JP2022122992A - 樹脂組成物及びインダクタ - Google Patents

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駿介 高橋
Shunsuke Takahashi
英之 高橋
Hideyuki Takahashi
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Abstract

【課題】適度に粘度が低く塗布性に優れており、硬化物のガラス転移温度が高く耐熱性に優れており、かつ高温下での塗布対象部材に対する硬化物の密着性を高めることができる樹脂組成物を提供する。【解決手段】本発明に係る樹脂組成物は、ビスフェノール型エポキシ化合物と、ビスフェノール型エポキシ化合物とは異なる多官能エポキシ化合物と、熱硬化剤とを含み、25℃での粘度が40Pa・s以下であり、190℃で30分間硬化させて硬化物を得たときに、前記硬化物のガラス転移温度が170℃以上である。【選択図】図1

Description

本発明は、熱硬化性化合物と熱硬化剤とを含む樹脂組成物に関する。また、本発明は、上記樹脂組成物を用いたインダクタに関する。
従来、様々な電子部品において、部材同士を接着したり、部材の表面をコーティングしたりするために、樹脂組成物が用いられている。
また、電子部品として、インダクタが知られている。インダクタは、携帯電話、テレビ、及びデジタルカメラ等に用いられている。特に大電流化に対応したインダクタでは、フェライトコア等のコア材が、隙間を隔てて配置されている。従来、この隙間(接着部)には、粒子を含まない接着剤(樹脂組成物)や、ガラスビーズ等の粒子を含む接着剤(樹脂組成物)が用いられている。
上記樹脂組成物の一例として、下記の特許文献1には、特定のエポキシ樹脂を含有する一液型硬化性樹脂組成物が開示されている。特許文献1には、低温硬化性と接着強度確保とを両立することができると記載されている。
下記の特許文献2には、非磁性の粒子(粒体)を含む接着剤が開示されている。この接着剤は、硬化可能な接着剤であってもよい。
WO2015/060440A1 特開2004-235462号公報
電子部品に用いられる樹脂組成物の硬化物には、高い耐熱性が求められる。しかし、硬化後の耐熱性が高い熱硬化性化合物では、硬化前の樹脂組成物の粘度が高くなることがある。従来の樹脂組成物では、高い耐熱性と良好な塗布性との双方を両立することが困難である。
さらに、従来の樹脂組成物では、高温下での塗布対象部材に対する硬化物の接着強度を十分に高めることができず、高温下での塗布対象部材に対する硬化物の密着性が低くなることがある。
本発明の目的は、適度に粘度が低く塗布性に優れており、硬化物のガラス転移温度が高く耐熱性に優れており、かつ高温下での塗布対象部材に対する硬化物の密着性を高めることができる樹脂組成物を提供することである。また、本発明の目的は、上記樹脂組成物を用いたインダクタを提供することである。
本発明の広い局面によれば、ビスフェノール型エポキシ化合物と、ビスフェノール型エポキシ化合物とは異なる多官能エポキシ化合物と、熱硬化剤とを含み、25℃での粘度が40Pa・s以下であり、190℃で30分間硬化させて硬化物を得たときに、前記硬化物のガラス転移温度が170℃以上である、樹脂組成物が提供される。
本発明に係る樹脂組成物のある特定の局面では、前記多官能エポキシ化合物は、ナフタレン骨格、フルオレン骨格、グリコールウリル骨格、ジシクロペンタジエン骨格又はフェノールノボラック骨格を有する。
本発明に係る樹脂組成物のある特定の局面では、前記ビスフェノール型エポキシ化合物は、ビスフェノールA型エポキシ化合物、ビスフェノールF型エポキシ化合物、又はビスフェノールE型エポキシ化合物である。
本発明に係る樹脂組成物のある特定の局面では、190℃で30分間硬化させて硬化物を得たときに、硬化前の樹脂組成物に対する前記硬化物の重量減少が5重量%以下である。
本発明に係る樹脂組成物のある特定の局面では、前記多官能エポキシ化合物の含有量の、前記ビスフェノール型エポキシ化合物の含有量に対する比が、重量基準で、1/9以上、4/6以下である。
本発明に係る樹脂組成物のある特定の局面では、190℃で30分間硬化させて硬化物を得たときに、前記硬化物の熱重量分析による5%重量減少温度が360℃以上である。
本発明に係る樹脂組成物のある特定の局面では、前記樹脂組成物は、スペーサ粒子を含む。
本発明に係る樹脂組成物のある特定の局面では、前記樹脂組成物は、電子部品用接着剤である。
本発明に係る樹脂組成物のある特定の局面では、前記樹脂組成物は、フェライトコアの接着に用いられる。
本発明に係る樹脂組成物のある特定の局面では、前記樹脂組成物は、インダクタにおけるフェライトコアの接着に用いられる。
本発明の広い局面によれば、フェライトコアと、前記フェライトコアを接着している接着部とを備え、前記接着部の材料が、上述した樹脂組成物である、インダクタが提供される。
本発明に係る樹脂組成物は、ビスフェノール型エポキシ化合物と、ビスフェノール型エポキシ化合物とは異なる多官能エポキシ化合物と、熱硬化剤とを含む。本発明に係る樹脂組成物では、25℃での粘度が40Pa・s以下である。本発明に係る樹脂組成物では、190℃で30分間硬化させて硬化物を得たときに、上記硬化物のガラス転移温度が170℃以上である。本発明に係る樹脂組成物では、上記の構成が備えられているので、適度に粘度が低く塗布性に優れており、硬化物のガラス転移温度が高く耐熱性に優れており、かつ高温下での塗布対象部材に対する硬化物の密着性を高めることができる。
図1は、本発明の一実施形態に係る樹脂組成物を用いたインダクタを模式的に示す断面図である。
以下、本発明の詳細を説明する。
(樹脂組成物)
本発明に係る樹脂組成物は、熱硬化性化合物と、熱硬化剤とを含む。本発明に係る樹脂組成物は、上記熱硬化性化合物として、ビスフェノール型エポキシ化合物と、ビスフェノール型エポキシ化合物とは異なる多官能エポキシ化合物とを含む。本発明に係る樹脂組成物の25℃での粘度は、40Pa・s以下である。本発明に係る樹脂組成物の粘度は比較的低く塗布性に優れている。本発明に係る樹脂組成物を190℃で30分間硬化させて硬化物を得たときに、上記硬化物のガラス転移温度は170℃以上である。高温下での塗布対象部材に対する硬化物の密着性を高める観点から、上記硬化物のガラス転移温度は、好ましくは180℃以上であり、さらに好ましくは190℃以上である。
本発明では、適度に粘度が低く塗布性に優れており、かつガラス転移温度が高く耐熱性に優れている。本発明では、上記の配合成分が組み合わされているので、粘度を効果的に低くし、ガラス転移温度を効果的に高くすることができる。さらに、本発明では、上記の構成が採用されているので、高温下での塗布対象部材に対する硬化物の密着性を十分に高めることができる。本発明では、高温下での塗布対象部材に対する硬化物の接着強度を十分に高めることができるので、高温下での塗布対象部材に対する硬化物の密着性が高くなる。さらに、本発明に係る樹脂組成物は適度に粘度が低いため塗布対象部材上に塗布したときに、硬化物の厚みを均一に制御することができる。例えば、部材同士の間に硬化物を配置したときに、ギャップ制御性を高めることができる。インダクタにおけるフェライトコアを接着する場合には、フェライトコア等のコア材が、隙間を隔てて配置される必要がある。このような場合に、本発明を適用してギャップ制御性を高めることは、技術的意義が高い。
ギャップ制御性をより一層良好にする観点からは、上記樹脂組成物の25℃での粘度(η25)は、好ましくは40Pa・s以下、より好ましくは30Pa・s以下、更に好ましくは20Pa・s以下である。
上記粘度(η25)は、例えば、E型粘度計(東機産業社製「TVE22L」)等を用いて、25℃及び5rpmの条件、及びスパイラル粘度計(マルコム社製「PCU-02V」)を用いて、25℃及び10rpmの条件で測定可能である。樹脂組成物中のスペーサ粒子の粒子径が20μm以下である場合には、E型粘度計(東機産業社製「TVE22L」)が好適に用いられる。樹脂組成物中のスペーサ粒子の粒子径が20μmを超える場合には、スパイラル粘度計(マルコム社製「PCU-02V」)が好適に用いられる。
耐熱信頼性をより一層良好にする観点からは、上記樹脂組成物を190℃で30分間硬化させて硬化物を得たときに、上記硬化物の熱重量分析(TGA)による5%重量減少温度は好ましくは360℃以上、より好ましくは380℃以上、更に好ましくは390℃以上である。上記5%重量減少温度は、上記硬化物の重量が5重量%減少する時の温度である。
上記5%重量減少温度は、具体的には、示差熱熱重量同時測定装置(セイコーインスツルメンツ社製「TG-DTA6200」)等を用いて、昇温速度10℃/分の条件で測定可能である。
次に、上記樹脂組成物に含まれる成分の詳細を説明する。
熱硬化性化合物:
上記樹脂組成物は、熱硬化性化合物として、ビスフェノール型エポキシ化合物と、ビスフェノール型エポキシ化合物とは異なる多官能エポキシ化合物とを含む。本発明に係る樹脂組成物中の多官能エポキシ化合物には、ビスフェノール型エポキシ化合物は含まれない。上記多官能エポキシ化合物は、エポキシ基を2個以上有する。上記ビスフェノール型エポキシ化合物は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。上記多官能エポキシ化合物は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記ビスフェノール型エポキシ化合物としては、ビスフェノールA型エポキシ化合物、ビスフェノールF型エポキシ化合物、ビスフェノールE型エポキシ化合物、及びビスフェノールS型エポキシ化合物等が挙げられる。
上記ビスフェノール型エポキシ化合物は、ビスフェノールA型エポキシ化合物、ビスフェノールF型エポキシ化合物、又はビスフェノールE型エポキシ化合物であることが好ましく、ビスフェノールF型エポキシ化合物、又はビスフェノールE型エポキシ化合物であることがより好ましく、ビスフェノールE型エポキシ化合物であることが更に好ましい。上記ビスフェノール型エポキシ化合物は、ビスフェノールF型エポキシ化合物であってもよい。上記ビスフェノール型エポキシ化合物が、上記の好ましい態様を満足することで、ガラス転移温度をより一層良好にすることができる。これらの好ましいビスフェノール型エポキシ化合物は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記多官能エポキシ化合物としては、ナフタレン型エポキシ化合物、フルオレン型エポキシ化合物、グリコールウリル型エポキシ化合物、ジシクロペンタジエン型エポキシ化合物、フェノールノボラック型エポキシ化合物、及びレゾルシノール型エポキシ化合物等が挙げられる。
上記多官能エポキシ化合物は、ナフタレン骨格、フルオレン骨格、グリコールウリル骨格、ジシクロペンタジエン骨格、フェノールノボラック骨格又はレゾルシノール骨格を有することが好ましく、ナフタレン骨格、フルオレン骨格、グリコールウリル骨格、又はジシクロペンタジエン骨格を有することがより好ましい。上記多官能型エポキシ化合物が、上記の好ましい態様を満足することで、ガラス転移温度をより一層良好にすることができる。これらの好ましい多官能エポキシ化合物は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記樹脂組成物100重量%中、上記熱硬化性化合物の含有量は、好ましくは0.01重量%以上、より好ましくは0.1重量%以上、更に好ましくは1重量%以上、特に好ましくは15重量%以上であり、好ましくは90重量%以下、より好ましくは80重量%以下、更に好ましくは70重量%以下である。上記樹脂組成物100重量%中、上記ビスフェノール型エポキシ化合物と上記多官能エポキシ化合物との合計の含有量は、好ましくは0.01重量%以上、より好ましくは0.1重量%以上、更に好ましくは1重量%以上、特に好ましくは15重量%以上である。上記樹脂組成物100重量%中、上記ビスフェノール型エポキシ化合物と上記多官能エポキシ化合物との合計の含有量は、好ましくは90重量%以下、より好ましくは80重量%以下、更に好ましくは70重量%以下である。上記熱硬化性化合物の含有量及び上記ビスフェノール型エポキシ化合物と上記多官能エポキシ化合物との合計の含有量が上記下限以上であると、ガラス転移温度がより一層良好になる。上記熱硬化性化合物の含有量及び上記ビスフェノール型エポキシ化合物と上記多官能エポキシ化合物との合計の含有量が上記上限以下であると、ガラス転移温度がより一層良好になる。
ギャップ制御性をより一層良好にする観点からは、上記多官能エポキシ化合物の含有量の、上記ビスフェノール型エポキシ化合物の含有量に対する比(多官能エポキシ化合物の含有量/ビスフェノール型エポキシ化合物の含有量)は、重量基準で、好ましくは1/9以上であり、好ましくは4/6以下、より好ましくは3/7以下である。
熱硬化剤:
上記熱硬化剤は、上記熱硬化性化合物を熱硬化させる。上記熱硬化剤としては、イミダゾール硬化剤、フェノール硬化剤、アミン硬化剤、酸無水物硬化剤、熱カチオン開始剤及び熱ラジカル発生剤等がある。上記熱硬化剤は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記イミダゾール硬化剤は、特に限定されない。上記イミダゾール硬化剤としては、2-メチルイミダゾール、2-エチル-4-メチルイミダゾール、1-シアノエチル-2-フェニルイミダゾール、1-シアノエチル-2-フェニルイミダゾリウムトリメリテート、2,4-ジアミノ-6-[2’-メチルイミダゾリル-(1’)]-エチル-s-トリアジン及び2,4-ジアミノ-6-[2’-メチルイミダゾリル-(1’)]-エチル-s-トリアジンイソシアヌル酸付加物等が挙げられる。
上記アミン硬化剤は、特に限定されない。上記アミン硬化剤としては、ヘキサメチレンジアミン、オクタメチレンジアミン、デカメチレンジアミン、3,9-ビス(3-アミノプロピル)-2,4,8,10-テトラスピロ[5.5]ウンデカン、ビス(4-アミノシクロヘキシル)メタン、メタフェニレンジアミン及びジアミノジフェニルスルホン等が挙げられる。
上記熱カチオン開始剤は、特に限定されない。上記熱カチオン開始剤としては、ヨードニウム系カチオン硬化剤、オキソニウム系カチオン硬化剤及びスルホニウム系カチオン硬化剤等が挙げられる。上記ヨードニウム系カチオン硬化剤としては、ビス(4-tert-ブチルフェニル)ヨードニウムヘキサフルオロホスファート等が挙げられる。上記オキソニウム系カチオン硬化剤としては、トリメチルオキソニウムテトラフルオロボラート等が挙げられる。上記スルホニウム系カチオン硬化剤としては、トリ-p-トリルスルホニウムヘキサフルオロホスファート等が挙げられる。
上記熱ラジカル発生剤は、特に限定されない。上記熱ラジカル発生剤としては、アゾ化合物及び有機過酸化物等が挙げられる。上記アゾ化合物としては、アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)等が挙げられる。上記有機過酸化物としては、ジ-tert-ブチルペルオキシド及びメチルエチルケトンペルオキシド等が挙げられる。
上記熱硬化剤の含有量は特に限定されない。上記熱硬化性化合物100重量部に対して、上記熱硬化剤の含有量は、好ましくは0.01重量部以上、より好ましくは1重量部以上であり、好ましくは200重量部以下、より好ましくは100重量部以下、更に好ましくは75重量部以下、特に好ましくは50重量部以下、最も好ましくは10重量部以下である。上記ビスフェノール型エポキシ化合物と上記多官能エポキシ化合物との合計100重量部に対して、上記熱硬化剤の含有量は、好ましくは0.01重量部以上、より好ましくは1重量部以上である。上記ビスフェノール型エポキシ化合物と上記多官能エポキシ化合物との合計100重量部に対して、上記熱硬化剤の含有量は、好ましくは200重量部以下、より好ましくは100重量部以下、更に好ましくは75重量部以下、特に好ましくは50重量部以下、最も好ましくは10重量部以下である。上記熱硬化剤の含有量が上記下限以上であると、樹脂組成物を充分に硬化させることが容易である。上記熱硬化剤の含有量が上記上限以下であると、硬化後に硬化に関与しなかった余剰の熱硬化剤が残存し難くなり、かつ硬化物の耐熱性がより一層高くなる。
スペーサ粒子:
上記樹脂組成物の硬化物の厚みをより一層高精度に制御する観点からは、上記樹脂組成物はスペーサ粒子を含むことが好ましい。スペーサ粒子を含む樹脂組成物は、ギャップ制御材として用いることができる。スペーサを含む樹脂組成物がフェライトコア、特にインダクタにおけるフェライトコアの接着に用いられる場合には、上記樹脂組成物の硬化物の厚みをより一層高精度に制御することができる。
上記スペーサ粒子としては、樹脂粒子、金属粒子を除く無機粒子、有機無機ハイブリッド粒子及び金属粒子等が挙げられる。上記スペーサ粒子は、コアと、該コアの表面上に配置されたシェルとを備えるコアシェル粒子であってもよい。上記コアが有機コアであってもよい。上記シェルが無機シェルであってもよい。硬化物に応力が加わったときや硬化物に振動が加わったときに、応力や振動を緩和し、密着性を高く維持する観点からは、上記スペーサ粒子は、金属粒子を除くスペーサ粒子が好ましく、樹脂粒子、金属粒子を除く無機粒子又は有機無機ハイブリッド粒子がより好ましい。本発明の効果により一層優れることから、上記スペーサ粒子は、樹脂粒子又は有機無機ハイブリッド粒子が特に好ましい。スペーサ粒子を含む樹脂組成物がフェライトコア、特にインダクタにおけるフェライトコアの接着に用いられ、さらに車載用等の応力や振動が加わる用途に用いられる場合には、上記スペーサ粒子の応力緩和性能が有効であり、上記スペーサ粒子により応力や振動をより一層効果的に緩和することができる。
上記スペーサ粒子は、樹脂により形成された樹脂粒子であることが好ましい。上記スペーサ粒子が樹脂粒子であると、硬化物に応力や振動が加わったときに、応力や振動を緩和でき、密着性を高く維持することができる。
上記樹脂粒子を形成するための樹脂として、種々の有機物が好適に用いられる。上記樹脂粒子を形成するための樹脂としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリイソブチレン、ポリブタジエン等のポリオレフィン樹脂;ポリメチルメタクリレート及びポリメチルアクリレート等のアクリル樹脂;ポリアルキレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリアミド、フェノールホルムアルデヒド樹脂、メラミンホルムアルデヒド樹脂、ベンゾグアナミンホルムアルデヒド樹脂、尿素ホルムアルデヒド樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、尿素樹脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、飽和ポリエステル樹脂、ポリスルホン、ポリフェニレンオキサイド、ポリアセタール、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルスルホン、及び、エチレン性不飽和基を有する種々の重合性単量体を1種もしくは2種以上重合させて得られる重合体等が挙げられる。スペーサ粒子の硬度を好適な範囲に容易に制御できるので、上記樹脂粒子を形成するための樹脂は、エチレン性不飽和基を複数有する重合性単量体を1種又は2種以上重合させた重合体であることが好ましい。
上記樹脂粒子を、エチレン性不飽和基を有する重合性単量体を重合させて得る場合、上記エチレン性不飽和基を有する重合性単量体としては、非架橋性の単量体と架橋性の単量体とが挙げられる。
上記非架橋性の単量体としては、例えば、スチレン、α-メチルスチレン等のスチレン系単量体;(メタ)アクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸等のカルボキシル基含有単量体;メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、セチル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート等のアルキル(メタ)アクリレート化合物;2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、グリセロール(メタ)アクリレート、ポリオキシエチレン(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート等の酸素原子含有(メタ)アクリレート化合物;(メタ)アクリロニトリル等のニトリル含有単量体;メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、プロピルビニルエーテル等のビニルエーテル化合物;酢酸ビニル、酪酸ビニル、ラウリン酸ビニル、ステアリン酸ビニル等の酸ビニルエステル化合物;エチレン、プロピレン、イソプレン、ブタジエン等の不飽和炭化水素;トリフルオロメチル(メタ)アクリレート、ペンタフルオロエチル(メタ)アクリレート、塩化ビニル、フッ化ビニル、クロルスチレン等のハロゲン含有単量体等が挙げられる。
上記架橋性の単量体としては、例えば、テトラメチロールメタンテトラ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、グリセロールトリ(メタ)アクリレート、グリセロールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)テトラメチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4-ブタンジオールジ(メタ)アクリレート等の多官能(メタ)アクリレート化合物;トリアリル(イソ)シアヌレート、トリアリルトリメリテート、ジビニルベンゼン、ジアリルフタレート、ジアリルアクリルアミド、ジアリルエーテル、γ-(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、トリメトキシシリルスチレン、ビニルトリメトキシシラン等のシラン含有単量体等が挙げられる。
上記エチレン性不飽和基を有する重合性単量体を、公知の方法により重合させることで、上記樹脂粒子を得ることができる。この方法としては、例えば、ラジカル重合開始剤の存在下で懸濁重合する方法、並びに非架橋の種粒子を用いてラジカル重合開始剤とともに単量体を膨潤させて重合する方法等が挙げられる。
上記スペーサ粒子が金属粒子を除く無機粒子又は有機無機ハイブリッド粒子である場合には、スペーサ粒子を形成するための無機物としては、シリカ及びカーボンブラック等が挙げられる。上記無機物は金属ではないことが好ましい。上記シリカにより形成された粒子としては特に限定されないが、例えば、加水分解性のアルコキシシリル基を2つ以上有するケイ素化合物を加水分解して架橋重合体粒子を形成した後に、必要に応じて焼成を行うことにより得られる粒子が挙げられる。上記有機無機ハイブリッド粒子としては、例えば、架橋したアルコキシシリルポリマーとアクリル樹脂とにより形成された有機無機ハイブリッド粒子等が挙げられる。
密着性をより一層良好にする観点からは、上記スペーサ粒子の平均粒子径は、好ましくは20μm以上、より好ましくは25μm以上、更に好ましくは30μm以上であり、好ましくは200μm以下、より好ましくは150μm以下、更に好ましくは130μm以下である。
密着性をより一層高める観点からは、上記スペーサ粒子の粒子径のCV値は、好ましくは1%以上であり、好ましくは10%以下、より好ましくは5%以下である。
密着性をより一層高める観点からは、上記スペーサ粒子を10%圧縮したときの圧縮弾性率(10%K値)は、好ましくは980N/mm以上、より好ましくは1200N/mm以上であり、好ましくは4900N/mm以下、より好ましくは3000N/mm以下である。
上記CV値(変動係数)は下記式で表される。
CV値(%)=(ρ/Dn)×100
ρ:スペーサ粒子の粒子径の標準偏差
Dn:スペーサ粒子の粒子径の平均値
上記スペーサ粒子の上記10%K値は、以下のようにして測定できる。
微小圧縮試験機を用いて、円柱(直径50μm、ダイヤモンド製)の平滑圧子端面で、25℃、最大試験荷重90mNを30秒かけて負荷する条件下でスペーサ粒子を圧縮する。このときの荷重値(N)及び圧縮変位(mm)を測定する。得られた測定値から、上記圧縮弾性率を下記式により求めることができる。上記微小圧縮試験機として、例えば、フィッシャー社製「フィッシャースコープH-100」等が用いられる。
K値(N/mm)=(3/21/2)・F・S-3/2・R-1/2
F:スペーサ粒子が10%圧縮変形したときの荷重値(N)
S:スペーサ粒子が10%圧縮変形したときの圧縮変位(mm)
R:スペーサ粒子の半径(mm)
耐湿性及び密着性をより一層高め、かつ硬化物の厚みの均一性をより一層高める観点からは、上記樹脂組成物100重量%中、上記スペーサ粒子の含有量は、好ましくは1重量%以上、より好ましくは2重量%以上、更に好ましくは5重量%を超え、好ましくは15重量%以下、より好ましくは12重量%以下である。
無機フィラー:
耐湿性をより一層良好にする観点からは、上記樹脂組成物は、無機フィラーを含むことが好ましい。上記無機フィラーの材料としては、シリカ、タルク、クレイ、マイカ、ハイドロタルサイト、アルミナ、酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、窒化アルミニウム及び窒化ホウ素等が挙げられる。
耐湿性をより一層高める観点からは、上記無機フィラーは、シリカ又はアルミナであることが好ましく、シリカであることがより好ましく、溶融シリカであることが更に好ましい。シリカの使用により、硬化物の熱膨張率がより一層低くなり、接着信頼性がより一層高くなる。
耐湿性をより一層高める観点からは、上記無機フィラーは、カップリング剤による表面処理物であることが好ましい。
上記カップリング剤としては、シランカップリング剤、チタンカップリング剤及びアルミニウムカップリング剤等が挙げられる。密着性をより一層高める観点からは、上記無機フィラーは、シランカップリング剤による表面処理物であることが好ましい。
上記シランカップリング剤としては、フェニルシラン、ビニルシラン、アミノシラン、イミダゾールシラン及びエポキシシラン等が挙げられる。耐湿性をより一層高める観点からは、フェニルシランが好ましい。
耐湿性をより一層高める観点からは、上記樹脂組成物100重量%中、上記無機フィラーの含有量は好ましくは10重量%以上、より好ましくは30重量%を超え、更に好ましくは35重量%を超え、特に好ましくは40重量%以上である。密着性をより一層高める観点からは、上記無機フィラーの含有量は好ましくは90重量%以下、より好ましくは75重量%以下、更に好ましくは70重量%以下、特に好ましくは65重量%以下、最も好ましくは60重量%以下である。
密着性及び耐湿性の双方をバランスよく高める観点からは、上記樹脂組成物において、上記スペーサ粒子の含有量の、上記無機フィラーの含有量に対する比(スペーサ粒子の含有量/無機フィラーの含有量)は、重量基準で、好ましくは1/60以上、より好ましくは1/30以上であり、1/3以下、より好ましくは1/4以下である。
密着性をより一層高める観点からは、上記無機フィラーの平均粒子径の、上記スペーサ粒子の平均粒子径に対する比(無機フィラーの平均粒子径/スペーサ粒子の平均粒子径)は好ましくは0.1以下、より好ましくは0.01以下である。耐湿性をより一層高める観点からは、上記比(無機フィラーの平均粒子径/スペーサ粒子の平均粒子径)は好ましくは0.00005以上、より好ましくは0.0005以上である。
上記平均粒子径は、数平均粒子径を示す。上記無機フィラー及び上記スペーサ粒子の平均粒子径は、例えば、任意の無機フィラー50個又は任意のスペーサ粒子50個を電子顕微鏡又は光学顕微鏡にて観察し、平均値を算出することにより求められる。
溶剤:
上記樹脂組成物は、溶剤を含んでいてもよく、溶剤を含んでいなくてもよい。上記溶剤は、一般的には、樹脂組成物の硬化時に揮発により除去される。上記溶剤は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記溶剤は、一般的には、有機溶剤である。上記有機溶剤としては、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン化合物、トルエン、キシレン、テトラメチルベンゼン等の芳香族炭化水素化合物、セロソルブ、メチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、カルビトール、メチルカルビトール、ブチルカルビトール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールジエチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル等のグリコールエーテル化合物、酢酸エチル、酢酸ブチル、乳酸ブチル、セロソルブアセテート、ブチルセロソルブアセテート、カルビトールアセテート、ブチルカルビトールアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、炭酸プロピレン等のエステル化合物、オクタン、デカン等の脂肪族炭化水素化合物、石油エーテル、ナフサ等の石油系溶剤並びに二塩基酸エステル等が挙げられる。上記二塩基酸エステルは、DBEと呼ばれている溶剤である。
塗布後の樹脂組成物の過度の濡れ拡がりを抑える観点からは、上記樹脂組成物における溶剤の含有量は少ない方がよい。即ち、上記樹脂組成物を190℃で30分間硬化させて硬化物を得たときに、硬化前の上記樹脂組成物に対する上記硬化物の重量減少は好ましくは5重量%以下、より好ましくは3重量%以下である。上記硬化時の重量減少は、硬化前の樹脂組成物100重量%に対して、樹脂組成物を硬化させた硬化物にて減少した重量%に相当する。上記硬化前後の重量減少には、揮発成分量が影響する。本発明では、上記の配合組成が採用されているので、溶剤を用いなかったり、溶剤の含有量を少なくしたりしても、樹脂組成物の粘度を十分に低くすることができる。
他の成分:
上記樹脂組成物は、光硬化性成分を含んでいてもよく、光硬化性化合物と、光重合開始剤とを含んでいてもよい。
密着性をより一層高める観点からは、上記樹脂組成物は、カップリング剤を含むことが好ましい。
上記カップリング剤としては、シランカップリング剤、チタンカップリング剤及びアルミニウムカップリング剤等が挙げられる。密着性をより一層高める観点からは、上記樹脂組成物は、シランカップリング剤を含むことが好ましい。
上記シランカップリング剤としては、フェニルシラン、ビニルシラン、アミノシラン、イミダゾールシラン及びエポキシシラン等が挙げられる。
密着性をより一層高める観点からは、上記樹脂組成物100重量%中、上記カップリング剤の含有量は好ましくは0.01重量%以上、より好ましくは0.1重量%以上であり、好ましくは2重量%以下、より好ましくは1重量%以下である。
塗布性を効果的に高め、硬化物の厚みの均一性をより一層高め、密着性をより一層高め、かつボイドの発生をより一層抑える観点からは、上記樹脂組成物は、チキソトロピー付与剤を含むことが好ましい。
上記チキソトロピー付与剤としては、金属粒子、炭酸カルシウム、ヒュームドシリカ、酸化アルミニウム、窒化硼素、窒化アルミニウム、硼酸アルミニウム等の無機粒子等が挙げられる。
塗布性を効果的に高め、硬化物の厚みの均一性をより一層高め、密着性をより一層高め、かつボイドの発生をより一層抑える観点からは、上記樹脂組成物100重量%中、上記チキソトロピー付与剤の含有量は好ましくは0.1重量%以上、より好ましくは0.5重量%以上であり、好ましくは10重量%以下、より好ましくは5重量%以下である。
上記樹脂組成物は、必要に応じて、例えば、充填剤、増量剤、軟化剤、可塑剤、重合触媒、硬化触媒、着色剤、酸化防止剤、熱安定剤、光安定剤、紫外線吸収剤、滑剤、帯電防止剤及び難燃剤等の各種添加剤を含んでいてもよい。
(樹脂組成物の用途)
上記樹脂組成物は、様々な用途に用いることができる。上記樹脂組成物は、接着剤又はコーティング材であることが好ましく、接着剤であることがより好ましい。上記樹脂組成物は、電子部品用接着剤又は電子部品用コーティング材であることが好ましく、電子部品用接着剤であることがより好ましい。上記樹脂組成物は、接着強度及び密着性を高くすることができるので、電子部品用接着剤として好適に用いることができる。
本発明の効果が特に有効に発現することから、上記樹脂組成物は、フェライトコアの接着に好適に用いられ、インダクタにおけるフェライトコアの接着により好適に用いられる。インダクタにおけるフェライトコアを接着する場合には、フェライトコア等のコア材が、隙間を隔てて配置される必要がある。上記樹脂組成物は、ギャップ制御性、耐熱性及び塗布性に優れており、インダクタにおけるフェライトコアの接着に対して優れた性能を期待することができる。上記樹脂組成物は、インダクタ用接着剤樹脂組成物であることが好ましく、インダクタ用接着剤であることが好ましい。
(電子部品)
上記樹脂組成物は、電子部品用接着剤であることが好ましい。電子部品としては、インダクタ及びセンサチップ等が挙げられる。
上記インダクタは、フェライトコアと、上記フェライトコアを接着している接着部とを備えることが好ましい。上記インダクタでは、上接着部の材料が、上述した樹脂組成物であることが好ましい。上記接着部は、上記樹脂組成物の硬化物であることが好ましい。上記接着部は、上記樹脂組成物を硬化させることにより形成されることが好ましい。
上記接着部の対向し合う両側の表面上に、上記フェライトコアが配置されていることが好ましい。上記接着部により、上記フェライトコアに隙間があることが好ましい。
図1は、本発明の一実施形態に係る樹脂組成物を用いたインダクタを模式的に示す断面図である。
図1に示すインダクタ1は、フェライトコア11と、フェライトコア12と、接着部13とを備える。インダクタ1は、複数のフェライトコア(フェライトコア11及びフェライトコア12)を含む。インダクタ1は、トランス部品用のコイル鉄芯を含む。フェライトコア11は、E型のフェライトコアである。フェライトコア12は、I型のファライトコアである。E型のフェライトコア11の3つの凸部のうち、外側の2つの凸部の先端と、I型のフェライトコア12の側面とが対向しており、隙間を隔てている。この隙間に、接着部13が配置されている。この接着部13の材料が、上述した樹脂組成物である。本実施形態では、接着部13の厚みは、接着部13に含まれるスペーサ粒子の粒子径と同等である。スペーサ粒子は、フェライトコア11とフェライトコア12との双方に接している。
以下、実施例及び比較例を挙げて、本発明を具体的に説明する。本発明は、以下の実施例のみに限定されない。
以下の材料を用意した。
(ビスフェノール型エポキシ化合物)
ビスフェノール型エポキシ化合物1:ビスフェノールE型エポキシ樹脂、プリンテック社製「R1710」
ビスフェノール型エポキシ化合物2:ビスフェノールF型エポキシ樹脂、DIC社製「EXA830CRP」(表中、「830CRP」)
ビスフェノール型エポキシ化合物3:ビスフェノールA型エポキシ樹脂、三菱化学社製「jer825」
(ビスフェノール型エポキシ化合物とは異なるエポキシ化合物)
多官能エポキシ化合物1:ナフタレン型エポキシ化合物、DIC社製「HP4710」 多官能エポキシ化合物2:フルオレン型エポキシ化合物、大阪ガスケミカル社製「ogsol PG100」(表中、「PG100」)
多官能エポキシ化合物3:グリコールウリル型エポキシ化合物、四国化成工業社製「TG-G」
多官能エポキシ化合物4:ジシクロペンタジエン型エポキシ化合物、DIC社製「HP7200」
多官能エポキシ化合物5:フェノールノボラック型エポキシ化合物、DOW社製「DEN431」
多官能エポキシ化合物6:レゾルシノール型エポキシ化合物、共栄社化学社製「TDG-LC」
(熱硬化剤)
熱硬化剤1:イミダゾール硬化促進剤、四国化成工業社製「2MZA」
熱硬化剤2:酸無水物系硬化剤、三菱化学社製「YH307」
(無機フィラー)
無機フィラー1:シリカ、平均粒子径1μm、アドマテックス社製「SE-4050SPE」(表中、「4050SPE」)
(スペーサ粒子)
スペーサ粒子1:平均粒子径20μm、CV値5%、10%K値3600N/mm、積水化学工業社製「SP-220」、樹脂粒子
スペーサ粒子2:平均粒子径25μm、CV値7%、ユニオン社製「SPM-25」、ガラス粒子
(溶剤)
溶剤1:メチルエチルケトン
(実施例1~19及び比較例1~7)
(1)樹脂組成物(接着剤)の調製
表1~3の組成に従って、スペーサ以外の各材料を、自転公転ミキサーにて撹拌混合することで、接着剤組成物を得た。得られた接着剤組成物に、スペーサ粒子を表1~3の組成に従って配合し、自転公転ミキサーを用いて撹拌混合することで樹脂組成物(接着剤)を作製した。
(2)インダクタの作製
得られた樹脂組成物を10mLシリンジ(武蔵エンジニアリング社製)に充填し、シリンジの先端に精密ノズル(武蔵エンジニアリング社製、ノズル先端内径0.3mm)を取り付け、ディスペンサ装置(武蔵エンジニアリング社製「SHOT MASTER300」)を用いて、I型コアに塗布し、E型コアと貼り合せた。その後、リフロー炉にて硬化させ、インダクタを得た。
(評価)
(1)粘度
樹脂組成物の25℃での粘度(η25)を、E型粘度計(東機産業社製「TVE22L」)を用いて、25℃及び5rpmの条件で測定した。
(2)ガラス転移温度
接着剤を190℃で30分加熱して、硬化物を得た。得られた硬化物のtanδを、動的粘弾性測定機(アイティー計測制御社製)を用いて、昇温速度10℃/分、つかみ幅20mm及び周波数5Hzで測定した。tanδが最大となる温度をガラス転移温度とした。
(3)5%重量減少温度
樹脂組成物を190℃で30分加熱して、硬化物を得た。得られた硬化物について、示差熱熱重量同時測定装置(セイコーインスツルメンツ社製「TG-DTA6200」)を用いて、温度範囲30℃から480℃、昇温速度10℃/分の条件で測定することにより、樹脂組成物の5%重量減少温度を評価した。5%重量減少温度を以下の基準で判定した。
[5%重量減少温度の判定基準]
○:5%重量減少温度が380℃以上
△:5%重量減少温度が360℃以上、380℃未満
×:5%重量減少温度が360℃未満
(4)高温接着力(密着性)
得られた樹脂組成物を用いて、SPCC-SB社製の試験片に塗布し、試験片同士を190℃で30分の条件で接着した。接着後、万能試験機(オリエンテック社製テンシロンUTA)にて、速度1mm/分、150℃にてせん断強さを測定し、高温接着強度を評価した。接着強度から、高温接着力(密着性)を下記の基準で判定した。
[高温接着力の判定基準]
○:高温接着力が10MPa以上
△:高温接着力が6MPa以上、10MPa未満
×:高温接着力が6MPa未満
(5)ギャップ制御性
得られたインダクタにおいて、レーザー変位計(KEYENCE社製「KS-1100」)を用いて、硬化後のギャップ間距離及びギャップ間距離のバラツキ3σ(σ;標準偏差)を測定した。ギャップ間距離のバラツキ3σ/硬化後のギャップ間距離の値Xから、ギャップ制御性を評価した。ギャップ制御性を下記の基準で判定した。
[ギャップ制御性の判定基準]
○○:値Xが0.15未満
○:値Xが0.15以上、0.2未満
△:値Xが0.2以上、0.4未満
×:値X0.4以上
(6)硬化時の重量減少(揮発成分量)
樹脂組成物を190℃で30分加熱して、硬化物を得た。硬化前の樹脂組成物に対する硬化物の重量減少を測定することにより、樹脂組成物の揮発成分量を評価した。硬化時の重量減少を下記の基準で判定した。
[硬化時の重量減少の判定基準]
○:重量減少が2重量%以下
△:重量減少が2%を超え、5%以下
×:重量減少が5%を超える
詳細及び結果を下記の表1~3に示す。
Figure 2022122992000002
Figure 2022122992000003
Figure 2022122992000004
1…インダクタ
11…フェライトコア(E型)
12…フェライトコア(I型)
13…接着部

Claims (11)

  1. ビスフェノール型エポキシ化合物と、
    ビスフェノール型エポキシ化合物とは異なる多官能エポキシ化合物と、
    熱硬化剤とを含み、
    25℃での粘度が40Pa・s以下であり、
    190℃で30分間硬化させて硬化物を得たときに、前記硬化物のガラス転移温度が170℃以上である、樹脂組成物。
  2. 前記多官能エポキシ化合物は、ナフタレン骨格、フルオレン骨格、グリコールウリル骨格、ジシクロペンタジエン骨格又はフェノールノボラック骨格を有する、請求項1に記載の樹脂組成物。
  3. 前記ビスフェノール型エポキシ化合物は、ビスフェノールA型エポキシ化合物、ビスフェノールF型エポキシ化合物、又はビスフェノールE型エポキシ化合物である、請求項1又は2記載の樹脂組成物。
  4. 190℃で30分間硬化させて硬化物を得たときに、硬化前の樹脂組成物に対する前記硬化物の重量減少が5重量%以下である、請求項1~3のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
  5. 前記多官能エポキシ化合物の含有量の、前記ビスフェノール型エポキシ化合物の含有量に対する比が、重量基準で、1/9以上、4/6以下である、請求項1~4のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
  6. 190℃で30分間硬化させて硬化物を得たときに、前記硬化物の熱重量分析による5%重量減少温度が360℃以上である、請求項1~5のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
  7. スペーサ粒子を含む、請求項1~6のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
  8. 電子部品用接着剤である、請求項1~7のいずれかに記載の樹脂組成物。
  9. フェライトコアの接着に用いられる、請求項1~8のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
  10. インダクタにおけるフェライトコアの接着に用いられる、請求項1~9のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
  11. フェライトコアと、
    前記フェライトコアを接着している接着部とを備え、
    前記接着部の材料が、請求項1~10のいずれか1項に記載の樹脂組成物である、インダクタ。
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