JP7377946B2 - 光コネクタ端面クリーナ - Google Patents

光コネクタ端面クリーナ Download PDF

Info

Publication number
JP7377946B2
JP7377946B2 JP2022504371A JP2022504371A JP7377946B2 JP 7377946 B2 JP7377946 B2 JP 7377946B2 JP 2022504371 A JP2022504371 A JP 2022504371A JP 2022504371 A JP2022504371 A JP 2022504371A JP 7377946 B2 JP7377946 B2 JP 7377946B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
cleaning head
optical connector
cleaning
face
tape
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2022504371A
Other languages
English (en)
Other versions
JPWO2021177259A1 (ja
Inventor
誠 後藤
正義 鈴木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Tomoegawa Co Ltd
Original Assignee
Tomoegawa Paper Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Tomoegawa Paper Co Ltd filed Critical Tomoegawa Paper Co Ltd
Publication of JPWO2021177259A1 publication Critical patent/JPWO2021177259A1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7377946B2 publication Critical patent/JP7377946B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • GPHYSICS
    • G02OPTICS
    • G02BOPTICAL ELEMENTS, SYSTEMS OR APPARATUS
    • G02B6/00Light guides; Structural details of arrangements comprising light guides and other optical elements, e.g. couplings
    • G02B6/24Coupling light guides
    • G02B6/36Mechanical coupling means
    • G02B6/38Mechanical coupling means having fibre to fibre mating means
    • G02B6/3807Dismountable connectors, i.e. comprising plugs
    • G02B6/3833Details of mounting fibres in ferrules; Assembly methods; Manufacture
    • G02B6/3866Devices, tools or methods for cleaning connectors
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B08CLEANING
    • B08BCLEANING IN GENERAL; PREVENTION OF FOULING IN GENERAL
    • B08B1/00Cleaning by methods involving the use of tools
    • B08B1/10Cleaning by methods involving the use of tools characterised by the type of cleaning tool
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B08CLEANING
    • B08BCLEANING IN GENERAL; PREVENTION OF FOULING IN GENERAL
    • B08B7/00Cleaning by methods not provided for in a single other subclass or a single group in this subclass
    • B08B7/0028Cleaning by methods not provided for in a single other subclass or a single group in this subclass by adhesive surfaces
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B08CLEANING
    • B08BCLEANING IN GENERAL; PREVENTION OF FOULING IN GENERAL
    • B08B2240/00Type of materials or objects being cleaned
    • B08B2240/02Optical fibers or optical fiber connectors

Landscapes

  • Physics & Mathematics (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Optics & Photonics (AREA)
  • Mechanical Coupling Of Light Guides (AREA)
  • Cleaning In General (AREA)

Description

光コネクタのフェルールの端面を清掃するための光コネクタ端面クリーナに関する。
従来光コネクタを清掃するためのクリーナとして、不織布を光コネクタのフェルールの端面に当接させた状態にして不織布を移動させるものが知られていた(例えば、特許文献1及び2参照)。
また、不織布の代わりに、粘着テープを用いたクリーナも開発されている(特許文献3)。
特開2014-35489号公報 国際公開2014/141405号公報 特許第6498814号
光ファイバを光コネクタに接続するときには、光ファイバ端面を光コネクタのフェルールの端面と向かい合わせにする。このため、光コネクタのフェルールの端面や光ファイバ端面に塵埃が付着していたときには、伝送損失が増大することになる。このようなことから、クリーナを用いて光コネクタのフェルールの端面を清掃する必要がある。
また、光コネクタでは、光コネクタの端面の法線方向が、光ファイバの光軸と平行でないような場合、即ち、光コネクタの端面が傾斜しているタイプのものも存在し、その場合に、光コネクタの端面は、例えば光ファイバの光軸に対し、5~20°の傾斜を有する。また、光コネクタには、光ファイバの光軸と平行に、光コネクタの端面に突設されたガイドピンを有するものも存在する。従って、クリーナは、上述したような様々な態様を有する光コネクタの端面を清掃することも求められている。
特許文献1及び2のクリーナは、光コネクタのフェルールの端面に位置する塵埃を布によって除去するものである。これらのクリーナは、光コネクタの端面が傾斜を有している場合には、清掃体と光コネクタの端面が十分に接触できず、十分に清掃ができないおそれがあった。さらに、ガイドピンが突設された光コネクタでは、ガイドピンの清掃ができず、ガイドピンに付着した塵埃などが、フェルール端面を再汚染するおそれがあった。
特許文献3のクリーナは、帯電を生じさせ難く塵埃を的確に除去できることが予想される。しかしながら、さらに、光コネクタの端面が傾斜を有している場合には、粘着テープと光コネクタの端面が十分に接触できず、十分に清掃ができないおそれがあった。さらに、ガイドピンが突設された光コネクタでは、ガイドピンの清掃ができず、ガイドピンに付着した塵埃などが、フェルール端面を再汚染するおそれがあった。
また、特許文献1~3のクリーナは、清掃体(テープなど)が搬送され・変位する際に、に、清掃体に皺がよったり、清掃体(テープなど)の搬送・変位がスムーズに行われない恐れがあった。
そこで、本発明は、光コネクタの端面が、光ファイバの光軸に対し、傾斜を有している場合でも、十分な清掃能力を有し、清掃テープが搬送され・変位する際に、清掃体に皺がよったりすることなく、清掃体(テープなど)の搬送・変位がスムーズに行われる(テープ搬送性が高い)、光コネクタ端面クリーナを提供することを目的とする。また、本発明の光コネクタの端面に突設されたガイドピンが存在する場合において、さらに、本発明の光コネクタ端面の清掃ヘッドの端面(後述する清掃ヘッド先端部材の端面)にガイドピンの収容孔を設けることで、光コネクタ端面及びガイドピンについて清掃能力を有する光コネクタ端面クリーナを提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の光コネクタ端面クリーナは、特定の貯蔵弾性率を有する構成部材で構成された清掃ヘッドを備えることを特徴とする。即ち、本発明は下記の通りである。
本発明(1)は、
光コネクタの端面を清掃するための光コネクタ端面クリーナであって、
前記光コネクタ端面クリーナは、
前記光コネクタの端面に当接させて清掃するための清掃テープと、
前記清掃テープが前記光コネクタの端面に当接する際に、前記光コネクタの端面と当接する前記清掃テープの裏面を支持する清掃ヘッドと、
前記清掃テープを、清掃ヘッドへ供給する、テープ供給機構と、を有し、
前記清掃ヘッドは、少なくとも、清掃ヘッド先端部材と、清掃ヘッド緩衝部材と、清掃ヘッド支持部材を備え、
周波数を1HzとしてJIS K7244-4に準拠して測定した40℃における前記清掃ヘッド緩衝部材の貯蔵弾性率E1が、同様に測定した前記清掃ヘッド先端部材の40℃における貯蔵弾性率E2及び前記清掃ヘッド支持部材の40℃における貯蔵弾性率E3よりも低いことを特徴とする光コネクタ端面クリーナである。
本発明(2)は、
前記清掃ヘッド緩衝部材の少なくとも一部は、
前記清掃テープが前記光コネクタの端面に当接される際に、
前記光コネクタに備えられた光ファイバの光軸上において、光コネクタの端面と清掃ヘッド緩衝部材とで清掃ヘッド先端部材を挟み込む位置に当接して配置され、
前記貯蔵弾性率E1が、0.05~1.0MPaであることを特徴とする、前記発明(1)の光コネクタ端面クリーナである。
本発明(3)は、
前記貯蔵弾性率E1と、前記貯蔵弾性率E2との比率(E2/E1)が500以上であることを特徴とする、前記発明(1)又は(2)の光コネクタ端面クリーナである。
本発明(4)は、
前記貯蔵弾性率E3は、前記貯蔵弾性率E1との比率(E3/E1)が500以上であることを特徴とする、前記発明(1)~(3)のいずれかの光コネクタ端面クリーナである。
本発明(5)は、
前記清掃テープは粘着層を備え、
前記粘着層の、周波数を1HzとしてJIS K7244-4に準拠して測定した40℃における貯蔵弾性率E4は、前記貯蔵弾性率E1との比率(E1/E4)が1~7.5であることを特徴とする、前記発明(1)~(4)のいずれかの光コネクタ端面クリーナである。
本発明(6)は、
前記光コネクタの端面は、光ファイバの光軸と平行に突設されたガイドピンを有し、
前記清掃ヘッド先端部材は、前記清掃テープを前記光コネクタの端面に押圧する清掃ヘッド端面を備えており、
前記清掃ヘッド端面は、前記清掃ヘッド端面が前記光コネクタの端面に押圧される際に、前記ガイドピンと相対する位置に、前記ガイドピンが挿入される収容孔(A)を有することを特徴とする、前記発明(5)の光コネクタ端面クリーナである。
本発明(7)は、
前記清掃ヘッド緩衝部材は、前記清掃ヘッド先端部材における前記収容孔(A)に対向する位置に、収容孔(B)、又は、凹部(b)を有することを特徴とする前記発明(6)の光コネクタ端面クリーナである。
本発明(8)は、
前記清掃ヘッド端面は平面であり、
前記清掃ヘッド端面の法線方向が、前記光コネクタの端面に備えられた光ファイバの光軸方向に対し、平行であることを特徴とする、前記発明(1)~(7)のいずれかの光コネクタ端面クリーナである。
本発明(9)は、
前記清掃ヘッド端面は平面であり、
前記清掃ヘッド端面の法線方向が、前記清掃テープが前記光コネクタの端面に当接される際に、前記光コネクタの端面に備えられた光ファイバの光軸方向に対して、5°~20°傾斜していることを特徴とする、前記発明(1)~(7)のいずれかの光コネクタ端面クリーナである。
本発明(10)は、
前記清掃ヘッド端面は、曲面であり、
前記清掃ヘッド端面は、少なくとも1つの極大点を有しており、
前記極大点は、前記清掃テープが前記光コネクタの端面に当接される際に、前記光コネクタの端面に備えられた、少なくとも1つの光ファイバの光軸上に配置されていることを特徴とする、前記発明(1)~(7)のいずれか一項に記載の光コネクタ端面クリーナである。
本発明によれば、光コネクタの端面が、光ファイバの光軸に対し、傾斜を有している場合でも、十分な清掃能力を有し、清掃テープが搬送され・変位する際に、清掃体に皺がよったりすることなく、清掃体(テープなど)の搬送・変位がスムーズに行われる(テープ搬送性が高い)、光コネクタ端面クリーナを提供することができる。また、本発明の光コネクタの端面に突設されたガイドピンが存在する場合においても、光コネクタ端面及びガイドピンについて清掃能力を有する光コネクタ端面クリーナを提供することができる。
本発明の好適例である光コネクタ端面クリーナ10の全体の概略を示す斜視図である。 本発明の好適例である光コネクタ端面クリーナ10の全体の概略と光コネクタOCとを示す斜視図である。 本発明の好適例である光コネクタ端面クリーナ10の左側面を示す側面図である。 本発明の好適例である光コネクタ端面クリーナ10の右側面を示す側面図である。 本発明の好適例である光コネクタ端面クリーナ10の右ハウジング110Rを外した状態を示す斜視図である。 本発明の好適例である光コネクタ端面クリーナ10の左ハウジング110Lを外した状態を示す斜視図である。 本発明の好適例である光コネクタ端面クリーナ10の供給リール200及び巻取リール300を外した状態を示す斜視図である。 本発明の好適例である光コネクタ端面クリーナ10の右ハウジング110Rの構成を示す斜視図である。 本発明の好適例である光コネクタ端面クリーナ10の左ハウジング110Lの構成を示す斜視図である。 本発明の好適例である光コネクタ端面クリーナ10のヘッド部40(清掃ヘッド400及びヘッド保持体440)の構成を示す斜視図である。 本発明の好適例である光コネクタ端面クリーナ10のヘッド部40における清掃テープCTの経路を示す斜視図である。 本発明の好適例である光コネクタ端面クリーナ10の清掃ヘッド400における清掃テープCTの経路を示す断面図である。 本発明の好適例である光コネクタ端面クリーナ10の巻取制御体500の移動の変化を示す断面図である。 本発明の好適例である光コネクタ端面クリーナ10の巻取制御体500の移動の変化を示す断面図である。 本発明の好適例である光コネクタ端面クリーナ10のラチェット歯車322とラック536と供給リール用歯止め180を示す概略図である。 本発明の好適例である光コネクタ端面クリーナ10を用いて光コネクタのフェルールFEの端面ESを清掃する過程を示す断面図である。 本発明の好適例である光コネクタ端面クリーナ10を用いて光コネクタのフェルールFEの端面ESを清掃する過程を示す断面図である。 本発明の好適例である清掃ヘッド400を示す斜視図と清掃ヘッド先端部材410と清掃ヘッド緩衝部材420の配置を示す斜方からの透過図である。 本発明の好適例である清掃ヘッド400を示す側面からの透過図と清掃ヘッド先端部材410と清掃ヘッド緩衝部材420の配置を示す側面透過図の拡大図である。
本願において、「平行」、「平面」、「球面」、「楕円球面」、「曲面」などの光コネクタ又は本願発明の光コネクタ端面クリーナの形状を示す表現を、何の説明もなく用いた場合には、厳密な形状を示すものではなく、巨視的に見てそのような形状であることを意味する。例えば、「平行」とした場合には、厳密に平行である必要はなく、平行な線、平行な辺又は平行な平面は、例えば、それぞれがなす角度が0±5°であることを表し、好ましくは0±1°であることを表す。
本願において、何の断りもなく「ガイドピン」と記載した場合には、光コネクタの端面に突接されたガイドピンを示す。また、同様に、何の断りもなく「収容孔」と記載した場合には、収容孔(A)単独の場合、又は、収容孔(A)及び収容孔(B)若しくは凹部(b)が接続した場合、さらに、収容孔(A)、収容孔(B)及び収容孔(C)若しくは凹部(c)が連結された場合を示す。収容孔(A)、収容孔(B)、凹部(b)、収容孔(C)、凹部(c)は、後述する。
本願における貯蔵弾性率は、JIS K7244-4「プラスチック-動的機械特性の試験方法-第4部:引張振動-非共振法」に準拠して測定するものとする。測定条件としては、測定周波数を1Hzとし、所望する温度での貯蔵弾性率とする。本発明において、40℃における前記測定条件による貯蔵弾性率の測定結果を40℃における貯蔵弾性率と表現する。
本願において、粘着剤のガラス転移温度は、JIS K7121:2012「プラスチックの転移温度測定方法(追補1)」の測定方法で測定するものとする。
本願において、本発明のクリーナを光コネクタの端面に当接して用いる際、光コネクタの端面における光ファイバの光軸上において、本発明のクリーナの清掃ヘッドが光コネクタの端面に当接する方向を、清掃ヘッドの前側や前方向とし、清掃ヘッドが光コネクタの端面から脱離する方向を清掃ヘッドの後側や後方向とする(図1及び図2参照)。
後側から前側に向かって右の側や方向を右側や右方向と称し、後側から前側に向かって左の側や方向を左側と称する。
<<<<<光コネクタ端面クリーナ>>>>>
本発明の光コネクタ端面クリーナ(以下、クリーナと略す場合がある)は、光コネクタの端面を清掃するための光コネクタ端面クリーナである。
光コネクタ端面クリーナは、光コネクタの端面に当接させて清掃するための清掃テープと、前記清掃テープが前記光コネクタの端面に当接する際に前記光コネクタの端面が当接する前記清掃テープの表面と対向する表面を支持、押圧する清掃ヘッドと、清掃テープを清掃ヘッドへと供給するテープ供給機構と、を備える。
本発明にかかる清掃ヘッドは、少なくとも、清掃ヘッド先端部材と、清掃ヘッド緩衝部材と、清掃ヘッド支持部材と、を備える。
本発明にかかる清掃ヘッド緩衝部材の周波数を1HzとしてJIS K7244-4に準拠して測定した40℃における前記清掃ヘッド緩衝部材の貯蔵弾性率E1(以降、単にE1と記載する場合がある)は、同様に測定した、清掃ヘッド先端部材の40℃における貯蔵弾性率E2(以降、単にE2と記載する場合がある)及び前記清掃ヘッド支持部材の40℃における貯蔵弾性率E3(以降、単にE3と記載する場合がある)、よりも低いことを特徴としている。
以下に、本発明の光コネクタ端面クリーナの各部について詳述する。
<<<清掃テープ>>>
本発明にかかる清掃テープは、光コネクタの端面を清掃するための部材である。清掃テープは、テープ供給機構により、清掃ヘッドに供給、変位される。
清掃テープは、クリーナを光コネクタの端面に押圧する際に、清掃テープを変位することで、光コネクタ端面を擦り、塵埃などの汚染体をふき取るか(以下、ふき取りタイプのクリーナとする)、又は、清掃テープを停止、押圧することで汚染体を清掃テープに転写、保持することで光コネクタ端面から汚染体を除去する(以下、テープ固定タイプのクリーナとする)ことができる。テープ固定タイプのクリーナ場合には、清掃テープは、光コネクタ端面に押圧される前、又は、押圧され、光コネクタ端面から脱離した後に、テープ供給機構により、清掃ヘッドに供給される。即ち、清掃テープは、光コネクタ端面に押圧される際には、常に清掃テープの未使用部が清掃ヘッドに配置される。このことにより、光コネクタの端面は、常に清掃テープの未使用部で清掃されることとなり、使用後の清掃テープに付着する汚染物の再付着を防ぐことができる。
また、清掃テープは、汚染体を保持可能な粘着層(以下、粘着層と称する)を有することができる。光コネクタの端面に粘着層を押圧することで、光コネクタの端面に存在する汚染体(塵埃など)を粘着層に転写(又は転着)させて、効率よく、光コネクタの端面から汚染体を除去することができる。なお、粘着層は、ふき取りタイプのクリーナの清掃テープにも設けることが可能である。
清掃テープの形状は、清掃ヘッドにより光コネクタの端面に押圧可能なシート状であれば、特に限定されない。清掃テープは、長尺で、連続した形状を有する。清掃テープは、テープ状に限られず、糸状又は複数の糸を束ねた帯状の、形状を含むことができる。また、清掃テープは、可撓性を有するものが好ましい。
清掃テープの幅は、特に限定されないが、少なくとも清掃対象である、光コネクタのフェルールの端面の幅以上か、又は、光コネクタ端面にガイドピンが突接されている場合には、さらにガイドピンを含んだ幅以上とすることができる。光コネクタ端面にガイドピンが突接されている場合(一般には二本のガイドピンが設けられている)には、ふき取りタイプのクリーナに用いられる清掃テープの幅は、ガイドピン間の間隙の幅以下となる。
清掃テープの厚みは、特に限定されないが、例えば、0.05mm~2mmとすることができる。
清掃テープの材質(以下、基材ともいう。)は、本発明の効果を阻害しない限りにおいて特に限定されず、例えば、合成樹脂、天然樹脂等の樹脂類、天然のゴム類や合成ゴム等のゴム類、天然繊維や合成繊維、繊維、紙、をシート状に形成したものを用いることができる。即ち、樹脂の押出成形シート、樹脂シートの細幅切断加工、繊維の撚合せ、繊維の編込み(メッシュ材や織布など)、積層布,不織布、紙等を用いることができる。また、粘着層が、粘着層単独で保持可能である場合には、粘着層単独で清掃テープとすることができる。
繊維の編込みとしては、例えば、目開き0.5~2.0mm程度の網目構造のメッシュ材を用いることができる。
清掃テープは、清掃テープと光コネクタとが接触する際、後述するガイドピン及び収容孔の形状を追従するように変形するものでもよく、ガイドピンが清掃テープを貫通するものでもよい。清掃テープがガイドピン及び収容孔の形状を追従するように変形するものの場合には、清掃テープは、オレフィン系やポリ塩化ビニル系の合成樹脂が好適である。一方、ガイドピンが清掃テープを貫通する場合には、貫通が容易な構造や貫通が容易な材質を用いることが好適であり、例えば、網状に構成された繊維の編込み、積層布、不織布等を好適に用いることができる。
また、清掃テープは、基材に粘着層を積層したものを用いることができる。粘着層は、清掃テープの光コネクタ端面に接する側の表面に積層される。
清掃テープとして、繊維の編込みや、積層布、不織布等の空隙を含む材質を用いる場合には、粘着層を設ける際に、粘着層が繊維の編込みや、積層布、不織布等の空隙内に侵入(含浸)した状態とすることができる。このような状態とすることで、清掃テープと粘着層の密着が強固なものとなる。従って、光コネクタのフェルールの端面やガイドピンを清掃テープから取り外す際に、粘着層が脱離して、光コネクタのフェルールの端面やガイドピンに付着するという、糊残りが生じにくくなるという利点もある。
貫通が容易な材質としては、紙、不織布、織布や樹脂のフィルムを好適に用いることができる。貫通が容易な樹脂としては、特に限定されないが、ポリエチレン樹脂などのポリオレフィン樹脂などのように一定の伸びを示した後に容易に破断する樹脂や、一軸延伸又は二軸延伸されたポリプロピレン樹脂(PP)やポリエチレンテレフタレート樹脂(PET)などの様に易切断性加工を施した樹脂などを好適に用いることができる。
この中でもポリエチレンテレフタレート樹脂(PET)を用いることで、テープ搬送性を良好としやすい。
清掃テープが粘着層を有する場合の粘着層の材質は、光コネクタのフェルール(例えば、後述するフェルールFE)の端面(例えば、後述する端面ES)及びガイドピン(例えば、後述するガイドピンGP)との接触により、汚れが除去できる限りにおいて、特に限定されず、粘着剤又は接着剤を用いることができる。
粘着剤としては、例えば、ゴム系粘着剤、アクリル系粘着剤、シリコーン系粘着剤、ウレタン系粘着剤等を挙げることができる。これらの粘着剤には、粘着付与剤、充填剤等の添加剤が配合されていてもよい。公知の粘着剤は、容易に入手が可能であり、粘着力や糊残り防止効果を容易に改変することができるという利点を有する。
接着剤としては、例えば、弱い粘着性を有するオレフィン系接着剤等を用いることができる。接着剤は、コネクタ端面及びガイドピンに接触したときに、糊残り等コネクタ端面への汚染を抑制又は防止対策を施したものが好ましい。
粘着層のガラス転移温度は、特に限定されないが、例えば、-50℃超-30℃未満とすることが好ましい。粘着層のガラス転移温度がかかる範囲にある場合には、本発明の光コネクタ端面クリーナは、より優れた汚染物除去性能を有し、樹脂製の光コネクタ端面や光ファイバが損傷され難い。ここで、汚染物除去性能を満たすためには、粘着層が光コネクタのフェルール端面全面に密着する全面密着性、及び、汚染物を光コネクタ端面から粘着層へ転写する転写性が必要であり、粘着層のガラス転移温度を一定の範囲とすることで、本発明のクリーナが、より優れた汚染物除去性能を有するものとすることができる。
また、本発明のクリーナのテープ搬送性を良好とすることが可能となる。ここで、テープ搬送性とは、清掃テープが、搬送され・変位する際に、清掃テープに皺がよったりせず、清掃テープの搬送・変位がスムーズに行われる性質のことであり、テープ搬送性が悪いと、使用時に清掃テープを調整する手間等が発生するため、クリーナの使い勝手が悪くなる場合がある。
粘着層は、後述するように、光コネクタの端面にガイドピンが突接している場合には、ガイドピンが粘着層に接触し、さらに、清掃ヘッド先端部材の端面に設けられた収容孔に嵌合される際に、ガイドピンと収容孔の形状に追従するように変形するものでもよく(図16参照)、ガイドピンが粘着層を貫通するものでもよい(図17参照)。また、清掃テープが基材と粘着層から成る場合には、ガイドピンが基材を貫通し、粘着層がガイドピンに追従するものであってもよい。 粘着層は、コネクタ端面及びガイドピンに付着した汚染物の除去性の観点から、ガイドピンと収容孔の形状に追従するように変形するものが好ましい。粘着層がガイドピンと収容孔の形状に追従することで、粘着層が、ガイドピンに接触する面積が広くなり、ガイドピンの清掃面積を増加させることにより、汚染物除去性能を向上することができる。また、清掃テープが基材と粘着層から成り、ガイドピンが基材を貫通し、粘着層がガイドピンに追従する態様においては、基材が粘着層を支持するため、ガイドピンの根元も含めた光コネクタ端面をくまなく清掃しやすい。
清掃テープは、クリーナの保管時などに清掃テープの清掃面(粘着層の表面)を汚れや破損から保護するために剥離フィルムを備えることができる。剥離フィルムは、粘着層の光コネクタの端面に押圧される側の表面に積層される。また、剥離フィルムは、粘着層が光コネクタの端面に押圧される前に剥離される。本発明のクリーナは、剥離フィルムを剥離、回収する機構を備えることができる。
剥離フィルムの材質は、公知のものを用いることができ、特に限定されない。樹脂フィルムや紙などのシート状の材質の粘着層と接する表面に剥離加工が施されていればよい。剥離加工は、特に限定されないが、例えば、ジメチルシロキサンなどの剥離剤を塗布するなどの方法を挙げることができる。
<<<清掃ヘッド>>>
図18に、清掃ヘッドの一例を図示した。以下に、清掃ヘッドの構成や配置について図18に沿って説明する。清掃ヘッド400は、クリーナを使用する際、清掃テープを光コネクタの端面に押圧する清掃ヘッド端面411を備えた清掃ヘッド先端部材410と、清掃ヘッド先端部材410を支持する清掃ヘッド緩衝部材420と、清掃ヘッド先端部材410と、清掃ヘッド先端部材410及び/又は清掃ヘッド緩衝部材420を支持する清掃ヘッド支持部材430と、を備える。
図18では、清掃ヘッド端面411に後述する光コネクタの端面に突設されたガイドピンを収納する収納孔(A)412が設けられている。収納孔(A)412は、清掃ヘッド端面411から清掃ヘッド緩衝部材420の方向に向かって貫通している。また、清掃ヘッド緩衝部材420には、収納孔(A)412と相対する位置に収納孔(B)422が設けられている。収納孔(B)422は、清掃ヘッド緩衝部材420の清掃ヘッド先端部材410と当接する面から、清掃ヘッド支持部材430と清掃ヘッド緩衝部材420の清掃ヘッド先端部材410と当接する面とが、当接する面へ貫通している。後述するが収納孔(A)412は、クリーナ使用時に光コネクタ端面に突接されたガイドピンを収納し、清掃テープが、光コネクタの端面に到達できれば、貫通していてもよいし、貫通していなくてもよい。清掃ヘッド端面411と、清掃ヘッド先端部材の清掃ヘッド緩衝部材420と当接する面との距離とガイドピンの長さに応じて設計することができる。
清掃ヘッド緩衝部材420の少なくとも一部は、清掃テープが清掃ヘッドにより光コネクタの端面(図2の光コネクタの端面OPなど)に当接(押圧)される際に、光コネクタの光ファイバの光軸上において、光コネクタの端面と清掃ヘッド緩衝部材420とで、清掃ヘッド先端部材410を挟み込む位置に、清掃ヘッド先端部材410と当接して配置することができる(図18(b)参照)。このように配置することで、清掃テープが清掃ヘッドにより光コネクタの端面(図2の光コネクタの端面OPなど)に押圧される際に、清掃ヘッド先端部材410に作用する応力が、清掃ヘッド先端部材410を介して、清掃ヘッド緩衝部材420の少なくとも一部伝達される(図19(b)の応力が作用する方向に伝達される)。この際、清掃ヘッド緩衝部材420の一部が応力を吸収して変形することで、多様な光コネクタの端面に対しても優れた汚染物除去性を示し、さらに上述した樹脂製の光コネクタ端面や光ファイバが損傷も起こり難く、テープ搬送性が良好であるクリーナを得ることができる。
清掃ヘッド先端部材410及び/又は清掃ヘッド緩衝部材420は、清掃ヘッド支持部材430により支持することができる。清掃ヘッド支持部材430の少なくとも一部は、清掃テープが前記光コネクタの端面に押圧される際に、光コネクタの光ファイバの光軸上において、光コネクタの端面と清掃ヘッド支持部材430とで、清掃ヘッド先端部材410及び清掃ヘッド緩衝部材420の一部を挟み込む位置に、前記清掃ヘッド緩衝部材420の一部と当接して配置することができる。このように配置することで、清掃テープが清掃ヘッドにより光コネクタの端面(図2の光コネクタの端面OPなど)に押圧される際に、清掃ヘッド先端部材410に作用した応力が、清掃ヘッド先端部材410と清掃ヘッド緩衝部材420とを介して、清掃ヘッド支持部材430に伝達される。この際、前記清掃ヘッド緩衝部材420の一部が応力を吸収して変形するが、より硬い清掃ヘッド支持部材430が清掃ヘッド緩衝部材420の変形を一定の範囲に制限することで、変形しすぎず、清掃ヘッド先端部材410の位置の変位も制限することができる。そのようにすることで、ガイドピンの破損を防ぐことが可能となり、テープ搬送性を優れたものとすることができる。
清掃ヘッド先端部材410は、清掃ヘッド先端部材410及び/又は清掃ヘッド緩衝部材420を稼働可能とすることで、首振り構造とすることができる。首振り構造は、特に限定されず、公知の構造とすることができる。首振り構造として、例えば、清掃ヘッド緩衝部材420が変形することで、清掃ヘッド先端部材410が稼働する構造とすることができる。この場合の清掃ヘッド緩衝部材420のE1が、1MPa以下であれば、清掃ヘッド緩衝部材420は十分な柔軟性を有し、首振り効果を得やすい構造を有することが可能となる。
<<清掃ヘッド先端部材>>
本発明にかかる清掃ヘッド先端部材410は、クリーナを使用する際、清掃テープを光コネクタの端面に押圧するための清掃ヘッド端面411を備える。清掃ヘッド端面411は、光コネクタの端面(例えば、後述するフェルールFEの端面ES)に応じた大きさ及び形状を有する。
清掃ヘッド先端部材410は、光コネクタの端面に清掃テープを当接する際、十分な汚染物除去性能を持たせ、樹脂製の光コネクタ端面や光ファイバが損傷され難く、テープ搬送性を良好とするため、十分な貯蔵弾性率、厚み(図19(b)におけるt1)を有することが好ましい。
清掃ヘッド先端部材410の40℃における貯蔵弾性率E2は、清掃ヘッド緩衝部材420の40℃における貯蔵弾性率E1よりも高ければ、特に限定されないが、例えば、200MPa以上とすることができる。E2の上限は、特に限定されないが、例えば、3000MPa以下とすることができ、樹脂製の光コネクタ端面や光ファイバが損傷され難いとの観点で、好ましくは2000MPa以下、より好ましくは、1000MPa以下である。40℃における貯蔵弾性率E2が、かかる範囲にあることで、多様な光コネクタの端面に対しても優れた汚染物除去性を示し、さらに上述した樹脂製の光コネクタ端面や光ファイバが損傷も起こり難く、テープ搬送性が良好であるクリーナを得ることができる。
清掃ヘッド先端部材410の前後方向の厚み(例えば、図19(b)におけるt1)は、特に限定されないが、例えば、0.1mm以上とすることができ、好ましくは0.3mm以上、さらに好ましくは0.5mm以上である。また、清掃ヘッド先端部材の前後方向の厚みの上限は、特に限定されないが、本発明のクリーナが携帯型であることから、例えば、3mm以下とすることができる。ここで、清掃ヘッド先端部材410の前後方向の厚みとは、清掃ヘッド端面411の表面上の点から清掃ヘッド緩衝部材420に当接する点までの、光コネクタの光ファイバの光軸上の長さのうち、最も短い長さ(例えば、図19(b)におけるt1)を指すものとする。
本発明のクリーナは、クリーナ使用時に光コネクタの端面に当接した際、十分な汚染物除去性能を有し、樹脂製の光コネクタ端面や光ファイバが損傷され難く、さらに後述するテープ搬送性を良好とするためには、清掃ヘッド緩衝部材の40℃における貯蔵弾性率E1にも依存する。本発明のクリーナにおいて、E2>E1であればよいが、E2とE1との比(E2/E1)が500以上とすることで、多様な光コネクタの端面に対しても、さらに優れた汚染物除去性を示すことができる。
清掃ヘッド先端部材は、E2が上述の範囲内にあれば、特に限定されず、金属、セラミック、ガラス、樹脂、ゴムなどを用いることができる。これらは、単独で、又は、複数を組み合わせて用いることができる。これらのうち、樹脂やゴムが、光コネクタの端面や光ファイバをより損傷させ難い点で好ましい。また、樹脂やゴムのうち、ガラス転移温度が、10℃以上であるものが、テープ搬送性の点でより好ましい。清掃ヘッド先端部材の厚みを薄くする必要が有る場合には、金属やセラミックスなどの貯蔵弾性率が高いものを用いればよい。
<清掃ヘッド端面>
清掃ヘッド端面は、特に限定されず、平面形状や曲面形状とすることができる。
清掃ヘッド端面が平面である場合には、清掃ヘッド端面の法線方向は、光コネクタの光ファイバの光軸方向と平行(180°の関係)であってもよいし、光軸方向に対して、平行(180°の関係)から傾斜していてもよい。光コネクタの端面は一般に、光ファイバの光軸に対し、5~20°傾斜している場合がある。そのような光コネクタの端面を清掃する場合、本発明のクリーナは、清掃ヘッド端面の法線方向を、光コネクタの端面の法線方向と光ファイバの光軸方向の傾斜とが180°となるように傾斜させることができる。このようにすることで、清掃ヘッド端面と、光コネクタ端面とが当接する面積が増えるため、汚染物の除去性を優れたものとすることができる。即ち、本発明のクリーナは、クリーナの清掃ヘッド端面と、光コネクタの端面とが、互いに対向して当接可能である態様であることが好ましい。即ち、光コネクタの端面の法線方向と、清掃ヘッド端面の法線方向とが、180°の関係にあり、当接可能であることが好ましい。
また、本発明のクリーナは、光コネクタの端面の光ファイバの光軸との傾斜角度と、清掃ヘッドの傾斜が一致しない場合においても、清掃ヘッド緩衝部材としてE1が低い材質を用いることで、清掃ヘッド端面と、光コネクタの端面とが、対向して当接可能であるように清掃ヘッド先端部材を変位させることが可能となり、そのような端面の態様でも、汚染物除去性能を高くすることができる。そのようなE1としては、特に限定されないが、例えば、0.05~1.0MPaとすることができ、0.1~0.7MPaが好ましい。
また、清掃ヘッド端面は、平面に限られず、球面、楕円球面、その他の曲面とすることができる。また、清掃ヘッド端面が球面、楕円球面、その他の曲面である場合には、清掃ヘッド端面は、少なくとも1つの極大点を有することができる。極大点は、清掃テープが光コネクタの端面に当接される際に、光コネクタの端面に備えられた、少なくとも1つの光ファイバの光軸上に配置することができる。このようにすることで、清掃ヘッド端面と、光コネクタ端面とが当接する面積が増えるため、汚染物の除去性を優れたものとすることができる。また、さらに首振り構造を有することで、さらに光コネクタの端面の傾斜に追従することが容易となり、光コネクタ端面の汚染物の除去性を、さらに優れたものとすることができる。
(収容孔(A))
清掃ヘッド端面には、光コネクタの端面から突出する2本のガイドピンを収容するための2つの収容孔(A)が形成されていてもよい。収容孔(A)を形成したことにより、光コネクタの端面にガイドピンが突接されている場合に、ガイドピンの根元まで、清掃テープを到達させることができ、ガイドピンの根元付近の塵埃も的確に除去することができる。ガイドピンの根元付近に付着した塵埃の除去については、後述する。ただし、ふき取りタイプのクリーナを用いる場合には、清掃テープの幅をガイドピン間の幅よりも狭くする必要がある。
収容孔(A)は、清掃ヘッド先端部材を貫通していてもよいし、貫通していなくてもよい。即ち、収容孔(A)の深さは特に限定されない。ガイドピンの長さと、清掃ヘッド先端部材の前後方向の厚みと、応じて設計することができる。光コネクタの端面が清掃テープと当接する際に、ガイドピンが清掃ヘッド先端部材を貫通する場合には、清掃ヘッド緩衝部材は、清掃ヘッド緩衝部材の収容孔(A)に相対する位置に、収容孔(B)又は凹部(b)を設けることができる。
収容孔(A)の清掃ヘッド端面における断面形状及び大きさは、ガイドピンが収容可能であればよく、特に限定されない。収容孔(A)の清掃ヘッド端面における断面形状は、円形、楕円形、多角形等のガイドピンの形状を考慮して、自由に設計できる。一般にガイドピンの断面形状は円形であるため、清掃ヘッド端面における収容孔(A)の断面形状は円形が好ましい。特に、ガイドピンを、収容孔(A)に嵌合する際、清掃テープがガイドピン及び収容孔(A)の形状を追従する態様の場合には、収容孔(A)の清掃ヘッド端面における断面形状は、円形であることが好ましい。ガイドピンを収容孔(A)に嵌合する際、収容孔(A)の清掃ヘッド端面における断面形状が円形である場合には、清掃テープは収容孔(A)の縁により均一な応力が作用するため、清掃テープが破損せずにガイドピン及び収容孔(A)の形状を追従することが容易となる。
<<清掃ヘッド緩衝部材>>
本発明にかかる清掃ヘッド400は、清掃ヘッド緩衝部材420を含む。
清掃ヘッド緩衝部材420は、少なくとも一部が清掃ヘッド先端部材410の後ろ側に当接されて、清掃ヘッド先端部材410を支持可能なように配置される。また、清掃ヘッド緩衝部材420は、さらに、後ろ側に配置された清掃ヘッド支持部材430と当接して配置される。このような配置とすることで、本発明のクリーナを使用時に、清掃テープが、清掃ヘッドに押圧され、光コネクタの端面に押し付けられた際、清掃ヘッド端面で発生した応力は、清掃ヘッド先端部材を介して後ろ側へ伝達され、即ち、清掃ヘッド先端部材を支持する清掃ヘッド緩衝部材へと伝達され、清掃ヘッド緩衝部材に吸収される。
清掃ヘッド緩衝部材の、40℃における貯蔵弾性率E1は、E2及びE3よりも低い限りにおいて特に限定されないが、例えば、0.05~1.0MPaとすることができ、0.1~0.7MPaとすることが好ましい。また、E1と、E2との比(E2/E1)は、本発明の効果を阻害しない限りにおいて、特に限定されないが、例えば、500以上とすることができ、1000が好ましい。清掃ヘッド緩衝部材の40℃における貯蔵弾性率E1と、清掃ヘッド先端部材の40℃における貯蔵弾性率E2とが、かかる範囲にある場合には、多様な光コネクタの端面に対しても優れた汚染物除去性を示し、さらに樹脂製の光コネクタ端面や光ファイバが損傷も起こり難く、テープ搬送性を良好であるクリーナを得ることができる。
清掃ヘッド緩衝部材の材質は、貯蔵弾性率E1が上述の範囲内にあれば、特に限定されず、例えば、樹脂、ゴムなどを用いることができる。これらは、単独で、又は、複数を組み合わせて用いることができる。
清掃ヘッド緩衝部材420の形状は、特に限定されず、清掃ヘッド先端部材410を支持可能な形状や大きさであればよい。清掃ヘッド緩衝部材420の清掃ヘッド先端部材410の後ろ側に当接される部分の形状は、特に限定されないが、円筒状、楕円筒状、多角形柱状等とすることができる。清掃ヘッド緩衝部材420の清掃ヘッド先端部材410の後ろ側に当接される部分の形状を円筒状、楕円筒状、多角形柱状等とすることで、ばねなどに比べ、異方性が少なく、即ち、変形の方向の自由度が高いため、光コネクタの端面の傾斜等に対する追従性を優れたものとすることができ、本発明のクリーナの汚染物除去性能を優れたものとすることができる。また、テープ搬送性を向上することができる。さらに、構造が簡単であることからり、設計が容易で、製造コストも低くすることができる。
清掃ヘッド緩衝部材420の一部、即ち、清掃ヘッド先端部材410の後ろ側に当接される部分の前後方向の厚み(例えば、図19(b)のt2)は、特に限定されないが、例えば、0.5mm以上であり、2mm以上が好ましい。前記厚みの上限値は、特に限定されないが、例えば、20mm以下とすることができる。ここで、清掃ヘッド緩衝部材420の清掃ヘッド先端部材410の後ろ側に当接される部分の前後方向の厚みとは、清掃ヘッド緩衝部材420において、清掃テープが光コネクタの端面に当接される際に、光コネクタの端面に設けられた光ファイバの光軸上の、清掃ヘッド緩衝部材が清掃ヘッド先端部材410と当接する点と、清掃ヘッド緩衝部材が後述する清掃ヘッド支持部材と当接する点の長さ(例えば、図19(b)のt2)を示す。
清掃ヘッド緩衝部材420は、留め具等の公知の方法を用いて、清掃ヘッド先端部材410を支持することができる。図18~19において、清掃ヘッド先端部材410と清掃ヘッド緩衝部材420とは、清掃ヘッド先端部材410に設けられた凹構造413と、清掃ヘッド緩衝部材420に設けられた凸構造423と、を嵌合して固定、支持する例が示されている。
<収容孔(B)又は凹部(b)>
清掃ヘッド緩衝部材は、光コネクタの端面に突接されたガイドピンに対応する位置に、ガイドピンを収容することが可能な、収容孔(B)又は凹部(b)を設けることができる。収容孔(B)又は凹部(b)を設けることで、清掃テープをガイドピンの根元に到達させることができ、ガイドピンの根元付近の塵埃も的確に除去することができる。ガイドピンの根元付近に付着した塵埃の除去については、後述する。
本願では、ガイドピンが清掃ヘッド先端部材を貫通し、清掃ヘッド緩衝部材に到達する場合に、清掃ヘッド緩衝部材に設けられた窪みのうち、ガイドピンの側周面まで嵌合する深さのものを収容孔(B)とし、ガイドピンの側周面に到達しない深さのものを凹部とする。
収容孔(B)は、清掃ヘッド緩衝部材を貫通していてもよいし、貫通していなくてもよい。ガイドピンが清掃ヘッド緩衝部材を貫通し、清掃ヘッド支持部材に到達する場合に、ガイドピンの長さと、清掃ヘッド先端部材の前後方向の厚みと、清掃ヘッド緩衝部材前後方向の厚みと、に応じて設計することができる。光コネクタの端面が清掃テープと当接する際に、ガイドピンが清掃ヘッド先端部材及び清掃ヘッド緩衝部材を貫通する場合には、清掃ヘッド支持部材は、清掃ヘッド緩衝部材の収容孔(B)に相対する位置に、収容孔(C)又は凹部(c)を設けることができる。収容孔(C)又は凹部(c)については後述する。
収容孔(B)及び凹部(b)の清掃ヘッド端面と平行な平面における断面形状及び大きさは、ガイドピンが収容可能であればよく、特に限定されない。収容孔(B)及び凹部(b)の清掃ヘッド端面と平行な平面における断面形状は、円形、楕円形、多角形等のガイドピンの断面形状を考慮して、自由に設計できる。一般にガイドピンの清掃ヘッド端面と平行な平面における断面形状は円形であるため、清掃ヘッド端面における収容孔(B)及び凹部(b)の断面形状は円形が好ましい。
収容孔(B)及び凹部(b)の断面形状は、収容孔(A)の断面形状と同一でも、異なっていてもよい。
<<清掃ヘッド支持部材>>
本発明にかかる清掃ヘッド400は、清掃ヘッド支持部材430を含む。清掃ヘッド支持部材430の形状は特に限定されず、清掃ヘッド先端部材及び/又は清掃ヘッド緩衝部材を支持可能な形状と大きさを有していればよい。
清掃ヘッド支持部材430は、前述したように、清掃ヘッド先端部材410及び/又は清掃ヘッド緩衝部材420を支持することができる。清掃ヘッド支持部材430の少なくとも一部は、清掃テープが前記光コネクタの端面に押圧される際に、光コネクタの光ファイバの光軸上において、光コネクタの端面と清掃ヘッド支持部材430とで、清掃ヘッド先端部材410及び清掃ヘッド緩衝部材420の一部を挟み込む位置に、前記清掃ヘッド緩衝部材420の一部と当接して配置することができる。このように配置することで、清掃テープが清掃ヘッドにより光コネクタの端面(図2の光コネクタの端面OPなど)に押圧される際に、清掃ヘッド先端部材410に作用した応力が、清掃ヘッド先端部材410と清掃ヘッド緩衝部材420とを介して、清掃ヘッド支持部材430に伝達される。この際、前記清掃ヘッド緩衝部材420の一部が応力を吸収して変形するが、より硬い清掃ヘッド支持部材430が清掃ヘッド緩衝部材420の変形を一定の範囲に制限することで、変形しすぎず、清掃ヘッド先端部材410の位置の変位も制限することができる。そのようにすることで、ガイドピンの破損を防ぐことが可能となり、テープ搬送性を優れたものとすることができる。
清掃ヘッド支持部材430は、留め具等の公知の方法を用いて、清掃ヘッド先端部材410及び/又は清掃ヘッド緩衝部材420を支持することができる。図18~19において、清掃ヘッド緩衝部材420と清掃ヘッド支持部材430とは、清掃ヘッド緩衝部材420に設けられた凸部422と、清掃ヘッド支持部材430に設けられた孔部431と、を嵌合して固定、支持されている例が示されている。
清掃ヘッド支持部材430は、クリーナ本体と一体であってもよいし、本体と別体であってもよい。清掃ヘッド支持部材430は、本体と別体である場合には、直接又は他の部品を介して、クリーナヘッドをクリーナ本体と接続可能とする形状を有していればよい。また、清掃ヘッド支持部材430は、留め具等の公知の方法を用いて、クリーナ本体と接続することができる。
清掃ヘッド支持部材の、40℃における貯蔵弾性率E3は、E1よりも高い限りにおいて、特に限定されないが、例えば、200MPa以上とすることができる。E3の上限は、特に限定されないが、例えば、1000MPaとすることができる。
E3と、清掃ヘッド緩衝部材の40℃における貯蔵弾性率E1との比(E3/E1)を500以上とすることで、クリーナ使用時に光コネクタの端面に当接した際、清掃ヘッド端面で発生した応力を清掃ヘッド緩衝部材で吸収した際に、清掃ヘッドが一定の位置に固定することができる。これにより、清掃ヘッド400をクリーナ本体などに対して一定の位置に保持することが可能となり、清掃ヘッド400の清掃ヘッド端面に供給されている清掃テープのテープ搬送性を高めることができる。また、清掃テープを光コネクタのフェルールの端面に一定の力で押圧することが可能となり、操作者の技量によることなく光コネクタの端面やガイドピンの塵埃を安定して除去することができる。
また、E3とE2との大小関係は、特に限定されず、どちらか一方が他方よりも高くてもよいし、同じでもよい。なお、E3及びE2が同一の場合には、多様な光コネクタの端面に対してもより優れた汚染物除去性を示し、さらに樹脂製の光コネクタ端面や光ファイバが損傷も起こり難く、テープ搬送性がより良好であるクリーナを得ることができる。さらに、E2/E1及びE3/E1が同一であり、550~4200の範囲にある場合には、多様な光コネクタの端面に対してもさらに優れた汚染物除去性を示し、さらに樹脂製の光コネクタ端面や光ファイバが損傷も起こり難く、テープ搬送性がさらに良好であるクリーナを得ることができる。
清掃ヘッド先端部材の材質は、E3が上述の範囲内にあれば、特に限定されず、金属、セラミック、ガラス、樹脂などを用いることができる。これらは、単独で、又は、複数を組み合わせて用いることができる。これらのうち、破損し難いとの観点で、金属、樹脂が好ましく、軽量である点で樹脂が好ましい。
<収容孔(C)又は凹部(c)>
清掃ヘッド支持部材は、光コネクタの端面に突接されたガイドピンが清掃ヘッド先端部材及び清掃ヘッド緩衝部材を貫通する場合には、清掃ヘッド先端部材及び清掃ヘッド緩衝部材を貫通したガイドピンに対応する位置に、収容孔(C)又は凹部(c)を設けることができる。収容孔(C)又は凹部(c)を設けることで、清掃テープをガイドピンの根元に到達させることができ、ガイドピンの根元付近の塵埃も的確に除去することができる。ガイドピンの根元付近に付着した塵埃の除去については、後述する。
本願では、ガイドピンが清掃ヘッド先端部材及び清掃ヘッド緩衝部材を貫通し、清掃ヘッド支持部材に到達する場合に、清掃ヘッド支持部材に設けられた窪みのうち、ガイドピンの側周面まで嵌合する深さのものを収容孔(C)とし、ガイドピンの側周面に到達しない深さのものを凹部(c)とする。
収容孔(C)は、ガイドピンが清掃ヘッド先端部材及び清掃ヘッド緩衝部材を貫通し、清掃ヘッド支持部材に到達する場合に、ガイドピンの長さと、清掃ヘッド先端部材及び清掃ヘッド緩衝部材の前後方向の厚みと、清掃ヘッド支持部材前後方向の厚みと、に応じて設計することができる。
収容孔(C)及び凹部(c)の清掃ヘッド端面に平行な平面における断面形状及び大きさは、ガイドピンが収容可能であればよく、特に限定されない。収容孔(C)及び凹部(c)の清掃ヘッド端面と平行な平面における断面形状は、円形、楕円形、多角形等のガイドピンの断面形状を考慮して、自由に設計できる。一般にガイドピンの清掃ヘッド端面と平行な平面における断面形状は円形であるため、清掃ヘッド端面における収容孔(C)及び凹部(c)の断面形状は円形が好ましい。
収容孔(C)及び凹部(c)の断面形状は、収容孔(B)の断面形状と同一でも、異なっていてもよい。
<<<テープ供給機構>>>
本発明のクリーナは、清掃テープを、清掃ヘッドへ供給する、テープ供給機構を有する。
本発明にかかるテープ供給機構は、公知のものを用いることが可能であり、特に限定されない。例えば、ラック及びラチェット歯車などにより、清掃テープは、供給リールから清掃ヘッドに供給され、さらに清掃ヘッド先端部材と、清掃ヘッド端面を経由して巻取リールに巻き取られる。
<<<<クリーナの実施の態様例>>>>
以下に実施の態様例のクリーナ(図1に全体図を示した)と、実施の態様例のクリーナの動作について詳述する。なお、以下の実施の態様例では、本発明の好適例であるテープ固定タイプのクリーナについて説明する。本発明のクリーナは、本実施の態様例に限定されない。
実施の態様例のクリーナは、光コネクタの端面(例えば、後述する光コネクタのフェルールFEの端面ESなど)を清掃するための清掃テープ(後述する清掃テープCTなど。また、以下、何ら断りなく、清掃体と表現する場合がある)が供給可能に保持される供給保持体(例えば、後述する供給リール200など)が収納される本体(例えば、後述するハウジング100など)と、
前記本体から供給された清掃テープが位置づけられる清掃ヘッドであって、前記本体に対して一定の保持位置に保持された清掃ヘッド(例えば、後述する清掃ヘッド400など)と、
前記光コネクタと係合可能であり、かつ、前記光コネクタと係合した状態を維持しつつ前記清掃ヘッドに対して第1の位置から前記第1の位置と異なる第2の位置まで変位可能な制御体(例えば、後述する巻取制御体500など)と、
前記制御体が前記第1の位置から前記第2の位置まで変位する動作を清掃テープに伝達して清掃テープを変位させて前記清掃ヘッドに供給するテープ供給機構(例えば、後述するラック536及びラチェット歯車322など)と、を備え、
前記制御体が前記第1の位置に位置するときには、前記清掃ヘッドは前記光コネクタの端面から離隔し、
前記制御体が前記第1の位置から前記第2の位置に変位する間に、前記テープ供給機構によって清掃テープが変位し、
前記制御体が前記第2の位置に位置するときには、前記清掃ヘッドが前記光コネクタの端面と接触するクリーナ(例えば、後述するクリーナ10など)が提供される。
テープ供給機構は、テープ供給保持体を備え、清掃テープが供給可能(送り出し可能)に保持される。
清掃ヘッドは、本体から離隔しかつ本体に対して一定の保持位置に保持される。清掃ヘッドは、本体に対して不動の位置に保持されている。清掃ヘッドには、本体から供給された清掃テープが位置づけられる。このようにしたことで、清掃作業の際に、清掃ヘッドは、本体との相対位置や相対距離がほとんど変化しないので、クリーナ(本体や清掃ヘッドなど)を一定の姿勢に保ちつつ、光コネクタの端面に清掃テープを押圧することができ、光コネクタの端面から汚染体を粘着層に的確に転着させることができる。
制御体は、光コネクタと係合することができる。例えば、操作者がクリーナを光コネクタに近づけることで、制御体を光コネクタに係合させることができる。制御体は、清掃ヘッドに対して第1の位置から第2の位置まで変位することができる。第1の位置及び第2の位置は、互いに離隔している。制御体は、清掃ヘッドに対して相対的に変位できればよく、光コネクタに対しては、変位しなくてもよい。
テープ供給機構は、制御体が第1の位置から第2の位置まで変位する動作を清掃テープに伝達する。清掃テープは、伝達された動作によって変位して清掃ヘッドに供給される。
制御体が第1の位置に位置するときには、清掃ヘッドは光コネクタの端面から離隔する。すなわち、制御体が第1の位置に位置するときには、未だ、清掃テープによって光コネクタを清掃する状態にはなっていない。
制御体が第1の位置から第2の位置に変位する間に、供給機構によって清掃体が変位する。制御体が第1の位置から第2の位置までの間に、清掃テープが変位し、清浄な清掃テープを清掃ヘッドに供給することができる。
制御体が前記第2の位置に位置するときに、清掃ヘッドが光コネクタの端面と接触するので、清浄な清掃テープを光コネクタの端面に接触させて光コネクタの端面を清掃することができる。
すなわち、第1の実施の態様によるクリーナは、制御体が第1の位置に位置するときには、清掃ヘッドは光コネクタの端面から離隔しており、第1の位置から第2の位置に変位する間に清掃テープを変位させ、第2の位置に位置するときには、清掃ヘッドは光コネクタの端面と接触する。
制御体が変位することで、供給機構を介して制御体の動作を清掃テープに伝達し、本体から清掃テープが清掃ヘッドに供給される。
また、制御体が第1の位置に位置するときには、清掃ヘッドは光コネクタの端面から離隔し、制御体が第2の位置に位置するときには、清掃ヘッドは光コネクタの端面と接触すればよく、制御体が第1の位置から第2の位置に変位する間に、清掃ヘッドが徐々にコネクタの端面に近づいてもよい。
<<<<光コネクタ端面クリーナの構成>>>>
以下に、本発明のクリーナの構成について図面に基づいて説明する。
図1は、本実施の形態によるクリーナ10の全体の概略を示す斜視図である。図2は、本実施の形態によるクリーナ10の全体の概略と光コネクタOCとを示す斜視図である。図3は、本実施の形態によるクリーナ10の左側面を示す側面図である。図4は、本実施の形態によるクリーナ10の右側面を示す側面図である。図5は、本実施の形態によるクリーナ10の右ハウジング110Rを外した状態を示す斜視図である。図6は、本実施の形態によるクリーナ10の左ハウジング110Lを外した状態を示す斜視図である。図7は、本実施の形態によるクリーナ10の供給リール200及び巻取リール300を外した状態を示す斜視図である。図8は、本実施の形態によるクリーナ10の右ハウジング110Rの構成を示す斜視図である。図9は、本実施の形態によるクリーナ10の左ハウジング110Lの構成を示す斜視図である。図10は、本実施の形態によるクリーナ10のヘッド部40(清掃ヘッド400及びヘッド保持体440)の構成を示す斜視図である。図11は、本実施の形態によるクリーナ10のヘッド部40における清掃テープCTの経路を示す斜視図である。なお、図5~図9では、簡便のため、キャップ160を省略して示した。
<<<<<クリーナ10>>>>
クリーナ10は、清掃テープを用いて、光コネクタのフェルールの端面を清掃するための光コネクタ用の清掃具(清掃工具)である。
<<<方向>>>
本明細書で用いる方向について、説明する(図1及び図2参照)。
<前・後・長手>
クリーナ10の清掃ヘッド400が位置する側や方向を前側や前方向とし、ハウジング100が位置する側や方向を後側や後方向とする。なお、前後方向は、ヘッド部40の長手方向と称する場合もある。
<右・左>
後側から前側に向かって右の側や方向を右側や右方向と称し、後側から前側に向かって左の側や方向を左側と称する。
<下・上>
また、コイルバネ140が位置する側や方向を下側や下方向や下部と称し、供給リール200や巻取リール300が位置する側や方向を上側や上方向や上部と称する。
<上流・下流>
清掃テープCTを送り出して供給する側を上流と称し、清掃テープCTが巻き取られる側が下流と称する。後述する供給リール200が上流となり、巻取リール300が下流となる。
<<<清掃テープCT>>>
清掃テープCTは、長尺で可撓性を有している。また実施の態様例では、清掃テープCTは、粘着層を有しており、粘着層が、コネクタ端面及びガイドピンGPに接触することで塵埃などの汚れを、より効率的に除去することができる。清掃テープCTは、例えば、テープ状の形状や糸状などの一体で連続した形状を有する。
前記清掃テープCTは、清掃ヘッドに送られ、清掃ヘッド上で光コネクタのフェルールFEの端面ES及びガイドピンGPに接触させられる。このとき、粘着層は、清掃テープの光コネクタ端面に接する表面に積層される。また、剥離フィルムは、粘着層の表面に積層される。剥離フィルムは、清掃テープCTが清掃ヘッドに到達する前に、剥離され、清掃テープCTから除外される。
<<<<クリーナ10の構成>>>>
クリーナ10は、主に、ハウジング100と供給リール200と巻取リール300とヘッド部40と巻取制御体500とを備える。これらのハウジング100、供給リール200、巻取リール300、ヘッド部40、巻取制御体500は、ABS樹脂(アクリロニトリル、ブタジエン、スチレン共重合合成樹脂)やPOM(ポリアセタール)樹脂などによって形成される。
<<<ハウジング100>>>
ハウジング100は、供給リール200と巻取リール300とを回転可能に保持する。
ハウジング100は、供給リール200と巻取リール300とを前後方向に沿って収納する。ハウジング100では、巻取リール300が前側に位置し、供給リール200が後側に位置する。ハウジング100は、全体として長尺な形状を有する。
ハウジング100は、供給リール200と巻取リール300との間の領域に凹部150を有し、操作者の指を係合させ易くして、操作者の操作を的確にすることができる。
ハウジング100は、右ハウジング110Rと左ハウジング110Lとを有する。ハウジング100の右側の部分を構成するハウジングが右ハウジングであり、ハウジング100の左側の部分を構成するハウジングが左ハウジングである。右ハウジング110Rは、係止爪154を有し、左ハウジング110Lは、係止孔152を有する。右ハウジング110Rの外形と、左ハウジング110Lの外形とは、おおよそ線対称に形成されている。右ハウジング110Rと左ハウジング110Lとを向かい合わせにして、右ハウジング110Rの係止爪を左ハウジング110Lの係止孔に係止させることで、一体化してハウジング100を形成することができる。
<<右ハウジング110R>>
右ハウジング110Rは、ハウジング100の右側の部分を構成するハウジングである。
<案内用溝部112R>
右ハウジング110Rの下部には、2本の案内用溝部112Rが形成されている。案内用溝部112Rが、巻取制御体500の右側の側面に形成されている案内用突条512Rと係合することで、巻取制御体500を前後方向に案内しつつ移動させることができる。
<ストッパ114RF及びストッパ114RR>
ストッパ114RFは、右ハウジング110Rの下部の前方に配置され、ストッパ114RRは、右ハウジング110Rの下部の後方に配置される。ストッパ114RFは、巻取制御体500の最大前方位置MFを画定し、ストッパ114RRは、巻取制御体500の最大後方位置MRを画定する。
ストッパ114RF及びストッパ114RRは、巻取制御体500の右側に形成された移動制御孔514Rと係合して、最大前方位置MFで巻取制御体500を停止させたり(後述する図13(a)の状態)、最大後方位置MRで巻取制御体500を停止させたり(後述する図14の状態)することができる。
また、ストッパ114RFは、ヘッド保持体440の右側の側面に形成されている前側の係止孔444RFと係合し、ストッパ114RRは、ヘッド保持体440の右側の側面に形成されている後側の係止孔444RRと係合して、ヘッド保持体440をハウジング100に係止する。
<前側突出部116及び後側突出部118(回転可能に保持)>
前側突出部116及び後側突出部118は、右方向に向かって突出して形成されている。前側突出部116には、巻取リール300の貫通孔330が挿入されて、前側突出部116は、巻取リール300を回転可能に保持する。後側突出部118には、供給リール200の貫通孔230が挿入されて、後側突出部118は、供給リール200を回転可能に保持する。
<残量確認用窓120>
残量確認用窓120は、供給リール200に巻回されている残りの清掃テープCTの量(残量)を視認するための貫通孔である。操作者は、清掃テープCTの残量を確認して、操作を進めることができる。
<歯止め保持部122R>
歯止め保持部122Rは、凹状(窪み状)に形成され、巻取リール用歯止め190の固定端部192を収容して保持することができる。歯止め保持部122Rには、巻取リール用歯止め190の固定端部192が固定される。
<バネ保持部124R>
バネ保持部124Rは、後述するバネ保持部124Lと向かい合わせになって、コイルバネ140を伸縮可能に保持する。特に、コイルバネ140が縮んだ状態となったときでも、コイルバネ140を円筒状の形状を維持して安定的に保持することができる。
<バネ係止収容部128>
バネ係止収容部128は、後述する左ハウジング110Lに形成されているバネ係止部126を収容する。バネ係止部126をバネ係止収容部128によって覆うことにより、バネ係止部126に係止されたコイルバネ140の固定端部142がバネ係止部126から外れないようにすることができる。
<<左ハウジング110L>>
<案内用溝部112L>
左ハウジング110Lの下部には、2本の案内用溝部112Lが形成されている。
案内用溝部112Lが、巻取制御体500の左側の側面に形成されている案内用突条512Lと係合することで、巻取制御体500を前後方向に案内しつつ移動させることができる。
<ストッパ114LF及びストッパ114LR>
ストッパ114LFは、左ハウジング110Lの下部の前方に配置され、ストッパ114LRは、左ハウジング110Lの下部の後方に配置される。ストッパ114RF及びストッパ114RRと同様に、巻取制御体500の最大前方位置MFと最大後方位置MRとを画定する。ストッパ114LFは、巻取制御体500の最大前方位置MFを画定し、ストッパ114LRは、巻取制御体500の最大後方位置MRとを画定する。
ストッパ114LF及びストッパ114LRは、巻取制御体500の左側に形成された移動制御孔514Lと係合して、最大前方位置MFで巻取制御体500を停止させたり、最大後方位置MRで巻取制御体500を停止させたりすることができる。
また、ストッパ114LFは、ヘッド保持体440の左側の側面に形成されている前側の係止孔444LFと係合し、ストッパ114LRは、ヘッド保持体440の左側の側面に形成されている後側の係止孔444LRを係合して、ヘッド保持体440をハウジング100に係止する。
<歯止め保持部122L>
歯止め保持部122Lは、凹状(窪み状)に形成され、供給リール用歯止め180の固定端部182を収容して保持することができる。歯止め保持部122Lには、供給リール用歯止め180の固定端部182が固定される。
<バネ保持部124L>
前述したように、バネ保持部124Lは、バネ保持部124Rと向かい合わせとなって、コイルバネ140を伸縮可能に保持する。
<バネ係止部126>
バネ係止部126は、コイルバネ140の固定端部142を係止する。バネ係止部126は、コイルバネ140が伸縮動作したときでも、コイルバネ140を安定して保持することができる。バネ係止部126は、前述した右ハウジング110Rに形成されているバネ係止収容部128に収容される。コイルバネ140の固定端部142がバネ係止部126から外れないようにすることができる。
<<清掃体ガイドローラ130>>
供給リール200と巻取リール300との間には、清掃体ガイドローラ130が回転可能に設けられている。清掃体ガイドローラ130は、略円筒状の形状を有する。清掃体ガイドローラ130は、清掃テープCTと当接して清掃テープCTを湾曲させて、清掃テープCTの移動方向を変更する。具体的には、供給リール200から送り出された清掃テープCTを一定の方向に変更して、清掃ヘッド400に向かって案内することができる。清掃テープCTを一定の方向に向かうように調整することで、供給リール200に巻回されている清掃テープCTの残量に依存することなく、安定して清掃ヘッド400に向かって送り出すことができる。
<<コイルバネ140>>
コイルバネ140は、コイル状に形成されたバネであり、伸縮可能に形成されている。なお、各図では、簡便のため、コイルバネ140を円柱状の形状で示した。コイルバネ140は、伸縮の状態に応じて付勢力を生じさせる。コイルバネ140は、固定端部142と移動端部144との2つの端部を有する。固定端部142は、左ハウジング110Lのバネ係止部126に係止される。移動端部144は、巻取制御体500のコイルバネ押圧部540に係合される。巻取制御体500が後側に移動したときには、コイルバネ140は縮み、巻取制御体500が前側に移動したときには、コイルバネ140は伸びる。コイルバネ140は、巻取制御体500に付勢力を印加する。
<<供給リール用歯止め180>>
供給リール用歯止め180は、板バネ構造を有し、固定端部182と板バネ部184とを有する。固定端部182は、左ハウジング110Lの歯止め保持部122Lに固定される。板バネ部184は、長尺な形状を有し、長手方向に対して垂直な方向に撓んで弾性変形することができる。
板バネ部184の先端には、係合端186を有する。係合端186は、屈曲した形状を有する。係合端186は、供給リール200のピニオン体220のラチェット歯車222と係合する。板バネ部184は、ラチェット爪として機能する。板バネ部184によるラチェット機構については後述する。
<<巻取リール用歯止め190>>
巻取リール用歯止め190は、板バネ構造を有し、固定端部192と板バネ部194とを有する。固定端部192は、右ハウジング110Rの歯止め保持部122Rに固定される。板バネ部194は、長尺な形状を有し、長手方向に対して垂直な方向に撓んで弾性変形することができる。
板バネ部194の先端には、係合端196を有する。係合端196は、屈曲した形状を有する。係合端196は、巻取リール300のピニオン体320のラチェット歯車322と係合する。板バネ部194は、ラチェット爪として機能する。板バネ部194によるラチェット機構については後述する。
<<キャップ160及びキャップ保持部170>>
キャップ160は、清掃ヘッド400に着脱可能に被せるための被覆体である。清掃ヘッド400をキャップ160で被覆することで、清掃テープCTの粘着層RLの汚染を防止することができる。また、ハウジング100の後部には、キャップ保持部170が形成されている。クリーナ10で清掃作業をするときには、清掃ヘッド400からキャップ160を取り外す必要がある。取り外したキャップ160をキャップ保持部170に取り付けることによって、作業者は、キャップ160を手で持つことなく清掃することができ、清掃作業を簡便にすることができる。
<<<供給リール200>>>
供給リール200は、主に、左供給リール枠210L及び右供給リール枠210Rを有する。左供給リール枠210Lと右供給リール枠210Rとの間に、未使用の清掃テープCTが送り出し可能(供給可能)に巻回される。
<<左供給リール枠210L>>
左供給リール枠210Lは、略円盤状の形状を有する。左供給リール枠210Lは、主に、ピニオン体220と、固定部224と、貫通孔230とを有する。
<ピニオン体220>
左供給リール枠210Lは、ピニオン体220を有する。ピニオン体220は、左供給リール枠210Lの外側(左ハウジング110Lと面する側)に形成されている。ピニオン体220は、高さの低い略円筒状の形状を有する。ピニオン体220は、左供給リール枠210Lと一体に同軸に形成されている。ピニオン体220の外周面に沿ってラチェット歯車(ラチェットギヤ)222が形成されている。
ラチェット歯車222は、非対称の歯面を有する歯の列によって構成される。ラチェット歯車222の歯は、歯先を挟んで圧力角が小さい歯面(傾きが急な(傾きが大きい)歯面)(以下、傾斜大歯面と称する)と圧力角が大きい歯面(傾きが緩い(傾きが小さい)歯面)(以下、傾斜小歯面と称する)とによって構成される。傾斜大歯面によって係合面が構成され、傾斜小歯面によってスリップ面、摺動面が構成される。歯面の傾きによって、供給リール200の回転を許可する回転方向(回転許可方向)と回転を禁止する回転方向(回転禁止方向)とを規定することができる。ラチェット歯車222と、前述した供給リール用歯止め180の係合端186とによって、ラチェット機構(戻り防止機構)を構成する。
このラチェット機構によって、供給リール200は、第1の回転方向(例えば、時計回り)の回転を許可する(回転許可方向)一方、第1の回転方向とは逆方向の第2の回転方向(例えば、反時計回り)の回転を禁止する(回転禁止方向)ことができる。
<固定部224>
固定部224が、左供給リール枠210Lの中心部から突出して形成されている。供給リール200では、固定部224は、右供給リール枠210Rに向かって配置される。固定部224は、間隙(図示せず(後述する巻取リール300の固定部324の間隙326と同様))を有し、清掃テープCTの長手側の第1の端部(図示せず)を間隙に挟持させることで清掃テープCTが固定される。固定部224の先端部には、平坦部228が形成され右供給リール枠210Rを保持することができる。
左供給リール枠210Lの中心部には貫通孔230が形成され、貫通孔230には右ハウジング110Rの後側突出部118が挿入される。
<右供給リール枠210R>
右供給リール枠210Rは、略円盤状の形状を有する。右供給リール枠210Rの中心部に円状の貫通孔232が形成され、貫通孔232には、左供給リール枠210Lの固定部224が挿入される。
<供給リール200の機能>
左供給リール枠210Lと右供給リール枠210Rとの間隙に清掃テープCTが巻回される。供給リール200が回転することで、供給リール200に巻回されている未使用の清掃テープCTを徐々に送り出して清掃ヘッド400に向かって送り出すことができる。清掃体が供給リール200に巻回されて保持されているときには、粘着層は、隣接して重なっている清掃テープCTによって覆われている。巻回が解かれることで、隣接して重なっていた清掃テープCTが離隔して粘着層が露出する。
<<<巻取リール300>>>
巻取リール300は、右巻取リール枠310Rを有する。巻取リール300には、使用済みの清掃テープCTが巻回される。
<<右巻取リール枠310R>>
右巻取リール枠310Rは、略円盤状の形状を有する。右巻取リール枠310Rは、主に、ピニオン体320と、固定部324と、貫通孔330とを有する。
<ピニオン体320>
右巻取リール枠310Rは、ピニオン体320を有する。ピニオン体320は、右巻取リール枠310Rの外側(右ハウジング110Rと面する側)に形成されている。ピニオン体320は、高さの低い略円筒状の形状を有する。ピニオン体320は、右巻取リール枠310Rと一体に同軸に形成されている。ピニオン体320の外周面に沿ってラチェット歯車(ラチェットギヤ)322が形成されている。
ラチェット歯車322は、非対称の歯面を有する歯の列によって構成される。ラチェット歯車322の歯は、歯先を挟んで圧力角が小さい歯面(傾きが急な歯面)と圧力角が大きい歯面(傾きが緩い歯面)とによって構成される。歯面の傾きによって、巻取リール300の回転を許可する回転方向(回転許可方向)と回転を禁止する回転方向(回転禁止方向)とを規定することができる。ラチェット歯車322と、前述した巻取リール用歯止め190の係合端196とによって、ラチェット機構(戻り防止機構)を構成する。
このラチェット機構によって、巻取リール300は、第1の回転方向(例えば、時計回り)の回転を許可する(回転許可方向)一方、第1の回転方向とは逆方向の第2の回転方向(例えば、反時計回り)の回転を禁止する(回転禁止方向)ことができる。
<<固定部324>>
固定部324が、右巻取リール枠310Rの中心部から突出して形成されている。巻取リール300では、固定部324は、左ハウジング110Lに向かって配置される。固定部324は、間隙326を有し、清掃テープCTの長手側の第2の端部(図示せず)を間隙326に挟持することで清掃テープCTが固定される。右巻取リール枠310Rの中心部には貫通孔330が形成され、貫通孔330には、右ハウジング110Rの前側突出部116が挿入される。
なお、本実施の形態では、左巻取リール枠は存在しないが、左巻取リール枠を設けてもよい。左巻取リール枠を設けることで、巻き取った後の清掃テープCTを的確に保持することができる。
<<<ヘッド部40>>>
本態様例では、ヘッド部40は、ハウジング100から前方向に向かって突出して配置される。本発明にかかるヘッド部は、特にハウジング100から前方向に向かって突出して配置される形態に限られず、凹型の形状でもよく、清掃ヘッドが光コネクタの端面に当接可能に配置されていればよい。ヘッド部40は、清掃ヘッド400と、ヘッド保持体440と、を含んでいればよい。
<<清掃ヘッド400>>
清掃ヘッド400は、清掃テープと当接する清掃ヘッド端面411を備えた清掃ヘッド先端部材410と、清掃テープCTと当接する清掃ヘッド先端部材410を支持する清掃ヘッド緩衝部材420と、さらにそれらを支持する清掃ヘッド支持部材430を備える。
清掃ヘッド緩衝部材420の少なくとも一部は、清掃テープが前記光コネクタの端面に当接される際に作用する応力が、清掃ヘッド先端部材410を介して伝達される位置に配置される。即ち、本発明のクリーナを使用時に、清掃テープCTが、清掃ヘッドに押圧され、光コネクタの端面に押し付けられた際、清掃ヘッド端面で発生した応力は、清掃ヘッド先端部材を介して後ろ側へ伝達され、清掃ヘッド先端部材410を支持する清掃ヘッド緩衝部材420へと伝達され、清掃ヘッド緩衝部材420に吸収される。
清掃ヘッド400は、ヘッド保持体440に着脱可能に設けることができる。光コネクタのフェルールFEの端面ESに応じて、対応する清掃ヘッド400に適宜に交換することができる。
以下に、清掃ヘッド400の構成について詳述する。
<清掃ヘッド先端部材410>
清掃ヘッド先端部材410は、清掃ヘッド400の最も前方に配置され、清掃テープCTを光コネクタのフェルールFEの端面ESに当接させるための清掃ヘッド端面411を有する。清掃ヘッド端面411は、光コネクタのフェルールFEの端面ESに応じた大きさ及び形状を有する。
清掃ヘッド先端部材410は、長尺で薄く扁平の直方体状の形状を有する。清掃ヘッド先端部材410は、後述するヘッド保持体440の前側の端部446の一定の位置に保持される。供給リールから送り出された清掃テープCTは、清掃ヘッド端面411に案内されて清掃ヘッド端面411に位置づけられる。
また、清掃ヘッド先端部材410の前後方向の厚みは、図中のt1として示されている。
(清掃ヘッド端面411)
清掃ヘッド端面411は、平面である。
(収容孔(A)412)
清掃ヘッド端面411には、光コネクタのフェルールFEの端面ESから突出する2本のガイドピンGPを収容するための2つの収容孔(A)412が形成されている。収容孔(A)412を形成したことにより、光コネクタのフェルールFEの端面ESのガイドピンGPの根元まで、清掃テープCTの粘着層RLを到達させることができ、ガイドピンGPの根元付近の塵埃も的確に除去することができる。ガイドピンGPの根元付近に付着した塵埃の除去については、後で詳述する(後述する図16及び図17参照)。
清掃ヘッド端面411に位置づけられた清掃テープCTの粘着層RLは、光コネクタのフェルールFEの端面ESと向かい合わせにされて、粘着層RLが光コネクタのフェルールFEの端面ESに当接されることで、光コネクタのフェルールFEの端面ESに存在する塵埃が粘着層RLに転着される。この転着によって、光コネクタのフェルールFEの端面ESの塵埃を除去することができる。その後、清掃テープCTは、清掃ヘッド端面411から巻取リール300に向かって巻き取られる。なお、清掃テープCTの変位については、後で詳述する。
<清掃ヘッド緩衝部材420>
本発明にかかる清掃ヘッドは、清掃ヘッド緩衝部材420を含む。
清掃ヘッド緩衝部材420は、少なくとも一部が清掃ヘッド先端部材410の後ろ側に当接されて、清掃ヘッド先端部材410を支持可能なように配置される。また、清掃ヘッド緩衝部材420は、さらに、後ろ側に配置された清掃ヘッド支持部材430と当接して配置される。このような配置とすることで、本発明のクリーナを使用時に、清掃テープCTが、清掃ヘッド先端部材410に押圧され、光コネクタの端面に押し付けられた際、清掃ヘッド端面411で発生した応力は、清掃ヘッド先端部材410を介して後ろ側へ伝達され、即ち、清掃ヘッド先端部材410を支持する清掃ヘッド緩衝部材420へと伝達され、清掃ヘッド緩衝部材420に吸収される。
清掃ヘッド緩衝部材420の形状は、特に限定されず、清掃ヘッド先端部材410を支持可能な形状や大きさであればよい。
また、清掃ヘッド緩衝部材420の前後方向の厚みは、図中t2として示されている。
また、清掃ヘッド緩衝部材420には、光コネクタのフェルールFEの端面ESから突出する2本のガイドピンGPを収容するための2つの収容孔(A)412に相対する位置に収納孔(B)422が形成されていてもよい。収容孔(B)422を形成することにより、ガイドピンGPが、清掃ヘッド先端部材410の厚みよりも長い場合には、光コネクタのフェルールFEの端面ESのガイドピンGPの根元まで、清掃テープCTの粘着層RLを到達させることができ、ガイドピンGPの根元付近の塵埃も的確に除去することができる。ガイドピンGPの根元付近に付着した塵埃の除去については、後で詳述する(後述する図16及び図17参照、収納孔(B)は図示せず)。
<清掃ヘッド支持部材430>
本発明にかかる清掃ヘッドは、清掃ヘッド支持部材430を含む。
清掃ヘッド支持部材430は、少なくとも一部が清掃ヘッド緩衝部材420の後ろ側に当接されて、清掃ヘッド先端部材410及び/又は清掃ヘッド緩衝部材420を支持可能なように配置される。また、清掃ヘッド支持部材430は、ヘッド保持体440を介して、クリーナ本体と接続される。このような配置とすることで、本発明のクリーナを使用時に、清掃テープCTが、清掃ヘッド先端部材410に押圧され、光コネクタの端面に押し付けられた際、清掃ヘッド端面411で発生した応力は、清掃ヘッド先端部材410を介して後ろ側へ伝達され、即ち、清掃ヘッド先端部材410を支持する清掃ヘッド緩衝部材420へと伝達され、さらに清掃ヘッド支持部材430に吸収される。
清掃ヘッド支持部材430の形状は、特に限定されず、清掃ヘッド先端部材410及び/又は清掃ヘッド緩衝部材を支持可能であり、ヘッド保持体440と接続可能な形状や大きさであればよい。
<<ヘッド保持体440>>
ヘッド保持体440は、長尺な一定の形状を有する。本態様例では、ヘッド保持体440は、長尺な角筒状の形状を有し、中空の構造を有する。ヘッド保持体440は、供給リール200から巻取リール300に至るまでの清掃テープCTを移動可能に収容する。具体的には、ヘッド保持体440は、供給リール200から送り出され、ヘッド保持体440に支持された清掃ヘッド400の清掃ヘッド端面411を経由して、巻取リール300に巻き取られるまでの清掃テープCTを移動可能に収容する。
<保持孔442>
本態様例では、ヘッド保持体440の前部の側面には、保持孔442が形成されている。保持孔442には、清掃ヘッド400に形成されているピン432が挿入される。このようにして、清掃ヘッド400をヘッド保持体440の一定の位置に支持することができる。
<係止孔424RF及び424RR並びに係止孔424LF及び424LR>
ヘッド保持体440の後部の右側の側面には、2つの係止孔444RF及び444RRが形成されている。係止孔444RFは、前側に形成され、係止孔444RRは、後側に形成されている。前側の係止孔444RFは、右ハウジング110Rのストッパ114RFと係合し、後側の係止孔444RRは、右ハウジング110Rのストッパ114RRと係合する。
また、ヘッド保持体440の後部の左側の側面には、2つの係止孔444LF及び444LRが形成されている。係止孔444LFは、前側に形成され、係止孔444LRは、後側に形成されている。前側の係止孔444LFは、左ハウジング110Lのストッパ114LFと係合し、後側の係止孔444LRは、左ハウジング110Lのストッパ114LRと係合する。
係止孔444RF及び444RR並びに係止孔444LF及び444LRによって、ヘッド部40をハウジング100に係止させることにより、ヘッド部40をハウジング100の一定の位置に保持させることができる。
<清掃ヘッド400の位置>
清掃ヘッド400は、一定の形状を有しかつハウジング100に対して一定の位置に係止されているヘッド保持体440の一定の位置に保持されている。従って、清掃ヘッド400は、ハウジング100に対して常に一定の位置に位置する。すなわち、清掃ヘッド400は、清掃作業の作業前、作業中、作業後の全てに亘って、ハウジング100に対して移動することはなく、ハウジング100やヘッド保持体440に対して常に一定の位置に保持される。清掃ヘッド400をハウジング100やヘッド保持体440に対して一定の位置に保持されるようにしたことで、清掃ヘッド400の清掃ヘッド端面411に供給されている清掃テープCTを光コネクタのフェルールFEの端面ESに一定の力で押圧することができ、操作者の技量によることなく端面ESの塵埃を安定して除去することができる。
清掃ヘッド400の前端は、ヘッド保持体440から突出し、清掃ヘッド400の清掃ヘッド端面411は、ヘッド保持体440から突出した位置に配置される。このようにすることで、清掃テープCTが外部に向かって露出し、光コネクタのフェルールFEの端面ESに、清掃ヘッド端面411に供給されている清掃テープCTを的確に当接することができる。
また、清掃ヘッド400の前端のみをヘッド保持体440から突出させることより、清掃テープCTの粘着層RLが汚染されにくくすることができる。なお、前述したキャップ160を清掃ヘッド400に取り付けることができ、クリーナ10を使用しないときに、清掃テープCTの粘着層RLが汚染されないようにでき、清浄な状態を維持することができる。
<ヘッド保持体440の内部の構成>
ヘッド保持体440の内部には、清掃ヘッド400と清掃テープCTのみが配置される。すなわち、ヘッド保持体440の内部には、供給リール200から清掃ヘッド400に供給される清掃テープCT(供給用清掃テープCT)と、清掃ヘッド400と、清掃ヘッド400を経由して巻取リール300に巻き取られる清掃テープCT(回収用清掃テープCT)とのみが存在する。また、供給リール200から送り出された清掃テープCTの粘着層RLは、露出した状態となる。このため、ヘッド保持体440の内部では、供給用清掃テープCT及び回収用清掃テープCTを直線状(平面状)に保ちつつ移動させる。このようにすることで、清掃テープCTの粘着層RLがヘッド保持体440の内壁と接触しないようにして、粘着層RLが汚染されることを防止することができる。
さらにまた、制御本体510を駆動するためのコイルバネ140は、ハウジング100の後部に配置されており、すなわち、ヘッド保持体440から離隔した位置に配置されており、コイルバネ140の伸縮によって塵埃が発生した場合であっても粘着層RLの汚染を防止することができる。
また、ハウジング100の後部に配置されているコイルバネ140は、バネ保持部124L及び124Rの内部に収納されており、バネ保持部124L及び124Rは、隔壁として機能し、コイルバネ140の伸縮による塵埃が広がることを防止できる。
<<<巻取制御体500>>>
巻取制御体500は、制御本体510と制御用端面520と巻取用延在部530とコイルバネ押圧部540とを有する。
<<制御本体510>>
制御本体510は、長尺な略角筒状の形状を有し、長手方向に貫通している。すなわち、制御本体510は、中空の構造を有し、制御本体510の内側には、前述したヘッド部40(ヘッド保持体440及び清掃ヘッド400)が収容される。制御本体510は、内側に収容したヘッド部40に対して、ヘッド部40の長手方向に沿って移動することができる。制御本体510は、ヘッド部40の長手方向に沿ってヘッド部40の外側を移動することができ、制御本体510の移動によって、巻取制御体500の全体も、ヘッド部40及びハウジング100に対してヘッド部40の長手方向に沿って移動することができる。巻取制御体500の動作及び操作については、後述する。
<案内用突条512R及び案内用突条512L>
制御本体510の右側の側面には、2本の案内用突条512Rが形成されている。2本の案内用突条512Rは、長尺な畝状の形状を有する。2本の案内用突条512Rは、制御本体510の長手方向に沿って、互いに平行に、制御本体510の右側の側面の上部と下部との二箇所に形成されている。
制御本体510の左側の側面には、2本の案内用突条512Lが形成されている。2本の案内用突条512Lは、長尺な畝状の形状を有する。2本の案内用突条512Rは、制御本体510の長手方向に沿って、互いに平行に、制御本体510の左側の側面の上部と下部との二箇所に形成されている。
<移動制御孔514R及び移動制御孔514L>
制御本体510の右側の側面には、長尺な移動制御孔514Rが形成されている。移動制御孔514Rは、略長円状の貫通孔の形状を有する。移動制御孔514Rは、制御本体510の長手方向に沿って、2本の長尺な案内用突条512Rの間に形成されている。
制御本体510の左側の側面には、長尺な移動制御孔514Lが形成されている。移動制御孔514Lは、略長円状の貫通孔の形状を有する。移動制御孔514Lは、制御本体510の長手方向に沿って、2本の長尺な案内用突条512Lの間に形成されている。
移動制御孔514R及び移動制御孔514Lは、制御本体510の右側の側面と左側の側面とで互いに向かい合って形成されている。
<<制御用端面520>>
制御用端面520は、制御本体510の前端部に形成された端面である。制御用端面520は、光コネクタOCのハウジング端面OSと向かい合って当接し、ハウジング端面OSと係合可能に形成されている。具体的には、フェルールFEの端面ESを清掃する作業の際に、操作者によってクリーナ10が把持されて、クリーナ10が光コネクタOCに近づけられると、まず、制御用端面520が、光コネクタOCのハウジング端面OSと向かい合うようにクリーナ10が位置づけられ、制御用端面520が、光コネクタOCのハウジング端面OSと当接(係合)するまで近づけられる。
さらに、制御本体510の制御用端面520が、光コネクタOCのハウジング端面OSと当接(係合)した状態を維持しつつ、操作者がクリーナ10に力を加えると、制御本体510は、ハウジング端面OSによって押圧されて、ハウジング100の後方に相対的に移動するとともに、清掃ヘッド400の清掃ヘッド端面411が、光コネクタOCのフェルールFEの端面ESに向かって近づく。制御本体510が、ハウジング100の後方に相対的に移動することによって、清掃テープCTが供給リール200から新たに送り出されて、清掃ヘッド400の清掃ヘッド端面411に供給される清掃テープCTが移動する。
操作者がクリーナ10にさらに、力を加えると、制御本体510は、さらにハウジング100の後方に相対的に移動するとともに、清掃ヘッド400の清掃ヘッド端面411は、光コネクタOCのフェルールFEの端面ESにさらに近づき当接する。制御本体510が、ハウジング100の後方にさらに移動することによって、清掃テープCTが供給リール200から新たに送り出されて、清掃テープCTの清浄な粘着層RLが清掃ヘッド400の清掃ヘッド端面411に供給される。このため、清掃ヘッド400の清掃ヘッド端面411が、光コネクタOCのフェルールFEの端面ESに当接するときには、清掃テープCTの清浄な粘着層RLがフェルールFEの端面ESと接触することになる。
このように、操作者がクリーナ10に力を加えて、クリーナ10を光コネクタOCに押し込むことによって、清掃ヘッド400の清掃ヘッド端面411を光コネクタOCのフェルールFEの端面ESに近づけつつ清掃テープCTを供給リール200から送り出して、常に、清掃テープCTの清浄な粘着層RLをフェルールFEの端面ESに当接させることができる。なお、清掃ヘッド400、制御本体510及び清掃テープCTの具体的な動作については、図13~図17で後述する。
なお、操作者がクリーナ10に力を加えると、制御本体510は、ハウジング100及びヘッド部40に対して相対的に移動するが、清掃ヘッド400の清掃ヘッド端面411が、光コネクタOCのフェルールFEの端面ESと係合した状態となっており、巻取制御体500や制御本体510は、光コネクタOCに対して静止した状態となっている。実際には、ハウジング100及びヘッド部40が光コネクタOCに向かって移動する。
<<巻取用延在部530>>
巻取用延在部530は、制御本体510から巻取リール300に向かって延在して設けられている。巻取用延在部530は、湾曲部532とラック形成部534とを有する。
<湾曲部532>(付勢力発生部)
湾曲部532は、略90度湾曲した形状を有する。湾曲部532は、ヘッド部40の長手方向に対して略垂直に突出し、略90度湾曲してヘッド部40の長手方向と略平行になって巻取リール300に向かって延在する。湾曲部532は、弾性変形可能な材質で形成され、適宜に弾性変形することができる。
<ラック形成部534>
ラック形成部534は、湾曲部532に接続され、略直線状の長尺な形状を有する。ラック形成部534は、ヘッド部40の長手方向に沿ってラック(歯先が平面状に並んだ歯の列)536が形成されている。ラック536は、巻取リール300のラチェット歯車322と係合する。
制御本体510が前後方向に移動することで、ラック形成部534も前後方向に移動することができる。ラック形成部534の前後方向の移動によって、巻取リール300を回転させることができる。制御本体510と巻取リール300との動作については、後で詳述する。
<コイルバネ押圧部540>
巻取制御体500の後側の端部には、コイルバネ押圧部540が形成されている。コイルバネ押圧部540には、コイルバネ140の移動端部144が係合されている。コイルバネ140は、バネ保持部124Lとバネ保持部124Rとによってコイルバネ140の側部が支持され、コイルバネ押圧部540と左ハウジング110Lのバネ係止部126との間で伸縮可能に保持される。
<<<<クリーナ10の動作(クリーナ10に対する操作)>>>>
以下では、クリーナ10の動作について説明する。前述したように、操作者がクリーナ10を光コネクタOCに押し込むことで巻取制御体500をハウジング100及びヘッド部40に対して移動させることができる。以下では、まず、巻取制御体500のみの動作を説明し、次に、巻取制御体500及び巻取リール300の動作について説明する。
<<<巻取制御体500の動作(制御本体510に対する操作)>>>
前述したように、制御本体510は、中空の構造を有し、制御本体510の内側には、前述したヘッド部40(ヘッド保持体440及び清掃ヘッド400)に収容される。制御本体510は、内側に収容されたヘッド部40に対してヘッド部40の外側を移動することができる。具体的には、操作者がクリーナ10を光コネクタOCに押し込むことで、制御本体510を光コネクタOCのハウジング端面OSに係合させて、ヘッド部40の長手方向(すなわち、清掃テープCTの前後方向)に沿って制御本体510を移動させることができる。
<巻取制御体500の最大前方位置MF>
図13(a)は、制御本体510が最も前側に位置するときの状態を示す。移動制御孔514Rがストッパ114RFと係合し、移動制御孔514Lがストッパ114LFと係合するときに、制御本体510は、ストッパ114RF及びストッパ114LFによって係止され、制御本体510が最も前側に位置する(最大前方位置MF)。操作者が制御本体510に力が加えていないときには、コイルバネ140の付勢力によって、制御本体510は、前方に移動して最大前方位置MFに位置づけられる。この最大前方位置MFが、制御本体510のホームポジションとなる。
<巻取制御体500の中間位置>
図13(b)は、制御本体510が最大前方位置MFから少し後方に移動した状態を示す。前述したように、制御本体510の制御用端面520が、光コネクタOCのハウジング端面OSと当接(係合)した状態を維持しつつ、操作者がクリーナ10に力を加えると、制御本体510は、ハウジング端面OSによって押圧されて、最大前方位置MFからハウジング100の後方に向かって移動する。制御本体510が後側に移動したときには、制御本体510の一部がハウジング100の内部に収容されるとともに、ヘッド保持体440の一部が、制御本体510から露出して、清掃ヘッド400の清掃ヘッド端面411が、光コネクタOCのフェルールFEの端面ESに近づく。
<フェルールFEとの当接>
操作者がクリーナ10を光コネクタOCに押し込む力をさらに強めることによって、制御本体510がさらに後側に移動したときには、ヘッド保持体440の一部が、制御本体510からさらに露出して、清掃ヘッド端面411は、光コネクタOCのフェルールFEの端面ESと当接する。
<巻取制御体500の最大後方位置MR>
図14は、移動制御孔514Rがストッパ114RRと係合し、移動制御孔514Lがストッパ114LRと係合したときに、制御本体510は、ストッパ114RR及びストッパ114LRによって係止され、制御本体510が最も後側に位置する(最大後方位置MR)。このように、制御本体510は、最大後方位置MRで停止させることができる。制御本体510を最大後方位置MRで停止させることで、操作者がクリーナ10を光コネクタOCに押し込む力を強めて光コネクタOCのフェルールFEを強く押圧しようとした場合であっても、フェルールFEを損傷させることを防止することができる。
前述したように、コイルバネ140が制御本体510の後部に設けられており、コイルバネ140は、制御本体510に対して付勢力を印加する。操作者が制御本体510に加える力を弱めたときには、コイルバネ140の付勢力によって、制御本体510は、最大前方位置MFまで移動し、ホームポジションに戻ることができる。このように、巻取制御体500は、最大前方位置MFと最大後方位置MRとの間で移動することができる。
<<巻取制御体500及び巻取リール300の動作>>
前述したように、制御本体510の移動によって、巻取制御体500は、クリーナ10の後方又は前方に移動することができる。ここで、巻取制御体500の動作と巻取リール300の動作とについて説明する。
前述したように、制御本体510は、巻取用延在部530を有し、巻取用延在部530には、ラック536が形成されている。このラック536は、巻取リール300のラチェット歯車322と係合する。また、巻取リール用歯止め190は、板バネ部194を有し、板バネ部194には、係合端196が形成されている。この係合端196も巻取リール300のラチェット歯車322と係合する。すなわち、巻取リール300のラチェット歯車322には、制御本体510のラック536と、巻取リール用歯止め190の係合端196との2つの部材が係合し、互いの係合状態によって、巻取リール300を動作を制御することができる。図15は、ラック536とラチェット歯車322との係合と、係合端196とラチェット歯車322との係合との状態を示す概略図である。なお、ラック536は、巻取用延在部530によって覆われているが(図13及び図14等参照)、図15では、説明のためにラック536を明示した。
<<制御本体510に力が加えられたとき>>
<ラチェット歯車322とラック536との係合>
制御本体510が後方に向かう力(図13(b)及び図15の矢印A1参照)が印加されたときには、巻取リール300のラチェット歯車322の傾斜大歯面と、巻取用延在部530のラック536の傾斜大歯面とが、向かい合って係合する。この係合により、巻取用延在部530のラック536から巻取リール300のラチェット歯車322へ、巻取リール300が回転し得る力が伝達される。図13(b)及び図15の図面上では、巻取リール300が時計回り(矢印A2参照)に回転し得る力が伝達される。巻取用延在部530のラック536と巻取リール300のラチェット歯車322とによってラックアンドピニオン機構が構成され、直進運動を回転運動に変換して動作を伝達する。
<ラチェット歯車322と係合端196との係合解除>
巻取リール300のラチェット歯車322に力(図13(b)及び図15の図面上で時計回りに回転しようとする力(矢印A2参照))が伝達されるときには、巻取リール300は、巻取リール300のラチェット歯車322の傾斜大歯面と、板バネ部194の係合端196の傾斜大歯面とが互いに離隔する方向に移動する。このため、巻取リール300のラチェット歯車322の傾斜大歯面と、板バネ部194の係合端196の傾斜大歯面とが係合することはなく、巻取リール300の回転動作は禁止されない。従って、操作者が制御本体510に力を加えて巻取制御体500を後方に移動させることで(図13(b)及び図15の矢印A1参照)、巻取リール300を時計回りに回転(図13(b)及び図15の矢印A2参照)させることができる。
なお、巻取リール300が回転(図13(b)及び図15の図面上で時計回りの回転)するときには、板バネ部194の係合端196の傾斜小歯面と、巻取リール300のラチェット歯車322の傾斜小歯面とが接触する。さらに、巻取リール300の回転に従って、板バネ部194は、ラチェット歯車322の歯と摺動しながら、ラチェット歯車322の歯によって押圧されて徐々に弾性変形する。板バネ部194の係合端196が、ラチェット歯車322の歯先を通過したときに、板バネ部194は、弾性変形が解除されて元の形状に戻る。
<清掃テープCTの牽引及び供給>
このように、制御本体510に力が加えられて巻取制御体500が後方に移動するときには、制御本体510の移動によって巻取リール300に力が伝達されて、巻取リール300が回転することができる。巻取リール300が回転することで、清掃テープCTが牽引されて(図13(b)の矢印A3参照)巻取リール300に巻回される。清掃テープCTが牽引されることで、供給リール200から清掃テープCTが新たに送り出され(図13(b)の矢印A4参照)、清掃テープCTの清浄な粘着層RLが清掃ヘッド先端部材410の当接部412に供給される(図13(b)の矢印A5参照)。制御本体510に力が加えられて巻取制御体500が後方に移動するときに、巻取制御体500を最大後方位置MRまで移動させることができる(図14の状態)。
<<制御本体510への力が弱まったとき>>
<ラチェット歯車322とラック536との係合>
次に、巻取制御体500を後方に移動させた後に、制御本体510への力が弱まったときには、前述したように、コイルバネ140の付勢力によって、巻取制御体500は、前方に向かって移動しようとする(図15及び図13(b)の矢印B1参照)。すなわち、巻取制御体500は、巻取リール300のラチェット歯車322の傾斜大歯面と、巻取用延在部530のラック536の傾斜大歯面とが互いに離隔する方向に移動しようとする。従って、巻取リール300のラチェット歯車322の傾斜大歯面と、巻取用延在部530のラック536の傾斜大歯面とが係合することなく、巻取制御体500の前方への移動は禁止されない。
なお、巻取制御体500が前方に移動するときには、巻取用延在部530のラック536の傾斜小歯面は、巻取リール300のラチェット歯車322の傾斜小歯面と接触する。さらに、巻取制御体500の移動に従って、巻取用延在部530は、ラチェット歯車322の歯と摺動しながら、ラチェット歯車322の歯によって押圧されて徐々に弾性変形する。巻取用延在部530のラック536は、ラチェット歯車322の歯先を通過したときに、弾性変形が解除されて元の形状に戻る。
<ラチェット歯車322と係合端196との係合>
さらに、巻取制御体500が前方に移動するときには、巻取用延在部530のラック536の傾斜小歯面と、巻取リール300のラチェット歯車322の傾斜小歯面との接触により、巻取リール300が回転し得る力が加えられる。図15の図面上では、巻取リール300が反時計回りに回転し得る力が伝達される(図15の破線の矢印B2参照)。巻取リール300のラチェット歯車322に反時計回りに回転しようとする力が伝達されるときには、巻取リール300のラチェット歯車322の傾斜大歯面と、板バネ部194の係合端196の傾斜大歯面とが、向かい合って係合する。この係合により、巻取リール300に反時計回りに回転し得る力が伝達されても、巻取リール300の回転動作が禁止され、巻取リール300が反時計回りに回転することはない。ラチェット歯車322と係合端196との係合によって、逆戻り防止機構が構成される。
<ラチェット歯車222と係合端186との係合>
前述したように、供給リール用歯止め180は、板バネ部184を有し、板バネ部184には、係合端186が形成されている(図6参照)。また、供給リール200にはラチェット歯車222設けられている。板バネ部184の係合端186は、供給リール200のラチェット歯車222と係合する。清掃テープCTが供給リール200に逆戻りする方向の力が、清掃テープCTを介して加えられたときには、供給リール200のラチェット歯車222の傾斜大歯面と、板バネ部184の係合端186の傾斜大歯面とが、向かい合って係合する。この係合により、供給リール200に清掃テープCTが逆戻りする方向の力が伝達されても、供給リール200の回転動作が禁止される。ラチェット歯車222と係合端186との係合によって、逆戻り防止機構が構成される。
このように、制御本体510への力が弱まったときには、巻取リール300が回転することなく、巻取制御体500は、コイルバネ140の付勢力によって、前方に向かって移動する(図15及び図13(b)の矢印B1参照)。従って、巻取リール300に巻回されている清掃テープCTが解放されることなく、巻回された状態を維持して、巻取制御体500をホームポジションに戻すことできる(図13(a)の状態)。巻取制御体500をホームポジションに戻す際に、巻取リール300の回転動作を禁止することで、塵埃で汚染された清掃テープCTが清掃ヘッド400に戻ることを防ぐことができる。
<清掃テープCTの送り長さFL>
巻取制御体500は、ストッパ114RF及びストッパ114LFによって最大前方位置MFに位置づけられ、ストッパ114RR及びストッパ114LRによって最大後方位置MRに位置づけられる。このため、常に、巻取制御体500を一定の長さ(図13(a)及び図14のFL参照)だけ移動させることができ、清掃テープCTの送り長さも一定にすることができ、操作者の技量や熟練度によることなく常に清浄な粘着層RLを清掃ヘッド400の清掃ヘッド端面411に供給することができる。
<<<清掃テープCTの経路>>>
供給リール200では、清掃テープCTが巻回されており、清掃テープCTの粘着層RLは、隣接する清掃テープCTによって覆われる。このため、清掃テープCTの粘着層RLが汚染されることはない。
供給リール200は、ハウジング100に保持され、供給リール200から送り出された清掃テープCTは、清掃ヘッド400に達するまで、ハウジング100及びヘッド保持体440に収容されており、清掃テープCTの粘着層RLを清浄に保つことができる。
清掃テープCTが供給リール200から送り出されるときに、巻回が解かれて清掃テープCTの粘着層RLは露出する。供給リール200から送り出された後、清掃テープCTの粘着層RLは、いずれの部材と接触することなく直進して清掃ヘッド400に到達するのが好ましい。粘着層RLの反対側の面は、ローラやガイドなどによって、清掃テープCTの経路を適宜に変更することができる。また、清掃テープCTの粘着層RLが部材と接触する場合でも、清浄な部材を用いることで、清掃テープCTの粘着層RLを清浄に保つことができる。
<<<<清掃作業の流れ>>>>
まず、操作者によって制御用端面520が光コネクタOCのハウジング端面OSと当接(係合)するまで近づけられる。次に、制御本体510の制御用端面520が、光コネクタOCのハウジング端面OSと当接(係合)した状態を維持しつつ、操作者がクリーナ10に力を加えると、制御本体510は、ハウジング端面OSによって押圧されて、ハウジング100の後方に相対的に移動するとともに、清掃ヘッド400の清掃ヘッド端面411が、光コネクタOCのフェルールFEの端面ESに向かって近づく。
制御本体510がハウジング100の後方に相対的に移動することにより(図13(b)の矢印A1)、巻取リール300が、制御本体510の移動に応じた回転角度で巻取方向に回転する(図13(b)の矢印A2)。巻取リール300の回転により清掃テープCTが牽引されて(図13(b)の矢印A3)、巻取リール300に巻回される。
巻取リール300によって清掃テープCTが牽引されることで(図13(b)の矢印A3)、供給リール200から清掃テープCTが送り出されて(図13(b)の矢印A4)、清掃テープCTの清浄な粘着層RLが清掃ヘッド400の清掃ヘッド端面411に供給される(図13(b)の矢印A5)。
この後、操作者が、クリーナ10への力を強めて清掃ヘッド400の清掃ヘッド端面411を光コネクタのフェルールFEの端面ESに向けて近づけ、清掃テープCTの粘着層RLを光コネクタのフェルールFEの端面ESに押圧することで、光コネクタのフェルールFEの端面ESの塵埃を粘着層RLに転着させて、光コネクタのフェルールFEの端面ESを清掃することができる。
このように構成したことにより、制御本体510の相対的に移動に伴って、清掃テープCTが牽引され続ける。すなわち、清掃ヘッド400の清掃ヘッド端面411が光コネクタOCのフェルールFEの端面ESに到達するまで、制御本体510は移動し続けて清掃テープCTが牽引される。このため、清掃テープCTの粘着層RLが光コネクタのフェルールFEの端面ESに押圧されるまでの間に、清掃ヘッド400の清掃ヘッド端面411に位置していた清掃テープCTは清掃ヘッド端面411から離隔した位置に移動し、清掃テープCTの清浄な粘着層RLが清掃ヘッド端面411に新たに供給されて位置づけられる。すなわち、清掃テープCTの粘着層RLが光コネクタのフェルールFEの端面ESと当接するよりも前に、清掃テープCTの清浄な粘着層RLを清掃ヘッド端面411に新たに供給することができる。
清掃が終わった後に、操作者が、クリーナ10への力を弱めることで、コイルバネ140の付勢力によって制御本体510を前方に相対的に移動させてホームポジションに戻す。
なお、制御本体510が前方に移動するときには、ラチェット歯車322は、係合端196によって係止されており、巻取リール300の回転が禁止されるため、清掃テープCTは移動することなく、清掃ヘッド400の清掃ヘッド端面411に供給された清掃テープCTの粘着層RLは清掃ヘッド端面411の位置で維持される。
<<テープ供給機構>>
本発明にかかるテープ供給機構は、公知のものを用いることが可能であり、特に限定されない。本態様例では、ラック536及びラチェット歯車322などにより、清掃テープCT(供給用清掃テープCT)は、供給リール200から清掃ヘッド400に供給され、さらに清掃ヘッド400と、清掃ヘッド400を経由して巻取リール300に巻き取られる。
<<<<クリーナ10による清掃の過程>>>>
図16(a)~図16(d)は、クリーナ10を用いて、光コネクタのフェルールFEの端面ESを清掃する過程を示す断面図である。例えば、MPOコネクタなどの清掃に用いることができる。図16(a)~図16(d)は、清掃過程におけるフェルールFEと清掃テープCTとの相対的な位置関係を示す。図16(a)~図16(d)に示す例では、フェルールFEに、12本の光ファイバOFの端部が並んで設けられている。また、フェルールFEには、2本のガイドピンGPが、12本の光ファイバOFを挟んでフェルールFEの端面ESから垂直(端面ESから離隔する方向)に突出して設けられている。
まず、作業者がクリーナ10を把持し、図2に示すように、クリーナ10の清掃ヘッド400を光コネクタOCの開口部OPと向かい合わせにして近づける。次いで、光コネクタOCのハウジング端面OSに制御本体510の制御用端面520に係合させてクリーナ10に力を加える。力を加えることで、制御本体510をハウジング100内に収納させつつ、光コネクタOCの開口部OPに清掃ヘッド400を挿入することができ、ヘッド部40の清掃ヘッド端面411を光コネクタOCのフェルールFEの端面ESに近づけることができる。さらに、クリーナ10への力を強めることで、清掃テープCTの粘着層RLをフェルールFEの端面ESに密着させることができる。具体的な過程を以下で説明する。
まず、図16(a)に示すように、作業者が光コネクタOCの開口部OPに清掃ヘッド400を挿入すると、清掃テープCTの粘着層RLは、フェルールFEの端面ESと離隔した位置で向かい合う。
さらに、作業者が光コネクタOCに向かってクリーナ10に力を加えると、図16(b)に示すように、光コネクタOCのハウジング端面OSに制御本体510の制御用端面520が係合し、ヘッド部40の清掃ヘッド端面411の清掃テープCTの粘着層RLが光コネクタOCのフェルールFEの端面ESに近づく。図16(b)に示す状態では、清掃テープCTの粘着層RLは、フェルールFEの2本のガイドピンGPの先端部と接触し、2本のガイドピンGPによって押圧されて弾性変形する。
次いで、作業者がさらに力を加えると、図16(c)に示すように、清掃テープCTの粘着層RLは光コネクタOCのフェルールFEの端面ESにさらに近づく。このとき、粘着層RLは、2本のガイドピンGPによって押圧されるとともに、粘着層RLに生じた付勢力(復元力)によって2本のガイドピンGPを覆い始める。
次に、作業者がクリーナ10にさらに力を加えると、図16(d)に示すように、粘着層RLがフェルールFEの端面ESまで到達する。このとき、2本のガイドピンGPの接触によって弾性変形した箇所は、粘着層RLに生じた付勢力(復元力)により2本のガイドピンGPの根元まで粘着層RLによって覆われる。2本のガイドピンGPの根元まで粘着層RLで覆うことで、粘着層RLとフェルールFEの端面ESとの間に隙間が生ずることなく粘着層RLをフェルールFEの端面ESの全体に密着させることができる。2本のガイドピンGPの根元まで粘着層RLを付着させることで、フェルールFEの端面ESの全体の塵埃を粘着層RLの粘着力で転着させることができる、塵埃は、フェルールFEの端面ESに静電気力などで付着している。2本のガイドピンGPの根元の周囲や2本のガイドピンGPに付着している塵埃も、粘着層RLの粘着力によって転着させて除去することができる。粘着層RLの弾性係数や硬度などを適宜に選択することで、粘着層RLの付勢力(復元力)を用いて、2本のガイドピンGPの全体を粘着層RLで被覆することができる。
清掃ヘッド400には、2本のガイドピンGPを収容するための収容孔(A)412が形成されており、粘着層RLがフェルールFEの端面ESまで到達するときも、ガイドピンGPの全体とともに粘着層RLが収容孔(A)412に収容される。収容孔(A)412を設けたことにより、ガイドピンGPが形成されているフェルールFEであっても、的確に塵埃を除去することができる。また、粘着層RLも収容孔(A)412に収容できるので、付勢力(復元力)による粘着層RLの変形も妨げられることがなく、ガイドピンGPの全体を粘着層RLで覆うことができる。
前述した図16(a)~図16(d)は、粘着層RLが、2本のガイドピンGPによって穿刺されることなく、2本のガイドピンGPの形状及び大きさに応じて弾性変形し、粘着層RLに生じた付勢力(復元力)によって、2本のガイドピンGPの根元まで粘着層RLに被覆されていく例を示したが、2本のガイドピンGPを粘着層RLに穿刺させて粘着層RLを塑性変形させてもよい。図17(a)~図17(d)は、粘着層RLが塑性変形する場合の例を示す図である。なお、粘着層RLを弾性変形させるか、塑性変形させるかは、粘着層RLのショアA硬度などを適宜に定めればよい。
図17(a)は図16(a)と同じ状態である。図17(b)に示すように、2本のガイドピンGPが清掃テープCT(粘着層RL)に接触して押圧されると、粘着層RLは、2本のガイドピンGPによって穿刺されて塑性変形し、2本のガイドピンGPとの接触の当初から刺衝が始まる。次いで、清掃テープCTを押し込むと、図17(c)に示すように、さらに塑性変形が進行し、徐々に2本のガイドピンGPは、粘着層RLに刺衝されていく。最終的には、図17(d)に示すように、粘着層RLは塑性変形しながら、清掃テープCTはフェルールFEの端面ESに到達する。このように、粘着層RLを塑性変形させる場合でも、2本のガイドピンGPの根元まで清掃テープCTの粘着層RLを付着させることができる。この場合も、2本のガイドピンGPの根元の周囲や2本のガイドピンGPに付着している塵埃も、粘着層RLの粘着力によって転着させて除去することができる。
<清掃ヘッドに用いた材質>
各実施例、参考例及び比較例の清掃ヘッドに用いた材質を、表1に示した。
(貯蔵弾性率測定方法)
表1の各材料の40℃における貯蔵弾性率は、以下の方法で測定した。
周波数を1HzとしてJIS K7244-4に準拠して測定した。
詳細の測定条件は以下の通り。
装置名:粘弾性測定装置(DYNAMIC MECHANICAL ANALYSIS)
メーカー:日立ハイテクサイエンス
型式:DMS6100
(測定条件)
温度:-50~120℃
昇温速度:3℃/min
荷重:50mN
周波数:1Hz
モード:引張り
(サンプルサイズ)
長さ:10mm、幅:7mm
Figure 0007377946000001
各実施例、参考例及び比較例の清掃ヘッドを表1の構成となるようにそれぞれ、t1が1mm、t2が4.65mmとなるように加工し、組み立てた。その後、上述した実施の態様例のクリーナ本体に接続した。
各実施例、参考例及び比較例の清掃ヘッドを接続した各クリーナに、下記の方法で作成した清掃テープを用いて、評価用のクリーナとした。
(粘着層の作製)
数平均分子量1500のエステル系ジオール10質量%と、数平均分子量2000のエーテル系ジオール80質量%と、数平均分子量1500のエーテル系トリオール10質量%と、を合わせた混合物を調整し主剤とした。モノメリックジフェニルメタンジイソシアネートカルボジイミド変性イソシアネートと、数平均分子量3000のエーテル系のトリオールと、数平均分子量500のエステル系ジオールと、の混合物を80℃で2時間反応させ、NCO約18.9%のプレポリマーを硬化剤とした。硬化剤を容器に移し、主剤のポリオールが有する水酸基と、硬化剤のポリイソシアネートが有するイソシアネート基を当量比1.1(イソシアネート基の当量/水酸基の当量)となるように主剤を秤取り、撹拌しながら硬化剤に滴下した。滴下完了後触媒(ジブチルチンジラウレート 0.3g)を添加し、十分に混合した後、真空下で脱泡したものを、混合液とした。
(清掃テープの作製)
次に、上記の方法で得られた混合液を、厚み25μmのPETフィルム(ユニチカ;S-25)上に流し、アプリケーター(フィルムアプリケーターNo.350FA;コーティングテスター工業)を用いて350μmの膜厚のフィルム状とし、乾燥炉にて100℃で60分間ウレタン化反応を起こし、硬化を完了させた。350μmの厚さの清掃テープを得た。なお、PETフィルムは、清掃テープの基材としてそのまま用いた。得られた清掃テープの粘着層のE4は、0.099MPaであった。
<評価>
以下に、各実施例、参考例及び比較例のクリーナを以下の方法で評価した。
(テープ全面密着性)
各実施例、参考例及び比較例のテープ全面密着性について以下の方法で評価した。
評価には、扇港産業社製のMPOジャンパーコード、両端12MPO付、OM3コード型、全長1m、フラット研磨、又は、APC8度研磨、オス-メスを用い、予めその接続点面に、紙粉やACダストFINEを付着させて評価用コネクタとした。コネクタの接続端面を、各実施例、参考例及び比較例の清掃ヘッドを用いて、清掃テープの表面に当接させたのち、コネクタの接続端面のガイドピン及び表面を観察し、ピンへのゴミ転写汚染の有無、コネクタの接続端面のゴミ除去性を確認した。観察は、キーエンス社製マイクロスコープ(型式VHX-500F)を用いて任意の倍率で行った。
清掃性の判定は、コネクタ全面が清掃された場合を合格とし、清掃が実行されない部分が残るなど、コネクタの全面が清掃されなかった場合を不合格と判定した。結果を表1に示した。
(テープ搬送性)
各実施例、参考例及び比較例のテープ搬送性について以下の方法で評価した。
クリーナを稼働させ、清掃テープを搬送した際に、清掃テープに皺がよったりすることなく、清掃テープの搬送・変位がスムーズに行われた場合を合格とし、清掃テープに皺がよったり、清掃テープの搬送・変位が円滑(スムーズ)に実施できず、清掃テープの搬送に不具合が生じた場合を不合格と判定した。結果を表1に示した。
また、総合評価として、テープ全面密着性及びテープ搬送性の両方が◎のものを◎、いずれか一方でも○のものを〇、×が存在するものを×とした。結果を表1に示した。
10 クリーナ
100 ハウジング
140 コイルバネ
200 供給リール
300 巻取リール
400 清掃ヘッド
440 ヘッド保持体
500 巻取制御体
CT 清掃テープ
RL 粘着層
MF 最大前方位置
MR 最大後方位置

Claims (9)

  1. 光コネクタの端面を清掃するための光コネクタ端面クリーナであって、
    前記光コネクタ端面クリーナは、
    前記光コネクタの端面に当接させて清掃するための清掃テープと、
    前記清掃テープが前記光コネクタの端面に当接する際に、前記光コネクタの端面と当接する前記清掃テープの裏面を支持する清掃ヘッドと、
    前記清掃テープを、清掃ヘッドへ供給する、テープ供給機構と、を有し、
    前記清掃ヘッドは、少なくとも、前記清掃テープを前記光コネクタの端面に押圧する清掃ヘッド端面を備えた清掃ヘッド先端部材と、清掃ヘッド緩衝部材と、清掃ヘッド支持部材を備え、
    前記清掃ヘッド緩衝部材の少なくとも一部は、前記清掃テープが前記光コネクタの端面に当接される際に、前記光コネクタに備えられた光ファイバの光軸上において、光コネクタの端面と清掃ヘッド緩衝部材とで清掃ヘッド先端部材を挟み込む位置に当接して配置され、
    周波数を1HzとしてJIS K7244-4に準拠して測定した40℃における前記清掃ヘッド緩衝部材の貯蔵弾性率E1が、同様に測定した前記清掃ヘッド先端部材の40℃における貯蔵弾性率E2及び前記清掃ヘッド支持部材の40℃における貯蔵弾性率E3よりも低く、
    前記貯蔵弾性率E1が、0.1~0.7MPaであることを特徴とする光コネクタ端面クリーナ。
  2. 前記貯蔵弾性率E1と、前記貯蔵弾性率E2との比率(E2/E1)が500以上であることを特徴とする、請求項1に記載の光コネクタ端面クリーナ。
  3. 前記貯蔵弾性率E3は、前記貯蔵弾性率E1との比率(E3/E1)が500以上であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の光コネクタ端面クリーナ。
  4. 前記清掃テープは粘着層を備え、
    前記粘着層の、周波数を1HzとしてJIS K7244-4に準拠して測定した40℃における貯蔵弾性率E4は、前記貯蔵弾性率E1との比率(E1/E4)が1~7.5であることを特徴とする、請求項1~のいずれか一項に記載の光コネクタ端面クリーナ。
  5. 前記光コネクタの端面は、光ファイバの光軸と平行に突設されたガイドピンを有し
    記清掃ヘッド端面は、前記清掃ヘッド端面が前記光コネクタの端面に押圧される際に、前記ガイドピンと相対する位置に、前記ガイドピンが挿入される収容孔(A)を有し、
    前記清掃テープの幅は、前記ガイドピンを含んだ幅以上であり、
    前記清掃テープを停止、押圧することで前記光コネクタ端面の清掃を行うことを特徴とする、請求項に記載の光コネクタ端面クリーナ。
  6. 前記清掃ヘッド緩衝部材は、前記清掃ヘッド先端部材における前記収容孔(A)に対向する位置に、収容孔(B)、又は、凹部(b)を有することを特徴とする請求項に記載の光コネクタ端面クリーナ。
  7. 前記清掃ヘッド端面は平面であり、
    前記清掃ヘッド端面の法線方向が、前記光コネクタの端面に備えられた光ファイバの光軸方向に対し、平行であることを特徴とする、請求項1~のいずれか一項に記載の光コネクタ端面クリーナ。
  8. 前記清掃ヘッド端面は平面であり、
    前記清掃ヘッド端面の法線方向が、前記清掃テープが前記光コネクタの端面に当接される際に、前記光コネクタの端面に備えられた光ファイバの光軸方向に対して、5°~20°傾斜していることを特徴とする、請求項1~のいずれか一項に記載の光コネクタ端面クリーナ。
  9. 前記清掃ヘッド端面は、曲面であり、
    前記清掃ヘッド端面は、少なくとも1つの極大点を有しており、
    前記極大点は、前記清掃テープが前記光コネクタの端面に当接される際に、前記光コネクタの端面に備えられた、少なくとも1つの光ファイバの光軸上に配置されていることを特徴とする、請求項1~のいずれか一項に記載の光コネクタ端面クリーナ。
JP2022504371A 2020-03-03 2021-03-02 光コネクタ端面クリーナ Active JP7377946B2 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2020036227 2020-03-03
JP2020036227 2020-03-03
PCT/JP2021/007796 WO2021177259A1 (ja) 2020-03-03 2021-03-02 光コネクタ端面クリーナ

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPWO2021177259A1 JPWO2021177259A1 (ja) 2021-09-10
JP7377946B2 true JP7377946B2 (ja) 2023-11-10

Family

ID=77614280

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2022504371A Active JP7377946B2 (ja) 2020-03-03 2021-03-02 光コネクタ端面クリーナ

Country Status (4)

Country Link
US (1) US20230176295A1 (ja)
JP (1) JP7377946B2 (ja)
TW (1) TW202202238A (ja)
WO (1) WO2021177259A1 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN114871171B (zh) * 2022-07-11 2022-09-30 季华实验室 一种光纤清洁装置
CN116921296B (zh) * 2023-09-19 2023-11-24 江苏华恬节能科技有限公司 一种聚氨酯板材输送清洁一体化装置

Citations (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003050338A (ja) 2001-08-07 2003-02-21 Fujikura Ltd 光コネクタ端面清掃具
US20030098045A1 (en) 2001-11-29 2003-05-29 3M Innovative Properties Company Article and process for cleaning optical surfaces
JP2005099451A (ja) 2003-09-25 2005-04-14 Fujikura Ltd 光コネクタ清掃工具および光部品清掃工具
JP2006167286A (ja) 2004-12-17 2006-06-29 Kao Corp 化粧料容器
JP2008180799A (ja) 2007-01-23 2008-08-07 Tomoegawa Paper Co Ltd 光コネクタクリーナ
JP2011033736A (ja) 2009-07-30 2011-02-17 Fujikura Ltd 光コネクタ清掃工具
US20130019423A1 (en) 2009-12-23 2013-01-24 Afl Telecommunications Llc Bristle based fiber optic connector cleaner
JP2014081445A (ja) 2012-10-15 2014-05-08 Olympus Corp 光コネクタ清掃装置、及び光コネクタの清掃方法
JP2015049382A (ja) 2013-09-02 2015-03-16 スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー 光ファイバコネクタ
JP2018146910A (ja) 2017-03-09 2018-09-20 株式会社フジクラ 清掃工具

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6130900U (ja) * 1984-07-27 1986-02-24 株式会社アトックス 壁面除染用デイスクブラシ
JP3164238B2 (ja) * 1992-01-09 2001-05-08 日本電信電話株式会社 光コネクタ清掃具
ES2104772T3 (es) * 1992-06-15 1997-10-16 Nihon Tsusho Kk Aparato para soportar limpiadores de cintas.

Patent Citations (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003050338A (ja) 2001-08-07 2003-02-21 Fujikura Ltd 光コネクタ端面清掃具
US20030098045A1 (en) 2001-11-29 2003-05-29 3M Innovative Properties Company Article and process for cleaning optical surfaces
JP2005099451A (ja) 2003-09-25 2005-04-14 Fujikura Ltd 光コネクタ清掃工具および光部品清掃工具
JP2006167286A (ja) 2004-12-17 2006-06-29 Kao Corp 化粧料容器
JP2008180799A (ja) 2007-01-23 2008-08-07 Tomoegawa Paper Co Ltd 光コネクタクリーナ
JP2011033736A (ja) 2009-07-30 2011-02-17 Fujikura Ltd 光コネクタ清掃工具
US20130019423A1 (en) 2009-12-23 2013-01-24 Afl Telecommunications Llc Bristle based fiber optic connector cleaner
JP2014081445A (ja) 2012-10-15 2014-05-08 Olympus Corp 光コネクタ清掃装置、及び光コネクタの清掃方法
JP2015049382A (ja) 2013-09-02 2015-03-16 スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー 光ファイバコネクタ
JP2018146910A (ja) 2017-03-09 2018-09-20 株式会社フジクラ 清掃工具

Also Published As

Publication number Publication date
TW202202238A (zh) 2022-01-16
US20230176295A1 (en) 2023-06-08
JPWO2021177259A1 (ja) 2021-09-10
WO2021177259A1 (ja) 2021-09-10

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP7377946B2 (ja) 光コネクタ端面クリーナ
US11413660B2 (en) Cleaning device for optical fiber components
JP6498814B1 (ja) 光コネクタ清掃工具及び光コネクタの清掃方法
EP3855224A1 (en) Optical connector cleaning tool
WO2017051759A1 (ja) コネクタの清掃用具
TWI286087B (en) Fiber optic component cleaning device
JP4101486B2 (ja) 光コネクタ端面清掃具
TW202144515A (zh) 線狀黏著劑貼附裝置及線狀黏著劑貼附方法
EP2117775A1 (en) Optical fiber polishing apparatus and method
JPH11202463A (ja) 写真感光材料の搬送ローラ用クリーニングテープ
US20220317385A1 (en) Optical connector cleaning tool
WO2021153645A1 (ja) 光コネクタ用清掃具
JP7462577B2 (ja) 清掃具
JP2006276781A (ja) 光コネクタプラグ
CN113226945A (zh) 环形磨料带分配器
JP7177947B2 (ja) 清掃工具
WO2019176404A1 (ja) 光コネクタ端面クリーナ
JP2019185028A (ja) 光コネクタ清掃工具及び光コネクタの清掃方法
JP7227826B2 (ja) 光ファイバカッタ用刃体の製造方法
JP7148759B2 (ja) 被取付体取付構造及び被取付体取付方法
CN114684637A (zh) 输送装置以及记录装置
JP2021128287A (ja) 光コネクタ用清掃具
JP2008161762A (ja) 清掃装置及び光学フィルムの製造方法
JP2022105921A (ja) 清拭装置及びロボットシステム
EP3573785A1 (en) Fibre optic polishing tool

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20220704

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20230606

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20230727

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20231010

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20231030

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7377946

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350