JP2001184004A - 蓄光性表示板 - Google Patents

蓄光性表示板

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JP2001184004A
JP2001184004A JP36970499A JP36970499A JP2001184004A JP 2001184004 A JP2001184004 A JP 2001184004A JP 36970499 A JP36970499 A JP 36970499A JP 36970499 A JP36970499 A JP 36970499A JP 2001184004 A JP2001184004 A JP 2001184004A
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syrup
light
resin
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JP36970499A
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Masami Itagaki
正美 板垣
Shigeru Yamaguchi
茂 山口
Masao Ishii
正雄 石井
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Kuraray Co Ltd
Original Assignee
Kuraray Co Ltd
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Publication date
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(57)【要約】 【課題】 優れた作業性で短時間に製造することがで
き、視認性の高い蓄光性表示板を提供する。 【解決手段】 硬質樹脂板の少なくとも片面の一部に蓄
光性樹脂組成物層を積層してなる蓄光性表示板を製造す
るに際し、硬質樹脂板の表面に凹部を設け、該凹部に、
蓄光顔料を分散させた粘度0.3〜200Pa・sの常
温硬化型アクリル樹脂シラップを注入し硬化させること
によって蓄光性樹脂組成物層を形成することを特徴とす
る蓄光性表示板の製造方法およびそれにより得られる蓄
光性表示板。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、夜間光源のない状
態でも視認が容易な蓄光性表示板を、作業性良く短時間
に製造できる蓄光性表示板の製造方法およびそれにより
得られる蓄光性表示板に関する。
【0002】
【従来の技術】蓄光性の樹脂組成物層を有する蓄光性表
示板は、各種の案内板や標示類などとして利用されてい
る。これらの蓄光性表示板においては、発光量を大きく
しようとすると蓄光層を厚くする必要がある。そのため
に製造する際の蓄光材の塗工性、作業性が劣り製造に長
時間を要することになる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、視認
性の高い蓄光性表示板を、優れた作業性で短時間に製造
できる方法を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、硬質樹脂板の
少なくとも片面の一部に蓄光性樹脂組成物層を積層して
なる蓄光性表示板を製造するに際し、硬質樹脂板の表面
に凹部を設け、該凹部に、蓄光顔料を分散させた粘度
0.3〜200Pa・sの常温硬化型アクリル樹脂シラ
ップを注入し硬化させることによって蓄光性樹脂組成物
層を形成することを特徴とする蓄光性表示板の製造方法
および該製造方法により製造された蓄光性表示板であ
る。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明において用いられる硬質樹
脂板は、凹部を設けるための加工が可能な硬度であれば
特に制限されず、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂などの板
を用いることができる。中でも本発明では、軽量、入手
が容易、表面に凹部を設ける加工が容易、蓄光性樹脂組
成物層との接着性が高いなどの理由から、アクリル樹脂
板を用いるのが好ましい。上記のアクリル樹脂板は、意
匠性、高級感などを付与するためにみかげ石調や大理石
調などの表面模様を有しているのがより好ましく、また
天然石に近い質感を付与するために水酸化アルミニウム
などの無機充填剤を含有させた人工大理石板であるのが
さらに好ましい。
【0006】硬質樹脂板は、蓄光性樹脂組成物層からな
る表示部分との色の対比をつけるため、濃灰色〜黒色の
ような濃色であるのが好ましい。また、硬質樹脂板の厚
さは2〜50mmであるのが好ましく、5〜30mmで
あるのがより好ましく、10〜20mmであるのがさら
に好ましい。
【0007】上記の硬質樹脂板には、少なくとも片面の
一部に凹部を設ける。本発明における凹部とは、溝や、
土手状の連続した凸部に囲まれた部分等をも含む。該凹
部は、蓄光性樹脂組成物が表示する文字、図形、模様な
どの形状に応じて、彫刻機等により1〜6mmの深さで
設けるのが好ましい。凹部の深さが上記の範囲内である
と、その位置における蓄光材の量を深さ方向で十分な量
にすることができ、発光量が大きく、視認性に優れ、発
光部分と非発光部分とのコントラストに優れる蓄光性表
示板が得られる。また、蓄光性樹脂組成物層が発する光
を表示板の前方向へ効果的に拡散させるため、白色塗料
等により、凹部の底にバックコートを施しておいてもよ
い。
【0008】本発明では、蓄光顔料を分散させた常温硬
化型アクリル樹脂シラップを用いる。ここで、蓄光顔料
とは外部からのエネルギーを蓄積し、その蓄積したエネ
ルギーを光として外界に放射する性質を持つ蓄光性物質
を含有する顔料をいう。蓄光性物質としては、例えば、
硫化亜鉛、硫化カルシウム等の硫化物、アルミン酸スト
ロンチウム等のアルミン酸塩などを挙げることができ、
中でも、他の蓄光性物質に比べ残光時間が長く、ほぼ一
晩中表示内容を視認することが可能である点、耐候性に
優れるため屋外での長期間の使用が可能である点などか
ら、アルミン酸ストロンチウムを用いるのが好ましい。
また、蓄光性物質における外部からのエネルギーとは、
蓄光性物質を励起可能な波長の光を有するものであっ
て、太陽光のほか各種人工照明等を利用することができ
る。
【0009】常温硬化型アクリル樹脂シラップ中の蓄光
顔料の含有量は、蓄光顔料を分散させたシラップ全体に
対して、5〜50重量%であるのが好ましく、20〜4
0重量%であるのがより好ましい。蓄光顔料の含有量が
上記の範囲内であると、蓄光性を飽和することなく発現
させることができ、十分な発光量を有する蓄光性樹脂組
成物層を得ることができる。
【0010】アクリル樹脂シラップとは、アクリル樹脂
分を液状の単量体成分に均一に溶解させた粘度の高い溶
液、または(メタ)アクリル系単量体成分の塊状重合法
における重合反応を途中で停止させた部分重合体をい
う。アクリル樹脂分としては、主としてメタクリル酸メ
チル単位からなり、他に20重量%以下の割合で、アク
リル酸エステル系単量体、スチレン系単量体、ビニルエ
ステル系単量体、ハロゲン化ビニル系単量体、ビニルエ
ーテル系単量体等から誘導される単位の1種または2種
以上を有していることができる。また、単量体成分とし
ては主としてメタクリル酸メチルからなり、他に20重
量%以下の割合で、アクリル酸エステル系単量体、スチ
レン系単量体、ビニルエステル系単量体、ハロゲン化ビ
ニル系単量体、ビニルエーテル系単量体等の1種又は2
種以上を用いることができる。さらにシラップにした後
にメタクリル酸メチルを混合し、粘度を調整してもよ
い。
【0011】本発明で用いる蓄光顔料を分散させたアク
リル樹脂シラップの粘度は、混合や注型のし易さから
0.3〜200Pa・sの範囲内であり、垂直状態に固
定してある硬質樹脂板の凹部に注入しても流下変形せず
に硬化させることができる作業性から50〜200Pa
・sの範囲内であるのがより好ましい。上記のシラップ
の粘度が0.3Pa・s未満では、シラップの硬化前に
蓄光顔料が沈降し、蓄光性樹脂組成物層と硬質樹脂板と
の接着不良や発光の不均一が生じ、粘度が200Pa・
sより高いと、シラップの硬質樹脂板凹部への注入や混
入した気泡の除去が困難になる。
【0012】アクリル樹脂シラップが常温硬化性を有し
ていると、凹部への注入後に硬質樹脂板全体を加熱する
必要がなく、硬化に要する時間を短縮することができ、
作業性を高めることができる。上記のアクリル樹脂シラ
ップに常温硬化性を付与する方法は特に制限されない
が、例えば、硬質樹脂板の有する凹部への注入直前に、
アクリル樹脂シラップに対し、ラジカル重合開始剤と還
元剤とを組合せたレドックス系重合開始剤を添加する方
法が挙げられる。レドックス系重合開始剤としては、過
酸化ベンゾイル等のラジカル重合開始剤と、ジメチルパ
ラトルイジン等のアミン系還元剤との組合せが好まし
い。
【0013】上記のようにして調製された常温硬化型ア
クリル樹脂シラップは、硬質樹脂板の凹部に注入して硬
化させ、蓄光性樹脂組成物層を形成させて、蓄光性表示
板を製造する。
【0014】本発明の製造方法により得られる蓄光性表
示板は、自動車内外、屋内外等の、電気スイッチ、携帯
用電灯、階段、道路、非常持出し、消火器、火災報知器
等の位置認識用各種案内標示;コンセント、鍵等の差込
穴;時計文字盤;ネクタイピン、ペンダント等のアクセ
サリーなどとして有用であり、特に、看板、表札等の中
型以上の大きさの蓄光性表示板として有用である。
【0015】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに詳細に説
明するが、本発明はこれら実施例によって何ら制限され
るものではない。なお、樹脂シラップの粘度は、回転式
粘度計(B型またはBH型粘度計;東京計器社製)によ
り測定した。 <参考例1>アクリル樹脂系人工大理石板(クラレ社製
ノーブルライトKN G585K)に彫刻機で幅3〜1
0mm、深さ2〜5mmの文字形状の溝を彫り、その内
面を白色の水性塗料によりバックコートして、凹部を有
する硬質樹脂板を得た。
【0016】<実施例1>メタクリル酸メチル100重
量部に0.2重量部の割合で過酸化ベンゾイルを加えて
塊状重合を開始し、途中で冷却して反応を中断して得た
シラップのうち70重量部に、ジメチルパラトルイジン
0.2重量部を溶解させ、アルミン酸ストロンチウムを
主成分とする蓄光顔料(N夜光「ルミノーバ」;根本特
殊科学社製)30重量部を分散させ、さらに脱泡した。
上記の蓄光顔料を分散させた樹脂シラップの粘度は10
0Pa・sであった。参考例1で製造した硬質樹脂板を
垂直に固定し、凹部に前記のシラップを注入し、常温で
硬化させて蓄光性表示板を得た。硬化に要した時間は1
時間であった。この蓄光性表示板を太陽光に3時間あ
て、暗所で視認性を確認した結果、視認性は良好であ
り、6時間にわたり継続して視認が可能であった。
【0017】<実施例2>アクリル酸メチルを13重量
%共重合したポリメタクリル酸メチル(平均重合度=5
00)30重量部をメタクリル酸メチル70重量部に溶
解させた樹脂シラップのうち70重量部に、過酸化ベン
ゾイル0.2重量部、ジメチルパラトルイジン0.2重
量部を溶解させ、アルミン酸ストロンチウムを主成分と
する蓄光顔料(N夜光「ルミノーバ」;根本特殊科学社
製)30重量部を分散させ、さらに脱泡した。上記の蓄
光顔料を分散させた樹脂シラップの粘度は1.3Pa・
sであった。参考例1で製造した硬質樹脂板を水平に置
き、凹部に前記のシラップを注入し、常温で硬化させて
蓄光性表示板を得た。硬化に要した時間は1時間であっ
た。この蓄光性表示板を太陽光に3時間あて、暗所で視
認性を確認した結果、視認性は良好であり、6時間にわ
たり継続して視認が可能であった。
【0018】<比較例1>ジメチルパラトルイジンを添
加しないこと以外は実施例2と同様にして蓄光顔料を分
散させた樹脂シラップを製造し、参考例1で製造した硬
質樹脂板の凹部に注入した。この樹脂シラップは常温硬
化性を有しないため、硬化には70℃で3時間の加熱を
要した。
【0019】<比較例2>メタクリル酸メチル100重
量部、に、過酸化ベンゾイル0.2重量部、ジメチルパ
ラトルイジン0.2重量部を溶解させ、アルミン酸スト
ロンチウムを主成分とする蓄光顔料(N夜光「ルミノー
バ」;根本特殊科学社製)30重量部を分散させ、さら
に脱泡した。参考例1で製造した硬質樹脂板の凹部に注
入したところ、粘度が0.3Pa・s未満であることか
ら凹部で蓄光顔料が沈降し、硬質樹脂板と蓄光性樹脂組
成物層との接着不良、発光の不均一などの不都合が生じ
た。
【0020】
【発明の効果】本発明によれば、視認性の高い蓄光性表
示板を、優れた作業性で短時間に製造することができ
る。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 硬質樹脂板の少なくとも片面の一部に蓄
    光性樹脂組成物層を積層してなる蓄光性表示板を製造す
    るに際し、硬質樹脂板の表面に凹部を設け、該凹部に、
    蓄光顔料を分散させた粘度0.3〜200Pa・sの常
    温硬化型アクリル樹脂シラップを注入し硬化させること
    によって蓄光性樹脂組成物層を形成することを特徴とす
    る蓄光性表示板の製造方法。
  2. 【請求項2】 硬質樹脂板が人工大理石板である請求項
    1に記載の蓄光性表示板の製造方法。
  3. 【請求項3】 蓄光顔料を分散させた常温硬化型アクリ
    ル樹脂シラップの粘度が50〜200Pa・sである請
    求項1または2に記載の蓄光性表示板の製造方法。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれか1項に記載の製
    造方法により製造された蓄光性表示板。
JP36970499A 1999-12-27 1999-12-27 蓄光性表示板 Pending JP2001184004A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPWO2003057994A1 (ja) * 2001-12-28 2005-05-19 株式会社アベイラス 蓄光発光性道路標示材と道路構造
JP2021063147A (ja) * 2019-10-10 2021-04-22 アルファペイント株式会社 水系蓄光塗料

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPWO2003057994A1 (ja) * 2001-12-28 2005-05-19 株式会社アベイラス 蓄光発光性道路標示材と道路構造
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