JP2016079230A - 蓄熱性熱伝導性硬化性組成物、および蓄熱性熱伝導性樹脂硬化物 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明の目的は電子・電気機器や照明、表示機器等の発熱体に対し、放熱性を向上させ、また温度上昇を遅延させることができる蓄熱性熱伝導性硬化性樹脂組成物及び硬化物を提供することにある。【解決手段】[A]硬化性液状樹脂[B]25〜150℃に融点を有する蓄熱剤[C]平均粒子径200μm以下の熱伝導性充填剤[D]硬化触媒を含有する蓄熱性熱伝導性硬化性樹脂組成物および硬化物。硬化物を、良好な熱対策材料として用いることができる。【選択図】 なし
Description
本発明は、パソコン、携帯電話、PDAなどの電子機器や、LED、EL等の照明及び表示機器など、種々の装置の放熱に利用される硬化性組成物に関する。更に詳しくは、硬化後の熱伝導率が0.3 W m-1K-1以上を有する室温にて硬化可能な蓄熱性熱伝導性硬化性組成物。また硬化前の硬化性組成物を発熱体上に、または発熱体と放熱体との間に塗布した後、硬化させてなる蓄熱性熱伝導性樹脂硬化物に関する。
近年、パソコン、携帯電話、PDAなどの電子機器や、LED、EL等の照明及び表示機器などの性能向上は著しく、それは演算素子や発光素子の著しい性能向上によっている。この様に演算素子や発光素子の性能向上に伴い発熱量も著しく増加し、電子機器、照明、表示機器における放熱をどの様に行うかが重要な課題になっている。熱対策として、演算素子や発光素子の発生する熱を出来るだけ迅速に広い面積に拡散させて放熱する方法は冷却効率を上げることを目的としたもので、積極的に冷却をするものではないが、携帯電話やパソコンなどの小型電子機器や照明における冷却方法としては最も現実的なものである。
この様な放熱、伝熱の目的に使用される熱伝導性材料としては、例えばシリコーンゴム等のベースゴムに熱伝導性フィラーを高充填し硬化させた、軟質放熱シートが知られており、各種熱伝導性フィラーとシリコーンゴムとの組合せによる技術が開示されている(特許文献1〜3参照)。
この様な熱伝導を目的とした放熱シートには、材料自体の熱伝導だけでなく、発熱体や放熱体との熱抵抗を低くする必要があることから、発熱体や放熱体との密着性が重要とされている。この発熱体や放熱体との密着性には、発熱体や放熱体表面への密着性、並びに発熱体や放熱体の形状や変形に対する追従性が重要となる。ところが放熱シートの熱伝導率を高くするために熱伝導性フィラーを高充填すると、シートの硬度が硬くなってしまうことから、発熱体や放熱体表面との密着性及び形状追随性が低下してしまうという問題があった。
これらの問題を解決するため、例えば特許文献4には、硬化前のシリコーンゴムに熱伝導性フィラーを高充填した液状物を塗布した後、室温で硬化させることが可能な、室温硬化型熱伝導性シリコーンゴム組成物が開示されており、液状物であるため熱体や放熱体との密着性が非常に良好となり好適である。しかしながら未硬化のシリコーンゴム組成物であることから、使用時に低分子シロキサン成分や環状シロキサン成分の揮発が多くなるという課題がある。シリコーン樹脂にはしばしば低分子成分である環状シロキサンの揮発により、電気部品の接点不良を誘発したり、ハードディスクなどの精密機器の読み取り不良を誘発したりすると言う課題が指摘されている。
一方例えば特許文献5には、ポリαオレフィンオリゴマーに熱伝導性フィラーを高充填させた熱伝導性グリースが開示されている。このような組成物を用いれば、液状物であるため熱体や放熱体との密着性が非常に良好となり、なおかつ使用時に低分子シロキサン成分が揮発する可能性も少ない。しかしながらこのような組成物は室温で硬化することが無いため、発熱体が高温となった際に、低粘度となった液状グリースが流出してしまい、周囲の電子機器を汚染してしまうことがあるという課題を有している。
特許文献6には、ポリアルキレングリコールやポリイソブチレン等の加水分解性シリル基を有する加水分解性シリル基含有オリゴマーをベースに、熱伝導性充填材を配合したものは、優れた強度と密着性を併せ持つ樹脂組成物であることが開示されている。しかしながら加水分解性シリル基含有ポリアルキレングリコール系オリゴマーは耐熱性が十分でない場合があり、また、加水分解性シリル基含有ポリイソブチレン系オリゴマーは、比較的粘度が高くハンドリングが困難なほか、硬化速度が遅いため、1液型組成物として用いるには困難な場合が多い。
また特許文献7〜8には、分子量分布が1.8以下のリビングラジカル重合法にて製造されたビニル系重合体に、熱伝導性フィラーを充填した放熱シート用組成物が示されているが、液状物のまま室温硬化型熱伝導性組成物として利用する方法に関しては記されていない。
また上記のような硬化性を有する液状物では、熱伝導性及び電気絶縁性に優れた無機充填材を有機樹脂へ含有させる手法が一般的である。 該無機充填材として、一般的に酸化アルミニウム粉末、窒化ホウ素粉末、窒化アルミニウム粉末、アルミナ、シリカ等があげられる。より高い放熱性能を付与するには熱伝導性を向上させるために、上記の無機充填材を高充填する方法がある。しかし、無機充填材を高充填すると粘度・硬度・安定性が劣化する恐れがあり、充填量に限界がある。
蓄熱性を付与した組成物では、特許文献9が挙げられるが、記載されている組成物は熱エネルギーを蓄えることを目的としており、電子・電気機器や照明、表示機器等の熱対策を意図したものではない。また、記載の組成物では、熱伝導性充填剤を用いていないため、放熱性を欠いてしまう。さらに、記載されている組成ではエラストマーに蓄熱剤を混練しているため、組成物を成形体として提供する必要がある。
本発明の目的は電子・電気機器や照明、表示機器等の発熱体に対し、放熱性を向上させ、また温度上昇を遅延させることができる蓄熱性熱伝導性硬化性組成物及び硬化物を提供することにある。
本発明は上記課題を解決するために、鋭意検討をした結果、特定比率で混合した硬化性組成物が、熱伝導性及び蓄熱性に優れており、また、蓄熱剤の漏れがなく、取り扱い性にも優れていることを見出し、本発明の完成に至った。
即ち、本発明は、以下の成分からなる蓄熱性熱伝導性硬化性組成物である。
[A]硬化性液状樹脂
[B]25〜150℃に融点を有する蓄熱剤
[C]平均粒子径200μm以下の熱伝導性充填剤
[D]硬化触媒
また本発明は、体積部数で[A]100部に対し、[B]が10〜500部であり、[C]が10〜300部、[D]0.1〜10部であり、熱伝導率が0.3 W m−1K−1以上であることを特徴とする熱伝導性硬化性組成物または硬化物であることが好ましい。これによって、良好な熱対策材料として用いることができる。
[A]硬化性液状樹脂
[B]25〜150℃に融点を有する蓄熱剤
[C]平均粒子径200μm以下の熱伝導性充填剤
[D]硬化触媒
また本発明は、体積部数で[A]100部に対し、[B]が10〜500部であり、[C]が10〜300部、[D]0.1〜10部であり、熱伝導率が0.3 W m−1K−1以上であることを特徴とする熱伝導性硬化性組成物または硬化物であることが好ましい。これによって、良好な熱対策材料として用いることができる。
本発明の硬化性組成物は、単位体積あたりの潜熱蓄熱剤の含有量が多く蓄熱性に優れており、また、蓄熱剤が漏れることなく、取り扱い性に優れている。これによって、電子・電気機器や照明、表示機器等の発熱体に対し、放熱性を向上させ、また温度上昇を遅延させることができ、電子部品の性能劣化抑制に大いに寄与することができる。
以下、本発明を、その実施の形態とともに詳細に説明する。
本発明の硬化性組成物は、体積部数で[A]硬化性液状樹脂100部に対し、[B]蓄熱剤10〜500部、[C]熱伝導性充填剤10〜300部、[D]硬化触媒0.1〜10部を含むことを特徴とするものである。
このような硬化性組成物は、蓄熱剤である[B]が非常に多く含有されたものであり、通常であれば、組成物から蓄熱剤が漏れ出し易いものである。
しかし本発明では、特に[A]を特定比率で配合することにより、蓄熱剤である[B]が組成物内で保持され、[B]が多く含有されていても漏れることなく、また、初期状態を液状にも出来る為、取り扱い性に優れたものとなることを特徴とする。
本発明の硬化性組成物は、体積部数で[A]硬化性液状樹脂100部に対し、[B]蓄熱剤10〜500部、[C]熱伝導性充填剤10〜300部、[D]硬化触媒0.1〜10部を含むことを特徴とするものである。
このような硬化性組成物は、蓄熱剤である[B]が非常に多く含有されたものであり、通常であれば、組成物から蓄熱剤が漏れ出し易いものである。
しかし本発明では、特に[A]を特定比率で配合することにより、蓄熱剤である[B]が組成物内で保持され、[B]が多く含有されていても漏れることなく、また、初期状態を液状にも出来る為、取り扱い性に優れたものとなることを特徴とする。
硬化性液状樹脂[A]は、分子内に反応性基を有し硬化性がある液状樹脂が好ましい。硬化性液状樹脂の具体例としては、アクリル系硬化性樹脂やメタクリル系硬化性樹脂、ポリプロピレンオキサイド系硬化性樹脂に代表されるポリエーテル系硬化性樹脂、ポリイソブチレン系硬化性樹脂に代表されるポリオレフィン系硬化性樹脂、シリコーン系樹脂、等が挙げられる。反応性基としては、エポキシ基、加水分解性シリル基、ビニル基、アクリロイル基、SiH基、ウレタン基、カルボジイミド基、無水カルボン酸基とアミノ基との組合せ、等各種の反応性官能基を用いることができる。これらが2種類の反応性基の組合せ、あるいは反応性基と硬化触媒との反応、により硬化する場合には、2液型組成物として準備した後、基板や発熱体へ塗布する際に2液を混合することにより、硬化性を得ることができる。あるいは加水分解性シリル基を有する硬化性樹脂の場合には、空気中の湿気と反応して硬化できることから、一液型室温硬化性組成物とすることも可能である。ビニル基とSiH基とPt触媒との組合せの場合や、ラジカル開始剤とアクリロイル基の組み合わせ、等の場合には、一液型硬化性組成物あるいは二液型硬化性組成物とした後、架橋温度にまで加熱させたり、紫外線や電子線等の架橋エネルギーを付与したりすることにより、硬化させることもできる。一般的には、放熱構造体全体をある程度加熱するのが容易である場合には、加熱硬化型硬化性組成物を用いるのが好ましく、放熱構造体の加熱が困難である場合には、二液型硬化性組成物とするか、湿気硬化型組成物とするのが好ましいが、これらに限定されるものではない。
硬化については空気酸化硬化型、湿気硬化型、光硬化型、熱硬化型等のいずれの硬化型でも用いることができ、併用してもよい。
硬化性液状樹脂の中でも、低分子量シロキサンによる電子機器内汚染の問題が少ないこと、耐熱性に優れていること等から、硬化性アクリル系樹脂または硬化性ポリプロピレンオキサイド系樹脂を用いるのが好ましい。硬化性アクリル系樹脂としては、公知のさまざまな反応性アクリル樹脂を用いることができる。これらの中でも、分子末端に反応性基を有するアクリル系オリゴマーを用いるのが好ましい。これら硬化性アクリル系樹脂としては、リビングラジカル重合、特に原子移動ラジカル重合にて製造された硬化性アクリル系樹脂と、硬化触媒との組合せを最も好ましく用いることができる。このような樹脂の例として、(株)カネカ製カネカXMAPが良く知られている。また、硬化性ポリプロピレンオキサイド系樹脂としては、公知の様々な反応性ポリプロピレンオキサイド樹脂を用いることができ、例えば、(株)カネカ製カネカMSポリマーを挙げることができる。これら硬化性液状樹脂は、単独で使用してもよく、2種類以上併用して使用しても良い。
本発明では特に、ポリエーテル系硬化性液状樹脂を用いることが好ましく、特にアクリル系硬化性樹脂を用いることが好ましい。また、[B]の液−固相変化に伴う体積変化に対して、柔軟性に優れ、[B]の漏れを抑制することができる。
[A]の含有量が少なすぎると、熱伝導性硬化物を形成することが困難であり、[A]が多すぎると、その分[B]の含有量が減少し、蓄熱性能に劣る。
[A]及び[B]の相性が悪い場合は、[B]が漏れ出す可能性があるため、相性の良いものを選択する必要がある。
[A]及び[B]の相性が悪い場合は、[B]が漏れ出す可能性があるため、相性の良いものを選択する必要がある。
[B]は、25〜150℃に融点を有する蓄熱剤である。具体的には脂肪族炭化水素、糖アルコール類、または無機塩類が用いる成分として挙げられる。
より具体的に脂肪族炭化水素としては、例えば、ドデカン、テトラデカン、ペンタデカン、ヘキサデカン、ヘプタデカン、オクタデカン、ノナデカン、エイコサン、ヘネイコサン、ドコサン、テトラコサン、ヘキサコサン、ヘプタコサン、オクタコサン、トリアコンタン、パラフィンワックス等およびこれらの誘導体が挙げられる。
糖アルコール類としてはポリエチレングリコール、キシリトール、トレイトール、エリスリトール、ガラクチトール、イジトール、ダルシトール、マンニトール、イノシトール、ガラクチトール、及びペンタエリスリトール等またこれらの誘導体が挙げられる。
無機塩類としては塩化マグネシウム、硫酸アルミニウム、硫酸アンモニウムアルミニウム、硫酸アンモニウムカリウム、硫酸マグネシウム、リン酸ナトリウム等の水和塩が挙げられる。
これらのうち、1種または2種以上を併用し、用いることができる。
より具体的に脂肪族炭化水素としては、例えば、ドデカン、テトラデカン、ペンタデカン、ヘキサデカン、ヘプタデカン、オクタデカン、ノナデカン、エイコサン、ヘネイコサン、ドコサン、テトラコサン、ヘキサコサン、ヘプタコサン、オクタコサン、トリアコンタン、パラフィンワックス等およびこれらの誘導体が挙げられる。
糖アルコール類としてはポリエチレングリコール、キシリトール、トレイトール、エリスリトール、ガラクチトール、イジトール、ダルシトール、マンニトール、イノシトール、ガラクチトール、及びペンタエリスリトール等またこれらの誘導体が挙げられる。
無機塩類としては塩化マグネシウム、硫酸アルミニウム、硫酸アンモニウムアルミニウム、硫酸アンモニウムカリウム、硫酸マグネシウム、リン酸ナトリウム等の水和塩が挙げられる。
これらのうち、1種または2種以上を併用し、用いることができる。
[B]の融解熱量としては示差走査型熱量計(DSC )で測定された融解熱量が100 J g−1以上であることが好ましい。
ここで、融点、融解熱量はDSCを用いて測定した。窒素雰囲気下で、まず一定温度で昇温し、200 ℃で完全に融解させた後、一定温度で−30℃まで降温し、再度200 ℃まで昇温する。2 回目の昇温時の示差熱を測定し融解に相当するピークのピーク点を融点とする。融解熱量は、上述のピークにおいて、160 ℃以上のほぼ直線と見なされる示差熱曲線をベースラインとし、その低温側への延長線と示差熱曲線との間に挟まれた領域の面積から求められるそれぞれの熱量をサンプル重量で換算して求めた値である。
ここで、融点、融解熱量はDSCを用いて測定した。窒素雰囲気下で、まず一定温度で昇温し、200 ℃で完全に融解させた後、一定温度で−30℃まで降温し、再度200 ℃まで昇温する。2 回目の昇温時の示差熱を測定し融解に相当するピークのピーク点を融点とする。融解熱量は、上述のピークにおいて、160 ℃以上のほぼ直線と見なされる示差熱曲線をベースラインとし、その低温側への延長線と示差熱曲線との間に挟まれた領域の面積から求められるそれぞれの熱量をサンプル重量で換算して求めた値である。
[B]の融点は25〜150℃が好ましく、より好ましくは30〜100℃であり、さらには35〜80℃であることが好ましい。
[B]の含有量としては、体積部数で[A]100部に対し、10〜500部、好ましくは、20〜300部、さらに好ましくは30〜200部である。
このように本発明では、組成物中に[B]を多く含むことができ、優れた蓄熱性能を示すことができ、また組成物を液状として扱えるため接触性がよく熱対策に非常に効果的である。
このように本発明では、組成物中に[B]を多く含むことができ、優れた蓄熱性能を示すことができ、また組成物を液状として扱えるため接触性がよく熱対策に非常に効果的である。
本発明者らは、これまでの研究にて、非硬化性液状樹脂を用い、さらに、多量の[B]を用いている2成分の系において、特に、[B]成分の相変化温度以上では形状の変形が起こり、漏れ出しが生じることを確認している。本発明では、[A]を含むことにより、取り扱い性に優れ、また、熱伝導性硬化物の形状を保持することができ、[B]の漏れ抑制に優れた熱伝導性硬化物を得ることが可能となり、また、[B]と[C]との相乗効果により、放熱対策として優れた熱伝導性硬化物を得ることが出来ることを特徴とするものである。
このような効果は、[A]を含むことで、[B]が[A]内に分散され、そのような状態を維持したまま熱伝導性硬化物にすることができるため、[B]の漏れ出しを起こり難くすることができるものと思われる。
[C]は、熱伝導性充填剤である。熱伝導性硬化性組成物に用いられる熱伝導性充填剤としては、市販されている一般的な良熱伝導性充填剤を用いることが出来る。なかでも、熱伝導率、入手性、絶縁性等の電気特性を付与可能、充填性、毒性、等種々の観点から、グラファイト、ダイヤモンド、等の炭素化合物;酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化ベリリウム、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛等の金属酸化物;窒化ホウ素、窒化アルミニウム、窒化ケイ素等の金属窒化物;炭化ホウ素、炭化アルミニウム、炭化ケイ素等の金属炭化物;水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム等の金属水酸化物;炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム等の金属炭酸塩;結晶性シリカ:アクリロニトリル系ポリマー焼成物、フラン樹脂焼成物、クレゾール樹脂焼成物、ポリ塩化ビニル焼成物、砂糖の焼成物、木炭の焼成物等の有機性ポリマー焼成物;Znフェライトとの複合フェライト;Fe−Al−Si系三元合金;金属粉末、等が好ましく挙げられる。
さらに、入手性や熱伝導性の観点から、グラファイト、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化チタン、酸化亜鉛、窒化ホウ素、窒化アルミニウム、炭化ケイ素、水酸化アルミニウム、炭酸マグネシウム、結晶化シリカがより好ましく、グラファイト、α―アルミナ、六方晶窒化ホウ素、窒化アルミニウム、水酸化アルミニウム、Mn−Zn系ソフトフェライト、Ni−Zn系ソフトフェライト、Fe−Al−Si系三元合金(センダスト)、カルボニル鉄、鉄ニッケル合金(パーマロイ)がより好ましく、球状化グラファイト、丸み状あるいは球状のα―アルミナ、球状化六方晶窒化ホウ素、窒化アルミニウム、水酸化アルミニウム、Mn−Zn系ソフトフェライト、Ni−Zn系ソフトフェライト、球状Fe−Al−Si系三元合金(センダスト)、カルボニル鉄、が特に好ましい。本発明でカルボニル鉄を用いる場合には、還元カルボニル鉄粉であることが望ましい。還元カルボニル鉄粉とは、標準グレードではなく、還元グレードに分類されるカルボニル鉄粉であり、標準グレードに比べ、カーボンと窒素の含有量が低いことが特徴である。
また、これらの熱伝導性充填剤は、樹脂に対する分散性が向上する点から、シランカップリング剤(ビニルシラン、エポキシシラン、(メタ)アクリルシラン、イソシアナートシラン、クロロシラン、アミノシラン等)やチタネートカップリング剤(アルコキシチタネート、アミノチタネート等)、又は、脂肪酸(カプロン酸、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘニン酸等の飽和脂肪酸、ソルビン酸、エライジン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、エルカ酸等の不飽和脂肪酸等)や樹脂酸(アビエチン酸、ピマル酸、レボピマール酸、ネオアピチン酸、パラストリン酸、ジヒドロアビエチン酸、イソピマール酸、サンダラコピマール酸、コルム酸、セコデヒドロアビエチン酸、ジヒドロアビエチン酸等)等により、表面が処理されたものであることが好ましい。
このような熱伝導性充填剤の使用量としては、本発明の硬化性組成物から得られる熱伝導性樹脂の熱伝導率を高くすることができる点から、熱伝導性充填剤の体積部数が[A]100部にたいして[C]30 部以上となることが好ましい。30 部よりも少ない場合は、熱伝導性が十分でなくなる傾向がある。さらに高い熱伝導率を望む場合は、熱伝導性充填剤の使用量を[A]100部に対して[C]50 部以上とすることがより好ましく、70 部以上とすることがさらに好ましく、90 部以上とすることが特に好ましい。また熱伝導性充填剤が非常に多い場合は、硬化前の熱伝導性硬化性組成物の粘度が高くなりすぎることがある。
また、樹脂に対する熱伝導性充填剤の充填率を高める1手法として、粒子径の異なる熱伝導性充填剤を2種類以上併用することが好適である。この場合、粒子径の大きい熱伝導性充填剤と、粒子径の小さい熱伝導性充填剤との粒径比を100/5〜100/20程度とすることが好ましい。
またこれら熱伝導性充填剤は、同一種類の熱伝導性充填剤だけでなく、種類の異なる2種以上を併用することもできる。また本発明の効果を妨げない程度に、熱伝導性充填剤以外の各種充填材を必要に応じて用いても良い。熱伝導性充填剤以外の各種充填材としては、特に限定されないが、木粉、パルプ、木綿チップ、アスベスト、ガラス繊維、炭素繊維、マイカ、クルミ殻粉、もみ殻粉、ケイソウ土、白土、シリカ(ヒュームドシリカ、沈降性シリカ、溶融シリカ、ドロマイト、無水ケイ酸、含水ケイ酸、非晶質球形シリカ等)、カーボンブラックのような補強性充填材;ケイソウ土、焼成クレー、クレー、タルク、酸化チタン、ベントナイト、有機ベントナイト、酸化第二鉄、アルミニウム微粉末、フリント粉末、活性亜鉛華、亜鉛末、炭酸亜鉛およびシラスバルーン、ガラスミクロバルーン、フェノール樹脂や塩化ビニリデン樹脂の有機ミクロバルーン、PVC粉末、PMMA粉末等の樹脂粉末等の充填材;石綿、ガラス繊維およびガラスフィラメント、炭素繊維、ケブラー繊維、ポリエチレンファイバー等の繊維状充填材等が挙げられる。 これら充填材のうちでは沈降性シリカ、ヒュームドシリカ、溶融シリカ、ドロマイト、カーボンブラック、酸化チタン、タルク等が好ましい。なおこれら充填材の中には、わずかに熱伝導性充填剤としての機能を有しているものもあり、また炭素繊維、各種金属粉、各種金属酸化物、各種有機繊維のように、組成、合成方法、結晶化度、結晶構造によっては優れた熱伝導性充填剤として使用可能となるものもある。
[C]は、平均粒径(D50)が200μm以下、最大粒径(D90)が400μm以下が好ましく、より好ましくはD50が100μm以下、D90が250μm以下であり、さらにはD50が50μm以下、D90が150μm以下であることが好ましい。また[C]の平均粒径(D50)は0.01μm以上であることが好ましい。
[C]としては、例えば、アルミナ、水酸化アルミニウム、窒化ホウ素等が挙げられる。
[A]に対する([B]+[C])の含有量は体積部数で[A]100部に対し([B]+[C])50〜500部、より好ましくは100〜400部、である。50部より少ないと、蓄熱性熱伝導性が劣り、放熱効果を発揮することができない。また500部より多いと取り扱い性に欠けてしまう。
[C]としては、例えば、アルミナ、水酸化アルミニウム、窒化ホウ素等が挙げられる。
[A]に対する([B]+[C])の含有量は体積部数で[A]100部に対し([B]+[C])50〜500部、より好ましくは100〜400部、である。50部より少ないと、蓄熱性熱伝導性が劣り、放熱効果を発揮することができない。また500部より多いと取り扱い性に欠けてしまう。
本発明では、硬化触媒[D]を用いることにより、室温でも湿分で硬化可能な一液型硬化性組成物を得ることができ、容易に硬化反応を進行させることが可能となる。[A]の架橋性官能基の数は特に限定されないが、組成物の硬化性、及び硬化物の物性の観点から、分子中に平均して1個以上有することが好ましく、より好ましくは1.1個以上4.0以下、さらに好ましくは1.2個以上3.5個以下である。[D]としては、例えば、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫ジエチルヘキサノエート、等の有機錫化合物、テトラブチルチタネート等の有機チタン化合物、アルミニウムトリスアセチルアセトナート等の有機アルミニウム化合物、金属キレート化合物類、アミン化合物、等公知のシラノール縮合触媒が例示できる。
[D]は体積部で[A]100部に対し0.1〜10部が好ましい。
[E]である可塑剤は、本発明における組成物において、前記[B]、[C]成分を高充填するために、また組成物の取り扱いの点においても流動性を改善するために添加することが好ましい。
[E]としては、一般的に使用されている可塑剤が使用できる。可塑剤の具体例としては、例えばポリブテン、水添ポリブテン、水添α−オレフィンオリゴマー、アタクチックポリプロピレンなどのポリビニル系オリゴマー;ビフェニル、トリフェニルなどの芳香族系オリゴマー;水添液状ポリブタジエンなどの水添ポリエン系オリゴマー;パラフィン油、塩化パラフィン油などのパラフィン系オリゴマー;ナフテン油などのシクロパラフィン系オリゴマー;ジブチルフタレート、ジヘプチルフタレート、ジ(2−エチルヘキシル)フタレート、ブチルベンジルフタレート、ジn−オクチルフタレート、ジイソノニルフタレート、ジイソデシルフタレート、ジウンデシルフタレートなどのフタル酸エステル類;ジ(2−エチルヘキシル)アジペート、ジn−オクチルアジペート、ジイソノニルアジペート、ジイソデシルアジペート、ジ(2−エチルヘキシル)セバシケート、テトラヒドロフタル酸ジ2−エチルヘキシルなどの非芳香族2塩基酸エステル類;トリメリット酸トリ2−エチルヘキシル、トリメリット酸トリイソデシルなどの芳香族系エステル類;オレイン酸ブチル、アセチルリシノール酸メチル、ペンタエリスリトールエステルなどの脂肪酸エステル類;ジエチレングリコールベンゾエート、トリエチレングリコールジベンゾエートなどのポリアルキレングリコールのエステル類;トリクレジルホスフェート、トリブチルホスフェートなどのリン酸エステル類;エポキシ化大豆油、エポキシ化アマニ油などのエポキシ可塑剤等が挙げられる。その中でも、本発明に用いる飽和炭化水素系重合体との相溶性、ヒドロシリル化反応への阻害有無、得られる硬化物の耐久性などの点から、不飽和結合を含まない水添ポリブテン、水添液状ポリブタジエン、水添α−オレフィンオリゴマー、パラフィン油、ナフテン油、アタクチックポリプロピレンなどの炭化水素系化合物類が好ましい。また、このような炭化水素系化合物類を可塑剤として使用する場合、これが相溶化剤として機能することによりフタル酸ジアルキルエステルや2塩基脂肪酸アルキルエステルなどのエステル系可塑剤の使用も可能となる。
可塑剤の配合量が多い場合には、得られる硬化物は柔軟性に富む反面、強度が弱く脆い弾性体となってしまうことから、これら可塑剤の使用量は体積部で[A]100部に対し100部以下であることが好ましく、さらには500部以下であることがより好ましい。
また、本発明の蓄熱性熱伝導性硬化性組成物は、上記成分の他に、必要に応じ添加剤等を加えてもよい。
また、本発明の蓄熱性熱伝導性硬化性組成物は、上記成分の他に、必要に応じ添加剤等を加えてもよい。
<脱水剤>
硬化性組成物は、作製する際の水分等によって、その貯蔵している間に増粘、ゲル化が進み、使用する際の作業性に難が生じたり、また、その増粘、ゲル化が進んだ硬化性組成物を使用することにより、硬化後の硬化物の物性が低下して、本来の目的である密着性等を損なったりする問題が生じることがある。つまり硬化性組成物の貯蔵安定性が問題となることがある。
硬化性組成物は、作製する際の水分等によって、その貯蔵している間に増粘、ゲル化が進み、使用する際の作業性に難が生じたり、また、その増粘、ゲル化が進んだ硬化性組成物を使用することにより、硬化後の硬化物の物性が低下して、本来の目的である密着性等を損なったりする問題が生じることがある。つまり硬化性組成物の貯蔵安定性が問題となることがある。
この硬化性組成物の貯蔵安定性を改良するには、硬化性組成物に、共沸脱水により含水分量を減らす方法がある。例えば、水に対して極小共沸点を有する揮発性有機化合物を0.1〜10重量部程度添加し、均一に混合した後、50〜90℃程度に加熱し真空ポンプで吸引しながら水−有機化合物の共沸組成物を系外に取出す方法が挙げられる。水に対して極小共沸点を有する揮発性有機化合物としては塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素、トリクロロエチレン等のハロゲン化物;エタノール、アリルアルコール、1−プロパノール、ブタノール等のアルコール類;酢酸エチル、プロピオン酸メチル等のエステル類;メチルエチルケトン、3−メチル−2−ブタノン等のケトン類;エチルエーテル、イソプロピルエーテル等のエーテル類;ベンゼン、トルエン、キシレン、ヘキサン等の炭化水素類等が例示できる。しかしながら、この方法は脱揮操作が入るため、揮発性の他の配合剤に対する工夫が必要となったり、共沸させる揮発性有機化合物の処理、回収等が必要になったりする。そのため、以下の脱水剤を添加する方が好ましいことがある。
上述の様に、本発明の硬化性組成物には、貯蔵安定性を改良する目的で硬化性組成物中の水分を除去するための脱水剤を添加することができる。脱水剤としては、例えば、5酸化リンや炭酸水素ナトリウム、硫酸ナトリウム(無水ボウ硝)、モレキュラーシーブス等の無機固体等が挙げられる。これらの固体脱水剤でも構わないが、添加後の液性が酸性や塩基性に傾いて逆に縮合し易く貯蔵安定性が悪くなったり、固体を後で取り除くなどの作業性が悪くなったりすることもあるため、後述の、液状の加水分解性のエステル化合物が好ましい。加水分解性のエステル化合物としては、オルトぎ酸トリメチル、オルトぎ酸トリエチル、オルトぎ酸トリプロピル、オルトぎ酸トリブチル等のオルトぎ酸トリアルキルや、オルト酢酸トリメチル、オルト酢酸トリエチル、オルト酢酸トリプロピル、オルト酢酸トリブチル等のオルト酢酸トリアルキル等、およびそれらの化合物から成る群から選ばれるものが挙げられる。
それ以外の加水分解性のエステル化合物としては、更に、式R4−nSiYn(式中、Yは加水分解可能な基、Rは有機基で官能基を含んでいても含まなくともよい。nは1〜4の整数であり、好ましくは3または4である)で示される加水分解性有機シリコーン化合物が挙げられ、その具体例としては、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、メチルトリアセトキシシラン、オルトケイ酸テトラメチル(テトラメトキシシランないしはメチルシリケート)、オルトケイ酸テトラエチル(テトラエトキシシランないしはエチルシリケート)、オルトケイ酸テトラプロピル、オルトケイ酸テトラブチル等のシラン化合物またはこれらの部分加水分解縮合物、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン等のシランカップリング剤、またはこれらの部分加水分解縮合物等が挙げられる。これらの中から1種または2種以上併用して配合することができる。
上記の脱水剤は、貯蔵中にビニル系重合体が加水分解し、シラノール縮合反応により三次元的網状組織を形成することを防ぐのみならず、ケチミンが水によって分解し、エポキシ樹脂と反応し硬化することを防ぐため、貯蔵安定性改良剤としてはより好ましい。
貯蔵安定性改良剤の使用量としては、硬化性液状樹脂(特に架橋性シリル基を有する重合体)100重量部に対し、0.1〜30重量部が好ましく、0.3〜20重量部がより好ましく、0.5〜10重量部がさらに好ましい。
なお、これらの貯蔵安定性改良剤を添加する際には硬化性組成物を無水の状態にしてから行なうのが好ましいが、水分を含んだままの状態で添加しても構わない。
<接着性付与剤>
本発明の硬化性組成物には、シランカップリング剤や、シランカップリング剤以外の接着性付与剤を添加することができる。接着付与剤を添加すると、熱伝導材に発熱体と放熱体とを接着するための接着剤としての機能も同時に付与することが可能である。また、場合によっては接着性向上の為に用いるプライマーの使用の必要性がなくなり、作業の簡略化が期待される。シランカップリング剤の具体例としてはアミノ基や、メルカプト基、エポキシ基、カルボキシル基、ビニル基、イソシアネート基、イソシアヌレート、ハロゲン等の官能基をもったシランカップリング剤が例示でき、その具体例としては、γ−イソシアネートプロピルトリメトキシシラン、γ−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン、γ−イソシアネートプロピルメチルジエトキシシラン、γ−イソシアネートプロピルメチルジメトキシシラン等のイソシアネート基含有シラン類;γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリイソプロポキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルメチルジエトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリイソプロポキシシラン、γ−ウレイドプロピルトリメトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−ベンジル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−ビニルベンジル−γ−アミノプロピルトリエトキシシラン等のアミノ基含有シラン類;γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジエトキシシラン等のメルカプト基含有シラン類;γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン等のエポキシ基含有シラン類;β−カルボキシエチルトリエトキシシラン、β−カルボキシエチルフェニルビス(2−メトキシエトキシ)シラン、N−β−(カルボキシメチル)アミノエチル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン等のカルボキシシラン類;ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アクロイルオキシプロピルメチルトリエトキシシラン等のビニル型不飽和基含有シラン類;γ−クロロプロピルトリメトキシシラン等のハロゲン含有シラン類;トリス(トリメトキシシリル)イソシアヌレート等のイソシアヌレートシラン類、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルファン等のポリスルファン類等を挙げることができる。また、上記のアミノ基含有シラン類とエポキシ基含有シラン類との反応物、アミノ基含有シラン類とアクロイルオキシ基含有シラン類との反応物、アミノ基含有シラン類とイソシアネート基含有シラン類との反応物も使用できる。また、これらを変性した誘導体である、アミノ変性シリルポリマー、シリル化アミノポリマー、不飽和アミノシラン錯体、フェニルアミノ長鎖アルキルシラン、アミノシリル化シリコーン、ブロックイソシアネートシラン、シリル化ポリエステル等もシランカップリング剤として用いることができる。また、上記のアミノ基含有シラン類と例えばメチルイソブチルケトン等のケトン化合物との反応によって得られるケチミン化合物等もシランカップリング剤として用いることができる。
本発明の硬化性組成物には、シランカップリング剤や、シランカップリング剤以外の接着性付与剤を添加することができる。接着付与剤を添加すると、熱伝導材に発熱体と放熱体とを接着するための接着剤としての機能も同時に付与することが可能である。また、場合によっては接着性向上の為に用いるプライマーの使用の必要性がなくなり、作業の簡略化が期待される。シランカップリング剤の具体例としてはアミノ基や、メルカプト基、エポキシ基、カルボキシル基、ビニル基、イソシアネート基、イソシアヌレート、ハロゲン等の官能基をもったシランカップリング剤が例示でき、その具体例としては、γ−イソシアネートプロピルトリメトキシシラン、γ−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン、γ−イソシアネートプロピルメチルジエトキシシラン、γ−イソシアネートプロピルメチルジメトキシシラン等のイソシアネート基含有シラン類;γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリイソプロポキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルメチルジエトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリイソプロポキシシラン、γ−ウレイドプロピルトリメトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−ベンジル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−ビニルベンジル−γ−アミノプロピルトリエトキシシラン等のアミノ基含有シラン類;γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジエトキシシラン等のメルカプト基含有シラン類;γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン等のエポキシ基含有シラン類;β−カルボキシエチルトリエトキシシラン、β−カルボキシエチルフェニルビス(2−メトキシエトキシ)シラン、N−β−(カルボキシメチル)アミノエチル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン等のカルボキシシラン類;ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アクロイルオキシプロピルメチルトリエトキシシラン等のビニル型不飽和基含有シラン類;γ−クロロプロピルトリメトキシシラン等のハロゲン含有シラン類;トリス(トリメトキシシリル)イソシアヌレート等のイソシアヌレートシラン類、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルファン等のポリスルファン類等を挙げることができる。また、上記のアミノ基含有シラン類とエポキシ基含有シラン類との反応物、アミノ基含有シラン類とアクロイルオキシ基含有シラン類との反応物、アミノ基含有シラン類とイソシアネート基含有シラン類との反応物も使用できる。また、これらを変性した誘導体である、アミノ変性シリルポリマー、シリル化アミノポリマー、不飽和アミノシラン錯体、フェニルアミノ長鎖アルキルシラン、アミノシリル化シリコーン、ブロックイソシアネートシラン、シリル化ポリエステル等もシランカップリング剤として用いることができる。また、上記のアミノ基含有シラン類と例えばメチルイソブチルケトン等のケトン化合物との反応によって得られるケチミン化合物等もシランカップリング剤として用いることができる。
シランカップリング剤は、通常、硬化性液状樹脂(特に架橋性シリル基を有する重合体)100部に対し、0.1〜20部の範囲で使用することが好ましい。特に、0.5〜10部の範囲で使用するのがより好ましい。本発明の硬化性組成物に添加されるシランカップリング剤の効果は、各種被着体、すなわち、ガラス、アルミニウム、ステンレス、亜鉛、銅、モルタルなどの無機基材や、塩ビ、アクリル、ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネートなどの有機基材に用いた場合、ノンプライマー条件またはプライマー処理条件下で、著しい接着性改善効果を示すことである。ノンプライマー条件下で使用した場合には、各種被着体に対する接着性を改善する効果が特に顕著である。また、使用量が硬化性液状樹脂100部に対し1部程度であれば、硬化物の透明性にほとんど影響しない。
シランカップリング剤以外の具体例としては、特に限定されないが、例えば、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリスチレン‐ポリブタジエン‐ポリスチレン、ポリスチレン‐ポリイソプレン‐ポリスチレン、ポリスチレン−ポリイソプレン/ブタジエン共重合体‐ポリスチレン、ポリスチレン‐ポリエチレン/プロピレン共重合体‐ポリスチレン、ポリスチレン‐ポリエチレン/ブチレン共重合体‐ポリスチレン、ポリスチレン‐ポリイソブテン‐ポリスチレン等の直鎖状または分岐状のブロック共重合体、アルキルスルフォン酸エステル、硫黄、アルキルチタネート類、芳香族ポリイソシアネート等が挙げられる。エポキシ樹脂は上記のアミノ基含有シラン類と反応させて使用することができる。
上記接着性付与剤は1種類のみで使用しても良いし、2種類以上混合使用しても良い。これら接着性付与剤は添加することにより被着体に対する接着性を改善することができる。特に限定はされないが、接着性、特に金属被着面に対する接着性を向上させるために、上記接着性付与剤の中でもシランカップリング剤を0.1〜20重量部、併用することが好ましい。
接着性付与剤の種類や添加量は、例えば、本発明の硬化性液状樹脂が架橋性シリル基である場合の架橋性シリル基、一般式(1)中のYの種類とaの数によって選択することが可能であり、目的や用途に応じて本発明の硬化性や機械物性等を制御することが可能である。特に硬化性や伸びに影響するためその選択には注意が必要である。
<酸化防止剤>
本発明の硬化性組成物には、必要に応じて酸化防止剤を添加しても良い。酸化防止剤は各種のものが知られており、例えば大成社発行の「酸化防止剤ハンドブック」、シーエムシー化学発行の「高分子材料の劣化と安定化」(235〜242)等に記載された種々のものが挙げられるが、これらに限定されるわけではない。 例えば、MARK PEP−36、MARK AO−23等のチオエーテル系(以上いずれも旭電化工業製)、Irgafos38、Irgafos168、IrgafosP−EPQ(以上いずれもチバ・スペシャルティ・ケミカルズ製)等のようなリン系酸化防止剤等が挙げられる。なかでも、以下に示したようなヒンダードフェノール系化合物が好ましい。
本発明の硬化性組成物には、必要に応じて酸化防止剤を添加しても良い。酸化防止剤は各種のものが知られており、例えば大成社発行の「酸化防止剤ハンドブック」、シーエムシー化学発行の「高分子材料の劣化と安定化」(235〜242)等に記載された種々のものが挙げられるが、これらに限定されるわけではない。 例えば、MARK PEP−36、MARK AO−23等のチオエーテル系(以上いずれも旭電化工業製)、Irgafos38、Irgafos168、IrgafosP−EPQ(以上いずれもチバ・スペシャルティ・ケミカルズ製)等のようなリン系酸化防止剤等が挙げられる。なかでも、以下に示したようなヒンダードフェノール系化合物が好ましい。
ヒンダードフェノール系化合物としては、具体的には以下のものが例示できる。2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール、2,6−ジ−tert−ブチル−4−エチルフェノール、モノ(又はジ又はトリ)(αメチルベンジル)フェノール、2,2’−メチレンビス(4エチル−6−tert−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4メチル−6−tert−ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデンビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、4,4’−チオビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、2,5−ジ−tert−ブチルハイドロキノン、2,5−ジ−tert−アミルハイドロキノン、トリエチレングリコール−ビス−[3−(3−t−ブチル−5−メチル−4ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、1,6−ヘキサンジオール−ビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、2,4−ビス−(n−オクチルチオ)−6−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルアニリノ)−1,3,5−トリアジン、ペンタエリスリチル−テトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、2,2−チオ−ジエチレンビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、N,N’−ヘキサメチレンビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ−ヒドロシンナマミド)、3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ−ベンジルフォスフォネート−ジエチルエステル、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、ビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホン酸エチル)カルシウム、トリス−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート、2,4−2,4−ビス[(オクチルチオ)メチル]o−クレゾール、N,N’−ビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニル]ヒドラジン、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)フォスファイト、2−(5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−[2−ヒドロキシ−3,5−ビス(α,α−ジメチルベンジル)フェニル]−2H−ベンゾトリアゾール、2−(3,5−ジ−t−ブチル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3−t−ブチル−5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(3,5−ジ−t−ブチル−2−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(3,5−ジ−t−アミル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−t−オクチルフェニル)−ベンゾトリアゾール、メチル−3−[3−t−ブチル−5−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−ヒドロキシフェニル]プロピオネート−ポリエチレングリコール(分子量約300)との縮合物、ヒドロキシフェニルベンゾトリアゾール誘導体、2−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2−n−ブチルマロン酸ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)、2,4−ジ−t−ブチルフェニル−3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート等が挙げられる。
商品名で言えば、ノクラック200、ノクラックM−17、ノクラックSP、ノクラックSP−N、ノクラックNS−5、ノクラックNS−6、ノクラックNS−30、ノクラック300、ノクラックNS−7、ノクラックDAH(以上いずれも大内新興化学工業製)、MARK AO−30、MARK AO−40、MARK AO−50、MARK AO−60、MARK AO−616、MARK AO−635、MARK AO−658、MARK AO−80、MARK AO−15、MARK AO−18、MARK 328、MARK AO−37(以上いずれも旭電化工業製)、IRGANOX−245、IRGANOX−259、IRGANOX−565、IRGANOX−1010、IRGANOX−1024、IRGANOX−1035、IRGANOX−1076、IRGANOX−1081、IRGANOX−1098、IRGANOX−1222、IRGANOX−1330、IRGANOX−1425WL(以上いずれもチバ・スペシャルティ・ケミカルズ製)、SumilizerGM、SumilizerGA−80(以上いずれも住友化学製)等が例示できるがこれらに限定されるものではない。
酸化防止剤は後述する光安定剤と併用してもよく、併用することによりその効果を更に発揮し、特に耐熱性が向上することがあるため特に好ましい。予め酸化防止剤と光安定剤を混合してあるチヌビンC353、チヌビンB75(以上いずれもチバ・スペシャルティ・ケミカルズ製)などを使用しても良い。
酸化防止剤の使用量は、硬化性液状樹脂100重量部に対して0.1〜10重量部の範囲であることが好ましい。0.1重量部未満では耐候性を改善の効果が少なく、5重量部超では効果に大差がなく経済的に不利である。
<耐光安定剤>
本発明の硬化性組成物には、必要に応じて耐光安定剤を添加しても良い。耐光安定剤は各種のものが知られており、例えば大成社発行の「酸化防止剤ハンドブック」、シーエムシー化学発行の「高分子材料の劣化と安定化」(235〜242)等に記載された種々のものが挙げられる。これらに限定されるわけではないが、耐光安定剤の中では、紫外線吸収剤やヒンダードアミン系光安定剤化合物が好ましい。具体的には、チヌビンP、チヌビン234、チヌビン320、チヌビン326、チヌビン327、チヌビン329、チヌビン213(以上いずれもチバ・スペシャルティ・ケミカルズ製)等のようなベンゾトリアゾール系化合物やチヌビン1577等のようなトリアジン系、CHIMASSORB81等のようなベンゾフェノン系、チヌビン120(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ製)等のようなベンゾエート系化合物等が例示できる。
また、ヒンダードアミン系化合物も好ましく、そのような化合物を以下に記載する。
コハク酸ジメチル−1−(2−ヒドロキシエチル)−4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン重縮合物、ポリ[{6−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)アミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル}{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}]、N,N’−ビス(3アミノプロピル)エチレンジアミン−2,4−ビス[N−ブチル−N−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)アミノ]−6−クロロ−1,3,5−トリアジン縮合物、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、コハク酸−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリディニル)エステル等が挙げられる。
本発明の硬化性組成物には、必要に応じて耐光安定剤を添加しても良い。耐光安定剤は各種のものが知られており、例えば大成社発行の「酸化防止剤ハンドブック」、シーエムシー化学発行の「高分子材料の劣化と安定化」(235〜242)等に記載された種々のものが挙げられる。これらに限定されるわけではないが、耐光安定剤の中では、紫外線吸収剤やヒンダードアミン系光安定剤化合物が好ましい。具体的には、チヌビンP、チヌビン234、チヌビン320、チヌビン326、チヌビン327、チヌビン329、チヌビン213(以上いずれもチバ・スペシャルティ・ケミカルズ製)等のようなベンゾトリアゾール系化合物やチヌビン1577等のようなトリアジン系、CHIMASSORB81等のようなベンゾフェノン系、チヌビン120(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ製)等のようなベンゾエート系化合物等が例示できる。
また、ヒンダードアミン系化合物も好ましく、そのような化合物を以下に記載する。
コハク酸ジメチル−1−(2−ヒドロキシエチル)−4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン重縮合物、ポリ[{6−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)アミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル}{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}]、N,N’−ビス(3アミノプロピル)エチレンジアミン−2,4−ビス[N−ブチル−N−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)アミノ]−6−クロロ−1,3,5−トリアジン縮合物、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、コハク酸−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリディニル)エステル等が挙げられる。
商品名で言えば、チヌビン622LD、チヌビン144、CHIMASSORB944LD、CHIMASSORB119FL、Irgafos168、(以上いずれもチバ・スペシャルティ・ケミカルズ製)、MARK LA−52、MARK LA−57、MARK LA−62、MARK LA−67、MARK LA−63、MARK LA−68、MARK LA−82、MARK LA−87、(以上いずれも旭電化工業製)、サノールLS−770、サノールLS−765、サノールLS−292、サノールLS−2626、サノールLS−1114、サノールLS−744、サノールLS−440(以上いずれも三共製)などが例示できるがこれらに限定されるものではない。
耐光安定剤は前述した酸化防止剤と併用してもよく、併用することによりその効果を更に発揮し、特に耐候性が向上することがあるため特に好ましい。組合せは特に限定されないが、前述のヒンダードフェノール系酸化防止剤と例えばベンゾトリアゾール系の紫外線吸収剤との組合せや前述のヒンダードフェノール系酸化防止剤とヒンダードアミン系光安定剤化合物との組合せが好ましい。あるいは、前述のヒンダードフェノール系酸化防止剤と例えばベンゾトリアゾール系の紫外線吸収剤とヒンダードアミン系光安定剤化合物との組合せが好ましい。予め光安定剤と酸化防止剤を混合してあるチヌビンC353、チヌビンB75(以上いずれもチバ・スペシャルティ・ケミカルズ製)などを使用しても良い。
ヒンダードアミン系光安定剤は前述した光硬化性物質と併用してもよく、併用することによりその効果を更に発揮し、特に耐候性が向上することがあるため特に好ましい。組合せは特に限定されないが、この場合、3級アミン含有のヒンダードアミン系光安定剤が貯蔵中の粘度上昇が少なく貯蔵安定性が良好のため好ましい。
ヒンダードアミン系光安定剤は前述した光硬化性物質と併用してもよく、併用することによりその効果を更に発揮し、特に耐候性が向上することがあるため特に好ましい。組合せは特に限定されないが、この場合、3級アミン含有のヒンダードアミン系光安定剤が貯蔵中の粘度上昇が少なく貯蔵安定性が良好のため好ましい。
光安定剤の使用量は、硬化性液状樹脂100重量部に対して0.1〜10重量部の範囲であることが好ましい。0.1重量部未満では耐候性を改善の効果が少なく、5重量部超では効果に大差がなく経済的に不利である。
<その他の添加剤>
本発明の硬化性組成物には、硬化性組成物又は硬化物の諸物性の調整を目的として、必要に応じて各種添加剤を添加してもよい。このような添加物の例としては、たとえば、溶剤、可塑剤、増粘剤、緩衝剤、分散剤、架橋剤、防腐剤、防黴剤、抗菌剤、防藻剤、湿潤剤、消泡剤、レベリング剤、脱水剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、光安定剤、接着性付与剤、香料、難燃剤、硬化性調整剤、金属不活性化剤、オゾン劣化防止剤、リン系過酸化物分解剤、滑剤、顔料、発泡剤などがあげられる。これらの各種添加剤は単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。
<その他の添加剤>
本発明の硬化性組成物には、硬化性組成物又は硬化物の諸物性の調整を目的として、必要に応じて各種添加剤を添加してもよい。このような添加物の例としては、たとえば、溶剤、可塑剤、増粘剤、緩衝剤、分散剤、架橋剤、防腐剤、防黴剤、抗菌剤、防藻剤、湿潤剤、消泡剤、レベリング剤、脱水剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、光安定剤、接着性付与剤、香料、難燃剤、硬化性調整剤、金属不活性化剤、オゾン劣化防止剤、リン系過酸化物分解剤、滑剤、顔料、発泡剤などがあげられる。これらの各種添加剤は単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。
このような添加物の具体例は、たとえば、特公平4−69659号、特公平7−108928号、特開昭63−254149号、特開昭64−22904号の各明細書などに記載されている。
本発明の硬化性組成物は、実質的に無溶剤で使用できる。作業性の観点等から溶剤を使用しても構わないが、環境への影響から使用しないことが望ましい。
本発明の硬化性組成物は、すべての配合成分を予め配合密封保存し、塗布後空気中の湿気により硬化する1成分型として調製しても良く、硬化性液状樹脂(特に架橋性シリル基を有する重合体)とその硬化剤・硬化触媒を別々にして、別途、充填材、可塑剤、水等の成分を配合しておき、該配合材を使用前に混合する2成分型として調整しても良い。
本発明の硬化性組成物は、すべての配合成分を予め配合密封保存し、塗布後空気中の湿気により硬化する1成分型として調製しても良く、硬化性液状樹脂(特に架橋性シリル基を有する重合体)とその硬化剤・硬化触媒を別々にして、別途、充填材、可塑剤、水等の成分を配合しておき、該配合材を使用前に混合する2成分型として調整しても良い。
例えば、限定はされないが、A剤として、硬化性液状樹脂(特に架橋性シリル基を有する重合体)等を調整し、B剤として、硬化性液状樹脂の硬化触媒としての錫化合物、水等を調整しておき、塗布直前に上記のA剤とB剤を混合して使用することも可能である。
1成分型にすると、塗布の際に混合・混練する手間が不要となり、同時にその際に生じる計量ミス(混合比の間違い)もなくなるため、硬化不良等のミスを防ぐことができる。
1成分型にすると、塗布の際に混合・混練する手間が不要となり、同時にその際に生じる計量ミス(混合比の間違い)もなくなるため、硬化不良等のミスを防ぐことができる。
本発明の硬化性組成物は、公知の方法により加工することができる。
例えば、各種成分を混合した硬化性組成物を、所定の型枠に流し込み、成形させることにより、パネル状、シート状、または、所定の型の硬化性組成物を得る方法(型枠工法)、
各種成分を混合した硬化性組成物を、押出し成形機および、または延伸成形機を用いて、圧延することにより、シート状の硬化性組成物を得る方法(圧延工法)、等が挙げられる。
例えば、型枠工法は、所定の型枠に硬化性組成物を流しこみ、成形させて硬化物を得る方法であり、製造しやすいように、予め硬化性組成物を昇温し、流しこみやすくしておいてもよい。また、後述する材料を予め積層してもよい。
また、圧延工法は、押出し成形機および、または延伸成形機を用いて、圧延する方法であり、製造しやすいように、予め硬化性組成物を昇温し、圧延しやすくしておいてもよい。
例えば、各種成分を混合した硬化性組成物を、所定の型枠に流し込み、成形させることにより、パネル状、シート状、または、所定の型の硬化性組成物を得る方法(型枠工法)、
各種成分を混合した硬化性組成物を、押出し成形機および、または延伸成形機を用いて、圧延することにより、シート状の硬化性組成物を得る方法(圧延工法)、等が挙げられる。
例えば、型枠工法は、所定の型枠に硬化性組成物を流しこみ、成形させて硬化物を得る方法であり、製造しやすいように、予め硬化性組成物を昇温し、流しこみやすくしておいてもよい。また、後述する材料を予め積層してもよい。
また、圧延工法は、押出し成形機および、または延伸成形機を用いて、圧延する方法であり、製造しやすいように、予め硬化性組成物を昇温し、圧延しやすくしておいてもよい。
本発明の硬化性組成物は、取り扱い性に優れたものであり、硬化性組成物を目的箇所に効果的に塗布することができる。また硬化性組成物から得られた硬化物は、蓄熱剤が漏れ出すことがないため変形や切り出し等の加工性に優れており、また使用環境を汚染しない。
本発明の熱伝導性材料用硬化性組成物の使用方法は、特に制限はない。射出成形や押出成形、圧縮成形、液状射出成形、コーター、カレンダーなど一般的に利用されている各種成形方法により、シート状、フィルム、成形体、ガスケットなどの定形状に成形し使用する場合や、接着剤のように不定形で塗布、充填し、その後加熱することなどにより硬化させることができる。
本発明の硬化性組成物は、初期状態を液状として扱うことが可能なため、使用箇所に合わせて塗布することができ、幅広い用途への応用が可能である。また、温度の制御(蓄熱効果)だけでなく、結露防止効果、曇り防止効果を必要とする部位にも有効である。
例えば、ガラス板、アクリル樹脂、ビニル樹脂、PET樹脂等の樹脂板またはシート(フィルムを含む)、ステンレス、銅、アルミニウム、鉄、真鉄、亜鉛、マグネシウム、ニッケル等の金属板又は金属箔、不織布、織布、ガラスクロス等の繊維材料、紙、合成紙等の紙材、木材、パーティクルボード、合板等の木質材、スレート板、石膏ボード、ALC板、珪酸カルシウム板、木毛セメント板、セラミックペーパー、天然石板、無機サイディングボード等の無機質板、金属サイディングボード等の金属材料、金属フィルム、グラスファイバー等のフィルム成形体、発泡性防火材料、難燃材含有材料、ポリスチレン発泡体、硬質ポリウレタンフォームなどのポリウレタン発泡体、アクリル樹脂発泡体、フェノール樹脂発泡体、ポリエチレン樹脂発泡体、発泡ゴム、グラスウール、ロックウール、発泡セラミック等、発熱体等に積層して用いたり、繊維等に埋め込んで用いたり、また、密閉型のラミネートシートやプラスチックケースに封入して用いることもできる。
例えば、ガラス板、アクリル樹脂、ビニル樹脂、PET樹脂等の樹脂板またはシート(フィルムを含む)、ステンレス、銅、アルミニウム、鉄、真鉄、亜鉛、マグネシウム、ニッケル等の金属板又は金属箔、不織布、織布、ガラスクロス等の繊維材料、紙、合成紙等の紙材、木材、パーティクルボード、合板等の木質材、スレート板、石膏ボード、ALC板、珪酸カルシウム板、木毛セメント板、セラミックペーパー、天然石板、無機サイディングボード等の無機質板、金属サイディングボード等の金属材料、金属フィルム、グラスファイバー等のフィルム成形体、発泡性防火材料、難燃材含有材料、ポリスチレン発泡体、硬質ポリウレタンフォームなどのポリウレタン発泡体、アクリル樹脂発泡体、フェノール樹脂発泡体、ポリエチレン樹脂発泡体、発泡ゴム、グラスウール、ロックウール、発泡セラミック等、発熱体等に積層して用いたり、繊維等に埋め込んで用いたり、また、密閉型のラミネートシートやプラスチックケースに封入して用いることもできる。
本発明の熱伝導性材料用硬化性組成物は、発熱性のあるヒーター、温度センサ、CPU、トランジスタなどの電子部品などからの熱を冷却部材等に放散させる熱伝導性材料を形成するものであり、[A]として硬化性液状樹脂をベース樹脂として使用することから、耐熱性、耐候性、耐薬品性、耐水性に優れるため、過酷な使用環境に耐え得るものである。また、電気絶縁性のフィラーを主体に使用する場合は電気絶縁性にも優れ、電気絶縁性が求められる部位に使用できる。一方、電気導電性のフィラーを主体に使用する場合には、電気導電性に優れ、電気導電性が求められる部位にも使用できる。
上記の硬化性組成物の熱伝導率は、熱伝導性硬化性組成物を23℃50%RH条件下で7日養生し、厚み3mm、1辺20mmの直方体サンプルを2枚得た。ホットディスク法熱伝導率測定装置TPA−501(京都電子工業(株)製)を用い、4φサイズのセンサを2枚の試料で挟む方法にて、硬化物の熱伝導率を測定した。
以下に、実施例に基づき本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらにより何ら制限を受けるものではない。
以下に実施例及び比較例を示し、本発明の特徴をより明確にするが、本発明はこの実施例に限定されない。
実施例1、2および比較例1
(1)試料の作成
まず表1の成分を表1の体積部数で混合して、試料となる硬化性組成物を製造した。
実施例1、2および比較例1
(1)試料の作成
まず表1の成分を表1の体積部数で混合して、試料となる硬化性組成物を製造した。
表1の硬化性組成物の各成分は、具体的には以下の通りである。
硬化性液状樹脂:(株)カネカ製 XMAP SA120S
蓄熱剤:日油(株)製 ユニスターH-473D
熱伝導性フィラー:昭和電工(株)製 AS-400
硬化触媒:モメンティブ社製 バーサティック 10
また、日機装(株)製MT3300(LOW-WET)レーザー回折・散乱式粒子径分布測定装置による観察から、AS-400の平均粒子径は13 mmであった。さらに、ティー・エイ・インスツルメント・ジャパン製DSCによる測定より、ユニスターH-473Dは融点52 ℃で、融解熱量は138 J g-1であった。
硬化性液状樹脂:(株)カネカ製 XMAP SA120S
蓄熱剤:日油(株)製 ユニスターH-473D
熱伝導性フィラー:昭和電工(株)製 AS-400
硬化触媒:モメンティブ社製 バーサティック 10
また、日機装(株)製MT3300(LOW-WET)レーザー回折・散乱式粒子径分布測定装置による観察から、AS-400の平均粒子径は13 mmであった。さらに、ティー・エイ・インスツルメント・ジャパン製DSCによる測定より、ユニスターH-473Dは融点52 ℃で、融解熱量は138 J g-1であった。
(2)評価結果
次に、各試料(200mm3)を発熱体の上に乗せ、発熱体の経時温度上昇を熱電対温度計によって観測し、最高到達温度の比較,及び,何も乗せない場合(ブランク試験)より80℃への到達時間がどの程度遅延するかを比較した。発熱体には10mm角1.75mm厚のセラミックヒーター(坂口電熱(株)製 MS-3)を用い、電力0.8 Wで昇温させ20℃無風の環境下で観測した。結果を表2に示す。
次に、各試料(200mm3)を発熱体の上に乗せ、発熱体の経時温度上昇を熱電対温度計によって観測し、最高到達温度の比較,及び,何も乗せない場合(ブランク試験)より80℃への到達時間がどの程度遅延するかを比較した。発熱体には10mm角1.75mm厚のセラミックヒーター(坂口電熱(株)製 MS-3)を用い、電力0.8 Wで昇温させ20℃無風の環境下で観測した。結果を表2に示す。
表2に示すとおり、熱伝導性フィラー及び蓄熱剤を用いることで温度上昇の遅延効果が大きくなることが分かる.
Claims (8)
- 以下の[A]〜[D]成分を含有する蓄熱性熱伝導性硬化性組成物。
[A]硬化性液状樹脂
[B]25〜150℃に融点を有する蓄熱剤
[C]平均粒子径200μm以下の熱伝導性充填剤
[D]硬化触媒 - [E]成分として可塑剤を含有する請求項1記載の硬化性組成物。
- [A]がアクリル系硬化性樹脂、オレフィン系硬化性樹脂またはシリコーン系硬化性樹脂のいずれか単体または複数からなる硬化性液状樹脂である請求項1または2記載の硬化性組成物。
- [B]が、脂肪炭化水素、糖アルコール類および無機塩類からなる群より選択される1種以上のものである請求項1〜3のいずれか1項に記載の硬化性組成物。
- [C]である熱伝導性充填剤が金属酸化物、金属窒化物、金属炭化物、金属水酸化物、結晶性シリカ、金属からなる群より選択される1種以上のものである請求項1〜4のいずれか1項に記載の硬化性組成物。
- [C]である熱伝導性充填剤が、体積部数で[A]100部に対し30部以上である請求項1〜5のいずれか1項に記載の硬化性組成物。
- 請求項1〜6のいずれか1項に記載の硬化性組成物から得られる硬化物。
- 請求項1〜6のいずれか1項に記載の硬化性組成物から得られる成形体。
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