JP5128508B2 - 塩化ビニル系プラスチゾル組成物および飲食品瓶詰用キャップ - Google Patents

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Description

本発明は、飲食品瓶詰用キャップに用いられる塩化ビニル系プラスチゾル組成物とそれを用いた飲食品瓶詰用キャップに関するものである。
従来、飲食品瓶詰用キャップの密封用のライナー材として、その密封機能が優れていることから塩化ビニル系プラスチゾル組成物が広く用いられている。
この塩化ビニル系プラスチゾル組成物の可塑剤としては、従来、フタル酸エステル系可塑剤が広く用いられてきた。しかし、食品内容物への移行による人体への悪影響の懸念や、土壌や河川の環境汚染等の問題が指摘され、近年ではライナー材へのフタル酸エステル系可塑剤の使用を控える傾向が強まっている。
このような状況において、フタル酸エステル系可塑剤に代替する可塑剤として、アセチルクエン酸トリブチル等のヒドロキシ多価カルボン酸エステル系可塑剤、エポキシ化大豆油やエポキシ化亜麻仁油等のエポキシ系可塑剤、ジオクチルアジペート等の脂肪酸二塩基エステル系可塑剤、混合脂肪酸のグリセライド等が用いられている(特許文献1参照)。
特開2007−217662号公報
フタル酸エステル系可塑剤を用いた塩化ビニル系プラスチゾル組成物のライナー材では、キャップの腐食、すなわち錆の問題はほとんど発生しなかったが、上記の代替可塑剤に変更したことにより、pHの低い酸性食品で特に夏場の暑い時期に腐食の問題が多発するようになった。
塩化ビニル系プラスチゾル組成物を密封材(ガスケット)とするキャップは、密封材とキャップ本体とを接着させるために塩化ビニル系の塗料(または稀にアクリル系塗料)がコーティングされている。このキャップ本体に塩化ビニル系プラスチゾル組成物を塗布し200℃前後の温度で焼き付け硬化を行うが、このとき塩化ビニル系プラスチゾル組成物の可塑剤により塗膜が溶解して溶融接着する。
腐食は、リング状(ワッパ状)にライニングされた密封材の端部(周辺部)に円周状に発生する。その理由は、塩化ビニル系プラスチゾル組成物の焼き付け硬化時に端部付近の塗膜は塩化ビニル系プラスチゾル組成物の可塑剤により溶解溶融の影響を受けて劣化するが、この劣化部分に酸性の強い内容物により可塑剤の加水分解が起こって酸が発生し、また内容物自体の酸により塗膜が破壊されて金属面が腐食されるためである。
腐食が多発するもう一つの要因として、従来キャップ本体の材料にはブリキが用いられていたが、スズ等の高騰によりブリキに代わって耐食性は劣るが安価な化学処理鋼板(TFS)が用いられるようになったことが挙げられる。
上記したように腐食は密封材の端部に円周状に発生するが、この周辺部には塩化ビニル系プラスチゾル組成物を塗布するチャンネルを設ける加工が施され、これにより塗膜には損傷が発生している。そしてこの加工部が密封材の端部と一致するため一層腐食が促進される。
そして加工部の損傷はブリキよりも化学処理鋼板の方が大きい。その理由は、同じ塗料でも化学処理鋼板の方が接着性は良好で塗膜が硬く仕上がるため加工性は劣化するからである。従って化学処理鋼板を用いた場合にはブリキよりも腐食が起こり易くなる。
一方、塩化ビニル系プラスチゾル組成物をライナー材として用いた飲食品瓶詰め用キャップは、一般に開栓トルクが高く、婦女子や高齢者には開栓困難な場合があり、このことが瓶詰め食品の拡販を阻害している要因ともなっている。
そのため飲食品瓶詰め用キャップの開栓性を改善するために、一般に潤滑剤が配合される。この潤滑剤としてはオレイン酸アミドやエルカ酸アミド等の高級脂肪酸アミド、シリコーンオイル、パラフィンワックス等が主に用いられている。しかしながら、これら従来の潤滑剤を用いた場合にも開栓性の点で必ずしも満足する程度には至っていない。
開栓性を向上させるために、潤滑剤を増量して開栓トルクを低減させる手段も講じられてきたが、この場合、開栓トルクは低減できるものの密封材表面にブリードした潤滑剤が瓶詰め内容物に落ち込み、瓶詰め飲食品の表面に油が浮いた状態になり食品衛生上も外観上も好ましくない。
潤滑剤の落ち込みが発生せず、かつ、開栓トルクを許容限度に収めることも現行技術で一時的には可能であるが、潤滑剤の密封材表面へのブリードは気温や経過時間等に大きく影響されるので、夏冬の季節に依存せず1年中、そして在庫期間にも依存せず常に許容範囲内の開栓トルクが確保され、かつ落ち込みのないような潤滑剤の配合は困難であった。
本発明は、以上の通りの事情に鑑みてなされたものであり、耐食性に優れ、化学処理鋼板をキャップ本体の材料としても耐食性が劣化することがなく、さらに食品衛生上も何ら問題のない塩化ビニル系プラスチゾル組成物とそれを用いた飲食品瓶詰用キャップを提供することを課題としている。
また本発明は、キャップを開栓し易く、許容範囲内の開栓トルクを常に保持することができ、潤滑剤の内容物への落ち込み汚染も抑制された塩化ビニル系プラスチゾル組成物とそれを用いた飲食品瓶詰用キャップを提供することを課題としている。
本発明は、上記の課題を解決するために、以下のことを特徴としている。
第1:飲食品瓶詰用キャップにおける瓶口との密封面に塗布し硬化することにより密封材を形成するための塩化ビニル系プラスチゾル組成物であって、可塑剤としてビス(イソノニル)シクロヘキサン−1,2−ジカルボキシレートを含有することを特徴とする塩化ビニル系プラスチゾル組成物。
第2:可塑剤の配合量が塩化ビニル樹脂100質量部に対して60〜100質量部であることを特徴とする上記第1の塩化ビニル系プラスチゾル組成物。
第3:ビス(イソノニル)シクロヘキサン−1,2−ジカルボキシレートの配合量が可塑剤全量に対して30質量%以上であることを特徴とする上記第2の塩化ビニル系プラスチゾル組成物。
第4:潤滑剤としてレシチンを含有することを特徴とする上記第1の塩化ビニル系プラスチゾル組成物。
第5:可塑剤の配合量が塩化ビニル樹脂100質量部に対して45〜100質量部であることを特徴とする上記第4の塩化ビニル系プラスチゾル組成物。
第6:ビス(イソノニル)シクロヘキサン−1,2−ジカルボキシレートの配合量が可塑剤全量に対して20質量%以上であることを特徴とする上記第5の塩化ビニル系プラスチゾル組成物。
第7:レシチンの配合量が塩化ビニル樹脂100質量部に対して0.2〜2.0質量%であることを特徴とする上記第4から第6のいずれかの塩化ビニル系プラスチゾル組成物。
第8:アゾジカルボンアミド、4,4−オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)、および炭酸水素ナトリウムから選ばれる少なくとも1種の発泡剤を含有することを特徴とする上記第4から第7のいずれかの塩化ビニル系プラスチゾル組成物。
第9:フタル酸エステル系可塑剤を含有しないことを特徴とする上記1から第8のいずれかの塩化ビニル系プラスチゾル組成物。
第10:上記第1から第9のいずれかの塩化ビニル系プラスチゾル組成物を飲食品瓶詰用キャップにおける瓶口との密封面に塗布し硬化することにより形成された密封材を備えることを特徴とする飲食品瓶詰用キャップ。
本発明の塩化ビニル系プラスチゾル組成物および飲食品瓶詰用キャップによれば、塩化ビニル系プラスチゾル組成物の可塑剤としてビス(イソノニル)シクロヘキサン−1,2−ジカルボキシレートを用いているので、耐食性に優れており、化学処理鋼板をキャップ本体の材料としても耐食性が劣化することがなく、さらに食品衛生上も何ら問題がない。
また、本発明の塩化ビニル系プラスチゾル組成物および飲食品瓶詰用キャップによれば、塩化ビニル系プラスチゾル組成物の可塑剤としてビス(イソノニル)シクロヘキサン−1,2−ジカルボキシレートを用いると共に、潤滑剤としてレシチンを配合することにより、キャップを開栓し易くし、許容範囲内の開栓トルクを常に保持することができ、かつ、潤滑剤の内容物への落ち込み汚染も抑制することができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
なお、本明細書において、「密封材」にはガスケットが含まれる。また、「塩化ビニル系プラスチゾル組成物」は、ライナー材、あるいはシーリングコンパウンド等とも呼ばれるものである。
1. 第1の実施形態:耐腐食性に優れた飲食品瓶詰用キャップのための塩化ビニル系プラスチゾル組成物
本実施形態の塩化ビニル系プラスチゾル組成物に配合される塩化ビニル樹脂は、ペースト樹脂単独または、ペースト樹脂とブレンド樹脂とを併用したものである。これらの配合割合は、例えば、ペースト樹脂:ブレンド樹脂=100:0〜70:30である。
ペースト樹脂は、平均重合度が好ましくは1100〜1700、平均粒子径が好ましくは0.1〜数μmであり、一般には乳化重合法またはマイクロサスペンジョン重合(微懸濁重合)法等の重合法によって製造される。
ブレンド樹脂は、平均重合度が好ましくは1000〜1300、平均粒子径が好ましくは20〜40μmであり、一般には懸濁重合または塊状重合などで製造される。
本実施形態の塩化ビニル系プラスチゾル組成物における可塑剤の配合量は、好ましくは、塩化ビニル樹脂100質量部に対して60〜100質量部である。可塑剤の配合量が少な過ぎると、ゾルの流動性が低下しライニング作業に適切な粘度が得られない場合があり、また硬い密封材となり密封性が十分に確保できなくなる場合がある。一方、可塑剤の配合量が多過ぎると、粘度が過度に低下してゾルの貯蔵安定性やライニング作業性が低下し、また密封材が柔らか過ぎて耐衝撃性、耐熱性、開栓性等に問題が発生する場合がある。
本実施形態では、可塑剤としてビス(イソノニル)シクロヘキサン−1,2−ジカルボキシレートが配合される。ビス(イソノニル)シクロヘキサン−1,2−ジカルボキシレートは、可塑剤全量に対して好ましくは30質量%以上の割合で配合される。ビス(イソノニル)シクロヘキサン−1,2−ジカルボキシレートの配合量が可塑剤全量に対して少な過ぎると、耐腐食性効果を十分に発揮できなくなる場合がある。
ビス(イソノニル)シクロヘキサン−1,2−ジカルボキシレート以外に配合可能な可塑剤の具体例としては、アセチルクエン酸トリブチルやアセチルクエン酸トリ−2−エチルヘキシル等のヒドロキシ多価カルボン酸エステル系可塑剤、エポキシ化大豆油やエポキシ化亜麻仁油等のエポキシ系可塑剤、グリセリンジアセトモノラウレート等のグリセリン脂肪酸エステル系可塑剤等が挙げられる。
本実施形態の塩化ビニル系プラスチゾル組成物には、上記の塩化ビニル樹脂および可塑剤の他、潤滑剤、安定剤、顔料、充填材、発泡剤等の添加成分を、本発明の効果を損なわない範囲内において配合することができる。
潤滑剤は、瓶詰開封時の開栓トルクを低減するための添加成分であり、その具体例としては、オレイン酸アミド、エルカ酸アミド、エチレンビスオレイン酸アミド等の高級脂肪酸アミド、シリコーンオイル等が挙げられる。これらは1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。塩化ビニル系プラスチゾル組成物における潤滑剤の配合量は、塩化ビニル樹脂100質量部に対して好ましくは4質量部以下である。
安定剤の具体例としては、高級脂肪酸金属石鹸を主成分としたもの等が挙げられる。塩化ビニル系プラスチゾルにおける安定剤の配合量は、塩化ビニル樹脂100質量部に対して好ましくは4質量部以下、より好ましくは1〜4質量部である。
充填材は、コスト低減、流動特性や所定の硬度を確保などのために用いられる添加成分であり、その具体例としては、簸性硫酸バリウム、沈降性硫酸バリウム、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、珪酸カルシウム、クレー、カオリン等が挙げられる。但し、可塑剤にビス(イソノニル)シクロヘキサン−1,2−ジカルボキシレートを用いた塩化ビニル系プラスチゾル組成物は低粘度となり充填材の分離沈降や可塑剤の上澄みを発生し易いので、比重が余り大きくなく吸油量が比較的大きい沈降性硫酸バリウム等を用いるのが粘度調整の点からは好ましい。充填材は、塩化ビニル樹脂100質量部に対して60質量部程度まで配合することが可能であるが、ゾル性状の安定性や発泡の安定性等の観点からは、例えば30質量部程度までの量で配合される。
発泡剤の具体例としては、アゾジカルボンアミド等が挙げられる。発泡剤の配合量は、キャップの形態やキャップ径などによっても異なるが、塩化ビニル樹脂100質量部に対して好ましくは0.3〜3.0質量部である。
2. 第2の実施形態:開栓性に優れた飲食品瓶詰用キャップのための塩化ビニル系プラスチゾル組成物
次に、レシチンを配合した実施形態について説明する。本実施形態の塩化ビニル系プラスチゾル組成物に配合される塩化ビニル樹脂は、ペースト樹脂単独または、ペースト樹脂とブレンド樹脂とを併用したものである。ブレンド樹脂の配合量は、好ましくは、塩化ビニル樹脂全量に対して5質量%以上である。ペースト樹脂単独の場合、発泡気泡が大きくなる場合や、ゾル貯蔵中に吸湿し異常発泡を起こして密封材の表面が荒れ、均一性が失われる場合がある。
ペースト樹脂およびブレンド樹脂としては、前述の第1の実施形態と同様のものを用いることができる。
本実施形態の塩化ビニル系プラスチゾル組成物における可塑剤の配合量は、好ましくは、塩化ビニル樹脂100質量部に対して45〜100質量部である。但し、通常は塩化ビニル樹脂100質量部に対して70〜80質量部であり、これよりも大幅に可塑剤の配合量を低減するのは耐油性要求ゾル等の特殊なゾルの場合等に限られる。
可塑剤の配合量が少な過ぎると、ゾルの流動性が低下しライニング作業に適切な粘度が得られず、また硬い密封材となり密封性が十分に確保できなくなる場合がある。一方、可塑剤の配合量が多過ぎると、粘度が過度に低下してゾルの貯蔵安定性やライニング作業性が低下し、また密封材が柔らか過ぎて耐衝撃性、耐熱性、開栓性等に問題が発生する場合がある。
ビス(イソノニル)シクロヘキサン−1,2−ジカルボキシレートは、可塑剤全量に対して好ましくは20質量%以上の割合で配合される。ビス(イソノニル)シクロヘキサン−1,2−ジカルボキシレートの配合量が可塑剤全量に対して少な過ぎると、実瓶試験において白色沈殿物が発生し、潤滑剤としてレシチンを使用できなくなる場合がある。
ビス(イソノニル)シクロヘキサン−1,2−ジカルボキシレート以外に配合可能な可塑剤の具体例としては、アセチルクエン酸トリブチルやアセチルクエン酸トリ−2−エチルヘキシル等のヒドロキシ多価カルボン酸エステル系可塑剤、エポキシ化大豆油やエポキシ化亜麻仁油等のエポキシ系可塑剤、グリセリンジアセトモノラウレート等のグリセリン脂肪酸エステル系可塑剤等が挙げられる。
塩化ビニル系プラスチゾル組成物における潤滑剤の配合量は、塩化ビニル樹脂100質量部に対して好ましくは0.2〜4質量部である。そのうちレシチンの配合量は、塩化ビニル樹脂100質量部に対して好ましくは0.2〜2質量部である。レシチンの配合量が少な過ぎると開栓性を十分に改善することができず、レシチンの配合量が多過ぎるとゾルへの着色が著しくなり商品として好ましくない場合がある。レシチンによる着色を避ける場合には、レシチンの配合量を塩化ビニル樹脂100質量部に対して1質量%以下とするとよい。
レシチンと併用する潤滑剤の具体例としては、オレイン酸アミド、エルカ酸アミド等の高級脂肪酸アミド、シリコーンオイル等が挙げられる。これらは1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
レシチンは、脱フタル酸エステル後の主用可塑剤であるエポキシ化大豆油やエポキシ化亜麻仁油等のエポキシ系可塑剤やアセチルクエン酸トリブチルやアセチルクエン酸トリ−2−エチルヘキシル等のヒドロキシ多価カルボン酸エステル系可塑剤に不溶のため、これらの可塑剤のみ用いた場合には潤滑剤として用いることができない。レシチンをこれらの可塑剤のみと併用した場合、ゾルの状態では分かり難いが焼き付け硬化して密封材にすると斑点状に褐色のレシチンが析出してくる。
また、本発明者らは、レシチンが可溶な少量の可塑剤にレシチンを溶解し、これを潤滑剤として用いることを試みたところ、正常と思われるゾルおよび密封材が得られたが、実際にキャップに塗布、硬化したものについて実瓶貯蔵試験を行ったところ、原因不明の白色沈殿物が発生したため実用化には至らなかった。
具体的には、レシチン0.5〜2gを中鎖脂肪酸トリグリセライド3〜5gに溶解し、これを塩化ビニル樹脂100g、可塑剤75〜77g、顔料・充填材25g、および安定剤、発泡剤等を数g含む標準的ゾル配合に加えてゾルを試作して評価した。試験した可塑剤はエポキシ化大豆油、エポキシ化脂肪酸2−エチルヘキシル、アセチルクエン酸トリブチル等であったが、実瓶試験において発生程度に差はあるものの全てに白色沈殿物が発生した。
本実施形態では、塩化ビニル系プラスチゾル組成物にさらに発泡剤を配合することが好ましい。発泡剤の配合量は、塩化ビニル樹脂100質量部に対して好ましくは0.1〜3.0質量部である。発泡剤が少な過ぎると潤滑剤の密封材表面へのブリードが増大する傾向があり、潤滑剤の内容物への落ち込みが増加する危険性が高くなる。発泡剤が多過ぎると過発泡となる場合がある。
発泡剤としては、アゾジカルボンアミド、4,4−オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)、および炭酸水素ナトリウムから選ばれる少なくとも1種の発泡剤を含有することが好ましい。中でもアゾジカルボンアミドを単独で用いることが最も好ましいが、外国輸出瓶詰め等でアゾジカルボンアミドが使用できない場合は炭酸水素ナトリウムと4,4−オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)とを併用するのが良い。
本発明に用いられる塩化ビニル系プラスチゾルには、上記の塩化ビニル樹脂、可塑剤、潤滑剤、および発泡剤の他、安定剤、顔料、充填材などの添加成分を、本発明の効果を損なわない範囲内において配合することができる。
安定剤の具体例としては、高級脂肪酸金属石鹸を主成分としたもの、例えば高級脂肪酸金属石鹸やこれにエポキシ化大豆油や亜麻仁油を配合したもの等が挙げられる。塩化ビニル系プラスチゾルにおける安定剤の配合量は、塩化ビニル樹脂100質量部に対して好ましくは4質量部以下、より好ましくは1〜4質量部である。
充填材は、コスト低減、流動特性や所定の硬度を確保などのために用いられる添加成分であり、その具体例としては、簸性硫酸バリウム、沈降性硫酸バリウム、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、珪酸カルシウム、クレー、カオリン等が挙げられる。但し、可塑剤にビス(イソノニル)シクロヘキサン−1,2−ジカルボキシレートを用いた塩化ビニル系プラスチゾル組成物は低粘度となり充填材の分離沈降や可塑剤の上澄みを発生し易いので、比重が余り大きくなく吸油量が比較的大きい沈降性硫酸バリウム等を用いるのが粘度調整の点からは好ましい。充填材は、塩化ビニル樹脂100質量部に対して60質量部程度まで配合することが可能であるが、ゾル性状の安定性や発泡の安定性などの観点からは、例えば30質量部程度までの量で配合される。
本発明の塩化ビニル系プラスチゾル組成物は、常法に従って飲食品瓶詰用キャップにおける瓶口との密封面となるキャップの頂部内面側周辺部に塗布し加熱硬化することにより密封材とすることができる。例えば、回転するキャップに加圧した塩化ビニル系プラスチゾル組成物をノズルより吐出させて1〜数回の重ね塗りを行うことで、塩化ビニル系プラスチゾル組成物をキャップに吐工(ライニング)し、次いで、焼き付け乾燥加熱炉などを用いて加熱硬化することで密封材を形成することができる。
以下、実施例により本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。
<実施例1>
塩化ビニルペースト樹脂((株)カネカ製、重合度1300)80質量部、塩化ビニルブレンド樹脂((株)カネカ製、重合度1100)20質量部、ビス(イソノニル)シクロヘキサン−1,2−ジカルボキシレート(BASF社製)80質量部、脂肪酸金属石鹸(日産化学工業(株)製)3質量部、高級脂肪酸アミド(ライオン・アクゾ(株)製)2質量部、シリコーンオイル(信越化学工業(株)製)1質量部、酸化チタン(堺化学工業(株)製)2質量部、硫酸バリウム30質量部、アゾジカルボンアミド(大塚化学(株)製)0.5質量部を配合して石川式ライカイ機で混練し、次いで真空脱泡することにより塩化ビニル系プラスチゾル組成物を調製した。
得られた塩化ビニル系プラスチゾル組成物について、粘度測定(ゾル流動性試験)、硬度・抗張力物性試験、実瓶貯蔵試験による腐食促進試験を行った。
[ゾル流動性試験]
東京計器(株)製B型回転粘度計(ローター No.3)を用いて、40℃、20rpmにて回転粘度を測定した。
回転粘度測定の結果より、ゾルの貯蔵安定性やライニング作業性を考慮し、ゾル流動性を下記基準に従って評価した。
○:回転粘度が600〜2500mPa・s
△:回転粘度が上記の範囲外
[硬度・抗張力物性試験]
210℃×2分で焼き付けたゾルガスケットについて、JIS K 6301に基づくタイプAゴム硬度計を用いて25℃の硬度を測定した。
また、東洋精機(株)製引張試験機を用いてゾルガスケットの伸び率を測定した。
硬度と伸び率の測定結果より、硬度・抗張力物性を下記基準に従って評価した。
○:210℃×2分で焼き付けたゾルガスケットの硬度が、発泡タイプで45±10の範囲、ソリッドタイプで65±10であり、かつ、伸び率が、発泡タイプで250±50%、ソリッドタイプで400±50%
△:硬度または伸び率が上記の範囲外
[腐食促進試験]
食塩、クエン酸、酢酸の各3%溶液からなる腐食促進溶液による実瓶貯蔵試験を行った。具体的には、二重塗装(ベースコート:エポキシ系、トップコート:塩化ビニル系)したTFS製62φスクリュウキャップに試験ゾルを塗布・硬化し、当該キャップを80℃に加温した腐食促進溶液を充填した瓶に巻き締め、100℃で60分処理した後、38℃で2週間貯蔵し、その後腐食状況を確認し下記基準に従って評価した。
○:腐食発生なし
×:腐食発生あり
<実施例2>
実施例1において、可塑剤の配合量を60質量部とし、それ以外は実施例1と同様の条件にて塩化ビニル系プラスチゾル組成物を調製した。
得られた塩化ビニル系プラスチゾル組成物について、粘度測定(ゾル流動性試験)、硬度・抗張力物性試験、実瓶貯蔵試験による腐食促進試験を行った。
<実施例3>
実施例1において、可塑剤の配合量を100質量部とし、発泡剤のアゾジカルボンアミドは配合せず、それ以外は実施例1と同様の条件にて塩化ビニル系プラスチゾル組成物を調製した。
得られた塩化ビニル系プラスチゾル組成物について、粘度測定(ゾル流動性試験)、硬度・抗張力物性試験、実瓶貯蔵試験による腐食促進試験を行った。
<実施例4>
実施例1において、可塑剤としてビス(イソノニル)シクロヘキサン−1,2−ジカルボキシレート(BASF社製)を55質量部、アセチルクエン酸トリブチル(新日本理化(株)製)を20質量部配合し、それ以外は実施例1と同様の条件にて塩化ビニル系プラスチゾル組成物を調製した。
得られた塩化ビニル系プラスチゾル組成物について、粘度測定(ゾル流動性試験)、硬度・抗張力物性試験、実瓶貯蔵試験による腐食促進試験を行った。
<実施例5>
実施例1において、塩化ビニルペースト樹脂の配合量を100質量部とし、塩化ビニルブレンド樹脂を配合せず、可塑剤としてビス(イソノニル)シクロヘキサン−1,2−ジカルボキシレート(BASF社製)を60質量部、エポキシ化大豆油((株)ADEKA製)を20質量部配合し、それ以外は実施例1と同様の条件にて塩化ビニル系プラスチゾル組成物を調製した。
得られた塩化ビニル系プラスチゾル組成物について、粘度測定(ゾル流動性試験)、硬度・抗張力物性試験、実瓶貯蔵試験による腐食促進試験を行った。
<比較例1>
実施例1において、可塑剤として、ビス(イソノニル)シクロヘキサン−1,2−ジカルボキシレートに代えて、フタル酸エステル系可塑剤の代替として汎用されているアセチルクエン酸トリブチル((株)新日本理化製)を80質量部配合し、それ以外は実施例1と同様の条件にて塩化ビニル系プラスチゾル組成物を調製した。
得られた塩化ビニル系プラスチゾル組成物について、粘度測定(ゾル流動性試験)、硬度・抗張力物性試験、実瓶貯蔵試験による腐食促進試験を行った。
<比較例2>
実施例1において、可塑剤として、ビス(イソノニル)シクロヘキサン−1,2−ジカルボキシレートに代えて、フタル酸エステル系可塑剤の代替として汎用されているエポキシ化大豆油((株)ADEKA製)を80質量部配合し、それ以外は実施例1と同様の条件にて塩化ビニル系プラスチゾル組成物を調製した。
得られた塩化ビニル系プラスチゾル組成物について、粘度測定(ゾル流動性試験)、硬度・抗張力物性試験、実瓶貯蔵試験による腐食促進試験を行った。
<参考例1>
実施例1において、可塑剤の配合量を55質量部とし、それ以外は実施例1と同様の条件にて塩化ビニル系プラスチゾル組成物を調製した。
得られた塩化ビニル系プラスチゾル組成物について、粘度測定(ゾル流動性試験)、硬度・抗張力物性試験、実瓶貯蔵試験による腐食促進試験を行った。
<参考例2>
実施例1において、可塑剤の配合量を110質量部とし、発泡剤のアゾジカルボンアミドは配合せず、それ以外は実施例1と同様の条件にて塩化ビニル系プラスチゾル組成物を調製した。
得られた塩化ビニル系プラスチゾル組成物について、粘度測定(ゾル流動性試験)、硬度・抗張力物性試験、実瓶貯蔵試験による腐食促進試験を行った。
実施例、比較例、および参考例におけるゾル流動性試験、硬度・抗張力物性試験、および腐食促進試験の結果を表1に示す。
Figure 0005128508
表1より、可塑剤としてビス(イソノニル)シクロヘキサン−1,2−ジカルボキシレートを配合した実施例1〜5では、ゾル流動性、硬度・抗張力物性が適切な範囲内にあり、そして耐腐食性を有するものであった。
<実施例6>
塩化ビニルペースト樹脂((株)カネカ製、重合度1300)80質量部、塩化ビニルブレンド樹脂((株)カネカ製、重合度1100)20質量部、ビス(イソノニル)シクロヘキサン−1,2−ジカルボキシレート(BASF社製)80質量部、脂肪酸金属石鹸(日産化学工業(株)製)3質量部、レシチン((株)J−オイルミルズ製)0.8質量部、高級脂肪酸アミド(ライオン・アクソ(株)製)1.8質量部、酸化チタン(堺化学工業(株)製)5質量部、硫酸バリウム30質量部、アゾジカルボンアミド(大塚化学(株)製)0.8質量部を配合して石川式ライカイ機で混練し、次いで真空脱泡することにより塩化ビニル系プラスチゾル組成物を調製した。
得られた塩化ビニル系プラスチゾル組成物について、ガスケット外観評価、実瓶貯蔵試験を行った。
[ガスケット外観評価]
直径50mm、深さ3mmのブリキ製皿に試験ゾル5gを塗布し、205℃で3分間焼き付けたガスケットについて、レシチンの分散性や発泡状況を把握した。ガスケット外観を下記基準に従って評価した。
○:ガスケット表面および発泡気泡に異常は認められなかった。
×:ガスケット表面に斑点状かつ茶褐色の析出物(レシチン)が認められるか、あるいは発泡気泡にバラツキや乱れが認められた。
[実瓶貯蔵試験]
TFS製62φスクリュウキャップ(低発泡ゾルは63φラグキャップ)に試験ゾル1.30±0.05gを塗布し、205℃で2分間焼き付けたキャップで評価を行った。90℃の温水を200gジャム瓶に充填して3.5Nmで巻き締めた後放冷したグループと、80℃の温水を充填して3.5Nmで巻き締め、これを沸水で50分間殺菌処理後水冷したグループを、5℃、室温、38℃に1ヶ月間貯蔵後開栓して評価を行った。
(密封性)
○:5℃貯蔵区で30kPa以上、室温貯蔵区で20kPa以上、および38℃貯蔵区で10kPa以上の真空度を有していた。
△:真空度が5℃貯蔵区で30kPa未満、室温貯蔵区で20kPa未満、または38℃貯蔵区で10kPa未満であった。
(開栓性)
開栓性について下記基準に従って評価した。
○:開栓トルク3±1Nm以内(2〜4)
△:開栓トルク3±1Nm以外(2未満、4超)
(潤滑剤の落ち込み)
潤滑剤の内容物への落ち込みについて下記基準に従って評価した。
○:潤滑剤の内容物への落ち込みは、多くとも、肉眼では確認できないが懐中電灯を照射した場合ある程度の潤滑剤の浮きを確認できる程度であった。
△:懐中電灯を照射した場合に少なくとも相当量の潤滑剤の浮きが確認された。
(白色沈殿物)
白色沈殿物の有無について目視確認を行い下記基準に従って評価した。
○:白色沈殿物の発生無し
×:白色沈殿物の発生有り
<実施例7>
実施例6において、可塑剤としてビス(イソノニル)シクロヘキサン−1,2−ジカルボキシレートを30質量部、アセチルクエン酸トリブチル(新日本理化(株)製)を50質量部配合し、それ以外は実施例6と同様の条件にて塩化ビニル系プラスチゾル組成物を調製した。
得られた塩化ビニル系プラスチゾル組成物について、ガスケット外観評価および実瓶貯蔵試験を行った。
<実施例8>
実施例6において、潤滑剤の高級脂肪酸アミドを配合せず、レシチンの配合量を1.5質量部とし、それ以外は実施例6と同様の条件にて塩化ビニル系プラスチゾル組成物を調製した。
得られた塩化ビニル系プラスチゾル組成物について、ガスケット外観評価および実瓶貯蔵試験を行った。
<実施例9>
実施例6において、発泡剤のアゾジカルボンアミドの配合量を0.3質量部とし、シリコーンオイル(信越化学工業(株)製)を1質量部配合し、それ以外は実施例6と同様の条件にて塩化ビニル系プラスチゾル組成物を調製した。
得られた塩化ビニル系プラスチゾル組成物について、ガスケット外観評価および実瓶貯蔵試験を行った。
<実施例10>
実施例6において、塩化ビニルペースト樹脂の配合量を90質量部とし、塩化ビニルブレンド樹脂の配合量を10質量部とし、ビス(イソノニル)シクロヘキサン−1,2−ジカルボキシレートの配合量を70質量部とし、アゾジカルボンアミドの配合量を0.6質量部とし、それ以外は実施例6と同様の条件にて塩化ビニル系プラスチゾル組成物を調製した。
得られた塩化ビニル系プラスチゾル組成物について、ガスケット外観評価および実瓶貯蔵試験を行った。
<比較例3>
実施例6において、可塑剤としてビス(イソノニル)シクロヘキサン−1,2−ジカルボキシレートに代えてアセチルクエン酸トリブチル(新日本理化(株)製)を80質量部配合し、それ以外は実施例6と同様の条件にて塩化ビニル系プラスチゾル組成物を調製した。
得られた塩化ビニル系プラスチゾル組成物について、ガスケット外観評価および実瓶貯蔵試験を行った。
<比較例4>
実施例6において、可塑剤としてビス(イソノニル)シクロヘキサン−1,2−ジカルボキシレートに代えてエポキシ化大豆油((株)ADEKA製)を80質量部配合し、それ以外は実施例6と同様の条件にて塩化ビニル系プラスチゾル組成物を調製した。
得られた塩化ビニル系プラスチゾル組成物について、ガスケット外観評価および実瓶貯蔵試験を行った。
<比較例5>
実施例6において、可塑剤としてビス(イソノニル)シクロヘキサン−1,2−ジカルボキシレートに代えてアセチルクエン酸トリブチル75質量部と中鎖脂肪酸トリグリセライド(理研ビタミン(株))を5質量部配合し、それ以外は実施例6と同様の条件にて塩化ビニル系プラスチゾル組成物を調製した。
得られた塩化ビニル系プラスチゾル組成物について、ガスケット外観評価および実瓶貯蔵試験を行った。
なお、レシチンはアセチルクエン酸トリブチルには直接溶解しないため、先ず中鎖脂肪酸トリグリセライドに溶解した後、他の配合成分と一緒にライカイ機で混練してゾルを調製した(比較例6も同様)。
<比較例6>
実施例6において、可塑剤としてビス(イソノニル)シクロヘキサン−1,2−ジカルボキシレートに代えてエポキシ化大豆油75質量部と中鎖脂肪酸トリグリセライド(理研ビタミン(株))を5質量部配合し、それ以外は実施例6と同様の条件にて塩化ビニル系プラスチゾル組成物を調製した。
得られた塩化ビニル系プラスチゾル組成物について、ガスケット外観評価および実瓶貯蔵試験を行った。
<参考例3>
実施例6において、レシチンに代えてシリコーン2質量部を配合し、それ以外は実施例6と同様の条件にて塩化ビニル系プラスチゾル組成物を調製した。
得られた塩化ビニル系プラスチゾル組成物について、ガスケット外観評価および実瓶貯蔵試験を行った。
<参考例4>
実施例6において、発泡剤のアゾジカルボンアミドを配合しないでソリッドタイプのゾルとし、それ以外は実施例6と同様の条件にて塩化ビニル系プラスチゾル組成物を調製した。
得られた塩化ビニル系プラスチゾル組成物について、ガスケット外観評価および実瓶貯蔵試験を行った。
実施例および比較例におけるガスケット外観評価および実瓶貯蔵試験の結果を表2に示す。
Figure 0005128508
表2より、可塑剤としてビス(イソノニル)シクロヘキサン−1,2−ジカルボキシレートを配合し、かつ、潤滑剤としてレシチンを配合した実施例6〜10では、外観上何ら問題なく、開栓し易く、かつ、潤滑剤の内容物への落ち込みや白色沈殿物も抑制された。

Claims (10)

  1. 飲食品瓶詰用キャップにおける瓶口との密封面に塗布し硬化することにより密封材を形成するための塩化ビニル系プラスチゾル組成物であって、可塑剤としてビス(イソノニル)シクロヘキサン−1,2−ジカルボキシレートを含有することを特徴とする塩化ビニル系プラスチゾル組成物。
  2. 可塑剤の配合量が塩化ビニル樹脂100質量部に対して60〜100質量部であることを特徴とする請求項1に記載の塩化ビニル系プラスチゾル組成物。
  3. ビス(イソノニル)シクロヘキサン−1,2−ジカルボキシレートの配合量が可塑剤全量に対して30質量%以上であることを特徴とする請求項2に記載の塩化ビニル系プラスチゾル組成物。
  4. 潤滑剤としてレシチンを含有することを特徴とする請求項1に記載の塩化ビニル系プラスチゾル組成物。
  5. 可塑剤の配合量が塩化ビニル樹脂100質量部に対して45〜100質量部であることを特徴とする請求項4に記載の塩化ビニル系プラスチゾル組成物。
  6. ビス(イソノニル)シクロヘキサン−1,2−ジカルボキシレートの配合量が可塑剤全量に対して20質量%以上であることを特徴とする請求項5に記載の塩化ビニル系プラスチゾル組成物。
  7. レシチンの配合量が塩化ビニル樹脂100質量部に対して0.2〜2.0質量%であることを特徴とする請求項4から6のいずれかに記載の塩化ビニル系プラスチゾル組成物。
  8. アゾジカルボンアミド、4,4−オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)、および炭酸水素ナトリウムから選ばれる少なくとも1種の発泡剤を含有することを特徴とする請求項4から7のいずれかに記載の塩化ビニル系プラスチゾル組成物。
  9. フタル酸エステル系可塑剤を含有しないことを特徴とする請求項1から8のいずれかに記載の塩化ビニル系プラスチゾル組成物。
  10. 請求項1から9のいずれかに記載の塩化ビニル系プラスチゾル組成物を飲食品瓶詰用キャップにおける瓶口との密封面に塗布し硬化することにより形成された密封材を備えることを特徴とする飲食品瓶詰用キャップ。
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