JPWO2020008567A1 - 熱伝導性樹脂組成物、熱伝導性シート、及び熱伝導性シートの製造方法 - Google Patents

熱伝導性樹脂組成物、熱伝導性シート、及び熱伝導性シートの製造方法 Download PDF

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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08FMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED BY REACTIONS ONLY INVOLVING CARBON-TO-CARBON UNSATURATED BONDS
    • C08F299/00Macromolecular compounds obtained by interreacting polymers involving only carbon-to-carbon unsaturated bond reactions, in the absence of non-macromolecular monomers

Abstract

本発明は熱伝導性樹脂組成物に関する。本発明の熱伝導性樹脂組成物は、樹脂成分(A)と、熱伝導性フィラー(B)と、可塑剤(C)とを含む熱伝導性樹脂組成物であって、樹脂成分(A)は、反応性官能基を2つ以上有し、式[1]で表される(メタ)アクリル系構造を有する(メタ)アクリル重合体(a1)を含み、可塑剤(C)は芳香族カルボン酸エステルを含む熱伝導性樹脂組成物を提供する。

Description

本発明は、熱伝導性樹脂組成物、熱伝導性シートおよびその製造方法に関する。
電子・電気製品やそれに含まれる部品は、使用時に発生する熱によって特性が劣化したり、破損が生じたりするおそれがある。このような問題を抑制するために、発熱する部分とヒートシンカー等の冷却部材との間に放熱部材を介在させて、発熱する部分の放熱を促進させることが知られている(例えば特許文献1)。
特開2009−179743号公報
上記放熱部材としては、発熱する部分から冷却部材への熱移動を促進させる熱伝導性シートが挙げられる。熱伝導性シートとしては、樹脂やゴムで構成されるシートに電気絶縁性および熱伝導性を有するフィラーを分散させたものが知られている。熱伝導性シートには電気絶縁性が求められるとともに、熱抵抗(接触抵抗)を低減させるために接触部材(発熱部品や冷却部材)に対する高い密着性が求められる。密着性を高めるためには、熱伝導性シートに柔軟性を持たせること、すなわち、熱伝導性シートの硬度を小さくすることが有効である。
熱伝導性シートの硬度を小さくするための手段として、上記ゴムとしてシリコーンゴムを用いたり、熱伝導性シートに多量の可塑剤を含有させることが知られている。しかし、シリコーンゴムを使用する場合には、低分子シロキサンガスの発生により電気接点障害を起こすという問題があった。可塑剤を使用する場合には、ブリードアウト(熱伝導性シートからの可塑剤の滲み出し)が生じるという問題があった。
また、特許文献1では、可塑剤として縮合型芳香族燐酸エステルを用いているが、縮合型芳香族燐酸エステルは、耐湿性が低く、また、加水分解した燐酸が周辺金属を腐食させる問題があった。
本発明は、耐熱性、耐湿性、耐金属腐食性に優れ、熱伝導性シート材料として好適に用い得る新たな熱伝導性樹脂組成物、該熱伝導性樹脂組成物から形成される熱伝導性シートの提供を目的とする。
本発明に係る熱伝導性樹脂組成物は、樹脂成分(A)と、熱伝導性フィラー(B)と、可塑剤(C)とを含み、樹脂成分(A)は、重合性官能基を2つ以上有し、式[1]:
Figure 2020008567

(式[1]中、mは2以上の整数を表し、Rは水素原子またはメチル基を表し、Rはアルキル基を表す。)
で表される(メタ)アクリル系構造を有する(メタ)アクリル重合体(a1)を含み、可塑剤(C)は芳香族カルボン酸エステルを含む熱伝導性樹脂組成物である。
本発明は、上記熱伝導性樹脂組成物の硬化物、該硬化物を含む熱伝導性シート、および熱伝導性シートの製造方法をさらに提供する。
本発明に係る熱伝導性シートの製造方法は、上記熱伝導性樹脂組成物をシート状に成形してシート状成形物を得る工程と、該シート状成形物を硬化させる工程と、を含む。
本発明によれば、耐熱性、耐湿性、耐金属腐食性に優れ、熱伝導性シート材料として好適に用い得る新たな硬化性樹脂組成物およびその硬化物、該硬化性樹脂組成物から形成される熱伝導性シートを提供することができる。
実施の形態1.熱伝導性樹脂組成物
熱伝導性樹脂組成物は、樹脂成分(A)と、熱伝導性フィラー(B)と、可塑剤(C)とを含む。以下、各成分について詳細に説明する。なお、本明細書において各成分として例示する化合物は、特に断りのない限り、単独で、または複数種を組み合わせて使用することができる。
〔1〕樹脂成分(A)
樹脂成分(A)は(メタ)アクリル重合体(a1)を少なくとも含む。樹脂成分(A)は、(メタ)アクリル重合体(a1)に加えて、後述する(メタ)アクリル重合体(a2)をさらに含むことができる。本明細書において熱伝導性樹脂組成物に含まれる各成分の含有量の基準として樹脂成分(A)100質量部というとき、熱伝導性樹脂組成物が(メタ)アクリル重合体(a1)のみを含む場合には、(メタ)アクリル重合体(a1)の全質量を基準とすることを意味し、または熱伝導性樹脂組成物が後述する(メタ)アクリル重合体(a2)をも含むときは、(メタ)アクリル重合体(a1)と(メタ)アクリル重合体(a2)との合計質量を基準とすることを意味する。
(メタ)アクリル重合体(a1)は、1分子中に重合性官能基を2個以上有し、式[1]:
Figure 2020008567

(式[1]中、mは2以上の整数を表し、Rは水素原子またはメチル基を表し、Rはアルキル基を表す。)
で表される(メタ)アクリル系構造を有する化合物である。樹脂成分(A)は、(メタ)アクリル重合体(a1)を1種または2種以上含んでもよい。本明細書では、(メタ)アクリルとは、メタクリルおよびアクリルから選択される少なくとも1種を意味する。
上記式[1]中のmは、(メタ)アクリル重合体(a1)の分子量に応じた値となり、通常2以上である。mは、例えば20以上であり、好ましくは20から500であり、より好ましくは30から400であり、さらに好ましくは40から300、さらに好ましくは50から200である。
上記式[1]において、Rで表されるアルキル基としては、炭素原子数1から12のアルキル基を挙げることができる。アルキル基の炭素原子数は、好ましくは1から6である。硬化物の柔軟性を高める観点から、該アルキル基は、直鎖状、分岐鎖状等の鎖状構造を有することが好ましく、脂環式環等の環式構造を含まないことがより好ましい。該アルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、2−エチルヘキシル基等が挙げられる。
(メタ)アクリル重合体(a1)は、2個以上の重合性官能基を有する。(メタ)アクリル重合体(a1)は、それが有する重合性官能基同士が反応して硬化物を形成したり、後述する(メタ)アクリル重合体(a2)の重合性官能基と反応して架橋構造を有する硬化物を形成することができる。熱伝導性樹脂組成物が(メタ)アクリル重合体(a2)の重合性官能基と反応して架橋構造を形成する場合、(メタ)アクリル重合体(a1)は架橋材として働くことができる。
架橋反応によって得られる(メタ)アクリル重合体を骨格に有する硬化物および後述する熱伝導性シート(以下、これらをまとめて硬化物ともいう。)は、電気絶縁性、耐熱性、耐湿性に良好なものとなり得る。
(メタ)アクリル重合体(a1)の重合性官能基は(メタ)アクリロイル基等の炭素−炭素二重結合であることが好ましく、重合性官能基数は、柔軟な硬化物を形成する観点から、1分子あたり、好ましくは2個以上、より好ましくは2個である。重合性官能基数が多すぎると、架橋密度が高くなり過ぎて柔軟な硬化物を形成することが困難になる傾向がある。重合性官能基数が2未満であると、架橋反応が十分に進行せず、十分に硬化した硬化物が得られない傾向にある。(メタ)アクリル重合体(a1)は、例えば主鎖の両末端に1個以上の重合性官能基を有するものであってもよいし、主鎖の片末端に2個以上の重合性官能基を有するものであってもよく、好ましくは主鎖の両末端に1個以上の重合性官能基を有するものである。
(メタ)アクリル重合体(a1)の数平均分子量Mnは、例えば5,000以上であってよく、好ましくは5,000から40,000である。具体的には、カネカXMAP(株式会社カネカ製、商品名)が挙げられる。
数平均分子量Mnが5,000以上であれば、より高分子構造となり、架橋点距離も大きくなることから、低硬度化および耐熱性が向上する。
数平均分子量Mnが5,000未満であると、十分な耐熱性を得ることができないことがあり、数平均分子量が40,000より大きいと、架橋反応が十分に進行せず、十分に硬化した硬化物が得られないことがある。
上述のように、熱伝導性シートが柔軟である(硬度が低い)ことは、熱伝導性シートを発熱部品や冷却部材等の部材に貼付する際の空気の噛み込みを抑制して密着性を高め、熱抵抗(接触抵抗)の低減に寄与する。これにより、熱伝導性を高めることができる。
(メタ)アクリル重合体(a1)の分子量分布Mw/Mn(重量平均分子量Mw÷数平均分子量Mn)は、1.0から2.0が好ましい。このような分子量分布の狭い重合体を用いることで、低分子成分が減り、より耐熱性の高い硬化物を得ることができる。
(メタ)アクリル重合体(a1)の数平均分子量Mn、重量平均分子量Mwは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)による標準ポリスチレン換算値として求めることができる。
さらに、樹脂成分(A)は、1分子中に重合性官能基を1個有し、式[1]:
Figure 2020008567

(式[1]中、m、RおよびRは上述のものと同じである。)
で表される(メタ)アクリル系構造を有する(メタ)アクリル重合体(a2)を含むことができる。式[1]中、m、RおよびRの好ましい例は、(メタ)アクリル重合体(a1)の説明において述べたものと同じである。樹脂成分(A)が(メタ)アクリル重合体(a2)を含む場合、架橋密度が適度なものとなり、柔軟な硬化物が形成され易くなる傾向がある。(メタ)アクリル重合体(a2)は、熱伝導性樹脂組成物において主材として働くことができる。樹脂成分(A)は、(メタ)アクリル重合体(a2)を1種または2種以上含んでもよい。
(メタ)アクリル重合体(a2)は、それが有する重合性官能基が上述の(メタ)アクリル重合体(a1)の重合性官能基と反応して、架橋構造を有する硬化物を形成することができる。架橋反応によって得られる(メタ)アクリル重合体を骨格に有する硬化物は、電気絶縁性、耐熱性、耐湿性に良好なものとなり得る。
(メタ)アクリル重合体(a2)の重合性官能基は(メタ)アクリロイル基等の炭素−炭素二重結合を有する基であることが好ましい。(メタ)アクリル重合体(a2)の重合性官能基数は、柔軟な硬化物を形成する観点から、1分子あたり、1個であること。
(メタ)アクリル重合体(a2)としては、(メタ)アクリル重合体(a2)の数平均分子量Mnは、例えば5,000以上であってよく、好ましくは5,000から40,000である。具体的には、カネカXMAP(株式会社カネカ製、商品名)が挙げられる。
数平均分子量Mnが5,000未満であると、十分な耐熱性を得ることができず、数平均分子量が40,000より大きいと、架橋反応が十分に進行せず、十分に硬化した硬化物が得られないことがある。上述のように、熱伝導性シートが柔軟である(硬度が低い)ことは、熱伝導性シートを発熱部品や冷却部材等の部材に貼付する際の空気の噛み込みを抑制して密着性を高め、熱抵抗(接触抵抗)の低減に寄与する。これにより、熱伝導性を高めることができる。
(メタ)アクリル重合体(a2)の分子量分布Mw/Mn(重量平均分子量Mw÷数平均分子量Mn)は、1.0〜2.0が好ましい。このような分子量分布の狭い重合体を用いることで、低分子成分が減り、より耐熱性の高い硬化物を得ることができる。
(メタ)アクリル重合体(a2)の数平均分子量Mn、重量平均分子量Mwは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)による標準ポリスチレン換算値として求めることができる。
樹脂成分(A)中の(メタ)アクリル重合体(a1)の含有量は、樹脂成分(A)全量に対して例えば20質量%以上であってよく、好ましくは20質量%から100質量%である。樹脂成分(A)が(メタ)アクリル重合体(a2)を含む場合、(メタ)アクリル重合体(a2)の含有量は、樹脂成分(A)全量に対し例えば90質量%未満となるように調整することができ、好ましくは80質量%以下となるように調整される。樹脂成分(A)が(メタ)アクリル重合体(a1)および(メタ)アクリル重合体(a2)を含む場合、熱伝導性フィラー(B)を多く含有させても、柔軟性に優れた硬化物を形成することが可能となる。(メタ)アクリル重合体(a2)の含有量が90質量%以上であると、柔軟性に優れた硬化物を形成することが困難となる傾向にある。
〔2〕熱伝導性フィラー(B)
熱伝導性樹脂組成物は、熱伝導性フィラー(B)を含む。これにより、熱伝導性樹脂組成物の硬化物に熱伝導性(放熱性能)を付与することができる。熱伝導性フィラー(B)は、電気絶縁性であることが好ましく、また、高い熱伝導性を有することが好ましい。
熱伝導性樹脂組成物における熱伝導性フィラー(B)の含有量は、樹脂成分(A)100質量部に対して、例えば100質量部から1,000質量部であり、好ましくは230質量部から650質量部であり、より好ましくは230質量部から450質量部である。熱伝導性フィラー(B)の含有量が100質量部より小さいと、十分な熱伝導性(放熱性能)を有する硬化物および熱伝導性シートが得られない傾向にある。熱伝導性フィラー(B)の含有量が1,000質量部より大きいと、熱伝導性フィラー(B)が十分均一に分散しないか、または均一に分散できる場合であっても硬化物の柔軟性が損なわれる傾向にある。
熱伝導性および電気絶縁性の観点から、熱伝導性フィラー(B)は、金属水酸化物フィラー、金属酸化物フィラー、金属窒化物フィラー、金属炭酸塩フィラーおよびケイ素化合物フィラーからなる群より選択される1種または2種以上のフィラーを含むことが好ましく、金属水酸化物フィラー、金属酸化物フィラー、金属窒化物フィラーおよびケイ素化合物フィラーからなる群より選択される1種または2種以上のフィラーを含むことがより好ましい。
金属水酸化物フィラーを構成する金属水酸化物としては、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム等が挙げられる。金属酸化物フィラーを構成する金属酸化物としては、アルミナ、水和アルミナ、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、酸化ベリリウム、酸化チタン等が挙げられる。金属窒化物フィラーを構成する金属窒化物としては、窒化ホウ素、窒化アルミニウム等が挙げられる。金属炭酸塩フィラーを構成する金属炭酸塩としては、炭酸マグネシウム等が挙げられる。ケイ素化合物フィラーを構成するケイ素化合物としては、炭化ケイ素、窒化ケイ素、酸化ケイ素、シリカ等が挙げられる。
熱伝導性フィラー(B)は、表面処理されたフィラーを含んでいてもよい。これにより、硬化物における熱伝導性フィラー(B)の分散性を高めることができ、よって、硬化物および熱伝導性シートにおける引張強度や引裂き強度等の機械的物性および熱伝導率等の電気的物性を高め得る。また、表面処理されたフィラーを用いると、フィラーの高充填化が可能となり、これにより硬化物および熱伝導性シートの熱伝導率等を高め得る。表面処理としては、チタネートカップリング剤;シランカップリング剤;界面活性剤;オレイン酸、ステアリン酸等の有機酸等による処理(修飾処理)が挙げられるが、分散液の流動性(低粘度化)が向上する点から、チタネートカップリング剤が好ましい。中でも、熱伝導性フィラー(B)は、チタネートカップリング剤で表面処理された金属水酸化物フィラーであることが好ましい。
熱伝導性フィラー(B)の粒径は、例えば0.1μmから500μmであってよい。
〔3〕可塑剤(C)
熱伝導性シートの柔軟にするために、可塑剤(C)を添加する。耐熱性、耐湿性、周辺金属への耐腐食性から可塑剤(C)は、芳香族カルボン酸エステルを含有し、好ましくは可塑剤(C)は、芳香族カルボン酸エステルのみを含有する。芳香族カルボン酸エステルである可塑剤(C)は、それ自身が耐熱性、耐湿性を有しており、前記(メタ)アクリル重合体(a1)および(メタ)アクリル重合体(a2)との相溶性がよく、高熱雰囲気下や高温高湿雰囲気下に曝露されても可塑剤の漏れが少ない。可塑剤と可塑剤を添加する樹脂との相溶性が悪いと、高熱雰囲気下や高温高湿雰囲気下に曝露された場合、可塑剤が分離しやすくなり、熱伝導性シートの物性が低下する。また、可塑剤の漏れが発生した場合、加水分解した芳香族カルボン酸は、非常に弱い酸であるため、周辺金属の腐食を引き起こさない。
可塑剤(C)としては、芳香族カルボン酸エステルであれば特に限定されないが、フタル酸系可塑剤(例えばフタル酸ジイソニル、フタル酸ビス(2−エチルヘキシル)、フタル酸オクチル、フタル酸ビス(2−エチルヘキシル))、トリメリット酸系可塑剤(例えばトリメリット酸トリス(2−エチルヘキシル))等が好ましい。熱伝導性樹脂組成物は、腐食性の観点から、縮合型芳香族燐酸エステル等の燐酸系可塑剤を全く、またはほとんど含まないことが好ましい。熱伝導性樹脂組成物が燐酸系可塑剤を含む場合、熱伝導性樹脂組成物中の燐酸系可塑剤の含有量は、本発明の目的が達成されるのを阻害しない範囲内の量であり、例えば熱伝導性樹脂組成物全量に対して0.1質量%以下、好ましくは0.01質量%以下、より好ましくは0.001質量%以下である。
可塑剤(C)の沸点が高いほど、高熱雰囲気下や高温高湿雰囲気下に曝露された場合、可塑剤(C)の揮発が抑制され、熱伝導シートの物性が良好に保持される。可塑剤(C)の沸点は、沸点が390℃以上が好ましい。沸点が390℃未満の可塑剤を使用した場合、高熱雰囲気下や高温高湿雰囲気下に曝露されたとき、可塑剤(C)の揮発が懸念される。
芳香族カルボン酸エステルである可塑剤(C)は、樹脂成分(A)100質量部に対して、5から100質量部であることが好ましい。5質量部未満であれば、柔軟な熱伝導シートが得られ傾向があり、100質量部よりも多ければ、硬化せず、熱伝導シートが得られない傾向がある。
〔4〕その他の成分
熱伝導性樹脂組成物は、樹脂成分(A)、熱伝導性フィラー(B)および可塑剤(C)以外のその他の成分を1種または2種以上含むことができる。その他の成分としては、反応開始剤、酸化防止剤、難燃剤、難燃助剤、着色剤、紫外線吸収剤、熱安定剤、結晶促進剤、分散剤、表面調整剤、消泡剤、密着性付与剤、溶剤(例えば有機溶剤)等が挙げられる。
熱伝導性樹脂組成物が酸化防止剤を含む場合、酸化防止剤は、樹脂成分(A)100質量部に対して、0.05質量部から5質量部含むことが好ましい。0.05質量部未満であれば、硬化が十分に進まない傾向にあり、5質量部よりも大きい場合は、酸化防止の効果が変わらず、過剰添加によるブルーム等が発生することが考えられる。
〔5〕熱伝導性樹脂組成物の調製
熱伝導性樹脂組成物は、樹脂成分(A)、熱伝導性フィラー(B)、可塑剤(C)および必要に応じて使用されるその他の成分を混合することによって調製することができる。混合方法は特に制限されず、ロール、ニーダー、バンバリーミキサー、プラネタリーミキサー等の混練機、真空脱泡撹拌機等が用いることができる。混合時に気泡が混入すると、硬化物および熱伝導性シートにおける引張強度や引裂き強度等の機械的物性および熱伝導率等の電気的物性に悪影響を与えるおそれがある。したがって、気泡の混入を抑制可能な混合装置、例えば、真空脱泡撹拌機またはプラネタリーミキサーが好ましく用いられる。中でも、自転公転式真空脱泡ミキサーを用いるか、またはプラネタリーミキサーを真空条件下で使用することがより好ましい。
実施の形態2.硬化物
本実施の形態に係る硬化物は、実施の形態1に係る熱伝導性樹脂組成物を硬化してなるものである。実施の形態1に係る熱伝導性樹脂組成物の硬化は、反応開始剤を用い、熱重合、紫外線照射による重合等、種々の方法で行い、特に限定されるものではない。反応開始剤としては、熱重合開始剤の有機過酸化物やアゾ重合開始剤等を用いることができる。光開始剤としては、アルキルフェノン系光重合開始剤、2−アシルフォスフィンオキサイド系光重合開始剤、分子内水素引き抜き型光重合開始剤、オキシムエステル系光重合剤、カチオン系光重合開始剤等を用いることができる。
本実施の形態に係る硬化物は、(メタ)アクリル重合体、芳香族カルボン酸エステルである可塑剤からなる部位からなるので、電気絶縁性、耐熱性、耐湿性に優れたものとなり得る。また、周辺金属への耐腐食性も兼ね備える。
本実施の形態に係る硬化物の形状は特に制限されず、後述する熱伝導性シートのようにシート状(またフィルム状)であってもよいし、それ以外の形状であってもよいし、あるいは不定形であってもよい。
実施の形態3.熱伝導性シート
本実施の形態に係る熱伝導性シートは、実施の形態1に係る熱伝導性樹脂組成物の硬化物を含み、典型的には該硬化物からなる。後述するように、熱伝導性シートは、シート状に形成された熱伝導性樹脂組成物を、反応開始剤を用い、熱重合、紫外線照射による重合等、種々の方法で硬化させることによって得ることができる。
Asker C硬度が低い(柔軟性に優れた)熱伝導性シートであると、部材(発熱部品や冷却部材)に貼付する際の空気の噛み込みを抑制して密着性を高めることができる。これにより、上記部材と熱伝導性シートとの界面における接触抵抗が低減されるので、製品全体としての総熱抵抗が低減され、優れた放熱性を実現することが可能になる。
また、熱伝導性シートが貼付される部材の表面が凹凸を有していると、熱伝導性シートを貼付する際、空気の噛み込みが生じやすいが、本実施の形態に係る熱伝導性シートによれば、高い柔軟性を示すことができるので、上記凹凸に追従することができ、放熱性を低下させる要因となる空気を介在させることなく上記部材に熱伝導性シートを密着させることが可能になる。
本実施の形態に係る熱伝導性シートは、熱伝導率が1.0W/(m・K)以上であることが好ましく、1.2W/(m・K)以上であることがより好ましく、1.3W/(m・K)以上であることがさらに好ましく、1.5W/(m・K)以上であることが特に好ましい。熱伝導性シートの柔軟性を高めて貼付される部材との総熱抵抗を低減させるだけでなく、熱伝導性シートそれ自体の特性である熱伝導性能を優れたものとすることによって製品全体において、より良好な放熱性を実現することができる。熱伝導率が1.0W/(m・K)よりも小さい場合であっても、本実施の形態に係る熱伝導性シートによれば、その柔軟性を利用して総熱抵抗を下げ、製品に必要な放熱性を確保することも可能であるが、より優れた製品の放熱性を得るためには、熱伝導性シートの熱伝導率は、1.0W/(m・K)以上であることが好ましい。
本実施の形態に係る熱伝導性シートによれば、熱伝導率を高めるために熱伝導性フィラー(B)を比較的多く含有させても、十分な柔軟性を示すことが可能である。
熱伝導性シートの厚みは特に制限されないが、好ましくは0.1mmから5mmであり、より好ましくは0.3mmから3mmである。熱伝導性シートの厚みが0.1mm未満であると、熱伝導性シートの取扱性が低下し得る。熱伝導性シートの厚みが5mmを超えると、熱抵抗が大きくなって放熱性が低下し得る。
実施の形態4.熱伝導性シートの製造方法
本実施の形態に係る熱伝導性シートの製造方法は、実施の形態3に係る熱伝導性シートを製造するための方法として好適に用いることができ、下記の工程を含む。
実施の形態1に係る熱伝導性樹脂組成物をシート状に成形してシート状成形物を得る工程、およびシート状成形物を加熱により硬化させる工程。
上記硬化させる工程の後、必要に応じて、シートの打ち抜きを行う等、熱伝導性シートの形状やサイズを調整する工程を設けてもよい。
シート状成形物を得る工程において、熱伝導性樹脂組成物をシート状に成形する方法は特に制限されず、プレス機、ロール、バーコーター等を用いて行うことができる。中でも、生産効率性の面からロール成形が好ましい。
シート状成形物を加熱により硬化させる方法としては、シート状成形物を反応開始剤を用い、熱重合、紫外線照射による重合等、種々の方法が挙げられる。
熱重合によって硬化させる際の加熱温度は、例えば80から180℃であり、好ましくは120から180℃である。加熱時間は、例えば0.05から72時間であり、好ましくは0.1から10時間である。硬化させる工程の後、必要に応じて、熱伝導性シートを養生させる工程を設けてもよい。養生温度は例えば60から180℃であり、養生時間は例えば0.5から72時間である。硬化させる工程および養生させる工程は、大気雰囲気、窒素雰囲気、アルゴン雰囲気、真空下のいずれの雰囲気下で行ってもよい。
紫外線照射によって重合させる際の電磁波の照射強度は、0.1mW/cmから3000mW/cmの範囲が好ましく、照射時間は、1分から30分である。
以下、実施例および比較例を挙げて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
<実施例1から5、比較例1から4>
(1)熱伝導性樹脂組成物の作製
表1の配合の通り、各材料を秤量、混合し、自公転式真空撹拌ミキサー(株式会社EME社製の「V−mini300」)を用いて混練を行って、熱伝導性樹脂組成物を得た。なお、実施例及び比較例で使用した材料は、下記の通りである。
(A)樹脂成分
〔成分(a1)〕
RC100C(株式会社カネカ製、商品名):式[1]で表される化合物のRが水素原子、Rがアルキル基、数平均分子量Mnが18,000であり、分子量分布Mw/Mnが、1.0から1.5であり、両末端がアクリロイル基である重合体である。
A−HD−N(新中村化学工業株式会社製、商品名):1,9−ノナンジオールジアクリレートであり、数平均分子量Mnが226の単量体である。
A−DOD−N(新中村化学工業株式会社製、商品名):1,10−デカンジオールジアクリレートであり、数平均分子量Mnが282の単量体である。
JEFFERMINE T5000(ハンツマン社、商品名):数平均分子量が5,000であり、主鎖がポリエーテル、末端官能基がアミノ基である重合体である。
〔成分(a2)〕
MM110C(株式会社カネカ製、商品名):式[1]で表される化合物のRが水素原子、Rがアルキル基、数平均分子量Mnが12,000であり、分子量分布Mw/Mn1.0から1.5であり、片末端がアクリロイル基である。
LA(大阪有機化学工業株式会社製、商品名):ラウリルアクリレートであり、数平均分子量が240である。
エポゴーセーPT(四日市合成株式会社製、商品名):数平均分子量Mnが2,114であり、主鎖がポリエーテル、末端官能基がエポキシ基である重合体である。
(B)熱伝導性フィラー
BX053T(日本軽金属株式会社製、商品名):チタネートカップリング剤で表面処理された水酸化アルミニウムフィラーである。
(C)可塑剤
W−705(DIC株式会社製、商品名):トリメリット酸トリス(2−エチルヘキシル)であり、芳香族カルボン酸エステルである。沸点は414℃である。
DINP(三菱ケミカル株式会社、商品名):フタル酸ジイソニルであり、芳香族カルボン酸エステルである。沸点は403℃である。
CR−733S(大八化学株式会社、商品名):芳香族縮合燐酸エステルである。
(D)開始剤
IRGACURE1173(BASF社製、商品名):2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オンであり、光重合開始剤である。
IRGACURE819(BASF社製、商品名):ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイドであり、光重合開始剤である。
(E)酸化防止剤
IRGACURE1010(BASF社製、商品名):ペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]であり、ヒンダードフェノール系酸化防止剤である。
(2)硬化物および熱伝導性シートの作製
IRGACURE1173およびIRGACURE819を添加した場合、得られた熱伝導性樹脂組成物をバーコーターにてPETフィルム上に流し込み、硬化後の厚みが5mmとなるようにスペーサーを設置し、さらにPETフィルムを挟み込み、両面がPETフィルムで挟まれ、酸素が遮断させた状態で、200mW/cm、3分間の紫外線照射を両面行い、硬化させて、硬度測定用の硬化物を得た。また、得られた熱伝導性樹脂組成物をバーコーターにてPETフィルム上に流し込み、硬化後の厚みが1mmもしくは5mmとなるようにスペーサーを設置し、さらにPETフィルムを挟み込み、両面がPETフィルムで挟まれ、酸素が遮断させた状態で、200mW/cm、2分間の紫外線照射を行い、硬化させて、熱伝導率測定用の熱伝導性シートを得た。
エポゴーセーPTおよびJEFFERMINE T5000を混合し、硬化させる場合は、IRGACURE1173およびIRGACURE819を添加せず、120℃72時間加熱し、上記と同様の厚みとなるように熱硬化を行った。
(3)評価試験
(3−1)硬度
上記硬度測定用の硬化物について、Asker C硬度計(高分子計器株式会社製)を用いて、JIS K 7312に準拠してAsker C硬度を測定した。結果を表1に示す。また、硬度変化率は、(150℃2000時間後の硬度−初期硬度)/初期硬度または、(85℃85%RH400時間後の硬度−初期硬度)/初期硬度を意味する。
(3−2)熱伝導率
上記熱伝導率測定用の熱伝導性シートから一辺の長さが20mmの正方形状のシートに切り出して、これを測定サンプルとした。得られた測定サンプルについて、レスカ社のTCM1001にて定常法にて、JIS H7903、ASTM D5470−1準拠し、熱伝導率〔W/(m・K)〕を測定した。結果を表に示す。
(3−3)金属腐食性
85℃85%RH200時間加熱後の熱伝導シートの漏れ成分を鋼板試験片に接触させ、錆の発生有無を確認した。
Figure 2020008567
実施例1から実施例5では、良好な電気絶縁性を維持しながら、硬化物の低硬度化を達成することができた。また、熱伝導率は、1.0W/(m・K)以上を達成できた。比較例1は、(C)可塑剤に耐湿性の低い縮合型芳香族燐酸エステルである可塑剤を混合したが、85℃85%RH400時間曝露後の硬度変化が、実施例よりも大幅に上昇した。また、比較例1は、85℃85%RH200時間曝露後、熱伝導シートからの漏れ成分を鋼板と接触させると実施例では確認されない赤錆が発生した。比較例2から比較例4は、成分(a1)および成分(a2)が単量体であるため、150℃2000時間後の硬度変化が、アクリル重合体を用いている実施例と比較し、大幅に上昇した。比較例3では、(C)可塑剤の量を多く混合したにもかかわらず、Asker C硬度での測定限界100を超える値となり、柔軟な熱伝導シートが得られなかった。比較例5では、主鎖構造にポリエーテルと末端官能基にエポキシ基を有する化合物、主鎖構造にポリエーテルと末端官能基にアミノ基を有する化合物を配合し、可塑剤を実施例1から実施例4と同様のW−705を加え、硬度が実施例4と同様になるように調整したが、可塑剤との相溶性が悪く、150℃2000時間後の硬度変化が、アクリル重合体およびW−705を用いている実施例と比較し、大幅に上昇した。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて請求の範囲によって示され、請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
可塑剤(C)としては、芳香族カルボン酸エステルであれば特に限定されないが、フタル酸系可塑剤(例えばフタル酸ジイソニル、フタル酸ビス(2−エチルヘキシル)、フタル酸オクチル、フタル酸ビス(2−エチルヘキシル))、トリメリット酸系可塑剤(例えばトリメリット酸トリス(2−エチルヘキシル))等が好ましい。熱伝導性樹脂組成物は、腐食性の観点から、縮合型芳香族燐酸エステル等の燐酸系可塑剤を全く、またはほとんど含まないことが好ましい。熱伝導性樹脂組成物が燐酸系可塑剤を含む場合、熱伝導性樹脂組成物中の燐酸系可塑剤の含有量は、本発明の目的が達成されるのを阻害しない範囲内の量であり、例えば熱伝導性樹脂組成物全量に対して0.1質量%以下、好ましくは0.01質量%以下、より好ましくは0.001質量%以下である。
(C)可塑剤
W−705(DIC株式会社製、商品名):トリメリット酸トリス(2−エチルヘキシル)であり、芳香族カルボン酸エステルである。沸点は414℃である。
DINP(三菱ケミカル株式会社、商品名):フタル酸ジイソニルであり、芳香族カルボン酸エステルである。沸点は403℃である。
CR−733S(大八化学株式会社、商品名):芳香族縮合燐酸エステルである。

Claims (15)

  1. 樹脂成分(A)と、熱伝導性フィラー(B)と、可塑剤(C)と、を含み、
    前記樹脂成分(A)は、重合性官能基を2個以上有し、下記式[1]:
    Figure 2020008567

    (式[1]中、mは2以上の整数を表し、Rは水素原子またはメチル基を表し、Rはアルキル基を表す。)
    で表される(メタ)アクリル系構造を有する(メタ)アクリル重合体(a1)を含み、
    前記可塑剤(C)は芳香族カルボン酸エステルを含む、熱伝導性樹脂組成物。
  2. 前記(メタ)アクリル重合体(a1)の数平均分子量Mnが5,000以上であり、分子量分布Mw/Mnが1.0から2.0である、請求項1に記載の熱伝導性樹脂組成物。
  3. 前記(メタ)アクリル重合体(a1)は重合性官能基を主鎖の両末端に有する、請求項1または請求項2に記載の熱伝導性樹脂組成物。
  4. 重合性官能基を1個有し、前記式[1]で表される(メタ)アクリル系構造を有する(メタ)アクリル重合体(a2)をさらに含む、請求項1から請求項3のいずれかに記載の熱伝導性組成物。
  5. 前記(メタ)アクリル重合体(a2)の数平均分子量Mnが5,000以上であり、分子量分布Mw/Mnが1.0から2.0である、請求項4に記載の熱伝導性樹脂組成物。
  6. 前記(メタ)アクリル重合体(a2)の含有量は、前記樹脂成分(A)全量に対して90質量%未満である、請求項4または請求項5に記載の熱伝導性樹脂組成物。
  7. 前記重合性官能基が炭素−炭素二重結合である、請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の熱伝導性樹脂組成物。
  8. 前記熱伝導性フィラー(B)は、金属水酸化物フィラー、金属酸化物フィラー、金属窒化物フィラーおよびケイ素化合物フィラーからなる群より選択される1種以上のフィラーを含む、請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の熱伝導性樹脂組成物。
  9. 前記熱伝導性フィラー(B)は、チタネートカップリング剤で表面処理された金属水酸化物フィラーである、請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の熱伝導性樹脂組成物。
  10. 前記熱伝導性フィラー(B)の含有量は、前記樹脂成分(A)100質量部に対して230質量部から650質量部である、請求項1から請求項9のいずれか1項に記載の熱伝導性樹脂組成物。
  11. 前記芳香族カルボン酸エステルの沸点は390℃以上である、請求項1から請求項10のいずれか1項に記載の熱伝導性樹脂組成物。
  12. 酸化防止剤をさらに含む、請求項1から請求項11のいずれか1項に記載の熱伝導性樹脂組成物。
  13. 酸化防止剤の含有量は、樹脂成分(A)100質量部に対して0.05質量部から5質量部である、請求項12に記載の熱伝導性樹脂組成物。
  14. 請求項1から請求項13のいずれか1項に記載の熱伝導性樹脂組成物の硬化物を含む、厚み0.1mm以上の熱伝導性シート。
  15. 請求項1から請求項13のいずれか1項に記載の熱伝導性樹脂組成物をシート状に成形してシート状成形物を得る工程と、前記シート状成形物を硬化させる工程とを含む、熱伝導性シートの製造方法。
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