JP2003276757A - 耐腐食性に優れた飲食品瓶詰用キャップ - Google Patents

耐腐食性に優れた飲食品瓶詰用キャップ

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JP2003276757A
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Tadahiro Masuyama
忠弘 増山
Masakazu Sakashita
正和 坂下
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 フタル酸エステル系可塑剤を使用せず、且つ
食品衛生上安全と認められたクエン酸エステル系可塑剤
を使用した塩化ビニル系プラスチゾル又はアクリル系プ
ラスチゾルを塗布したキャップにおいて、腐食の問題が
なく、可塑剤のブリードの少ない構造とした飲食品瓶詰
用キャップの提供。 【解決手段】 瓶口との密封面となるキャップの頂部内
面側周辺部と該周辺部に囲まれた頂部内面中央部分に亘
るほぼ全面に、塩化ビニル系プラスチゾル又はアクリル
系プラスチゾルから得られたライナー材を有する飲食品
瓶詰用キャップであって、前記プラスチゾルが、塩化ビ
ニル樹脂又はアクリル樹脂100重量部に対して可塑剤
が50〜120重量部であり、この可塑剤の70重量%
以上がクエン酸エステル系可塑剤であることを特徴とす
る飲食品瓶詰用キャップ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、耐腐食性及び食品
衛生性に優れた塩化ビニル系プラスチゾル又はアクリル
系プラスチゾルを用いた飲食品瓶用キャップに関する。
【0002】
【従来技術】外径約40mm以上の飲食品瓶詰用キャッ
プの密封剤として、塩化ビニル系プラスチゾルが密封性
能が良いことから従来より広く使用されて来た。これに
は可塑剤としてフタル酸エステルが主に使用されて来た
が、フタル酸系可塑剤は食品内容物への移行により人体
への悪影響が懸念されており、また、土壌や河川を汚染
するという問題もあるので、市場では可塑剤の脱フタル
酸化が図られている。
【0003】そこで、フタル酸エステルに代わる可塑剤
としては、ジオクチルアジペート等のアジピン酸エステ
ル系可塑剤、エポキシ化大豆油やエポキシ化アマニ油等
のエポキシ系可塑剤、アセチルトリブチルシトレート
(アセチルクエン酸トリブチル)等のクエン酸エステル
系可塑剤、低級脂肪酸と高級脂肪酸との混合脂肪酸グリ
セリドからなる可塑剤を使用することが提案されている
(特開昭59−74148号公報、特開平3−1154
52号公報等)。とくにクエン酸エステル系可塑剤であ
るアセチルトリブチルシトレートは無毒性可塑剤として
FDAにも認可されている。
【0004】また、近年は、塩化ビニル系プラスチゾル
は、大量に焼却すると焼却時に塩化水素を発生したり、
ダイオキシンを生成する虞があるという理由で、アクリ
ル系プラスチゾルを採用しようとする動きもある(特開
平7−157622号公報、特開平7−188390号
公報、特開2001−329134号公報等)。
【0005】アクリル系プラスチゾルの可塑剤として
は、やはりフタル酸エステル系可塑剤、アジピン酸エス
テル系可塑剤、エポキシ系可塑剤、アセチルトリブチル
シトレートやアセチルトリエチルシトレート(アセチル
クエン酸トリエチル)やトリエチルシトレート(クエン
酸トリエチル)やトリブチルシトレート(クエン酸トリ
ブチル)等のクエン酸エステル系可塑剤、グリセリンジ
アセトモノラウレートやグリセリンジアセトモノステア
レートやグリセリンジアセトモノオレートやグリセリン
モノアセトモノスリアリート等のアセチル化モノグリセ
ライド、炭素数7〜11の脂肪酸トリグリセライド等の
グリセリンエステル系可塑剤等が使用されている。
【0006】本発明者等も、キャップでの塩化ビニル系
プラスチゾル及びアクリル系プラスチゾルの脱フタル酸
化の研究を進めたが、上記したアジピン酸エステル系可
塑剤は食品への移行による衛生性に難点があるため適当
ではなく、また、エポキシ系可塑剤、クエン酸エステル
系可塑剤、グリセリンエステル系の可塑剤は、フタル酸
エステル系の可塑剤と比べると、酸性の強い内容物に対
して弱く、従来法通り、キヤップの頂部内面側周辺部
に、プラスチゾルをリング状に塗布した場合(従来、キ
ャップの外径が40mm以上のものについては、プラス
チゾルの使用量節減のためライナー材はリング状で使用
するのが常識である)、内容物が酸性の強いもの(例え
ば、PH4.0以下)であった場合には、可塑剤が加水
分解されて酸となり、プラスチゾル(ライナー)の塗布
界面を中心とした金属キャップの内面塗膜を破壊して金
属面を腐食させたり、またプラスチゾル中の可塑剤のラ
イナー表面へのブリードが発生して商品価値を低下させ
るという問題があることが判明した。
【0007】塩化ビニル系プラスチゾル塗布端部より腐
食が発生する理由を究明したところ、プラスチゾルと塗
料との接着部分が、プラスチゾル焼き付け硬化時(約2
00℃前後)に、ビニル系塗料がプラスチゾルの可塑剤
により溶解されて融合接着するため、プラスチゾル端部
付近の塗膜に劣化が起こり、その部分に前述のように内
容物が強い酸性であるため可塑剤を加水分解して発生し
た酸によって塗膜が破壊され、その後に金属面の腐食が
発生するためであるという知見が得られた。
【0008】その傾向は、ビニル系樹脂を溶解する能力
が強いと考えられるクエン酸エステル系可塑剤が最も強
く、塩化ビニル樹脂を溶解する能力がそれ程強くないエ
ポキシ系可塑剤とグリセリンエステル系可塑剤はそれ程
強くはないことも判明した。
【0009】そこで、更に内面塗膜の耐腐食性を向上さ
せるために、耐腐食性の高い塗料を使用し、また塗膜を
厚くしたり、塗料を三重塗装する等の対策を考えたが、
塩化ビニル系プラスチゾルの場合、トップコートとなる
塗料は塩化ビニル系プラスチゾルとの接着性を考慮する
と、ビニル系塗料に限定されるため、このビニル系塗料
が加水分解されて発生した酸に侵され塗膜にブリスター
が発生することは避け難い。
【0010】一方、内面塗膜の耐腐食性劣化作用が比較
的弱いエポキシ系可塑剤やグリセリンエステル系可塑剤
(グリセライド系可塑剤)は、可塑剤が加水分解して酸
となり、ライナー表面にブリードして来る傾向が強く、
ライナー表面が油状物でべとべとし、それが瓶口に付着
するので、見た目が悪い(消費者に異物感を与える)た
め、酸性の強い内容物への適用には限界があることが判
明した。
【0011】このように、食品衛生上の安全性の面で、
食品の香味に影響を及ぼさず、経済的な可塑剤には制約
がある。この傾向はアクリル樹脂を溶解する能力が高い
と考えられるクエン酸エステル系可塑剤と、アクリル樹
脂を溶解する能力がそれ程高くないエポキシ系可塑剤や
グリセリンエステル系可塑剤とを使用するアクリル系プ
ラスチゾルの場合にも当てはまることが判明した。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明の目的
は、フタル酸エステル系可塑剤を使用せず、且つ食品衛
生上安全と認められたクエン酸エステル系可塑剤を使用
した塩化ビニル系プラスチゾル又はアクリル系プラスチ
ゾルを塗布したキャップにおいて、腐食の問題がなく、
可塑剤のブリードの少ない構造とした外径約40mm以
上の飲食品瓶詰用キャップを提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明の第1は、瓶口と
の密封面となるキャップの頂部内面側周辺部と該周辺部
に囲まれた頂部内面中央部分に亘るほぼ全面に、塩化ビ
ニル系プラスチゾル又はアクリル系プラスチゾルから得
られたライナー材を有する飲食品瓶詰用キャップであっ
て、前記プラスチゾルが、塩化ビニル樹脂又はアクリル
樹脂100重量部に対して可塑剤が50〜120重量部
であり、この可塑剤の70重量%以上がクエン酸エステ
ル系可塑剤であることを特徴とする飲食品瓶詰用キャッ
プに関する。要するに、内容物がキャップ内面の塗膜に
直接接触できないように特定のプラスチゾル層を形成す
ることが重要である。そのためには、原則的にキャップ
内面の全面にプラスチゾル層を設けることが必要であ
る。本発明の第2は、前記クエン酸エステル系可塑剤が
アセチルトリブチルシトレートである請求項1に記載の
飲食品瓶詰用キャップに関する。本発明の第3は、塩化
ビニル系プラスチゾル又はアクリル系プラスチゾルの塗
膜の厚さが、瓶口と接触する密封面となる周辺部で、
0.50〜2.00mm、該周辺部に囲まれた内面中央
部分で、0.05〜0.50mmである請求項1又は2
に記載の飲食品瓶詰用キャップに関する。
【0014】
【作用】請求項1記載の発明では、瓶口との密封面とな
るキャップの頂部内面側周辺部だけでなく、該周辺部に
囲まれた頂部内面中央部分にまで、樹脂100重量部に
対してクエン酸エステル系可塑剤たとえばアセチルトリ
ブチルシトレート、アセチルトリプロピルシトレート、
アセチルトリヘキシルシトレートなどが全可塑剤中70
重量%以上を占める可塑剤50〜120重量部を含む塩
化ビニル系プラスチゾル又はアクリル系プラスチゾルが
塗布されているので、瓶詰内容物(内容液)はプラスチ
ゾルと接触することになっても、直接キャップの内面側
被膜(又は塗膜)とは接触できないので、内容液が酸性
の強いものであっても、可塑剤が表面にブリードして来
て瓶口に付着したり、また、金属キャップの場合でも金
属キャップの内面側が腐食されるのを防止することがで
きる。請求項2記載の発明では、全可塑剤中70重量%
以上がアセチルトリブチルシトレートとしたので、請求
項1の効果に加えて、ゾルの安定性が良好となり、また
加熱により密封性能及び耐衝撃性が良好で、香味に影響
のないライナーが形成できると共に、ライナー表面にブ
リードする可塑剤が少なくなるという効果が得られる。
全可塑剤の量が、塩化ビニル樹脂又はアクリル樹脂10
0重量部当たり、50重量部未満だと可塑化作用が劣っ
て粘度が高くなり、プラスチゾルのライニングがうまく
出来なかったり、出来上がったライナーが硬すぎて密封
性能が悪くなり、一方、可塑剤の量が120重量部を超
えると、プラスチゾルの粘度が低くなり過ぎてライニン
グが不安定になり、また形成されたライナーが柔らか過
ぎて耐衝撃性(衝撃時の密封性)等が劣ったものとな
る。また、可塑剤の70重量%以上をアセチルトリブチ
ルシトレートにしたのは、他のクエン酸エステル系可塑
剤に比べて、アセチルトリブチルシトレートが内容物の
香味に対する影響が少なく、ゾルの安定性が良好なため
である。請求項3記載の発明では、請求項1又は2に記
載の発明の作用に加えて、塩化ビニル系プラスチゾルの
塗膜厚さが、瓶口と接触する密封面となる周辺部で、
0.50〜2.00mmあるので、キャップが瓶と嵌合
した時に十分な密封性が維持でき、また該周辺部に囲ま
れた内面中央部分の塩化ビニル系プラスチゾルの塗膜厚
さが、0.05〜0.50mmであって、その下層とな
る塗膜又は被膜を保護できる必要最小限に近い数値にし
てあるので、キャップがコスト高となるのを防止でき
る。即ち、内面中央部分のプラスチゾルは、厚くても性
能的には特に問題はないが、厚いとそれだけプラスチゾ
ル量が多く必要となるので、0.50mm以下が好まし
いのである。
【0015】塩化ビニル系プラスチゾルまたはアクリル
系プラスチゾルは、樹脂と可塑剤以外に、硫酸バリウム
等の充填剤、酸化チタン等の顔料、金属石鹸等の安定
剤、ワックス等の潤滑剤を含み、目的によっては界面活
性剤や発泡剤を添加する事が出来る。
【0016】酸の強い食品としては、ピクルス・ハジカ
ミ・梅ぼし・マヨネーズ・ラッキョウ等である。
【0017】本発明のキャップ本体は、ブリキ、TFS
(化学処理鋼板)、アルミニウム等の金属類である。
【0018】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明を説明するが、
本発明はこれにより何ら限定されるものではない。
【0019】実施例1 三菱モンサント(株)製 塩化ビニル樹脂ペースト 1
00重量部、協和発酵(株)製アセチルトリブチルシト
レート(ATBC) 80重量部、堺化学(株)製簸性
硫酸バリウム 30重量部、石原産業(株)製酸化チタ
ン 3重量部、花王(株)製エルカ酸アミド 1重量
部、日産フェロー有機化学(株)製脂肪酸金属石鹸 1
重量部をライカイキで混練してゾルを造り真空脱泡し
た。内面ベースコートとして関西ペイント(株)製エポ
キシフェノール塗料SJ−5061Cが、トップコート
として同社の塩化ビニル塗料SJ−9262Aを塗布し
た直径63mmのラグキャップの内面に前記ゾルを試験
用ライニング機でライニングし、200℃×2分の焼き
付けを行った。この時のライナーの厚さは、シーリング
部(瓶口との密封面となるキャップの頂部内面側周辺
部)で約1.1mm(ばらつき範囲1.0〜1.2m
m)、内面中央部分は約0.12mm(ばらつき範囲は
0.10mm〜0.13mm)であった(ライナーの厚
さの測定は各4箇所)。このキャップを80℃〜85℃
に加温したピクルスとハジカミの各250g入り飲食品
瓶詰めに30kg−cmのトルクで巻締め、38℃×3
ケ月の貯蔵試験を行い評価した。
【0020】実施例2 実施例1の可塑剤をアセチルトリブチルシトレート(ア
セチルクエン酸トリブチル) 50重量部とジアセチル
モノラウリルグリセライド 20重量部よりなる組成物
に変更し、貯蔵試験の内容物をラッキョウと梅干しに変
更した以外は実施例1と同じである。
【0021】実施例3 実施例1の可塑剤をアセチルトリブチルシトレート(ア
セチルクエン酸トリブチル) 60重量部と旭電化
(株)製のエポキシ化大豆油(商品名:O−130)
20重量部に変更し、貯蔵試験の内容物のハジカミをラ
ッキョウに変更した以外は実施例1に同じである。
【0022】実施例4 実施例1のアセチルトリブチルシトレート可塑剤量を増
量して120重量部とし、貯蔵試験内容物のピクルスを
梅干しに変更した以外は実施例1と同じである。
【0023】実施例5 実施例1の可塑剤量を削減して50重量部とし、貯蔵試
験内容物をハジカミのみとした以外は実施例1と同じで
ある。
【0024】実施例6 実施例1の樹脂を鐘淵化学(株)に変更して発泡剤とし
て大塚化学(株)製のアゾジカルボンアミド0.6重量
部を加えて発泡タイプゾルとし貯蔵試験内容物をラッキ
ョウとマヨネーズにした以外は実施例1と同じである。
【0025】実施例7 実施例1のゾル塗布厚さ(焼き付け後の厚さ)を、シー
リング部は約0.60mm(ばらつき範囲は0.50〜
0.70mm)、中央部分は約0.07mm(ばらつき
範囲は0.05〜0.08mm)にした以外は実施例1
と同じである。
【0026】実施例8 実施例4のゾル塗布厚さ(焼き付け後の厚さ)を、シー
リング部は約0.60mm(ばらつき範囲は0.50〜
0.70mm)、中央部分は約0.07mm(ばらつき
範囲は0.05〜0.08mm)にした以外は実施例4
と同じである。
【0027】実施例9 実施例5のゾル塗布厚さ(焼き付け後の厚さ)を、シー
リング部は約0.60mm(ばらつき範囲は0.50〜
0.70mm)、中央部分は約0.07mm(ばらつき
範囲は0.05〜0.08mm)にした以外は実施例5
と同じである。
【0028】比較例1〜9 比較例1は、中央部分への塗布を行なわないこと以外は
全て実施例1と同一条件にした。比較例2〜9は、それ
ぞれ中央部分への塗布を行なわないこと以外はそれぞれ
実施例2〜9と同一条件にした(比較例2が実施例2の
比較例であり、比較例3が実施例3の比較例である。以
下同様。)。
【0029】比較例10 実施例1の可塑剤をエポキシ化大豆油 60重量部とジ
アセチルモノラウリルグリセライド 10重量部に変更
した以外は実施例1に同じである。
【0030】比較例11 実施例1の可塑剤をアセチルトリブチルシトレート(ア
セチルクエン酸トリブチル)20重量部とエポキシ化大
豆油 55重量部に変更し、貯蔵試験内容物をラッキョ
ウと梅干しに変更した以外は実施例1と同じである。
【0031】比較例12 実施例1の可塑剤のアセチルトリブチルシトレート(ア
セチルクエン酸トリブチル)80重量部を130重量部
に増量した以外は実施例1と同じである。但し正常なキ
ャップへの塗布が出来ず貯蔵試験は中止した。
【0032】比較例13 実施例1の可塑剤のアセチルトリブチルシトレート(ア
セチルクエン酸トリブチル)80重量部を40重量部に
削減した以外は実施例1と同じである。但し正常なキャ
ップへの塗布ができず貯蔵試験は中止した。
【0033】比較例14 実施例6の可塑剤をエポキシ化大豆油60重量部とジア
セチルモノラウリルグリセライド10重量部に変更した
以外は実施例6に同じである。
【0034】比較例15 実施例6の可塑剤をアセチルトリブチルシトレート(ア
セチルクエン酸トリブチル)40重量部とエポキシ化大
豆油 40重量部に変更した以外は実施例6と同じであ
る。
【0035】比較例16 実施例1のゾル塗布厚さ(焼き付け後の厚さ)を、シー
リング部は約0.45mm(ばらつき範囲は0.40〜
0.50mm)、中央部分は約0.04mm(ばらつき
範囲は0.03〜0.05mm)に変更した以外は実施
例1と同じである。
【0036】比較例17 実施例4のゾル塗布厚さ(焼き付け後の厚さ)を、シー
リング部は約0.45mm(ばらつき範囲は0.40〜
0.50mm)、中央部分は約0.04mm(ばらつき
範囲は0.03〜0.05mm)に変更した以外は実施
例4と同じである。
【0037】比較例18 実施例5のゾル塗布厚さ(焼き付け後の厚さ)を、シー
リング部は約0.45mm(ばらつき範囲は0.40〜
0.50mm)、中央部分は約0.04mm(ばらつき
範囲は0.03〜0.05mm)に変更した以外は実施
例5と同じである。但し正常なキャップへの塗布が出来
ず貯蔵試験は中止した。
【0038】前記実施例と比較例のライニング成分の組
成、ライナー膜厚およびそれらの評価を下記表1〜2に
示す。また下記評価は、下記の様に行った。 ライニング作業性:粘度が高すぎて均一な塗布が出来な
いものや,逆に粘度が低すぎて所定の塗布膜厚や平滑な
塗布が出来ないものを×とし、そうでないものを○とし
た。 密 封 性 能:傾斜角20°の鐵板上30cmの高さ
より瓶詰めを倒置落下してキャップに衝撃を与え、真空
度低下の発生率が20%以上のものを×とし、そうでな
いものを○とした(テスト数10本)。 可塑剤のブリード:貯蔵試験に於いて、目視及び指触に
よりブリードの有無を判定し、ライナー表面に可塑剤ま
たは加水分解生成物質が析出したものを×とし、そうで
ないものを○とした。 耐 腐 食 性:貯蔵試験に於いて、塗膜またはライナ
ー表面にブリスターが発生しているものや塗膜下の金属
に腐食が発生しているものを×とし、そうでないものを
○とした。
【0039】
【表1】
【0040】
【表2】
【0041】
【表3】
【0042】
【発明の効果】FDAでも無毒性可塑剤と認定している
クエン酸エステル系可塑剤は、飲食品と接触するプラス
チックスの可塑剤として好ましいものであるが、これが
pH4.0以下の酸性の強い飲食品と接触すると加水分
解をおこし、加水分解により生成した酸がキャップ内面
に塗布されている塗膜を破壊し、キャップ金属を腐食さ
せるため、従来、酸性の強い飲食品を封入した瓶詰め用
キャップのライナーを形成するための樹脂組成物に配合
する可塑剤として無毒性可塑剤とはわかっていても、ク
エン酸エステル系可塑剤を使用することができなかっ
た。本発明は、キャップ内面にライナーを形成するに当
り、従来のようにリング状にライナーを形成するのでは
なく、内容物がキャップの塗膜に接触しないような状態
になるように形成する(例えば、キャップ内面全体にラ
イナーを形成する)ことにより、従来使用できないと考
えられていたクエン酸エステル系可塑剤の使用を可能に
し、これにより、食品衛生上もっとも安全なクエン酸エ
ステル系可塑剤を使用し、かつキャップ金属の腐食をお
こさない新規な飲食品瓶詰用キャップを提供できた。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3E084 HA02 HB03 HC06 HD01 4J002 BD031 BG041 EH016 EH046 EH146 FD026 GG01

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 瓶口との密封面となるキャップの頂部内
    面側周辺部と該周辺部に囲まれた頂部内面中央部分に亘
    るほぼ全面に、塩化ビニル系プラスチゾル又はアクリル
    系プラスチゾルから得られたライナー材を有する飲食品
    瓶詰用キャップであって、前記プラスチゾルが、塩化ビ
    ニル樹脂又はアクリル樹脂100重量部に対して可塑剤
    が50〜120重量部であり、この可塑剤の70重量%
    以上がクエン酸エステル系可塑剤であることを特徴とす
    る飲食品瓶詰用キャップ。
  2. 【請求項2】 前記クエン酸エステル系可塑剤がアセチ
    ルトリブチルシトレートである請求項1に記載の飲食品
    瓶詰用キャップ。
  3. 【請求項3】 塩化ビニル系プラスチゾル又はアクリル
    系プラスチゾルの塗膜の厚さが、瓶口と接触する密封面
    となる周辺部で、0.50〜2.00mm、該周辺部に
    囲まれた内面中央部分で、0.05〜0.50mmであ
    る請求項1又は2に記載の飲食品瓶詰用キャップ。
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