JP2005099451A - 光コネクタ清掃工具および光部品清掃工具 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 光コネクタの接合端面61aを、清掃テープ2A〜2Cの運動により拭き取り清掃する光コネクタ清掃工具であって、工具本体から突出して設けられた挿入部20には、先端面24に前記接合端面61aに対する清掃テープ2A〜2Cの当接面積を確保するためのヘッド部材23が配置され、ヘッド部材23は、該ヘッド部材23を回転移動させる回転中心軸41a,41b,41cを複数有する支持機構40により支持され、前記回転中心軸の少なくとも一つは、接合端面61aをヘッド部材23の先端面24に当接させた際に、当該回転中心軸の回転軸線が、接合端面61aの中心位置66から光コネクタの挿入方向に延びる直線Fに対して、ねじれの位置にある光部品清掃工具による。
【選択図】 図15
Description
コネクタハウジングに光コネクタを挿入して突き合わせ接続する際、光コネクタの接合端面にゴミや埃、油分などの汚れが付着していると、着脱時の損傷や、伝送損失の増大などの原因になるため、突き合わせ接続に先立って、接合端面を清掃する必要がある。
また、ヘッド部112をフェルール161に押し当てる際、押し込み力が接合端面161aに直接に強く加わることにより、該接合端面161aの傷つき等のおそれがある。また、清掃中にも、ヘッド部112がフェルール161を押圧する押圧力が強すぎると、接合端面161aが過度にクリーニング(拭き取り)され、該接合端面161aの傷つき等のおそれがある。
本発明において「ねじれの位置」とは、空間における二直線の位置関係において、交差せず、かつ平行でもない、任意の位置関係をいう。
この光コネクタ清掃工具において、前記支持機構としては、複数の屈曲部を有する波形ばねを含んだものを用いることができる。
前記光コネクタは、その接合端面が斜め研磨されたものである場合に、前記光コネクタ清掃工具は、ヘッド部材の先端面が光コネクタの接合端面に向かい合ったときに、前記ヘッド部材に向かって供給される清掃テープの送り方向と前記ヘッド部材の先端面に沿って移動する清掃テープの送り方向とのなす角度が、前記ヘッド部材の先端面に沿って移動する清掃テープの送り方向と前記ヘッド部材から送出される清掃テープの送り方向とのなす角度よりも、小さくなっていることが好ましい。
図1〜図22は、本発明の光コネクタ清掃工具(以下、単に「清掃工具」という)の一実施の形態を示す図である。
図19,図21に示すように、本実施の形態の清掃工具1が適用される光コネクタプラグ60(以下、単に光プラグという場合がある)および光コネクタアダプタ70(コネクタハウジング。以下、単に光アダプタという場合がある)は、ここではJIS C 5982等に規定されるMPO形光コネクタ(MPO:Multifiber Push On)である。
以下の説明では、光プラグ60のフェルール61の扁平形状の短辺側に対応する方向(図19の上下方向)を厚さ方向、長辺側に対応する方向を幅方向(図19の左右方向)ということがある。また、フェルール61の厚さ方向および幅方向に対応して、この光プラグ60と接続される光アダプタ70ならびに該光アダプタ70に挿入される清掃工具1の挿入部20(後述)についても同様に、厚さ方向および幅方向ということがある。
なお、光ファイバ63としては、当該光プラグで成端するのに適したものであれば特に限定はなく、例えば単心または多心の光ファイバ心線、この光ファイバ心線をチューブに収納した光ファイバコードなどが採用可能である。
なお、本発明でいう光アダプタ70とは、両側の光プラグ60を位置決めして接続固定する中継器具を総称する。従って、光アダプタ70に接続される両側の光プラグ60は、互いに同形状のものに限定されることはない。形状が異なる光プラグを接続可能であっても、光アダプタと称する。
この種の光コネクタ60では、フェルール61は、光アダプタ70内で嵌合されたとき、ハウジング62に内蔵されたスプリング(図示せず)により付勢され、フェルール61同士に押圧力が作用するようになっている。
光プラグ60のハウジング62の外周には、前記係合爪と係合凹所とを係合したときに、前記弾性係合片を外側から押さえ、前記係合凹所との係合の離脱を防止するためのカップリング68が装着されている。
両方の光プラグ60を光アダプタ70に挿入した状態では、光アダプタ70内でフェルール61に固定保持された光ファイバ63aの端面同士が突き合わされ、これにより、各フェルール61に成端されている光ファイバ63同士が光接続されるようになっている。
工具本体10は、挿入部20に向かって先細り形状となっており、挿入部20は、工具本体10先端部の細長部分19の突出先端(図1(a)の左側の端)に形成されている。
図2,図3に示すように、ケース半体11,12は、例えば、第1のケース半体11および第2のケース半体12の内側に、対向配置されて形成された嵌合ピン13a〜13eおよび嵌合穴14a〜14eの嵌合により、一体化できるように構成されている。なお、このような工具本体10の構成は一例に過ぎず、本発明を特に限定することを意図するものではない。
清掃テープ2A〜2Cの当接部2aは、ヘッド部材23(詳しくは後述)の先端面24上に位置する部分であり、当接部2aは、清掃テープの送り移動により該清掃テープの長手方向に沿って交替してゆく。
清掃テープ2A〜2C(以下、単にテープということがある)は、特に限定されるものではなく、公知の適当な清浄布(不織布や織布)をテープ状に加工したものを採用することができる。例えば、ポリエステルやナイロンなどの極細の繊維からなるものなどが例示される。また、構造も、幅が概略一定である一般的なものである。
なお、ここでは3本のテープ2A,2B,2Cを有する形態を図示しているが、本発明において、清掃テープの本数は特に限定されるものではなく、1本以上であればよい。
挿入部20の外面の幅方向両側には、当該挿入部20を光アダプタ70に挿入した際に、該光アダプタ70の弾性係合片の係合爪(上述)との干渉を避けるための凹所21が形成されている。なお、凹所21は、特に必須のものではない。
また、挿入部20には、光アダプタ70のキー溝72aと嵌合しうるキー22が突設されており、光アダプタ70に対する逆差しが阻止されるようになっている。
ヘッド複合体4は、清掃時に清掃すべき光プラグ60の接合端面61aに向かい合う先端面24を有するヘッド部材23と、該ヘッド部材23から前記先端面24に対する逆側であるヘッド部材23の裏面27の側に連結され、ヘッド部材23を支持する支持機構40とを具備して構成されている。
ヘッド複合体4は、ヘッド部材23よりも供給リール30側である清掃テープ2A〜2Cの上流部2bと、ヘッド部材23よりも巻取リール31側である清掃テープ2A〜2Cの下流部2cとの間に配置されている。このため、ヘッド複合体4が清掃テープ2A〜2Cの送り運動を阻害することはない。
ガイド溝25A,25B,25Cは、それぞれの清掃テープ2A,2B,2Cに対応して、3対設けられている。ガイド溝25A,25B,25Cの幅は、清掃テープ2A,2B,2Cの幅に合うようになっている。清掃テープ2A,2B,2Cは、先端面24の上流側および下流側の各対のガイド溝25A,25B,25Cにより、ヘッド部材23に巻き掛けられるようになっている。
このように、清掃テープ2A〜2Cがガイド溝25A,25B,25C内に配置されることにより、ヘッド部材23が傾動しても、清掃テープ2A〜2Cの位置がずれたり、ヘッド部材23から外れたりすることが抑制される。
基礎部43は、清掃工具のケース(詳しくは工具本体10の細長部分19の内面)に形成された取付凹部29に装着されている。
圧縮用バネ42は、傾動用バネ41と基礎部43とを伸縮可能に連結する連結部として機能する。
これら回転中心軸のうちの少なくとも一つ(ここでは41b)が、挿入部20の厚さ方向(図13(b)の上下方向)に変位した位置に配置されている。そして、ヘッド部材23の先端面24の中心位置24cから前記光コネクタ60の挿入方向(ここでは図13(b)の右方向)に延びる直線Gと対して、ねじれの位置(空間における二直線の位置関係において、交差せず、かつ平行でもない位置関係)にある。
屈曲部41bは丸みを帯びており、清掃テープ(下流部)2cが当たっても傷つけるおそれがない。また、清掃テープ2cが屈曲部41bに当たるとしても、フェルール61を清掃する側の面の反対の裏面であるから、汚れが移行するなどの問題もない。
ヘッド部材23の先端面24に押圧力が作用しないときには、圧縮用バネ42は、自身の弾発力により、圧縮用バネ42の隅部42cをスライド溝28の端部壁28aに付勢して当接させている。圧縮用バネ42の隅部42cは、圧縮用バネ42の伸縮により、スライド溝28に沿って両方向にスライド可能である。
ヘッド複合体4は、ケース半体11,12を嵌め合わせる際に、圧縮用バネ42をスライド溝28に、基礎部43を取付凹部29に、それぞれ収容することにより、圧縮用バネ42が圧縮され、圧縮用バネ42の付勢力によって、スライド溝28の端部壁28aと取付凹部29後端側に突出する突壁29bの間に装着される。ヘッド複合体4は、その嵌合部43aが嵌合溝29aに嵌合するように取り付けられる。
清掃テープ2A,2B,2Cを長穴44A,44B,44Cに挿通させておくことにより、清掃工具1の組立て時に、ヘッド複合体4から清掃テープ2A〜2Cが外れることがなくなり、清掃テープ2A,2B,2Cが複数本(ここでは3本)であっても、取付作業性が良好になる。
なお、長穴44A,44B,44Cが挿入部20の幅方向に一列に並んでおらず、挿入部20の厚さ方向(図10(d)の上下方向)に対応して、段をなしているのは、長穴44A,44B,44Cが互いにつながってしまうことなく、幅方向の寸法を挿通される清掃テープ2A,2B,2Cの幅よりも十分に大きく確保できるようにするためである。
図14は、光プラグ60の接合端面61aが光軸(図14の左右方向)に対して直角研磨されたものである場合を示す。また、図15は、光プラグ60の接合端面61aが光軸に対して斜め研磨されたものである場合を示す。
本実施の形態の清掃工具1では、光プラグ60のキー62aと光アダプタ70のキー溝72aの嵌合や、清掃工具1の挿入部20のキー22と光アダプタ70のキー溝72aの嵌合など、逆差しを阻止するキーとキー溝の嵌合により、上記角度α,βの関係がα>βとなることが防止されている。
従って、ヘッド部材23が傾動したときに、光プラグ60の接合端面61aの中心位置66が、ヘッド部材23の先端面24の中心位置24cと合った位置関係にすることができ、片当たりすることなく、接合端面61aへの押圧力が、十分に均等に作用するようになる。従って、清掃テープにより、接合端面61aを満遍なく清掃することができる。
また、直線Fと屈曲部41bの回転軸線との距離(回転半径)が確保され、接合端面61aからヘッド部材23の先端面24に加わる押圧力によって該回転中心軸を中心に生じるトルクが確保され、ヘッド部材23が円滑に回転しやすくなり、ヘッド部材23の先端面24が接合端面61aの向きに追従しやすい。
ガイド本体51の蓋55側の一端には、光プラグ60が挿入されるコネクタ挿入口52(プラグ挿入口)が開口し、このプラグ挿入口52と対向する他端には、清掃工具1の挿入部20が挿入される挿入部挿入口53が開口している。プラグ挿入口52と挿入部挿入口53とは、ガイドキャップ50の内部空間54により連通している。
ガイド本体51のプラグ挿入口52側の内壁には、光プラグ60のハウジング62外面に突設されたキー62aと嵌合しうるキー溝57aが設けられている。また、ガイド本体51の挿入部挿入口53側の内壁には、清掃工具1の挿入部20外面に突設されたキー22と嵌合しうるキー溝57bが設けられている。
このため、このガイドキャップ50では、キー62a,22とキー溝57a,57bとの向きが合わないと、光プラグ60や清掃工具1の挿入部20をガイド本体51に挿入できないようになっている。これにより、光プラグ60の接合端面61aが斜め研磨されている場合に、光プラグ60の厚さ方向の向きを逆にしてガイドキャップ50に挿入してしまう誤り(逆差し)が防止される。
このテープ送り機構3は、清掃テープ2A〜2Cを巻装した供給リール30と、使用後の清掃テープ2A〜2Cを巻き取って回収する巻取リール31と、清掃テープ2A〜2Cの送り移動を操作する操作ダイヤル34を備えている。
供給リール30、巻取リール31、操作ダイヤル34は、例えば、ポリスチレン(PS)やポリオキシメチレン(POM、ポリアセタール)などのプラスチックから金型により成形することによって製造することができる。
ここでは、供給リール支持軸32および巻取リール支持軸33は、一方のケース半体11と一体に形成されている。そして、該支持軸32,33の先端を、他方のケース半体12に設けられた嵌合穴32a,33aに挿入することにより、収納空間35内で両ケース半体11,12をつないで橋絡し、供給リール30および巻取リール31を脱落なく保持することができるようになっている。
供給リール支持軸32および巻取リール支持軸33の外周には、これらリール支持軸32,33の軸線方向に延びるラチェット溝32c,33cが周設されている。これらのラチェット溝32c,33cは、それぞれ、後述する供給リール30および巻取リール31のラチェットアームの突条と係合できるようになっている。
巻芯部31aには、巻芯部31aの外周面31gに臨んで開口した挿通穴31h(貫通穴)が形成されており、該挿通穴31hは狭窄部31kを含んでいる。清掃テープの端部を巻取リール31に取り付ける方法としては、特に限定されるものではないが、例えば、図8に示すように、巻取リール31の挿通穴31hに挿通した清掃テープ2Aの一端に団子状の結び目2dを作り、該結び目2dを狭窄部31kからの抜け止めとする方法が挙げられる。
ラチェットアーム31cの突条31dは、巻取リール31を巻取リール支持軸33に支持させたとき、該巻取リール支持軸33に周設されたラチェット溝33cに係合するようになっている。巻取リール31が回転する際には、ラチェットアーム31cの弾性変形により、突条31dがラチェット溝33cと、係合および離脱を繰り返すことになるので、巻取リール31の回転に対して回転抵抗が付与される。その結果、清掃テープの送り移動に一定の引張り力が必要となり、巻取リール31の滑りが抑制される。つまり、巻取リール31のラチェットアーム31cと、巻取リール支持軸33のラチェット溝33cとが、巻取リール31の回転に回転抵抗を付与する回転抵抗付与機構として機能する。
清掃テープ2A〜2Cの送り移動を許容する前記一定の引張り力としては、テープ送り機構3の引張りによる清掃テープの伸びが清掃に悪影響を及ぼさない程度であり、かつ、例えば清掃工具1を振ったり持ち運んだりなどした程度では、テープが送られないようなものとされる。
また、供給リール30としては、巻取リール31と同様のものを用いることができる。供給リール30には、巻取リール31と同様に、供給リール支持軸32に周設されたラチェット溝32cに係合する突条を有するラチェットアームが設けられ、上記回転抵抗付与機構が構成されている。
図6,図7に示すように、操作ダイヤル34は、巻取リール支持軸33に貫装されるハブ部34aと、外周にローレット面を有するリム部34cと、このハブ部34aおよびリム部34cを連結する複数のスポーク部34bとが、プラスチックなどから一体に成形されたものである。複数のスポーク部34bの一つには、操作ダイヤル34の周方向に延びるアーム部37aの先端に係止爪37bが突設形成されたラチェットアーム37が設けられている。また、他のスポーク部34bには、操作ダイヤル34の周方向に延びるアーム部38aの先端に打槌部38bが突設形成されたハンマーアーム38が設けられている。ラチェットアーム37およびハンマーアーム38のアーム部37a,38aは、弾性的に変形可能である。
操作ダイヤル34と巻取リール31とは、操作ダイヤルに設けられたピン34pを巻取リール31に形成された挿通穴31pに嵌合することによって一体となるように連結されている。
操作ダイヤル34の半径は、巻取リール31の半径より大きくなっている。その結果、清掃テープ2A〜2Cが巻取リール31に巻き取られる長さは、操作ダイヤル34の操作量(該操作ダイヤル34の外周に沿った変位量)より、上記半径比の分だけ小さくなる。このため、清掃テープ2A〜2Cの微小な送り量が容易に達成される。
乗上げ突起17は、図2,図22に示す正面視で、環状壁部16の外周面16aに対して鋭角をなす傾斜面17aを有する。傾斜面17aは、各乗上げ突起17において、巻取リール31の回転方向(図22における反時計回り方法)に対向する側に設けられている。
操作ダイヤル34が回転すると、図22(b),(c)に示すように、打槌部38bが乗上げ突起17の傾斜面17aに沿って頂部17bまで乗り上がる。さらに操作ダイヤル34が回転すると、図22(d)に示すように、乗上げ突起17の支持を失って、ハンマーアーム38は、アーム部38aの弾発力により打槌部38bを環状壁部16の外周面16aに向けて振り下ろし、上記打槌部38bの打撃面38cが上記外周面16aに衝突する結果、打音が生じる。このように、清掃テープ2A〜2Cの送り量が一定量に達するごとに生じる打音により、作業者に清掃テープ2A〜2Cの送り量を報知することができる。
すなわち、本実施の形態の清掃工具1において、環状壁部16の乗上げ突起17と、操作ダイヤル34のハンマーアーム38により、清掃テープ2A〜2Cの送り量を報知する送り量報知機構が構成されている。
なお、1回の打音に相当する清掃テープ2A〜2Cの送り量は、光コネクタの1回の清掃に要する送り量とすることができる。また、複数回の打音が、光コネクタの清掃1回に相当する送り量となるようにすることもできる。光コネクタの汚れ具合に応じて、光コネクタの清掃1回に相当する打音の回数を適宜変えて作業することも差し支えない。
図17に示すように、清掃工具1の挿入部20を光アダプタ70のコネクタ挿入口71から挿入すると、挿入部20は、外面が光アダプタ70の内壁70aにより位置決めされながらコネクタ収容穴72に進入することにより、清掃テープ2A〜2Cは、光プラグ60の接合端面61aの適切な位置(ここでは、光ファイバ穴61bとその周辺)に位置決めされて当接させられる。
光プラグ60の接合端面61aにガイドピン65が突出していた場合でも、ガイドピン65は、ヘッド部材23に設けられたガイドピン挿通穴23aに収容されるので、挿入部20は、ガイドピン65と干渉することなく、コネクタ収容穴72に収容することができる。
拭き取られた汚れは、清掃テープ2A〜2Cに付着して巻取リール31に巻き取られる方向に移動するので、使用後の清掃テープ(下流部)2cは、もはや挿入部20の開口部26から露出されることはなく、汚れが接合端面61aに再び付着するおそれがない。
従って、接合端面61aを極めて清浄に清掃することができる。
清掃後、清掃工具1を挿入したときと反対の方向(離脱方向)に引くことにより、挿入部20を容易に引き抜くことができる。
図18に示すように、挿入部挿入口53に清掃工具1の挿入部20を挿入しておき、ガイドキャップ50の蓋55を外して開口したプラグ挿入口52に光プラグ60を挿入することにより、光プラグ60は、ハウジング62外面がガイドキャップ50の内壁により位置決めされながら、該ガイドキャップ50の内部空間54に進入する。このようにして光プラグ60を押し込むことにより、清掃テープ2A〜2Cは、光プラグ60の接合端面61aの適切な位置(ここでは、光ファイバ穴61bとその周辺)に位置決めされて当接させられる。
このように、光プラグ60の接合端面61aと挿入部20の清掃テープの当接部2aとの突き合わせは、ガイドキャップ50によって適切に案内されるので、ガイドキャップ50内の光プラグ60の接合端面61aの清掃は、上記光アダプタ70内の光プラグ60の接合端面61aの場合と同様に行うことができる。
ガイドキャップ50の蓋55を閉じて挿入部20に装着しておくことにより、使用(清掃作業)しないときには、ガイドキャップ50が、挿入部20の開口部26からの清掃テープ2A〜2Cの露出を防ぐキャップとして機能し、清掃工具1の保管や携帯の間に、ガイドキャップ50内部や清掃テープ2A〜2C等が汚染することを防止できる。
また、圧縮用バネ42により、ヘッド部材23の先端面24の後退変位量を確保できるので、例えば、光学的基準面の位置が異なる光プラグや光トランシーバー等の光部品にも適応して、接合端面に清掃テープ2aの位置を合わせて清掃することができる。
挿入部20は清掃中も光アダプタ70のコネクタ収容穴72に位置決めされるので、位置ずれすることなく、清掃テープの当接部2aにより均等な押圧力で接合端面61aを拭き取り清掃することができる。また、挿入部20を、ごく軽い力で、光アダプタ70内に支持することができ、作業性がよい。
本実施の形態の清掃工具は、POMやPSなどの可燃性材料から、ネジなどの金属部品を用いることなく組み立てて製造することができるので、使用後は分解することなく焼却処分することができる。
また、挿入部の厚み方向にも幅方向にも傾動可能にした構成を採用することができる。この場合、挿入部のヘッド部の向きとフェルールの接合端面の向きをよりよく合わせることができ、より良好に接合端面を清掃することができる。
さらに、上述の清掃工具と同様に、ヘッド部が接合端面とは反対の方向(離脱の方向)に後退しうるものであると、フェルールに加わる押圧力を適度なものとすることができ、好ましい。
(2) 挿入部は、突出方向の複数箇所に、互いに異なるコネクタハウジングへの挿入によってコネクタハウジング内で位置決めされる単位挿入部が形成されており、挿入部の各単位挿入部は、挿入部の突出方向の位置が相対的に後ろ側に位置する単位挿入部を収容することができる全てのコネクタハウジングに、挿入可能であるように形成されているものとすることができる。このような清掃工具によれば、それぞれの単位挿入部により、挿入部を互いに異なるコネクタハウジングに対して位置決めされるように挿入することができ、1つの清掃工具を用いて、コネクタハウジングの異なる複数の種類やサイズなどに対応して、このコネクタハウジング内の光コネクタの接合端面の清掃を行うことができる。
(4) テープを送り移動する駆動機構(テープ送り機構)は、手動により駆動されるものに限定されず、モータやバネなどの動力により駆動されるようにしたものでもよい。また、手動と動力による駆動とを、併用したり、必要に応じて切り換えられるようにしてもよい。
(6) 送り量報知機構としては、上記実施の形態の構成に限定させず、例えば、清掃テープの送り量に対応して、音やランプの点灯・点滅などの信号を発生させることにより、清掃テープの送り量を報知するような任意の機構を採用することができる。
光ファイバアレイとしては、光ファイバが、基板に形成された1本または並設された複数のV溝等の位置決め溝に保持され、前記位置決め溝は、該基板の少なくとも一端まで延在しており、前記基板の一端に前記光ファイバの端面が配置されることにより、端面とされたものなどが挙げられる。基板型光導波路を有した光部品も種々の構成が知られている。本発明の光部品清掃工具によれば、光部品の端面がハウジングなどの凹所に配置されている場合でも、光コネクタの接合端面の代わりに、他の光部品の端面、つまり、光ファイバの端面や基板等の端面を、ヘッドに巻き掛けられた清掃テープによって清掃することができる。
Claims (4)
- 光コネクタ(60)の接合端面(61a)を、清掃テープ(2A〜2C)の運動により拭き取り清掃する光コネクタ清掃工具であって、
工具本体(10)と、この工具本体から突出して設けられるとともに前記光コネクタを収容して接続するためのコネクタハウジング(70)に挿入可能に形成されている挿入部(20)とを備え、
前記挿入部には、先端面(24)に前記接合端面に対する前記清掃テープの当接面積を確保するためのヘッド部材(23)が配置され、
前記ヘッド部材は、該ヘッド部材を回転移動させる回転中心軸を複数有する支持機構(40)により支持されており、
前記回転中心軸の少なくとも一つは、前記光コネクタの接合端面を前記ヘッド部材の先端面に当接させた際に、当該回転中心軸の回転軸線が、前記光コネクタの接合端面の中心位置(66)から前記光コネクタの挿入方向に延びる直線(F)に対して、ねじれの位置にあることを特徴とする光コネクタ清掃工具(1)。 - 前記支持機構が、複数の屈曲部(41a,41b,41c)を有する波形ばね(41)を含んでいることを特徴とする請求項1に記載の光コネクタ清掃工具。
- 前記光コネクタは、その接合端面が斜め研磨されたものであり、前記光コネクタ清掃工具は、ヘッド部材の先端面が光コネクタの接合端面に向かい合ったときに、前記ヘッド部材に向かって供給される清掃テープ(2b)の送り方向と前記ヘッド部材の先端面に沿って移動する清掃テープ(2a)の送り方向とのなす角度(α)が、前記ヘッド部材の先端面に沿って移動する清掃テープの送り方向と前記ヘッド部材から送出される清掃テープ(2c)の送り方向とのなす角度(β)よりも、小さくなっていることを特徴とする請求項1または2に記載の光コネクタ清掃工具。
- 光部品(60)の端面(61a)を、清掃テープ(2A〜2C)の運動により拭き取り清掃する光コネクタ清掃工具であって、
工具本体(10)と、この工具本体から突出して設けられるとともに前記光部品を収容するハウジングに挿入可能に形成されている挿入部(20)とを備え、
前記挿入部には、先端面(24)に前記接合端面に対する前記清掃テープの当接面積を確保するためのヘッド部材(23)が配置され、
前記ヘッド部材は、該ヘッド部材を回転移動させる回転中心軸を複数有する支持機構(40)により支持されており、
前記回転中心軸の少なくとも一つは、前記光部品の端面を前記ヘッド部材の先端面に当接させた際に、当該回転中心軸の回転軸線が、前記光部品の端面の中心位置(66)から前記光コネクタの挿入方向に延びる直線(F)に対して、ねじれの位置にあることを特徴とする光部品清掃工具(1)。
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