JP2007045475A - 生分解性を有するキャップ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】生分解性脂肪族ポリエステル樹脂に可塑剤としてグリセリン脂肪酸エステルを特定の割合で配合した組成物を原料としてキャップを成形する。
【選択図】図1
Description
本発明のキャップに用いられる生分解性脂肪族ポリエステル樹脂は、ポリアルキレンアルカノエート、またはその共重合体、またはそれらの混合物であることを特徴とする。本発明のキャップに用いられる生分解性脂肪族ポリエステル樹脂は、ポリブチレンサクシネートまたはその共重合体、またはそれらの混合物であることを特徴とする。本発明のキャップに用いられるポリブチレンサクシネートの共重合体は、ポリブチレンサクシネートアジペートであることを特徴とする。本発明のキャップに用いられる生分解性脂肪族ポリエステル樹脂は、鎖延長剤を用いて高分子量化されていることを特徴とする。本発明のキャップに用いられる生分解性脂肪族ポリエステル樹脂の共重合体は、ポリブチレンアジペートテレフタレートであることを特徴とする。本発明のキャップに用いられる生分解性脂肪族ポリエステル樹脂の混合物は、ポリブチレンサクシネート、ポリブチレンサクシネートアジペート、及びポリブチレンアジペートテレフタレートの中から選ばれた少なくとも2種からなることを特徴とする。本発明のキャップに用いられる生分解性脂肪族ポリエステル樹脂は、生分解性脂肪族ポリエステル100重量部当り、0.1〜5重量部の脂肪酸、または脂肪酸アミド、または脂肪酸と脂肪酸アミドとの混合物を配合することを特徴とする。本発明のキャップに用いられる生分解性脂肪族ポリエステル樹脂は、生分解性脂肪族ポリエステル100重量部当り、1〜10重量部のアンチブロッキング剤を配合することを特徴とする。本発明のキャップの指かけ部は、切取領域から上方に伸びる支柱と、該支柱に接続されたプルリングとからなることを特徴とする。
本発明において、生分解性脂肪族ポリエステル樹脂からなるキャップであって、該キャップは破断可能薄肉部により切取領域が区画されている頂壁と、該切取領域に設けられた指かけ部を有しており、該生分解性脂肪族ポリエステル樹脂には、グリセリン脂肪酸エステルが配合されていることを特徴とし、該グリセリン脂肪酸エステルがアセチル化モノグリセライドであることを特徴とするキャップである。生分解性脂肪族ポリエステル樹脂にグリセリン脂肪酸エステルを添加した場合、生分解性脂肪族ポリエステルに対するグリセリン脂肪酸エステルの配合量を、生分解性脂肪族ポリエステル100重量部当り、2〜40重量部に設定することでキャップに優れた開封性を付与することができる。生分解性脂肪族ポリエステルに対するグリセリン脂肪酸エステルの配合量が上記範囲よりも大きい場合、液体であるグリセリン脂肪酸エステルが使用中にブリードアウトする可能性が高くなる。また生分解性脂肪族ポリエステルに対するグリセリン脂肪酸エステルの配合量が上記範囲よりも小さい場合、グリセリン脂肪酸エステルの可塑剤としての効果が薄まり、開封性の向上に寄与しない。好適には生分解性脂肪族ポリエステルに対するグリセリン脂肪酸エステルの配合量を、生分解性脂肪族ポリエステル100重量部当り、10〜25重量部に設定することで、密封性と開封性、さらには開封時の内容液の飛び散りを改善したキャップを得ることができる。
具体的には、特開平8−27363で提案されているステアリン酸などの脂肪酸や、エルカ酸アミド、メチレンビス・ステアリン酸アミド、エチレンビス・ステアリン酸アミド、エチレンビスパルミチン酸アミド、エチレンビス・オレイン酸アミド等の脂肪酸アミド、または上記脂肪酸と脂肪酸アミドとの混合物を用いることができる。
図1、及び図2に示すように、プルオープンキャップAは破断可能薄肉部1により切取領域2が区画されている頂壁3と、切取領域2から上方に伸びる支柱5と、支柱5に接続されたプルリング4を有している。該キャップAは、図示しない容器の口筒部外周に設けられた環状突条に係合する係合突起8を外筒壁7の内面に有しており、該口筒部に打栓により密封装着される。なお、前記プルリング4に代えて、切取領域を押圧により破断することができるよう、押圧突起を設けるなど、公知の指かけ部を採用することができる。また該切取領域はすべて切り取れるようにしても良いし、一部の未破断部分を残して切り取れるようにしても良い。また、破断可能薄肉部の破断により形成される注出穴は、適宜公知の形状を採用できるが、図3に示すように、開封初期の開封抵抗を低減するために、支柱接続部分の切取領域2aを幅狭にすることもできる。また該キャップの容器への装着は、上記の手段に限定されず、螺条による装着等公知の手段を採用することができる。
引っ張り試験機を用いて、以下の手順によりプルオープン強度を測定した。成形後24時間以上経過した測定サンプルを治具で固定した後、頂壁面に対し90度上方の方向に、300mm/minの速度でプルリングを引っ張り、破断可能薄肉部の破断過程における初期ピーク値(最大値)を記録した。プルオープン強度が60N未満のものを良、60N以上80N未満のものを可、80N以上のものを不可とした。
開封時の内容液の飛び散りを確認した。内容液が入った容器にキャップを装着し、容器を10回上下に振った後、プルリングを引っ張って破断可能薄肉部を裂き切り、切取領域を除去した。この時、液の飛び散りの無いもの、或いはほとんど液の飛び散りの無いものを良、わずかに液が飛び散るものを可、液が飛び散るものを不可とした。
デシケータを用い、減圧下において、破断可能薄肉部のピンホールに起因する液漏れの有無を確認した。
試験手順は以下の通りである。
メチレンブルー溶液を溶解した50%のエタノール水溶液をガラス容器に充填した後、キャップを該容器に装着する。該キャップは、ガラス容器の口筒部外周に設けられた環状突条に係合する係合突起を外筒壁内面に有しており、該キャップは打栓により容器口筒部に液密に装着される。キャップを装着した容器を200hPaの内圧に設定したデシケータ内で、20分間横倒し保管した後、液漏れの有無を確認する。液漏れの生じないキャップを良、液漏れが生じたキャップを不可とした。
ポリブチレンサクシネートアジペート100重量部、アセチル化モノグリセライド25重量部、エルカ酸アミド0.5重量部からなる樹脂を用い、破断可能薄肉部の肉厚が0.25mmのキャップを射出成型した。デシケータ内で漏れ試験を実施したが、破断可能薄肉部からの液漏れは認められなかった。プルオープン強度を測定すると、43Nであり、開封性は良であった。開封時の内容液の飛び散りについてはほとんど液は飛び散らず、良であった。
ポリブチレンサクシネートアジペート100重量部、アセチル化モノグリセライド18重量部、エルカ酸アミド0.5重量部からなる樹脂を用い、破断可能薄肉部の肉厚が0.25mmのキャップを射出成型した。デシケータ内で漏れ試験を実施したが、破断可能薄肉部からの液漏れは認められなかった。プルオープン強度を測定すると、51Nであり、開封性は良であった。開封時の内容液の飛び散りについてはほとんど液は飛び散らず、良であった。
ポリブチレンサクシネートアジペート100重量部、アセチル化モノグリセライド11重量部、エルカ酸アミド0.5重量部からなる樹脂を用い、破断可能薄肉部の肉厚が0.25mmのキャップを射出成型した。デシケータ内で漏れ試験を実施したが、破断可能薄肉部からの液漏れは認められなかった。プルオープン強度を測定すると、67Nであり、開封性は可であった。開封時の内容液の飛び散りについてはほとんど液は飛び散らず、良であった。
ポリブチレンサクシネートアジペート100重量部、アセチル化モノグリセライド5重量部、エルカ酸アミド0.5重量部からなる樹脂を用い、破断可能薄肉部の肉厚が0.25mmのキャップを射出成型した。デシケータ内で漏れ試験を実施したが、破断可能薄肉部からの液漏れは認められなかった。プルオープン強度を測定すると、78Nであり、開封性は可であった。開封時の内容液の飛び散りについては、液の飛び散りはわずかで可であった。
ポリブチレンサクシネートアジペート100重量部、アセチル化モノグリセライド30重量部、エルカ酸アミド0.5重量部からなる樹脂を用い、破断可能薄肉部の肉厚が0.30mmのキャップを射出成型した。デシケータ内で漏れ試験を実施したが、破断可能薄肉部からの液漏れは認められなかった。プルオープン強度を測定すると、78Nであり、開封性は可であった。開封時の内容液の飛び散りについては、液の飛び散りはわずかで可であった。
アセチル化モノグリセライドを配合しない、ポリブチレンサクシネートアジペート100重量部、エルカ酸アミド0.5重量部からなる樹脂を用い、破断可能薄肉部の肉厚が0.25mmのキャップを射出成型した。デシケータ内で漏れ試験を実施したが、破断可能薄肉部からの液漏れは認められなかった。プルオープン強度を測定すると、90Nであり、開封性は不可であった。開封時の内容液の飛び散りについては液の飛び散りがあり、不可であった。
以上の結果を表1に示す。
(比較例2)
ポリブチレンサクシネートアジペート100重量部、アセチル化モノグリセライド50重量部、エルカ酸アミド0.5重量部からなる樹脂を用い、破断可能薄肉部の肉厚が0.25mmのキャップを射出成型したが、ブリードアウトが著しく、使用に不向きな成型品であったため、実験を取りやめた。
1、1a 破断可能薄肉部
2、2a 切取領域
3 頂壁
4 指かけ部(プルリング)
5 支柱
6、6a 支柱接続部
7 外筒壁
8 係合突起
Claims (14)
- 生分解性脂肪族ポリエステル樹脂からなるキャップであって、該キャップは破断可能薄肉部により切取領域が区画されている頂壁と、該切取領域に設けられた指かけ部を有しており、該生分解性脂肪族ポリエステル樹脂には、グリセリン脂肪酸エステルが配合されていることを特徴とするキャップ。
- 前記グリセリン脂肪酸エステルがアセチル化モノグリセライドであることを特徴とする請求項1に記載のキャップ。
- 前記生分解性脂肪族ポリエステル樹脂へのグリセリン脂肪酸エステルの配合量が生分解性脂肪族ポリエステル100重量部当り、2〜40重量部であることを特徴とする、請求項1乃至3の何れかに記載のキャップ。
- 前記生分解性脂肪族ポリエステル樹脂へのグリセリン脂肪酸エステルの配合量が生分解性脂肪族ポリエステル100重量部当り、10〜25重量部であることを特徴とする、請求項1乃至4の何れかに記載のキャップ。
- 前記生分解性脂肪族ポリエステル樹脂がポリアルキレンアルカノエート、またはその共重合体、またはそれらの混合物であることを特徴とする請求項1乃至5の何れかに記載のキャップ。
- 前記生分解性脂肪族ポリエステル樹脂がポリブチレンサクシネート、またはその共重合体、またはそれらの混合物であることを特徴とする請求項1乃至6の何れかに記載のキャップ。
- 前記ポリブチレンサクシネートの共重合体が、ポリブチレンサクシネートアジペートであることを特徴とする請求項1乃至7の何れかに記載のキャップ。
- 前記生分解性脂肪族ポリエステル樹脂、またはその共重合体が、鎖延長剤を用いて高分子量化されていることを特徴とする請求項1乃至8の何れかに記載のキャップ。
- 前記生分解性脂肪族ポリエステル樹脂の共重合体が、ポリブチレンアジペートテレフタレートであることを特徴とする請求項1乃至9の何れかに記載のキャップ。
- 前記生分解性脂肪族ポリエステル樹脂の混合物が、ポリブチレンサクシネート、ポリブチレンサクシネートアジペート、及びポリブチレンアジペートテレフタレートの中から選ばれた少なくとも2種からなることを特徴とする、請求項1乃至10の何れかに記載のキャップ。
- 前記生分解性脂肪族ポリエステル樹脂は、生分解性脂肪族ポリエステル100重量部当り、0.01〜5重量部の脂肪酸、または脂肪酸アミド、または脂肪酸と脂肪酸アミドの混合物が配合されていることを特徴とする、請求項1乃至11の何れかに記載のキャップ。
- 前記生分解性脂肪族ポリエステル樹脂は、生分解性脂肪族ポリエステル100重量部当り、1〜10重量部のアンチブロッキング剤が配合されていることを特徴とする請求項1乃至12の何れかに記載のキャップ。
- 前記生分解性脂肪族ポリエステル樹脂は、生分解性脂肪族ポリエステル100重量部当り0.1〜10重量部の加水分解抑制剤が配合されていることを特徴とする請求項1乃至13の何れかに記載のキャップ。
- 前記指かけ部は、前記切取領域から上方に伸びる支柱と、該支柱に接続されたプルリングとからなることを特徴とする請求項1記載のキャップ。
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