JP2005036386A - 蓄光発光性道路標示材と道路構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】道路のレーンマーク等として有用な、所要の耐磨耗性や耐候性と共に高い蓄光発光性能を有し、緑色の色調を抑えて白線や各種のカラーラインとしての使用が可能となり、さらにはノンスリップ性能をも具有することのできる、新しい蓄光発光性道路標示材を提供する。
【解決手段】透明性樹脂成分とともに蓄光発光性顔料成分を含有する樹脂ペーストが道路表面に敷設されて蓄光発光性層が形成される道路標示材において、樹脂ペーストには、全体量の7〜95重量%の透明性樹脂成分が配合されていることを特徴とする蓄光発光性道路標示材とする。
【解決手段】透明性樹脂成分とともに蓄光発光性顔料成分を含有する樹脂ペーストが道路表面に敷設されて蓄光発光性層が形成される道路標示材において、樹脂ペーストには、全体量の7〜95重量%の透明性樹脂成分が配合されていることを特徴とする蓄光発光性道路標示材とする。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この出願の発明は、蓄光発光性道路標示材と道路構造に関するものである。さらに詳しくは、この出願の発明は、道路のレーンマーク等として有用な、高い蓄光発光性能を有し、蓄光発光顔料を使用しても緑色の色調を抑えて、白線あるいは黄色、オレンジ色等のカラーラインとしての使用が可能ともなる、新しい蓄光発光性道路標示材とこれを用いた道路構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術と発明の課題】
従来より、太陽光や電灯の光エネルギーを吸収して蓄え、数時間にわたってそのエネルギーを光として外部に放光する蓄光発光性顔料がよく知られており、夜間や暗所でも視認性が得られるとのその優れた特徴を生かして、これを道路面の標識に応用することが提案されている。たとえば特開平10−82023号公報には、白色または黄色基材層の上に、透明または半透明の光散乱層が設けられ、さらにその上に蓄光性顔料を含有する透明ないし半透明の蓄光層が設けられていることを特徴とする蓄光発光性道路標示材が提案されている。
【0003】
しかしながら、従来知られている蓄光発光性の道路表示材の場合には、共通して、その蓄光発光性能の持続時間は短く、長時間にわたって視認性を実現することは難しく、また、蓄光顔料を配合することによって、夜間や暗所だけでなく昼間も発光しているため、たとえば、路面に設けたレーンマークの色調が緑色になり、緑色のレーンマーク以外には使用できないという問題があった。また、白色、黄色、オレンジ色等の色調とするために顔料を配合する場合には、どうしても蓄光能力が低下し、発光性能が劣るという欠点があった。
【0004】
具体的にも、たとえば前記の特開平10−82023号公報記載の標示材の場合にも、好ましいとされる配合品を再現しても蓄光発光性が低く、色調は蓄光顔料による緑色が強く、白線のレーンマークには使用できないのが実情であった。
【0005】
さらに、従来の標示材の場合には、道路表面に配設されるにもかかわらず、ノンスリップ性能についてはほとんど考慮されておらず、水による濡れや油分の付着によるスリップの防止は蓄光発光機能を利用する道路標示材にとっての大きな課題であった。
【0006】
そこで、この出願の発明は、以上のとおりの従来の問題点を解消し、道路のレーンマーク等として有用な、所要の耐摩耗性や耐候性とともに高い蓄光発光性能を有し、緑色の色調を抑えて白線や各種のカラーラインとしての使用が可能となり、さらにはノンスリップ性能をも具有することのできる、新しい蓄光発光性道路標示材を提供することを課題としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
この出願の発明は、上記の課題を解決するものとして、第1には、透明性樹脂成分とともに蓄光発光性顔料成分を含有する樹脂ペーストが道路表面に敷設されて蓄光発光性層が形成される道路標示材において、樹脂ペーストには、全体量の7〜95重量%の透明性樹脂成分が配合されていることを特徴とする蓄光発光性道路標示材を提供し、第2には、蓄光発光性顔料成分の平均粒径が10〜2000μmの範囲であることを特徴とする蓄光発光性道路標示材を、第3には、樹脂ペーストには、蓄光発光性顔料成分とともに他の顔料成分が含有されていることを特徴とする蓄光発光性道路標示材を提供する。
【0008】
第4には、他の顔料成分は平均粒径が0.1〜40μmの範囲であることを特徴とする蓄光発光性道路標示材を、第5には、他の顔料成分は、白色、黄色およびオレンジまたは赤色のうちの少くとも1種の顔料であることを特徴とする蓄光発光性道路標示材を、第6には、蓄光発光性顔料成分(A)と他の顔料成分(B)との重量配合比(B/A)が3.0以下であることを特徴とする蓄光発光性道路標示材を、第7には、白色顔料成分としてジルコニウムの酸化物もしくは複合酸化物が配合されていることを特徴とする蓄光発光性道路標示材を、第8には、樹脂ペーストへのジルコニウムの酸化物もしくは複合酸化物の配合が全体量の0.1〜5.0重量%の範囲であることを特徴とする蓄光発光性道路標示材を提供する。
【0009】
また、この出願の発明は、第9には、透明性樹脂成分の粘度が1Pa・s(20℃)以上であることを特徴とする前記の蓄光発光性道路標示材を提供し、第10には、樹脂ペーストにおける単位体積当たりの気泡含有率が2%以下であることを特徴とする蓄光発光性道路標示材を、第11には、樹脂ペーストは、減圧雰囲気下で混合調製されたものであることを特徴とする蓄光発光性道路標示材を提供する。
【0010】
そして、この出願の発明は、第12には、以上いずれかの蓄光発光性道路標示材であって、樹脂ペーストには透明性骨材が配合されていることを特徴とする蓄光発光性道路標示材を提供し、第13には、透明性骨材は珪石、溶融シリカおよびガラスの少くとも1種であることを特徴とする蓄光発光性道路標示材を、第14には、珪石、溶融シリカおよびガラスはその粒径が0.3〜10mmの範囲にあり、樹脂ペースト全体量の0.1〜6重量倍の範囲で配合されていることを特徴とする蓄光発光性道路標示材を提供する。
【0011】
第15には、以上いずれかの道路標示材であって、道路表面に敷設されていることを特徴とする蓄光発光性道路標示材を提供する。
【0012】
さらに、この出願の発明は、第16には、以上いずれかの道路標示材において、樹脂ペーストが道路表面に敷設された後、その硬化前に透明性骨材が散布され、その外形の少くとも一部が露出状態で蓄光発光性層に埋設されていることを特徴とする蓄光発光性道路標示材を提供し、第17には、この場合の透明性骨材は各々がその50体積%以上埋設されていることを特徴とする蓄光発光性道路標示材を、第18には、透明性骨材は、樹脂ペーストの硬化表面部から0.05〜5mmの範囲で突出していることを特徴とする蓄光発光性道路標示材を、第19には、樹脂ペーストの敷設厚みが1〜5mmの範囲であることを特徴とする蓄光発光性道路標示材を、第20には、透明性骨材は珪石、溶融シリカおよびガラスのうちの少くとも1種であり、粒径が0.3〜10mmの範囲であって、1〜10kg/m2の割合で散布されていることを特徴とする蓄光発光性道路標示材を提供する。
【0013】
第21には、前記第12ないし第14のいずれかの発明の透明性骨材が樹脂ペーストに配合された道路標示材において、樹脂ペーストの道路表面への敷設とその硬化の後に、蓄光発光性層の表面が粗研削されるか、またはウォータージェット処理により樹脂ペーストの硬化表面部が除去されていることを特徴とする蓄光発光性道路標示材を提供し、第22には、樹脂ペーストの硬化表面部から0.1〜2mmの範囲で除去されていることを特徴とする蓄光発光性道路標示材を提供する。
【0014】
第23には、以上いずれかの道路標示材が道路表面に配設されていることを特徴とする蓄光発光性道路構造を提供し、第24には、道路標示材が配設されている道路表面には予め白色の下塗り層が配設されていることを特徴とする蓄光発光性道路構造を、第25には、道路標示材がプライマー層を介して道路表面または白色下塗り層の上に配設されていることを特徴とする蓄光発光性道路構造を、第26には、道路表面は予め粗面化されていることを特徴とする蓄光発光性道路構造を提供する。
【0015】
【発明の実施の形態】
この出願の発明は上記のとおりの特徴をもつものであるが、以下にその実施の形態について説明する。
【0016】
なによりも、この出願の発明は、高い蓄光発光性能を有し、さらには緑色の色調を抑えて白線や他のカラーラインとして道路のレーンマーク等に有用な道路標示材であることを特徴としており、この場合の道路標示材は、基本的に、透明性樹脂成分とともに蓄光発光性顔料成分を含有する樹脂ペーストが道路基面に敷設されて蓄光発光性層が形成されるものである。
【0017】
この場合の透明性樹脂成分としては、樹脂ペーストを形成することができ、透明性であって、かつ、道路基面への敷設後に硬化可能なものであれば各種のものであってよい。もちろん、道路レーンマーク等としての耐久性、すなわち、耐候性や耐光性、そして耐水性と適度な強度や硬度をもつものであればよい。たとえばメタクリル系樹脂成分、アクリル系樹脂成分、不飽和ポリエステル系樹脂成分、エポキシ系樹脂成分、シリコン系樹脂成分等の各種のものが例示されることになる。
【0018】
これらの透明性樹脂成分における「透明性」は光透過性の高いことを意味しており、光透過性が高いものであれば、白色やその他の色調を有していてもよい。
一般的には、その光透過性は、紫外線透過率が70%以上、さらには85%以上の光透過性を有するものが好適に用いられる。
【0019】
透明性樹脂成分は樹脂ペーストを形成するものであることから、液状体、粘稠体あるいはシロップ状体にあるものでよい。このため、たとえばポリマーとモノマーとが混在した状態のものであってよい。つまり、
(1)樹脂(ポリマー)そのもの
(2)ポリマーとモノマーとの混在状態
(3)ポリマーとオリゴマーとの混在状態
(4)オリゴマーとモノマーとの混在状態
(5)ポリマー、オリゴマー、およびモノマーの混在状態
のいずれかの状態にあってよい。
【0020】
樹脂ペーストを構成する基本成分としての透明性樹脂成分は、レーンマーク等のための蓄光発光性層の道路基面への付着性の確保や蓄光発光性顔料等の分散バインダーとしての役割を果たし、硬化後には、透光性や耐水性、耐摩耗性等も保証するものであるが、この透明性樹脂成分の配合については、この出願の発明においては、樹脂ペーストの全体重量に対し、7重量%以上95重量%以下とする。より好ましくは15重量%以上60重量%以下である。95重量%を超える場合には、顔料成分や蓄光発光性顔料成分の配合が充分なものとならないため、高い蓄光発光性能が得られなくなる。自動車が走行する道路面における標示材としての表面硬度や耐摩耗性等を考慮すると、実際的には60重量%以下とするのが好ましい。一方、透明性樹脂の配合が7重量%未満と過度に少ない場合には、レーンマーク等として道路基面に敷設した場合に、充分な蓄光発光性層としての付着強度や、耐水性能等が得られにくくなる。透明性樹脂成分の種類によっても異なるが、樹脂ペーストを直接的に道路基面、たとえばコンクリート面やアスファルト面に対して敷設する場合には、一般的に、透明性樹脂は20重量%以上とし、プライマー層を介して敷設する場合には15重量%以上とするのが好ましい。
より実際的には、直接的敷設の場合には、所要の高密度性を有し、道路基面への付着強度や表面硬度も良好で、耐摩耗性、耐水性、そして高い蓄光発光性能を有するものとするためには、20〜40重量%の範囲とすることがさらに好ましい。
【0021】
また、透明性樹脂成分については、その粘度が1Pa・s(20℃)以上、さらには3Pa・s(20℃)以上とするのが好ましい。このような比較的高粘度な透明性樹脂成分の使用によって、より高い蓄光発光性能が期待される比較的大粒径の蓄光発光性顔料成分の均一分散が可能となり、硬化後の道路標示材として優れた蓄光発光性能が実現されることになる。
【0022】
透明性樹脂成分の粘度は、その種類とともに、たとえばポリマーとモノマーとの混在状態における両者の割合をコントロールすることによっても調整可能である。
【0023】
たとえばMMA樹脂成分の場合には、MMAポリマーとMMAモノマーとの混在状態にあるシロップ(三菱レーヨン株式会社製等の)として、その粘度はMMAポリマーの含有率との関係として、表1のように調整可能とされる。
【0024】
【表1】
【0025】
ただ、粘度が過剰に高い場合には、実際的には蓄光発光性顔料等の樹脂ペースト中への混合、均一分散のための操作、作業が著しく困難になる。このため、一般的な目安としては、粘度の上限は100Pa・s(20℃)程度までを考慮することができる。
【0026】
以上のような透明性樹脂成分には蓄光発光性顔料成分が混合されて樹脂ペーストが構成されるが、この樹脂ペーストには、さらに次の成分を含有してもよい。
【0027】
・他の顔料成分
・透明性骨材
もちろん、これ以外にも、発明の目的、効果を阻害しない限り、硬化触媒や硬化助剤、粘度調整剤、紫外線劣化防止剤、抗菌剤等を適宜に添加配合してもよいことは言うまでもない。
【0028】
透明性樹脂成分に混合される蓄光発光性顔料については、従来公知のもの、そして市販されているものをはじめ各種のものの使用が考慮される。たとえばアルミン酸ストロンチウム系物質や硫化亜鉛等物質等である。これらの蓄光発光性顔料は、その平均粒径は、10μm以上のものが使用できるが、この出願の発明においては、より好ましくは20〜2000μm、さらには30〜300μmである。100μm以上のより大きな粒径のものも好適に使用される。
【0029】
従来では、このような大きな粒径の蓄光発光性顔料を用いることは容易ではなかった。均一に蓄光発光性顔料を分散させることが難しかったからであった。
【0030】
このように従来では均一分散が困難であった比較的大きな粒径の蓄光発光性顔料成分は、この出願の発明においては1Pa・s(20℃)以上の比較的粘性の高い透明性樹脂成分の使用によって均一に樹脂ペースト中に分散され、かつ均一分散された道路標示材が実現されることになる。
【0031】
比較的大粒径の蓄光発光性顔料成分が使用可能とされることで、蓄光発光性顔料成分にはより大きなエネルギーが吸収されてこれが長時間の発光持続を可能とすることになる。
【0032】
蓄光発光性顔料成分の配合については、通常は、樹脂ペースト全体重量の5重量%以上とすることが好ましい。5重量%未満の場合には、所要の充分な蓄光発光機能が得られにくい。
【0033】
なお、この出願の発明においては、一般的な蓄光発光機能の目安として、D65常用光源200Lx照射による飽和状態から人が物の輪郭を視認することのできる下限値としての3mcd/m2輝度まで発光が持続する時間が好ましくは、8時間以上とすることが考慮されることから、この観点から、蓄光発光性顔料成分の透明性樹脂成分への混合割合が、他の配合成分との組合わせも考慮して選択されることになる。
【0034】
そして、この出願の発明の蓄光発光性道路標示材においては、蓄光発光性顔料成分とともに他の顔料成分も適宜に混合されてよい。この場合の蓄光発光性顔料成分(A)と他の顔料成分との重量比については、一般的には、B/Aとして3.0以下であることが好ましい。B/Aが3.0を超える場合には、他の顔料成分、その多くは無機質粒子であるが、これによって蓄光発光性顔料成分が隠蔽されてしまい外部からの光の吸収による蓄光とこれによる発光作用が阻害されることになる。
【0035】
他の顔料成分としては様々な色調のものであってよいが、レーンマーク等としての道路標示材においては、たとえば代表的には、白色顔料、黄色顔料、オレンジまたは赤色の顔料が例示される。白色顔料としては、たとえば酸化ジルコニウム系顔料、酸化チタン系顔料、水酸化アルミニウム系顔料等が例示される。なかでも、ジルコニア(酸化ジルコニウム)やジルコン(珪酸ジルコニウム)等の酸化物や複合酸化物からなる白色顔料は、光の隠蔽力が他のものに比べて小さいため蓄光発光効果の点ではより好ましいものである。
【0036】
黄色顔料としては、たとえばクロムイエロー、カドミウムイエロー、ニッケルチタンイエロー等が、オレンジまたは赤色の顔料としては、ベンガラ、カドミウムレッド、モリブデンレッド、等が例示されることになる。もちろん、これ以外にも、青、緑、黒等の様々なものが考慮される。これらの顔料成分については単一種類のものを用いてもよいし、複数種のものを併用してもよい。
【0037】
白色顔料として上記のジルコニウム酸化物もしくは複合酸化物を配合する場合には、樹脂ペーストの全体量に対して0.1〜5.0重量%の範囲であることが好ましい。
【0038】
これらの他の顔料成分については、その平均粒径は一般的には0.1μm〜40μm程度の範囲とするのが好ましい。40μmを超えた大きさの粒径では、その混合によって、蓄光発光性顔料成分を隠蔽しやすくなるからである。
【0039】
以上のような無機顔料とともに、またはこれらとは別に、有機顔料が適宜に配合されてもよいことは言うまでもない。また、この出願の発明においては、透明性の骨材、たとえば珪石、ガラス、水晶等が混合されてもよい。
【0040】
透明性骨材は、道路標示材としての硬化体に所要の強度や耐摩耗性等の物理的性能を付与向上させるために有効であるだけでなく、その透明性によって、粒子内部での光の透過とその表面界面での光の乱反射機能とによって、蓄光発光性顔料の蓄光発光作用を増幅する役割を果たすものとして有効でもある。さらに重要なことは、透明性骨材の配合は、後述するように、樹脂ペーストの道路面への敷設とその硬化後の粗研削やウォータージェット処理による凹凸粗面化によって蓄光発光性機能をより向上させるとともに、道路標示材としてのノンスリップ性能の向上に寄与することである。
【0041】
このような透明性骨材としては特に珪石またはガラスが好ましいが、珪石またはガラスは単独でもよいし併用されてもよい。これらは粒径としては0.3〜10mmの範囲にあり、樹脂ペースト全体量の0.1〜6重量倍の範囲で配合されるのが好ましい。
【0042】
粒径0.3mm未満の場合や配合が0.1重量倍未満の場合にはその添加効果はあまり期待できない。一方、粒径が10mmを超える場合や配合が6重量倍を超える場合には、成形体の強度等を損うことになるため好ましくない。
【0043】
これらの透明性骨材以外にも、無機質の充填材が配合されてもよい。その粒径としては0.1mm未満であって、たとえば溶融シリカ粉、石英(珪石)粉、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、プラスチック粉、ガラス粉等である。
【0044】
この出願の発明の蓄光発光性道路標示材では、たとえば以上のとおりの透明性樹脂成分に蓄光発光性顔料成分、もしくはこれに他の顔料成分や透明性骨材のうちの1種以上も含めた成分を混合して樹脂ペーストが調製されることになる。
【0045】
ここで、混合による調製が極めて重要な要件となる。特に、蓄光発光性顔料として比較的大粒径のものと、これを均一に分散させるマトリックスとして粘性の高い透明性樹脂成分を使用する場合には特に重要である。
【0046】
まず強調されることは、この出願の発明によって、上記の調製は、樹脂ペーストの単位体積当りの気泡含有率を2%以下とすることを特徴とする方法が提供される。
【0047】
混合調製時には、通常攪拌が行われるが、この攪拌の条件を、気泡含有率2%以下になるようにすることである。攪拌装置の選択、攪拌時の回転数、攪拌時の雰囲気等がコントロールされることになる。
【0048】
攪拌混合にともなって気泡が生成するが、蓄光発光性顔料成分よりも比較的粒径の小さい顔料成分や比重の小さい顔料成分は、気泡の残存にともなって混合調製物の成形時や表面部に浮き上がり、蓄光発光性顔料成分を隠蔽しやすいという問題が生じる。時に混合調製物の単位体積当りの気泡含有率が2%を超えるとこの隠蔽による不具合は無視できないものとなる。
【0049】
このような気泡含有率の制御のためには、常圧から50kPa以上減圧した雰囲気下で混合調製することが有効である。減圧雰囲気下で混合することで、気泡の残存は効果的に抑制することができる。減圧度が小さいとその効果は充分ではない。
【0050】
なお、上記の気泡含有率については、たとえば容器内に充填した後に雰囲気を常圧から100kPa減圧した場合の体積減少率を測定する方法によって測定することができる。
【0051】
また、蓄光発光性性能の向上のためには、混合調製時のコンタミ(異物混入)を抑えることも有効である。特に、攪拌装置からの金属等の異物の混入は極力抑えることが好ましい。
【0052】
そのためには、混合装置を構成する混合容器の内面や攪拌羽根の表面硬が顔料や透明性骨材の硬さよりも大きいものとすることが有効であるが、便法としては、混合容器の内面や攪拌羽根が透明もしくは白色の被覆材によって被覆されたものを用いることも有効である。このことによって、たとえ微量の異物混入があっても、蓄光発光性能にはほとんど、もしくは全く影響を及ぼすことがない。
【0053】
透明もしくは白色の被覆材としては、たとえばアルミナ溶射膜やセラミックプレートの貼付け、ガラス、シリコンゴム、シリコン樹脂、フッ素樹脂、MMA系樹脂等が例として挙げられる。
【0054】
以上のようにして混合調製された樹脂ペーストは、適宜な手段によって道路表面に敷設されて硬化される。これによって、蓄光発光性層が形成された所定形状の道路標示材とこれを配設一体化した道路構造が実現されることになる。
【0055】
この道路表面への敷設と硬化という現場施工に関連して、この出願の発明ではいくつかの重要な提案が行われる。
【0056】
まずその第1は、前記のとおり、樹脂ペーストに透明性骨材を配合し、樹脂ペーストの道路表面への敷設によって硬化された後に、硬化体の表層部を粗研削もしくはウォータージェット処理することである。
【0057】
前記のとおり、樹脂ペーストの敷設にともなって、表面部には蓄光発光性顔料以外の粒径の小さな他の顔料成分が浮上がり等によって偏在し、蓄光のための光透過や発光を隠蔽することがあり、これが無視できない場合には、硬化体表面の粗研削や、ウォータージェット噴射処理により隠蔽層(部)を除去することが効果的である。
【0058】
すなわち、たとえば図1に模式的に断面を示したように樹脂ペーストにあらかじめ透明性骨材を配合し、道路基面(1)への敷設と硬化後に、透明性骨材(3)を含んだ蓄光発光性層(2)の表面部を粗研削(A)やウォータージェット処理(B)して樹脂ペースト表面硬化部のみを部分除去する。
【0059】
樹脂ペーストの敷設後には、隠ぺい性、つまり光遮断性が大きく、しかも粒径のより小さい顔料成分が表層部に集まりやすい。このような顔料成分の集まりによる隠ぺい層(4)は、光の透過を遮断するため、蓄光発光性能を後退させることになる。粗研削やウォータージェット処理は、このような隠ぺい層(4)の除去によって蓄光発光性能を増大させるのに有効となる。
【0060】
ウォータージェット処理、粗研削のいずれの場合にも、隠ぺい層(4)を除去するためには、樹脂ペーストの硬化表層部が0.1〜2mmの厚み範囲で除去することが好ましい。
【0061】
なお、粗研削の手段としては、ダイヤモンド付円盤による回転研削等の各種のものが採用されてよい。
【0062】
以上のような表面部の処理、特にウォータージェット処理による表面凹凸の形成は、この出願の発明の蓄光発光性道路標示材にノンスリップ機能を効果的に付与することになる。
【0063】
また、あらかじめ透明性骨材を樹脂ペーストに配合しておく場合だけでなく、この出願の発明においては、同様の、蓄光発光性機能とノンスリップ機能の向上は、樹脂ペーストの道路基面への敷設後に、透明性の骨材が散布されて、その外形の少くとも一部が露出した状態で蓄光発光性層に埋設された状態とすることにより実現される。すなわち、たとえば図2にその部分断面を模式的に例示したように、樹脂ペーストの道路基面(1)上への敷設後に硬化した蓄光発光性層(2)には、散布された透明性骨材(3)が埋設されており、その外形の少くとも一部は、蓄光発光性層(2)の表面より外方に露出されている。
【0064】
この場合の透明性骨材は、天然石状で、その外形は樹脂ペーストに配合される蓄光発光性顔料よりもはるかに大きく、強度、硬度ともに大きく、いわゆる骨材としての性格を有している珪石や溶融シリカ、ガラス等である。
【0065】
実際的には、これらの珪石や溶融シリカ、ガラスは、前記の蓄光発光性層(2)における密着一体化による強度、耐剥離性等の物理的特性、そして蓄光発光性の増大効果(透明性骨材を散布しない場合に比べての)等の観点からは、その外形の50体積%以上が蓄光発光性層(2)に埋設されることや、蓄光発光性層(2)の表面よりも、その高さとして0.1mm以上5mm以下露出するようにすることが好ましく考慮される。また、粒径は、0.3〜10mmの範囲、さらに好ましくは2.0〜3.0mmの範囲のものが考慮される。
【0066】
散布量については、1〜10kg/m2の範囲、好ましくは3〜6kg/m2の範囲が考慮される。
【0067】
なお、蓄光発光性層(2)の厚みについては、特に限定的ではないが、1〜5mmの範囲であることが考慮される。
【0068】
実際の施工については、道路基面(1)に対し樹脂ペーストを敷設した後に、樹脂ペーストが流動性を有している状態、あるいは半硬化の状態において透明性骨材(3)を散布し、その自重によって、樹脂ペーストに部分埋込されるか、さらには、必要に応じて、上部よりローラ等で押圧することにより部分埋込されるようにする。その後、樹脂ペーストが硬化して、透明性骨材(3)は、蓄光発光性層(2)に一体化埋設されることになる。
【0069】
以上のような特徴のある組織構造によって、この発明の表示材は、透明性骨材を使用しない場合に比べて蓄光発光効果は顕著に増大する。これは、太陽光や蛍光灯からの光エネルギーの吸収のための光が当たる表面積が、透明性骨材の存在によって増加することに大きく帰因していると考えられる。
【0070】
しかも、外方に露出する透明性骨材の存在によって表示材の施工後の表面部には凹凸が形成され、このことによって、表面部のノンスリップ性能が向上することになる。このノンスリップ性能は、横断歩道や歩道兼用路面の表示材によっては、人が滑って転倒すること、あるいはそれにともなう交通事故等を未然に防止するとの観点から極めて重要である。
【0071】
この発明の上記のとおりの透明性骨材の大きさや散布量、露出の割合や高さの規定はノンスリップ性能の向上の観点からも重要である。
【0072】
さらにこの出願の発明においては、蓄光発光効果をより大きなものとするために、上記の樹脂ペーストの敷設前に、所要の位置に白色の下塗層を設けておくことが有効でもある。白色の下塗層は従来公知のものをはじめ各種の材料からなるものであってよい。
【0073】
もちろん、この出願の発明においては、白色下塗層だけでなく、コンクリートやアスファルト等の道路の表面部の状態や性質、さらには透明性樹脂の種類や性質等によって、付着強度を高めるために、あらかじめプライマー(接着)層を設けておいて、その上にこの発明の道路表示材を配設一体化するようにしてもよい。
【0074】
以上のとおりのこの出願の発明によって、道路のレーンマーク等として有用な、高い蓄光発光性能を有し、蓄光発光顔料を使用しても緑色の色調を抑えて、白線、あるいは黄色、オレンジ色等のカラーラインとしての使用が可能となる蓄光発光性道路表示材が提供される。
【0075】
そこで以下に実施例を示し、さらに詳しく説明する。もちろん以下の例によって発明が限定されることはない。
【0076】
なお、以下の実施例においての蓄光発光性能の評価は、JIS「蓄光安全標識板」Z9100−1987に準拠して、D65常用光源で200Lx(ルックス)を飽和状態になるまで照射した後に、輝度が3mcd/m2になるまでの時間をもって評価基準としている。
【0077】
【実施例】
<実施例1>
MMAポリマーとMMAモノマーとが混在するMMA樹脂シロップとしてMMAポリマーの含有率と粘度とが異なるものを各種用意し、このものに、以下の配合(重量)比となるように蓄光発光性顔料成分等を混合した。
【0078】
MMA樹脂シロップ 35.5
樹脂硬化剤 0.5
アルミン酸ストロンチウム系 52.0
蓄光発光性顔料
((株)根本特殊化学製、平均粒径 100μm)
水酸化アルミニウム 12.0
(平均粒径 8μm)
混合は0.1気圧の減圧雰囲気条件下に行った。その際に混合調製物の単位体積当りの気泡含有率を1%以下になるようにした。
【0079】
得られた混合調製物を、道路表面と同様の構成としたコンクリートサンプルの表面に敷設して硬化させた。
【0080】
粘度1.0〜10.0Pa・s(20℃)の場合の成形硬化体のサンプル表面への付着強度は150N/cm2(コンクリート基材破壊)であり、また、耐摩耗性は0.02g(JIS A 1452に従う)と良好であった。
【0081】
また、成形硬化体について3mcd/m2の輝度になるまでの時間を測定し、蓄光発光性能を評価した。その結果を表2に例示した。
【0082】
【表2】
【0083】
表2より、樹脂シロップの粘度が1.0Pa・s(20℃)未満の場合には、3mcd/m2までの時間が8時間を超えることが難しいことがわかる。一方、1.0Pa・s(20℃)以上の場合には、8時間を超え、14時間以上にも達することがわかる。
<実施例2>
実施例1において、MMA樹脂シロップの粘度6.0Pa・s(20℃)のものを用いかつ、アルミン酸ストロンチウム系蓄光発光性顔料の平均粒径の異なるものを用いて、同様にして成形硬化体を得た。いずれの場合も、サンプル表面への付着強度は100〜160N/cm2(コンクリート基材破壊)であり、また、耐摩耗性は0.01〜0.02g(JIS A 1452に従う)であった。
【0084】
各々のものについて、3mcd/m2までの時間を測定した。その結果を表3に例示した。
【0085】
【表3】
【0086】
大粒径の蓄光発光性顔料成分の使用によって極めて顕著な蓄光発光性能の向上が実現されることが確認された。一方、10μm未満の場合には3mcd/m2までの時間が8時間を超えることがないことも確認された。
<実施例3>
実施例1において、MMA樹脂シロップの粘度6.0Pa・s(20℃)のものを用い、混合時の雰囲気を変更し、また混合装置を変更して攪拌混合を行った。
【0087】
各々の場合の3mcd/m2に至るまでの時間を測定し、その結果を表4に例示した。表4における減圧度(kPa)は常圧から減圧した度合いを示している。
【0088】
なお、混合装置A、B、Cは次のものを示している。
【0089】
A:混合容器内面、攪拌羽根ともにステンレス製
B:Aにおいて攪拌羽根表面のみシリコンゴム被覆
C:Aにおいて混合容器内面、攪拌羽根表面ともにシリコンゴム被覆
【0090】
【表4】
【0091】
5kPa以上減圧することが有効であることと、混合装置内面と攪拌羽根表面のシリコンゴム被覆が良好な性能を与えることが確認された。
<実施例4>
MMAポリマーとMMAモノマーとが混在するMMA樹脂シロップ(粘度6.0Pa・s(20℃)を用意し、このものに以下の配合(重量)比となるように蓄光発光性顔料成分等を混合した。
【0092】
MMA樹脂シロップ 35.5
樹脂硬化剤 0.5
アルミン酸ストロンチウム系 54.0
蓄光発光性顔料
((株)根本特殊化学製、平均粒径 150μm)
他の顔料 10.0
(平均粒径 30μm)
各種の顔料を用いた場合の成形硬化体について、実施例1と同様に製造し、3mcd/m2までの時間を測定した。その結果を表5に例示した。
【0093】
【表5】
【0094】
白色顔料としてのジルコンはその隠蔽性が小さいことから蓄光発光性能に優れていることがわかる。
<実施例5>
実施例4において、他の顔料として水酸化アルミニウムを用い、蓄光発光性顔料(A)と水酸化アルミニウム顔料(B)との配合比を変更した場合の3mcd/m2までの時間について評価した。その結果を表6に例示した。
【0095】
【表6】
【0096】
重量比B/Aが3を超える場合に急激に蓄光発光性能が低下することが確認された。
<実施例6>
実施例4において、他の顔料として水酸化アルミニウムを用い、各成分の配合比を変更した場合の3mcd/m2までの時間を測定した。その結果を表7に例示した。
【0097】
【表7】
【0098】
<実施例7>
実施例4において他の顔料として水酸化アルミニウムとし、アルミン酸ストロンチウム系蓄光発光性顔料の配合を24.0とし、透明性骨材として平均粒径1mnの珪石粉を30.0の割合で配合した。
【0099】
このものの3mcd/m2までの時間は、蓄光発光性顔料の配合を大きく減らしたにもかかわらず、約8時間と比較的良好であった。
【0100】
透明性成分(C)とこの骨材(D)との重量比は0.845であったが、この重量比を3.0に変更したところ、3mcd/m2までの時間は9時間となった。
<実施例8>
他の顔料として水酸化アルミニウムを用いる場合の実施例4において、MMA樹脂シロップに代えて、シリコーン樹脂(信越化学製、KE1310S)を用いて成形硬化体を得た。このものの粘度は、約50Pa・s(20℃)である。
【0101】
このものの3mcd/m2までの時間は14時間であった。良好な蓄光発光性能が得られることが確認された。
<実施例9>
実施例7において重量比D/C=3の樹脂ペーストを敷設してさせた後に、厚み3mmの硬化体の表面をウォータージェット噴射により処理して、硬化表面部から約0.5mmの厚み部分を除去して粗面化した。
【0102】
このものは、すべり抵抗値BPN(ASTM E303)が湿潤面において65、乾燥面において70であり、ノンスリップ性能に優れていることが確認された、3mcd/m2までの時間は、処理前の9時間から10時間にまで延長されることが確認された。
<実施例10>
実施例4において他の顔料を水酸化アルミニウムとした樹脂ペーストを4mmの厚みで敷設後に、その硬化前に、粒径1〜5mmのガラス粉を5kg/m2の割合で散布し、その各々の約55体積%が埋設され、かつ、0.1〜1.4mmの範囲で突出している状態が硬化させた。
【0103】
このものは、すべり抵抗値BPN(ASTM E303)が湿潤面において66、乾燥面において69であり、ノンスリップ性能に優れていることが確認され、また、3mcd/m2までの時間は17時間にまで延長されることが確認された。
<実施例11>
実施例1において6.0Pa・s(20℃)の場合の樹脂ペーストを用い、あらかじめサンプルのアスファルト表面に下塗り層として白色調道路用塗料を塗布(厚み2mm)し、その上に上記樹脂ペーストを敷設して硬化させた。
【0104】
この時の3mcd/m2までの時間と、15分後の初期輝度について測定した。その結果を表8に例示した。白色下塗り層の存在によって、顕著に蓄光発光性能が向上していることがわかる。
【0105】
【表8】
【0106】
<比較例>
従来公知の特開平10−82023号公報に開示されているとおりに成形し、蓄光発光性能を測定した。最良の結果としても、3mcd/m2までの時間は5時間15分であった。また、発光色は蓄光顔料色(緑色)が強い色であった。
【0107】
【発明の効果】
以上詳しく説明したとおり、この出願の発明によって、道路のレーンマーク等として有用な、所要の耐磨耗性や耐候性と共に高い蓄光発光性能を有し、緑色の色調を抑えて白線や各種のカラーラインとしての使用が可能となり、さらにはノンスリップ性能をも具有することのできる、新しい蓄光発光性道路標示材が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】ウォータージェット処理などについて説明した断面図である。
【図2】透明性骨材の埋設について説明した断面図である。
【発明の属する技術分野】
この出願の発明は、蓄光発光性道路標示材と道路構造に関するものである。さらに詳しくは、この出願の発明は、道路のレーンマーク等として有用な、高い蓄光発光性能を有し、蓄光発光顔料を使用しても緑色の色調を抑えて、白線あるいは黄色、オレンジ色等のカラーラインとしての使用が可能ともなる、新しい蓄光発光性道路標示材とこれを用いた道路構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術と発明の課題】
従来より、太陽光や電灯の光エネルギーを吸収して蓄え、数時間にわたってそのエネルギーを光として外部に放光する蓄光発光性顔料がよく知られており、夜間や暗所でも視認性が得られるとのその優れた特徴を生かして、これを道路面の標識に応用することが提案されている。たとえば特開平10−82023号公報には、白色または黄色基材層の上に、透明または半透明の光散乱層が設けられ、さらにその上に蓄光性顔料を含有する透明ないし半透明の蓄光層が設けられていることを特徴とする蓄光発光性道路標示材が提案されている。
【0003】
しかしながら、従来知られている蓄光発光性の道路表示材の場合には、共通して、その蓄光発光性能の持続時間は短く、長時間にわたって視認性を実現することは難しく、また、蓄光顔料を配合することによって、夜間や暗所だけでなく昼間も発光しているため、たとえば、路面に設けたレーンマークの色調が緑色になり、緑色のレーンマーク以外には使用できないという問題があった。また、白色、黄色、オレンジ色等の色調とするために顔料を配合する場合には、どうしても蓄光能力が低下し、発光性能が劣るという欠点があった。
【0004】
具体的にも、たとえば前記の特開平10−82023号公報記載の標示材の場合にも、好ましいとされる配合品を再現しても蓄光発光性が低く、色調は蓄光顔料による緑色が強く、白線のレーンマークには使用できないのが実情であった。
【0005】
さらに、従来の標示材の場合には、道路表面に配設されるにもかかわらず、ノンスリップ性能についてはほとんど考慮されておらず、水による濡れや油分の付着によるスリップの防止は蓄光発光機能を利用する道路標示材にとっての大きな課題であった。
【0006】
そこで、この出願の発明は、以上のとおりの従来の問題点を解消し、道路のレーンマーク等として有用な、所要の耐摩耗性や耐候性とともに高い蓄光発光性能を有し、緑色の色調を抑えて白線や各種のカラーラインとしての使用が可能となり、さらにはノンスリップ性能をも具有することのできる、新しい蓄光発光性道路標示材を提供することを課題としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
この出願の発明は、上記の課題を解決するものとして、第1には、透明性樹脂成分とともに蓄光発光性顔料成分を含有する樹脂ペーストが道路表面に敷設されて蓄光発光性層が形成される道路標示材において、樹脂ペーストには、全体量の7〜95重量%の透明性樹脂成分が配合されていることを特徴とする蓄光発光性道路標示材を提供し、第2には、蓄光発光性顔料成分の平均粒径が10〜2000μmの範囲であることを特徴とする蓄光発光性道路標示材を、第3には、樹脂ペーストには、蓄光発光性顔料成分とともに他の顔料成分が含有されていることを特徴とする蓄光発光性道路標示材を提供する。
【0008】
第4には、他の顔料成分は平均粒径が0.1〜40μmの範囲であることを特徴とする蓄光発光性道路標示材を、第5には、他の顔料成分は、白色、黄色およびオレンジまたは赤色のうちの少くとも1種の顔料であることを特徴とする蓄光発光性道路標示材を、第6には、蓄光発光性顔料成分(A)と他の顔料成分(B)との重量配合比(B/A)が3.0以下であることを特徴とする蓄光発光性道路標示材を、第7には、白色顔料成分としてジルコニウムの酸化物もしくは複合酸化物が配合されていることを特徴とする蓄光発光性道路標示材を、第8には、樹脂ペーストへのジルコニウムの酸化物もしくは複合酸化物の配合が全体量の0.1〜5.0重量%の範囲であることを特徴とする蓄光発光性道路標示材を提供する。
【0009】
また、この出願の発明は、第9には、透明性樹脂成分の粘度が1Pa・s(20℃)以上であることを特徴とする前記の蓄光発光性道路標示材を提供し、第10には、樹脂ペーストにおける単位体積当たりの気泡含有率が2%以下であることを特徴とする蓄光発光性道路標示材を、第11には、樹脂ペーストは、減圧雰囲気下で混合調製されたものであることを特徴とする蓄光発光性道路標示材を提供する。
【0010】
そして、この出願の発明は、第12には、以上いずれかの蓄光発光性道路標示材であって、樹脂ペーストには透明性骨材が配合されていることを特徴とする蓄光発光性道路標示材を提供し、第13には、透明性骨材は珪石、溶融シリカおよびガラスの少くとも1種であることを特徴とする蓄光発光性道路標示材を、第14には、珪石、溶融シリカおよびガラスはその粒径が0.3〜10mmの範囲にあり、樹脂ペースト全体量の0.1〜6重量倍の範囲で配合されていることを特徴とする蓄光発光性道路標示材を提供する。
【0011】
第15には、以上いずれかの道路標示材であって、道路表面に敷設されていることを特徴とする蓄光発光性道路標示材を提供する。
【0012】
さらに、この出願の発明は、第16には、以上いずれかの道路標示材において、樹脂ペーストが道路表面に敷設された後、その硬化前に透明性骨材が散布され、その外形の少くとも一部が露出状態で蓄光発光性層に埋設されていることを特徴とする蓄光発光性道路標示材を提供し、第17には、この場合の透明性骨材は各々がその50体積%以上埋設されていることを特徴とする蓄光発光性道路標示材を、第18には、透明性骨材は、樹脂ペーストの硬化表面部から0.05〜5mmの範囲で突出していることを特徴とする蓄光発光性道路標示材を、第19には、樹脂ペーストの敷設厚みが1〜5mmの範囲であることを特徴とする蓄光発光性道路標示材を、第20には、透明性骨材は珪石、溶融シリカおよびガラスのうちの少くとも1種であり、粒径が0.3〜10mmの範囲であって、1〜10kg/m2の割合で散布されていることを特徴とする蓄光発光性道路標示材を提供する。
【0013】
第21には、前記第12ないし第14のいずれかの発明の透明性骨材が樹脂ペーストに配合された道路標示材において、樹脂ペーストの道路表面への敷設とその硬化の後に、蓄光発光性層の表面が粗研削されるか、またはウォータージェット処理により樹脂ペーストの硬化表面部が除去されていることを特徴とする蓄光発光性道路標示材を提供し、第22には、樹脂ペーストの硬化表面部から0.1〜2mmの範囲で除去されていることを特徴とする蓄光発光性道路標示材を提供する。
【0014】
第23には、以上いずれかの道路標示材が道路表面に配設されていることを特徴とする蓄光発光性道路構造を提供し、第24には、道路標示材が配設されている道路表面には予め白色の下塗り層が配設されていることを特徴とする蓄光発光性道路構造を、第25には、道路標示材がプライマー層を介して道路表面または白色下塗り層の上に配設されていることを特徴とする蓄光発光性道路構造を、第26には、道路表面は予め粗面化されていることを特徴とする蓄光発光性道路構造を提供する。
【0015】
【発明の実施の形態】
この出願の発明は上記のとおりの特徴をもつものであるが、以下にその実施の形態について説明する。
【0016】
なによりも、この出願の発明は、高い蓄光発光性能を有し、さらには緑色の色調を抑えて白線や他のカラーラインとして道路のレーンマーク等に有用な道路標示材であることを特徴としており、この場合の道路標示材は、基本的に、透明性樹脂成分とともに蓄光発光性顔料成分を含有する樹脂ペーストが道路基面に敷設されて蓄光発光性層が形成されるものである。
【0017】
この場合の透明性樹脂成分としては、樹脂ペーストを形成することができ、透明性であって、かつ、道路基面への敷設後に硬化可能なものであれば各種のものであってよい。もちろん、道路レーンマーク等としての耐久性、すなわち、耐候性や耐光性、そして耐水性と適度な強度や硬度をもつものであればよい。たとえばメタクリル系樹脂成分、アクリル系樹脂成分、不飽和ポリエステル系樹脂成分、エポキシ系樹脂成分、シリコン系樹脂成分等の各種のものが例示されることになる。
【0018】
これらの透明性樹脂成分における「透明性」は光透過性の高いことを意味しており、光透過性が高いものであれば、白色やその他の色調を有していてもよい。
一般的には、その光透過性は、紫外線透過率が70%以上、さらには85%以上の光透過性を有するものが好適に用いられる。
【0019】
透明性樹脂成分は樹脂ペーストを形成するものであることから、液状体、粘稠体あるいはシロップ状体にあるものでよい。このため、たとえばポリマーとモノマーとが混在した状態のものであってよい。つまり、
(1)樹脂(ポリマー)そのもの
(2)ポリマーとモノマーとの混在状態
(3)ポリマーとオリゴマーとの混在状態
(4)オリゴマーとモノマーとの混在状態
(5)ポリマー、オリゴマー、およびモノマーの混在状態
のいずれかの状態にあってよい。
【0020】
樹脂ペーストを構成する基本成分としての透明性樹脂成分は、レーンマーク等のための蓄光発光性層の道路基面への付着性の確保や蓄光発光性顔料等の分散バインダーとしての役割を果たし、硬化後には、透光性や耐水性、耐摩耗性等も保証するものであるが、この透明性樹脂成分の配合については、この出願の発明においては、樹脂ペーストの全体重量に対し、7重量%以上95重量%以下とする。より好ましくは15重量%以上60重量%以下である。95重量%を超える場合には、顔料成分や蓄光発光性顔料成分の配合が充分なものとならないため、高い蓄光発光性能が得られなくなる。自動車が走行する道路面における標示材としての表面硬度や耐摩耗性等を考慮すると、実際的には60重量%以下とするのが好ましい。一方、透明性樹脂の配合が7重量%未満と過度に少ない場合には、レーンマーク等として道路基面に敷設した場合に、充分な蓄光発光性層としての付着強度や、耐水性能等が得られにくくなる。透明性樹脂成分の種類によっても異なるが、樹脂ペーストを直接的に道路基面、たとえばコンクリート面やアスファルト面に対して敷設する場合には、一般的に、透明性樹脂は20重量%以上とし、プライマー層を介して敷設する場合には15重量%以上とするのが好ましい。
より実際的には、直接的敷設の場合には、所要の高密度性を有し、道路基面への付着強度や表面硬度も良好で、耐摩耗性、耐水性、そして高い蓄光発光性能を有するものとするためには、20〜40重量%の範囲とすることがさらに好ましい。
【0021】
また、透明性樹脂成分については、その粘度が1Pa・s(20℃)以上、さらには3Pa・s(20℃)以上とするのが好ましい。このような比較的高粘度な透明性樹脂成分の使用によって、より高い蓄光発光性能が期待される比較的大粒径の蓄光発光性顔料成分の均一分散が可能となり、硬化後の道路標示材として優れた蓄光発光性能が実現されることになる。
【0022】
透明性樹脂成分の粘度は、その種類とともに、たとえばポリマーとモノマーとの混在状態における両者の割合をコントロールすることによっても調整可能である。
【0023】
たとえばMMA樹脂成分の場合には、MMAポリマーとMMAモノマーとの混在状態にあるシロップ(三菱レーヨン株式会社製等の)として、その粘度はMMAポリマーの含有率との関係として、表1のように調整可能とされる。
【0024】
【表1】
【0025】
ただ、粘度が過剰に高い場合には、実際的には蓄光発光性顔料等の樹脂ペースト中への混合、均一分散のための操作、作業が著しく困難になる。このため、一般的な目安としては、粘度の上限は100Pa・s(20℃)程度までを考慮することができる。
【0026】
以上のような透明性樹脂成分には蓄光発光性顔料成分が混合されて樹脂ペーストが構成されるが、この樹脂ペーストには、さらに次の成分を含有してもよい。
【0027】
・他の顔料成分
・透明性骨材
もちろん、これ以外にも、発明の目的、効果を阻害しない限り、硬化触媒や硬化助剤、粘度調整剤、紫外線劣化防止剤、抗菌剤等を適宜に添加配合してもよいことは言うまでもない。
【0028】
透明性樹脂成分に混合される蓄光発光性顔料については、従来公知のもの、そして市販されているものをはじめ各種のものの使用が考慮される。たとえばアルミン酸ストロンチウム系物質や硫化亜鉛等物質等である。これらの蓄光発光性顔料は、その平均粒径は、10μm以上のものが使用できるが、この出願の発明においては、より好ましくは20〜2000μm、さらには30〜300μmである。100μm以上のより大きな粒径のものも好適に使用される。
【0029】
従来では、このような大きな粒径の蓄光発光性顔料を用いることは容易ではなかった。均一に蓄光発光性顔料を分散させることが難しかったからであった。
【0030】
このように従来では均一分散が困難であった比較的大きな粒径の蓄光発光性顔料成分は、この出願の発明においては1Pa・s(20℃)以上の比較的粘性の高い透明性樹脂成分の使用によって均一に樹脂ペースト中に分散され、かつ均一分散された道路標示材が実現されることになる。
【0031】
比較的大粒径の蓄光発光性顔料成分が使用可能とされることで、蓄光発光性顔料成分にはより大きなエネルギーが吸収されてこれが長時間の発光持続を可能とすることになる。
【0032】
蓄光発光性顔料成分の配合については、通常は、樹脂ペースト全体重量の5重量%以上とすることが好ましい。5重量%未満の場合には、所要の充分な蓄光発光機能が得られにくい。
【0033】
なお、この出願の発明においては、一般的な蓄光発光機能の目安として、D65常用光源200Lx照射による飽和状態から人が物の輪郭を視認することのできる下限値としての3mcd/m2輝度まで発光が持続する時間が好ましくは、8時間以上とすることが考慮されることから、この観点から、蓄光発光性顔料成分の透明性樹脂成分への混合割合が、他の配合成分との組合わせも考慮して選択されることになる。
【0034】
そして、この出願の発明の蓄光発光性道路標示材においては、蓄光発光性顔料成分とともに他の顔料成分も適宜に混合されてよい。この場合の蓄光発光性顔料成分(A)と他の顔料成分との重量比については、一般的には、B/Aとして3.0以下であることが好ましい。B/Aが3.0を超える場合には、他の顔料成分、その多くは無機質粒子であるが、これによって蓄光発光性顔料成分が隠蔽されてしまい外部からの光の吸収による蓄光とこれによる発光作用が阻害されることになる。
【0035】
他の顔料成分としては様々な色調のものであってよいが、レーンマーク等としての道路標示材においては、たとえば代表的には、白色顔料、黄色顔料、オレンジまたは赤色の顔料が例示される。白色顔料としては、たとえば酸化ジルコニウム系顔料、酸化チタン系顔料、水酸化アルミニウム系顔料等が例示される。なかでも、ジルコニア(酸化ジルコニウム)やジルコン(珪酸ジルコニウム)等の酸化物や複合酸化物からなる白色顔料は、光の隠蔽力が他のものに比べて小さいため蓄光発光効果の点ではより好ましいものである。
【0036】
黄色顔料としては、たとえばクロムイエロー、カドミウムイエロー、ニッケルチタンイエロー等が、オレンジまたは赤色の顔料としては、ベンガラ、カドミウムレッド、モリブデンレッド、等が例示されることになる。もちろん、これ以外にも、青、緑、黒等の様々なものが考慮される。これらの顔料成分については単一種類のものを用いてもよいし、複数種のものを併用してもよい。
【0037】
白色顔料として上記のジルコニウム酸化物もしくは複合酸化物を配合する場合には、樹脂ペーストの全体量に対して0.1〜5.0重量%の範囲であることが好ましい。
【0038】
これらの他の顔料成分については、その平均粒径は一般的には0.1μm〜40μm程度の範囲とするのが好ましい。40μmを超えた大きさの粒径では、その混合によって、蓄光発光性顔料成分を隠蔽しやすくなるからである。
【0039】
以上のような無機顔料とともに、またはこれらとは別に、有機顔料が適宜に配合されてもよいことは言うまでもない。また、この出願の発明においては、透明性の骨材、たとえば珪石、ガラス、水晶等が混合されてもよい。
【0040】
透明性骨材は、道路標示材としての硬化体に所要の強度や耐摩耗性等の物理的性能を付与向上させるために有効であるだけでなく、その透明性によって、粒子内部での光の透過とその表面界面での光の乱反射機能とによって、蓄光発光性顔料の蓄光発光作用を増幅する役割を果たすものとして有効でもある。さらに重要なことは、透明性骨材の配合は、後述するように、樹脂ペーストの道路面への敷設とその硬化後の粗研削やウォータージェット処理による凹凸粗面化によって蓄光発光性機能をより向上させるとともに、道路標示材としてのノンスリップ性能の向上に寄与することである。
【0041】
このような透明性骨材としては特に珪石またはガラスが好ましいが、珪石またはガラスは単独でもよいし併用されてもよい。これらは粒径としては0.3〜10mmの範囲にあり、樹脂ペースト全体量の0.1〜6重量倍の範囲で配合されるのが好ましい。
【0042】
粒径0.3mm未満の場合や配合が0.1重量倍未満の場合にはその添加効果はあまり期待できない。一方、粒径が10mmを超える場合や配合が6重量倍を超える場合には、成形体の強度等を損うことになるため好ましくない。
【0043】
これらの透明性骨材以外にも、無機質の充填材が配合されてもよい。その粒径としては0.1mm未満であって、たとえば溶融シリカ粉、石英(珪石)粉、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、プラスチック粉、ガラス粉等である。
【0044】
この出願の発明の蓄光発光性道路標示材では、たとえば以上のとおりの透明性樹脂成分に蓄光発光性顔料成分、もしくはこれに他の顔料成分や透明性骨材のうちの1種以上も含めた成分を混合して樹脂ペーストが調製されることになる。
【0045】
ここで、混合による調製が極めて重要な要件となる。特に、蓄光発光性顔料として比較的大粒径のものと、これを均一に分散させるマトリックスとして粘性の高い透明性樹脂成分を使用する場合には特に重要である。
【0046】
まず強調されることは、この出願の発明によって、上記の調製は、樹脂ペーストの単位体積当りの気泡含有率を2%以下とすることを特徴とする方法が提供される。
【0047】
混合調製時には、通常攪拌が行われるが、この攪拌の条件を、気泡含有率2%以下になるようにすることである。攪拌装置の選択、攪拌時の回転数、攪拌時の雰囲気等がコントロールされることになる。
【0048】
攪拌混合にともなって気泡が生成するが、蓄光発光性顔料成分よりも比較的粒径の小さい顔料成分や比重の小さい顔料成分は、気泡の残存にともなって混合調製物の成形時や表面部に浮き上がり、蓄光発光性顔料成分を隠蔽しやすいという問題が生じる。時に混合調製物の単位体積当りの気泡含有率が2%を超えるとこの隠蔽による不具合は無視できないものとなる。
【0049】
このような気泡含有率の制御のためには、常圧から50kPa以上減圧した雰囲気下で混合調製することが有効である。減圧雰囲気下で混合することで、気泡の残存は効果的に抑制することができる。減圧度が小さいとその効果は充分ではない。
【0050】
なお、上記の気泡含有率については、たとえば容器内に充填した後に雰囲気を常圧から100kPa減圧した場合の体積減少率を測定する方法によって測定することができる。
【0051】
また、蓄光発光性性能の向上のためには、混合調製時のコンタミ(異物混入)を抑えることも有効である。特に、攪拌装置からの金属等の異物の混入は極力抑えることが好ましい。
【0052】
そのためには、混合装置を構成する混合容器の内面や攪拌羽根の表面硬が顔料や透明性骨材の硬さよりも大きいものとすることが有効であるが、便法としては、混合容器の内面や攪拌羽根が透明もしくは白色の被覆材によって被覆されたものを用いることも有効である。このことによって、たとえ微量の異物混入があっても、蓄光発光性能にはほとんど、もしくは全く影響を及ぼすことがない。
【0053】
透明もしくは白色の被覆材としては、たとえばアルミナ溶射膜やセラミックプレートの貼付け、ガラス、シリコンゴム、シリコン樹脂、フッ素樹脂、MMA系樹脂等が例として挙げられる。
【0054】
以上のようにして混合調製された樹脂ペーストは、適宜な手段によって道路表面に敷設されて硬化される。これによって、蓄光発光性層が形成された所定形状の道路標示材とこれを配設一体化した道路構造が実現されることになる。
【0055】
この道路表面への敷設と硬化という現場施工に関連して、この出願の発明ではいくつかの重要な提案が行われる。
【0056】
まずその第1は、前記のとおり、樹脂ペーストに透明性骨材を配合し、樹脂ペーストの道路表面への敷設によって硬化された後に、硬化体の表層部を粗研削もしくはウォータージェット処理することである。
【0057】
前記のとおり、樹脂ペーストの敷設にともなって、表面部には蓄光発光性顔料以外の粒径の小さな他の顔料成分が浮上がり等によって偏在し、蓄光のための光透過や発光を隠蔽することがあり、これが無視できない場合には、硬化体表面の粗研削や、ウォータージェット噴射処理により隠蔽層(部)を除去することが効果的である。
【0058】
すなわち、たとえば図1に模式的に断面を示したように樹脂ペーストにあらかじめ透明性骨材を配合し、道路基面(1)への敷設と硬化後に、透明性骨材(3)を含んだ蓄光発光性層(2)の表面部を粗研削(A)やウォータージェット処理(B)して樹脂ペースト表面硬化部のみを部分除去する。
【0059】
樹脂ペーストの敷設後には、隠ぺい性、つまり光遮断性が大きく、しかも粒径のより小さい顔料成分が表層部に集まりやすい。このような顔料成分の集まりによる隠ぺい層(4)は、光の透過を遮断するため、蓄光発光性能を後退させることになる。粗研削やウォータージェット処理は、このような隠ぺい層(4)の除去によって蓄光発光性能を増大させるのに有効となる。
【0060】
ウォータージェット処理、粗研削のいずれの場合にも、隠ぺい層(4)を除去するためには、樹脂ペーストの硬化表層部が0.1〜2mmの厚み範囲で除去することが好ましい。
【0061】
なお、粗研削の手段としては、ダイヤモンド付円盤による回転研削等の各種のものが採用されてよい。
【0062】
以上のような表面部の処理、特にウォータージェット処理による表面凹凸の形成は、この出願の発明の蓄光発光性道路標示材にノンスリップ機能を効果的に付与することになる。
【0063】
また、あらかじめ透明性骨材を樹脂ペーストに配合しておく場合だけでなく、この出願の発明においては、同様の、蓄光発光性機能とノンスリップ機能の向上は、樹脂ペーストの道路基面への敷設後に、透明性の骨材が散布されて、その外形の少くとも一部が露出した状態で蓄光発光性層に埋設された状態とすることにより実現される。すなわち、たとえば図2にその部分断面を模式的に例示したように、樹脂ペーストの道路基面(1)上への敷設後に硬化した蓄光発光性層(2)には、散布された透明性骨材(3)が埋設されており、その外形の少くとも一部は、蓄光発光性層(2)の表面より外方に露出されている。
【0064】
この場合の透明性骨材は、天然石状で、その外形は樹脂ペーストに配合される蓄光発光性顔料よりもはるかに大きく、強度、硬度ともに大きく、いわゆる骨材としての性格を有している珪石や溶融シリカ、ガラス等である。
【0065】
実際的には、これらの珪石や溶融シリカ、ガラスは、前記の蓄光発光性層(2)における密着一体化による強度、耐剥離性等の物理的特性、そして蓄光発光性の増大効果(透明性骨材を散布しない場合に比べての)等の観点からは、その外形の50体積%以上が蓄光発光性層(2)に埋設されることや、蓄光発光性層(2)の表面よりも、その高さとして0.1mm以上5mm以下露出するようにすることが好ましく考慮される。また、粒径は、0.3〜10mmの範囲、さらに好ましくは2.0〜3.0mmの範囲のものが考慮される。
【0066】
散布量については、1〜10kg/m2の範囲、好ましくは3〜6kg/m2の範囲が考慮される。
【0067】
なお、蓄光発光性層(2)の厚みについては、特に限定的ではないが、1〜5mmの範囲であることが考慮される。
【0068】
実際の施工については、道路基面(1)に対し樹脂ペーストを敷設した後に、樹脂ペーストが流動性を有している状態、あるいは半硬化の状態において透明性骨材(3)を散布し、その自重によって、樹脂ペーストに部分埋込されるか、さらには、必要に応じて、上部よりローラ等で押圧することにより部分埋込されるようにする。その後、樹脂ペーストが硬化して、透明性骨材(3)は、蓄光発光性層(2)に一体化埋設されることになる。
【0069】
以上のような特徴のある組織構造によって、この発明の表示材は、透明性骨材を使用しない場合に比べて蓄光発光効果は顕著に増大する。これは、太陽光や蛍光灯からの光エネルギーの吸収のための光が当たる表面積が、透明性骨材の存在によって増加することに大きく帰因していると考えられる。
【0070】
しかも、外方に露出する透明性骨材の存在によって表示材の施工後の表面部には凹凸が形成され、このことによって、表面部のノンスリップ性能が向上することになる。このノンスリップ性能は、横断歩道や歩道兼用路面の表示材によっては、人が滑って転倒すること、あるいはそれにともなう交通事故等を未然に防止するとの観点から極めて重要である。
【0071】
この発明の上記のとおりの透明性骨材の大きさや散布量、露出の割合や高さの規定はノンスリップ性能の向上の観点からも重要である。
【0072】
さらにこの出願の発明においては、蓄光発光効果をより大きなものとするために、上記の樹脂ペーストの敷設前に、所要の位置に白色の下塗層を設けておくことが有効でもある。白色の下塗層は従来公知のものをはじめ各種の材料からなるものであってよい。
【0073】
もちろん、この出願の発明においては、白色下塗層だけでなく、コンクリートやアスファルト等の道路の表面部の状態や性質、さらには透明性樹脂の種類や性質等によって、付着強度を高めるために、あらかじめプライマー(接着)層を設けておいて、その上にこの発明の道路表示材を配設一体化するようにしてもよい。
【0074】
以上のとおりのこの出願の発明によって、道路のレーンマーク等として有用な、高い蓄光発光性能を有し、蓄光発光顔料を使用しても緑色の色調を抑えて、白線、あるいは黄色、オレンジ色等のカラーラインとしての使用が可能となる蓄光発光性道路表示材が提供される。
【0075】
そこで以下に実施例を示し、さらに詳しく説明する。もちろん以下の例によって発明が限定されることはない。
【0076】
なお、以下の実施例においての蓄光発光性能の評価は、JIS「蓄光安全標識板」Z9100−1987に準拠して、D65常用光源で200Lx(ルックス)を飽和状態になるまで照射した後に、輝度が3mcd/m2になるまでの時間をもって評価基準としている。
【0077】
【実施例】
<実施例1>
MMAポリマーとMMAモノマーとが混在するMMA樹脂シロップとしてMMAポリマーの含有率と粘度とが異なるものを各種用意し、このものに、以下の配合(重量)比となるように蓄光発光性顔料成分等を混合した。
【0078】
MMA樹脂シロップ 35.5
樹脂硬化剤 0.5
アルミン酸ストロンチウム系 52.0
蓄光発光性顔料
((株)根本特殊化学製、平均粒径 100μm)
水酸化アルミニウム 12.0
(平均粒径 8μm)
混合は0.1気圧の減圧雰囲気条件下に行った。その際に混合調製物の単位体積当りの気泡含有率を1%以下になるようにした。
【0079】
得られた混合調製物を、道路表面と同様の構成としたコンクリートサンプルの表面に敷設して硬化させた。
【0080】
粘度1.0〜10.0Pa・s(20℃)の場合の成形硬化体のサンプル表面への付着強度は150N/cm2(コンクリート基材破壊)であり、また、耐摩耗性は0.02g(JIS A 1452に従う)と良好であった。
【0081】
また、成形硬化体について3mcd/m2の輝度になるまでの時間を測定し、蓄光発光性能を評価した。その結果を表2に例示した。
【0082】
【表2】
【0083】
表2より、樹脂シロップの粘度が1.0Pa・s(20℃)未満の場合には、3mcd/m2までの時間が8時間を超えることが難しいことがわかる。一方、1.0Pa・s(20℃)以上の場合には、8時間を超え、14時間以上にも達することがわかる。
<実施例2>
実施例1において、MMA樹脂シロップの粘度6.0Pa・s(20℃)のものを用いかつ、アルミン酸ストロンチウム系蓄光発光性顔料の平均粒径の異なるものを用いて、同様にして成形硬化体を得た。いずれの場合も、サンプル表面への付着強度は100〜160N/cm2(コンクリート基材破壊)であり、また、耐摩耗性は0.01〜0.02g(JIS A 1452に従う)であった。
【0084】
各々のものについて、3mcd/m2までの時間を測定した。その結果を表3に例示した。
【0085】
【表3】
【0086】
大粒径の蓄光発光性顔料成分の使用によって極めて顕著な蓄光発光性能の向上が実現されることが確認された。一方、10μm未満の場合には3mcd/m2までの時間が8時間を超えることがないことも確認された。
<実施例3>
実施例1において、MMA樹脂シロップの粘度6.0Pa・s(20℃)のものを用い、混合時の雰囲気を変更し、また混合装置を変更して攪拌混合を行った。
【0087】
各々の場合の3mcd/m2に至るまでの時間を測定し、その結果を表4に例示した。表4における減圧度(kPa)は常圧から減圧した度合いを示している。
【0088】
なお、混合装置A、B、Cは次のものを示している。
【0089】
A:混合容器内面、攪拌羽根ともにステンレス製
B:Aにおいて攪拌羽根表面のみシリコンゴム被覆
C:Aにおいて混合容器内面、攪拌羽根表面ともにシリコンゴム被覆
【0090】
【表4】
【0091】
5kPa以上減圧することが有効であることと、混合装置内面と攪拌羽根表面のシリコンゴム被覆が良好な性能を与えることが確認された。
<実施例4>
MMAポリマーとMMAモノマーとが混在するMMA樹脂シロップ(粘度6.0Pa・s(20℃)を用意し、このものに以下の配合(重量)比となるように蓄光発光性顔料成分等を混合した。
【0092】
MMA樹脂シロップ 35.5
樹脂硬化剤 0.5
アルミン酸ストロンチウム系 54.0
蓄光発光性顔料
((株)根本特殊化学製、平均粒径 150μm)
他の顔料 10.0
(平均粒径 30μm)
各種の顔料を用いた場合の成形硬化体について、実施例1と同様に製造し、3mcd/m2までの時間を測定した。その結果を表5に例示した。
【0093】
【表5】
【0094】
白色顔料としてのジルコンはその隠蔽性が小さいことから蓄光発光性能に優れていることがわかる。
<実施例5>
実施例4において、他の顔料として水酸化アルミニウムを用い、蓄光発光性顔料(A)と水酸化アルミニウム顔料(B)との配合比を変更した場合の3mcd/m2までの時間について評価した。その結果を表6に例示した。
【0095】
【表6】
【0096】
重量比B/Aが3を超える場合に急激に蓄光発光性能が低下することが確認された。
<実施例6>
実施例4において、他の顔料として水酸化アルミニウムを用い、各成分の配合比を変更した場合の3mcd/m2までの時間を測定した。その結果を表7に例示した。
【0097】
【表7】
【0098】
<実施例7>
実施例4において他の顔料として水酸化アルミニウムとし、アルミン酸ストロンチウム系蓄光発光性顔料の配合を24.0とし、透明性骨材として平均粒径1mnの珪石粉を30.0の割合で配合した。
【0099】
このものの3mcd/m2までの時間は、蓄光発光性顔料の配合を大きく減らしたにもかかわらず、約8時間と比較的良好であった。
【0100】
透明性成分(C)とこの骨材(D)との重量比は0.845であったが、この重量比を3.0に変更したところ、3mcd/m2までの時間は9時間となった。
<実施例8>
他の顔料として水酸化アルミニウムを用いる場合の実施例4において、MMA樹脂シロップに代えて、シリコーン樹脂(信越化学製、KE1310S)を用いて成形硬化体を得た。このものの粘度は、約50Pa・s(20℃)である。
【0101】
このものの3mcd/m2までの時間は14時間であった。良好な蓄光発光性能が得られることが確認された。
<実施例9>
実施例7において重量比D/C=3の樹脂ペーストを敷設してさせた後に、厚み3mmの硬化体の表面をウォータージェット噴射により処理して、硬化表面部から約0.5mmの厚み部分を除去して粗面化した。
【0102】
このものは、すべり抵抗値BPN(ASTM E303)が湿潤面において65、乾燥面において70であり、ノンスリップ性能に優れていることが確認された、3mcd/m2までの時間は、処理前の9時間から10時間にまで延長されることが確認された。
<実施例10>
実施例4において他の顔料を水酸化アルミニウムとした樹脂ペーストを4mmの厚みで敷設後に、その硬化前に、粒径1〜5mmのガラス粉を5kg/m2の割合で散布し、その各々の約55体積%が埋設され、かつ、0.1〜1.4mmの範囲で突出している状態が硬化させた。
【0103】
このものは、すべり抵抗値BPN(ASTM E303)が湿潤面において66、乾燥面において69であり、ノンスリップ性能に優れていることが確認され、また、3mcd/m2までの時間は17時間にまで延長されることが確認された。
<実施例11>
実施例1において6.0Pa・s(20℃)の場合の樹脂ペーストを用い、あらかじめサンプルのアスファルト表面に下塗り層として白色調道路用塗料を塗布(厚み2mm)し、その上に上記樹脂ペーストを敷設して硬化させた。
【0104】
この時の3mcd/m2までの時間と、15分後の初期輝度について測定した。その結果を表8に例示した。白色下塗り層の存在によって、顕著に蓄光発光性能が向上していることがわかる。
【0105】
【表8】
【0106】
<比較例>
従来公知の特開平10−82023号公報に開示されているとおりに成形し、蓄光発光性能を測定した。最良の結果としても、3mcd/m2までの時間は5時間15分であった。また、発光色は蓄光顔料色(緑色)が強い色であった。
【0107】
【発明の効果】
以上詳しく説明したとおり、この出願の発明によって、道路のレーンマーク等として有用な、所要の耐磨耗性や耐候性と共に高い蓄光発光性能を有し、緑色の色調を抑えて白線や各種のカラーラインとしての使用が可能となり、さらにはノンスリップ性能をも具有することのできる、新しい蓄光発光性道路標示材が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】ウォータージェット処理などについて説明した断面図である。
【図2】透明性骨材の埋設について説明した断面図である。
Claims (26)
- 透明性樹脂成分とともに蓄光発光性顔料成分を含有する樹脂ペーストが道路表面に敷設されて蓄光発光性層が形成される道路標示材において、樹脂ペーストには、全体量の7〜95重量%の透明性樹脂成分が配合されていることを特徴とする蓄光発光性道路標示材。
- 蓄光発光性顔料成分の平均粒径が10〜2000μmの範囲であることを特徴とする請求項1の蓄光発光性道路標示材。
- 樹脂ペーストには、蓄光発光性顔料成分とともに他の顔料成分が含有されていることを特徴とする請求項1の蓄光発光性道路標示材。
- 他の顔料成分は平均粒径が0.1〜40μmの範囲であることを特徴とする請求項3の蓄光発光性道路標示材。
- 他の顔料成分は、白色、黄色およびオレンジまたは赤色のうちの少くとも1種の顔料であることを特徴とする請求項3または4の蓄光発光性道路標示材。
- 蓄光発光性顔料成分(A)と他の顔料成分(B)との重量配合比(B/A)が3.0以下であることを特徴とする請求項3ないし5のいずれかの蓄光発光性道路標示材。
- 白色顔料成分としてジルコニウムの酸化物もしくは複合酸化物が配合されていることを特徴とする請求項5または6の蓄光発光性道路標示材。
- 樹脂ペーストへのジルコニウムの酸化物もしくは複合酸化物の配合が全体量の0.1〜5.0重量%の範囲であることを特徴とする請求項7の蓄光発光性道路標示材。
- 透明性樹脂成分の粘度が1Pa・s(20℃)以上であることを特徴とする請求項1の蓄光発光性道路標示材。
- 樹脂ペーストにおける単位体積当たりの気泡含有率が2%以下であることを特徴とする請求項1の蓄光発光性道路標示材。
- 樹脂ペーストは、減圧雰囲気下で混合調製されたものであることを特徴とする請求項1または10の蓄光発光性道路標示材。
- 請求項1ないし11のいずれかの蓄光発光性道路標示材であって、樹脂ペーストには透明性骨材が配合されていることを特徴とする蓄光発光性道路標示材。
- 透明性骨材は珪石、溶融シリカおよびガラスの少くとも1種であることを特徴とする請求項12の蓄光発光性道路標示材。
- 珪石、溶融シリカおよびガラスはその粒径が0.3〜10mmの範囲にあり、樹脂ペースト全体量の0.1〜6重量倍の範囲で配合されていることを特徴とする請求項13の蓄光発光性道路標示材。
- 請求項1ないし14のいずれかの道路標示材であって、道路表面に敷設されていることを特徴とする蓄光発光性道路標示材。
- 請求項1ないし11のいずれかの道路標示材において、樹脂ペーストが道路表面に敷設された後、その硬化前に透明性骨材が散布され、その外形の少くとも一部が露出状態で蓄光発光性層に埋設されていることを特徴とする蓄光発光性道路標示材。
- 透明性骨材は各々がその50体積%以上埋設されていることを特徴とする請求項16の蓄光発光性道路標示材。
- 透明性骨材は、樹脂ペーストの硬化表面部から0.05〜5mmの範囲で突出していることを特徴とする請求項16または17の蓄光発光性道路標示材。
- 樹脂ペーストの敷設厚みが1〜5mmの範囲であることを特徴とする請求項16ないし18のいずれかの蓄光発光性道路標示材。
- 透明性骨材は珪石、溶融シリカおよびガラスのうちの少くとも1種であり、粒径が0.3〜10mmの範囲であって、1〜10kg/m2の割合で散布されていることを特徴とする請求項16ないし19のいずれかの蓄光発光性道路標示材。
- 請求項12ないし14のいずれかの透明性骨材が樹脂ペーストに配合された道路標示材において、樹脂ペーストの道路表面への敷設とその硬化の後に、蓄光発光性層の表面が粗研削されるか、またはウォータージェット処理により樹脂ペーストの硬化表面部が除去されていることを特徴とする蓄光発光性道路標示材。
- 樹脂ペーストの硬化表面部から0.1〜2mmの範囲で除去されていることを特徴とする請求項21の蓄光発光性道路標示材。
- 請求項1ないし22のいずれかの道路標示材が道路表面に配設されていることを特徴とする蓄光発光性道路構造。
- 請求項23の道路構造であって、道路標示材が配設されている道路表面には予め白色の下塗り層が配設されていることを特徴とする蓄光発光性道路構造。
- 請求項23または24の道路構造であって、道路標示材がプライマー層を介して道路表面または白色下塗り層の上に配設されていることを特徴とする蓄光発光性道路構造。
- 請求項23ないし25のいずれかの道路構造であって、道路表面は予め粗面化されていることを特徴とする蓄光発光性道路構造。
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