JP5997004B2 - 未加硫ゴム用防着剤組成物 - Google Patents

未加硫ゴム用防着剤組成物 Download PDF

Info

Publication number
JP5997004B2
JP5997004B2 JP2012239315A JP2012239315A JP5997004B2 JP 5997004 B2 JP5997004 B2 JP 5997004B2 JP 2012239315 A JP2012239315 A JP 2012239315A JP 2012239315 A JP2012239315 A JP 2012239315A JP 5997004 B2 JP5997004 B2 JP 5997004B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
water
unvulcanized rubber
rubber
soluble polymer
adhesion
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2012239315A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2013117017A (ja
Inventor
元 杉本
元 杉本
賢治 武市
賢治 武市
伊藤 誠
伊藤  誠
伊藤 茂樹
茂樹 伊藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Matsumoto Yushi Seiyaku Co Ltd
Original Assignee
Matsumoto Yushi Seiyaku Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Matsumoto Yushi Seiyaku Co Ltd filed Critical Matsumoto Yushi Seiyaku Co Ltd
Priority to JP2012239315A priority Critical patent/JP5997004B2/ja
Publication of JP2013117017A publication Critical patent/JP2013117017A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5997004B2 publication Critical patent/JP5997004B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Description

本発明は、未加硫ゴム用防着剤組成物に関する。より詳しくは、本発明は、水溶性高分子と、無機粉体と、多価アルコールと、界面活性剤とを必須成分とする未加硫ゴム用防着剤組成物に関する。
ゴム製品の生産加工工程において、未加硫ゴムを次の成型や加硫等の工程に移行するまでの間、積み重ねて貯蔵することがあり、この場合にゴムの密着を防止する目的で密着防止剤(防着剤)が使用されている。
従来、この防着剤としては、タルク、マイカ、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ベントナイト等の無機粒子が、防着性に優れるために使用されている。その使用方法としては、粉末のままゴムに吹き付ける方法や、粉末中を通過させる方法等のいわゆるドライ法;前記無機粒子の粉末を水に懸濁させ、その懸濁液をスプレーする方法や、細流にてゴムに吹き付ける方法や懸濁液中に浸漬する方法等のいわゆるウェット法を挙げることができる。ウェット法における水の使用目的は作業性の向上の他にゴムの冷却をも兼ねている。また、押出機を使用したタイヤのチューブ等の中空で薄肉の円筒成形では、防着剤を混入した空気をチューブに吹き込みながら押出成形することで、円筒の内面が密着しないようにしている。
しかしながら、このような防着剤をゴムに塗布する際に発生する粉塵が作業環境を悪化させることが問題になっている。防着剤をゴム表面に付着させた後、次の成型や加硫等の工程に移行するまでの間に粉落ちして粉塵が発生するといった問題がある。防着剤は基本的にはゴム製品にとって異物であり、微量の異物でもゴム製品の物理的性質に大きな影響を与える場合があるので、防着剤の作業環境への粉塵飛散は極力少ないことが望ましい。粉塵発生による作業環境の汚染を抑制する方法として、局所排気装置を設置する手段もあるが、設備投資費用が必要であるし根本的な解決にはならない。
この対策として、様々な防着剤が開発されているが上記問題を解決し、かつ防着剤に要求される各特性を充分に満たす防着剤はこれまでにない。
特許文献1では炭素数および金属イオンを限定した脂肪酸石鹸と特定の界面活性剤を水に分散させた組成物をゴム面に塗布して防着する方法が開示されている。この方法は無機粒子の粉末を使用していない点を特徴としているが、充分な防着性能を発揮させるためには、高濃度で使用することが必要であり、その場合、加硫ゴムの物理的性質を大きく低下させる問題が生じる。また、防着剤組成物を塗布したゴム面の滑り摩擦力が大きく作業現場でゴムが滑り難く作業性の低下が懸念される。
特許文献2では造膜性を有する水溶性高分子と陰イオン活性剤または非イオン活性剤とからなる防着用組成物が開示されている。この防着用組成物も粉体を使用しないことを特徴としており、ゴム面の滑り摩擦力が大きく、作業性の低下が懸念される。また、充分な防着性能を発揮させるためには、高濃度で使用することが必要であり、その場合、水溶性高分子の保水性が著しく高くなり、防着剤組成物を塗布した後の乾燥工程に時間がかかり、生産性を悪化させる。
特許文献3ではゴム表面に粉末状防着剤を散布し、次いで水溶性造膜剤を塗布し、乾燥させることによって、ゴム表面に防着層を形成する方法が開示されている。この方法では、無機粉体が水溶性造膜剤によってゴム表面に強く結合し、粉塵飛散を低減できる。しかし、粉末防着剤と水溶性造膜剤をそれぞれ塗布する2段階の作業が必要であるため、作業性が著しく悪い。また、それぞれを単独で均一にゴム表面へ塗布することは極めて困難である。
特許文献4ではモンモリロナイトを必須成分とする微粉末と特定の界面活性剤とからなる防着用組成物が開示されている。モンモリロナイトを必須成分とする微分末が、水分散性に優れゴム表面に均一に付着することで非常に緻密な層を形成する。そのため、無機粉体を使用しながらも脱落による粉塵飛散の問題が低減できる。しかしながら、モンモリロナイトは層状粘土鉱物であり、水中で層間に水を取り込み膨潤する性質を持つ。そのため、未加硫ゴム表面に形成した被膜の保水性も高く乾燥性に優れない。
このように、特許文献1〜4の防着剤にもそれぞれ問題点がある。
特開昭49−47440号公報 特開昭62−32127号公報 特開昭53−61639号公報 特開2011−144221号公報
本発明はこのような従来の問題点に鑑み、防着処理後の粉塵飛散が少なく、乾燥性に優れ、従来よりも高い防着性を付与できる未加硫ゴム用防着剤組成物と、その未加硫ゴム用防着剤組成物を使用して行われる防着処理された未加硫ゴムの製造方法とを提供することにある。
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、水溶性高分子、無機粉体、特定の多価アルコールおよび界面活性剤を配合し、それぞれの配合割合を特定することによって、上記課題が解決されることを見出し、本発明に到達した。
本発明の未加硫ゴム用防着剤組成物は、水溶性高分子と、無機粉体と、多価アルコールと、界面活性剤とを必須成分とする組成物であって、前記多価アルコールの融点は40℃以上であり、前記水溶性高分子、無機粉体、多価アルコールおよび界面活性剤の合計量に対して、前記水溶性高分子の重量割合が0.5〜20重量%、前記無機粉体の重量割合が40〜90重量%、前記多価アルコールの重量割合が5〜40重量%であり、前記界面活性剤の重量割合が前記無機粉体を100重量部としたときに1〜9.9重量部の範囲にある。
ここで、以下に示す(1)〜(6)から選ばれる少なくとも1つの要件をさらに満足すると好ましい。
(1)前記水溶性高分子の2%水溶液の粘度が5×10〜1×10mPa・sである。
(2)前記水溶性高分子が、セルロースエーテル類および天然ガム類から選ばれる少なくとも1種である。
(3)前記水溶性高分子が、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースおよびキサンタンガムから選ばれる少なくとも1種である。
(4)前記無機粉体が、非晶質シリカ、酸化チタン、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウムおよび炭酸カルシウムから選ばれる少なくとも1種である。
(5)前記多価アルコール成分がペンタエリスリトールである。
(6)水をさらに含有する分散液であって、その配合量を100重量部としたときに、前記水溶性高分子、無機粉体、多価アルコールおよび界面活性剤の合計量が0.5〜10重量部である。
また、本発明の防着処理された未加硫ゴムの製造方法は、上記未加硫ゴム用防着剤組成物を、未加硫ゴムの表面に付着させる処理工程を含む。
本発明の未加硫ゴム用防着剤組成物を用いた場合、防着処理後の粉塵飛散が少なく、乾燥性に優れ、従来よりも高い防着性を未加硫ゴムに付与できる。
また、本発明の防着処理された未加硫ゴムの製造方法では、本発明の未加硫ゴム用防着剤組成物を用いるために、防着処理後の粉塵飛散が少なく、乾燥性に優れ、従来よりも高い防着性を有する未加硫ゴムを効率よく製造できる。
〔未加硫ゴム用防着剤組成物〕
本発明の未加硫ゴム用防着剤組成物は、水溶性高分子と、無機粉体と、多価アルコールと、界面活性剤とを必須成分とする組成物である。
(水溶性高分子)
水溶性高分子は、主に、未加硫ゴム表面で被膜を形成し、無機粉体および多価アルコールを未加硫ゴム表面に結合させる成分である。
水溶性高分子の被膜は、水溶性高分子の分子量が大きい方が強度に優れ、粉塵飛散の抑制や防着性能に優れる傾向にある。しかしながら、水溶性高分子の分子量が大きすぎると、本発明の未加硫ゴム用防着剤組成物を用いてウェット法で防着処理する場合に、保水性が高くなりすぎることによって、乾燥性が著しく低下することがある。そのため、本発明では、水溶性高分子の分子量は適正な範囲内で選択されることが望ましい。
水溶性高分子は、一般に分子量分布を持つため、その水溶液の粘度で管理されることがゴム用防着剤の技術分野では一般的である。水溶性高分子の2%水溶液の粘度については特に限定はないが、増粘効果が高く、被膜強度に優れるという見地からは、好ましくは5×10〜1×10mPa・s、より好ましくは5×10〜5×10mPa・s、さらに好ましくは1×10〜3×10mPa・s、特に好ましくは3×10〜1×10mPa・sである。本発明において、粘度は20℃でブルックフィールド粘度計を用いて測定する。
水溶性高分子の2%水溶液の粘度が1×10mPa・s超であると、未加硫ゴム用防着剤組成物を用いてウェット法で防着処理する場合、保水性が高くなりすぎて乾燥性が低下する場合がある。一方、水溶性高分子の2%水溶液の粘度が5×10mPa・s未満であると、水溶性高分子の被膜強度が優れず、粉塵飛散を引き起こしたり、防着性能が低下したりすることがある。
水溶性高分子としては、特に限定はないが、たとえば、酸化でんぷん、酢酸でんぷん、燐酸でんぷん、カルボキシメチルスターチ、カルボキシエチルスターチ、ヒドロキシエチルスターチ、陽性でんぷん、シアノエチル化でんぷん、ジアルデヒドでんぷん等のでんぷん類;マンナン;アルギン酸、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸プロピレングリコールエステル、アルギン酸トリエタノールアミン、アルギン酸アンモニウム等のアルギン酸類;メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロース、ヒドロキシエチルエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース等のセルロースエーテル類;タラカントガム、アラビアガム、グアーガム、キサンタンガム、ブリティッシュガム、グルコマンナン、ジェランガム、タラガム、ローカストビーンガム、カラギーナン等の天然ガム類;ゼラチン、カゼイン、コラーゲン等の蛋白類;ポリアクリル酸ソーダ;ポリビニルアルコール;ポリエチレングリコール;ポリエチレンオキシド;ゼラチン;カゼイン;コラーゲン;水溶性アクリル樹脂;水溶性ウレタン樹脂;水溶性メラミン樹脂;水溶性エポキシ樹脂;水溶性ブタジエン樹脂;水溶性フェノール樹脂等が挙げられる。これらの水溶性高分子は1種または2種以上を併用してもよい。
本発明では様々な水溶性高分子を選択することができるが、セルロースエーテル類および天然ガム類から選ばれる少なくとも1種が、被膜強度が高く、粉塵飛散の抑制および防着性能に優れるために好ましい。セルロースエーテル類としては、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース等がさらに好ましく、天然ガム類としてはキサンタンガムがさらに好ましい。
本発明の未加硫ゴム用防着剤組成物に含まれる水溶性高分子の重量割合は、水溶性高分子、無機粉体、多価アルコールおよび界面活性剤の合計量(以下、4成分合計量ということがある)に対して、0.5〜20重量%、好ましくは1〜19重量%、さらに好ましくは2〜18重量%、特に好ましくは3〜17重量%である。水溶性高分子が20重量%超であると、未加硫ゴム用防着剤組成物が水を含有する分散液の場合、その粘度が大きくなりすぎて取扱いにくくなり、未加硫ゴム表面に形成した被膜の乾燥性が低下する。一方、水溶性高分子が0.5重量%未満であると、防着性が低下する。
(無機粉体)
無機粉体は、未加硫ゴム表面に付着することによってゴム−ゴム間の密着を抑制するとともに、ゴムに平滑性を付与する成分である。
無機粉体としては、特に限定はないが、たとえば、非晶質シリカ、珪酸マグネシウム、珪酸アルミニウム、硫酸バリウム、酸化チタン、塩基性マグネシウム、ドロマイト、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム、炭酸カルシウム、カオリン、マイカ(マスコバイト、セリサイト)、タルク、クレー、クロライト、ベントナイト、珪藻土等を挙げることができる。これらの無機粉体は、1種または2種以上を併用してもよい。
無機粉体が、非晶質シリカ、酸化チタン、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウムおよび炭酸カルシウムから選ばれる少なくとも1種であると、ゴムとの混和性が良いために好ましく、炭酸カルシウムであるとさらに好ましい。炭酸カルシウムとしては、「石灰乳−炭酸ガス反応法」という化学的な製造方法で得られる軽微性炭酸カルシウムや、風化貝殻、粗晶質石灰石、大理石等を原料として物理的に粉砕分級する重質性炭酸カルシウム等が挙げられる。
これらの好ましい無機粉体は、充填剤や増量剤としてゴムに混合し、破壊強力を高めるための補強や高弾性率や耐摩耗性を付与するために多量に使用され、ゴムと十分な混和性を有する無機粉体である。したがって、これらの好ましい無機粉体が未加硫ゴムの表面に防着処理後に残存したとしても、基本的には未加硫ゴムの物性を変化させるものではない。
本発明の未加硫ゴム用防着剤組成物に含まれる無機粉体の重量割合は、4成分合計量に対して、40〜90重量%、好ましくは50〜87.5重量%、さらに好ましくは55〜85重量%、特に好ましくは60〜82.5重量%である。無機粉体が90重量%超であると、粉塵飛散が多くなり、ゴム製品への異物混入や作業環境の悪化が起こる。一方、無機粉体が40重量%未満であると、防着性および平滑性が低下する。
(多価アルコール)
多価アルコールは、主に、防着処理(特にウェット法の場合)後の乾燥性を向上させる成分である。また、多価アルコールは、ウェット法で防着処理し乾燥後、固体粉末として未加硫ゴム表面に付着するため、防着性も付与することができる。
未加硫ゴムを成形加工し、防着処理を行う作業現場は比較的高温状態にあるので、本発明で用いられる多価アルコールは、そのような高温状態で、固体として未加硫ゴム表面に存在すること、つまり、溶融せずに固体の状態で存在することが必要である。このために、多価アルコールの融点は40℃以上であり、好ましくは60℃以上、さらに好ましくは80℃以上、特に好ましくは100℃以上である。多価アルコールの融点が40℃未満であると、未加硫ゴム表面に固体として存在できないことがあるため、未加硫ゴム表面に対する未加硫ゴム用防着剤組成物の均一な付着を妨げ、防着性の低下を引き起こす可能性がある。多価アルコールの融点の上限については特に限定はなく、多価アルコールの分解温度よりも低い温度であればよい。多価アルコールの融点の上限は、好ましくは500℃以下、さらに好ましくは450℃以下、特に好ましくは400℃以下である。
多価アルコールは水溶性であると、水溶性高分子のゲル化を抑制し、乾燥性がさらに向上するために好ましい。本発明において、物質が水溶性であるとは、15℃の水100gに対してその物質が0.1g以上溶解することとする。
多価アルコールとしては、特に限定はないが、たとえば、水酸基を2以上有し、炭素数が20以下のポリオールが水に溶解しやすいために好ましい。たとえば、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、キシリトール、ソルビトール、マンニトール、マルチトール、マルトトリオース、ショ糖、グルコース、フルクトース、マルトース、ジペンタエリスリトール、ジトリメチロールプロパン、ネオペンチルグリコール等が挙げられる。これらの多価アルコールは、1種または2種以上を併用してもよい。これらのうちでも、多価アルコールがペンタエリスリトールであると、防着性に優れるために好ましい。
本発明の未加硫ゴム用防着剤組成物に含まれる多価アルコールの重量割合は、4成分合計量に対して、5〜40重量%、好ましくは7.5〜37.5重量%、さらに好ましくは10〜35重量%、特に好ましくは12.5〜32.5重量%である。多価アルコールが40重量%超であると、平滑性が低下する。一方、多価アルコールが5重量%未満であると、防着性および乾燥性が低下する。
(界面活性剤)
界面活性剤は、未加硫ゴムに対して「濡れ」を補助する成分である。界面活性剤が本発明の未加硫ゴム用防着剤組成物に含まれていることによって、無機粉体、水溶性高分子および多価アルコール等をより均一に未加硫ゴム表面に被膜化できる。また、本発明のゴム用防着剤組成物が水を含む分散液の場合に、無機粉体の分散性を向上できる。
本発明で用いられる界面活性剤は、特に限定はないが、非イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤、陽イオン界面活性剤、両性界面活性剤等から選ばれるものであればよく、1種または2種以上を含んでいてもよい。
非イオン界面活性剤としては、たとえば、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル等のポリオキシアルキレンアルキルエーテル;ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル等のポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテル;ポリオキシエチレンモノラウレート、ポリオキシエチレンモノオレエート等のポリオキシアルキレン脂肪酸エステル;ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート等のポリオキシアルキレンソルビタン脂肪酸エステル;ポリオキシアルキレンアルキルアミン;脂肪酸アルカノールアミド;ポリオキシアルキレン脂肪酸アミド;ポリオキシアルキレン硬化ひまし油;ポリオキシアルキレンソルビトール脂肪酸エステル;ポリグリセリン脂肪酸エステル;アルキルグリセリンエーテル;ポリオキシアルキレンコレステリルエーテル;アルキルポリグルコシド;ショ糖脂肪酸エステル;オキシエチレンーオキシプロピレンブロックポリマー等が挙げられる。
陰イオン界面活性剤としては、たとえば、オレイン酸ナトリウム、パルミチン酸カリウム、オレイン酸トリエタノールアミン等の脂肪酸塩;ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸アンモニウム、ステアリル硫酸ナトリウム、セチル硫酸ナトリウム等のアルキル硫酸エステル塩;ポリオキシエチレントリデシルエーテル酢酸ナトリウム等のポリオキシアルキレンアルキルエーテル酢酸塩;ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム等のアルキルベンゼンスルホン酸塩;ポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸塩;2−エチルヘキシルスルホコハク酸Na等の長鎖スルホコハク酸塩;オレオイルザルコシンNa、ラウロイルザルコシンNa等のN‐アシルサルコシン塩;ステアロイルメチルタウリンNa、ラウロイルメチルタウリンNa、ミリストイルメチルタウリンNa、パルミトイルメチルタウリンNa等の高級脂肪酸アミドスルホン酸塩;モノステアリルリン酸ナトリウム等のアルキルリン酸塩;ポリオキシエチレンオレイルエーテルリン酸ナトリウム、ポリオキシエチレンステアリルエーテルリン酸ナトリウム等のポリオキシアルキレンアルキルエーテルリン酸エステル塩;N−ラウロイルグルタミン酸ナトリウムモノナトリウム、N−ステアロイル−L−グルタミン酸ジナトリウム等の長鎖N−アシルグルタミン酸塩等が挙げられる。
陽イオン界面活性剤としては、たとえば、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化ラウリルトリメチルアンモニウム、臭化セチルトリメチルアンモニウム等のアルキルトリメチルアンモニウム塩;ジアルキルジメチルアンモニウム塩;トリアルキルメチルアンモニウム塩、アルキルアミン塩が挙げられる。
両性界面活性剤としては、たとえば、2−ウンデシル−N,N−(ヒドロキシエチルカルボキシメチル)−2−イミダゾリンナトリウム、2−ココイル−2−イミダゾリニウムヒドロキサイド−1−カルボキシエチロキシ2ナトリウム塩等のイミダゾリン系両性界面活性剤;2−ヘプタデシル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリウムベタイン、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタイン等のベタイン系両性界面活性剤;N−ラウリルグリシン、N−ラウリルβ−アラニン、N−ステアリルβ−アラニン等のアミノ酸型両性界面活性剤等が挙げられる。
本発明の未加硫ゴム用防着剤組成物に含まれる界面活性剤の重量割合は、無機粉体を100重量部としたときに、通常1〜9.9重量部、好ましくは1.5〜9.5重量部、さらに好ましくは2〜9重量部、特に好ましくは2.5〜8.5重量部の範囲にある。界面活性剤が無機粉体を100重量部としたときに9.9重量部超であると、起泡性が高くなり、防着剤組成物の均一な付着を妨げ、防着性が低下する。一方、界面活性剤が無機粉体を100重量部としたときに1重量部未満であると、ゴム用防着剤組成物が水を含む分散液の場合に、無機粉体の分散性が低下する。
界面活性剤の2%水溶液の粘度は、未加硫ゴム用防着剤組成物のゴム表面への濡れ性が良いという見地からは、好ましくは5×10mPa・s未満、より好ましくは4×10mPa・s未満、さらに好ましくは3×10mPa・s未満、特に好ましくは2×10mPa・s未満である。界面活性剤の2%水溶液の粘度が5×10mPa・s以上であると、未加硫ゴム用防着剤組成物の粘度が高くなり過ぎて、ゴム表面での広がりに時間が掛かり、均一に濡れる前に乾燥する場合がある。界面活性剤の2%水溶液の粘度の下限値は0mPa・s超であればよい。
(水)
本発明の未加硫ゴム用防着剤組成物は、上記で説明した成分を必須成分とする組成物であるが、水をさらに含有してもよい。
未加硫ゴム用防着剤組成物が水を含有する場合は、水溶性高分子、多価アルコールおよび界面活性剤が水に溶解し、無機粉体が水に分散されている状態、すなわち、未加硫ゴム用防着剤組成物が分散液であると好ましく、ウェット法で防着処理することができる。
水は、水道水、イオン交換水、蒸留水等のいずれでもよく、特に限定はないが、イオン交換水や蒸留水等が好ましい。また、水の硬度の観点からは、水が軟水であると、品質管理の観点から好ましい。
また、本発明の未加硫ゴム用防着剤組成物に含まれる水の配合割合についても、特に限定はないが、水の配合量を100重量部としたときに、4成分合計量は、好ましくは0.5〜10重量部、さらに好ましくは0.5〜8重量部、特に好ましくは0.5〜6重量部、最も好ましくは0.5〜4重量部である。4成分合計量が水100重量部としたときに10重量部超であると、未加硫ゴム表面に付着する4成分合計量の量が多くなり、乾燥に要する時間が長くなり実用的でない。一方、4成分合計量が水100重量部としたときに0.5重量部未満であると、未加硫ゴムに対する濡れが不十分で防着性が低下することがある。
(その他の成分等)
本発明のゴム用防着剤組成物は、上記で説明した各成分および水以外に、消泡剤や防腐剤等をさらに含有していてもよい。
消泡剤としては、たとえば、ポリメチルシロキサン、ポリエーテル変性シリコー等のシリコーン系消泡剤;ヒマシ油、ゴマ油、アマニ油、動植物油等の油脂系消泡剤;ステアリン酸、オレイン酸、パルミチン酸等の脂肪酸系消泡剤;ステアリン酸イソアミル、コハク酸ジステアリル、エチレングリコールジステアレート、ステアリン酸ブチル等の脂肪酸エステル系消泡剤;ポリオキシアルキレンモノハイドリックアルコールジ−t−アミルフェノキシエタノール、3−ヘプタノール、2−エチルヘキサノール等のアルコール系消泡剤;ジ−t−アミルフェノキシエタノール3−ヘプチルセロソルブノニルセロソルブ3−ヘプチルカルビトール等のエーテル系消泡剤;トリブチルオスフェート、トリス(ブトキシエチル)フオスフェート等のリン酸エステル系消泡剤;ジアミルアミン等のアミン系消泡剤;ポリアルキレンアミド、アシレートポリアミン等のアミド系消泡剤;ラウリル硫酸エステルナトリウム等の硫酸エステル系消泡剤;ポリオキシアルキレン系消泡剤;鉱物油等が挙げられる。
防腐剤としては、たとえば、チアゾール、2−メルカプトチアゾール等のチアゾール類;メチレンビスチオシアネート、アンモニウムチオシアネート等のチオシアネート類;o−ベンゾイックスルフィミド、フェニルマーキュリック−o−ベンゾイックスルフィミド等のスルフィミド類;メチルジメチルチオカルバメート、エチルジエチルジチオカルバメート等のアルキルジアルキルチオカルバメート類;テトラメチルチラウムスルフィド、テトラエチルチラウムスルフィド等のチラウムスルフィド類;テトラメチルチラウムジスルフィド、テトラエチルチラウムジスルフィド等のチラウムジスルフィド類;フェリックジエチルジチオカルバメート、リードジメチルジチオカルバメート等のジチオカルバメート類;o−トルエンスルホンアミド、ベンゼンスルフォンアニリド等のスルファミド類;1−アミノナフチル−4−スルホン酸、1−アミノ−2−ナフトール−4−スルホン酸等のアミノスルホン酸類;ペンタクロロフェノール、o−フェニルフェノール等のフェノール類およびこれらのアルカリ金属塩類;;テトラクロロ−p−ベンゾキノン、2,3−ジクロロ−1,4−ナフトキノン等の塩化キノン類;ジニトロカプリルフェニルクロトネート、ジニトロ−o−クレゾール等のニトロ基含有化合物類;1,3,5−トリヒドロキシエチルヘキサハイドロ−1,3,5−トリアジン、1,3,5−トリエチルヘキサハイドロ−1,3,5−トリアジン等のトリアジン類;フェニルマーキュリックフタレート、o−ヒドロキシフェニルマーキュリッククロライド等の有機水銀化合物;p−アミノアゾベンゼン、ジフェニルアミン等のアミン類;シンナムアニリド等のアミド類;1,3−ジヨード−2−プロパノール等のヨウ素含有化合物が挙げられる。
(未加硫ゴム用防着剤組成物の製造方法)
本発明の未加硫ゴム用防着剤組成物の製造方法については、水溶性高分子、無機粉体、多価アルコールおよび界面活性剤、さらに水やその他の成分等を混合する工程を含むものであれば、混合順序や使用する混合設備等について特に限定はない。未加硫ゴム用防着剤組成物は、たとえば、リボン型混合機等の粉体混合機に各成分を順次添加し、混合することで製造することができる。
(防着処理された未加硫ゴムの製造方法)
本発明の防着処理された未加硫ゴムの製造方法は、上記未加硫ゴム用防着剤組成物を、未加硫ゴムの表面に付着させる処理工程を含む。ここで、未加硫ゴムは、成形加工されたものであるとよい。
処理工程では、ウェット法、すなわち、未加硫ゴム用防着剤組成物として水が配合された分散液を用いる方法が好ましい。
ウェット法で処理工程を行う場合、未加硫ゴム用防着剤組成物(分散液)をスプレーする方法や、細流にてゴムに吹き付ける方法や分散液中に浸漬する方法等が挙げられる。分散液中に浸漬する方法では、均一に未加硫ゴム用防着剤組成物を付着させることができるため好ましい。本発明の製造方法で用いる未加硫ゴムは、通常、100〜180℃に加熱された状態にあり、分散液中に浸漬する方法で未加硫ゴムを冷却することができる。分散液の温度は特に限定はないが、0〜60℃であると好ましい。
次いで、分散液を付着後に未加硫ゴムを乾燥する工程を実施してもよい。乾燥の方法としては、特に限定はないが熱風機やブローヒーターにより熱風を送ることで強制的に乾燥させる方法であると、コストが安くてよい。
処理工程では、ドライ法、すなわち、水が配合されていない未加硫ゴム用防着剤組成物を用いる方法を行ってもよい。
このようにして製造された、防着処理された未加硫ゴムでは、次の工程に移行するまでの間、積み重ねて貯蔵する場合に、未加硫ゴム同士の密着を防止することができる。
以下に、本発明を実施例および比較例を示して具体的に説明する。本発明はこれら実施例に限定されるものではない。実施例および比較例における各物性の評価は、以下のようにして行った。以下の実施例および比較例において、断りのない限り、「%」とは「重量%」を意味するものとする。
〔乾燥性の評価〕
水を配合して得られる未加硫ゴム用防着剤組成物(分散液)に対して、100℃に加熱したNR/BRゴム試験片(天然ゴム/ブタジエンゴム;厚み0.5cm×縦5cm×横3cm)を浸漬し、直ちに引き上げた。そして、未加硫ゴム表面が乾くまでに要した時間を目視にて測定する。下部に液だまりができるがこれは全ての試験片に出来るので無視し、この状態に至るまでの乾燥時間を測定する。乾燥時間が35秒以下であれば、次の工程に移行するまでの待ち時間が少なく、乾燥性が良い。乾燥時間が35秒超であれば、次の工程に移行するまでの待ち時間が長く、作業性に支障をきたすため乾燥性が良くない。
〔起泡性の評価〕
水を配合して得られる未加硫ゴム用防着剤組成物(分散液)を45℃に加熱し、循環式起泡性試験機にて、10分間循環させる。循環後、形成した泡の高さ(mm)を測定した。分散液の起泡性が大きいほど、未加硫ゴム表面への均一な防着剤組成物の付着が妨げられる。起泡性は泡の高さが15mm以下であれば好ましく、15mmを超えると形成した泡が防着剤組成物の付着を阻害し好ましくない。
〔防着処理ゴムの粉飛散量(粉飛散抑制性)の評価〕
NR/BRゴム試験片(厚み0.5cm×縦10cm×横10cm)を準備し、水を配合して得られる未加硫ゴム用防着剤組成物(分散液)に対して、100℃に加熱されたゴム試験片を2回連続で浸漬し、すぐに引き上げた。試験片が風乾したらその重量(W1)を測定した。さらに試験片の各6面をたわしで15回強くこすった後の試験片の重量(W2)を測定した。防着処理ゴムの粉飛散量は下記の式により計算して粉飛散抑制性を評価する。
粉飛散量(粉飛散抑制性)(mg/100cm)=W1−W2
防着処理ゴムからの粉飛散量が大きいほど、未加硫ゴム表面から粉落ちした粉塵による飛散問題が大きくなる。粉飛散量1mg/100cm以下であれば、粉塵発生の問題を大幅に低下できて、好ましい。粉飛散量が1mg/100cm超であれば、未加硫ゴム表面から粉落ちした粉塵による飛散が発生し好ましくない。
〔剥離抗力の測定(防着性の評価)〕
水を配合して得られる未加硫ゴム用防着剤組成物(分散液)に対して、100℃に加熱したNR/BR試験片(厚み0.5cm×縦5cm×横3cm)を浸漬して直ちに引き上げる。浸漬させたゴム試験片を2枚作製し、風乾したら重ね合わせ、1000kg/mの荷重をかけ40℃の恒温槽に24時間放置する。恒温槽から取出した試験片を室温まで空冷し、引張り試験機を用いて100mm/minの速度下で剥離抗力(N)を測定した。剥離抗力が小さいほど剥がしやすく、防着性が高い。剥離抗力が0.2N以下の場合、大きな負荷なく未加硫ゴム同士を剥がすことができ、防着性は高い。剥離抗力が0.5N超の場合、未加硫ゴム同士を剥がす時の負荷が大きく、防着性が低い。さらに剥離抗力が1N超の場合、ゴム同士が密着して剥離が困難である。
〔平滑性の測定〕
水を配合して得られる未加硫ゴム用防着剤組成物(分散液)に対して、100℃に加熱したNR/BR試験片(厚み0.5cm×縦5cm×横3cm)を浸漬して直ちに引き上げる。風乾したら、そのゴム試験片に金属片を重ね合わせ、垂直荷重200gをかけて水平に引っ張り(引張速度:100mm/min)、その際の引っ張り荷重(N)を測定する。引っ張り荷重が5N以下の場合、ゴムと金属との摩擦が小さく、次の工程に移行する際の作業性に優れる。引っ張り荷重が5N超の場合、摩擦が大きく、ゴム加工の作業性を著しく低下させる。
(実施例1)
ヒドロキシプロピルメチルセルロース10g、炭酸カルシウム65g、ペンタエリスリトール20g、ジ(2−エチルヘキシル)スルホコハク酸ナトリウム5gを均一に混合して、未加硫ゴム用防着剤組成物を得た。
次いで、水道水98gに上記防着剤組成物を2g攪拌しながら加え、水中に均一分散させて、未加硫ゴム用防着剤組成物(分散液)を得た。
得られた分散液に100℃に加熱したNR/BRゴム試験片を浸漬して直ちに引き上げた。未加硫ゴム表面が乾くまでの時間を目視にて測定したところ、乾燥時間は25秒であり乾燥性に優れていた。浸漬させたゴム試験片を2枚作製し、風乾したら重ね合わせ、1000kg/mの荷重をかけ40℃の恒温槽に24時間放置した。剥離抗力は0.1Nであり、負荷無く剥離することができ、防着性に優れていた。粉飛散量は0.5mg/100cmで、脱落による粉塵発生の問題が大幅に低減され、粉飛散抑制性に優れていた。起泡性は5mmであり、ゴムへの付着を妨げなかった。引っ張り荷重は2Nであり、平滑性に優れていた。
(実施例2〜5)
実施例2〜5では、表1に示すように組成を変更した以外は、実施例1と同様にして未加硫ゴム用防着剤組成物(分散液)を得て、評価した。その結果を表1にそれぞれ示す。それらは粉塵発生の問題が大幅に低減され(優れた粉飛散抑制性)、乾燥性に優れ、起泡性も低く、高い防着性、十分な平滑性も示した。
(比較例1)
炭酸カルシウム45g、酸化アルミニウム30g、ペンタエリスリトール20g、ジ(2−エチルヘキシル)スルホコハク酸ナトリウム5gを均一に混合して、未加硫ゴム用防着剤組成物を得た。
次いで、水道水98gに上記防着剤組成物を2g攪拌しながら加え、水中に均一分散させて、未加硫ゴム用防着剤組成物(分散液)を得た。
得られた分散液に100℃に加熱したNR/BRゴム試験片を浸漬して直ちに引き上げた。未加硫ゴム表面が乾くまでの時間を目視にて測定したところ、乾燥時間は22秒であり乾燥性に優れた。浸漬させたゴム試験片を2枚作製し、風乾したら重ね合わせ、1000kg/mの荷重をかけ40℃の恒温槽に24時間放置した。剥離抗力は0.8Nであり、防着性に劣った。粉飛散量は1.5mg/100cmで、脱落による粉塵発生が懸念され、粉飛散抑制性が劣っていた。起泡性は5mmであり、ゴムへの付着を妨げなかった。引っ張り荷重は6Nであり、平滑性に劣った。
実施例と比較して、水溶性高分子の配合が無く、防着性および平滑性に劣り、粉飛散量がやや多く、粉飛散抑制性が劣っていた。
(比較例2〜20)
比較例2〜20では、表2〜4に示すように組成を変更した以外は、比較例1と同様にして未加硫ゴム用防着剤組成物(分散液)を得て、評価した。その結果を表2〜4にそれぞれ示す。
比較例2〜20では、実施例1〜5と比較して、粉塵発生の低減(優れた粉飛散抑制性)、良好な乾燥性、低い起泡性、高い防着性、十分な平滑性等のすべてを満たすことができなかった。
Figure 0005997004
Figure 0005997004
Figure 0005997004
Figure 0005997004
表1〜4に挙げた水溶性高分子の2%水溶液の粘度(η;単位mPa・s)は、それぞれ以下のとおり。
ヒドロキシプロピルメチルセルロース:1×10(2%)
カルボキシメチルセルロース:1×10(2%)
キサンタンガム:1.5×10(2%)
ヒドロキシエチルメチルセルロース:1×10(2%)
アラビアガム:3×10(2%)
燐酸でんぷん:1×10(2%)
また、上記表1〜4に挙げた界面活性剤の2%水溶液の粘度(η;単位mPa・s)も、それぞれ以下のとおり。
ジ(2-エチルヘキシル)スルホコハク酸ナトリウム:2×10未満(2%)
ラウリルトリメチルアンモニウムクロライド:2×10未満(2%)
ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン:2×10未満(2%)
ポリオキシエチレンラウリルエーテル:2×10未満(2%)
また、表1〜4に挙げた多価アルコールの融点(mp;単位℃)も、それぞれ以下のとおり。
ペンタエリスリトール:260.5
トリメチロールエタン:200
ショ糖:186
マンニトール:166
本発明の未加硫ゴム用防着剤組成物は、未加硫ゴム製品の生産加工工程に用いられ、未加硫ゴムを次の成型や加硫等の工程に移行するまでの間、積み重ねて貯蔵する場合にゴムの密着を防止することができる。その際、防着処理後の未加硫ゴム表面に短時間で強固な被膜を形成することで、製造工程の短縮、異物混入の低減が可能となる。また、強固な被膜はゴムの密着を防ぎ、作業性を大きく改善する。

Claims (8)

  1. 水溶性高分子と、無機粉体と、多価アルコールと、界面活性剤とを必須成分とする組成物であって、
    前記多価アルコールの融点は40℃以上であり、
    前記水溶性高分子、無機粉体、多価アルコールおよび界面活性剤の合計量に対して、前記水溶性高分子の重量割合が0.5〜20重量%、前記無機粉体の重量割合が40〜90重量%、前記多価アルコールの重量割合が5〜40重量%であり、
    前記界面活性剤の重量割合が前記無機粉体を100重量部としたときに1〜9.9重量部の範囲にある、
    未加硫ゴム用防着剤組成物。
  2. 前記水溶性高分子の2%水溶液の粘度が5×10〜1×10mPa・sである、請求項1に記載の未加硫ゴム用防着剤組成物。
  3. 前記水溶性高分子が、セルロースエーテル類および天然ガム類から選ばれる少なくとも1種である、請求項1または2に記載の未加硫ゴム用防着剤組成物。
  4. 前記水溶性高分子が、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースおよびキサンタンガムから選ばれる少なくとも1種である、請求項1〜3のいずれかに記載の未加硫ゴム用防着剤組成物。
  5. 前記無機粉体が、非晶質シリカ、酸化チタン、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウムおよび炭酸カルシウムから選ばれる少なくとも1種である、請求項1〜4のいずれかに記載の未加硫ゴム用防着剤組成物。
  6. 前記多価アルコール成分がペンタエリスリトールである、請求項1〜5のいずれかに記載の未加硫ゴム用防着剤組成物。
  7. 水をさらに含有する分散液であって、その配合量を100重量部としたときに、前記水溶性高分子、無機粉体、多価アルコールおよび界面活性剤の合計量が0.5〜10重量部である、請求項1〜6のいずれかに記載の未加硫ゴム用防着剤組成物。
  8. 請求項1〜7のいずれかに記載の未加硫ゴム用防着剤組成物を、未加硫ゴムの表面に付着させる処理工程を含む、防着処理された未加硫ゴムの製造方法。
JP2012239315A 2011-10-31 2012-10-30 未加硫ゴム用防着剤組成物 Active JP5997004B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012239315A JP5997004B2 (ja) 2011-10-31 2012-10-30 未加硫ゴム用防着剤組成物

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2011238737 2011-10-31
JP2011238737 2011-10-31
JP2012239315A JP5997004B2 (ja) 2011-10-31 2012-10-30 未加硫ゴム用防着剤組成物

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2013117017A JP2013117017A (ja) 2013-06-13
JP5997004B2 true JP5997004B2 (ja) 2016-09-21

Family

ID=48711785

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012239315A Active JP5997004B2 (ja) 2011-10-31 2012-10-30 未加硫ゴム用防着剤組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5997004B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6408326B2 (ja) * 2014-09-30 2018-10-17 松本油脂製薬株式会社 未加硫ゴム用防着剤及びその利用

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5331185B2 (ja) * 1973-10-01 1978-08-31
JP5554506B2 (ja) * 2009-04-16 2014-07-23 松本油脂製薬株式会社 未加硫ゴム用防着剤パック
JP5579454B2 (ja) * 2010-01-12 2014-08-27 松本油脂製薬株式会社 未加硫ゴム用防着剤

Also Published As

Publication number Publication date
JP2013117017A (ja) 2013-06-13

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5997012B2 (ja) 未加硫ゴム用防着剤組成物
JP5554506B2 (ja) 未加硫ゴム用防着剤パック
JP2009161667A (ja) 未加硫ゴム用防着剤組成物および防着処理された未加硫ゴムの製造方法
JP2009249533A (ja) 未加硫ゴム用防着剤組成物
KR20130040718A (ko) 계면활성제 조성물, 이를 배합한 코팅 용액 및 상기 용액으로 처리된 고무 제품
JP5997004B2 (ja) 未加硫ゴム用防着剤組成物
WO2017164171A1 (ja) 未加硫ゴム用防着剤および未加硫ゴム用防着剤水分散液
JP6704710B2 (ja) 未加硫ゴム用防着剤及びその利用
JP6851809B2 (ja) 未加硫ゴム用防着剤組成物及びその利用
JP5675891B2 (ja) 未加硫ゴム用防着剤組成物
JP6482787B2 (ja) タイヤ内面用離型剤
JP6408326B2 (ja) 未加硫ゴム用防着剤及びその利用
JP7163124B2 (ja) 未加硫ゴム用防着剤及びその利用
JP5578998B2 (ja) タイヤ用表面処理剤組成物
JP6999379B2 (ja) 未加硫ゴム用防着剤組成物及びその利用
EP4155343A1 (en) Latex composition
WO2018207939A1 (ja) 未加硫ゴム用防着剤および未加硫ゴム用防着剤水分散液
JP2021138922A (ja) 未加硫ゴム用防着剤組成物及びその利用
JP2017031296A (ja) 未加硫ゴム用防着剤及びその利用
JP2022096673A (ja) ゴム製品の成型加硫用離型剤組成物及びその利用
JP2022060625A (ja) 未加硫ゴム用防着剤組成物及びその利用
JP2021138923A (ja) 未加硫ゴム用防着剤組成物及びその利用
JP2024023135A (ja) タイヤ内面用離型剤組成物及びその利用
JP2023144369A (ja) 未加硫ゴム用防着剤組成物及びその利用
JP2024035066A (ja) 未加硫ゴム用液状防着剤組成物、未加硫ゴム用液状防着剤組成物水希釈液、および未加硫ゴム

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20151008

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20160808

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20160816

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20160825

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5997004

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250