JP5178626B2 - 光コネクタ清掃工具 - Google Patents

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Description

本発明は、コネクタ用位置決めハウジング内の光コネクタの接合端面を、清掃体の送り移動によって清掃する光コネクタ清掃工具に関する。
アダプタやレセプタクルなどのコネクタ用位置決めハウジング内での光コネクタ同士の接続は、各光コネクタの接合端面に臨む光ファイバの端面同士を突き合わせることで実現される。
コネクタ用位置決めハウジングに光コネクタを挿入して突き合わせ接続する際には、光コネクタの接合端面に汚れが付着していると、着脱時の損傷や伝送損失の増大などの原因になるため、突き合わせ接続に先だって、接合端面を清掃する必要がある。
光コネクタ清掃工具としては、光コネクタの接合端面に清掃体を接触させて清掃するものがある(例えば、特許文献1参照)。
特開2002−90576号公報
特許文献1記載の光コネクタ清掃工具では、光コネクタに挿入可能なピン(当接部材)の先端に糸を供給し、このピンによって糸を光コネクタの接続端面に押し当てて清掃作業を行う。
この光コネクタ清掃工具では、作業者が誤って触れてしまうことによりピンが破損するのを防止する必要がある。
本発明は、前記事情に鑑みてなされたもので、清掃対象となる光コネクタの接続端面に清掃体を押し当てる当接部材の破損を防止できる光コネクタ清掃工具の提供を目的としている。
本発明は、光コネクタの接合端面を、清掃体の送り移動により拭き取り清掃する光コネクタ清掃工具であって、前記清掃体の供給および巻き取りを行う送り機構がケース体に組み込まれた工具本体と、コネクタ用位置決めハウジングのコネクタ収容穴に挿入される挿入部とを備え、前記挿入部が、前記清掃体を前記コネクタ収容穴内の前記接合端面に押し当てる押圧面を有するヘッド部材と、前記ヘッド部材が挿通する挿入筒体とを有し、前記挿入筒体は、筒体基部と、その挿入方向の先端側に設けられた先端筒部と、これらの間に設けられて前記先端筒部を挿入方向に付勢する付勢手段とを備え、前記先端筒部は、前記挿入方向およびその反対方向に移動可能であり、前記ケース体に対し軸回り方向に回動自在であって、通常は前記ヘッド部材を収容し、かつ前記コネクタ収容穴に挿入したときには前記コネクタ用位置決めハウジングからの反力により前記反対方向に移動して前記ヘッド部材の押圧面を露出させる光コネクタ清掃工具を提供する。
前記先端筒部の先端には、前記ヘッド部材の先端部が出没自在に挿通する挿通口部が形成された先端壁部が設けられていることが好ましい。
前記挿通口部は、前記ヘッド部材の先端部の断面形状に沿う形状を有することが好ましい。
前記挿入筒体は、前記先端筒部が挿通する外筒体を備え、前記外筒体には、前記先端筒部に形成された段部に係止して前記先端筒部の挿入方向への移動を規制するストッパ部が形成されていることが好ましい。
前記ケース体に、前記ヘッド部材を軸回りに回転させる回転機構が組み込まれ、前記回転機構は、前記ケース体に対し位置決めされた支持体と、前記ヘッド部材が装着される回転シャフトを備え、前記回転シャフトは、前記支持体に形成された挿入凸部が挿入されるカム溝が形成された回転筒部と、前記回転筒部から前記挿入方向に延びてその先端に前記ヘッド部材が装着されるガイド筒部とを有し、前記ケース本体を前記支持体とともに前記挿入部に対し前記挿入方向に移動することによって、前記回転筒部が前記カム溝に沿って移動し、これによって前記ヘッド部材が前記清掃体を前記接合端面に当接させた状態で軸回りに回転することが好ましい。
前記ヘッド部材には、前記ガイド筒部に形成された係合凹部に係止して前記ヘッド部材の脱落を阻止する係合爪が形成されていることが好ましい。
本発明によれば、通常状態では先端筒部がヘッド部材を収容するので、作業者が誤って触れることによりヘッド部材が破損するのを防止できる。
また、先端筒部はコネクタ用位置決めハウジングのコネクタ収容穴に挿入したときには後方移動してヘッド部材の押圧面を露出させるので、容易な操作で光コネクタの接合端面を清掃できる。
本発明に係る光コネクタ清掃工具の一実施形態を示す斜視図である。 光コネクタ清掃工具の要部を拡大した斜視図である。 光コネクタ清掃工具の要部を拡大した斜視図である。 光コネクタ清掃工具の分解斜視図である。 挿入筒体を示す斜視図である。 挿入筒体を示す分解斜視図である。 挿入筒体を示す断面図である。 挿入筒体を示す断面図である。 支持体を示す斜視図である。 ヘッド部材を示す斜視図である。 回転機構の回転シャフトを示す斜視図である。 回転シャフトおよびその先端に取り付けられたヘッド部材を示す一部断面図である。 回転シャフトおよびその先端に取り付けられたヘッド部材を示す一部断面図である。 送り機構を示す分解斜視図である。 光コネクタ清掃工具の使用方法を示す工程図である。 前図に続く工程図である。 前図に続く工程図である。 光コネクタ清掃工具の回転シャフトの動作を示す説明図である。 光コネクタ清掃工具の回転シャフトの動作を示す説明図である。 光コネクタ清掃工具の使用方法を示す工程図である。
以下、本発明を実施した光コネクタ清掃工具(以下、単に「清掃工具」ともいう)を、図面を参照して説明する。
まず、清掃工具1が適用される光コネクタプラグ60(光コネクタ。以下、単に光プラグともいう)と、光コネクタアダプタ70(コネクタ用位置決めハウジング。以下、単に光アダプタともいう)を説明する。
図20に示すように、光プラグ60は、フェルール61をスリーブ状のハウジング62の先端部に収容した構成の光コネクタプラグである。
フェルール61の接合端面61aの中央部には、光ファイバ穴61b(微細孔)が開口している。光ファイバ穴61bには、光ファイバ63が挿通しており、光ファイバ63の先端は接合端面61aに露出している。
光ファイバ63は、例えば光ファイバ心線の先端部の被覆樹脂を除去した光ファイバ裸線であり、光ファイバ63は、これにより他の光コネクタと突き合わせ接続可能に成端されている。ここでは、円筒状のフェルール61を例示する。フェルールとしては、周知の単心光フェルール、例えばLC形フェルール、SC形フェルールなどが使用できる。
光アダプタ70は、コネクタ収容穴72を有するスリーブ状に形成されており、光プラグ60をコネクタ収容穴72内に挿入することができる。
光プラグ60は、光アダプタ70のコネクタ挿入口71から挿入されると、挿入方向からずれた方向への変位を規制されつつ、コネクタ収容穴72に収容される。
光アダプタ70は、両端から2つの光プラグ60が挿入されると、フェルール61同士が突き合わされ、光ファイバ63同士が光接続されるように構成されている。
符号73は、光アダプタで一般的に用いられている位置決め用の割りスリーブを示す。
以下、清掃工具1の構造を説明する。
図1は、本発明の光コネクタ清掃工具の一実施形態である清掃工具1の斜視図である。図2および図3は、清掃工具1の要部を拡大した斜視図である。図4は、清掃工具1の分解斜視図である。図5は、挿入筒体21を示す斜視図である。図6は、挿入筒体21を示す分解斜視図である。図7は、挿入筒体21を示す断面図である。図8は、挿入筒体21を示す断面図である。図9は、支持体51を示す斜視図である。図10は、ヘッド部材23を示す斜視図である。図11は、回転機構5の回転シャフト52を示す斜視図である。図12および図13は、回転シャフト52およびその先端に取り付けられたヘッド部材23を示す一部断面図である。図14は、送り機構3を示す分解斜視図である。
図1〜図4に示すように、清掃工具1は、工具本体10と、光アダプタ70に挿入される挿入部20とを備えている。なお、以下の説明において、図1に示すように、挿入部20の先端方向(挿入方向)を前方といい、その反対方向を後方ということがある。
図1および図4に示すように、工具本体10は、清掃体2の供給および巻き取りを行う送り機構3と、ヘッド部材23を回転させる回転機構5とがケース体11内に設けられている。
ケース体11は、断面略矩形の筒状に形成され、4枚の側板部11aのうちひとつの後部には、位置決め凸部57が挿入される位置決め開口部12が形成されている。
位置決め開口部12は、前後方向に沿うスリット状に形成されている。位置決め開口部12の前部および後部の側縁には、位置決め凸部57が嵌合する第1および第2嵌合凹部13、14が形成されている。
ケース体11の前端には、挿入部20が挿通する挿通口11cが形成されている。
図4に示すように、回転機構5は、ケース体11に対し位置決めされた支持体51と、軸回りに回転可能な回転シャフト52を備えている。
図9に示すように、支持体51は、前後方向に沿う長板状の基板53と、基板53の前端部の内面53aから突出して形成された挿入凸部54と、基板53の両側縁部から内面53a側に突出して形成された側板55と、基板53の後端縁部から内面53a側に延出して形成された後端板58とを備えている。
一方の側板55には鋸歯状のギア受け部56が形成されている。
ギア受け部56は、一方の側板部55に他方の側板55に向けて突出して形成された複数の受け歯部56aからなる。受け歯部56aは、支持体51の長さ方向(前後方向)に配列されている。
後端板58の前面58aには保持凸部59が形成されている。
挿入凸部54は、略円筒状に形成され、その突出高さおよび外径は、回転筒部82のカム溝85に嵌合可能となるように設定されている。
基板53の後部には板状の弾性片65が形成され、弾性片65の後端部の上面(外面)には位置決め凸部57が上方(外方)に突出して形成されている(図4参照)。
図4、図11〜図13に示すように、回転シャフト52は、回転筒部82と、回転筒部82の前端から前方に延出するガイド筒部81とを備えている。
回転シャフト52内には、清掃体2が挿通する挿通孔83が、ガイド筒部81の前端から回転筒部82の後端にわたって形成されている。
ガイド筒部81は略円筒状に形成され、前端部において挿通孔83にヘッド部材23の挿入部91を挿入できる。ガイド筒部81の前端部の内面には、内面が平坦に形成された回転止部84が形成されている。
図4に示すように、回転筒部82は略円筒状に形成され、その外面には、支持体51の挿入凸部54が挿入されるカム溝85が形成されている。
カム溝85は、前後方向にわたって、少なくとも一部が回転筒部82の軸方向に対し傾斜して形成されている。このため、後述するように、回転シャフト52が前後方向に移動すると、回転筒部82がカム溝85に沿って移動することによって、回転シャフト52は軸回りに回転する。図示例では、カム溝85は螺旋状に形成されている。
図10、図12および図13に示すように、ヘッド部材23は、ガイド筒部81の挿通孔83に挿入可能な挿入部91と、挿入部91の前端に形成されたフランジ部92と、フランジ部92の前面から前方に延出する略円筒状の先端部28とを備えている。
先端部28の先端面は、清掃体2を接合端面61aに押し当てる押圧面24である。
図10に示すように、押圧面24には、清掃体2が挿通する開口部であるガイド口部25A、25Bが形成されている。
一方のガイド口部25Aは、送り機構3からの清掃体2を押圧面24に導くものであり、他方のガイド口部25Bは、押圧面24を通過した清掃体2を送り機構3に導くものである。ガイド口部25A、25Bによって、清掃体2が押圧面24から外れるのを防ぐことができる。
先端部28の側面には、清掃体2の送り移動をガイドするガイド溝26A、26Bを形成するのが好ましい。ガイド溝26A、26Bはフランジ部92および挿入部91の側面にも形成されている。
図10〜図13に示すように、挿入部91には、ガイド筒部81に形成された回転止部84に即した形状の平坦部93が形成されており、平坦部93が回転止部84に沿って配置されるためヘッド部材23はガイド筒部81に対して回転しない。図示例では平坦部93は挿入部91の一方および他方の面に形成されている。
図10に示すように、挿入部91の一方の平坦部93の後部には開口部93aが形成され、その後縁には前方に延出する弾性片93bが形成され、弾性片93bの先端には、平坦部93に対し突出する係合爪93cが形成されている。
図11および図13に示すように、係合爪93cは、ガイド筒部81に形成された係合開口部81a(係合凹部)の前縁に係止可能であり、係合爪93cが係合開口部81aの前縁に係止することでヘッド部材23の前方移動が規制され、ヘッド部材23の脱落を防止できる。
図4、図10〜図14に示すように、ヘッド部材23には、供給リール30から引き出された清掃体2が巻き回されている。
図示例では、清掃体2は、工具本体10内の供給リール30から回転シャフト52の挿通孔83内を通り、ヘッド部材23のガイド溝26A、ガイド口部25Aを通って押圧面24に至り、ガイド口部25B、ガイド溝26Bを経て巻取リール31に達している。
清掃体2は、特に限定されるものではなく、公知の適当な清浄布(不織布や織布)を糸状(または紐状)、テープ状などに加工したものを採用することができる。例えば、ポリエステルやナイロンなどの極細の繊維で構成されたものが例示できる。
図12および図13における符号94は、ガイド筒部81の前端とフランジ部92との間に設けられた付勢手段(例えばコイルスプリング)である。付勢手段94は、ヘッド部材23を接合端面61aに押し当てたときにヘッド部材23を前方に付勢する。
図14に示すように、送り機構3は、清掃体2を巻装した供給リール30と、使用後の清掃体2を巻き取って回収する巻取リール31と、これらが回転可能に装着される支持部35と、巻取リール31に装着されるギア38と、支持部35に形成された保持筒部39と、保持筒部39に装着された付勢手段40(例えばコイルスプリング)と、押さえ部34とを備えている。
支持部35は、基板41と、基板41の内面41aに設けられて供給リール30が回転可能に装着される供給リール支持軸32と、巻取リール31が回転可能に装着される巻取リール支持軸33と、基板41の長さ方向中間部に形成された仕切板42と、基板41の後端部に形成された後端板43と、基板41の側縁部に形成された側板44とを備えている。
基板41には、リール30、31の径方向に対し垂直に延出する2つの延出板45、45が形成され、延出板45、45の先端には、それぞれリール30、31に向けて突出する係止爪45a、45aが形成されている。延出板45は弾性的に曲げ変形可能であり、係止爪45aはリール30、31に対し接近および離間する方向に移動可能である。
基板41の前端には、外筒体18が嵌合する切欠41bが形成されている。
押さえ部34は、リール30、31およびギア38の脱落を防ぐためのもので、前後方向に延出する長板状の本体部34aの前端および後端に、リール支持軸32、33に嵌合可能な嵌合部34b、34cが形成されている。
仕切板42には、清掃体2が通過する通過凹部42aが形成されている。
供給リール30および巻取リール31は、清掃体2が巻き付けられる胴部47と、胴部47の一端に設けられた第1端板48と、胴部47の他端に設けられた第2端板49とを備えている。
第1端板48の外面には、周方向に沿って配列された複数の係止凹部(図示略)が形成されており、延出板45の係止爪45aが前記係止凹部に係合することにより、リール30、31の逆方向回転が阻止される。第2端板49の外面には、周方向に沿って配列された複数の係止凸部49aが形成されている。
リール30、31は、胴部47に支持軸32、33を挿通させることによって支持部35に装着される。
ギア38は、円板状の基板87と、基板87の一方の面に形成された歯車部88とを有する。基板87の他方の面には、巻取リール31の係止凸部49aに係止する係止突起87aが形成されている。
歯車部88は、周方向に沿って配列された複数の歯部88aを有し、これら歯部88aは、支持体51のギア受け部56の受け歯部56aに噛み合うように形成されている。
ギア38は、巻取リール31の第2端板49に重ねて設置される。基板87の係止突起87aは第2端板49の係止凸部49aに係止するため、ギア38の回転に従って巻取リール31も回転する。
係止突起87aは、ギア38が巻き取り方向とは逆の方向に回転する場合には、係止凸部49aには係止しないように形成されている。
図4〜図6に示すように、挿入部20は、挿入筒体21と、挿入筒体21に挿通するヘッド部材23とを備えている。
挿入筒体21は、筒体基部15と、その先端側に設けられた先端筒部16と、先端筒部16を前方に付勢する付勢手段17と、外筒体18とを備えている。
筒体基部15は、保持枠部97と、保持枠部97の前端から前方に延出する円筒状の接続筒部96とを備えている。
保持枠部97は、断面矩形の筒状に形成され、その内部に回転シャフト52の回転筒部82を収容できる。
保持枠部97を構成する4つの側板99のうちひとつである側板99aには、前後方向に沿って、支持体51の挿入凸部54が挿入されるスリット100が形成されている。
接続筒部96は、回転シャフト52のガイド筒部81が挿通可能な略円筒状とされている。
接続筒部96の外面には、外筒体18に形成された係止開口部18aに嵌合する嵌合爪96aが形成されている。
接続筒部96の内面には、付勢手段17の後端が当接する段部96bが形成されている(図7参照)。
図5〜図7に示すように、先端筒部16は、円筒状の太径部19と、その前端から前方に延出する細径部27とからなる。
細径部27は、筒状壁部27aと、その前端に設けられた先端壁部27bを備えている。図示例では、細径部27は、略矩形板状の先端壁部27bの周縁から断面略矩形の筒状壁部27aが後方に延出した有蓋筒状である。
筒状壁部27aの先端部は、清掃の対象となる光アダプタ70のコネクタ収容穴72(図20参照)に応じた断面形状を有する。
なお、筒状壁部27aの断面形状は、矩形状に限らず、円形、多角形などとしてもよい。
先端筒部16の先端には先端壁部27bが設けられているため、ヘッド部材23を確実に保護できる。
先端壁部27bには、ヘッド部材23の先端部28が出没自在に挿通する挿通口部27cが形成されている。図示例では、挿通口部27cは円筒状の先端部28の断面形状に即した円形とされている。
挿通口部27cを先端部28に即した形状とすることによって、挿通口部27cを通した異物の侵入を防止し、押圧面24および清掃体2の汚染を防ぐことができる。
太径部19の後端部には、付勢手段17に挿入される後端筒部19aが後方に突出して形成され、これによって付勢手段17に対し位置決めされている(図6参照)。
先端筒部16は、挿入方向(先端方向)およびその反対方向に移動可能である。
図5に矢印で示すように、先端筒部16は、付勢手段17および外筒体18に対し軸回り方向に回動自在である。このため、先端筒部16は、ケース体11に対しても軸回り方向に回動自在であり、ケース体11を把持して光アダプタ70のコネクタ収容穴72(図20参照)に挿入する際に、軸回り方向に回動してコネクタ収容穴72の形状に沿った姿勢をとることができる。
例えば、図5に示す断面矩形状の先端筒部16を断面矩形状のコネクタ収容穴72に挿入する際には、先端筒部16は光アダプタ70に当たって回動してコネクタ収容穴72の形状に応じた姿勢をとり、容易にコネクタ収容穴72に挿入される。
このため、作業者が先端筒部16の姿勢を気にせずに作業が可能となることから、清掃作業が容易となる。
また、図5に示す先端筒部16は、断面矩形状のコネクタ収容穴72に応じた形状とされているため、コネクタ収容穴72に挿入された状態では光アダプタ70の内壁との隙間が小さくなる。このため、先端筒部16はコネクタ収容穴72内での移動が規制され、傾きが生じにくい。
よって、ヘッド部材23が接続対象のフェルール61の光軸方向に沿う正しい姿勢で清掃作業が行われ、接合端面61aを確実に清浄化できる(図20参照)。
付勢手段17は、コイルスプリングなどのバネ部材が好適である。付勢手段17の後部は接続筒部96に挿入され、後端部が段部96bに当接可能であり、前端部は先端筒部16の太径部19の後端部に当接可能である(図6、図7参照)。
外筒体18は略円筒状に形成され、接続筒部96および太径部19が挿通可能とされている。
図7に示すように、外筒体18の前端部には、内方に突出する凸部であるストッパ部18bが形成されている。ストッパ部18bは、太径部19の前端の段部19bに当接し、先端筒部16の前方移動を規制できる。図示例のストッパ部18bは環状に形成された凸部である。
図1に示すように、挿入部20は、ケース体11に対して、前後方向(伸縮方向)に移動可能である。
この図では、挿入部20は比較的に後方に位置しているが、挿入部20を前方に位置させることもできる。
図4に示すように、挿入部20の先端には、キャップ102を装着できる。キャップ102は、スリーブ状(筒状)に形成されたガイド本体103と、ガイド本体103の一端にヒンジ105によって連結された蓋104とを有する。
ガイド本体103の蓋104側の一端には、光プラグ60が挿入されるコネクタ挿入口106(プラグ挿入口)が開口しており、ここに光プラグ60を挿入することにより、光プラグ60の接合端面61aを、清掃体2によって拭き取り清掃できる。
キャップ102は、保持紐部107を介してケース体11に接続されている。
次に、清掃工具1の使用方法の一例を説明する。
図2および図7に示す通常状態では、付勢手段17が接続筒部96の段部96bに反力をとって先端筒部16を前方に付勢するため、先端筒部16は比較的前方に位置している。この先端筒部16の位置を前方位置という。このため、ヘッド部材23は先端筒部16内に収容されており、先端部28は露出していない。
この状態では、外筒体18のストッパ部18bが太径部19の前端の段部19bに当接し、先端筒部16の前方移動が規制されている。
図15、図16および図20に示すように、ケース体11を把持して、挿入部20の先端筒部16を光アダプタ70のコネクタ挿入口71から挿入すると、先端筒部16は、光アダプタ70の内壁70aにより位置決めされながらコネクタ収容穴72に進入する。
図17に示すように、ケース体11を挿入方向に移動させると、挿入筒体21の先端が光アダプタ70の壁部70b等からの反力を受け(図20参照)、先端筒部16が相対的に後方に移動する。この先端筒部16の位置を後方位置という。
図3および図8に示すように、この後方位置にあっては、ヘッド部材23の先端部28は先端筒部16の先端から突出し、押圧面24が露出する。
図20に示すように、これによって、押圧面24上の清掃体2は、光プラグ60の接合端面61aの適切な位置(ここでは、光ファイバ穴61bとその周辺)に当接する。
図18および図19に示すように、挿入筒体21がケース体11に対して相対的に後方に移動するため、挿入筒体21に押されて回転シャフト52が支持体51に対して相対的に後方に移動する。このため、回転筒部82はカム溝85に沿って周方向に移動し、回転シャフト52は軸回りに回転する。
図20に示すように、回転シャフト52の回転によって、ヘッド部材23が軸回りに回転するため、清掃体2は接合端面61aに当接した状態のままヘッド部材23の軸回りに回転し、接合端面61aが拭き取り清掃される。
図4、図9および図14に示すように、支持体51が送り機構3に対し相対的に移動するため、ギア受け部56によって、ギア38の歯車部88に回転方向の力が与えられる。ギア38の回転によって、巻取リール31も回転するため、清掃体2が巻き取られる。
これに伴って、清掃体2が供給リール30から引き出され、ヘッド部材23の押圧面24を通って送り移動される。
清掃体2の送り移動によって、接合端面61aに付着しているゴミや埃、油分などの汚れが確実に拭き取られる。
挿入部20を光アダプタ70から引き抜く際には、挿入部20は、付勢手段40の弾性力によってケース体11に対して相対的に前方(すなわち伸長方向)に移動する。この際、付勢手段17の弾性力により先端筒部16は前方位置に移動し(図2および図7参照)、ヘッド部材23は先端筒部16内に戻る。
清掃工具1では、通常状態では先端筒部16がヘッド部材23を収容するので、作業者が誤って触れることによりヘッド部材23が破損するのを防止できる。
また、先端筒部16は光アダプタ70のコネクタ収容穴72に挿入したときには後方移動してヘッド部材23の押圧面24を露出させるので、容易な操作で光プラグ60の接合端面61aを清掃できる。
本発明は、種々のタイプの光ファイバコネクタに適用することができ、例えば、LC形光コネクタ(ルーセント社商標)、JIS C 5973に制定されるSC形光コネクタ(SC:Single fiber Coupling optical fiber connector)、JIS C 5983に制定されるMU形光コネクタ(MU:MiniatureーUnit coupling optical fiber connector)、SC2形光コネクタ等の単心光コネクタに適用することができる。SC2形光コネクタとは、SC形光コネクタから、ハウジングの外側に装着されるつまみを省略したものである。
図示例では、光アダプタ70および光プラグ60を対象としたが、本発明の清掃工具の対象はこれに限定されず、光コネクタレセプタクル(詳細には、レセプタクルハウジング)を、コネクタ用位置決めハウジングとして機能させた構成も採用可能である。
この場合には、スリーブ状のレセプタクルハウジング内に組み込まれたフェルールが本発明に係る光コネクタとして機能する。レセプタクルハウジングの内側空間であるコネクタ収容穴に清掃工具の挿入部を挿入することで、フェルールの接合端面を清掃できる。
1・・・光コネクタ清掃工具、2・・・清掃体、3・・・送り機構、5・・・回転機構、10・・・工具本体、11・・・ケース体、15・・・筒体基部、16・・・先端筒部、17・・・付勢手段、18・・・外筒体、18b・・・ストッパ部、19b・・・段部、20・・・挿入部、21・・・挿入筒体、21c・・・嵌合筒部、22・・・筒体基部、23・・・ヘッド部材、24・・・押圧面、27b・・・先端壁部、27c・・・挿通口部、28・・・先端部、51・・・支持体、52・・・回転シャフト、54・・・挿入凸部、60・・・光プラグ(光コネクタ)、61a・・・接合端面、66・・・係止凸部、70・・・光アダプタ、72・・・コネクタ収容穴、81a・・・係合開口部(係合凹部)、81・・・ガイド筒部、82・・・回転筒部、85・・・カム溝、93c・・・係合爪。

Claims (6)

  1. 光コネクタの接合端面を、清掃体の送り移動により拭き取り清掃する光コネクタ清掃工具であって、
    前記清掃体の供給および巻き取りを行う送り機構がケース体に組み込まれた工具本体と、
    コネクタ用位置決めハウジングのコネクタ収容穴に挿入される挿入部とを備え、
    前記挿入部が、前記清掃体を前記コネクタ収容穴内の前記接合端面に押し当てる押圧面を有するヘッド部材と、前記ヘッド部材が挿通する挿入筒体とを有し、
    前記挿入筒体は、筒体基部と、その挿入方向の先端側に設けられた先端筒部と、これらの間に設けられて前記先端筒部を挿入方向に付勢する付勢手段とを備え、
    前記先端筒部は、前記挿入方向およびその反対方向に移動可能であり、前記ケース体に対し軸回り方向に回動自在であって、通常は前記ヘッド部材を収容し、かつ前記コネクタ収容穴に挿入したときには前記コネクタ用位置決めハウジングからの反力により前記反対方向に移動して前記ヘッド部材の押圧面を露出させることを特徴とする光コネクタ清掃工具。
  2. 前記先端筒部の先端には、前記ヘッド部材の先端部が出没自在に挿通する挿通口部が形成された先端壁部が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の光コネクタ清掃工具。
  3. 前記挿通口部は、前記ヘッド部材の先端部の断面形状に沿う形状を有することを特徴とする請求項2に記載の光コネクタ清掃工具。
  4. 前記挿入筒体は、前記先端筒部が挿通する外筒体を備え、
    前記外筒体には、前記先端筒部に形成された段部に係止して前記先端筒部の挿入方向への移動を規制するストッパ部が形成されていることを特徴とする請求項1〜3のうちいずれか1項に記載の光コネクタ清掃工具。
  5. 前記ケース体に、前記ヘッド部材を軸回りに回転させる回転機構が組み込まれ、
    前記回転機構は、前記ケース体に対し位置決めされた支持体と、前記ヘッド部材が装着される回転シャフトを備え、
    前記回転シャフトは、前記支持体に形成された挿入凸部が挿入されるカム溝が形成された回転筒部と、前記回転筒部から前記挿入方向に延びてその先端に前記ヘッド部材が装着されるガイド筒部とを有し、
    前記ケース本体を前記支持体とともに前記挿入部に対し前記挿入方向に移動することによって、前記回転筒部が前記カム溝に沿って移動し、これによって前記ヘッド部材が前記清掃体を前記接合端面に当接させた状態で軸回りに回転することを特徴とする請求項1〜4のうちいずれか1項に記載の光コネクタ清掃工具。
  6. 前記ヘッド部材には、前記ガイド筒部に形成された係合凹部に係止して前記ヘッド部材の脱落を阻止する係合爪が形成されていることを特徴とする請求項1〜5のうちいずれか1項に記載の光コネクタ清掃工具。
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