JP2005048124A - 放熱材料用樹脂組成物およびその硬化物 - Google Patents

放熱材料用樹脂組成物およびその硬化物 Download PDF

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Abstract

【課題】 熱伝導性に優れるだけでなく、例えば放熱シートの成形性、柔軟性も良好な放熱材料用樹脂組成物およびその硬化物を提供する。
【解決手段】(メタ)アクリル系重合体(A)と、重合性単量体(B)と、可塑剤(C)を必須成分とする液状樹脂を含有する放熱材料用樹脂組成物であって、該液状樹脂の硬化物の硬度が5〜70であることを特徴とする放熱材料用樹脂組成物。
【選択図】 なし

Description

本発明は、放熱材料を得るための樹脂組成物およびその硬化物に関し、より詳細には、柔軟性、成形性に優れた放熱材料を得ることのできる樹脂組成物およびその硬化物に関するものである。
柔軟性を有する樹脂に、アルミナなどの熱伝導性を高める無機充填剤を配合して得られる樹脂組成物をシート状に成形(硬化)した放熱シートは、例えばプラズマディスプレイ(PDP)や集積回路等の電気・電子部品において、発熱に伴う各種部品の温度上昇による機能障害発生を防止するために用いられている。
これらの放熱シートは、発熱体と金属板やヒートシンク等の放熱体との間に挿入して用いられるが、一般的に発熱体や放熱体の表面は平滑でないことが多く、これらとの接触面積を多くして熱伝導効率を高めるためにシートの柔軟性が高いことが要求される。
従来、柔軟性を有する樹脂としてシリコーンゴムやシリコーンゲルが用いられてきたが、これらの樹脂は価格が高価であること、硬化に時間がかかり生産性の劣ること、また、低分子量のシロキサン発生により電子部品の接点不良が起こるなど問題があった。
上記の問題を解決するために、(1)ガラス転移温度が−30℃以下である共重合体および不飽和結合を有する単量体を含むバインダーを用いた放熱シートが開示されている(例えば、特許文献1)。
しかしながら、この特許文献1では、本発明者等が検討した結果、シリコーンゴムやシリコーンゲルを用いていないために低分子量のシロキサン発生による電子部品の接点不良問題については改良できるものの、得られる放熱シートの柔軟性に劣ることが判明した。
(2)炭素数2〜18のアルキル基を有するアクリル酸エステルモノマーを主成分とする重合性単量体に光重合開始剤と熱伝導性充填剤を含んだものを硬化させた非シリコン系の放熱シートが開示されている(例えば、特許文献2)。
しかしながら、この特許文献2では、特許文献1と同じくシリコーンゴムやシリコーンゲルを用いていないために低分子量のシロキサン発生による電子部品の接点不良問題については改良できるものの、成形性に劣ることが判明した。
特開2001−335602号公報
特開2002−155110号公報
そこで本発明では、上記従来技術の問題を考慮して、熱伝導性に優れるだけでなく、放熱シートの成形性や柔軟性も良好な放熱材料用樹脂組成物およびその硬化物の提供を課題として掲げている。
上記課題を解決した本発明は、(メタ)アクリル系重合体(A)と、重合性単量体(B)と、可塑剤(C)を必須成分とする液状樹脂を含有する放熱材料用樹脂組成物であって、該液状樹脂の硬化物の硬度が5〜70であるところに特徴を有している。これまで、公知の放熱材料用に、本発明の特徴である液状樹脂の硬化物の硬度が5〜70である液状樹脂を設計し利用した例はない。この範囲の硬度の液状樹脂を用いることにより、得られる放熱性硬化物の柔軟性が優れるため、発熱体や放熱体との接触面積を多くすることが可能となり、放熱特性に優れることを本願発明者は見出した。
上記(メタ)アクリル系重合体(A)は、0℃以下のガラス転移点を有し、重合性単量体(B)の少なくとも一部が、アルキル基の炭素数が2〜18の(メタ)アクリル酸アルキルエステルであることが好ましい。
上記液状樹脂は、(メタ)アクリル系重合体(A)、重合性単量体(B)、可塑剤(C)を100質量%とした場合、(メタ)アクリル系重合体(A)が10〜60質量%、重合性単量体(B)が30〜85質量%、可塑剤(C)が5〜60質量%の割合であることが好ましい。
上記放熱材料用樹脂組成物は、該放熱材料用樹脂組成物の硬化物が130℃で168時間保持したときの重量減量が5質量%以下であることが好ましい。
さらに本発明には、上記放熱材料用樹脂組成物を硬化させて得られる放熱性硬化物も含まれる。
本発明の放熱材料用樹脂組成物およびその硬化物は、(メタ)アクリル系重合体(A)と、重合性単量体(B)と、可塑剤(C)を必須成分とする液状樹脂を含有し、該液状樹脂の硬化物の硬度が5〜70であるために熱伝導性に優れるだけでなく、例えば放熱シートの成形性や柔軟性も良好な硬化物を効率よく得ることに成功した。従って、例えばPDP、電気・電子部品などの発熱体と、例えばヒートシンク、放熱フィン、金属板等の放熱体の間に介在させ、PDP、電気・電子部品等からの発熱を放熱させる用途に用いることができる。
本発明の放熱材料用樹脂組成物(以下、単に樹脂組成物という)は、(メタ)アクリル系重合体(A)と、重合性単量体(B)(以下、単に単量体(B)という)と、可塑剤(C)を必須成分とする液状樹脂を含有するものである。
本発明の(メタ)アクリル系重合体(A)は、従来公知の(メタ)アクリル系単量体を(共)重合することにより得ることができるが、中でも、得られた樹脂組成物の硬化物の柔軟性が向上することからアルキル基の炭素数が2〜18である(メタ)アクリル酸アルキルエステルを用いることが好ましい。
具体的には、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、i−プロピル(メタ)アクリレート、n―ブチル(メタ)アクリレート、i―ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n−ヘキシル(メタ)アクリレート、n−アミル(メタ)アクリレート、i−アミル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、i−オクチル(メタ)アクリレート、i−ミリスチル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、i―ノニル(メタ)アクリレート、i―デシル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、i―ステアリル(メタ)アクリレート等を挙げることができる。これらのアルキル基の炭素数が2〜18である(メタ)アクリル酸アルキルエステルは、単独で用いる他、2種以上併用してもよい。
これらのアルキル基の炭素数が2〜18である(メタ)アクリル酸アルキルエステルの使用量は、(メタ)アクリル系重合体を構成する単量体成分100質量%中、50質量%以上であることが好ましく、70質量%以上であることがより好ましく、80質量%以上であることが最も好ましい。
(メタ)アクリル系重合体(A)のガラス転移点は0℃以下が好ましく、より好ましくは−30℃以下、更に好ましくは−40℃以下である。0℃を超えると得られた樹脂組成物の硬化物が柔軟性の面で十分でない場合がある。なお、(メタ)アクリル系重合体(A)のガラス転移点は、示差走査熱量計を用いて、常法により測定することができる。
(メタ)アクリル系重合体(A)の分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によるポリスチレン換算での重量平均分子量が1万〜100万の範囲内が好ましく、3万〜80万の範囲内がより好ましく、5万〜50万の範囲内であることが最も好ましい。重量平均分子量が1万未満であると、得られた樹脂組成物の硬化物の耐溶剤性や耐熱性などの性能が低下し、一方、重量平均分子量が100万を超えると、得られる液状樹脂の粘度が高くなり作業性に支障をきたす場合がある。
(メタ)アクリル系重合体(A)は、上記(メタ)アクリル系単量体を用い、塊状重合、溶液重合、乳化重合等の公知の重合方法で(共)重合することで得ることができる。
塊状重合法においては、重合を途中で停止させる部分重合法を採用すれば、(メタ)アクリル系重合体(A)と単量体(B)との混合物を1工程で得ることができ、その後、必要に応じて他の単量体(B)や、後述する可塑剤(C)等を加えることで、所望の液状樹脂を簡便に得ることができるので好ましい。
また、溶液重合法、乳化重合法においては、重合を完了させて(メタ)アクリル系重合体(A)を得た後、水分や溶剤等を単量体(B)と可塑剤(C)に置換して液状樹脂を得ても構わない。もちろん、いずれの重合法においても、一度、重合工程を完結させから、次工程中、例えば熱伝導性を高める目的で添加されるアルミナなどの無機充填剤を含有した樹脂組成物を得る工程中で単量体(B)や可塑剤(C)を添加し、所望の液状樹脂に調整してもかまわない。
本発明の単量体(B)は、ラジカル重合性二重結合を1個有する単量体であれば特に限定されないが、中でも(メタ)アクリル系重合体(A)に用いられる単量体で例示したアルキル基の炭素数が2〜18である(メタ)アクリル酸アルキルエステルが好ましい。これらは、2種以上を併用してもよい。
これらのアルキル基の炭素数が2〜18である(メタ)アクリル酸アルキルエステルの使用量は、単量体成分100質量%中、50質量%以上とすることが好ましく、70質量%以上とすることがさらに好ましく、90質量%以上とすることが最も好ましい。
また、必要に応じて、1分子中にラジカル重合性二重結合を分子内に2個以上有する単量体(以下、多官能単量体という)も用いることもできる。多官能単量体の使用によって、さらに耐熱性や耐薬品性、クリープ特性に優れた硬化物が得られるので、硬化物の要求性能に応じて使用の有無を決定すればよい。多官能単量体の使用量は、液状樹脂100質量%中、5質量%以下が好ましく、3質量%以下がより好ましく、2質量%以下が最も好ましい。多官能単量体量が5質量%を超える場合は、得られた樹脂組成物の硬化物の柔軟性が低下する傾向がある。
多官能単量体の具体例としては、(ポリ)エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,9ナノンジオール(メタ)アクリレート、1,6ヘキサンジオール(メタ)アクリレート、1,4ブタンジオール(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、等の(メタ)アクリル系多官能単量体;ジビニルベンゼン、ジアリルフタレート、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート等が挙げられる。これらを使用するときは、2種以上を併用してもよい。
本発明の可塑剤(C)とは、(メタ)アクリル系重合体(A)や単量体(B)とラジカル重合を起こさない非ラジカル重合性の有機物であり、得られた樹脂組成物の硬化物の柔軟性を向上させる効果を有するものをいう。
具体的には、例えば、プロセスオイル、ペースト状オイル、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、流動性パラフィン、高級アルコール、脂肪油、塩素化パラフィン、フタル酸エステル、トリメリット酸エステル、脂肪族一塩基酸エステル、脂肪族ニ塩基酸エステル、ポリエステル系可塑剤、エポキシ系可塑剤、液状ゴム、合成ゴム、ゴム用可塑剤等の従来公知のものが挙げられるが、特に限定されるものではない。これらの可塑剤(C)を使用するときは、2種以上を併用してもよい。
これらの可塑剤(C)を添加することにより、得られた樹脂組成物の硬化物の柔軟性を高くすることができる。また、これらの可塑剤(C)は、耐熱性の高いもの、すなわち130℃での重量減量が10質量%以下であることが好ましく、8質量%以下がより好ましく、5質量%以下であることが最も好ましい。使用する可塑剤(C)の重量減量は、直径5cmを有するのアルミニウム製時計皿に該可塑剤3gを入れて、130℃に加熱されたオーブンで168時間保持したときの重量減量を測定することにより求めることができる。130℃での重量減量が10質量%未満の可塑剤(C)を使用すると、得られた樹脂組成物の硬化物の柔軟性が長期にわたり保持できる傾向にあり、一方、重量減量が10質量%超えると、該可塑剤(C)の揮発により、得られた樹脂組成物の硬化物の重量減量が大きく、該硬化物の硬度も高くなる傾向にある。
本発明の液状樹脂は、液状樹脂の必須成分である(メタ)アクリル系重合体(A)と、単量体(B)と、可塑剤(C)以外の成分を含有してもよい。ただし、後述する本発明の樹脂組成物には使用可能である、熱重合開始剤、熱伝導率が20W/m・K以上である無機充填剤、強化繊維、熱伝導率が20W/m・K未満である無機充填剤、有機充填剤、無機系難燃化剤、磁性体、電磁波吸収剤は、液状樹脂成分から除くものとする。
本発明の液状樹脂は、該液状樹脂の硬化物の硬度が5〜70の範囲にあるものである。硬度が5〜70の範囲にあれば、得られた樹脂組成物の硬化物の柔軟性が放熱材料として好適なものとなり得る。
硬度は、高分子計器社製のアスカ−F型ゴム硬度計を用いて25℃で測定した値である。測定に用いる硬化物は、液状樹脂100質量部に対して、有機過酸化物としての1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシ2−エチルヘキサネート(化薬アクゾ社製 商品名:カヤエステルTMPO−70)を1質量部添加し、厚み15mmで設定された容器に注ぎ入れ、80℃のオーブン中にて1時間、さらに100℃で1時間加熱して該液状樹脂を硬化させて得られたものを用いる。測定試料は、5cm以上〜8cm以内の直径を有する円盤状に切り出したものを用いる。測定値は、硬度計を測定試料の中心に乗せ、その直後の最大指示値を採用する。
また、液状樹脂は、該液状樹脂の硬化物の硬度が5〜60の範囲であることがより好ましく、5〜50の範囲にあることが最も好ましい。
本発明の液状樹脂は、(メタ)アクリル系重合体(A)と、単量体(B)と、可塑剤(C)の合計を100質量%とした場合、上述の(メタ)アクリル系重合体(A)が10〜60質量%、単量体(B)が30〜85質量%、可塑剤(C)が5〜60質量%の割合からなるものが好ましい。液状樹脂のより好ましい割合は、(メタ)アクリル系重合体(A)が10〜50質量%、単量体(B)が35〜75質量%、可塑剤(C)が10〜50質量%であり、最も好ましい割合は、(メタ)アクリル系重合体(A)が15〜40質量%、単量体(B)が40〜65質量%、可塑剤(C)が15〜40質量%である。
(メタ)アクリル系重合体(A)が10質量%未満の場合は、例えば得られた樹脂組成物をシート状への成形時(硬化時)において、液状樹脂と他の成分との分離が発生する傾向があり、(メタ)アクリル系重合体(A)が60質量%を超える場合は、得られた樹脂組成物の粘度が高くなり過ぎて作業性が低下したり、得られたシートの表面平滑性の悪化が起こる傾向がある。
単量体(B)が30質量%未満の場合は、得られた樹脂組成物の硬化物から可塑剤(C)が分離する傾向があり、単量体(B)が85質量%を超える場合は、液状樹脂と他の成分との分離が発生する傾向がある。
可塑剤(C)が5質量%未満の場合は、得られた樹脂組成物の硬化物の硬度が高くなり放熱材料に必要な柔軟性が得られない傾向があり、可塑剤(C)が60質量%を超える場合は、得られた樹脂組成物の硬化物の柔軟性が高められるが、該硬化物から可塑剤(C)の分離が発生する傾向がある。
本発明の樹脂組成物には、熱伝導性を高めるために熱伝導率が20W/m・K以上である無機充填剤が含まれることが好ましい。具体的には、例えば、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、炭化ケイ素、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、窒化ケイ素等が挙げられる。これらを使用するときは、2種以上を併用してもよい。
使用する無機充填剤の熱伝導率は、その焼結品を用いて、京都電子工業社製のホットディスク法による熱伝導率測定装置 品番TPA−501を用いて測定することができる。
これらの熱伝導率が20W/m・K以上である無機充填剤は、液状樹脂100質量部に対して、50〜1500質量部含まれることが好ましく、100〜1300質量部含まれることがより好ましい。これらの無機充填剤は、液状樹脂に対する充填量が多いほど、得られた樹脂組成物の硬化物の熱伝導率が高くなり放熱性能としては向上するが、一方で硬化物の柔軟性は低下するので、例えば、硬化物に要求される熱伝導率や使用する液状樹脂の硬化物の柔軟性により充填量を調整することが好ましい。
上記無機充填剤は、必要に応じて、樹脂組成物中における分散性を高めたり、充填量を上げるために、シラン処理等により表面処理が行われてもよい。
また、上記無機充填剤の形状としては、球状、繊維状、鱗片状、平面状、破砕状、不定形状などが挙げられるが、特に限定されるものではない。
本発明の樹脂組成物には、重合開始剤を含むことが好ましい。重合開始剤を含むことにより、該樹脂組成物を速く硬化させることができ、生産性が向上するので好ましい。
重合開始剤としては、例えば、従来公知の熱重合開始剤、光重合開始剤等を用いることができる。例えば熱により樹脂組成物を硬化させる場合には熱重合開始剤を、また、例えば紫外線により硬化させる場合には光重合開始剤を用いて硬化させればよく、硬化方法により、適宜、選択することができる。中でも、熱により樹脂組成物を硬化させる方が使用する硬化装置が簡便で、コスト的にも優れており、熱重合開始剤を用いて樹脂組成物を硬化させることがより好ましい。
熱重合開始剤としては、例えば、従来公知のアゾ系開始剤や有機過酸化物等が使用できる。有機過酸化物としては、例えば、メチルエチルケトンパーオキサイド等のケトンパーオキサイド類、クメンハイドロパーオキサイド等のハイドロパーオキサイド類、ベンゾイルパーオキサイド、ラウリルパーオキサイド等のジアシルパーオキサイド類、ジクミルパーオキサイド等のジアルキルパーオキサイド類、1,1―ジ−t―ブチルパーオキシ3,3,5−トリメチルシクロヘキサン等のパーオキシケタール類、t−アミルパーオキシ2−エチルヘキサネート、t−ブチルパーオキシ2−エチルヘキサネート、t−アミルパーオキシ3,5,5−トリメチルヘキサネート、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシ2−エチルヘキサネート、t−ブチルパーオキシ3,5,5−トリメチルヘキサネート、t−ブチルパーオキシピバレート等のアルキルパーエステル類、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、t−ブチルパーオキシ2−エチルヘキシルカーボネート、1,6―ビス(t−ブチルパーオキシカルボニロキシ)ヘキサン等のパーカーボネート類などが挙げられるが、特に限定されるものではない。これらを使用するときは、2種以上を併用してもよい。
また、本発明の樹脂組成物には、これらの熱重合開始剤の作用を促進するための公知の硬化促進剤、硬化促進助剤を使用してもよい。これらの熱重合開始剤は、液状樹脂100質量部に対して0.1〜5質量部、硬化促進剤は液状樹脂100質量部に対して0.05〜3質量部、硬化促進助剤は、液状樹脂100質量部に対して0.05〜2質量部含まれることが好ましい。
本発明の樹脂組成物は、従来公知の混練機を用いて得ることができる。例えば、ミキサー、ロールミル、バンバリーミキサー、ニーダー、加圧型ニーダー、二軸混練機等の連続混練機等が挙げられるが、特に限定されるものではない。また、必要に応じて、混練の際には、装置内を減圧、脱気してもかまわない。
本発明の樹脂組成物の硬化物は、柔軟性が長期にわたり保持できるために該硬化物が130℃に加熱されたオーブンで168時間保持した場合の重量減量率が、5%以下であることが好ましく、3%以下であることがさらに好ましく、2%以下であることが最も好ましい。該硬化物を130℃に加熱されたオーブンで168時間保持し、その重量減量を測定することにより、放熱材料として必要な柔軟性を長期間保持しているかどうかの判断が行える。
本発明の樹脂組成物を硬化させることで、放熱性硬化物を得ることができる。また、該樹脂組成物は例えばシート状、テープ状、チューブ状、ロール状などの所望の形状に硬化させることができ、その形状、硬化方法、硬化装置は特に限定されるものではない。例えば、放熱性硬化物は、射出成形金型やバッチ式金型に上記樹脂組成物を投入し所望の形状に硬化させて得ても良く、押出し機や注型などの方法によりシート状に予備成形し、その後硬化させて得ても良い。硬化温度は、例えば、使用する熱重合開始剤の10時間半減期温度を目安にすると良い。使用する熱重合開始剤の10時間半減期温度よりも10〜50℃高い温度で硬化させることで、硬化速度が速くなり生産性を向上させることができる。
本発明の樹脂組成物には、得られる硬化物の強度等を高めるために、樹脂または無機繊維、有機繊維等を、硬化物の表面に、含浸または付着させてもよい。
本発明の樹脂組成物には、成形材料分野等で従来公知の、例えば、強化繊維、熱伝導率が20W/m・K未満である無機充填剤、有機充填剤、重合禁止剤、低収縮化剤、離型剤、増粘剤、泡消剤、湿潤分散剤、揺変化剤、紫外線吸収剤、紫外線安定剤、酸化防止剤、リン系難燃化剤、ハロゲン系難燃化剤、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム等の無機系難燃化剤、カップリング剤、顔料、磁性体、帯電防止剤、電磁波吸収剤、熱硬化性樹脂(不飽和ポリエステル、ビニルエステル、ウレタン(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート)等の添加剤が、本発明の目的を阻害しない限りは、いずれも使用可能である。添加量の目安としては、本発明の目的に反しない程度の量が好ましく、具体的には、液状樹脂100質量部に対し、添加剤の合計として1000質量部以下とするのが望ましい。より好ましい添加量の上限値は900質量部、さらに好ましい上限値は800質量部である。
以下実施例によって本発明をさらに詳述するが、下記実施例は本発明を制限するものではなく、前・後記の趣旨を逸脱しない範囲で変更実施することは全て本発明の技術範囲に包含される。なお実施例および比較例において特に断らない限り「部」とあるのは「質量部」、「%」とあるのは「質量%」である。
合成例1((メタ)アクリル系重合体Aの合成)
温度計、撹拌機、ガス導入管、還流冷却器および滴下ロートを備えた容器に、2―エチルヘキシルアクリレート40部、トルエン50部、連鎖移動剤としてのα―メチルスチレン0.3部を仕込み、容器内を窒素ガスで置換した。80℃に昇温し、重合開始剤としてのアゾイソブチロニトリル0.05部、トルエン10部を混合したものを滴下ロートに仕込み、2時間かけて容器内に滴下した。更にアゾイソブチロニトリル0.01部を添加して、90℃に昇温し3時間重合を行った。重合完了前に、空気を吹き込み、系を冷却して重合を終了させて(メタ)アクリル系重合体A(以下重合体Aという)とトルエンとの混合物を得た。次に、系内を減圧にしてトルエンを留去し、重合体Aを得た。GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)を用いた重合体Aの分子量は、重量平均分子量Mwが10.6万、数平均分子量Mnが5.1万であった。また、示差走査熱量計を用いて、常法により測定した重合体Aのガラス転移点温度は、−60℃であった。
合成例2((メタ)アクリル系重合体Bの合成)
温度計、撹拌機、ガス導入管および還流冷却器を備えた容器に、ラウリルメタクリレート100部を仕込み、容器内を窒素ガスで置換した。80℃に昇温し、連鎖移動剤としてのメルカプトプロピオン酸0.2部と重合開始剤としてのアゾイソブチロニトリル0.01部を添加して、窒素雰囲気下で3.0時間塊状重合を行った。重合完了前に、空気を吹き込むのと同時に重合禁止剤ハイドロキノンを0.1部加えた後、系を冷却して重合を途中で終了させた。得られた樹脂中の重合体成分である(メタ)アクリル系重合体Bすなわち、ポリラウリルメタクリレートは50.0%、単量体成分であるラウリルメタクリレートは50.0%であった。得られた樹脂の25℃での粘度は、4980mPa・sであった。(メタ)アクリル系重合体B(以下重合体Bという)は、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)により測定した分子量が、重量平均分子量Mw=13.6万、数平均分子量Mn=5.8万であり、示差走査熱量計を用い常法により測定したガラス転移点温度が、−65℃であった。
実施例1
重合体A30部、単量体としてのラウリルメタクリレート39部、多官能単量体としてのポリエチレングリコールジメタクリレート1部(共栄社化学社製;商品名「ライトエステル9EG」)、トリメリット酸エステル系可塑剤30部(旭電化工業社製;商品名「アデカサイザーC880」)からなる液状樹脂100部に、熱重合開始剤として1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシ2−エチルヘキサネートを1部(化薬アクゾ社製;商品名「カヤエステルTMPO−70」)を添加し脱泡したものを、厚みが15mmに設定された離型処理を施したPETフィルムを有するガラスセルに注ぎ入れ、80℃のオーブン中にて1時間、さらに100℃で1時間重合させて液状樹脂の硬化物を得た。得られた液状樹脂の硬化物を下記基準で硬度測定を行い、結果を表1に示した。なお、使用した可塑剤(旭電化工業社製;商品名「アデカサイザーC880」)を直径5cmのアルミニウム製時計皿に3g入れ、130℃に加熱されたオーブンで168時間保持したときの重量減量は、0.6%であった。
次に、上記液状樹脂100部、熱重合開始剤として1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシ2−エチルヘキサネートを1部(化薬アクゾ社製;商品名「カヤエステルTMPO−70」)、泡消剤0.1部(ビックケミー社製;商品名「A−515」)、熱伝導率が30W/m・kである酸化アルミニウム400部(昭和電工社製;品番AS−10)を均一に混練して放熱材料用樹脂組成物た。その後、該放熱材料用樹脂組成物を脱泡し、厚みが1mmに設定された離型処理を施したPETフィルムを有するガラスセルに注ぎ入れ、80℃に設定されたオーブン中で1時間、さらに100℃で1時間重合させて硬化させた。得られたシート、すなわち該放熱材料用樹脂組成物の硬化物を下記基準で評価を行い、結果を表1に示した。
[液状樹脂の硬化物の硬度]
液状樹脂100部に対して熱重合開始剤として1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシ2−エチルヘキサネートを1部(化薬アクゾ社製;商品名「カヤエステルTMPO−70」)添加し、脱泡したものを厚み15mmで設定された容器に注ぎ入れ、80℃のオーブン中にて1時間、さらに100℃で1時間加熱して該液状樹脂を硬化させる。試料形状は、5cm以上〜8cm以内の直径を有する円盤状に切り出したものを用いる。測定値は、高分子計器社製のアスカ−F型ゴム硬度計を測定試料の中心に乗せ、その直後の最大指示値を採用する。測定は、25℃で行う。
[シートの成形性]
得られたシート状の放熱材料用樹脂組成物の硬化物を目視で観察し、
下記基準で評価した。
○;シート表面に凹凸や泡の存在がなく、樹脂と無機充填剤の分離もなく均一であり、表面性が良好である。
×;シート表面に凹凸や泡が存在する。または、樹脂と無機充填剤の分離が発生し、不均一なシートが得られた。
[シートの初期熱伝導率]
京都電子工業製 迅速熱伝導率計 品番QTM−500により測定した。測定サンプルは、シート状の放熱材料用樹脂組成物の硬化物を、10mm厚みになるように積層したものを用いる。測定は、25℃で行う。
[シートの初期硬度]
JIS K7312に準じ、高分子計器社製 アスカーゴム硬度計C型を用いて測定した。得られた数値は、小さいほど柔軟性に富んでいる。測定値は、硬度計を測定試料の中心に乗せ、その直後の最大指示値を採用する。測定は、25℃で行う。
測定サンプルは、シート状の放熱材料用樹脂組成物の硬化物を、10mm厚みになるように積層したものを用いる。
[耐熱性]
シート状の放熱材料用樹脂組成物の硬化物を130℃に設定されたオーブン中で168時間保持したあと、シートの重量減量、硬度、熱伝導率を測定する。
重量減量は、(測定前重量―測定後重量)/測定前重量×100=重量減量(%)より求められる。硬度は、JIS K7312に準じ、高分子計器社製 アスカーゴム硬度計C型を用いて測定する。得られた数値は、小さいほど柔軟性に富んでおり、耐熱性試験前(シートの初期硬度)と試験後の硬度差が小さいほど長期にわたる柔軟性を有している。なお、硬度測定のサンプルは、シート状の放熱材料用樹脂組成物の硬化物を10mm厚みになるように積層したものを用いる。また熱伝導率は、京都電子工業製 迅速熱伝導率計 品番QTM−500により測定した。サンプルは、シート状の放熱材料用樹脂組成物の硬化物を、10mm厚みになるように積層したものを用いる。測定は、25℃で行う。
[耐久性]
シートの初期硬度と、耐熱性試験後のシート硬度との硬度差(△硬度)を求める。
この値が小さければシートの柔軟性が長期わたり保持できるため、該シートを発熱体と放熱体の間に介在させた場合、これらとの接触面積が長期にわたり保持でき、その結果、発熱体から放熱体への熱伝導効率が低下せず、長期間、安定した放熱特性を有することができる。
実施例2
重合体A30部、単量体としてのラウリルメタクリレート59部、多官能単量体としてのポリエチレングリコールジメタクリレート1部(共栄社化学社製;商品名「ライトエステル9EG」)、トリメリット酸エステル系可塑剤10部(旭電化工業社製;商品名「アデカサイザーC880」)からなる液状樹脂とした以外は、実施例1と同様にして液状樹脂の硬化物、放熱材料用樹脂組成物及びその硬化物を得た。評価結果を表1に示した。
実施例3
重合体A30部、単量体としてのラウリルメタクリレート64部、多官能単量体としてのポリエチレングリコールジメタクリレート1部(共栄社化学社製;商品名「ライトエステル9EG」)、トリメリット酸エステル系可塑剤5部(旭電化工業社製;商品名「アデカサイザーC880」)からなる液状樹脂とした以外は、実施例1と同様にして液状樹脂の硬化物、放熱材料用樹脂組成物及びその硬化物を得た。評価結果を表1に示した。
実施例4
重合体A30部、単量体としてのラウリルメタクリレート29部、多官能単量体としてのポリエチレングリコールジメタクリレート1部(共栄社化学社製;商品名「ライトエステル9EG」)、トリメリット酸エステル系可塑剤40部(旭電化工業社製;商品名「アデカサイザーC880」)からなる液状樹脂とした以外は、実施例1と同様にして液状樹脂の硬化物、放熱材料用樹脂組成物及びその硬化物を得た。評価結果を表1に示した。
実施例5
重合体A15部、単量体としてのラウリルメタクリレート34部、多官能単量体としてのポリエチレングリコールジメタクリレート1部(共栄社化学社製;商品名「ライトエステル9EG」)、トリメリット酸エステル系可塑剤50部(旭電化工業社製;商品名「アデカサイザーC880」)からなる液状樹脂とした以外は、実施例1と同様にして液状樹脂の硬化物、放熱材料用樹脂組成物及びその硬化物を得た。評価結果を表1に示した。
実施例6
重合体A40部、単量体としてのラウリルメタクリレート29部、多官能単量体としてのポリエチレングリコールジメタクリレート1部(共栄社化学社製;商品名「ライトエステル9EG」)、トリメリット酸エステル系可塑剤30部(旭電化工業社製;商品名「アデカサイザーC880」)からなる液状樹脂とした以外は、実施例1と同様にして液状樹脂の硬化物、放熱材料用樹脂組成物及びその硬化物を得た。評価結果を表1に示した。
実施例7
重合体A30部、単量体としての2−エチルエキシルアクリレート39部、多官能単量体としてのポリエチレングリコールジメタクリレート1部(共栄社化学社製;商品名「ライトエステル9EG」)、トリメリット酸エステル系可塑剤30部(旭電化工業社製;商品名「アデカサイザーC880」)からなる液状樹脂とした以外は、実施例1と同様にして液状樹脂の硬化物、放熱材料用樹脂組成物及びその硬化物を得た。評価結果を表1に示した。
実施例8
重合体A30部、単量体としてのn−ブチルアクリレート39部、多官能単量体としてのポリエチレングリコールジメタクリレート1部(共栄社化学社製;商品名「ライトエステル9EG」)、トリメリット酸エステル系可塑剤30部(旭電化工業社製;商品名「アデカサイザーC880」)からなる液状樹脂とした以外は、実施例1と同様にして液状樹脂の硬化物、放熱材料用樹脂組成物及びその硬化物を得た。評価結果を表1に示した。
実施例9
重合体A30部、単量体としての2−エチルエキシルアクリレート39部、多官能単量体としてのポリエチレングリコールジメタクリレート1部(共栄社化学社製;商品名「ライトエステル9EG」)、トリメリット酸エステル系可塑剤30部(旭電化工業社製;商品名「アデカサイザーC79」)からなる液状樹脂とした以外は、実施例1と同様にして液状樹脂の硬化物、放熱材料用樹脂組成物及びその硬化物を得た。評価結果を表1に示した。なお、使用した可塑剤(旭電化工業社製;商品名「アデカサイザーC79」)を直径5cmのアルミニウム製時計皿に3g入れ、130℃に加熱されたオーブンで168時間保持したときの重量減量は、4.0%であった。
実施例10
合成例2で得られた樹脂70部、すなわち重合体B35部、単量体としてのラウリルメタクリレート35部と、多官能単量体としてのポリエチレングリコールジメタクリレート1部(共栄社化学社製;商品名「ライトエステル9EG」)、トリメリット酸エステル系可塑剤29部(旭電化工業社製;商品名「アデカサイザーC880」)からなる液状樹脂とした以外は、実施例1と同様にして液状樹脂の硬化物、放熱材料用樹脂組成物及びその硬化物を得た。評価結果を表1に示した。
実施例11
合成例2で得られた樹脂70部、すなわち重合体B35部、単量体としてのラウリルメタクリレート35部と、多官能単量体としてのポリエチレングリコールジメタクリレート1部(共栄社化学社製;商品名「ライトエステル9EG」)、トリメリット酸エステル系可塑剤29部(旭電化工業社製;商品名「アデカサイザーC79」)からなる液状樹脂とした以外は、実施例1と同様にして液状樹脂の硬化物、放熱材料用樹脂組成物及びその硬化物を得た。評価結果を表1に示した。
比較例1
単量体2―エチルヘキシルアクリレート69部、多官能単量体としてのポリエチレングリコールジメタクリレート1部(共栄社化学社製;商品名「ライトエステル9EG」)、トリメリット酸エステル系可塑剤30部(旭電化工業社製;商品名「アデカサイザーC880」)からなる液状樹脂とした以外(すなわち必須成分である(メタ)アクリル系重合体を含まない)、実施例1と同様にして液状樹脂の硬化物、放熱材料用樹脂組成物及びその硬化物を得た。評価結果を表1に示した。得られたシートは、樹脂と無機充填剤の酸化アルミニウムとの分離が発生し、不均一なシートが得られた。そのため、それ以後の評価は行わなかった。
比較例2
単量体2―エチルヘキシルアクリレート99部、多官能単量体としてのポリエチレングリコールジメタクリレート1部(共栄社化学社製;商品名「ライトエステル9EG」)からなる液状樹脂とした以外(すなわち必須成分である(メタ)アクリル系重合体、可塑剤を含まない)、実施例1と同様にして液状樹脂の硬化物、放熱材料用樹脂組成物及びその硬化物を得た。評価結果を表1に示した。得られた液状樹脂の硬化物の硬度値が78であり、いずれの実施例で得られた液状樹脂の硬化物よりも大きかった。得られたシートは、樹脂と無機充填剤の酸化アルミニウムとの分離が発生し、不均一なシートが得られた。そのため、それ以後の評価は行わなかった。
比較例3
重合体A30部、単量体としての2−エチルエキシルアクリレート69部、多官能単量体としてのポリエチレングリコールジメタクリレート1部(共栄社化学社製;商品名「ライトエステル9EG」)からなる液状樹脂とした以外(すなわち必須成分である可塑剤を含まない)は、実施例1と同様にして液状樹脂の硬化物、放熱材料用樹脂組成物及びその硬化物を得た。評価結果を表1に示した。得られた液状樹脂の硬化物の硬度値が71であるため、シート初期硬度の硬度値は80と、いずれの実施例で得られた硬化物よりも大きかった。このため、例えばPDP、電気・電子部品などの発熱体と、例えばヒートシンク、放熱フィン、金属板等の放熱体の間に介在させ、PDP、電気・電子部品等からの発熱を放熱させる場合、これらとの接触面積が小さくなり放熱特性が低下する恐れがある。また、耐熱性試験後のシート硬度は98であり、試験前後の硬度変化量はいずれの実施例で得られた硬化物よりも大きかった。このため、長期にわたる柔軟性も有しておらず、安定した放熱特性に劣ることが明らかとなった。
なお、表1で用いた略号は、以下の意味である。
重合体A:合成例1で得られた(メタ)アクリル系重合体A
重合体B:合成例1で得られた(メタ)アクリル系重合体B
2EHA:2―エチルヘキシルアクリレート
LMA:ラウリルメタクリレート
BA:n―ブチルアクリレート
9EG:ポリエチレングリコールジメタクリレート
共栄社化学社製;商品名「ライトエステル9EG」
C880:旭電化工業社製 可塑剤;商品名「アデカサイザーC880」
C79:旭電化工業社製 可塑剤;商品名「アデカサイザーC79」
TMPO70:化薬アクゾ社製熱重合開始剤;商品名:「カヤエステルTMPO−70」
A―515:ビックケミー社製 泡消剤;商品名「A−515」
△硬度:シート初期硬度値と耐熱性試験後のシート硬度値との硬度差
Figure 2005048124
表1から明らかなように、本発明例は、熱伝導性に優れるだけでなく、例えば放熱シートの成形性が良好で、長期にわたる柔軟性も有する硬化物を効率よく得ることができる。一方、いずれの比較例も実施例に比べて、例えば放熱シートの成形性、初期および長期の柔軟性に劣っていることが明らかとなった。

Claims (5)

  1. (メタ)アクリル系重合体(A)と、重合性単量体(B)と、可塑剤(C)を必須成分とする液状樹脂を含有する放熱材料用樹脂組成物であって、該液状樹脂の硬化物の硬度が5〜70であることを特徴とする放熱材料用樹脂組成物。
  2. 上記(A)が0℃以下のガラス転移点を有し、上記(B)の少なくとも一部がアルキル基の炭素数が2〜18の(メタ)アクリル酸アルキルエステルであることを特徴とする請求項1記載の放熱材料用樹脂組成物。
  3. 上記液状樹脂が、(A)、(B)、(C)の合計を100質量%とした場合、(A)が10〜60質量%、(B)が30〜85質量%、(C)が5〜60質量%の割合からなることを特徴とする請求項1または2に記載の放熱材料用樹脂組成物。
  4. 上記放熱材料用樹脂組成物の硬化物が、130℃で168時間保持したときの重量減量が5質量%以下であることを特徴とする請求項1〜3記載の放熱材料用樹脂組成物。
  5. 請求項1〜4に記載の放熱材料用樹脂組成物を硬化させて得られた放熱性硬化物。
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