JP2006096982A - 放熱材用樹脂組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】 熱伝導性充填剤を大量に配合しても、放熱材用原料組成物の粘度を実用的なレベルで維持でき、しかも、熱伝導性、柔軟性、成形性、強度等の特性に優れた放熱材を得ることのできる放熱材用樹脂組成物を提供する。
【解決手段】 熱伝導性充填剤を配合した後、ラジカル重合硬化させることにより放熱材となり得る樹脂組成物であって、水酸基価が5mgKOH/g以上である(メタ)アクリル系ポリマーと、ラジカル重合性モノマーとを、必須成分として含むことを特徴とする放熱材用樹脂組成物である。

Description

本発明は、熱伝導性、柔軟性、成形性に優れた放熱材を得るための樹脂組成物と原料組成物、およびこの原料組成物から得られる放熱材に関するものである。
柔軟性を有する樹脂に、アルミナ、シリカ等の熱伝導性を高める熱伝導性充填剤を配合してなるものをシート状に成形したものは、電気・電子部品等の発熱体と、ヒートシンク、放熱フィン、金属放熱板等の放熱体の間に介在させて、電気・電子部品等の発熱を放熱させる用途、すなわち放熱材として用いられている。一般的に発熱体や放熱体の表面は平滑でないことが多く、これらとの接触面積を多くして発熱体から放熱体への熱伝導効率を高めるために、放熱材用途に用いられる樹脂には柔軟性が求められている。従来より柔軟性を有する樹脂としてシリコーンゴムやシリコーンゲルが用いられてきたが、これらの樹脂は価格が高価であること、硬化に時間がかかり生産性に劣ること、また、低分子量のシロキサン発生により電子部品の接点不良が起こること、といった問題があった。
このため、最近では、熱または光で速やかにラジカル硬化させる(メタ)アクリル系ポリマー主体の熱伝導性の感圧接着剤(例えば、特許文献1)や、架橋反応を利用して硬化させたアクリル系ポリウレタン樹脂を用いた熱伝導性シート(例えば、特許文献2)が用いられるようになってきた。
ところで、放熱材の放熱性を高めるには、放熱材に含まれる熱伝導性充填剤の量を多くする手法が最も簡便である。しかし、放熱材の原料であるポリマーは、元々高粘度物質であり、熱伝導性充填剤を大量に混合すると、原料組成物の粘度がかなり増大する。原料組成物が高粘度になると、熱伝導性充填剤を均一に分散させるために長時間を要し生産性が劣る、原料を製造している際に混入する空気の脱泡が困難になって煩雑な脱泡工程を要する、シートへの成形(塗工)作業がスムーズに進行しない上にシートの表面平滑性が低下する、残存気泡に起因して放熱材の熱伝導性能が低下する、といった多くの不都合が起こる。このため、従来は、放熱材の放熱性と工業的生産性のバランスを考慮して、熱伝導性充填剤量を決定するのが現状であった。
特開平6−88061号公報 特開2003−133490号公報
そこで本発明では、熱伝導性充填剤を大量に配合しても、放熱材用原料組成物の粘度を実用的なレベルで維持でき、しかも、熱伝導性、柔軟性、成形性、強度等の特性に優れた放熱材を得ることのできる放熱材用樹脂組成物の提供を課題として掲げた。
本発明は、熱伝導性充填剤を配合した後、ラジカル重合硬化させることにより放熱材となり得る樹脂組成物であって、水酸基価が5mgKOH/g以上である(メタ)アクリル系ポリマーと、ラジカル重合性モノマーとを、必須成分として含むところに要旨を有する。上記ラジカル重合性モノマーの少なくとも一部は、アルキル基の炭素数が2〜18である(メタ)アクリル酸アルキルエステルであることが好ましい。上記(メタ)アクリル系ポリマーが、水酸基含有ラジカル重合性モノマーと、アルキル基の炭素数が2〜18である(メタ)アクリル酸アルキルエステルを含むモノマー混合物を重合して得られたものであり、その重量平均分子量が1万〜100万であることも、本発明の好ましい実施態様である。本発明の放熱材用樹脂組成物には、さらに、130℃で24時間保持した場合の質量減量率が2%以下である可塑剤が含まれていてもよい。また、酸化防止剤が含まれていてもよく、この酸化防止剤は得られる放熱材の硬度増加の抑制に有効である。
なお、本発明には、上記放熱材用樹脂組成物と熱伝導性充填剤とラジカル重合開始剤を含む放熱材用原料組成物、並びにこの放熱材用原料組成物をラジカル重合硬化させて得られる放熱材も含まれる。
本発明の放熱材用樹脂組成物は、特定の水酸基価の(メタ)アクリル系ポリマーを含んでいるので、熱伝導性充填剤を高配合しても、放熱材用原料組成物の粘度を低いレベルに保つことができた。このため、放熱材(放熱シート等)を工業的に生産する際の生産性に影響を及ぼすことなく、放熱材用原料組成物中の熱伝導性充填剤の量を高めることができ、高い熱伝導性を有する放熱材を提供できることとなった。さらに、上記ポリマーに水酸基を導入することで、熱伝導性のみならず、放熱材の硬度、強度等の特性も向上した。従って、本発明の放熱材は、電気・電子部品等の発熱体から発散される熱を速やかに放熱させるための放熱材として、あるいは他の用途にも使用可能な放熱材として有用である。
本発明の放熱材用樹脂組成物(以下、単に樹脂組成物という)は、熱伝導性充填剤を配合した後に、ラジカル重合硬化させることにより放熱材となる樹脂組成物である。なお、本発明では、熱伝導性充填剤を配合した後の未硬化の樹脂混合物を、便宜上、「放熱材用原料組成物」といい、熱伝導性充填剤を配合する前の「放熱材用樹脂組成物」と区別することとする。
本発明の樹脂組成物は、水酸基価が5mg/KOH以上である(メタ)アクリル系ポリマーとラジカル重合性モノマー(以下、本発明の樹脂組成物中にモノマーとして含まれるものを「ラジカル重合性モノマーA」とする)とを必須成分として含むところに要旨を有する。なお、本発明における「ポリマー」は、ホモポリマーのみならず、二元、あるいは三元以上の多元共重合体をも含む意味である。以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の樹脂組成物の最も特徴的な成分は、水酸基価が5mgKOH/g以上である(メタ)アクリル系ポリマーである。本発明者等が、放熱材用原料組成物に熱伝導性充填剤を高配合したときの粘度上昇を抑えるため、(メタ)アクリル系ポリマーの組成について様々な検討を行ったところ、(メタ)アクリル系ポリマーに水酸基を5mgKOH/g以上導入すると、熱伝導性充填剤を多量に配合しても、放熱材用原料組成物の粘度上昇が抑えられることを見出した。その上、(メタ)アクリル系ポリマー中の水酸基量の増加に伴って、驚くべきことに、放熱材の熱伝導率や強度が向上することも見出された。この現象は、水酸基を有しない(メタ)アクリル系ポリマーと、水酸基含有ラジカル重合性モノマーとを組み合わせた場合には認められなかったため、(メタ)アクリル系ポリマー中の水酸基の存在が、熱伝導性充填剤を高配合したときの粘度低下効果と、熱伝導率や強度等の向上効果に寄与していると考えられる。なお、本発明の(メタ)アクリル系ポリマーの水酸基は、上述の効果発現のために導入されており、架橋剤との架橋反応が目的で導入されているのではない。すなわち、前記特許文献2に記載の技術では、オリゴマー中の官能基と架橋剤との架橋反応によって樹脂を硬化させて放熱材を得ているが、本発明では、ラジカル重合性モノマーAがラジカル重合硬化することによって、放熱材用原料組成物が硬化して放熱材となるので、硬化反応の主体はラジカル重合反応である。よって、本発明の樹脂組成物には、水酸基との反応性を有する架橋剤は必要ない。また、硬化後の放熱材に含まれている(メタ)アクリル系ポリマーは、依然として5mgKOH/g以上の水酸基価を有するものである。ただし、導入した水酸基の一部が架橋剤との架橋反応で消費されても、架橋反応後に上記範囲の水酸基価を有するポリマーを含む放熱材が得られる場合には、この放熱材は本発明に包含される。なお、このような放熱材を得ることのできる少量の架橋剤のみを含む放熱材用樹脂組成物も本発明から排除されない。
上記(メタ)アクリル系ポリマーの水酸基価は5mgKOH/g以上でなければならない。5mgKOH/g未満では、熱伝導性充填剤を配合するときの放熱材用原料組成物の粘度低下効果が認められず、熱伝導性充填剤を高配合することが難しくなると共に、硬化後の放熱材の強度・熱伝導率向上効果も発現しない。より好ましい水酸基価の下限は8mgKOH/g、さらに好ましくは18mgKOH/g、最も好ましくは30mgKOH/gである。(メタ)アクリル系ポリマーの水酸基価は大きくなるほど、原料粘度低下効果は増大し、また、硬化後の放熱材の強度や熱伝導率も向上する。しかし、(メタ)アクリル系ポリマーの水酸基価が90mgKOH/gを超えると、ポリマー同士の水素結合力が働くためと考えられるが、重合時のポリマー粘度が非常に高くなって安定な重合が難しくなる上に、疎水性の高いラジカル重合性モノマーを混合したときに相分離が起こりやすくなる。よって、(メタ)アクリル系ポリマーの水酸基価の上限は90mgKOH/gが好ましい。より好ましい水酸基価の上限は85mgKOH/g、さらに好ましくは80mgKOH/gである。なお、ポリマーの水酸基価とは、水酸基を有するポリマー1gをアセチル化させたときの水酸基と結合した酢酸を中和するにに必要な水酸化カリウムのmg数と定義される(JIS K0070)。本発明においては、JIS K0070に記載された中和滴定法に準拠した方法により測定した水酸基価を採用した。
(メタ)アクリル系ポリマー中に水酸基を導入するには、上記水酸基価の範囲になるように、他のラジカル重合性モノマーと共に水酸基含有ラジカル重合性モノマーを重合すればよい。このような水酸基含有ラジカル重合性モノマーとしては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、グリセリン(メタ)アクリレート、ヒドロキシスチレン等が挙げられ、単独でまたは2種以上用いることができる。
(メタ)アクリル系ポリマーを合成するために上記の水酸基含有ラジカル重合性モノマーと併用される他のラジカル重合性モノマーとしては、(メタ)アクリル酸アルキルエステル類が好適である。得られる放熱材の柔軟性が高くなり、発熱体や放熱体への追従性が向上することから、アルキル基部分の炭素数(低級アルキル基が置換している場合には、合計の炭素数)が2〜18程度(より好ましくは3〜15程度)の(メタ)アクリル酸アルキルエステル類が特に好ましい。具体的には、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、アミル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、ミリスチル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート等が使用可能である。前記(メタ)アクリル酸アルキルエステル類は、アルキル基が直鎖状(ノルマル)であるものに限られず、分岐鎖状のものであってもよく、例えばイソ型のものや、低級アルキル基(例えば、炭素数1〜3程度のアルキル基)が置換したもの[例えば、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート等]であってもよい。これらのアルキル基の炭素数が2〜18である(メタ)アクリル酸アルキルエステルは、単独で用いる他、2種以上併用してもよい。
(メタ)アクリル系ポリマーを合成する際に、上記(メタ)アクリル酸アルキルエステル以外の公知のラジカル重合性モノマー(スチレン、酢酸ビニル等)を併用しても構わない。ただし、(メタ)アクリル系ポリマーの原料モノマーのうち、水酸基含有ラジカル重合性モノマー以外の「他のラジカル重合性モノマー」の合計量を100質量%としたとき、アルキル基の炭素数が2〜18の(メタ)アクリル酸アルキルエステルを50質量%以上用いることが好ましく、70質量%以上であることがより好ましく、80質量%以上であることが最も好ましい。硬化後の放熱材の柔軟性を高めることができ、伝熱面積や被着体に対する追従性を高めることができる。また可塑剤の使用量を抑制できるので、可塑剤のブリードアウトを抑制する効果も発現する。
(メタ)アクリル系ポリマーのガラス転移点は0℃以下が好ましく、より好ましくは−30℃以下、さらに好ましくは−40℃以下である。0℃を超えると、得られた放熱材の柔軟性が充分でない場合がある。なお、(メタ)アクリル系ポリマーのガラス転移点は、示差走査熱量計を用いて、常法により測定することができる。
(メタ)アクリル系ポリマーの重量平均分子量(Mw)は、1万〜100万の範囲内が好ましく、3万〜80万の範囲内がより好ましく、5万〜50万の範囲内であることが最も好ましい。Mwが1万未満であると、得られた放熱材の耐溶剤性や耐熱性等の性能が低下するため好ましくない。一方、Mwが100万を超えると(メタ)アクリル系ポリマー自体の粘度が高くなり過ぎて、熱伝導性充填剤を高配合するという目的が達成できなくなることがある。なお、上記Mwは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により、標準物質としてポリスチレン、溶離液としてテトラヒドロフランを用いた測定結果を採用する。
本発明の放熱材用樹脂組成物には、ラジカル重合性モノマーAも必須成分として含まれる。このラジカル重合性モノマーAは、樹脂組成物および原料組成物の粘度を下げて成形性を高めると共に、硬化前に添加されるラジカル重合開始剤の作用でその後の加熱(または光照射)によって重合し、放熱材用原料組成物を硬化させる役割を担う。
このラジカル重合性モノマーAとしては、ラジカル重合性二重結合を1個以上有するモノマーであれば特に限定されないが、中でも上記(メタ)アクリル系ポリマーの製造に用いられるものとして例示した「アルキル基の炭素数が2〜18である(メタ)アクリル酸アルキルエステル類」が好ましい。放熱材の柔軟性を阻害しないからである。これらは、2種以上を併用してもよい。これらのアルキル基の炭素数が2〜18である(メタ)アクリル酸アルキルエステルの使用量は、ラジカル重合性モノマーA100質量%中、80質量%以上とすることが好ましい。
なお、このラジカル重合性モノマーAとして2−エチルヘキシルアクリレートのような疎水性の高いモノマーを用い、水酸化アルミニウムを難燃化剤として配合したとき、理由は定かではないが、実用上問題なほど放熱材用原料組成物の粘度が上昇してしまう現象が見出されていた。しかし、本発明の適用で、すなわち、(メタ)アクリル系ポリマーとして水酸基を特定量有するものを用いることで、さらに熱伝導性充填剤を大量に配合しても実用上問題のないレベルまで粘度を低減することができた。
必要に応じて、ラジカル重合性モノマーAの一部に、1分子中にラジカル重合性二重結合を2個以上有する単量体(以下、多官能性モノマーという)を用いることもできる。多官能性モノマーの使用によって、さらに耐熱性や耐薬品性、クリープ特性に優れた放熱材が得られるので、放熱材の要求性能に応じて使用の有無を決定すればよい。多官能性モノマーの使用量は、(メタ)アクリル系ポリマーとラジカル重合性モノマーAの合計量を100質量部としたときに、4質量部以下が好ましく、3質量部以下がより好ましく、2質量部以下がさらに好ましい。多官能性モノマーが4質量部を超える場合は、得られる放熱材の柔軟性が低下することがある。
多官能性モノマーの具体例としては、多官能性(メタ)アクリル系モノマー、ジビニルベンゼン、ジアリルフタレート、トリアリルシアヌレート等が挙げられる。前記多官能性(メタ)アクリル系モノマーには、(ポリ)エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート等のジ(メタ)アクリレート類(好ましくは、C2-8アルカンジオールジ(メタ)アクリレート);トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート等のトリ(メタ)アクリレート類;ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート等のテトラ(メタ)アクリレート類;ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等の前記ジ、トリおよび/またはテトラ(メタ)アクリレート類の縮合物等が含まれる。前記多官能性モノマーは、単独でまたは2種以上組み合わせて使用できる。
ラジカル重合性モノマーAは、(メタ)アクリル系ポリマーとラジカル重合性モノマーAとの合計を100質量%としたとき、(メタ)アクリル系ポリマーが10〜80質量%、ラジカル重合性モノマーAが20〜90質量%となるように調整することが好ましい。(メタ)アクリル系ポリマーが10質量%未満、すなわちラジカル重合性モノマーAが90質量%を超えると、熱伝導性充填剤との混練後、例えばシート状へのプリフォーム時や、成形時に、樹脂と充填剤との分離が発生するため好ましくなく、(メタ)アクリル系ポリマーが80質量%を超える、すなわちラジカル重合性モノマーAが20質量%未満になると、樹脂組成物自体の粘度が高くなり過ぎて、放熱材用原料組成物を調製する際に、熱伝導性充填剤を高配合できなくなるため好ましくない。また、熱伝導性充填剤を均一に分散させるために長時間を要し生産性が劣る、原料を製造している際に混入する空気の脱泡が困難になって煩雑な脱泡工程を要する、シートへの成形(塗工)作業がスムーズに進行しない上にシートの表面平滑性が低下する、残存気泡に起因して放熱材の熱伝導性能が低下する、といった多くの不都合が起こる。より好ましい比率は、(メタ)アクリル系ポリマーが10〜60質量%、ラジカル重合性モノマーAが40〜90質量%、最も好ましい比率は、(メタ)アクリル系ポリマーが15〜50質量%、ラジカル重合性モノマーAが50〜85質量%である。
本発明の樹脂組成物には、放熱材の柔軟性を確保するために、可塑剤が含まれていてもよい。得られる放熱材の柔軟性を長期にわたり安定して発現させるためには、耐熱性の高い可塑剤を使用することが好ましい。具体的には、可塑剤を温度130℃で24時間保持した後の質量減量率(%)[=100×(保持前の質量−保持後の質量)/保持前の質量]が2%以下である可塑剤を使用することが好ましい。この質量減量率は1%以下がより好ましく、0.3%以下がさらに好ましい。なお、この質量減量率は、直径5cmの金属製の時計皿に可塑剤を約3g精確に秤量して入れ、130℃の熱風乾燥機を用い保持した前後の測定値を採用する。
このような耐熱性に優れた可塑剤は、芳香族環(特にベンゼン環)を有する液状可塑剤から選択されることが多く、例えば、フタル酸エステル類としては、フタル酸ジデシル、フタル酸ジウンデシル、フタル酸ジドデシル等のフタル酸ジC8-15アルキルエステル類(好ましくはフタル酸ジC9-13アルキルエステル類)等が該当することが多い。またトリメリット酸エステル類としては、トリメリット酸トリオクチル、トリメリット酸トリノニル、トリメリット酸トリデシル等のトリメリット酸トリC7-14アルキルエステル類(好ましくはトリメリット酸トリC8-12アルキルエステル類)等が該当することが多く、ピロメリット酸エステル類としては、ピロメリット酸テトラオクチル等のピロメリット酸テトラC6-13アルキルエステル類(好ましくはピロメリット酸テトラC7-10アルキルエステル類)等が該当することが多く、リン酸エステル類としては、クレジルジフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、トリキシレニルホスフェート等のようなベンゼン環にC1-3アルキル基が置換していてもよいトリフェニルホスフェート類が該当することが多い。
可塑剤は市販されているものを使用してもよく、例えば、フタル酸ジノルマルデシル[花王(株)製のビニサイザー105等]、フタル酸ジC10-12アルキル[花王(株)製のビニサイザー124等]、トリメリット酸トリ2−エチルヘキシルトリメリテート[花王(株)製のトリメックスT−08等]、トリメリット酸トリオクチル[旭電化工業(株)製のアデカサイザーC−8等]、トリメリット酸トリノルマルオクチル[花王(株)製のトリメックスN−08、トリメックスNew−NSK;旭電化工業(株)製のアデカサイザーC−880等]、トリメリット酸トリイソノニル[旭電化工業(株)製のアデカサイザーC−9N等]、トリメリット酸トリイソデシルトリメリテート[花王(株)製のトリメックスT−10;旭電化工業(株)製のアデカサイザーC−10等]、トリメリット酸混合アルコールエステル[旭電化工業(株)製のアデカサイザーC−79、アデカサイザーC−810等]、ピロメリット酸テトラオクチル[旭電化工業(株)製のアデカサイザーUL−80等]、ピロメリット酸混合アルコールエステル[旭電化工業(株)製のアデカサイザーUL−100等]、クレジルジフェニルホスフェート[味の素ファインテクノ(株)製のクロニテックスCDP等]、トリクレジルホスフェート[味の素ファインテクノ(株)製のクロニテックスTCP等]、トリキシレニルホスフェート[味の素ファインテクノ(株)製のクロニテックスTXP等]等が例示できる。これらの可塑剤は、単独でまたは2種以上組み合わせて使用できる。
本発明の放熱材を、特にハイレベルな耐熱性が要求される用途に使用する場合は、より一層揮発しにくい(低揮発性)可塑剤を用いることが好ましく、例えば、150℃で100時間保持したときの質量減量率が1%以下であるかどうかを目安にするとよい。150℃、100時間保持後の質量減量率が1%以下であれば、低揮発性(高耐熱性)の可塑剤であるということができる。この質量減量率は0.7%以下がより好ましく、0.5%以下がさらに好ましい。150℃における質量減量率も、前記した130℃、24時間保持したときの質量減量率の測定方法と同様にして、150℃の熱風乾燥機中で100時間可塑剤を保持し、保持前後の質量から前記式により求めればよい。このような低揮発性の可塑剤としては、上記の例示の中でも、トリメリット酸エステル系とピロメリット酸エステル系のものが好ましく、ピロメリット酸エステル系可塑剤が最も好ましい。
可塑剤を使用する場合の好適な使用量は、(メタ)アクリル系ポリマーとラジカル重合性モノマーAと可塑剤との合計を100質量%としたときに、(メタ)アクリル系ポリマーは10〜60質量%(より好ましくは10〜50質量%)、ラジカル重合性モノマーAは30〜85質量%(より好ましくは40〜65質量%)、可塑剤は5〜60質量%(より好ましくは15〜40質量%)に調整することが望ましい。
可塑剤が5質量%未満の場合は、得られる放熱材の硬度が高くなり、放熱材に必要な柔軟性が得られない傾向があり、可塑剤が60質量%を超える場合は、得られた放熱材の柔軟性は高められるが、放熱材から可塑剤の分離が発生する傾向がある。
(メタ)アクリル系ポリマーが10質量%未満の場合は、例えば、原料組成物を放熱シートへ成形する時(硬化時)に、樹脂と他の成分との分離が発生する傾向があり、(メタ)アクリル系ポリマーが60質量%を超える場合は、原料組成物の粘度が高くなり過ぎて、作業性が低下したり、シートの表面平滑性の悪化が起こる傾向がある。また、ラジカル重合性モノマーAが30質量%未満の場合は、放熱材から可塑剤が分離する傾向があり、ラジカル重合性モノマーAが85質量%を超える場合は、樹脂と他の成分との分離が発生する傾向がある。
(メタ)アクリル系ポリマーとラジカル重合性モノマーAと可塑剤との混合物の好適粘度は、25℃で、1000mPa・s以下(より好ましくは400mPa・s以下、さらに好ましくは300mPa・s以下)である。
本発明の樹脂組成物には、酸化防止剤(紫外線吸収剤および紫外線安定剤を含む)が含まれていてもよい。酸化防止剤が含まれていると、放熱材の硬度増加が抑えられ、柔軟性を長期に亘って確保できるようになるからである。これは、酸化防止剤がポリマーの熱分解を抑制するためではないかと推測される。酸化防止剤の分子量が大きい方が放熱材の硬度増加抑制効果が高いので、分子量は200以上が好ましく、300以上がより好ましく、1000以上がさらに好ましい。放熱材の硬度増加を抑制するためには、(メタ)アクリル系ポリマーとラジカル重合性モノマーAとの合計を100質量部としたときに、酸化防止剤を0.01〜3質量部添加することが好ましい。0.01質量部未満では添加効果が十分発揮されず、3質量部を超えると効果は飽和する。酸化防止剤の添加量のより好ましい下限は0.03質量部、さらに好ましい下限は0.05質量部である。添加量のより好ましい上限は1質量部、さらに好ましい上限は0.5質量部である。
酸化防止剤の好適例としては、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール(BHT)、ブチル化ヒドロキシアニソール(BHA)、2,6−ジ−t−ブチル−4−エチルフェノール、ステアリル−β−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート等のモノフェノール系酸化防止剤;2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデンビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、3,9−ビス[1,1−ジメチル−2−〔β−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ〕エチル]2,4,8,10−テトラオキサスピロ〔5,5〕ウンデカン等のビスフェノール系酸化防止剤;1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、テトラキス〔メチレン−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕メタン、ビス〔3,3’−ビス(4’−ヒドロキシ−3’−t−ブチルフェニル)ブチリックアシッド〕グリコールエステル、1,3,5−トリス(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシベンジル)−S−トリアジン−2,4,6−(1H,3H,5H)トリオン、トコフェロール類等の高分子フェノール系酸化防止剤が挙げられる。
ジラウリル−3,3’−チオジプロピオネート、ジミリスチル−3,3’−チオジプロピオネート、ジステアリル−3,3’−チオジプロピオネート、ジトリデシル−3,3’−チオジプロピオネート、ペンタエリスリトールテトラキス(3−ラウリルチオプロピオネート)等の硫黄系酸化防止剤も使用できる。
トリフェニルホスファイト、フェニルジイソデシルホスファイト、4,4’−ブチリデン−ビス(3−メチル−6−t−ブチルフェニル−ジトリデシル)ホスファイト、サイクリックネオペンタンテトライルビス(オクタデシルホスファイト)、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、トリス(モノおよび/またはジノニルフェニル)ホスファイト、ジイソデシルペンタエリスリトールジホスファイト、9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナントレン、10−デシロキシ−9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナントレン、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト、サイクリックネオペンタンテトライルビス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト、サイクリックネオペンタンテトライルビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)ホスファイト、2,2−メチレンビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)オクチルホスファイト等のリン系酸化防止剤も使用可能である。
N−フェニル−β−ナフチルアミン、N,N’−ジフェニル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジ−β−ナフチル−p−フェニレンジアミン、N−フェニル−N’−イソプロピル−p−フェニレンジアミン、2−メルカプトベンズイミダゾール、6−エトキシ−2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノリン、2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノリンの重合体等のアミン系酸化防止剤も使用可能である。
上記酸化防止剤の中では、フェノール系(特に高分子フェノール系)、硫黄系、リン系が好ましく、高分子フェノール系と硫黄系の併用系が特に好ましい。
また、フェニルサリシレート、p−t−ブチルフェニルサリシレート等のサリチル酸系紫外線吸収剤;2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オクトキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン等のベンゾフェノン系紫外線吸収剤;2’−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、等のベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤;2−エチルヘキシル−2−シアノ−3,3’−ジフェニルアクリレート等のシアノアクリレート系紫外線吸収剤;ヒンダードアミン系紫外線安定剤等も使用可能である。
次に、本発明の樹脂組成物の好適な製造方法について説明する。(メタ)アクリル系ポリマーは、上記原料モノマーを用い、塊状重合、溶液重合、乳化重合等の公知のラジカル重合方法で重合することで得ることができる。塊状重合の場合は重合終了後に、溶液重合法、乳化重合法においては、重合終了後、水分や溶剤等を揮発させた後に、ラジカル重合性モノマーAと必要に応じて可塑剤を添加混合することにより、熱伝導性充填剤添加前の樹脂混合物が得られる。また、塊状重合法においては、重合を途中で停止させる部分重合法を採用すれば、ポリマーとラジカル重合性モノマーAとの混合物が1工程で得られ、可塑剤の存在下で(メタ)アクリル系ポリマーを重合する方法を採用すれば、(メタ)アクリル系ポリマーと可塑剤の混合物が1工程で得られる。もちろん、これらの混合物にさらにラジカル重合性モノマーAや可塑剤を加えても配合比を調整することも可能である。
重合に際しては、ラジカル重合開始剤を用いる。このラジカル重合開始剤は、樹脂組成物に別途添加されてラジカル重合性モノマーAを重合させるために用いられるラジカル重合開始剤と同じものであっても異なるものでも構わないが、重合反応によって消費されるので、反応後、適当な時期に、樹脂組成物には別途ラジカル重合開始剤を添加する。
重合時に用いられるラジカル重合開始剤としては、例えば、アゾ系開始剤、有機過酸化物等の熱重合開始剤や、光重合開始剤等が挙げられ、単独でまたは2種以上を組み合わせて使用できる。
アゾ系開始剤には、例えば、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、ジメチル−2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)類、、2−フェニルアゾ−2,4−ジメチル−4−メトキシバレロニトリル等が含まれる。
有機過酸化物には、例えば、メチルエチルケトンパーオキサイド等のケトンパーオキサイド類;クメンハイドロパーオキサイド等のハイドロパーオキサイド類;ベンゾイルパーオキサイド、ラウリルパーオキサイド等のジアシルパーオキサイド類;ジクミルパーオキサイド等のジアルキルパーオキサイド類;1,1−ジ−t−ブチルパーオキシ−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン等のパーオキシケタール類;t−アミルパーオキシ−2−エチルヘキサネート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサネート、t−アミルパーオキシ−3,5,5−トリメチルヘキサネート、1,1,3,3,−テトラメチルブチルパーオキシ−2−エチルヘキサネート、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシ−2−エチルヘキサネート、t−ブチルパーオキシ−3,5,5−トリメチルヘキサネート、t−ブチルパーオキシピバレート等のアルキルパーエステル類;t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキシルカーボネート、1,6−ビス(t−ブチルパーオキシカルボニロキシ)ヘキサン、ビス(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート等のパーカーボネート類等が含まれる。
また、光重合開始剤としては、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル等のベンゾインとそのアルキルエーテル類;アセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、1,1−ジクロロアセトフェノン、4−(1−t−ブチルジオキシ−1−メチルエチル)アセトフェノン等のアセトフェノン類;2−メチルアントラキノン、2−アミルアントラキノン、2−t−ブチルアントラキノン、1−クロロアントラキノン等のアントラキノン類;2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントン、2−クロロチオキサントン等のチオキサントン類;アセトフェノンジメチルケタール、ベンジルジメチルケタール等のケタール類;ベンゾフェノン、4−(1−t−ブチルジオキシ−1−メチルエチル)ベンゾフェノン、3,3’,4,4’−テトラキス(t−ブチルジオキシカルボニル)ベンゾフェノン等のベンゾフェノン類;2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノ−プロパン−1−オンや2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン−1;アシルホスフィンオキサイド類およびキサントン類等が挙げられる。
ラジカル重合開始剤の使用量は、所定の重合率で前記原料モノマーをラジカル重合させることができる限り特に限定されず、ラジカル重合開始剤の種類に応じて適宜設定できるが、例えば、原料モノマー100質量部に対して、例えば、0.01〜1質量部程度、好ましくは0.05〜0.7質量部程度、さらに好ましくは0.10〜0.5質量部程度である。なおラジカル重合開始剤は、必要により、適宜分割して添加してもよく、また可塑剤で希釈してから添加してもよい。可塑剤で希釈する場合、所定の液状可塑剤量から、必要分を希釈用にまわす。
重合に際しては、必要に応じて連鎖移動剤を使用してもよい。連鎖移動剤としては、公知の種々の連鎖移動剤が使用でき、例えば、α−メチルスチレンダイマー、四塩化炭素、チオール化合物(例えば、n−ドデシルメルカプタン等)等が挙げられる。連鎖移動剤の使用量は適宜設定されるが、原料モノマー100質量部に対して、例えば、0.01〜2質量部程度、好ましくは0.05〜1.5質量部程度、さらに好ましくは0.10〜1質量部程度である。反応温度も適宜設定でき、例えば、40〜150℃程度、好ましくは50〜100℃程度の範囲から設定することが多い。
本発明の樹脂組成物は、熱伝導性充填剤が混合されて、放熱材用原料組成物となる。利用可能な熱伝導性充填剤としては、具体的には、例えば、無機系充填剤[酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、酸化珪素等の酸化物;水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム等の水酸化物(これらの水酸化物は、難燃化剤としても有用である);炭化珪素等の炭化物;窒化アルミニウム、窒化ホウ素、窒化珪素等窒化物等]、金属系充填剤[銀、銅、アルミニウム、鉄、亜鉛、ニッケル、錫、およびこれらの合金(例えば銅−錫合金等)等]、炭素質充填剤(カーボン、グラファイト等)等が挙げられる。高度な電気絶縁性が要求される分野には、無機系充填剤を使用することが望ましい。前記熱伝導性充填剤は、単独でまたは2種以上組み合わせて使用できる。
上記熱伝導性充填剤は、必要に応じて、組成物中における分散性を高めたり、充填量を上げるために、シラン処理等により表面処理が行われてもよい。また、上記熱伝導性充填剤の形状は特に限定されないが、大きさ(平均粒径)が大体1〜100μm程度の、球状、繊維状、鱗片状、平面状、破砕状、不定形状等のものが挙げられる。なお、使用する熱伝導性充填剤の熱伝導率は、その焼結品で、京都電子工業社製のホットディスク法による熱伝導率測定装置:品番TPA−501を用いて測定することができる。
これらの熱伝導性充填剤は、(メタ)アクリル系ポリマーとラジカル重合性モノマーAとの合計100質量部に対して、80質量部以上配合することが望ましい。これらの熱伝導性充填剤は、充填量が多いほど得られる放熱材の熱伝導率が高くなり、放熱性能が向上する。より好ましい下限は100質量部、さらに好ましい下限は300質量部、最も好ましい下限は500質量部である。本発明では、特定の水酸基含有(メタ)アクリル系ポリマーを用いているので、熱伝導性充填剤を500質量部以上添加しても、実用的な作業性を確保することができる。
ただし、熱伝導性充填剤の量が多くなり過ぎると、放熱材用原料組成物の粘度が高度に上昇して作業性が低下すると共に、硬化物の柔軟性が低下する傾向にあるので、例えば、要求される熱伝導率や使用する樹脂の柔軟性によって充填量を調整することが好ましい。上限の目安は1600質量部である。
本発明の樹脂組成物に熱伝導性充填剤を加えて放熱材用原料組成物を製造するには、従来公知の混練機を用いればよい。例えば、ミキサー、ロールミル、バンバリーミキサー、ニーダー、加圧型ニーダー、二軸混練機等の連続混練機等が挙げられるが、特に限定されるものではない。また、必要に応じて、混練の際には、装置内を減圧して組成物中に含まれる空気を除去したり、加熱や加圧しながら行ってもかまわない。
上記放熱材用原料組成物は所望の形状に成形することができる。成形形状、成形方法は、特に限定されるものではない。例えば、射出成形金型やバッチ式金型に上記樹脂組成物を投入し、所望の形状に成形する方法、押出し機や注型等の方法により、たとえばシート状に成形する方法等が採用可能である。シート状のものは、放熱シートとして有用である。厚みは特に限定されないが、放熱材としての用途を考慮すると、0.5mm以上が好ましい。成形後は、熱重合または光重合によって成形体をラジカル重合硬化させて、硬化物(放熱材)とする。
放熱材用原料組成物中のラジカル重合性モノマーAを重合させるのと、放熱材用原料組成物を所望の形状へと成形する工程を同時に行うために、加熱しながら成形を行うことも可能である。さらに、まず所望の形状へ成形し、その後に加熱(あるいは光照射)して、本発明の硬化物(放熱材)を得ても良い。加熱温度は特に限定されないが、熱重合開始剤を添加した場合、この重合開始剤の10時間半減期温度よりも10〜70℃高い温度範囲とすることが好ましい。より好ましくは、重合開始剤の10時間半減期温度より20〜70℃高い(さらに好ましくは30〜70℃高い)温度範囲とすることが好ましい。
ラジカル重合性モノマーAを速やかに重合させるためには、本発明の樹脂組成物または放熱材用原料組成物にラジカル重合開始剤が含まれていることが好ましい。組成物を速く硬化させることができ、放熱材の生産性が向上する。ラジカル重合開始剤としては、前記した従来公知の熱重合開始剤や光重合開始剤を用いることができる。例えば熱により樹脂組成物を硬化させる場合には熱重合開始剤を、また、例えば紫外線により硬化させる場合には光重合開始剤を用いて硬化させればよく、硬化方法により、適宜、選択することができる。
中でも、熱により樹脂組成物を硬化させる方が使用する硬化装置が簡便で、コスト的にも優れており、熱重合開始剤を用いて原料組成物を硬化させることがより好ましい。熱重合開始剤の作用を促進するための公知の硬化促進剤、硬化促進助剤を使用してもよい。これらの熱重合開始剤は、(メタ)アクリル系ポリマーとラジカル重合性モノマーAとの合計100質量部に対し0.1〜5質量部、硬化促進剤は0.05〜3質量部、硬化促進助剤は0.05〜2質量部が好ましい。なお、光重合開始剤の場合は、ラジカル重合性モノマーA100質量部に対し、0.01〜3質量部(好ましくは0.1〜1質量部)程度の使用が望ましく、公知の増感剤等を用いてもよい。
本発明の樹脂組成物または放熱材用原料組成物には、成形材料分野等で従来公知の、例えば、強化繊維、無機・有機充填剤、重合開始剤、重合禁止剤、低収縮化剤、離型剤、増粘剤、泡消剤、湿潤剤、分散剤、揺変化剤、難燃化剤(前記熱伝導性充填剤として例示した水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウムの他、金属化合物の水和物、三酸化アンチモン、ホウ素化合物、臭素化合物、塩素化合物、赤リンやリン酸エステル類等のリン化合物、膨張黒鉛等)、カップリング剤、顔料、染料、磁性体、帯電防止剤、電磁波吸収剤、ペースト状オイル、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、高級脂肪油、熱軟化剤等、本発明の目的を阻害しない限りは、いずれも使用可能である。
添加量の目安としては、本発明の目的に反しない程度の量が好ましく、具体的には、メタ)アクリル系ポリマーとラジカル重合性モノマーAとの合計100質量部に対し、添加剤の合計として1000質量部以下とするのが望ましい。より好ましい添加量の上限値は900質量部、さらに好ましい上限値は800質量部である。
以下実施例によって本発明をさらに詳述するが、下記実施例は本発明を制限するものではなく、前・後記の趣旨を逸脱しない範囲で変更実施することは全て本発明の技術範囲に包含される。なお実施例および比較例において特に断らない限り「部」とあるのは「質量部」、「%」とあるのは「質量%」である。
合成例1
温度計、撹拌機、ガス導入管、還流冷却器および滴下ロートを備えた容器に、(メタ)アクリル系ポリマーの原料モノマーとして2−エチルヘキシルアクリレート(2EHAと省略)39.2部と、同じく水酸基含有原料モノマーとして2−ヒドロキシエチルアクリレート(HEAと省略)0.8部と、トリメリット酸エステル系可塑剤55部(旭電化工業社製;商品名「アデカサイザーC880」;25℃での粘度=100mPa・s;130℃、24時間における質量減量率=0.07%;150℃、100時間における質量減量率=0.67%;C880と省略)、連鎖移動剤としてのα−メチルスチレンダイマー0.1部を仕込み、容器内を窒素ガスで置換した。容器内の気相部分の酸素濃度を酸素濃度計(「UC−12」;セントラル科学社製)で測定したところ、0.0%であった。
容器の内温を75℃に昇温し、重合開始剤としてのジメチル−2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)0.1部と上記トリメリット酸エステル系可塑剤5部(上記C880)を混合したものを滴下ロートに仕込み、2時間かけて滴下した。その後1.5時間、75℃で反応を続け、ジメチル−2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)0.02部を添加して、90℃に昇温し、2時間重合を行った。重合完了前に容器内に空気を吹き込み、系を冷却して重合を終了させた。アクリル系ポリマーNo.1とトリメリット酸エステル系可塑剤との混合物No.1が得られた。この混合物No.1中の残存2−エチルヘキシルアクリレートをGC(ガスクロマトグラフィー)を用いて測定したところ0.1%であった。
この混合物No.1の25℃における粘度(B型粘度計)と、ポリマーNo.1について、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)により重量平均分子量Mwと数平均分子量Mnを、示差走査熱量計によりTg(ガラス転移点温度)を、および前記方法により水酸基価を測定し、各結果を表1に示した。
合成例2〜5
表1に示した組成に変更した以外は合成例1と同様にして、アクリルポリマーNo.2〜5を含む可塑剤との混合物No.2〜5を合成した。各特性を表1に併記した。合成例1〜4について見てみると、水酸基価の増大に伴って混合物の粘度も増大していくことがわかる。
合成例6
合成例2において使用した連鎖移動剤の量を0.1部から0.15部へと変更し、可塑剤(C880)をピロメリット酸エステル系可塑剤(旭電化工業社製;商品名「アデカサイザーUL−100」;25℃での粘度=176mPa・s;130℃、24時間における質量減量率=0.09%;150℃、100時間における質量減量率=0.33%;UL−100と省略)に変更した以外は合成例2と同様にして、アクリルポリマーNo.6を含む可塑剤との混合物No.6を合成した。各特性を表1に示した。
Figure 2006096982
配合例1
次に、上記混合物No.1を50部と、ラジカル重合性モノマーAとして、2−エチルヘキシルアクリレート49.5部と、多官能性モノマーの1,6−ヘキサンジオールジアクリレート0.5部(共栄社化学社製;商品名「ライトアクリレート1,6HX−A」)を混合し、さらに重合禁止剤としてハイドロキノン0.05部を添加混合して、25℃における粘度が145mPa・sのアクリル系樹脂組成物No.1を得た。なお、樹脂組成物の粘度は、B型粘度計(東機産業社製;品番「RB80L」)で、25℃、ローターNo.4,回転数12rpm(測定限度である50Pa・Sを超える場合は3rpmで測定)で測定した値である。
配合例2〜6
配合比(ハイドロキノンは全て0.05部)を表2に示したように変更した以外は配合例1と同様にしてアクリル系樹脂組成物No.2〜6を得た。
Figure 2006096982
実施例1
上記アクリル系樹脂組成物No.1を100部と、熱重合開始剤として10時間半減期温度が70℃であるt−アミルパーオキシ−2−エチルヘキサネート2部(化薬アクゾ社製;商品名「トリゴノックス121−50E」、泡消剤0.2部(ビックケミー社製;商品名「A−515」)、熱伝導率が30W/m・K、平均粒子径が39μmである略球形の酸化アルミニウム300部(昭和電工社製;品番AS−10)と、平均粒子径が10μmである水酸化アルミニウム100部(昭和電工社製;品番H−32)とを、新東科学社製のモーター撹拌機「タイプ600G」を用いて均一に混練して、放熱材用原料組成物No.1を得た。その後、この組成物を脱泡し、粘度測定を行った後、PETフィルムの上に硬化後の厚みが2mmになるようにバーコーター法により塗工し、90℃に設定されたオーブン中で30分、さらに120℃で1時間重合させて硬化させた。粘度、塗工性、硬化後の放熱シートの各特性を以下のようにして測定および評価し、表3にその結果を示した。
[放熱材用原料組成物の粘度]
B型粘度計(東機産業社製;品番「RB80L」)を用い、25℃、ローターNo.4,回転数12rpm(測定限度(50Pa・Sを超える場合は3rpm)で測定した。
[シート形成時(塗工時)の作業性]
硬化前のシートの表面を目視で観察し、シートの表面が平滑であり塗工作業性も良好であった場合は○、作業性が悪く、シートの表面に凹凸または気泡が存在する場合は×、として評価した。
[硬化後の放熱シートの熱伝導率]
迅速熱伝導率計(京都電子工業社製;品番「QTM−500」)により、25℃で測定した。測定サンプルには、硬化後の放熱シートを10mm厚みになるように積層したものを用いた。
[硬化後の放熱シート硬度]
JIS K7312に準じ、高分子計器株式会社製アスカーゴム硬度計C型を用いて25℃で実施した。硬度計の押針を試料中心に押し出し、その加圧面を試料に密着させて1秒以内の最大指示値を硬度として採用した。また、試料はシートを10mm厚みになるように積層したものを用いた。なお硬度の値は小さいほど柔軟性に富んでいることを示す。
[硬化後の放熱シート強度]
厚さ2mm、5mm×40mmの大きさにカットしたシートを5mm×20mmに二つ折りして、折り曲げ部分の状態を目視観察し、クラックがないものを○、クラックが発生したものを△、完全に二つに折れてしまったものを×とした。
実施例2〜5
実施例1において、用いたアクリル系樹脂組成物を表3に示したように変え、実施例4においてはさらに酸化アルミニウムの量を変えた以外は実施例1と同様にして、放熱シートを得て、種々の評価を行った。結果を表3に示した。
比較例1
水酸基を持たないポリマーを含むアクリル系樹脂組成物No.5を用いた以外は実施例1と同様にして、放熱シートを得て、種々の評価を行った。結果を表3に示した。
Figure 2006096982
表2から明らかなように、樹脂組成物の粘度が大差なかったアクリル系樹脂組成物No.1とNo.5であったが、表3から明らかなように、熱伝導性充填剤を配合した後の放熱材用原料組成物の粘度は、樹脂組成物No.1を用いた実施例1では8.4Pa・sと非常に小さいのに対し、樹脂組成物No.5を用いた比較例1は183Pa・sと大きく、塗工作業性が劣る上に、シートの強度にも劣るものとなった。これは、樹脂No.5のポリマーが水酸基を有していないことに起因している。また、実施例1〜4を比較すると、ポリマーの水酸基価が高くなるにつれて、同量の熱伝導性充填剤を配合しているにもかかわらず、シートの熱伝導率が高くなることがわかった。さらに、実施例5では、500部の熱伝導性充填剤を配合したにもかかわらず、樹脂組成物の粘度は21.3Pa・sと、実用的なレベルであり、塗工性にも問題はなかった。
参考例1
前記アクリル系樹脂組成物No.5(水酸基を持たないポリマーを使用)の98.4部に、ラジカル重合性モノマーAとしてヒドロキシエチルアクリレートを1.6部混合したものを用いて、実施例1と同様にして、放熱シートを得た。このときの放熱材用原料組成物の粘度は175Pa・sであり、比較例1と同様に高粘度であった。また、塗工性も×であった。このことから、ラジカル重合性モノマーAとして水酸基を有するモノマーを配合しても、ポリマーが水酸基を有していないと、組成物の粘度低減効果は認められないことが確認された。
実施例6
実施例2において、熱重合開始剤を10時間半減期温度が44℃であるビス(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート1部(化薬アクゾ社製;商品名「パーカドックス16」)に変更した以外は、実施例2と同様にして硬化後の放熱シートを得た。この放熱シートを10mm厚みになるように積層したものを、実施例2と同様にして硬度(シートC硬度;初期値)測定を行った。その後、150℃に設定されたオーブン中に放置し、24時間後と100時間後、以後は適宜100時間毎にシートC硬度を測定した。なお、シートC硬度は、オーブンから放熱シートを取り出して25℃の環境下に120分放置した後、測定した。
実施例7〜21
アクリル系樹脂組成物の種類(No.)、可塑剤の種類、酸化防止剤の種類を、それぞれ表4に示したように変更した以外は、実施例6と同様にして、シートC硬度の経時変化を調べた。結果を表4に示す。なお、表4で示した酸化防止剤の略称は、下記の意味である。
BHT:商品名「アンテージBHT」;川口化学工業社製;2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール;分子量220
TPP:商品名「アデカスタブTPP」;旭電化工業社製;トリフェニルホスファイト;分子量310
W400:商品名「アンテージW−400」;川口化学工業社製;2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール);分子量341
AO80:商品名「アデカスタブAO−80」;旭電化工業社製;3,9−ビス[1,1−ジメチル−2−〔β−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ〕エチル]2,4,8,10−テトラオキサスピロ〔5,5〕ウンデカン;分子量741
AO60:商品名「アデカスタブAO−60」;旭電化工業社製;テトラキス〔メチレン−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕メタン;分子量1178
503A:商品名「アデカスタブ503A」;旭電化工業社製;ジトリデシル−3−3’−チオジプロピオネート;分子量542
2112:商品名「アデカスタブ2112」;旭電化工業社製;トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト;分子量646
412S:商品名「アデカスタブAO−412S」;旭電化工業社製;ペンタエリスリトールテトラキス(3−ラウリルチオプロピオネート);分子量1162
Figure 2006096982
本発明によれば、熱伝導性、柔軟性に優れた放熱材を得ることに成功した。従って、例えば、電気・電子部品等の発熱体と、例えばヒートシンク、放熱フィン、金属放熱板等の放熱体の間に介在させ、電気・電子部品等の発熱を放熱させるための放熱材として有用である。また、他の放熱材用途にも応用が可能である。

Claims (7)

  1. 熱伝導性充填剤を配合した後、ラジカル重合硬化させることにより放熱材となり得る樹脂組成物であって、水酸基価が5mgKOH/g以上である(メタ)アクリル系ポリマーと、ラジカル重合性モノマーとを、必須成分として含むことを特徴とする放熱材用樹脂組成物。
  2. 上記ラジカル重合性モノマーの少なくとも一部は、アルキル基の炭素数が2〜18である(メタ)アクリル酸アルキルエステルである請求項1に記載の放熱材用樹脂組成物。
  3. 上記(メタ)アクリル系ポリマーが、水酸基含有ラジカル重合性モノマーとアルキル基の炭素数が2〜18である(メタ)アクリル酸アルキルエステルとを含むモノマー混合物を重合して得られたものであり、その重量平均分子量が1万〜100万である請求項1または2に記載の放熱材用樹脂組成物。
  4. さらに、130℃で24時間保持した場合の質量減量率が2%以下である可塑剤を含むものである請求項1〜3のいずれかに記載の放熱材用樹脂組成物。
  5. さらに、酸化防止剤を含むものである請求項1〜4のいずれかに記載の放熱材用樹脂組成物。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の放熱材用樹脂組成物と、熱伝導性充填剤と、ラジカル重合開始剤を含むことを特徴とする放熱材用原料組成物。
  7. 請求項6に記載の放熱材用原料組成物をラジカル重合により硬化させて得られることを特徴とする放熱材。
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