JP5178626B2 - 光コネクタ清掃工具 - Google Patents
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Description
コネクタ用位置決めハウジングに光コネクタを挿入して突き合わせ接続する際には、光コネクタの接合端面に汚れが付着していると、着脱時の損傷や伝送損失の増大などの原因になるため、突き合わせ接続に先だって、接合端面を清掃する必要がある。
光コネクタ清掃工具としては、光コネクタの接合端面に清掃体を接触させて清掃するものがある(例えば、特許文献1参照)。
この光コネクタ清掃工具では、作業者が誤って触れてしまうことによりピンが破損するのを防止する必要がある。
本発明は、前記事情に鑑みてなされたもので、清掃対象となる光コネクタの接続端面に清掃体を押し当てる当接部材の破損を防止できる光コネクタ清掃工具の提供を目的としている。
前記先端筒部の先端には、前記ヘッド部材の先端部が出没自在に挿通する挿通口部が形成された先端壁部が設けられていることが好ましい。
前記挿通口部は、前記ヘッド部材の先端部の断面形状に沿う形状を有することが好ましい。
前記挿入筒体は、前記先端筒部が挿通する外筒体を備え、前記外筒体には、前記先端筒部に形成された段部に係止して前記先端筒部の挿入方向への移動を規制するストッパ部が形成されていることが好ましい。
前記ケース体に、前記ヘッド部材を軸回りに回転させる回転機構が組み込まれ、前記回転機構は、前記ケース体に対し位置決めされた支持体と、前記ヘッド部材が装着される回転シャフトを備え、前記回転シャフトは、前記支持体に形成された挿入凸部が挿入されるカム溝が形成された回転筒部と、前記回転筒部から前記挿入方向に延びてその先端に前記ヘッド部材が装着されるガイド筒部とを有し、前記ケース本体を前記支持体とともに前記挿入部に対し前記挿入方向に移動することによって、前記回転筒部が前記カム溝に沿って移動し、これによって前記ヘッド部材が前記清掃体を前記接合端面に当接させた状態で軸回りに回転することが好ましい。
前記ヘッド部材には、前記ガイド筒部に形成された係合凹部に係止して前記ヘッド部材の脱落を阻止する係合爪が形成されていることが好ましい。
また、先端筒部はコネクタ用位置決めハウジングのコネクタ収容穴に挿入したときには後方移動してヘッド部材の押圧面を露出させるので、容易な操作で光コネクタの接合端面を清掃できる。
まず、清掃工具1が適用される光コネクタプラグ60(光コネクタ。以下、単に光プラグともいう)と、光コネクタアダプタ70(コネクタ用位置決めハウジング。以下、単に光アダプタともいう)を説明する。
フェルール61の接合端面61aの中央部には、光ファイバ穴61b(微細孔)が開口している。光ファイバ穴61bには、光ファイバ63が挿通しており、光ファイバ63の先端は接合端面61aに露出している。
光ファイバ63は、例えば光ファイバ心線の先端部の被覆樹脂を除去した光ファイバ裸線であり、光ファイバ63は、これにより他の光コネクタと突き合わせ接続可能に成端されている。ここでは、円筒状のフェルール61を例示する。フェルールとしては、周知の単心光フェルール、例えばLC形フェルール、SC形フェルールなどが使用できる。
光プラグ60は、光アダプタ70のコネクタ挿入口71から挿入されると、挿入方向からずれた方向への変位を規制されつつ、コネクタ収容穴72に収容される。
光アダプタ70は、両端から2つの光プラグ60が挿入されると、フェルール61同士が突き合わされ、光ファイバ63同士が光接続されるように構成されている。
符号73は、光アダプタで一般的に用いられている位置決め用の割りスリーブを示す。
図1は、本発明の光コネクタ清掃工具の一実施形態である清掃工具1の斜視図である。図2および図3は、清掃工具1の要部を拡大した斜視図である。図4は、清掃工具1の分解斜視図である。図5は、挿入筒体21を示す斜視図である。図6は、挿入筒体21を示す分解斜視図である。図7は、挿入筒体21を示す断面図である。図8は、挿入筒体21を示す断面図である。図9は、支持体51を示す斜視図である。図10は、ヘッド部材23を示す斜視図である。図11は、回転機構5の回転シャフト52を示す斜視図である。図12および図13は、回転シャフト52およびその先端に取り付けられたヘッド部材23を示す一部断面図である。図14は、送り機構3を示す分解斜視図である。
ケース体11は、断面略矩形の筒状に形成され、4枚の側板部11aのうちひとつの後部には、位置決め凸部57が挿入される位置決め開口部12が形成されている。
位置決め開口部12は、前後方向に沿うスリット状に形成されている。位置決め開口部12の前部および後部の側縁には、位置決め凸部57が嵌合する第1および第2嵌合凹部13、14が形成されている。
ケース体11の前端には、挿入部20が挿通する挿通口11cが形成されている。
図9に示すように、支持体51は、前後方向に沿う長板状の基板53と、基板53の前端部の内面53aから突出して形成された挿入凸部54と、基板53の両側縁部から内面53a側に突出して形成された側板55と、基板53の後端縁部から内面53a側に延出して形成された後端板58とを備えている。
一方の側板55には鋸歯状のギア受け部56が形成されている。
ギア受け部56は、一方の側板部55に他方の側板55に向けて突出して形成された複数の受け歯部56aからなる。受け歯部56aは、支持体51の長さ方向(前後方向)に配列されている。
後端板58の前面58aには保持凸部59が形成されている。
基板53の後部には板状の弾性片65が形成され、弾性片65の後端部の上面(外面)には位置決め凸部57が上方(外方)に突出して形成されている(図4参照)。
回転シャフト52内には、清掃体2が挿通する挿通孔83が、ガイド筒部81の前端から回転筒部82の後端にわたって形成されている。
ガイド筒部81は略円筒状に形成され、前端部において挿通孔83にヘッド部材23の挿入部91を挿入できる。ガイド筒部81の前端部の内面には、内面が平坦に形成された回転止部84が形成されている。
カム溝85は、前後方向にわたって、少なくとも一部が回転筒部82の軸方向に対し傾斜して形成されている。このため、後述するように、回転シャフト52が前後方向に移動すると、回転筒部82がカム溝85に沿って移動することによって、回転シャフト52は軸回りに回転する。図示例では、カム溝85は螺旋状に形成されている。
先端部28の先端面は、清掃体2を接合端面61aに押し当てる押圧面24である。
一方のガイド口部25Aは、送り機構3からの清掃体2を押圧面24に導くものであり、他方のガイド口部25Bは、押圧面24を通過した清掃体2を送り機構3に導くものである。ガイド口部25A、25Bによって、清掃体2が押圧面24から外れるのを防ぐことができる。
図10〜図13に示すように、挿入部91には、ガイド筒部81に形成された回転止部84に即した形状の平坦部93が形成されており、平坦部93が回転止部84に沿って配置されるためヘッド部材23はガイド筒部81に対して回転しない。図示例では平坦部93は挿入部91の一方および他方の面に形成されている。
図11および図13に示すように、係合爪93cは、ガイド筒部81に形成された係合開口部81a(係合凹部)の前縁に係止可能であり、係合爪93cが係合開口部81aの前縁に係止することでヘッド部材23の前方移動が規制され、ヘッド部材23の脱落を防止できる。
図示例では、清掃体2は、工具本体10内の供給リール30から回転シャフト52の挿通孔83内を通り、ヘッド部材23のガイド溝26A、ガイド口部25Aを通って押圧面24に至り、ガイド口部25B、ガイド溝26Bを経て巻取リール31に達している。
基板41の前端には、外筒体18が嵌合する切欠41bが形成されている。
供給リール30および巻取リール31は、清掃体2が巻き付けられる胴部47と、胴部47の一端に設けられた第1端板48と、胴部47の他端に設けられた第2端板49とを備えている。
第1端板48の外面には、周方向に沿って配列された複数の係止凹部(図示略)が形成されており、延出板45の係止爪45aが前記係止凹部に係合することにより、リール30、31の逆方向回転が阻止される。第2端板49の外面には、周方向に沿って配列された複数の係止凸部49aが形成されている。
リール30、31は、胴部47に支持軸32、33を挿通させることによって支持部35に装着される。
歯車部88は、周方向に沿って配列された複数の歯部88aを有し、これら歯部88aは、支持体51のギア受け部56の受け歯部56aに噛み合うように形成されている。
ギア38は、巻取リール31の第2端板49に重ねて設置される。基板87の係止突起87aは第2端板49の係止凸部49aに係止するため、ギア38の回転に従って巻取リール31も回転する。
係止突起87aは、ギア38が巻き取り方向とは逆の方向に回転する場合には、係止凸部49aには係止しないように形成されている。
挿入筒体21は、筒体基部15と、その先端側に設けられた先端筒部16と、先端筒部16を前方に付勢する付勢手段17と、外筒体18とを備えている。
保持枠部97は、断面矩形の筒状に形成され、その内部に回転シャフト52の回転筒部82を収容できる。
保持枠部97を構成する4つの側板99のうちひとつである側板99aには、前後方向に沿って、支持体51の挿入凸部54が挿入されるスリット100が形成されている。
接続筒部96の外面には、外筒体18に形成された係止開口部18aに嵌合する嵌合爪96aが形成されている。
接続筒部96の内面には、付勢手段17の後端が当接する段部96bが形成されている(図7参照)。
細径部27は、筒状壁部27aと、その前端に設けられた先端壁部27bを備えている。図示例では、細径部27は、略矩形板状の先端壁部27bの周縁から断面略矩形の筒状壁部27aが後方に延出した有蓋筒状である。
筒状壁部27aの先端部は、清掃の対象となる光アダプタ70のコネクタ収容穴72(図20参照)に応じた断面形状を有する。
なお、筒状壁部27aの断面形状は、矩形状に限らず、円形、多角形などとしてもよい。
先端壁部27bには、ヘッド部材23の先端部28が出没自在に挿通する挿通口部27cが形成されている。図示例では、挿通口部27cは円筒状の先端部28の断面形状に即した円形とされている。
挿通口部27cを先端部28に即した形状とすることによって、挿通口部27cを通した異物の侵入を防止し、押圧面24および清掃体2の汚染を防ぐことができる。
太径部19の後端部には、付勢手段17に挿入される後端筒部19aが後方に突出して形成され、これによって付勢手段17に対し位置決めされている(図6参照)。
先端筒部16は、挿入方向(先端方向)およびその反対方向に移動可能である。
例えば、図5に示す断面矩形状の先端筒部16を断面矩形状のコネクタ収容穴72に挿入する際には、先端筒部16は光アダプタ70に当たって回動してコネクタ収容穴72の形状に応じた姿勢をとり、容易にコネクタ収容穴72に挿入される。
このため、作業者が先端筒部16の姿勢を気にせずに作業が可能となることから、清掃作業が容易となる。
また、図5に示す先端筒部16は、断面矩形状のコネクタ収容穴72に応じた形状とされているため、コネクタ収容穴72に挿入された状態では光アダプタ70の内壁との隙間が小さくなる。このため、先端筒部16はコネクタ収容穴72内での移動が規制され、傾きが生じにくい。
よって、ヘッド部材23が接続対象のフェルール61の光軸方向に沿う正しい姿勢で清掃作業が行われ、接合端面61aを確実に清浄化できる(図20参照)。
図7に示すように、外筒体18の前端部には、内方に突出する凸部であるストッパ部18bが形成されている。ストッパ部18bは、太径部19の前端の段部19bに当接し、先端筒部16の前方移動を規制できる。図示例のストッパ部18bは環状に形成された凸部である。
この図では、挿入部20は比較的に後方に位置しているが、挿入部20を前方に位置させることもできる。
ガイド本体103の蓋104側の一端には、光プラグ60が挿入されるコネクタ挿入口106(プラグ挿入口)が開口しており、ここに光プラグ60を挿入することにより、光プラグ60の接合端面61aを、清掃体2によって拭き取り清掃できる。
キャップ102は、保持紐部107を介してケース体11に接続されている。
図2および図7に示す通常状態では、付勢手段17が接続筒部96の段部96bに反力をとって先端筒部16を前方に付勢するため、先端筒部16は比較的前方に位置している。この先端筒部16の位置を前方位置という。このため、ヘッド部材23は先端筒部16内に収容されており、先端部28は露出していない。
この状態では、外筒体18のストッパ部18bが太径部19の前端の段部19bに当接し、先端筒部16の前方移動が規制されている。
図3および図8に示すように、この後方位置にあっては、ヘッド部材23の先端部28は先端筒部16の先端から突出し、押圧面24が露出する。
図20に示すように、これによって、押圧面24上の清掃体2は、光プラグ60の接合端面61aの適切な位置(ここでは、光ファイバ穴61bとその周辺)に当接する。
図20に示すように、回転シャフト52の回転によって、ヘッド部材23が軸回りに回転するため、清掃体2は接合端面61aに当接した状態のままヘッド部材23の軸回りに回転し、接合端面61aが拭き取り清掃される。
これに伴って、清掃体2が供給リール30から引き出され、ヘッド部材23の押圧面24を通って送り移動される。
清掃体2の送り移動によって、接合端面61aに付着しているゴミや埃、油分などの汚れが確実に拭き取られる。
また、先端筒部16は光アダプタ70のコネクタ収容穴72に挿入したときには後方移動してヘッド部材23の押圧面24を露出させるので、容易な操作で光プラグ60の接合端面61aを清掃できる。
この場合には、スリーブ状のレセプタクルハウジング内に組み込まれたフェルールが本発明に係る光コネクタとして機能する。レセプタクルハウジングの内側空間であるコネクタ収容穴に清掃工具の挿入部を挿入することで、フェルールの接合端面を清掃できる。
Claims (6)
- 光コネクタの接合端面を、清掃体の送り移動により拭き取り清掃する光コネクタ清掃工具であって、
前記清掃体の供給および巻き取りを行う送り機構がケース体に組み込まれた工具本体と、
コネクタ用位置決めハウジングのコネクタ収容穴に挿入される挿入部とを備え、
前記挿入部が、前記清掃体を前記コネクタ収容穴内の前記接合端面に押し当てる押圧面を有するヘッド部材と、前記ヘッド部材が挿通する挿入筒体とを有し、
前記挿入筒体は、筒体基部と、その挿入方向の先端側に設けられた先端筒部と、これらの間に設けられて前記先端筒部を挿入方向に付勢する付勢手段とを備え、
前記先端筒部は、前記挿入方向およびその反対方向に移動可能であり、前記ケース体に対し軸回り方向に回動自在であって、通常は前記ヘッド部材を収容し、かつ前記コネクタ収容穴に挿入したときには前記コネクタ用位置決めハウジングからの反力により前記反対方向に移動して前記ヘッド部材の押圧面を露出させることを特徴とする光コネクタ清掃工具。 - 前記先端筒部の先端には、前記ヘッド部材の先端部が出没自在に挿通する挿通口部が形成された先端壁部が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の光コネクタ清掃工具。
- 前記挿通口部は、前記ヘッド部材の先端部の断面形状に沿う形状を有することを特徴とする請求項2に記載の光コネクタ清掃工具。
- 前記挿入筒体は、前記先端筒部が挿通する外筒体を備え、
前記外筒体には、前記先端筒部に形成された段部に係止して前記先端筒部の挿入方向への移動を規制するストッパ部が形成されていることを特徴とする請求項1〜3のうちいずれか1項に記載の光コネクタ清掃工具。 - 前記ケース体に、前記ヘッド部材を軸回りに回転させる回転機構が組み込まれ、
前記回転機構は、前記ケース体に対し位置決めされた支持体と、前記ヘッド部材が装着される回転シャフトを備え、
前記回転シャフトは、前記支持体に形成された挿入凸部が挿入されるカム溝が形成された回転筒部と、前記回転筒部から前記挿入方向に延びてその先端に前記ヘッド部材が装着されるガイド筒部とを有し、
前記ケース本体を前記支持体とともに前記挿入部に対し前記挿入方向に移動することによって、前記回転筒部が前記カム溝に沿って移動し、これによって前記ヘッド部材が前記清掃体を前記接合端面に当接させた状態で軸回りに回転することを特徴とする請求項1〜4のうちいずれか1項に記載の光コネクタ清掃工具。 - 前記ヘッド部材には、前記ガイド筒部に形成された係合凹部に係止して前記ヘッド部材の脱落を阻止する係合爪が形成されていることを特徴とする請求項1〜5のうちいずれか1項に記載の光コネクタ清掃工具。
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