JP2024511373A - がんのためのバイオマーカーおよびその使用 - Google Patents

がんのためのバイオマーカーおよびその使用 Download PDF

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Abstract

本開示は、がん(例えば、黒色腫)処置に対する応答を予測するため、がん患者に対する処置を選択するため(例えば標的治療を使用する、例えばBRAFを標的とする薬剤および/またはMEKを標的とする薬剤をがん免疫療法(例えば、抗PD-1療法)と組み合わせて使用する)、がん患者を異なる処置群に層別化するため、がん患者を処置するため、およびがんの臨床転帰を予測するためのバイオマーカーの使用に関する。

Description

関連出願への相互参照
本出願は、その内容が参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、2021年3月18日に出願された米国仮出願第63/162,964号の利益を主張する。
配列表
本出願は、ASCII形式で電子的に提出され、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる配列表を含む。前記ASCIIコピーは、2022年3月4日に作成され、C2160-7032WO_SL.txtという名称であり、サイズが51,904バイトである。
がんは、世界的に主要な死因であり、年間800万人を超える死者を占める。黒色腫は、色素産生細胞の制御不能な増殖から生じる悪性腫瘍である。黒色腫は、最も一般的ながんの1つであり、その有病率は上昇しており、皮膚がんによる死亡の大部分は黒色腫によるものである。
化学療法および放射線のような伝統的ながん治療とは別に、がんを処置するための新しい戦略が開発されている。その中には標的治療およびがん免疫学療法がある。がんは急速に成長および転移する可能性があり、検出できない播種性腫瘍細胞の存在により外科的切除だけでは治癒に十分ではない場合があるため、がん患者にとって適切な治療法を見つけることが重要である。がん治療の進歩にもかかわらず、黒色腫などの早期がんおよび進行がんでは、どちらの処置戦略も貴重な処置選択肢であるため、がん免疫療法および標的治療に対するレスポンダーを特定する必要性がある。
本開示は、がん処置、例えば黒色腫処置に対する応答を予測するための、処置をがん患者、例えば黒色腫患者のために選択するための、がん患者、例えば黒色腫患者を異なる処置群に層別化するための、がん患者、例えば黒色腫患者を処置するための、およびがん、例えば黒色腫を有する患者に関する臨床転帰を予測するためのバイオマーカーを提供する。
したがって、一態様では、本開示は、治療から利益を得る可能性が高いがんを有する患者を特定する方法を特徴とする。この方法は、対象における(例えば、対象からの試料中の)CD8+免疫エフェクター細胞(例えば、CD8+T細胞)のレベルまたは活性に対するCD4+免疫エフェクター細胞(例えば、CD4+T細胞)のレベルまたは活性の値を取得するステップであって、参照値よりも大きいかまたはそれに等しい値が、対象を治療から利益を得る可能性が高いものとして特定し、治療が、がん免疫療法と組み合わせて標的治療を含む、ステップを含む。
一部の実施形態では、対象は、がん免疫療法を用いない標的治療を含む治療と比較して、治療からの利益の増加を有する可能性が高い。
別の態様では、本開示は、がんを有する対象のために治療を選択する方法を特徴とする。この方法は、対象における(例えば、対象からの試料中の)CD8+免疫エフェクター細胞(例えば、CD8+T細胞)のレベルまたは活性に対するCD4+免疫エフェクター細胞(例えば、CD4+T細胞)のレベルまたは活性の値を取得するステップと、値が、参照値よりも大きいかまたはそれに等しい場合、がん免疫療法と組み合わせて標的治療を含む治療を対象のために選択するステップとを含む。
上記態様のいずれかの一部の実施形態では、本方法は、治療の有効量を対象に投与するステップ(例えば、投与を開始するステップまたは投与を継続するステップ)をさらに含む。上記態様のいずれかの一部の実施形態では、本方法は、治療の変更された投与レジメン(例えば、参照投与レジメンよりも高用量および/または高頻度の投与を含む投与レジメン)を対象に投与するステップをさらに含む。
上記態様のいずれかの一部の実施形態では、本方法は、対象への異なる治療の投与を中断するステップをさらに含む。
上記態様のいずれかの一部の実施形態では、本方法は、さらなる治療を対象に投与するステップをさらに含む。
一部の実施形態では、本方法は、前処置を対象に投与するステップであって、前処置が、対象における(例えば、対象からの試料中の)CD8+免疫エフェクター細胞(例えば、CD8+T細胞)のレベルまたは活性に対するCD4+免疫エフェクター細胞(例えば、CD4+T細胞)のレベルまたは活性の値を増加させる、ステップをさらに含む。
別の態様では、本開示は、がんを有する対象を処置する方法を特徴とする。一部の実施形態では、本方法は、対象における(例えば、対象からの試料中の)CD8+免疫エフェクター細胞(例えば、CD8+T細胞)のレベルまたは活性に対するCD4+免疫エフェクター細胞(例えば、CD4+T細胞)のレベルまたは活性の値が、参照値よりも大きいかまたはそれに等しいことを受けて、がん免疫療法と組み合わせて標的治療を含む治療の有効量を対象に投与し(例えば、投与を開始または投与を継続し)、それによってがんを有する対象を処置するステップを含む。
別の態様では、本開示は、がんを有する対象を処置する方法を特徴とする。一部の実施形態では、本方法は、対象における(例えば、対象からの試料中の)CD8+免疫エフェクター細胞(例えば、CD8+T細胞)のレベルまたは活性に対するCD4+免疫エフェクター細胞(例えば、CD4+T細胞)のレベルまたは活性の値を取得するステップと、値が、参照値よりも大きいかまたはそれに等しい場合、がん免疫療法と組み合わせて標的治療を含む治療の有効量を対象に投与し(例えば、投与を開始または投与を継続し)、それによってがんを有する対象を処置するステップとを含む。
別の態様では、本開示は、がんを有する対象を処置する方法を特徴とする。一部の実施形態では、本方法は、標的治療の有効量を対象に投与するステップ(例えば、投与を開始するステップまたは投与を継続するステップ)と;対象における(例えば、対象からの試料中の)CD8+免疫エフェクター細胞(例えば、CD8+T細胞)のレベルまたは活性に対するCD4+免疫エフェクター細胞(例えば、CD4+T細胞)のレベルまたは活性の値が、参照値よりも大きいかまたはそれに等しいことを受けて、がん免疫療法の有効量を対象に投与し(例えば、投与を開始または投与を継続し)、それによってがんを有する対象を処置するステップとを含む。
別の態様では、本開示は、がんを有する対象を処置する方法を特徴とする。一部の実施形態では、本方法は、がん免疫療法と組み合わせて標的治療を含む治療の有効量を対象に投与するステップ(例えば、投与を開始するステップまたは投与を継続するステップ)であって、投与前に、対象における(例えば、対象からの試料中の)CD8+免疫エフェクター細胞(例えば、CD8+T細胞)のレベルまたは活性に対するCD4+免疫エフェクター細胞(例えば、CD4+T細胞)のレベルまたは活性の値が、参照値よりも大きいかまたはそれに等しいことが決定されており、それによって、がんを有する対象を処置する、ステップを含む。
別の態様では、本開示は、がんを有する対象を処置する方法を特徴とする。一部の実施形態では、本方法は、がん免疫療法と組み合わせて標的治療を含む治療の有効量を対象に投与し(例えば、投与を開始または投与を継続し)、それによってがんを有する対象を処置するステップであって、対象は、対象における(例えば、対象からの試料中の)CD8+免疫エフェクター細胞(例えば、CD8+T細胞)のレベルまたは活性に対するCD4+免疫エフェクター細胞(例えば、CD4+T細胞)のレベルまたは活性の値が、参照値よりも大きいかまたはそれに等しいことを特徴とする)、ステップを含む。
一部の実施形態では、CD8+免疫エフェクター細胞(例えば、CD8+T細胞)のレベルまたは活性に対するCD4+免疫エフェクター細胞(例えば、CD4+T細胞)のレベルまたは活性の値は、例えば、本明細書で開示されているアッセイ、例えば、フローサイトメトリー免疫表現型検査によって測定した場合、CD8+免疫エフェクター細胞(例えば、CD8+T細胞)の量に対するCD4+免疫エフェクター細胞(例えば、CD4+T細胞)の量の比を含む。ある特定の実施形態では、値は、2よりも大きいかまたはそれに等しい(例えば、2.01)。ある特定の実施形態では、値は、2.5、3、3.5、4、4.5、5、5.5、6、6.5、7、7.5、8、8.5、9、9.5、もしくは10よりも大きいかまたはそれに等しい。ある特定の実施形態では、値は、3.3よりも大きいかまたはそれに等しい(例えば、3.34)。ある特定の実施形態では、値は、3.5、4、4.5、5、5.5、6、6.5、7、7.5、8、8.5、9、9.5、もしくは10よりも大きいかまたはそれに等しい。
一部の実施形態では、値を取得するステップは、対象における、例えば、対象からの試料中のCD8+免疫エフェクター細胞(例えば、CD8+T細胞)のレベルまたは活性に対するCD4+免疫エフェクター細胞(例えば、CD4+T細胞)のレベルまたは活性を決定することを含む。ある特定の実施形態では、対象からの試料は、血液試料(例えば、末梢血単核球(PBMC)を含む末梢血試料など)または腫瘍試料を含む。ある特定の実施形態では、値は、治療の投与が開始される前に取得される(例えば、ベースライン値である)。ある特定の実施形態では、値は、治療の投与が開始された後に取得される。ある特定の実施形態では、値は、治療の投与が開始された1、2、3、4、8、10、12、20、30、40週間後もしくはそれ以降または1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、12、14、16、18、20カ月後もしくはそれ以降に取得される。
一部の実施形態では、本方法は、対象における(例えば、対象からの試料中の)CD8+腫瘍浸潤リンパ球(TIL)、例えば、CD8+TIL炎症表現型を有する腫瘍のレベルまたは活性の値を取得するステップをさらに含む。ある特定の実施形態では、参照値と比較した場合のCD8+TILのレベルまたは活性の値の増加は、対象が治療から利益を得る可能性が高いことをさらに特定する。
一部の実施形態では、本方法は、対象における(例えば、対象からの試料中の)腫瘍遺伝子変異量(TMB)の値を取得するステップをさらに含む。ある特定の実施形態では、参照値と比較した場合のTMB値の増加は、対象が治療から利益を得る可能性が高いことをさらに特定する。
一部の実施形態では、TMBの値は、10mut/Mbよりも大きいかもしくはそれに等しく、例えば、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25mut/Mbよりも大きいかもしくはそれに等しく、またはそれよりも大きい。
一部の実施形態では、本方法は、対象における(例えば、対象からの試料中の)PD-L1のレベルおよび/または活性の値を取得するステップをさらに含む。ある特定の実施形態では、参照値と比較した場合のPD-L1のレベルおよび/または活性の値の減少は、例えば、参照値と比較した場合のTMB値の増加と共に、対象が治療から利益を得る可能性が高いことをさらに特定する。ある特定の実施形態では、がんは、PD-L1の発現が低いかまたは検出不能である。
一部の実施形態では、本方法は、対象における(例えば、対象からの試料中の)循環腫瘍DNA(ctDNA)の値を取得するステップをさらに含む。ある特定の実施形態では、参照値と比較した場合のctDNA値の増加は、対象が治療から利益を得る可能性が高いことをさらに特定する。
一部の実施形態では、治療から利益を得る可能性が高い対象、または治療からの利益の増加を有する可能性の高い対象は、治療から利益を得る可能性が低い対象、または治療からの利益の増加を有する可能性の低い対象と比較して、無増悪生存期間(PFS)、客観的奏効期間(DOR)、および/または全生存期間(OS)の改善を有する。一部の実施形態では、治療から利益を得る可能性が高い対象、または治療からの利益の増加を有する可能性の高い対象は、治療を受けなかった対象、または標的治療だけを受けたががん免疫療法を受けなかった対象と比較して、PFS、DOR、および/またはOSの改善を有する。ある特定の実施形態では、PFS、DOR、および/またはOSは、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、18、24、30、36、42、48、54、60カ月まで、またはそれより長く改善される。ある特定の実施形態では、PFS、DOR、および/またはOSは、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、もしくは90%、または1、2、3、4、5、6、7、8、9、10倍、またはそれより大きく改善される。
一部の実施形態では、対象は、標的治療で処置されたか、または処置されている。
一部の実施形態では、対象は、標的治療で処置されなかったか、または処置されていない。
一部の実施形態では、対象は、がん免疫療法を受けたか、または受けている。
一部の実施形態では、対象は、がん免疫療法を受けなかったか、または受けていない。
一部の実施形態では、対象は、がん免疫療法と組み合わせて標的治療を含む治療を受けたか、または受けている。
一部の実施形態では、対象は、がん免疫療法と組み合わせて標的治療を含む治療を受けなかったか、または受けていない。
一部の実施形態では、対象は、標的治療を受けたか、または受けており、がんは再発した。
一部の実施形態では、対象は、標的治療に対するノンレスポンダーであるか、または標的治療に対するノンレスポンダーとして特定されている。
一部の実施形態では、対象は、標的治療に対するパーシャルレスポンダーであるか、または標的治療に対するパーシャルレスポンダーとして特定されている。
一部の実施形態では、標的治療は、BRAFを標的とする薬剤および/またはMEKを標的とする薬剤を含む。ある特定の実施形態では、標的治療は、BRAFを標的とする薬剤またはMEKを標的とする薬剤を含む。ある特定の実施形態では、BRAFを標的とする薬剤は、BRAF阻害剤である。ある特定の実施形態では、BRAFを標的とする薬剤は、野生型BRAFおよび/またはV600変異(例えば、V600E変異またはV600K変異)を有するBRAFを阻害する。ある特定の実施形態では、BRAFを標的とする薬剤は、ダブラフェニブ、ベムラフェニブ、エンコラフェニブ、ABM-1310、ARQ 736、ASN003、BGB-283、BGB-3245、CEP-32496、GDC-0879、LUT014、PLX4720、PLX8394、RO5212054、またはその薬学的に許容される塩である。ある特定の実施形態では、BRAFを標的とする薬剤は、ダブラフェニブである。ある特定の実施形態では、BRAFを標的とする薬剤は、ベムラフェニブである。ある特定の実施形態では、BRAFを標的とする薬剤(例えば、ダブラフェニブ)は、25mg~300mgの間の用量で(例えば、50mg~250mgの間または100mg~200mgの間の用量で)、例えば1日に2回、投与される(例えば、経口的に)。ある特定の実施形態では、MEKを標的とする薬剤は、MEK阻害剤である。ある特定の実施形態では、MEKを標的とする薬剤は、トラメチニブ、コビメチニブ、ビニメチニブ、ミルダメチニブ、ピマセルチブ、レファメチニブ、セルメチニブ、AS703988、AZD 8330、BI 847325、BIX 02188、BIX 02189、CI-1040、CS3006、E6201、FCN-159、G-38963、GDC-0623、HL-085、PD 98059、RO4987655、RO5126766、SHR 7390、TAK-733、U0126、WX-554、またはその薬学的に許容される塩である。ある特定の実施形態では、MEKを標的とする薬剤は、トラメチニブである。ある特定の実施形態では、MEKを標的とする薬剤は、コビメチニブである。ある特定の実施形態では、MEKを標的とする薬剤(例えば、トラメチニブ)は、0.1mg~5mgの間の用量で(例えば、0.5mg~4mgの間または1mg~3mgの間の用量で、例えば、2mgの用量で)、例えば1日に1回、投与される(例えば、経口的に)。ある特定の実施形態では、BRAFを標的とする薬剤はダブラフェニブであり、MEKを標的とする薬剤はトラメチニブである。ある特定の実施形態では、BRAFを標的とする薬剤はベムラフェニブであり、MEKを標的とする薬剤はコビメチニブである。
一部の実施形態では、がん免疫療法は、PD-1またはPD-L1結合アンタゴニストを含む。
一部の実施形態では、がん免疫療法は、PD-1阻害剤を含む。
一部の実施形態では、がん免疫療法は、抗PD-1抗体分子を含む。ある特定の実施形態では、抗PD-1抗体分子は、それぞれ表1に開示されている、配列番号501のVHCDR1アミノ酸配列、配列番号502のVHCDR2アミノ酸配列、および配列番号503のVHCDR3アミノ酸配列を含む重鎖可変領域(VH);ならびに配列番号510のVLCDR1アミノ酸配列、配列番号511のVLCDR2アミノ酸配列、および配列番号512のVLCDR3アミノ酸配列を含む軽鎖可変領域(VL)を含む。ある特定の実施形態では、抗PD-1抗体分子は、配列番号506のアミノ酸配列、あるいは配列番号506に対して少なくとも85%、90%、95%、もしくは99%同一であるかまたはそれより高い割合で同一であるアミノ酸配列を含むVHを含む。ある特定の実施形態では、抗PD-1抗体分子は、配列番号520のアミノ酸配列、あるいは配列番号520に対して少なくとも85%、90%、95%、もしくは99%同一であるかまたはそれより高い割合で同一であるアミノ酸配列を含むVLを含む。ある特定の実施形態では、抗PD-1抗体分子は、配列番号516のアミノ酸配列、あるいは配列番号516に対して少なくとも85%、90%、95%、もしくは99%同一であるかまたはそれより高い割合で同一であるアミノ酸配列を含むVLを含む。ある特定の実施形態では、抗PD-1抗体分子は、配列番号506のアミノ酸配列を含むVHおよび配列番号520のアミノ酸配列を含むVLを含む。ある特定の実施形態では、抗PD-1抗体分子は、配列番号506のアミノ酸配列を含むVHおよび配列番号516のアミノ酸配列を含むVLを含む。ある特定の実施形態では、抗PD-1抗体分子は、配列番号508のアミノ酸配列、あるいは配列番号508に対して少なくとも85%、90%、95%、もしくは99%同一であるかまたはそれより高い割合で同一であるアミノ酸配列を含む重鎖を含む。ある特定の実施形態では、抗PD-1抗体分子は、配列番号522のアミノ酸配列、あるいは配列番号522に対して少なくとも85%、90%、95%、もしくは99%同一であるかまたはそれより高い割合で同一であるアミノ酸配列を含む軽鎖を含む。ある特定の実施形態では、抗PD-1抗体分子は、配列番号518のアミノ酸配列、あるいは配列番号518に対して少なくとも85%、90%、95%、もしくは99%同一であるかまたはそれより高い割合で同一であるアミノ酸配列を含む軽鎖を含む。ある特定の実施形態では、抗PD-1抗体分子は、配列番号508のアミノ酸配列を含む重鎖および配列番号522のアミノ酸配列を含む軽鎖を含む。ある特定の実施形態では、抗PD-1抗体分子は、配列番号508のアミノ酸配列を含む重鎖および配列番号518のアミノ酸配列を含む軽鎖を含む。ある特定の実施形態では、抗PD-1抗体分子は、約300mg~400mgの用量で、3週間に1回または4週間に1回(例えば、約400mgで4週間に1回)対象に投与される。
一部の実施形態では、がん免疫療法は、第2のがん免疫治療剤(例えば、本明細書に記載のがん免疫治療剤)を含む。
一部の実施形態では、がんは、固形腫瘍、血液がん(例えば、白血病、リンパ腫、または骨髄腫)、またはその転移巣である。ある特定の実施形態では、がんは、黒色腫またはその転移巣である。ある特定の実施形態では、黒色腫は、ステージIの黒色腫、ステージIIの黒色腫、ステージIIIの黒色腫、またはステージIVの黒色腫である。ある特定の実施形態では、がんは、黒色腫以外のがんである。ある特定の実施形態では、がんは、肺がん(例えば、非小細胞肺がん)、膵臓がん、もしくは結腸直腸がん、またはその転移巣である。ある特定の実施形態では、がんは、BRAFを標的とする薬剤および/またはMEKを標的とする薬剤に対して難治性である。ある特定の実施形態では、がん(例えば、黒色腫)は、BRAF変異を含む。ある特定の実施形態では、BRAF変異は、V600変異である。ある特定の実施形態では、V600変異は、V600EまたはV600K変異である。
一部の実施形態では、本方法は、さらなる治療を対象に投与するステップをさらに含む(例えば、対象への前処置(例えば、対象におけるCD8+免疫エフェクター細胞(例えば、CD8+T細胞)のレベルまたは活性に対するCD4+免疫エフェクター細胞(例えば、CD4+T細胞)のレベルまたは活性の値を増加させるための))。ある特定の実施形態では、治療は、ファーストライン、セカンドライン、サードライン、もしくはフォースラインまたはそれを超える処置である。ある特定の実施形態では、治療は、アジュバント処置である。ある特定の実施形態では、治療は、ネオアジュバント処置である。
一部の実施形態では、本方法は、例えば本明細書に記載されているTIL、PD-L1、CD8、IFNγ、またはT細胞炎症遺伝子発現シグネチャーを含む免疫活性化のレベルおよび/または活性の値を取得するステップを含む。
別の態様では、本開示は、治療から利益を得る可能性が高いがんを有する対象を特定する方法を特徴とする。この方法は、対象における(例えば、対象からの試料中の)CD8+免疫エフェクター細胞(例えば、CD8+T細胞)のレベルまたは活性に対するCD4+免疫エフェクター細胞(例えば、CD4+T細胞)のレベルまたは活性の値を取得するステップであって、参照値よりも小さい値が、対象を治療から利益を得る可能性が高いものとして特定し、治療が、標的治療(例えば、がん免疫療法を用いない)を含む、ステップを含む。一部の実施形態では、対象は、がん免疫療法と組み合わせて標的治療を含む治療からの利益の実質的な増加を有する可能性が低い。
別の態様では、本開示は、治療をがんを有する対象のために選択する方法を特徴とする。一部の実施形態では、本方法は、対象における(例えば、対象からの試料中の)CD8+免疫エフェクター細胞(例えば、CD8+T細胞)のレベルまたは活性に対するCD4+免疫エフェクター細胞(例えば、CD4+T細胞)のレベルまたは活性の値を取得するステップと、値が、参照値よりも小さい場合、標的治療(例えば、がん免疫療法を用いない)を含む治療を対象のために選択するステップとを含む。
一部の実施形態では、本方法は、治療の有効量を対象に投与するステップ(例えば、投与を開始するステップまたは投与を継続するステップ)をさらに含む。
一部の実施形態では、本方法は、治療の変更された投与レジメン(例えば、参照投与レジメンよりも高用量および/または高頻度の投与を含む投与レジメン)を対象に投与するステップをさらに含む。
一部の実施形態では、本方法は、対象への異なる治療の投与を中断するステップをさらに含む。
一部の実施形態では、本方法は、さらなる治療を対象に投与するステップをさらに含む。
一部の実施形態では、本方法は、前処置を対象に投与するステップであって、前処置が、対象における(例えば、対象からの試料中の)CD8+免疫エフェクター細胞(例えば、CD8+T細胞)のレベルまたは活性に対するCD4+免疫エフェクター細胞(例えば、CD4+T細胞)のレベルまたは活性の値を増加させる、ステップをさらに含む。
別の態様では、本開示は、がんを有する対象を処置する方法を特徴とする。一部の実施形態では、本方法は、対象における(例えば、対象からの試料中の)CD8+免疫エフェクター細胞(例えば、CD8+T細胞)のレベルまたは活性に対するCD4+免疫エフェクター細胞(例えば、CD4+T細胞)のレベルまたは活性の値が、参照値よりも小さいことを受けて、標的治療(例えば、がん免疫療法を用いない)を含む治療の有効量を対象に投与し(例えば、投与を開始または投与を継続し)、それによってがんを有する対象を処置するステップを含む。
別の態様では、本開示は、がんを有する対象を処置する方法を特徴とする。この方法は、対象における(例えば、対象からの試料中の)CD8+免疫エフェクター細胞(例えば、CD8+T細胞)のレベルまたは活性に対するCD4+免疫エフェクター細胞(例えば、CD4+T細胞)のレベルまたは活性の値を取得するステップと、値が、参照値よりも小さい場合、標的治療(例えば、がん免疫療法を用いない)を含む治療の有効量を対象に投与し(例えば、投与を開始または投与を継続し)、それによってがんを有する対象を処置するステップとを含む。
別の態様では、本開示は、がんを有する対象を処置する方法を特徴とする。この方法は、がん免疫療法と組み合わせて標的治療を含む治療の有効量を対象に投与するステップ(例えば、投与を開始するステップまたは投与を継続するステップ)と;対象における(例えば、対象からの試料中の)CD8+免疫エフェクター細胞(例えば、CD8+T細胞)のレベルまたは活性に対するCD4+免疫エフェクター細胞(例えば、CD4+T細胞)のレベルまたは活性の値が、参照値よりも小さいことを受けて、標的治療(例えば、がん免疫療法を用いない)の有効量を対象に投与し(例えば、投与を開始または投与を継続し)、それによってがんを有する対象を処置するステップとを含む。
別の態様では、本開示は、がんを有する対象を処置する方法を特徴とする。この方法は、標的治療(例えば、がん免疫療法を用いない)を含む治療の有効量を対象に投与するステップ(例えば、投与を開始するステップまたは投与を継続するステップ)であって、投与前に、対象における(例えば、対象からの試料中の)CD8+免疫エフェクター細胞(例えば、CD8+T細胞)のレベルまたは活性に対するCD4+免疫エフェクター細胞(例えば、CD4+T細胞)のレベルまたは活性の値が、参照値よりも小さいことが決定されており、それによって、がんを有する対象を処置する、ステップを含む。
別の態様では、本開示は、がんを有する対象を処置する方法を特徴とする。この方法は、標的治療(例えば、がん免疫療法を用いない)を含む治療の有効量を対象に投与し(例えば、投与を開始または投与を継続し)、それによってがんを有する対象を処置するステップであって、対象は、対象における(例えば、対象からの試料中の)CD8+免疫エフェクター細胞(例えば、CD8+T細胞)のレベルまたは活性に対するCD4+免疫エフェクター細胞(例えば、CD4+T細胞)のレベルまたは活性の値が、参照値よりも小さいことを特徴とする)、ステップを含む。
一部の実施形態では、CD8+免疫エフェクター細胞(例えば、CD8+T細胞)のレベルまたは活性に対するCD4+免疫エフェクター細胞(例えば、CD4+T細胞)のレベルまたは活性の値は、例えば、本明細書で開示されているアッセイ、例えば、フローサイトメトリー免疫表現型検査によって測定した場合、CD8+免疫エフェクター細胞(例えば、CD8+T細胞)の量に対するCD4+免疫エフェクター細胞(例えば、CD4+T細胞)の量の比を含む。ある特定の実施形態では、値は、約3.3未満(例えば、3.34未満)である。ある特定の実施形態では、値は、約3、2.5、2、1.5、1、または0.5未満である。ある特定の実施形態では、値は、約2未満(例えば、2.01未満)である。ある特定の実施形態では、値は、約1.5、1、または0.5未満である。
一部の実施形態では、値を取得するステップは、対象における、例えば、対象からの試料中のCD8+免疫エフェクター細胞(例えば、CD8+T細胞)のレベルまたは活性に対するCD4+免疫エフェクター細胞(例えば、CD4+T細胞)のレベルまたは活性を決定することを含む。ある特定の実施形態では、対象からの試料は、血液試料(例えば、末梢血単核球(PBMC)を含む末梢血試料など)または腫瘍試料を含む。ある特定の実施形態では、値は、治療の投与が開始される前に取得される(例えば、ベースライン値である)。ある特定の実施形態では、値は、治療の投与が開始された後に取得される。ある特定の実施形態では、値は、治療の投与が開始された1、2、3、4、8、10、12、20、30、40週間後もしくはそれ以降または1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、12、14、16、18、20カ月後もしくはそれ以降に取得される。
一部の実施形態では、本方法は、対象における(例えば、対象からの試料中の)TMBの値を取得するステップをさらに含む。ある特定の実施形態では、参照値と比較した場合のTMBの値の減少は、対象が治療(例えば、がん免疫療法を用いない)から利益を得る可能性が高いことをさらに特定する。ある特定の実施形態では、参照値と比較した場合のTMBの値の減少は、対象が、がん免疫療法と組み合わせて標的治療を含む治療からの利益の実質的な増加を有する可能性が低いことをさらに特定する。ある特定の実施形態では、TMBの値は、10mut/Mb未満、例えば、9、8、7、6、5、4、3、2、もしくは1mut/Mb未満、またはそれよりも小さい。
一部の実施形態では、本方法は、対象における(例えば、対象からの試料中の)PD-L1のレベルおよび/または活性の値を取得するステップをさらに含む。ある特定の実施形態では、PD-L1のレベルおよび/または活性の値の減少は、例えば、TMBの値の減少と共に、対象が治療(例えば、がん免疫療法を用いない)から利益を得る可能性が高いことをさらに特定する。ある特定の実施形態では、PD-L1のレベルおよび/または活性の値の減少は、例えば、TMBの値の減少と共に、対象が、がん免疫療法と組み合わせて標的治療を含む治療からの利益の実質的な増加を有する可能性が低いことをさらに特定する。ある特定の実施形態では、がんは、PD-L1の発現が低いかまたは検出不能である。
一部の実施形態では、対象は、標的治療で処置されたか、または処置されている。
一部の実施形態では、対象は、標的治療で処置されなかったか、または処置されていない。
一部の実施形態では、対象は、がん免疫療法を受けたか、または受けている。
一部の実施形態では、対象は、がん免疫療法を受けなかったか、または受けていない。
一部の実施形態では、対象は、がん免疫療法と組み合わせて標的治療を含む治療を受けたか、または受けている。
一部の実施形態では、対象は、がん免疫療法と組み合わせて標的治療を含む治療を受けなかったか、または受けていない。
一部の実施形態では、対象は、標的治療を受けたか、または受けており、がんは再発した。
一部の実施形態では、対象は、標的治療に対するノンレスポンダーであるか、または標的治療に対するノンレスポンダーとして特定されている。
一部の実施形態では、対象は、標的治療に対するパーシャルレスポンダーであるか、または標的治療に対するパーシャルレスポンダーとして特定されている。
一部の実施形態では、標的治療は、BRAFを標的とする薬剤および/またはMEKを標的とする薬剤を含む。ある特定の実施形態では、標的治療は、BRAFを標的とする薬剤またはMEKを標的とする薬剤を含む。ある特定の実施形態では、BRAFを標的とする薬剤は、BRAF阻害剤である。ある特定の実施形態では、BRAFを標的とする薬剤は、野生型BRAFおよび/またはV600変異(例えば、V600E変異またはV600K変異)を有するBRAFを阻害する。ある特定の実施形態では、BRAFを標的とする薬剤は、ダブラフェニブ、ベムラフェニブ、エンコラフェニブ、ABM-1310、ARQ 736、ASN003、BGB-283、BGB-3245、CEP-32496、GDC-0879、LUT014、PLX4720、PLX8394、RO5212054、またはその薬学的に許容される塩である。ある特定の実施形態では、BRAFを標的とする薬剤は、ダブラフェニブである。ある特定の実施形態では、BRAFを標的とする薬剤は、ベムラフェニブである。ある特定の実施形態では、BRAFを標的とする薬剤(例えば、ダブラフェニブ)は、25mg~300mgの間(例えば、50mg~250mgの間または100mg~200mgの間、例えば、150mg)の用量で、例えば、1日に2回、投与される(例えば、経口的に)。ある特定の実施形態では、MEKを標的とする薬剤は、MEK阻害剤である。ある特定の実施形態では、MEKを標的とする薬剤は、トラメチニブ、コビメチニブ、ビニメチニブ、ミルダメチニブ、ピマセルチブ、レファメチニブ、セルメチニブ、AS703988、AZD 8330、BI 847325、BIX 02188、BIX 02189、CI-1040、CS3006、E6201、FCN-159、G-38963、GDC-0623、HL-085、PD 98059、RO4987655、RO5126766、SHR 7390、TAK-733、U0126、WX-554、またはその薬学的に許容される塩である。ある特定の実施形態では、MEKを標的とする薬剤は、トラメチニブである。ある特定の実施形態では、MEKを標的とする薬剤は、コビメチニブである。ある特定の実施形態では、MEKを標的とする薬剤(例えば、トラメチニブ)は、0.1mg~5mgの間の用量で(例えば、0.5mg~4mgの間または1mg~3mgの間の用量で、例えば、2mgの用量で)、例えば、1日に1回、投与される(例えば、経口的に)。ある特定の実施形態では、BRAFを標的とする薬剤はダブラフェニブであり、MEKを標的とする薬剤はトラメチニブである。ある特定の実施形態では、BRAFを標的とする薬剤はベムラフェニブであり、MEKを標的とする薬剤はコビメチニブである。
一部の実施形態では、がん免疫療法は、PD-1またはPD-L1結合アンタゴニストを含む。
一部の実施形態では、がん免疫療法は、PD-1阻害剤を含む。
一部の実施形態では、がん免疫療法は、抗PD-1抗体分子を含む。ある特定の実施形態では、抗PD-1抗体分子は、それぞれ表1に開示されている、配列番号501のVHCDR1アミノ酸配列、配列番号502のVHCDR2アミノ酸配列、および配列番号503のVHCDR3アミノ酸配列を含む重鎖可変領域(VH);ならびに配列番号510のVLCDR1アミノ酸配列、配列番号511のVLCDR2アミノ酸配列、および配列番号512のVLCDR3アミノ酸配列を含む軽鎖可変領域(VL)を含む。ある特定の実施形態では、抗PD-1抗体分子は、配列番号506のアミノ酸配列、あるいは配列番号506に対して少なくとも85%、90%、95%、もしくは99%同一であるかまたはそれより高い割合で同一であるアミノ酸配列を含むVHを含む。ある特定の実施形態では、抗PD-1抗体分子は、配列番号520のアミノ酸配列、あるいは配列番号520に対して少なくとも85%、90%、95%、もしくは99%同一であるかまたはそれより高い割合で同一であるアミノ酸配列を含むVLを含む。ある特定の実施形態では、抗PD-1抗体分子は、配列番号516のアミノ酸配列、あるいは配列番号516に対して少なくとも85%、90%、95%、もしくは99%同一であるかまたはそれより高い割合で同一であるアミノ酸配列を含むVLを含む。ある特定の実施形態では、抗PD-1抗体分子は、配列番号506のアミノ酸配列を含むVHおよび配列番号520のアミノ酸配列を含むVLを含む。ある特定の実施形態では、抗PD-1抗体分子は、配列番号506のアミノ酸配列を含むVHおよび配列番号516のアミノ酸配列を含むVLを含む。ある特定の実施形態では、抗PD-1抗体分子は、配列番号508のアミノ酸配列、あるいは配列番号508に対して少なくとも85%、90%、95%、もしくは99%同一であるかまたはそれより高い割合で同一であるアミノ酸配列を含む重鎖を含む。ある特定の実施形態では、抗PD-1抗体分子は、配列番号522のアミノ酸配列、あるいは配列番号522に対して少なくとも85%、90%、95%、もしくは99%同一であるかまたはそれより高い割合で同一であるアミノ酸配列を含む軽鎖を含む。ある特定の実施形態では、抗PD-1抗体分子は、配列番号518のアミノ酸配列、あるいは配列番号518に対して少なくとも85%、90%、95%、もしくは99%同一であるかまたはそれより高い割合で同一であるアミノ酸配列を含む軽鎖を含む。ある特定の実施形態では、抗PD-1抗体分子は、配列番号508のアミノ酸配列を含む重鎖および配列番号522のアミノ酸配列を含む軽鎖を含む。ある特定の実施形態では、抗PD-1抗体分子は、配列番号508のアミノ酸配列を含む重鎖および配列番号518のアミノ酸配列を含む軽鎖を含む。ある特定の実施形態では、抗PD-1抗体分子は、約300mg~400mgの用量で、3週間に1回または4週間に1回(例えば、約400mgで4週間に1回)対象に投与される。
一部の実施形態では、がん免疫療法は、第2のがん免疫治療剤(例えば、本明細書に記載のがん免疫治療剤)を含む。
一部の実施形態では、がんは、固形腫瘍、血液がん(例えば、白血病、リンパ腫、または骨髄腫)、またはその転移巣である。ある特定の実施形態では、がんは、黒色腫またはその転移巣である。ある特定の実施形態では、黒色腫は、ステージIの黒色腫、ステージIIの黒色腫、ステージIIIの黒色腫、またはステージIVの黒色腫である。ある特定の実施形態では、がんは、黒色腫以外のがんである。ある特定の実施形態では、がんは、肺がん(例えば、非小細胞肺がん)、膵臓がん、もしくは結腸直腸がん、またはその転移巣である。
一部の実施形態では、がんは、BRAFを標的とする薬剤および/またはMEKを標的とする薬剤に対して難治性である。
一部の実施形態では、がん(例えば、黒色腫)は、BRAF変異を含む。ある特定の実施形態では、BRAF変異は、V600変異である。ある特定の実施形態では、V600変異は、V600EまたはV600K変異である。
一部の実施形態では、本方法は、さらなる治療を対象に投与するステップをさらに含む(例えば、対象への前処置(例えば、対象におけるCD8+免疫エフェクター細胞(例えば、CD8+T細胞)のレベルまたは活性に対するCD4+免疫エフェクター細胞(例えば、CD4+T細胞)のレベルまたは活性の値を増加させるための))。ある特定の実施形態では、治療は、ファーストライン、セカンドライン、サードライン、もしくはフォースラインまたはそれを超える処置である。ある特定の実施形態では、治療は、アジュバント処置である。ある特定の実施形態では、治療は、ネオアジュバント処置である。
一部の実施形態では、本方法は、例えば本明細書に記載されているTIL、PD-L1、CD8、IFNγ、またはT細胞炎症遺伝子発現シグネチャーを含む免疫活性化のレベルおよび/または活性の値を取得するステップを含む。
別の態様では、本開示は、がんを有する対象を第1の群と第2の群に層別化する方法を特徴とする。この方法は、対象における(例えば、対象からの試料中の)CD8+免疫エフェクター細胞(例えば、CD8+T細胞)のレベルまたは活性に対するCD4+免疫エフェクター細胞(例えば、CD4+T細胞)のレベルまたは活性の値を取得するステップと、参照値よりも小さい値を有する対象を、標的治療(例えば、がん免疫療法を用いない)を含む治療から利益を得る可能性が高い第1の群に割り当てるステップと、参照値よりも大きいかまたはそれに等しい値を有する対象を、がん免疫療法と組み合わせて標的治療を含む治療から利益を得る可能性が高い第2の群に割り当てるステップとを含む。
別の態様では、本開示は、がんを有する対象を第1の群と第2の群に層別化して治療を選択する方法を特徴とする。この方法は、対象における(例えば、対象からの試料中の)CD8+免疫エフェクター細胞(例えば、CD8+T細胞)のレベルまたは活性に対するCD4+免疫エフェクター細胞(例えば、CD4+T細胞)のレベルまたは活性の値を取得するステップであって、参照値よりも小さい値により、対象が、標的治療を含む治療(例えば、がん免疫療法を用いない)から利益を得る可能性が高い第1の群のメンバーとして特定され、参照値よりも大きいかまたはそれに等しい値により、対象が、免疫療法と組み合わせて標的治療を含む治療から利益を得る可能性が高い第2の群のメンバーとして特定される、ステップを含む。
一部の実施形態では、本方法は、治療の有効量を対象に投与するステップ(例えば、投与を開始するステップまたは投与を継続するステップ)をさらに含む。
一部の実施形態では、本方法は、治療の変更された投与レジメン(例えば、参照投与レジメンよりも高用量および/または高頻度の投与を含む投与レジメン)を対象に投与するステップをさらに含む。
一部の実施形態では、本方法は、対象への異なる治療の投与を中断するステップをさらに含む。
一部の実施形態では、本方法は、さらなる治療を対象に投与するステップをさらに含む。
一部の実施形態では、本方法は、前処置を対象に投与するステップであって、前処置が、対象における(例えば、対象からの試料中の)CD8+免疫エフェクター細胞(例えば、CD8+T細胞)のレベルまたは活性に対するCD4+免疫エフェクター細胞(例えば、CD4+T細胞)のレベルまたは活性の値を増加させる、ステップをさらに含む。
別の態様では、本開示は、がんを有する対象を処置する方法を特徴とする。一部の実施形態では、本方法は、対象における(例えば、対象からの試料中の)CD8+免疫エフェクター細胞(例えば、CD8+T細胞)のレベルまたは活性に対するCD4+免疫エフェクター細胞(例えば、CD4+T細胞)のレベルまたは活性の値を受けて、標的治療(例えば、がん免疫療法を用いない)を含む治療の有効量を、参照値よりも小さい値を有する対象に投与するか(例えば、投与を開始または投与を継続するか);またはがん免疫療法と組み合わせて標的治療を含む治療の有効量を、参照値よりも大きいかもしくはそれに等しい値を有する対象に投与し(例えば、投与を開始または投与を継続し)、それによってがんを有する対象を処置するステップを含む。
別の態様では、本開示は、がんを有する対象を処置する方法を特徴とする。この方法は、対象における(例えば、対象からの試料中の)CD8+免疫エフェクター細胞(例えば、CD8+T細胞)のレベルまたは活性に対するCD4+免疫エフェクター細胞(例えば、CD4+T細胞)のレベルまたは活性の値を取得するステップと;標的治療(例えば、がん免疫療法を用いない)を含む治療の有効量を、参照値よりも小さい値を有する対象に投与するか(例えば、投与を開始または投与を継続するか);またはがん免疫療法と組み合わせて標的治療を含む治療の有効量を、参照値よりも大きいかもしくはそれに等しい値を有する対象に投与し(例えば、投与を開始または投与を継続し)、それによってがんを有する対象を処置するステップとを含む。
別の態様では、本開示は、がんを有する対象を処置する方法を特徴とする。この方法は、標的治療(例えば、がん免疫療法を用いない)を含む治療の有効量を対象に投与するステップ(例えば、投与を開始するステップまたは投与を継続するステップ)と;対象における(例えば、対象からの試料中の)CD8+免疫エフェクター細胞(例えば、CD8+T細胞)のレベルもしくは活性に対するCD4+免疫エフェクター細胞(例えば、CD4+T細胞)のレベルもしくは活性の値を受けて、標的治療(例えば、がん免疫療法を用いない)を含む治療を、参照値よりも小さい値を有する対象に投与するか(例えば、投与を開始または投与を継続するか)、またはがん免疫療法と組み合わせて標的治療を含む治療を、参照値よりも大きいかもしくはそれに等しい値を有する対象に投与し(例えば、投与を開始または投与を継続し)、それによってがんを有する対象を処置するステップとを含む。
別の態様では、本開示は、がんを有する対象を処置する方法を特徴とする。一部の実施形態では、本方法は、(a)標的治療(例えば、がん免疫療法を用いない)であって、投与前に、対象における(例えば、対象からの試料中の)CD8+免疫エフェクター細胞(例えば、CD8+T細胞)のレベルもしくは活性に対するCD4+免疫エフェクター細胞(例えば、CD4+T細胞)のレベルもしくは活性の値が参照値よりも小さいことが決定されている、標的治療;または(b)がん免疫療法と組み合わせた標的治療であって、投与前に、対象における(例えば、対象からの試料中の)CD8+免疫エフェクター細胞(例えば、CD8+T細胞)のレベルもしくは活性に対するCD4+免疫エフェクター細胞(例えば、CD4+T細胞)のレベルもしくは活性の値が参照値よりも大きいかもしくはそれに等しいことが決定されている、標的治療を含む治療の有効量を対象に投与し、それによって、がんを有する対象を処置するステップを含む。
別の態様では、本開示は、がんを有する対象を処置する方法を特徴とする。一部の態様では、本方法は、(a)対象への標的治療(例えば、がん免疫療法を用いない)であって、対象が、対象における(例えば、対象からの試料中の)CD8+免疫エフェクター細胞(例えば、CD8+T細胞)のレベルもしくは活性に対するCD4+免疫エフェクター細胞(例えば、CD4+T細胞)のレベルもしくは活性の値が参照値よりも小さいことを特徴とするか、もしくは特徴付けられた、標的治療;または(b)がん免疫療法と組み合わせた標的治療であって、対象が、対象における(例えば、対象からの試料中の)CD8+免疫エフェクター細胞(例えば、CD8+T細胞)のレベルもしくは活性に対するCD4+免疫エフェクター細胞(例えば、CD4+T細胞)のレベルもしくは活性の値が参照値よりも大きいかもしくはそれに等しいことを特徴とするか、もしくは特徴付けられた、標的治療を含む治療の有効量を対象に投与し、それによって、がんを有する対象を処置するステップを含む。
一部の実施形態では、CD8+免疫エフェクター細胞(例えば、CD8+T細胞)のレベルまたは活性に対するCD4+免疫エフェクター細胞(例えば、CD4+T細胞)のレベルまたは活性の値は、例えば、本明細書で開示されているアッセイ、例えば、フローサイトメトリー免疫表現型検査によって測定した場合、CD8+免疫エフェクター細胞(例えば、CD8+T細胞)の量に対するCD4+免疫エフェクター細胞(例えば、CD4+T細胞)の量の比を含む。ある特定の実施形態では、値は、2よりも大きいかまたはそれに等しい(例えば、2.01)。ある特定の実施形態では、値は、2.5、3、3.5、4、4.5、5、5.5、6、6.5、7、7.5、8、8.5、9、9.5、もしくは10よりも大きいかまたはそれに等しい。ある特定の実施形態では、値は、3.3よりも大きいかまたはそれに等しい(例えば、3.34)。ある特定の実施形態では、値は、3.5、4、4.5、5、5.5、6、6.5、7、7.5、8、8.5、9、9.5、もしくは10よりも大きいかまたはそれに等しい。ある特定の実施形態では、値は、約3.3未満(例えば、約3.34未満)である。ある特定の実施形態では、値は、約3、2.5、2、1.5、1、または0.5未満である。ある特定の実施形態では、値は、約2未満(例えば、約2.01未満)である。ある特定の実施形態では、値は、約1.5、1、または0.5未満である。
一部の実施形態では、値を取得するステップは、対象における、例えば、対象からの試料中のCD8+免疫エフェクター細胞(例えば、CD8+T細胞)のレベルまたは活性に対するCD4+免疫エフェクター細胞(例えば、CD4+T細胞)のレベルまたは活性を決定することを含む。ある特定の実施形態では、対象からの試料は、血液試料(例えば、末梢血単核球(PBMC)を含む末梢血試料など)または腫瘍試料を含む。ある特定の実施形態では、値は、治療の投与が開始される前に取得される(例えば、ベースライン値である)。ある特定の実施形態では、値は、治療の投与が開始された後に取得される。ある特定の実施形態では、値は、治療の投与が開始された1、2、3、4、8、10、12、20、30、40週間後もしくはそれ以降または1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、12、14、16、18、20カ月後もしくはそれ以降に取得される。
一部の実施形態では、本方法は、対象における(例えば、対象からの試料中の)CD8+腫瘍浸潤リンパ球(TIL)、例えば、CD8+TIL炎症表現型を有する腫瘍のレベルまたは活性の値を取得するステップをさらに含む。ある特定の実施形態では、参照値と比較した場合のCD8+TILのレベルまたは活性の値の増加は、対象が治療から利益を得る可能性が高いことをさらに特定する。
一部の実施形態では、本方法は、対象における(例えば、対象からの試料中の)腫瘍遺伝子変異量(TMB)の値を取得するステップをさらに含む。ある特定の実施形態では、参照値と比較した場合のTMBの値の増加は、対象が治療から利益を得る可能性が高いことをさらに特定する。ある特定の実施形態では、TMBの値は、10mut/Mbよりも大きいかもしくはそれに等しく、例えば、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25mut/Mbよりも大きいかもしくはそれに等しく、またはそれよりも大きい。
一部の実施形態では、本方法は、対象における(例えば、対象からの試料中の)PD-L1のレベルおよび/または活性の値を取得するステップをさらに含む。ある特定の実施形態では、参照値と比較した場合のPD-L1のレベルおよび/または活性の値の減少は、例えば、参照値と比較した場合のTMBの値の増加と共に、対象が治療から利益を得る可能性が高いことをさらに特定する。ある特定の実施形態では、がんは、PD-L1の発現が低いかまたは検出不能である。
一部の実施形態では、本方法は、対象における(例えば、対象からの試料中の)循環腫瘍DNA(ctDNA)の値を取得するステップをさらに含む。ある特定の実施形態では、参照値と比較した場合のctDNAの値の増加は、対象が治療から利益を得る可能性が高いことをさらに特定する。ある特定の実施形態では、参照値と比較した場合のTMBの値の減少は、対象が治療(例えば、がん免疫療法を用いない)から利益を得る可能性が高いことをさらに特定する。ある特定の実施形態では、参照値と比較した場合のTMBの値の減少は、対象が、がん免疫療法と組み合わせて標的治療を含む治療からの利益の実質的な増加を有する可能性が低いことをさらに特定する。ある特定の実施形態では、TMBの値は、10mut/Mb未満、例えば、9、8、7、6、5、4、3、2、もしくは1mut/Mb未満、またはそれよりも小さい。
一部の実施形態では、本方法は、対象における(例えば、対象からの試料中の)PD-L1のレベルおよび/または活性の値を取得するステップをさらに含む。ある特定の実施形態では、PD-L1のレベルおよび/または活性の値の減少は、例えば、TMBの値の減少と共に、対象が治療(例えば、がん免疫療法を用いない)から利益を得る可能性が高いことをさらに特定する。ある特定の実施形態では、PD-L1のレベルおよび/または活性の値の減少は、例えば、TMBの値の減少と共に、対象が、がん免疫療法と組み合わせて標的治療を含む治療からの利益の実質的な増加を有する可能性が低いことをさらに特定する。ある特定の実施形態では、がんは、PD-L1の発現が低いかまたは検出不能である。
一部の実施形態では、治療から利益を得る可能性の高い対象、または治療からの利益の増加を有する可能性の高い対象は、治療から利益を得る可能性の低い対象、または治療からの利益の増加を有する可能性の低い対象と比較して、無増悪生存期間(PFS)、客観的奏効期間(DOR)、および/または全生存期間(OS)の改善を有する。
一部の実施形態では、治療から利益を得る可能性が高い対象、または治療からの利益の増加を有する可能性の高い対象は、治療を受けなかった対象、または標的治療だけを受けたががん免疫療法を受けなかった対象と比較して、PFS、DOR、および/またはOSの改善を有する。ある特定の実施形態では、PFS、DOR、および/またはOSは、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、18、24、30、36、42、48、54、60カ月まで、またはそれより長く改善される。ある特定の実施形態では、PFS、DOR、および/またはOSは、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、もしくは90%、または1、2、3、4、5、6、7、8、9、10倍、またはそれより大きく改善される。
一部の実施形態では、対象は、標的治療で処置されたか、または処置されている。
一部の実施形態では、対象は、標的治療で処置されなかったか、または処置されていない。
一部の実施形態では、対象は、がん免疫療法を受けたか、または受けている。
一部の実施形態では、対象は、がん免疫療法を受けなかったか、または受けていない。
一部の実施形態では、対象は、がん免疫療法と組み合わせて標的治療を含む治療を受けたか、または受けている。
一部の実施形態では、対象は、がん免疫療法と組み合わせて標的治療を含む治療を受けなかったか、または受けていない。
一部の実施形態では、対象は、標的治療を受けたか、または受けており、がんは再発した。
一部の実施形態では、対象は、標的治療に対するノンレスポンダーであるか、または標的治療に対するノンレスポンダーとして特定されている。
一部の実施形態では、対象は、標的治療に対するパーシャルレスポンダーであるか、または標的治療に対するパーシャルレスポンダーとして特定されている。
一部の実施形態では、標的治療は、BRAFを標的とする薬剤および/またはMEKを標的とする薬剤を含む。ある特定の実施形態では、標的治療は、BRAFを標的とする薬剤またはMEKを標的とする薬剤を含む。ある特定の実施形態では、BRAFを標的とする薬剤は、BRAF阻害剤である。ある特定の実施形態では、BRAFを標的とする薬剤は、野生型BRAFおよび/またはV600変異(例えば、V600E変異またはV600K変異)を有するBRAFを阻害する。ある特定の実施形態では、BRAFを標的とする薬剤は、ダブラフェニブ、ベムラフェニブ、エンコラフェニブ、ABM-1310、ARQ 736、ASN003、BGB-283、BGB-3245、CEP-32496、GDC-0879、LUT014、PLX4720、PLX8394、RO5212054、またはその薬学的に許容される塩である。ある特定の実施形態では、BRAFを標的とする薬剤は、ダブラフェニブである。ある特定の実施形態では、BRAFを標的とする薬剤は、ベムラフェニブである。ある特定の実施形態では、BRAFを標的とする薬剤(例えば、ダブラフェニブ)は、25mg~300mgの間(例えば、50mg~250mgの間または100mg~200mgの間、例えば、150mg)の用量で、例えば1日に2回、投与される(例えば、経口的に)。ある特定の実施形態では、MEKを標的とする薬剤は、MEK阻害剤である。ある特定の実施形態では、MEKを標的とする薬剤は、トラメチニブ、コビメチニブ、ビニメチニブ、ミルダメチニブ、ピマセルチブ、レファメチニブ、セルメチニブ、AS703988、AZD 8330、BI 847325、BIX 02188、BIX 02189、CI-1040、CS3006、E6201、FCN-159、G-38963、GDC-0623、HL-085、PD 98059、RO4987655、RO5126766、SHR 7390、TAK-733、U0126、WX-554、またはその薬学的に許容される塩である。ある特定の実施形態では、MEKを標的とする薬剤は、トラメチニブである。ある特定の実施形態では、MEKを標的とする薬剤は、コビメチニブである。ある特定の実施形態では、MEKを標的とする薬剤(例えば、トラメチニブ)は、0.1mg~5mgの間の用量で(例えば、0.5mg~4mgの間または1mg~3mgの間の用量で、例えば、2mgの用量で)、例えば、1日に1回、投与される(例えば、経口的に)。ある特定の実施形態では、BRAFを標的とする薬剤はダブラフェニブであり、MEKを標的とする薬剤はトラメチニブである。ある特定の実施形態では、BRAFを標的とする薬剤はベムラフェニブであり、MEKを標的とする薬剤はコビメチニブである。
一部の実施形態では、がん免疫療法は、PD-1またはPD-L1結合アンタゴニストを含む。
一部の実施形態では、がん免疫療法は、PD-1阻害剤を含む。
一部の実施形態では、がん免疫療法は、抗PD-1抗体分子を含む。ある特定の実施形態では、抗PD-1抗体分子は、それぞれ表1に開示されている、配列番号501のVHCDR1アミノ酸配列、配列番号502のVHCDR2アミノ酸配列、および配列番号503のVHCDR3アミノ酸配列を含む重鎖可変領域(VH);ならびに配列番号510のVLCDR1アミノ酸配列、配列番号511のVLCDR2アミノ酸配列、および配列番号512のVLCDR3アミノ酸配列を含む軽鎖可変領域(VL)を含む。ある特定の実施形態では、抗PD-1抗体分子は、配列番号506のアミノ酸配列、あるいは配列番号506に対して少なくとも85%、90%、95%、もしくは99%同一であるかまたはそれより高い割合で同一であるアミノ酸配列を含むVHを含む。ある特定の実施形態では、抗PD-1抗体分子は、配列番号520のアミノ酸配列、あるいは配列番号520に対して少なくとも85%、90%、95%、もしくは99%同一であるかまたはそれより高い割合で同一であるアミノ酸配列を含むVLを含む。ある特定の実施形態では、抗PD-1抗体分子は、配列番号516のアミノ酸配列、あるいは配列番号516に対して少なくとも85%、90%、95%、もしくは99%同一であるかまたはそれより高い割合で同一であるアミノ酸配列を含むVLを含む。ある特定の実施形態では、抗PD-1抗体分子は、配列番号506のアミノ酸配列を含むVHおよび配列番号520のアミノ酸配列を含むVLを含む。ある特定の実施形態では、抗PD-1抗体分子は、配列番号506のアミノ酸配列を含むVHおよび配列番号516のアミノ酸配列を含むVLを含む。ある特定の実施形態では、抗PD-1抗体分子は、配列番号508のアミノ酸配列、あるいは配列番号508に対して少なくとも85%、90%、95%、もしくは99%同一であるかまたはそれより高い割合で同一であるアミノ酸配列を含む重鎖を含む。ある特定の実施形態では、抗PD-1抗体分子は、配列番号522のアミノ酸配列、あるいは配列番号522に対して少なくとも85%、90%、95%、もしくは99%同一であるかまたはそれより高い割合で同一であるアミノ酸配列を含む軽鎖を含む。ある特定の実施形態では、抗PD-1抗体分子は、配列番号518のアミノ酸配列、あるいは配列番号518に対して少なくとも85%、90%、95%、もしくは99%同一であるかまたはそれより高い割合で同一であるアミノ酸配列を含む軽鎖を含む。ある特定の実施形態では、抗PD-1抗体分子は、配列番号508のアミノ酸配列を含む重鎖および配列番号522のアミノ酸配列を含む軽鎖を含む。ある特定の実施形態では、抗PD-1抗体分子は、配列番号508のアミノ酸配列を含む重鎖および配列番号518のアミノ酸配列を含む軽鎖を含む。
一部の実施形態では、抗PD-1抗体分子は、約300mg~400mgの用量で、3週間に1回または4週間に1回(例えば、約400mgで4週間に1回)対象に投与される。
一部の実施形態では、がん免疫療法は、第2のがん免疫治療剤(例えば、本明細書に記載のがん免疫治療剤)を含む。
一部の実施形態では、がんは、固形腫瘍、血液がん(例えば、白血病、リンパ腫、または骨髄腫)、またはその転移巣である。ある特定の実施形態では、がんは、黒色腫またはその転移巣である。ある特定の実施形態では、黒色腫は、ステージIの黒色腫、ステージIIの黒色腫、ステージIIIの黒色腫、またはステージIVの黒色腫である。ある特定の実施形態では、がんは、黒色腫以外のがんである。ある特定の実施形態では、がんは、肺がん(例えば、非小細胞肺がん)、膵臓がん、もしくは結腸直腸がん、またはその転移巣である。
一部の実施形態では、がんは、BRAFを標的とする薬剤および/またはMEKを標的とする薬剤に対して難治性である。
一部の実施形態では、がん(例えば、黒色腫)は、BRAF変異を含む。ある特定の実施形態では、BRAF変異は、V600変異である。ある特定の実施形態では、V600変異は、V600EまたはV600K変異である。
一部の実施形態では、本方法は、さらなる治療を対象に投与するステップをさらに含む(例えば、対象への前処置(例えば、対象におけるCD8+免疫エフェクター細胞(例えば、CD8+T細胞)のレベルまたは活性に対するCD4+免疫エフェクター細胞(例えば、CD4+T細胞)のレベルまたは活性の値を増加させるための))。ある特定の実施形態では、治療は、ファーストライン、セカンドライン、サードライン、もしくはフォースラインまたはそれを超える処置である。ある特定の実施形態では、治療は、アジュバント処置である。ある特定の実施形態では、治療は、ネオアジュバント処置である。
一部の実施形態では、本方法は、例えば本明細書に記載されているTIL、PD-L1、CD8、IFNγ、またはT細胞炎症遺伝子発現シグネチャーを含む免疫活性化のレベルおよび/または活性の値を取得するステップを含む。
別の態様では、本開示は、がんを有する対象を処置する方法において使用するためのがん免疫療法と組み合わせて標的治療を含む治療を特徴とする。一部の実施形態では、本方法は、対象における(例えば、対象からの試料中の)CD8+免疫エフェクター細胞(例えば、CD8+T細胞)のレベルまたは活性に対するCD4+免疫エフェクター細胞(例えば、CD4+T細胞)のレベルまたは活性の値が、参照値よりも大きいかまたはそれに等しいことを受けて、がん免疫療法と組み合わせて標的治療を含む治療の有効量を対象に投与するステップ(例えば、投与を開始するステップまたは投与を継続するステップ)を含む。
別の態様では、本開示は、がんを有する対象を処置する方法において使用するためのがん免疫療法と組み合わせた標的治療を含む治療を特徴とする。一部の実施形態では、本方法は、対象における(例えば、対象からの試料中の)CD8+免疫エフェクター細胞(例えば、CD8+T細胞)のレベルまたは活性に対するCD4+免疫エフェクター細胞(例えば、CD4+T細胞)のレベルまたは活性の値を取得するステップと、値が、参照値よりも大きいかまたはそれに等しい場合、がん免疫療法と組み合わせて標的治療を含む治療の有効量を対象に投与するステップ(例えば、投与を開始するステップまたは投与を継続するステップ)とを含む。
別の態様では、本開示は、がんを有する対象を処置する方法において使用するためのがん免疫療法と組み合わせた標的治療を含む治療を特徴とする。一部の実施形態では、本方法は、標的治療の有効量を対象に投与するステップ(例えば、投与を開始するステップまたは投与を継続するステップ)と;対象における(例えば、対象からの試料中の)CD8+免疫エフェクター細胞(例えば、CD8+T細胞)のレベルまたは活性に対するCD4+免疫エフェクター細胞(例えば、CD4+T細胞)のレベルまたは活性の値が、参照値よりも大きいかまたはそれに等しいことを受けて、がん免疫療法の有効量を対象に投与するステップ(例えば、投与を開始するステップまたは投与を継続するステップ)とを含む。
別の態様では、本開示は、がんを有する対象を処置する方法において使用するためのがん免疫療法と組み合わせて標的治療を含む治療を特徴とする。一部の実施形態では、本方法は、がん免疫療法と組み合わせて標的治療を含む治療の有効量を対象に投与するステップ(例えば、投与を開始するステップまたは投与を継続するステップ)であって、投与前に、対象における(例えば、対象からの試料中の)CD8+免疫エフェクター細胞(例えば、CD8+T細胞)のレベルまたは活性に対するCD4+免疫エフェクター細胞(例えば、CD4+T細胞)のレベルまたは活性の値が、参照値よりも大きいかまたはそれに等しいことが決定される、ステップを含む。
別の態様では、本開示は、がんを有する対象を処置する方法において使用するためのがん免疫療法と組み合わせて標的治療を含む治療を特徴とする。一部の実施形態では、本方法は、がん免疫療法と組み合わせて標的治療を含む治療の有効量を対象に投与するステップ(例えば、投与を開始するステップまたは投与を継続するステップ)であって、対象が、対象における(例えば、対象からの試料中の)CD8+免疫エフェクター細胞(例えば、CD8+T細胞)のレベルまたは活性に対するCD4+免疫エフェクター細胞(例えば、CD4+T細胞)のレベルまたは活性の値が、参照値よりも大きいかまたはそれに等しいことを特徴とする、ステップを含む。
別の態様では、本開示は、がんを有する対象を処置する方法において使用するための標的治療を含む治療を特徴とする。一部の実施形態では、本方法は、対象における(例えば、対象からの試料中の)CD8+免疫エフェクター細胞(例えば、CD8+T細胞)のレベルまたは活性に対するCD4+免疫エフェクター細胞(例えば、CD4+T細胞)のレベルまたは活性の値が、参照値よりも小さいことを受けて、標的治療(例えば、がん免疫療法を用いない)を含む治療の有効量を対象に投与する(例えば、投与を開始するステップまたは投与を継続するステップ)ステップを含む。
別の態様では、本開示は、がんを有する対象を処置する方法において使用するための標的治療を含む治療を特徴とする。一部の実施形態では、本方法は、対象における(例えば、対象からの試料中の)CD8+免疫エフェクター細胞(例えば、CD8+T細胞)のレベルまたは活性に対するCD4+免疫エフェクター細胞(例えば、CD4+T細胞)のレベルまたは活性の値を取得するステップと、値が、参照値よりも小さい場合、標的治療(例えば、がん免疫療法を用いない)を含む治療の有効量を対象に投与するステップ(例えば、投与を開始するステップまたは投与を継続するステップ)とを含む。
別の態様では、本開示は、がんを有する対象を処置する方法において使用するための標的治療を含む治療を特徴とする。一部の実施形態では、本方法は、がん免疫療法と組み合わせて標的治療を含む治療の有効量を対象に投与するステップ(例えば、投与を開始するステップまたは投与を継続するステップ)と;対象における(例えば、対象からの試料中の)CD8+免疫エフェクター細胞(例えば、CD8+T細胞)のレベルまたは活性に対するCD4+免疫エフェクター細胞(例えば、CD4+T細胞)のレベルまたは活性の値が、参照値よりも小さいことを受けて、標的治療(例えば、がん免疫療法を用いない)の有効量を対象に投与するステップ(例えば、投与を開始するステップまたは投与を継続するステップ)とを含む。
別の態様では、本開示は、がんを有する対象を処置する方法において使用するための標的治療を含む治療を特徴とする。一部の実施形態では、本方法は、標的治療(例えば、がん免疫療法を用いない)を含む治療の有効量を対象に投与するステップ(例えば、投与を開始するステップまたは投与を継続するステップ)であって、投与前に、対象における(例えば、対象からの試料中の)CD8+免疫エフェクター細胞(例えば、CD8+T細胞)のレベルまたは活性に対するCD4+免疫エフェクター細胞(例えば、CD4+T細胞)のレベルまたは活性の値が、参照値よりも小さいことが決定される、ステップを含む。
別の態様では、本開示は、がんを有する対象を処置する方法において使用するための標的治療を含む治療を特徴とする。一部の実施形態では、本方法は、標的治療(例えば、がん免疫療法を用いない)を含む治療の有効量を対象に投与するステップ(例えば、投与を開始するステップまたは投与を継続するステップ)であって、対象が、対象における(例えば、対象からの試料中の)CD8+免疫エフェクター細胞(例えば、CD8+T細胞)のレベルまたは活性に対するCD4+免疫エフェクター細胞(例えば、CD4+T細胞)のレベルまたは活性の値が、参照値よりも小さいことを特徴とする、ステップを含む。
別の態様では、本開示は、がんを有する対象を処置する方法において使用するための、標的治療を含むかまたはがん免疫療法と組み合わせて標的治療を含む治療を特徴とする。一部の実施形態では、本方法は、対象における(例えば、対象からの試料中の)CD8+免疫エフェクター細胞(例えば、CD8+T細胞)のレベルまたは活性に対するCD4+免疫エフェクター細胞(例えば、CD4+T細胞)のレベルまたは活性の値を受けて、標的治療(例えば、がん免疫療法を用いない)を含む治療の有効量を、参照値よりも小さい値を有する対象に投与するか(例えば、投与を開始または投与を継続するか);またはがん免疫療法と組み合わせて標的治療を含む治療の有効量を、参照値よりも大きいかもしくはそれに等しい値を有する対象に投与するステップ(例えば、投与を開始するステップまたは投与を継続するステップ)を含む。
別の態様では、本開示は、がんを有する対象を処置する方法において使用するための、標的治療を含むかまたはがん免疫療法と組み合わせて標的治療を含む治療を特徴とする。一部の実施形態では、本方法は、対象における(例えば、対象からの試料中の)CD8+免疫エフェクター細胞(例えば、CD8+T細胞)のレベルまたは活性に対するCD4+免疫エフェクター細胞(例えば、CD4+T細胞)のレベルまたは活性の値を取得するステップと;標的治療(例えば、がん免疫療法を用いない)を含む治療の有効量を、参照値よりも小さい値を有する対象に投与するか(例えば、投与を開始または投与を継続するか);またはがん免疫療法と組み合わせて標的治療を含む治療の有効量を、参照値よりも大きいかもしくはそれに等しい値を有する対象に投与するステップ(例えば、投与を開始するステップまたは投与を継続するステップ)とを含む。
別の態様では、本開示は、がんを有する対象を処置する方法において使用するための、標的治療を含むかまたはがん免疫療法と組み合わせた標的治療を含む治療を特徴とする。一部の実施形態では、本方法は、標的治療を含む治療(例えば、免疫療法を用いない)の有効量を対象に投与するステップ(例えば、投与を開始するステップまたは投与を継続するステップ)と;対象における(例えば、対象からの試料中の)CD8+免疫エフェクター細胞(例えば、CD8+T細胞)のレベルもしくは活性に対するCD4+免疫エフェクター細胞(例えば、CD4+T細胞)のレベルもしくは活性の値を受けて、標的治療(例えば、がん免疫療法を用いない)を含む治療を、参照値よりも小さい値を有する対象に対して投与するか(例えば、投与を開始または投与を継続するか)、またはがん免疫療法と組み合わせて標的治療を含む治療を、参照値よりも大きいかもしくはそれに等しい値を有する対象に投与するステップ(例えば、投与を開始するステップまたは投与を継続するステップ)とを含む。
別の態様では、本開示は、がんを有する対象を処置する方法であって、(a)標的治療(例えば、がん免疫療法を用いない)であって、投与前に、対象における(例えば、対象からの試料中の)CD8+免疫エフェクター細胞(例えば、CD8+T細胞)のレベルもしくは活性に対するCD4+免疫エフェクター細胞(例えば、CD4+T細胞)のレベルもしくは活性の値が参照値よりも小さいことが決定されている、標的治療;または(b)がん免疫療法と組み合わせた標的治療であって、投与前に、対象における(例えば、対象からの試料中の)CD8+免疫エフェクター細胞(例えば、CD8+T細胞)のレベルもしくは活性に対するCD4+免疫エフェクター細胞(例えば、CD4+T細胞)のレベルもしくは活性の値が参照値よりも大きいかもしくはそれに等しいことが決定されている、標的治療を含む治療の有効量を対象に投与するステップを含む方法において使用するための、標的治療を含むかまたはがん免疫療法と組み合わせて標的治療を含む治療を特徴とする。
別の態様では、本開示は、がんを有する対象を処置する方法であって、(a)対象への標的治療(例えば、がん免疫療法を用いない)であって、対象が、対象における(例えば、対象からの試料中の)CD8+免疫エフェクター細胞(例えば、CD8+T細胞)のレベルもしくは活性に対するCD4+免疫エフェクター細胞(例えば、CD4+T細胞)のレベルもしくは活性の値が参照値よりも小さいことを特徴とするか、もしくは特徴付けられた、標的治療;または(b)がん免疫療法と組み合わせた標的治療であって、対象が、対象における(例えば、対象からの試料中の)CD8+免疫エフェクター細胞(例えば、CD8+T細胞)のレベルもしくは活性に対するCD4+免疫エフェクター細胞(例えば、CD4+T細胞)のレベルもしくは活性の値が参照値よりも大きいかもしくはそれに等しいことを特徴とするか、もしくは特徴付けられた、標的治療を含む治療の有効量を対象に投与するステップを含む方法において使用するための、標的治療を含むかまたはがん免疫療法と組み合わせて標的治療を含む治療を特徴とする。
図1は、治験のコンソート図である。BIDは1日に2回;Q4Wは4週間に1回;QDは1日に1回。 図2A~2Cは、ベースライン時および処置の4週間後の血漿および末梢血単核球のフローサイトメトリーおよびサイトカイン分析を示す一連のプロットである。T細胞の活性化および増殖に対するマーカーを使用する末梢血単核球の免疫表現型検査(N=323)、ならびにベースライン時および処置の4週間後に採取した血漿試料のサイトカインプロファイリング(N=468)。増殖CD8+/PD-1+ T細胞(2A)、活性化細胞傷害性CD8+ T細胞(2B)、および血漿中IFN-γ(2C)が示されている。CD=表面抗原分類;HLA-DR=ヒト白血球抗原、DRサブタイプ;IFN=インターフェロン;PD-1=プログラム死受容体1;プラセボ-DabTram=プラセボとダブラフェニブおよびトラメチニブ;sparta-DabTram=スパルタリズマブとダブラフェニブおよびトラメチニブ。 同上。 図3A~3Cは、ベースライン時および処置の4週間後の末梢血単核球の免疫表現型検査から得られたさらなる結果を示す一連のプロットである。ベースライン時および処置の4週間後に採取した血漿試料中での、T細胞の活性化および増殖に対するマーカーを使用する末梢血単核球の免疫表現型検査(N=323)。増殖CD8+ T細胞(図3A)、活性化CD4+ T細胞(図3B)、および増殖PD-1+/ CD4+ T細胞(図3C)のレベルが示されている。CD=表面抗原分類;HLA-DR=ヒト白血球抗原、DRサブタイプ;PD-1=プログラム死1;プラセボ-DabTram=プラセボとダブラフェニブおよびトラメチニブ;sparta-DabTram=スパルタリズマブとダブラフェニブおよびトラメチニブ。 同上。 図4A~4Eは、ベースライン時および処置の4週間後のサイトカインプロファイリングから得られたさらなる結果を示す一連のプロットである。ベースライン時および処置の4週間後に採取した血漿試料中での、CXCL10(N=474)(図4A)、IL-15(N=473)(図4B)、IL-18(N=467)(図4C)、IL-17A(N=473)(図4D)、およびIL-12p40(N=473)(図4E)のレベルが示されている。CXCL=C-X-Cモチーフのケモカインリガンド;IL=インターロイキン;プラセボ-DabTram=プラセボとダブラフェニブおよびトラメチニブ;sparta-DabTram=スパルタリズマブとダブラフェニブおよびトラメチニブ。 同上。 同上。 図5Aおよび5Bは、ベースラインの末梢CD4+/CD8+比および処置アームに基づいて無増悪生存期間を示す一対のプロットである。プラセボ-DabTramアーム(N=208)(図5A)またはsparta-DabTramアーム(N=200)(図5B)に無作為化された患者由来の末梢血単核球試料におけるベースライン時の末梢血CD4+/CD8+比に基づく無増悪生存期間のカプランマイヤー推定値が示されている。HR=ハザード比;プラセボ-DabTram=プラセボとダブラフェニブおよびトラメチニブ;sparta-DabTram=スパルタリズマブとダブラフェニブおよびトラメチニブ。 同上。 図6Aおよび6Bは、ベースラインの末梢CD4+/CD8+T細胞比に基づいて無増悪生存期間を示す一対のプロットである。ベースライン時のCD4+/CD8+T細胞比がベースライン時の中央値2.9以上(N=204)(図6A)または中央値2.9未満(N=204)(図6B)である末梢血単核球試料を反映するsparta-DabTramアームまたはプラセボ-DabTramアームのいずれかに無作為化された患者における無増悪生存期間のカプランマイヤー推定値が示されている。図6Cは、患者選択のために選択されたカットポイントと処置アームのハザード比との関係を示す。ハザード比は黒色で示し、95%信頼区間は赤色で示す。2つの青色の点は、2.02~3.34の間の最適化カットオフの範囲を示す。CD=表面抗原分類;HR=ハザード比;プラセボ-DabTram=プラセボとダブラフェニブおよびトラメチニブ;sparta-DabTram=スパルタリズマブとダブラフェニブおよびトラメチニブ。 同上。 同上。 図7A~7Bは、組合せPD-L1ステータスとTMBに基づいて無増悪生存期間と全生存期間を示す一連のプロットである。PD-L1ステータス(1%未満[陰性]または1%以上[陽性])およびTMB(10mut/Mb未満[低]または10mut/Mb以上[高])に基づく無増悪生存期間(図7A)および全生存期間(図7B)のカプランマイヤー推定値が示されている。PD-L1陰性/TMB高、N=62;PD-L1陰性/TMB低、N=109;PD-L1陽性/TMB高、N=110;PD-L1陽性/TMB低、N=119。HR=ハザード比;mut=変異;NE=推定不能;PD-L1=プログラム死リガンド1;プラセボ-DabTram=プラセボとダブラフェニブおよびトラメチニブ;sparta-DabTram=スパルタリズマブとダブラフェニブおよびトラメチニブ;TMB=腫瘍遺伝子変異量。 同上。 同上。 同上。 同上。 同上。 同上。 同上。 図8A~8Dは、PD-L1/TMBサブグループに基づいてネクストライン治療後の無増悪生存期間を示す一連のプロットである。PD-L1陰性/TMB高(N=62)(図8A)、PD-L1陰性/TMB低(N=109)(図8B)、PD-L1陽性/TMB高(N=110)(図8C)、またはPD-L1陽性/TMB低(N=119)(図8D)腫瘍である腫瘍を有する患者におけるネクストライン治療(PFS2)後の無増悪生存期間のカプランマイヤー推定値が示されている。HR=ハザード比;NE=推定不能;PD-L1=プログラム死リガンド1;プラセボ-DabTram=プラセボとダブラフェニブおよびトラメチニブ;sparta-DabTram=スパルタリズマブとダブラフェニブおよびトラメチニブ;TMB=腫瘍遺伝子変異量。 同上。 同上。 同上。 図9A~9Eは、組合せPD-L1/TMBで規定されたサブグループにわたる腫瘍微小環境の分析を示す一連のプロットおよびイメージである。PD-L1/TMBで規定されたサブグループからの腫瘍試料内での、T細胞炎症シグネチャーレベル(N=362)(図9A)の比較、ならびにHLA-DR(N=320)(図9B)およびCD11b(N=320)(図9C)の発現に基づく抗原提示細胞数の比較。抗原提示細胞は、多重蛍光免疫組織化学を使用して分析し、高発現体(図9D)および低発現体(図9E)の例が示されている。CD=表面抗原分類;CPM=カウントパーミリオン(counts per million);DAPI=4’,6-ジアミジノ-2-フェニルインドール;GES=遺伝子発現シグネチャー;HLA-DR=ヒト白血球抗原、DRサブタイプ;PD-L1=プログラム死リガンド1;TMB=腫瘍遺伝子変異量。 同上。 同上。 図10Aおよび10Bは、BRAF V600Kステータス対V600E変異ステータスに基づいて腫瘍遺伝子変異量(N=384)(図10A)および年齢(N=455)(図10B)の分析を示す一対のプロットである。mut/Mb=メガベースあたりの変異数;TMB=腫瘍遺伝子変異量。 図11Aおよび11Bは、BRAF V600E/K変異ステータス基づく無増悪生存期間を示す一対のプロットである。中央評価に基づく、BRAF V600E変異疾患(N=402)(図11A)またはV600K変異疾患(N=53)(図11B)が確認された患者における無増悪生存期間のカプランマイヤー推定値を示す。HR=ハザード比;NE=推定不能;プラセボ-DabTram=プラセボとダブラフェニブおよびトラメチニブ;sparta-DabTram=スパルタリズマブとダブラフェニブおよびトラメチニブ。 同上。 図12Aおよび12Bは、BRAF V600E/K変異ステータスに基づいて全生存期間を示す一対のプロットである。中央評価に基づく、BRAF V600E変異疾患(N=402)(図12A)またはV600K変異疾患(N=53)(図12B)が確認された患者における全生存期間のカプランマイヤー推定値が示されている。HR=ハザード比;NE=推定不能;プラセボ-DabTram=プラセボとダブラフェニブおよびトラメチニブ;sparta-DabTram=スパルタリズマブとダブラフェニブおよびトラメチニブ。 同上。 図13は、BRAF V600K変異疾患を有する患者におけるSPRYシグナル伝達経路の下方調節を示すプロットである。腫瘍試料(N=369)におけるSPRYシグナル伝達経路遺伝子発現シグネチャーの評価には、MAPK3、SPRY2、HRAS、MAP2K1、RAF1、SPRY4、SPRY3、EGF、MAPK1、SHC1、PTPRB、SPRY1、GRB2、EGFR、CBL、RASA1、およびSOS1遺伝子の分析が含まれた。GES=遺伝子発現シグネチャー。 図14Aおよび14Bは、遺伝子発現シグネチャーレベルに基づいて無増悪生存期間の利点を示すベン図と一対のプロットを含む。各アームにおける上位100の遺伝子発現シグネチャーの中では、sparta-DabTramで処置した患者とプラセボ-DabTramで処置した患者の両方からの腫瘍試料において高度に発現された49のシグネチャー(表Eに列挙された)が重複していた。T細胞炎症シグネチャーの発現(低発現、N=110;高発現、N=323)に基づく無増悪生存期間のカプランマイヤー推定値によって例示される、これらのシグネチャーの予後値および予測値の例が図14Bに示されている。GES=遺伝子発現シグネチャー;HR=ハザード比;NE=推定不能;プラセボ-DabTram=プラセボとダブラフェニブおよびトラメチニブ;sparta-DabTram=スパルタリズマブとダブラフェニブおよびトラメチニブ。 同上。 同上。 図15Aおよび15Bは、T細胞表現型の特徴付け(15A)および予後への影響(15B)を示す一連のイメージおよびプロットを含む。腫瘍浸潤リンパ球および間質浸潤リンパ球のデジタルパソロジー免疫組織化学から得られた、炎症型、排除型、および砂漠型のT細胞表現型の代表的試料が図15Aに示されている。プラセボ-DabTram(上;炎症型、n=73;排除型、n=72;砂漠型、n=62)処置アームおよびsparta-DabTram(下;炎症型、n=66;排除型、n=91;砂漠型、n=52)処置アームにおけるこれらの表現型に基づく無増悪生存期間のカプランマイヤー推定値が図15Bに示されている。HR=ハザード比;プラセボ-DabTram=プラセボとダブラフェニブおよびトラメチニブ;sparta-DabTram=スパルタリズマブとダブラフェニブおよびトラメチニブ。 同上。 同上。 同上。 同上。 同上。 図16A~16Cは、T細胞表現型に基づいて処置の利点を示す一連のプロットである。各処置アームにおける炎症型(N=139)(図16A)、排除型(N=163)(図16B)、および免疫砂漠型(N=115)(16C)のCD8+腫瘍浸潤リンパ球表現型に基づく無増悪生存期間および全生存期間のカプランマイヤー推定値が示されている。CD=表面抗原分類;HR=ハザード比;プラセボ-DabTram=プラセボとダブラフェニブおよびトラメチニブ;sparta-DabTram=スパルタリズマブとダブラフェニブおよびトラメチニブ。 同上。 同上。 同上。 同上。 同上。 図17A~17Cは、ベースライン時のctDNA脱落が疾患負荷と相関することを示す一連のプロットである。乳酸脱水素酵素のレベル(N=391)(図17A)、病変直径の合計(N=474)(図17B)、および標的病変の数(N=474)(図17C)に基づくベースライン時のctDNA脱落。ctDNA=循環腫瘍DNA;LDH、乳酸脱水素酵素。 図18Aおよび18Bは、最良総合効果および処置アームに基づいてベースライン時のctDNA脱落を示す一対のプロットである。プラセボ-DabTram(N=246)(図18A)またはsparta-DabTram(N=234)(図18B)で処置した患者の最良総合効果に基づくベースライン時のctDNA脱落。BOR=最良総合効果;cfDNA=無細胞DNA;CR=完全奏功;ctDNA=循環腫瘍DNA;PD=進行性疾患;プラセボ-DabTram=プラセボとダブラフェニブおよびトラメチニブ;PR=部分奏効;SD=安定性疾患;sparta-DabTram=スパルタリズマブとダブラフェニブおよびトラメチニブ;UNK=未知。 同上。 図19Aおよび19Bは、ベースライン時および処置時のctDNA脱落の予測値および予後値を示す一連のプロットである。プラセボ-DabTramアームまたはsparta-DabTramアームのいずれかにおけるベースライン時および処置時のctDNA脱落に基づく無増悪生存期間および全生存期間のカプランマイヤー推定値が図19Aに示されている。「脱落なし」は、ベースライン時または8週目にctDNA脱落が観察されなかったことを示す(プラセボ-DabTram、n=53;sparta-DabTram、n=56)、「W8での喪失」は、脱落がベースライン時には観察されたが8週目には観察されなかったことを示す(プラセボ-DabTram、n=122;sparta-DabTram、n=136)、および「W8での脱落」は、脱落がベースライン時と8週目の両方で観察されたことを示す(プラセボ-DabTram、n=27;sparta-DabTram、n=16)。ベースライン時のctDNA脱落を有する患者(N=342)またはそれを有さない患者(N=138)に対するプラセボ-DabTramまたはsparta-DabTramによる処置に基づく無増悪生存期間および全生存期間のカプランマイヤー推定値が図19Bに示されている。ctDNA=循環腫瘍DNA;HR=ハザード比;プラセボ-DabTram=プラセボとダブラフェニブおよびトラメチニブ;sparta-DabTram=スパルタリズマブとダブラフェニブおよびトラメチニブ。 同上。 同上。 同上。 同上。 同上。 同上。 同上。
詳細な説明
本開示は、がん、特に黒色腫に対する治療および診断の方法および組成物を提供する。本開示は、標的治療にがん免疫療法を加えることによりベースライン時のCD4+/CD8+比が高い患者の無増悪生存期間が延長され得るという発見に少なくとも部分的に基づいている。理論に拘束されることを望まないが、一部の実施形態では、血中のCD4+/CD8+比が標的治療およびがん免疫療法を含む治療に対する応答と関連していると考えられ、これががん患者に対する非侵襲性の予測および予後の有用な指標であることを示す。これらの患者では、がん免疫療法と組み合わせた標的治療による処置により、標的治療単独による処置と比較して無増悪生存期間が改善される可能性がある。
したがって、CD8+免疫エフェクター細胞(例えば、CD8+ T細胞)のレベルまたは活性に対するCD4+免疫エフェクター細胞(例えば、CD4+ T細胞)のレベルまたは活性を決定することは、がん(例えば、黒色腫)を有する対象ががん免疫療法と組み合わせて標的治療(例えば、BRAFを標的とする薬剤および/またはMEKを標的とする薬剤を含む標的治療)を含むがん治療(例えば、黒色腫治療)による処置に応答する可能性が高いかどうかを決定するための、がん免疫療法と組み合わせて標的治療(例えば、BRAFを標的とする薬剤および/またはMEKを標的とする薬剤を含む標的治療)を含むがん治療(例えば、黒色腫治療)の治療有効性を最適化するための、およびがん免疫療法と組み合わせて標的治療(例えば、BRAFを標的とする薬剤および/またはMEKを標的とする薬剤を含む標的治療)を含むがん治療(例えば、黒色腫治療)のための患者選択のための、がん(例えば、黒色腫)を有する対象の処置におけるバイオマーカー(例えば、予測バイオマーカー)として使用することができる。
定義
別段に定義されない限り、本明細書で使用されるすべての技術用語および科学用語は、本開示に関する技術分野における当業者によって一般的に理解されるのと同じ意味を有する。
本明細書に記載の本開示の態様および実施形態が、態様および実施形態を「含む(comprising)」、「からなる(consisting)」、および「から本質的になる(consisting essentially of)」を含むことが理解されるべきである。
本明細書で使用される場合、単数形の「1つの(a)」、「1つの(an)」、および「その(the)」は、別段に示されていない限り複数の指示対象を含む。
用語「または(or)」は、文脈が別段に明確に示していない限り、用語「および/または(and/or)」を意味するために本明細書で使用され、それと互換的に使用される。
「約(about)」および「およそ(approximately)」は、一般に、測定の性質または精度を考慮した測定量の許容可能な誤差の程度を意味するものとする。例示的な誤差の程度は、所与の値または値の範囲の20%(%)以内、典型的には10%以内、より典型的には5%以内である。
「組合せ(combination)」または「組み合わせて(in combination with)」によって、治療または治療剤が同時に投与されなければならないこと、および/または一緒に送達するために処方されなければならないことを意味することは意図されないが、これらの送達方法は本明細書に記載の範囲内である。組合せの治療剤は、1つまたは複数の他の追加の治療または治療剤と同時に、その前に、またはその後に投与することができる。治療剤または治療プロトコルは、任意の順序で投与することができる。一般に、各薬剤は、その薬剤について決定された用量および/またはタイムスケジュールで投与される。さらに、この組合せで利用される追加の治療剤は、単一の組成物で一緒に投与されても、または異なる組成物で別々に投与されてもよいことが理解されよう。一般に、組合せで利用される追加の治療剤は、それらが個々に利用されるレベルを超えないレベルで利用されることが期待される。一部の実施形態では、組合せで利用されるレベルは、個々に利用されるレベルよりも低いことになる。
一部の実施形態では、追加の治療剤は、治療用量またはそれ未満の治療用量で投与される。ある特定の実施形態では、阻害、例えば成長阻害を実現するために必要とされる第2の治療剤または第3の治療剤の濃度は、第2の治療剤または第3の治療剤が第1の治療剤と組み合わせて投与される場合よりも低く、第2の治療剤または第3の治療剤が個々に投与される場合よりも低い。ある特定の実施形態では、阻害、例えば成長阻害を実現するために必要である第1の治療剤の濃度は、第1の治療剤が第2の治療剤または第3の治療剤と組み合わせて投与される場合よりも低く、第1の治療剤が個々に投与される場合よりも低い。ある特定の実施形態では、併用療法において、阻害、例えば成長阻害を実現するために必要とされる第2の治療剤または第3の治療剤の濃度は、単剤療法としての第2の治療剤または第3の治療剤の治療用量よりも低く、例えば10~20%、20~30%、30~40%、40~50%、50~60%、60~70%、70~80%、または80~90%低い。ある特定の実施形態では、併用療法において、阻害、例えば成長阻害を実現するために必要とされる第1の治療剤の濃度は、単剤療法としての第1の治療剤の治療用量よりも低く、例えば10~20%、20~30%、30~40%、40~50%、50~60%、60~70%、70~80%、または80~90%低い。
用語「阻害(inhibition)」、「阻害剤(inhibitor)」、「結合アンタゴニスト(binding antagonist)」または「アンタゴニスト(antagonist)」は、ある特定のパラメーター、例えば所与の分子、例えば免疫チェックポイント阻害剤の活性の低下を含む。例えば、少なくとも5%、10%、20%、30%、40%またはそれより高い割合の活性、例えば所与の分子、例えば阻害性分子の活性の阻害がこの用語に含まれる。よって、阻害は100%である必要はない。
用語「活性化(activation)」、「アクチベーター(activator)」、「アゴニスト(agonist)」は、ある特定のパラメーター、例えば所与の分子、例えば共刺激分子の活性の増加を含む。例えば、少なくとも5%、10%、25%、50%、75%またはそれより高い割合の活性、例えば共刺激性の活性の増加がこの用語に含まれる。
用語「抗がん効果」は、腫瘍体積の減少、がん細胞数の減少、転移数の減少、平均余命の増加、がん細胞増殖の減少、がん細胞生存期間の減少、またはがんの状態に関連する様々な生理的症状の軽快を含むがこれらに限定されない様々な手段によって明示され得る生物学的効果を指す。「抗がん効果」は、ペプチド、ポリヌクレオチド、細胞および抗体が、がんの発生を未然に防ぐ能力によっても明示され得る。
用語「抗腫瘍効果」は、例えば、腫瘍体積の減少、腫瘍細胞数の減少、腫瘍細胞増殖の減少、または腫瘍細胞生存の減少を含むがこれらに限定されない様々な手段によって明示され得る生物学的効果を指す。
用語「がん」は、異常細胞の急速かつ制御されない成長によって特徴付けられる疾患を指す。がん細胞は、局所的に、または血流およびリンパ系を介して身体の他の部分へと広がる可能性がある。様々ながんの例は、本明細書に記載されており、以下に限定されないが、黒色腫、肺がん、膵臓がん、結腸直腸がん、乳がん、前立腺がん、卵巣がん、子宮頸がん、皮膚がん、腎がん、肝臓がん、脳がん、リンパ腫、白血病、肺がんなどを含む。用語「腫瘍」および「がん」は、本明細書で互換的に使用され、例えば、どちらの用語も、固体および液体、例えば、びまん性腫瘍または循環性腫瘍を包含する。本明細書で使用される場合、用語「がん」または「腫瘍」は、前悪性と共に悪性のがんおよび腫瘍を含む。用語「がん」は、本明細書で使用される場合、原発性悪性細胞または腫瘍(例えば、細胞が対象の体内で元の悪性腫瘍または腫瘍の部位以外の部位に遊走していないもの)および二次性悪性細胞または腫瘍(例えば、転移、元の腫瘍の部位とは異なる二次的な部位への悪性細胞または腫瘍細胞の遊走から生じるもの)を含む。
本明細書で使用される場合、用語「処置する(treat)」、「処置(treatment)」および「処置すること(treating)」は、障害、例えば増殖性障害の進行、重症度および/もしくは期間の軽減もしくは軽快、または1つもしくは複数の治療の投与によって生じる障害の1つもしくは複数の症状(好ましくは、1つまたは複数の識別可能な症状)の軽快を指す。具体的な実施形態では、用語「処置する(treat)」、「処置(treatment)」および「処置すること(treating)」は、腫瘍の成長などの増殖性障害の少なくとも1つの測定可能な物理的パラメーターの軽快を指し、必ずしも患者によって識別可能である必要はない。他の実施形態では、用語「処置する(treat)」、「処置(treatment)」および「処置すること(treating)」は、例えば識別可能な症状の安定化による物理的な、例えば物理的パラメーターの安定化による生理学的な、またはその両方による増殖性障害の進行の阻害を指す。他の実施形態では、用語「処置する(treat)」、「処置(treatment)」および「処置すること(treating)」は、腫瘍サイズまたはがん性細胞数の低減または安定化を指す。
本開示の組成物および方法は、指定された配列、またはそれと実質的に同一もしくは類似する配列、例えば、指定された配列と少なくとも85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%同一またはそれより高い割合で同一の配列を有するポリペプチドおよび核酸を包含する。アミノ酸配列の文脈において、用語「実質的に同一」は、第1および第2のアミノ酸配列が共通の構造ドメインおよび/または共通の機能的活性を有し得るように、第2のアミノ酸配列においてアラインされたアミノ酸残基とi)同一であるか、またはii)その保存的置換である、十分な数または最小限の数のアミノ酸残基を含有する第1のアミノ酸を指すために本明細書で使用される。例えば、参照配列、例えば本明細書で提供される配列に対して少なくとも約85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%の同一性を有する共通の構造ドメインを含有するアミノ酸配列である。
ヌクレオチド配列の文脈において、用語「実質的に同一」は、第1および第2のヌクレオチド配列が共通の機能的活性を有するポリペプチドをコードするか、または共通の構造ポリペプチドドメインまたは共通の機能的ポリペプチド活性をコードするように、第2の核酸配列においてアラインされたヌクレオチドと同一である、十分な数または最小限の数のヌクレオチドを含有する第1の核酸配列を指すために本明細書で使用される。例えば、参照配列、例えば本明細書で提供される配列に対して少なくとも約85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%の同一性を有するヌクレオチド配列である。
用語「アミノ酸」は、天然または合成を問わず、アミノ官能性と酸官能性の両方を含み、天然に存在するアミノ酸のポリマーに含まれ得るすべての分子を包含することが意図される。例示的なアミノ酸としては、天然に存在するアミノ酸;そのアナログ、誘導体および同族体;バリアント側鎖を有するアミノ酸アナログ;ならびに前述のいずれかのすべての立体異性体が挙げられる。本明細書で使用される場合、用語「アミノ酸」は、D-またはL-光学異性体とペプチド模倣体の両方を含む。
用語「ポリペプチド」、「ペプチド」および「タンパク質」は(一本鎖である場合)、任意の長さのアミノ酸のポリマーを指すために本明細書で互換的に使用される。ポリマーは、直鎖状であっても分岐状であってもよく、修飾アミノ酸を含んでもよく、非アミノ酸で中断されていてもよい。この用語は、修飾された;例えば、ジスルフィド結合形成、グリコシル化、脂質化、アセチル化、リン酸化、または標識構成成分とのコンジュゲーションなどの任意の他の操作をされたアミノ酸ポリマーも包含する。ポリペプチドは、天然の供給源から単離され得るか、真核生物または原核生物の宿主から組換え技法によって産生され得るか、または合成手順の生成物であり得る。
用語「核酸」、「核酸配列」、「ヌクレオチド配列」、または「ポリヌクレオチド配列」、および「ポリヌクレオチド」は、互換的に使用される。これらは、任意の長さのポリマー形態のヌクレオチド、すなわち、デオキシリボヌクレオチドもしくはリボヌクレオチド、またはそれらのアナログを指す。ポリヌクレオチドは、一本鎖または二本鎖のいずれであってもよく、一本鎖の場合はコード鎖または非コード(アンチセンス)鎖であってもよい。ポリヌクレオチドは、メチル化ヌクレオチドおよびヌクレオチドアナログなどの修飾ヌクレオチドを含んでもよい。ヌクレオチドの配列は、非ヌクレオチド構成成分によって中断されていてもよい。ポリヌクレオチドは、標識構成成分とのコンジュゲーションなどによって、重合後にさらに修飾されてもよい。核酸は、組換えポリヌクレオチドであっても、あるいはゲノム、cDNA、半合成、または自然界に存在しないか、もしくは非天然の配置で別のポリヌクレオチドに連結されている合成起源のポリヌクレオチドであってもよい。
本開示の様々な態様を以下にさらに詳細に記載する。さらなる定義は本明細書全体を通して記載されている。
治療用途およびバイオマーカー
ある態様では、(i)治療(例えば、がん免疫療法と組み合わせた標的治療またはがん免疫療法を用いない標的治療を含む治療)から利益を得る可能性が高い対象(例えば、がん、例えば本明細書に記載のがんを有する対象)を特定するステップと;(ii)治療(例えば、がん免疫療法剤を含まない標的治療を含む治療と比較した、がん免疫療法と組み合わせて標的治療を含む治療)からの利益の増加を有する可能性の高い対象を特定するステップと;(iii)治療を対象のために選択するステップと;(iv)対象を処置するステップと;(v)対象を層別化するステップとを含む方法が本明細書において提供される。本方法は、1つまたは複数のバイオマーカーを評価するステップであって、前記1つまたは複数のバイオマーカーが治療の利益または有効性の可能性を示す、ステップを含む。
一部の実施形態では、本方法は、以下のうちの1つまたは複数(例えば、2、3、4、またはすべて)を取得するステップ、決定するステップ、および/または評価するステップを含む:
(i)CD8+免疫エフェクター細胞(例えば、CD8+T細胞)のレベルもしくは活性に対するCD4+免疫エフェクター細胞(例えば、CD4+T細胞)のレベルもしくは活性の値、
(ii)TIL、PD-L1、デジタル病理画像の解析によって規定されるCD8表現型(例えば、デジタル病理画像の解析に基づく炎症型、排除型、および砂漠型)、IFNγ、もしくは例えば、本明細書に記載されているT細胞炎症遺伝子発現シグネチャー、例えばCD8+ TIL炎症表現型を有する腫瘍を含む免疫活性化のレベルもしくは活性の値;
(iii)負荷期間(TMB)の値、
(iv)PD-L1のレベルおよび/もしくは活性の値;ならびに/または
(v)循環腫瘍DNA(ctDNA)の値。
一部の実施形態では、本方法は、CD8+免疫エフェクター細胞(例えば、CD8+T細胞)のレベルまたは活性に対するCD4+免疫エフェクター細胞(例えば、CD4+T細胞)のレベルもしくは活性の値を取得するステップ、決定するステップおよび/または評価するステップを含む。一部の実施形態では、本方法は、(ii)、(iii)、(iv)、または(v)のいずれか1つを取得するステップ、決定するステップおよび/または評価するステップをさらに含む。一部の実施形態では、本方法は、(ii)、(iii)、(iv)、または(v)のいずれか2つを取得するステップ、決定するステップおよび/または評価するステップをさらに含む。一部の実施形態では、本方法は、(ii)、(iii)、(iv)、または(v)のいずれか3つを取得するステップ、決定するステップおよび/または評価するステップをさらに含む。一部の実施形態では、本方法は、(ii)、(iii)、(iv)、および(v)のすべてを取得するステップ、決定するステップおよび/または評価するステップをさらに含む。
したがって、一部の実施形態では、治療から利益を得る可能性が高い、がんを有する対象を特定する方法は、腫瘍巣および/または間質コンパートメント内のCD8+ TILの絶対数を規定するために、腫瘍マークアップ領域を用いるデジタル病理画像解析を使用して、対象における(例えば、対象からの試料中の)CD8+免疫エフェクター細胞(例えば、CD8+T細胞)のレベルまたは活性に対するCD4+免疫エフェクター細胞(例えば、CD4+T細胞)のレベルまたは活性の値を取得するステップを含む。
一部の実施形態では、参照値よりも大きいかまたはそれに等しい値は、対象が、がん免疫療法(例えば、抗PD-1療法)と組み合わせて標的治療を含む(例えば、BRAFを標的とする薬剤および/またはMEKを標的とする薬剤を含む)治療から利益を得る可能性が高いことを特定する。一部の実施形態では、対象は、がん免疫療法を用いない標的治療を含む治療と比較して、治療からの利益の増加を有する可能性が高い。
一部の実施形態では、参照値よりも大きいかまたはそれに等しい値は、対象が、治療から利益を得る可能性が高いことを特定し、治療は、単剤療法としてのがん免疫療法(例えば、PD-1結合アンタゴニスト)である。一部の実施形態では、対象は、がん免疫療法以外の治療と比較して、治療からの利益の増加を有する可能性が高い。
一部の実施形態では、参照値よりも小さい値は、対象が、がん免疫療法と組み合わせて標的治療を含む(例えば、BRAFを標的とする薬剤および/またはMEKを標的とする薬剤を含む)治療からの利益の実質的な増加を有する可能性が低いことを特定する。
一部の実施形態では、治療をがんを有する対象のために選択する方法は、対象における(例えば、対象からの試料中の)CD8+免疫エフェクター細胞(例えば、CD8+T細胞)のレベルまたは活性に対するCD4+免疫エフェクター細胞(例えば、CD4+T細胞)のレベルまたは活性の値を取得するステップと、値が、参照値よりも大きいかまたはそれに等しい場合、がん免疫療法と組み合わせて標的治療を含む治療を対象のために選択するステップとを含む。
一部の実施形態では、治療をがんを有する対象のために選択する方法は、対象における(例えば、対象からの試料中の)CD8+免疫エフェクター細胞(例えば、CD8+T細胞)のレベルまたは活性に対するCD4+免疫エフェクター細胞(例えば、CD4+T細胞)のレベルまたは活性の値を取得するステップと、値が、参照値よりも大きいかまたはそれに等しい場合、治療を対象のために選択するステップであって、治療が単剤療法としてのがん免疫療法(例えば、PD-1結合アンタゴニスト)である、ステップとを含む。
一部の実施形態では、治療をがんを有する対象のために選択する方法は、対象における(例えば、対象からの試料中の)CD8+免疫エフェクター細胞(例えば、CD8+T細胞)のレベルまたは活性に対するCD4+免疫エフェクター細胞(例えば、CD4+T細胞)のレベルまたは活性の値を取得するステップと、値が、参照値よりも小さい場合、標的治療(例えば、がん免疫療法を用いない)を含む治療を対象のために選択するステップとを含む。
一部の実施形態では、対象における(例えば、対象からの試料中の)CD8+免疫エフェクター細胞(例えば、CD8+T細胞)のレベルまたは活性に対するCD4+免疫エフェクター細胞(例えば、CD4+T細胞)のレベルまたは活性の値が、参照値よりも大きいかまたはそれに等しいことを受けて、処置する方法は、がん免疫療法と組み合わせて標的治療を含む治療の有効量を対象に投与し(例えば、投与を開始または投与を継続し)、それによってがんを有する対象を処置するステップを含む。
一部の実施形態では、対象における(例えば、対象からの試料中の)CD8+免疫エフェクター細胞(例えば、CD8+T細胞)のレベルまたは活性に対するCD4+免疫エフェクター細胞(例えば、CD4+T細胞)のレベルまたは活性の値が、参照値よりも大きいかまたはそれに等しいことを受けて、処置する方法は、治療の有効量を対象に投与し(例えば、投与を開始または投与を継続し)、それによってがんを有する対象を処置するステップであって、治療が単剤療法としてのがん免疫療法(例えば、PD-1結合アンタゴニスト)である、ステップを含む。
一部の実施形態では、がんを有する対象を処置する方法は、対象における(例えば、対象からの試料中の)CD8+免疫エフェクター細胞(例えば、CD8+T細胞)のレベルまたは活性に対するCD4+免疫エフェクター細胞(例えば、CD4+T細胞)のレベルまたは活性の値を取得するステップと、値が、参照値よりも大きいかまたはそれに等しい場合、がん免疫療法と組み合わせて標的治療を含む治療の有効量を対象に投与し(例えば、投与を開始または投与を継続し)、それによってがんを有する対象を処置するステップとを含む。
一部の実施形態では、がんを有する対象を処置する方法は、対象における(例えば、対象からの試料中の)CD8+免疫エフェクター細胞(例えば、CD8+T細胞)のレベルまたは活性に対するCD4+免疫エフェクター細胞(例えば、CD4+T細胞)のレベルまたは活性の値を取得するステップと、値が、参照値よりも大きいかまたはそれに等しい場合、治療の有効量を対象に投与し(例えば、投与を開始または投与を継続し)、それによってがんを有する対象を処置するステップであって、治療が単剤療法としてのがん免疫療法(例えば、PD-1結合アンタゴニスト)である、ステップとを含む。
一部の実施形態では、がんを有する対象を処置する方法は、標的治療の有効量を対象に投与するステップ(例えば、投与を開始するステップまたは投与を継続するステップ)と、対象における(例えば、対象からの試料中の)CD8+免疫エフェクター細胞(例えば、CD8+T細胞)のレベルまたは活性に対するCD4+免疫エフェクター細胞(例えば、CD4+T細胞)のレベルまたは活性の値が、参照値よりも大きいかまたはそれに等しいことを受けて、がん免疫療法の有効量を対象に投与し(例えば、投与を開始または投与を継続し)、それによってがんを有する対象を処置するステップとを含む。
一部の実施形態では、がんを有する対象を処置する方法は、がん免疫療法と組み合わせて標的治療を含む治療の有効量を対象に投与するステップ(例えば、投与を開始するステップまたは投与を継続するステップ)であって、投与前に、対象における(例えば、対象からの試料中の)CD8+免疫エフェクター細胞(例えば、CD8+T細胞)のレベルまたは活性に対するCD4+免疫エフェクター細胞(例えば、CD4+T細胞)のレベルまたは活性の値が、参照値よりも大きいかまたはそれに等しいことが決定される、ステップを含む。
一部の実施形態では、がんを有する対象を処置する方法は、治療の有効量を対象に投与するステップ(例えば、投与を開始するステップまたは投与を継続するステップ)であって、治療が、単剤療法としてのがん免疫療法(例えば、PD-1結合アンタゴニスト)であり、投与前に、対象における(例えば、対象からの試料中の)CD8+免疫エフェクター細胞(例えば、CD8+T細胞)のレベルまたは活性に対するCD4+免疫エフェクター細胞(例えば、CD4+T細胞)のレベルまたは活性の値が、参照値よりも大きいかまたはそれに等しいことが決定される、ステップを含む。
一部の実施形態では、がんを有する対象を処置する方法は、がん免疫療法と組み合わせて標的治療を含む治療の有効量を対象に投与し(例えば、投与を開始または投与を継続し)、それによってがんを有する対象を処置するステップであって、対象は、対象における(例えば、対象からの試料中の)CD8+免疫エフェクター細胞(例えば、CD8+T細胞)のレベルまたは活性に対するCD4+免疫エフェクター細胞(例えば、CD4+T細胞)のレベルまたは活性の値が、参照値よりも大きいかまたはそれに等しいことを特徴とする、ステップを含む。
一部の実施形態では、がんを有する対象を処置する方法は、治療の有効量を対象に投与し(例えば、投与を開始または投与を継続し)、それによってがんを有する対象を処置するステップであって、治療は、単剤療法としてのがん免疫療法(例えば、PD-1結合アンタゴニスト)であり、対象は、対象における(例えば、対象からの試料中の)CD8+免疫エフェクター細胞(例えば、CD8+T細胞)のレベルまたは活性に対するCD4+免疫エフェクター細胞(例えば、CD4+T細胞)のレベルまたは活性の値が、参照値よりも大きいかまたはそれに等しいことを特徴とする、ステップを含む。
一部の実施形態では、対象における(例えば、対象からの試料中の)CD8+免疫エフェクター細胞(例えば、CD8+T細胞)のレベルまたは活性に対するCD4+免疫エフェクター細胞(例えば、CD4+T細胞)のレベルまたは活性の値が、参照値よりも小さいことを受けて、がんを有する対象を処置する方法は、標的治療(例えば、がん免疫療法を用いない)を含む治療の有効量を対象に投与し(例えば、投与を開始または投与を継続し)、それによってがんを有する対象を処置するステップを含む。
一部の実施形態では、がんを有する対象を処置する方法は、対象における(例えば、対象からの試料中の)CD8+免疫エフェクター細胞(例えば、CD8+T細胞)のレベルまたは活性に対するCD4+免疫エフェクター細胞(例えば、CD4+T細胞)のレベルまたは活性の値を取得するステップと、値が参照値よりも小さい場合、標的治療(例えば、がん免疫療法を用いない)を含む治療の有効量を対象に投与し(例えば、投与を開始または投与を継続し)、それによってがんを有する対象を処置するステップとを含む。
一部の実施形態では、がんを有する対象を処置する方法は、がん免疫療法と組み合わせて標的治療を含む治療の有効量を対象に投与するステップ(例えば、投与を開始するステップまたは投与を継続するステップ)と;対象における(例えば、対象からの試料中の)CD8+免疫エフェクター細胞(例えば、CD8+T細胞)のレベルまたは活性に対するCD4+免疫エフェクター細胞(例えば、CD4+T細胞)のレベルまたは活性の値が、参照値よりも小さいことを受けて、標的治療(例えば、がん免疫療法を用いない)の有効量を対象に投与し(例えば、投与を開始または投与を継続し)、それによってがんを有する対象を処置するステップとを含む。
一部の実施形態では、がんを有する対象を処置する方法は、標的治療(例えば、がん免疫療法を用いない)を含む治療の有効量を対象に投与するステップ(例えば、投与を開始するステップまたは投与を継続するステップ)であって、投与前に、対象における(例えば、対象からの試料中の)CD8+免疫エフェクター細胞(例えば、CD8+T細胞)のレベルまたは活性に対するCD4+免疫エフェクター細胞(例えば、CD4+T細胞)のレベルまたは活性の値が、参照値よりも小さいことが決定されており、それによって、がんを有する対象を処置するステップを含む。
一部の実施形態では、がんを有する対象を処置する方法は、標的治療(例えば、がん免疫療法を用いない)を含む治療の有効量を対象に投与し(例えば、投与を開始または投与を継続し)、それによってがんを有する対象を処置するステップであって、対象は、対象における(例えば、対象からの試料中の)CD8+免疫エフェクター細胞(例えば、CD8+T細胞)のレベルまたは活性に対するCD4+免疫エフェクター細胞(例えば、CD4+T細胞)のレベルまたは活性の値が、参照値よりも小さいことを特徴とする)、それによってがんを有する対象を処置するステップを含む。
一部の実施形態では、対象における(例えば、対象からの試料中の)CD8+免疫エフェクター細胞(例えば、CD8+T細胞)のレベルまたは活性に対するCD4+免疫エフェクター細胞(例えば、CD4+T細胞)のレベルまたは活性の値を受けて、処置する方法は、標的治療(例えば、がん免疫療法を用いない)を含む治療の有効量を、参照値よりも小さい値を有する対象に投与するか(例えば、投与を開始または投与を継続するか);またはがん免疫療法と組み合わせて標的治療を含む治療の有効量を、参照値よりも大きいかもしくはそれに等しい値を有する対象に投与し(例えば、投与を開始または投与を継続し)、それによってがんを有する対象を処置するステップを含む。
一部の実施形態では、がんを有する対象を処置する方法は、対象における(例えば、対象からの試料中の)CD8+免疫エフェクター細胞(例えば、CD8+T細胞)のレベルまたは活性に対するCD4+免疫エフェクター細胞(例えば、CD4+T細胞)のレベルまたは活性の値を取得するステップと;標的治療(例えば、がん免疫療法を用いない)を含む治療の有効量を、参照値よりも小さい値を有する対象に投与するか(例えば、投与を開始または投与を継続するか);またはがん免疫療法と組み合わせて標的治療を含む治療の有効量を、参照値よりも大きいかもしくはそれに等しい値を有する対象に投与し(例えば、投与を開始または投与を継続し)、それによってがんを有する対象を処置するステップとを含む。
一部の実施形態では、がんを有する対象を処置する方法は、標的治療(例えば、がん免疫療法を用いない)を含む治療の有効量を対象に投与するステップ(例えば、投与を開始するステップまたは投与を継続するステップ)と;対象における(例えば、対象からの試料中の)CD8+免疫エフェクター細胞(例えば、CD8+T細胞)のレベルもしくは活性に対するCD4+免疫エフェクター細胞(例えば、CD4+T細胞)のレベルもしくは活性の値を受けて、標的治療(例えば、がん免疫療法を用いない)を含む治療を、参照値よりも小さい値を有する対象に投与するか(例えば、投与を開始または投与を継続するか)、またはがん免疫療法と組み合わせて標的治療を含む治療を、参照値よりも大きいかもしくはそれに等しい値を有する対象に投与し(例えば、投与を開始または投与を継続し)、それによってがんを有する対象を処置するステップとを含む。
一部の実施形態では、がんを有する対象を処置する方法は、
(a)標的治療(例えば、がん免疫療法を用いない)であって、投与前に、対象における(例えば、対象からの試料中の)CD8+免疫エフェクター細胞(例えば、CD8+T細胞)のレベルもしくは活性に対するCD4+免疫エフェクター細胞(例えば、CD4+T細胞)のレベルもしくは活性の値が、参照値よりも小さいことが決定されている、標的治療;
(b)がん免疫療法と組み合わせた標的治療であって、投与前に、対象における(例えば、対象からの試料中の)CD8+免疫エフェクター細胞(例えば、CD8+T細胞)のレベルもしくは活性に対するCD4+免疫エフェクター細胞(例えば、CD4+T細胞)のレベルもしくは活性の値が、参照値よりも大きいかもしくはそれに等しいことが決定されており、それによって、がんを有する対象を処置する、標的治療;または
(c)がん免疫療法(例えば、単剤療法として)であって、投与前に、対象における(例えば、対象からの試料中の)CD8+免疫エフェクター細胞(例えば、CD8+T細胞)のレベルもしくは活性に対するCD4+免疫エフェクター細胞(例えば、CD4+T細胞)のレベルもしくは活性の値が、参照値よりも大きいかもしくはそれに等しいことが決定されており、それによって、がんを有する対象を処置する、がん免疫療法
を含む治療の有効量を対象に投与するステップ
を含む。
一部の実施形態では、がんを有する対象を処置する方法は、
(a)対象への標的治療(例えば、がん免疫療法を用いない)であって、対象が、対象における(例えば、対象からの試料中の)CD8+免疫エフェクター細胞(例えば、CD8+T細胞)のレベルもしくは活性に対するCD4+免疫エフェクター細胞(例えば、CD4+T細胞)のレベルもしくは活性の値が、参照値よりも小さいことを特徴とするか、もしくは特徴付けられた、標的治療;
(b)がん免疫療法と組み合わせた標的治療であって、対象が、対象における(例えば、対象からの試料中の)CD8+免疫エフェクター細胞(例えば、CD8+T細胞)のレベルもしくは活性に対するCD4+免疫エフェクター細胞(例えば、CD4+T細胞)のレベルもしくは活性の値が、参照値よりも大きいかもしくはそれに等しいことを特徴とするか、もしくは特徴付けられており、それによって、がんを有する対象を処置する、標的治療;または
(c)がん免疫療法(例えば、単剤療法として)であって、対象が、対象における(例えば、対象からの試料中の)CD8+免疫エフェクター細胞(例えば、CD8+T細胞)のレベルまたは活性に対するCD4+免疫エフェクター細胞(例えば、CD4+T細胞)のレベルまたは活性の値が、参照値よりも大きいかまたはそれに等しいことを特徴とするか、もしくは特徴付けられており、それによって、がんを有する対象を処置する、がん免疫療法
を含む治療の有効量を対象に投与するステップ
を含む。
一部の実施形態では、がんを有する対象を第1の群と第2の群に層別化する方法は、
(i)対象における(例えば、対象からの試料中の)CD8+免疫エフェクター細胞(例えば、CD8+T細胞)のレベルまたは活性に対するCD4+免疫エフェクター細胞(例えば、CD4+T細胞)のレベルまたは活性の値を取得するステップと、
(ii)参照値よりも小さい値を有する対象を、標的治療(例えば、がん免疫療法を用いない)を含む治療から利益を得る可能性が高い第1の群に割り当てるステップと、
(iii)参照値よりも大きいかまたはそれに等しい値を有する対象を、がん免疫療法と組み合わせて標的治療を含む治療から利益を得る可能性が高い第2の群に割り当てるステップと
を含む。
一部の実施形態では、がんを有する対象を第1の群と第2の群に層別化する方法は、
(i)対象における(例えば、対象からの試料中の)CD8+免疫エフェクター細胞(例えば、CD8+T細胞)のレベルまたは活性に対するCD4+免疫エフェクター細胞(例えば、CD4+T細胞)のレベルまたは活性の値を取得するステップと、
(ii)参照値よりも小さい値を有する対象を、標的治療(例えば、がん免疫療法を用いない)を含む治療から利益を得る可能性が高い第1の群に割り当てるステップと、
(iii)参照値よりも大きいかまたはそれに等しい値を有する対象を、がん免疫療法を含む治療から利益を得る可能性が高い第2の群に割り当てるステップと
を含む。
一部の実施形態では、がんを有する対象を第1の群と第2の群に層別化して治療を選択する方法は、
(i)対象における(例えば、対象からの試料中の)CD8+免疫エフェクター細胞(例えば、CD8+T細胞)のレベルまたは活性に対するCD4+免疫エフェクター細胞(例えば、CD4+T細胞)のレベルまたは活性の値を取得するステップであって、
参照値よりも小さい値が、対象を、標的治療(例えば、がん免疫療法を用いない)を含む治療から利益を得る可能性が高い第1の群のメンバーとして特定し、
参照値よりも大きいかまたはそれに等しい値が、対象を、免疫療法と組み合わせて標的治療を含む治療から利益を得る可能性が高い第2の群のメンバーとして特定する、ステップ
を含む。
一部の実施形態では、がんを有する対象を第1の群と第2の群に層別化して治療を選択する方法は、
(i)対象における(例えば、対象からの試料中の)CD8+免疫エフェクター細胞(例えば、CD8+T細胞)のレベルまたは活性に対するCD4+免疫エフェクター細胞(例えば、CD4+T細胞)のレベルまたは活性の値を取得するステップであって、
参照値よりも小さい値が、対象を、標的治療(例えば、がん免疫療法を用いない)を含む治療から利益を得る可能性の高い第1の群のメンバーとして特定し、
参照値よりも大きいかまたはそれに等しい値が、対象を、免疫療法を含む治療から利益を得る可能性が高い第2の群のメンバーとして特定する、ステップ
を含む。
一部の実施形態では、CD8+免疫エフェクター細胞(例えば、CD8+T細胞)のレベルまたは活性に対するCD4+免疫エフェクター細胞(例えば、CD4+T細胞)のレベルまたは活性の値は、CD8+免疫エフェクター細胞(例えば、CD8+T細胞)の量に対するCD4+免疫エフェクター細胞(例えば、CD4+T細胞)の量の比を含み、本明細書で開示されているいずれかのアッセイ、例えば、フローサイトメトリー免疫表現型検査によって測定することができる。
一部の実施形態では、2.01よりも大きいかまたはそれに等しい値(例えば、2.5、3、3.5、4、4.5、5、5.5、6、6.5、7、7.5、8、8.5、9、9.5、または10より大きいかまたはそれに等しい値)は、対象が、がん免疫療法(例えば、抗PD-1結合アンタゴニスト)と組み合わせて標的治療を含む治療(例えば、BRAFを標的とする薬剤および/またはMEKを標的とする薬剤を含む治療)から利益を得る可能性が高いことを特定する。一部の実施形態では、3.34よりも大きいかまたはそれに等しい値(例えば、3.5、4、4.5、5、5.5、6、6.5、7、7.5、8、8.5、9、9.5、または10より大きいかまたはそれに等しい値)は、対象が、がん免疫療法(例えば、抗PD-1結合アンタゴニスト)と組み合わせて標的治療を含む治療(例えば、BRAFを標的とする薬剤および/またはMEKを標的とする薬剤を含む治療)から利益を得る可能性が高いことを特定する。
一部の実施形態では、2.01よりも大きいかまたはそれに等しい値(例えば、2.5、3、3.5、4、4.5、5、5.5、6、6.5、7、7.5、8、8.5、9、9.5、または10より大きいかまたはそれに等しい値)は、対象が、がん免疫療法(例えば、抗PD-1結合アンタゴニスト)を含む治療から利益を得る可能性が高いことを特定する。一部の実施形態では、3.34よりも大きいかまたはそれに等しい値(例えば、3.5、4、4.5、5、5.5、6、6.5、7、7.5、8、8.5、9、9.5、または10より大きいかまたはそれに等しい値)は、対象が、がん免疫療法(例えば、抗PD-1結合アンタゴニスト)を含む治療から利益を得る可能性が高いことを特定する。
一部の実施形態では、値を取得するステップは、対象における、例えば、対象からの試料中のCD8+免疫エフェクター細胞(例えば、CD8+T細胞)のレベルまたは活性に対するCD4+免疫エフェクター細胞(例えば、CD4+T細胞)のレベルまたは活性を決定することを含む。
一部の実施形態では、対象からの試料は、血液試料(例えば、末梢血単核球(PBMC)を含む末梢血試料など)または腫瘍試料を含む。
一部の実施形態では、値は、治療の投与が開始される前に取得される(例えば、ベースライン値である)。一部の実施形態では、値は、治療の投与が開始された後に取得される。例えば、値は、治療の投与が開始された1、2、3、4、8、10、12、20、30、40週間後もしくはそれ以降または1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、12、14、16、18、20カ月後もしくはそれ以降に取得されてもよい。
本明細書に記載の方法のある特定の実施形態では、本方法は、1つまたは複数のさらなるバイオマーカーを取得するステップ、決定するステップ、および/または評価するステップをさらに含む。
一部の実施形態では、本方法は、対象における(例えば、対象からの試料中の)CD8+腫瘍浸潤リンパ球(TIL)、例えば、CD8+TIL炎症表現型を有する腫瘍のレベルまたは活性の値を取得するステップ、決定するステップ、および/または評価するステップをさらに含む。一部の実施形態では、参照値と比較した場合のCD8+TILのレベルまたは活性の値の増加は、対象が治療から利益を得る可能性が高いことをさらに特定する。
一部の実施形態では、本方法は、対象における(例えば、対象からの試料中の)PD-L1のレベルおよび/または活性の値を取得するステップ、決定するステップ、および/または評価するステップをさらに含む。一部の実施形態では、参照値と比較した場合のPD-L1のレベルおよび/または活性の値の減少は、例えば、参照値と比較した場合のTMB値の増加と共に、対象が治療から利益を得る可能性が高いことをさらに特定する。一部の実施形態では、がんは、PD-L1の発現が低いかまたは検出不能である。
一部の実施形態では、本方法は、例えば本明細書に記載されているTIL、PD-L1、CD8、IFNγ、またはT細胞炎症遺伝子発現シグネチャーを含む免疫活性化のレベルおよび/または活性の値を取得するステップ、決定するステップ、および/または評価するステップをさらに含む。
CD8+ TILを有する腫瘍(例えば、炎症表現型を有する腫瘍)は、複数のマーカーによって;例えば、腫瘍浸潤リンパ球(H/E染色またはCD8遺伝子/タンパク質発現レベルによって決定される)、インターフェロンガンマおよび関連するマーカー、PD-L1(タンパク質または遺伝子発現)、他の既知のチェックポイント(例えば、LAG-3、TIM-3)またはシグネチャー(例えば、IFNガンマ、T細胞、炎症遺伝子発現シグネチャー)におけるマーカーの組合せの増加によって、特徴付けおよび定量化され得る。免疫療法に対する応答は、このような既存の腫瘍内T細胞適応免疫応答を有する患者において主に生じる。
IFNγはサイトカインであり、ウイルス感染に対する宿主の応答にとって重要であるだけでなく、がん関連免疫においても重要な役割を果たす。IFN-γは、腫瘍微小環境において免疫細胞によって分泌され、自然抗腫瘍応答および適応的抗腫瘍応答のプロセスを協調させる(例えば、MHCクラスIの発現を強化し、エフェクター細胞の動員に寄与する)。同時に、同じIFN-γシグナル伝達プロセスは、フィードバック阻害を誘導する可能性がある。このフィードバックループの一部として、IFN-γシグナル伝達は、腫瘍、免疫浸潤、および間質細胞におけるリガンドPD-L1およびPD-L2の直接的上方調節によって、PD-1シグナル伝達軸の活性化を可能にし、最終的に抗腫瘍免疫を損なう。
CD8およびPD-L1などの免疫遺伝子には様々な検出方法:例えば、IHC、フローサイトメトリー、試料、例えば組織、血液、エクソソーム中のmRNA発現が存在する。例えば、免疫組織化学(IHC)によるPD-L1タンパク質の検査は、異なる抗体クローン、例えば、PD-L1 IHC 22C3 PharmDxキット(Dako North America、Carpinteria、CA、USA)、PD-L1 28-8 PharmDxキット(Dako North America)、PD-L1 SP263 Ventana検査(Ventana Medical Systems Inc.、Tucson、AZ、USA)、およびPD-L1 SP142 Ventana検査(Ventana Medical Systems Inc.、Tucson、AZ、USA)によって行うことができる。PD-L1タンパク質レベルは、例えば、腫瘍および免疫細胞で調査することができる。
複数のシグネチャー(例えば、T細胞炎症、IFNγ、T細胞/CD8遺伝子発現シグネチャー)は、文献(例えば、Cristescu et al., “Pan-tumor genomic biomarkers for PD-1 checkpoint blockade-based immunotherapy”, Science 2018におけるT細胞炎症)に記載されている。これらの遺伝子シグネチャーは、既存の炎症性構成成分を有する腫瘍と非炎症性腫瘍とを区別することによって、腫瘍に対する動的免疫応答の複雑さを捉えるための新規方法である。これらのシグネチャーの遺伝子リストを精査すると、選択された遺伝子、特に生物学的特徴(例えば、IFN-γシグナル伝達、細胞溶解活性、抗原提示、およびT細胞輸送、ならびにT細胞恒常性において明らかな阻害機序を含む)においてかなりの重複があることが示唆され、これらのシグネチャーはすべて高度に相関しており、現在進行中の適応Th1および細胞傷害性CD8+ T細胞応答を有する腫瘍を特定する。これらの遺伝子発現シグネチャーが、他のT細胞炎症シグネチャーおよびIFN-yシグネチャーによって置き換えられ得ることが、当業者には理解される(例えば、Cristescu et al., “Pan-tumor genomic biomarkers for PD-1 checkpoint blockade-based immunotherapy”, Science 2018;Ayers et al. IFN-γ-related mRNA profile predicts clinical response to PD-1 blockade, The Journal of Clinical Investigation 2017)。
IFNγシグネチャーは他にもいくつか報告されており、1つの例は、Ayersらが公開した6遺伝子シグネチャーである(IFN-γ-related mRNA profile predicts clinical response to PD-1 blockade, The Journal of Clinical Investigation 2017):IDO1、CXCL10、CXCL9、HLA-DRA、STAT1、IFNG。
十分に確立されたT細胞炎症シグネチャーは、CCL5、CD27、CD274(PD-L1)、CD276(B7-H3)、CD8A、CMKLR1、CXCL9、CXCR6、HLA-DQA1、HLA-DRB1、HLA-E、IDO1、LAG3、NKG7、PDCD1LG2(PDL2)、PSMB10、STAT1、およびTIGITを含む、抗原提示、ケモカイン発現、細胞溶解活性、および適応免疫抵抗性に関連する18個の炎症遺伝子から構成される。T細胞炎症シグネチャーは、患者を低T細胞炎症シグネチャーレベルと高T細胞炎症シグネチャーレベル(カットオフ値が-0.318よりも大きいかまたはそれに等しい=高、カットオフ値が-0.318よりも小さい=低)に層別化するために使用することができる(例えば、Cristescu et al., “Pan-tumor genomic biomarkers for PD-1 checkpoint blockade-based immunotherapy”, Science 2018;Ayers et al. IFN-γ-related mRNA profile -predicts clinical response to PD-1 blockade, The Journal of Clinical Investigation 2017)。
当業者であれば、この特許明細書および文献に記載されている他のIFN-yおよびT細胞シグネチャーについても、同様のカットオフ値が確立され得ることを理解する。例えば、≧1%、≧5%、≧10%(例えば、1%)のPD-L1カットオフ値を使用して、免疫活性化の低/高を定義することができる。
一部の実施形態では、本方法は、対象における(例えば、対象からの試料中の)腫瘍遺伝子変異量(TMB)の値を取得するステップ、決定するステップ、および/または評価するステップをさらに含む。一部の実施形態では、参照値と比較した場合のTMB値の増加は、対象が治療から利益を得る可能性が高いことをさらに特定する。一部の実施形態では、TMBの値は、10mut/Mbよりも大きいかもしくはそれに等しく、例えば、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25mut/Mbよりも大きいかもしくはそれに等しく、またはそれよりも大きい。
一部の実施形態では、本方法は、対象における(例えば、対象からの試料中の)腫瘍遺伝子変異量(TMB)の値を取得するステップまたは評価するステップをさらに含む。一部の実施形態では、参照値と比較した場合のTMBの値の減少は、対象が治療(例えば、がん免疫療法を用いない)からの利益を得る可能性が高いことをさらに特定する。一部の実施形態では、参照値と比較した場合のTMBの値の減少は、対象が、がん免疫療法と組み合わせて標的治療を含む治療からの利益の実質的な増加を有する可能性が低いことをさらに特定する。一部の実施形態では、TMBの値は、10mut/Mb未満、例えば、9、8、7、6、5、4、3、2、もしくは1mut/Mb未満、またはそれよりも小さい。
本明細書で使用される場合、用語「腫瘍遺伝子変異量(tumor mutation burden)」、「腫瘍遺伝子変異量(tumor mutational burden)」、「変異負荷(mutation load)」、「変異負荷(mutational load)」、または「TMB」は、互換的に理解されてもよく、腫瘍(例えば、腫瘍組織試料、例えば、ホルマリン固定およびパラフィン包埋(FFPE)腫瘍試料、アーカイブ腫瘍試料、新鮮凍結腫瘍試料、または腫瘍細胞を含有する血液試料、腫瘍RNA、DNA、またはタンパク質)から検出された遺伝子の所定のセットにおいて(例えば、遺伝子の所定のセットのコード領域において)、予め選択された単位ごとの(例えば、メガベース(Mb)ごとの)変更(例えば、1つまたは複数の変更、例えば、1つまたは複数の体細胞変更)のレベル(例えば、数)を指す。TMBおよびその測定については、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、国際公開第2018/068028号パンフレットに開示されている。
TMBスコアは、例えば、全ゲノムもしくはエクソームに基づいて、またはゲノムもしくはエクソームのサブセットに基づいて測定することができる。ある特定の実施形態では、ゲノムまたはエクソームのサブセットに基づいて測定されたTMBスコアは、全ゲノムまたはエクソームの変異負荷を決定するために外挿することができる。一部の実施形態では、TMBスコアは、個体(例えば動物、例えばヒト)内の累積体細胞変異のレベルを指す。TMBスコアは、がん(例えば、黒色腫)を有する患者における累積体細胞変異を指す場合がある。一部の実施形態では、TMBスコアは、個体の全ゲノムにおける累積変異を指す。一部の実施形態では、TMBスコアは、患者から採取された特定の試料(例えば腫瘍試料、例えば黒色腫試料)内の累積変異を指す。
用語「体細胞変異」または「体細胞変更」は、体細胞組織(例えば、生殖細胞系の外側の細胞)に存在する遺伝子変更を指す。遺伝子変更の例としては、以下に限定されないが、点突然変異(例えば、単一のヌクレオチドの別のヌクレオチドへの交換(例えば、サイレント変異、ミスセンス変異、およびノンセンス変異))、挿入および欠失(例えば、1つまたは複数のヌクレオチド(例えば、インデル)の付加および/または除去)、増幅、遺伝子複製、コピー数変更(CNA)、再配置、ならびにスプライス部位変異が挙げられる。特定の変異の存在は、疾患状況(例えばがん、例えば黒色腫)と関連し得る。
ある特定の実施形態では、体細胞変更は、サイレント変異(例えば、同義の変更)である。他の実施形態では、体細胞変更は、非同義の一塩基多様性(SNV)である。他の実施形態では、体細胞変更は、パッセンジャー変異(例えば、クローンの適合性に検出可能な影響を有さない変更)である。ある特定の実施形態では、体細胞変更は、例えば、その病原性を確認することも否定することもできない変更である、重要性が不明の変異(VUS)である。ある特定の実施形態では、体細胞変更は、がん表現型と関連することが特定されていない。
ある特定の実施形態では、体細胞変更は、細胞分裂、成長、または生存への影響と関連しないか、または関連することが知られていない。他の実施形態では、体細胞変更は、細胞分裂、成長、または生存への影響と関連する。
ある特定の実施形態では、体細胞変更の数は、サブゲノム区間における機能的変更を除外する。一部の実施形態では、機能的変更は、参照配列(例えば、野生型または変異していない配列)と比較して、細胞分裂、成長、または生存への影響を有する(例えば、細胞分裂、成長、または生存を促進する)変更である。ある特定の実施形態では、機能的変更は、機能的変更のデータベース、例えばCOSMICデータベース(参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、Forbes et al. Nucl. Acids Res.43 (D1): D805-D811, 2015を参照されたい)に含まれることによって、そのように特定される。他の実施形態では、機能的変更は、既知の機能的状況を有する変更である(例えば、COSMICデータベースにおいて既知の体細胞変更として生じる)。ある特定の実施形態では、機能的変更は、適当な機能的状況を有する変更(例えば、腫瘍抑制遺伝子における切断)である。ある特定の実施形態では、機能的変更は、ドライバー変異(例えば、細胞の生存期間または再生を増加させることによって、その微小環境においてクローンに選択的優位性を与える変更)である。他の実施形態では、機能的変更は、クローン増殖を引き起こすことが可能な変更である。ある特定の実施形態では、機能的変更は、以下のうちの1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、または6つすべてを引き起こすことが可能な変更である:(a)増殖シグナルの自己充足;(b)抗成長シグナルへの低下、例えば不感受性;(c)アポトーシスの減少;(d)複製能の増加;(e)持続的血管新生;または(f)組織侵襲もしくは転移。
ある特定の実施形態では、遺伝子の所定のセット中のすべての遺伝子(例えば、腫瘍遺伝子)におけるすべての機能的変更が除外される。ある特定の実施形態では、体細胞変更の数は、試料中で頻度閾値未満(例えば、5%未満、3%未満、1%未満)で存在する変更を除外する。ある特定の実施形態では、体細胞変更の数は、サブゲノム区間における生殖細胞系変異を除外する。ある特定の実施形態では、生殖細胞系の変更は、SNP、塩基置換、挿入、欠失、インデル、またはサイレント変異(例えば、同義変異)である。
ある特定の実施形態では、生殖細胞系の変更は、一致した正常配列との比較を使用しない方法の使用によって除外される。他の実施形態では、生殖細胞系の変更は、アルゴリズムの使用を含む方法によって除外される。ある特定の実施形態では、生殖細胞系の変更は、生殖細胞系の変更のデータベース、例えばdbSNPデータベース(参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、Sherry et al. Nucleic Acids Res.29(1): 308-311, 2001を参照されたい)に含まれることによって、そのように特定される。他の実施形態では、生殖細胞系の変更は、ExACデータベースに含まれることによって、そのように特定される(参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、Exome Aggregation Consortium et al. bioRxiv preprint, October 30, 2015を参照されたい)。一部の実施形態では、生殖細胞系の変更は、ESPデータベース(Exome Variant Server, NHLBI GO Exome Sequencing Project (ESP), Seattle, WA)に含まれることによって、そのように特定される。一部の実施形態では、生殖細胞系の変更は、試料の腫瘍含有量をモデリングすることによって特定される(Riester et al. Source Code Biol Med. 2016 Dec 15;11:13を参照されたい)。一部の実施形態では、生殖細胞系の変更は、がんを有さない個体の試料に関するシーケンシングから特定される。
本明細書で使用される場合、「低TMBスコア」は、参照TMBスコアであるかまたはそれ未満であるTMBスコアを指すのに対し、「高TMBスコア」は、参照TMBスコアを超えるTMBスコアを指す。
本明細書で使用される場合、「低免疫活性化スコア」は、参照免疫活性化スコアであるかまたはそれ未満である免疫活性化スコアを指すのに対し、「高免疫活性化スコア」は、参照免疫活性化スコアを超える免疫活性化スコアを指す。
本明細書で使用される場合、用語「参照TMBスコア」は、例えば診断、予測、予後、および/または治療の決定を行うために、別のTMBスコアと比較されるTMBスコアを指す。例えば、参照TMBスコアは、参照試料、参照集団、および/または所定の値におけるTMBスコアであってもよい。一部の事例では、標的治療による処置に対する個々の応答性は、非標的治療による処置に対する個々の応答性に対して、カットオフ値またはそれ未満で有意に改善される。一部の事例では、非標的治療による処置に対する個々の応答性は、標的治療による処置に対する個々の応答性に対して、カットオフ値を超えて有意に改善される。
参照TMBスコアの数値が、がんの種類、TMBスコアを測定するために使用される方法論、および/またはTMBスコアを作成するために使用される統計的方法によって異なり得ることが、当業者に認識されるであろう。
用語「等価TMB値」は、体細胞バリアント(例えば、体細胞変異)のカウントをシーケンシングされた塩基数(例えば、標的パネルによって評価された約1.5Mb)で割ることによって計算することができるTMBスコアに対応する数値を指す。一般に、TMBスコアはシーケンシングされたゲノム領域のサイズに直線的に関連することが理解されるべきである。このような等価TMB値は、TMBスコアと比較して、等価程度の腫瘍遺伝子変異量を示し、例えば、標的治療(例えば、BRAFおよび/またはMEKを標的とする薬剤、例えば、ダブラフェニブおよびトラメチニブ、または例えば、ベムラフェニブおよびコビメチニブを含む標的治療)に対するがん患者の応答を予測するために、本明細書に記載の方法において互換的に使用することができる。一例として、一部の実施形態では、等価TMB値は、体細胞バリアント(例えば、体細胞変異)のカウントをシーケンシングされた塩基数で割ることによって計算することができる正規化TMB値である。例えば、等価TMB値は、規定されたシーケンシング塩基数(例えば、標的パネルによって評価された約1.5Mb)にわたってカウントされた体細胞変異の数として表すことができる。本明細書に記載されているTMBスコア(例えば、規定されたシーケンシング塩基数(例えば、本明細書に記載の標的パネルでは1.5Mb)にわたってカウントされた体細胞変異の数として表されるTMBスコア)が、異なる方法論(例えば、全エクソームシーケンシングまたは全ゲノムシーケンシング)を使用して得られる等価TMB値を包含することが理解されるべきである。一例として、全エクソームパネルでは、標的領域はおよそ50Mbであってもよく、約500の体細胞変異が検出された試料は、約10変異/MbのTMBスコアと等価なTMB値である。
一部の実施形態では、本方法は、対象における(例えば、対象からの試料中の)PD-L1のレベルおよび/または活性の値を取得するステップ、決定するステップ、および/または評価するステップをさらに含む。一部の実施形態では、PD-L1の値のレベルおよび/または活性の値の減少は、例えば、TMBの値の減少と共に、対象が、がん免疫療法と組み合わせて標的治療を含む治療からの利益の実質的な増加を有する可能性が低いことをさらに特定する。一部の実施形態では、がんは、PD-L1の発現が低いかまたは検出不能である。
一部の実施形態では、本方法は、対象における(例えば、対象からの試料中の)循環腫瘍DNA(ctDNA)の値を取得するステップ、決定するステップ、および/または評価するステップにさらに関与する。一部の実施形態では、参照値と比較した場合のctDNAの値の増加は、対象が、がん免疫療法と組み合わせて標的治療を含む治療から利益を得る可能性が高いことをさらに特定する。
用語「検出」は、直接的および間接的な検出を含む、検出の任意の手段を含む。
用語「バイオマーカー」は、本明細書で使用される場合、試料、例えば特定の遺伝子(変更および発現レベル)もしくは前記遺伝子によってコードされるタンパク質、または前記特定の遺伝子の1つまたは複数の体細胞変異において検出され得る指標、例えば予測的、診断的、および/または予後的指標を指す。バイオマーカーは、ある特定の分子学的、病理学的、組織学的、および/または臨床的特徴(例えば、がん免疫療法(例えば、PD-1結合アンタゴニスト)と組み合わせてBRAFを標的とする薬剤および/またはMEKを標的とする薬剤を含む標的療法を含む治療に対する応答性)によって特徴付けられる疾患または障害(例えば、がん)の特定のサブタイプの指標として機能する場合がある。
用語「試料」または「生物学的試料」は、本明細書で使用される場合、例えば、物理的、生化学的、化学的、および/または生理学的特徴に基づいて、特徴付けられるおよび/または特定されるべき細胞実体および/または他の分子実体を含有する、目的の対象および/または個体から得られるかまたはそれに由来する組成物を指す。試料としては、以下に限定されないが、組織試料、初代細胞もしくは培養細胞もしくは細胞株、細胞上清、細胞溶解物、血小板、血清、血漿、硝子体液、リンパ液、滑液、濾胞液、精液、羊水、乳汁、全血、血液由来細胞、尿、脳脊髄液(CSF)、唾液、喀痰、涙、汗、粘液、腫瘍溶解物、および組織培養培地、ホモジナイズした組織などの組織抽出物、腫瘍組織、細胞抽出物、およびこれらの組合せが挙げられる。一実施形態では、「試料」は、「組織試料」または「細胞試料」を意味する。別の実施形態では、「試料」は、「血液試料」を意味する。
「組織試料」または「細胞試料」は、対象または個体の組織から得られる同様の細胞の集合体を意味する。組織または細胞試料の供給源は、新鮮な、凍結されたおよび/または保存された臓器、組織試料、生検、および/または吸引液に由来するような固形組織;血液または血漿などの任意の血液成分;脳脊髄液、羊水、腹膜液、または間質液などの体液;対象の妊娠または発達の任意の時期からの細胞であってもよい。組織試料は、初代細胞もしくは培養細胞、または細胞株であってもよい。必要に応じて、組織または細胞試料は、疾患組織/臓器から得られる。例えば、「腫瘍試料」は、腫瘍または他のがん性組織から得られる組織試料である。組織試料は、細胞型(例えば、腫瘍細胞および非腫瘍細胞、がん性細胞および非がん性細胞)の混合集団を含有してもよい。組織試料は、保存剤、抗凝固剤、緩衝剤、固定剤、栄養剤、抗生物質などのような自然界では組織と天然には混在していない化合物を含有していてもよい。一部の事例では、組織試料または腫瘍組織試料は、血液試料または血漿などの試料もしくは血液成分ではない。好ましい実施形態では、組織試料または細胞試料は腫瘍試料である。
「腫瘍細胞」は、本明細書で使用される場合、腫瘍またはその試料中に存在する任意の腫瘍細胞を指す。腫瘍細胞は、当技術分野で既知の方法および/または本明細書に記載の方法を使用して、腫瘍試料中に存在し得る他の細胞、例えば間質細胞および腫瘍浸潤免疫細胞と区別されてもよい。
用語「量」および「レベル」は、一般に、生物学的試料中のバイオマーカーの量を指す。これは、当業者に既知の方法によって測定することができ、本明細書にも開示されている。例えば、遺伝子またはタンパク質の発現レベルは、フローサイトメトリー、IHC、qRT-PCR、Nanostring、および当業者に既知の他の方法のような方法によって分析することができる。
「発現」は、一般に、情報(例えば、遺伝子にコードされた情報および/またはエピジェネティックな情報)が細胞内に存在し作動する構造に変換されるプロセスを指す。したがって、本明細書で使用される場合、「発現」は、ポリヌクレオチドへの転写、ポリペプチドへの翻訳、またはポリヌクレオチドおよび/もしくはポリペプチドの修飾(例えば、ポリペプチドの翻訳後修飾)を指す場合がある。転写されたポリヌクレオチド、翻訳されたポリペプチド、またはポリヌクレオチドおよび/もしくはポリペプチドの修飾(例えば、ポリペプチドの翻訳後修飾)の断片はまた、選択的スプライシングによって生成された転写物もしくは分解された転写物を起源とするか、またはポリペプチドの翻訳後プロセシング、例えば、タンパク質分解に由来するかにかかわらず、発現しているとみなされることになる。「発現遺伝子」には、mRNAとしてポリヌクレオチドに転写され、次いで、ポリペプチドに翻訳されるもの、および、RNAに転写されるがポリペプチドに翻訳されないもの(例えば、転移RNAおよびリボソームRNA)も含まれる。
「発現の増加」、「発現レベルの増加」、「レベルの増加」、「発現の上昇」、「発現レベルの上昇」、または「レベルの上昇」は、対照、例えば、疾患もしくは障害(例えば、がん)に罹患していない個体(複数可)、または内部対照(例えば、ハウスキーピングバイオマーカー)と比較して、個体におけるバイオマーカーの発現の増加またはレベルの増加を指す。
「発現の減少」、「発現レベルの低下」、「レベルの低下」、「発現の低減」、「発現レベルの低減」、または「レベルの低減」は、対照、例えば、疾患もしくは障害(例えば、がん)に罹患していない個体(複数可)、または内部対照(例えば、ハウスキーピングバイオマーカー)と比較して、個体におけるバイオマーカーの発現の減少またはレベルの低下を指す。
本明細書で使用される場合、用語「参照レベル」は、例えば診断、予測、予後、および/または治療の決定を行うために、試料の値が比較される値を指す。例えば、参照レベルは、参照試料、参照集団、および/または所定の値における値であってもよい。「参照試料」、「参照組織」、「参照細胞」、「対照試料」、「対照組織」、または「対照細胞」は、本明細書で使用される場合、比較の目的で使用される試料、組織、細胞、標準、またはレベルを指す。一実施形態では、参照試料、参照組織、参照細胞、対照試料、対照組織、または対照細胞は、同じ対象または個体の身体の健康な部分および/または非疾患部分(例えば、組織または細胞)から得られる。例えば、参照試料、参照組織、参照細胞、対照試料、対照組織、または対照細胞は、疾患組織または細胞に隣接する健康なおよび/または非疾患組織または細胞(例えば、腫瘍に隣接する組織または細胞)であってもよい。別の実施形態では、参照試料は、同じ対象または個体の身体の未処置の組織および/または細胞から得られる。また別の実施形態では、参照試料、参照組織、参照細胞、対照試料、対照組織、または対照細胞は、同じ対象または個体ではない個体の身体の健康な部分および/または非疾患部分(例えば、組織または細胞)から得られる。さらに別の実施形態では、参照試料、参照組織、参照細胞、対照試料、対照組織、または対照細胞は、同じ対象または個体ではない個体の身体の未処置の組織および/または細胞から得られる。
一部の実施形態では、本明細書に記載の方法は、治療の有効量を対象に投与するステップ(例えば、投与を開始するステップまたは投与を継続するステップ)を含む(例えば、がん免疫療法(例えば、PD-1結合アンタゴニスト)を伴うかまたは伴わない、BRAFを標的とする薬剤および/またはMEKを標的とする薬剤を含む標的治療)。他の実施形態では、本方法は、治療の変更された投与レジメン(例えば、参照投与レジメンよりも高用量および/または高頻度の投与を含む投与レジメン)を対象に投与するステップに関与する。一部の実施形態では、本方法は、対象への異なる治療の投与を中断するステップを含む。
一部の実施形態では、本明細書に記載の方法は、さらなる治療を対象に投与するステップを含む。一部の実施形態では、本方法は、前処置を対象に投与するステップであって、前処置が、対象における(例えば、対象からの試料中の)CD8+免疫エフェクター細胞(例えば、CD8+T細胞)のレベルまたは活性に対するCD4+免疫エフェクター細胞(例えば、CD4+T細胞)のレベルまたは活性の値を増加させる、ステップに関与する。
一部の実施形態では、治療は、ファーストライン、セカンドライン、サードライン、もしくはフォースラインまたはそれを超える処置である。一部の実施形態では、治療は、アジュバントまたはネオアジュバント処置である。
対象の選択
一部の実施形態では、本明細書に記載の対象は、がんを有する対象である。対象は、哺乳動物、例えば霊長類、例えば高等霊長類、例えばヒト(例えば、本明細書に記載の障害、例えばがんを有するか、またはそれを有するリスクがある患者)であり得る。一実施形態では、対象は、免疫応答を増強する必要がない。一実施形態では、対象は、本明細書に記載の障害、例えば本明細書に記載されているがんを有するか、またはそれを有するリスクがある。ある特定の実施形態では、対象は、免疫無防備状態であるか、またはそうであるリスクがある。例えば、対象は、化学療法処置および/または放射線治療を受けているかまたはそれを受けていた。あるいは、または組み合わせて、対象は、感染の結果として免疫無防備状態であるか、またはそうであるリスクがある。
ある特定の実施形態では、本明細書に記載の方法に従って処置されるがんとしては、以下に限定されないが、固形腫瘍(例えば、黒色腫、肺がん(例えば、NSCLC)、膵臓がん、または結腸直腸がん)、血液がん(例えば、白血病、リンパ腫、骨髄腫、例えば多発性骨髄腫)、またはその転移巣が挙げられる。一実施形態では、がんは、固形腫瘍である。固形腫瘍の例としては、肺、乳房、卵巣、リンパ系、消化管(例えば、結腸)、肛門、生殖器および泌尿生殖器(例えば、腎臓、尿路上皮、膀胱細胞、前立腺)、咽頭、CNS(例えば、脳、神経細胞またはグリア細胞)、頭頸部、皮膚(例えば、黒色腫)、および膵臓に悪影響を及ぼすものなどの様々な臓器系の悪性腫瘍、例えば肉腫および癌腫、例えば腺癌、ならびに結腸がん、直腸がん、腎がん(例えば、腎細胞癌(明細胞腎細胞癌または非明細胞腎細胞癌))、肝臓がん、肺がん(例えば、非小細胞肺がん(扁平または非扁平上皮非小細胞肺がん))、小腸がんおよび食道がんなどの悪性腫瘍を含む腺癌が挙げられる。がんは、早期がん、中間期がん、末期がんまたは転移性がんであってもよい。
一実施形態では、がんは、黒色腫、例えば進行性の黒色腫である。一実施形態では、がんは、他の治療に応答しない(すなわち、難治性の)進行性または切除不能な黒色腫である。他の実施形態では、がんは、BRAF変異(例えば、BRAF V600変異)を有する黒色腫である。また他の実施形態では、本明細書で開示されている組合せ(例えば、抗PD-1抗体分子を含む組合せ)は、BRAFを標的とする薬剤(例えば、ベムラフェニブまたはダブラフェニブ)および/またはMEKを標的とする薬剤(例えば、トラメチニブ)を含む。
ある特定の実施形態では、がんは、BRAF変異、例えば、本明細書に記載のBRAF変異を有するがん(例えば、黒色腫)である。ある特定の実施形態では、BRAF変異は、V600変異である。ある特定の実施形態では、BRAF変異は、キナーゼドメインの活性化セグメントに位置する。他の実施形態では、BRAF変異は、キナーゼ活性の増加をもたらし、必要に応じて、in vitroで形質転換されている。一部の実施形態では、BRAF変異は、V600E変異、V600K変異、またはV600D変異から選択される。ある特定の実施形態では、BRAF変異は、V600E変異である。他の実施形態では、組合せは、野生型BRAFがん(例えば、野生型BRAF黒色腫)以外のがん(例えば、黒色腫)を処置するために使用される。ある特定の実施形態では、BRAF変異は、BRAFの阻害剤、MEKの阻害剤、またはその両方に対して感受性または応答性である変異である。
例示的なBRAF変異としては、以下に限定されないが、BRAF c.1779_1780delTGinsGA(D594N)、BRAF c.1780G>C(D594H)、BRAF c.1780G>A(D594N)、BRAF c.1781A>G(D594G)、BRAF c.1781A>T(D594V)、BRAF c.1782T>A(D594E)、BRAF c.1782T>G(D594E)、BRAF c.1789C>G(L597V)、BRAF c.1789_1790delCTinsTC(L597S)、BRAF c.1790T>A(L597Q)、BRAF c.1790T>G(L597R)、BRAF c.1798G>A(V600M)、BRAF c.1798_1799delGTinsAA(V600K)、BRAF c.1798_1799delGTinsAG(V600R)、BRAF c.1799T>A(V600E)、BRAF c.1799T>G(V600G)、BRAF c.1799_1800delTGinsAT(V600D)、BRAF c.1799_1800delTGinsAA(V600E)、またはBRAF c.1801A>G(K601E)が挙げられる。他の例示的なBRAF変異は、例えば、Botton et al. Pigment Cell Melanoma Res. 2013; 26(6):845-51;Hutchinson et al. Clin Cancer Res. 2013; 19(24):6696-702)に記載されているBRAF融合体も含む。
一実施形態では、がんは、肺がん(例えば、非小細胞肺がん(NSCLC)(例えば、扁平上皮および/もしくは非扁平上皮の組織を有するNSCLC、またはNSCLC腺癌))、皮膚がん(例えば、メルケル細胞癌または黒色腫(例えば、進行性の黒色腫))、腎臓がん(例えば、腎がん(例えば、腎細胞癌))、肝臓がん、骨髄腫(例えば、多発性骨髄腫)、前立腺がん、乳がん(例えば、エストロゲン受容体、プロゲステロン受容体、またはHer2/neuのうちの1つ、2つ、またはすべてを発現しない乳がん、例えば トリプルネガティブ乳がん)、結腸直腸がん、膵臓がん、頭頸部がん(例えば、頭頸部扁平上皮癌(HNSCC)、肛門がん、胃食道がん、甲状腺がん(例えば、甲状腺未分化癌)、子宮頸がん、神経内分泌腫瘍(NET)(例えば、非定型肺カルチノイド腫瘍)、リンパ増殖性疾患(例えば、移植後リンパ増殖性疾患)または血液がん、T細胞リンパ腫、B細胞リンパ腫、非ホジキンリンパ腫、または白血病(例えば、骨髄性白血病またはリンパ性白血病)から選択される。
別の実施形態では、がんは、癌腫(例えば、進行性または転移性の癌腫)、黒色腫、または肺癌、例えば、非小細胞肺癌を形成するように選択される。
一実施形態では、がんは、肺がん、例えば非小細胞肺がんまたは小細胞肺がんである。一部の実施形態では、非小細胞肺がんは、ステージI(例えば、ステージIaまたはIb)、ステージII(例えば、ステージIIaまたはIIb)、ステージIII(例えば、ステージIIIaまたはIIIb)、またはステージIVの非小細胞肺がんである。
別の実施形態では、がんは、ウイルス感染、例えば慢性ウイルス性肝炎を伴うかまたは伴わない、肝癌、例えば進行性の肝癌である。
別の実施形態では、がんは、前立腺がん、例えば進行性の前立腺がんである。
また別の実施形態では、がんは、骨髄腫、例えば多発性骨髄腫である。
また別の実施形態では、がんは、腎がん、例えば、腎細胞癌(RCC)(例えば、転移性RCC、非明細胞腎細胞癌(nccRCC)、または明細胞腎細胞癌(CCRCC))である。
一部の実施形態では、対象は、標的治療(例えば、BRAFを標的とする薬剤および/またはMEKを標的とする薬剤を含む治療)で処置されたか、または治療されている者である。一部の実施形態では、対象は、標的治療で処置されなかったか、または処置されていない。
一部の実施形態では、対象は、がん免疫療法(例えば、PD-1結合アンタゴニストまたはPD-L1結合アンタゴニスト)を受けたか、または受けている。一部の実施形態では、対象は、がん免疫療法を受けなかったか、または受けていない。
一部の実施形態では、対象は、がん免疫療法と組み合わせて標的治療を含む治療を受けたか、または受けている。一部の実施形態では、対象は、がん免疫療法と組み合わせて標的治療を含む治療を受けなかったか、または受けていない。
一部の実施形態では、対象は、標的治療を受けたか、または受けており、がんは再発した。一部の実施形態では、対象は、標的治療に対するノンレスポンダーであるか、または標的治療に対するノンレスポンダーとして特定されている。一部の実施形態では、対象は、標的治療に対するパーシャルレスポンダーであるか、または標的治療に対するパーシャルレスポンダーとして特定されている。
処置への応答
一部の実施形態では、本明細書に記載の方法に従う処置は、以下のうちの1つまたは複数をもたらし得る:抗原提示の増加、エフェクター細胞機能(例えば、T細胞増殖、IFN-γ分泌または細胞溶解機能のうちの1つまたは複数)の増加、調節性T細胞機能の阻害、調節性T細胞、エフェクターT細胞およびNK細胞などの複数の細胞型の活性への影響、腫瘍浸潤リンパ球の増加、T細胞受容体媒介性増殖の増加、ならびにがん性細胞による免疫回避の減少。一実施形態では、組合せにおけるPD-1阻害剤の使用は、PD-1の1つまたは複数の活性を阻害するか、低減させるかまたは中和し、免疫チェックポイントの遮断または低減をもたらす。よって、このような方法を使用して、対象における免疫応答を増強することが望まれる障害を処置または防止することができる。
したがって、別の態様では、対象における免疫応答をモジュレートする方法が提供される。本方法は、本明細書で開示されている組合せ(例えば、抗PD-1抗体分子の治療有効量を含む組合せ)を、対象における免疫応答がモジュレートされるように、単独でまたは1つもしくは複数の薬剤もしくは手順と組み合わせて、対象に投与するステップを含む。一実施形態では、抗体分子は、対象における免疫応答を増強するか、刺激するかまたは増加させる。
一態様では、対象におけるがんまたは腫瘍を処置する(例えば、進行を低減すること、阻害すること、または遅延させることのうちの1つまたは複数)方法が提供される。本方法は、本明細書で開示されている組合せ(例えば、抗PD-1抗体分子の治療有効量を含む組合せ)を対象に投与するステップを含む。
本明細書に記載の方法の一部の実施形態では、治療から利益を得る可能性が高い対象、または治療からの利益の増加を有する可能性の高い対象は、治療から利益を得る可能性が低い対象、または治療からの利益の増加を有する可能性の低い対象と比較して、無増悪生存期間(PFS)、客観的奏効期間(DOR)、および/または全生存期間(OS)の改善を有する。
一部の実施形態では、治療から利益を得る可能性が高い対象、または治療からの利益の増加を有する可能性の高い対象は、治療を受けなかった対象、または標的治療だけを受けたががん免疫療法を受けなかった対象と比較して、PFS、DOR、および/またはOSの改善を有する。
一部の実施形態では、PFS、DOR、および/またはOSは、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、18、24、30、36、42、48、54、60カ月まで、またはそれより長く改善される。一部の実施形態では、PFS、DOR、および/またはOSは、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、もしくは90%、または1、2、3、4、5、6、7、8、9、10倍、またはそれより大きく改善される。
一部の実施形態では、本明細書に記載の方法に従う処置は、無増悪生存期間(PFS)、客観的奏功期間(DOR)、および/または全生存期間(OS)の改善をもたらす。一部の実施形態では、PFS、DOR、および/またはOSは、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、18、24、30、36、42、48、54、60カ月まで、またはそれより長く改善される。一部の実施形態では、PFS、DOR、および/またはOSは、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、もしくは90%、または1、2、3、4、5、6、7、8、9、10倍、またはそれより大きく改善される。
「個体の応答」または「応答」は、個体にとっての利益を示す任意の評価項目を使用して評価することができ、これには、限定されないが、(1)疾患の進行(例えば、がんの進行)の、減速または完全停止を含むある程度までの阻害;(2)腫瘍サイズの低減;(3)隣接する末梢臓器および/もしくは組織へのがん細胞浸潤の阻害(すなわち、低減、減速、または完全停止);(4)転移の阻害(すなわち、低減、減速、または完全停止);(5)疾患または障害(例えば、がん)に関連する1つもしくは複数の症状のある程度までの緩和;(6)全生存期間、無増悪生存期間、および無再発生存期間を含む生存期間の長さの増加もしくは延長;ならびに/あるいは(7)処置後の所与の時点における死亡率の低下が含まれる。
医薬による処置に対する患者の「有効な応答」または患者の「応答性」および類似の表現は、がんなどの疾患または障害のリスクがある、またはそれに罹患している患者に付与される臨床利益または治療利益を指す。一実施形態では、このような利益は、生存期間(全生存期間および/または無増悪生存期間および/または無退行生存期間を含む)の延長、客観的奏効(完全奏効または部分奏効を含む)の結果、あるいはがんの徴候もしくは症状の改善のうちのいずれか1つまたは複数を含む。
「客観的奏効」とは、完全奏効(CR)または部分奏効(PR)を含む測定可能な奏効を指す。一部の実施形態では、「客観的奏効率(ORR)」は、完全奏効(CR)率と部分奏効(PR)率との合計を指す。
「完全奏効」または「CR」によって、処置に応答して、がんのすべての徴候が消失すること(例えば、すべての標的病変の消失)が意図される。これは必ずしもがんが治癒したことを意味しない。
「持続的奏効」は、処置中止後の腫瘍成長の低減に関する持続的効果を指す。例えば、腫瘍サイズは、医薬の投与開始時のサイズと比較して、同じサイズまたは小さい場合がある。一部の実施形態では、持続的奏効は、少なくとも処置期間と同じ、少なくとも処置期間の1.5倍、2.0倍、2.5倍、または3.0倍の長さ、またはそれより長い期間を有する。
本明細書で使用される場合、「がんの再発を低減または阻害する」は、腫瘍もしくはがんの再発、または腫瘍もしくはがんの進行を低減または阻害することを意味する。本明細書で開示されているように、がんの再発および/またはがんの進行には、限定されないが、がんの転移が含まれる。
用語「生存」は、患者が生きていることを指し、全生存期間、無増悪生存期間、無再発生存期間を含む。
本明細書で使用される場合、「無再発生存期間」または「RFS」は、腫瘍の完全な外科的切除後、いかなる疾患の再発もない時間の長さを指す。処置された疾患(例えば、がん)の徴候または症状がその間は現れない処置の間および後。無再発生存期間には、患者が完全奏効または部分奏効を経験した時間量、ならびに患者が安定な疾患を経験した時間量が含まれてもよい。
本明細書で使用される場合、「全生存期間」または「OS」は、特定の期間後に生きている可能性が高い群の個体のパーセンテージを指す。
「生存期間を延長すること」によって、未処置患者に対して(すなわち、医薬で処置されていない患者に対して)、または指定されたレベルの体細胞変異を有しない患者に対して、および/または抗腫瘍剤で処置した患者に対して、処置した患者の全生存期間または無増悪生存期間および無再発生存期間を増加させることが意味される。
用語「がん治療」は、がんを処置するのに有用な治療を指す。一部の実施形態では、がん治療は併用治療である。
一部の実施形態では、ある特定の治療から「利益を得る可能性が高い」対象とは、その治療に対してより高い可能性またはより高い大きさで応答する対象である。
本明細書で使用される場合、用語「個体」、「患者」、および「対象」は、互換的に使用され、任意の単一の動物、より好ましくは、処置が望まれる哺乳動物(例えば、イヌ、ネコ、ウマ、ウサギ、動物園の動物、ウシ、ブタ、ヒツジ、および非ヒト霊長類などの非ヒト動物を含む)を指す。特定の実施形態では、本明細書における個体または患者はヒトである。
本明細書で使用される場合、「投与すること」および「投与」は、対象(例えば、患者)に化合物(例えば、アンタゴニスト)または医薬組成物(例えば、アンタゴニストを含む医薬組成物)の投薬量を与える方法を意味する。投与することは、非経口投与、肺内投与、および経鼻投与、ならびに局所処置が望ましい場合には、病変内投与を含む、任意の好適な手段によって行うことができる。非経口注入には、例えば、筋肉内投与、静脈内投与、動脈内投与、腹腔内投与、または皮下投与が含まれる。投与は、投与が短期間であるか慢性的であるかに部分的に依存して、任意の好適な経路、例えば、静脈内注射または皮下注射などの注射によって行うことができる。本明細書では、様々な時点にわたる単回または複数回の投与、ボーラス投与、およびパルス注入を含むが、これらに限定されない様々な投与スケジュールが企図される。
用語「同時に」は、投与の少なくとも一部が時間的に重複する、2つ以上の治療剤の投与を指すために本明細書において使用される。したがって、同時投与は、1つまたは複数の他の薬剤の投与を中止した後に、1つまたは複数の薬剤の投与を継続する場合の投与レジメンを含む。
「低減または阻害する」によって、20%、30%、40%、50%、60%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、またはそれより高い割合の全体的な減少を引き起こす能力が意味される。低減または阻害するは、例えば、処置される障害の症状、転移の存在もしくはサイズ、または原発腫瘍のサイズを指し得る。
「基づく」という表現は、本明細書で使用される場合、1つまたは複数のバイオマーカーに関する情報が、処置決定、添付文書で与えられる情報、または販売/販売促進ガイダンスなどに情報を提供するために使用されることを意味する。
標的治療
ある特定の実施形態では、本明細書に記載の治療は、標的治療を含む。
本明細書で使用される場合、「標的治療」は、がんの成長、進行、再発、および/または広がりに関与する特定の分子(「分子標的」)に干渉することによって、がんの成長および広がりを遮断するがん治療を指す。標的治療は、「分子標的薬」、「分子標的治療」、「プレシジョンメディシン」、または同様の名称でも呼ばれることもある。
本明細書で使用される場合、用語「薬剤」は、組織、系、動物、哺乳動物、ヒト、または他の対象において所望の効果をもたらす物質を意味すると理解される。「薬剤」は、単一の化合物であっても、または2種以上の化合物の組合せもしくは組成物であってもよいことも理解されるべきである。
本明細書で使用される場合、「BRAFを標的とする薬剤」は、BRAFの活性および/または機能を直接的または間接的に標的とするか、低下させるかまたは阻害する薬剤を指す。BRAFを標的とする例示的な薬剤としては、以下に限定されないが、BRAFを標的とする化合物、タンパク質または抗体が挙げられる。一部の実施形態では、BRAFを標的とする前記薬剤は、「BRAF阻害剤」である。
本明細書で使用される場合、「MEKを標的とする薬剤」は、MEKの活性および/または機能を直接的または間接的に標的とするか、低下させるかまたは阻害する薬剤を指す。MEKを標的とする例示的な薬剤としては、以下に限定されないが、MEKを標的とする化合物、タンパク質または抗体が挙げられる。一部の実施形態では、MEKを標的とする前記薬剤は、「MEK阻害剤」である。
本明細書に記載のBRAF阻害剤および/またはMEK阻害剤は、1つまたは複数のキラル原子を含有する場合があり、またはそうでなければエナンチオマーとして存在することが可能である場合もある。したがって、本開示の化合物は、エナンチオマーの混合物、ならびに精製されたエナンチオマーまたはエナンチオマーとして濃縮された混合物を含む。また、すべての互変異性体および互変異性体の混合物は、本明細書に記載のBRAF阻害剤および/またはMEK阻害剤の範囲内に含まれることが理解される。
また、本明細書に記載のBRAF阻害剤および/またはMEK阻害剤は、別々にまたは両方、溶媒和物として存在してもよいことも理解される。本明細書で使用される場合、用語「溶媒和物」は、溶質(本開示では、式(I)もしくは(II)もしくは(III)もしくは(IV)の化合物またはその塩)と溶媒とによって形成される化学量論的に可変の複合体を指す。本開示の目的のためのこのような溶媒は、溶質の生物学的活性を妨害しない場合がある。好適な溶媒の例としては、以下に限定されないが、水、メタノール、ジメチルスルホリド、エタノールおよび酢酸が挙げられる。一実施形態では、使用される溶媒は、薬学的に許容される溶媒である。好適な薬学的に許容される溶媒の例としては、限定されないが、水、エタノールおよび酢酸が挙げられる。別の実施形態では、使用される溶媒は水である。
本明細書に記載のBRAF阻害剤および/またはMEK阻害剤は、2つ以上の形態で結晶化する能力、すなわち多形性として知られる特徴を有してもよく、このような多形性形態(「多形体」)は、本明細書に記載の治療剤の範囲内にあることが理解される。多形は、一般に、温度または圧力またはその両方の変化に対する応答として生じ得、また結晶化プロセスの変動によっても生じ得る。多形体は、X線回折パターン、溶解度、および融点などの当技術分野で既知の様々な物理的特徴によって区別することができる。
用語「薬学的に許容される塩」に包含される塩は、本開示の化合物の非毒性塩を指す。本開示の化合物の塩は、本開示の化合物中の置換基の窒素に由来する酸付加塩を含んでもよい。代表的な塩としては、以下の塩が挙げられる:酢酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、安息香酸塩、炭酸水素塩、重硫酸塩、酒石酸塩、ホウ酸塩、臭化物、エデト酸カルシウム、カムシル酸塩、炭酸塩、塩化物、クラブラン酸塩、クエン酸塩、二塩酸塩、エデト酸塩、エジシル酸塩、エストレート、エシレート、フマル酸塩、グルセプテート、グルコン酸塩、グルタミン酸塩、グリコリルアルサニル酸塩(glycollylarsanilate)、ヘキシルレゾルシン酸塩、ヒドラバミン、臭化水素酸塩、塩酸塩、ヒドロキシナフトエート、ヨウ化物、イセチオン酸塩、乳酸塩、ラクトビオン酸塩、ラウリン酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、マンデル酸塩、メシル酸塩、臭化メチル、メチル硝酸塩、メチル硫酸塩、マレイン酸モノカリウム、ムチン酸塩、ナプシル酸塩、硝酸塩、N-メチルグルカニン、シュウ酸塩、パモ酸塩(エンボネート)、パルミチン酸塩、パントテン酸塩、リン酸塩/第二リン酸塩、ポリガラクツロン酸塩、カリウム塩、サリチル酸塩、ナトリウム塩、ステアリン酸塩、亜酢酸塩、コハク酸塩、タンニン酸塩、酒石酸塩、テオクリン酸塩、トシル酸塩、トリエチオジド塩、トリメチルアンモニウム塩および吉草酸塩。薬学的に許容されない他の塩も、本開示の化合物の調製に有用である場合があり、これらは本開示のさらなる態様を形成する。塩は、当業者によって容易に調製され得る。
治療において使用するために、本明細書に記載のBRAF阻害剤および/またはMEK阻害剤が原薬として投与され得ることが可能であるが、活性成分が医薬組成物として存在することも可能である。したがって、本開示は、本明細書に記載のBRAF阻害剤および/またはMEK阻害剤、ならびに1つまたは複数の薬学的に許容される担体、希釈剤、または賦形剤を含む医薬組成物をさらに提供する。担体(複数可)、希釈剤(複数可)または賦形剤(複数可)は、製剤の他の成分と適合性であり、医薬的製剤化可能であり、かつそのレシピエントにとって有害ではないという意味で許容されなければならない。本開示の別の態様に従って、本明細書に記載のBRAF阻害剤および/またはMEK阻害剤を、1つまたは複数の薬学的に許容される担体、希釈剤または賦形剤と混和することを含む、医薬組成物の調製のためのプロセスも提供される。利用される医薬組成物のこのような要素は、別々の薬学的組合せにおいて存在しても、または1つの医薬組成物中で一緒に製剤化されてもよい。したがって、本開示は、そのうちの1つがBRAF阻害剤(例えば、本明細書に記載のBRAF阻害剤)、および1つまたは複数の薬学的に許容される担体、希釈剤、または賦形剤を含む医薬組成物、ならびにMEK阻害剤(例えば、本明細書に記載のMEK阻害剤)、および1つまたは複数の薬学的に許容される担体、希釈剤、または賦形剤を含有する医薬組成物の組合せをさらに提供する。
本明細書に記載のBRAF阻害剤および/またはMEK阻害剤は、両方の化合物を含む単位医薬組成物において同時に投与することによって、本開示に従って組み合わせて採用されてもよい。あるいは、組合せは、各々がBRAF阻害剤またはMEK阻害剤のいずれか一方を含む別々の医薬組成物において、例えば、BRAF阻害剤が最初に、MEK阻害剤が次に投与されるか、あるいはMEK阻害剤が最初に、BRAF阻害剤が次に投与される、逐次的な様式で別々に投与されてもよい。このような逐次投与は、時間的に近い(例えば、同時)であっても、時間的に離れていてもよい。
さらに、組み合わされた化合物が同じ剤形において投与されるかどうかは問題ではなく、例えば、一方の化合物が静脈内投与され、他方の化合物が経口投与されてもよい。好適には、両方の化合物は経口投与される。
例示的なBRAF阻害剤
一部の実施形態では、本明細書に記載の標的治療は、BRAFを標的とする薬剤(例えば、BRAFの阻害剤)を含む。一部の実施形態では、標的治療は、がん、例えば本明細書に記載のがん、例えば皮膚がん(例えば、黒色腫)を処置するために使用される。理論に拘束されることを望まないが、一部の実施形態では、マイトジェン活性化プロテインキナーゼ(MAPK)経路が、いくつかのヒトのがんにおいて、例えば、転移性黒色腫のほぼ50%において見られているBRAFキナーゼの変異によって、異常に活性化されると考えられている。一部の実施形態では、標的治療は、BRAF変異、例えば、本明細書に記載のBRAF変異を有するがんを処置するために使用される。一部の実施形態では、標的治療は、黒色腫、例えば、切除不能または転移性の黒色腫を処置するために使用される。一部の実施形態では、標的治療は、対象における黒色腫を処置するために使用され、ここで、黒色腫はBRAF変異(例えば、BRAF V600変異)を有する。
一部の実施形態では、BRAF阻害剤は、ダブラフェニブである。ダブラフェニブは、GSK2118436、またはTAFINLAR(登録商標)(CAS番号1195765-45-7)としても既知である。ダブラフェニブの化学式は、式(II)の化合物:
またはその薬学的に許容される塩によって示されている。便宜上、可能性のある化合物および塩の群を総称してダブラフェニブと称し、ダブラフェニブへの言及が、代替的にその化合物またはその薬学的に許容される塩のいずれかを指すことを意味する。
命名規則に応じて、ダブラフェニブは、N-{3-[5-(2-アミノピリミジン-4-イル)-2-tert-ブチル-1,3-チアゾール-4-イル]-2-フルオロフェニル}-2,6-ジフルオロベンゼンスルホンアミドとして適切に称されてもよい。
ダブラフェニブは、その薬学的に許容される塩と一緒に、PCT特許出願PCT/US09/42682において、特にがんの処置において、BRAF活性の阻害剤として有用であるものとして開示され、特許請求されている。ダブラフェニブは、本出願の実施例58aから58eにより具体化されている。このPCT出願は、2009年11月12日に国際公開第2009/137391号パンフレットとして公開され、参照により本明細書に組み込まれる。ダブラフェニブは、参照により本明細書に組み込まれる、国際公開第2011/047238号パンフレットの記載(例えば、15~21頁を参照されたい)の方法に従って調製されてもよい。
ダブラフェニブは、ヒト野生型BRAFおよびCRAF酵素、ならびにBRAF酵素の変異形態、例えばBRAF V600E、BRAF V600K、およびBRAF V600Dの経口的に生物学的に利用可能な、強力かつ選択的なRAFキナーゼ阻害剤である。ダブラフェニブの作用様式は、ATP結合の競合的阻害と一致する。ある特定の実施形態では、組合せは、BRAF変異、例えば、本明細書に記載のBRAF変異(例えば、BRAF V600変異)を有するがん(例えば、黒色腫)を有すると決定された対象を処置するために使用される。他の実施形態では、組合せは、野生型BRAFがん(例えば、野生型BRAF黒色腫)以外のがん(例えば、黒色腫)を処置するために使用される。
一部の実施形態では、BRAF阻害剤またはダブラフェニブは、50mg~300mgの間(例えば、100mg~200mgの間)の用量で、例えば1日に2回投与される。ある特定の実施形態では、BRAF阻害剤またはダブラフェニブは、100mg~200mgの間の用量(例えば、約150mgの用量)で、例えば1日に2回投与される。例えば、BRAF阻害剤またはダブラフェニブの2回目の用量は、1回目の用量の投与の約12時間後に投与することができる。一部の実施形態では、BRAF阻害剤またはダブラフェニブは、1日総用量が100mg~600mgの間(例えば、200mg~400mgの間)で投与される。ある特定の実施形態では、BRAF阻害剤またはダブラフェニブは、1日総用量が200mg~400mgの間(例えば、1日総用量が約300mg)で投与される。一部の実施形態では、ダブラフェニブというBRAF阻害剤は経口投与される。
別の実施形態では、BRAF阻害剤は、ベムラフェニブである。ベムラフェニブは、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、国際公開第2005/062795号パンフレット、同第2007/013896号パンフレット、同第2007/002325号パンフレット、および同第2007/002433号パンフレットに開示されている。ベムラフェニブは、PLX4032、RG7204、RO5185426、またはZELBORAF(登録商標)(CAS番号918504-65-1)としても既知である。本明細書で使用される場合、BRAF阻害剤であるベムラフェニブ、またはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物は、式(IV)の化合物:
またはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物によって表される。便宜上、可能性のある化合物および塩または溶媒和物の群を総称してベムラフェニブと称し、ベムラフェニブへの言及が、代替的にその化合物またはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物のいずれかを指すことを意味する。
命名規則に応じて、ベムラフェニブは、N-[3-[[5-(4-クロロフェニル)-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-3-イル]カルボニル]-2,4-ジフルオロフェニル]-1-プロパンスルホンアミドとして適切に称されてもよい。
ベムラフェニブは、その薬学的に許容される塩と一緒に、およびその溶媒和物としても、国際公開第2007/002325号パンフレットにおいて、特にがんの処置において、BRAF活性の阻害剤として有用であるものとして開示され、特許請求されている。ベムラフェニブは、国際公開第2007/002325号パンフレットにおける方法に従って調製されてもよい。
本明細書に記載の標的治療において使用することができるBRAFの他の例示的な阻害剤としては、以下に限定されないが、エンコラフェニブ、ABM-1310、ARQ 736、ASN003、BGB-283、BGB-3245、CEP-32496、GDC-0879、LUT014、PLX4720、PLX8394、RO5212054、またはその薬学的に許容される塩が挙げられる。
一実施形態では、BRAF阻害剤は、エンコラフェニブまたはPCT国際公開第2011/025927号パンフレットに開示された化合物である。エンコラフェニブは、LGX818(CAS番号1269440-17-6)としても既知である。本明細書で使用される場合、BRAF阻害剤であるエンコラフェニブ、またはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物は、式(IV)の化合物:
またはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物によって表される。
命名規則に応じて、エンコラフェニブは、N-[(1S)-2-[[4-[3-[5-クロロ-2-フルオロ-3-[(メチルスルホニル)アミノ]フェニル]-1-(1-メチルエチル)-1H-ピラゾール-4-イル]-2-ピリミジニル]アミノ]-1-カルバミン酸,メチルエステルとして適切に称されてもよい。
一実施形態では、BRAF阻害剤またはエンコラフェニブは、約200~300、200~400、または300~400mgの用量で、例えば1日ごとに投与される。一実施形態では、化合物は、約200、約300または約400mgの用量で投与される。
一部の実施形態では、BRAF阻害剤は、ABM-1310を含む。
一部の実施形態では、BRAF阻害剤は、ARQ 736を含む。
一部の実施形態では、BRAF阻害剤は、ASN003を含む。
一部の実施形態では、BRAF阻害剤は、BGB-283を含む。
一部の実施形態では、BRAF阻害剤は、BGB-3245を含む。
一部の実施形態では、BRAF阻害剤は、CEP-32496(CAS番号1188910-76-0)を含む。命名規則に応じて、CEP-32496は、N-[3-[(6,7-ジメトキシ-4-キナゾリニル)オキシ]フェニル]-N’-[5-(2,2,2-トリフルオロ-1,1-ジメチルエチル)-3-イソオキサゾリル]-尿素として適切に称されてもよい。
一部の実施形態では、BRAF阻害剤は、GDC-0879(CAS番号905281-76-7)を含む。命名規則に応じて、GDC-0879は、2,3-ジヒドロ-5-[1-(2-ヒドロキシエチル)-3-(4-ピリジニル)-1H-ピラゾール-4-イル]-1H-インデン-1-オン,オキシムとして適切に称されてもよい。
一部の実施形態では、BRAF阻害剤は、LUT014を含む。
一部の実施形態では、BRAF阻害剤は、PLX4720を含む。PLX4720は、Raf Kinase Inhibitor V(CAS番号918505-84-7)としても既知である。命名規則に応じて、PLX4720は、N-[3-[(5-クロロ-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-3-イル)カルボニル]-2,4-ジフルオロフェニル]-1-プロパンスルホンアミドとして適切に称されてもよい。
一部の実施形態では、BRAF阻害剤は、PLX8394を含む。
一部の実施形態では、BRAF阻害剤は、RO5212054を含む。RO5212054は、PLX3603としても既知である。
例示的なMEK阻害剤
一実施形態では、本明細書に記載の標的治療は、MEKを標的とする薬剤(例えば、MEKの阻害剤)を含む。一部の実施形態では、標的治療は、がん、例えば本明細書に記載のがん、例えば皮膚がん(例えば、黒色腫)を処置するために使用される。理論に拘束されることを望まないが、MAPKシグナル伝達カスケードのメンバーであるMEKが阻害された場合、細胞増殖が遮断される可能性があり、アポトーシスが誘導される可能性があると考えられている。一部の実施形態では、標的治療は、黒色腫、例えば、切除不能または転移性の黒色腫を処置するために使用される。一部の実施形態では、標的治療は、対象における黒色腫を処置するために使用され、ここで、黒色腫はBRAF変異(例えば、BRAF V600変異)を有する。
一部の実施形態では、MEK阻害剤は、トラメチニブである。トラメチニブは、GSK1120212、JTP-74057、TMT212、G-02442104、またはMEKINIST(登録商標)(CAS番号871700-17-3)としても既知である。理論に拘束されることを望まないが、一部の実施形態では、トラメチニブがMEK1およびMEK2の可逆的かつ高度に選択的なアロステリック阻害剤であると考えられている。MEKタンパク質は、MAPK経路の重要な構成成分であり、黒色腫細胞などの腫瘍細胞において一般的に過剰に活性化されている。BRAFとRASとの両方において、発癌性変異はMEK1またはMEK2を介してシグナルを伝達し得る。
トラメチニブの化学式は、式(I)の化合物:
またはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物によって示されている。便宜上、可能性のある化合物および塩または溶媒和物の群を総称してトラメチニブと称し、トラメチニブへの言及が、代替的にその化合物またはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物のいずれかを指すことを意味する。
命名規則に応じて、トラメチニブは、N-{3-[3-シクロプロピル-5-[(2-フルオロ-4-ヨードフェニル)アミノ]-6,8-ジメチル-2,4,7-トリオキソ-3,4,6,7-テトラヒドロピリド[4,3-d]ピリミジン-1(2H)-イル]フェニル}アセトアミドとして適切に称されてもよい。
トラメチニブは、その薬学的に許容される塩と一緒に、およびその溶媒和物としても、国際公開第2005/121142号パンフレットにおいて、特にがんの処置において、MEK活性の阻害剤として有用であるものとして開示され、特許請求されている。トラメチニブは、実施例4-1の化合物であり、国際公開第2005/121142号パンフレットに記載されているように調製することができる。
トラメチニブは、ジメチルスルホキシド溶媒和物の形態である場合があるか、ナトリウム塩の形態であるか、または水和物、酢酸、エタノール、ニトロメタン、クロロベンゼン、1-ペンタンコール、イソプロピルアルコール、エチレングリコールおよび3-メチル-1-ブタノールから選択される溶媒和物の形態である。これらの溶媒和物および塩の形態は、国際公開第2005/121142号パンフレットの記載から当業者によって調製され得る。
一部の実施形態では、MEK阻害剤またはトラメチニブは、0.1mg~4mgの間の用量で(例えば、0.5mg~3mgの間、例えば0.5mgの用量で)、例えば1日に1回投与される。一部の実施形態では、MEK阻害剤またはトラメチニブは、0.5mgの用量で、例えば1日に1回投与される。ある特定の実施形態では、MEK阻害剤またはトラメチニブは、1mg~3mgの間の用量(例えば、約2mgの用量)で、例えば1日に1回投与される。一部の実施形態では、MEK阻害剤またはトラメチニブは、経口投与される。
別の実施形態では、MEK阻害剤は、コビメチニブである。コビメチニブは、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、国際公開第2007/044515号パンフレットに開示されている。コビメチニブは、XL-518、GDC-0973、RG-7420、またはCOTELLIC(登録商標)(CAS番号934660-93-2)としても既知である。本明細書で使用される場合、MEK阻害剤であるコビメチニブ、またはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物は、式(III)の化合物:
またはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物によって表される。便宜上、可能性のある化合物および塩または溶媒和物の群を総称してコビメチニブと称し、コビメチニブへの言及が、代替的にその化合物またはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物のいずれかを指すことを意味する。
命名規則に応じて、コビメチニブは、[3,4-ジフルオロ-2-[(2-フルオロ-4-ヨードフェニル)アミノ]フェニル][3-ヒドロキシ-3-(2S)-2-ピペリジニル-1-アゼチジニル]-メタノンとして適切に称されてもよい。
コビメチニブは、その薬学的に許容される塩と一緒に、およびその溶媒和物としても、国際公開第2007/044515号パンフレットにおいて、特にがんの処置において、MEK活性の阻害剤として有用であるものとして開示され、特許請求されている。コビメチニブは、国際公開第2007/044515号パンフレットに記載されているように調製することができる。
本明細書に記載の標的治療において使用することができる他の例示的なMEK阻害剤としては、以下に限定されないが、ビニメチニブ、ミルダメチニブ、ピマセルチブ、レファメチニブ、セルメチニブ、AS703988、AZD 8330、BI 847325、BIX 02188、BIX 02189、CI-1040、CS3006、E6201、FCN-159、G-38963、GDC-0623、HL-085、PD 98059、RO4987655、RO5126766、SHR 7390、TAK-733、U0126、WX-554、またはその薬学的に許容される塩が挙げられる。
一部の実施形態では、MEK阻害剤は、ビニメチニブを含む。ビニメチニブは、ARRY-438162、MEK162、またはMEKTOVI(登録商標)(CAS番号606143-89-9)としても既知である。命名規則に応じて、ビニメチニブは、5-[(4-ブロモ-2-フルオロフェニル)アミノ]-4-フルオロ-N-(2-ヒドロキシエトキシ)-1-メチル-1H-ベンゾイミダゾール-6-カルボキサミドとして適切に称されてもよい。
一部の実施形態では、MEK阻害剤は、ミルダメチニブを含む。ミルダメチニブは、PD 0325901(CAS番号391210-10-9)としても既知である。命名規則に応じて、ミルダメチニブは、N-[(2R)-2,3-ジヒドロキシプロポキシ]-3,4-ジフルオロ-2-[(2-フルオロ-4-ヨードフェニル)アミノ]-ベンズアミドとして適切に称されてもよい。ミルダメチニブは、例えばPCT国際公開第2002/006213号パンフレットに記載されている。
一部の実施形態では、MEK阻害剤は、ピマセルチブを含む。ピマセルチブは、AS-703206 G-02443714、またはMSC1936369B(CAS番号1236699-92-5)としても既知である。命名規則に応じて、ピマセルチブは、N-[(2S)-2,3-ジヒドロキシプロピル]-3-[(2-フルオロ-4-ヨードフェニル)アミノ]-4-ピリジンカルボキサミドとして適切に称されてもよい。
一部の実施形態では、MEK阻害剤は、レファメチニブを含む。レファメチニブは、BAY 86-9766またはRDEA119(CAS番号923032-37-5)としても既知である。命名規則に応じて、レファメチニブは、N-[3,4-ジフルオロ-2-[(2-フルオロ-4-ヨードフェニル)アミノ]-6-メトキシフェニル]-1-[(2S)-2,3-ジヒドロキシプロピル]-シクロプロパンスルホンアミドとして適切に称されてもよい。
一部の実施形態では、MEK阻害剤は、セルメチニブを含む。セルメチニブは、AZD 6244、ARRY 142886、CL 1,040、G 00039805、またはNSC 741O78(CAS番号606143-52-6)としても既知である。命名規則に応じて、セルメチニブは、5-[(4-ブロモ-2-クロロフェニル)アミノ]-4-フルオロ-N-(2-ヒドロキシエトキシ)-1-メチル-1H-ベンゾイミダゾール-6-カルボキサミド(CAS番号606143-52-6)として適切に称されてもよい。セルメチニブは、例えばPCT国際公開第2003/077914号パンフレットに記載されている。
一部の実施形態では、MEK阻害剤は、AS703988を含む。AS703988は、MSC2015103Bとしても既知である。
一部の実施形態では、MEK阻害剤は、AZD 8330を含む。AZD 8330は、ARRY-424704(CAS番号869357-68-6)としても既知である。命名規則に応じて、AZD 8330は、2-[(2-フルオロ-4-ヨードフェニル)アミノ]-1,6-ジヒドロ-N-(2-ヒドロキシエトキシ)-1,5-ジメチル-6-オキソ-3-ピリジンカルボキサミドとして適切に称されてもよい。
一部の実施形態では、MEK阻害剤は、BI 847325(CAS番号1207293-36-4)を含む。命名規則に応じて、BI 847325は、3-[3-[[[4-[(ジメチルアミノ)メチル]フェニル]アミノ]フェニルメチレン]-2,3-ジヒドロ-2-オキソ-1H-インドール-6-イル]-N-エチル-2-プロピンアミドとして適切に称されてもよい。
一部の実施形態では、MEK阻害剤は、BIX 02188(CAS番号334949-59-6)を含む。命名規則に応じて、BIX 02188は、(3Z)-3-[[[3-[(ジメチルアミノ)メチル]フェニル]アミノ]フェニルメチレン]-2,3-ジヒドロ-2-オキソ-1H-インドール-6-カルボキサミドとして適切に称されてもよい。
一部の実施形態では、MEK阻害剤は、BIX 02189(CAS番号1265916-41-3)を含む。命名規則に応じて、BIX 02189は、(3Z)-3-[[[3-[(ジメチルアミノ)メチル]フェニル]アミノ]フェニルメチレン]-2,3-ジヒドロ-N,N-ジメチル-2-オキソ-1H-インドール-6-カルボキサミドとして適切に称されてもよい。
一部の実施形態では、MEK阻害剤は、CI-1040を含む。CI-1040は、PD184352(CAS番号212631-79-3)としても既知である。命名規則に応じて、セルメチニブは、2-[(2-クロロ-4-ヨードフェニル)アミノ]-N-(シクロプロピルメトキシ)-3,4-ジフルオロ-ベンズアミドとして適切に称されてもよい。CI-1040は、例えばPCT国際公開第2000/035436号パンフレットに記載されている。
一部の実施形態では、MEK阻害剤は、CS3006を含む。
一部の実施形態では、MEK阻害剤は、E6201を含む。命名規則に応じて、セルメチニブは、(3S,4R,5Z,8S,9S,11E)-14-(エチルアミノ)-8,9,16-トリヒドロキシ-3,4-ジメチル-3,4,9,19-テトラヒドロ-1H-2-ベンゾオキサシクロテトラデシン-1,7(8H)-ジオンとして適切に称されてもよい。E6201は、例えばPCT国際公開第2003/076424号パンフレットに記載されている。
一部の実施形態では、MEK阻害剤は、FCN-159を含む。
一部の実施形態では、MEK阻害剤は、G-38963を含む。命名規則に応じて、G-38963は、3-((2-フルオロ-4-ヨードフェニル)アミノ)-N-(2-ヒドロキシエトキシ)フロ[3,2-c]ピリジン-2-カルボキサミドとして適切に称されてもよい。
一部の実施形態では、MEK阻害剤は、GDC-0623(CAS番号1168091-68-6)を含む。命名規則に応じて、GDC-0623は、5-[(2-フルオロ-4-ヨードフェニル)アミノ]-N-(2-ヒドロキシエトキシ)-イミダゾ[1,5-a]ピリジン-6-カルボキサミドとして適切に称されてもよい。
一部の実施形態では、MEK阻害剤は、HL-085を含む。
一部の実施形態では、MEK阻害剤は、PD 98059(CAS番号167869-21-8)を含む。命名規則に応じて、PD 98059は、2-(2-アミノ-3-メトキシフェニル)-4H-1-ベンゾピラン-4-オンとして適切に称されてもよい。
一部の実施形態では、MEK阻害剤は、RO4987655を含む。RO4987655は、CH4987655(CAS番号874101-00-5)としても既知である。命名規則に応じて、RO4987655は、3,4-ジフルオロ-2-[(2-フルオロ-4-ヨードフェニル)アミノ]-N-(2-ヒドロキシエトキシ)-5-[(テトラヒドロ-3-オキソ-2H-1,2-オキサジン-2-イル)メチル]-ベンズアミドとして適切に称されてもよい。
一部の実施形態では、MEK阻害剤は、RO5126766を含む。RO5126766は、CH5126766(CAS番号946128-88-7)としても既知である。命名規則に応じて、RO5126766は、N-[3-フルオロ-4-[[4-メチル-2-オキソ-7-(2-ピリミジニルオキシ)-2H-1-ベンゾピラン-3-イル]メチル]-2-ピリジニル]-N’-メチル-スルファミドとして適切に称されてもよい。
一部の実施形態では、MEK阻害剤は、SHR 7390を含む。
一部の実施形態では、MEK阻害剤は、TAK-733(CAS番号1035555-63-5)を含む。命名規則に応じて、TAK-733は、3-[(2R)-2,3-ジヒドロキシプロピル]-6-フルオロ-5-[(2-フルオロ-4-ヨードフェニル)アミノ]-8-メチル-ピリド[2,3-d]ピリミジン-4,7(3H,8H)-ジオンとして適切に称されてもよい。
一部の実施形態では、MEK阻害剤は、U0126(CAS番号109511-58-2)を含む。命名規則に応じて、U0126は、2,3-ビス[アミノ[(2-アミノフェニル)チオ]メチレン]-ブタンジニトリルとして適切に称されてもよい。U0216は、例えば米国特許第2,779,780号明細書に記載されている。U0126は、例えば米国特許第2,779,780号明細書に記載されている。
一部の実施形態では、MEK阻害剤は、WX-554を含む。
MEK阻害剤のさらなる例は、その内容が参照により本明細書に組み込まれる、国際公開第2013/019906号パンフレット、同第03/077914号パンフレット、同第2005/121142号パンフレット、同第2007/04415号パンフレット、同第2008/024725号パンフレットおよび同第2009/085983号パンフレットに開示されている。
BRAF阻害剤とMEK阻害剤との組合せ
一部の実施形態では、本明細書に記載の標的治療は、BRAFを標的とする薬剤(例えば、本明細書に記載のBRAF阻害剤)およびMEKを標的とする薬剤(例えば、本明細書に記載のMEK阻害剤)を含む。ある特定の実施形態では、BRAF阻害剤はダブラフェニブであり、MEK阻害剤はトラメチニブである。両分子およびそれらの組合せは、例えば、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、国際公開第2011/047238号パンフレットに開示されている。他の実施形態では、BRAF阻害剤はベムラフェニブであり、MEK阻害剤はコビメチニブである。
in vitroとin vivoの前臨床データは、BRAF阻害剤(例えば、ダブラフェニブ)とMEK阻害剤(例えば、トラメチニブ)との組合せによって抗腫瘍活性が増加したことを示した。例えば、ダブラフェニブとトラメチニブとの組合せは、in vitroでBRAF変異細胞株のパネルに対して抗増殖活性が増強されたことを実証し、これにより、各単剤に対する一次抵抗性に対処するダブラフェニブとトラメチニブの相乗効果を示唆している。この組合せは、ダブラフェニブ抵抗性BRAF変異黒色腫細胞クローンの成長を阻害するのに有効であり、後天的抵抗性を克服する併用療法の潜在能力を示した。この細胞系のデータは、他の実験的BRAF阻害剤とMEK阻害剤との組合せのin vitroでの結果に匹敵するものである(Corcoran et al. Sci Signal. 2010; 3(149):ra84;Emery et al. Proc Natl Acad Sci U S A. 2009; 106(48):20411-6)。
別の例として、ダブラフェニブとトラメチニブとの組合せは、いずれか単剤と比較して、BRAF変異黒色腫のマウス異種移植モデルにおける活性を改善させたことを実証した。ラットで実施した皮膚毒性研究では、トラメチニブをダブラフェニブに添加することにより、ダブラフェニブ単独での処置後に観察された増殖性皮膚病変の発生が防止された。これらの結果は、MEK阻害剤をBRAF阻害剤に添加することにより、正常皮膚細胞の増殖シグナルが抑制され、例えば、BRAF阻害剤に関与する臨床試験において観察されることが多いケラトアカントーマおよび皮膚扁平上皮癌を含む過剰増殖性皮膚病変の発生につながる可能性があることを示唆する(Flaherty et al. CurrO pin Oncol. 2010; 22(3):178-83;Chapman et al. Expert Opin Investig Drugs. 2011; 20(2):209-20;Robert et al. CurrO pin Oncol. 2011; 23(2):177-82)。BRAF阻害剤とMEK阻害剤との別の組合せでも同様の結果が観察されている(Carnahan et al. Mol Cancer Ther. 2010; 9(8):2399-410)。
がん免疫療法
ある特定の実施形態では、本明細書に記載の治療は、がん免疫療法を含む。
本明細書で使用される場合、「がん免疫療法」は、免疫応答の調節を変更するがん治療を指す。一部の実施形態では、がん免疫療法は、免疫チェックポイント阻害剤を含む。用語「免疫チェックポイント阻害剤」は、典型的には、少なくとも1つの免疫チェックポイントタンパク質を標的とし、免疫応答の調節を変更する、例えば、免疫応答をダウンモジュレートするかまたは阻害する治療剤を指す。免疫チェックポイントタンパク質は当技術分野で既知であり、限定されないが、プログラム細胞死1(PD-1)、細胞傷害性Tリンパ球抗原4(CTLA-4)、プログラム細胞死リガンド1(PD-L1)、プログラム細胞死リガンド2(PD-L2)、T細胞活性化のVドメインIg抑制因子(VISTA)、B7-H2、B7-H3、B7-H4、B7-H6、2B4、ICOS、HVEM、CD160、gp49B、PIR-B、KIRファミリー受容体、TIM-1、TIM-3、TIM-4、LAG-3、BTLA、SIRPα(CD47)、CD48、2B4(CD244)、B7.1、B7.2、ILT-2、ILT-4、TIGIT、IDO、OX40、およびA2aRが含まれる。一部の事例では、免疫チェックポイントタンパク質は、活性化T細胞の表面で発現される場合がある。本開示の方法において有用な免疫チェックポイント阻害剤として作用し得る治療剤としては、以下に限定されないが、PD-1、CTLA-4、PD-L1、PD-L2、VISTA、B7-H2、B7-H3、B7-H4、B7-H6、2B4、ICOS、HVEM、CD160、gp49B、PIR-B、KIRファミリー受容体、TIM-1、TIM-3、TIM-4、LAG-3、BTLA、SIRPα(CD47)、CD48、2B4(CD244)、B7.1、B7.2、ILT-2、ILT-4、TIGIT、IDO、OX40、およびA2aRのうちの1つまたは複数を標的とする治療剤が挙げられる。一部の事例では、免疫チェックポイント阻害剤は、1つまたは複数の免疫チェックポイントタンパク質の機能を増強させるかまたは抑制する。一部の事例では、免疫チェックポイント阻害剤は、本明細書に記載されているPD-L1軸結合アンタゴニストである。
PD-1阻害剤
ある特定の実施形態では、本明細書に記載のがん免疫療法は、PD-1結合アンタゴニスト、例えば、PD-1阻害剤を含む。
一部の実施形態では、PD-1阻害剤は、PDR001(Novartis)、ニボルマブ(Bristol-Myers Squibb)、ペンブロリズマブ(Merck & Co)、MEDI0680(Medimmune)、REGN2810/セミプリマブ(Regeneron)、TSR-042(Tesaro)、PF-06801591(Pfizer)、BGB-A317(Beigene)、BGB-108(Beigene)、INCSHR1210(Incyte)、またはAMP-224(Amplimmune)から選択される。一部の実施形態では、PD-1阻害剤は、PDR001である。PDR001は、スパルタリズマブとしても既知である。ニボルマブ(クローン5C4)および他の抗PD-1抗体は、参照によりその全体が組み込まれる、米国特許第8,008,449号明細書および国際公開第2006/121168号パンフレットに開示されている。ペンブロリズマブおよび他の抗PD-1抗体は、参照によりその全体が組み込まれる、Hamid, O. et al. (2013) New England Journal of Medicine 369 (2): 134-44、米国特許第8,354,509号明細書、および国際公開第2009/114335号パンフレットに開示されている。MEDI0680および他の抗PD-1抗体は、参照によりその全体が組み込まれる、米国特許第9,205,148号明細書および国際公開第2012/145493号パンフレットに開示されている。さらに、既知の抗PD-1抗体としては、例えば、参照によりその全体が組み込まれる、国際公開第2015/112800号パンフレット、同第2016/092419号パンフレット、同第2015/085847号パンフレット、同第2014/179664号パンフレット、同第2014/194302号パンフレット、同第2014/209804号パンフレット、同第2015/200119号パンフレット、米国特許第8,735,553号明細書、米国特許第7,488,802号明細書、同第8,927,697号明細書、同第8,993,731号明細書、および同第9,102,727号明細書に記載されているものが挙げられる。
例示的なPD-1阻害剤
一実施形態では、PD-1阻害剤は、抗PD-1抗体分子である。一実施形態では、PD-1阻害剤は、参照によりその全体が組み込まれる、米国特許出願公開第2015/0210769号明細書に記載されている抗PD-1抗体分子である。一部の実施形態では、抗PD-1抗体分子は、スパルタリズマブ(PDR001としても既知)である。
一実施形態では、抗PD-1抗体分子は、表1に示されているアミノ酸配列を含む重鎖および軽鎖可変領域に由来するか(例えば、表1に開示されているBAP049-クローン-EまたはBAP049-クローン-Bの重鎖および軽鎖可変領域の配列に由来するか)、または表1に示されているヌクレオチド配列によってコードされている重鎖および軽鎖可変領域に由来する少なくとも1つ、2つ、3つ、4つ、5つまたは6つの相補性決定領域(CDR)(または集合的に、CDRのすべて)を含む。一部の実施形態では、CDRは、Kabatの定義に従っている(例えば、表1に示されている通り)。一部の実施形態では、CDRは、Chothiaの定義に従っている(例えば、表1に示されている通り)。一部の実施形態では、CDRは、KabatとChothiaの両方を併用したCDRの定義に従っている(例えば、表1に示されている通り)。一実施形態では、VH CDR1のKabatとChothiaのCDRの組合せは、アミノ酸配列GYTFTTYWMH(配列番号541)を含む。一実施形態では、CDRのうちの1つまたは複数(または集合的に、CDRのすべて)は、表1に示されているアミノ酸配列、または表1に示されているヌクレオチド配列によってコードされたアミノ酸配列に対して、1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、6つまたはそれより多くの変化、例えばアミノ酸置換(例えば、保存的アミノ酸置換)または欠失を有する。
一実施形態では、抗PD-1抗体分子は、それぞれ表1に開示されている、配列番号501のVHCDR1アミノ酸配列、配列番号502のVHCDR2アミノ酸配列、および配列番号503のVHCDR3アミノ酸配列を含む重鎖可変領域(VH);ならびに配列番号510のVLCDR1アミノ酸配列、配列番号511のVLCDR2アミノ酸配列、および配列番号512のVLCDR3アミノ酸配列を含む軽鎖可変領域(VL)を含む。
一実施形態では、抗体分子は、それぞれ表1に開示されている、配列番号524のヌクレオチド配列によってコードされたVHCDR1、配列番号525のヌクレオチド配列によってコードされたVHCDR2、および配列番号526のヌクレオチド配列によってコードされたVHCDR3を含むVH;ならびに配列番号529のヌクレオチド配列によってコードされたVLCDR1、配列番号530のヌクレオチド配列によってコードされたVLCDR2、および配列番号531のヌクレオチド配列によってコードされたVLCDR3を含むVLを含む。
一実施形態では、抗PD-1抗体分子は、配列番号506のアミノ酸配列、あるいは配列番号506に対して少なくとも85%、90%、95%、もしくは99%同一であるかまたはそれより高い割合で同一であるアミノ酸配列を含むVHを含む。一実施形態では、抗PD-1抗体分子は、配列番号520のアミノ酸配列、あるいは配列番号520に対して少なくとも85%、90%、95%、もしくは99%同一であるかまたはそれより高い割合で同一であるアミノ酸配列を含むVLを含む。一実施形態では、抗PD-1抗体分子は、配列番号516のアミノ酸配列、あるいは配列番号516に対して少なくとも85%、90%、95%、もしくは99%同一であるかまたはそれより高い割合で同一であるアミノ酸配列を含むVLを含む。一実施形態では、抗PD-1抗体分子は、配列番号506のアミノ酸配列を含むVHおよび配列番号520のアミノ酸配列を含むVLを含む。一実施形態では、抗PD-1抗体分子は、配列番号506のアミノ酸配列を含むVHおよび配列番号516のアミノ酸配列を含むVLを含む。
一実施形態では、抗体分子は、配列番号507のヌクレオチド配列、あるいは配列番号507に対して少なくとも85%、90%、95%、もしくは99%同一であるかまたはそれより高い割合で同一であるヌクレオチド配列によってコードされたVHを含む。一実施形態では、抗体分子は、配列番号521または517のヌクレオチド配列、あるいは配列番号521または517に対して少なくとも85%、90%、95%、もしくは99%同一であるかまたはそれより高い割合で同一であるヌクレオチド配列によってコードされたVLを含む。一実施形態では、抗体分子は、配列番号507のヌクレオチド配列によってコードされたVHおよび配列番号521または517のヌクレオチド配列によってコードされたVLを含む。
一実施形態では、抗PD-1抗体分子は、配列番号508のアミノ酸配列、あるいは配列番号508に対して少なくとも85%、90%、95%、もしくは99%同一であるかまたはそれより高い割合で同一であるアミノ酸配列を含む重鎖を含む。一実施形態では、抗PD-1抗体分子は、配列番号522のアミノ酸配列、あるいは配列番号522に対して少なくとも85%、90%、95%、もしくは99%同一であるかまたはそれより高い割合で同一であるアミノ酸配列を含む軽鎖を含む。一実施形態では、抗PD-1抗体分子は、配列番号518のアミノ酸配列、あるいは配列番号518に対して少なくとも85%、90%、95%、もしくは99%同一であるかまたはそれより高い割合で同一であるアミノ酸配列を含む軽鎖を含む。一実施形態では、抗PD-1抗体分子は、配列番号508のアミノ酸配列を含む重鎖および配列番号522のアミノ酸配列を含む軽鎖を含む。一実施形態では、抗PD-1抗体分子は、配列番号508のアミノ酸配列を含む重鎖および配列番号518のアミノ酸配列を含む軽鎖を含む。
一実施形態では、抗体分子は、配列番号509のヌクレオチド配列、あるいは配列番号509に対して少なくとも85%、90%、95%、もしくは99%同一であるかまたはそれより高い割合で同一であるヌクレオチド配列によってコードされた重鎖を含む。一実施形態では、抗体分子は、配列番号523または519のヌクレオチド配列、あるいは配列番号523または519に対して少なくとも85%、90%、95%、もしくは99%同一であるかまたはそれより高い割合で同一であるヌクレオチド配列によってコードされた軽鎖を含む。一実施形態では、抗体分子は、配列番号509のヌクレオチド配列によってコードされた重鎖および配列番号523または519のヌクレオチド配列によってコードされた軽鎖を含む。
本明細書に記載の抗体分子は、参照によりその全体が組み込まれる、米国特許出願公開第2015/0210769号明細書に記載されているベクター、宿主細胞、および方法によって作製され得る。
一部の実施形態では、PD-1阻害剤は、約200mg~約500mg(例えば、約300mg~約400mg)の用量で投与される。一部の実施形態では、PD-1阻害剤は、3週間に1回投与される。一部の実施形態では、PD-1阻害剤は、4週間に1回投与される。他の実施形態では、PD-1阻害剤は、約200mg~約400mg(例えば、約300mg)の用量で、3週間に1回投与される。さらに他の実施形態では、PD-1阻害剤は、約300mg~約500mg(例えば、約400mg)の用量で、4週間に1回投与される。
他の例示的なPD-1阻害剤
他の例示的なPD-1阻害剤としては、以下に限定されないが、ニボルマブ(Bristol-Myers Squibb)、ペンブロリズマブ(Merck & Co)、MEDI0680(Medimmune)、REGN2810/セミプリマブ(Regeneron)、TSR-042(Tesaro)、PF-06801591(Pfizer)、BGB-A317/チスレリズマブ(Beigene)、BGB-108(Beigene)、INCSHR1210(Incyte)、およびAMP-224(Amplimmune)が挙げられる。
一実施形態では、抗PD-1抗体分子は、MDX-1106、MDX-1106-04、ONO-4538、BMS-936558、またはOPDIVO(登録商標)としても既知のニボルマブ(Bristol-Myers Squibb)である。ニボルマブ(クローン5C4)および他の抗PD-1抗体は、参照によりその全体が組み込まれる、米国特許第8,008,449号明細書および国際公開第2006/121168号パンフレットに開示されている。一実施形態では、抗PD-1抗体分子は、例えば、表2に開示されている、ニボルマブのCDR配列のうちの1つもしくは複数(または集合的に、CDR配列のすべて)、重鎖もしくは軽鎖の可変領域配列、または重鎖もしくは軽鎖の配列を含む。
一実施形態では、抗PD-1抗体分子は、ランブロリズマブ、MK-3475、MK03475、SCH-900475、またはKEYTRUDA(登録商標)としても既知のペンブロリズマブ(Merck & Co)である。ペンブロリズマブおよび他の抗PD-1抗体は、参照によりその全体が組み込まれる、Hamid, O. et al. (2013) New England Journal of Medicine 369 (2): 134-44、米国特許第8,354,509号明細書、および国際公開第2009/114335号パンフレットに開示されている。一実施形態では、抗PD-1抗体分子は、例えば、表2に開示されている、ペンブロリズマブのCDR配列のうちの1つもしくは複数(または集合的に、CDR配列のすべて)、重鎖もしくは軽鎖の可変領域配列、または重鎖もしくは軽鎖の配列を含む。
一実施形態では、抗PD-1抗体分子は、AMP-514としても既知のMEDI0680(Medimmune)である。MEDI0680および他の抗PD-1抗体は、参照によりその全体が組み込まれる、米国特許第9,205,148号明細書および国際公開第2012/145493号パンフレットに開示されている。一実施形態では、抗PD-1抗体分子は、MEDI0680のCDR配列のうちの1つもしくは複数(または集合的に、CDR配列のすべて)、重鎖もしくは軽鎖の可変領域配列、または重鎖もしくは軽鎖の配列を含む。
一実施形態では、抗PD-1抗体分子は、REGN2810/セミプリマブ(Regeneron)である。一実施形態では、抗PD-1抗体分子は、REGN2810のCDR配列のうちの1つもしくは複数(または集合的に、CDR配列のすべて)、重鎖もしくは軽鎖の可変領域配列、または重鎖もしくは軽鎖の配列を含む。
一実施形態では、抗PD-1抗体分子は、PF-06801591(Pfizer)である。一実施形態では、抗PD-1抗体分子は、PF-06801591のCDR配列のうちの1つもしくは複数(または集合的に、CDR配列のすべて)、重鎖もしくは軽鎖の可変領域配列、または重鎖もしくは軽鎖の配列を含む。
一実施形態では、抗PD-1抗体分子は、BGB-A317/チスレリズマブまたはBGB-108(Beigene)である。一実施形態では、抗PD-1抗体分子は、BGB-A317/チスレリズマブまたはBGB-108のCDR配列のうちの1つもしくは複数(または集合的に、CDR配列のすべて)、重鎖もしくは軽鎖の可変領域配列、または重鎖もしくは軽鎖の配列を含む。
一実施形態では、抗PD-1抗体分子は、INCSHR01210またはSHR-1210としても既知のINCSHR1210(Incyte)である。一実施形態では、抗PD-1抗体分子は、INCSHR1210のCDR配列のうちの1つもしくは複数(または集合的に、CDR配列のすべて)、重鎖もしくは軽鎖の可変領域配列、または重鎖もしくは軽鎖の配列を含む。
一実施形態では、抗PD-1抗体分子は、ANB011としても既知のTSR-042(Tesaro)である。一実施形態では、抗PD-1抗体分子は、TSR-042のCDR配列のうちの1つもしくは複数(または集合的に、CDR配列のすべて)、重鎖もしくは軽鎖の可変領域配列、または重鎖もしくは軽鎖の配列を含む。
さらに、既知の抗PD-1抗体としては、例えば、参照によりその全体が組み込まれる、国際公開第2015/112800号パンフレット、同第2016/092419号パンフレット、同第2015/085847号パンフレット、同第2014/179664号パンフレット、同第2014/194302号パンフレット、同第2014/209804号パンフレット、同第2015/200119号パンフレット、米国特許第8,735,553号明細書、同第7,488,802号明細書、同第8,927,697号明細書、同第8,993,731号明細書、および同第9,102,727号明細書に記載されているものが挙げられる。
一実施形態では、抗PD-1抗体は、本明細書に記載の抗PD-1抗体のうちの1つとの結合について競合する、および/またはそれと同じPD-1のエピトープに結合する抗体である。
一実施形態では、PD-1阻害剤は、例えば、参照によりその全体が組み込まれる、米国特許第8,907,053号明細書に記載されているPD-1シグナル伝達経路を阻害するペプチドである。一実施形態では、PD-1阻害剤は、定常領域(例えば、免疫グロブリン配列のFc領域)に融合したイムノアドヘシン(例えば、PD-L1またはPD-L2の細胞外またはPD-1結合部分を含むイムノアドヘシン)である。一実施形態では、PD-1阻害剤は、AMP-224(例えば、参照によりその全体が組み込まれる、国際公開第2010/027827号パンフレットおよび同第2011/066342号パンフレットに開示されたB7-DCIg(Amplimmune))である。
PD-L1阻害剤
ある特定の実施形態では、本明細書に記載のがん免疫療法は、PD-L1結合アンタゴニスト、例えば、PD-L1阻害剤を含む。一部の実施形態では、PD-L1阻害剤は、抗PD-L1抗体分子である。
一部の実施形態では、PD-L1阻害剤は、FAZ053(Novartis)、アテゾリズマブ(Genentech/Roche)、アベルマブ(Merck Serono and Pfizer)、MEDI4736としても既知のデュルバルマブ(MedImmune/AstraZeneca)、またはMDX-1105もしくは12A4としても既知のBMS-936559(Bristol-Myers Squibb)から選択される。
一実施形態では、抗PD-1抗体分子は、FAZ053である。FAZ053および他の抗PD-L1抗体は、参照によりその全体が組み込まれる、米国特許出願公開第2016/0108123号明細書に記載されている。一実施形態では、抗PD-L1抗体分子は、FAZ053のCDR配列のうちの1つもしくは複数(または集合的に、CDR配列のすべて)、重鎖もしくは軽鎖の可変領域配列、または重鎖もしくは軽鎖の配列を含む。
一実施形態では、抗PD-L1抗体分子は、MPDL3280A、RG7446、RO5541267、YW243.55.S70、またはTECENTRIQ(商標)としても既知のアテゾリズマブ(Genentech/Roche)である。アテゾリズマブおよび他の抗PD-L1抗体は、参照によりその全体が組み込まれる、米国特許第8,217,149号明細書および国際公開第2013/079174号パンフレットに開示されている。一実施形態では、抗PD-L1抗体分子は、アテゾリズマブのCDR配列のうちの1つもしくは複数(または集合的に、CDR配列のすべて)、重鎖もしくは軽鎖の可変領域配列、または重鎖もしくは軽鎖の配列を含む。
一実施形態では、抗PD-L1抗体分子は、MSB0010718Cとしても既知のアベルマブ(Merck Serono and Pfizer)である。アベルマブおよび他の抗PD-L1抗体は、参照によりその全体が組み込まれる、国際公開第2013/079174号パンフレットに開示されている。一実施形態では、抗PD-L1抗体分子は、アベルマブのCDR配列のうちの1つもしくは複数(または集合的に、CDR配列のすべて)、重鎖もしくは軽鎖の可変領域配列、または重鎖もしくは軽鎖の配列を含む。
一実施形態では、抗PD-L1抗体分子は、MEDI4736としても既知のデュルバルマブ(MedImmune/AstraZeneca)である。デュルバルマブおよび他の抗PD-L1抗体は、参照によりその全体が組み込まれる、米国特許第8,779,108号明細書に開示されている。一実施形態では、抗PD-L1抗体分子は、デュルバルマブのCDR配列のうちの1つもしくは複数(または集合的に、CDR配列のすべて)、重鎖もしくは軽鎖の可変領域配列、または重鎖もしくは軽鎖の配列を含む。
一実施形態では、抗PD-L1抗体分子は、MDX-1105または12A4としても既知のBMS-936559(Bristol-Myers Squibb)である。BMS-936559および他の抗PD-L1抗体は、参照によりその全体が組み込まれる、米国特許第7,943,743号明細書および国際公開第2015/081158号パンフレットに開示されている。一実施形態では、抗PD-L1抗体分子は、BMS-936559のCDR配列のうちの1つもしくは複数(または集合的に、CDR配列のすべて)、重鎖もしくは軽鎖の可変領域配列、または重鎖もしくは軽鎖の配列を含む。
さらに、既知の抗PD-L1抗体としては、例えば、参照によりその全体が組み込まれる、国際公開第2015/181342号パンフレット、同第2014/100079号パンフレット、同第2016/000619号パンフレット、同第2014/022758号パンフレット、同第2014/055897号パンフレット、同第2015/061668号パンフレット、同第2013/079174号パンフレット、同第2012/145493号パンフレット、同第2015/112805号パンフレット、同第2015/109124号パンフレット、同第2015/195163号パンフレット、米国特許第8,168,179号明細書、同第8,552,154号明細書、同第8,460,927号明細書、および同第9,175,082号明細書に記載されているものが挙げられる。
一実施形態では、抗PD-L1抗体は、本明細書に記載の抗PD-L1抗体のうちの1つとの結合について競合する、および/またはそれと同じPD-L1のエピトープに結合する抗体である。
CTLA-4阻害剤
ある特定の実施形態では、本明細書に記載のがん免疫療法は、CTLA-4結合アンタゴニスト、例えば、CTLA-4阻害剤を含む。一部の実施形態では、CTLA-4阻害剤は、抗CTLA-4抗体分子である。一部の実施形態では、抗CTLA-4抗体分子は、イピリムマブ(BMS-734016、MDX-010、MDX-101としても既知)である。一部の実施形態では、抗CTLA-4抗体分子は、トレメリムマブ(チシリムマブまたはCP-675,206としても既知)である。
標的治療とがん免疫療法との組合せ
一部の実施形態では、本明細書に記載の治療は、標的治療(例えば、本明細書に記載の標的治療)およびがん免疫療法(例えば、本明細書に記載のがん免疫療法)を含む。
一部の実施形態では、標的治療は、BRAFを標的とする薬剤(例えば、本明細書に記載のBRAF阻害剤)および/またはMEKを標的とする薬剤(例えば、本明細書に記載のMEK阻害剤)を含み、がん免疫療法は、PD-1阻害剤(例えば、本明細書に記載のPD-1阻害剤)を含む。理論に拘束されることを望まないが、一部の実施形態では、免疫チェックポイント阻害剤、例えばPD-1阻害剤をBRAF阻害剤、MEK阻害剤、またはその両方と組み合わせて使用することにより、BRAFおよび/またはMEKの阻害によってもたらされる応答が改善され得る(例えば、より迅速な応答、より耐久性のある応答、より高い応答速度、またはより完全な応答)。
一部の実施形態では、BRAF阻害剤は、ダブラフェニブまたはベムラフェニブである。一部の実施形態では、MEK阻害剤は、ベムラフェニブまたはコビメチニブである。一部の実施形態では、PD-1阻害剤は、スパルタリズマブである。ある特定の実施形態では、この治療は、ダブラフェニブおよびベムラフェニブを含む標的治療ならびにスパルタリズマブを含むがん免疫療法を含む。他の実施形態では、この治療は、ベムラフェニブおよびコビメチニブを含む標的治療ならびにスパルタリズマブを含むがん免疫療法を含む。
ある特定の実施形態では、PD-1阻害剤(例えば抗PD-1抗体分子、例えばスパルタリズマブ)は、200mg~600mg、例えば300mg~500mgの間の用量で(例えば、400mgの用量で)、3週間に1回、4週間に1回、または8週間に1回投与される。
ある特定の実施形態では、PD-1阻害剤(例えば抗PD-1抗体分子、例えばスパルタリズマブ)は、300mg~500mgの間の用量で(例えば、400mgの用量で)、4週間に1回、例えば静脈内に、例えば15~120分(例えば、約30分)の期間にわたり投与される。他の実施形態では、PD-1阻害剤(例えば抗PD-1抗体分子、例えばスパルタリズマブ)は、300mg~500mgの間の用量で(例えば、400mgの用量で)、8週間に1回、例えば静脈内に、例えば15~120分(例えば、約30分)の期間にわたり投与される。一部の実施形態では、投与は、最大12週間、例えば最大8週間または最大4週間中断されてもよい。
一部の実施形態では、PD-1阻害剤(例えば抗PD-1抗体分子、例えばスパルタリズマブ)は、300mg~500mgの間の用量で(例えば、400mgの用量で)、例えば4週間に1回、例えば静脈内に投与され、(i)BRAFを標的とする薬剤(例えば、ダブラフェニブ)は、50mg~300mgの間の用量で(例えば、100mg~200mgの間、例えば150mgの用量で)、例えば1日に2回、例えば経口的に、もしくは100mg~600mgの間の1日総用量で(例えば、200mg~400mgの間、例えば300mgの1日総用量で)、例えば経口的に投与されるか、(ii)MEKを標的とする薬剤(例えば、トラメチニブ)は、0.5mg~4mgの間の用量で(例えば、1mg~3mgの間、例えば2mgの用量で)、例えば1日に1回、例えば経口的に投与されるか;または(iii)(i)と(ii)の両方で投与される。
一部の実施形態では、PD-1阻害剤(例えば抗PD-1抗体分子、例えばスパルタリズマブ)の投与は、BRAFを標的とする薬剤(例えば、ダブラフェニブ)、MEKを標的とする薬剤(例えば、トラメチニブ)、またはその両方の投与と同じ日に開始する。他の実施形態では、PD-1阻害剤(例えば抗PD-1抗体分子、例えばスパルタリズマブ)は、BRAFを標的とする薬剤(例えば、ダブラフェニブ)、MEKを標的とする薬剤(例えば、トラメチニブ)、またはその両方が、約4週間またはそれより長い期間投与された後、投与される。例えば、BRAFを標的とする薬剤(例えば、ダブラフェニブ)、MEKを標的とする薬剤(例えば、トラメチニブ)、またはその両方の投与が1日目に開始する場合、PD-1阻害剤(例えば抗PD-1抗体分子、例えばスパルタリズマブ)の投与は29日目に開始することができる。例として、BRAFを標的とする薬剤(例えば、ダブラフェニブ)は、28日サイクルの1~28日目の間の投与レジメンごとに1日に2回投与することができ、MEKを標的とする薬剤(例えば、トラメチニブ)は、28日サイクルの1~28日目の投与レジメンごとに投与することができる。
ある特定の実施形態では、治療は、PD-1阻害剤(例えば抗PD-1抗体分子、例えばスパルタリズマブ)、BRAFを標的とする薬剤(例えば、ダブラフェニブ)、およびMEKを標的とする薬剤(例えば、トラメチニブ)を含む。
一部の実施形態では、PD-1阻害剤(例えば抗PD-1抗体分子、例えばスパルタリズマブ)は、300mg~500mgの間の用量で(例えば、400mgの用量で)、例えば4週間に1回、例えば静脈内に投与され;BRAFを標的とする薬剤(例えば、ダブラフェニブ)は、50mg~300mgの間の用量で(例えば、100mg~200mgの間、例えば150mgの用量で)、例えば1日に2回、例えば経口的に、もしくは100mg~600mgの間の1日総用量で(例えば、200mg~400mgの間、例えば300mgの1日総用量で)、例えば経口的に投与され;MEKを標的とする薬剤(例えば、トラメチニブ)は、0.5mg~4mgの間の用量で(例えば、1mg~3mgの間、例えば2mgの用量で)、例えば1日に1回、例えば経口的に投与される。
一部の実施形態では、PD-1阻害剤(例えば抗PD-1抗体分子、例えばスパルタリズマブ)は、300mg~500mgの間の用量で(例えば、400mgの用量で)、例えば8週間に1回、例えば静脈内に投与され、(i)BRAFを標的とする薬剤(例えば、ダブラフェニブ)は、50mg~300mgの間の用量で(例えば、100mg~200mgの間、例えば150mgの用量で)、例えば1日に2回、例えば経口的に、もしくは100mg~600mgの間の1日総用量で(例えば、200mg~400mgの間、例えば300mgの1日総用量で)、例えば経口的に投与されるか、(ii)MEKを標的とする薬剤(例えば、トラメチニブ)は、0.5mg~4mgの間の用量で(例えば、1mg~3mgの間、例えば2mgの用量で)、例えば1日に1回、例えば経口的に投与されるか;または(iii)(i)と(ii)の両方で投与される。
一部の実施形態では、PD-1阻害剤(例えば抗PD-1抗体分子、例えばスパルタリズマブ)は、300mg~500mgの間の用量で(例えば、400mgの用量で)、例えば8週間に1回、例えば静脈内に投与され;BRAFを標的とする薬剤(例えば、ダブラフェニブ)は、50mg~300mgの間の用量で(例えば、100mg~200mgの間、例えば150mgの用量で)、例えば1日に2回、例えば経口的に、もしくは100mg~600mgの間の1日総用量で(例えば、200mg~400mgの間、例えば300mgの1日総用量で)、例えば経口的に投与され;MEKを標的とする薬剤(例えば、トラメチニブ)は、0.5mg~4mgの間の用量で(例えば、1mg~3mgの間、例えば2mgの用量で)、例えば1日に1回、例えば経口的に投与される。
抗体分子
一実施形態では、がん免疫療法は、抗体分子(例えば、抗PD-1抗体分子)を含む。
本明細書で使用される場合、用語「抗体分子」は、少なくとも1つの免疫グロブリン可変ドメイン配列を含むタンパク質、例えば、その免疫グロブリン鎖または断片を指す。抗体分子という用語は、例えば、モノクローナル抗体(免疫グロブリンFc領域を有する完全長抗体を含む)を含む。実施形態では、抗体分子は、完全長抗体または完全長免疫グロブリン鎖を含む。実施形態では、抗体分子は、完全長抗体の抗原結合断片もしくは機能的断片、または完全長免疫グロブリン鎖を含む。
実施形態では、抗体分子は、ダイアボディ、および単鎖分子、ならびに抗体の抗原結合断片(例えば、Fab、F(ab’)、およびFv)を含む。例えば、抗体分子は、重(H)鎖可変ドメイン配列(本明細書においてVHと略記される)、および軽(L)鎖可変ドメイン配列(本明細書においてVLと略記される)を含み得る。実施形態では、抗体分子は、重鎖および軽鎖(本明細書において半抗体と称される)を含むかまたはそれからなる。別の例では、抗体分子は、2つの重(H)鎖可変ドメイン配列および2つの軽(L)鎖可変ドメイン配列を含み、それによってFab、Fab’、F(ab’)2、Fc、Fd、Fd’、Fv、単鎖抗体(例えばscFv)、単可変ドメイン抗体、ダイアボディ(Dab)(二価および二特異性)、およびキメラ(例えば、ヒト化)抗体などの2つの抗原結合部位を形成し、これは、全抗体の改変によって産生されても、または組換えDNA技術を使用してde novoで合成されたものであってもよい。これらの機能的抗体断片は、それらの各抗原または受容体と選択的に結合する能力を保持する。抗体および抗体断片は、以下に限定されないが、IgG、IgA、IgM、IgD、およびIgEを含む任意のクラスの抗体に由来し、任意のサブクラスの抗体(例えば、IgG1、IgG2、IgG3、およびIgG4)に由来し得る。本開示の抗体は、モノクローナルまたはポリクローナルであり得る。抗体分子は、ヒト抗体、ヒト化抗体、CDR移植抗体、またはin vitro生成抗体でもあり得る。抗体は、例えば、IgG1、IgG2、IgG3、またはIgG4から選択される重鎖定常領域を有し得る。抗体は、例えば、カッパまたはラムダから選択される軽鎖も有し得る。用語「免疫グロブリン」(Ig)は、本明細書において、用語「抗体」と互換的に使用される。
抗体分子の抗原結合断片の例としては、(i)VL、VH、CLおよびCH1ドメインからなる一価の断片であるFab断片;(ii)ヒンジ領域のジスルフィド架橋により連結した2つのFab断片を含む二価の断片であるF(ab’)2断片;(iii)VHドメインおよびCH1ドメインからなるFd断片;(iv)抗体の単一のアームのVLドメインおよびVHドメインからなるFv断片;(v)VHドメインからなるダイアボディ(dAb)断片;(vi)ラクダ(camelid)またはラクダ化(camelized)可変ドメイン;(vii)単鎖Fv(scFv)、(例えば、Bird et al. (1988) Science 242:423-426;およびHuston et al. (1988) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 85:5879-5883を参照されたい);(viii)単一ドメイン抗体が挙げられる。これらの抗体断片は、当業者に既知の従来技法を使用して得られ、これらの断片は、インタクト抗体と同じ方式で有用性についてスクリーニングされる。
用語「抗体」は、インタクト分子およびその機能的断片を含む。抗体の定常領域は、変更され、例えば変異し、抗体の特性を改変することができる(例えば、Fc受容体結合、抗体グリコシル化、システイン残基数、エフェクター細胞機能、または補完機能のうちの1つまたは複数を増加または低下させることができる)。
抗体分子は、単一ドメイン抗体でもあり得る。単一ドメイン抗体は、相補性決定領域が単一ドメインポリペプチドの一部である抗体を含み得る。例としては、以下に限定されないが、重鎖抗体、軽鎖を天然に欠いた抗体、従来の4鎖抗体由来の単一ドメイン抗体、操作された抗体および抗体由来のもの以外の単一ドメイン足場が挙げられる。単一ドメイン抗体は、当技術分野の単一ドメイン抗体のいずれかであっても、将来の単一ドメイン抗体のいずれかであってもよい。単一ドメイン抗体は、以下に限定されないが、マウス、ヒト、ラクダ、リャマ、魚、サメ、ヤギ、ウサギ、およびウシを含む任意の種に由来してもよい。本開示の別の態様によれば、単一ドメイン抗体は、軽鎖を欠く重鎖抗体として既知の天然に存在する単一ドメイン抗体である。このような単一ドメイン抗体は、例えば、国際公開第9404678号パンフレットに開示されている。明確化のために、軽鎖を天然に欠いた重鎖抗体由来のこの可変ドメインは、本明細書において、VHHまたはナノボディとして知られており、4鎖免疫グロブリンの従来のVHと区別される。このようなVHH分子は、ラクダ科の種、例えば、ラクダ、リャマ、ヒトコブラクダ、アルパカおよびグアナコにおいて生じた抗体に由来し得る。ラクダ科以外の他の種は、軽鎖を天然に欠いた重鎖抗体を産生する場合があり、このようなVHHは本開示の範囲内である。
VH領域およびVL領域は、「フレームワーク領域」(FRまたはFW)と呼ばれるより保存的である領域が点在する、「相補性決定領域」(CDR)と呼ばれる超可変性の領域へとさらに細分化され得る。
フレームワーク領域およびCDRの範囲は、いくつかの方法によって正確に定義されている(Kabat, E. A., et al. (1991) Sequences of Proteins of Immunological Interest, Fifth Edition, U.S. Department of Health and Human Services, NIH Publication No. 91-3242;Chothia, C. et al. (1987) J. Mol. Biol. 196:901-917;およびOxford MolecularのAbM抗体モデリングソフトウェアで使用されているAbMの定義を参照されたい)。一般に、例えば、Protein Sequence and Structure Analysis of Antibody Variable Domains. In: Antibody Engineering Lab Manual (Ed.: Duebel, S. and Kontermann, R., Springer-Verlag, Heidelberg)を参照されたい。
用語「相補性決定領域」、および「CDR」は、本明細書で使用される場合、抗原特異性および結合親和性を付与する抗体可変領域内のアミノ酸の配列を指す。一般に、各重鎖可変領域に3つのCDR(HCDR1、HCDR2、HCDR3)および各軽鎖可変領域に3つのCDR(LCDR1、LCDR2、LCDR3)が存在する。
所与のCDRの正確なアミノ酸配列の境界は、Kabat et al. (1991), “Sequences of Proteins of Immunological Interest,” 5th Ed. Public Health Service, National Institutes of Health, Bethesda, MD(「Kabat」番号付けスキーム)、Al-Lazikani et al., (1997) JMB 273,927-948(「Chothia」番号付けスキーム)に記載されているものを含むいくつかの周知のスキームのいずれかを使用して決定することができる。本明細書で使用される場合、「Chothia」番号スキームに従って定義されたCDRは、「超可変ループ」と称されることもある。
例えば、Kabatでは、重鎖可変ドメイン(VH)のCDRアミノ酸残基は、31~35(HCDR1)、50~65(HCDR2)、および95~102(HCDR3)と番号付けされ;軽鎖可変ドメイン(VL)のCDRアミノ酸残基は、24~34(LCDR1)、50~56(LCDR2)、および89~97(LCDR3)と番号付けされる。Chothiaでは、VHのCDRアミノ酸は、26~32(HCDR1)、52~56(HCDR2)、および95~102(HCDR3)と番号付けされ;VLのアミノ酸残基は、26~32(LCDR1)、50~52(LCDR2)、および91~96(LCDR3)と番号付けされる。KabatとChothiaの両方のCDR定義を組み合わせることによって、CDRは、ヒトVHのアミノ酸残基26~35(HCDR1)、50~65(HCDR2)、および95~102(HCDR3)からなり、ヒトVLのアミノ酸残基24~34(LCDR1)、50~56(LCDR2)、および89~97(LCDR3)からなる。
一般に、特に示さない限り、本明細書で開示されている抗体分子は、1つまたは複数のKabat CDRおよび/またはChothia超可変ループの任意の組合せを含み得る。一実施形態では、表1に記載の抗PD-1抗体分子について以下の定義が使用される:HCDR1は、KabatとChothiaの両方のCDR定義の組合せにより、HCCDR2~3およびLCCDR1~3は、KabatのCDR定義による。すべての定義では、各VHおよびVLは、典型的には、3つのCDRおよび4つのFRを含み、アミノ末端からカルボキシ末端まで以下の順に配置されている:FR1、CDR1、FR2、CDR2、FR3、CDR3、FR4。
本明細書で使用される場合、「免疫グロブリン可変ドメイン配列」は、免疫グロブリン可変ドメインの構造を形成することができるアミノ酸配列を指す。例えば、この配列は、天然に存在する可変ドメインのアミノ酸配列のすべてまたは一部を含んでもよい。例えば、この配列は、1つ、2つ、もしくはそれより多いN末端アミノ酸もしくはC末端アミノ酸を含んでも含まなくてもよく、またはタンパク質構造の形成に適合する他の変更を含んでもよい。
用語「抗原結合部位」は、PD-1ポリペプチド、またはそのエピトープに結合する境界面を形成する決定基を含む抗体分子の一部を指す。タンパク質(またはタンパク質模倣体)に関して、抗原結合部位は、典型的には、PD-1ポリペプチドに結合する境界面を形成する1つまたは複数のループ(少なくとも4つのアミノ酸またはアミノ酸模倣体の1つまたは複数のループ)を含む。典型的には、抗体分子の抗原結合部位は、少なくとも1つもしくは2つのCDRおよび/もしくは超可変ループ、または典型的には、少なくとも3つ、4つ、5つもしくは6つのCDRおよび/もしくは超可変ループを含む。
用語「モノクローナル抗体」または「モノクローナル抗体組成物」は、本明細書で使用される場合、単一分子組成物の抗体分子の調製物を指す。モノクローナル抗体組成物は、特定のエピトープに対する単一の結合特異性および親和性を示す。モノクローナル抗体は、ハイブリドーマ技術によって、またはハイブリドーマ技術を使用しない方法(例えば、組換え方法)によって作製することができる。
「効果的にヒト」タンパク質は、中和抗体応答、例えばヒト抗マウス抗体(HAMA)応答を誘発しないタンパク質である。HAMAは、例えば慢性疾患または再発性疾患の状態の処置において、抗体分子が繰り返し投与される場合に、いくつかの状況で問題となる可能性がある。HAMA応答により、血清からの抗体クリアランスが増加するため(例えば、Saleh et al., Cancer Immunol. Immunother., 32:180-190 (1990)を参照されたい)、また潜在的なアレルギー反応のため(例えば、LoBuglio et al., Hybridoma, 5:5117-5123 (1986)を参照されたい)、抗体の反復投与は潜在的に効果がない可能性がある。
抗体分子は、ポリクローナル抗体またはモノクローナル抗体であり得る。他の実施形態では、抗体は、組換えにより産生することができ、例えば、ファージディスプレイまたはコンビナトリアル法によって産生することができる。
抗体を生成するためのファージディスプレイおよびコンビナトリアル法は、当技術分野で既知である(例えば、そのすべての内容が参照により本明細書に組み込まれる、Ladnerらの米国特許第5,223,409号明細書;Kangらの国際公開第92/18619号パンフレット;Dowerらの国際公開第91/17271号パンフレット;Winterらの国際公開第92/20791号パンフレット;Marklandらの国際公開第92/15679号パンフレット;Breitlingらの国際公開第93/01288号パンフレット;McCaffertyらの国際公開第92/01047号パンフレット;Garrardらの国際公開第92/09690号パンフレット;Ladnerらの国際公開第90/02809号パンフレット;Fuchs et al. (1991) Bio/Technology 9:1370-1372;Hay et al. (1992) Hum Antibody Hybridomas 3:81-85;Huse et al. (1989) Science 246:1275-1281;Griffths et al. (1993) EMBO J 12:725-734;Hawkins et al. (1992) J Mol Biol 226:889-896;Clackson et al. (1991) Nature 352:624-628;Gram et al. (1992) PNAS 89:3576-3580;Garrad et al. (1991) Bio/Technology 9:1373-1377;Hoogenboom et al. (1991) Nuc Acid Res 19:4133-4137;およびBarbas et al. (1991) PNAS 88:7978-7982に記載されている)。
一実施形態では、抗体は、完全ヒト抗体(例えば、ヒト免疫グロブリン配列から抗体を産生するために遺伝子操作されたマウスにおいて作製された抗体)、または非ヒト抗体、例えば齧歯類(マウスまたはラット)、ヤギ、霊長類(例えば、サル)、ラクダの抗体である。好ましくは、非ヒト抗体は齧歯類(マウスまたはラットの抗体)である。齧歯類の抗体を産生する方法は、当技術分野で既知である。
ヒトモノクローナル抗体は、マウス系ではないヒト免疫グロブリン遺伝子を保有するトランスジェニックマウスを使用して生成することができる。目的の抗原で免疫化したこれらのトランスジェニックマウスの脾細胞を使用して、ヒトタンパク質のエピトープに特異的な親和性を有するヒトmAbを分泌するハイブリドーマを産生する(例えば、Woodらの国際公開第91/00906号パンフレット、KucherlapatiらのPCT国際公開第91/10741号パンフレット;Lonbergらの国際公開第92/03918号パンフレット;Kayらの国際公開第92/03917号パンフレット;Lonberg, N. et al. 1994 Nature 368:856-859;Green, L.L. et al. 1994 Nature Genet. 7:13-21;Morrison, S.L. et al. 1994 Proc. Natl. Acad. Sci. USA 81:6851-6855;Bruggeman et al. 1993 Year Immunol 7:33-40;Tuaillon et al. 1993 PNAS 90:3720-3724;Bruggeman et al. 1991 Eur J Immunol 21:1323-1326を参照されたい)。
抗体は、可変領域、またはその一部、例えばCDRが非ヒト生物、例えばラットまたはマウスにおいて生成されたものであり得る。キメラ抗体、CDR移植抗体、およびヒト化抗体は本開示の範囲内である。非ヒト生物、例えばラットまたはマウスで生成され、次いで、例えば、ヒトでの抗原性を低下させるために可変フレームワークまたは定常領域において、改変された抗体は、本開示の範囲内である。
キメラ抗体は、当技術分野で既知の組換えDNA技法によって産生することができる(Robinsonらの国際特許公開第PCT/US86/02269号;Akiraらの欧州特許出願公開第184,187号明細書;Taniguchi,Mの欧州特許出願公開第171,496号明細書;Morrisonらの欧州特許出願公開第173,494号明細書;Neubergerらの国際出願公開第86/01533号パンフレット;Cabillyらの米国特許第4,816,567号明細書;Cabillyらの欧州特許出願公開第125,023号明細書;Better et al. (1988 Science 240:1041-1043);Liu et al. (1987) PNAS 84:3439-3443;Liu et al., 1987, J. Immunol. 139:3521-3526;Sun et al. (1987) PNAS 84:214-218;Nishimura et al., 1987, Canc. Res. 47:999-1005;Wood et al. (1985) Nature 314:446-449;およびShaw et al., 1988, J. Natl Cancer Inst. 80:1553-1559を参照されたい)。
ヒト化抗体またはCDR移植抗体は、少なくとも1つまたは2つであるが、一般には3つすべてのレシピエントCDR(免疫グロブリン重鎖およびまたは免疫グロブリン軽鎖のもの)がドナーCDRで置き換えられていることになる。抗体は、非ヒトCDRの少なくとも一部で置き換えられていてもよく、CDRの一部のみが非ヒトCDRで置き換えられていてもよい。ヒト化抗体のPD-1への結合に必要なCDRの数を置き換えればよい。好ましくは、ドナーは、齧歯類の抗体、例えばラットまたはマウスの抗体であり、レシピエントは、ヒトフレームワークまたはヒトコンセンサスフレームワークである。典型的には、CDRを提供する免疫グロブリンは「ドナー」と呼ばれ、フレームワークを提供する免疫グロブリンは「アクセプター」と呼ばれる。一実施形態では、ドナー免疫グロブリンは非ヒト(例えば、齧歯類)である。アクセプターフレームワークは、天然に存在する(例えば、ヒト)フレームワーク、またはコンセンサスフレームワーク、またはそれと約85%またはそれより高い割合、好ましくは90%、95%、99%またはそれより高い割合で同一の配列である。
本明細書で使用される場合、用語「コンセンサス配列」は、関連する配列のファミリー内に最も高い頻度で存在するアミノ酸(またはヌクレオチド)から形成される配列を指す(例えば、Winnaker, From Genes to Clones (Verlagsgesellschaft, Weinheim, Germany 1987)を参照されたい)。タンパク質のファミリーでは、コンセンサス配列の各位置は、そのファミリーのその位置に最も高い頻度で存在するアミノ酸によって占められている。2つのアミノ酸が同じ頻度で存在する場合、いずれかがコンセンサス配列に含まれ得る。「コンセンサスフレームワーク」は、コンセンサス免疫グロブリン配列におけるフレームワーク領域を指す。
抗体は、当技術分野で既知の方法によってヒト化され得る(例えば、そのすべての内容が参照により本明細書に組み込まれる、Morrison, S. L., 1985, Science 229:1202-1207、Oi et al.による, 1986, BioTechniques 4:214、およびQueenらによる米国特許第5,585,089号明細書、同第5,693,761号明細書および同第5,693,762号明細書を参照されたい)。
ヒト化抗体またはCDR移植抗体は、CDR移植またはCDR置換によって生成することができ、免疫グロブリン鎖の1つ、2つ、またはすべてを置き換えることができる。例えば、そのすべての内容が参照により本明細書に明示的に組み込まれる、米国特許第5,225,539号明細書;Jones et al. 1986 Nature 321:552-525;Verhoeyan et al. 1988 Science 239:1534;Beidler et al. 1988 J. Immunol. 141:4053-4060;Winterの米国特許第5,225,539号明細書を参照されたい。Winterは、本開示のヒト化抗体を調製するために使用され得るCDR移植方法について記載しており(1987年3月26日に出願された英国特許出願公開第2188638号明細書;Winterの米国特許第5,225,539号明細書)、その内容は参照により明示的に組み込まれる。
特定のアミノ酸が置換されたか、欠失したかまたは付加されたヒト化抗体も本開示の範囲内である。ドナーからアミノ酸を選択するための基準は、その内容が参照により本明細書に組み込まれる、米国特許第5,585,089号明細書、例えば、米国特許第5,585,089号明細書の第12欄~第16欄に記載されている。抗体をヒト化するための他の技法は、1992年12月23日に公開されたPadlanらの欧州特許第519596号明細書に記載されている。
抗体分子は、単鎖抗体であり得る。単鎖抗体(scFV)は、操作されていてもよい(例えば、Colcher, D. et al. (1999) Ann N Y Acad Sci 880:263-80;およびReiter, Y. (1996) Clin Cancer Res 2:245-52を参照されたい)。単鎖抗体は、二量体化または多量体化され、同じ標的タンパク質の異なるエピトープに対して特異性を有する多価抗体を生成することができる。
また他の実施形態では、抗体分子は、例えば、IgG1、IgG2、IgG3、IgG4、IgM、IgA1、IgA2、IgD、およびIgEの重鎖定常領域から選択される重鎖定常領域;特に、IgG1、IgG2、IgG3、およびIgG4の(例えば、ヒト)重鎖定常領域から選択される重鎖定常領域を有する。別の実施形態では、抗体分子は、例えば、カッパまたはラムダの(例えば、ヒト)軽鎖定常領域から選択される軽鎖定常領域を有する。定常領域は、変更され、例えば変異し、抗体の特性を改変することができる(例えば、Fc受容体結合、抗体グリコシル化、システイン残基数、エフェクター細胞機能、および/または補完機能のうちの1つまたは複数を増加または低下させることができる)。一実施形態では、抗体は、エフェクター機能を有し、補体を固定することができる。他の実施形態では、抗体は、エフェクター細胞を動員しないか、または補体を固定しない。別の実施形態では、抗体は、Fc受容体に結合する能力が低下しているか、またはその能力を有さない。例えば、抗体は、Fc受容体への結合をサポートしないアイソタイプまたはサブタイプ、断片または他の突然変異体であり、例えば、Fc受容体結合領域が突然変異誘発されているか、または欠失している。
抗体定常領域を変更するための方法は、当技術分野で既知である。機能が変更された、例えば、エフェクターリガンド、例えば、細胞上のFcR、または補体のC1構成成分に対する親和性が変更された抗体は、抗体の定常部分の少なくとも1つのアミノ酸残基を異なる残基で置き換えることによって産生することができる(例えば、そのすべての内容が参照により本明細書に組み込まれる、欧州特許出願公開第388,151号明細書、米国特許第5,624,821号明細書および米国特許第5,648,260号明細書を参照されたい)。マウス、または他の種の免疫グロブリンに適用された場合にこれらの機能を低下させるか、または排除する類似の種類の変更が記載され得る。
抗体分子は、誘導体化され得るか、または別の機能性分子(例えば、別のペプチドまたはタンパク質)に連結され得る。本明細書で使用される場合、「誘導体化された」抗体分子は、改変されたものである。誘導体化の方法としては、以下に限定されないが、蛍光部分、放射性核種、毒素、酵素またはビオチンなどの親和性リガンドの付加が挙げられる。したがって、本開示の抗体分子は、イムノアドヘシン分子を含む、本明細書に記載の抗体の誘導体化された形態およびその他の改変形態を含むことが意図される。例えば、抗体分子は、別の抗体(例えば、二特異性抗体またはダイアボディ)、検出剤、細胞毒性剤、医薬剤、および/または抗体もしくは抗体部分と別の分子(例えば、ストレプトアビジンコア領域またはポリヒスチジンタグ)との会合を媒介することができるタンパク質もしくはペプチドなどの1つまたは複数の他の分子実体に機能的に連結することができる(化学的連結、遺伝子融合、非共有結合による会合などによる)。
誘導体化された抗体分子の1つのタイプは、2つ以上の抗体(同じタイプまたは異なるタイプ、例えば二特異性抗体を創出するためのもの)を架橋することによって生成される。好適な架橋剤には、適切なスペーサーによって分離された2つの明確な反応性基を有するヘテロ二官能性(例えば、m-マレイミドベンゾイル-N-ヒドロキシスクシンイミドエステル)またはホモ二官能性(例えば、ジスクシンイミジルスベレート)のものが含まれる。このようなリンカーはPierce Chemical Company、Rockford、Illから入手可能である。
本開示の抗体分子が誘導体化(または標識)され得る有用な検出剤としては、蛍光化合物、様々な酵素、補欠分子族、発光物質、生物発光物質、蛍光発光金属原子、例えばユーロピウム(Eu)、および他のランタニド(anthanide)、および放射性物質(以下に記載)が挙げられる。例示的な蛍光検出剤としては、フルオレセイン、フルオレセインイソチオシアネート、ローダミン、5-ジメチルアミン-1-ナフタレンスルホニルクロリド、フィコエリトリンなどが挙げられる。また、アルカリホスファターゼ、西洋ワサビペルオキシダーゼ、β-ガラクトシダーゼ、アセチルコリンエステラーゼ、グルコースオキシダーゼなどの検出可能な酵素で抗体を誘導体化してもよい。抗体が検出可能な酵素で誘導体化される場合、これは、酵素が検出可能な反応生成物を生成するために使用するさらなる試薬を添加することによって検出される。例えば、検出剤である西洋ワサビペルオキシダーゼが存在する場合、過酸化水素およびジアミノベンジジンの添加により、着色した反応生成物が得られ、これが検出可能である。抗体分子は、補欠分子族で誘導体化されていてもよい(例えば、ストレプトアビジン/ビオチンおよびアビジン/ビオチン)。例えば、抗体をビオチンで誘導体化し、アビジンまたはストレプトアビジンの結合を間接的に測定して検出してもよい。好適な蛍光物質の例としては、ウンベリフェロン、フルオレセイン、フルオレセインイソチオシアネート、ローダミン、ジクロロトリアジニルアミンフルオレセイン、塩化ダンシルまたはフィコエリトリンが挙げられ;発光物質の例としては、ルミノールが挙げられ;生物発光物質の例としては、ルシフェラーゼ、ルシフェリン、およびエクオリンが挙げられる。
標識された抗体分子は、例えば、(i)アフィニティークロマトグラフィーまたは免疫沈降などの標準的技法によって所定の抗原を単離する;(ii)所定の抗原を検出し(例えば、細胞溶解液または細胞上清中の)、タンパク質発現の存在量およびパターンを評価する;(iii)臨床検査の手順の一部として、組織中のタンパク質レベルをモニターし、例えば、所与の処置レジメンの有効性を決定することを含む、いくつかの状況で、診断上および/または実験上使用することができる。
抗体分子は、別の分子実体、典型的には標識または治療剤(例えば、細胞毒性剤または細胞分裂阻害剤)または治療部分にコンジュゲートされてもよい。放射性同位体は、診断または治療適用で使用することができる。抗体に連結され得る放射性同位体としては、以下に限定されないが、α-、β-、γ-放射体、またはβ-およびγ-放射体が挙げられる。このような放射性同位体としては、以下に限定されないが、ヨウ素(131Iまたは125I)、イットリウム(90Y)、ルテチウム(177Lu)、アクチニウム(225Ac)、プラセオジム、アスタチン(211At)、レニウム(186Re)、ビスマス(212Biまたは213Bi)、インジウム(111In)、テクネチウム(99mTc)、リン(32P)、ロジウム(188Rh)、硫黄(35S)、炭素(14C)、トリチウム(H)、クロム(51Cr)、塩素(36Cl)、コバルト(57Coまたは58Co)、鉄(59Fe)、セレン(75Se)、またはガリウム(67Ga)が挙げられる。治療剤として有用な放射性同位体としては、イットリウム(90Y)、ルテチウム(177Lu)、アクチニウム(225Ac)、プラセオジム、アスタチン(211At)、レニウム(186Re)、ビスマス(212Biまたは213Bi)、およびロジウム(188Rh)が挙げられる。標識として有用な放射性同位体、例えば、診断における使用には、ヨウ素(131Iまたは125I)、インジウム(111In)、テクネチウム(99mTc)、リン(32P)、炭素(14C)、およびトリチウム(H)、または上に列挙された治療用同位体のうちの1つもしくは複数が含まれる。
本開示は、放射標識抗体分子およびそれを標識する方法を提供する。一実施形態では、抗体分子を標識する方法が開示されている。本方法は、抗体分子をキレート剤と接触させ、それによって、コンジュゲート抗体を産生するステップを含む。コンジュゲート抗体は、放射性同位体、例えば111インジウム、90イットリウムおよび177ルテチウムで放射標識され、それによって、標識抗体分子を生成する。
上述したように、抗体分子は、治療剤にコンジュゲートされ得る。治療上活性な放射性同位体についてはすでに述べられている。他の治療剤の例としては、タキソール、サイトカラシンB、グラミシジンD、臭化エチジウム、エメチン、マイトマイシン、エトポシド、テノポシド、ビンクリスチン、ビンブラスチン、コルヒチン、ドキソルビシン、ダウノルビシン、ジヒドロキシアントラシンジオン、ミトキサントロン、ミトラマイシン、アクチノマイシンD、1-デヒドロテストステロン、グルココルチコイド、プロカイン、テトラカイン、リドカイン、プロプラノロール、ピューロマイシン、メイタンシノイド、例えば、メイタンシノール(例えば、米国特許第5,208,020号明細書を参照されたい)、CC-1065(例えば、米国特許第5,475,092号明細書、同第5,585,499号明細書、同第5,846,545号明細書を参照されたい)およびそれらのアナログまたはホモログが挙げられる。治療剤としては、以下に限定されないが、代謝拮抗薬(例えば、メトトレキサート、6-メルカプトプリン、6-チオグアニン、シタラビン、5-フルオロウラシルデカルバジン)、アルキル化剤(例えば、メクロレタミン、チオエパクロラムブシル、CC-1065、メルファラン、カルムスチン(BSNU)およびロムスチン(CCNU)、シクロホスファミド(cyclothosphamide)、ブスルファン、ジブロモマンニトール、ストレプトゾトシン、マイトマイシンC、およびシス-ジクロロジアミンプラチナ(II)(DDP)シスプラチン)、アントラサイクリン(例えば、ダウノルビシン(以前はダウノマイシン)およびドキソルビシン)、抗生物質(例えば、ダクチノマイシン(以前はアクチノマイシン)、ブレオマイシン、ミトラマイシン、およびアントラマイシン(AMC))、および抗有糸分裂剤(例えば、ビンクリスチン、ビンブラスチン、タキソールおよびメイタンシノイド)が挙げられる。
さらなる治療剤
本明細書に記載の治療は、単剤療法または併用療法であり得る。一部の実施形態では、本明細書に記載の治療は、1つまたは複数の他の治療剤、手順またはモダリティーをさらに含む。
一実施形態では、治療は、本明細書に記載のがんを処置するための、本明細書に記載の標的治療および/または本明細書に記載のがん免疫療法を、さらなる治療剤、手順、またはモダリティーと組み合わせて含む。
ある特定の実施形態では、本明細書に記載の治療は、他の抗体分子、化学療法、他の抗がん治療(例えば、標的抗がん治療、遺伝子治療、ウイルス療法、RNA療法骨髄移植、ナノ療法、または腫瘍溶解薬)、細胞毒性剤、免疫ベースの治療(例えば、サイトカインまたは細胞ベースの免疫療法)、外科的手順(例えば、乳腺腫瘍摘出術または乳房切除術)もしくは放射線手順、または前述のいずれかの組合せのうちの1つまたは複数と共に投与することができる。さらなる治療は、アジュバント療法またはネオアジュバント療法の形態であってもよい。一部の実施形態では、さらなる治療は、酵素阻害剤(例えば、低分子酵素阻害剤)または転移阻害剤である。併用投与され得る例示的な細胞毒性剤としては、抗微小管剤、トポイソメラーゼ阻害剤、抗代謝薬、有糸分裂阻害剤、アルキル化剤、アントラサイクリン、ビンカアルカロイド、インターカレート剤、シグナル伝達経路を妨害することが可能な薬剤、アポトーシスを促進する薬剤、プロテアソーム阻害剤、および放射線(例えば、局所照射または全身照射(例えば、ガンマ線照射))が挙げられる。他の実施形態では、さらなる治療は、手術もしくは放射線、またはそれらの組合せである。一部の実施形態では、さらなる治療は、ファーストライン、セカンドライン、サードライン、もしくはフォースラインまたはそれを超える処置である。一部の実施形態では、さらなる治療は、アジュバント処置またはネオアジュバント処置である。
一部の実施形態では、さらなる治療は、黒色腫を処置するためのものである。黒色腫を処置するための例示的なさらなる治療としては、以下に限定されないが、手術、化学療法(例えば、ダカルバジン)、標的治療(例えば、TLRアゴニストまたはCD40アゴニスト)、免疫療法(例えば、サイトカイン(例えば、IFN-αまたはIL-2)、養子細胞移入、放射線治療、腫瘍溶解性ウイルス療法、またはそれらの組合せが挙げられる。
医薬組成物
別の態様では、本開示は、薬学的に許容される担体と共に製剤化された、本明細書に記載の治療剤のうちの1つまたは複数を含む組成物、例えば、薬学的に許容される組成物を提供する。
用語「医薬製剤」は、それに含有される有効成分の生物学的活性が有効であるような形態であり、その製剤が投与される対象にとって許容できないほど有毒なさらなる構成成分を含有しない調製物を指す。
本明細書で使用される場合、「薬学的に許容される担体」は、生理学的に適合可能なありとあらゆる溶媒、分散媒体、等張化剤および吸収遅延剤などを含む。担体は、静脈内投与、筋肉内投与、皮下投与、非経口投与、直腸投与、脊髄投与または表皮投与(例えば、注射または注入による)にとって好適であり得る。
この開示の組成物は、種々の形態であってもよい。これらには、例えば、液体、半固体および固体剤形、例えば、液体溶液(例えば、注射可能な溶液および注入可能な溶液)、分散液または懸濁液、リポソームおよび坐剤が含まれる。好ましい形態は、意図される投与方式および治療用途に依存する。典型的な組成物は、注射可能または注入可能な溶液の形態である。ある特定の実施形態では、投与方式は、非経口(例えば、静脈内、皮下、腹腔内、または筋肉内)である。実施形態では、組成物は、静脈内注入または注射によって投与される。別の実施形態では、組成物は、筋肉内または皮下注射によって投与される。
「非経口投与」および「非経口的に投与される」という表現は、本明細書で使用される場合、経腸投与および局所投与以外の投与方式を意味し、通常は注射によるものであり、限定されないが、静脈内、筋肉内、動脈内、髄腔内、嚢内、眼窩内、心臓内、皮内、腹腔内、気管内、皮下、表皮下、関節内、被膜下、くも膜下、脊髄内、硬膜外および胸骨内注射および注入が含まれる。
治療用組成物は、典型的には、無菌であり、製造および保存の条件下で安定であるべきである。組成物は、溶液、マイクロエマルション、分散液、リポソーム、または高抗体濃度に好適な他の秩序構造として製剤化することができる。無菌の注射可能な溶液は、活性化合物(すなわち、抗体または抗体部分)を、必要に応じて上記に列挙した成分の1つまたは組合せと共に適切な溶媒中に必要量組み込み、続いて濾過滅菌することによって調製することができる。一般に、分散液は、活性化合物を、基本分散媒および上に列挙したものに必要とされる他の成分を含有する無菌ビヒクル中に組み込むことによって、調製される。無菌の注射可能な溶液の調製のための無菌粉末の場合には、好ましい調製方法は、その予め無菌濾過した溶液から、有効成分と任意のさらなる所望の成分との粉末を生じる、真空乾燥および凍結乾燥である。溶液の適当な流動性は、例えばコーティング、例えばレシチンの使用によって、分散物の場合には必要とされる粒子サイズの維持によって、および界面活性剤の使用によって、維持され得る。注射可能な組成物の持続的吸収は、組成物中に、吸収を遅延させる薬剤、例えば、モノステアリン酸塩およびゼラチンを含めることによってもたらされ得る。
一部の実施形態では、チェックポイント阻害剤、BRAFを標的とする薬剤、MEKを標的とする薬剤、またはそれらの任意の組合せは、本明細書に記載されているように、対象への投与に好適な製剤(例えば、投与製剤または剤形)へと製剤化され得る。例えば、PD-1阻害剤(例えば抗PD-1抗体分子、例えばスパルタリズマブ)は、本明細書に記載されている対象への静脈内投与に好適な製剤(例えば、投与製剤または剤形)へと製剤化され得る。別の例として、BRAF阻害剤(例えば、ダブラフェニブ)および/またはMEK阻害剤(例えば、トラメチニブ)は、本明細書に記載されている対象への経口投与に好適な製剤(例えば、投与製剤または剤形)へと製剤化され得る。
治療剤、例えば、阻害剤、アンタゴニストまたは結合剤は、当技術分野で既知の種々の方法によって投与することができるが、多くの治療用途では、好ましい投与経路/投与方式は静脈注射または注入である。例えば、抗体分子は、約35~440mg/m、典型的には約70~310mg/m、より典型的には約110~130mg/mの用量に到達するように、20mg/分より速い、例えば20~40mg/分、典型的には40mg/分より速いかまたはそれに等しい速度で静脈内注入により投与することができる。実施形態では、抗体分子は、約1~100mg/m、好ましくは約5~50mg/m、約7~25mg/m、より好ましくは約10mg/mの用量に到達するように、10mg/分より遅い;好ましくは5mg/分より遅いかまたはそれに等しい速度で静脈内注入により投与することができる。当業者に認識されるように、投与経路および/または投与方式は、所望の結果に応じて変化することになる。ある特定の実施形態では、活性化合物は、インプラント、経皮パッチ、およびマイクロカプセル化送達系を含む制御放出製剤などの、化合物を急速放出から保護する担体と共に調製されてもよい。生分解性の生体適合性ポリマー、例えば、エチレン酢酸ビニル、ポリ酸無水物、ポリグリコール酸、コラーゲン、ポリオルトエステル及びポリ乳酸が使用され得る。このような製剤を調製するための多くの方法は特許を取得しているか、または当業者に一般に知られている。例えば、Sustained and Controlled Release Drug Delivery Systems, J. R. Robinson, ed., Marcel Dekker, Inc., New York, 1978を参照されたい。
ある特定の実施形態では、治療剤または化合物は、例えば、不活性希釈剤または同化可能な食用担体と共に経口投与され得る。化合物(および所望により他の成分)は、硬質または軟質のゼラチンカプセルに封入されるか、錠剤へと圧縮されるか、または対象の食事に直接組み込まれてもよい。経口治療薬の投与では、化合物は賦形剤と共に取り込まれ、摂取可能な錠剤、バッカル錠、トローチ剤、カプセル剤、エリキシル剤、懸濁剤、シロップ剤、ウエハースなどの形態で使用されてもよい。非経口投与以外で本開示の化合物を投与するために、化合物を不活性化を防止する材料でコーティングするか、またはそれと化合物とを同時に投与することが必要な場合がある。治療用組成物は、当技術分野で既知の医療器具を用いて投与することもできる。
投薬レジメンは、最適な所望の応答(例えば、治療応答)を提供するように調整される。例えば、単一のボーラスが投与されてもよく、数回に分割した用量が経時的に投与されてもよく、または治療状況の緊急性で示されるように、用量が比例的に減少または増加されてもよい。投与の容易性および投薬量の均一性のために、単位剤形で非経口組成物を製剤化することが特に有利である。単位剤形は、本明細書で使用される場合、処置される対象のための単位投薬量として適した、物理的に別個の単位を指し;各単位は、必要とされる医薬担体と関連して、所望の治療効果を生じるように計算された所定量の活性化合物を含有する。本開示の単位剤形についての仕様は、(a)活性化合物の特有の特徴および達成されるべき特定の治療効果、ならびに(b)個体の感受性の処置のためにこのような活性化合物を混合する当技術分野で固有の制限によって規定され、それに直接依存する。
治療剤の治療有効量または予防有効量の例示的な非限定的な範囲は、0.1~30mg/kg、より好ましくは1~25mg/kgである。抗PD-1抗体分子の投薬量および治療レジメンは、当業者によって決定され得る。ある特定の実施形態では、抗PD-1抗体分子は、約1~40mg/kg、例えば1~30mg/kg、例えば約5~25mg/kg、約10~20mg/kg、約1~5mg/kg、1~10mg/kg、5~15mg/kg、10~20mg/kg、15~25mg/kg、または約3mg/kgの用量で注射(例えば、皮下または静脈内)によって投与される。投与スケジュールは、例えば、1週間に1回から、2、3、または4週間に1回まで変化し得る。一実施形態では、抗PD-1抗体分子は、約10~20mg/kgの用量で隔週で投与される。
別の例として、抗体分子の治療有効量または予防有効量の非限定的な範囲は、200~500mgであり、より好ましくは300~400mg/kgである。抗PD-1抗体分子の投薬量および治療レジメンは、当業者によって決定され得る。ある特定の実施形態では、抗PD-1抗体分子は、約200mg~約500mg、例えば、約250mg~450mg、約300mg~400mg、約250mg~350mg、約350mg~450mg、または約300mgもしくは約400mgの用量(例えば、一定用量)で注射(例えば、皮下または静脈内)により投与される。投与スケジュール(例えば、一定の投与スケジュール)は、例えば、1週間に1回から、2、3、4、5、または6週間に1回まで変化し得る。一実施形態では、抗PD-1抗体分子は、約300mg~400mgの用量で、3週間に1回または4週間に1回投与される。一実施形態では、抗PD-1抗体分子は、約300mgの用量で3週間に1回投与される。一実施形態では、抗PD-1抗体分子は、約400mgの用量で4週間に1回投与される。一実施形態では、抗PD-1抗体分子は、約300mgの用量で4週間に1回投与される。一実施形態では、抗PD-1抗体分子は、約400mgの用量で3週間に1回投与される。理論に拘束されることを望まないが、一部の実施形態では、一定または固定の投与は、例えば、薬物供給を節約し、薬局での過誤を減らすために、患者にとって有益であり得る。
抗体分子は、約35~440mg/m、典型的には約70~310mg/m、より典型的には約110~130mg/mの用量に到達するように、20mg/分より速い、例えば20~40mg/分、典型的には40mg/分より速いかまたはそれに等しい速度で静脈内注入により投与することができる。実施形態では、約110~130mg/mの注入速度は、約3mg/kgのレベルを達成する。他の実施形態では、抗体分子は、約1~100mg/m、好ましくは約5~50mg/m、約7~25mg/m、または約10mg/mの用量に到達するように、10mg/分より遅い、例えば5mg/分より遅いかまたはそれに等しい速度で静脈内注入により投与することができる。一部の実施形態では、抗体は、約30分の期間にわたり注入される。投薬量の値は、緩和されるべき状態のタイプおよび重症度によって変化する場合があることに留意されたい。さらに、いかなる特定の対象に対しても、具体的な投薬レジメンは、個々の必要性および組成物を投与するまたは組成物の投与を管理または監督する者の専門的判断に従って経時的に調整されるべきであり、本明細書で示される投薬量の範囲は例示的なものに過ぎず、特許請求される組成物の範囲または実施を制限することを意図するものではないことが理解されるべきである。
本開示の医薬組成物は、本開示の治療剤の「治療有効量」または「予防有効量」を含んでもよい。「治療有効量」は、所望の治療結果を達成するために必要な投薬量および期間において有効な量を指す。改変された抗体または抗体断片の治療有効量は、個体の疾患状態、年齢、性別、および体重、ならびに個体において所望の応答を誘発する抗体または抗体部分の能力などの因子に応じて変化する場合がある。治療有効量は、改変された抗体または抗体断片の毒性作用または有害作用のいずれにも、治療上有益な作用が勝る量でもある。がんの場合には、治療剤の治療有効量は、がん細胞の数を低減する;原発性腫瘍のサイズを低減する;末梢臓器へのがん細胞の浸潤を阻害する(すなわち、ある程度遅くし、好ましくは停止させる);腫瘍転移を阻害する(すなわち、ある程度遅くし、好ましくは停止させる);腫瘍増殖をある程度阻害する;および/または障害に関連する症状のうちの1つまたは複数をある程度緩和する場合がある。薬物が成長を防止し得る、および/または既存のがん細胞を死滅させ得る程度まで、薬物は細胞分裂阻害性および/または細胞毒性であり得る。がん治療では、in vivoでの有効性は、例えば、生存期間、疾患進行までの時間(TTP)、再発までの時間、奏効率(例えば、CRおよびPR)、奏効期間、および/または生活の質を評価することによって測定することができる。
「治療有効投薬量」は、好ましくは、測定可能なパラメーター、例えば腫瘍成長速度を、未処置対象に対して、少なくとも約20%、より好ましくは少なくとも約40%、さらにより好ましくは少なくとも約60%、なおより好ましくは少なくとも約80%阻害する。測定可能なパラメーター、例えばがんを阻害する化合物の能力は、ヒト腫瘍における有効性を予測できる動物モデル系で評価することができる。あるいは、組成物のこの特性は、当業者に既知のアッセイによって、in vitroで、化合物を阻害するこのような阻害の能力を調べることにより評価することができる。
「予防有効量」は、所望の予防結果を達成するために必要な投薬量および期間において有効な量を指す。典型的には、予防用量は、疾患に先立って、または疾患の早期段階で対象に使用されるため、予防有効量は、治療有効量よりも少ないことになる。
[実施例1]
スパルタリズマブ、ダブラフェニブ、およびトラメチニブの組合せに関する臨床試験(「COMBI-i」試験)のバイオマーカーによる分析
この実施例は、スパルタリズマブ、ダブラフェニブ、およびトラメチニブの組合せによる処置から治療利益を得る可能性が最も高い患者集団をより明確にすることができる例示的なバイオマーカーを特定する。
COMBI-iは、安全性ランイン(1部)、バイオマーカーコホート(2部)、およびsparta-DabTramとプラセボ-DabTramとを比較する無作為化二重盲検プラセボ対照の3部を含む3部構成のグローバル無作為化プラセボ対照第3相試験である。3部では合計532名の患者を無作為化した。
COMBI-iでは、スパルタリズマブ400mgを4週ごとに静脈内投与とダブラフェニブ150mgを1日2回経口投与およびトラメチニブ2mgを1日1回経口投与と、プラセボとダブラフェニブおよびトラメチニブとを比較した。参加者は18歳以上であり、切除不能または転移性のBRAF V600変異黒色腫を有した。ベースライン時のPD-L1状況での有効性は副次的評価項目であり;他のバイオマーカー分析は事前に指定した探索的評価項目であった。ベースライン/処置中の薬力学マーカーは、フローサイトメトリーに基づく免疫表現型検査および血漿中サイトカインプロファイリングにより評価した。ベースライン時の腫瘍PD-L1状況、腫瘍遺伝子変異量、および遺伝子発現は、免疫組織化学およびRNA/DNAシーケンシングによって評価した。
PD-L1状況に関係なく、高腫瘍遺伝子変異量によって定義されたサブグループは、スパルタリズマブとダブラフェニブおよびトラメチニブからの利益を得たが、免疫学的に冷たい腫瘍(例えば、腫瘍遺伝子変異量が少ない/PD-L1陰性、免疫砂漠)を有するサブグループはその利益を得なかった。BRAF V600K変異、ベースライン時のT細胞炎症表現型、ベースライン時の循環腫瘍DNA脱落もスパルタリズマブとダブラフェニブおよびトラメチニブの有益性の予測因子であった。スパルタリズマブとダブラフェニブおよびトラメチニブは、ベースライン時のCD4+/CD8+比が中央値であるかまたはそれを超える患者の中で、処置中のT細胞増殖/活性化およびエフェクターT細胞活性に関連するサイトカインレベルを増加させ、無増悪生存期間を延長させた。BRAF V600K 変異、T細胞の炎症、高腫瘍遺伝子変異量、およびベースライン時の循環腫瘍DNA脱落が多いことなどの特徴は、スパルタリズマブとダブラフェニブおよびトラメチニブからより大きな利益を得る場合があるサブグループを特徴付ける。PD-L1陰性/高TMB腫瘍を有する患者が特に利益を得る可能性があると考えられる。
方法
参加者
COMBI-Iの3部には、組織学的に切除不能または転移性(米国がん病期分類合同委員会(AJC)、バージョン7.0によるステージIIIC/IV)のBRAF V600変異皮膚黒色腫が確認された成人患者(18歳以上)が登録した。さらなる基準として、臨床的に活性な脳転移がないこと、Eastern Cooperative Oncology Groupのパフォーマンスステータス(ECOG PS)が2以下であること、および切除不能または転移性の黒色腫に対する全身性の抗がん処置(例えば、化学療法、免疫療法、生物学的療法、腫瘍ワクチン療法、標的治療、または任意の全身性治験処置)を以前に受けたことがないことが含まれた。事前の局所療法および/または(ネオ)アジュバント療法は、試験処置開始の6カ月以内に行われたものでない限り許容される。
無作為化およびマスキング
患者を、スパルタリズマブとダブラフェニブおよびトラメチニブによる併用療法を受ける治療アームと、スパルタリズマブ適合プラセボとダブラフェニブおよびトラメチニブによる併用療法を受ける対照アームに1:1で無作為化した。ダブラフェニブとトラメチニブは、BRAF V600変異の切除不能または転移性の黒色腫および他の固形腫瘍を有する患者のファーストライン処置として承認されている。無作為化は、無作為順列ブロックスキームに従い、患者数への無作為化番号の無作為割当てを自動化する有効なシステムを備えたInteractive Response Technologyプロバイダーを使用して行った。Eastern Cooperative Oncology Groupのパフォーマンスステータス(0対1対2)および乳酸脱水素酵素レベル(<1×正常値の上限[ULN]対≧1~<2×ULN対≧2×ULN)により患者を層別化した。
処置が何かについては、無作為化の時点から一次分析のデータベースロックまで盲検化した。規制当局への報告目的で緊急事態を管理するため、または必要に応じて疾患進行後の次の治療を決定するために、個々の患者の盲検化を解除することができた。
転帰
主要評価項目は、固形癌効果判定基準(Response Evaluation Criteria in Solid Tumors)バージョン1-1を使用する治験責任医師評価による無増悪生存期間であり、無作為化日から、何らかの原因による進行または死亡が最初に記録された日までの時間として定義した。全生存期間は重要な副次的評価項目であり、無作為化日から何らかの原因による死亡までの時間として定義した。一部のバイオマーカーサブグループでは、ネクストライン治療による無増悪生存期間(PFS2)が探索的評価項目として評価され、無作為化から、試験処置中止後に開始された最初の新たな全身抗腫瘍治療で治験責任医師が評価した疾患進行が最初に記録されるまでの時間、または何らかの原因による死亡までの時間として定義された。
RECIST 1・1を使用する腫瘍評価を、ベースライン時、12週間、次いで治療開始後18カ月間は8週ごと、その後は疾患進行、死亡、追跡不能、または試験中止まで3カ月ごとに行った。追加の確認的腫瘍評価は、最初に奏効基準を満たした後4週間以上経過してから要求した。また、腫瘍応答を、オリジナルイメージングスキャンに基づき、盲検下独立中央評価により評価した。
ベースライン時のPD-L1状態による有効性は副次的評価項目であり、腫瘍遺伝子変異量(TMB)単独またはPD-L1状態との組合せによる有効性は重要な探索的評価項目であった。他のすべてのバイオマーカー分析は、探索的評価項目であった。バイオマーカー分析を、同意を得た患者から得られた腫瘍組織および血液試料を使用して行った。スクリーニング中に新たに取得した(好ましい)または保存記録された(診断時または診断後、好ましくは試験処置前3カ月以内に得られた)ベースライン腫瘍組織試料の採取が必須であった。処置中のさらなる腫瘍試料採取(2~3週間、8~12週間、または疾患進行時)は治験責任医師の判断によるものであった。中枢神経系および骨以外の組織からのコア生検、摘出生検、または切開生検のみが許容された。循環バイオマーカー分析(例えば、腫瘍DNA、サイトカインプロファイリング、およびフローサイトメトリー)のための血液試料の採取は、ベースライン時、4週間、8週間、疾患進行時に必須とした。
フローサイトメトリー分析による免疫表現型検査
黒色腫を有する患者の末梢におけるT細胞サブセットの成熟、活性化、および増殖状況に対する処置の影響を決定するために、ベースライン時および処置中28日目(4週目)の末梢血単核球(PBMC)において、マルチパラメトリックフローサイトメトリー分析を実施した。PBMCをFicoll密度勾配遠心分離で単離し、ジメチルスルホキシド/ウシ胎仔血清(DMSO[10%]/FBS)凍結緩衝剤中で生きた状態で凍結した。ベースラインおよび28日目(4週目)のペア試料に関し、蛍光色素がコンジュゲートしたモノクローナル抗体を使用し、CD45 BUV395(クローンHI30)、CD3 FITC(クローンSK7)、CD4 BUV737(SK3)、CD8 BVy5.521(クローンRPA-TA)、TCRvd2 PerCP-Cy5.5(クローンB6)、CD45RA BV711(クローンHI100)、CCR7 PE(クローン150503)、HLA-DR BV786(クローンG46-6)、CD38 APC-eF780(クローンHIT2)、PD-1 PE-Cy7(クローンEH12・1)、LAG-3 PE-eF610(クローン3DS223H)、およびTIM-3 BV650(7D3)(BD Biosciences;San Jose、CA)の細胞表面での発現ならびにKi67 AF647(clone B56)の細胞内発現について、PBMCの免疫表現型検査を実施した。細胞生存率を、Viability Dye BV510(Thermo Fisher Scientific;Waltham、MA)を使用して測定した。CD38+/HLA-DR+/CD8+(活性化/細胞傷害性CD8+ T細胞)、Ki67+/CD8+(増殖CD8+ T細胞)、Ki67+/PD-1+/CD8+およびPD-1+/Ki67+/CD8+(活性化/増殖CD8+ T細胞)の同時発現によって、薬力学バイオマーカーとT細胞の表現型の特徴および機能的特徴を定義した。BD LSRFortessa(商標) X-20を使用して、試料あたり最低5000個の白血球を取得し、Navigate Biopharma社においてFlowJo(v10・2)ソフトウェア(BD Biosciences)によって分析した。可視化するために、プロットした分析物に対して陽性の割合にロジスティック変換log(p/[1-p])を適用し、割合を「logit」に変換した。0・0または1・0の割合は不定なので、ロジスティック変換を適用する前に、変換([100 p+1/2]/[100+1])を使用してすべての割合を0・5に向かって縮小した。
サイトカインプロファイリング
ヒトサイトカイン(インターフェロン(IFN)-γ、IL-6、IL-8、TNF-α、IL-12p40、IL-15、IL-16、IL-17a、TNF-β、エオタキシン、IP-10、MDC、MIP1a、PLGF、VEGFC、VEGFR1、CRP、ICAM-1、SAA1、VCAM-1およびIL-18)のプロファイリングは、Meso Scale Diagnostics(MSD;Rockville、MD)を使用し、試験スポンサーが選定した臨床研究機関で検証された多重サンドイッチ電気化学発光免疫アッセイ(BioAgilytix;Durham、NC)を使用して実施した。簡単に説明すると、血漿試料をアッセイキットの製造業者(Meso Scale Diagnostics[MSD];Rockville、MD)の推奨する希釈剤2で2倍に希釈し、各レプリケートには50マイクロリットルのキャリブレーターと希釈試料を使用した。各実行には3つのレベルの対照を含めた。標準物、対照、および試料は二連で試験した。試料中に存在する分析物の量に比例するアッセイシグナルをMSD機器で読み取った。4つのパラメーターのロジスティック曲線フィットを使用して標準曲線を構築し、そこから試験試料中のサイトカインレベルを決定した。試料の結果を受け入れる前に、対照の結果をチェックした。検出下限を下回るものを分析し、限界値/2としてプロットし、検出上限を上回るものを分析し、1・1×限界値としてプロットした。限界値はバッチごとに特異的であり、データセットはある特定の分析物について複数の下限値と上限値を含んだ。
免疫組織化学(IHC)
IHC染色には、ホルマリン固定パラフィン包埋(FFPE)組織ブロックまたは未染色スライドを使用した。ブロックをヌクレアーゼフリーで4μm厚のFFPEスライドに切り出し、HistoGeneX社(現CellCarta社;Antwerp、Belgium)にて60°±2℃でベークした(抗体に応じて30分~2時間)。腫瘍評価は認定病理医が実施した。
PD-L1発現<1%または≧1%は、FDA承認ガイドラインに従うようにHistoGeneXで実施され、広範囲に検証されたように、Autostainer Link 48(Agilent Technologies;Santa Clarita、CA)でIHC 28-8 PharmDxアッセイ(Dako;Carpinteria、CA)を使用して評価した。PD-L1を発現している生存腫瘍細胞のパーセンテージは、Dakoが提供するMelanoma Interpretation Manualに従ってスコア化した。あらゆる強度の識別可能な膜染色を含んだが、細胞質染色、免疫細胞、および壊死細胞は除外した。陰性対照と陽性対照を、何らかの干渉変数の存在を決定するために精査した。
デュアルプレックスIHCアッセイとHALOによるデジタル画像分析(IA)
黒色腫腫瘍巣と間質コンパートメント内のCD8+免疫細胞のレベルを評価するために、抗CD8ウサギモノクローナル一次抗体(SP57、Ventana:Roche Diagnostics;Basel、Switzerland)およびMTC(HMB45、A103、およびT311抗体)で構成される特異的デュアルプレックスIHCアッセイ(CD8/Melanoma Triple Cocktail[MTC])をBenchmark XTプラットフォーム(Ventana)で実施し、HALO(登録商標)ソフトウェアv2-3(Indica Labs;Albuquerque、NM)を使用して濾過分析を含む定量を行った。
Aperio AT2、Leicaのデジタル全スライドスキャナー(Leica Biosystems;Wetzlar、Germany)を使用して、染色スライドを20倍の倍率でスキャンした。次いで、HALO v2.3ソフトウェアプラットフォーム(Indica Labs;Albuquerque、NM)のMultiplex IHCモジュールを使用してデジタルIAを実施した。Novartis Precision Medicine社では、病理医が画像研究者と緊密に連携して注釈を付けた黒色腫病変内のCD8+細胞を評価するために、特定のIAアルゴリズムを社内で開発し、常在リンパ組織(residential lymphoid tissue)はIAから除外した。このアルゴリズムと組織分類器とを使用して、黒色腫腫瘍および間質コンパートメント内のCD8+細胞のパーセントを定量的に評価した。最後に、黒色腫病変分類器による腫瘍境界を浸潤マージンとして使用して定義された目的の領域内で浸潤分析を実施した。腫瘍マージンの内側と外側にそれぞれ5バンド(各30μm)ずつ、合計150μmの距離を分析した。CD8+細胞密度(cells/mm)を各浸潤バンドについて報告した。
事前に定義したCD8+ T細胞表現型についての詳細な方法と説明は、本明細書に記載されている。定義された黒色腫腫瘍コンパートメント内の抗原提示細胞の評価は、Navigate Biopharma社(Carlsbad、CA)のAutomated Quantitative Analysis(AQUA(登録商標))による多重蛍光免疫組織化学(FIHC)を使用して実施した。
NanoStringテストおよびTIS
受容したすべての組織ブロックから厚さ4μm(±1μm)の切片を切り出した。病理医が記録保存されたFFPEと新たに切り出したスライドを目視検査し、目的の領域(ROI)および腫瘍総面積(mm)における腫瘍含有量のおよそのパーセンテージを記録した。腫瘍含有率に応じて、4~8枚のスライドをRNAおよびDNAの単離のために顕微解剖した。ROIの腫瘍含有率が10%未満の場合は、さらなる処理を中止した。FFPE Tissue KitのAllPrep RNA/DNA Extraction(Qiagen;Hilden、Germany)を使用して、利用可能なすべての試料からRNAとDNAを共抽出した。生じたRNA濃度が5ng/μL未満の試料は、それ以上処理しなかった。RNAとDNAの単離後に、最大200ngのRNAをNanoString PanCancer IO 360(商標)パネル(NanoString Technologies;Seattle、WA)の捕捉プローブおよびレポータープローブと65℃で一晩合わせた。ハイブリダイゼーション後に、標的プローブ複合体を精製し、ストレプトアビジンをコーティングしたカートリッジにコンジュゲートさせ、nCounter(登録商標) Analysis System(NanoString)を用いて数値化した。
T細胞炎症シグネチャースコア(TIS)を既述の方法に従って計算した。各試料および対照について、シグネチャーを含む18の標的遺伝子カウントを10個の内部ハウスキーピング遺伝子(HKG)の幾何平均値で除算し、HKG正規化発現データを作成した。次いで、各試料のHKG正規化データを対照試料のHKG正規化発現でスケール化し、参照試料補正し、HKG正規化した結果を得た。次いで、これらをlog2変換し、正規化発現値の合計とTIS作成の前に標的特異的係数を適用した。低TISと高TISを定義するHKG正規化カウントのカットオフlog2値は、最低25%を除いた値の分布から導き出された6・29であった。
浸潤分析のためのCD8表現型
浸潤分析を使用して、腫瘍-間質浸潤マージン周辺のCD8密度の30μm内側5バンド(150~0μm)と30μm外側2バンド(0~60μm)に基づいて、3つのCD8表現型(T細胞排除型/浸潤型/免疫砂漠型)を決定した。試料を、腫瘍CD8密度の平均値でランク付けし、腫瘍の上位1/3が炎症型と定義した。同様に、間質および他の試料で値が下位1/3にランク付けされているものは砂漠型と定義した。炎症型の腫瘍閾値を下回り、砂漠型の間質カットオフ値を上回る試料は排除型と定義した。腫瘍領域のCD8密度は高いが、間質のCD8密度は低い症例は少数であり、これは通常、間質領域が小さいことが原因であり、炎症性腫瘍と定義した。
CD11b/CD14/CD80/CD86/HLA-DR/DAPI多重蛍光IHC(FIHC)およびAutomated QUantitative Analysis(AQUA(登録商標))によるIA
ホルマリン固定パラフィン包埋(FFPE)組織試料をデワックスし、一連のキシレン-アルコール洗浄を経て蒸留水に再水和させた。次いで、Diva緩衝剤(Biocare Medical;Pacheco、CA)中で NxGen Decloaking Chamberを使用して、熱誘導性の抗原賦活化を実施し、トロメタミン緩衝生理食塩水に移した。次の染色工程はすべて室温で実施した。内因性ペルオキシダーゼを、Peroxidazed 1(Biocare)を使用して遮断し、タンパク質ブロッキング溶液(Background Sniper;Biocare)でインキュベートし、非特異的抗体染色を低減させた。スライドは以下に記載の手順に従って染色した:
蛍光画像はVectra 2 Intelligent Slide Analysis System(Akoya Biosciences;Menlo Park、CA)で、最初に、DAPIシグナルに基づいて組織領域を特定するために4倍の倍率で取得した。これらの4倍拡大画像は、自動化されたINFORMソフトウェアの濃縮アルゴリズム(INFORM GmbH;Aachen、Germany)を使用して処理し、CD11bとHLA-DRの共発現の高さに従って20倍の強拡大視野(HPF)を特定し、ランク付けした。すべての生画像を、病理医が容認性について精査した。腫瘍または壊死性の高い細胞を欠く画像は、完全自動化プロセスによるAutomated QUantitative Analysis(AQUA(登録商標)[v3・2・4];HistoRx;New Haven、CT)によって、分析前に拒絶した。AQUA(登録商標)は、組織中のバイオマーカーを客観的に定量するために、臨床設定で広く検証されている。これらの分析に適用されたAQUAアッセイを、Novartisの子会社であるベンダー(Navigate Biopharma Services)において、Novartisの社内ガイダンスおよび探索アッセイ開発の標準操作手順を使用して検証した。受理した各画像内のDAPIシグナルを使用して、細胞核を特定し、次いで、細胞全体のおおよそのサイズに拡大させた。オーバーラップアプローチを使用して、CD11bとHLA-DRのバイナリーマスクを作成し、骨髄由来サプレッサー細胞(MDSC)を表すCD11b+/HLA-DR-集団を特定した。
標的およびCfDNAシーケンシング
試料は、Foundation Medicine,Inc.(Cambridge、MA)に提出され、FoundationOne CDx(商標)アッセイを用いて腫瘍および無細胞DNAの次世代シーケンシング(NGS)を行った。
FFPE組織の試料適正評価後、FMI社はDNA抽出と抽出DNAのQCチェックを実施した。DNA試料が十分な量であれば、ライブラリーの構築が実施され、得られたライブラリーの品質をチェックした。ライブラリーの構築に成功した後、FMI社は、がん内でよく再配列され、変更される合計で324個の遺伝子が含まれるDx1ベイトセットを使用してハイブリッド捕捉を実施した。これらには、309個のがん関連遺伝子のコード配列、1つのプロモーター領域、1つの非コードRNA、および34個の通常再配列される遺伝子から選択されたイントロン領域(そのうちの21個はコーディングエクソンも含む)が含まれる。ハイブリッド捕捉が品質チェックに合格した場合、FMI社は、同社の固形腫瘍(Dx1)アッセイを使用して包括的なゲノムプロファイリングを実施し、得られたNGSデータを解釈し、独自のソフトウェアを使用して遺伝子変更を特定した。次いで、シーケンシングデータをヒトゲノム(ビルドhg19)にマッピングした。塩基の置換、挿入/欠失(インデル)、コピー数変更、およびゲノム再配列を含むバリアントコーリングを標的ゲノム領域で実施した。ライブラリーはIllumina v4ケミストリーとペアエンド100bpリード(HiSeq;Illumina;San Diego、CA)を使用してシーケンシングした。
腫瘍遺伝子変異量(TMB)を、5%以上の対立遺伝子頻度で存在するすべての同義および非同義バリアントをカウントし、生殖細胞系列の潜在的バリアントをフィルタリングすることによって決定した。既知のおよび潜在的なドライバー変異を、データセットの偏りを排除するためにフィルタリングした。次いで、得られた変異数を、カウントされた全バリアント数に相当するコード領域、すなわち793キロベース(kb)で除算し、メガベース(Mb)あたりの変異数(mut/Mb)として報告した。
cfDNAシーケンシングデータの処理および分析
cfDNA-seqデータについて、UMI-Toolkit v.1を使用してリードから固有の分子識別子(UMI)をトリミングし、次いで、BWA-MEMを使用してリードをヒト参照ゲノム(ビルドhg38)にアラインした。次いで、アラインメントを局所的に再度アラインし、塩基品質スコアを再較正した(Genome Analysis Toolkit[GATK])。PCR重複リードおよびシーケンシングアーティファクトを除去するために、UMIとアライメント位置を使用してコンセンサスリードを作成した(UMI-Toolkit)。一塩基変異(SNV)はMuTect v-1-1-7を用いて特定した。インデルはPindel v-1-0 を使用して特定した。構造的バリアントはPureCN v-1-8-1を使用して特定した。染色体再配列はSocrates v-1を使用してコールした。
cfDNAライブラリーは、カバレッジが500×以上、GC/ATドロップアウトが20%未満の場合に下流分析に含めた。潜在的シーケンシングのアーチファクトと生殖細胞系列の遺伝子バリアントは下流分析から除去した。24名の健康な対照由来の血漿のシーケンシングに基づいて位置特異的エラー率を計算し、変異は位置特異的エラー率よりも有意に大きいサポートがある場合のみ保持した。さらなる潜在的アーチファクトは、対立遺伝子割合が低い(発癌性であることが知られているか、またはその可能性が高い場合を除き、0・005未満)、アラインメントのサポートが不十分(50MQ0リードを超える)、塩基の質が低い(20未満)、カバレッジが低い(100×未満)、または反復領域にあることに基づいて除去した。生殖細胞系列のSNVおよびインデルの可能性が高いものは、dbSNP 147、Exome Sequencing Project(ESP6500SI-V2-SSA137-GRCh38-liftover)およびExome Aggregation Consortium(リリース0-3;現在はgnomADの一部)のデータベースに、かなりの頻度(既知のホットスポット変異でない限り、ESPマイナー対立遺伝子頻度が0・001を超えるかまたはExACカウントが3を超える)で存在することによって特定した。SNVおよびインデルは、Catalog of Somatic Mutations in Cancer(COSMIC v-83)における存在および機能効果に基づいて機能的重要性を付与され、COSMICにおいて5腫瘍以上で報告された変異は「既知の」発癌性と考えられ、COSMICカウントが5未満であるがタンパク質の早期切断につながると予測される変異は発癌性の「可能性が高い」と考えられ、他はすべて「不明」の発癌性状況と考えられた。コピー数変異は、推定コピー数が7以上の場合は増幅と考えられ、推定コピー数が0・5以下の場合はホモ接合欠失と考えられた。PureCNは、コピー数変異における一塩基多型の対立遺伝子頻度と体細胞点突然変異の対立遺伝子頻度との組合せを使用し、腫瘍由来のcfDNAの割合を決定する。
RNAシーケンシング
リボソームRNA(rRNA)は、RNAseH(Sigma-Aldrich;St.Louis、MO)を使用して抽出した総RNAから枯渇させた。次いで、rRNA枯渇試料を断片化し、cDNAに変換し、TruSeq RNA Library Prep Kit v2(Illumina;San Diego、CA)を使用して、末端修復、A-テーリング、インデックスアダプターライゲーション、およびPCR増幅という次世代シーケンシングライブラリー構築の残りのステップを行った。捕捉したライブラリーを、それぞれ固有のアダプターインデックス配列を有する他のライブラリーと共にプールし、Illumina v4ケミストリーとペアエンド100bpリード(Illumina)を使用する合成によるクラスター増幅と超並列シーケンシングのためのシーケンスフローセルに適用した。
配列データを、STARを使用して参照ヒトゲノム(ビルドhg19)にアラインした。次いで、マッピングしたリードを使用し、HTSeqおよびRefseq GRCh38 v82遺伝子アノテーションにより転写物を定量した。データは、edgeR R/Bioconductorパッケージに実装されているM-値正規化のトリム平均を使用して正規化した。経路/遺伝子セットの発現を、各セットの全遺伝子の幾何平均発現を使用して導出した。分析には、MSigDB C2 Canonical Pathwaysの1329個の遺伝子セットに加え、自社および公開された遺伝子セットが含まれた。経路は両側ウィルコクソン順位和検定を使用する非バイアス分析でランク付けした。
統計分析
各アッセイでは、ベースライン時の臨床共変量を、バイオマーカーデータを有するコホートと有さないコホートとの間で比較した;潜在的な症例選択バイアスを評価するために、利用可能なPearson χ、比例オッズ尤度比、およびWilcoxon順位和検定に基づく多重性について未調整のp値を適用し、順序のないカテゴリー共変数、順序カテゴリー共変数、および連続共変数について、それぞれ「差がない」という帰無仮説を評価した。無増悪生存期間および全生存期間に対するバイオマーカーおよび共変量の寄与は、必要に応じて単変量または多変量のCox比例ハザードモデルを使用して推定した。群間比較は、多重比較の調整を行わない記述的p値を用いてWald検定またはWilcoxon順位和検定によって対処した。
すべてのバイオマーカー分析は、R- 3・6・1およびBioconductor 3・9を使用して実施した。バイオマーカーコホートのKaplan-Meier曲線およびCox比例ハザードモデルは、R survival(3・1-7)パッケージおよびsurvminer(0・4・6)パッケージを使用して作成した。集団比較は、R Hmisc(4・3・0)パッケージを使用して評価した。
結果
ベースライン時の特徴
COMBI-iの3部では、合計532名の患者をsparta-DabTram(n=267)またはプラセボ-DabTram(n=265)を受けるように無作為化し(図1)、ベースライン時の特徴は処置アーム間で十分にバランスがとれていた(表A)。
表Bは、予定された分析のそれぞれについての利用可能性をまとめる。
ほとんどの患者が対象であり、インテンショントゥトリート集団のおよそ64%~90%(532例中339例~481例)の利用可能な検体を得た。重要な臨床的変数および人口統計学的変数は、ほとんどのバイオマーカーコホートとバイオマーカーの結果が利用不能であった各サブセットとの間で同等であった(表C)。ベースライン時にフローサイトメトリーデータを欠いたコホートでは、腫瘍負荷の高い特徴(例えば、疾患ステージまたは病変直径の合計)が強化された。
薬力学マーカー
あらかじめ選択した薬力学マーカーを使用する末梢血単核球(PBMC)の免疫表現型検査とサイトカインプロファイリングをベースライン時と処置の4週後に実施し、T細胞の活性化、増殖、および細胞傷害性を評価した(図2)。sparta-DabTramアームの患者検体(中央値の変化、2・49)では、プラセボDabTramアーム(中央値の変化、1・09)と比較して、ベースライン時から4週目まで増殖CD8+/PD-1+ T細胞の増加が観察された。エフェクター/細胞傷害性表現型を有するCD8+ T細胞(CD38+/HLA-DR+)も、sparta-DabTram(中央値の変化、3・79)ではプラセボ-DabTram(中央値の変化、1・57)に対してベースラインから4週目まで増加した。T細胞の総カウント(CD3+)は正常範囲内であり、スパルタ-DabTramアームではCD8+およびCD4+の増殖および活性化が増加した(図3)。両アームとも、処置により細胞傷害性エフェクターT細胞のモジュレーションが増強され、血漿中IFN-γレベルの上昇に反映された(図2C)。統計学的分析およびモデリングアプローチにより、sparta-DabTramアームの試料において、より強固なT細胞モジュレーションが観察されたことが示唆される(データは示さず)。エフェクターT細胞免疫活性を示唆するさらなるサイトカインも同様の結果を示した(図4)。
CD4+/CD8+ T細胞比の分析
薬力学バイオマーカーに加えて、フローサイトメトリー免疫表現型検査による末梢血ヘルパーT細胞/細胞傷害性T細胞比(CD4+/CD8+)の決定により、ベースライン時の全身のT細胞媒介性免疫活性を評価した。ベースライン時のCD4+/CD8+比は、プラセボ-DabTramアームでは無増悪生存期間と関連しており(図5);CD4+/CD8+比が高い患者は、典型的には、より短い無増悪生存期間を経験した。しかし、sparta-DabTramアームではそのような関連は観察されなかった。
処置アーム間のCD4+/CD8+比の分析から、ベースライン時のCD4+/CD8+比が中央値2・9以上の患者では、ダブラフェニブとトラメチニブにスパルタリズマブを追加することで、無増悪生存期間が延長する可能性が示唆された。これらの患者では、sparta-DabTramによる処置は、プラセボ-DabTramと比較して無増悪生存期間を改善した(HR、0・58[95%CI、0・40-0・84];図6)。ベースライン時のCD4+/CD8+比の中央値を超える患者選択のためのさらなるカットポイントを、比の数値の10パーセンタイルから90パーセンタイルの間のすべての可能な値を試験することにより系統的に評価した(図6C)。このデータ駆動型アプローチは、2.01~3.34の間のカットオフ値の好適な範囲を示唆し、これはそれぞれ73.8%~40.8%の間の患者を選択することになる。
PD-L1サブグループおよびTMBサブグループの分析
データカットオフ時点で、sparta-DabTramアームでは合計147名の患者(55%)が無増悪生存事象を有したのに対し、プラセボ-DabTramアームでは165名の患者(62%)であった;無増悪生存期間の中央値はそれぞれ16・2カ月(95%CI、12・7~23・9カ月)対12・0カ月(95%CI、10・2~15・4カ月)であった。
主要評価項目は満たされなかった(HR、0・82[95% CI、0・66~1・03];片側;p=0・042)。事前に計画されたサブグループ分析では、PD-L1の状況にかかわらずsparta-DabTramの有益性は同様であり、PD-L1陽性(1%以上)サブグループのHRが数値的に低いことが実証された(陽性HR、0・76[95%CI、0・54~1・07]対陰性HR、0・84[95%CI、0・60~1・18])。一方、TMBが高い(10mut/Mb以上)患者は、TMBが低い患者よりも大きな有益性を得るようであった(それぞれ、HR、0・70[95% CI、0・47~1・06]対HR、0・91[95% CI、0・65~1・26])。
事前に特定した重要な探索的評価項目として、PD-L1状況とTMBとの組合せに基づくサブグループで転帰をさらに評価した(図7)。PD-L1発現が陰性でTMBが低いことを特徴とする免疫原性の可能性を欠く「コールド」腫瘍を有する患者は、sparta-DabTramによる無増悪生存期間の利益を得なかった(HR、1・11[95%CI、0・71~1・75];図7A)。高TMBを特徴とする腫瘍を有する患者では、sparta-DabTramはPD-L1状況とは無関係に、無増悪生存期間の数値的延長と関連した(PD-L1陰性/高TMB:HR、0・71[95%CI、0・38~1・32];PD-L1陽性/高TMB:HR、0・73[95%CI、0・44~1・23];図7A)。sparta-DabTramによる処置は、PD-L1陰性/高TMBのサブグループにおいても全生存期間の改善と関連していたが(HR、0・33[95% CI、0・13~0・79];図7B)、他のPD-L1/TMBで定義されたサブグループでは関連していなかった。このサブグループは、sparta-DabTramアームにおけるネクストライン治療後の無増悪生存期間の利益も有した(図8)。
PD-L1陰性/高TMBのサブグループで観察された生存利益の背後にある潜在的な機序をさらに探索するために、PD-L1/TMBを組み合わせたサブグループの腫瘍微小環境を分析した。NanoString TISによるT細胞炎症遺伝子発現シグネチャーのベースラインレベルは、TMBレベルにかかわらず、PD-L1陰性腫瘍を有する患者で低かった(図9A)。しかし、多重蛍光免疫組織化学的検査により、PD-L1陰性/高TMBの腫瘍ではHLA-DR+およびCD11b+抗原提示細胞(APC)が他のすべての腫瘍と比較して少ないことが実証され、このサブグループではベースラインのネオ抗原提示が低下していることが示唆された(図9B~9E)。
V600Eサブグループ対V600Kサブグループ
患者のサブグループは、BRAF遺伝子変異の状況(V600E対V600K)によっても定義した。TMBが高いこと、および年齢が高いことは、中央の結果によると、BRAF V600K変異疾患(N=53)とBRAF V600E変異疾患(N=402)とに関連していた(図10)。これと一致して、無増悪生存期間の分析では、V600KサブグループはV600Eサブグループよりもsparta-DabTramからより大きな利益を得ることが実証された。V600K:HR、0・45[95%CI、0・21~0・99];V600E:HR 0・87[95%CI、0・67~1・13];図11)。これらの結果は、局所的なBRAF変異状況に基づいて再現された(データは示さず)が、局所的に利用可能なすべての検査がグルタミン酸(E)置換またはリジン(K)置換かを区別している訳ではない。sparta-DabTramに関連する全生存期間の利益は、V600Kサブグループでも大きかったが(V600K:HR 0・46[95%CI、0・17~1・26];V600E:HR 0・84[95%CI、0-60・1~18];図12)、この分析時の事象数は低く、95%CIは両サブグループとも1.00を越えていた。
V600EサブグループとV600Kサブグループの遺伝子発現シグネチャーをRNAシーケンシングにより比較し、シグナル伝達経路の上位を有した(表D)。MAPKシグナル伝達経路のSPRYに媒介される負のフィードバックループは、V600Eと比較してV600Kサブグループで上位の下方調節された経路であり、MAPK経路の活性が比較的低下していることを示唆した(図13)。
炎症は両処置アームにおける予後である
合計2311個の遺伝子シグネチャーと経路を予後の値についても評価した。各処置アームで特定された上位100の遺伝子シグネチャーのうち、49は両アームで無増悪生存期間の改善と関連していた(表E;図14)。
この偏りのない分析は、T細胞炎症およびNK細胞特異的シグネチャーについて強化したものであった。十分に確立されたT細胞炎症シグネチャーおよび事前に定義されたカットオフ値(方法を参照されたい)を使用したところ、T細胞炎症シグネチャー発現が低い患者は、T細胞炎症シグネチャーレベルが高い患者と比較して、両処置アームで相対的に不良な臨床転帰を経験した(図14)。
T細胞炎症シグネチャーの予後の役割を考慮し、関与するT細胞表現型をデジタル病理IHCで特徴付けた。腫瘍および間質コンパートメント内にCD8+腫瘍浸潤リンパ球の「炎症型」または「排除型」の表現型を有する患者は、処置アームに関係なく、より良好な転帰を経験する可能性が高かった(図15)。sparta-DabTramによる処置は、「炎症型」表現型を有する患者においてより大きな利益をもたらした(図16)。デジタル病理浸潤分析により、「炎症型」腫瘍試料が、腫瘍マージンから30~150μm以内の複数のバンドで評価した場合に、黒色腫腫瘍巣にわたり実質的かつ均質なCD8+腫瘍浸潤リンパ球分布を有していることが明らかになった。
ctDNAの脱落
循環腫瘍DNA(ctDNA)は、ベースライン時と処置中の血液試料からも単離した。乳酸脱水素酵素値の上昇、病変直径の増加、および標的病変数の多さを含む疾患負荷の測定値は、ベースライン時のctDNAレベルと相関した(図17)。この特徴は、最良総合効果とも相関しており、完全奏効を達成した患者は、部分奏効または安定疾患を有する患者と比較してベースライン時のctDNAレベルが低かった(図18)。ベースラインと8週目のctDNAの脱落は、処置アームにわたり予後的重要性を有した(図19A)。ベースライン時のctDNAレベルと疾患負荷の測定値との間に相関があるにもかかわらず、Eastern Cooperative Oncology Groupの性能状況(ECOG PS)、疾患ステージ、乳酸脱水素酵素レベル、BRAF変異の状況、および処置について調整した後も、強い予後的重要性の証拠が残った(データは示さず)。さらに、ベースライン時にctDNAが検出されなかった患者は、sparta-DabTramから処置利益を得られなかったが(図19B)、ctDNAが検出された患者は改善された転帰を示した。
ここで報告されたCOMBI-iの結果は、出願人の知る限り、転移性黒色腫を有する患者において利用可能な最大の前向きに収集したバイオマーカーデータセットを表し、処置選択に情報を与え得るいくつかの特徴を強調する。
これらの結果は、PD-L1マーカーおよび炎症マーカーと臨床転帰およびsparta-DabTramに対する応答との関連を実証する。チェックポイント阻害または標的治療単独では限定された利益しか得られないことが予測される一部のサブグループでも、スパルタリズマブとダブラフェニブおよびトラメチニブとの併用から利益を得る可能性があることが予測された。代わりに、PD-L1レベルは、典型的には、IFN-γシグネチャー発現と相関することに注目すると、これらの結果は、PD-L1マーカーおよび炎症マーカーと臨床転帰とのより複雑な関連を実証し、TMBが高いことにより定義されるサブグループはPD-L1状況にかかわらず最大の臨床利益を得ており;興味深いことに、PD-L1陰性/高TMBサブグループにおけるsparta-DabTramの利益は、特に全生存期間について特に顕著であった。高TMBは、変異頻度が高いことに関連し、よって、標的治療に対する後天的抵抗性変異の可能性が高くなり;一方、高TMBは免疫原性の可能性も高め、チェックポイント阻害剤に対する奏効を長期間持続させる場合がある。PD-L1陰性/高TMBは、PD-1阻害または標的治療単独よりも、チェックポイント阻害と標的治療の組合せからより多くの患者が利益を得る亜集団を表す場合がある。
ベースラインのTISは、TMBに関係なくPD-L1陰性サブグループで低かったが、これはおそらくAPCの数が少なく、ネオ抗原の提示が少なかったことが一因であり;APCは、PD-L1陰性/高TMBのサブグループ由来の腫瘍試料において最も少なく、sparta-DabTramから無増悪生存期間および全生存期間の最大の利益を得た。しかし、腫瘍内T細胞レベル(TISまたはIHCにより評価された)が高いことは、処置アームに関係なく、予後が良好であることを示唆していた。この結果は、全患者集団で観察されたsparta-DabTramによる処置利益が限定的であったことの一因と考えられる。さらに、PD-L1陰性/高TMBのサブグループ以外で観察された全生存期間の限定的利益は、標的治療-チェックポイント阻害剤の順序が、ある特定のサブグループには組合せと同様に効果的である場合があるが、プラセボ-DabTramで処置したこのサブグループの患者が、進行後にチェックポイント阻害に曝露される可能性から利益が限定的であると考えられることを考慮すると、PD-L1陰性/高TMB疾患を有する一部には有害である場合がある。
この分析では、sparta-DabTramによる無増悪生存期間は、BRAF V600K変異疾患を有する患者の比較的少数のサブセットで延長され、これらは、典型的には、高齢であり、V600E変異疾患を有する患者よりも高い変異負荷を有する。DUSP6(MAPK経路が活性化されると上方調節される)のより低い発現レベルが、本発明者らのデータセットのV600K試料で見られた(データは示さず)。ベースライン時のctDNAが少ないか全くないことは、COMBI-iの1部および2部において完全奏効と関連していた。ベースライン時のctDNAレベルが低いこと、および/または処置中のctDNAレベルが低下したことの予後的重要性は、分析において観察された。Sparta-DabTramによる処置利益は、ベースライン時のctDNAの脱落が多い患者ほど明らかであり、これは高TMBがより利益が大きいことの予測因子であるという臨床知見と同様であった。
COMBI-iのsparta-DabTramで観察された処置誘導性の全身免疫効果は、承認されたPD-1阻害剤の典型的なものであった。Sparta-DabTramは、細胞傷害性T細胞を定義するために広く使用されているCD38とHLA-DRとの共発現などの、あらかじめ選択したマーカーの評価に基づき、T細胞の活性化、増殖、および細胞傷害活性を誘導した。この研究は、血中CD4+/CD8+比がsparta-DabTramの有益性とも関連していることを実証し、この比が有用な非侵襲的予測および予後指標であることを示唆する。
本分析により、BRAF変異黒色腫が、チェックポイント阻害と標的治療とを組み合わせても、毒性増加による投与の低減および中断により有効性が損なわれる場合があるため、かなり低い薬物独立性しかもたらされない適応症であることが特定される。
全体として、これらの結果は、バイオマーカー分析が、所与の処置から利益を得る可能性のより高い場合のある患者集団を定義する能力、およびこのようなバイオマーカーの包括的調査が、国際共同第3相試験の設定において実行可能であるという事実を強調する。sparta-DabTramによる処置利益は、腫瘍変異負荷が高く(BRAF V600K変異疾患を有する患者を含む)、疾患負荷が高い(臨床変数またはctDNAに基づく)患者において観察された。PD-L1陰性/高TMBの腫瘍を有する患者は、sparta-DabTramから特定の無増悪生存期間および全生存期間の利益を得るようである。
まとめると、これらのデータにより、腫瘍、微小環境、およびチェックポイント阻害剤と標的治療との組合せに対する応答の関係への洞察が得られ、これらの関連は、臨床的決定に情報を提供するための前向き無作為化試験において、あらかじめ定義されたサブセットとして検証を正当化する。
参照による組込み
本明細書で言及されるすべての刊行物、特許、および受託番号は、個々の刊行物または特許が参照により組み込まれることが具体的かつ個別に示されているかのように、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
均等論
本明細書で引用したそれぞれの特許、特許出願、および刊行物の開示は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。本開示は、特定の態様を参照してなされたが、本開示の他の態様および変形形態が、本開示の真の趣旨および範囲から逸脱することなく、当業者によって考案され得ることは明らかである。添付の特許請求の範囲は、すべてのこのような態様および均等な変形形態を含むように解釈されることが意図される。

Claims (292)

  1. 治療から利益を得る可能性が高いがんを有する対象を特定する方法であって、
    前記対象における(例えば、前記対象からの試料中の)CD8+免疫エフェクター細胞(例えば、CD8+T細胞)のレベルまたは活性に対するCD4+免疫エフェクター細胞(例えば、CD4+T細胞)のレベルまたは活性の値を取得するステップであって、
    参照値よりも大きいかまたはそれに等しい値が、前記対象を、前記治療からの利益を得る可能性が高いことを特定し、
    前記治療が、がん免疫療法と組み合わせて標的治療を含む、ステップ
    を含む方法。
  2. 前記対象が、がん免疫療法を用いない標的治療を含む治療と比較して、前記治療からの利益の増加を有する可能性が高い、請求項1に記載の方法。
  3. 治療をがんを有する対象のために選択する方法であって、
    前記対象における(例えば、前記対象からの試料中の)CD8+免疫エフェクター細胞(例えば、CD8+T細胞)のレベルまたは活性に対するCD4+免疫エフェクター細胞(例えば、CD4+T細胞)のレベルまたは活性の値を取得するステップと、
    前記値が、参照値よりも大きいかまたはそれに等しい場合、がん免疫療法と組み合わせて標的治療を含む治療を前記対象のために選択するステップと
    を含む方法。
  4. 前記治療の有効量を前記対象に投与するステップ(例えば、投与を開始するステップまたは投与を継続するステップ)をさらに含む、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
  5. 前記治療の変更された投与レジメン(例えば、参照投与レジメンよりも高用量および/または高頻度の投与を含む投与レジメン)を前記対象に投与するステップをさらに含む、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
  6. 前記対象への異なる治療の投与を中断するステップをさらに含む、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
  7. 前記対象に、追加の治療を投与するステップをさらに含む、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
  8. 前処置を前記対象に投与するステップであって、前記前処置が、前記対象における(例えば、前記対象からの試料中の)CD8+免疫エフェクター細胞(例えば、CD8+T細胞)の前記レベルまたは活性に対するCD4+免疫エフェクター細胞(例えば、CD4+T細胞)の前記レベルまたは活性の前記値を増加させる、ステップをさらに含む請求項7に記載の方法。
  9. がんを有する対象を処置する方法であって、
    前記対象における(例えば、前記対象からの試料中の)CD8+免疫エフェクター細胞(例えば、CD8+T細胞)のレベルまたは活性に対するCD4+免疫エフェクター細胞(例えば、CD4+T細胞)のレベルまたは活性の値が、参照値よりも大きいかまたはそれに等しいことを受けて、
    がん免疫療法と組み合わせて標的治療を含む治療の有効量を前記対象に投与し(例えば、投与を開始または投与を継続し)、
    それによって前記がんを有する前記対象を処置するステップ
    を含む方法。
  10. がんを有する対象を処置する方法であって、
    前記対象における(例えば、前記対象からの試料中の)CD8+免疫エフェクター細胞(例えば、CD8+T細胞)のレベルまたは活性に対するCD4+免疫エフェクター細胞(例えば、CD4+T細胞)のレベルまたは活性の値を取得するステップと、
    前記値が、参照値よりも大きいかまたはそれに等しい場合、がん免疫療法と組み合わせて標的治療を含む治療の有効量を前記対象に投与し(例えば、投与を開始または投与を継続し)、
    それによって前記がんを有する前記対象を処置するステップと
    を含む方法。
  11. がんを有する対象を処置する方法であって、
    標的治療の有効量を前記対象に投与するステップ(例えば、投与を開始するステップまたは投与を継続するステップ)と、
    前記対象における(例えば、前記対象からの試料中の)CD8+免疫エフェクター細胞(例えば、CD8+T細胞)のレベルまたは活性に対するCD4+免疫エフェクター細胞(例えば、CD4+T細胞)のレベルまたは活性の値が、参照値よりも大きいかまたはそれに等しいことを受けて、
    がん免疫療法の有効量を前記対象に投与し(例えば、投与を開始または投与を継続し)、
    それによって前記がんを有する前記対象を処置するステップと
    を含む方法。
  12. がんを有する対象を処置する方法であって、
    がん免疫療法と組み合わせて標的治療を含む治療の有効量を前記対象に投与し(例えば、投与を開始または投与を継続し)、それによって前記がんを有する前記対象を処置するステップであって、
    投与前に、前記対象における(例えば、前記対象からの試料中の)CD8+免疫エフェクター細胞(例えば、CD8+T細胞)のレベルもしくは活性に対するCD4+免疫エフェクター細胞(例えば、CD4+T細胞)のレベルもしくは活性の値が、参照値よりも大きいかもしくはそれに等しいことが決定される、ステップ
    を含む方法。
  13. がんを有する対象を処置する方法であって、
    がん免疫療法と組み合わせて標的治療を含む治療の有効量を前記対象に投与し(例えば、投与を開始または投与を継続し)、それによって前記がんを有する前記対象を処置するステップであって、
    前記対象は、前記対象における(例えば、前記対象からの試料中の)CD8+免疫エフェクター細胞(例えば、CD8+T細胞)のレベルまたは活性に対するCD4+免疫エフェクター細胞(例えば、CD4+T細胞)のレベルまたは活性の値が、参照値よりも大きいかまたはそれに等しいことを特徴とする、ステップ
    を含む方法。
  14. CD8+免疫エフェクター細胞(例えば、CD8+T細胞)の前記レベルまたは活性に対するCD4+免疫エフェクター細胞(例えば、CD4+T細胞)の前記レベルまたは活性の前記値が、例えば、本明細書で開示されているアッセイ、例えば、フローサイトメトリー免疫表現型検査によって測定した場合、CD8+免疫エフェクター細胞(例えば、CD8+T細胞)の量に対するCD4+免疫エフェクター細胞(例えば、CD4+T細胞)の量の比を含む、請求項1から13のいずれか一項に記載の方法。
  15. 前記値が、2よりも大きいかまたはそれに等しい(例えば、2.01)、請求項14に記載の方法。
  16. 前記値が、2.5、3、3.5、4、4.5、5、5.5、6、6.5、7、7.5、8、8.5、9、9.5、もしくは10よりも大きいかまたはそれに等しい、請求項15に記載の方法。
  17. 前記値が、3.3よりも大きいかまたはそれに等しい(例えば、3.34)、請求項14に記載の方法。
  18. 前記値が、3.5、4、4.5、5、5.5、6、6.5、7、7.5、8、8.5、9、9.5、もしくは10よりも大きいかまたはそれに等しい、請求項17に記載の方法。
  19. 前記値を取得するステップが、前記対象における、例えば、前記対象からの試料中のCD8+免疫エフェクター細胞(例えば、CD8+T細胞)の前記レベルまたは活性に対するCD4+免疫エフェクター細胞(例えば、CD4+T細胞)の前記レベルまたは活性を決定することを含む、請求項1から18のいずれか一項に記載の方法。
  20. 前記対象からの前記試料が、血液試料(例えば、末梢血単核球(PBMC)を含む末梢血試料など)または腫瘍試料を含む、請求項19に記載の方法。
  21. 前記値が、前記治療の投与が開始される前に取得される(例えば、ベースライン値である)、請求項19または20に記載の方法。
  22. 前記値が、前記治療の投与が開始された後に取得される、請求項19または20に記載の方法。
  23. 前記値が、前記治療の投与が開始された1、2、3、4、8、10、12、20、30、40週間後もしくはそれ以降または1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、12、14、16、18、20カ月後もしくはそれ以降に取得される、請求項22に記載の方法。
  24. 前記対象における(例えば、前記対象からの試料中の)CD8+腫瘍浸潤リンパ球(TIL)、例えば、CD8+TIL炎症表現型を有する腫瘍のレベルまたは活性の値を取得するステップをさらに含む、請求項1から23のいずれか一項に記載の方法。
  25. 参照値と比較した場合のCD8+TILのレベルまたは活性の値の増加が、前記対象が前記治療からの利益を得る可能性が高いことをさらに特定する、請求項24に記載の方法。
  26. 前記対象における(例えば、前記対象からの試料中の)腫瘍遺伝子変異量(TMB)の値を取得するステップをさらに含む、請求項1から25のいずれか一項に記載の方法。
  27. 参照値と比較した場合のTMBの値の増加が、前記対象が前記治療からの利益を得る可能性が高いことをさらに特定する、請求項26に記載の方法。
  28. TMBの前記値が、10mut/Mbよりも大きいかまたはそれに等しく、例えば、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25mut/Mbよりも大きいかもしくはそれに等しく、またはそれよりも大きい、請求項27に記載の方法。
  29. 前記対象における(例えば、前記対象からの試料中の)PD-L1のレベルおよび/または活性の値を取得するステップをさらに含む、請求項1から28のいずれか一項に記載の方法。
  30. 参照値と比較した場合のPD-L1の前記レベルおよび/または活性の値の減少が、例えば、参照値と比較した場合のTMB値の増加と共に、前記対象が前記治療からの利益を得る可能性が高いことをさらに特定する、請求項29に記載の方法。
  31. 前記がんが、PD-L1の発現が低いかまたは検出不能である、請求項30に記載の方法。
  32. 前記対象における(例えば、前記対象からの試料中の)循環腫瘍DNA(ctDNA)の値を取得するステップをさらに含む、請求項1から31のいずれか一項に記載の方法。
  33. 参照値と比較した場合のctDNAの値の増加が、前記対象が前記治療からの利益を得る可能性が高いことをさらに特定する、請求項32に記載の方法。
  34. 前記治療から利益を得る可能性の高い対象、または前記治療からの利益の増加を有する可能性の高い対象が、前記治療から利益を得る可能性の低い対象、または前記治療からの利益の増加を有する可能性の低い対象と比較して、無増悪生存期間(PFS)、客観的奏効期間(DOR)、および/または全生存期間(OS)の改善を有する、請求項1から33のいずれか一項に記載の方法。
  35. 前記治療から利益を得る可能性が高い対象、または前記治療からの利益の増加を有する可能性の高い対象が、前記治療を受けなかった対象、または標的治療だけを受けたががん免疫療法を受けなかった対象と比較して、PFS、DOR、および/またはOSの改善を有する、請求項1から33のいずれか一項に記載の方法。
  36. 前記PFS、DOR、および/またはOSが、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、18、24、30、36、42、48、54、60カ月まで、またはそれより長く改善される、請求項34または35に記載の方法。
  37. 前記PFS、DOR、および/またはOSが、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、もしくは90%、または1、2、3、4、5、6、7、8、9、10倍、またはそれより大きく改善される、請求項34または35に記載の方法。
  38. 前記対象が、標的治療で処置されたか、または処置されている、請求項1から37のいずれか一項に記載の方法。
  39. 前記対象が、標的治療で処置されなかったか、または処置されていない、請求項1から37のいずれか一項に記載の方法。
  40. 前記対象が、がん免疫療法を受けたか、または受けている、請求項1から37のいずれか一項に記載の方法。
  41. 前記対象が、がん免疫療法を受けなかったか、または受けていない、請求項1から37のいずれか一項に記載の方法。
  42. 前記対象が、がん免疫療法と組み合わせて標的治療を含む治療を受けたか、または受けている、請求項1から37のいずれか一項に記載の方法。
  43. 前記対象が、がん免疫療法と組み合わせて標的治療を含む治療を受けなかったか、または受けていない、請求項1から37のいずれか一項に記載の方法。
  44. 前記対象が、標的治療を受けたか、または受けており、がんが再発した、請求項1から37のいずれか一項に記載の方法。
  45. 前記対象が、標的治療に対するノンレスポンダーであるか、または標的治療に対するノンレスポンダーとして特定されている、請求項1から37のいずれか一項に記載の方法。
  46. 前記対象が、標的治療に対するパーシャルレスポンダーであるか、または標的治療に対するパーシャルレスポンダーとして特定されている、請求項1から37のいずれか一項に記載の方法。
  47. 前記標的治療が、BRAFを標的とする薬剤および/またはMEKを標的とする薬剤を含む、請求項1から46のいずれか一項に記載の方法。
  48. 前記標的治療が、BRAFを標的とする薬剤またはMEKを標的とする薬剤を含む、請求項47に記載の方法。
  49. BRAFを標的とする前記薬剤が、BRAF阻害剤である、請求項47または48に記載の方法。
  50. BRAFを標的とする前記薬剤が、野生型BRAFおよび/またはV600変異(例えば、V600E変異またはV600K変異)を有するBRAFを阻害する、請求項47から49のいずれか一項に記載の方法。
  51. BRAFを標的とする前記薬剤が、ダブラフェニブ、ベムラフェニブ、エンコラフェニブ、ABM-1310、ARQ 736、ASN003、BGB-283、BGB-3245、CEP-32496、GDC-0879、LUT014、PLX4720、PLX8394、RO5212054、またはその薬学的に許容される塩である、請求項47から50のいずれか一項に記載の方法。
  52. BRAFを標的とする前記薬剤が、ダブラフェニブである、請求項51に記載の方法。
  53. BRAFを標的とする前記薬剤が、ベムラフェニブである、請求項51に記載の方法。
  54. BRAFを標的とする前記薬剤(例えば、ダブラフェニブ)が、25mg~300mgの間(例えば、50mg~250mgの間または100mg~200mgの間、例えば、150mg)の用量で、例えば1日に2回、投与される(例えば、経口的に)、請求項47から52のいずれか一項に記載の方法。
  55. MEKを標的とする前記薬剤が、MEK阻害剤である、請求項47から54のいずれか一項に記載の方法。
  56. MEKを標的とする前記薬剤が、トラメチニブ、コビメチニブ、ビニメチニブ、ミルダメチニブ、プマセルチブ、レファメチニブ、セルメチニブ、AS703988、AZD 8330、BI 847325、BIX 02188、BIX 02189、CI-1040、CS3006、E6201、FCN-159、G-38963、GDC-0623、HL-085、PD 98059、RO4987655、RO5126766、SHR 7390、TAK-733、U0126、WX-554、またはその薬学的に許容される塩である、請求項47から55に記載の方法。
  57. MEKを標的とする前記薬剤が、トラメチニブである、請求項56に記載の方法。
  58. MEKを標的とする前記薬剤が、コビメチニブである、請求項56に記載の方法。
  59. MEKを標的とする前記薬剤(例えば、トラメチニブ)が、0.1mg~5mgの間の用量で(例えば、0.5mg~4mgの間または1mg~3mgの間の用量で、例えば、2mgの用量で)、例えば、1日に1回、投与される(例えば、経口的に)、請求項47から57のいずれか一項に記載の方法。
  60. BRAFを標的とする前記薬剤がダブラフェニブであり、MEKを標的とする前記薬剤がトラメチニブである、請求項47、49から52、54から57、または59のいずれか一項に記載の方法。
  61. BRAFを標的とする前記薬剤がベムラフェニブであり、MEKを標的とする前記薬剤がコビメチニブである、請求項47、49から51、53から56、58、または59のいずれか一項に記載の方法。
  62. 前記がん免疫療法が、PD-1またはPD-L1結合アンタゴニストを含む、請求項1から61のいずれか一項に記載の方法。
  63. 前記がん免疫療法が、PD-1阻害剤を含む、請求項1から62のいずれか一項に記載の方法。
  64. 前記がん免疫療法が、抗PD-1抗体分子を含む、請求項1から63のいずれか一項に記載の方法。
  65. 前記抗PD-1抗体分子が、
    それぞれ表1に開示されている、配列番号501のVHCDR1アミノ酸配列、配列番号502のVHCDR2アミノ酸配列、および配列番号503のVHCDR3アミノ酸配列を含む重鎖可変領域(VH);ならびに
    配列番号510のVLCDR1アミノ酸配列、配列番号511のVLCDR2アミノ酸配列、および配列番号512のVLCDR3アミノ酸配列を含む軽鎖可変領域(VL)
    を含む、請求項64に記載の方法。
  66. 前記抗PD-1抗体分子が、配列番号506のアミノ酸配列、あるいは配列番号506に対して少なくとも85%、90%、95%、もしくは99%同一であるかまたはそれより高い割合で同一であるアミノ酸配列を含むVHを含む、請求項65に記載の方法。
  67. 前記抗PD-1抗体分子が、配列番号520のアミノ酸配列、あるいは配列番号520に対して少なくとも85%、90%、95%、もしくは99%同一であるかまたはそれより高い割合で同一であるアミノ酸配列を含むVLを含む、請求項65に記載の方法。
  68. 前記抗PD-1抗体分子が、配列番号516のアミノ酸配列、あるいは配列番号516に対して少なくとも85%、90%、95%、もしくは99%同一であるかまたはそれより高い割合で同一であるアミノ酸配列を含むVLを含む、請求項65に記載の方法。
  69. 前記抗PD-1抗体分子が、配列番号506のアミノ酸配列を含むVHおよび配列番号520のアミノ酸配列を含むVLを含む、請求項65に記載の方法。
  70. 前記抗PD-1抗体分子が、配列番号506のアミノ酸配列を含むVHおよび配列番号516のアミノ酸配列を含むVLを含む、請求項65に記載の方法。
  71. 前記抗PD-1抗体分子が、配列番号508のアミノ酸配列、あるいは配列番号508に対して少なくとも85%、90%、95%、もしくは99%同一であるかまたはそれより高い割合で同一であるアミノ酸配列を含む重鎖を含む、請求項65に記載の方法。
  72. 前記抗PD-1抗体分子が、配列番号522のアミノ酸配列、あるいは配列番号522に対して少なくとも85%、90%、95%、もしくは99%同一であるかまたはそれより高い割合で同一であるアミノ酸配列を含む軽鎖を含む、請求項65に記載の方法。
  73. 前記抗PD-1抗体分子が、配列番号518のアミノ酸配列、あるいは配列番号518に対して少なくとも85%、90%、95%、もしくは99%同一であるかまたはそれより高い割合で同一であるアミノ酸配列を含む軽鎖を含む、請求項65に記載の方法。
  74. 前記抗PD-1抗体分子が、配列番号508のアミノ酸配列を含む重鎖および配列番号522のアミノ酸配列を含む軽鎖を含む、請求項65に記載の方法。
  75. 前記抗PD-1抗体分子が、配列番号508のアミノ酸配列を含む重鎖および配列番号518のアミノ酸配列を含む軽鎖を含む、請求項65に記載の方法。
  76. 前記抗PD-1抗体分子が、約300mg~400mgの用量で、3週間に1回または4週間に1回(例えば、約400mgで4週間に1回)前記対象に投与される、請求項64から75のいずれか一項に記載の方法。
  77. 前記がん免疫療法が、第2のがん免疫治療剤(例えば、本明細書に記載のがん免疫治療剤)を含む、請求項1から76のいずれか一項に記載の方法。
  78. 前記がんが、固形腫瘍、血液がん(例えば、白血病、リンパ腫、または骨髄腫)、またはその転移巣である、請求項1から77のいずれか一項に記載の方法。
  79. 前記がんが、黒色腫またはその転移巣である、請求項78に記載の方法。
  80. 前記黒色腫が、ステージIの黒色腫、ステージIIの黒色腫、ステージIIIの黒色腫、またはステージIVの黒色腫である、請求項79に記載の方法。
  81. 前記がんが、黒色腫以外のがんである、請求項78に記載の方法。
  82. 前記がんが、肺がん(例えば、非小細胞肺がん)、膵臓がん、もしくは結腸直腸がん、またはその転移巣である、請求項81に記載の方法。
  83. 前記がんが、BRAFを標的とする薬剤および/またはMEKを標的とする薬剤に対して難治性である、請求項78から82のいずれか一項に記載の方法。
  84. 前記がん(例えば、黒色腫)が、BRAF変異を含む、請求項78から83のいずれか一項に記載の方法。
  85. 前記BRAF変異が、V600変異である、請求項84に記載の方法。
  86. 前記V600変異が、V600EまたはV600K変異である、請求項85に記載の方法。
  87. さらなる治療を前記対象に投与するステップをさらに含む(例えば、前記対象への前処置(例えば、前記対象におけるCD8+免疫エフェクター細胞(例えば、CD8+T細胞)の前記レベルまたは活性に対するCD4+免疫エフェクター細胞(例えば、CD4+T細胞)の前記レベルまたは活性の前記値を増加させるために))、請求項1から86のいずれか一項に記載の方法。
  88. 前記治療が、ファーストライン、セカンドライン、サードライン、もしくはフォースラインまたはそれを超える処置である、請求項87に記載の方法。
  89. 前記治療が、アジュバント処置である、請求項87または88に記載の方法。
  90. 前記治療が、ネオアジュバント処置である、請求項87から89のいずれか一項に記載の方法。
  91. 例えば本明細書に記載されているTIL、PD-L1、CD8、IFNγ、またはT細胞炎症遺伝子発現シグネチャーを含む免疫活性化のレベルおよび/または活性の値を取得するステップを含む、請求項1から79のいずれか一項に記載の方法。
  92. 治療から利益を得る可能性が高いがんを有する対象を特定する方法であって、
    前記対象における(例えば、前記対象からの試料中の)CD8+免疫エフェクター細胞(例えば、CD8+T細胞)のレベルまたは活性に対するCD4+免疫エフェクター細胞(例えば、CD4+T細胞)のレベルまたは活性の値を取得するステップであって、
    参照値よりも小さい値が、前記対象を、前記治療からの利益を得る可能性が高いことを特定し、
    前記治療が、標的治療(例えば、がん免疫療法を用いない)を含む、ステップ
    を含む方法。
  93. 前記対象が、がん免疫療法と組み合わせて前記標的治療を含む治療からの利益の実質的な増加を有する可能性が低い、請求項92に記載の方法。
  94. 治療をがんを有する対象のために選択する方法であって、
    前記対象における(例えば、前記対象からの試料中の)CD8+免疫エフェクター細胞(例えば、CD8+T細胞)のレベルまたは活性に対するCD4+免疫エフェクター細胞(例えば、CD4+T細胞)のレベルまたは活性の値を取得するステップと、
    前記値が、参照値よりも小さい場合、標的治療(例えば、がん免疫療法を用いない)を含む治療を前記対象のために選択するステップと
    を含む方法。
  95. 前記治療の有効量を前記対象に投与するステップ(例えば、投与を開始するステップまたは投与を継続するステップ)をさらに含む、請求項92から94のいずれか一項に記載の方法。
  96. 前記治療の変更された投与レジメン(例えば、参照投与レジメンよりも高用量および/または高頻度の投与を含む投与レジメン)を前記対象に投与するステップをさらに含む、請求項92から94のいずれか一項に記載の方法。
  97. 前記対象への異なる治療の投与を中断するステップをさらに含む、請求項92から94のいずれか一項に記載の方法。
  98. 前記対象に、追加の治療を投与するステップをさらに含む、請求項92から94のいずれか一項に記載の方法。
  99. 前処置を前記対象に投与するステップであって、前記前処置が、前記対象における(例えば、前記対象からの試料中の)CD8+免疫エフェクター細胞(例えば、CD8+T細胞)の前記レベルまたは活性に対するCD4+免疫エフェクター細胞(例えば、CD4+T細胞)の前記レベルまたは活性の前記値を増加させる、ステップをさらに含む、請求項92から98のいずれか一項に記載の方法。
  100. がんを有する対象を処置する方法であって、
    前記対象における(例えば、前記対象からの試料中の)CD8+免疫エフェクター細胞(例えば、CD8+T細胞)のレベルまたは活性に対するCD4+免疫エフェクター細胞(例えば、CD4+T細胞)のレベルまたは活性の値が、参照値よりも小さいことを受けて、
    標的治療(例えば、がん免疫療法を用いない)を含む治療の有効量を前記対象に投与し(例えば、投与を開始または投与を継続し)、
    それによって前記がんを有する前記対象を処置するステップ
    を含む方法。
  101. がんを有する対象を処置する方法であって、
    前記対象における(例えば、前記対象からの試料中の)CD8+免疫エフェクター細胞(例えば、CD8+T細胞)のレベルまたは活性に対するCD4+免疫エフェクター細胞(例えば、CD4+T細胞)のレベルまたは活性の値を取得するステップと、
    前記値が、参照値よりも小さい場合、標的治療(例えば、がん免疫療法を用いない)を含む治療の有効量を前記対象に投与し(例えば、投与を開始または投与を継続し)、
    それによって前記がんを有する前記対象を処置するステップと
    を含む方法。
  102. がんを有する対象を処置する方法であって、
    がん免疫療法と組み合わせて標的治療を含む治療の有効量を前記対象に投与するステップ(例えば、投与を開始するステップまたは投与を継続するステップ)と;
    前記対象における(例えば、前記対象からの試料中の)CD8+免疫エフェクター細胞(例えば、CD8+T細胞)のレベルまたは活性に対するCD4+免疫エフェクター細胞(例えば、CD4+T細胞)のレベルまたは活性の値が、参照値よりも小さいことを受けて、
    標的治療(例えば、がん免疫療法を用いない)の有効量を前記対象に投与し(例えば、投与を開始または投与を継続し)、
    それによって前記がんを有する前記対象を処置するステップと
    を含む方法。
  103. がんを有する対象を処置する方法であって、
    標的治療(例えば、がん免疫療法を用いない)を含む治療の有効量を前記対象に投与し(例えば、投与を開始または投与を継続し)、それによって前記がんを有する前記対象を処置するステップであって、
    投与前に、前記対象における(例えば、前記対象からの試料中の)CD8+免疫エフェクター細胞(例えば、CD8+T細胞)のレベルもしくは活性に対するCD4+免疫エフェクター細胞(例えば、CD4+T細胞)のレベルもしくは活性の値が、参照値よりも小さいことが決定される、ステップ
    を含む方法。
  104. がんを有する対象を処置する方法であって、
    標的治療(例えば、がん免疫療法を用いない)を含む治療の有効量を前記対象に投与し(例えば、投与を開始または投与を継続し)、それによって前記がんを有する前記対象を処置するステップであって、
    前記対象は、前記対象における(例えば、前記対象からの試料中の)CD8+免疫エフェクター細胞(例えば、CD8+T細胞)のレベルまたは活性に対するCD4+免疫エフェクター細胞(例えば、CD4+T細胞)のレベルまたは活性の値が、参照値よりも小さいことを特徴とする、ステップ
    を含む方法。
  105. CD8+免疫エフェクター細胞(例えば、CD8+T細胞)の前記レベルまたは活性に対するCD4+免疫エフェクター細胞(例えば、CD4+T細胞)の前記レベルまたは活性の前記値が、例えば、本明細書で開示されているアッセイ、例えば、フローサイトメトリー免疫表現型検査によって測定した場合、CD8+免疫エフェクター細胞(例えば、CD8+T細胞)の量に対するCD4+免疫エフェクター細胞(例えば、CD4+T細胞)の量の比を含む、請求項92から104のいずれか一項に記載の方法。
  106. 前記値が、約3.3より小さい(例えば、3.34より小さい)、請求項105に記載の方法。
  107. 前記値が、約3、2.5、2、1.5、1、または0.5より小さい、請求項106に記載の方法。
  108. 前記値が、約2より小さい(例えば、2.01より小さい)、請求項105に記載の方法。
  109. 前記値が、約1.5、1、または0.5より小さい、請求項108に記載の方法。
  110. 前記値を取得するステップが、前記対象における、例えば、前記対象からの試料中のCD8+免疫エフェクター細胞(例えば、CD8+T細胞)の前記レベルまたは活性に対するCD4+免疫エフェクター細胞(例えば、CD4+T細胞)の前記レベルまたは活性を決定することを含む、請求項92から109のいずれか一項に記載の方法。
  111. 前記対象からの前記試料が、血液試料(例えば、末梢血単核球(PBMC)を含む末梢血試料など)または腫瘍試料を含む、請求項110に記載の方法。
  112. 前記値が、前記治療の投与が開始される前に取得される(例えば、ベースライン値である)、請求項110または111に記載の方法。
  113. 前記値が、前記治療の投与が開始された後に取得される、請求項110または111に記載の方法。
  114. 前記値が、前記治療の投与が開始された1、2、3、4、8、10、12、20、30、40週間後もしくはそれ以降または1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、12、14、16、18、20カ月後もしくはそれ以降に取得される、請求項113に記載の方法。
  115. 前記対象における(例えば、前記対象からの試料中の)TMBの値を取得するステップをさらに含む、請求項92から114のいずれか一項に記載の方法。
  116. 参照値と比較した場合のTMBの値の減少が、前記対象が前記治療(例えば、がん免疫療法を用いない)からの利益を得る可能性が高いことをさらに特定する、請求項115に記載の方法。
  117. 参照値と比較した場合のTMBの値の減少が、前記対象が、がん免疫療法と組み合わせて標的治療を含む治療からの利益の実質的な増加を有する可能性が低いことをさらに特定する、請求項115に記載の方法。
  118. TMBの前記値が、10 mut/Mb未満、例えば、9、8、7、6、5、4、3、2、もしくは1mut/Mb未満、またはそれよりも小さい、請求項116または117に記載の方法。
  119. 前記対象における(例えば、前記対象からの試料中の)PD-L1のレベルおよび/または活性の値を取得するステップをさらに含む、請求項92から118のいずれか一項に記載の方法。
  120. PD-L1のレベルおよび/または活性の値の減少が、例えば、TMBの値の減少と共に、前記対象が前記治療(例えば、がん免疫療法を用いない)からの利益を得る可能性が高いことをさらに特定する、請求項119に記載の方法。
  121. PD-L1のレベルおよび/または活性の値の減少が、例えば、TMBの値の減少と共に、前記対象が、がん免疫療法と組み合わせて標的治療を含む治療からの利益の実質的な増加を有する可能性が低いことをさらに特定する、請求項119に記載の方法。
  122. 前記がんが、PD-L1の発現が低いかまたは検出不能である、請求項119から121のいずれか一項に記載の方法。
  123. 前記対象が、標的治療で処置されたか、または処置されている、請求項92から122のいずれか一項に記載の方法。
  124. 前記対象が、標的治療で処置されなかったか、または処置されていない、請求項92から122のいずれか一項に記載の方法。
  125. 前記対象が、がん免疫療法を受けたか、または受けている、請求項92から122のいずれか一項に記載の方法。
  126. 前記対象が、がん免疫療法を受けなかったか、または受けていない、請求項92から122のいずれか一項に記載の方法。
  127. 前記対象が、がん免疫療法と組み合わせて標的治療を含む治療を受けたか、または受けている、請求項92から122のいずれか一項に記載の方法。
  128. 前記対象が、がん免疫療法と組み合わせて標的治療を含む治療を受けなかったか、または受けていない、請求項92から122のいずれか一項に記載の方法。
  129. 前記対象が、標的治療を受けたか、または受けており、がんが再発した、請求項92から122のいずれか一項に記載の方法。
  130. 前記対象が、標的治療に対するノンレスポンダーであるか、または標的治療に対するノンレスポンダーとして特定されている、請求項92から122のいずれか一項に記載の方法。
  131. 前記対象が、標的治療に対するパーシャルレスポンダーであるか、または標的治療に対するパーシャルレスポンダーとして特定されている、請求項92から122のいずれか一項に記載の方法。
  132. 前記標的治療が、BRAFを標的とする薬剤および/またはMEKを標的とする薬剤を含む、請求項92から131のいずれか一項に記載の方法。
  133. 前記標的治療が、BRAFを標的とする薬剤またはMEKを標的とする薬剤を含む、請求項132に記載の方法。
  134. BRAFを標的とする前記薬剤が、BRAF阻害剤である、請求項132または133に記載の方法。
  135. BRAFを標的とする前記薬剤が、野生型BRAFおよび/またはV600変異(例えば、V600E変異またはV600K変異)を有するBRAFを阻害する、請求項132から134のいずれか一項に記載の方法。
  136. BRAFを標的とする前記薬剤が、ダブラフェニブ、ベムラフェニブ、エンコラフェニブ、ABM-1310、ARQ 736、ASN003、BGB-283、BGB-3245、CEP-32496、GDC-0879、LUT014、PLX4720、PLX8394、RO5212054、またはその薬学的に許容される塩である、請求項132から135のいずれか一項に記載の方法。
  137. BRAFを標的とする前記薬剤が、ダブラフェニブである、請求項136に記載の方法。
  138. BRAFを標的とする前記薬剤が、ベムラフェニブである、請求項136に記載の方法。
  139. BRAFを標的とする前記薬剤(例えば、ダブラフェニブ)が、25mg~300mgの間(例えば、50mg~250mgの間または100mg~200mgの間、例えば、150mg)の用量で、例えば1日に2回、投与される(例えば、経口的に)、請求項132から138のいずれか一項に記載の方法。
  140. MEKを標的とする前記薬剤が、MEK阻害剤である、請求項132から139のいずれか一項に記載の方法。
  141. MEKを標的とする前記薬剤が、トラメチニブ、コビメチニブ、ビニメチニブ、ミルダメチニブ、プマセルチブ、レファメチニブ、セルメチニブ、AS703988、AZD 8330、BI 847325、BIX 02188、BIX 02189、CI-1040、CS3006、E6201、FCN-159、G-38963、GDC-0623、HL-085、PD 98059、RO4987655、RO5126766、SHR 7390、TAK-733、U0126、WX-554、またはその薬学的に許容される塩である、請求項132から140のいずれか一項に記載の方法。
  142. MEKを標的とする前記薬剤が、トラメチニブである、請求項141に記載の方法。
  143. MEKを標的とする前記薬剤が、コビメチニブである、請求項141に記載の方法。
  144. MEKを標的とする前記薬剤(例えば、トラメチニブ)が、0.1mg~5mgの間の用量で(例えば、0.5mg~4mgの間または1mg~3mgの間の用量で、例えば、2mgの用量で)、例えば、1日に1回、投与される(例えば、経口的に)、請求項132から143のいずれか一項に記載の方法。
  145. BRAFを標的とする前記薬剤がダブラフェニブであり、MEKを標的とする前記薬剤がトラメチニブである、請求項132から137、139から142、および144のいずれか一項に記載の方法。
  146. BRAFを標的とする前記薬剤がベムラフェニブであり、MEKを標的とする前記薬剤がコビメチニブである、請求項132から136、138から141、143、および144のいずれか一項に記載の方法。
  147. 前記がん免疫療法が、PD-1またはPD-L1結合アンタゴニストを含む、請求項92から146のいずれか一項に記載の方法。
  148. 前記がん免疫療法が、PD-1阻害剤を含む、請求項92から147のいずれか一項に記載の方法。
  149. 前記がん免疫療法が、抗PD-1抗体分子を含む、請求項92から148のいずれか一項に記載の方法。
  150. 前記抗PD-1抗体分子が、
    それぞれ表1に開示されている、配列番号501のVHCDR1アミノ酸配列、配列番号502のVHCDR2アミノ酸配列、および配列番号503のVHCDR3アミノ酸配列を含む重鎖可変領域(VH);ならびに
    配列番号510のVLCDR1アミノ酸配列、配列番号511のVLCDR2アミノ酸配列、および配列番号512のVLCDR3アミノ酸配列を含む軽鎖可変領域(VL)
    を含む、請求項149に記載の方法。
  151. 前記抗PD-1抗体分子が、配列番号506のアミノ酸配列、あるいは配列番号506に対して少なくとも85%、90%、95%、もしくは99%同一であるかまたはそれより高い割合で同一であるアミノ酸配列を含むVHを含む、請求項150に記載の方法。
  152. 前記抗PD-1抗体分子が、配列番号520のアミノ酸配列、あるいは配列番号520に対して少なくとも85%、90%、95%、もしくは99%同一であるかまたはそれより高い割合で同一であるアミノ酸配列を含むVLを含む、請求項150に記載の方法。
  153. 前記抗PD-1抗体分子が、配列番号516のアミノ酸配列、あるいは配列番号516に対して少なくとも85%、90%、95%、もしくは99%同一であるかまたはそれより高い割合で同一であるアミノ酸配列を含むVLを含む、請求項150に記載の方法。
  154. 前記抗PD-1抗体分子が、配列番号506のアミノ酸配列を含むVHおよび配列番号520のアミノ酸配列を含むVLを含む、請求項150に記載の方法。
  155. 前記抗PD-1抗体分子が、配列番号506のアミノ酸配列を含むVHおよび配列番号516のアミノ酸配列を含むVLを含む、請求項150に記載の方法。
  156. 前記抗PD-1抗体分子が、配列番号508のアミノ酸配列、あるいは配列番号508に対して少なくとも85%、90%、95%、もしくは99%同一であるかまたはそれより高い割合で同一であるアミノ酸配列を含む重鎖を含む、請求項150に記載の方法。
  157. 前記抗PD-1抗体分子が、配列番号522のアミノ酸配列、あるいは配列番号522に対して少なくとも85%、90%、95%、もしくは99%同一であるかまたはそれより高い割合で同一であるアミノ酸配列を含む軽鎖を含む、請求項150に記載の方法。
  158. 前記抗PD-1抗体分子が、配列番号518のアミノ酸配列、あるいは配列番号518に対して少なくとも85%、90%、95%、もしくは99%同一であるかまたはそれより高い割合で同一であるアミノ酸配列を含む軽鎖を含む、請求項150に記載の方法。
  159. 前記抗PD-1抗体分子が、配列番号508のアミノ酸配列を含む重鎖および配列番号522のアミノ酸配列を含む軽鎖を含む、請求項150に記載の方法。
  160. 前記抗PD-1抗体分子が、配列番号508のアミノ酸配列を含む重鎖および配列番号518のアミノ酸配列を含む軽鎖を含む、請求項150に記載の方法。
  161. 前記抗PD-1抗体分子が、約300mg~400mgの用量で、3週間に1回または4週間に1回(例えば、約400mgで4週間に1回)前記対象に投与される、請求項150に記載の方法。
  162. 前記がん免疫療法が、第2のがん免疫治療剤(例えば、本明細書に記載のがん免疫治療剤)を含む、請求項92から161のいずれか一項に記載の方法。
  163. 前記がんが、固形腫瘍、血液がん(例えば、白血病、リンパ腫、または骨髄腫)、またはその転移巣である、請求項92から162のいずれか一項に記載の方法。
  164. 前記がんが、黒色腫またはその転移巣である、請求項163に記載の方法。
  165. 前記黒色腫が、ステージIの黒色腫、ステージIIの黒色腫、ステージIIIの黒色腫、またはステージIVの黒色腫である、請求項164に記載の方法。
  166. 前記がんが、黒色腫以外のがんである、請求項163に記載の方法。
  167. 前記がんが、肺がん(例えば、非小細胞肺がん)、膵臓がん、もしくは結腸直腸がん、またはその転移巣である、請求項166に記載の方法。
  168. 前記がんが、BRAFを標的とする薬剤および/またはMEKを標的とする薬剤に対して難治性である、請求項92から167のいずれか一項に記載の方法。
  169. 前記がん(例えば、黒色腫)が、BRAF変異を含む、請求項92から168のいずれか一項に記載の方法。
  170. 前記BRAF変異が、V600変異である、請求項169に記載の方法。
  171. 前記V600変異が、V600EまたはV600K変異である、請求項170に記載の方法。
  172. さらなる治療を前記対象に投与するステップをさらに含む(例えば、前記対象への前処置(例えば、前記対象におけるCD8+免疫エフェクター細胞(例えば、CD8+T細胞)の前記レベルまたは活性に対するCD4+免疫エフェクター細胞(例えば、CD4+T細胞)の前記レベルまたは活性の前記値を増加させるために))、請求項92から171のいずれか一項に記載の方法。
  173. 前記治療が、ファーストライン、セカンドライン、サードライン、もしくはフォースラインまたはそれを超える処置である、請求項172に記載の方法。
  174. 前記治療が、アジュバント処置である、請求項172または173に記載の方法。
  175. 前記治療が、ネオアジュバント処置である、請求項172から174のいずれか一項に記載の方法。
  176. 例えば本明細書に記載されているTIL、PD-L1、CD8、IFNγ、またはT細胞炎症遺伝子発現シグネチャーを含む免疫活性化のレベルおよび/または活性の値を取得するステップを含む、請求項92から175のいずれか一項に記載の方法。
  177. がんを有する対象を第1の群と第2の群に層別化する方法であって、
    前記対象における(例えば、前記対象からの試料中の)CD8+免疫エフェクター細胞(例えば、CD8+T細胞)のレベルまたは活性に対するCD4+免疫エフェクター細胞(例えば、CD4+T細胞)のレベルまたは活性の値を取得するステップと、
    参照値よりも小さい値を有する対象を、標的治療(例えば、がん免疫療法を用いない)を含む治療からの利益を得る可能性が高い前記第1の群に割り当てるステップと、
    参照値よりも大きいかまたはそれに等しい値を有する対象を、がん免疫療法と組み合わせて標的治療を含む治療からの利益を得る可能性が高い前記第2の群に割り当てるステップと
    を含む方法。
  178. がんを有する対象を第1の群と第2の群に層別化して治療を選択する方法であって、
    前記対象における(例えば、前記対象からの試料中の)CD8+免疫エフェクター細胞(例えば、CD8+T細胞)のレベルまたは活性に対するCD4+免疫エフェクター細胞(例えば、CD4+T細胞)のレベルまたは活性の値を取得するステップであって、
    参照値よりも小さい値が、対象を、標的治療(例えば、がん免疫療法を用いない)を含む治療からの利益を得る可能性の高い前記第1の群のメンバーとして特定し、
    参照値よりも大きいかまたはそれに等しい値が、対象を、免疫療法と組み合わせて標的治療を含む治療からの利益を得る可能性が高い前記第2の群のメンバーとして特定する、ステップ
    を含む方法。
  179. 前記治療の有効量を前記対象に投与するステップ(例えば、投与を開始するステップまたは投与を継続するステップ)をさらに含む、請求項177または178に記載の方法。
  180. 前記治療の変更された投与レジメン(例えば、参照投与レジメンよりも高用量および/または高頻度の投与を含む投与レジメン)を前記対象に投与するステップをさらに含む、請求項177または178に記載の方法。
  181. 前記対象への異なる治療の投与を中断するステップをさらに含む、請求項177または178に記載の方法。
  182. 前記対象に、追加の治療を投与するステップをさらに含む、請求項177または178に記載の方法。
  183. 前処置を前記対象に投与するステップであって、前記前処置が、前記対象における(例えば、前記対象からの試料中の)CD8+免疫エフェクター細胞(例えば、CD8+T細胞)の前記レベルまたは活性に対するCD4+免疫エフェクター細胞(例えば、CD4+T細胞)の前記レベルまたは活性の値を増加させる、ステップをさらに含む請求項177から182のいずれか一項に記載の方法。
  184. がんを有する対象を処置する方法であって、
    前記対象における(例えば、前記対象からの試料中の)CD8+免疫エフェクター細胞(例えば、CD8+T細胞)のレベルまたは活性に対するCD4+免疫エフェクター細胞(例えば、CD4+T細胞)のレベルまたは活性の値を受けて、
    標的治療(例えば、がん免疫療法を用いない)を含む治療の有効量を、参照値よりも小さい値を有する対象に投与するか(例えば、投与を開始または投与を継続するか);または
    がん免疫療法と組み合わせて標的治療を含む治療の有効量を、参照値よりも大きいかもしくはそれに等しい値を有する対象に投与し(例えば、投与を開始または投与を継続し)、
    それによって前記がんを有する前記対象を処置するステップ
    を含む方法。
  185. がんを有する対象を処置する方法であって、
    前記対象における(例えば、前記対象からの試料中の)CD8+免疫エフェクター細胞(例えば、CD8+T細胞)のレベルまたは活性に対するCD4+免疫エフェクター細胞(例えば、CD4+T細胞)のレベルまたは活性の値を取得するステップと;
    標的治療(例えば、がん免疫療法を用いない)を含む治療の有効量を、参照値よりも小さい値を有する対象に投与するか(例えば、投与を開始または投与を継続するか);または
    がん免疫療法と組み合わせて標的治療を含む治療の有効量を、参照値よりも大きいかもしくはそれに等しい値を有する対象に投与し(例えば、投与を開始または投与を継続し)、
    それによって前記がんを有する前記対象を処置するステップと
    を含む方法。
  186. がんを有する対象を処置する方法であって、
    標的治療(例えば、がん免疫療法を用いない)を含む治療の有効量を前記対象に投与するステップ(例えば、投与を開始するステップまたは投与を継続するステップ)と;
    前記対象における(例えば、前記対象からの試料中の)CD8+免疫エフェクター細胞(例えば、CD8+T細胞)のレベルもしくは活性に対するCD4+免疫エフェクター細胞(例えば、CD4+T細胞)のレベルもしくは活性の値を受けて、
    標的治療(例えば、がん免疫療法を用いない)を含む治療を、参照値よりも小さい値を有する対象に投与するか(例えば、投与を開始または投与を継続するか)、または
    がん免疫療法と組み合わせて標的治療を含む治療を、参照値よりも大きいかもしくはそれに等しい値を有する対象に投与し(例えば、投与を開始または投与を継続し)、
    それによって前記がんを有する前記対象を処置するステップと
    を含む方法。
  187. がんを有する対象を処置する方法であって、
    (a)標的治療(例えば、がん免疫療法を用いない)であって、投与前に、前記対象における(例えば、前記対象からの試料中の)CD8+免疫エフェクター細胞(例えば、CD8+T細胞)のレベルもしくは活性に対するCD4+免疫エフェクター細胞(例えば、CD4+T細胞)のレベルもしくは活性の値が、参照値よりも小さいことが決定されている、標的治療;または
    (b)がん免疫療法と組み合わせた標的治療であって、投与前に、前記対象における(例えば、前記対象からの試料中の)CD8+免疫エフェクター細胞(例えば、CD8+T細胞)のレベルもしくは活性に対するCD4+免疫エフェクター細胞(例えば、CD4+T細胞)のレベルもしくは活性の値が、参照値よりも大きいかもしくはそれに等しいことが決定されている、標的治療
    を含む治療の有効量を前記対象に投与し、
    それによって、前記がんを有する前記対象を処置するステップ
    を含む方法。
  188. がんを有する対象を処置する方法であって、
    (a)前記対象への標的治療(例えば、がん免疫療法を用いない)であって、前記対象が、前記対象における(例えば、前記対象からの試料中の)CD8+免疫エフェクター細胞(例えば、CD8+T細胞)のレベルもしくは活性に対するCD4+免疫エフェクター細胞(例えば、CD4+T細胞)のレベルもしくは活性の値が、参照値よりも小さいことを特徴とするか、もしくは特徴付けられた、標的治療;または
    (b)がん免疫療法と組み合わせた標的治療であって、前記対象が、前記対象における(例えば、前記対象からの試料中の)CD8+免疫エフェクター細胞(例えば、CD8+T細胞)のレベルもしくは活性に対するCD4+免疫エフェクター細胞(例えば、CD4+T細胞)のレベルもしくは活性の値が、参照値よりも大きいかもしくはそれに等しいことを特徴とするか、もしくは特徴付けられた、標的治療
    を含む治療の有効量を前記対象に投与し、
    それによって、前記がんを有する前記対象を処置するステップ
    を含む方法。
  189. CD8+免疫エフェクター細胞(例えば、CD8+T細胞)の前記レベルまたは活性に対するCD4+免疫エフェクター細胞(例えば、CD4+T細胞)の前記レベルまたは活性の前記値が、例えば、本明細書で開示されているアッセイ、例えば、フローサイトメトリー免疫表現型検査によって測定した場合、CD8+免疫エフェクター細胞(例えば、CD8+T細胞)の量に対するCD4+免疫エフェクター細胞(例えば、CD4+T細胞)の量の比を含む、請求項177から188のいずれか一項に記載の方法。
  190. 前記値が、2よりも大きいかまたはそれに等しい(例えば、2.01)、請求項189に記載の方法。
  191. 前記値が、2.5、3、3.5、4、4.5、5、5.5、6、6.5、7、7.5、8、8.5、9、9.5、もしくは10よりも大きいかまたはそれに等しい、請求項190に記載の方法。
  192. 前記値が、3.3よりも大きいかまたはそれに等しい(例えば、3.34)、請求項189に記載の方法。
  193. 前記値が、3.5、4、4.5、5、5.5、6、6.5、7、7.5、8、8.5、9、9.5、もしくは10よりも大きいかまたはそれに等しい、請求項192に記載の方法。
  194. 前記値が、約3.3より小さい(例えば、約3.34より小さい)、請求項189に記載の方法。
  195. 前記値が、約3、2.5、2、1.5、1、または0.5より小さい、請求項194に記載の方法。
  196. 前記値が、約2より小さい(例えば、約2.01より小さい)、請求項189に記載の方法。
  197. 前記値が、約1.5、1、または0.5より小さい、請求項196に記載の方法。
  198. 前記値を取得するステップが、前記対象における、例えば、前記対象からの試料中のCD8+免疫エフェクター細胞(例えば、CD8+T細胞)の前記レベルまたは活性に対するCD4+免疫エフェクター細胞(例えば、CD4+T細胞)の前記レベルまたは活性を決定することを含む、請求項177から197のいずれか一項に記載の方法。
  199. 前記対象からの前記試料が、血液試料(例えば、末梢血単核球(PBMC)を含む末梢血試料など)または腫瘍試料を含む、請求項198に記載の方法。
  200. 前記値が、前記治療の投与が開始される前に取得される(例えば、ベースライン値である)、請求項198または199に記載の方法。
  201. 前記値が、前記治療の投与が開始された後に取得される、請求項198または199に記載の方法。
  202. 前記値が、前記治療の投与が開始された1、2、3、4、8、10、12、20、30、40週間後もしくはそれ以降または1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、12、14、16、18、20カ月後もしくはそれ以降に取得される、請求項201に記載の方法。
  203. 前記対象における(例えば、前記対象からの試料中の)CD8+腫瘍浸潤リンパ球(TIL)、例えば、CD8+TIL炎症表現型を有する腫瘍のレベルまたは活性の値を取得するステップをさらに含む、請求項177から202のいずれか一項に記載の方法。
  204. 参照値と比較した場合のCD8+TILのレベルまたは活性の値の増加が、前記対象が前記治療からの利益を得る可能性が高いことをさらに特定する、請求項203に記載の方法。
  205. 前記対象における(例えば、前記対象からの試料中の)腫瘍遺伝子変異量(TMB)の値を取得するステップをさらに含む、請求項177から204のいずれか一項に記載の方法。
  206. 参照値と比較した場合のTMBの値の増加が、前記対象が前記治療からの利益を得る可能性が高いことをさらに特定する、請求項205に記載の方法。
  207. TMBの前記値が、10mut/Mbよりも大きいかもしくはそれに等しく、例えば、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25mut/Mbよりも大きいかもしくはそれに等しく、またはそれよりも大きい、請求項206に記載の方法。
  208. 前記対象における(例えば、前記対象からの試料中の)PD-L1のレベルおよび/または活性の値を取得するステップをさらに含む、請求項177から207のいずれか一項に記載の方法。
  209. 参照値と比較した場合のPD-L1の前記レベルおよび/または活性の値の減少が、例えば、参照値と比較した場合のTMB値の増加と共に、前記対象が前記治療からの利益を得る可能性が高いことをさらに特定する、請求項208に記載の方法。
  210. 前記がんが、PD-L1の発現が低いかまたは検出不能である、請求項209に記載の方法。
  211. 前記対象における(例えば、前記対象からの試料中の)循環腫瘍DNA(ctDNA)の値を取得するステップをさらに含む、請求項177から210のいずれか一項に記載の方法。
  212. 参照値と比較した場合のctDNAの値の増加が、前記対象が前記治療からの利益を得る可能性が高いことをさらに特定する、請求項211に記載の方法。
  213. 参照値と比較した場合のTMBの値の減少が、前記対象が前記治療(例えば、がん免疫療法を用いない)からの利益を得る可能性が高いことをさらに特定する、請求項205に記載の方法。
  214. 参照値と比較した場合のTMBの値の減少が、前記対象が、がん免疫療法と組み合わせて標的治療を含む治療からの利益の実質的な増加を有する可能性が低いことをさらに特定する、請求項205に記載の方法。
  215. TMBの前記値が、10 mut/Mb未満、例えば、9、8、7、6、5、4、3、2、もしくは1mut/Mb未満、またはそれよりも小さい、請求項213または214に記載の方法。
  216. 前記対象における(例えば、前記対象からの試料中の)PD-L1のレベルおよび/または活性の値を取得するステップをさらに含む、請求項213から215のいずれか一項に記載の方法。
  217. PD-L1のレベルおよび/または活性の値の減少が、例えば、TMBの値の減少と共に、前記対象が前記治療(例えば、がん免疫療法を用いない)からの利益を得る可能性が高いことをさらに特定する、請求項216に記載の方法。
  218. PD-L1の前記レベルおよび/または活性の値の減少が、例えば、TMBの値の減少と共に、前記対象が、がん免疫療法と組み合わせて標的治療を含む治療からの利益の実質的な増加を有する可能性が低いことをさらに特定する、請求項216に記載の方法。
  219. 前記がんが、PD-L1の発現が低いかまたは検出不能である、請求項213から218のいずれか一項に記載の方法。
  220. 前記治療から利益を得る可能性の高い対象、または治療からの利益の増加を有する可能性の高い対象が、前記治療から利益を得る可能性の低い対象、または前記治療からの利益の増加を有する可能性の低い対象と比較して、無増悪生存期間(PFS)、客観的奏効期間(DOR)、および/または全生存期間(OS)の改善を有する、請求項177から219のいずれか一項に記載の方法。
  221. 前記治療から利益を得る可能性が高い対象、または治療からの利益の増加を有する可能性の高い対象が、前記治療を受けなかった対象、または標的治療だけを受けたががん免疫療法を受けなかった対象と比較して、PFS、DOR、および/またはOSの改善を有する、請求項177から219のいずれか一項に記載の方法。
  222. 前記PFS、DOR、および/またはOSが、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、18、24、30、36、42、48、54、60カ月まで、またはそれより長く改善される、請求項220または221に記載の方法。
  223. 前記PFS、DOR、および/またはOSが、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、もしくは90%、または1、2、3、4、5、6、7、8、9、10倍、またはそれより大きく改善される、請求項220または221に記載の方法。
  224. 前記対象が、標的治療で処置されたか、または処置されている、請求項177から223のいずれか一項に記載の方法。
  225. 前記対象が、標的治療で処置されなかったか、または処置されていない、請求項177から223のいずれか一項に記載の方法。
  226. 前記対象が、がん免疫療法を受けたか、または受けている、請求項177から223のいずれか一項に記載の方法。
  227. 前記対象が、がん免疫療法を受けなかったか、または受けていない、請求項177から223のいずれか一項に記載の方法。
  228. 前記対象が、がん免疫療法と組み合わせて標的治療を含む治療を受けたか、または受けている、請求項177から223のいずれか一項に記載の方法。
  229. 前記対象が、がん免疫療法と組み合わせて標的治療を含む治療を受けなかったか、または受けていない、請求項177から223のいずれか一項に記載の方法。
  230. 前記対象が、標的治療を受けたか、または受けており、がんが再発した、請求項177から223のいずれか一項に記載の方法。
  231. 前記対象が、標的治療に対するノンレスポンダーであるか、または標的治療に対するノンレスポンダーとして特定されている、請求項177から223のいずれか一項に記載の方法。
  232. 前記対象が、標的治療に対するパーシャルレスポンダーであるか、または標的治療に対するパーシャルレスポンダーとして特定されている、請求項177から223のいずれか一項に記載の方法。
  233. 前記標的治療が、BRAFを標的とする薬剤および/またはMEKを標的とする薬剤を含む、請求項177から232のいずれか一項に記載の方法。
  234. 前記標的治療が、BRAFを標的とする薬剤またはMEKを標的とする薬剤を含む、請求項233に記載の方法。
  235. BRAFを標的とする前記薬剤が、BRAF阻害剤である、請求項233または234に記載の方法。
  236. BRAFを標的とする前記薬剤が、野生型BRAFおよび/またはV600変異(例えば、V600E変異またはV600K変異)を有するBRAFを阻害する、請求項233から235のいずれか一項に記載の方法。
  237. BRAFを標的とする前記薬剤が、ダブラフェニブ、ベムラフェニブ、エンコラフェニブ、ABM-1310、ARQ 736、ASN003、BGB-283、BGB-3245、CEP-32496、GDC-0879、LUT014、PLX4720、PLX8394、RO5212054、またはその薬学的に許容される塩である、請求項233から236のいずれか一項に記載の方法。
  238. BRAFを標的とする前記薬剤が、ダブラフェニブである、請求項237に記載の方法。
  239. BRAFを標的とする前記薬剤が、ベムラフェニブである、請求項237に記載の方法。
  240. BRAFを標的とする前記薬剤(例えば、ダブラフェニブ)が、25mg~300mgの間(例えば、50mg~250mgの間または100mg~200mgの間、例えば、150mg)の用量で、例えば1日に2回、投与される(例えば、経口的に)、請求項232から239のいずれか一項に記載の方法。
  241. MEKを標的とする前記薬剤が、MEK阻害剤である、請求項232から240のいずれか一項に記載の方法。
  242. MEKを標的とする前記薬剤が、トラメチニブ、コビメチニブ、ビニメチニブ、ミルダメチニブ、プマセルチブ、レファメチニブ、セルメチニブ、AS703988、AZD 8330、BI 847325、BIX 02188、BIX 02189、CI-1040、CS3006、E6201、FCN-159、G-38963、GDC-0623、HL-085、PD 98059、RO4987655、RO5126766、SHR 7390、TAK-733、U0126、WX-554、またはその薬学的に許容される塩である、請求項232から241のいずれか一項に記載の方法。
  243. MEKを標的とする前記薬剤が、トラメチニブである、請求項242に記載の方法。
  244. MEKを標的とする前記薬剤が、コビメチニブである、請求項242に記載の方法。
  245. MEKを標的とする前記薬剤(例えば、トラメチニブ)が、0.1mg~5mgの間の用量で(例えば、0.5mg~4mgの間または1mg~3mgの間の用量で、例えば、2mgの用量で)、例えば、1日に1回、投与される(例えば、経口的に)、請求項232から244のいずれか一項に記載の方法。
  246. BRAFを標的とする前記薬剤がダブラフェニブであり、MEKを標的とする前記薬剤がトラメチニブである、請求項232から238、240から243、または245のいずれか一項に記載の方法。
  247. BRAFを標的とする前記薬剤がベムラフェニブであり、MEKを標的とする前記薬剤がコビメチニブである、請求項232から237、239から242、244、または245のいずれか一項に記載の方法。
  248. 前記がん免疫療法が、PD-1またはPD-L1結合アンタゴニストを含む、請求項177から247のいずれか一項に記載の方法。
  249. 前記がん免疫療法が、PD-1阻害剤を含む、請求項177から248のいずれか一項に記載の方法。
  250. 前記がん免疫療法が、抗PD-1抗体分子を含む、請求項177から249のいずれか一項に記載の方法。
  251. 前記抗PD-1抗体分子が、
    それぞれ表1に開示されている、配列番号501のVHCDR1アミノ酸配列、配列番号502のVHCDR2アミノ酸配列、および配列番号503のVHCDR3アミノ酸配列を含む重鎖可変領域(VH);ならびに
    配列番号510のVLCDR1アミノ酸配列、配列番号511のVLCDR2アミノ酸配列、および配列番号512のVLCDR3アミノ酸配列を含む軽鎖可変領域(VL)
    を含む、請求項250に記載の方法。
  252. 前記抗PD-1抗体分子が、配列番号506のアミノ酸配列、あるいは配列番号506に対して少なくとも85%、90%、95%、もしくは99%同一であるかまたはそれより高い割合で同一であるアミノ酸配列を含むVHを含む、請求項251に記載の方法。
  253. 前記抗PD-1抗体分子が、配列番号520のアミノ酸配列、あるいは配列番号520に対して少なくとも85%、90%、95%、もしくは99%同一であるかまたはそれより高い割合で同一であるアミノ酸配列を含むVLを含む、請求項251に記載の方法。
  254. 前記抗PD-1抗体分子が、配列番号516のアミノ酸配列、あるいは配列番号516に対して少なくとも85%、90%、95%、もしくは99%同一であるかまたはそれより高い割合で同一であるアミノ酸配列を含むVLを含む、請求項251に記載の方法。
  255. 前記抗PD-1抗体分子が、配列番号506のアミノ酸配列を含むVHおよび配列番号520のアミノ酸配列を含むVLを含む、請求項251に記載の方法。
  256. 前記抗PD-1抗体分子が、配列番号506のアミノ酸配列を含むVHおよび配列番号516のアミノ酸配列を含むVLを含む、請求項251に記載の方法。
  257. 前記抗PD-1抗体分子が、配列番号508のアミノ酸配列、あるいは配列番号508に対して少なくとも85%、90%、95%、もしくは99%同一であるかまたはそれより高い割合で同一であるアミノ酸配列を含む重鎖を含む、請求項251に記載の方法。
  258. 前記抗PD-1抗体分子が、配列番号522のアミノ酸配列、あるいは配列番号522に対して少なくとも85%、90%、95%、もしくは99%同一であるかまたはそれより高い割合で同一であるアミノ酸配列を含む軽鎖を含む、請求項251に記載の方法。
  259. 前記抗PD-1抗体分子が、配列番号518のアミノ酸配列、あるいは配列番号518に対して少なくとも85%、90%、95%、もしくは99%同一であるかまたはそれより高い割合で同一であるアミノ酸配列を含む軽鎖を含む、請求項251に記載の方法。
  260. 前記抗PD-1抗体分子が、配列番号508のアミノ酸配列を含む重鎖および配列番号522のアミノ酸配列を含む軽鎖を含む、請求項251に記載の方法。
  261. 前記抗PD-1抗体分子が、配列番号508のアミノ酸配列を含む重鎖および配列番号518のアミノ酸配列を含む軽鎖を含む、請求項251に記載の方法。
  262. 前記抗PD-1抗体分子が、約300mg~400mgの用量で、3週間に1回または4週間に1回(例えば、約400mgで4週間に1回)前記対象に投与される、請求項250から261のいずれか一項に記載の方法。
  263. 前記がん免疫療法が、第2のがん免疫治療剤(例えば、本明細書に記載のがん免疫治療剤)を含む、請求項177から262のいずれか一項に記載の方法。
  264. 前記がんが、固形腫瘍、血液がん(例えば、白血病、リンパ腫、または骨髄腫)、またはその転移巣である、請求項177から263のいずれか一項に記載の方法。
  265. 前記がんが、黒色腫またはその転移巣である、請求項264に記載の方法。
  266. 前記黒色腫が、ステージIの黒色腫、ステージIIの黒色腫、ステージIIIの黒色腫、またはステージIVの黒色腫である、請求項265に記載の方法。
  267. 前記がんが、黒色腫以外のがんである、請求項264に記載の方法。
  268. 前記がんが、肺がん(例えば、非小細胞肺がん)、膵臓がん、もしくは結腸直腸がん、またはその転移巣である、請求項267に記載の方法。
  269. 前記がんが、BRAFを標的とする薬剤および/またはMEKを標的とする薬剤に対して難治性である、請求項177から268のいずれか一項に記載の方法。
  270. 前記がん(例えば、黒色腫)が、BRAF変異を含む、請求項177から269のいずれか一項に記載の方法。
  271. 前記BRAF変異が、V600変異である、請求項270に記載の方法。
  272. 前記V600変異が、V600EまたはV600K変異である、請求項271に記載の方法。
  273. さらなる治療を前記対象に投与するステップをさらに含む(例えば、前記対象への前処置(例えば、前記対象におけるCD8+免疫エフェクター細胞(例えば、CD8+T細胞)の前記レベルまたは活性に対するCD4+免疫エフェクター細胞(例えば、CD4+T細胞)の前記レベルまたは活性の値を増加させるために))、請求項177から272のいずれか一項に記載の方法。
  274. 前記治療が、ファーストライン、セカンドライン、サードライン、もしくはフォースラインまたはそれを超える処置である、請求項273に記載の方法。
  275. 前記治療が、アジュバント処置である、請求項273または274に記載の方法。
  276. 前記治療が、ネオアジュバント処置である、請求項273から275のいずれか一項に記載の方法。
  277. 例えば本明細書に記載されているTIL、PD-L1、CD8、IFNγ、またはT細胞炎症遺伝子発現シグネチャーを含む免疫活性化のレベルおよび/または活性の値を取得するステップを含む、請求項177から276のいずれか一項に記載の方法。
  278. がんを有する対象を処置する方法において使用するためのがん免疫療法と組み合わせて標的治療を含む治療であって、
    前記対象における(例えば、前記対象からの試料中の)CD8+免疫エフェクター細胞(例えば、CD8+T細胞)のレベルまたは活性に対するCD4+免疫エフェクター細胞(例えば、CD4+T細胞)のレベルまたは活性の値が、参照値よりも大きいかまたはそれに等しいことを受けて、
    前記がん免疫療法と組み合わせて前記標的治療を含む前記治療の有効量を前記対象に投与すること(例えば、投与を開始することまたは投与を継続すること)
    を含む治療。
  279. がんを有する対象を処置する方法において使用するためのがん免疫療法と組み合わせて標的治療を含む治療であって、
    前記対象における(例えば、前記対象からの試料中の)CD8+免疫エフェクター細胞(例えば、CD8+T細胞)のレベルまたは活性に対するCD4+免疫エフェクター細胞(例えば、CD4+T細胞)のレベルまたは活性の値を取得することと、
    前記値が、参照値よりも大きいかまたはそれに等しい場合、前記がん免疫療法と組み合わせて前記標的治療を含む前記治療の有効量を前記対象に投与すること(例えば、投与を開始することまたは投与を継続すること)と
    を含む治療。
  280. がんを有する対象を処置する方法において使用するためのがん免疫療法と組み合わせて標的治療を含む治療であって、
    前記標的治療の有効量を前記対象に投与すること(例えば、投与を開始することまたは投与を継続すること)と、
    前記対象における(例えば、前記対象からの試料中の)CD8+免疫エフェクター細胞(例えば、CD8+T細胞)のレベルまたは活性に対するCD4+免疫エフェクター細胞(例えば、CD4+T細胞)のレベルまたは活性の値が、参照値よりも大きいかまたはそれに等しいことを受けて、
    前記がん免疫療法の有効量を前記対象に投与すること(例えば、投与を開始することまたは投与を継続すること)と
    を含む治療。
  281. がんを有する対象を処置する方法において使用するためのがん免疫療法と組み合わせて標的治療を含む治療であって、
    前記がん免疫療法と組み合わせて前記標的治療を含む前記治療の有効量を前記対象に投与すること(例えば、投与を開始することまたは投与を継続すること)であって、
    投与前に、前記対象における(例えば、前記対象からの試料中の)CD8+免疫エフェクター細胞(例えば、CD8+T細胞)のレベルもしくは活性に対するCD4+免疫エフェクター細胞(例えば、CD4+T細胞)のレベルもしくは活性の値が、参照値よりも大きいかもしくはそれに等しいことが決定されている、投与すること
    を含む治療。
  282. がんを有する対象を処置する方法において使用するためのがん免疫療法と組み合わせて標的治療を含む治療であって、
    前記がん免疫療法と組み合わせて前記標的治療を含む前記治療の有効量を前記対象に投与すること(例えば、投与を開始することまたは投与を継続すること)であって、
    前記対象が、前記対象における(例えば、前記対象からの試料中の)CD8+免疫エフェクター細胞(例えば、CD8+T細胞)のレベルまたは活性に対するCD4+免疫エフェクター細胞(例えば、CD4+T細胞)のレベルまたは活性の値が、参照値よりも大きいかまたはそれに等しいことを特徴とする、投与すること
    を含む治療。
  283. がんを有する対象を処置する方法において使用するための標的治療を含む治療であって、
    前記対象における(例えば、前記対象からの試料中の)CD8+免疫エフェクター細胞(例えば、CD8+T細胞)のレベルまたは活性に対するCD4+免疫エフェクター細胞(例えば、CD4+T細胞)のレベルまたは活性の値が、参照値よりも小さいことを受けて、
    標的治療(例えば、がん免疫療法を用いない)を含む前記治療の有効量を前記対象に投与すること(例えば、投与を開始することまたは投与を継続すること)
    を含む治療。
  284. がんを有する対象を処置する方法において使用するための標的治療を含む治療であって、
    前記対象における(例えば、前記対象からの試料中の)CD8+免疫エフェクター細胞(例えば、CD8+T細胞)のレベルまたは活性に対するCD4+免疫エフェクター細胞(例えば、CD4+T細胞)のレベルまたは活性の値を取得することと、
    前記値が、参照値よりも小さい場合、前記標的治療(例えば、がん免疫療法を用いない)を含む前記治療の有効量を前記対象に投与すること(例えば、投与を開始することまたは投与を継続すること)と
    を含む治療。
  285. がんを有する対象を処置する方法において使用するための標的治療を含む治療であって、
    がん免疫療法と組み合わせて前記標的治療を含む前記治療の有効量を前記対象に投与すること(例えば、投与を開始することまたは投与を継続すること)と;
    前記対象における(例えば、前記対象からの試料中の)CD8+免疫エフェクター細胞(例えば、CD8+T細胞)のレベルまたは活性に対するCD4+免疫エフェクター細胞(例えば、CD4+T細胞)のレベルまたは活性の値が、参照値よりも小さいことを受けて、
    前記標的治療(例えば、がん免疫療法を用いない)の有効量を前記対象に投与すること(例えば、投与を開始することまたは投与を継続すること)と
    を含む治療。
  286. がんを有する対象を処置する方法において使用するための標的治療を含む治療であって、
    前記標的治療(例えば、がん免疫療法を用いない)を含む前記治療の有効量を前記対象に投与すること(例えば、投与を開始することまたは投与を継続すること)であって、
    投与前に、前記対象における(例えば、前記対象からの試料中の)CD8+免疫エフェクター細胞(例えば、CD8+T細胞)のレベルもしくは活性に対するCD4+免疫エフェクター細胞(例えば、CD4+T細胞)のレベルもしくは活性の値が、参照値よりも小さいことが決定されている、投与すること
    を含む治療。
  287. がんを有する対象を処置する方法において使用するための標的治療を含む治療であって、
    前記標的治療(例えば、がん免疫療法を用いない)を含む前記治療の有効量を前記対象に投与すること(例えば、投与を開始することまたは投与を継続すること)であって、
    前記対象が、前記対象における(例えば、前記対象からの試料中の)CD8+免疫エフェクター細胞(例えば、CD8+T細胞)のレベルまたは活性に対するCD4+免疫エフェクター細胞(例えば、CD4+T細胞)のレベルまたは活性の値が、参照値よりも小さいことを特徴とする、投与すること
    を含む治療。
  288. 標的治療を含むか、またはがんを有する対象を処置する方法において使用するためのがん免疫療法と組み合わせて標的治療を含む治療であって、
    前記対象における(例えば、前記対象からの試料中の)CD8+免疫エフェクター細胞(例えば、CD8+T細胞)のレベルもしくは活性に対するCD4+免疫エフェクター細胞(例えば、CD4+T細胞)のレベルもしくは活性の値を受けて、
    前記標的治療(例えば、がん免疫療法を用いない)を含む前記治療の有効量を、参照値よりも小さい値を有する対象に投与すること(例えば、投与を開始することまたは投与を継続すること);または
    前記がん免疫療法と組み合わせて前記標的治療を含む前記治療の有効量を、参照値よりも大きいかもしくはそれに等しい値を有する対象に投与すること(例えば、投与を開始することまたは投与を継続すること)
    を含む治療。
  289. 標的治療を含むか、またはがんを有する対象を処置する方法において使用するためのがん免疫療法と組み合わせて標的治療を含む治療であって、
    前記対象における(例えば、前記対象からの試料中の)CD8+免疫エフェクター細胞(例えば、CD8+T細胞)のレベルまたは活性に対するCD4+免疫エフェクター細胞(例えば、CD4+T細胞)のレベルまたは活性の値を取得することと;
    前記標的治療(例えば、がん免疫療法を用いない)を含む前記治療の有効量を、参照値よりも小さい値を有する対象に投与すること(例えば、投与を開始することまたは投与を継続すること);または
    前記がん免疫療法と組み合わせて前記標的治療を含む前記治療の有効量を、参照値よりも大きいかもしくはそれに等しい値を有する対象に投与すること(例えば、投与を開始することまたは投与を継続すること)と
    を含む治療。
  290. 標的治療を含むか、またはがんを有する対象を処置する方法において使用するためのがん免疫療法と組み合わせて標的治療を含む治療であって、
    前記標的治療(例えば、がん免疫療法を用いない)を含む前記治療の有効量を前記対象に投与すること(例えば、投与を開始することまたは投与を継続すること)と;
    前記対象における(例えば、前記対象からの試料中の)CD8+免疫エフェクター細胞(例えば、CD8+T細胞)のレベルもしくは活性に対するCD4+免疫エフェクター細胞(例えば、CD4+T細胞)のレベルもしくは活性の値を受けて、
    前記標的治療(例えば、がん免疫療法を用いない)を含む前記治療を、参照値よりも小さい値を有する対象に投与すること(例えば、投与を開始することまたは投与を継続すること)、または
    前記がん免疫療法と組み合わせて前記標的治療を含む前記治療を、参照値よりも大きいかもしくはそれに等しい値を有する対象に投与すること(例えば、投与を開始することまたは投与を継続すること)と
    を含む治療。
  291. 標的治療を含むか、またはがんを有する対象を処置する方法において使用するためのがん免疫療法と組み合わせて標的治療を含む治療であって、
    (a)標的治療(例えば、がん免疫療法を用いない)であって、投与前に、前記対象における(例えば、前記対象からの試料中の)CD8+免疫エフェクター細胞(例えば、CD8+T細胞)のレベルもしくは活性に対するCD4+免疫エフェクター細胞(例えば、CD4+T細胞)のレベルもしくは活性の値が、参照値よりも小さいことが決定されている、標的治療;または
    (b)がん免疫療法と組み合わせた標的治療であって、投与前に、前記対象における(例えば、前記対象からの試料中の)CD8+免疫エフェクター細胞(例えば、CD8+T細胞)のレベルもしくは活性に対するCD4+免疫エフェクター細胞(例えば、CD4+T細胞)のレベルもしくは活性の値が、参照値よりも大きいかもしくはそれに等しいことが決定されている、標的治療
    を含む前記治療の有効量を前記対象に投与すること
    を含む治療。
  292. 標的治療を含むか、またはがんを有する対象を処置する方法において使用するためのがん免疫療法と組み合わせて標的治療を含む治療であって、
    (a)前記対象への標的治療(例えば、がん免疫療法を用いない)であって、前記対象が、前記対象における(例えば、前記対象からの試料中の)CD8+免疫エフェクター細胞(例えば、CD8+T細胞)のレベルもしくは活性に対するCD4+免疫エフェクター細胞(例えば、CD4+T細胞)のレベルもしくは活性の値が、参照値よりも小さいことを特徴とするか、もしくは特徴付けられた、標的治療;または
    (b)前記がん免疫療法と組み合わせた前記標的治療であって、前記対象が、前記対象における(例えば、前記対象からの試料中の)CD8+免疫エフェクター細胞(例えば、CD8+T細胞)のレベルもしくは活性に対するCD4+免疫エフェクター細胞(例えば、CD4+T細胞)のレベルもしくは活性の値が、参照値よりも大きいかもしくはそれに等しいことを特徴とするか、もしくは特徴付けられた、標的治療
    を含む前記治療の有効量を前記対象に投与すること
    を含む治療。
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