JPH10508024A - プロテインキナーゼを阻害するための方法及び組成物 - Google Patents
プロテインキナーゼを阻害するための方法及び組成物Info
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- JPH10508024A JPH10508024A JP8514745A JP51474596A JPH10508024A JP H10508024 A JPH10508024 A JP H10508024A JP 8514745 A JP8514745 A JP 8514745A JP 51474596 A JP51474596 A JP 51474596A JP H10508024 A JPH10508024 A JP H10508024A
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Abstract
(57)【要約】
キナーゼを選択的に阻害するための方法であって、式(I)(ここで、R1は、H、低級アルキル、又は低級アルカノイルであり;R2は、H、低級アルキル、又は低級アルカノイルであり;R3及びR4は共にシス二重結合もしくは−O−を表すか、又はR3及びR4の各々は独立してHもしくはORを表し;R5は=O,=S、又は−H,−ORを表し;R6及びR7は共に二重結合もしくは−O−を表すか、又はR6及びR7の各々は独立してHもしくはORを表し;R8及びR9は共に二重結合もしくは−O−を表すか、又はR8及びR9の各々は独立してHもしくはORを表し;そして各々のRは独立して、H、低級アルキル、又は低級アルカノイルを表す)の分子に、キナーゼを含む組成物を接触させることを含むことを特徴とする方法が開示される。
Description
【発明の詳細な説明】
プロテインキナーゼを阻害するための方法及び組成物
導入
発明の分野
本発明は、プロテインキナーゼ、特にチロシンキナーゼのインヒビターに、並
びにキナーゼ及びその基質の分析並びに細胞増殖のようなキナーゼ依存の過程の
阻害における使用に関する。
背景
チロシン特異的蛋白質キナーゼ(チロシンキナーゼ)は、蛋白質基質中のアデ
ノシントリホスフェートの末端ホスフェートのチロシン残基への転移を触媒する
酵素のファミリーを表す。同定されるべきこのクラスの第1のメンバーは、細胞
形質転換を行うことができる(オンコジーンと呼ばれる)ウイルス遺伝子(即ちp
p60v-src及びpp98v-fps)に関連するチロシンキナーゼであった。後に、これらの
ウイルス遺伝子産物に対する通常細胞類似物があることが示された。同定される
べきチロシンキナーゼの第3のカテゴリーは、インスリン、上皮成長因子(EGF
)、血小板由来成長因子(PDGF)、繊維芽細胞成長因子(FGF)、及びp185HER2
レセプターを含む成長因子と呼ばれるものである。これらのチロシンキナーゼの
全ては、基質リン酸化により、いくつかの細胞機能のためのシグナル変換におい
て重大な役割を果たすと信じられている。
シグナル変換の正確なメカニズムはまだ解明されていないが、チロシンキナー
ゼは、細胞増殖、発癌、及び細胞分化において重要に貢献する因子であることが
示されている。
細胞複製は、1以上の成長因子、例えばFGF,EGF、及びPDGFへの細胞の露出に
より誘発される。このような成長因子は、それらの対応するレセプターと特異的
に相互作用する。そのレセプターは、細胞外ドメイン、トランスメンブランドメ
イン及びチロシンキナーゼ酵素活性を有する細胞質ドメインを含む。細胞増殖の
開始は、成長因子が細胞表面におけるそのレセプターの細胞外ドメインに結合す
る時における。この成長因子−レセプター結合は、自己リン酸化、レセプーの酵
素活性の増加及び基質リン酸化を生ずるレセプター二量化を導く。現在、細胞表
面から核へシグナルを送るための共通の経路が同定され、チロシンキナーゼ成長
因子レセプターにより利用されることが示されている。この経路は、細胞分割に
関連する遺伝子の発現を制御する転写因子のリン酸化を導くプロテインキナーゼ
カスケードを開始するras蛋白質の成長因子媒介活性化に関連する。
細胞内基質のレセプター自己リン酸化及びリン酸化は、シグナルを送る成長因
子及び細胞増殖のために要求される生化学的出来事である。これは、レセプター
の生物活性の完全な損失を引きおこす部位特異的変異誘発により、EGFレセプタ
ー、FGFレセプター及びPDGFレセプターを含むいくつかのレセプターの蛋白質チ
ロシンキナーゼ活性を除去することにより証明されている。更に、レセプターチ
ロシンキナーゼ酵素活性をブロックするスタウロスポリン(staurosporin)、K2
52a及びチロホスチン(tyrphostins)のようなプロテインキナーゼインヒビター
は、細胞内シグナル伝達及び細胞増殖を防ぐ。これらの研究は、成長因子レセプ
ターによるシグナル伝達におけるチロシンリン酸化の本質的な役割を確認し、チ
ロシンキナーゼ活性を阻害する化合物が細胞増殖を制御するのに用いられ得るこ
とを証明する。
多くの病状は非制御的細胞増殖を特徴とする。これらの病気は種々の細胞型に関
連し、癌、乾癬、肺線維症、糸球体腎炎、アテローム硬化症及び血管形成術後の
再狭窄のような異常を含む。このような異常の治療のためのチロシンキナーゼイ
ンヒビターの利用性がいくつかの生体内研究において証明されている。EGFレセ
プターファミリーのための選択性を有するチロシンキナーゼインヒビターは、動
物における腫瘍形成を遮断することが示されており、これによりヒトの癌、特に
乳癌の治療において腫瘍細胞増殖を直接抑制するための潜在的有用性を証明する
。また、腫瘍転移及びその関連する脈管形成は、脈管上皮成長因子(VEGF)レセ
プターチロシンキナーゼの活性化を防止することにより阻害されることが示され
ており、これは、発癌の間におこる遮断性の別個の出来事におけるチロシンキナ
ーゼインヒビターの利用性を示す。
糸球体腎炎の実験モデルにおいて、PDGFレセプター発現の20倍増加がメサンギ
ウム細胞増殖に関連する。チロシンキナーゼレセプターの活性を防ぐPDGFの中和
は、通常発生する腎臓の退化の量を制限する。これらの研究は、PDGFレセプター
を遮断するチロシンキナーゼインヒビターは、ヒト糸球体腎炎の治療のための能
力を有し得るだろうことを証明する。
介入心臓学の1つの主要な未解決の問題は、結腸血管形成の後の再狭窄である
。約400,000の血管形成術が毎年合衆国で現在行われており、30〜40%が再狭窄
のため最初の年以内に失敗する。再狭窄の過程は、多くの場合PDGF及びFGFのよ
うな成長因子により媒介される平滑筋細胞の増殖のためであるアテローム硬化動
脈の再閉塞に関連する。再狭窄の動物モデルにおいてPDGF又は FGFレセプターチ
ロシンキナーゼ活性の活性化を遮断する抗体は、平滑筋細胞増殖及び新生脈管内
膜の形成を防ぐ。これらの研究は、PDGF又はFGFレセ
プター機能を遮断するチロシンキナーゼインヒビターがヒト再狭窄を治療するこ
との利用性を有し得るだろう。
現在、癌の化学療法は、DNA合成のインヒビター(例えばアドリアマイシン、
フルオロウラシル)及び細胞骨格を破壊する化合物(ビンブラスチン)を利用す
る。これらの化合物は、それらの阻害活性が破壊について癌細胞に限定されない
ので高い毒性である。しかしながら、癌細胞は、それらの細胞分割がより迅速で
あり、それらの DNA代謝が結果としてより活性であるので、先に言及されるイン
ヒビターによりより直ちに攻撃される。いくらかのタイプの癌が特定のホルモン
誘導体で処理される。しかしながら、これらの場合を除いて、種々のタイプの癌
のほとんどについての化学療法は非特異的である。
1980年代初期に、癌の20〜30%が、成長因子レセプター又はそれらの変異した
同族体であり、プロテインチロシンキナーゼ(PTK)活性を示す特徴的オンコジ
ーン産物を発現することが明らかになった。PTK活性は、レセプター又はそのオ
ンコジーン同族体の固有のものであり、そのPTKドメインを通して細胞増殖に影
響を与える。更に、これらのレセプターの各々(通常又は変異)は、明白な基質
特異性で特徴的なPTK活性を示す。これらのレセプターの1つは上皮成長因子(E
GF)レセプター及びそのオンコジーン同族体V-ERB-Bである。
成長因子レセプターの PTK活性に関する先に記載の開発の結果として、EGFの
PTK活性を阻害することができる種々の化学物質により癌を治療することが提唱
されている。例えば日本特許番号62-39523,62-39558,62-42923及び62-42925を
参照のこと。例えば、先の日本公開番号昭62-39558は、PTKインヒビターとして
効果的である組成物における活性化合物としてα−シアノ−2,5−ジヒドロキ
シシンナムアミドを開示する。
腫瘍増殖インヒビターとしてのシンナミルマロノニトリル及び種々のベンジリ
デンマロノニトリル化合物の使用が、Gal et el.,Studies on the Biological
Action of Malononitrile.I.The Effect of Substituted Malononitriles on
the Growth of Transplanted Tumors in Mice,Cancer Research,12:565〜72
,1952に開示される。
発明の概要
従って、本発明の目的は、新しい有用なキナーゼインヒビターの製剤を提供す
ることである。
本発明の更なる目的は、低毒性と認められる古い組成物のための更なる使用を
提供することである。
本発明のこれら及び他の目的は、プロテインキナーゼを阻害するための方法で
あって、次の式(I):
(ここで、R1はH、低級アルキル又は低級アルカノイルであり;
R2はH、低級アルキル、又は低級アルカノイルであり;
R3及びR4は、共にシスニ重結合もしくは−O−を表し、又はR3及びR4の各
々は独立してHもしくはORを表し;
R5は=O,=S、又は−H,−ORであり;
R6及びR7は、共に二重結合もしくは−O−を表し、又はR6及びR7の各々は
独立してHもしくはORを表し;
R8及びR9は共に二重結合もしくは−O−を表し、又はR8及びR9は独立して
HもしくはORを表し;そして
各々のRは独立して、H、低級アルキル、又は低級アルカノイルを表す)
の分子に、前記キナーゼを含む組成物を接触させることを含むことを特徴とする
方法を提供することにより達成された。
本発明は、哺乳動物におけるキナーゼ依存性の病気の制御のための医薬組成物
であって、医薬として許容される担体中に式(I)の化合物を含むことを特徴と
する医薬組成物に、並びにキナーゼ依存性の病気を制御するための方法であって
、キナーゼ依存性の病気を制御する量の先に示される式の化合物をキナーゼ依存
性の病気を患う哺乳動物に投与することを含むことを特徴とする方法にも関する
。ここで、“哺乳動物”とは通常の意味を有し、他の哺乳動物に加えてヒトを含
む。医薬的使用は、獣医学的使用、特に、牛、羊、豚、ヤギ、犬、猫、ウサギ、
ハムスター、アレチネズミ、ラット、及びマウスのような家畜動物における使用
を含むことを意図する。
他の特徴及び利点は、明細書及び請求の範囲から明らかになろう。
図面の簡単な説明
本発明は、本明細書の一部を形成する図面と組み合わせて、以下の詳細な記載
を引用することによりより理解されよう。
図1は、HR5細胞におけるβPDGFR自己リン酸化に対する化合物292の効果を示
す。
図2は、HS68細胞内へのPDGF BB−誘導性〔3H〕チミジン組込
みに対する化合物292の効果を示す。
特定の実施形態の記載
本発明は、先の周知の化合物の新しい使用に、並びに最初に本明細書で同定さ
れた先の周知の化合物に関連する特定の化合物に関する。その化合物は、ゼアエ
ノールに関し、カテコール環に融合された14員エステル環を含むマクロライドで
ある。このクラスの化合物は25年にわたって知られており、牛食物添加物として
主に用いられている。例えば、Kuiper-Goodman et al,“Risk Assessment of t
he Mycotoxin Zearalenone”,Regulatory Toxicology and Pharmacology 7:2
53-306(1987);Bennett et al.,“Use of the Anabolic Agent Zearnol(Res
orcylic Acid Lactone)as a Growth Promoter for Cattle”,The Veterinary
Record,pp.235-239(March 16,1974);Willemart et al.,“A RAL Compound
as an Anabolic in Cattle”,Veterinary Research Communications 7:35-4
4(1987);and Roche et al.,“Resorcylic Acid Lactone as an Anabolic Ag
entin Cattle”,Veterinary Research Communications 7:45-50(1983)を参照
のこと。これらの化合物の他の周知の活性は発情剤としてである。例えば、Shef
field et al.,“Zeranol(β-Resorcylic Acid Lactone),A Common residous
Component of Natural Foodstuffs,Stimulates Developmental Growth of the
Mouse Mammary Gland”,Cancer Letters,28:77-83(1985);Mastri et al.,
“In Vivo Oestrogenicity and Binding Characteristics of α-Zearalanol(P
1496) to Different Classes of Oestrogen Binding Proteins in Rat Liver”
,J.Steroid Biochem.23(3):279-289(1985);Edward et al.,“Murine Macro
phage Activation with Resorcyclic Acid Lactones(RALs):Comparison with
Diethyl
stilbestrol and 17β-Estradiol”,Immunopharmacology 17:107-118(1989)
;and Katzenellenbogen et al.,“Zearalenones:Characterization of the E
strogenic Potencies and Receptor Interactions of a Series of Fungal β-R
esorcylic Acid Lactones”,Endocrinology 105:33-40(1979)を参照のこと。
しかしながら、それらは、重要な生化学的制御分子であるキナーゼのインヒビタ
ーとして以前に用いられていないし、又は役立つとして知られていない。一般に
、その化合物は、式:
(ここで、R1はH、低級アルキル、又は低級アルカノイルであり;
R2はH、低級アルキル、又は低級アルカノイルであり;
R3及びR4は、共にシス二重結合もしくは−O−を表し、又はR3及びR4の各
々は独立してH又はORを表し;
R5は=O,=S、又は−H,−ORであり;
R6及びR7は共に二重結合もしくは−O−を表し、又はR6及びR7の各々は独
立してH又はORを表し;
R8及びR9は共に二重結合もしくは−O−を表し、又はR8及びR9は独立して
H又はORを表し;そして
各々のRは独立してH、低級アルキル、又は低級アルカノイルを表す)
を有する。
これらの化合物及びそれらを含む医薬組成物がキナーゼに結合し、それを阻害
するのに用いられ得ることが発見された。このような使用は、より詳細に以下に
記載される。
言葉の定義
その開示を通じて先に用いられる場合、以下の言葉は、他に示されなければ、
以下の意味を有すると理解される。
“アルキル”は、約1〜約6炭素原子を含む直鎖又は分枝鎖のいずれかであり
得る飽和脂肪族炭化水素を意味する。“低級アルキル”は、メチル、エチル、プ
ロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル又はtert−ブチルの
ような直鎖又は分枝鎖であり得る1〜約4炭素原子を有する先に定義されるアル
キル基を意味する。ハロゲン化アルキル基、特にCF3,CH2CF3、及びCF2CF3のよ
うなフッ素化アルキル基はアルキル基の定義の中に含まれる。
“アルコキシ”は、“アルキル”が先に記載の通りであるアルキル−オキシ基
を意味する。低級アルコキシ基が好ましい。典型的な基は、メトキシ、エトキシ
、n−プロポキシ、i−プロポキシ及びn−ブトキシを含む。
“アシルは”、有機酸、カルボン酸からその酸水酸基の除去により得られる有
機基を意味する。好ましいアシル基はアセチル及びプロピオニルのような低級ア
ルキルカルボン酸基である。ベンゾイルも好ましい。
“ハロ”はハロゲン原子を意味する。好ましいハロゲンは、塩化物、臭化物及
びフッ化物を含む。
構造
典型的構造を以下の表に示す。この表における例の化合物は、本明細書の実施
例セクションにおける化合物292である。
キラル中心の立体化学及び二重結合の幾何構造
本発明の方法に用いられる化合物は3までのC−C二重結合−R3−R4,R6
−R7、及びR8−R9を含み得る。存在する場合、R3−R4二重結合は、示され
る方法において分子が活性であるためにシスでなければならない。R6−R7及び
R8−R9二重結合は、存在するなら、好ましくはトランスである。
潜在的なキラル中心は炭素3,5,6,8,9,11、及び12(マクロライドナ
ンバーシステム;式I参照)に存在する。立体化学的名称(R及びS)は与えら
れた位置における置換基の性質によって変化するので、特定の位置の好ましい立
体化学は、置換基によりR又はSとなろう。個々のキラル中心の絶対的立体化学
的配置は、好ましくは、自然に発生するレゾル環式酸(resorcyclic acid)誘導
体の1つ及び他のものにおいて見い出されるのと同じ相対的配置を有するもので
ある(そしてこれにより合成的改変により最も容易に調製される)。しかしなが
ら、合成技術は、キラル中心を転化するために利用でき(例えばSN2置換反応)
、このような技術はこのような異性体が要求される非天然の異性体を調製するの
に用いられ得る。特定の立体化学が与えられた位置において要求される場合、多
くの技術が立体特異的合成又はジアステレオマーの合成のいずれかに利用できる
。なぜなら、(C3におけるキラル中心のような)キ
ラル中心を既に含む分子内の単一のキラル中心(又はキラル中心の対)の導入は
、通常の物理的技術により分離され得る(鏡像異性体よりむしろ)ジアステレオ
マーを生成するからである。2つの好ましいキラル中心方向は、OH基が両方の位
置に存在する場合に位置8における炭素がS配置を有し、位置9における炭素が
S配置を有するもの、並びに位置3における炭素がS配置を有するものである。
いずれの場合においても、不活性ジアステレオマー存在は、(医薬担体のよう
な)いずれかの他の不活性材料の存在と同様に作用するにすぎない。
化合物の調製及び生成
本発明に用いられる化合物はレゾル環式ラクトンであり、周知の技術により調
製され、改変され得る。これらの化合物のいくつかは、発酵の生物学的産物とし
て利用でき、他のものは開始生物産物の化学的改変により得られうる。表1にお
ける化合物1の生物産物は以下の実施例に記載される。他の生物的及び化学的合
成技術は、その全てが引用により本明細書に組み込まれるUSPN 3,373,030;3,55
1,454;3,810,918;3,836,544;及び3,925,423を含むいくつかの米国特許に記載
される。これらの特許の最後のものは、直ちに利用できる開始材料から本発明の
化合物を作るための一般的な合成を供するので特に有用である。
例えば、トランス−ゼアラレノンは、例えば米国特許第3,196,019に記載され
るように適切な発酵方法を用いる微生物Gibberella zeae(Gordon)の培養により
得られうる。例えば、ラクトンゼアラレノン環における未飽和炭素結合は、米国
特許3,239,354の手順に従って水素化され得る。ゼアラレノンのケトン基は、米
国特許第3,239,341号の手順により対応するアルコールに、又は米国特許第3,237
,341号に記載される手順によりメチレン基に還元され得る。アル
キル、アルカノール、アリール、又はアリールアルキル基による水酸基の水素の
置換は、米国特許第3,239,342及び3,239,347に開示される。2800〜3500オングス
トロームにおける照射を用いる二重結合のシス−トランス転化は、現在放棄され
た1972年12月21日に出願された米国特許出願第317,117号に開示される。ゼアラ
ラノールのジアステレオマーの分離は、米国特許第3,687,982号に開示される。
これらの特許文献の全ては、本発明に役立つ化合物の合成生成の技術の現状の例
として引用により本明細書に組み込まれている。
フェニル又はマクロライド環上の種々の置換基は、開始化合物中に存在し得、
又は1の基から他への置換もしくは転化のために当該技術で周知である方法によ
る縮合産物の形成後に添加され得る。置換基自体が反応性であるなら、置換基は
、当該技術で周知である技術に従ってそれ自体が保護され得る。当該技術で周知
である種々の保護基が用いられ得る。多くのこれらの可能な基の例は、T.W.Gree
n,John Wiley and Sons,1981による“Protective Groups in Organic Synthes
is”において見い出され得る。第1アルコールは、当該技術で周知である酸化剤
により酸化されてカルボン酸又はアルデヒドを形成し得、第2アルコールは、酸
化されてケトンを形成し得る。これにより、開始材料、中間体又は最終生成物の
分子を通して種々の置換基を供するために置換又は変換反応が用いられ得る。
本発明の化合物を調製するための生物的及び合成的技術の詳細を供する科学出
版物の例は、それらの全てが引用により本明細書に組み込まれる次のものを含む
:
Sugawara et al.,“Zearalenone Derivatives Produced by the Fungus Drec
hslera Portulacae”,Phytochemistry,31(6)1987-1990(1992),
El Sharkawy et al.,“Microbial transformation of Zaeraleno
ne.2.Reduction,Hydroxylation,and Methylation Products”,J.Org.Chem.
,53:515-519(1988),
Agatsuma et al.,“Revised structure and Sterochemistry of Hypothemyci
n”,Chem Pharm.Bull.41(2):373-375(1993),
Nair et al.,“Metobolites of Pyrenomycetes XIII:1 Structure of(+)H
ypothemycin,an Antibiotic Macrolide from Hypomyces trichothecoides”,T
etrahedron Letters,21:2001-2012(1980),
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Mirrington et al.,“The Constitution of Radicicol”,The Tetrahedron
Letters 7:365-370(1964),
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quilising Action”,Tetrahedron Letters 15:869-875(1964)。
キナーゼのインヒビターとしての使用
本発明の化合物は、哺乳動物におけるキナーゼ依存性の病気、特にチロシンキ
ナーゼに関連するものの制御のためのキナーゼインヒビターとしての治療的使用
に全て直ちに適合される。他のクラスより優先してプロテインキナーゼの3のタ
イプの1つ(3つの周知のクラスは以下に議論される)を特異的に阻害するレゾ
ルシル酸誘導体の能力は、特異的化合物が用いられるであろう様式を決定する因
子の1つである。チロシンキナーゼ依存性の病気は、異常型のチロシンキナーゼ
酵素活性により開始/維持される過剰増殖異常を含む。例としては、癌、アテロ
ーム硬化症、及び抗脈管形成(例えば腫瘍増殖、糖尿病性網膜症)を含む。特定
の病気に対する他のクラスのキナーゼの関係に基づく利用できる情報はほとんど
ないが、化合物を阻害する治療に役立つ蛋白質チロシンキナーゼ(PTK)が選択的
であり、それが他のクラスのキナーゼにおいても本当であることが当該技術で理
解されている。PTKインヒビターケルセチン、ゼキス
テイン(genistein)及びスタウロスポリンは、チロシンキナーゼに加えて多くの
他の蛋白質キナーゼを阻害し、それらの特異性の欠如として高度に細胞毒性であ
るそれゆえ、選択性の欠損のための要求されない副作用をおこすようなPTKイン
ヒビター(又は他のクラスのキナーゼのインヒビター)を同定する細胞毒性を測
定する慣用的アッセイが用いられ得る。
3の一般的なクラスのプロテインキナーゼが、それらの基質として作用するア
ミノ酸に基づいて同定された:チロシンをリン酸化するキナーゼ、チロシン及び
トレオニンをリン酸化するキナーゼ並びにセリン及びトレオニンをリン酸化する
キナーゼ。選択性のより詳細なテストとして、特定の範囲のこれらのキナーゼの
酵素活性を阻害する能力について化合物をテストするべきである。チロシン特異
的プロテインキナーゼは背景セクションに記載されている。セリン及びトレオニ
ンをリン酸化するキナーゼ(最も一般的なクラス)の例はRAF、プロテインキナ
ーゼA、プロテインキナーゼC、及びTGFβレセプターを含む。キナーゼ MEKは
チロシン及びトレオニンをリン酸化するキナーゼの例である。
キナーゼインヒビターの使用の以下の議論において、その議論はチロシンキナ
ーゼに集中する。なぜならこれらは医薬的制御に最も直ちにアクセスできるキナ
ーゼであるからである。しかしながら、チロシンキナーゼインヒビターとしての
化合物の使用の本明細書でのいずれの議論も、その作用の特異性が周知であれば
他のキナーゼクラスの1つに特異的である化合物の使用に同様に適用可能である
。レゾル環式化合物が特定のクラスのキナーゼに特異的であるか否かは、実施例
に示されるキナーゼ活性アッセイ(又は実施例で議論されるキナーゼのために異
なるキナーゼを置換する同一性アッセイ)を用いることにより直ちに決定される
。過度の繰返しを避けるた
めに、以下の議論は他のクラスのキナーゼで行われ得るものの例としてチロシン
キナーゼを議論する。これにより、本文脈から特定され、又は明らかでないなら
、キナーゼのクラスのいずれかに特異的化合物の使用の例として特定の使用のた
め、又は特定の状況における“チロシンキナーゼ”又は“PTK”に言及されるは
ずである。
治療に役立つPTK又は他のキナーゼクラスの1つを阻害する化合物のために、
それらは完全な細胞において活性であるべきである。
単離された酵素調製物を阻害する能力に基づいて同定された PTKインヒビターは
、ネイティブ PTKを阻害することにおいて、しばしば弱いか又は効果がない。こ
の活性の欠除は、PTKインヒビターが細胞膜を横切ってそれらの作用の部位に達
する能力がないため、又はそれらがアデノシン三リン酸(ATP)濃度が高く、他の
因子が含まれ得る細胞内で PTKを阻害することができないためのいずれかのため
である。完全な細胞上の成長因子レセプターチロシンキナーゼに対する PTKイン
ヒビターの活性を決定するためにいくつかの方法が直ちに利用できる。細胞の成
長因子処理は、対応するレセプターの迅速な自己リン酸化及びレセプター基質の
リン酸化を生じ、これらの出来事は抗ホスホチロシン抗体を用いて測定され得る
。また、カルシウム流動、イノシトールホスフェート代謝及び細胞の DNA合成を
含む更なる細胞内シグナル伝達の出来事が測定され得る。最後に、治療に役立つ
PTKインヒビターは、成長因子の作用の要求されない結果であり、モニターする
のが容易である細胞増殖を遮断することができなければならない。
水及び弱疎水性溶媒の両方における本発明の化合物の可溶性が、それらが細胞
膜を横切る確率を増加させるであろうことが理論づけられる。しかしながら、種
々の可溶性化合物が、試験管内実験において大きなキナーゼ阻害を示した。
本発明の化合物は、遊離酸の形態において、塩の形態において、及び水和物と
して役立ち得る。全ての形態が本発明の範囲内である。塩基性塩が形成され得、
簡単に使用のためにより便利な形態である;実際、塩の使用は酸形態の使用に固
有の量を形成する。その塩を調製するのに用いられ得る塩基は、好ましくは、遊
離酸と組み合わせた場合に、遊離酸に固有の利益的特徴が陽イオンに起因する副
作用により損なわれないように、医薬として許容される塩、即ちその陰イオンが
医薬的投与量の塩において動物に毒性でない塩を形成するものを含む。その酸化
合物の医薬として許容される塩が好ましいが、例えば塩が精製及び同定の目的の
ためのみに形成される場合、又はイオン交換法により医薬として許容される塩を
調製することにおいて中間体として用いられる場合のように、特定の塩自体が中
間生成物としてのみ要求される場合でさえ、全ての塩が遊離酸形態のソースとし
て役立つ。
プロテインチロシンキナーゼインヒビターとしての特定のインヒビターとして
の活性を有する本発明の範囲内の化合物は、例えば乾癬及び再狭窄を含む特定の
病状の治療のための細胞抗増殖剤としての治療的価値を有する。本発明は、アテ
ローム硬化症の治療に特に適用可能であろうと予想される。いくつかの病状、例
えばアテローム硬化症の治療に関して、特定の人々は、例えば遺伝的、環境的又
は歴史的因子のため、高い危険があるとして同定され得る。本発明の範囲内の化
合物は、このような病状の発生もしくは再発を防ぐもしくは遅らせること又はそ
の病状を治療することにおいて用いられ得る。
本発明の化合物は、種々の形態において哺乳動物に投与され得る。即ち、それ
らは、選択された投与の経路、例えば経口又は非経口によって、錠剤、カプセル
、ロゼンジ、トローチ、堅いキャンディ
ー、粉体、スプレー、エリキシル、シロップ、注入可能又は点眼溶液等の形態に
おいて種々の医薬として許容される不活性担体と組み合わせられ得る。これに関
する非経口投与は、次の経路:静脈内、筋内、皮下、眼内、滑液包内、(経皮、
眼、舌下、及び頬を含む)経上皮、(眼(ophthalmic)、皮膚、眼(oculer)、
直腸、吸入剤及びエアロゾルによる鼻吸入)を含む局部的、並びに直腸全身性の
ものによる投与を含む。
活性化合物は、例えば不活性希釈剤と共に、もしくは同化可能な食用担体と共
に経口的に投与され得、又はそれは日常の飲食物に直接組み込まれ得る。経口治
療投与のために、活性化合物は、賦形剤と共に組み込まれ得、摂取可能な錠剤、
頬側錠剤、トローチ、エリキシル、懸濁液、シロップ、及び水等の形態で用いら
れる。このような組成物及び調製物は、少くとも0.1%の活性化合物を含むべき
である。組成物及び調製物の割合は、もちろん種々であり、便利には、その単位
の重量の約2〜約6%の間であり得る。このような治療に役立つ組成物中の活性
化合物の量は、適切な投与量が得られるであろうような量である。本発明に従う
好ましい組成物又は調製物は、経口投与単位形態が約1〜1000mgの間の活性成分
を含むように調製される。
錠剤、トローチ、ピル、及びカプセル等は次のものも含み得る:ポリビニルピ
ロリドン、トラガカントゴム、アラビアゴム、スクロース、コーン・スターチも
しくはゼラチンのようなバインダー;リン酸カルシウム、クエン酸ナトリウム及
び炭酸カルシウムのような賦形剤;コーン・スターチ、ポテト・スターチ、タピ
オカ・スターチ、特定の複合体シリケート、及びアルギン酸等のような分解剤;
ラウリル硫酸ナトリウム、タルク及びステアリン酸マグネシウムのような潤滑剤
;スクロース、ラクトースもしくはサッカリンのよう
な甘味料;又はペパーミント、サリチル酸メチルもしくはサクランボ調味料のよ
うな芳香剤。同様のタイプの固体組成物は、軟質及び硬質充填ゼラチンカプセル
における充填剤としても用いられる:この関係における好ましい材料は、ラクト
ースもしくは乳糖並びに高分子量ポリエチレングリコールも含む。投与単位形態
がカプセルである場合、それは、先のタイプの材料に加えて液体担体を含み得る
。種々の他の材料は、コーティングとして、又は投与単位の物理的形態を改良す
るために存在し得る。例えば、錠剤、ピル、又はカプセルはシェラック、糖又は
両方で被覆され得る。シロップ又はエリキシルは、活性化合物、甘味料としての
スクロース、防腐剤としてのメチル及びプロピルパラベン、染料、サクランボも
しくはオレンヂ芳香剤のような芳香剤、乳化剤及び/又は懸濁剤、並びに水、エ
タノール、プロピレングリコール、グリセリン及びその組合せのような種々のも
ののような希釈剤を含み得る。もちろん、いずれかの投与単位形態を調製するの
に用いられるいずれかの材料は医薬的に純粋であり、用いられる量において実質
的に非毒性であるべきである。更に、活性化合物は、徐放性調製物及び製剤内に
組み込まれ得る。
活性化合物は、非経口的又は腹腔内にも投与され得る。非経口投与の目的のた
めに、ゴマもしくはピーナッツ油中又はプロピレングリコール水溶液中の溶液が
用いられ得、対応する水可溶性アルカリ金属又はアルカリ土類金属塩が先に計数
され得る。このような水溶液は必要に応じて適当に緩衝されるべきであり、その
液体希釈剤は十分な塩類溶液もしくはグルコースで最初に等張にされるべきであ
る。遊離塩基又は生理的に許容される塩としての活性化合物の溶液は、ヒドロキ
シプロピルセルロースのような界面活性剤と適切に混合された水中で調製され得
る。グリセリン、液体ポリエチレングリ
コール及びそれらの混合物中で、並びに油中で分散剤も調製され得る。保存及び
使用の通常の条件下において、これらの調製物は微生物の増殖を防ぐために防腐
剤を含む。これらの特定の水溶液は、特に、静脈内、筋内、皮下及び腹腔内注入
目的のために適している。この関係において、用いられる滅菌水性媒体は、当業
者に公知である標準的な技術により全て直ちに得られ得る。
注入での使用に適した医薬形態は、滅菌注入可能溶液又は分散剤の即座の調製
のための滅菌水溶液もしくは分散液及び滅菌粉体を含む。全ての場合において、
その形態は、滅菌されなければならず、容易にシリンジが使用できる程度まで流
体でなければならない。それは、製造及び保存の条件下で安定でなければならず
、バクテリア及び真菌のような微生物の汚染作用に対して保護されなければなら
ない。担体は、例えば水、エタノール、ポリオール(例えばグリセリン、ポリエ
チレングリコール、及び液体ポリエチレングリコール等)、それらの適切な混合
物及び野菜油を含む溶媒又は分散媒体であり得る。適切な流体性は、例えばレシ
チンのようなコーティングの使用により、分散剤の場合要求される粒子のサイズ
の維持により、及び界面活性剤の使用により維持され得る。微生物の使用の保護
は、種々の抗菌及び抗真菌剤、例えばパラベン、クロロブタノール、フェノール
、ソルビン酸及びチメロサール等によりもたらされる。多くの場合、等張剤、例
えば糖又は塩化ナトリウムを含むことが好ましいだろう。注入可能組成物の長期
の吸収は、吸収を遅らせる薬剤、例えばモノステアリン酸アルミニウム及びゼラ
チンの使用により引きおこされ得る。
滅菌注入可能溶液は、適切な溶媒中の要求される量における活性化合物を、必
要に応じて先に計数された種々の他の成分に組み込み、次にろ過して滅菌するこ
とにより調製される。一般に、分散剤は
、塩基性分散媒体、及び先に計数されたものからの要求される他の成分を含む滅
菌ビヒクル内に、滅菌された活性成分を組み込むことにより調製される。滅菌注
入可能溶液の調製のための滅菌粉体の場合、調製の好ましい方法は、活性成分及
び先に滅菌ろ過された溶液からのいずれかの更なる要求される成分を生成する真
空乾燥及び凍結乾燥技術である。
局部的投与の目的のために、(通常約0.1%〜5%濃度における)希釈滅菌し
た水溶液、又は先の非経口溶液に類似した他のものが、眼への滴下様の投与に適
した容器内で調製される。
本発明の治療用化合物は、単独で、又は医薬として許容される担体と組み合わ
せて哺乳動物に投与され得る。先に言及されるように、活性成分及び担体の相対
的割合は、化合物の溶解度及び化学的性質、選択された投与の経路並びに標準的
な医薬的実施により決定される。
診断又は治療のために最も適しているであろう本治療剤の投与量は、投与の形
態、選択された特定の化合物及び治療下における特定の患者の生理的特徴で種々
であろう。一般に、少い投与量が初めに用いられ、必要に応じてその環境下で最
適な効果に達するまで少量の増加量により増加されるだろう。ラットを用いる生
理学的研究に基づく治療用のヒトの投与量は、それは1日に1回〜数回異なるい
くつかの投与単位で投与され得るが、一般に日当り体重の約0.01mg〜約100mg/k
g又は約0.4mg〜約10g以上であろう。
その化合物は単一又は分割された投与において日当り体重の約0.1〜10mg/kg
の範囲の投与量で経口的もしくは非経口的のいずれか、又は点眼のように局部的
に投与される。もちろん、特定の状況において、診断する医師の裁量において、
この範囲外が用いられるだろう。
式Iの化合物又はその医薬として許容される塩を含む医薬組成物において、活
性成分に対する担体の重量比は、通常、1:4〜4:1の範囲、好ましくは1:
2〜2:1の範囲であろう。しかしながら、いずれかの与えられた場合において
、選択された比率は活性成分の溶解度、考慮された投与量及び投与の正確な経路
のような要因によるだろう。
広く記載された本発明は、詳説する目的のみのために供され、他に示されなけ
れば本発明を限定するものと解釈されるべきでない。以下の詳細な実施例を引用
してより理解されるだろう。
実施例
実施例1、化合物292の調製
発酵。C292FE、クルブラリア(Curvularia)種を28℃、80%湿度において、増
殖培地(0.005ml/mlの微量要素と共に 4.0g/Lイーストエキス、10.0g/L麦
芽エキス、4.0g/Lグルコースを有する寒天)を含むペトリ・プレート内で増
殖させた。菌糸体を、10%グリセリン及び5%ラクトースを含む溶液4.5mlを含
むチューブ内にガラスビーズと共に浸して均一な懸濁液を形成した。30ml種培地
(20.0g/Lグルコース、15.0g/L pharmamedia、3.0g/L(NH4)2SO4、0.0
3g/L ZnSO4 7H2O、4.0g/L CaCO3、5.0g/Lイーストエキス、及び H2Oで
1Lにしたもの)を含む250mlエーレンマイヤーフラスコに1〜2mlの浸された
菌糸体を接種した。種フラスコを振幅50mm、250rpmで2日間、28℃でロータリー
・シェーカー上でインキュベートした。
種フラスコからの1mlアリコートを、250mlエーレンマイヤーフラスコ中の30m
l発酵培地(60.0g/Lマンニトール、12.5g/L大豆粉、2.5g/Lクエン酸、
0.5g/Lイーストエキス、及び水で
1Lにしたもの)、pH 7.0に移し、同じ条件下でロータリー・シェーカー上で5
〜6日間、インキュベートした。
抽出。本実施例のために、各々のフラスコが30mlブイヨンを含む250ml振とう
フラスコ内に15L発酵物を供した。約15mlの酢酸エチルのアリコートをシェーカ
ー・ボードからの除去の後5分以内に各々のフラスコに加えた。各々のフラスコ
の内容物を次に組み合わせて、その菌糸体をポリプロピレンフィルターを通す吸
引ろ過により液体からろ過した。その菌糸体を2L酢酸エチル中に取り、細胞を
破壊するために簡単にホモジェナイズした。その混合物をろ過してろ液を保存し
た。この手順を3回繰り返した。その水相を酢酸エチル10Lで分離漏斗において
別々に抽出した。菌糸体及び水性抽出液からの酢酸エチルに層を組み合わせて、
硫酸ナトリウム上で乾燥させてろ過した。ロータリーエバポレーションによりそ
の溶媒を除去した後、その結果として生ずる残物を一晩、真空ポンプにより乾燥
させた。粗抽出液は2.565gを生成した。
CPC分画。粗抽出液を、“Tripple”コイルカラムを含むPC.Inc.高速向流クロ
マトグラフにより CPC分画にかけた。1:3:3:3容量比のn−ヘキサン、酢
酸エチル、メタノール及び水を混合して一晩放置した。低側の層を固定相として
CPCカラム内にくみ出した。上側の層を可動相として用いた。カラムは、1,040r
pmの回転速度を有し、分当り3mlの流速を用いた。注人サイズは5mlの上側及び
5mlの下側の相に溶かされた粗抽出液 400mgであった。ホトダイオード・アレー
・ディテクターで 270nmにおいて代謝を検出した。活性な代謝物は、不活性な異
性体と共に96〜114分で溶出させた。これらの画分を5つの更なるCPC画分からの
ものと組み合わせて2つの代謝物の混合物75.6mgを供した。
HPLC分画。先に得られた混合物を次の条件を用いてHPLC分画にか
けた:分析用C18−カラム(8×100mm、Waters,Novapak);流速1mL/分;注入
当りジメチルスルホキシド(DMSO)10mlに溶解された0.5mg;270nmにおいてモニ
ター;開始条件;70%水/30%アセトニトリルから80分にわたり100%アセトニ
トリルにする。直線勾配を適用;ピーク1(不活性代謝物)は16.90分で溶出。
ピーク2(活性代謝物)は18.74分で溶出。
異性体の転化及び分離。C292FEは、大環における2つの二重結合の1つの幾何
配置においてのみ異なる2つの代謝物を産生した。CPC分画から得られた 167mg
を1mg/10mLの濃度においてDMSO中に溶かした。次に50mLのアリコート(5mg)
を異性体を分離するためにHPLC(Resolve 25cm×100cm、5mL)により分画した
。開始カラム条件は35%メタノール/65%水であった。25分間にわたる直線勾配
を、8ml/分の流速を用いて90%メタノール/10%水の最終条件に適用した。こ
れらの条件下において、トランス異性体(不活性)は11.3分において溶出し、次
にシス異性体(活性)が12.2分において溶出した。各々のピークを別々に収集し
て、ロータリー・エバポレーションにより乾燥させた。HPLC画分の最初の回は11
.7mgのシス異性体及び63mgのトランス異性体を生成した。シス異性体をプロトン
NMR分光法を用いて純度についてテストし、他方トランス異性体を5mg/1.5mL
の濃度においてメタノール中に再懸濁した。この溶液を石英容器内に入れ、35分
間、紫外光を照射した(Rayonet Photochemical Reactor lowpressure Hg lamp
)。照射後、その溶液をロータリー・エバポレーションにより乾燥させて、DMSO
中に再懸濁(1mg/10mL)して、先に記載の条件を用いて他の回のHPLC分画にか
けた。トランス異性体の全てが用いられるまでこの過程をくり返した。シス異性
体の全収率は24mgであった。この化合物の完全な構造(C292)を以下に示す。
実施例2。化合物 292によるプロテインキナーゼ酵素活性の阻害
PDGF,FGF及びEGFのような成長因子による細胞増殖の刺激は、それらの各々の
レセプターのチロシンキナーゼの各々の自己リン酸化の誘導に依存する。それゆ
え、PTKインヒビターがこれらの成長因子により誘導される細胞増殖を阻害する
能力は、レセプター自己リン酸化を遮断するその能力に直接相関関係がある。β
PDGF レセプター自己リン酸化を測定するために、ヒトβ PDGFRをコードする移
入されたcDNAを安定に過剰発現するように処理されているチャイニーズハムスタ
ー卵巣細胞系、HR5を用いた。これらの細胞をマイクロタイタープレート(Falc
on 96ウエルプレート)中で10,000細胞/ウエルで種つけし、時間集密性が到達
する3日間、10%胎児ウシ血清を有するRPMI(Gibco BRL)中で37℃でインキュベ
ートした。その培地をウエルから除き、100mlの無血清RPMIにおきかえ、18時間
、37℃でインキュベーションを続けた。化合物(0.01〜30μM)を、PDGF BB(1
00ng/ml)を加える前に15分間、ウエルに加え、インキュベーションを10分間、
37℃で続けた。その培地を排出し、50mlの新鮮な調製された溶菌緩衝液(20mM Tr
is(pH 7.3)、150mM NaCl、1% Triton X-100、1mM PMSF、1mMオルトバナジ
ン酸ナトリウム、10mg/mlアプロチニン及び10mg/mlロイペプチン)を各々のウ
エルに加え、そのプレートを激しく振とうして細胞ライゼートを
調製した。次にそのライゼートを、分析する前10分間、2600rpmで遠心すること
により透明にした。
分かれたマイクロタイタープレートにおいて、β PDGF レセプター細胞外ドメ
インに対するモノクローナル抗体1B5B11を、pH 8.0における23mM Tris、68mM Na
Cl、14mM重炭酸アンモニウム、及び0.01%アジ化ナトリウム中で18時間、4℃で
ウエル当り0.5mgの抗体をインキュベートすることにより固定化した。抗体固定
化した後、そのウエルを、25mM N−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン−N1
−(2−エタン硫酸)(HEPES)pH 7.6、100mM NaCl、及び0.2% Tween 20でブロ
ックし、直後に結合緩衝液(0.3%ゼラチンを有するブロッキング緩衝した)で1
:2に希釈された細胞ライゼートを加えた。その細胞ライゼートをβ−PDGFレセ
プターに対する固定化された抗体と共に、室温で2時間、インキュベートし、ウ
エルを200mlの洗浄緩衝液(PBS、0.01%Tween 20)で3回、洗浄した。β・PDGF
レセプターリン酸化のレベルを検出するため、ウサギ抗ホスホチロシン抗体(Up
state Biotechnology,Inc.,(UBI))を、1.25mg/mlで加え、37℃で1時間、イ
ンキュベートした。抗ホスホチロシン抗体の除去の後、そのプレートを1:1000
希釈におけるヤギ西洋ワサビ接合抗ウサギIgG(Boehringer Mannheim)と共にイ
ンキュベートし、その後ペルオキシダーゼ基質(ABTSTM)を加えた。マイクロタ
イタープレートリーダー(Molecular devices)を用いて産物形成を650nmでモニタ
ーした。
EGFレセプター自己リン酸化を、EGFレセプターを過剰発現するヒト乳腫瘍細胞
系のMDA MB 468細胞(ATCC # HTB 132)中で測定した。これらの細胞を、6ウエ
ルプレート中で密集になるまで増殖させ、18時間、無血清Pulbeccos Modified E
agle Medium(DMEM)中でインキュベートした。その細胞を15分間、種々の濃度の
化合物に露
出した後、37℃で10分間、EGF(100ng/ml)に露出した。その細胞をこすり落と
して、ライゼートを、HR5細胞について記載されるのと同じ緩衝液中で調製し、
その後、慣用的SDS-PAGEにより分画し、次にウエスタン・ブロット分析を行った
。これのために蛋白質をニトロセルロース上に移し、その膜をTris緩衝塩類溶液
、pH 7.0、0.1% Tween 20、5%ドライミルク中でブロックした。その膜を室温
で2時間、結合緩衝液(TBS、0.1% Tween 20;1%ドライミルク)中の抗−ホス
ホチロシン抗体(UBI、1μg/ml)でブロッティングした。ヤギ抗ウサギ西洋ワ
サビペルオキシダーゼ接合IgG(Boehringer Mannheim)を用いて検出を行った。
そのブロットをケミルミネセンスシステム(Amersham)を用いて進行させた。
FGFレセプー1自己リン酸化を測定するために、標準的技術を用いて CHO細胞
内でヒトFGFレセプター1cDNAを安定に過剰発現させた。これらの細胞を10%胎
児ウシ血清を有するRPMI中で集密になるまで増殖させ、その培地を無血清RPMIと
置き換えて、インキュベーションを18時間行った後、0.1〜30μMの濃度範囲に
おけるPTKインヒビター下又はその欠如下で37℃で10分間、βFGF(75mg/ml)で
刺激した。EGFレセプターアッセイで先に記載されたのと同じ条件下で細胞ライ
ゼートを調製した。ライゼートを、FGFレセプター1細胞外ドメインに対するモ
ノクローナル抗体(COR Therapeutics,South San Francisco,CAにおいて調製さ
れたもの)と共にインキュベートし、その免疫沈殿したレセプターをSDS-PAGE、
並びにEGFレセプターで記載されたのと同じ抗ホスホチロシン抗体でのウエスタ
ン・ブロット分析にかけた。
図1に示すように、化合物292は、IC50=6.2nM でβ PDGF レセプター自己リ
ン酸化を効果的に遮断し、200nM超の濃度で完全な阻害が観察された。これらの
結果をSDS-PAGE、及び抗ホスホチロシン
抗体を用いるHR5細胞のウエスタン・ブロット分析(不図示)により確認した。
スタウロスポリンは、先に記載される最も有効なPDGFレセプターチロシンキナー
ゼインヒビターである。直接比較すると、292はスタウロスポリンより10倍高い
能力、スタウロスポリンアナログ K252aより45倍高い能力であることが見い出さ
れた(以下の表2を参照のこと)。これらの結果は、292が完全な細胞におけるP
DGFレセプター自己リン酸化の極めて有効なインヒビターであることを証明し、
これは、この化合物が生体内で活性であろうこと、及び治療濃度が直ちに達成さ
れ得るはずであることを示す。
292がPDGFレセプターチロシンキナーゼを選択的に阻害するか否かを決定する
ために、その密接に関連した EGF及び FGFレセプターチロシンキナーゼへの効果
を測定した。驚くことに、EGF又はFGFレセプター自己リン酸化の検出可能な阻害
は約30μMにおける292の濃度において観察されず、EGFレセプターはK252a(IC50
=1mM)により阻害された(表2)。
src PTKファミリーは、これらの蛋白質がそれらの酵素チロシンキナーゼドメ
インにおいて60〜80%のアミノ酸同一性を有し、細胞増殖を導く細胞内シグナル
伝達も媒介するため、レセプター PTKに関連する。レセプター PTKと違い、src
蛋白質は細胞外及び膜貫通ドメインを含まず、それゆえ細胞外の刺激についてレ
セプターとして直接機能しない。292の特異性を更にテストするため、組換えc-s
rc(UBI catalog # 14-117)の活性を阻害する能力を測定した。このアッセイを96
ウエルマイクロタイタープレート形態に適合させるために、src−基質ペプチド
−2(UBI cat # 12-140)0.5mgを、23mM Tris(pH 8.0)、68mM NaCl、14mM重炭酸
アンモニウム及び0.01%ナトリウムアジド中に各々のウエルに加えた。ペプチド
固定化の後、それらのウエルを洗浄し、次に25mM HEPES pH 7.6、100mM Na
Cl、0.2% Tween 20でブロックした。50mM Tris(pH7);25mM MnCl2;5mM MnCl2
;0.05mM Na3VO4;100mM HEPES pH7;5%グリセリン及び0.05%ノニルフェノ
キシポリエトキシエタノール(NP-40)中の0.03〜30mMのテスト化合物、50mM ATP
及び10ユニットの c-srcの反応混合物 100mlを各々のウエルに加えることにより
、キナーゼ反応を開始した。37℃での20分のインキュベーションの後、10μlの
50%酢酸を加えることによりその反応を停止し、そのウエルを洗浄し、抗ホスホ
チロシン抗体を用いて、リン酸化PDGFレセプターの検出のために先に記載される
のと同じ条件下でチロシンリン酸化基質を検出した。化合物 292は、PDGFレセプ
ター自己リン酸化を阻害するのに必要とされるのより160倍高い濃度であるIC50
=1.0 μMで srcキナーゼを阻害した。他方、スタウロスポリン及びK252aは各
々70nM及び20nMのIC50値で srcキナーゼ活性を遮断した。これらの結果は、292
はPDGFレセプターキナーゼ活性を阻害するのに極めて選択的である一方、スタウ
ロスポリン及びK252aはsrcキナーゼ活性を阻害するのに同じ又はより高い能力を
有することを証明する。
スタウロスポリンがレセプターチロシンキナーゼを効果的に阻害するという事
実にかかわらず、スタウロスポリンは、それが潜在的にプロテインキナーゼC活
性を阻害するので、もとから発見されている。これは、プロテインキナーゼイン
ヒビターが種々のチロシンキナーゼ及びより明白に関連したセリン/トレオニン
キナーゼに対して広範囲の活性を有し得ることを証明する。292がセリン/トレ
オニンプロテインキナーゼを阻害し得る可能性を研究するために、製造元(UBI,
Cat # 17-112)により記載される条件下でのUBI's非放射能キナーゼアッセイを用
いてプロテインキナーゼA(PKA)及びプロテインキナーゼC(PKC)アッセイを行っ
た。0.025〜40μMの
範囲の濃度にわたって各々のこれらの化合物をテストすることにより、化合物 2
92をスタウロスポリン及びK252aと比較した。表2に示すように、化合物 292は
、PDGFレセプターキナーゼ活性を阻害するのに必要とされる濃度より6000倍超高
い40μMの濃度においてもPKC又は PKA活性のいずれも50%削減に達しなかった
。K252aは、PKAについて 70nM及びPKCについて100nMのIC50でこれらのセリン/
トレオニンキナーゼの最も効果的なインヒビターであることが見い出され、他方
スタウロスポリンはIC50=70〜80nMで両方のキナーゼを阻害した。これらの結果
は、スタウロスポリン及びK252aのようないくつかのキナーゼインヒビターは選
択性を欠如するが、292は他のレセプターチロシンキナーゼ、srcキナーゼ及びセ
リン/トレオニンキナーゼについてのものよりPDGFレセプターについて100倍超
高い選択性を有することを証明する。このような選択性は、アテローム硬化症、
特定の癌、糸球体腎炎及び血管形成後の再狭窄のような少くとも部分的にPDGFに
より媒介されると確信される病気の治療のための292の治療能力を増強する。
292による細胞増殖の阻害
PTKインヒビターの潜在的な治療利用性を測定するために過剰増殖障害を媒介
するのに関連する成長因子が原因である細胞増殖を遮
断するインヒビターの能力を証明することが重要である。糸球体腎炎、癌、アテ
ローム硬化症及び再狭窄のような病気においてPDGFに関連する文献において多く
の報告があるので、我々はPDGF誘導性細胞増殖を遮断する能力について292をテ
ストした。ヒト第1繊維芽細胞系、HS68(ATCC)を、DMEM中10%の胎児ウシ血清
を含む培地中、150,000細胞/ウエルにおいて96ウエル皿内にプレートした。そ
の細胞を、それらが集密して静止期になる時間である7〜10日間、37℃でインキ
ュベートした。化合物 292を5〜120nMの濃度範囲において添加し;30分後、50n
g/mlのPDGF BBを加えることによりその細胞を刺激して、18時間、37℃でインキ
ュベーションを続けた。細胞増殖のレベルを決定するために、各々のウエルに2
mCiの〔3H〕チミジンを加え、更に5時間、インキュベーションを続けた。次に
細胞を、0.2N NaOH、0.1% SDS中に溶かされた5%冷却トリクロロ酢酸(TCA)で
洗浄し、〔3H〕チミジンの組込みの量を測定した。慣用的に、未処理の細胞(
不図示)と比較して、PDGF BBで処理した細胞においてチミジン組込みの5〜10
倍増加が観察された。図2に示すように、化合物292は、16nMにおいて50%だけP
DGF BB誘導性チミジン組込みを遮断し、120nMにおいて細胞分裂促進性を完全に
阻害した。292のこれらの濃度はHR5細胞においてPDGFレセプターリン酸化を遮
断するのに必要とされるものに極めて密接に相関関係がある。
292が非特異的な抗増殖効果又は細胞毒性をおこすか否かを決定するために、
そのヒト細胞系(例えばATCCから得られるHS68,HS27,CCD18、及びWS1)の増
殖に対する効果を標準的組織培養条件下で測定した。0.01〜30μMの範囲の濃度
における292、スタウロスポリン又はK252aの欠如又は存在下において、96ウエル
マイクロタイタープレート(Falcon)中に3.5×103細胞/ウエルにおいて10
%胎児ウシ血清を含む標準的組織培養培地に細胞を散在的にシーディングした。
次にその細胞を96時間、標準的組織培養条件下で増殖させ、3.3%グルタルアル
デヒドで固定化して、H2Oで洗浄し、0.05%メチレンブルー(Sigma)で染色した。
染色した後、その細胞を洗浄し、その染色を3% HClで溶出し、プレート・リー
ダー(Molecular Devices)を用いて 665nMにおいて吸光度をモニターした。細
胞増殖の阻害の割合を、化合物の存在において観察された吸光度をインヒビター
の欠如下で得られた吸光度と比較することにより決定した。表3に示すように、
10μMまでの濃度における 292での処理の後、テストされたいずれの細胞系の細
胞増殖の減少も観察されず、30μMにおいてわずかな減少(10〜20%)がおこっ
たのみであった。対照的に、スタウロスポリンは10μMにおいて全ての細胞系の
増殖を完全に遮断し、K252aは、CCD18細胞が最もセンシティブであるが、1〜12
μMの範囲の濃度において50%だけ細胞増殖を阻害した。これらの結果は、非特
異的プロテインキナーゼインヒビターであるスタウロスポリンがキナーゼ活性を
阻害するのに必要とされるのと同じ濃度で非特異的な抗増殖的又は細胞毒性効果
も生ずることを証明した。他方、292は、これらの細胞のPDGF誘導性細胞増殖促
進性を遮断するのに必要とされるより1000倍高い濃度においても標準的組織培養
条件下でHS68細胞の増殖に対する効果を有さなかった。これらの結果は、治療効
果を達成するためのPDGFレセプターキナーゼの阻害は、細胞毒性効果を引きおこ
す濃度よりはるかに低い292濃度におこるはずであることを示す。
本明細書に言及される全ての出版物及び特許出願は、各々の個々の出版物又は
出願が引用により組み込まれて詳細かつ個々に示されるのと同じ程度まで引用に
より組み込まれる。
本発明は、本明細書に示され、記載される特定の実施形態に限られず、種々の
変更及び改良が以下の請求の範囲により規定されるこの新しい概念の要旨及び範
囲から離れることなく行われ得ることが理解されるはずである。
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE,
DK,ES,FR,GB,GR,IE,IT,LU,M
C,NL,PT,SE),AM,AT,AU,BB,B
G,BR,BY,CA,CH,CN,CZ,DE,DK
,EE,ES,FI,GB,GE,HU,IS,JP,
KE,KG,KP,KR,KZ,LK,LR,LT,L
U,LV,MD,MG,MN,MW,MX,NO,NZ
,PL,PT,RO,RU,SD,SE,SG,SI,
SK,TJ,TM,TT,UA,UG,UZ,VN
(72)発明者 ロッカー,ネザリー
アメリカ合衆国,カリフォルニア 94121,
サンフランシスコ,フォーティス アベニ
ュ 741
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1.プロテインキナーゼを阻害するための方法であって、 式: (ここで、R1は、H、低級アルキル、又は低級アルカノイルであり; R2は、H、低級アルキル、又は低級アルカノイルであり; R3及びR4は共にシス二重結合もしくは−O−を表すか、又はR3及びR4の各 々は独立してHもしくはORを表し; R5は=O,=S、又は−H,−ORを表し; R6及びR7は共に二重結合もしくは−O−を表すか、又はR6及びR7の各々は 独立してHもしくはORを表し; R8及びR9は共に二重結合もしくは−O−を表すか、又はR8及びR9の各々は 独立してHもしくはORを表し;そして 各々のRは独立して、H、低級アルキル、又は低級アルカノイルを表す) の分子に、プロテインキナーゼを含む組成物を接触させることを含むことを特 徴とする方法。 2.R1がCH3を表すことを特徴とする請求項1に記載の方法。 3.R2がHを表すことを特徴とする請求項1に記載の方法。 4.R3及びR4が二重結合を表すことを特徴とする請求項1に記載の方法。 5.R5が=Oを表すことを特徴とする請求項1に記載の方法。 6.R6及びR7各々がOHを表すことを特徴とする請求項1に記載の方法。 7.R8及びR9が二重結合を表すことを特徴とする請求項1に記載の方法。 8.R1がCH3を表し、R2がHを表し、R3及びR4が二重結合を表し、R5が= Oを表し、R6及びR7各々がOHを表し、そしてR8及びR9が二重結合を表すこと を特徴とする請求項1に記載の方法。 9.位置8における炭素がS配置を有し、位置9における炭素がS配置を有す ることを特徴とする請求項1に記載の方法。 10.位置3における炭素がS配置を有することを特徴とする請求項1に記載の 方法。 11.前記組成物が哺乳動物の体液を含むことを特徴とする請求項1に記載の方 法。 12.前記体液が血液又は血液画分であることを特徴とする請求項11に記載の方 法。 13.前記キナーゼがチロシンキナーゼであることを特徴とする請求項11に記載 の方法。 14.前記チロシンキナーゼがPDGFであることを特徴とする請求項11に記載の方 法。 15.前記方法が、前記インヒビターの存在及び欠如下における前記体液中のチ ロシンキナーゼ活性を測定するステップと、前記組成物中のチロシンキナーゼ又 はチロシンキナーゼのための基質の濃度に、前記キナーゼ活性を関連させるステ ップと、を更に含むことを 特徴とする請求項11に記載の方法。 16.前記接触が生体内でおこることを特徴とする請求項1に記載の方法。 17.式: (ここでR1は、H、低級アルキル、又は低級アルカノイルであり; R2はH、低級アルキル、又は低級アルカノイルであり; R3及びR4は共にシス二重結合もしくは−O−を表すか、又はR3及びR4の各 々は独立してHもしくはORを表し; R5は=O,=S、又は−H,−ORであり; R6及びR7は共に二重結合もしくは−O−を表すか、又はR6及びR7の各々は HもしくはORを表し; R8及びR9は共に二重結合もしくは−O−を表すか、又はR8及びR9は独立し てHもしくはORを表し;そして 各々のRは独立してH、低級アルキル、又は低級アルカノイルを表す) の化合物を、チロシンキナーゼを阻害するのに効果的な量において、医薬とし て許容される担体と共に含むことを特徴とする医薬組成物。 18.R1がCH3を表し、R2がHを表し、R3及びR4が二重結 合を表し、R5が=Oを表し、R6及びR7各々がOHを表し、R8及びR9が二重結 合を表すことを特徴とする請求項17に記載の組成物。 19.位置8における炭素がS配置を有し、位置9における炭素がS配置を有す ることを特徴とする請求項18に記載の組成物。 20.位置3における炭素がS配置を有することを特徴とする請求項19に記載の 組成物。 21.医薬として許容される担体中に請求項1に記載の化合物を含むことを特徴 とする哺乳動物におけるキナーゼ依存性の病気の制御のための医薬組成物。 22.キナーゼ依存性の病気を制御する量の請求項1に記載の化合物を、キナー ゼ依存性の病気を患う哺乳動物に投与することを含むことを特徴とするキナーゼ 依存性の病気を制御する方法。
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