL、20mmol)を加え、次いで、その溶液を、−78℃で、10分間攪拌した。その混合物を飽和NH4Clでクエンチし、そしてEtOAcで抽出した。その有機層を水、ブラインで洗浄し、そしてNa2SO4で乾燥し、濾過し、そして濃縮した。この粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン/EtOAc、15:1、10:1、8:1、6:1、5:1、4:1を使用する)で精製して、811mgのNY−118を得た。
NY−118(4.09g、17.17mmol)、mCPBA(10g、40.56mmol)およびCHCl3(15mL)の混合物を2.5時間還流した。その反応混合物を飽和Na2S2O3でクエンチし、そしてEtOAcで抽出した。その有機層を飽和Na2S2O3、飽和NaHCO3(×2)、ブラインで洗浄し、濾過し、そして濃縮した。この粗生成物を、シリカゲルカラム(ヘキサン/EtOAc、10:1、8:1を使用する)で精製して、2.58gのNY−119を得た。
10と同じ手順を使用して、NY−119(2.58g、10.15mmol)をNY−120(2.45g)に変換した。
NY−120(470mg、1.41mmol)、2−ブロモ−1−クロロエタン(0.35ml、4.22mmol)、K2CO3(292mg、2.11mmol)の混合物を、6時間還流した。次いで、追加2−ブロモ−1−クロロエタン(0.35ml、4.22mmol)を加え、その混合物を15時間還流した。K2CO3(450mg、3.26mmol)および2−ブロモ−1−クロロエタン(1.05ml、12.67mmol)を加え、その混合物を4時間還流した。この不溶物質を濾過し、その濾液を濃縮した。その残留物をEtOAcで希釈し、そして水、ブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濾過し、そして濃縮して、519mgのNY−121を得た。
NY−121(519mg、1.31mmol)、NaN3(212mg、3.26mmol)およびDMF(10mL)の混合物を、80℃で、3時間攪拌した。この混合物をEtOAcで希釈し、そして水(×3)、ブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濾過し、そして濃縮した。この粗生成物をシリカゲルカラム(これは、ヘキサン/EtOAc、8:1を使用する)で精製して、452mgの追加NY−122を得た。
NY−110と同じ手順を使用して、NY−122(450mg、1.12mmol)をNY−123(442mg)に変換した。
509−HD−213と同じ手順を使用して、NY−123(322mg、0.827mmol)をNY−124(365mg)に変換した。
16と同じ手順を使用して、YE−06(441mg、0.598mmol)をNY−125(857mg)の粗生成物に変換した。
18と同じ手順を使用して、NY−125(857mg)をNY−126(231mg)に変換した。
509−HD−116と同じ手順を使用して、NY−126(230mg、0.233mmol)をNY−127(197mg)に変換した。NY−127は、さらに精製することなく、次の工程で使用した。
TM−2と同じ手順を使用して、NY−127(197mg,0.233ml)をNY−128(53mg)に変換した。
NY−128(7.2mg、0.0139mmol)のTHF(1mL)溶液に、n−Bu3P(3.5μL)を加え、そして室温で、80分間攪拌した。追加のn−Bu3P(3.5μL)を加え、その混合物を、80分間攪拌した。次いで、その反応混合物に、水(50μL)を加え、この混合物を、室温で、3時間攪拌した。この反応混合物をNa2SO4で乾燥し、濾過し、そして濃縮した。この粗生成物をシリカゲルカラム(これは、CH2Cl2/MeOH、98:2、95:5、9:1を使用する)で精製して、5.2mgのNY−129を得た。
NY−129(5.2mg、0.0106mmol)のEt3N(5μL、0.0359mmol)溶液、0℃で、Ac2O(1.5μL、0.0159mmol)を加え、そして40分間攪拌した。その反応混合物を飽和NH4Clでクエンチし、そしてEtOAcで抽出した。その有機層を水、飽和NaHCO3、ブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濾過し、そして濃縮して、5mgのNY−130を得た。
509−HD−125と同じ手順を使用して、NY−130(5mg、0.00937mmol)をNY−131(6.5mg)に変換した。NY−131は、さらに精製することなく、次の工程で使用した。
B2538と同じ手順を使用して、NY−131(6.4mg、0.00937mmol)をNF−2553(1.3mg)に変換した。
(NF−2556の合成手順)
NY−121と同じ手順を使用して、NY−120(670mg、2mmol)をNY−132(875mg)に変換した。
NY−122と同じ手順を使用して、NY−132(873mg、2mmol)をNY−133(716mg)に変換した。
NY−123と同じ手順を使用して、NY−133(708mg、1.7mmol)をNY−134(694mg)に変換した。
NY−124と同じ手順を使用して、NY−134(694mg、1.7mmol)をNY−135(799mg)に変換した。
16と同じ手順を使用して、YE−06(318mg、0.432mmol)をNY−136の粗生成物(683mg)に変換した。
18と同じ手順を使用して、NY−136(682mg)をNY−126(229mg)に変換した。
509−HD−116と同じ手順を使用して、NY−137(225mg、0.224mmol)をNY−138(207mg)に変換した。NY−138を、さらに精製することなく、次の工程で使用した。
TM−12と同じ手順を使用して、NY−138(207mg、0.224mmol)をNY−139(72mg)に変換した。
NY−129と同じ手順を使用して、NY−139(33mg、0.0621mmol)をNY−140(28.5mg)に変換した。
NY−130と同じ手順を使用して、NY−140(28mg、0.0554mmol)をNY−141(29.8mg)に変換した。
509−HD−125と同じ手順を使用して、NY−130(5mg、0.00937mmol)をNY−131(18mg)に変換した。
B2538と同じ手順を使用して、NY−143(18mg、0.033mmol)をNF−2556(12.6mg)に変換した。
(C13−C類似物であるNF1774、NF2546、NF2550、NF2551、NF2552、NF2554、NF2555およびNF2560の調製)
(NF−1774の合成手順)
9と同じ手順を使用して、NY−37(8.1g、33.05mmol)をNY−38(9.28g)に変換した。
NY−38(31.76g、88.39mmol)をEt2O(300mL)に溶解し、そして窒素下にて、−78°Cまで冷却した。次いで、t−BuLi(1.7M/ペンタン、100mL、170mmol)をゆっくりと加え、その反応物を、−78°Cで、20分間攪拌した。その溶液に、ドライアイスを加え、次いで、この溶液を室温まで温め、そして1.5時間攪拌した。その混合物を飽和NH4Clでクエンチし、10%クエン酸で酸性化し、EtOAc(×2)で抽出した。それらの有機層を水、ブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濾過し、そして濃縮して、28.39gのNY−39を得た。
NY−39(25.48g、78.54mmol)、硫酸ジメチル(7.8mL、82.43mmol)、NaHCO3(9.9g、117.8mmol)およびアセトン(200mL)の混合物を、14時間還流した。その不溶性物質を濾過し、その濾液を濃縮した。その残留物をEtOAcで希釈し、そして飽和NH4Cl、水、ブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濾過し、そして濃縮した。この粗生成物をシリカゲルカラム(これは、ヘキサン/EtOAc、50:1、40:1、30:1、15:1を使用する)で精製して、7.95gのNY−40および6.97gのジシリル化生成物NY−41を得た。
NY−07と同じ手順を使用して、NY−41(11.75g、52.41mmol)をNY−42(13.43g)に変換した。
10と同じ手順を使用して、NY−42(13.43g、50.44mmol)をNY−43(8.74g)および脱アセチル化生成物NY−44(7.86g)に変換した。
NY−43(8.74g、23.34mmol)、NY−44(7.86g、23.65mmol)、2N NaOH(230mL)およびMeOH(300mL)の混合物を24時間還流した。その混合物を濃縮し、その残留物を2N HClで酸性化し、EtOAcで抽出した。その有機層を水、ブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濾過し、そして濃縮して、12.62gのNY−45を得た。
NY−45(12.62g、41.47mmol)、濃硫酸(0.8mL)およびMeOH(200mL)の混合物を15時間還流した。この混合物を濃縮し、その残留物をEtOAcで希釈し、そして水、ブラインで洗浄し、MgSO4で乾燥し、濾過し、そして濃縮した。この粗生成物をシリカゲルカラム(これは、ヘキサン/EtOAc、6:1、5:1、4:1、1:1を使用する)で精製して、2gのNY−46および11.1gのNY−47(少量)とNY−48との混合物を得た。
509−HD−213と同じ手順を使用して、NY−47およびNY−48の混合物(500mg、1.57mmol)をNY−49(297mg)に変換した。
509−HD−209と同じ手順を使用して、NY−49(297mg、0.71mmol)をNY−50(250mg)に変換した。
鉱油(330mg、8.25mmol)およびDMF(20mL)中の60%NaHの混合物に、0℃で、NY−24(3.46g、5.94mmol)のDMF(20mL)溶液を徐々に加え、そして30分間攪拌した。次いで、MPMCl(1.2ml、8.85mmol)を加え、その反応混合物を室温まで温め、そして12時間攪拌した。この反応混合物を氷冷飽和NH4Clに注ぎ、そしてEtOAcで抽出した。その有機層を水(×2)、ブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濾過し、そして濃縮した。この粗生成物をシリカゲルカラム(これは、ヘキサン/EtOAc、18:1、15:1を使用する)で精製して、1.9gのNY−51を得た。
NY−26と同じ手順を使用して、NY−51(1.9g、2.7mmol)をNY−52(1.64g)に変換した。
554−RB−260と同じ手順を使用して、NY−52(1.64g、2.65mmol)をNY−53(1.68g)に変換した。
16と同じ手順を使用して、NY−53(540mg、0.741mmol)をNY−54(465mg)に変換した。
18と同じ手順を使用して、NY−54(458mg、0.431mmol)をNY−55(274mg)に変換した。
509−HD−116と同じ手順を使用して、NY−55(273mg、0.286mmol)をNY−56(166mg)に変換した。
509−HD−118と同じ手順を使用して、NY−56(164mg、0.267mmol)をNY−57(86mg)に変換した。
509−HD−188と同じ手順を使用して、NY−57(30mg、0.05mmol)をNY−58(20mg)に変換した。
NY−58(19mg、0.04mmol)のCH2Cl2(5mL)溶液に、MS4A(50mg)およびPDC(33mg、0.088mmol)を加え、その混合物を、室温で、12時間攪拌した。その不溶物質を濾過し、EtOAcで洗浄し、その濾液を濃縮した。その残留物をCH2Cl2(5mL)に溶解し、次いで、Dess−Martin過ヨージネート(50mg、0.118mmol)を加え、その混合物を4日間攪拌した。飽和NaHCO3および10%Na2S2O3を加え、この混合物をEtOAcで抽出した。その有機層を水、ブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濾過し、そして濃縮した。この粗生成物をシリカゲルカラム(ヘキサン/EtOAc、5:1、4:1、3:1、2:1を使用する)で精製して、6.8mgのNY−59を得た。
NY−59(6.8mg、0.014mmol)のTHF(0.4mL)−H2O(0.2mL)攪拌溶液に、0℃で、トリフルオロ酢酸(0.4mL)を加えた。次いで、その混合物を室温まで温めた。2時間後、この混合物をNaHCO3飽和溶液に注ぎ、そしてEtOAcで抽出した。その有機層を水、ブラインで洗浄し、そして無水Na2SO4で乾燥し、濾過し、そして濃縮した。その残留物をMeCN(1.2ml)に溶解し、次いで、0℃で、50%HF(0.2mL)を加えた。次いで、その混合物を室温まで温めた。この粗生成物をシリカゲルカラム(これは、ヘキサン/EtOAc、1:1、1:2を使用する)で精製して、2.8mgのNF−1774を得た。
(NF−2546の合成手順)
509−HD−213と同じ手順を使用して、2,5−ジヒドロキシ安息香酸メチル(8.41g、50mmol)をNY−99(5.06g)に変換した。
509−HD−209と同じ手順を使用して、NY−99(5.4g、20.91mmol)をNY−100(5.83g)に変換した。
NY−100(5.82g、19.25mmol)、炭素上10%Pd(610mg)およびMeOH(100ml)の混合物を、4気圧で、3時間水素化した。この触媒を濾過し、その濾液を濃縮して、4.16gのNY−101を得た。それを、さらに精製することなく、次の工程で使用した。
611−MS−88と同じ手順を使用して、NY−101(4.15g、19.25mmol)をNY−102(5.65g)に変換した。
NY−102(5.64g、16.38mmol)、PhB(OH)2(4g、32.81mmol)、K2CO3(3.4g、24.6mmol)およびトルエン(120mL)の混合物を、N2泡立ち下にて、Pd(Ph3P)4(570mg、0.493mmol)を加え、その混合物を90℃まで徐々に温め、そして2時間攪拌した。この反応混合物を濾過し、その濾液をEtOAcで抽出した。その有機層を飽和NaHCO3、ブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濾過し、そして濃縮した。この粗生成物をシリカゲルカラム(これは、ヘキサン/EtOAc、20:1、15:1、12:1を使う)で精製して、4.14gのNY−103を得た。
NY−85と同じ手順を使用して、NY−103(4.14g、15.2mmol)をNY−104(2.75g)に変換した。
NY−86と同じ手順を使用して、NY−104(2.7g、8.61mmol)をNY−105(822mg)に変換した。
NY−87と同じ手順を使用して、NY−105(810mg、2.37mmol)をNY−106(689mg)に変換した。
NY−106(682mg、1.986mmol)、CSA(22mg、0.095mmol)およびトルエン(15mL)の混合物を4時間還流した。この反応混合物を濃縮し、次いで、この粗生成物をシリカカラム(これは、ヘキサン/EtOAc、10:1、6:1を使用する)で精製して、471mgのNY−107を得た。
NY−90と同じ手順を使用して、NY−107(470mg、1.74mmol)をNY−108(500mg)に変換した。NY−108を、さらに精製することなく、次の工程で使用した。
NY−91と同じ手順を使用して、NY−108(470mg、1.74mmol)をNY−109(336mg)に変換した。
NY−109(330mg、0.837mmol)、KOH(142mg、2.53mmol)、水(5mL)およびDMSO(15mL)の混合物を、70℃で、24時間加熱した。この反応混合物をEtOAcで希釈し、そして10%KHSO4、水、ブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濾過し、そして濃縮して、334mgのNY−110を得た。NY−110を、さらに精製することなく、次の工程で使用した。
509−HD−213と同じ手順を使用して、NY−110(333mg、0.837mmol)をNY−111(359mg)に変換した。
16と同じ手順を使用して、YE−06(394mg、0.535mmol)をNY−112の粗生成物(687mg)に変換した。
18と同じ手順を使用して、NY−112(682mg)をNY−113(215mg)に変換した。
509−HD−116と同じ手順を使用して、NY−113(236mg、0.241mmol)をNY−114(198mg)に変換した。NY−114を、さらに精製することなく、次の工程で使用した。
TM−12と同じ手順を使用して、NY−114(198mg、0.241mmol)をNY−115(31mg)に変換した。
509−HD−125と同じ手順を使用して、NY−115(43mg、0.0845mmol)をNY−116(47mg)に変換した。
B2538と同じ手順を使用して、NY−116(45mg、0.0845mmol)をNF−2546(29.4mg)に変換した。
(NF2548の合成手順)
TM−51(1.0g、2.0mmol)をトリエチルアミン(25mL)に溶解した。MK−123(0.55g、3.1mmol)、PdCl2(PPh3)2(220mg、0.31mmol)、CuI(120mg、0.63mmol)を加え、その混合物を70℃で攪拌し、その間、1時間ごとに、5回にわたって、MK−123(0.25g、各々1.4mmol)の添加を繰り返した。この混合物を室温まで冷却し、そして濃縮した。この濃縮物をジエチルエーテルで倍散し、その不溶固形物を濾過により除いた。その濾液を濃縮し、その残留物をシリカゲルクロマトグラフィー(これは、5〜10%EtOAc/ヘキサンを使用する)で精製して、0.67g(1.2mmol、56%)のYE−32を得た。
NF2561の中間体18と類似の手順を使用して、上記ヨウ化物(430mg、0.58mmol)をYE−33(430mg、0.40mmol、3段階で68%)に変換した。
TM−12と類似の手順を使用して、YE−33(430mg、0.40mmol)をYE−34(113mg、0.19mmol、47%、3段階)に変換した。
TM−13と類似の手順を使用して、YE−34(40mg、0.066mmol)をエノンに変換した。このエノンをDDQにより以下のように脱保護すると、MPM基およびMOM基の両方が脱保護され、16mgのYE−35(0.036mmol、2段階で55%)が得られた。
YE−19と類似の手順を使用して、YE−35(12mg、0.027mmol)をNF−2548(10.5mg、0.026mmol、96%)に変換した。
(NF2549の合成)
YE−35(4mg、0.0091mmol)およびトリエチルアミン(0.01mL、0.071mmol)をTHF(0.6mL)に溶解した。室温で、2時間ごとに、4つの部分で、イソシアン酸メチル(全部で0.070mL、1.2mmol)を加えた。4日後、過剰のイソシアン酸エステルをエチレングリコール(0.15ml)でクエンチした。その混合物を水に注ぎ、そしてEtOAcで抽出した。この抽出物を5%KHSO4水溶液、飽和NaHCO3ゾル、ブラインで洗浄し、無水Na2SO4で乾燥し、濾過し、そして濃縮した。その粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(15〜30%EtOAc/ヘキサンを使用する)で精製して、4mg(0.0080mmol、88%)のこのカルバミン酸N−メチルを得た。
ER803064と類似の手順を使用して、上記カルバミン酸N−メチル(4mg、0.0080mmol)をNF2549(3mg、0.0028mmol、35%)に変換した。
(NF−2254、NF2555の合成手順)
YE−32と類似の手順を使用して、上記TM−49(2.2g、8.0mmol)をYE−36(2.1g、5.8mmol、72%)に変換した。
YE−36(2.1g、5.7mmol)のEtOH(60mL)およびTHF(15mL)攪拌溶液に、窒素雰囲気下にて、レーニーNi W−2(水懸濁液、4.5g)を加えた。この懸濁液を、窒素雰囲気下にて、一晩攪拌した。次いで、この触媒を濾過により除き、その濾液を濃縮した。この濃縮物をシリカゲルクロマトグラフィー(これは、15〜33%EtOAc/ヘキサンを使用する)で精製して、1.6g(4.3mmol、75%)のYE−37を得た。
TM−51と類似の手順を使用して、YE−37(1.18g、3.2mmol)をYE−38(0.20g、0.40mmol、13%、3段階)に変換した。
TM−39と類似の手順を使用して、YE−38(340mg、0.68mmol)をYE−39(350mg、0.64mmol、2段階で88%)に変換した。
NF2561の中間体18と類似の手順を使用して、上記ヨウ化物(230mg、0.30mmol)をYE−40(115mg、0.11mmol、3段階で34%)に変換した。
TM−12と類似の手順を使用して、YE−40(115mg、0.11mmol)をYE−41(36mg、0.059mmol、3段階で55%)に変換した。
TM−13と類似の手順を使用したのに続いて、MPM基をDDQ酸化により脱保護して、YE−41(36mg、0.059mmol)をYE−42(13mg、0.027mmol、2段階で45%)に変換した。
ER803064と類似の手順を使用して、YE−42(5mg、0.010mmol)をNF2554(4.1mg、0.010mmol、99%)に変換した。
NF−2549と類似の手順を使用して、YE−42(7mg、0.014mmol)をNF−2555(1.9mg、0.0041mmol、2段階で29%)に変換した。
(NF2550の合成手順)
509−HD−207と類似の手順を使用して、出発物質(4.91g、25mmol)をTM−34(5.17g、18mmol、72%)に変換した。
NaH(60%オイル分散体、593mg、14.8mmol)の無水DMF(5mL)攪拌懸濁液に、0℃で、窒素雰囲気下にて、TM−34(3.395g、11.9mmol)の無水DMF(35mL)溶液を加えた。30分後、ヨウ化メチル(3.7mL、59mmol)を加えた。その混合物を室温まで温め、そして30分間攪拌し、その後、NH4Cl飽和溶液を加えた。この混合物をEtOAcで抽出し、その有機抽出物を水、ブラインで洗浄し、無水Na2SO4で乾燥し、濾過し、そして濃縮した。
この粗生成物(4.33g)をEtOH(60mL)に溶解した。次いで、炭素上10%Pd(630mg)を加えた。水素下にて、反応物を攪拌した。3時間後、反応を停止し、触媒をセライトで濾過し、そして混合物を減圧下にて濃縮して、粗生成物として、そのフェノール(2.94g)を得た。
このフェノール(2.94g)の無水DMF(60mL)溶液に、無水K2CO3(3.28g、24mmol)および2−ブロモ−1,1−ジエトキシエタン(2.86mL、18mmol)を加え、その混合物を、140℃で、5時間攪拌した。室温まで冷却した後、この混合物を水に注ぎ、そしてEtOAcで抽出した。その有機抽出物をNH4Cl飽和溶液、水、ブラインで洗浄し、無水Na2SO4で乾燥し、濾過し、そして濃縮した。この粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(これは、15%EtOAc/ヘキサンを使用する)で精製して、3.369g(10mmol、3段階で87%)のTM−35を得た。
TM−35(3.02g、9.3mmol)のトルエン(120mL)溶液に、PPA(5.9mL)を加え、その混合物を、100℃で、窒素雰囲気下にて、2時間攪拌した。室温まで冷却した後、この混合物を氷/水に注ぎ、そしてEtOAcで抽出した。その有機抽出物を水、NaHCO3飽和溶液、ブラインで洗浄し、無水Na2SO4で乾燥し、濾過し、そして濃縮した。この粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(これは、12.5%EtOAc/ヘキサンを使用する)で精製して、395mg(1.7mmol、18%)のTM−36を得た。
TM−36(541mg、2.3mmol)の無水CH2Cl2(20mL)攪拌溶液に、−78℃で、窒素雰囲気下にて、BBr3(0.44mL、4.6mmol)を加えた。1時間後、その混合物を水に注ぎ、そしてEtOAcで抽出した。その有機抽出物をNaHCO3飽和溶液、水、ブラインで洗浄し、無水Na2SO4で乾燥し、濾過し、そして濃縮した。この粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(これは、5%EtOAc/ヘキサンを使用する)で精製して、357mg(1.6mmol、70%)のそのフェノールを得た。
このフェノール(170mg、0.77mmol)の無水THF(8mL)攪拌溶液に、室温で、窒素雰囲気下にて、DBU(0.23mL、1.5mmol)およびクロロメチルメチルエーテル(0.12mL、1.5mmol)を加えた。3時間後、その混合物をNH4Cl飽和溶液に注ぎ、そしてEtOAcで抽出した。その有機抽出物を10%KHSO4水溶液、水、NaHCO3飽和溶液、ブラインで洗浄し、無水Na2SO4で乾燥し、濾過し、そして濃縮した。この粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(これは、15%EtOAc/ヘキサンを使用する)で精製して、193mg(0.73mmol、95%)のTM−37を得た。
NF2561の中間体10と類似の手順を使用して、TM−37(192mg、0.73mmol)をTM−38(192mg、0.52mmol、2段階で71%)に変換した。
NF2561の中間体14と類似の手順を使用して、TM−38(192mg、0.52mmol)をTM−39(190mg、0.43mmol、2段階で83%)を得た。
NF2561の中間体18と類似の手順を使用して、上記ヨウ化物(223mg、0.30mmol)をTM−40(232mg、0.25mmol、3段階で81%)に変換した。
TM−12と類似の手順を使用して、TM−40(232mg、0.25mmol)をTM−41(81mg、0.17mmol、3段階で70%)に変換した。
ER803064と類似の手順を使用して、TM−41(41mg、0.087mmol)をNF2550(20mg、0.052mmol、2段階で60%)に変換した。
(NF2560の合成手順)
2,2,6,6−テトラメチルピペリジン(0.05mL、0.3mmol)の無水THF(1.5mL)攪拌溶液に、−20℃で、窒素雰囲気下にて、ヘキサン中の1.6M n−BuLi(0.15mL、0.24mmol)を加えた。30分後、その混合物を−78℃まで冷却し、TM−41(38mg、0.08mmol)の無水THF(4mL)溶液を加えた。1時間後、無水DMF(0.06mL)を加え、この混合物を室温まで温めた。それをNH4Cl飽和溶液でクエンチし、そしてEtOAcで抽出した。その有機抽出物をNH4Cl飽和溶液、水、ブラインで洗浄し、無水Na2SO4で乾燥し、濾過し、そして濃縮した。この粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(これは、40%EtOAc/ヘキサンを使用する)で精製して、18mg(0.036mmol、45%)のTM−42を得た。
TM−42(54mg、0.11mmol)のCH2Cl2(5mL)攪拌溶液に、0℃で、トリエチルアミン(0.3mL、2.2mmol)、少量のN,N−ジメチルアミノピリジン、無水酢酸(0.1mL、1.1mmol)を加えた。その混合物を室温まで温め、そして一晩攪拌した。それをNH4Cl飽和溶液でクエンチし、そしてEtOAcで抽出した。その有機抽出物をNH4Cl飽和溶液、水、ブラインで洗浄し、無水Na2SO4で乾燥し、濾過し、そして濃縮した。
この粗アセテート(61mg)をMeOH(5mL)に溶解し、そして0℃で、NaBH4(10mg、0.26mmol)を加えた。10分後、その混合物をNH4Cl飽和溶液に注ぎ、そしてEtOAcで抽出した。その有機抽出物をNH4Cl飽和溶液、水、ブラインで洗浄し、無水Na2SO4で乾燥し、濾過し、そして濃縮した。この粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(これは、50%EtOAc/ヘキサンを使用する)で精製して、40mg(0.073mmol、2段階で68%)のoTM−43を得た。
TM−43(40mg、0.073mmol)の無水THF(8mL)攪拌溶液に、室温で、トリフェニルホスフィン(58mg、0.22mmol)、ジフェニルホスホリルアジド(0.047mL、0.22mmol)、トルエン中40%DEAD(0.1mL、0.22mmol)を加えた。20時間後、その混合物を減圧下にて濃縮し、その残留物をシリカゲルクロマトグラフィー(これは、25%EtOAc/ヘキサンを使用する)で精製して、26mg(0.046mmol、62%)のTM−44を得た。
TM−44(26mg、0.046mmol)の無水THF(2.5mL)攪拌溶液に、室温で、窒素雰囲気下にて、トリフェニルホスフィン(0.035mL、0.14mmol)を加えた。30分後、H2O(0.5mL)を加えた。さらに3時間後、その混合物をEtOAcで希釈し、そして無水Na2SO4で乾燥し、濾過し、そして濃縮した。
この粗アミン(56mg)をCH2Cl2(3mL)に溶解した。次いで、0℃で、トリエチルアミン(0.036mL、0.26mmol)塩化メタンスルホニル(0.010mL、0.13mmol)を加えた。30分後、その混合物をNaHCO3飽和溶液に注ぎ、そしてEtOAcで抽出した。その有機抽出物をNaHCO3飽和溶液、水、ブラインで洗浄し、無水Na2SO4で乾燥し、濾過し、そして濃縮した。
この粗メタンスルホンアミド(64mg)をEtOH(3mL)に溶解し、そして室温で、1N NaOH水溶液(0.5mL、0.5mmol)を加えた。24時間後、その混合物を1N HCl(0.5mL)でクエンチし、そしてEtOAcで抽出した。その有機抽出物を水、ブラインで洗浄し、無水Na2SO4で乾燥し、濾過し、そして濃縮した。この粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(これは、60%EtOAc/ヘキサンを使用する)で精製して、15mg(0.026mmol、3段階で57%)のTM−45を得た。
ER803064と類似の手順を使用して、TM−45(15mg、0.026mmol)をNF2560(4.4mg、0.0089mmol、2段階で35%)に変換した。
(NF2545の合成手順)
3−メトキシベンジルアルコール(10.78g、78mmol)のヘキサン(100mL)攪拌溶液に、−30℃で、窒素雰囲気下にて、ヘキサン中の1.6M n−BuLi(100mL、160mmol)を加えた。1.5時間後、30分間にわたって、無水CO2を泡立たせ、次いで、その混合物を水に注ぎ、そしてジエチルエーテルで抽出した。その水層を、0℃で5N HClを加えることにより酸性化し、そして室温で、一晩攪拌した。その沈殿物を濾過により集め、そして水で洗浄し、70℃で、24時間乾燥して、4.79g(29mmol、37%)のTM−46を得た。
TM−46(4.79g、29mmol)をCH2Cl2(150mL)に溶解した。次いで、0℃で、臭素(1.88mL、37mmol)を加え、その混合物を室温まで温めた。20時間後、この混合物をNa2S2O3飽和溶液に注ぎ、そしてEtOAcで抽出した。その有機抽出物をNaHCO3飽和溶液、水、ブラインで洗浄し、無水Na2SO4で乾燥し、濾過し、そして濃縮して、6.59g(27mmol、93%)のTM−47を得た。
TM−37と類似の手順を使用して、TM−47(5.37g、22mmol)をTM−49(5.98g、22mmol、2段階で99%)に変換した。
TM−49(3.85g、14mmol)のDMSO(40mL)攪拌溶液に、KOH(851mg、15mmol)のH2O(15mL)溶液を加えた。30分後、蒸発によりH2Oを除去し、そしてヨウ化メチル(2.63mL、42mmol)を加え、その混合物を30分間攪拌した。この混合物をEtOAcで希釈し、そして水で洗浄、NaHCO3飽和溶液、水、ブラインで洗浄し、無水Na2SO4で乾燥し、濾過し、そして濃縮した。
この粗生成物(3.79g)を無水DMF(100mL)に溶解した。次いで、室温で、窒素雰囲気下にて、ジフェニルジスルフィド(6.16g、28mmol)、ピリジン(4.55mL、56mmol)、トリブチルホスフィン(7.03mL、28mmol)を加え、その混合物を、一晩攪拌した。それをNaHCO3飽和溶液でクエンチし、そしてEtOAcで抽出した。その有機抽出物を10%KHSO4水溶液、水、ブラインで洗浄し、無水Na2SO4で乾燥し、濾過し、そして濃縮した。この粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(これは、15%EtOAc/ヘキサンを使用する)で精製して、1.79g(4.5mmol、2段階で32%)のTM−50を得た。
TM−39と類似の手順を使用して、TM−50(1.79g、4.5mmol)をTM−51(1.88g、3.9mmol、2段階で87%)に変換した。
TM−51(1.86g、3.8mmol)をDMF(30mL)に溶解した。次いで、トリエチルアミン(10mL)、3−ブチン−1−オール(1.16mL、15mmol)、PdCl2(PPh3)2(404mg、0.58mmol)、CuI(219mg、1.2mmol)を加え、その混合物を、70℃で、一晩攪拌した。この混合物を50%EtOAc/ヘキサンで希釈し、そして水、ブラインで洗浄し、無水Na2SO4で乾燥し、濾過し、そして濃縮した。この粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(これは、30%EtOAc/ヘキサンを使用する)で精製して、1.76g(3.7mmol、97%)のTM−52を得た。
TM−45と類似の手順を使用して、TM−52(754mg、1.6mmol)をTM−53(586mg、1.1mmol、3段階で67%)に変換した。
TM−39と類似の手順を使用して、上記ヨウ化物(350mg、0.48mmol)をTM−54(224mg、0.25mmol、3段階で45%)に変換した。
NF2550と類似の手順を使用して、TM−54(224mg、0.21mmol)をNF2545(2.8mg、0.0057mmol、5段階で2.7%)に変換した。
(NF2551およびNF2552の合成手順)
TM−52と類似の手順を使用したのに続いて水素化して、TM−49(2.95g、11mmol)をTM−55(2.41g、9.1mmol、2段階で84%)に変換した。
TM−55(2.41g、9.1mmol)のシクロヘキサン(30mL)−CH2Cl2(15mL)攪拌溶液に、室温で、窒素雰囲気下にて、CSA(105mg、0.45mmol)および4−メトキシベンジルトリクロロアセチミデート(7.68g、27mmol)を加えた。14時間後、トリエチルアミン(0.1mL)を加えた。次いで、濾過により沈殿物を濾過し、そしてヘキサンで洗浄した。その濾液を減圧下にて濃縮した。その残留物をシリカゲルクロマトグラフィー(これは、30%EtOAc/ヘキサンを使用する)で精製して、3.26g(8.4mmol、93%)のTM−56を得た。
TM−50と類似の手順を使用して、TM−56(3.26g、8.4mmol)をTM−57(1.78g、3.5mmol、3段階で41%)に変換した。
TM−39と類似の手順を使用して、TM−57(366mg、0.72mmol)をTM−58(381mg、0.64mmol、2段階で89%)に変換した。
TM−39と類似の手順を使用して、上記ヨウ化物(223mg、0.30mmol)をTM−59(132mg、0.12mmol、3段階で40%)に変換した。
TM−12と類似の手順を使用して、TM−59(132mg、0.12mmol)をTM−60(32mg、0.051mmol、3段階で43%)に変換した。
TM−13と類似の手順を使用したのに続いて、MPM基をDDQ酸化で通常のように脱保護して、TM−60(32mg、0.051mmol)をTM−61(15mg、0.030mmol、2段階で58%)に変換した。
ER803064と類似の手順を使用して、TM−61(8mg、0.016mmol)をNF2551(4mg、0.010mmol、60%)に変換した。
TM−61(7mg、0.014mmol)のCH2Cl2(1mL)攪拌溶液に、室温で、トリエチルアミン(0.02mL)およびイソシアン酸メチル(0.1mL)を加えた。15時間後、その混合物をEtOAcで希釈し、そして3%NH4OH水溶液、5%KHSO4水溶液、水、ブラインで洗浄し、無水Na2SO4で乾燥し、濾過し、そして濃縮した。この粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(これは、55%EtOAc/ヘキサンを使用する)で精製して、7mg(0.013mmol、90%)の上記カルバミン酸N−メチルを得た。
ER803064と類似の手順を使用して、このカルバミン酸N−メチル(7mg、0.013mmol)をNF2552(3mg、0.0063mmol、50%)に変換した。
(C14−O−連鎖含有C2−C4類似物の中間体の調製)
公知化合物1(0.22g、1.2mmol)およびK2CO3(0.25g、1.8mmol)を、DMF(12mL)に溶解した。MPM−Cl(0.17mL、1.2mmol)を加えた後、その混合物を、35℃で、12時間加熱した。粗混合物を濃縮し、そして濾過した。得られた物質をシリカゲルクロマトグラフィーで精製した。CH2Cl2を使用して、シリカゲルプラグから、収率44%で、445−ycs−252(0.16g、0.53mmol)を得た。
DMF(2mL)中の445−ycs−252(36mg、0.12mmol)に、鉱油中の60%NaH(16mg、0.40mmol)を加えた。MOMCl(0.17μL、0.22mmol)を加えた後、その混合物を、室温で、1時間攪拌した。高真空下にて、DMFを蒸発させ、その残留物をCH2Cl2に溶解し、H2Oで洗浄した。この粗製物質をシリカゲルクロマトグラフィーで精製した。ヘキサン中の30%EtOAcを使用して、シリカゲルプラグから、収率97%で、445−ycs−254(40mg、0.12mmol)を溶出した。
ジイソプロピルアミン(4.6mL、33mmol)のTHF(30mL)攪拌溶液に、−35℃で、ヘキサン中の2.5 M n−BuLi(13mL、33mmol)を滴下導入した。この溶液を、0℃で、30分間攪拌した後、それを、−78℃まで冷却した。この冷LDAに、その内部温度を−78℃未満に保持するように、THF(25mL)中の445−ycs−254(6.3g、18mmol)をゆっくりと加えた。その混合物を、−78℃で、45分間攪拌し、次いで、その内部温度を−60℃未満に保持するように、THF(25mL)中の(PhSe)2(5.2g、17mmol)をゆっくりと加えた。反応混合物を40分間攪拌した後、それを、−78℃で、NH4Cl水溶液でクエンチした。その混合物に、室温で、EtOAcを加えた。分離後、有機層を乾燥し(Na2SO4)、そして濃縮した。トルエン中の5%EtOAcを使用して、シリカゲルカラムから、収率75%で、445−ycs−268(6.9g、14mmol)を溶出した。
EtOH(18mL)中の445−ycs−268(7.7g、15mmol)に、2.5N NaOH(18mL、46mmol)を加えた。その混合物を12時間還流した後、それを酸性化し、そしてEtOAcで抽出した。有機層を乾燥し(Na2SO4)し、そして濃縮して、収率96%で、白色結晶445−ycs−272(7.2g、15mmol)を得た。
445−ycs−272(7.2g、15mmol)、Ph3P(5.8g、22mmol)および2−TMS−エタノール(2.6mL、18mmol)のトルエン200mL溶液に、0℃で、DEAD(3.5mL、22mmol)を加えた。その混合物を、室温で、1時間攪拌した後、それを、NaHCO3でクエンチした。有機層を乾燥し(Na2SO4)し、濃縮し、そしてシリカゲルクロマトグラフィーで精製して、収率95%で、445−ycs−273(8.2g、14mmol)を得た。
554−RB−260の調製と類似の手順を使用した。
445−ycs−274(1.4g、1.9mmol)および445−ycs−273(1.7g、2.8mmol)の冷(−78℃)10:1 THF−HMPA(10mL)溶液に、THF中のLiHMDS(2.8mL、2.8mmol)を滴下導入した。この添加中にて、その内部温度を−70℃未満で保持した。その混合物を、−78℃で、半時間攪拌した後、それを、NH4Cl水溶液でクエンチし、そしてEtOAcで希釈した。有機層を乾燥し(Na2SO4)し、濃縮し。そしてシリカゲルクロマトグラフィーで精製して、収率82%で、445−ycs−278(1.9g、1.6mmol)を得た。
445−ycs−278(2.5g、2.1mmol)の冷(0℃)CH2Cl2(30mL)溶液に、3回に分けて、m−CPBA(1.0g、4.2mmol)を加えた。その混合物を、0℃で、1時間攪拌した後、Et3N(1.8mL、13mmol)を加えた。その反応混合物を、室温で、1時間攪拌した後、それを、Na2S2O3水溶液でクエンチし、そしてNaHCO3水溶液で希釈した、有機相を乾燥し(Na2SO4)し、濃縮し、そしてシリカゲルクロマトグラフィーで精製して、収率76%で、445−ycs−281(1.6g、1.6mmol)を得た。
TBAFの溶液(これは、0.33モル当量のイミダゾール・HCl(1.3mL、1.3mmol)て緩衝した)に、445−ycs−281(0.17g、0.17mmol)のTHF(2mL)溶液を導入した。その混合物を、50℃で、12時間攪拌した後、Et2Oで希釈し、そしてNH4Cl水溶液で洗浄した。有機相を乾燥し(Na2SO4)、そして濃縮して、粗445−ycs−295を得、これを、CH2Cl2(20mL)に溶解し、ヨウ化2−クロロ−1−メチルピリジニウム(0.12g、0.48mmol)およびn−Bu3N(0.11mL、0.48mmol)のCH2Cl2(12mL)溶液に滴下した。その混合物を2時間還流した後、Et2Oで希釈し、そして0.05N HCl、H2OおよびNaHCO3で洗浄した。有機相を乾燥し(Na2SO4)、濃縮し、そしてシリカゲルクロマトグラフィーで精製して、2段階にわたって、収率81%で、445−ycs−299(90mg、0.13mmol)を得た。
445−ycs−299(40mg、0.060mmol)の2:1 MeOH−THF(4.5mL)溶液に、室温で、2つの部分で、p−TsOH・H2O(11mg、0.060mmol)を加えた。この溶液を、40℃で、3日間攪拌した後、それを濃縮し、そしてシリカゲルクロマトグラフィーで精製して、収率53%で、560−ycs−30(15mg、0.032mmol)を得た。
560−ycs−30(13mg、0.028mmol)および過剰量の2−メトキシプロパン(2滴)のCH2Cl2(1mL)溶液に、触媒量のp−TsOH・H2O(1結晶)を加えた。その混合物を、室温で、2時間攪拌した後、NaHCO3を加えて濾過した。その溶液を濃縮し、そしてシリカゲルクロマトグラフィーで精製して、収率79%で、560−ycs−36(11mg、0.022mmol)を得た。
(ER804104の調製)
例として以下の類似物を合成する最新の中間体として、560−ycs−36を使用した。
445−ycs−299(43mg、0.064mmol)の2:1 EtOH−THF(3mL)溶液に、室温で、1N NaOH(2.0mL、2.0mmol)を導入した。 この溶液を、40℃で、12時間攪拌した後、それを、Et2Oおよびブラインで希釈した。有機相を乾燥し(Na2SO4)、そしてシリカゲルクロマトグラフィーで精製して、収率91%で、445−ycs−311(33mg、0.058mmol)を得た。
CH2Cl2(2mL)中の445−ycs−311(33mg、0.058mmol)、4Aモレキュラーシーブ(40mg)およびセライト(40mg)の混合物に、室温で、3つの部分で、PCC(38mg、0.17mmol)を加えた。その混合物を、室温で、1時間攪拌した後、それを、Et2Oで希釈し、そして濾過した。その濾液を濃縮し、そしてシリカゲルの短プラグ(1:1のEtOAc−ヘキサン)に通して、収率86%で、560−ycs−9(28mg、0.049mmol)を得た。
ER803064の合成について記述したように560−ycs−9を脱保護して、ER804104を得た。
(ER−804168)
ER−804168の合成は、ER−803064の合成と同じであった。
(ER−805125の合成)
507−XYL−111からの507−XYL−147の合成は、ER−803064の合成と同じ手順に従った。
THF/水(5:1 v/v、60mL)の共溶媒中の507−XYL−147(1.43g、1.29mmol)に、室温で、OXONEを加え、その混合物を、室温で、6時間攪拌した。この混合物を酢酸エチルで希釈し、そして水で3回洗浄した。その有機層を乾燥し(硫酸ナトリウム)、濃縮し、そしてシリカゲルクロマトグラフィーで精製して、1.05g(86%)の所望生成物である507−XYL−148を得、これは、NMRおよびMS(M+Na=972)で確認した。
507−XYL−111からの507−XYL−154の合成は、ER−803064の合成と同じ手順に従った。
THF/水(4:1のv/v、12.5mL)の共溶媒中の507−XYL−154(340mg、0.57mmol)に、0℃で、N−メチルモルホリノ−N−オキシド(82.5mg、0.68mmol)を加え、次いで、トルエン中の四酸化オスミウム(0.1M、0.6mL、0.06mmol)を少しずつ加えた。その混合物を、0℃で、19時間攪拌した。この反応を飽和チオ硫酸ナトリウム溶液でクエンチし、そして酢酸エチルで希釈した。その混合物を飽和チオ硫酸ナトリウム溶液および水で洗浄した。その水層を酢酸エチルで2回および塩化メチレンで3回抽出し直した。合わせた有機層を乾燥し(硫酸ナトリウム)、濃縮し、そして分取TLC(これは、塩化メチレン中の10%メタノールで溶出する)で精製して、158mg(44%)の所望生成物である507−XYL−165を得、これは、NMRおよびMS(M+Na=649)で確認した。
507−XYL−165(120mg、0.197mmol)に、塩化メチレン(5mL)、2,2−ジメトキシプロパン(0.2mL、1.63mmol)およびピリジニウムトシレート(12mg、0.048mmol)を加えた。その混合物を、室温で、2時間攪拌した。この混合物を塩化メチレンで希釈し、そして飽和炭酸水素ナトリウム溶液で2回洗浄した。その有機層を濃縮し、そして分取TLCで精製して、131mgの所望生成物である507−XYL−168を得、これは、NMRおよびMS(M+Na=689)で確認した。
507−XYL−168からのER−805125の残りの合成は、ER−803064の合成と同じ手順に従った。
(ER−805216およびER−805217の合成)
出発物質である507−XYL−165(42mg、0.066mmol)をトルエンと共沸し、そして高真空下にて、1時間乾燥した。次いで、この出発物質を無水塩化メチレン(5mL)に溶解し、そして0℃まで冷却した。これに、コリジン(20.3μL、0.15mmol)を加え。次いで、5分間にわたって、塩化メチレン中の無水メタンスルホニル溶液(0.1M、0.69mL、0.069mmol)を滴下した。その混合物を、0℃で、1.5時間攪拌し、そして4℃で、一晩攪拌した。この混合物を飽和炭酸水素ナトリウム溶液に注ぎ、そして塩化メチレンで3回および酢酸エチルで1回抽出した。合わせた有機層を乾燥し(硫酸ナトリウム)、濃縮し、そして分取TLC(これは、塩化メチレン中の5%メタノールで溶出する)で精製して、36mg(77%)の所望生成物である507−XYL−178を得、これは、NMRおよびMS(M+Na=727)で確認した。
507−XYL−178(36mg、0.05mmol)に、メタノール中の2.0Mアンモニア(16mL)を加え、そして水酸化アンモニア水溶液(3.2mL)で濃縮し、その混合物を、室温で、12時間攪拌した。この混合物を真空中で濃縮し、酢酸エチル、メタノールおよびトルエンで共沸し、そして減圧下にて乾燥した。この粗生成物である507−XYL−192を、さらに精製することなく、次の工程で使用した。
塩化メチレン中の507−XYL−192(10mL)に、0℃で、トリエチルアミン(0.2mL、1.51mmol)および無水酢酸(0.1mL、1.06mmol)を加えた。その混合物を、室温で、一晩攪拌した。この反応混合物を0℃まで冷却し、そして飽和炭酸水素ナトリウムでクエンチした。この混合物を過剰の炭酸水素ナトリウム溶液に注ぎ、そして塩化メチレンで3回および酢酸エチルで3回抽出した。合わせた有機層を乾燥し(硫酸ナトリウム)、濃縮して、所望粗生成物である507−XYL−194を得、これは、MS(M+Na=732)で確認した。この粗生成物を、さらに精製することなく、次の工程で使用した。
507−XYL−194から507−XYL−198への変換は、ER−803064の合成と同じであった。分取TLCにより、酢酸エチル中の5%エタノールを使用して、この粗生成物を精製して、13.6mg(3段階にわたって57%)の所望生成物である507−XYL−198を得、これは、NMRおよびMS(M+Na=586)で確認した。
クロロギ酸ピリジニウムを使用する507−XYL−198の酸化は、ER−803064を合成する手順と同じ手順に従った。分取TLCにより、酢酸エチル中の8%エタノールを使用して、この粗生成物を精製して、507−XYL−204aおよび507−XYL−204bを得、これは、NMRおよびMSで確認した。
(ER−805216)
507−XYL−204aからER−805216への変換は、ER−803064の合成と同じであった。酢酸エチル中の25%エタノールを使用する分取TLCにより、粗製物質を精製すると、ER−805216が得られ、これは、NMRおよびMS(M+Na=498)で確認した。
507−XYL−204bからER−805217への変換は、ER−803064の合成と同じであった。酢酸エチル中の25%エタノールを使用する分取TLCにより、粗製物質を精製すると、ER−805217が得られ、これは、NMRおよびMS(M+Na=500)で確認した。
(ER804401の調製)
560−ycs−86を調製する手順は、445−ycs−273の手順と類似していた。
560−ycs−88を調製する手順は、445−ycs−254の手順と類似していた。
560−ycs−88からER804401を調製する手順は、ER804104の合成と類似していた。
560−ycs−36およびn−ブタノールからER804401を調製するのと同じ様式で、ER804504を調製した。
(ER804555およびER804567の調製)
560−ycs−36およびN−アセチルエタノールアミンからER804455を調製する手順は、ER804401の合成と類似していた。
560−ycs−36および3,4−ジクロロベンジルアルコールからER804401を調製するのと同じ様式で、ER804567を調製した。
(ER804606の調製)
アルコール560−ycs−128のエノン560−ycs−133への酸化が、PCCを使用する代わりに、以下のようなSwern条件下にて実行したこと以外は、560−ycs−36および4−(2−ヒドロキシエチル)−モルホリンからER804401を調製するのと類似の様式で、ER804606を調製した。
DMSO(4.2μL、0.060mmol)のCH2Cl2(0.2mL)溶液に、−78℃で、(COCl)2(2.6μL、0.030mmol)を導入した。その混合物を、−78℃で、15分間攪拌した後、CH2Cl2(0.8mL)中の560−ycs−128(6.0mg、0.010mmol)を加えた。その溶液を、−78℃で、1時間攪拌した後、Et3N(12μL、0.090mmol)を加えた。その反応混合物を、15分間にわたって、−20℃まで温め、そして飽和NH4Clでクエンチした。有機相をNaHCO3で洗浄し、そして濃縮して、定量収率で、560−ycs−133(6.0mg、0.010mmol)を得た。
(ER804630の調製)
560−ycs−36およびN−アセチル、N−メチルエタノールアミンからER804401を調製するのと類似の様式で、ER804630を調製した。
(ER804778の調製)
560−ycs−199をm−CPBAで560−ycs−200に酸化したこと以外は、560−ycs−36および3−メチルチオ−1−プロパノールからER804401を調製するのと類似の様式でER804778を調製した。
560−ycs−199(5.2mg、0.0081mmol)のCH2Cl2(2mL)溶液に、0℃で、3つの部分で、MCPBA(12mg、0.048mmol)を加えた。この溶液を、0℃で、10分間攪拌した後、それを、Na2S2O3で洗浄し、そして濃縮して、収率92%で、560−ycs−200(5.0mg、0.0074mmol)を得た。
560−ycs−9(31mg、0.055mmol)のCH3CN(3mL)溶液に、室温で、HCl水溶液(3.0mL、3.0mmol)を導入した。この溶液を、室温で、12時間攪拌した後、それを、EtOAcおよびH2Oで希釈した。有機相をNaHCO3で洗浄し、乾燥し(Na2SO4)、濃縮し、そしてシリカゲルクロマトグラフィーで精製して、収率45%でER804104(12mg、0.025mmol)を得、また、収率30%で、ER804131(5.9mg、0.016mmol)を得た。
C14の変性に一般的に使用される中間体の代替調製:
560−ycs−218を調製する手順は、445−ycs−273の手順と類似していた。
560−ycs−218(2.1g、7.4mmol)およびDBU(7.1mL、48mmol)のCH2Cl2 (10mL)溶液に、0℃で、 MOM−Cl(2.8mL、37mmol)を加えた。その混合物を、室温で、15分間攪拌した後、その有機相をNaHCO3で洗浄し、濃縮し、そしてシリカゲルクロマトグラフィーで精製して、収率74%で、560−ycs−243(1.8g、5.5mmol)を得た。
560−ycs−248を調製する手順は、445−ycs−268の手順と類似していた。
560−ycs−250を調製する手順は、445−ycs−272の手順と類似していた。
560−ycs−251を調製する手順は、445−ycs−273の手順と類似していた。
560−ycs−256を調製する手順は、445−ycs−278の手順と類似していた。
560−ycs−258を調製する手順は、445−ycs−281の手順と類似していた。
560−ycs−267を調製する手順は、445−ycs−295の手順と類似していた。
560−ycs−269を調製する手順は、445−ycs−299の手順と類似していた。
560−ycs−269(0.87g、1.3mmol)のTHF(7mL)溶液に、TBAF in THF(7.0mL、7.0mmol)を導入した。その混合物を、室温で、4時間攪拌した後、それを、Et2Oで希釈し、そしてブラインで洗浄した。有機相を乾燥し(Na2SO4)、濃縮し、そしてシリカゲルクロマトグラフィーで精製して、3段階にわたって収率58%で、560−ycs−270(0.43g、0.78mmol)を得た。
(ER805190の調製)
560−ycs−279から560−ycs−286への変換および560−ycs−297から560−ycs−300への変換は、ER804606を調製する手順と類似していた。
560−ycs−286から560−ycs−297への変換および560−ycs−300からER805190への変換は、ER805135を調製する手順と類似していた。
(C14−C2連鎖シリーズの調製)
出発ジフェノール(10.7g)のアセトン(100mL)溶液に、BrCH2CH2Cl(15mL)およびK2CO3(20g)を加えた。その混合物を、80℃で、1日加熱した。それを冷却し、そして濾過した。その濾液をEtOAcで希釈し、ブラインで洗浄し、乾燥し、そして濃縮した。その粗生成物をシリカゲルカラム(これは、ヘキサン/CH2Cl2、2:1に次いで、1:1のヘキサン/EtOAcを使用する)で精製して、12.7gの所望生成物を得た。
そのMOM保護は、先に記述したものと同じ条件下にて、実行した。精製後、12.7gの生成物を得た。
DMF(20mL)中のクロロフェノール(12.7g)およびNaN3(6g)の混合物を、70℃で、一晩攪拌した。冷却した後、それをEtOAcで希釈し、水、ブラインで洗浄し、乾燥し、そして濃縮した。この粗生成物をシリカゲルカラムで精製して、10.3gの所望アジドを得た。
上記変換の全ては、先のシリーズと同じ条件下にて、実行した。
(ER804730の調製)
560−ycs−171からER804104を調製するのと類似の様式で、ER804730を調製した。
(ER805135の調製)
CH2Cl2(5mL)中の560−ycs−183(0.30g、0.50mmol)および4Aモレキュラーシーブ(0.30g)の混合物に、DMSO(0.5mL)中の2−イミダゾール−カルボキシアルデヒド(96mg、1.0mmol)を加えた。AcOH(28μL、0.50mmol)を加えた後、この混合物を、室温で、30分間攪拌した。K2CO3固形物(0.14g、1.0mmol)、セライト(0.5g)およびEt2O(10mL)を加え、その混合物を濾過した。その濾液を濃縮した後、それを、EtOH(5mL)に溶解し、そして室温で、5分間にわたって、NaBH4で処理した。次いで、この混合物を、ブラインおよびEtOAcで希釈した。有機層を乾燥し、そして濃縮して、収率80%で、560−ycs−275(0.27g、0.40mmol)を得た。MS:676(M++1、100%)。
560−ycs−275から560−ycs−276への変換および560−ycs−277から560−ycs−279への変換は、ER804104を調製する手順と類似していた。
560−ycs−276(0.29g、0.50mmol)およびEt3N(0.21mL、1.5mmol)のCH2Cl2(5mL)溶液に、Boc2O(0.27g、1.2mmol)を加えた。その混合物を、室温で、12時間攪拌した後、それを濃縮し、そしてシリカゲルクロマトグラフィーで精製して、収率88%で、560−ycs−277(0.34g、0.44mmol)を得た。MS:794(M++Na、100%)。
560−ycs−279(0.22g、0.29mmol)のTFA(2mL)およびCH2Cl2(2mL)溶液を、室温で、30分間飽和した後、それを濃縮し、そしてCH3CN(2mL)および1N HCl(2mL)に溶解した。その溶液を、室温で、12時間攪拌した後、10:1のCHCl3−MeOHで希釈した。有機相をNaHCO3で洗浄し、濃縮し、そしてシリカゲルクロマトグラフィーで精製して、6段階で25%の全収率で、ER−805135(60mg、0.12mmol)を得た。
(ER804744の調製)
560−ycs−171(28mg、0.045mmol)の2:1 THF−H2O(3mL)溶液に、Ph3P(35mg、0.14mmol)を加えた。その溶液を、室温で、12時間攪拌した後、全ての揮発性物質を蒸発させ、その粗残留物をCH2Cl2(2mL)に溶解した。0℃で、Et3N(44μL、0.32mmol)およびMsCl(17μL、0.22mmol)を加えた。その混合物を、0℃で、10分間攪拌した後、それを、NaHCO3で洗浄し、そして濃縮して、2段階で収率69%で、560−ycs−184(21mg、0.031mmol)を得た。
560−ycs−184からER804101を調製するのと類似の様式で、ER804744を調製した。
(ER804759の調製)
560−ycs−36および2−(N,N−ジメチルアミノ)−1−エタノールからER804606を調製するのと類似の様式で、ER804759を調製した。
(4−炭素リンカーC(14)共通中間体の調製)
(491−HAD−185I)
ジフェノールトルイジン(20.0g、110mmol)のTHF(175mL)およびトルエン(700mL)冷却(0℃氷/水浴)溶液に、窒素雰囲気下にて、クロロブタン−1−オール(15.5g、143mmol)およびDEAD(28.8g、165mmol)を45分にわたって同時に加えた。次いで、この氷/水浴を取り除き、その反応混合物を室温まで温めた。2.5時間攪拌した後、標準光延ワークアップ条件に続いてフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、5〜10%EtOAc/ヘキサン)にかけると、無色固形物(15.66g、52%)として、491−HAD−185が得られた。
(491−HAD−191)
491−HAD−185(14.4g、52.9mmol)のDMF(200mL)冷却(塩/氷浴)溶液に、窒素雰囲気下にて、DBU(59.0g、388mmol)を滴下したのに続いて、クロロメチルメチルエーテル(26.7g、332mmol)を加えた。0.5時間攪拌した後、水(200mL)を加え、その水相をCH2Cl2で抽出した。合わせたCH2Cl2抽出物を無水Na2SO4で乾燥し、そして減圧により溶媒を除去した。フラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、15%EtOAc/ヘキサン)により、無色オイル(13.9g、81%)として、491−HAD−191が得られた。
(491−HAD−192)
491−HAD−191のDMF(150mL)溶液に、アジ化ナトリウム(8.64g、133mmol)を加え、その懸濁液を、80℃で加熱した。2時間攪拌した後、水(200mL)およびCH2Cl2(150mL)を加えた。その水相をCH2Cl2で数回抽出し、無水Na2SO4で乾燥し、そして減圧により溶媒を除去した。フラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、20%EtOAc/ヘキサン)により、無色オイル(12.9g、90%)として、491−HAD−192が得られた。
(491−HAD−194)
オーバーヘッド機械攪拌を備えたフラスコ中にて、窒素雰囲気下にて、通常の様式で、5%HMPA/THF(150mL)中のジイソプロピルアミン(12.8mL、91.5mmol)およびn−ブチルリチウムから、リチウムジイソプロピルアミンを調製した。LDA溶液を−78℃(ドライアイス/アセトン浴)まで冷却した。次に、491−HAD−192の5%HMPA/THF(35mL)溶液を加えた。20分間攪拌した後、ジセレン化ジフェニル(12.4g、39.7mmol)の5%HMPA/THF(35mL)溶液を加えた。少量の中間体が認められ、均一な溶液を形成しようとして、溶媒(20mL)を追加した。2.5時間攪拌した後、NH4Cl水溶液を加え、その水相をEtOAcで数回抽出した。合わせた有機抽出物をブラインで洗浄し、無水Na2SO4で乾燥し、そして減圧により溶媒を蒸発させた。フラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、20〜100%ヘキサン/CH2Cl2、2%EtOAc/CH2Cl2)に続いて、黄色オイル(3.95g、21%)として、僅かに不純な491−HAD−194が得られた。
(491−HAD−196)
491−HAD−194(3.94g、8.24mmol)のエタノール(200プルーフ、24.5mL)および2.5N NaOH(16.5mL、41.3mmol)溶液を60℃まで加熱した。2日間攪拌した後、次いで、その反応溶液を水およびヘキサンで希釈し、その水層をNaHSO3で酸性化し、そしてEtOAcで抽出した。合わせた有機抽出物をブラインで洗浄し、無水Na2SO4で乾燥し、そして減圧により溶媒を蒸発させて、淡黄色固形物として、491−HAD−196(3.71g)を得た。491−HAD−196は、精製せず、次の工程に直接持っていった。
(491−HAD−200)
窒素入口を備えたフラスコに、491−HAD−196(3.70g、7.97mmol)、CH2Cl2(56mL)、DCC(6.58g、31.9mmol)、DMAP(97.3mg、0.797mmol)およびトリエチルアミン(4.44mL、31.9mmol)を充填した。数分間攪拌した後、2−(トリメチルシリル)エタノールを加え、その反応混合物を、3日間にわたって、35℃まで加熱し、次いで、室温で、さらに10〜15時間攪拌した。トルエン(100mL)を加え、その反応混合物を濾過した。その濾液をNaHCO3飽和水溶液に続いてブラインで洗浄し、無水Na2SO4で乾燥し、そして減圧下にて溶媒を除去した。フラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、20%EtOAc/ヘキサン)により、無色オイルとして、491−HAD−200(1.89g、42%)が得られた。
(491−HAD−230)
ヨウ化物554−RB−260(1.04g、1.72mmol)および491−HAD−200(2.53mmol)を含有する5%HMPA/THF(2.53mL)溶液を、窒素雰囲気下にて、−78℃(ドライアイス/アセトン浴)まで冷却し、その反応容器を光から遮断した。注射器ポンプにより、75分間にわたって、THF中の1M LiHMDS in (2.53mL、2.53mmol)を加えた。−78℃でさらに40分間攪拌した後、NH4Cl水溶液を加え、その水相をEtOAcで数回抽出した。合わせた有機抽出物をブラインで洗浄し、無水Na2SO4で乾燥し、そして減圧下にて溶媒を蒸発させた。フラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、5〜10〜15%EtOAc/ヘキサン)により、無色オイルとして、僅かに不純な(少量の491−HAD−200)491−HAD−230(1.86g)が得られた。
(491−HAD−232)
491−HAD−230(1.89g、1.82mmol)のCH2Cl2(26mL)溶液を、窒素雰囲気下にて、0℃(氷/水浴)まで冷却した。次に、m−CPBA(57%、1.65g、5.46mmol)を一度に加えた。1.5時間攪拌した後、トリエチルアミンを加え、そして氷/水浴を取り除いた。室温でさらに1時間攪拌した後、その反応混合物を氷/水浴で冷却し、10%v/v Na2S2O3(飽和水溶液)/NaHCO3(飽和水溶液)から構成された溶液を加えた。その水相をCH2Cl2で数回抽出した。合わせたCH2Cl2抽出物を飽和NaHCO3で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥し、そして減圧下にて溶媒を蒸発させた。その残留物をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、15%EtOAc/ヘキサン)にかけると、淡黄色オイル(0.96g、2段階で63%)として、491−HAD−232が得られた。
(491−HAD−235)
491−HAD−232(0.96g、1.1mmol)のTHF(5mL)溶液に、窒素雰囲気下にて、TBAF(1M/THF)溶液(5.45mL、5.45mmol)(これは、イミダゾール・HCl(0.14g、1.3mmol)で緩衝した)を加え、その反応溶液を室温で攪拌した。4日間攪拌した後、その反応フラスコに、追加TBAF(THF中で1M)(2.2mL、2.2mmol)を導入し、そして加熱を50℃まで上げた。15時間攪拌した後、加熱を停止し、そして室温まで冷却し、NH4Cl飽和水溶液を加えた。その水相をEtOAcで数回抽出した。合わせた有機抽出物をブラインで洗浄し、無水Na2SO4で乾燥し、そして減圧下にて溶媒を蒸発させた。この粗残留物を、さらに精製することなく、次の工程で使用した。
(491−HAD−237)
ヨウ化2−クロロ−1−メチルピリジニウム(1.65g、6.47mmol)、CH2Cl2(80mL)およびトリブチルアミン(1.54mL、6.47mmol)を含有する溶液を、窒素雰囲気下にて、還流状態まで加熱し、注射器ポンプを使用して、3.5時間にわたって、ジクロロメタン中の粗491−HAD−235(160mL)を加えた。さらに1時間攪拌した後、この加熱を止め、次いで、その反応物を、室温で、一晩攪拌した。次いで、その反応溶液を減圧下にて濃縮し、その残留物をEtOAcおよび水で希釈した。その水相をEtOAcで数回抽出し、合わせた有機相を0.05M HCl(3×85mL)、NaHCO3飽和水溶液、ブラインで連続的に洗浄し、無水Na2SO4で乾燥し、そして減圧下にて溶媒を蒸発させた。その残留物をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、30%酢酸エチル)にかけると、黄色ゲル(0.46g、2段階で65%)として、491−had−237が得られた。
(イミダゾールC.14類似物であるER805023の調製)
(491−HAD−251)
491−HAD−237(71.4mg、0.110mmol)、トリフェニルホスフィン(86.5mg、0.330mmol)のTHF(2mL)および水(1mL)溶液を、室温で、攪拌した。約17時間攪拌した後、その反応溶液を減圧下にて濃縮した。その残留物をトルエンで数回共沸し、そしてさらに精製することなく、次の工程で使用した。
(491−HAD−252)
フラスコに、CH2Cl2中の491−HAD−254(0.110mmol)およびモレキュラーシーブ(4A)を充填し、熱DMSO(0.30mL)中の2−イミダゾールカルボキシアルデヒド(21.1mg、0.220mmol)に続いて酢酸(6.3μL)を加えた。室温で45分間攪拌した後、無水K2CO3(0.030g)を加えた。その反応混合物をジエチルエーテルで連続希釈し、そして濾過した。溶媒を除去したのに続いて、その残留物をメタノールに再溶解し、得られた溶液を氷/水浴で冷却し、そしてNaBH4(0.020g、0.53mmol)を加えた。20分間攪拌した後、ブライン溶液を加え、その水相をEtOAcで数回抽出した。合わせたEtOAc抽出物を無水Na2SO4で乾燥し、そして濃縮した。この粗残留物を、さらに精製することなく、次の工程で使用した。
(491−HAD−254)
491−HAD−252(0.110mmol)、1N NaOH(3.30mL、3.30mmol)、エタノール(3.3mL)およびTHF(1.6mL)を含有する溶液を40〜45℃で攪拌した。16時間後、水を加え、続いて、CH2Cl2を加えた。その水相をCH2Cl2で数回抽出し、合わせた有機相を無水Na2SO4で乾燥し、そして濃縮した。この粗残留物を、さらに精製することなく、次の工程で使用した。
(491−HAD−256)
491−HAD−254(0.110mmol)、トリエチルアミン(46.0μL、0.330mmol)およびBoc無水物(60.0mg、0.275mmol)のCH2Cl2溶液を、窒素雰囲気下にて、室温で、4日間攪拌した。減圧下にて、反応混合物を濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(以下の溶媒勾配を使用する:20%EtOAc/ヘキサン、30%EtOAc/ヘキサン、50%EtOAc/ヘキサン、75%EtOAc/ヘキサン)により、無色ゲル(61.2mg、4段階で70%)として、491−HAD−256が得られた。
(491−HAD−260)
CH2Cl2(1.70mL)中で491−HAD−256(59.1mg、0.0739mmol)、モレキュラーシーブ(4 47.8mg)、セライト(47.8mg)およびPCC(47.8mg、0.222mmol)を含有する反応混合物を、窒素雰囲気下にて、室温で、1時間攪拌した。トリエチルアミン(30.8μL、0.222mmol)を加え、そして反応混合物を、さらに15分間攪拌した。ジエチルエーテルを加え、そして反応混合物をセライトで濾過した。その濾液の容量を減らし、フラッシュクロマトグラフィー(100%EtOAc)により、無色オイル(90.9mg)として、僅かに不純な491−HAD−260が得られた。
(491−HAD−261)
491−HAD−260のCH2Cl2(0.60mL)溶液に、窒素雰囲気下にて、TFAを加えた。室温で30分間攪拌した後、回転蒸発により、溶媒および揮発性物質を除去した。その残留物に、アセトニトリル(0.6mL)および1N HCl(0.60mL、0.60mmol)を加えた。室温で19時間攪拌した後、反応混合物を氷/水浴で冷却し、そしてNaHCO3飽和水溶液を加えた。その水相をCHCl3で数回抽出し、次いで、10%メタノール/CHCl3で1回抽出した。合わせたCHCl3抽出物を無水Na2SO4で乾燥し、そして減圧下にて濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(MeOH:CH2Cl2:2M NH3/MeOH 5:95:1、10:90:1、15:85:1)により、灰白色固形物(6.8mg、3段階で18%)として、491−HAD−261、ER805023が得られた。
(化合物ER−804446(C14ジフルオロメトキシ)の調製)
(工程1)
化合物557−MS−262(4.14g、6.69mmol)のTHF(40mL)溶液に、TBAFの1M溶液(6.69mL;6.69mmol)を加えた。その反応混合物を、室温で、30分間攪拌し、次いで、通常の様式で、ワークアップした。クロマトグラフィー精製により、化合物557−MS−151(2.34g、92%)が得られた。
(工程2)
化合物557−MS−151(520mg、1.36mmol)の激しく攪拌したジオキサン(2mL)溶液に、55〜60℃で、予備加熱した(50℃)40%NaOH水溶液(2mL)を加えた。次いで、その反応混合物に、気体入口チューブ(その先端は、この反応混合物の表面のすぐ下に位置している)を経由して、クロロジフルオロメタンガスの気流を連続的に入れた。25分後、この反応混合物を、通常の様式で、ワークアップした。クロマトグラフィー精製により、化合物557−MS−154(329mg、56%)が得られた。
(工程3)
557−MS−154(455mg、1.05mmol)のエタノール(5mL)溶液を40%NaOH水溶液(2mL)で処理し、そして還流下にて、16時間加熱した。その反応混合物を室温まで冷却し、水で希釈し、次いで、ジエチルエーテルで洗浄した。その水相を、濃塩酸を滴下することにより、pH3まで酸性化(冷却しつつ)した。ジエチルエーテル(×4)で抽出したのに続いて、乾燥などをすると、化合物557−MS−158(384mg、88%)が得られた。
(工程4)
化合物557−MS−158(384mg、0.92mmol)のジエチルエーテル(8mL)溶液をトルエン(2mL)、トリフェニルホスフィン(290mg、1.10mmol)および2−(トリメチルシリル)エタノール(0.172mL、1.20mmol)で処理し、次いで、不活性雰囲気下にて、0℃まで冷却した。ジエチルアゾジカルボキシレート(0.174mL、1.10mmol)を滴下し、次いで、その反応混合物を室温まで温めた。3時間後、この反応混合物を、通常の様式で、ワークアップした。クロマトグラフィーで精製すると、化合物557−MS−165(410mg、86%)が得られた。
(工程5)
化合物557−MS−165(410mg、0.79mmol)および化合物554−RB−260(523mg、0.72mmol)の混合物をTHF(3.2mL)に溶解し、HMPA(0.6mL)で処理し、そして不活性雰囲気下にて、−78℃まで冷却した。次いで、約15分間にわたって、LiHMDSの0.5M THF(1.73mL、0.864mmol)溶液を滴下した。その反応混合物を、−78℃で、40分間攪拌し、次いで、0℃まで温めた。その中間体粗生成物を、通常の様式でワークアップし、次いで、ジクロロメタン(12mL)に溶解し、そして0℃まで冷却した。m−CPBA(452mg)の約55%ジクロロメタン(8mL)溶液を少しずつ加えた。40分後、トリエチルアミン(1mL)を加え、その反応混合物を、通常の様式でワークアップした。クロマトグラフィーで精製すると、化合物557−MS−203(552mg、80%)が得られた。
(工程6)
化合物557−MS−203(552mg、0.575mmol)のTHF(5.75mL)溶液をTBAFの1M THF(11.5mL、11.5mmol)溶液で処理し、次いで、60℃で、約3時間加熱した。通常のワークアップにかけると、化合物557−MS−205(350mg)が得られ、これを、次の工程で、さらに精製することなく使用した。
(工程7)
ヨウ化2−クロロ−1−メチルピリジニウム(824mg、3.2mmol)およびトリ−n−ブチルアミン(0.768mL、3.2mmol)のジクロロメタン(100mL)加熱溶液(85℃)に、粗化合物557−MS−205(0.32mmolを含むと想定される)のジクロロエタン(66mL)溶液をゆっくりと加えた。完全に加えた後、その反応混合物を、85℃で、1時間加熱し、次いで、室温まで冷却した。通常のワークアップおよびクロマトグラフィーで精製すると、化合物557−MS−212(93mg、化合物557−MS−203から48%)が得られた。
(工程8)
化合物557−MS−212(93mg、0.15mmol)のTHF(6mL)およびエタノール(12mL)溶液を1M NaOH水溶液(2.5mL)で処理し、そして60℃で、1.5時間加熱し、次いで、70℃で、1時間加熱した。通常のワークアップにかけると、化合物557−MS−214(74mg)が得られ、これを、次の工程で、さらに精製することなく使用した。
(工程9)
粗化合物557−MS−214(89mg、0.178mmol)のジクロロメタン(10mL)溶液を、粉末化4Åモレキュラーシーブ(462mg)の存在下にて、PCC(462mg、2.14mmol)で処理した。その反応混合物を、室温で、120分間にわたって、激しく攪拌した。過剰のトリエチルアミンで塩基化したのに続いて、クロマトグラフィーで精製すると、化合物557−MS−216(53mg、化合物557−MS−212から60%)が得られた。
(工程10)
アセトニトリル(7mL)およびジクロロメタン(1.7mL)の混合物中の化合物557−MS−216(53mg、0.106mmol)の溶液を48%フッ化水素酸水溶液(1.7mL)で処理した。室温で35分後、通常のワークアップに続いてクロマトグラフィーで精製すると、化合物ER−804446(40mg、91%)(m/z:411.3[M+1;100%])が得られた。
(化合物ER−804387(C14トリフルオロエトキシ)の調製)
(工程1)
557−MS−151(1g、2.62mmol)のアセトン(20mL)溶液に、炭酸カリウム(440mg、3.14mmol)およびトリクロロメタンスルホン酸2,2,2−トリフルオロエチル(880mg、3.14mmol)を加えた。その反応混合物を、70℃で、2時間加熱し、次いで、追加アリコートの炭酸カリウム(440mg;3.14mmol)およびトリクロロメタンスルホン酸2,2,2−トリフルオロエチル(880mg、3.14mmol)で処理した。70℃でさらに2時間後、この反応混合物を通常の様式でワークアップした。クロマトグラフィーで精製すると、化合物557−MS−161(760mg、63%)が得られた。
(工程2)
557−MS−161(760mg、1.64mmol)のエタノール(5mL)溶液を40%NaOH水溶液(2mL)で処理し、そして還流下にて、16時間加熱した。その反応混合物を室温まで冷却し、水で希釈し、次いで、ジエチルエーテルで洗浄した。その水相を、濃塩酸水溶液を滴下することにより、(冷却しつつ)pH3まで酸性化した。ジエチルエーテルで抽出した(×4)のに続いて乾燥などを行うと、化合物557−MS−163(648mg、88%)が得られた。
(工程3)
化合物557−MS−163(648mg、1.44mmol)のジエチルエーテル(12mL)溶液をトルエン(3mL)、トリフェニルホスフィン(454mg、1.73mmol)および2−(トリメチルシリル)エタノール(0.269mL、1.875mmol)で処理し、次いで、不活性雰囲気下にて、0℃まで冷却した。アジドジカルボン酸ジエチル(0.272mL、1.73mmol)を滴下し、次いで、その反応混合物を室温まで温めた。1.5時間後、この反応混合物を通常の様式でワークアップした。クロマトグラフィーで精製すると、化合物557−MS−167(730mg、92%)が得られた。
(工程4)
化合物557−MS−167(730mg、1.33mmol)および化合物554−RB−260(885mg、1.21mmol)の混合物をTHF(9mL)に溶解し、HMPA(1mL)で処理し、次いで、不活性雰囲気下にて、−78℃まで冷却した。次いで、約20分間にわたって、LiHMDSの0.5M THF(2.9mL、1.45mmol)溶液を滴下した。その反応混合物を、−78℃で、35分間攪拌し、0℃まで温めた。その中間体粗生成物を、通常の様式でワークアップし、次いで、クロマトグラフィーで部分的に精製した。この中間体をジクロロメタン(15mL)に溶解し、そして0℃まで冷却した。メタ−クロロ過安息香酸(612mg)の約55%ジクロロメタン(10mL)溶液を少しずつ加えた。30分後、トリエチルアミン(1.37mL)を加え、通常のワークアップに続いてクロマトグラフィー部分精製すると、化合物557−MS−177(950mg)が得られ、これを、さらに精製することなく、次の工程で使用した。
(工程5)
TBAFの1M THF(9.58mL;9.58mmol)溶液中の粗化合物557−MS−177(475mg、0.479mmolを含むと想定される)の溶液を、50℃で、約7時間加熱した。通常のワークアップにかけると、化合物557−MS−179(300mg)が得られ、これを、さらに精製することなく、次の工程で使用した。
(工程6)
ヨウ化2−クロロ−1−メチルピリジニウム(391mg、1.53mmol)およびトリ−n−ブチルアミン(0.365mL、1.53mmol)のジクロロメタン(100mL)加熱溶液(85℃)に、化合物557−MS−179(0.153mmolを含むと想定される)のジクロロエタン(30mL)溶液をゆっくりと加えた。完全に加えた後、その反応混合物を、85℃で、1時間加熱し、次いで、室温まで冷却した。通常のワークアップおよびクロマトグラフィーで精製すると、化合物557−MS−183(40mg、化合物557−MS−167から41%)が得られた。
(工程7)
化合物557−MS−183(40mg、0.063mmol)のTHF(2.5mL)およびエタノール(5mL)溶液を1M NaOH水溶液(1mL)で処理し、そして60℃で、3.5時間加熱した。通常のワークアップにかけると、粗化合物557−MS−191(32mg)が得られ、これを、さらに精製することなく、次の工程で使用した。
(工程8)
粗化合物557−MS−191(52mg、0.098mmol)のジクロロメタン(6mL)溶液を、粉末化4Åモレキュラーシーブ(253mg)の存在下にて、PCC(253mg、1.18mmol)で処理した。その反応混合物を、室温で、3時間にわたって、激しく攪拌した。過剰のトリエチルアミンで塩基化したのに続いて、クロマトグラフィーで精製すると、化合物557−MS−194(39.3mg、化合物557−MS−183から76%)が得られた。
(工程9)
アセトニトリル(3.2mL)およびジクロロメタン(0.8mL)の混合物中の化合物557−MS−194(23mg、0.0435mmol)の溶液を48%フッ化水素酸水溶液(0.8mL)で処理した。室温で35分後、通常のワークアップに続いてクロマトグラフィー精製にかけると、化合物ER−804387(15.8mg、82%)が得られた。
(化合物B2356(C14 ヒドロキシ)および化合物B2359(C14 OMOM)の調製)
(工程1)
ヘキサン洗浄水素化ナトリウム(3.95g、鉱油中で60%;約98.85mmol)のよく攪拌した無水DMF(50mL)懸濁液に、0℃で、不活性雰囲気下にて、2,4−ジヒドロキシ−6−メチル安息香酸メチル(6g、32.95mmol)の無水DMF(10mL)溶液を加えた。その反応混合物を、0℃で、30分間攪拌し、次いで、塩化メトキシメチル(5.26mL、69.2mmol)で滴下処理した。この反応混合物を2時間攪拌し、次いで、通常の様式でワークアッして、化合物453−MS−21(8.14g、91%)を得た。
(工程2)
ジイソプロピルアミン(3.14mL、22.4mmol)の無水THF(45mL)溶液に、−20℃で、不活性雰囲気下にて、n−ブチルリチウムの2.5Mヘキサン(8.96mL、22.4mmol)溶液を滴下した。その反応混合物を0℃まで温め、0℃で、10分間攪拌し、次いで、−78℃まで冷却した。化合物453−MS−21(4.03g、14.9mmol)の無水THF(15mL)溶液を滴下した。この反応混合物を、−78℃で、1時間攪拌し、次いで、二セレン化ジフェニル(5.59g、17.9mmol)の無水THF(18mL)溶液で処理した。この反応混合物を、−78℃で、30分間攪拌し、次いで、通常の様式でワークアップした。クロマトグラフィーで精製すると、化合物453−MS−108(3.47g、54%)が得られた。
(工程3)
化合物453−MS−108(2.16g、5.08mmol)のエタノール(20mL)溶液を粉末化NaOH(610mg、15.24mmol)で処理し、そして還流下にて、28時間加熱した。その反応混合物を室温まで冷却し、そして減圧下にて(約5mLの残留容量まで)濃縮した。その残留物を水とジエチルエーテルとの間で分配した。その水性画分を、冷却しつつ、1M HCl水溶液(約16mL)をゆっくりと加えることにより、pH3まで酸性化した。その酸性溶液をジエチルエーテルで抽出し、次いで、その抽出物を、直ちに、ブライン飽和水溶液で(少なくとも5回)洗浄した。乾燥などを行うと、化合物453−MS−110(2.016g、97%)が得られた。
(工程4)
化合物453−MS−110(2.016g、4.9mmol)のジエチルエーテル(40mL)溶液に、0℃で、不活性雰囲気下にて、トルエン(10mL)、トリフェニルホスフィン(1.41g、5.39mmol)および2−(トリメチルシリル)エタノール(0.843mL、5.88mmol)を加えた。次いで、アジドジカルボン酸ジエチル(0.849mL、5.39mmol)を滴下した。その反応混合物を室温まで温め、そして約16時間攪拌した。通常にワークアップに続いてクロマトグラフィー精製すると、化合物453−MS−111(2.24g、90%)が得られた。
(工程5)
化合物453−MS−111(1.33g、2.6mmol)および化合物343−YW−281(866mg、1.46mmol)の混合物を10%HMPAのTHF(15mL)溶液に溶解し、そして不活性雰囲気下にて、−78℃まで冷却した。次いで、約15分間にわたって、LiHMDSの1M THF(2.19mL、2.19mmol)溶液を滴下した。さらに45分後、LiHMDSの1M THF溶液の過剰のアリコートを加えた(0.438mL、0.438mmol)。その反応混合物を0℃まで温め、その中間体粗生成物を、通常の様式でワークアップし、そしてクロマトグラフィーで部分的に精製した。この中間体をジクロロメタン(14mL)に溶解し、そして0℃まで冷却した。メタ−クロロ過安息香酸(280mg)の約55%ジクロロメタン(6mL)溶液を加えた。10分後、追加55%m−CPBA(28mg)を加えた。この反応混合物を、0℃で、さらに20分間攪拌し、次いで、トリエチルアミン(1.22mL)で処理し、そして通常の様式でワークアップした。クロマトグラフィー精製すると、453−MS−77(625mg、52%)が得られた。
(工程6)
化合物453−MS−77(618mg、0.753mmol)、ジクロロメタン(20mL)および水(10mL)の激しく攪拌した二相混合物に、DDQ(190mg、0.84mmol)を加えた。室温で1時間後、その反応混合物を通常の様式でワークアップした。クロマトグラフィー精製すると、4種のジアステレオマーの混合物として、化合物453−MS−82(381mg、72%)が得られた。
(工程7)
化合物453−MS−82(381mg、0.544mmol)のTHF(10mL)溶液をTBAF(284mg、1.09mmol)で処理し、そして室温で、約16時間攪拌した。通常のワークアップにかけると、4種のジアステレオマーの混合物として、化合物453−MS−84(326mg、定量)が得られた。
(工程8)
トリフェニルホスフィン(109mg、0.417mmol)の無水THF(6mL)溶液に、室温で、不活性雰囲気下にて、約30秒間にわたって、アジドジカルボン酸ジエチル(66μL、0.417mmol)を滴下した。約10分間にわたって、化合物453−MS−84(167mg、0.278mmol)の無水THF(10mL)溶液を滴下した。その反応混合物を、室温で、10分間攪拌し、次いで、追加トリフェニルホスフィン(36mg、0.137mmol)で処理したのに続いて、追加アジドジカルボン酸ジエチル(22μL、0.137mmol)で処理した。この反応混合物をさらに10分間攪拌し、次いで、通常の様式でワークアップした。部分的にクロマトグラフィーで精製すると、4種のジアステレオマーの混合物として、化合物453−MS−91(122mg、76%)が得られた。
(工程9)
化合物453−MS−91(70mg、0.12mmol)のエタノール(2.5mL)溶液をTHF(1.25mL)および1M NaOH水溶液(0.6mL、0.6mmol)で処理し、そして室温で、約6日間攪拌した。クロマトグラフィーで精製すると、部分的に分割したジアステレオマーの2個の画分が得られた:
画分A(極性が低い方):2種のジアステレオマーの混合物−化合物453−MS−101A(24mg);
画分B(極性が高い方):2種のジアステレオマーの混合物−化合物453−MS−101B(25mg);
(全収量:49mg、86%)
(工程10)
化合物453−MS−101B(25mg、52.3μmol)のジクロロメタン(1.5mL)溶液を、粉末化4Åモレキュラーシーブ(135mg)の存在下にて、PCC(135mg、0.627mmol)で処理した。その反応混合物を、室温で、40分間にわたって、激しく攪拌した。過剰のトリエチルアミンで塩基化したのに続いて、クロマトグラフィーで精製すると、化合物453−MS−116(14mg、63%)が得られた。
(工程11)
ジオキサン(3mL)および重水(3mL)の混合物中の453−MS−116(13mg、27.3μmol)の溶液をDowex(登録商標)(50WX8−100、200mg)で処理し、そして室温で、約16時間攪拌した。通常のワークアップに続いて逆相HPLCを使用して精製すると、化合物B2356(2.4mg、25%)[m/z:349.3(M+1、60%)、161.0(100%)]および化合物B2358(2mg、20%)が得られた。
(化合物B2357(C14 ヒドロキシ)および化合物B2359(C14 OMOM)の調製)
(工程1)
化合物453−MS−101A(24mg、50.1μmol)のジクロロメタン(2mL)溶液を、粉末化4Åモレキュラーシーブ(130mg)の存在下にて、クロロクロム酸ピリジニウム(130mg、0.602mmol)で処理した。その反応混合物を、室温で、1時間にわたって、激しく攪拌した。過剰のトリエチルアミンで塩基化したのに続いて、クロマトグラフィーで精製すると、化合物453−MS−122(19mg、80%)が得られた。
(工程2)
アセトニトリル(4.6mL)およびジクロロメタン(1.1mL)の混合物中の化合物453−MS−122(21mg、44μmol)の溶液を48%フッ化水素酸水溶液(1.1mL)で処理し、そして室温で、約2時間攪拌した。通常のワークアップに続いて逆相HPLCを使用して精製すると、化合物B2357(3.5mg、23%)[m/z:349.2(M+1、50%)、161.0(100%)]および化合物B2359(1.6mg、10%)が得られた。
(C14−C、H、またはハロゲン類似物、NF0887、NF2433、NF2435、NF2436、NF2557およびER−805053の調製)
(NF2433の合成手順)
16と同じ手順を使用して、YE−06(526mg、0.714mmol)をNY−78(657mg)に変換した。
18と同じ手順を使用して、NY−78(653mg、0.644mmol)をNY−79(529mg)に変換した。
509−HD−116と同じ手順を使用して、NY−79(528mg、0.584mmol)をNY−80(231mg)に変換した。NY−80を、さらに精製することなく、次の工程で使用した。
TM−12と同じ手順を使用して、NY−80(230mg、0.511mmol)をNY−81(157mg)に変換した。
509−HD−125と同じ手順を使用して、NY−81(127mg、0.294mmol)をNY−82(118mg)に変換した。
NF−0675と同じ手順を使用して、NY−82(118mg、0.274mmol)をNF−2433(79mg)に変換した。
(NF−2436の合成手順)
9と同じ手順を使用して、NY−83(7.46g、40mmol)をNY−84(11.39g)に変換した。
NY−84(3g、10mmol)、Et2NH(2.07mL、20mmol)およびTHF(80mL)の混合物に、−30℃で、塩化イソプロピルマグネシウム(THF中で2M、10mL、20mmol)を徐々に加えた。その反応混合物を0℃まで温めた。この反応混合物を飽和NaHCO3でクエンチし、そしてEtOAcで抽出した。その有機層を水、ブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濾過し、そして濃縮した。その粗生成物をシリカゲルカラム(これは、ヘキサン/EtOAc、10:1、8:1、6:1を使用する)で精製して、3.21gのNY−85を得た。
NY−85(3.2g、9.36mmol)およびTMEDA(2.2mL、14.58mmol)をTHF(30mL)に溶解し、そして窒素下にて、−78℃まで冷却した。次いで、sec−BuLi(1.3M/シクロヘキサン、11mL、14.3mmol)をゆっくりと加え、その反応物を、−78℃で、1時間攪拌した。その溶液にDMF(1.4mL、18.08mmol)を加え、次いで、この溶液を、−78℃で、30分間攪拌した。その混合物を飽和NH4Clでクエンチし、そしてEtOAcで抽出した。その有機層を水、ブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濾過し、そして濃縮した。その粗生成物をシリカゲルカラム(これは、ヘキサン/EtOAc、6:1を使用する)で精製して、2.56gのNY−86を得た。
NY−86(2.55g、6.89mmol)のMeOH(30mL)溶液に、0℃で、NaBH4(260mg、6.87mmol)を加え、そして30分間攪拌した。その反応混合物を飽和NH4Clでクエンチし、そしてEtOAcで抽出した。その有機層を水、ブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濾過し、そして濃縮して、2.5gのNY−87を得た。
NY−87(2.5g、6.72mmol)、AcOH(1.92mL、33.54mmol)およびEtOH(50mL)の混合物を4時間還流した。この混合物を濃縮し、その残留物を飽和NaHCO3でアルカリ化し、そしてEtOAcで抽出した。その水層をEtOAc(×2)で再抽出し、その有機層を飽和NH4Cl、水、ブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濾過し、そして濃縮した。その粗結晶化生成物をEt2Oで洗浄して、718mgのNY−88を得た。その母液をシリカゲルカラム(これは、ヘキサン/EtOAc、3:1、2:1を使用する)で精製して、230mgの追加NY−88を得た。
509−HD−209と同じ手順を使用して、NY−88(940mg、5.09mmol)をNY−89(676mg)に変換した。
NY−89(1.74g、7.61mmol)のDMSO(20mL)溶液に、KOH(450mg、8.02mmol)の水(10mL)溶液を加え、そして室温で、30分間攪拌した。次いで、その混合物を、40℃で、30分間攪拌した。この反応混合物にMeI(9.5mL、153mmol)を加え、その混合物を、室温で、3時間攪拌した。この反応混合物を飽和NH4Clでクエンチし、そしてEtOAcで抽出した。その有機層を水、5%クエン酸、水、飽和NaHCO3、ブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濾過し、そして濃縮して、1.93gのNY−90を得た。
NY−90(1.93g、7.61mmol)の溶液に、0℃で、Ph2S2(5g、22.9mmol)、ピリジン(3.7mL、45.75mmol)、nBu3P(5.7mL、22.88mmol)を加えた。その混合物を室温まで温め、そして12時間攪拌した。この反応混合物をEtOAcで希釈し、そして5%クエン酸(×2)、水、飽和NaHCO3、ブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濾過し、そして濃縮した。その粗生成物をシリカゲルカラム(これは、ヘキサン/EtOAc、15:1、5:1を使用する)で精製して、1.9gのNY−91を得た。
509−HD−212と同じ手順を使用して、NY−91(2.12g、6mmol)をNY−92(2.07g)に変換した。NY−92を、さらに精製することなく、次の工程で使用した。
509−HD−213と同じ手順を使用して、NY−92(2.07g、6mmol)をNY−93(2.19g)に変換した。
16と同じ手順を使用して、YE−06(505mg、0.685mmol)をNY−94(625mg)に変換した。
18と同じ手順を使用して、NY−94(623mg、0.594mmol)をNY−95(501mg)に変換した。
509−HD−116と同じ手順を使用して、NY−95(500mg、0.533mmol)をNY−96(400mg)に変換した。NY−96を、さらに精製することなく、次の工程で使用した。
TM−12と同じ手順を使用して、NY−96(400mg、0.533mmol)をNY−97(142mg)に変換した。
509−HD−125と同じ手順を使用して、NY−97(139mg、0.298mmol)をNY−98(120mg)に変換した。
NF−0675と同じ手順を使用して、NY−98(118mg、0.254mmol)をNF−2436(24mg)に変換した。
(NF2435の合成手順)
509−HD−207から509−HD−209を合成する手順と類似の手順を使用して、3,5−ジメチルフェノール(27.58g、225.75mmol)を、精製した化合物として、MK−091(15.91g、42%)の無色オイルに変換した。
MK−091(6.00g、36.10mmol)を無水Et2O(18mL)に溶解した。その攪拌溶液に、ヘキサン中のn−BuLi(1.6M、27mL、43.32mmol、1.2当量)を加え、その混合物を40℃まで温めた。40℃で30分後、この反応混合物の色は、暗赤色に変わった。その混合物を−78℃まで冷却し、そして入口を通って30分間泡立たせることにより、過剰の無水CO2ガス(約30当量)を加えた。次いで、得られた混合物を室温まで温めた。30分後、この反応混合物を水でクエンチし、そしてEt2Oで洗浄した。その塩基性水層をKHSO4で酸性化し、そしてAcOEtで抽出した。その有機抽出物をブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濾過し、そして濃縮して、MK−092(4.55g、<60%)の粗無色結晶を得た。この粗MK−092を、さらに精製することなく、次の工程で使用した。
粗MK−092(4.55g、21.6mmolを含むと想定される)をCH3CN(200mL)に溶解した。この溶液に、CsCO3(5.64g、17.3mmol)およびMeI(2.20mL、34.6mmol)を加え、その混合物を、室温で、一晩攪拌した。この反応混合物を濃縮した後、水を加え、そしてAcOEtで抽出した。その有機抽出物をNaHCO3飽和水溶液、ブラインで洗浄し、次いで、Na2SO4で乾燥し、濾過し、そして濃縮して、MK−093の粗オイルを得た。この粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン/AcOEt:10/1)で精製して、MK−093の淡黄色オイル(3.19g、2段階で39%)を得た。
509−HD−209から509−HD−211を合成する手順と類似の手順を使用して、MK−093(2.86g、12.77mmol)を、MK−094、MK−095およびMK−093の混合物に変換した。この粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン/AcOEt:9/1)で精製して、MK−094の淡黄色オイル(652mg、13%)を得、その構造を、NOESY分析で決定した。
509−HD−211から509−HD−212を合成する手順と類似の手順を使用して、MK−094(650mg、1.71mmol)を粗安息香酸に変換した。
MK−046からMK−047を合成する手順と類似の手順を使用して、この粗安息香酸を、精製した化合物として、MK−096の淡黄色オイル(746mg、2段階で94%)に変換した。
化合物2および化合物3から化合物5を合成する手順と類似の手順を使用して、MK−096(489mg、1.05mmol)でカップリングしたYE−06(516mg、0.700mmol)を、精製した化合物として、MK−097の無色オイル(491mg、3段階で76%)に変換した。
YE−16からYE−17を合成する手順と類似の手順を使用して、MK−097(491mg、0.535mmol)をMK−098の粗オイル(486mg、シリル不純物を含めて)に変換した。その粗MK−098を、さらに精製することなく、次の工程で使用した。
YE−17からYE−18を合成する手順と類似の手順を使用して、粗MK−098(486mg、0.535mmolを含むと想定される)を、精製した化合物として、MK−099の無色オイル(159mg、3段階で67%)に変換した。
509−HD−119Bから509−HD−125を合成する手順と類似の手順を使用して、MK−099(158mg、0.354mmol)をMK−100の粗淡黄色固形物(146mg、<93%)に変換した。この粗MK−100を、さらに精製することなく、次の工程で使用した。
MK−035からNF1226を合成する手順と類似の手順を使用して、粗MK−100(146mg)を粗淡黄色結晶に変換した。この粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン/AcOEt:3/2)で精製して、NF2435の無色結晶(88mg、2段階で69%)を得た。
(NF2557、NF2558およびNF2559の合成)
509−HD−207から509−HD−209を合成する手順と類似の手順を使用して、TM−34(12.23g、42.71mmol)を、精製した化合物として、MK−120の無色オイル(13.40g、95%)に変換した。
MK−120(13.38g、40.50mmol)をEtOH(200mL)に溶解した。炭素上10%Pd(50%湿潤、2.7g)を加えた。その混合物を、水素下にて、室温で攪拌した。8時間後、触媒をセライトで濾過し、その濾液を濃縮して、粗固形物を得た。この粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン/AcOEt:2/1)で精製して、MK−121の無色結晶(8.67g、89%)を得た。
611−MS−84から611−MS−88を合成する手順と類似の手順を使用して、精製した化合物として、MK−121(8.66g、36.04mmol)をMK−122の無色結晶(13.20g、98%)に変換した。
MK−072からMK−073を合成する手順と類似の手順を使用して、プロパルギルアルコール(10.74g、191.6mmol)を、精製した化合物として、MK−123の無色オイル(27.03g、96%)に変換した。
MK−122(13.20g、35.46mmol)およびMK−123(12.50g、70.92mmol、2.0当量)をDMF(440mL)に溶解した。この溶液に、Ph3P(5.58g、21.28mmol、0.6当量)、Pd(Ph3P)4(6.15g、5.32mmol、0.15当量)、CuI(1.01g、5.32mmol、0.15当量)およびEt3N(19.8mL、141.83mmol、4当量)を加えた。その混合物を45℃まで加熱し、そして窒素雰囲気下にて、1.5時間加熱した。この混合物を室温まで冷却し、そしてEt2O−ヘキサンで希釈し、次いで、しばらくの間、攪拌した。得られた混合物をセライトのパッドで濾過して、不溶性固形物を除去した。その濾液をNH4Cl飽和水溶液およびブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濾過し、そして濃縮して、粗生成物を得た。この粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン/AcOEt:7/1〜5/1)で精製して、MK−124の褐色オイル(12.11g、86%)を得た。
MK−073からMK−074を合成する手順と類似の手順を使用して、MK−124(14.28g、35.84mmol)をMK−125の粗黄色オイル(14.34g)に変換した。この粗MK−125を、さらに精製することなく、次の工程で使用した。
MK−113からMK−114を合成する手順と類似の手順を使用して、粗MK−125(14.34g、35.84mmolを含むと想定される)を安息香酸の粗黄色オイル(14.92g)に変換した。この粗安息香酸を、さらに精製することなく、次の工程で使用した。
MK−092からMK−093を合成する手順と類似の手順を使用して、この粗安息香酸(14.92g、35.84mmolを含むと想定される)を、精製した化合物として、MK−126の無色オイル(10.92g、3段階で78%)に変換した。
509−HD−209から509−HD−211を合成する手順を改良した手順を使用して、MK−126(960mg、2.47mmol)を粗セレン化生成物に変換した。この粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン/AcOEt:6/1〜5/1)で精製して、所望MK−127(約710mg、約60%)、MK−128(約10%)およびMK−126(約17%)の分離不能混合物として、淡黄色オイル(953mg)を得た。この混合物を、さらに精製することなく、次の工程で使用した。
MK−113からMK−114を合成する手順と類似の手順を使用して、MK−127(約710mg、1.31mmolを含むと想定される)、MK−128およびMK−126の混合物(953mg)を安息香酸の粗オイル(980mg)に変換した。この粗安息香酸を、さらに精製することなく、次の工程で使用した。
MK−046からMK−047を合成する手順と類似の手順を使用して、上記安息香酸の粗混合物(980mg)を粗TMS−エチルエステルに変換した。この粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン/AcOEt:6/1)で精製して、所望MK−129(約683mg、約83%)および他のTMS−エチルエステル(これらは、MK−128およびMK−126に相当する)の分離不能混合物として、無色オイル(875mg)を得た。この混合物を、さらに精製することなく、次の工程で使用した。
化合物2および化合物3から化合物5を合成する手順と類似の手順を使用して、YE−06(483mg、0.655mmol)(これは、MK−129(約683mg、1.08mmol)を含む混合物(875mg)とカップリングした)をMK−130の無色オイル(519mg、3段階で73%)に変換した。
YE−16からYE−17を合成する手順と類似の手順を使用して、MK−130(519mg、0.480mmol)をMK−131の粗オイル(620mg、シリル不純物を含む)に変換した。この粗生成物を、さらに精製することなく、次の工程で使用した。
YE−17からYE−18を合成する手順と類似の手順を使用して、この粗MK−131(620mg、0.480mmolを含むと想定される)をラクトン化生成物の粗オイルに変換した。この粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン/AcOEt:5/2)で精製して、それぞれ、MK−132の無色オイル(88mg、3段階で30%)およびMK−133に由来のdes−MOMの無色オイル(47mg、3段階で17%)を得た。
509−HD−119Bから509−HD−125を合成する手順と類似の手順を使用して、MK−133(46mg、0.0812mmol)をエノンの粗淡黄色オイル(35mg、<76%)に変換した。この粗エノンを、さらに精製することなく、次の工程で使用した。
NF0530からNF0531を合成する手順と類似の手順を使用して、上記粗エノン(35mg、0.0620mmolを含むと想定される)をMK−134の無色結晶(20mg、2段階で55%)に変換した。
TM−13からNF0675を合成する手順と類似の手順を使用して、MK−134 (7mg、0.0157mmol)を、精製した化合物として、それぞれ、NF2557の無色結晶(5.1mg、80%)およびNF2558の無色結晶(1.5mg、19%)に変換した。
(ER−805053の合成)
(工程1)
2,4−ジヒドロキシ−6−メチル安息香酸メチル(10.9g、0.0598mol)の無水N、N−ジメチルホルムアミド(100mL)溶液に、イミダゾール(4.48g、0.0658mol)および塩化第三級ブチルジフェニルシリル(15.6mL、0.0658mol)を加えた。その反応混合物を、室温で、24時間攪拌し、次いで、通常の様式でワークアップした。この粗生成物をクロマトグラフィーで精製して、化合物557−MS−232(12.33g、49%)を得た。
(工程2)
化合物557−MS−232(9.08g、0.021mol)の無水テトラヒドロフラン(100mL)溶液に、0℃で、不活性雰囲気下にて、水素化ナトリウム(55%オイル分散体;1.88g、約0.042mol)を加えた。その反応混合物を、0℃で、30分間攪拌し、次いで、塩化メトキシメチル(3.28mL、0.042mol)で処理した。この反応混合物を、一晩にわたって、室温まで温めた。通常のワークアップにかけると、化合物557−MS−233(9.17g、91%)が得られた。
(工程3)
新たに調製したリチウムジイソプロピルアミド(16.2mmol)の無水テトラヒドロフラン(15mL)溶液に、−78℃で、不活性雰囲気下にて、化合物557−MS−233(3.93g、9.01mmol)の無水テトラヒドロフラン(15mL)溶液を滴下した。その反応混合物を、−78℃で、45分間攪拌し、次いで、二セレン化ジフェニル(2.53g、8.11mmol)の無水THF(15mL)溶液を急速に加えた(この二セレン化ジフェニル溶液を予め冷やすために、その反応容器の内壁から下に)。この反応混合物を、−78℃で、45分間攪拌し、次いで、酢酸の2Mジエチルエーテル(8mL)溶液で滴下処理した。次いで、その反応混合物を通常の様式でワークアップした。クロマトグラフィーで精製すると、化合物557−MS−262(4.57g、82%)が得られた。
(工程4)
化合物557−MS−262(6.29g、0.01mol)のエタノール(100mL)溶液を粉末化水酸化ナトリウム(4g、0.1mol)で処理し、そして還流下にて、30分間加熱した。その反応混合物を5℃まで冷却し、1M HCl水溶液でpH6.5まで酸性化した。次いで、このエタノールの大部分を真空濃縮により除去し、得られた残留物を水と酢酸エチルとの間で分配した。その有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液および水で連続的に洗浄した。乾燥などを行うと、611−MS−84(3.3g、87%)が得られた。
(工程5)
化合物611−MS−84(1.65g、4.33mmol)のジクロロメタン(20mL)溶液を、0℃で、ピリジン(0.385mL、4.76mmol)および無水トリメチルスルホン酸(0.764mL、4.54mmol)で連続的に洗浄した。0℃で25分後、その反応混合物を室温まで温め、そして通常の様式でワークアップして、化合物611−MS−88(1.5g、68%)を得た。
(工程6)
化合物611−MS−88(1.5g、2.92mmol)の1,2−ジメトキシエタン(25mL)溶液を、還流下で、不活性雰囲気下にて、フェニルボロン酸(713mg、5.84mmol)、パラジウムテトラキストリフェニルホスフィン(335mg、0.29mmol)、塩化リチウム(247mg、5.84mmol)および2M炭酸ナトリウム水溶液(25mL)の存在下で、加熱した。2時間後、その反応混合物を室温まで冷却した。通常のワークアップに続いてクロマトグラフィーで精製すると、化合物611−MS−91(1.004g、78%)が得られた。
(工程7)
化合物611−MS−91(512mg、1.16mmol)および化合物554−RB−260(635mg、1.05mmol)の混合物をヘキサメチルホスホラミドの10%テトラヒドロフラン(8.8mL)溶液に溶解し、そして不活性雰囲気下にて、−78℃まで冷却した。次いで、約30分間にわたって、リチウムビス−(トリメチルトリル)アミドの0.5Mテトラヒドロフラン(2.52mL、1.26mmol)溶液を滴下した。その反応混合物を、−78℃で、2時間攪拌し、次いで、0℃まで温めた。その中間体粗生成物を通常の様式でワークアップし、次いで、ジクロロメタン(15mL)に溶解し、そして0℃まで冷却した。メタ−クロロ安息香酸(724mg)の約55%ジクロロメタン(12mL)溶液を加えた。30分後、トリエチルアミン(1.6mL)を加え、この反応混合物を通常の様式でワークアップした。クロマトグラフィーで精製すると、化合物611−MS−102(560mg、64%)が得られた。
(工程8)
化合物611−MS−102(560mg、0.738mmol)のテトラヒドロフラン(5mL)溶液をフッ化テトラブチルアンモニウムの1Mテトラヒドロフラン(0.74mL、0.74mmol)溶液で処理した。通常のワークアップに続いてクロマトグラフィーで精製すると、化合物611−MS−104(340mg、71%)が得られた。
(工程9)
化合物611−MS−104(340mg、0.527mmol)のエタノール(10mL)溶液を粉末化水酸化ナトリウム(211mg、5.27mmol)で処理し、そして還流下にて加熱した。冷却しpH6.5まで酸性化したのに続いて通常のワークアップにかけると、粗化合物611−MS−106が得られ、これを、さらに精製することなく、次の工程で使用した。
(工程10)
ヨウ化2−クロロ−1−メチルピリジニウム(449mg、1.76mmol)およびトリ−n−ブチルアミン(0.42mL、1.76mmol)のジクロロメタン(60mL)加熱溶液(40℃)に、粗化合物611−MS−106(0.176mmolを含むと想定される)のジクロロメタン(20mL)溶液をゆっくりと加えた。通常のワークアップおよびクロマトグラフィーで精製すると、化合物611−MS−108(3mg、化合物611−MS−104から3%)が得られた。
(工程11)
化合物611−MS−108(3mg、5.9μmol)のジクロロメタン(500μL)溶液を、粉末化4Åモレキュラーシーブ(20mg)の存在下にて、クロロクロム酸ピリジニウム(20mg、88μmol)で処理した。その反応混合物を、室温で、4時間にわたって、激しく攪拌した。過剰のトリエチルアミンで塩基化したのに続いて、クロマトグラフィーで精製すると、化合物611−MS−118(1.4mg、48%)が得られた。
(工程12)
アセトニトリル(400μL)およびジクロロメタン(100μL)の混合物中の化合物611−MS−118(1.4mg、2.76μmol)の溶液を48%フッ化水素酸水溶液(100μL)で処理し、そして室温で、30分間攪拌した。通常のワークアップに続いてクロマトグラフィーで精製すると、化合物ER−805053(1.0mg;83%)が得られた。
(C14−アニリン類似物:ER805940およびER806201の調製)
(ER805940の調製)
ER−805102(0.95g、1.7mmole)およびEt3N(0.58mL、4.2mmole)CH2Cl2(20mL)溶液に、0℃で、Tf2O(0.42mL、2.5mmole)を加えた。その混合物を10分間攪拌した後、NaHCO3水溶液を加えた。水層をCH2Cl2で2回抽出した。有機物を濃縮し、そしてシリカゲルの短プラグ(20%EtOAc/ヘキサン)に通した。
そのようにして得たトリフレートに、乾燥ボックス中にて、Pd(OAc)2(19mg、0.08mmole)、BINAP(64mg、0.10mmole)およびCs2CO3(0.66g、2.0mmole)を加えた。窒素下にて、ベンゾフェノンイミン(0.32mL、1.9mmole)およびトルエン30mLを加えた後、その混合物を、90℃で、14時間攪拌した。次いで、それをEtOAcおよびブラインで希釈した。有機層を乾燥し(Na2SO4)、そして濃縮した。
粗製物質をMeOH(8mL)およびTHF(5mL)に溶解した後、室温で、NaOAc(0.56g、6.8mmole)およびNH2OH・HCl(0.24g、3.4mmole)を加えた。50分後、EtOAcおよびブラインを加えた。有機物を乾燥し(Na2SO4)、濃縮し、そしてシリカゲル(30 EtOAc/ヘキサン)で精製して、結晶性629−ys−190(0.88g、1.6mmole)を生成した。
629−ys−190(0.88g、1.6mmole)のTHF(16mL)溶液に、−55〜−50℃で、LiHMDS(THF中で1N、8.0mmole)をゆっくりと加えた。その混合物を、−45℃で、5分間攪拌した後、BOC2O(0.38mL、1.8mmole)を加えた。この混合物を、−40℃で、30分間攪拌した後、MeI(0.60mL、9.6mmole)を加えた。10分後、この混合物を、2時間にわたって、室温まで温めた。−35℃まで再冷却し、
その溶液に、1N NaOH(72mL)およびEtOH(48mL)を加えた。それを、45℃で、12時間加熱した後、その混合物を水100mLおよびCH2Cl2(150mL)で希釈した。水層をCH2Cl2(50mL)で2回抽出した。有機物を濃縮し、そしてシリカゲルクロマトグラフィー(30%EtOAc/ヘキサン)で精製して、無色ゲル629−ys−192(0.58g、1.0mmole)を得た。
629−ys−192(0.40g、0.71mmole)、PCC(0.46g、2.1mmole)、4Åモレキュラーシーブ(0.50g)およびセライト(0.50g)のCH2Cl2(8mL)懸濁液を、室温で、2.5時間攪拌した後、Et3N(0.29mL、2.1mmole)を加えた。5分後、Et2O(30mL)を加え、その混合物を濾過した。その濾液を濃縮し、そして短シリカゲルプラグ(75%EtOAc/ヘキサン)に通して、無色結晶性629−ys−198(0.35g、0.63mmole)を得た。
629−ys−198(0.35g、0.63mmole)のCH2Cl2溶液に、−35℃で、TFA(水5%、6mL)をゆっくりと加えた。
その混合物を、−20℃で、1時間攪拌した後、NaHCO3飽和水溶液(PH約8)およびCH2Cl2を加えた。水層をCH2Cl2で2回抽出した。それらの有機物を乾燥し(Na2SO4)、濃縮し、そしてシリカゲルクロマトグラフィー(75%EtOAc/ヘキサン)で精製して、8段階での全収率25%で、ER−805940(124mg、0.33mmole)を得た。
(ER806201の合成)
1)トリフレートの合成:
トリヒドロキシ−安息香酸(120g)のアセトン350mL溶液に、40℃で、攪拌下にて、TFA(トリ−フルオロ酢酸)500mLを加えた。その温度で1時間後、TFAA(無水トリ−フルオロ酢酸)300mLを加えた。その混合物を3日間加熱した。この混合物を、ハウス真空下にて、50℃で蒸留して、溶媒を除去した。次いで、この粗生成物をCH2Cl2(4L)で希釈し、水、飽和NaHCO3で洗浄し、乾燥し、そして濃縮して、85gの半純粋固形物を得た。この固形物をEtOH(1g/2mL)で結晶化して、20gの純粋結晶を得た。次いで、母液をシリカゲル(これは、CH2Cl2〜5%MeOH/CH2Cl2を使用する)で精製して、55gの追加生成物531−YW−184を得た。
531−YW−184(50g、238mmol)のピリジン156mL溶液に、0℃で、3時間にわたって、Tf2O(100mL、595mmol、2.5当量)を加えた。次いで、それを室温まで温め、そして2時間攪拌した。この反応混合物を水で希釈した。この混合物を濾過した。そのフィルター上の固形物を水で洗浄し、真空下にて乾燥して、固形物531−YW−187(100g)を得た。
トルエン150mL中のジトリフレート、531−YW−187(45.35g)、BocNH2(17.22g)、Pd2(dba)3(4.38g)およびPt−Bu3(4.38g)の混合物に、トリ−エチルアミン(26.92mL)を加えた。その反応混合物を、不活性雰囲気下にて、80℃で、4時間加熱した。その粗反応混合物を冷却し、そしてセライトのパッドで濾過した。その濾液を濃縮し、そしてシリカゲル(これは、ヘキサン/EtOAc、9:1、4:1を使用する)で精製して、28.3gの所望生成物である531−YW−194を得た。
2)オレフィンの合成
554−RB−240の調製と類似の様式で、適当な保護基を使用して(すなわち、そのMPMエーテルをTBDPSエーテルで置き換えて)、792−ANDI−114Aを調製した。
792−ANDI−114A(165.9g、265mmol)のヘキサン2.65L溶液に、キノリン(2.65mL)およびリンドラー触媒(28.2g、13.3mmol、0.05当量)を加えた。その混合物を真空下にて繰り返し脱気し、そして窒素(3×)および水素(3×)を再充填し、次いで、ハイドロゲネーター上の水素の取り込みを0.114molに設定した。その反応をMS/1H NMRでモニターした。一晩後、その懸濁液を濾過し、そして触媒および水素を再充填した。3日後、この反応物をセライトで濾過した。それらの濾液を濃縮し、そしてシリカゲルで精製して、オイルとして、104gの772RB147Bを得た。
772RB147B(67.4g、107mmol)の溶液に、注射器を経由して、2時間にわたって、0℃で、MPMCl(21.9mL、161mmol、1.5当量)およびNaHMDSの1M THF溶液(140mL、140mmol、1.3当量)をゆっくりと加えた。0℃で1.5時間攪拌した後、それを、0℃で、飽和NH4Clでクエンチし、そして室温まで温めた。その混合物をEtOAc(3×)で抽出した。それらの抽出物を水、ブラインで洗浄し、乾燥し、そして濃縮した。この粗生成物をシリカゲルで精製して、定量的に、772RB162を得た。
772RB162(119.6g、160mmol)を、メタノール(3.2L、v/v)中の10%NaOHおよび水3.5mLの混合物に溶解した。その反応物を、45℃で、48時間加熱した。冷却した後、それをCH2Cl2(9L)で希釈し、水(2×)、飽和NH4Cl、ブラインで洗浄し、乾燥し、そして濃縮した。この粗生成物をシリカゲル(これは、10%〜25〜35%のEtOAc/ヘキサンを使用する)で精製して、772RB164(78g、収率96%)を得た。
(COCl)2(25mL、295mmol、2当量)のCH2Cl2(870mL)溶液に、−78℃で、DMSO(41.85mL、590mmol、4当量)をゆっくりと加えた。その温度で30分間攪拌した後、45分間にわたって、772RB164(75g、147.4mmol)のCH2Cl2(160mL)溶液を加えた。−78℃で45分間攪拌した後、その温度で、Et3N(82.2mL、590mmol、4当量)を加えた。30分間攪拌した後、それを、1.5時間にわたって、0℃まで温めた。その反応物を飽和NH4Cl(750mL)でクエンチし、そしてEtOAc(3×)で抽出した。それらの抽出物を乾燥し、そして濃縮した。この粗生成物をEtOAc/ヘキサンの1:1溶液2.5Lで再懸濁液し、水(3×)、ブラインで洗浄し、乾燥し、そして濃縮した。この粗生成物である772RB169を、次の工程で直接使用した。
THF(870mL)およびDMSO(433.6mL)の混合物中のPh3PCH3Br(115.8mL、324.3mmol、2.2当量)の懸濁液に、0℃で、n−BuLi(1.6M溶液184.3mL、294.8mmol、2当量)を加えた。1時間攪拌した後、772RB169の溶液(THF(175mL)中で74.7g、147.4mmol)を0℃で加えた。30分後、それを室温まで温めた。2時間後、それを飽和NHCl4(1.1L)でクエンチし、そしてEtOAc(3×)で抽出した。それらの抽出物を水、ブラインで洗浄し、乾燥し、そして濃縮した。この粗生成物をシリカゲル(これは、5〜10%EtOAc/ヘキサンを使用する)で精製して、オイルとして、66.5gの772RB170を得た(収率89%)。
3)トリフレートおよびオレフィンのカップリング
772RB168(2.5g、4.95mmol)およびトリフレート(2.7g、6.4mmol、1.3当量)の混合物に、乾燥ボックス中にて、Pd2(dba)3(1.36g、1.48mmol、0.3当量)を加えた。乾燥ボックスから運び出した後、この混合物をジオキサン8.3mLに懸濁し、そしてN−メチル−N−ジシクロヘキサンアミン(2.1mL、9.9mmol、2当量)を加えた。この反応物を、激しく攪拌しつつ、100℃で、12時間加熱した。冷却した後、セライト6gを加え、そしてEtOAcで希釈した。その混合物をセライトプラグで濾過し、そしてEtOAcでリンスした。それらの濾液を濃縮した。この粗生成物をシリカゲル(これは、10〜20%EtOAc/ヘキサンを使用する)で精製して、3gの純粋772RB172(収率76%)を得た。
772RB173(46.3g、58.16mmol)のDMPU(291mL)溶液に、0℃で、LiHMDS(1M THF溶液116mL、116.3mmol、2当量)を加えた。その温度で40分間攪拌した後、EtI(27.9mL、349mmol、6当量)を加えた。5分後、それを室温まで温めた。3時間攪拌した後、それを、0℃で、飽和NHCl4(1L)でクエンチした。その混合物をMTBE/ヘキサン(1:1)で抽出した。それらの抽出物をブラインで洗浄し、乾燥し、そして濃縮した。この粗生成物をシリカゲル(これは、15〜20%EtOAc/ヘキサンを使用する)で精製して、40gの所望生成物である77RB175(収率84%)を得た。
772RB175(48g、58.2mmol)の230mL溶液に、TBAFの溶液(1M溶液407mL、407mmol、7当量)およびイミダゾールHCl(21.3g、203.9mmol、3.5当量)を加えた。その反応物を、60℃で、72時間加熱した。室温まで冷却した後、それを、飽和NH4Clでクエンチし、そしてエーテル(3×)で抽出した。それらの有機層を水、ブラインで洗浄し、乾燥し、そして濃縮した。この粗生成物をシリカゲル(これは、20〜30%EtOAc/ヘキサンを使用する)で精製して、31.4g(収率76%)を得た。
772RB177(20.3g、28.6g)のTHF(3L)溶液に、注射器ポンプにより、120分で、0.5M KHMDS溶液(60mL、30mmol、1.05当量)をゆっくりと加えた。5分間攪拌した後、それを、飽和NH4Cl(1.5L)でクエンチした。その混合物をエーテル(3×)で抽出した。それらの抽出物をブラインで洗浄し、乾燥し、そして濃縮した。この粗生成物をシリカゲル(これは、10〜20%〜50%EtOAc/ヘキサンを使用する)で精製して、14.2gの所望生成物(収率76%)を得た。
772RB178、179(19g、29.15mmol)のDMF(194mL)溶液に、イミダゾール(4g、58.3mmol、2当量)およびTBSCl(5.27g、35mmol、1.2当量)を加えた。一晩攪拌した後、それを、NaHCO3および水の飽和溶液でクエンチした。その混合物をEtOAcで抽出した。その有機層を水、ブラインで洗浄し、乾燥し、そして濃縮した。この粗生成物をシリカゲルカラムで精製して、22g(収率99%)の所望生成物を得た。
CH2Cl2(230mL)およびH2O(57.4mL)の混合物中の772RB181(22g、28.7mmol)の溶液に、0℃で、DDQ(9.78g、43mmol、1.5当量)を加えた。2時間攪拌した後、それを、NaHCO3飽和水溶液および10%Na2S2O3水溶液の1:1混合物1Lでクエンチした。この混合物をエーテル3×1Lで抽出した。それらの抽出物をブラインで洗浄し、乾燥し、そして濃縮した。この粗生成物をシリカゲルで精製して、18.1gの純粋生成物を得た。
772RB182(18g、27.9mmol)のCH2Cl2(279mL)溶液に、乾燥4Åモレキュラーシーブ(18g)およびPCC(18g)を加えた。90分間攪拌した後、それを、Et3N(19.45mL)でクエンチした。その反応混合物をセライトのプラグで濾過し、そのプラグをヘキサン(900mL)中の75%EtOAcでリンスした。その濾液を濃縮した。この粗生成物をシリカゲルカラム(これは、10〜15〜20%EtOAc/ヘキサンを使用する)で精製して、14.6g(81%)の純粋生成物を得た。
2Lフラスコ中で、772RB183(8.5g、13.2mmol)をCH2Cl2(82.5mL)に溶解し、その混合物を0℃まで冷却した。次いで、5%H2O/TFA(4.1/78.1mL)の溶液をゆっくりと加え(約30min)、この混合物を、0℃で、14.5時間攪拌した。その反応をTLCでモニターした。反応混合物を、0℃で、CH2Cl2で希釈した。反応物を、NaHCO3の水(TFAと比べて1.2当量)溶液でクエンチした。反応物を室温まで冷却した。CH2Cl2で3回抽出し、Na2SO4で乾燥し、濾過し、そして濃縮した。Si−Gelクロマトグラフィー(50〜60〜75%EtOAc/ヘキサン)にかけると、ER−806201が得られた:4.8g、収率93%。
(C5−F−エノンシリーズの調製)
(ER803030の調製)
(496−SG−026B)
2−フルオロ−2−ホスホ酢酸トリエチルエステル(8g、33.3mmol)のDMF(2.7mL)磁気攪拌溶液に、0℃で、水素化ナトリウム(0.8g、33.3mmol)を導入した。0℃で1時間攪拌した後、アルデヒド(3.47g、16.65mmol)のTHF(14mL)溶液を加えた。0℃で2.5時間攪拌した後、塩化アンモニウムの飽和溶液を加えた。その反応混合物を水で希釈し、そして酢酸エチルで抽出した。この粗生成物をフラッシュクロマトグラフィー(これは、n−ヘキサン/酢酸エチル(20/1)で溶出する)で精製して、496−SG−026B(3.58g、収率72%)を得た。
(496−SG−027B)
496−SG−026B(3.58g、12.1mmol)のジクロロメタン(136mL)磁気攪拌溶液に、0℃で、DIBAL−H(1Mジクロロメタン溶液、30.2mL、30.2mmol)を導入した。0℃で0.5時間攪拌した後、その反応混合物を室温まで温め、さらに10分間攪拌した。この反応物を0℃まで冷却し、そして塩化アンモニウム飽和溶液(5.4mL)を加えた。15分間攪拌した後、この反応混合物をエーテルで希釈し、そして室温で、30分間希釈した。得られた懸濁液を濾過し、その固形物をエーテルで洗浄した。蒸発により、溶媒を除去した。この粗生成物をフラッシュクロマトグラフィー(これは、ヘキサン/酢酸エチル(3/1)で溶出する)で精製して、496−SG−027B(2.68g、収率87%)を得た。
(496−SG−028B)
496−SG−027B(2.68g、10.55mmol)のジクロロメタン(53.2mL)磁気攪拌溶液(これは、0℃(氷/水、外部温度計)まで冷却した)に、DMSO(2.6mL、36.94mmol)に続いてP2O5(5.24g、36.94mmol)を導入した。室温で1時間攪拌した後、その反応物を0℃まで冷却し、そしてトリエチルアミン(7.4mL、52.72mmol)を加えた。室温で20分間攪拌した後、この反応混合物を水で希釈し、そしてジクロロメタンで抽出した。蒸発により、溶媒を除去した。この粗生成物をフラッシュクロマトグラフィー(これは、ヘキサン/酢酸エチル(3/1)で溶出する)で精製して、496−SG−028B(2.66g)を得た。
(496−SG−022B)
3−ブチン−1−オール(3.0g、42.8mmol)およびイミダゾール(14.6g、214mmol)のジクロロメタン(113mL)磁気攪拌溶液に、室温で、塩化第三級ブチルジフェニルシリル(11.7mL)を導入した。室温で18時間攪拌した後、その反応物を水で希釈し、そしてエーテルで抽出した。蒸発により、溶媒を除去した。この粗生成物をフラッシュクロマトグラフィー(これは、ヘキサン/酢酸エチル(2/1)で溶出する)で精製して、496−SG−022B(13.7g)を得た。
(496−SG−029B)
496−SG−022B(6.5g、21.8mmol)のTHF(208mL)磁気攪拌溶液に、−78℃で、n−BuLi(ヘキサン中で2.5M、8.4mL、21.1mmol)を導入した。−78℃で1時間攪拌した後、−78℃で、496−SG−028B(2.66g、10.55mmol)のTHF(128mL)溶液を加えた。−78℃で15分間攪拌した後、この反応を、塩化アンモニウムの飽和溶液を加えることにより、クエンチした。この反応混合物を水で希釈し、そして酢酸エチルで抽出した。蒸発により、溶媒を除去した。この粗生成物をフラッシュクロマトグラフィー(これは、ヘキサン/酢酸エチル(5/1)で溶出する)で精製して、496−SG−029B(4.27g、70%)を得た。
(496−SG−30A)
496−SG−29B(4.27g、7.61mmol)およびキノリン(0.033mL)のヘキサン溶液を、触媒量のリンドラー触媒と共に、水素雰囲気下にて、1時間磁気攪拌した。この反応混合物をセライトで濾過し、そして蒸発により溶媒を除去して、496−SG−30A(4.28g)を得た。この粗生成物を、さらに精製することなく、次の工程で使用した。
(496−SG−031B)
496−SG−030A(4.28g、7.61mmol)、トリエチルアミン(2.7mL、19.3mmol)および触媒量のDMAPのジクロロメタン(267mL)磁気攪拌溶液に、室温で、塩化ベンゾイル(1.8mL、15.22mmol)を導入した。室温で18時間攪拌した後、この反応混合物を0.1M水酸化ナトリウム溶液で希釈し、そしてエーテルで抽出した。蒸発により、溶媒を除去した。この粗生成物をフラッシュクロマトグラフィー(これは、ヘキサン/酢酸エチル(9/1)で溶出する)で精製して、496−SG−031B(5.0g、98%)を得た。
(496−SG−042B)
496−SG−031B(3.79g、5.68mmol)のアセトン(57mL)磁気攪拌溶液に、室温で、NMO(1.33g、11.36mmol)および水(2.9mL)を導入した。この反応混合物を0℃まで冷却し、そして四酸化オスミウム溶液(トルエン中で0.1M)を加えた。室温で18時間攪拌した後、この反応をチオ硫酸ナトリウムでクエンチし、そして室温で、20分間攪拌した。次いで、その反応混合物を水で希釈し、そして酢酸エチルで抽出した。蒸発により、溶媒を除去した。この粗生成物をフラッシュクロマトグラフィー(これは、ヘキサン/酢酸エチル(3/1)で溶出する)で精製して、496−SG−042B(1.5g、39%)を得た。
(496−SG−043B)
496−SG−042B(2.16g、3.08mmol)および2,2−ジメトキシプロパン(1.93mL、15.4mmol)のアセトン/ジクロロメタン2/1混合物(32mL)磁気攪拌溶液に、室温で、ショウノウスルホン酸(0.8g、3.4mmol)を導入した。室温で2時間攪拌した後、その反応を炭酸水素ナトリウムでクエンチし、次いで、この反応混合物を水で希釈し、そして酢酸エチルで抽出した。蒸発により、溶媒を除去した。この粗生成物をフラッシュクロマトグラフィー(これは、ヘキサン/酢酸エチル(5/1)で溶出する)で精製して、496−SG−043B(2.13g、93%)を得た。
(496SG−45A)
496−SG−043B(2.14g、2.89mmol)のTHF(52mL)磁気攪拌溶液に、0℃で、TBAFの1M THF溶液(これは、0.5当量のイミダゾール塩酸塩(7.2mL、7.2mmol)で緩衝した)を導入した。室温で1時間攪拌した後、その反応物を水で希釈し、そしてエーテルで抽出した。蒸発により、溶媒を除去して、496SG−45A(1.39g)を得た。この粗生成物を、さらに精製することなく、次の工程で使用した。
(496−SG−046B)
343−YW−281の合成について記述した手順と類似の手順を使用して、トルエン(46.5mL)中にて、496−SG−045A(1.4g、2.79mmol)をトリフェニルホスフィン(1.24g、4.74mmol)、DEAD(0.465mL、2.93mmol)およびヨウ化メチル(0.225mL、3.63mmol)と反応させた。この粗生成物をフラッシュクロマトグラフィー(これは、ヘキサン/酢酸エチル(5/1に次いで3/1)で溶出する)で精製して、496−SG−046B(1.46g、収率85%)を得た。
(496−SG−048B)
ER−803027(ステージ447−JCH−273B)の合成について記述した手順と類似の手順を使用して、10/1のTHF/HMPA混合物(17.3mL)中にて、496−SG−046B(1.46g、2.38mmol)を中間体509−HD−213(178g、3.00mmol)およびLiHMDS(1M THF溶液、3.6mL、3.6mmol)と反応させて、フラッシュクロマトグラフィー(これは、ヘキサン/酢酸エチルで溶出する)で精製した後、496−SG−048Aを得た。447−JCH−275Bの合成について記述した手順と類似の手順を使用して、496−SG−048AをMCPBA(0.75g、2.38mmol)およびトリエチルアミン(2mL、14.3mmol)と反応させた。この粗生成物をフラッシュクロマトグラフィー(これは、ヘキサン/酢酸エチル(5/1に次いで3/1)で溶出する)で精製して、496−SG−048B(1.38g、収率72%)を得た。
(496−SG−052B)
2/1−ジクロロメタン/水混合物(68mL)中にて、496−SG−48B(1.28g、1.58mmol)をDDQ(0.43g、1.89mmol)と反応させた。この粗生成物をフラッシュクロマトグラフィー(これは、ヘキサン/酢酸エチル(5/1に次いで3/1)で溶出する)で精製して、496−SG−052B(0.88g、収率81%)を得た。
(496−SG−053A)
ER−803064(ステージ509−HD−116)の合成について記述した手順と類似の手順を使用して、THF(2.4mL)中にて、496−SG−052B(0.88g、1.28mmol)をTBAF(1.0g、3.82mmol)と反応させて、496−SG−053A(0.74g)を得た。この粗生成物を、さらに精製することなく、次の工程で使用した。
(496−SG−058B)
THF(90mL)中にて、496−SG−053A(0.20g、0.34mmol)をトリフェニルホスフィン(0.107g、0.408mmol)およびDEAD(0.064mL、0.408mmol)と反応させた。この粗生成物をフラッシュクロマトグラフィー(これは、n−ヘキサン/酢酸エチル(2/1)で溶出する)で精製して、496−SG−058B(0.12g、収率62%)を得た。
(496−SG−057A、496−SG−057B、496−SG−057C)
ER−803064の合成について記述した手順と類似の手順を使用して、エタノール/THF(1mL)の2/1混合物中にて、496−SG−058B(0.048g、0.084mmol)を水酸化ナトリウム(1M溶液、0.42mL、0.42mmol)と反応させた。この粗生成物をシリカゲル(TLC)(これは、ヘキサン/酢酸エチル(1/1)で溶出する)で精製して、496−SG−057A(0.011g)、496−SG−057B(0.013g)、496−SG−057C(0.01g)を得た。
(496−SG−061A、496−SG−061B、496−SG−061C)
ジクロロメタン(1.5mL)、(1.8mL)、(1.4mL)中にて、496−SG−057A(0.01g、0.021mmol)、496−SG−057B(0.012g、0.026mmol)、496−SG−057C(0.0095g、0.02mmol)を、Dess−Martin試薬:(0.055g、0.129mmol)、(0.065g、0.154mmol)、(0.052g、0.122mmol)および炭酸ナトリウム(0.027g)、(0.032g)、(0.026g)と別々に反応させた。ワークアップ後、各反応混合物をシリカゲル(TLC)(これは、ヘキサン/酢酸エチル(2/1)で溶出する)で精製して、それぞれ、496−SG−061A(0.009g)、496−SG−061B(0.006g)および496−SG−061C(0.011g)を得た。
(496−SG−067A/ER−803029、496−SG−067B/ER−803026、496−SG−067C/ER−803030)
ER−803064の合成について記述した手順(最終工程)と類似の手順を使用して、アセトニトリル/ジクロロメタン(4/1):(1.9mL)、(1.0mL)、(3mL)中にて、496−SG−061A(0.007g、0.016mmol)、496−SG−061B(0.004g、0.009mmol)および496−SG−061C(0.013g、0.027mmol)を、HF48%:(0.37mL)、(0.21mL)、(0.63mL)と別々に反応させた。ワークアップ後、各反応混合物をシリカゲル(TLC)(これは、ヘキサン/酢酸エチル(2/1)で溶出する)で精製して、それぞれ、496−SG−067A/ER−803029(0.006g)、496−SG−067B/ER−803026(0.002g)および496−SG−067C/ER−803030(0.006g)を得た。
(ER803916)
THFおよびDMF(100および25mL)の混合物中の(EtO)2POCHFCO2Et(5.6mL)の溶液に、0℃で、NaH(1.2g)を加えた。0℃で1時間攪拌した後、それを、無水ドライアイス−アセトン浴で、−40℃まで冷却した。アルデヒド(3.5g)のTHF(20mL)溶液を滴下した。次いで、その反応物を、一晩にわたって、室温まで温めた。それを、飽和NH4Clでクエンチし、そしてEtOAc(2×)で抽出した。それらの有機層をブラインで洗浄し、乾燥し、そして真空下にて濃縮した。この粗生成物をシリカゲル(これは、15:1のヘキサン:EtOAcで溶出する)で精製して、3.5gの所望生成物531−yw−11を得、これは、良好な1HNMRを与えた。それらの2種の異性体のシス:トランス比は、1HNMRに基づいて、12:1であった。
エステル531−YW−11(3.5g)のエーテル(300mL)溶液に、0℃で、DIBAL−Hの溶液(15mL)を加えた。0℃で1時間後、それを、MeOH(4mL)およびNa2SO4飽和水溶液(15mL)でクエンチした。室温で5時間攪拌した後、それを、セライトのパッドで濾過し、そのパッドをエーテル(2×)で洗浄した。合わせた濾液を乾燥状態まで濃縮して、3.5gの粗生成物531−YW−12を得た。
アルコール(5.6g)およびMPMOTCI(24g)のEt2O(120mL)溶液に、4時間で、TfOH(20mL、0.3mLをEt2O(25mL)に溶解した)を加えた。次いで、それを、飽和NaHCO3でクエンチし、そしてEt2O(2×)で抽出した。それらの有機層をブラインで洗浄し、乾燥し、そして濃縮した。この粗固形物をペンタンに懸濁した。その沈殿物を濾過した。それらの濾液を濃縮して、15gの粗生成物を得た、それを、シリカゲル(これは、8:1のヘキサン/EtOAcを使用する)で精製して、12.7gの所望生成物531−YW−14を得た。
(COCl)2(5mL)のCH2Cl2(250mL)溶液に、−78℃で、DMSO(10mL)を加えた。−78℃で15分後、その温度で、531−YW−12(3.8g)のCH2Cl2(50mL)を加えた。−78℃で30分後、Et3N(15mL)を加え、その反応物を0℃まで温めた。この反応を飽和NH4Clでクエンチし、EtOAcで抽出した。その有機層をブラインで洗浄し、乾燥し、そして濃縮した。この粗生成物を短シリカゲルパッド(これは、ヘキサン/EtOAc、8:1を使用する)に通して、4.1gの僅かに不純な生成物を得た。
アセチレン531−YW−14(3.56g、18.7mmol、1当量)のTHF(200mL)溶液に、−78℃で、n−BuLiの溶液(12.9mL、20.58、1.1当量、1.6mmol)を加えた。その反応物を、(内部温度により)、5分間にわたって、0℃まで温めた。次いで、それを、−78℃まで冷却し直した。アルデヒド531−YW−12(9.8mmol、0.5当量)のTHF(50mL)溶液を加えた。その反応物を、1時間で、0℃まで温めた。それを、飽和NH4Clでクエンチし、そして先に記述のように精製して、所望のアセチレン性アルコール531−YW−15を得た。
出発物質(531−YW−15、5.7g、10.2mmol)をヘキサン200mLに溶解した。キノリン(500μL)およびリンドラー触媒(1.0g)を加えた。その反応混合物を、室温で、H2バルーン雰囲気下にて、1時間攪拌した。次いで、その触媒を濾過により除いた。無色オイルとして、定量の509−HD−134を得た。
室温で、509−HD−134(5.7g、10.2mmol)をジクロロメタン100mLに溶解した。それぞれ、トリエチルアミン(3.5mL、25.5mmol)、塩化ベンゾイル(2.4mL、20.4mmol)および触媒量のDAMPを加えた。1時間攪拌した後、0.1N水酸化ナトリウム溶液を加え、その反応混合物を酢酸エチルで抽出した。この粗生成物をシリカゲルカラムで精製して、収率77%で、無色オイルとして、509−HD−135を得た。
0℃で、509−HD−135(5.2g、7.64mmol)をアセトンおよび水(1:0.05)に溶解した。4−メチルモルホリンN−オキシド(1.8g、15.28mmol)と四酸化オスミウムのトルエン溶液(0.1M、7.6mL)とを加えた。その反応混合物を室温まで温め、そして20時間攪拌した。それを、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液中の10%チオ硫酸ナトリウムでクエンチし、そして酢酸エチルで抽出した。シリカゲルカラムで精製した後、収率93%で、509−HD−138を得た。
509−HD−138(5.1g、7.13mmol)をジクロロメタン80mLに溶解した。2−メトキシプロペン(1.4mL、14.26mmol)および触媒量のp−トルエンスルホン酸ピリジニウムを加えた。室温で20分間攪拌した後、その反応混合物を飽和炭酸水素ナトリウム溶液でクエンチし、そしてジクロロメタンで抽出した。シリカゲルカラムで精製した後、収率90%で、509−HD−139を得た。
509−HD−139(2.55g、3.38mmol)をジクロロメタン30mLおよび水15mLの混合物に溶解した。2,3−ジクロロ−5,6−ジシアノ−1,4−ベンゾキノン(844mg、3.72mmol)を加えた。室温で1時間攪拌した後、その反応混合物を飽和炭酸水素ナトリウム溶液でクエンチし、そして酢酸エチルで抽出した。シリカゲルカラムで精製した後、白色発泡体として、収率98%で、509−HD−140を得た。
室温で、509−HD−140(1.86g、2.93mmol)をトルエン30mLに溶解した。トリフェニルホスフィン(1.31g、4.98mmol)を加え、続いて、ヨウ化メチル(236μL、3.80mmol)およびアゾジカルボン酸ジエチル(508μL、3.22mmol)を加えた。10分間攪拌した後、その反応混合物をトルエンで倍散した。シリカゲルカラムで精製した後、無色オイルとして、収率96%で、509−HD−141を得た。
−78℃で、509−HD−141(2.03g、2.73mmol)および509−HD−213(2.84g、5.46mmol)をTHF/HMPA(10/1)混合物35mLに溶解した。LiHMDS(1N、4.6mL)のヘキサン溶液を加えた。その反応混合物を30分間攪拌し、次いで、それを、飽和塩化アンモニアでクエンチし、そして酢酸エチルで抽出した。シリカゲルカラムで精製した後、収率85%で、509−HD−143を得た。
0℃で、509−HD−143(2.85g、2.59mmol)をジクロロメタン50mLに溶解した。3−クロロ安息香酸(50%、1.8g)を加えた。0℃で20分間攪拌した後、トリエチルアミン(2.2mL、15.5mmol)を加え、次いで、その反応混合物を室温まで温め、そして30分間攪拌した。それを、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液中の10%チオ硫酸ナトリウムでクエンチし、そしてジクロロメタンで抽出した。シリカゲルカラムで精製した後、白色発泡体として、収率63%で、509−HD−144を得た。
509−HD−144(1.33g、1.41mmol)をTHF(10mL)に溶解した。TBAFのTHF溶液(これは、イミダゾール・HCl(1N、14.1mL)で緩衝した)を加えた。その反応混合物を、50℃で、72時間加熱した。それをEt2Oで希釈し、そしてH2Oで洗浄した。シリカゲルカラムで精製した後、黄色発泡体として、収率95%で、509−HD−150を得た。
ヨウ化2−クロロ−1−メチルピリジニウム(1.03g、4.02mmol)およびn−Bu3N(958μL、4.02mmol)をジクロロメタン80mLに溶解し、そして還流状態まで加熱した。509−HD−150(807mg、1.34mmol)のジクロロメタン50mL溶液をゆっくりと加えた。その反応混合物を30分間加熱した。それを、それぞれ、0.02N塩酸、飽和炭酸水素ナトリウム溶液およびブラインで洗浄した。シリカゲルカラムで精製した後、収率50%で、509−HD−152を得た。
509−HD−152(390mg、0.67mmol)をエチルアルコール10mlに溶解した。水酸化ナトリウム(1N、6.7mL)溶液を加えた。その反応混合物を、室温で、1時間攪拌した。それをH2Oで希釈し、EtOAcで抽出した。シリカゲルカラムで濾過した後、無色オイルとして、509−HD−153Cの主要所望単一異性体134mgを得た。
509−HD−153C(94.4mg、0.20mmol)をジクロロメタン8mLに溶解した。モレキュラーシーブ(4Å、423mg)およびPCC(423mg、2.0mmol)を加えた。その反応混合物を、室温で、12時間攪拌した。セライトに通した後、無色オイルとして、収率52%で、509−HD−158を得た。
509−HD−158(49.2mg、0.10mmol)をジクロロメタン1.0mLに溶解した。次いで、フッ化水素酸(6N、4mL)を加えた。その反応混合物を、室温で、30分間攪拌した。それを、さらに多くのジクロロメタンで希釈し、水および飽和炭酸水素ナトリウム溶液で洗浄した。シリカゲルのプラグで精製した後、白色固形物として、収率81%で、ER803916を得た。
(ER806821を合成するための中間体の調製)
このC14−TMS−エチル中間体は、上記手順と類似の手順で、類似の収率で、セレン化C4−TMSエチルから調製した。
このフェノールは、上記C14変性シリーズについて先に記述した条件を使用して、調製した:
(ER806821の調製)
フェノール(18.8g、33mmol)のCH2Cl2(300mL)溶液に、0℃で、Et3N(11.5mL、82.5mmol)を加えた、次いで、60分間にわたって、CH2Cl2(35mL)中のTf2O(8.3mL、49.5mmol)を滴下し、その反応物をさらに30分間攪拌した。この反応を、0℃で、NaHCO3(200mL)飽和溶液でクエンチし、CH2Cl2(300mL)で3回抽出し、合わせた有機層をNa2SO4で乾燥し、その固形物を濾過し、そして真空下にて、溶媒を蒸発させた。その粗化合物をシリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(これは、溶離液として、10%EtOAc/ヘキサンを使用する)で精製して、白色発泡体として、20.1g(28.6mmol、87%)の640−RB−297を得た。
グローブボックスにて、N2下で、200mL丸底フラスコ(これには、磁気攪拌棒を備え付けた)に、640−RB−297(3.0g、4.27mmol)、N−Methyl−N−Bocアミン(784mg、5.98mmol)、トリス(ジベンジリデンアセトン)−ジパラジウム(196mg、0.21mmol)、2−ジ−t−ブチルホスフィノ−ビフェニル(127mg、0.427mmol)、ナトリウム−t−ブトキシド(574mg、5.98mmol)および無水トルエン(100mL)を充填した。このフラスコをグローブボックスから取り出し、その混合物を、80℃で、4時間攪拌した。次いで、この混合物を室温まで冷却し、NH4Cl飽和水溶液100mLを加え、その混合物を1時間攪拌した。この混合物をEtOAc(100mL)で3回抽出し、それらの有機層を共に混合し、Na2SO4で乾燥し、その固形物をSi−Gelの短プラグで濾過し、EtOAcでリンスし、そして真空下にて、溶媒を蒸発させた。この粗化合物をシリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(これは、溶離液として、20%EtOAc/ヘキサンを使用する)で精製して、白色発泡体として、1.67g(2.44mmol、57%)の772−RB−20を得た。
772−RB−20(1.67g、2.44mmol)のEtOH(75mL)およびTHF(5mL)溶液に、1N NaOH(24.4mL、24.4mmol)を加え、得られた混合物を、室温で、4時間攪拌した。次いで、EtOHを部分的に蒸発させ、その混合物をEtOAc(500mL)で希釈し、水(2×250mL)およびブライン(250mL)で洗浄し、その有機相をNa2SO4で乾燥し、その固形物を濾過し、そして溶媒を蒸発させた。この粗化合物をシリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(これは、溶離液として、20〜30%EtOAc/ヘキサンを使用する)で精製して、白色発泡体として、620mg(1.07mmol、44%)の772−RB−21Aおよび370mg(0.64mmol、26%)の772−RB−21B(C8〜C9での望ましくない立体配置)を得た。
772−RB−21A(610mg、10.05mmol)のCH2Cl2(25mL)溶液に、ピリジン(0.425mL、5.25mmol)を加え、次いで、Dess−Martin過ヨージナン(1.10g、2.6mmol)を加えた。その混合物を、室温で、1.5時間攪拌した。次いで、それを、Et2O(100mL)で希釈し、その固形物を、セライトで濾過することより除去し、そしてEt2O(100mL)でリンスした。その有機抽出物を、NaHCO3飽和溶液中の10%w/v Na2S2O4溶液に滴下し、そして15分間攪拌した。相分離し、その有機層をブライン100mLで洗浄し、Na2SO4で乾燥し、その固形物を濾過し、そして溶媒を蒸発させた。この粗化合物をシリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(これは、溶離液として、30%EtOAc/ヘキサンを使用する)で精製して、白色発泡体として、560mg(0.97mmol、92%)の772−RB−22を得た。他のジアステレオマーである772−RB−21Bを同様に処理して、白色発泡体として、325mg(0.56mmol、91%)の772−RB−25を得た。
772−RB−22(140mg、0.242mmol)のCH2Cl2溶液を、ドライアイス/アセトン浴にて、−35℃まで冷却した。次いで、5%H2O/TFAの溶液をゆっくりと加えた。その混合物を−23℃までゆっくりと温め、この温度で、50分間攪拌した。次いで、この混合物を−35℃まで冷却し、NaHCO3飽和溶液で中和し、そして室温まで温めた。この混合物をCH2Cl2で3回抽出し、合わせた有機層をNa2SO4で乾燥し、その固形物を濾過し、そして溶媒を蒸発させた。この反応を4回繰り返した。この粗化合物をシリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(これは、溶離液として、40%EtOAc/ヘキサンを使用する)で精製して、161mg(0.42mmol、42%)のER−806821を得た。他のジアステレオマーである772−RB−25は、同様にして脱保護し、次いで、H2Oおよびシリカゲル(CH2Cl2中)で一晩処理することにより、C8〜C9ジオールを異性化して、70mg(0.178mmol、2段階で32%)のER−806821を得た。
(ER806821の代替合成およびER807563の合成)
(非環式中間体20の合成)
(アルデヒド29の調製)
先に記述した手順に従って、アルデヒド29を調製した。
(アルデヒド30の調製)
3−ブチル−1−オール(8.98g、128mmol、1.0当量)のジクロロメタン(200mL)溶液に、トリエチルアミン(23.5mL、167mol、1.3当量)および4−(ジメチルアミノ)−ピリジン(25mg、0.205mmol、0.0016当量)を加えた。得られた混合物を0℃まで冷却し、塩化トリメチル−アセチル(17.5mL、141mmol、1.1当量)をゆっくりと加えた。一旦、発熱が終わると、その反応混合物を室温まで温めた。室温で一晩攪拌した。NaHCO3の飽和溶液を加え、その二相混合物を、室温で、1時間攪拌した。相分離した。その水相をジクロロメタンで抽出した。有機層を合わせ、そして硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、そして乾燥状態まで濃縮した。この粗オイルを、溶出に20%酢酸エチル/ヘキサンを使用して、シリカゲルパッド230〜400メッシュで濾過することにより精製した。この手順により、アルキン30(17.3g、淡黄色オイル、収率88%)が得られた。
(カルビノール31の調製)
ドライボックス中にて、100mL丸底フラスコで、トリフリック酸亜鉛(1.73g、7.31mmol、1.1当量)および(1S、2R)−(+)−N−メチルエフェドリン(1.43g、7.90mmol、1.2当量)を加えた。トルエン(20mL)およびN,N−ジイソプロピルエチルアミン(1.39mL、7.94mmol、1.2当量)を加えるために、このフラスコをヒュームフードに移した。得られた混合物を、室温で、2時間攪拌し、その時点で、アルキン30(1.23g、7.97mmol、1.2当量)を加えた。室温で60分間攪拌し、アルデヒド29(1.73g、6.64mmol、1.0当量)を加え、そして室温で40分間攪拌した。塩化アンモニウムの飽和溶液を加えることにより、クエンチした。層分離し、その水層をEt2Oで抽出し、有機層を合わせ、ブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、そして乾燥状態まで濃縮した。得られた粗オイルを、溶出に以下の溶媒勾配を使用して、シリカゲル230〜400メッシュクロマトグラフィーで精製した:8%、12%および16%酢酸エチル/ヘキサン。この手順により、カルビノール31(2.21g、無色オイル、収率80%、94%de)が得られた。
(アルケン32の調製)
カルビノール(2.60g、6.27mmol、1.0当量)のn−ヘプタン(70mL)溶液に、キノリン(0.16mL、1.33mmol、0.21当量)およびリンドラー触媒(640mg)を加えた。得られた不均一混合物を、室温で、正圧水素雰囲気下にて、1.5時間攪拌した。その時点の後、この反応が完結した。次いで、それをセライトで濾過し、その濾液を希HCl溶液(これは、HCl 1N(6.0mL)を水(24mL)と混合することにより、調製した)で洗浄して、キノリンを除去した。層分離し、その有機層を水(3×20mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、そして乾燥状態まで濃縮して、アルケン32(2.56g、無色オイル、収率98%)を得た。
(エーテル33の調製)
アルケン32(2.40g、5.76mmol、1.0当量)および4−メトキシベンジルアルコールのトリクロロイミデート(2.05g、7.20mmol.、1.25当量)のジクロロメタン(7.5mL)溶液に、室温で、p−トルエンスルホン酸ピリジニウム(74mg、0.29mmol、0.05当量)を加えた。その反応混合物を、室温で、一晩攪拌した。この反応は、不完全であることが分かり、それを完結まで押し進めるために、余分なp−トルエンスルホン酸ピリジニウム(74mg、0.29mmol、0.05当量)および4−メトキシベンジルアルコールのトリクロロイミデート(2.05g、7.20mmol.、1.25当量)を加えて40℃で長期間攪拌する必要があった。この反応を、THFおよび水(10mL)の1:1混合物を加えることによりクエンチし、そして攪拌を、40℃で、1時間継続した。ジクロロメタンを加え、層分離し、その有機層をNaHCO3で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、そして乾燥状態まで濃縮した。この粗オイルを、溶出に以下の溶媒勾配を使用して、シリカゲル230〜400メッシュクロマトグラフィーで精製した:5%および7.5%酢酸エチル/ヘキサン。この手順により、エーテル33(2.60g、無色オイル、収率84%)が得られた。
(ジオール34の調製)
エーテル33(2.20g、4.10mmol、1.0当量)のTHF(28mL)溶液に、4−メチルモルホリンN−オキシド(990mg、8.20mmol、2.0当量)の水(28.0mL)溶液を加えた。その混合物に、室温で、四酸化オスミウムの溶液(0.55mL、0.055mmol、0.013当量、水中の四酸化オスミウム0.1M)を加えた。その反応混合物を、室温で、19.5時間攪拌した。次いで、それを、飽和NaHCO3および10%Na2S2O3の1:1水溶液を20mL加えることにより、クエンチした。室温で、攪拌を60分間継続した。層分離し、その水層を酢酸エチルで抽出した。有機層を合わせ、ブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、そして乾燥状態まで濃縮した。得られた粗オイルを、溶出に以下の溶媒勾配を使用して、シリカゲル230〜400メッシュクロマトグラフィーで精製した:15%および40%酢酸エチル/ヘキサン。この手順により、ジオール34(2.06g、無色オイル、収率88%、β/α比>=10:1)が得られた。
(アセトニド35の調製)
ジオール34(2.17g、3.80mmol、1.0当量)および2−メトキシプロペン(0.77mL、7.64mmol、2.0当量)のジクロロメタン(40mL)溶液に、室温で、p−トルエンスルホン酸ピリジニウム(10mg、0.039mmol、0.01当量)を加えた。その反応混合物を、室温で、45分間攪拌し、そしてNaHCO3飽和溶液を加えることにより、クエンチした。ジクロロメタンを加え、層分離し、その水層をジクロロメタンで抽出した。有機層を合わせ、ブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、そして乾燥状態まで濃縮した。この粗オイルを、溶出に10%酢酸エチル/ヘキサンを使用して、シリカゲル230〜400メッシュクロマトグラフィーで精製した。この手順により、アセトニド35(1.80g、無色オイル、収率78%)が得られた。
(アルコール36の調製)
アセトニド35(940mg、1.54mmol、1.0当量)のメタノール(15mL)溶液に、室温で、炭酸カリウム(261mg、1.85mmol、1.2当量)を加えた。得られた混合物を、50℃で、21時間攪拌し、室温まで冷却し、n−ヘキサン(30mL)、水(15mL)およびNH4Cl飽和溶液(30mL)を加えた。層分離し、その水層をエーテル/ヘキサンで抽出し、有機層を合わせ、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、そして乾燥状態まで濃縮した。この粗オイルを、溶出に以下の溶媒勾配を使用して、シリカゲル230〜400メッシュクロマトグラフィーで精製した:20%、60%および80%酢酸エチル/ヘキサン。この手順により、アルコール36(787mg、無色オイル、収率97%)が得られた。
(アルデヒド37の調製)
ジメチルスルホキシド(0.44mL、6.19mmol、4.0当量)のジクロロメタン(5.0mL)溶液に、−78℃で、塩化オキサリル(1.54mL、3.08mmol、2.1当量、ジクロロメタン中の塩化オキサリル2.0M)を加えた。得られた混合物を、−78℃で、30分間攪拌し、ジクロロメタン(アルコールを溶解するために2.0mLおよびフラスコをリンスするために2×1.5mL)中のアルコール36(787mg、1.49mmol、1.0当量)を加えた。その反応混合物を、−78℃で、60分間攪拌し、トリエチルアミン(0.87mL、6.22mmol、4.2当量)を加え、−78℃で、5分間攪拌し、次いで、室温まで温め、その温度で、攪拌を50分間継続した。その時点で、NH4Cl飽和溶液を加えた。層分離し、その水層をジクロロメタンで3回抽出した。有機層を合わせ、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、そして乾燥状態まで濃縮した。この粗オイルを酢酸エチル/ヘキサンの1:1混合物(100mL)に溶解し、そして水(10mL)で3回洗浄し、次いで、ブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、そして乾燥状態まで濃縮した。濃縮した物質をトルエンと共沸し、そして一定重量までポンプ上げして、アルデヒド37(791mg、無色オイル、定量収量)を得た。
(アルケン20の調製)
臭化メチルトリフェニルホスホニウム(549mg、1.51mmol、2.2当量)のジメチルスルホキシド(1.0mL)およびTHF(3.6mL)懸濁液に、0℃で、n−ブチルリチウム(0.855mL、1.37mmol、2.0当量、THF中のn−ブチル1.6M)を加えた。得られた混合物を、0℃で、60分間攪拌し、THF(リンスのために、2.0mLおよび3×1.0mL)中のアルデヒド37(359mg、0.684mmol、1.0当量)を加えた。0℃で20分間攪拌し、室温まで温め、その温度で1.5時間攪拌した。NH4Cl飽和溶液を加えることによりクエンチし、層分離し、その水層を酢酸エチル/ヘキサンの1:1混合物で抽出した。有機層を合わせ、ブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、そして乾燥状態まで濃縮した。得られた粗オイルを、溶出に以下の溶媒勾配を使用して、シリカゲル230〜400メッシュクロマトグラフィーで精製した:5%および6.5%酢酸エチル/ヘキサン。この手順により、アルケン20(322mg、無色オイル、収率90%)が得られた。
B)ER−806821の調製:
(Heck−カップリング生成物22の調製)
アルケン20(380mg、0.727mmol、1.0当量)およびトリフレート21(321mg、0.727mmol、1.0当量)を合わせ、そして不活性雰囲気下(ドライボックス)にて、トリス−(ジベンジリデンアセトン)−ジパラジウム−(0)(33.2mg、0.036mmol、0.05当量)を加えた。これらの試薬をドライボックスから運び出し、そして室温で、アセトニトリル(3.0mL)およびトリエチルアミン(0.205mL、1.46mmol、2.0当量)を加えた。得られた混合物を、65℃で、19時間攪拌し、室温まで冷却し、セライトで濾過した。その濾液を乾燥状態まで濃縮し、そして溶出に以下の溶媒勾配を使用して、シリカゲル230〜400メッシュクロマトグラフィーで精製した:5%、15%、20%および30%酢酸エチル/ヘキサン。この手順により、Heck−カップリング生成物22(384mg、白色発泡体、収率65%)および未反応アルケン20(63mg、17%)が得られた。
(N−メチルアニリン23の調製)
アニリン22(178mg、0.219mmol、1.0当量)のTHF(0.34mL)溶液に、0℃で、リチウムヘキサメチルジスアラニド(0.66mL、0.66mmol、3.0当量、THF中のリチウムヘキサメチルジスアラニド1.0M)を加えた。得られた混合物を、0℃で、60分間攪拌し、そしてヨウ化メチル(0.085mL、1.35mmol、6.0当量)を加えた。その反応混合物を、0℃で、10分間攪拌し、次いで、室温まで温め、その温度で、21時間攪拌した。NH4Cl飽和溶液およびメチル−t−ブチルエーテルを加えた。層分離し、その水層をメチル−t−ブチルエーテルで2回抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、そして乾燥状態まで濃縮した。得られた発泡体を、溶出に以下の溶媒勾配を使用して、シリカゲル230〜400メッシュクロマトグラフィーで精製した:15%および22%酢酸エチル/ヘキサン。この手順により、N−メチルアニリン23(148mg、白色発泡体、収率82%)が得られた。
(大環状前駆体24の調製)
N−メチルアニリン23(119mg、0.143mmol、1.0当量)に、TBAFの溶液(1.0mL、1.0mmol、7.0当量)(これは、イミダゾール塩酸塩で緩衝した)を加えた。そのTBAFの緩衝溶液は、TBAF(100mL、THF中で1.0M)にイミダゾール塩酸塩5.3gを加えて完全に溶解するまで攪拌することにより、調製した。その反応混合物を65℃で16時間攪拌し、室温まで冷却し、NH4Cl飽和溶液およびメチル−t−ブチルエーテルを加えた。層分離し、その水層をメチル−t−ブチルエーテルで2回抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、そして乾燥状態まで濃縮した。得られた発泡体を、溶出に以下の溶媒勾配を使用して、シリカゲル230〜400メッシュクロマトグラフィーで精製した:30%および50%酢酸エチル/ヘキサン。この手順により、大環状前駆体24(94.0mg、白色発泡体、収率92%)が得られた。
(マクロラクトン25の調製)
大環状前駆体24(47.0mg、0.0658mmol、1.0当量)のTHF(6.6mL)溶液に、トルエン中の0.5Mカリウムヘキサメチルジスアラニド(0.265mL、0.133mmol、2.0当量)を加えた。室温で10分間攪拌し、NH4Cl飽和溶液でクエンチして、pHを中性にした。メチル−t−ブチルエーテルを加え、層分離し、その水層をメチル−t−ブチルエーテルで抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、そして乾燥状態まで濃縮した。得られた発泡体を、溶出に以下の溶媒勾配を使用して、シリカゲル230〜400メッシュクロマトグラフィーで精製した:15%および25%酢酸エチル/ヘキサン。この手順により、マクロラクトン25(23.5mg、白色発泡体、収率55%)が得られた。
(エーテル26の調製)
マクロラクトン25(17.9mg、0.0272mmol、1.0当量)のジクロロメタン(1.0mL)溶液に、0℃で、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(0.125mL、0.712mmol、26.2当量)およびMOMCl(0.042mL、0.550mmol、20.0当量)を加えた。その反応混合物を室温まで温め、その温度で、3.75時間攪拌し、その時点で、それを、NH4Cl飽和溶液でクエンチした。メチル−t−ブチルエーテルを加えた。層分離し、その水層をメチル−t−ブチルエーテルで2回抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、そして乾燥状態まで濃縮した。得られた発泡体を、溶出に以下の溶媒勾配を使用して、シリカゲル230〜400メッシュクロマトグラフィーで精製した:30%および45%酢酸エチル/ヘキサン。この手順により、エーテル26(18.2mg、白色発泡体、収率96%)が得られた。
(アリルアルコール27の調製)
エーテル26(18.2mg、0.026mmol、1.0当量)のジクロロメタン(0.60mL)溶液に、室温で、水(0.12mL)およびDDQ(12.0mg、0.0517mmol、2.0当量)を加えた。得られた混合物を室温で3.5時間攪拌し、その時点で、それを、0℃まで冷却し、そしてNaHCO3飽和溶液および水中の10%Na2S2O3の1:1溶液でクエンチした。メチル−t−ブチルエーテルを加え、層分離し、その水層をメチル−t−ブチルエーテルで2回抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、そして乾燥状態まで濃縮した。得られた発泡体を、溶出に35%酢酸エチル/ヘキサンを使用するHPTLCプレプ−プレートで精製した。この手順により、アルコール27(12.6mg、白色発泡体、収率84%)が得られた。
注記:アルコール27は、ER−806821の第一世代合成の中間体であり、そのER−806821への変換は、Dess−Martin過ヨージナンおよびTFA手順を使用して、達成できる。
C)ER−807563の合成:
(N−エチルアニリン39の合成)
アラリン22(386mg、0.474mmol、1.0当量)のDMPU(1.6mL)溶液に、0℃で、リチウムヘキサメチルジスアラニド(0.950mL、0.950mmol、2.0当量、THF中のリチウムヘキサメチルジスアラニド1.0M)を加えた。得られた混合物を、0℃で、30分間攪拌し、そしてヨウ化メチル(0.230mL、2.88mmol、6.1当量)を加えた。その反応混合物を、0℃で、10分間攪拌し、次いで、室温まで温め、その温度で、1時間攪拌した。NH4Cl飽和溶液、メチル−t−ブチルエーテルおよびn−ヘキサンを加えた。層分離し、その水層をメチル−t−ブチルエーテル/ヘキサン(1:1混合物)で2回抽出した。合わせた有機層をブライン/水(1:1混合物)で洗浄し、次いで、ブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、そして乾燥状態まで濃縮した。得られた発泡体を、溶出に以下の溶媒勾配を使用して、シリカゲル230〜400メッシュクロマトグラフィーで精製した:15%および20%酢酸エチル/ヘキサン。この手順により、N−メチルアニリン39(349mg、白色発泡体、収率87%)が得られた。
(大環状前駆体40の調製)
N−エチルアニリン39(817mg、0.970mmol、1.0当量)に、TBAFの溶液(6.8mL、6.8mmol、7.0当量)(これは、イミダゾール塩酸塩で予め緩衝した)を加えた。そのTBAFの緩衝溶液は、TBAF(100mL、THF中で1.0M)にイミダゾール塩酸塩5.3gを加えて完全に溶解するまで攪拌することにより、調製した。その反応混合物を65℃で16時間攪拌し、室温まで冷却し、NH4Cl飽和溶液およびメチル−t−ブチルエーテルを加えた。層分離し、その水層をメチル−t−ブチルエーテルで2回抽出した。合わせた有機層をブライン/水(1:1混合物)で洗浄し、次いで、ブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、そして乾燥状態まで濃縮した。得られた発泡体を、溶出に以下の溶媒勾配を使用して、シリカゲル230〜400メッシュクロマトグラフィーで精製した:20%、30%および45%酢酸エチル/ヘキサン。この手順により、大環状前駆体40(635mg、白色発泡体、収率90%)が得られた。
(マクロラクトン41の調製)
大環状前駆体40(303mg、0.416mmol、1.0当量)のTHF(40mL)溶液に、3分間にわたって、カリウムヘキサメチルジスアラニド(1.70mL、0.85mmol、2.0当量、トルエン中の0.5Mカリウムヘキサメチルジスアラニド)を加えた。その反応混合物を室温で10分間攪拌し、そしてNH4Cl飽和溶液でクエンチした。メチル−t−ブチルエーテルを加え、層分離し、その水層をメチル−t−ブチルエーテルで抽出した。合わせた有機層をNH4Cl飽和溶液で洗浄し、次いで、ブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、そして乾燥状態まで濃縮した。得られた発泡体を、溶出に以下の溶媒勾配を使用して、シリカゲル230〜400メッシュクロマトグラフィーで精製した:15%および18%酢酸エチル/ヘキサン。この手順により、マクロラクトン41(134mg、白色発泡体、収率48%)が得られた。
(アリルアルコール42の調製)
マクロラクトン41(146.5mg、0.219mmol、1.0当量)のジクロロメタン(0.50mL)溶液に、水(0.50mL)を加えた。得られた混合物を0℃まで冷却し、そしてDDQのジクロロメタン飽和溶液(3.0mL、0.265mmol、1.2当量、このDDQのジクロロメタン飽和溶液は、室温で、20.5mgのDDQ(98%純度)/1mLジクロロメタンを含有していた)を加えた。その二相反応混合物を0℃で、5分間攪拌し、次いで、室温で、6時間攪拌した。その時点で、それを、0℃まで冷却し、ジクロロメタンを加え、そしてNaHCO3飽和溶液および水中の10%Na2S2O3の1:1溶液でクエンチした。攪拌を15分間継続した。層分離し、その水層をジクロロメタンで抽出した。合わせた有機層をNaHCO3飽和溶液および水中の10%Na2S2O3の1:1溶液で洗浄し、次いで、ブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、そして乾燥状態まで濃縮した。得られた発泡体を、溶出に以下の溶媒勾配を使用して、シリカゲル230〜400メッシュクロマトグラフィーで精製した:3%、5%および7.5%酢酸メチル−t−ブチルエーテル/ジクロロメタン。この手順により、アリルアルコール42(102mg、白色発泡体、収率85%)が得られた。
(エノン43の調製)
アリルアルコール42(20.5mg、0.0372mmol、1.0当量)のn−ヘプタン(1.0mL)溶液に、室温で、MnO2(16mg、0.184mmol、5当量)を加えた。得られた不均一混合物を、65℃で、12時間攪拌した。このプロセスにより、少量の所望物質だけが得られ、その反応を完結まで押し進めるために、この反応が65℃で1週間攪拌した後に完結するまで、毎日ベースで、新鮮なMnO2(16mg)を加えた。完結すると、酢酸エチルを加え、それらの固形物を、溶媒として酢酸エチルを使用する短シリカゲルカラム(230〜400メッシュ)で濾過して除いた。その濾液を乾燥状態まで濃縮し、そして溶媒として10%アセトン/トルエンを使用するシリカゲル230〜400メッシュクロマトグラフィーで精製した。この手順により、エノン43(7.0mg、白色発泡体、収率35%)が得られた(最大限には利用していない)。
(ER−807563の調製)
ER−805940の調製と同じTFAプロトコルに従って、エノン43を処理する。
(NF2561の調製)
3(10.0g、44.2mmol)のDME(500mL)溶液に、−60℃で、無水の氷−アセトン浴中にて、ピリジン(5.36mL、66.3mmol、1.5当量)に続いてニトロニウムテトラヒドロボレート(8.8g、66.3mmol、1.5当量)を加え、そして−50℃で、1時間攪拌した。次いで、−60℃で、無水の氷−アセトン浴中にて、ピリジン(5.36mL、66.3mmol、1.5当量)に続いてニトロニウムテトラヒドロボレート(8.8g、66.3mmol、1.5当量)を再度加え、そして−50℃で、1時間攪拌した。もう一度、−60℃で、無水の氷−アセトン浴中にて、ピリジン(5.36mL、66.3mmol、1.5当量)に続いてニトロニウムテトラヒドロボレート(8.8g、66.3mmol、1.5当量)を加え、そして−50℃で、1時間攪拌した。その反応混合物を、−58℃で、飽和NH4Cl(1L)でクエンチし、そしてEtOAc(2×1L)で抽出した。それらの有機層を水およびブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥し、そして真空中で濃縮した。この粗生成物をシリカゲルカラム(Merck 230〜400メッシュ)(これは、ヘキサン/EtOAc、3:1を使用する)で精製して、黄色結晶として、9.59g(35.4mmol、80%)の所望生成物を得た。
CH2Cl2(100mL)中の4(10.55g、38.9mmol)およびピリジン(15.7mL、194mmol、5当量)の混合物に、0℃で、30分間にわたって、Tf2O(9.8mL、58.3mmol、1.5当量)を徐々に加え、その反応混合物を45分間攪拌した。この反応混合物を飽和NH4Cl(200mL)でクエンチし、そしてEtOAc(2×500mL)で抽出した。それらの有機層を水およびブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥し、そして真空中で濃縮した。この粗生成物をシリカゲルカラム(Merck 230〜400メッシュ)(これは、ヘキサン/EtOAc、4:1を使用する)で精製して、黄色結晶として、13.9g(34.5mmol、89%)の所望生成物を得た。
THF(175mL)中の5(13.9g、34.5mmol)およびN−メチルベンジルアミン(22.7mL、175.9mmol、5.1当量)の混合物を一晩還流した。その反応混合物をEtOAc(750mL)で希釈し、そして水、10%KHSO4、水およびブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥し、そして真空中で濃縮した。この粗生成物をシリカゲルカラム(Merck 230〜400メッシュ)(これは、ヘキサン/EtOAc、20:1、9:1を使用する)で精製して、無色オイルとして、9.7g(25.9mmol、75%)の所望生成物を得た。
EtOH(200mL)中の6(9.2g、24.6mmol)および20%Pd(OH)2/C(1.75g)の混合物を、1atmの水素下にて、4時間水素化した。その触媒を濾過により除き、その濾液を真空中で濃縮した。この粗ジアミンを黄色オイルとして得た。それを、さらに精製することなく、使用した。
EtOH(200mL)中の上記粗ジアミン、オルトギ酸トリエチル(13.1mL、78.7mmol、3.2当量)およびモンモリロナイトKSF(2.7g)の混合物を100分間還流した。不溶物質を濾過により除き、その濾液を真空中で濃縮した。この粗生成物をシリカゲルカラム(Merck 230〜400メッシュ、350g)(これは、ヘキサン/EtOAc、1:1、1:2およびEtOAcを使用する)で精製して、黄色オイルとして、84%(2段階)の所望生成物を得た。
7(5.75g、21.8mmol)のCH2Cl2(125mL)溶液に、0℃で、TFA(16.8mL、218mmol、10当量)を加えた。次いで、その反応混合物を室温まで温め、そして1.5時間攪拌した。この反応混合物を氷水に注ぎ、そしてNaHCO3で中和し、EtOAc(800mL+2×125mL)で抽出した。それらの有機層を水およびブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥した。Na2SO4を濾過し、そしてCH2Cl2で洗浄し、その濾液を真空中で濃縮した。この粗生成物を白色結晶として得、そしてさらに精製することなく、次の工程で使用した。
鉱油中の60%NaH(2.3g、56.6mmol、2.6当量)およびDMF(40mL)の混合物に、0℃で、粗フェノール8のDMF(60mL)溶液を徐々に加え、そして1時間攪拌した。次いで、TBDPSCl(9.6mL、37.0mmol、1.7当量)を加え、その反応混合物を室温まで温め、そして1.5時間攪拌した。この反応混合物を、0℃で、飽和NH4Clにゆっくりと注ぎ、そしてEtOAc(3×150mL)で抽出した。それらの有機層を水(×2)およびブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥し、そして真空中で濃縮した。この粗生成物をシリカゲルカラム(Merck 230〜400メッシュ)(これは、ヘキサン/EtOAc、3:1、1:1、2:3を使用する)で精製して、無色オイルとして、8.89g(19.4mmol、2段階で89%)の所望生成物を得た。
CCl4(250mL)中の9(8.39g、18.3mmol)、NBS(3.6g、20.1mmol、1.1当量)およびAIBN(1.2g、7.3mmol、0.4当量)の混合物を、50℃で、ゆっくりと加熱し、そして4時間攪拌した。その反応混合物を室温まで冷却し、そして不溶物質をセライトで濾過し、CCl4でリンスし、その濾液を真空中で濃縮した。この粗臭化物を、さらに精製することなく使用した。Cs2CO3(9.2g、28.4mmol、1.55当量)およびDMF(90mL)の混合物に、室温で、PhSH(2.9mL、28.4mmol、1.55当量)を加え、その反応混合物を50分間攪拌した。次いで、上記粗臭化物のDMF(210mL)溶液を加え、その反応混合物を1時間攪拌した。この反応混合物を飽和NH4Cl(300mL)でクエンチし、そしてEtOAc(3×300mL)で抽出した。それらの有機層を水(×2)およびブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥し、そして真空中で濃縮した。この粗生成物をシリカゲルカラム(Merck 230〜400メッシュ、550g)(これは、ヘキサン/EtOAc、2:1、1:1、1:3を使用する)で精製して、8.52g(15.0mmol、2段階で82%)の所望生成物を得た。
10(8.47g、14.9mmol)のTHF(200mL)溶液に、0℃で、TBAF(1.0M THF溶液、22.4mL、1.5当量)を加え、その反応混合物を室温まで温め、そして75分間攪拌した。この反応混合物を飽和NH4Cl(150mL)でクエンチし、そしてEtOAc(3×200mL)で抽出した。その有機層を水およびブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥し、そして真空中で濃縮した。この粗生成物をシリカゲルカラム(Merck 230〜400メッシュ、550g)(これは、ヘキサン/EtOAc、2:1、1:1、1:2を使用する)で精製して、4.7g(14.3mmol、96%)の所望生成物を得た。
フェノール11(4.41g、13.4mmol)のDMF(100mL)溶液に、室温で、DBU(3.0mL、20.1mmol、1.5当量)およびMOMCl(1.5mL、20.1mmol、1.5当量)を加え、その反応混合物を1.5時間攪拌した。次いで、DBU(1.5mL、10.1mmol、0.75当量)およびMOMCl(0.75ml、10.1mmol、0.75当量)を加え、この反応混合物を1時間攪拌した。
この反応混合物を飽和NH4Cl(100mL)でクエンチし、そしてEtOAc(3×150mL)で抽出した。それらの有機層を水およびブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥し、そして真空中で濃縮した。この粗生成物をシリカゲルカラム(Merck 230〜400メッシュ)(これは、ヘキサン/EtOAc、1:1および1:3を使用する)で精製して、87%の所望生成物を得た。
12(4.5g、12.1mmol)、KOH 2M水溶液(30mL、60.4mmol、5当量)およびDMSO(100mL)の混合物を、80℃で、1.5時間攪拌した。その反応混合物を冷却し、そして1N HCl(注意、MOM基は、pHが酸性すぎると、簡単に加水分解できる)でpH5に調節した。得られた結晶(所望生成物)を濾過し、そして水で洗浄した、全体で3.22gの粗生成物を得た。
11)エステル化
PPh3(2.3当量)のTHF(30mL)溶液に、0℃で、DEAD(2.6当量)を加え、その反応混合物を30分間攪拌した。次いで、THF(50mL)中の13(1当量)およびTMSエタノール(1.5当量)の混合物を加え、この反応混合物を室温まで温め、そして一晩攪拌した。さらに、PPh3(2.3当量)およびDEAD(2.6当量)を加え、そして10分間攪拌した。次いで、TMSエタノール(1.5当量)を加え、そして20分間攪拌した。その反応混合物を真空中で濃縮した。その残留物にEt2Oを加え、そして攪拌した。得られた固形物(Ph3P(O))を濾過により除き、その濾液を真空中で濃縮した。この粗生成物をシリカゲルカラム(Merck 230〜400メッシュ)(これは、CH2Cl2/MeOH、200:1、100:1を使用する)で精製して、所望生成物および1,2−ジカルベトキシヒドラジン(分離せず)の混合物を得た。この混合物をシリカゲルカラム(Merck 230〜400メッシュ)(これは、ヘキサン/EtOAc、2:1、1:1および2:3を使用する)で精製して、白色結晶とし、所望生成物を得た。
14(730mg、1.59mmol、1.5当量)およびヨウ化物15(639mg、1.06mmol、1当量)の乾燥THF(25mL)−HMPA(2.5mL)溶液に、−50℃で、25分間にわたって、LiHMDS(1.0M THF溶液、2.65mL、2.5当量)を加え、その反応混合物を30分間攪拌した。次いで、−50℃で、LiHMDS(1.0M THF溶液、1.3mL、1.25当量)を加え、その反応混合物を1時間攪拌した。この反応混合物を飽和NH4Cl(50mL)でクエンチし、そしてEtOAc(3×50mL)で抽出した。その有機層を水およびブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥し、そして真空中で濃縮した。この粗生成物をシリカゲルカラム(Merck 230〜400メッシュ)(これは、ヘキサン/EtOAc、4:1、1:1、1:3を使用する)で精製して、無色非晶質として、440mg(0.471mmol、44%)の所望生成物を得た。
16(980mg、1.22mmol)のCH2Cl2(45mL)溶液に、0℃で、mCPBA(mCPBAが100%なら0.5当量と計算される、91mg)を加え、そして25分間攪拌し、次いで、mCPBA(91mg)を加え、そして25分間攪拌し、mCPBA(45mg)を加え、そして25分間攪拌し、mCPBA(35mg)を加え、そして20分間攪拌した。その反応混合物を飽和Na2S2O3(80mL)でクエンチし、そしてEtOAc(400ml+2×80mL)で抽出した。その有機層を飽和NaHCO3(×2)およびブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥し、そして真空中で濃縮して、無色非晶質として、1.02gの粗スルホキシドを得た。
粗スルホキシドおよびEt3N(10滴)のトルエン(50mL)溶液を1時間還流した。その反応混合物を真空中で濃縮し、この粗生成物をシリカゲルカラム(Merck 230〜400メッシュ)(これは、ヘキサン/EtOAc、3:1、1:1、1:3を使用する)で精製して、無色非晶質として、980mg(1.19mmol、2段階で98%)の所望生成物を得た。
18(924mg、1.12mmol)のTHF(25mL)溶液に、イミダゾール・HCl(293mg、2.8mmol、2.5当量)およびTBAF(1.0M THF溶液、5.6ml、5当量)を加え、その混合物を50℃まで加熱した。1時間および3時間後、イミダゾール・HCl(293mg、2.8mmol、2.5当量)およびTBAF(1.0M THF溶液、5.6mL、5当量)を加えた。24時間後、TBAF(1.0M THF溶液、11.2mL、10当量)を加え、その反応混合物を、50℃で、84時間攪拌した。この反応混合物を飽和NH4Cl(40mL)でクエンチし、NaCl(10mL)で飽和し、そしてEtOAc(5×100mL)で抽出した。それらの有機層をNa2SO4で乾燥し、そして真空中で濃縮した。この粗生成物をシリカゲルカラム(Merck 230〜400メッシュ)(これは、EtOAc、EtOAc/MeOH、99:1、95:5を使用する)で精製して、無色非晶質として、740mgの所望生成物(純粋ではない)を得た。
CH2Cl2(50mL)中の2−クロロ−1−メチルピリジニウムヨウ化物(4.21mmol、4.0当量)およびn−Bu3N(1.0mL、4.21mmol、4当量)の還流混合物に、注射器ポンプを使用して、1時間にわたって、19(640mg、1.05mmol)のCH2Cl2(25mL)溶液を滴下し、次いで、その反応混合物を30分間攪拌した。この反応混合物を真空中で濃縮し、その残留物をEtOAc(750mL)で希釈し、水、飽和NH4Cl、水およびブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥し、そして真空中で濃縮した。この粗生成物をシリカゲルカラム(Merck 230〜400メッシュ)(これは、ヘキサン/EtOAc、1:1、1:5 CH2Cl2/MeOH、95:5を使用する)で精製して、無色非晶質として、560mgの所望生成物(純粋ではない)を得た。
この加水分解は、ER803064の合成で先に記述したようにして、実行した。
21(260mg、0.596mmol)のCH2Cl2(45mL)溶液に、室温で、粉末化モレキュラーシーブ4Å(640mg)およびPCC(642mg、2.98mmol、5当量)を加え、その反応混合物を1時間攪拌した。この反応混合物をセライトで濾過し、その濾液を真空中で濃縮した。この粗生成物をシリカゲルカラム(Merck 230〜400メッシュ)(これは、CH2Cl2/MeOH、99:1、95:5を使用する)で精製して、185mgの所望生成物(ピリジニウム不純物を含めて)を得た。
22(185mg、0.382mmol)のCH2Cl2(10mL)溶液に、0℃で、TFA(0.88mL、11.5mmol、30当量)を加え、その反応混合物を室温まで温め、そして1.5時間攪拌した。この反応混合物を真空中で濃縮した。この粗生成物をシリカゲルカラム(Merck 230〜400メッシュ)(これは、CH2Cl2/MeOH、98:2、95:5、92:8を使用する)で精製して、120mg(0.300mmol、79%、2段階で50%)の所望生成物NF2561を得た。この純粋生成物を水/MeCN(1:1)で凍結乾燥して、白色発泡体を得た。
(ER805911 and ER805977)
これらの類似物は、上記合成を使用して、適当な代替試薬を用いて調製した。改良した工程を以下に記述する:
EtOH(150mL)中の上記粗ジアミン(24.5mmol)、アセチルギ酸トリエチル(13.5mL、3当量)およびモンモリロナイトKSF(2.5g)の混合物を2時間還流した。不溶物質を濾過により除き、その濾液を真空中で濃縮した。この粗生成物をシリカゲルカラム(Merck 230〜400メッシュ、350g)(これは、ヘキサン/EtOAc、1:1、1:2およびEtOAcを使用する)で精製して、黄色オイルとして、81%(2段階)の所望生成物を得た。この純粋生成物を水/MeCN(1:1)で凍結乾燥して、白色発泡体を得た。この生成物を、NF2561について記述した様式と類似の様式で進めて、ER805911を得た。
THF(175mL)中のトリフレート(9.3g、23.1mmol)およびN−エチルベンジルアミン(15.2mL、117.8mmol、5.1当量)の混合物を26時間還流した。その反応混合物をEtOAc(750mL)で希釈し、そして水、10%KHSO4、水およびブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥し、そして真空中で濃縮した。この粗生成物をシリカゲルカラム(Merck 230〜400メッシュ、360g)(これは、ヘキサン/EtOAc、20:1、9:1を使用する)で精製して、無色オイルとして、6.25g(16.1mmol、70%)の所望生成物を得た。それを、NF2561について記述した様式と同様に進めて、ER805977を得た。
(C10類似物であるER804747の調製)
ジオキサン(30mL)中の二酸化セレン(677mg)および531−YW−4(1.96g)の混合物を、70℃で、10時間保持した。この混合物を濃縮し、そしてフラッシュクロマトグラフ(ヘキサン/アセテート 5/1〜2/1)で精製して、593−YJ−22−1(396mg)および593−YJ−22−2(683mg)を得た。
室温で、593−YJ−22−2(788mg)のDMF(15mL)溶液に水素化ナトリウム(60%、59mg)を加えたのに続いて、メトキシメチルクロライド(160mg)を加えた。その混合物を、室温で、一晩攪拌し続け、そして塩化アンモニウム水溶液でクエンチした。その水相をエーテルで抽出し、合わせた有機相を濃縮した。その残留物をフラッシュクロマトグラフ(ヘキサン/アセテート 4/1)で精製して、593−YJ−25(431mg)を得た。
593−YJ−25(431mg)および水酸化ナトリウム(1.0N、1.0mL)のエタノール(5mL)溶液を、室温で、一晩攪拌し続けた。その混合物を濃縮し、そし塩化アンモニウム水溶液で希釈した。その水相をエーテルで抽出し、合わせた有機相を濃縮した。その残留物をTLC(ヘキサン/アセテート 2/1)で精製して、593−YJ−29(184mg)を得た。
室温で、593−YJ−29(184mg)の塩化メチレン溶液(10mL)に、Dess−Martin過ヨージナンを加えた。その混合物をエーテルで2時間希釈し、そしてセライトで濾過した。その濾液を濃縮し、その残留物をTLC(ヘキサン/アセテート 2/1)で精製して、593−YJ−31(138mg)を得た。
−78℃で、THF(5mL)中の554−RB−228(450mg)に、n−ブチルリチウム(2.5M、0.56mL)を加えた。1時間後、593−YJ−31(138mg)を加えた。その反応物を、0℃で、1時間保持し、そして室温まで温めた後、それを、塩化アンモニア水溶液でクエンチした。その水相をエーテルで抽出し、合わせた有機相を硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒をストリッピングし、その残留物をTLC(ヘキサン/アセテート 3/1)で精製して、593−YJ−32(168mg、75%)を得た。
Rieke zinkおよび593−YJ−32(168mg)のメタノール(10mL)および水(1.0mL)懸濁液を、70℃で、4時間保持した。その混合物をセライトで濾過し、そして硫酸ナトリウムで乾燥した。それらの有機物を濃縮し、さらに共沸乾燥して、593−YJ−33(200mg)を得た。粗593−YJ−33をトリエチルアミン(2.7mL)および塩化ベンゾイル(1.1mL)にかけ、そしてTLC(ヘキサン/アセテート 4/1)で精製して、593−YJ−35(358mg)を得た。
593−YJ−35(358mg)およびイミダゾールハイドロクロライト緩衝TBAF(1.0M、0.96mL)のTHF(10mL)溶液を、50℃で、一晩攪拌し続け、次いで、水で希釈した。その水相をエーテルで抽出し、そして濃縮した。その残留物をTLC(塩化メチレン/メタノール、10/1)で精製して、593−YJ−36(41mg)を得た。
塩化メチレン(20mL)中のヨウ化2−クロロ−1−メチルピリジニウム(52mg)およびトリブチルアミン(43mg)の還流に、593−YJ−36(41mg)を加えた。2時間還流した後、その混合物を一晩攪拌した。この混合物をエーテルで希釈し、そしてHCl(1.0N)および水で洗浄した。その残留物をTLC(ヘキサン/アセテート 1/1)で精製して、593−YJ−39−1(4.3mg)を得た。
593−YJ−39(4.3mg)および水酸化ナトリウム(1.0N、1.0mL)のエタノール(5mL)溶液を、室温で、一晩攪拌し続けた。その混合物を濃縮し、そして塩化アンモニウム水溶液で希釈した。その水相をエーテルで抽出し、合わせた有機相を濃縮した。その残留物をTLC(ヘキサン/アセテート 2/1)で精製して、593−YJ−57(4.0mg)を得た。
MnO2(90%、15mg)および593−YJ−57(4.0mg)の塩化メチレン(2mL)懸濁液を、一晩攪拌し続けた。その混合物をセライトで濾過し、そして濃縮した。その残留物をTLC(ヘキサン/アセテート 2/3)で精製して、593−YJ−58(2.0mg)を得た。
アセトニトリル(1.5mL)中の593−YJ−58(2.0mg)に、フッ化水素酸(49%、0.6mL)を加え、そして、20分間攪拌した。その混合物を水で希釈し、そして塩化メチレンで抽出した。その有機相を濃縮し、そして短シリカゲルパッドで精製して、593−YJ−59(0.5mg、ER−804747)を生成した。
(C15−メトキシ−類似物であるNF1872の調製)
3,4,5−トリメトキシトルエン(5.47g、30mmol)のDME(80mL)溶液に、CuBr2(6.8g、30.45mmol)を徐々に加え、その混合物を、室温で、30分間攪拌した。次いで、数回に分けて、CuBr2(8.4g、37.61mmol)を加えた。この混合物を12時間攪拌した。不溶物質を濾過し、その濾液を濃縮した。この粗生成物をシリカゲルカラム(これは、ヘキサン/EtOAc、4:1を使用する)で精製して、7.5gのNY−60を得た。
NY−60(7.39g、28.3mmol)をEt2O(300mL)に溶解し、そして窒素下にて、−78℃まで冷却した。次いで、n−BuLi(1.6M/ヘキサン、21mL、33.6mmol)をゆっくりと加え、その反応物を、−78℃で、40分間攪拌した。その溶液にドライアイスを加え、次いで、この溶液を室温まで温め、そして15分間攪拌した。この混合物を水でクエンチし、そして2N HClで酸性化し、EtOAc(×2)で抽出した。それらの有機層を水、ブラインで洗浄し、MgSO4で乾燥し、濾過し、そして濃縮して、6.38gのNY−61を得た。
NY−61(6.37g、28.16mmol)のDMF(200mL)溶液に、Cs2CO3(9.17g、28.14mmol)を加え、そして室温で、10分間攪拌した。次いで、MeI(10mL、160.6mmol)を加え、その反応混合物を12時間攪拌した。この反応混合物を氷冷飽和NH4Clに注ぎ、そしてEtOAc(×3)で抽出した。それらの有機層を水(×3)、ブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濾過し、そして濃縮した。この粗生成物をシリカゲルカラム(これは、ヘキサン/EtOAc、4:1を使用する)で精製して、6.07gのNY−62を得た。
NY−62(6.07g、25.26mmol)をCH2Cl2(80mL)に溶解し、そして窒素下にて、−78℃まで冷却した。次いで、BCl3(1M/ CH2Cl2、26mL、26mmol)をゆっくりと加え、その反応物を、−78℃で、1時間攪拌した。この溶液を、0℃で15分間、室温で1時間攪拌した。−78℃まで再冷却した混合物に、追加BCl3(1M/ CH2Cl2、52mL、52mmol)をゆっくりと加え、その溶液を室温まで温め、そして15時間攪拌した。その反応混合物を氷水に注ぎ、そしてEtOAc(×2)で抽出した。それらの有機層を水(×2)、ブラインで洗浄し、MgSO4で乾燥し、濾過し、そして濃縮した。この粗生成物をヘキサン/EtOAcからの再結晶で精製して、4.1gのNY−63を得た。
NY−63(4.09g、19.27mmol)、MeOH(1.77mL)、iPr2NEt(3.7mL、21.24mmol)およびMeCN(80mL)の混合物に、30℃で、トリメチルシリルジアゾメタン(2M/ ヘキサン、10.6mL、21.2mmol)を徐々に加えた。その反応混合物を室温まで温め、そして24時間攪拌した。この反応混合物を水でクエンチし、そしてEtOAcで希釈した。その有機層を10%クエン酸で洗浄し、その水層をEtOAcで再抽出した。それらの有機層を水、ブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濾過し、そして濃縮した。この粗生成物をシリカゲルカラム(これは、ヘキサン/EtOAc、20:1、15:1、10:1を使用する)で精製して、2.29gのNY−64およびNY−65の混合物を得た。
NY−07と同じ手順を使用して、NY−65をNY−66(1.73g)に変換した。(NY−64は、カラムクロマトグラフィーで分離した)。
10と同じ手順を使用して、NY−66(1.72g、6.41mmol)をNY−67(2.07g)に変換した。
NY−09と同じ手順を使用して、NY−67(2.06g、5.47mmol)をNY−68(1.54g)に変換した。
509−HD−209と同じ手順を使用して、NY−68(1.48g、4.43mmol)をNY−69(1.62g)に変換した。
509−HD−212と同じ手順を使用して、NY−69(1.62g、4.28mmol)をNY−70(1.53g)に変換した。
509−HD−213と同じ手順を使用して、NY−70(1.51g、4.14mmol)をNY−71(1.08g)に変換した。
16と同じ手順を使用して、NY−27(511mg、0.707mmol)をNY−72(971mg)に変換した。
18と同じ手順を使用して、NY−72(971mg、0.707mmol)をNY−33(521mg)に変換した。
509−HD−116と同じ手順を使用して、NY−73(521mg、0.549mmol)をNY−74(444mg)に変換した。NY−74を、さらに精製することなく、次の工程で使用した。
509−HD−118と同じ手順を使用して、NY−74(444mg、0.549mmol)をNY−75(86mg)およびNY−76(114mg)に変換した。
TM−13と同じ手順を使用して、NY−75(45mg、0.094mmol)をNY−77(19.2mg)に変換した。
NF−0675と同じ手順を使用して、NY−77(18mg、0.038mmol)をNF−1872(12.6mg)に変換した。
(C16類似物:NF0934、NF1418およびNF1419の調製)
(NF−0934の合成手順)
554−RB−238と同じ手順を使用して、531−yw−2−2(5g、19.21mmol)をNY−20(5.08g)に変換した。NY−20を、さらに精製することなく、次の工程で使用した。
リチウムアセチリド−エチレンジアミン錯体(24.92g、0.271mol)のDMSO(250mL)懸濁液に、0℃で、(S)−プロピレンオキシド(14.3g、0.246mol)をゆっくりと加えた。次いで、その混合物を室温まで温め、そして24時間攪拌した。この混合物を氷水に注ぎ、そしてEt2O(×4)で抽出した。それらの有機層を飽和NH4Cl、ブラインで洗浄し、MgSO4で乾燥し、濾過し、そして濃縮した。この粗生成物を、さらに精製することなく、次の工程で使用した。
554−RB−225と同じ手順を使用して、NY−21(8g、95.1mmol)をNY−22(27.33g)に変換した。
NY−01と同じ手順を使用して、NY−20(5.08g、19.21mmol)を、ジアステレオマーの1種として、NY−23(4.22g)に変換した。
343−yw−279と同じ手順を使用して、NY−23(4.2g、7.23mmol)をNY−24(3.7g)に変換した。
NY−24(3.69g、6.33mmol)のCH2Cl2(70mL)溶液に、0℃で、2,6−ルチジン(3.7mL、31.8mmol)およびTBSOTf(3.63mL、15.8mmol)を加えた。次いで、その混合物を室温まで温め、そして30分間攪拌した。この混合物をMeOHでクエンチし、そして冷飽和NaHCO3に注ぎ、そしてEtOAcで抽出した。その有機層を水、5%クエン酸、水、飽和NaHCO3、ブラインで洗浄し、そしてNa2SO4で乾燥し、濾過し、そして濃縮した。この粗生成物をシリカゲルカラム(これは、ヘキサン/EtOAc、100:1、50:1、30:1を使用する)で精製して、4.23gのNY−25を得た。
NY−25(4.2g、6.03mmol)を無水Et2O(50mL)に溶解し、その溶液を、氷/水浴中にて、0℃まで冷却した。次いで、LiBH4(135mg、6.2mmol)を少しずつ加え、その混合物を室温までゆっくりと温め、そして2日間攪拌した後、NH4Cl飽和溶液をゆっくりと加えた。この混合物をEtOAcで抽出し、その有機抽出物をNH4Cl飽和溶液、水、ブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濾過し、そして濃縮した。この粗生成物をシリカゲルカラム(これは、ヘキサン/EtOAc、8:1を使用する)で精製して、3.55gのNY−26を得た。
554−RB−260と同じ手順を使用して、NY−26(568mg、0.927mmol)をNY−27(565mg)に変換した。
10と同じ手順を使用して、NY−28(2.7g、15mmol)をNY−29(2.45g)に変換した。
509−HD−212と同じ手順を使用して、NY−29(2.45g、8.5mmol)をNY−11(2.19g)に変換した。
509−HD−213と同じ手順を使用して、NY−30(2.18g、3.06mmol)をNY−31(2.35g)に変換した。
16と同じ手順を使用して、NY−27(260mg、0.36mmol)をNY−32(229mg)に変換した。
18と同じ手順を使用して、NY−32(229mg、0.236mmol)をNY−33(136mg)に変換した。
509−HD−116と同じ手順を使用して、NY−33(136mg、0.585ml)を、NY−34(119mg)に変換した。
TM−12と同じ手順を使用して、NY−34(116mg、0.285mmol)をNY−35(146mg)に変換した。
TM−13と同じ手順を使用して、NY−35(80mg、0.206mmol)をNY−36(55mg)に変換した。
NF−0675と同じ手順を使用して、NY−36(52mg、0.135mmol)をNF−0934(29mg)に変換した。
(NF−1418の合成手順)
10と同じ手順を使用して、NY−144(7.11g、29.84mmol)をNY−145(7.32g)に変換した。
NY−45と同じ手順を使用して、NY−145(7.32g、21.13mmol)をNY−146(4.46g)に変換した。
NY−48と同じ手順を使用して、NY−146(318mg、1mmol)をNY−147およびNY−148の混合物(305mg)に変換した。
509−HD−213と同じ手順を使用して、NY−147およびNY−148(303mg、0.912mmol)をNY−149(297mg)およびNY−150(42mg)に変換した。
16と同じ手順を使用して、NY−53(1.81g、4.808mmol)をNY−151(2.06g)に変換した。
18と同じ手順を使用して、NY−151(306mg)をNY−152(250mg)に変換した。
509−HD−116と同じ手順を使用して、NY−152(230mg、0.233mmol)をNY−153(197mg)に変換した。
TM−12と同じ手順を使用して、NY−153(136mg、0.233mmol)をNY−154(30mg)に変換した。
NY−154(28mg、0.0494mmol)、1N NaOH(125μL、0.125mmol)およびDME(0.5mL)の混合物を、室温で、18時間攪拌した。その反応混合物をEt2Oで洗浄した。その水層を飽和NH4Clで中和し、そしてEtOAcで抽出した。それらの有機層をブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濾過し、そして濃縮して、23mgのNY−155を得た。NY−155を、さらに精製することなく、次の工程で使用した。
NY−155(22mg,0.0398mmol)、ジフェニルホスホリルアジド(8.6μL,0.0399mmol)、Et3N(4mg,0.0395mmol)、tBuOH(0.3mL)およびトルエン(1.5mL)の混合物を、3時間還流した。この反応混合物を、EtOAcで希釈し、そして5% クエン酸、水、飽和NaHCO3、ブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濾過し、そして濃縮した。この粗製生成物を、ヘキサン/EtOAc、5:1、3:1を用いるシリカゲルカラムで精製して、12mgのNY−156を得た。
509−HD−188についての手順と類似の手順を使用して、NY−156(11mg,0.0176mmol)をNY−157(7.5mg)に転換した。
TM−13についての手順と類似の手順を使用して、NY−157(7.5mg,0.0149mmol)をNY−158(5.3mg)に転換した。
NF−0675についての手順と類似の手順を使用して、NY−158(5.2mg,0.0104mmol)をNF−1418(4.7mg)に転換した。
(NF−1419の合成手順)
B2538についての手順と類似の手順を使用して、NF−1418(4mg,0.00937mmol)をNF−1419(2.3mg)に転換した。
(TNF−αおよびβ−アクチンPLAP(胎盤アルカリホスファターゼ)転写に対する化合物の影響の測定)
NF−κBは、免疫応答および炎症応答に関与する種々の遺伝子を調節する、重要な核因子である(Ghoshら、Annu Rev Immunol.1998,16,225を参照のこと)。TNFα遺伝子の転写が、NF−κB活性化によって調節されることは、十分特徴付けられている(Drouetら、J.Immunol.1991,147,1694を参照のこと)。従って、TNFα−PLAP転写を用いるアッセイを、NF−κB活性化に対する試験化合物の阻害効果を評価するために使用した。
TNFα−PLAPプラスミド(TNFα−プロモーター+5’−UTR(1.4kb)+PLAP+SV40ポリA+PGK−neo,Gotoら、Mol.Pharmacol.1996,49,860)を、僅かな改変と共に構築し、ここで、TNFα−3’−UTR(772b.p.)を、PLAPとSV40ポリAとの間に挿入した(TNFα−プロモーター+5’−UTR(1.4kb)+PLAP+TNFα−3’−UTR+SV40ポリA+PGKneo)。次いで、THP−1−33細胞を、改変したTNFα−PLAPプラスミドをTHP−1細胞(ヒト急性単球性白血病)に安定に形質転換することによって、樹立した。転写に対する試験化合物の非特異的効果を同時に評価するために、B164細胞をまた、THP−1細胞にβ−アクチン−PLAPプラスミド(β−アクチン−プロモーター(4.3kb)+PLAP+SV40ポリA+PGKneo)を安定にトランスフェクトすることによって、樹立した。THP−1−33細胞(TNFα−PLAP)は、LPSでの刺激によってPLAP活性を生じ;他方で、B164細胞(β−アクチン−PLAP)は、刺激なしにPLAP活性を構成的に生じる。
THP−1−33細胞およびB164細胞を、10%の熱不活化した、内毒素を含まない胎仔ウシ血清(FBS)およびG418(1mg/ml)を含むRPMI1640中で維持した。これらの細胞を、1.0×104細胞/ウェルの密度で、96ウェルプレート上に播種し、次いで、試験化合物の存在下または非存在下で30分間にわたって培養し、その後、100ng/mLのリポポリサカリド(E.coli 0127:B08または011:B4)で刺激した。40〜48時間の培養後、培養物上清を回収し、そして上清中のアルカリホスファターゼ活性を測定した。
アルカリホスファターゼ活性を、化学発光基質である4−メトキシ−4−(3−ホスフェートフェニル)スピロ[1,2−ジオキシエタン−3,2’−アダマンタン]の使用によって定量した。主にFBS由来の組織非特異的アルカリホスファターゼを不活化するために、サンプルを、65℃で30分間加熱し、その後、化学発光アッセイを行った。10μLの培養物上清のアリコートを、50μLのアッセイ緩衝液(0.28MNa2CO3−NaHCO3,pH10.0,8mM MgSO4を含む)と、96ウェルMicroliteTMプレート(不透明)中で混合し、次いで、50μLの化学発光基質を添加し、そして混合した。室温で60分間のインキュベーション後、安定状態の化学発光を、マイクロプレートルミノメーターで測定した。
各サンプルのPLAP活性を、以下のように計算した:
コントロールのTNFα−PLAP%=(A−B)×100/(C−B)
コントロールのβ−アクチン−PLAP%=(A)×100/(C)
A:サンプル/試験薬物と共に培養し、そしてLPSで刺激した、サンプルの化学発光
B:空白/未刺激のサンプルの化学発光
C:コントロール/LPSと共に培養したサンプルの化学発光
各試験化合物のIC50値を、用量−阻害応答曲線から計算した。