JP4086569B2 - フッ素樹脂系ペースト及びその用途 - Google Patents
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Description
【発明の技術分野】
本発明は,フッ素樹脂系ペースト及びその用途に関し、さらに詳しくは、シール性や潤滑性を向上させるために、パッキン、ガスケットなどのシール部や軸受け等の摺動部に塗布され、フッ素系オイルを実質上含有していないようなフッ素樹脂系ペースト及びその用途に関する。
【0002】
【発明の技術的背景】
従来よりフッ素樹脂粉末を界面活性剤により水に分散させたもの(あるいはフッ素樹脂ディスパージョン)に、フッ素系オイル等を分散させペースト状にしたものが潤滑剤などとして用いられている。
フッ素系オイルは、得られる組成物を潤滑剤などとして、パッキン、ガスケットなどのシール部や軸受け等の摺動部に延ばしながら塗布することができるようにするために従来用いられてきた配合成分であるが、フッ素系オイルを含む組成物を高温下で潤滑剤などとして使用した場合に、含まれるフッ素系オイルの粘度が低下して、シール部から配管、容器等の内部に流出することが懸念される。
【0003】
またフッ素系オイルは高価であり、フッ素系オイルを含む潤滑剤などは高価になってしまうという問題点もある。また、フッ素系オイルは、冬季など低温下では粘度が上昇し、固形化してしまう。そのため、フッ素系オイルを含有した潤滑剤などを調製する際には、配合されるフッ素系オイルを加熱してその粘度を下げるなどの工程も必要となり、潤滑剤などの製造作業の効率化を図る上での問題点もある。
【0004】
【発明の目的】
本発明は、上記のような従来技術に伴う問題点を解決しようとするものであって、実質上フッ素系オイルを含有せず、シール性、潤滑性などに優れ、潤滑剤などとして好適に使用でき、しかも低コストで効率よく製造できるようなフッ素樹脂系ペーストを提供することを目的としている。
【0005】
【発明の概要】
本発明に係るフッ素樹脂系ペーストは、
粉末状フッ素樹脂と界面活性剤と水膨潤性鉱物と水とを含有したペーストであって、
該ペースト中に、
粉末状フッ素樹脂が30〜50重量%の量で、
界面活性剤が10〜25重量%の量で、
水膨潤性鉱物が1〜10重量%の量で、
水が30〜50重量%の量(ペースト中の全成分の合計を100重量%とする。)で含まれていることを特徴としている。
【0006】
本発明の好ましい態様においては、該ペースト中に、
粉末状フッ素樹脂が35〜45重量%の量で、
界面活性剤が15〜20重量%の量で、
水膨潤性鉱物が3〜5重量%の量で、
水が35〜45重量%の量(ペースト中の全成分の合計を100重量%とする。)で含まれていることが望ましい。
【0007】
本発明においては、上記粉末状フッ素樹脂が粉末状PTFEであり、界面活性剤が非イオン性のポリオキシエチレンアルキルエーテルおよび/またはポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルであり、水膨潤性鉱物が水膨潤性マイカ、スメクタイト、バーミキュライト、ベントナイトのうちの何れか1種以上、特に水膨潤性マイカであることが望ましい。
【0008】
このようなフッ素樹脂系ペーストは、潤滑剤、シール補助剤、固着抑制剤等の用途に好適に使用される。
すなわち、本発明に係るシール補助材は、塗布面との非粘着化を図り、塗布面の微細な隙間や凹凸の目詰めをすることによるシール補助に用いられ、上記フッ素樹脂系ペーストからなる。
本発明に係るフッ素樹脂系ペーストの製造方法は、水30〜50重量部に、界面活性剤10〜25重量部を添加して攪拌した後、粉末状フッ素樹脂30〜50重量部を添加して攪拌し、次いで水膨潤性鉱物1〜10重量部(但し全成分の合計を100重量部とする。)を添加して攪拌することを特徴としている。
【0009】
本発明に係るフッ素樹脂系ペーストは、実質上フッ素系オイルを含有せず、フッ素樹脂を含んでなり、シール性、潤滑性などに優れている。またこのようなフッ素樹脂系ペーストは、低コストで効率よく製造し得る。
【0010】
【発明の具体的説明】
以下、本発明に係るフッ素樹脂系ペースト、その用途並びに該ペーストの製造方法について具体的に説明する。
<フッ素樹脂系ペースト>
本発明に係るフッ素樹脂系ペーストは、粉末状フッ素樹脂と界面活性剤と水膨潤性鉱物と水とを含有している。
【0011】
このフッ素樹脂系ペーストには、実質上、フッ素系オイルは含まれていないため、安価に効率よく製造し得る。
[粉末状フッ素樹脂]
上記フッ素樹脂系ペースト中に含まれる粉末状フッ素樹脂は、フッ素樹脂系ペースト中にあって、塗布面との非粘着化、塗布面の微小な隙間や凹凸を目詰めすることによるシール補助などの役割を有し、該粉末状フッ素樹脂としては、ファインパウダー、モールディングパウダーなどの何れでもよく、焼成品、未焼成品の何れでもよい。
【0012】
該粉末状フッ素樹脂としては、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)、PFA(テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテルコポリマー)、FEP(パーフルオロエチレン−プロピレンコポリマー)、ETFE(エチレン−テトラフルオロエチレンコポリマー)、PCTFE(ポリクロロトリフルオロエチレン)、PVDF(ポリフッ化ビニリデン)、ECTFE(三フッ化塩化エチレン−エチレンコポリマー)が挙げられ、これらのうちでは、PTFEを用いると、得られるフッ素樹脂系ペーストが耐熱性、耐薬品性、低摩擦性に優れる点で好ましい。
【0013】
これらフッ素樹脂は1種または2種以上組み合わせて用いることができる。
該粉末状フッ素樹脂の平均粒径(測定法:マイクロトラック粒度分析計による)は、通常、30μm以下、好ましくは10μm以下であり、平均粒径の下限値は、通常0.3μmまたはそれ以上である。このような粒径の粉末状フッ素樹脂は得られるフッ素樹脂系ペースト中への分散性に優れ、しかも本発明では、このような粒径の粉末状フッ素樹脂を含んでいるので、得られるフッ素樹脂系ペーストは、耐熱性、耐薬品性、低摩擦性に優れ、−200℃〜+250℃の広範な温度範囲や、酸・アルカリなどの広範な薬液ラインで優れた潤滑性およびシール性を示す。
【0014】
このような粉末状フッ素樹脂としては、例えば、「KTL−500F」(白色のPTFE微粉末、融点320℃以上、比重2.10〜2.20、(株)喜多村製)等が挙げられる。
[界面活性剤]
界面活性剤は、フッ素樹脂系ペースト中において、フッ素樹脂を均一に分散させる役割を有しているが、該界面活性剤としては、陰イオン界面活性剤、陽イオン界面活性剤、非イオン界面活性剤、両性界面活性剤等が挙げられ、これらのうちでは非イオン界面活性剤が好ましい。
【0015】
この非イオン界面活性剤としては、エーテル型、エーテルエステル型、エステル型、含窒素型等があり、エーテル型の非イオン界面活性剤としては、例えば、
ポリオキシエチレンアルキルおよびアルキルフェニルエーテル、
アルキルアリルホルムアルデヒド縮合ポリオキシエチレンエーテル、
ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックコポリマー、
ポリオキシエチレンポリオキシプロピルアルキルエーテル等が挙げられ、
エーテルエステル型の非イオン界面活性剤としては、例えば、
グリセリンエステルのポリオキシエチレンエーテル、
ソルビタンエステルのポリオキシエチレンエーテル、
ソルビトールエステルのポリオキシエチレンエーテル等が挙げられ、
エステル型非イオン界面活性剤としては、例えば、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、グリセリンエステル、ポリグリセリンエステル、ソルビタンエステル、プロピレングリコールエステル、ショ糖エステルなどが挙げられ、
含窒素型の非イオン界面活性剤としては、例えば、脂肪酸アルカノールアミド、ポリオキシエチレン脂肪酸アミド、ポリオキシエチレンアルキルアミン等が挙げられる。
【0016】
これらの非イオン界面活性剤は、1種または2種以上組み合わせて用いることができる。
これらの非イオン界面活性剤のうちでは、エーテル型のものが好ましく、特に、ポリオキシエチレンアルキルエーテルおよびポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルが分散性の点で望ましい。
【0017】
すなわち、ポリオキシエチレンアルキルエーテル(RO(CH2CH2O)nH、R:C12〜C22、n:2〜30程度)、
ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル(R−Ph−O(CH2CH2O)nH、Ph:フェニレン基、R:C2〜C20、好ましくはC5〜C15程度、n:2〜30程度)が望ましい。
【0018】
このような界面活性剤のHLB価は、エチレンオキシドのモル数(n)の増加等に伴い上昇するが、通常、5.5〜18、好ましくは10〜15程度であることが、分散性の点で望ましい。
また、該界面活性剤の性状は、分子量の増大(エチレンオキシドのモル数(n)の増加等)に伴い、液体〜固体へと変化するが、上記HLB価を有し、かつ液体〜ペースト状のものが望ましい。
【0019】
これら界面活性剤は、何れも上市されており、上記ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルとしては、例えば、「BLAUNON N502〜N−530」(青木油脂工業(株)製、HLB:5.7〜17.1)を好適に使用できる。
[水膨潤性鉱物]
水膨潤性鉱物は、フッ素樹脂系ペースト中にあって、ペーストとして好適な粘度に調整する役割などを有し、該ペーストを前記シール部や摺動部等に塗布して用いた場合に、ペーストが乾燥し粉っぽくなり塗布面からぼろぼろと剥離してしまうのを防止する役割を有している。
【0020】
このような水膨潤性鉱物としては、膨潤性マイカの他、スメクタイト、バーミキュライト、ベントナイト等が挙げられる。これらの水膨潤性鉱物のうちでは、水膨潤性マイカ(合成雲母)がその平滑性、耐熱性を生かして、得られるフッ素樹脂系ペーストの潤滑特性の向上や耐熱性向上を図ることができる点で好ましい。
【0021】
水膨潤性マイカとしては、鱗片状で、平均粒径(D50)が2〜10μmであり、真比重が2〜3のものが好ましい。
この水膨潤性マイカ(合成雲母)としては、鱗片状であり、天然雲母と同様の結晶構造を有し、タルクを主原料とする高純度フッ素系雲母であり、水中で膨潤し、粘性のある微結晶の分散液となる、「ソマシフ(ME100)」{コープケミカル(株)製、平均粒径:5〜7μm、真比重2.6、粘度(B型粘度計を用いて、7%水分散液で測定、6rpm値)が4000〜8000[mPa・s]、(同じく60rpm値)800〜1600[mPa・s]}などを利用できる。
【0022】
これらの水膨潤性鉱物は1種または2種以上組み合わせて用いられる。
[配合組成]
本発明においては、該フッ素樹脂系ペースト中に、
上記粉末状フッ素樹脂は30〜50重量%、好ましくは35〜45重量%の量で、界面活性剤は10〜25重量%、好ましくは15〜20重量%の量で、
水膨潤性鉱物は1〜10重量%、好ましくは3〜5重量%の量で、
水は30〜50重量%、好ましくは35〜45重量%の量(フッ素樹脂系ペースト中の全成分の合計量を100重量%とする。)で含まれていることが望ましい。
【0023】
また、本発明のフッ素樹脂系ペースト中に含まれる粉末状フッ素樹脂100重量部に対して、上記界面活性剤は、通常20〜80重量部、好ましくは35〜60重量部の量で、水膨潤性鉱物は、通常2〜35重量部、好ましくは7〜15重量部の量で、水は、通常60〜170重量部、好ましくは80〜130重量部の量で含まれていることが望ましい。
【0024】
このような量で各成分が含まれていると、得られるフッ素樹脂系ペーストは、フッ素系オイルが含まれていないにも拘わらず、フッ素系オイルまたはフッ素系オイルを含有した潤滑剤などと比べて同程度またはそれ以上のシール性、潤滑性などを有し、しかもこれらの特性がバランス良く優れる傾向がある。
上記粉末状フッ素樹脂含量が上記範囲より少ないと、十分な潤滑性およびシール性を発揮できなくなり、また上記範囲より多いと凝集を生じやすく均一な分散(均一な塗布)ができなくなる傾向があり、
上記界面活性剤の含有量が上記範囲より少ないと、フッ素樹脂の均一な分散ができなくなり、また上記範囲より多いとペースト中に気泡を生じやすくなる傾向があり、
上記水膨潤性鉱物の含有量が上記範囲より少ないと、粘度が低くペースト状にならなくなり、また上記範囲より多いと粘度が高くペースト塗布時にのばすことができなくなる傾向があり、
水の含有量が上記範囲より少ないと、粘度が低くペースト状にならなくなり、また上記範囲より多いと粘度が高くペースト塗布時にのばすことができなくなる傾向がある。
【0025】
また、本発明に係るフッ素樹脂系ペーストの粘度は、特に限定されないが、測定法(:B型粘度計、6rpm値)にて測定した場合に、通常0.5〜10mPa・s、好ましくは1〜5mPa・sであることが該ペーストの取り扱い性の点あるいは、パッキンやガスケット等のシール部や軸受け等の摺動部に塗布した場合に潤滑性、シール性等に優れる点で望ましい。
[任意成分]
本発明に係るフッ素樹脂系ペーストは、上記粉末状フッ素樹脂、界面活性剤、水膨潤性鉱物及び水を必須成分として含有してなるが、これらの必須成分以外に、通常、ペーストの特性を活かして用いられる用途、例えば、潤滑剤としての用途等に応じて、その目的に反しない範囲で各種の有機・無機充填材等の各種成分が含まれていてもよい。
【0026】
<フッ素樹脂系ペーストの調製>
このようなフッ素樹脂系ペーストは、それぞれ上記量の上記各配合成分を一度にあるいは任意の順序で配合し、攪拌することにより製造できる。
本発明の好ましい態様においては、このようなフッ素樹脂系ペーストは、水30〜50重量部、好ましくは35〜45重量部に、上記界面活性剤10〜25重量部、好ましくは15〜20重量部を添加して攪拌した後、上記粉末状フッ素樹脂30〜50重量部、好ましくは35〜45重量部を添加して攪拌し、次いで上記水膨潤性鉱物1〜10重量部、好ましくは3〜5重量部(但し全成分の合計を100重量部とする。)を添加して攪拌することにより上記フッ素樹脂系ペーストを調製することが配合成分の均一分散性の点で望ましい。
【0027】
また、各成分の添加は、攪拌下に行うと効率よく配合成分の均一分散化を図ることができるため望ましい。
なお、このような攪拌・混合操作は、通常、常温(20〜25℃程度)、常圧下に行われるが、必ずしもこれに限定されない。
<用途>
上記フッ素樹脂系ペーストは、その特性を活かして種々の用途に使用でき、例えば、潤滑性、シール性などに優れる点を活かして潤滑剤として使用でき、また、シール補助剤や固着抑制剤等の用途に好適に使用できる。
【0028】
【発明の効果】
本発明に係るフッ素樹脂系ペーストは、実質上フッ素系オイルを含有せず、シール性、潤滑性などに優れ、潤滑剤などとして好適に使用できる。
しかもこのフッ素樹脂系ペーストは、実質用フッ素系オイルが含まれておらず、冬季など低温下でのペース調製時にも固化しているフッ素系オイルの加熱軟化手段が不要であるため、上記フッ素樹脂系ペーストを低コストで効率よく製造できる。
【0029】
【実施例】
以下、本発明に係るフッ素樹脂系ペーストについて、実施例に基づいてさらに具体的に説明するが、本発明は係る実施例により何ら限定されるものではない。
なお、以下の実施例、比較例における摩擦係数の測定法、シール性の評価法は、以下の通り。
<摩擦係数の測定>
得られたペーストをガスケット(日本バルカー工業(株)製、No.7020)に塗布して乾燥させた塗布面の摩擦係数をヘイドン表面性試験機 TYPE :HEIDON−14D (新東科学株式会社製)を用い、ボール圧子(SUSφ6 )法により、測定した。
【0030】
図1に本試験の原理図を示す。
このヘイドン表面性試験機では、図1に示すように垂直荷重用分銅が支持部材を介してSUS 製ボール上に取付られており、このSUS 製ボールをペースト塗布面上に垂直荷重用分銅(200g )の重さで押し付ける。
そして、ペースト塗布面を紙面に向かって右方向に移動させるときに生じる摩擦力を計測する。
【0031】
該試験機でのその他の測定条件を以下に記す。
測定治具;ボール圧子(SUS φ6 )
試料サイズ;100 ×150 ×2tmm
試験荷重;200g (垂直荷重用分銅)
試験速度;0 .0005m /s 、0 .005m /s
雰囲気;23℃±2 、 50%±10RH (空調範囲内結露無きこと)
<シール性の評価>
得られたペーストをガスケット(日本バルカー工業(株)製、No.7020)に塗布して乾燥させた後、フランジ(材質:「SUS304」、表面粗さ:Rmax18〜25μm)に取り付け、所定の締付面圧で締付け、所定の内圧(窒素ガス)を負荷した際のシール性を評価した。
【0032】
なお、シール性の評価は、シール部に石鹸水を塗布して、内圧を負荷した際に、窒素ガスの漏れによる泡の発生が目視で確認できるか否かで判断した。
【0033】
【実施例1】
<フッ素樹脂系ペースト用の配合成分>
(1)水・・・・・・40重量部、
(2)界面活性剤(ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、「BLAUNON N−510」、式[R−Ph−O(CH2CH2O)nH、Ph:フェニレン基、R:C9、n:10]、HLB:13.3、青木油脂工業(株)製)・・・・・・15重量部、
(3)粉末状フッ素樹脂(「KTL−500F」、白色のフッ素樹脂微粒子、平均粒径1μm、融点320℃以上、比重2.10〜2.20、(株)喜多村製)・・・・・・40重量部、
(4)水膨潤性鉱物{水膨潤性マイカ、「ソマシフ ME−100」、平均粒径:1〜5μm、ハンター白色度90%以上、真比重2.6、粘度(B型粘度計を用いて、10%水分散液で測定、6rpm値)が:3.5×104[cP]、(同じく60rpm値)4.5×104[cP]、コープケミカル(株)製}・・・・・・5重量部。
<調製>
上記配合成分を容器内に(1)水、(2)界面活性剤、(3)粉末状フッ素樹脂、および(4)水膨潤性鉱物の順序で攪拌下に添加し、攪拌(混合)することにより、白色のフッ素樹脂系ペーストを得た。
【0034】
得られたフッ素樹脂系ペーストの粘度(測定法:B型粘度計、6rpm値)は、3mPa・sであり、各成分は良好に均一分散していた。
<試験>
得られたフッ素樹脂系ペーストを、ステンレス板(表面処理状態:脱脂、ステンレス板の種類:SUS304)の表面に、厚さ0.5mm程度となるようにへらにて伸ばしながら塗布したところ、均一な厚さにスムーズに塗布することができた。
【0035】
また、塗布後、7日間にわたって常温で室内に放置したところ、フッ素樹脂系ペーストの性状は、固化しているが粉末化しておらず、指でこすっても剥離は生じなかった。
また、得られたペーストの摩擦係数を上記の方法で測定した結果及び、得られたペーストをガスケット(日本バルカー工業(株)製、No.7020)に塗布して乾燥させた後、フランジ(材質:「SUS304」、表面粗さ:Rmax18〜25μm)に取り付け上記の方法でシール性を評価した結果を表1に示す。
【0036】
【比較例1】
上記実施例1において、(4)水膨潤性鉱物を配合しなかった以外は、実施例1と同様にして、白色のフッ素樹脂系ペーストを得た。
得られたフッ素樹脂系ペーストの粘度(測定法:B型粘度計、6rpm値)は、50mPa・sであり、充分な粘度を有するペースト状態とならず、各成分はディスパージョンの状態であった。
【0037】
次いで、上記と同様にステンレス板に塗布したところ、塗布時にある程度以上の厚さになると液面が広がり乾燥時に十分な厚さとならず、また液垂れを生じた。
また、ペースト塗布後、1日間、常温で室内に放置したところ、フッ素樹脂系ペーストの性状は、粉っぽく乾燥しており、指触したところ塗布面からぼろぼろと剥離してしまった。
【0038】
上記と同様に、得られたペーストの摩擦係数を測定した結果及び、ガスケット(日本バルカー工業(株)製、No.7020)に塗布して乾燥させた後、フランジ(材質:「SUS304」、表面粗さ:Rmax18〜25μm)に取り付けシール性を評価した結果を表1に示す。
【0039】
【比較例2】
実施例1において、ペーストを塗布しなかった以外は、実施例1と同様にして試験を行った。
結果を表1に示す。
【0040】
【表1】
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の実施例等において摩擦係数を測定するためのヘイドン表面性試験機の原理説明図である。
Claims (4)
- 粉末状フッ素樹脂と界面活性剤と水膨潤性鉱物と水とを含有したペーストからなるシール補助剤であって、
該ペースト中に、
粉末状フッ素樹脂が30〜50重量%の量で、
界面活性剤が10〜25重量%の量で、
水膨潤性鉱物が1〜10重量%の量で、
水が30〜50重量%の量(ペースト中の全成分の合計を100重量%とする。)で含まれているフッ素樹脂系ペーストからなることを特徴とする、塗布面との非粘着化を図り、塗布面の微細な隙間や凹凸の目詰めをするシール補助剤。 - 粉末状フッ素樹脂と界面活性剤と水膨潤性鉱物と水とを含有したペーストからなるシール補助剤であって、
該ペースト中に、
粉末状フッ素樹脂が35〜45重量%の量で、
界面活性剤が15〜20重量%の量で、
水膨潤性鉱物が3〜5重量%の量で、
水が35〜45重量%の量(ペースト中の全成分の合計を100重量%とする。)で含まれているフッ素樹脂系ペーストからなることを特徴とする、塗布面との非粘着化を図り、塗布面の微細な隙間や凹凸の目詰めをするシール補助剤。 - 上記粉末状フッ素樹脂が粉末状PTFEであり、界面活性剤が非イオン性のポリオキシエチレンアルキルエーテルおよび/またはポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルであり、水膨潤性鉱物が水膨潤性マイカ、スメクタイト、バーミキュライト、ベントナイトのうちの何れか1種以上である請求項1〜2の何れかに記載のシール補助剤。
- 水30〜50重量部に、界面活性剤10〜25重量部を添加して攪拌した後、粉末状フッ素樹脂30〜50重量部を添加して攪拌し、次いで水膨潤性鉱物1〜10重量部(但し全成分の合計を100重量部とする。)を添加して攪拌することを特徴とする、塗布面との非粘着化を図り、塗布面の微細な隙間や凹凸の目詰めをするシール補助剤用のフッ素樹脂系ペーストの製造方法。
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