JP2008046218A - 光コネクタ清掃工具、光部品清掃工具 - Google Patents

光コネクタ清掃工具、光部品清掃工具 Download PDF

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Abstract

【課題】光コネクタの接合端面に清掃テープを押し付けるヘッド部材の前記接合端面に対する向きに依らず、高い清掃能力を安定に得ることができる技術の開発。
【解決手段】工具本体から突出する突出部の先端部に、支持部本体44と、この支持部本体44に突設された円弧板状の傾動用ばね41と、この傾動用ばね41の突出先端411に支持されたヘッド部材23とを具備するヘッドユニット4が組み込まれ、前記ヘッド部材23は、傾動用ばね41の突出先端411から傾動用ばね41の湾曲頂部412に向けて延出する側が後側、突出先端411から反対側に行くにしたがって前側に張り出すように傾斜されている清掃工具を提供する。
【選択図】図15

Description

本発明は、コネクタ用位置決めハウジング内の光コネクタの接合端面を、清掃テープの送り移動によって清掃する光コネクタ清掃工具および光部品の端面を清掃する光部品清掃工具に関する。
周知のように、アダプタやレセプタクルなどのコネクタ用位置決めハウジング(以下、位置決めハウジングとも言う)内での光コネクタ同士の接続は、各光コネクタの接合端面に臨む光ファイバの端面同士を突き合わせ接合することで実現される。
コネクタ用位置決めハウジングに光コネクタを挿入して突き合わせ接続する際、光コネクタの接合端面にゴミや埃、油分などの汚れが付着していると、着脱時の損傷や、伝送損失の増大などの原因になるため、突き合わせ接続に先立って、接合端面を清掃する必要がある。
この種の用途に用いられるクリーナーとして、光コネクタの接合端面に清掃テープを接触させて、清掃するタイプのものが広く提供されている(例えば、特許文献1−4)。
また、この種のクリーナーとしては、清掃テープを巻き掛けたテープ押し付け用ヘッドを先端に具備する細長の突出部を、光コネクタアダプタ等の位置決めハウジングに挿入して、前記位置決めハウジング内の光コネクタの接合端面に清掃テープを接触させ清掃する構成のものが広く提供されている(例えば、特許文献1、非特許文献1)。
上述の、突出部の先端のテープ押し付け用ヘッドに巻き掛けられた清掃テープを光コネクタの接合端面に接触させて清掃するタイプのクリーナーにあっては、例えば、既述の特許文献1、5記載の技術のように、ヘッドを傾動可能として、斜め研磨された光コネクタの接合端面に対する清掃テープの押し付けを可能にした技術が提案されている。
例えば、特許文献1に開示されたクリーナーは、図23に示すように、清掃テープ102(清掃テープ)が露出される開口部116を先端に有した突出部分110を備え、この突出部分110を光コネクタアダプタ170(光アダプタ)内の空間(コネクタ収容穴172)に挿入することにより、前記テープ102が前記光コネクタアダプタ170に収容された光コネクタプラグ160(光プラグ)のフェルール161の接合端面161aと向かい合って当接するように配置され、テープ102の前進送りにより前記光プラグ160の接合端面161aを拭き取り清掃する。このクリーナー101では、光プラグ160の接合端面161aを拭き取り清掃するテープ102が、ピボット111に枢着されたヘッド部112の先端面112a上を通るように設けられており、ピボット111を中心とした枢着回転によりヘッド部112の向きが可変となり、フェルール161の接合端面161aを種々の角度で受け入れることができるようになっている。
特開2000−284147号公報 特開平9−197182号公報 特開平9−285766号公報 特表2000−503780号公報 特開2004−347792号公報 "MPOクリーナー"、[online]、株式会社フジクラ [平成18年7月7日検索] インターネット<URL:http://www.fujikura.co.jp/cnc/pdf_files/future_a/mpo_clk_aj.pdf>
上述した特許文献1のクリーナー101では、斜め研磨された光コネクタの接合端面に向けて押圧したヘッド部112が枢着回転した際、該ヘッド部112の先端面112aの向きが変わるのみならず、ヘッド部112の枢着回転によって先端面112aの位置も変わってしまうため、光プラグ160の接合端面161aとヘッド部112の先端面112aとの中心位置がずれて(片当たり)、接合端面161aにテープ102がよく接触しなかったり、接合端面161aにテープ102を押し付ける押圧力が不均等になったりして、清掃が確実に行われず、接合端面161aに部分的に汚れが残ることがあるという問題があった。
これに対して、上述の特許文献5の光コネクタ清掃工具は、光コネクタに対するテープ押し当て用のヘッド部が傾動可能になっていること自体は、特許文献1のクリーナーと同様であるが、ヘッド部は、湾曲成形された板ばね状のばね部によって傾動可能に支持されており、斜め研磨された光コネクタの接合端面に向けてヘッド部を押圧した際のばね部の弾性変形によってヘッド部が傾動する。ヘッド部が傾動しても、光コネクタの接合端面とヘッド部の先端面との中心位置のずれは殆ど(あるいは全く)無く、光コネクタの接合端面とヘッド部の片当たりといった問題は生じない。また、特許文献1の技術に比べて、ヘッド部のテープ押圧面よって光コネクタの接合端面に清掃テープを押し付ける押圧力の偏在を少なくでき、均等化を図れる。
ところで、特許文献5のように、ヘッド部を弾性変形可能なばね部によって傾動可能に支持した光コネクタ清掃工具にあっては、ヘッド部を、清掃テープを光コネクタの接合端面に向けて押圧するテープ押圧面が、光コネクタの接合端面に対するテープの押圧方向に対して垂直、より具体的には、ヘッド部が挿入されたコネクタ用位置決めハウジングの光コネクタ(光コネクタプラグ)収容用のコネクタ穴の中心軸線に垂直、となる向きでばね部によって支持した構成のものが一般的である。
しかしながら、このような清掃工具を、斜め研磨された光コネクタの接合端面に用いた場合、光コネクタの接合端面の傾斜向きによっては、ヘッド部のテープ押圧面が光コネクタの接合端面に清掃テープを押し付ける押圧力の偏在を解消しにくい場合があることが判ってきた。
この点を、図24(a)〜(d)を参照して説明する。
図24(a)は、上述の光コネクタ清掃工具に突設された挿入部130の一例を示す。
図24(a)において、挿入部130は、光コネクタ清掃工具に突設された突出部131に組み付けたヘッド部品121を具備し、このヘッド部品121先端のヘッドプレート125(ヘッド部)に、清掃テープ122を巻き回したものである。
なお、挿入部130について、図24(a)〜(d)において、左側を前、右側を後、上側を上、下側を下として説明する。
ヘッド部品121は、光コネクタ清掃工具の突出部131に取り付けられたヘッド支持部123と、このヘッド支持部123の先端に突設された弾性変形可能な円弧板状のばね部124と、このばね部124のヘッド支持部123からの突出先端124a(前端)に支持されたヘッドプレート125とを具備して構成されている。
ヘッドプレート125は、清掃対象の光コネクタ(フェルール140。図24(b)〜(d)参照)に対面される側の端面(前端面。以下、テープ押圧面126)が、挿入部130の前後方向に対して垂直の向きで、ヘッド支持部123に支持されている。
清掃テープ122は、ヘッドプレート125のテープ押圧面126に接触させるようにして、ヘッドプレート125に巻き回される。
前記ばね部124は、ヘッド支持部123からの突出先端124aに、ヘッドプレート125の上下方向中央部を支持している。
ヘッドプレート125において、前記ばね部124の突出先端124aから、前記ばね部124の湾曲頂部124bの側(図24(a)〜(d)において、突出先端124aから上側の部分)を、以下「ばね頂部側」、反対側(図24(a)〜(d)において、突出先端124aから下側)を、以下「ばね裏側」として説明する。
図24(b)〜(d)は、上述の清掃工具の挿入部による、フェルール140先端の接合端面に対する、ヘッド部品121による清掃テープ122の押し付け状態を示す図である。
但し、図24(b)〜(d)では、突出部131の図示を省略している。
図24(b)、(c)は、フェルール140が、斜め研磨された接合端面141aを具備するもの(以下、このフェルールに符号141を付す)である場合、図24(d)は、フェルール140が、フラット研磨された接合端面142a(フェルール140に内蔵された光ファイバ140aの光軸に垂直に研磨されている接合端面)を具備するもの。以下、このフェルールに符号142を付す)である場合を示す。
図24(b)、(c)のフェルール141の接合端面141aは、図24(d)のフェルール142の接合端面142aに比べて、8度傾斜した傾斜面になっている。但し、図24(b)と図24(c)とでは、接合端面141aの傾斜方向が逆になっている。
本発明者等の検証によれば、図24(b)〜(d)の内、図24(c)、(d)の場合は、ヘッドプレート125がフェルール141、142の接合端面141a、142aに清掃テープ122を押し付ける押圧力の均等化を充分に実現できるが、図24(b)の場合は、図24(c)、(d)に比べて、前記押圧力の偏在が大きくなるケースがある、ことが判ってきた。
この原因は、解明すべき不明点があるものの、ヘッド部品121の構造に由来するものと考えられる。
図24(c)、(d)の場合は、ヘッドプレート125がフェルール141、142の接合端面141a、142aに清掃テープ122を押し付ける押圧力によって、ばね部124全体が変形することで、押圧力の均等化を実現できる。
図24(c)の場合は、フェルール141に内蔵されている光ファイバ140aの光軸に対して傾斜された接合端面141aに、前記光軸に対して垂直のヘッドプレート125(以下、このヘッドプレート125の向きを、フェルールの接合端面の傾斜に対して、「フラット」とも言う)を押圧するが、ばね部124全体の変形によって、接合端面141aの傾斜に追従するようにしてヘッドプレート125の向きが変わり、接合端面141aに対するテープ押圧面126からの押圧力の均等化を充分に実現できる。
これに対して、図24(b)の場合は、光ファイバ140aの光軸に対して傾斜する接合端面141aが形成されているフェルール141先端の挿入部130側への突出が最も大きい部分に、ヘッドプレート125からフェルール141への押圧力が、他の部分に比べて強く作用する傾向がある。
この場合、ヘッドプレート125のフェルール141の突出先端に対する押圧によって、ヘッドプレート125のばね頂部側が押圧方向後側へ押し込まれていくとともに、ばね部124が変形されて、ヘッドプレート125の向きが、当該ヘッドプレート125のばね頂部側端部とばね裏側端部との間の中央部を中心とする回転の如く変化して行き、フェルール141に内蔵されている光ファイバ140aの光軸に対して垂直の状態から、フェルール141の接合端面141aに沿って傾斜した状態になっていく。
ヘッドプレート125のばね裏側部分は、ヘッドプレート125の向きの変化に伴い、傾動しながら、押圧方向前側へ移動して行く。
図24(c)においては、ヘッドプレート125のフェルール141への押圧によって、フェルール141に内蔵されている光ファイバ140aの光軸に対して垂直の状態からのヘッドプレート125の向きの変化(傾動)は、ヘッドプレート125とヘッド支持部123との間を橋絡するアーチ状に形成されているばね部124が湾曲半径を縮小する如く変形(ばね部124の前後両端間の距離は縮小)されることによるものである。
ヘッドプレート125のばね裏側部分は、ヘッドプレート125の内、アーチ状のばね部124の突出先端124aからばね裏側へ、ばね部124を延長する如く延出された部分であるため、フェルール141の突出先端によって、ヘッドプレート125のばね裏側部分がばね頂部側部分に対して相対的に後側へ押し込まれれば、ばね部124が湾曲半径を縮小する如く変形されていく。
そして、ばね部124の弾性復帰力が、接合端面141aに対するヘッドプレート125の押圧力として作用する。
これに対して、図24(b)の場合は、ヘッドプレート125のフェルール141への押圧によって、ヘッドプレート125のばね頂部側部分がばね裏側部分に対して相対的に押圧方向後側へ押し込まれていくに伴うヘッドプレート125の向きの変化に追従して、ばね部124の突出先端124a付近の向きが変わる。その結果、ばね部124の湾曲頂部124bから突出先端124a側の部分に、ヘッドプレート125のフェルール141への押圧前に比べて、湾曲頂部124bに対して突出先端124a側を前側へ押し広げて湾曲半径を拡大するような変形が与えられる。
しかしながら、ばね部124の湾曲頂部124bから突出先端124a側の部分に上述のような、湾曲半径を拡大するような変形が生じると、変形に対するばね部124の弾性復帰力によって、ヘッドプレート125のばね裏側に、ヘッドプレート125のフェルール141への押圧力とは逆向きに作用する。
このため、図24(b)の場合は、ばね部124の弾性復帰力によって、ヘッドプレート125のばね裏側からフェルール141への押圧力が、ばね頂部側に比べて、弱くなる傾向になるものと考えられる。
図24(b)の場合の、ヘッドプレート125からフェルール141の接合端面141aへの押圧力の偏在は僅かであり、位置決めハウジング内で挿入部が所定の向きに保持されたならば、清掃能力に与える影響は問題にならない。
しかしながら、作業者が清掃工具を手動操作時に無理に傾動させてしまうことなどによって、ヘッドプレート125からフェルール141の接合端面141aへの押圧力の偏在が増大したり、あるいは、振動等の作用によって、ヘッドプレート125のばね裏側部分がフェルールの接合端面から僅かに浮き上がる、といったことが生じる可能性がある。
このため、作業者による清掃工具の傾動操作や、振動等の外力の作用に対して、接合端面に対する清掃テープの押圧力の均等化を充分に実現できる、技術の開発が求められる。
なお、図24(c)の場合は、ばね部124の湾曲頂部124bから突出先端124a側の部分に、湾曲頂部124bに対して突出先端124a側を前側へ押し広げるような曲げ変形が与えられるといった現象が発生しないため、ばね部124全体の変形が円滑になされ、接合端面に対する追従性を充分に確保できる。
ところで、上述のような、清掃テープを巻き回したテープ押し付け用ヘッドを工具本体から突出する突出部の先端に組み込んだ挿入部を有するタイプのクリーナーは、位置決めハウジングに挿入した挿入部の先端が位置決めハウジング内で位置決めされることで、テープ押し付けヘッドが位置決めハウジング内の光コネクタの接合端面に対して位置決めされる構成、つまり、挿入部がプラグコンパチブルになっている構成のものが多く採用されている。
例えば、上述の非特許文献1のように、MPO形光コネクタ(JIS C 5982に制定されるF13形光コネクタ。MPO:Multifiber Push-On)のフェルールの接合端面の清掃に用いるクリーナーが、すでに製品化されている。このクリーナーの場合、プラグコンパチブルになっている挿入部が、MPO形光コネクタ(光コネクタプラグ。以下、MPOプラグとも言う)と同様に、アダプタ、レセプタクルといった位置決めハウジングに挿入して位置決めされる。
しかしながら、周知のように、MPOプラグは、該MPOプラグに形成されたキーと、アダプタ、レセプタクルといった位置決めハウジングの内壁に形成したキー溝とによって、位置決めハウジングに対する挿入向きに正逆が有り、プラグコンパチブルとなるクリーナーの挿入部も、MPOプラグと同様に位置決めハウジングに対する挿入方向が決まっていた。つまり、クリーナーの突出部の挿入方向(挿入向き)に正逆があった。
このため、作業者は、毎回、キー及びキー溝の方向を確認せねばならないが、位置決めハウジングの設置場所や向きによって、キー溝の方向の確認がしにくい場合は、作業性低下の原因になる、といった問題もあった。
また、位置決めハウジングの設置場所や向きによって、キー溝の方向の確認がしにくい場合は、位置決めハウジングに清掃工具の挿入部を挿入して清掃作業を行う際に、作業者が清掃工具の操作時に傾動させてしまいやすく、これにより、清掃工具による清掃能力が充分に発揮されなくなる、という問題も発生しやすい。
仮に、キー溝等によって光コネクタプラグの挿入方向性を持たせた位置決めハウジングに対して、挿入向きの正逆を無くした挿入部を持つ清掃工具を開発したとしても、高い清掃能力を確実に得ようとするならば、光コネクタ(光プラグ)の接合端面に対するヘッドプレートの追従性を向上でき、位置決めハウジングに対する挿入部の挿入向きの正逆に依らず、高い清掃能力を確保できる技術の開発が必要である。
本発明は、前記課題に鑑みて、光コネクタあるいはその他の光部品を収容したハウジングに対する挿入部の挿入向きの正逆に依らず、高い清掃能力を確保できる光コネクタ清掃工具、光部品清掃工具の提供を目的としている。
上記課題を解決するために、本発明では以下の構成を提供する。
第1の発明では、光コネクタの接合端面を、清掃テープの送り移動により拭き取り清掃する光コネクタ清掃工具であって、前記清掃テープの供給及び巻き取りを行うテープ送り機構が組み込まれた工具本体と、この工具本体に突設され、前記光コネクタを収容して接続するためのコネクタ用位置決めハウジングに挿入される挿入部とを具備し、前記挿入部には、前記清掃テープの前記工具本体から引き出された部分が巻き回されたテープ押し付け機構が設けられ、前記テープ押し付け機構は、前記光コネクタの前記接合端面に対する前記清掃テープの当接面積を確保するためのテープ押圧面が形成されたヘッド部材と、このヘッド部材を前記テープ押圧面が前記光コネクタへの押圧方向に対して傾斜した向きで支持するヘッド支持部とを有し、前記ヘッド支持部は、前記工具本体に突設された突出部に取り付けられる支持部本体と、この支持部本体の前記光コネクタへの押圧方向前端に突設された円弧状あるいは波形の傾動用ばねとを具備し、前記ヘッド部材を、前記傾動用ばねの前記支持部本体からの突出先端に、前記傾動用ばねの弾性変形によって傾動可能として支持しており、前記ヘッド部材は、前記傾動用ばねの前記支持部本体からの突出先端から、前記傾動用ばねの前記ヘッド部材に最も近い湾曲頂部の側であるばね頂部側とその反対の側であるばね裏側とに張り出すように延出され、前記前記テープ押圧面は、前記ヘッド部材の前記ばね頂部側の端部からばね裏側の端部に行くにしたがって、前記光コネクタへの押圧方向前側となるように傾斜されていることを特徴とする光コネクタ清掃工具を提供する。
第2の発明では、前記傾動用ばねが円弧板状あるいは波板状であることを特徴とする第1の発明の光コネクタ清掃工具を提供する。
第3の発明では、前記テープ押圧面の傾斜角度が、前記光コネクタの斜め研磨された接合端面の傾斜角度と同じか、それよりも大きいことを特徴とする第1又は第2の発明の光コネクタ清掃工具を提供する。
第4の発明では、前記支持部本体は、前記突出部に固定される取付部と、この取付部と前記傾動用ばねとの間に設けられ前記ヘッド部材を前記光コネクタの前記接合端面に押圧する押圧力によって押し縮められる圧縮用ばねとを具備することを特徴とする第1〜第3のいずれかの発明の光コネクタ清掃工具を提供する。
第5の発明では、前記テープ押し付け機構が、前記ヘッド部材と前記ヘッド支持部とが一体に形成された合成樹脂製の一体成形品であることを特徴とする第1〜4のいずれかの発明の光コネクタ清掃工具を提供する。
第6の発明では、前記圧縮用ばねは波形に形成されており、2つ並列に設けられた前記圧縮用ばねによって、前記取付部と前記傾動用ばねとの間を橋絡する弾性橋絡部が構成されていることを特徴とする第4又は第5の発明の光コネクタ清掃工具を提供する。
第7の発明では、前記ヘッド部材には、前記清掃テープが、前記ヘッド部材の前記ばね裏側がばね頂部側に比べて前記清掃テープの流れ方向上流側となるように、巻き回されていることを特徴とする第1〜6のいずれかの発明の光コネクタ清掃工具を提供する。
第8の発明では、前記ヘッド部の、前記テープ押圧面を介してばね頂部側及びばね裏側の端部に、前記清掃テープの幅方向のずれを防ぐガイド溝が形成されており、前記清掃テープの前記テープ押圧面を介して流れ方向の上流側および下流側の部分が前記ガイド溝に収容されていることを特徴とする第7の発明の光コネクタ清掃工具を提供する。
第9の発明では、前記コネクタ用位置決めハウジングは、光コネクタを収容するコネクタ収容穴と、該コネクタ収容穴内面に該コネクタ収容穴の中心軸線方向に沿って延在する溝状に形成され、前記光コネクタの側部に突設されているキーが挿入されるキー溝とを具備し、前記工具本体の前記突出部の先端に前記テープ押し付け機構を組み込んで、前記コネクタ用位置決めハウジングに挿入可能に構成された前記挿入部が、前記コネクタ用位置決めハウジングの前記コネクタ収容穴及び前記キー溝の内、前記コネクタ収容穴のみに挿入可能であり、しかも、前記挿入部は、前記キー溝側と前記キー溝とは反対の側とが対称の断面形状になっている前記コネクタ収容穴に対して、表裏反転による正逆の2つの挿入方向で挿入可能な、表裏対称の断面外形になっていることを特徴とする第1〜8のいずれかの発明の光コネクタ清掃工具を提供する。
第10の発明では、光部品の端面を、清掃テープの送り移動により拭き取り清掃する光部品清掃工具であって、前記清掃テープの供給及び巻き取りを行うテープ送り機構が組み込まれた工具本体と、この工具本体に突設され、前記光部品を収容するハウジングに挿入される挿入部とを具備し、前記挿入部には、前記清掃テープの前記工具本体から引き出された部分が巻き回されたテープ押し付け機構が設けられ、前記テープ押し付け機構は、前記光部品の前記端面に対する前記清掃テープの当接面積を確保するためのテープ押圧面が形成されたヘッド部材と、このヘッド部材を前記テープ押圧面が前記光部品への押圧方向に対して傾斜した向きで支持するヘッド支持部とを有し、前記ヘッド支持部は、前記工具本体の前記突出部に取り付けられる支持部本体と、この支持部本体の前記光部品への押圧方向前端に突設された円弧状あるいは波形の傾動用ばねとを具備し、前記ヘッド部材を、前記傾動用ばねの前記支持部本体からの突出先端に、前記傾動用ばねの弾性変形によって傾動可能として支持しており、前記ヘッド部材は、前記傾動用ばねの前記支持部本体からの突出先端から、前記傾動用ばねの前記ヘッド部材に最も近い湾曲頂部の側であるばね頂部側とその反対の側であるばね裏側とに張り出すように延出され、前記前記テープ押圧面は、前記ヘッド部材の前記ばね頂部側の端部からばね裏側の端部に行くにしたがって、前記光部品への押圧方向前側となるように傾斜されていることを特徴とする光部品清掃工具を提供する。
第11の発明では、光部品の端面を、清掃テープの送り移動により拭き取り清掃する光コネクタ清掃工具であって、前記清掃テープの供給及び巻き取りを行うテープ送り機構が組み込まれた工具本体と、この工具本体に突設された突出部に組み込まれ、前記清掃テープの前記工具本体から引き出された部分を光部品の端面に押し付けるテープ押し付け機構とを具備し、前記テープ押し付け機構は、前記光部品の前記端面に対する前記清掃テープの当接面積を確保するためのテープ押圧面が形成されたヘッド部材と、このヘッド部材を前記テープ押圧面が前記光部品への押圧方向に対して傾斜した向きで支持するヘッド支持部とを有し、前記ヘッド支持部は、前記工具本体に突設された突出部に取り付けられる支持部本体と、この支持部本体の前記光部品への押圧方向前端に突設された円弧状あるいは波形の傾動用ばねとを具備し、前記ヘッド部材を、前記傾動用ばねの前記支持部本体からの突出先端に、前記傾動用ばねの弾性変形によって傾動可能として支持しており、前記ヘッド部材は、前記傾動用ばねの前記支持部本体からの突出先端から、前記傾動用ばねの前記ヘッド部材に最も近い湾曲頂部の側であるばね頂部側とその反対の側であるばね裏側とに張り出すように延出され、前記前記テープ押圧面は、前記ヘッド部材の前記ばね頂部側の端部からばね裏側の端部に行くにしたがって、前記光部品への押圧方向前側となるように傾斜されていることを特徴とする光部品清掃工具を提供する。
なお、第1〜9の発明に係る光コネクタは、第10、第11の発明における光部品の一例と見なすことができる。
この点、第2〜第9の発明の構成は、光コネクタを光部品、接合端面を端面、コネクタ用位置決めハウジングをハウジングと読み替えることで、第10、第11の発明でも適用し得る。
本発明によれば、工具本体から突出する突出部に組み込まれたテープ押し付け機構の傾動用ばねの先端に、テープ押圧用のヘッド部材を、該ヘッド部材に形成されているテープ押圧面が、前記傾動用ばねの前記ヘッド部材に最も近い湾曲頂部の側であるばね頂部側の端部から、その反対側であるばね裏側の端部に行くにしたがって、光コネクタあるいは光部品への押圧方向前側となるように傾斜された姿勢で支持している。
光コネクタ清掃工具について説明すると、斜め研磨された傾斜する接合端面(コネクタ接続時の光軸に対して傾斜する接合端面)を具備する光コネクタの接合端面を清掃する場合、工具本体から突出する突出部にテープ押し付け機構が組み込まれ、コネクタ用位置決めハウジングに挿入される部分(以下、挿入部)を、該挿入部のヘッド部材の傾斜するテープ押圧面が、光コネクタの傾斜する接合端面に沿う向き、あるいは、これとは反対に、テープ押圧面の傾斜が、光コネクタの接合端面の傾斜とは逆となる向きで、コネクタ用位置決めハウジングに挿入する。
コネクタ用位置決めハウジングに対する挿入部の挿入向きが正逆いずれであっても、ヘッド部材から光コネクタの接合端面に向けて押圧力を作用させたときに、傾動用ばねの弾性変形によって、ヘッド部材のテープ押圧面に、傾斜している接合端面に対する高い追従性が得られ、光コネクタ(光コネクタプラグ)の接合端面に対する清掃テープの押圧力の均等化を充分に図ることができ、高い清掃能力を確実に得ることができる。
光部品清掃工具についても、光部品を収容したハウジングの光部品収容穴に清掃工具の挿入部を挿入して、光部品の光部品収容穴の中心軸線に対して傾斜する端面を清掃する場合、上述の光コネクタ清掃工具と同様に、高い清掃能力を確実に得ることができる。この場合、ヘッド部材の傾斜しているテープ押圧面を、光部品の端面の傾斜と沿う向き、あるいは、これとは反対に、光部品の端面の傾斜とは逆の向きにする。
以下、本発明を実施した光コネクタ清掃工具(光部品清掃工具)を、図面を参照して説明する。
図1〜図22は、本発明の光コネクタ清掃工具(以下、単に「清掃工具」という)の一実施の形態を示す図である。
図19,図21に示すように、本実施の形態の清掃工具1が適用される光コネクタプラグ60(光コネクタ。以下、単に光プラグともいう)および光コネクタアダプタ70(コネクタ用位置決めハウジング。以下、単に光アダプタという場合がある)は、ここではJIS C 5982等に規定されるMPO形光コネクタ(MPO:Multifiber Push On)である。
光プラグ60は、JIS C 5981等に規定されるMT形光コネクタフェルール61(MT:Mechanically Transferable。以下、単にフェルールという)をプラスチック製でスリーブ状のハウジング62の先端部に収容した構成の光コネクタプラグであり、全体が外観扁平な断面形状に形成されている。
以下の説明では、光プラグ60のフェルール61の扁平形状の短辺側に対応する方向(図19の上下方向)を厚さ方向、長辺側に対応する方向を幅方向(図19の左右方向)ということがある。また、フェルール61の厚さ方向および幅方向に対応して、このフェルール61をハウジング62に収容した光プラグ60、ならびに光アダプタ70に挿入される清掃工具1の挿入部20(後述)についても同様に、厚さ方向および幅方向ということがある。
なお、光プラグ60、フェルール61は、本発明に係る光部品清掃工具の適用対象の光部品としても機能する。
また、光アダプタ70は、本発明に係る光部品清掃工具の工具本体に突設された突出部にテープ押し付け機構を組み込んでなる挿入部が挿入される、光部品収容用のハウジングとしても機能する。
図19に示すように、フェルール61の接合端面61aの中心位置66付近には、所定の個数(ここでは4個)の光ファイバ穴61b(微細孔)が配列されるように開口している。光ファイバ63は、ここでは4心の光ファイバテープ心線であり、その先端部の樹脂被覆を除去してなる光ファイバ63a(裸光ファイバ)を、フェルール61の光ファイバ穴61bに挿通することにより、他の光コネクタと突き合わせ接続可能に成端されるとともに、光プラグ60の内部を貫通して光プラグ60の後端から引き出されている。光プラグ60の後端から引き出された光ファイバ63は、ハウジング62の接続方向後端側(図21の左下側)に設けられたブーツ64に収容されることにより、光プラグ60の後端付近での急激な曲げ等が防止されている。
なお、光ファイバ63としては、当該光プラグで成端するのに適したものであれば特に限定はなく、例えば単心または多心の光ファイバ心線、この光ファイバ心線をチューブに収容した光ファイバコードなどが採用可能である。
フェルール61の接合端面61aにおいて、光ファイバ穴61bの幅方向外側の両側には、ガイドピン穴61cが設けられている。フェルール61同士は、ガイドピン穴61cに挿入されて接合端面61aから突出するように設けられる突出部材65(ガイドピン)を介して、周知のガイドピン嵌合方式の位置決め機構によって高精度に位置決めして、光ファイバ63aの端面同士を突き合わせ接合して接続されるようになっている。そしてこれにより、各フェルール61に成端されている光ファイバ63同士が光接続されるようになっている。
図21,図17に示すように、光アダプタ70は、コネクタ収容穴72(光部品収容穴)の両側がコネクタ挿入口71として開口したスリーブ状に形成されており、該コネクタ挿入口71から光プラグ60を挿入することにより、コネクタ収容穴72内に収容することができるようになっている。
なお、本発明でいう光アダプタ70とは、両側の光プラグ60を位置決めして接続固定する中継器具を総称する。従って、光アダプタ70に接続される両側の光プラグ60は、互いに同形状のものに限定されることはない。形状が異なる光プラグを接続可能であっても、光アダプタと称する。
光プラグ60は、光アダプタ70のコネクタ挿入口71から挿入されると、挿入方向からずれた方向への変位を規制されつつ、コネクタ収容穴72に収容される。2個の光プラグ60を光アダプタ70に挿入すると、該光アダプタ70内でフェルール61同士が突き合わされ、これにより、各フェルール61に成端されている光ファイバ63同士が光接続されるようになっている。
この種の光コネクタ60では、フェルール61は、光アダプタ70内で嵌合されたとき、ハウジング62に内蔵されたスプリング(図示せず)により付勢され、フェルール61同士に押圧力が作用するようになっている。
この光アダプタ70では、周知のMPO形コネクタと同様に、光アダプタ70のコネクタ収容穴72に臨む内面を形成する内壁70aに、光プラグ60のハウジング62に形成されたキー62aと嵌合しうるキー溝72aが設けられている。キー62aおよびキー溝72aは、それぞれの光プラグ60のハウジング62および光アダプタ70のコネクタ挿入口71について、厚さ方向両側の側面のうちの一方にのみ形成されており、キー62aとキー溝72aとの向きが合わないと、光プラグ60を光アダプタ70のコネクタ挿入口71に挿入できないようになっている。これにより、光プラグ60の厚さ方向の向きを逆にして光アダプタ70に挿入してしまう誤り(逆差し)が防止される。
さらに、光アダプタ70には、特に図示しないが、周知のように、光アダプタ70の内壁70aに沿い、コネクタ挿入口71に向かって延出形成され、その先端に係合爪を有する弾性係合片が設けられている。また、光プラグ60のハウジング62の幅方向両側の側面には、光アダプタ70の前記弾性係合片の係合爪と係合可能な係合凹所が設けられている。
光プラグ60のハウジング62の外周には、前記係合爪と係合凹所とを係合したときに、前記弾性係合片を外側から押さえ、前記係合凹所との係合の離脱を防止するためのカップリング68が装着されており、周知のスライドロック機構を構成する。
光プラグ60は、コネクタ挿入口71から光アダプタ70に挿入されると、前記係合凹所と係合爪との係合などにより、挿入方向からずれた方向への変位を規制されつつ、コネクタ収容穴72に収容される。
両方の光プラグ60を光アダプタ70に挿入した状態では、光アダプタ70内でフェルール61に固定保持された光ファイバ63aの端面同士が突き合わされ、これにより、各フェルール61に成端されている光ファイバ63同士が光接続されるようになっている。
上記光プラグ60の接合端面61aの清掃に適用できる清掃工具1は、図1〜図5,図17等に図示するように、内部に清掃テープ2が収容された工具本体10と、この工具本体10に組み込まれたテープ送り機構3と、前記工具本体10に突設された突出部19の先端部19Aに組み込まれたヘッドユニット4とを具備して構成されている。
ヘッドユニット4は、接合端面61aに清掃テープ2を押し当てるためのヘッド部材23を具備している。清掃テープ2は、このヘッド部材23に巻き回されている。
工具本体10に突設された突出部19と、突出部19の先端部19Aに組み込まれたヘッドユニット4とは、光アダプタ70のコネクタ収容穴72に挿入可能に形成された挿入部20を構成している。
工具本体10は、テープ送り機構3が組み込まれたケース状の送り機構組込部10Aと、この送り機構組込部10Aから外側へ突出された細長筒状の前記突出部19とを具備し、送り機構組込部10Aから突出部19に向かって先細り形状となっている。ヘッドユニット4は、工具本体10先端部の細長筒状の突出部19の先端(先端部19A。図1(a)の左側の端)に設けられている。
図1(a)に示すように、ここでは工具本体10は、ポリスチレン(PS)やポリオキシメチレン(POM、ポリアセタール)などのプラスチック等からなる第1および第2のケース半体11,12による二つ割り構造になっている。
図2,図3に示すように、ケース半体11,12は、例えば、第1のケース半体11および第2のケース半体12の内側に、対向配置されて形成された嵌合ピン13a〜13dおよび嵌合穴14a〜14dの嵌合により、一体化できるように構成されている。
図2,図3,図21に示すように、工具本体10の一部である突出部19も、ケース半体11,12にそれぞれ突設されている突片である突出部半体19a,19bによって構成された二つ割り構造になっており、ケース半体11,12の開閉によって開閉される。
なお、このような工具本体10の構成は一例に過ぎず、本発明を特に限定することを意図するものではない。
図4,図5に示すように、工具本体10内の収容空間35には、清掃テープ2を送り移動するテープ送り機構3が設けられている。
このテープ送り機構3は、清掃テープ2を巻装した供給リール30と、使用後の清掃テープ2を巻き取って回収する巻取リール31と、清掃テープ2の送り移動を操作する操作ダイヤル34とを備え、工具本体10の外側に一部露出して設けられている操作ダイヤル34の回転操作によって、巻取リール31を回転させて清掃テープ2を巻き取ることができ、これにより、供給リール30からの清掃テープ2の巻き出しも行われる。
なお、図示例の清掃工具1のテープ送り機構3の詳細については、後に詳述する。
図17に示すように、突出部19の先端部19Aには、清掃テープ2を、光プラグ60の接合端面61aに対して押し付けるためのヘッド部材23を前端に具備するヘッドユニット4が組み込まれている。
前記ヘッドユニット4の前記ヘッド部材23には、供給リール30と巻取リール31との間に引き出された清掃テープ2が巻き回されている。清掃テープ2は、前記ヘッド部材23の前端面であるテープ押圧面24に巻き掛けるようにして、ヘッド部材23に巻き回されている。
清掃テープ2は、筒状の突出部19内に通して、供給リール30と巻取リール31との間にて、前記ヘッドユニット4の前記ヘッド部材23のテープ押圧面24を経由するようにして、張り回されている。
清掃テープ2が巻き回されたヘッドユニット4と、このヘッドユニット4が組み込まれた突出部19の先端部19Aとは、光アダプタ70に挿入可能な挿入部20を構成する。
ヘッドユニット4の前端のヘッド部材23は、突出部19の先端に開口された開口部26から僅かに前側に突出した状態に設けられている。
挿入部20を光アダプタ70のコネクタ収容穴72に挿入すると、清掃テープ2の、ヘッド部材23のテープ押圧面24に配置された部分を、光プラグ60の接合端面61aに対して押し付けるようにして当接させることができる。
挿入部20(ここでは、特に、突出部19の先端部19A)は、外形が、コネクタ収容穴72に挿入して位置決めされるように形成されており、この点、光アダプタ70に対してプラグコンパチブルになっている。
但し、この挿入部20については、光アダプタ70のコネクタ収容穴72のみに挿入される外形になっており、光アダプタ70内側に形成されているキー溝72aに挿入される突部は存在しない。つまり、MPO形光コネクタプラグのハウジング62の側面62aに突設されているキー62aに相当する突起の突設を省略している。
また、突出部先端部19Aの外面の幅方向両側には、当該突出部19を光アダプタ70に挿入した際に、該光アダプタ70の弾性係合片の係合爪(上述)との干渉を避けるための凹溝21(図21参照)が形成されており、光アダプタ70の弾性係合片と係合しないようになっている。なお、凹溝21は、特に必須のものではない。
光アダプタ70のコネクタ収容穴72は、MPO形光コネクタプラグのプラグフレームのキー62aを除いた部分の断面形状に対応する、細長の断面形状になっており、このコネクタ収容穴72に挿入して位置決めされる挿入部20も、コネクタ収容穴72の断面形状に対応して、厚さ方向寸法よりも若干大きい幅方向寸法を有する、断面細長の外形になっている。
このため、挿入部20は、コネクタ収容穴72に対する挿入方向に、表裏(厚さ方向両側)反転による正逆が存在する。
但し、コネクタ収容穴72の断面形状は、キー溝72a側とその反対側とで対称になっており、挿入部20の断面外形も厚さ方向両側が対称になっているため、挿入部20はコネクタ収容穴72に対して、正逆いずれの向きでも挿入できる。
清掃テープ2(以下、単にテープということがある)は、特に限定されるものではなく、公知の適当な清浄布(不織布や織布)をテープ状に加工したものを採用することができる。例えば、ポリエステルやナイロンなどの極細の繊維からなるものなどが例示される。また、構造も、幅が概略一定である一般的なものである。
図2,図4に示すように、工具先端部の突出部19の内部には、この突出部19の補強のための突壁19cが設けられている。この突壁19cによれば、供給リール30からヘッド部材23に向かう、清浄であるべき清掃テープ2の上流側の部分2b(以下「上流部」ということがある)の経路と、ヘッド部材23から巻取リール31に向かう、拭き取り清掃により汚染された清掃テープ2の下流側の部分2c(以下「下流部」ということがある)の経路とが仕切られるので、清掃テープ2の汚れの移行が抑制される効果も奏される。
(ヘッドユニット)
図10、図11、図13(a)、(b)、図14(a)、(b)、図15(a)〜(d)等に示すように、突出部19を含む清掃工具の先端部には、清掃テープ2をフェルール61の接合端面61aに当接させるためのヘッド部材23を有するヘッドユニット4が装着されている。
ヘッドユニット4は、清掃時に清掃すべき光プラグ60の接合端面61aに向かい合うテープ押圧面24を有するヘッド部材23と、該ヘッド部材23から前記テープ押圧面24に対する逆側であるヘッド部材23の裏面23bの側に連結され、ヘッド部材23を支持するヘッド支持部40とを具備して構成されている。
ヘッドユニット4は、本発明に係るテープ押し付け機構として機能する。
本明細書では、このヘッドユニット4について、図10(a)、(c)の左側,図11の紙面左手前側,図13(a)、(b)の左側を「前」、反対側を「後」、として説明する。また、図10(b)−(d)、図11、図13(b)、図15において、上側を上、下側を下として説明する。
ヘッドユニット4は、ここではヘッド部材23とヘッド支持部40とが一体成形されたものであり、例えばポリオキシメチレン(POM)などのプラスチックから適宜の成形法を用いて製造することができる。
ヘッドユニット4は、ヘッド部材23よりも供給リール30側である清掃テープ2の上流部2bと、ヘッド部材23よりも巻取リール31側である清掃テープ2の下流部2cとの間に配置されている。このため、ヘッドユニット4が清掃テープ2の送り運動を阻害することはない。
図11,図14(a)に示すように、ヘッド部材23は、略四角形状のテープ押圧面24をもち、光プラグ60の接合端面61aに対する当接面積を有効に確保できるようになっている。このテープ押圧面24は、該ヘッド部材23の挿入先端側(前端側。図13(a),(b)の左側)の端面であり、突出部19先端の開口部26に露出されている。
ヘッド部材23には、接合端面61aから突出する突出部材(ガイドピン)65を挿通することができる突出部材逃げ部として、突出部19の幅方向両側に一対のガイドピン挿通凹所23aが形成されている。ガイドピン挿通凹所23aはヘッド部材23のテープ押圧面24から裏面23bに貫通している。これにより、突出部19が光アダプタ70に挿入された際に、ヘッド部材23とガイドピン65との干渉を避けることができる。
ヘッド部材23には、テープ押圧面24を介して上下両端に、清掃テープ2の送りをガイドするガイド溝25A、25Bが設けられている。これらのガイド溝25A、25Bは、テープ位置決め機構として機能するものである。
下側のガイド溝25Aに、ヘッド部材23に巻き回された清掃テープ2のテープ押圧面24から送り方向の上流側、上側のガイド溝25Bに下流側が収容される。
ガイド溝25A、25Bの幅は、清掃テープ2の幅に合うようになっている。清掃テープ2は、テープ押圧面24の上流側および下流側の各対のガイド溝25A、25Bにより、ヘッド部材23に巻き掛けられるようになっている。
このように、清掃テープ2がガイド溝25A、25B内に配置されることにより、ヘッド部材23が傾動しても、清掃テープ2の位置がずれたり、ヘッド部材23から外れたりすることが抑制される。
さらに、図14(a)等に示すように、図示例のヘッド部材23の上下両端には、ガイド溝25A、25B内に配置された清掃テープ2のガイド溝25A、25Bからの脱落を防止するための突片(脱落防止片25a)が、ガイド溝25A、25Bの幅の両側から突設され、清掃テープ2の幅方向両端部が、ガイド溝25A、25Bの底と脱落防止片25aとの間に収められるため、清掃テープ2のガイド溝25A、25Bからの脱落を確実に防止できる。
図14(a)等に示すように、ヘッド部材23のテープ押圧面24において、ガイドピン挿通凹所23aは、ガイド溝25A、25Bによって案内される清掃テープ2の幅の両側に開口するように配置されている。これにより、ガイドピン65,65は、清掃テープ2との干渉を避け、ガイドピン挿通凹所23aに挿入することができる。
図10(a)〜(d)、図11等に示すように、ヘッド支持部40は、ヘッド部材23を傾動可能に支持するための傾動用ばね41と、ヘッド部材23の光プラグ60(詳細にはフェルール61)に対する弾性付勢用の圧縮用ばね42と、ヘッドユニット4を突出部19に取り付けるための板状の取付部43とを具備する。
このヘッド支持部40は、傾動用ばね41以外の部分、すなわち、傾動用ばね41から後側の部分が、本発明に係る支持部本体44に相当する。
板状の取付部43は、工具先端の突出部19の厚さ方向両側に対向して凹設された一対の取付凹部29に嵌め込むことで、突出部19の内断面を略塞ぐようにして設けられる。
また、取付部43の、一対の取付凹部29に嵌め込まれる両端部の片方には、両取付凹部29のうちの一方に形成された嵌合溝29aに嵌合する略半円筒状の嵌合部43aが突設されており、一対の取付凹部29に対する嵌め込み可能な向きが決まっている。
ヘッドユニット4は、取付部43を突出部19に組み付けて、突出部19に組み込むことで、該ヘッドユニット4の前後方向が、突出部19の工具本体10からの突出方向、より具体的には、筒状の突出部19の中心軸線に沿った方向に揃えられる。
図13(a)に示すように、圧縮用ばね42は、ここでは波形バネであり、突出部19の幅方向(図13(a)の上下方向)に一対を対称に配置してある。
一対の圧縮用ばね42は、それぞれ、前端が連結板42cに繋がっており、後端が取付部43に繋がっている。
2つ並列に設けられた前記圧縮用ばね42と、連結板42cとは、前記取付部43と前記傾動用ばね41との間を橋絡する弾性橋絡部45を構成している。
波形ばねである前記圧縮用ばね42は、1平面上にて蛇行するように湾曲する棒状あるいは帯状の成形部分であり、S字形あるいはS字が複数連続した形状に形成されている。 2つ並列に設けられた圧縮用ばね42は、同一の平面上にて湾曲している。また、連結板42cも、一対の圧縮用ばね42と同一平面上に形成されている。
弾性橋絡部45は、全体が、概略細長板状になっている。
一対の圧縮用ばね42は、板状の取付部43に対して垂直に形成されている。
このため、弾性橋絡部45は、突出部19内にて、長手方向を、突出部19の中心軸線方向(換言すれば、工具本体10からの突出方向)に沿わせて延在配置される。
ヘッドユニット4は、弾性橋絡部45の前端部(具体的には連結板42cと一対の圧縮用ばね42の前端部)とが、突出部19の幅方向両側の内壁に設けられた一対のスライド溝28に収容されている。スライド溝28は、突出部19の挿入離脱の方向(図13(a),(b)の左右方向)に延びているとともに、突出部19の先端側(図13(a),(b)の左側)の端部を閉じる端部壁28aを有する。
ヘッド部材23のテープ押圧面24に押圧力が作用しないときには、圧縮用ばね42は、自身の弾発力により、連結板42cをスライド溝28の端部壁28aに付勢して当接させている。連結板42cは、圧縮用ばね42の伸縮により、スライド溝28に沿って、突出部19の中心軸線方向に沿った両方向にスライド可能である。
但し、弾性橋絡部45は、必ずしも、連結板42cを具備する構成である必要は無く、例えば、傾動用ばね41の幅の両端に一対の圧縮用ばね42の前端がそれぞれ繋がっており、一対の圧縮用ばね42自体が弾性橋絡部45を構成していても良い。
傾動用ばね41は、支持部本体44の前端、すなわち、連結板42cの前端から前側へ突設されている。
この傾動用ばね41は、円弧板状であり、支持部本体44の前端とヘッド部材23とを橋絡するアーチ状になっている。ヘッド部材23は、支持部本体44の前端からアーチ状に延出する傾動用ばね41の前記支持部本体44からの突出先端411に繋がっている。
より詳しくは、図示例のヘッドユニット4は、傾動用ばね41の突出先端411が、ヘッド部材23の上下方向中央部と繋がっており、ヘッド部材23に、ヘッドユニット4の前側から後方への押圧力が作用することで、傾動用ばね41が弾性変形されるようになっている。また、傾動用ばね41の弾性変形によって、ヘッド部材23の傾動が可能である。
また、ヘッド部材23の裏面23bには、傾動用ばね41の突出先端411を収容する凹所27が形成されており、ヘッド部材23は、この凹所27内に収容された傾動用ばね41の突出先端411に支持されている。
前記傾動用ばね41の突出先端411は、板状の弾性橋絡部45の延長上に位置している。アーチ状の傾動用ばね41は、板状の弾性橋絡部45の延長上から片側(図10(b)〜(d)、図11、図13(b)、図15において上側)に張り出すように湾曲している。
本明細書では、ヘッドユニット4について、板状の弾性橋絡部45及びその延長上を基準として、傾動用ばね41の湾曲頂部412が存在する側、つまり、図10(b)〜(d)、図11、図13(b)、図15(a)〜(d)において上側を「ばね頂部側」、反対側(下側)を「ばね裏側」と呼ぶこととする。
前記ヘッド部材23は、前記傾動用ばね41の突出先端411から上下、つまり、ばね頂部側とばね裏側とに張り出すように延出している。
但し、ヘッド部材23は、テープ押圧面24がヘッドユニット4の前後方向に垂直となる向き(例えば、図24(a)の状態)ではなく、テープ押圧面24が、ヘッドユニット4の前後方向に延在する弾性橋絡部45の延在方向に対する垂直面(仮想垂直面S。図13(b)参照)から若干傾斜された向きで、前記傾動用ばね41の突出先端411に支持されている。垂直面に対する傾斜角度θ1は、ここでは、8度(あるいは7〜9度)であるが、これに限定されない。
傾動用ばね41の突出先端411に支持されたヘッド部材23のテープ押圧面24は、ばね頂部側からばね裏側に行くにしたがって前側、となるように傾斜されている。
前記ヘッド部材23には、前記清掃テープ2が、前記ヘッド部材23の前記ばね裏側がばね頂部側に比べて前記清掃テープ2の流れ方向上流側となるように巻き回されている。
図10(d)等に示すように、取付部43の上下両端には、清掃テープが挿通されるテープ溝43bが設けられている。各テープ溝43bには、ヘッド部材23の上流側のテープ2bと下流側のテープ2cが挿通される。
(ガイドキャップ)
図12,図18に示すように、ガイドキャップ50は、プラスチックなどにより、略スリーブ状(筒状)に形成されたガイド本体51と、該ガイド本体51の一端にヒンジ56によって連結された蓋55とを有する。蓋55には、ガイド本体51に突設された突起51aと嵌合する嵌合穴55aが形成されており、ヒンジ56を屈曲して、ガイド本体51の突起51aと蓋55の嵌合穴55aを嵌合させることにより、蓋55を閉じた状態を維持できるようになっている。
ガイド本体51の蓋55側の一端には、光プラグ60が挿入されるコネクタ挿入口52(プラグ挿入口)が開口し、このプラグ挿入口52と対向する他端には、清掃工具1の挿入部20が挿入される挿入部挿入口53が開口している。プラグ挿入口52と挿入部挿入口53とは、ガイドキャップ50の内部空間54により連通している。
ガイドキャップ50は、プラグ挿入口52から光プラグ60を挿入し、挿入部挿入口53から清掃工具1の挿入部20を挿入することにより、光プラグ60の接合端面61aを含む先端部と、清掃工具1の挿入部20とを、対向した状態で、ガイドキャップ50の内部空間54に収容することができるようになっている。
ガイド本体51のプラグ挿入口52側の内壁には、光プラグ60のハウジング62外面に突設されたキー62aと嵌合しうるキー溝57aが設けられている。また、ガイド本体51の挿入部挿入口53側の内壁には、特許文献5のような、工具本体からの突出部側面にキーが突設されている挿入部の挿入に対応するためのキー溝57bが設けられているが、本実施形態で例示した清掃工具1の挿入部20はキーの突設を省略しているため、ガイドキャップ50としてもキー溝57bを省略した構成を採用可能である。キー溝57bを省略したガイドキャップ50であれば、清掃工具1の挿入部20を収容した際に、ガイドキャップ内壁面と挿入部20外周面との密着性を高めることができ、ガイドキャップ内の防塵性の向上に寄与する。
清掃工具1の挿入部20は、ガイドキャップ50に対して、光アダプタ70の場合と同様に、正逆いずれの向きでも挿脱可能に挿入できる。
ガイドキャップ50は、突出部19の先端部19Aに着脱可能に装着される。すなわち、光プラグ60の清掃を行わないときには、ガイドキャップ50は、挿入部挿入口53に清掃工具1の挿入部20を挿入した状態とすることができる。さらに、図12(a)に二点鎖線で示すように、ガイドキャップ50のプラグ挿入口52を塞ぐ蓋55を閉じておくことにより、ガイドキャップ50の内部空間54にゴミや埃、水分などが侵入することが抑制され、該内部空間54を常時、正常な状態に維持することができる。
(テープ送り機構)
次に、図示例の清掃工具1のテープ送り機構3の詳細を説明する。
但し、テープ送り機構としては、清掃テープ2の送り移動を実現できるものであれば良く、本実施形態のものに限定されず、様々な構成のものを採用できることは言うまでも無い。
このテープ送り機構3は、清掃テープ2を巻装した供給リール30と、使用後の清掃テープ2を巻き取って回収する巻取リール31と、清掃テープ2の送り移動を操作する操作ダイヤル34とを備え、工具本体10の外側に一部露出して設けられている操作ダイヤル34の回転操作によって、巻取リール31を回転させて清掃テープ2を巻き取ることができ、これにより、供給リール30からの清掃テープ2の巻き出しも行われる。
供給リール30、巻取リール31、操作ダイヤル34は、例えば、ポリスチレン(PS)やポリオキシメチレン(POM、ポリアセタール)などのプラスチックから金型により成形することによって製造することができる。
第1のケース半体11の内側(収容空間35に臨んだ側)には、供給リール30が回転可能に装着された供給リール支持軸32と、巻取リール31および操作ダイヤル34が回転可能に装着された巻取リール支持軸33とが、第2のケース半体12側に向かって突出して設けられている。
ここでは、供給リール支持軸32および巻取リール支持軸33は、一方のケース半体11と一体に形成されている。そして、該支持軸32,33の先端を、他方のケース半体12に設けられた嵌合穴32a,33aに挿入することにより、収容空間35内で両ケース半体11,12をつないで橋絡し、供給リール30および巻取リール31を脱落なく保持することができるようになっている。
供給リール30と巻取リール31との間では、清掃テープ2は、ピン状のテープガイド36に沿って、収容空間35内に張り回されている。そして、その途中で、突出部19内に収容された上記ヘッド部材23に巻き掛けられている。図2に示すように、ここでは上記テープガイド36は、第1のケース半体11から突設された嵌合ピン13aの外周面として設けられている。
供給リール支持軸32および巻取リール支持軸33の外周には、これらリール支持軸32,33の軸線方向に延びるラチェット溝32c,33cが周設されている。これらのラチェット溝32c,33cは、それぞれ、後述する供給リール30および巻取リール31のラチェットアームの突条と係合できるようになっている。
図5に示すように、供給リール30および巻取リール31は、それぞれ、テープ2の本数と同数(ここでは3個)設けられている。これらのリール30,31は、それぞれ、供給リール支持軸32および巻取リール支持軸33により、横並びに支持されている。
図8(a),(b),図9に、清掃テープ2Aが巻き付けられる巻取リール31の一例を示す。この巻取リール31は、中空円筒状の巻芯部31aと、該巻芯部31aの両端に形成された側板部31b,31bが、プラスチックなどから一体に成形されたものである。巻取リール31は、1個で1本の清掃テープが巻き付けられるようになっている。2枚の側板部31b,31b同士の間隔は、そこに巻き付けられる清掃テープの幅に合わせて設定されている。
巻芯部31aには、巻芯部31aの外周面31gに臨んで開口した挿通穴31h(貫通穴)が形成されており、該挿通穴31hは狭窄部31kを含んでいる。清掃テープの端部を巻取リール31に取り付ける方法としては、特に限定されるものではないが、例えば、図8に示すように、巻取リール31の挿通穴31hに挿通した清掃テープ2Aの一端に団子状の結び目2dを作り、該結び目2dを狭窄部31kからの抜け止めとする方法が挙げられる。
巻取リール31の巻芯部31aの内面には、ラチェットアーム31cが形成されている。ラチェットアーム31cの先端には、巻取リール31の半径方向の中心側に向かって、略半円筒状の突条31dが形成されている。巻芯部31aの内面には、ラチェットアーム31cを収容するように凹部31eが形成されている。ラチェットアーム31cは、弾性変形により、突条31dを巻取リール31の半径方向に揺動させることができるようになっている。
ラチェットアーム31cの突条31dは、巻取リール31を巻取リール支持軸33に支持させたとき、該巻取リール支持軸33に周設されたラチェット溝33cに係合するようになっている。巻取リール31が回転する際には、ラチェットアーム31cの弾性変形により、突条31dがラチェット溝33cと、係合および離脱を繰り返すことになるので、巻取リール31の回転に対して回転抵抗が付与される。その結果、清掃テープの送り移動に一定の引張り力が必要となり、巻取リール31の滑りが抑制される。つまり、巻取リール31のラチェットアーム31cと、巻取リール支持軸33のラチェット溝33cとが、巻取リール31の回転に回転抵抗を付与する回転抵抗付与機構として機能する。
清掃テープ2の送り移動を許容する前記一定の引張り力としては、テープ送り機構3の引張りによる清掃テープの伸びが清掃に悪影響を及ぼさない程度であり、かつ、例えば清掃工具1を振ったり持ち運んだりなどした程度では、テープが送られないようなものとされる。
なお、清掃テープ2B,2Cが巻き付けられる巻取リール31は、側板部31b,31bの間隔が異なることを除いて、図8に示す清掃テープ2A用の巻取リール31と同様の構成を採用できるから、図示を省略する。
また、供給リール30としては、巻取リール31と同様のものを用いることができる。
供給リール30には、巻取リール31と同様に、供給リール支持軸32に周設されたラチェット溝32cに係合する突条を有するラチェットアームが設けられ、上記回転抵抗付与機構が構成されている。
巻取リール支持軸33の外周には、巻取リール31と同心となるように、操作ダイヤル34が装着されている。
図6,図7に示すように、操作ダイヤル34は、巻取リール支持軸33に貫装されるハブ部34aと、外周にローレット面を有するリム部34cと、このハブ部34aおよびリム部34cを連結する複数のスポーク部34bとが、プラスチックなどから一体に成形されたものである。複数のスポーク部34bの一つには、操作ダイヤル34の周方向に延びるアーム部37aの先端に係止爪37bが突設形成されたラチェットアーム37が設けられている。また、他のスポーク部34bには、操作ダイヤル34の周方向に延びるアーム部38aの先端に打槌部38bが突設形成されたハンマーアーム38が設けられている。
ラチェットアーム37およびハンマーアーム38のアーム部37a,38aは、弾性的に変形可能である。
図1(a),(b)に示すように、操作ダイヤル34は、工具本体10の側面に設けられた窓11aから、一部、工具本体10の外に露出されている。
操作ダイヤル34と巻取リール31とは、操作ダイヤルに設けられたピン34pを巻取リール31に形成された挿通穴31pに嵌合することによって一体となるように連結されている。
操作ダイヤル34の半径は、巻取リール31の半径より大きくなっている。その結果、清掃テープ2が巻取リール31に巻き取られる長さは、操作ダイヤル34の操作量(該操作ダイヤル34の外周に沿った変位量)より、上記半径比の分だけ小さくなる。
このため、清掃テープ2の微小な送り量が容易に達成される。
図2に示すように、テープ送り機構3は、操作ダイヤル34を手指などで操作して、所定の方向に回転させることにより駆動できるようになっている。すなわち、操作ダイヤル34の回転により、巻取リール31が回転して清掃テープ2を巻き取るとともに、供給リール30から未使用の清掃テープ2が繰り出され、送り移動される。操作ダイヤル34が上記窓11aから工具本体10の側面に開口しているので、操作ダイヤル34は、清掃工具1を片手で持ったときでも、清掃工具1を持った側の手の指で容易に操作できる。
図2に示すように、第1のケース半体11の内面には、巻取リール支持軸32を取り囲んで、環状壁部16が形成されている。環状壁部16の外周には、該環状壁部16の周に沿って等間隔に複数(図2では6箇所)の乗上げ突起17が形成されている。また、環状壁部16の内周面には、多数のラチェット歯16bが周設されている。
乗上げ突起17は、図2,図22に示す正面視で、環状壁部16の外周面16aに対して鋭角をなす傾斜面17aを有する。傾斜面17aは、各乗上げ突起17において、巻取リール31の回転方向(図22における反時計回り方法)に対向する側に設けられている。
操作ダイヤル34は、ラチェットアーム37の係止爪37bが環状壁部16のラチェット歯16bと係合することにより、操作ダイヤル34の逆回転が阻止されるようになっている。つまり、ラチェット歯16bとラチェットアーム37とは、清掃テープ2の逆送りを阻止する逆送り阻止機構として機能する(巻取リールの逆回転を防止する逆回転防止機構)。従って、清掃テープ2を所定の方向に安定して送り移動させ、清掃テープ2のたるみを抑制することができる。
また、操作ダイヤル34を巻取リール支持軸33に装着した状態では、図22(a)に示すように、ハンマーアーム38の打槌部38bの打撃面38cが環状壁部16の外周面16aに当接している。
操作ダイヤル34が回転すると、図22(b),(c)に示すように、打槌部38bが乗上げ突起17の傾斜面17aに沿って頂部17bまで乗り上がる。さらに操作ダイヤル34が回転すると、図22(d)に示すように、乗上げ突起17の支持を失って、ハンマーアーム38は、アーム部38aの弾発力により打槌部38bを環状壁部16の外周面16aに向けて振り下ろし、上記打槌部38bの打撃面38cが上記外周面16aに衝突する結果、打音が生じる。このように、清掃テープ2の送り量が一定量に達するごとに生じる打音により、作業者に清掃テープ2の送り量を報知することができる。
すなわち、本実施の形態の清掃工具1において、環状壁部16の乗上げ突起17と、操作ダイヤル34のハンマーアーム38により、清掃テープ2の送り量を報知する送り量報知機構が構成されている。
なお、1回の打音に相当する清掃テープ2の送り量は、光コネクタの1回の清掃に要する送り量とすることができる。また、複数回の打音が、光コネクタの清掃1回に相当する送り量となるようにすることもできる。光コネクタの汚れ具合に応じて、光コネクタの清掃1回に相当する打音の回数を適宜変えて作業することも差し支えない。
この清掃工具1の使用方法の一例として、光アダプタ70内に収容された光プラグ60の接合端面61aを清掃する手順の一例を説明する。
図17に示すように、清掃工具1の挿入部20を光アダプタ70のコネクタ挿入口71から挿入すると、挿入部20は、外面が光アダプタ70の内壁70aにより位置決めされながらコネクタ収容穴72に進入することにより、清掃テープ2は、光プラグ60の接合端面61aの適切な位置(ここでは、光ファイバ穴61bとその周辺)に位置決めされて当接させられる。
光プラグ60の接合端面61aにガイドピン65が突出していた場合でも、ガイドピン65は、ヘッド部材23に設けられたガイドピン挿通凹所23aに収容されるので、挿入部20は、ガイドピン65と干渉することなく、コネクタ収容穴72に収容することができる。
操作ダイヤル34を所定量回転させると、巻取リール31の回転と連動して清掃テープ2が運動し、この清掃テープ2により接合端面61aが拭き取り清掃されるので、接合端面61aに付着しているゴミや埃、油分などの汚れが、清掃テープ2により確実に拭き取られる。
拭き取られた汚れは、清掃テープ2に付着して巻取リール31に巻き取られる方向に移動するので、使用後の清掃テープ(下流部)2cは、もはや突出部19の開口部26から露出されることはなく、汚れが接合端面61aに再び付着するおそれがない。
従って、接合端面61aを極めて清浄に清掃することができる。
清掃後、清掃工具1を挿入したときと反対の方向(離脱方向)に引くことにより、挿入部20を容易に引き抜くことができる。
次に、光アダプタ70外の光プラグ60の接合端面61aを清掃する手順の一例を説明する。
図18に示すように、挿入部挿入口53に清掃工具1の挿入部20を挿入しておき、ガイドキャップ50の蓋55を外して開口したプラグ挿入口52に光プラグ60を挿入することにより、光プラグ60は、ハウジング62外面がガイドキャップ50の内壁により位置決めされながら、該ガイドキャップ50の内部空間54に進入する。このようにして光プラグ60を押し込むことにより、清掃テープ2は、光プラグ60の接合端面61aの適切な位置(ここでは、光ファイバ穴61bとその周辺)に位置決めされて当接させられる。
このように、光プラグ60の接合端面61aと挿入部20の清掃テープの当接部2a(ヘッド部材23に巻き回された清掃テープ2において、ヘッド部材23のテープ押圧面24に配置された部分)との突き合わせは、ガイドキャップ50によって適切に案内されるので、ガイドキャップ50内の光プラグ60の接合端面61aの清掃は、上記光アダプタ70内の光プラグ60の接合端面61aの場合と同様に行うことができる。
すなわち、本実施の形態の清掃工具1によれば、光アダプタ70内の光プラグ60の接合端面61aを、光アダプタ70内に収容されたままの状態で清掃することができるとともに、挿入部20にガイドキャップ50を装着することにより、光アダプタ70外の光プラグ60の接合端面61aを清掃することもできる。1種類の清掃工具でいずれの光プラグも清掃できるので、作業に必要な物品を少なくすることができる。
ガイドキャップ50の蓋55を閉じて挿入部20に装着しておくことにより、使用(清掃作業)しないときには、ガイドキャップ50が、突出部19の開口部26からの清掃テープ2の露出を防ぐキャップとして機能し、清掃工具1の保管や携帯の間に、ガイドキャップ50内部や清掃テープ2等が汚染することを防止できる。
ヘッド部材23は、そのテープ押圧面24が光プラグ60の接合端面61aと当接したときの押圧力に対して傾動しうるようになっているので、図15(d)に示すように接合端面61aが直角研磨(フラット研磨)されたフェルール61が当接された場合においても、図15(b)、(c)に示すように接合端面61aが斜め研磨されたフェルール61が当接された場合においても、テープ押圧面24の向きを接合端面61aの向きと合わせ、テープ押圧面24上の清掃テープ2aを、より均等かつ確実に接合端面61aに当接させることができる。また、清掃中に清掃工具1を持つ作業者が清掃工具1を不用意に揺らしたり、挿入部20が、光プラグ60の接合端面61aに露出する光ファイバ(裸光ファイバ63a)の光軸に対して傾斜するように傾動させてしまったとしても、その振れに追従して、ヘッド部材23のテープ押圧面24の向きをフェルール61の接合端面61aの向きに合わせて、清掃テープ2が面接触した状態を維持できるので、押圧力が局所的に集中することなく、ヘッド部材23のテープ押圧面24とフェルール61の接合端面61aとの間に、より均等に押圧力が作用し、接合端面61aをまんべんなく確実に清掃することができる。
ヘッドユニット4は、ヘッド部材23が、光プラグ60のフェルール61の押圧力によって、圧縮用ばね42等が弾性変形して挿入方向と反対の方向に後退することにより、ヘッド部材23に対するフェルール61の押圧力を緩和することができる。従って、挿入部20をコネクタ挿入口71から挿入して、ヘッド部材23をフェルール61に押し当てる際、押し込み力が直接に強く加わることがなく、ヘッド部材23が、フェルール61からの力を傾動用ばね41で緩和しながら受圧できるので、該接合端面61aや光ファイバ63a端面等の傷つきなどを抑制できる。
つまり、上記ヘッドユニット4は、ヘッド部材23に後側への押圧力が作用すると、傾動用ばね41、圧縮用ばね42の弾性変形によって、ヘッド部材23が突出部19の基端側(工具本体10側。図14(b),図15(a)〜(d)の右向き)に後退する。
このため、図15(a)〜(d)、図16、図17等に示すように、ヘッド部材23を光プラグ60の接合端面61aに押し当てたときに、光プラグ60の接合端面61aに対するヘッド部材23の押圧力が必要以上に過剰になることが回避されるとともに、傾動用ばね41及び圧縮用ばね42が、ヘッド部材23を光プラグ60の接合端面61aに弾性付勢する付勢手段として機能する。
また、ヘッド部材23の傾動は、清掃中に清掃工具1を持つ作業者が手ブレ等をしたとしても、ヘッド部材23がフェルール61を押圧する押圧力の変動を緩和して、接合端面61aに過大な押圧力が作用するのを抑制し、該接合端面61aや光ファイバ63a端面等の傷つきなどを抑制できる。
また、ゴミが光コネクタ60側のフェルール61等に押し付けられてこびり付くことが抑制され、ゴミを容易に拭き取ることができる。
また、圧縮用ばね42により、ヘッド部材23のテープ押圧面24の後退変位量を確保できるので、例えば、光学的基準面の位置が異なる光プラグや光トランシーバー等の光部品にも適応して、接合端面に清掃テープ2aの位置を合わせて清掃することができる。
ヘッドユニット4は、ヘッド部材23の傾動時に、上下方向(図15(a)〜(d)の上下方向)には殆ど(あるいは全く)変位しない。このため、光プラグ60の接合端面61aとヘッド部材23のテープ押圧面24との中心位置がずれて接合端面61aに清掃テープ2aがよく接触しなかったり、接合端面61aが清掃テープ2aに当接する当接力が不均等になったりすることが抑制され、接合端面61aの汚れをより確実に除去することができる。
挿入部20は清掃中も光アダプタ70のコネクタ収容穴72に位置決めされるので、位置ずれすることなく、清掃テープの当接部2aにより均等な押圧力で接合端面61aを拭き取り清掃することができる。また、挿入部20を、ごく軽い力で、光アダプタ70内に支持することができ、作業性がよい。
ここで、このヘッドユニット4における、ヘッド部材23の傾動について、より詳細に説明する。
図17は、この清掃工具1の挿入部20を光アダプタ70のコネクタ収容穴72に挿入して、ヘッドユニット4のヘッド部材23によって、清掃テープ2を、光プラグ60の接合端面61aに押し付けた状態を示す。
また、図15(a)〜(d)は、ヘッドユニット4における、ヘッド部材23及び傾動用ばね41の付近を模式的に示す図である。
図15(a)は、ヘッド部材23によって光プラグ60に清掃テープ2を押圧する前、図15(b)〜(d)は光プラグ60に清掃テープ2を押圧した状態を示す。
なお、図15(b)〜(d)は、光プラグ60の接合端面61aに押圧される前のテープ押圧面24の傾斜が、図15(a)(図15(b)のテープ押圧面24の傾斜も図15(a)と同じ)の向きになっている挿入部20を光アダプタ70に挿入して、ヘッド部材23を光プラグ60の接合端面61aに押圧した場合を示す。
挿入部20は、フェルール61に内蔵された光ファイバ63aの光軸を延長した軸線上を移動することで、光アダプタ70のコネクタ収容穴72に対して挿脱される。
図15(b)、(c)は、斜め研磨された接合端面61aを有する光プラグ60の場合、図15(d)は、フラット研磨された接合端面61a(フェルール61に内蔵された光ファイバ63a(図16)の光軸に垂直に研磨されている接合端面)を有する光プラグ60の場合を示す。
図15(b)、(c)の光プラグ60の接合端面61aは、図15(d)の光プラグ60の接合端面61aに比べて、8度傾斜した傾斜面になっている。
ここで、斜め研磨された接合端面61aの、フラット研磨の場合の接合端面に対する傾斜角度θ2(図16参照)は、テープ押圧面24の傾斜角度θ1(図13(b)参照)と一致されている。
但し、図15(b)と図15(c)とでは、接合端面61aの傾斜方向が逆になっている。
図15(b)では、光プラグ60の接合端面61aは、光アダプタ70に挿入した挿入部20のヘッド部材23のテープ押圧面24と向きが揃っている。
図15(c)では、光プラグ60の接合端面61aの傾斜が、図15(b)と逆向きになっている。
なお、図17も、図15(b)と同じく、光プラグ60の接合端面61aと、光アダプタ70に挿入した挿入部20のヘッド部材23のテープ押圧面24との向きが揃っている場合であり、図15(b)は図17の状態を模式的に示したものである。
図15(b)の場合は、光プラグ60の接合端面61aと、光アダプタ70に挿入した挿入部20のヘッド部材23のテープ押圧面24との向きが揃っているため、挿入部20を光プラグ60に向けて光アダプタ70に押し込んでいけば、ヘッド部材23は殆ど(あるいは全く)傾動すること無く、接合端面61aとの間に清掃テープ2を挟み込むようにして、接合端面61aに対して閉じ合わされることとなる。このとき、清掃テープ2の、ヘッド部材23のテープ押圧面24に沿って配置されている部分(当接部2a)全体を、均等の押圧力を以て、光プラグ60の接合端面61aに押し付けることができる。
図15(c)、(d)のように、光プラグ60の接合端面61aとヘッド部材23のテープ押圧面24との向きが合致していない場合は、ヘッド部材23から光プラグ60に押圧力を作用させたときに、ヘッド部材23に対して、テープ押圧面24の上端縁24a(ばね頂部側の端部)の側と下端縁24b(ばね裏側の端部)との側とに不均等な押圧力が作用することにより、傾動用ばね41が弾性変形してヘッド部材20が傾動する。
ヘッド部材20は、光アダプタ70に挿入した挿入部20の光プラグ60へ向けての押し込みの進行に伴い、傾動用ばね41の弾性変形によって、光プラグ60の接合端面61aに追従するように傾動し、最終的に、光プラグ60の接合端面61aに対して閉じ合わされて、接合端面61aとの間に清掃テープ2を挟み込んだ状態に至る。
図15(c)、(d)の場合は、光プラグ60の接合端面61aに対するヘッド部材23の押圧によって、光プラグ60(詳細にはフェルール61)からテープ押圧面24の下端縁24bに、上端縁24aに比べて相対的に後側への押圧力が作用し、傾動用ばね41が、前後方向両端間が接近するように弾性変形される。図15(c)、(d)では、アーチ状の傾動用ばね41の前後方向両端間の距離が縮小することで、図15(a)の状態に比べて、傾動用ばね41が上下に細長い形状となる。
また、テープ押圧面24の下端縁24bが、上端縁24aに比べて相対的に後側へ変位することで、ヘッド部材23に、テープ押圧面24の上端縁24aが前側へ変位する向きの変化が生じ、これにより、ばね頂部側のテープ押圧面24が、光プラグ60の接合端面61aに清掃テープ2を押し付けるようになる。
ここで、図15(c)、(d)の場合のヘッド部材23の向きの変化は、図24(c)、(d)の場合と同様に、傾動用ばね41全体の変形によって実現される。
図15(c)、(d)の場合、図24(b)を参照して説明したような現象、すなわち、傾動用ばね41の湾曲頂部412から突出先端411側の部分に、湾曲頂部412に対して突出先端411側を前側へ押し広げて湾曲半径を拡大するような変形が与えられるといった現象は発生しない。このため、傾動用ばね41全体の変形が円滑になされ、接合端面61aに対するテープ押圧面24の追従性を充分に確保できる。
その結果、テープ押圧面24から光プラグ60の接合端面61aへの押圧力の均等化を充分に実現でき、清掃テープ2の内のテープ押圧面24に配置されている部分2a(以下、当接部とも言う)を、接合端面61aに対して均等に押し付けることができ、高い清掃能力が得られる。
この清掃工具1によれば、傾動用ばね41の突出先端411に支持されたヘッド部材23のテープ押圧面24が、ばね頂部側からばね裏側に行くにしたがって前側、となるように傾斜されている構成により、ヘッド部材23によって清掃テープ2を接合端面61aに押し付ける際に、光プラグ60の接合端面61aの傾斜方向によらず、傾動用ばね41の弾性変形によって、テープ押圧面24に、接合端面61aに対する高い追従性を確保できる。このため、清掃テープ2の内のテープ押圧面24に配置されている部分を均等な押圧力を以て接合端面61aに押し付けることができ、高い清掃能力を確実に得ることができる。
また、この結果、光アダプタ70に対する挿入部20の挿入向きによらず(正逆切り換え)、高い清掃能力を確実に得ることができる。ヘッド部材23のテープ押圧面24に、光プラグ60の接合端面61aの傾斜方向に対する高い追従性が得られるため、清掃工具1の作業者による清掃工具1の傾動操作等によって、接合端面61に対するテープ押圧面24の向きに変動が生じる場合でも、高い清掃能力を安定に得ることができる。光プラグ60の接合端面61aに対する清掃テープ2の密接状態を維持できることも言うまでも無い。
テープ押圧面24の傾斜角度θ1は、光プラグ60の斜め研磨された接合端面61aの傾斜角度θ2(図16参照)と同じか、傾斜角度θ2よりも大きい(つまり、θ2≦θ1)ことが、上述の効果を確実に得る点で好ましい。
(テープ送り方向とテープ押圧面の傾斜との関係)
テープ送り機構3による清掃テープ2の送り方向は、図15(b)〜(d),図16等に示したように、清掃テープ2を巻き回したヘッド部材23のばね裏側の端部が送り方向上流側、ばね頂部側が送り方向下流側(テープ押圧面24においては、ばね裏側からばね頂部側に向かう送り移動となる)となる方向であることが、高い清掃能力の安定確保の点で好ましい。
これは、挿入部20に組み込まれているヘッドユニット4が、突出部19に支持されている支持部本体44の前端に、アーチ状の傾動用ばね41とヘッド部材23とを片持ちに支持している構造であることに起因する。
ヘッド部材23は、テープ送り機構3の操作によって清掃テープ2が送り移動されたときに、該ヘッド部材23に巻き回されている清掃テープ2との接触抵抗により、清掃テープ2に追従するようにして、清掃テープ2の送り方向下流側への変位力を受ける。これにより、傾動用ばね41に変形力が与えられる。
清掃テープ2の送り方向が、ヘッド部材23においてばね裏側からばね頂部側に向かう方向であれば、ヘッド部材23と清掃テープ2との接触抵抗により、ヘッド部材23のばね裏側端部に傾動用ばね41の突出先端411を中心とする前側への回転力、ばね頂部側端部に後側への変位力が作用する。
ここで、実際に、ヘッド部材23のばね裏側端部に、傾動用ばね41の突出先端411を中心とする前側への回転変位を生じるには、図24(b)を参照して説明したような現象、すなわち、アーチ状の傾動用ばね41の湾曲頂部412から突出先端411側の部分に、湾曲頂部412に対して突出先端411側を前側へ押し広げて湾曲半径を拡大するような変形が与えられて、湾曲頂部412に対して相対的に突出先端411がフェルール61への押圧方向前側へ変位するといった現象を伴う。
しかし、図15(b)〜(d)に示すように、ヘッド部材23からの押圧力によって光プラグ60の接合端面61aに清掃テープ2を押し付けて密接させた状態では、アーチ状の傾動用ばね41の前端(突出先端411)に支持されているヘッド部材23のばね裏側部分の前側への変位が、光プラグ60の接合端面61aによって規制されるため、アーチ状の傾動用ばね41の湾曲頂部412から突出先端411側の部分に、湾曲頂部412に対して突出先端411側を前側へ押し広げて湾曲半径を拡大するような変形が与えられて、湾曲頂部412に対して相対的に突出先端411がフェルール61への押圧方向前側へ変位するといった現象が生じる余地が無い。このため、フェルール61の接合端面61aとヘッド部材23のテープ押圧面24とが清掃テープ2を挟み込むようにして閉じ合わされた状態で、清掃テープ2の送り移動を行っても、ヘッド部材23の向きが変わることは無い。また、テープ押圧面24からの押圧力によって接合端面61aに清掃テープ2を均等に押圧する押圧状態も安定に得られる。
然るに、清掃テープ2の送り方向が、ヘッド部材23においてばね裏側からばね頂部側に向かう方向であれば、テープ押圧面24による接合端面61aへの清掃テープ2の均等な押圧状態を安定に維持でき、高い清掃能力を安定に得ることができる。
一方、仮に、テープ送り機構3の操作による清掃テープ2の送り方向を、テープ押圧面24において、ばね頂部側からばね裏側へ向かう方向(つまり、図15(b)〜(d),図16に矢印で示したテープ送り方向とは逆向きの移動)とした場合は、例えば、ヘッド部材23のばね裏側端部に、清掃テープ2との接触によってヘッドユニット4後側への、ヘッドユニット4の傾動用ばね41及び圧縮用ばね42による接合端面61aに対するヘッド部材23の押圧力を超える強い変位力が作用したときに、ヘッドユニット4後側への変位が生じる可能性がある。
ヘッド部材23のばね裏側部分は、傾動用ばね41及び圧縮用ばね42の弾性変形によって、ヘッドユニット4後側への変位が可能である。このため、清掃テープ2の送り移動によって、ヘッド部材23のばね裏側端部に、ヘッドユニット4後側への強い変位力が作用すると、傾動用ばね41及び圧縮用ばね42の弾性変形によって、ヘッドユニット4後側への変位が生じ得る。
このとき、ヘッド部材23のばね頂部側部分は、前側への変位が、光プラグ60の接合端面61aによって規制されている。ヘッド部材23のばね裏側部分のヘッドユニット4後側への変位は、ヘッド部材23のばね頂部端部を中心とする、ヘッド部材23の回転変位によって生じる。
したがって、この清掃工具1によれば、清掃テープ2を巻き回したヘッド部材23のばね裏側の端部が送り方向上流側、ばね頂部側が送り方向下流側(テープ押圧面24においては、ばね裏側からばね頂部側に向かう送り移動となる)となる方向であれば、図15(b)〜(d)に示したいずれの場合でも、高い清掃能力の安定確保の点で有利である。
なお、図10(a)〜(d)、図11、図13、図15(a)〜(d)等では、ヘッド部材として、ヘッドユニット4の前後方向に垂直の裏面23bと、該裏面23bに対して傾斜するテープ押圧面24とを具備する三角ブロック状のヘッド部材23を例示したが、ヘッド部材としては、図20(a)〜(d)に例示したように、テープ押圧面24と平行の裏面23cを具備する、プレート状のヘッド部材23を採用することも可能である。この場合も、テープ押圧面24によって、光プラグ60のフラット研磨あるいは斜め研磨された接合端面61aに、清掃テープ2を押し付ける場合のヘッド部材の傾動等の、ヘッドユニット4の挙動は、三角ブロック状のヘッド部材23の場合と同様である。
図20(b)〜(d)の光プラグ60の接合端面61aの向きは、図15(b)〜(d)に対応させてある。
本実施の形態の清掃工具は、POMやPSなどの可燃性材料から、ネジなどの金属部品を用いることなく組み立てて製造することができるので、使用後は分解することなく焼却処分することができる。
以上、本発明を好適な実施の形態に基づいて説明してきたが、本発明はこの実施の形態のみに限定されるものではなく本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の改変が可能である。
(1) 図6,図7等に示すように、上記実施の形態の清掃工具について、傾動用ばね、圧縮用ばねの弾性変形により、ヘッド部材のテープ押圧面が挿入部の厚み方向(例えば図8でいえば左右方向)に傾動することを説明したが、この清掃工具においては、ヘッド部材は、傾動用ばね、圧縮用ばねの弾性変形により、テープ押圧面が挿入部の幅方向(例えば図8でいえば左右方向)にも傾動しうる。
この場合、挿入部のヘッド部の向きとフェルールの接合端面の向きをよりよく合わせることができ、より良好に接合端面を清掃することができる。
但し、本発明では、テープ押圧面が挿入部の厚み方向(例えば図8でいえば左右方向)のみに傾動するように、ヘッド部材を傾動可能とした構成を排除しない。
(2) 挿入部は、突出方向の複数箇所に、互いに異なるコネクタハウジングへの挿入によってコネクタハウジング内で位置決めされる単位挿入部が形成されており、挿入部の各単位挿入部は、挿入部の突出方向の位置が相対的に後ろ側に位置する単位挿入部を収容することができる全てのコネクタハウジングに、挿入可能であるように形成されているものとすることができる。このような清掃工具によれば、それぞれの単位挿入部により、挿入部を互いに異なるコネクタハウジングに対して位置決めされるように挿入することができ、1つの清掃工具を用いて、コネクタハウジングの異なる複数の種類やサイズなどに対応して、このコネクタハウジング内の光コネクタの接合端面の清掃を行うことができる。
(3) 挿入部は、工具本体に対して複数種類の挿入部が交換可能なものとして構成することもできる。これにより、工具本体を変更することなく、挿入部の変更のみによって、コネクタハウジングの種類やサイズなどに対応して、このコネクタハウジング内の光コネクタの接合端面の清掃を行うことができる。
(4) テープを送り移動する駆動機構(テープ送り機構)は、手動により駆動されるものに限定されず、モータやバネなどの動力により駆動されるようにしたものでもよい。
また、手動と動力による駆動とを、併用したり、必要に応じて切り換えられるようにしてもよい。
(5) 上記実施の形態の清掃工具においては、挿入部は、工具本体に突設された筒状の突出部19内に、ヘッドユニットを組み込み、ヘッドユニットのヘッド部材に巻き回した清掃テープ(但し、テープ押圧面に配置された当接部付近を除く)を収容した構成を例示したが、本発明は、必ずしも、これに限定されない。挿入部をコネクタハウジングに挿入するに、清掃テープがコネクタハウジングの内壁などに接触して汚染されるのを防げるのであれば、突出部の形状や構造は特に限定されず、必ずしもスリーブ状である必要はなく、例えば、突出部が、細長板状、チャンネル形といった形状の突片であっても良い。
(6) 送り量報知機構としては、上記実施の形態の構成に限定させず、例えば、清掃テープの送り量に対応して、音やランプの点灯・点滅などの信号を発生させることにより、清掃テープの送り量を報知するような任意の機構を採用することができる。
(7)上述の実施形態では、キー無しの挿入部(突出部19の先端部19AにMPOアダプタのキー溝に挿入されるキーが突設されていない挿入部)を例示したが、本発明は、キー有りの挿入部を排除するものではない。
(8)傾動用ばねとしては、上述の実施形態に例示した円弧板状のものに限定されず、例えば、S字形、波形等のものであっても良い。
湾曲頂部が2以上存在する傾動用ばねについては、傾動用ばねの突出先端を介して両側の内、ヘッド部材から最も近い所に位置する湾曲頂部の側を「ばね頂部側」、反対側を「ばね裏側」と称することとする。
(9)上記実施形態では、ヘッドユニット4が、該ヘッドユニット4の前後方向が、突出部19の工具本体10からの突出方向、より具体的には、筒状の突出部19の中心軸線に沿った方向に揃えた向きで、突出部19に組み込まれた構成の挿入部を例示したが、本発明はこれに限定されず、例えば、ヘッドユニットを、その前後方向が、該突出部19の中心軸線に対して傾斜させて突出部19に組み込むことで、ヘッド部材のテープ押圧面を突出部19の中心軸線に対して所望角度傾斜させた構成も採用可能である。
この場合も、突出部19の中心軸線に沿う方向を基準として、ヘッド部材のばね裏側が、ばね頂部側に比べて相対的に前側(光コネクタ等の光部品の端面への押圧方向前側)となるように傾斜させる。
(10) 上記実施の形態の清掃工具は、光ファイバアレイや基板型光導波路(Planar Lightwave Circuit)、光トランシーバーなどの光部品について用いられる光部品清掃工具として、光導波路(光ファイバでありうる)の端面が配置された光部品の端面の清掃に用いることもできる。
光ファイバアレイとしては、光ファイバが、基板に形成された1本または並設された複数のV溝等の位置決め溝に保持され、前記位置決め溝は、該基板の少なくとも一端まで延在しており、前記基板の一端に前記光ファイバの端面が配置されることにより、端面とされたものなどが挙げられる。基板型光導波路を有した光部品も種々の構成が知られている。本発明の光部品清掃工具によれば、光部品の端面がハウジングなどの凹所に配置されている場合でも、光コネクタの接合端面の代わりに、他の光部品の端面、つまり、光ファイバの端面や基板等の端面を、ヘッドに巻き掛けられた清掃テープによって清掃することができる。
本発明は、例えば光コネクタや光部品を、他の光コネクタや光部品と光接続する前に、接合端面を清掃するために用いることができる。
本発明の一実施の形態に係る光コネクタ清掃工具の外観を示す図であって、(a)は平面図、(b)は正面図である。 図1の清掃工具に係る第2のケース半体を示す図であって、(a)は図2(b)のII−II線に沿う断面図、(b)は正面図である。 図1の清掃工具に係る第1のケース半体を示す図であって、(a)は図3(b)のIII−III線に沿う断面図、(b)は正面図である。 図1の清掃工具の内部を示す断面図である。 図1の清掃工具の内部を示す断面図である。 本清掃工具のダイヤルの一例を示す図であって、(a)は図6(b)のVI−VI線に沿う断面図、(b)は正面図である。 図6のダイヤルの斜視図である。 本清掃工具の供給リールおよび巻取リールの一例を示す図であって、(a)は正面図、(b)は図8(a)のVIII−VIII線に沿う断面図である。 図8に示す供給リールおよび巻取リールを支持軸に装着した状態を示す部分断面図である。 本清掃工具のヘッドユニットの(a)正面図、(b)平面図、(c)左側面図、(d)右側面図である。 図10に示すヘッドユニットの斜視図である。 本清掃工具のガイドキャップの(a)正面図、(b)平面図、(c)左側面図、(d)右側面図である。 本清掃工具の工具先端部の(a)平断面図および(b)正断面図である。 本清掃工具の挿入部付近を示す図であって、(a)はヘッド部材側から見た構造を示す図、(b)は正面図である。 本清掃工具のヘッド部材によって清掃テープを光プラグの接合端面に押し付ける場合のヘッドユニットの挙動を説明する図であって、(a)は押し付け前、(b)、(c)は光プラグの斜め研磨された接合端面への押し付け、(d)は光プラグのフラット研磨された接合端面への押し付けを示す。 本清掃工具のヘッドユニットのヘッド部材によって、光プラグの斜め研磨された接合端面に清掃テープを押し付けた状態を示す図である。 光コネクタプラグの斜め研磨された接合端面が、ヘッド部材の先端面に当接した状態を示す概略図である。 本清掃工具の挿入部と光コネクタプラグとが、ガイドキャップに挿入された状態の一例を示す断面図である。 光コネクタプラグのフェルールの一例を示す正面図である。 本清掃工具のヘッドユニットのヘッド部材がプレート状である場合において、前記ヘッド部材によって清掃テープを光プラグの接合端面に押し付ける場合のヘッドユニットの挙動を説明する図であって、(a)は押し付け前、(b)、(c)は光プラグの斜め研磨された接合端面への押し付け、(d)は光プラグのフラット研磨された接合端面への押し付けを示す。 本清掃工具の挿入部と光コネクタプラグとが、光コネクタアダプタに挿入される状態を示す分解斜視図である。 (a)〜(d)は、本清掃工具に係る送り量報知機構の動作を説明する図である。 従来のクリーナーをコネクタ用位置決めハウジングに挿入した状態の一例を示す断面図である。 従来のクリーナーのヘッドユニットのヘッドプレートによって清掃テープを光プラグの接合端面に押し付ける場合のヘッドユニットの挙動を説明する図であって、(a)は押し付け前、(b)、(c)は光プラグの斜め研磨された接合端面への押し付け、(d)は光プラグのフラット研磨された接合端面への押し付けを示す。
符号の説明
1…清掃工具(光コネクタ清掃工具、光部品清掃工具)、2…清掃テープ、3…テープ送り機構、4…ヘッドユニット、10…工具本体、19…突出部、19A…突出部の先端部、20…挿入部、23…ヘッド部材、24…テープ押圧面、24c…ヘッド部材の先端面の中心位置、25A、25B…ガイド溝、40…ヘッド支持部、41…傾動用ばね、411…傾動用ばねの突出先端、412…傾動用ばねの湾曲頂部、42…圧縮用ばね、43…取付部、44…支持部本体、50…ガイドキャップ、60…光コネクタ(光部品)、61a…接合端面(光部品の端面)、70…コネクタ用位置決めハウジング(光コネクタアダプタ、光アダプタ)、72…コネクタ収容穴、72a…キー溝。

Claims (11)

  1. 光コネクタ(60)の接合端面(61a)を、清掃テープ(2)の送り移動により拭き取り清掃する光コネクタ清掃工具であって、
    前記清掃テープの供給及び巻き取りを行うテープ送り機構(3)が組み込まれた工具本体(10)と、この工具本体に突設され、前記光コネクタを収容して接続するためのコネクタ用位置決めハウジング(70)に挿入される挿入部(20)とを具備し、前記挿入部には、前記清掃テープの前記工具本体から引き出された部分が巻き回されたテープ押し付け機構(4)が設けられ、
    前記テープ押し付け機構(4)は、前記光コネクタの前記接合端面に対する前記清掃テープの当接面積を確保するためのテープ押圧面(24)が形成されたヘッド部材(23)と、このヘッド部材を前記テープ押圧面が前記光コネクタへの押圧方向に対して傾斜した向きで支持するヘッド支持部(40)とを有し、
    前記ヘッド支持部は、前記工具本体に突設された突出部(19)に取り付けられる支持部本体(44)と、この支持部本体の前記光コネクタへの押圧方向前端に突設された円弧状あるいは波形の傾動用ばね(41)とを具備し、前記ヘッド部材を、前記傾動用ばねの前記支持部本体からの突出先端に、前記傾動用ばねの弾性変形によって傾動可能として支持しており、
    前記ヘッド部材は、前記傾動用ばねの前記支持部本体からの突出先端(411)から、前記傾動用ばねの前記ヘッド部材に最も近い湾曲頂部(412)の側であるばね頂部側とその反対の側であるばね裏側とに張り出すように延出され、前記前記テープ押圧面は、前記ヘッド部材の前記ばね頂部側の端部からばね裏側の端部に行くにしたがって、前記光コネクタへの押圧方向前側となるように傾斜されていることを特徴とする光コネクタ清掃工具(1)。
  2. 前記傾動用ばねが円弧板状あるいは波板状であることを特徴とする請求項1記載の光コネクタ清掃工具。
  3. 前記テープ押圧面(24)の傾斜角度(θ1)が、前記光コネクタ(60)の斜め研磨された接合端面(61a)の傾斜角度(θ2)と同じか、それよりも大きいことを特徴とする請求項1又は2記載の光コネクタ清掃工具。
  4. 前記支持部本体は、前記突出部に固定される取付部(43)と、この取付部と前記傾動用ばねとの間に設けられ前記ヘッド部材を前記光コネクタの前記接合端面に押圧する押圧力によって押し縮められる圧縮用ばね(42)とを具備することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の光コネクタ清掃工具。
  5. 前記テープ押し付け機構(4)が、前記ヘッド部材(23)と前記ヘッド支持部(40)とが一体に形成された合成樹脂製の一体成形品であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の光コネクタ清掃工具。
  6. 前記圧縮用ばね(42)は波形に形成されており、2つ並列に設けられた前記圧縮用ばねによって、前記取付部(43)と前記傾動用ばねとの間を橋絡する弾性橋絡部が構成されていることを特徴とする請求項4又は5記載の光コネクタ清掃工具。
  7. 前記ヘッド部材には、前記清掃テープが、前記ヘッド部材の前記ばね裏側がばね頂部側に比べて前記清掃テープの流れ方向上流側となるように、巻き回されていることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の光コネクタ清掃工具。
  8. 前記ヘッド部の、前記テープ押圧面を介してばね頂部側及びばね裏側の端部に、前記清掃テープの幅方向のずれを防ぐガイド溝(25A,25B)が形成されており、前記清掃テープの前記テープ押圧面を介して流れ方向の上流側および下流側の部分が前記ガイド溝に収容されていることを特徴とする請求項7記載の光コネクタ清掃工具。
  9. 前記コネクタ用位置決めハウジングは、光コネクタを収容するコネクタ収容穴(72)と、該コネクタ収容穴内面に該コネクタ収容穴の中心軸線方向に沿って延在する溝状に形成され、前記光コネクタの側部に突設されているキー(62a)が挿入されるキー溝(72a)とを具備し、
    前記工具本体の前記突出部(19)の先端に前記テープ押し付け機構(4)を組み込んで、前記コネクタ用位置決めハウジングに挿入可能に構成された前記挿入部(20)が、前記コネクタ用位置決めハウジングの前記コネクタ収容穴及び前記キー溝の内、前記コネクタ収容穴のみに挿入可能であり、しかも、前記挿入部は、前記キー溝側と前記キー溝とは反対の側とが対称の断面形状になっている前記コネクタ収容穴に対して、表裏反転による正逆の2つの挿入方向で挿入可能な、表裏対称の断面外形になっていることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の光コネクタ清掃工具。
  10. 光部品(60)の端面(61a)を、清掃テープ(2)の送り移動により拭き取り清掃する光部品清掃工具であって、
    前記清掃テープの供給及び巻き取りを行うテープ送り機構(3)が組み込まれた工具本体(10)と、この工具本体に突設され、前記光部品を収容するハウジング(50、70)に挿入される挿入部(20)とを具備し、前記挿入部には、前記清掃テープの前記工具本体から引き出された部分が巻き回されたテープ押し付け機構(4)が設けられ、
    前記テープ押し付け機構(4)は、前記光部品の前記端面に対する前記清掃テープの当接面積を確保するためのテープ押圧面(24)が形成されたヘッド部材(23)と、このヘッド部材を前記テープ押圧面が前記光部品への押圧方向に対して傾斜した向きで支持するヘッド支持部(40)とを有し、
    前記ヘッド支持部は、前記工具本体の前記突出部(19)に取り付けられる支持部本体と、この支持部本体の前記光部品への押圧方向前端に突設された円弧状あるいは波形の傾動用ばね(41)とを具備し、前記ヘッド部材を、前記傾動用ばねの前記支持部本体からの突出先端に、前記傾動用ばねの弾性変形によって傾動可能として支持しており、
    前記ヘッド部材は、前記傾動用ばねの前記支持部本体からの突出先端から、前記傾動用ばねの前記ヘッド部材に最も近い湾曲頂部の側であるばね頂部側とその反対の側であるばね裏側とに張り出すように延出され、前記前記テープ押圧面は、前記ヘッド部材の前記ばね頂部側の端部からばね裏側の端部に行くにしたがって、前記光部品への押圧方向前側となるように傾斜されていることを特徴とする光部品清掃工具(1)。
  11. 光部品(60)の端面(61a)を、清掃テープ(2)の送り移動により拭き取り清掃する光コネクタ清掃工具であって、
    前記清掃テープの供給及び巻き取りを行うテープ送り機構(3)が組み込まれた工具本体(10)と、この工具本体に突設された突出部(19)に組み込まれ、前記清掃テープの前記工具本体から引き出された部分を光部品の端面に押し付けるテープ押し付け機構(4)とを具備し、
    前記テープ押し付け機構(4)は、前記光部品の前記端面に対する前記清掃テープの当接面積を確保するためのテープ押圧面(24)が形成されたヘッド部材(23)と、このヘッド部材を前記テープ押圧面が前記光部品への押圧方向に対して傾斜した向きで支持するヘッド支持部(40)とを有し、
    前記ヘッド支持部は、前記工具本体に突設された突出部(19)に取り付けられる支持部本体(44)と、この支持部本体の前記光部品への押圧方向前端に突設された円弧状あるいは波形の傾動用ばね(41)とを具備し、前記ヘッド部材を、前記傾動用ばねの前記支持部本体からの突出先端に、前記傾動用ばねの弾性変形によって傾動可能として支持しており、
    前記ヘッド部材は、前記傾動用ばねの前記支持部本体からの突出先端(411)から、前記傾動用ばねの前記ヘッド部材に最も近い湾曲頂部(412)の側であるばね頂部側とその反対の側であるばね裏側とに張り出すように延出され、前記前記テープ押圧面は、前記ヘッド部材の前記ばね頂部側の端部からばね裏側の端部に行くにしたがって、前記光部品への押圧方向前側となるように傾斜されていることを特徴とする光部品清掃工具(1)。
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