JP2005016507A - 燃料遮断弁 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 燃料遮断弁20は、弁室30Sおよび支持部32bを有するケース本体30と、上部にシート部材47を有するフロート41と、支持部32bに昇降可能に支持された可動弁体37と、弁室30S内と外部とを接続する第1の接続通路37bおよび第2の接続通路38と、を備えている。燃料タンクFT内の燃料液位が第1の液位FL1まで上昇したときに、フロート41の上昇により第1の接続通路37bを閉じ、燃料液位が第1の液位FL1より高い第2の液位FL2まで上昇したときにフロート41の上昇により可動弁体37を押し上げて第2の接続通路38を閉じるように構成している。
【選択図】 図1
Description
燃料タンクの上部に装着され、燃料タンク内と外部とを連通遮断する燃料遮断弁において、
上記燃料タンク内と外部とを連通する弁室と、該弁室の上部に配置された支持部とを有するケース本体と、
上記支持部に昇降可能に支持された可動弁体と、
上記可動弁体に臨んで設けられ、上記弁室内と外部とを接続する第1の接続通路および第2の接続通路と、
上記弁室内に収納され、上記燃料タンク内の燃料液位に応じて昇降するフロートを有する弁機構と、
を備え、
上記弁機構は、上記燃料液位が第1の液位まで上昇したときに、上記フロートの上昇により上記第1の接続通路を閉じ、上記燃料液位が上記第1の液位より高い第2の液位まで上昇したときに上記フロートの上昇により上記可動弁体を押し上げて上記第2の接続通路を閉じるシート面を有すること、を特徴とする。
上記シート面は、第1のシート面と、第2のシート面とを備え、上記第1のシート面は、上記第1の弁体の上部に設けられ、上記燃料液位が上記第1の液位まで上昇したときに上記弁室から上記第1の接続通路へ流れる燃料蒸気の流れにより上昇して上記第1の接続通路を閉じるように形成され、上記第2のシート面は、上記フロートの上部に設けられ上記フロートの上昇により上記第2の接続通路を閉じるように形成されている。
(1) 燃料遮断弁20の概略構成
図1は本発明の第1の実施の形態にかかる自動車の燃料タンクFTの上部に取り付けられる燃料遮断弁20を示す断面図である。図1において、燃料タンクFTは、その表面がポリエチレンを含む複合樹脂材料から形成されており、そのタンク上壁FTaに取付穴FTcが形成されている。このタンク上壁FTaには、燃料遮断弁20がその下部を取付穴FTcに突入した状態にて取り付けられている。燃料遮断弁20は、給油時に燃料タンクFT内の燃料が所定の第1の液位FL1まで上昇したときにわずかに通気を確保した状態で閉じ、さらに第2の液位FL2まで上昇したときに閉じて、外部キャニスタへの流出を規制するものである。
燃料遮断弁20は、ケース本体30と、底支持板35と、可動弁体37と、弁機構40と、スプリング48と、蓋体50と、支持部材60とを主要な構成として備えている。ケース本体30、底支持板35、可動弁体37、フロート41および支持部材60は、耐燃料油性に優れた合成樹脂ポリアセタールから形成されている。蓋体50は、耐燃料油性に優れるとともに、燃料タンクFTに対して熱溶着可能なポリエチレンから形成されている。これらの樹脂材料は耐燃料膨潤性を共に備えているが、ケース本体30、可動弁体37、フロート41を構成するポリアセタールの方が、弁のシール特性を高めるために蓋体50のポリエチレンより優れた燃料膨潤性を有している。
次に、燃料遮断弁20の動作について説明する。図1に示すように、給油により燃料タンクFT内に燃料が供給されると、燃料タンクFT内の燃料液位の上昇につれて燃料タンクFT内の上部に溜まっていた燃料蒸気は、透孔61a、連通孔33aを通じて、また底支持板35の連通路35bを通じて弁室30S内に入り、弁室30Sから、第1の接続通路37b、蓋側通路52aを通じて、キャニスタ側へ逃がされる。そして、図4に示すように、燃料タンクFT内の燃料液位が所定の第1の液位FL1に達すると、燃料は、底支持板35の連通路35bを通じて弁室30Sに流入する。これにより、フロート41の浮力およびスプリング48の荷重による上方への力と、フロート41およびフロートアッパ45の自重による下方への力との釣り合いによって、前者が後者を上回ったときにフロート41とフロートアッパ45とが一体になって上昇して、シート部材47が可動弁体37の第1のシール部37eに着座して第1の接続通路37bを閉じる。これにより、燃料タンクFTへの給油の際等に、燃料タンクFTから燃料蒸気を逃がすとともに燃料が燃料タンクFT外へ流出するのを防止することができる。
図7は第2の実施例に係る燃料遮断弁20Bを示す断面図である。第2の実施例は、ケース本体30Bの第2のシール部32Beを閉じる弁部材を可動弁体37Bに設けた構成に特徴を有する。すなわち、可動弁体37Bには、フランジ37Bgが形成され、このフランジ37Bgの上面に第2のシート部材37Bhが装着されている。この構成によれば、燃料液位が第1の液位FL1のときには、第1のシート部材47Bが第1のシート部37Beに着座して第1の接続通路37Bbを閉じ、燃料液位が第2の液位FL2に達したときには、可動弁体37Bの第2のシート部材37Bhが第2のシール部32Beに着座する。このようにシート移動体により閉じられる第2の接続通路38Bを開閉する箇所は、その構成に応じて適宜設けることができる。なお、上記可動弁体37Bは、分割して形成し、各分割部材の間を爪で連結する構成をとることにより組み付けを容易にすることができる。
図8は第3の実施例にかかる燃料遮断弁20Cを示す断面図である。第3の実施例は、可動弁体37Cを閉じる荷重に補助的にスプリングを用いた構成に特徴を有している。すなわち、可動弁体37Cのフランジ37Cgと蓋体50Cの上内壁との間にスプリング39Cが架設されており、可動弁体37Cを下方に付勢している。このスプリング39Cは、可動弁体37Cの重量が小さく、外部へ流れる気流で開弁し易い場合に、安定した開弁力を得るために有効である。
なお、スプリングの代わりに、またはスプリングとともに可動弁体を下方に下げる力として、錘を外装したりインサート成形したりしてもよい。
図9は第4の実施例にかかる燃料遮断弁20Eの可動弁体37Dの付近を示す斜視図であり、可動弁体37Dを支持部32Dbから外した状態で示している。第4の実施例は、第2の接続通路38Dの構成に特徴を有している。すなわち、支持部32Dbの内周壁には、上下方向に複数のリブ32Djが突設され、一方、可動弁体37Dの外周壁は円筒に形成されている。また、支持部32Dbの上端部には、リブ32Djに連結されかつ中心から径方向に配置された複数のリブ32Dkが突設されている。これにより、第2の接続通路38Dは、可動弁体37Dの移動本体37Daとリブ32Djとの間から、フランジ37Dgとリブ32Dkとの間により確保される。なお、リブ32Dkは、支持部32Dbの上端部に形成する構成のほか、フランジ37Dgの下面に形成してもよい。
図10は第5の実施例にかかる燃料遮断弁20Eの上部を示す断面図である。第5の実施例は、弁機構を2つの弁体機構により構成したことに特徴を有している。弁機構40Eは、第1の弁体45Eを有する第1の弁体機構と、燃料液位に応じて昇降するフロート41Eを有し上記第1の弁体45Eを昇降可能に支持する第2の弁機構46Eとを備えている。
第2の弁機構46Eは、フロート41Eと、フロート41Eの上部に装着されたゴム製のシート部材47Eとを備えている。フロート41Eは、その上部支持部で第1の弁体45Eを昇降可能に支持している。すなわち、上部支持部は、フロート41Eの上部に形成された上部凹所41Ecを有している。上部凹所41Ecは、その開口面積を小さくした開口部41Edの開口周縁部に爪45Efが係合することにより第1の弁体45Eをフロート41Eに対して抜止めしている。また、上部凹所41Ecの中央には、支持突部41Eeが突設されている。支持突部41Eeは、第1の弁体45Eの中央下突部を当接支持している。
また、シート部材47Eは、第2のシール部32eに着座する第2のシート面47Ecを有しており、フロート41Eの上部の保持部41Efにより保持されている。
さらに、可動弁体37の上方の移動位置を規制するための規制部51Eaが蓋体50Eの内壁に形成されている。規制部51Eaは、可動弁体37が可動できる距離をL1とし、第1の弁体45Eが上方へ移動できる距離をL2とすると、L1<L2となるように形成されている。
図14は第6の実施例にかかる燃料遮断弁20Fの上部を示す断面図である。第6の実施例は、弁機構を2つの弁体機構により構成するとともに、再開弁特性を向上させた構成に特徴を有している。
第2弁機構は、フロート41Fと、フロート41Fの上部に昇降可能に支持された第2の弁体46Fとを備えている。第2の弁体46Fは、円板形状の上壁46Faと、上壁46Faの下面から下方に突設された脚部46Fbとを備えている。上壁46Faの上面には、ゴム製のシール部材47Fが装着され、シール部材47Fの上面が第2のシール部32eに着座する第2のシート面47Faになっている。また、脚部46Fbの下端には、爪46Fcが形成されている。爪46Fcは、フロート41Fの上部のフランジ41Faに係合することにより第2の弁体46Fを抜止めしている。第2の弁体46Fの中央部には、弁体連通孔46Fdが貫通形成されている。弁体連通孔46Fdの内周下部は、第3のシール部46Feになっており、フロートの41Fの弁部41Fbにより開閉されるように構成されている。さらに、上壁46Faには、突部46Fgが周方向に90゜の等間隔に4箇所上方に向けて突設されており、突部46Fgの間が隙間部46Fhになっている。上記突部46Fgは、第1の弁体45Fの上壁45Faとの接触面積を小さくして第1の弁体45Fのスムーズな作動を可能にしている。
弁体連通孔46Fdの連通により、タンク内圧は、隙間部46Fhを抜け、さらに第2の接続通路38に通じる。これにより、第2の弁体46Fの上下面に加わっている差圧および第1の弁体45Fの上下面に加わっている差圧が解消されるから、第2の弁体46Fの第2のシート面47Faが第2のシール部32eから離れ、さらに第1の弁体45Fの第1のシート面45Fcが第1のシール部37eから離れる。このように、フロート41F、第1の弁体45F、第2の弁体46Fの3段の構成とすることにより、閉弁状態から第1の接続通路37bおよび第2の接続通路38を開く再開弁をスムーズに行なわせることができる。
20B...燃料遮断弁
20C...燃料遮断弁
20E...燃料遮断弁
20F...燃料遮断弁
30...ケース本体
30B...ケース本体
30S...弁室
30a...下開口
32...天井壁部
32Be...第2のシール部
32Db...支持部
32Dj...リブ
32Dk...リブ
32a...上部突出部
32b...支持部
32d...環状段部
32e...第2のシール部
33...側壁部
33a...連通孔
33b...係合爪
33d...係合突起
33f...係合突起
35...底支持板
35a...係合穴
35b...連通路
35c...支持脚
35d...スプリング支持部
36...Oリング
37...可動弁体
37B...可動弁体
37Bb...第1の接続通路
37Be...第1のシート部
37Bg...フランジ
37Bh...第2のシート部材
37C...可動弁体
37Cg...フランジ
37D...可動弁体
37Da...移動本体
37Dg...フランジ
37a...移動本体
37b...第1の接続通路
37d...リブ
37e...第1のシール部
37f...透孔
37g...フランジ
38...第2の接続通路
38B...第2の接続通路
38D...第2の接続通路
39C...スプリング
40...弁機構
40E...弁機構
41...フロート
41E...フロート
41Ec...上部凹所
41Ed...開口部
41Ee...支持突部
41Ef...保持部
41F...フロート
41Fa...フランジ
41Fb...弁部
41S...浮力室
41a...ガイド突条
42...上壁部
42a...座部
42b...弁部
43...側壁部
45...フロートアッパ
45E...第1の弁体
45Ea...上壁
45Eb...脚部
45Ee...第1のシート面
45Ef...爪
45F...第1の弁体
45Fa...上壁
45Fb...脚部
45Fc...第1のシート面
45Fd...爪
45a...円板
45b...弁体連通孔
45c...第3のシール部
45d...フィン
46E...第2の弁機構
46F...第2の弁体
46Fa...上壁
46Fb...脚部
46Fc...爪
46Fd...弁体連通孔
46Fe...第3のシール部
46Ff...第3のシール部
46Fg...突部
46Fh...隙間部
47...シート部材
47B...第1のシート部材
47E...シート部材
47Ec...第2のシート面
47F...シート部材
47Fa...第2のシート面
48...スプリング
50...蓋体
50C...蓋体
50E...蓋体
51...蓋本体
51Ea...規制部
52...管体部
52a...蓋側通路
53...フランジ部
53a...環状溶着部
54...嵌合部
54a...切欠き
60...支持部材
61...筒本体
61a...透孔
62...フランジ
63...テーパ部
FT...燃料タンク
FTa...タンク上壁
FTc...取付穴
Claims (9)
- 燃料タンクの上部に装着され、燃料タンク内と外部とを連通遮断する燃料遮断弁において、
上記燃料タンク内と外部とを連通する弁室と、該弁室の上部に配置された支持部とを有するケース本体と、
上記支持部に昇降可能に支持された可動弁体と、
上記可動弁体に臨んで設けられ、上記弁室内と外部とを接続する第1の接続通路および第2の接続通路と、
上記弁室内に収納され、上記燃料タンク内の燃料液位に応じて昇降するフロートを有する弁機構と、
を備え、
上記弁機構は、上記燃料液位が第1の液位まで上昇したときに、上記フロートの上昇により上記第1の接続通路を閉じ、上記燃料液位が上記第1の液位より高い第2の液位まで上昇したときに上記フロートの上昇により上記可動弁体を押し上げて上記第2の接続通路を閉じるシート面を有すること、を特徴とする燃料遮断弁。 - 請求項1に記載の燃料遮断弁において、
上記可動弁体は、円筒の移動本体を備え、該移動本体内に上記第1の接続通路を形成し、上記移動本体と上記支持部との間隙に上記第2の接続通路を形成した燃料遮断弁。 - 請求項1または請求項2に記載の燃料遮断弁において、
上記シート面は、上記フロートの上部に設けられ、上記第1の接続通路および第2の接続通路を開閉するように形成した燃料遮断弁。 - 請求項3に記載の燃料遮断弁において、
上記シート面は、上記フロートの上部に装着されたシート部材に形成されている燃料遮断弁。 - 請求項1または請求項2に記載の燃料遮断弁において、
上記フロートの上部に上記第1の接続通路を開閉する第1のシート部材を備え、上記可動弁体に上記第2の接続通路を開閉する第2のシート部材を備えるように構成した燃料遮断弁。 - 請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の燃料遮断弁において、
上記可動弁体の上方への力に抗するスプリングを備えた燃料遮断弁。 - 請求項1に記載の燃料遮断弁において、
上記弁機構は、
第1の弁体を有する第1の弁体機構と、上記フロートを有し上記第1の弁体を昇降可能に支持する第2の弁体機構とを備え、
上記シート面は、第1のシート面と、第2のシート面とを備え、
上記第1のシート面は、上記第1の弁体の上部に設けられ、上記燃料液位が上記第1の液位まで上昇したときに上記弁室から上記第1の接続通路へ流れる燃料蒸気の流れにより上昇して上記第1の接続通路を閉じるように形成され、
上記第2のシート面は、上記フロートの上部に設けられ上記フロートの上昇により上記第2の接続通路を閉じるように形成されている、燃料遮断弁。 - 請求項1に記載の燃料遮断弁において、
上記弁機構は、
第1の弁体を有する第1の弁体機構と、上記フロートおよび上記フロートの上部に別体に設けられた第2の弁体とを備え、
上記シート面は、第1のシート面と、第2のシート面とを備え、
上記第1のシート面は、上記第1の弁体の上部に設けられ、上記燃料液位が上記第1の液位まで上昇したときに上記弁室から第1の接続通路へ流れる燃料蒸気の流れにより上昇して上記第1の接続通路を閉じるように形成され、
上記第2のシート面は、上記第2の弁体の上部に設けられ上記フロートの上昇により上記第2の接続通路を閉じるように形成されている、燃料遮断弁。 - 請求項8に記載の燃料遮断弁において、
上記第2の弁体は、該第2の弁体を貫通する弁体連通孔を有し、上記フロートは、該フロートの昇降により上記弁体連通孔を開閉する弁部を備えている燃料遮断弁。
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