JP2005001983A - 超分散状態ナノ炭素およびその製造方法 - Google Patents

超分散状態ナノ炭素およびその製造方法 Download PDF

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文昭 片岡
Eiji Osawa
映二 大澤
Takahiro Fujino
孝洋 藤野
Shin Takahashi
慎 高橋
Osamu Idohara
修 井戸原
Akira Terajima
章 寺島
Yoshiaki Inoue
好明 井上
Seiji Yokota
誠二 横田
Kazuhiro Kawasaki
一博 川嵜
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Abstract

【課題】 従来、解除が困難なためナノテクノロジー展開における重大な障害となっていた、ナノサイズの粒子とくに炭素の低ナノ粒子の凝集体、凝膠体、結合体の固相あるいは液相など凝縮状態における強固な凝集、凝膠、結合を、添加剤を用いずに解消し、一次ナノ粒子のコロイド溶液を低コストかつ大量に製造する方法を提供する。
【解決手段】 ナノ粒子凝集体または凝膠体または結合体に対して、ビーズミリングによって代表される湿式微粉砕法又は/および高エネルギー超音波処理法を組み合わせて解砕または解膠または解合し、純水などの分散媒を取り除くことなく、コロイド溶液または低濃度スラリーとして保存する。
【選択図】 図9

Description

本発明は、ナノ炭素凝集体、凝膠体または結合集積体を解砕、解膠または分解して超分散状態ナノ炭素を製造する方法、又は/およびこのようにして得られるナノ炭素の再凝集を防ぐ技術又は/および応用開発に係るものである。
究極の高度工業技術と目されるナノテクノロジーにおいては、ナノメートル(10億分の1メートル)サイズの素材を製造、評価、計測、保存、加工するための新しい基盤技術を確立することが最も重要な課題の一つである。ナノテクノロジー用素材の製造方法としては、原子・分子のような最小単位から始めて、自己組織化などの手法を用いて徐々に大きく組み上げてゆくボトムアップまたはビルドアップ方式と、逆にバルク物質を研磨、分解、切削などによって一層小さく分割、解砕してゆくトップダウンまたはブレイクダウン方式とに分けることができる。いずれの方法をとるにしても、また素材元素が何であっても、大きさがほぼナノサイズに到達すると、粒子が自発的に集合を始め、大きさがマイクロメーターからミリメータに達するまで成長を続けることが多い。 従来の微粒子と異なり、ナノ粒子集合体は一旦形成されると容易に解除されず、あたかも一つの粒子のように挙動してナノ一次粒子特有の性質の発現を妨げるために、ナノ粒子の自発集合がナノテクノロジー基盤技術の発展にとって大きな障害となっていたが、これまで汎用性の高い集合解除方法がなかった。そのため、もっぱら気相で低濃度ナノ粒子を発生させて、自己集合を防ぐ努力が、特に金属ナノ粒子に対して行われていた。
ナノ粒子が顕著な自己集合傾向を示す理由として、これまでサイズ効果が良く挙げられる。粒子の表面原子数が内部原子数に比べて無視できないほど多くなると、吸着、会合、反応などの表面活性が顕著に現れる。とくにナノテクノロジー素材として最有望とされる炭素は、原子価状態の相互変換が容易に起きるために、下に述べるような数種類の機構による集合が起こり、困難が増す。事実、これまでにボトムアップ方式によって製造されてきたナノ炭素素材について、粒度分布測定、透過式電子顕微鏡(TEM)又は/および原子間力顕微鏡(AFM)観察などによって注意深く調べると、すべての場合強固な集合体を形成していて、ナノ炭素の特性を発揮していないことが明らかになった。ナノテクノロジーを実現するにはナノ粒子の集合を解除する技術を確立することが必須要件である。
現在直径数十nmの研磨用ダイヤモンド粒子を製造する技術は存在する(特許文献1および2)が、これら技術はいずれも静的高温高圧法で製造されるミクロダイヤを超微粉砕することによって超微細ダイヤモンド粒子を得る方法である。この方法では常に大きな粒子が混入し、その除去が困難であるとともに、数十nmのサイズが限界とされている。
また、大量の黒鉛C60凝集体を一挙に解砕する方法として、ピリジン、テトロヒドロフランなどを水と任意に混和する有機溶媒にC60を飽和濃度まで溶解して大量の水に混ぜ、超音波処理によって有機溶媒を蒸発させる方法が開示されているが、この方法でもC60水中コロイドの最高到達濃度は1.4g/l(20mM)にすぎない(特許文献3)。
特開平4−132606号公報 特開2002−35636号公報 Andreivsky ,G.V. et al. ; Chem. Phys. Lett.;2002,364,8.
本発明の課題は、従来主としてボトムアップ法によって製造されてきたナノ炭素粒子が、ほとんど例外なく強固な集合体として存在する状況を改善することである。このためには多様な各種ナノ炭素粒子の強固な凝集の本性を理解し、状況に応じた凝集解除の方策を見出すことが必要である。また得られたナノ炭素粒子を、再凝集させることなく、安全に保存し且つ輸送できるような技術を確立することである。
上記目的を達成するために、本発明の超分散状態ナノ炭素とその製造方法は、ナノ炭素粒子凝集体に湿式ミリング又は/および湿式分散法を適用し、強固なファンデルワールス凝集を解砕することによって、一次粒子の超分散が得られたことを特徴とするものである。
また、本発明の超分散状態ナノ炭素とその製造方法は、ナノ炭素粒子凝膠体に湿式ミリング又は/および湿式分散法を適用し、薄く且つ構造欠陥の多い黒鉛層による包み込み型凝膠構造を解膠することによって、一次粒子の超分散が得られたことを特徴とするものである。
また、本発明の超分散状態ナノ炭素とその製造方法は、ナノ炭素粒子結合集積体に湿式ミリング又は/および湿式分散法を適用し、粒子間直接共有結合型高次構造を分解することによって、一次粒子の超分散が得られたことを特徴とするものである。
また、本発明の単分子状分散フラーレンとその製造方法は、C60、またはC70、あるいはその他のフラーレンの黒色凝集体粉末に、湿式ミリング又は/および湿式分散法を適用し、強固なファンデルワールス力凝集を解砕することによって得られたことを特徴とするものである。
また、本発明の超分散ナノ黒鉛一次粒子とその製造方法は、超耐磨耗性カーボンブラックに、湿式ミリング又は/および湿式分散法を適用し、薄く且つ構造欠陥の多い黒鉛層による包み込み型凝膠構造を解膠することによって得られたことを特徴とするものである。
また、本発明の超分散ナノダイヤモンド一次粒子とその製造方法は、爆発法ナノダイヤモンド凝膠体に、湿式ミリング又は/および湿式分散法を適用し、薄く且つ構造欠陥の多い黒鉛層による包み込み型凝膠構造を解膠することによって得られたことを特徴とするものである。
また、本発明の超分散炭素ナノホーンとその製造方法は、炭素ナノホーンのダリア状結合集積体に、湿式ミリング又は/および湿式分散法を適用し、粒子間直接共有結合型高次構造を分解することによって得られたことを特徴とするものである。
前記凝集体、凝膠体又は結合集積体の解除を水又は有機溶媒中で行うことが再凝集等を防止するために望ましく、また前記凝集体、凝膠体又は結合集積体の解除後に起こる炭素ナノ粒子間の再凝集を超音波処理により再解除することが望ましい。
また本発明の製造方法は、前記湿式ミリングは、直径0.1mm以下のセラミックビーズ又は金属ビーズを使用しアジテータの周速5m/s以上で行うことが望ましい。 更に本発明の製造方法は活性水素を持つ媒体中で湿式ミリングを行うことにより再凝膠・再結合を防止することが望ましい。
以下に上述した用語について解説する。
a) 超分散状態ナノ炭素−ナノ炭素としてはC60などのフラーレン、炭素ナノホーン、炭素ナノチューブ、ナノダイヤモンド、カーボンブラック一次粒子などが既知であり、これらが超分散状態にある場合を包括して超分散状態ナノ炭素と言う。
b) ファンデルワールス凝集―原子・分子間に働くLondon分散力に起因する粒子間凝集をいう。
c) 爆発法ダイヤモンド−酸素欠如組成をもつ火薬を不活性媒体中で、火薬以外に炭素源を添加することなく爆発させ、煤に高濃度で含まれるダイヤモンド炭素を取り出すことによって得られる超微細ダイヤモンド粒子をいう。
d) 凝膠−炭素においては黒鉛が常温常圧における再安定相であるために、炭素粒子をボトムアップ方式で製造する場合、温度圧力条件が低下するにつれて黒鉛が混入し、一次粒子表面に黒鉛層が沈降付着するばかりでなく、黒鉛層が複数の一次粒子を巻き込んでいわゆる「アグレゲート」構造を生成することがある。ナノダイヤモンド、カーボンブラックなどがその例である(図1、2)。ここでは、ファンデルワールス凝集と区別するために、このような強固な集合状態を凝膠と呼ぶ。凝膠による集合体を凝膠体と呼ぶ。
e) 炭素ナノホーン−炭素ナノホーン(図3)はナノサイズの円錐型をした極端に短い炭素ナノチューブの変態で、無触媒で大量生産可能であるため多くの有用な用途が考えられる。珍しいホーン構造は、他のフラーレンと同様に、6角形ネットワーク中の5角形分布に由来する。ナノチューブでは両端のキャップ部分に6個ずつの5角形があるが、ナノホーンの場合キャップは1つで、しかも5角形は5つしかなく、立体幾何学上の要請によって開き角19.2度の円錐形となる。円錐の底部は開いたままである。実際には個々のホーンは取得できず、製品は尖った先端を一様に外側に向けたダリア型の巨大結合体である。
f) 結合集積体−炭素ナノホーンはナノダイヤモンド、カーボンブラックと異なる様式で集合する。炭素ナノホーンの円錐型一次粒子(図3a)が円錐底面円周にそって成長を続けるとダングリングボンドが増加し、また原子状炭素の供給が追いつかなくなるために一次粒子間で結合を始める。円錐構造の影響で、頭−頭形結合様式をとるために尖った先端が常に外を向き、球形の栗毬あるいはダリヤ花弁構造が完結するまで結合集積を続ける(図3b)。このような集合様式は凝集とも凝膠とも異なるので、ここでは結合集積、その集合体を結合集積体と呼ぶ。
g) 集合−凝集、凝膠、結合集積を合わせて、ここでは集合と総称する。
h) 解砕、解膠、分解−それぞれ凝集、凝膠、結合集積の解除を指すことにする。総称は解除と呼ぶ。
i) 湿式ミリングに相当する湿式分散法の例−被粉砕物のスラリーをジェット噴射して、噴射流を二分し、再び合流させる際に正面衝突させて、被粉砕物自身の運動エネルギーによって粉砕を行う「ジェット噴射」法、あるいは被粉砕物のスラリーを超高速回転する際に、特殊な攪拌羽根を用いて回転槽内壁に押し付けて薄膜状とし、攪拌羽根の旋断応力によって粉砕を実現する「薄膜法」などをいう。
これらの湿式ミリングと湿式分散法は単独であるいは組み合わせて使用することができる。
以下本発明に至った経緯について詳細に説明する。まず現在までに知られている炭素ナノ構造体の集合状況を解析、考察する。典型的ナノ炭素としてC60、カーボンブラック、爆発法ナノダイヤモンド、および炭素ナノホーンを対象に取り上げる。
C60は実効直径1nmの最小のナノ粒子であり(図4)、有機溶媒にわずかに可溶で飽和溶液は薄い青紫色を示す。ところが試薬として購入すると黒色の煤そっくりの外見を示す微粉末であるので、固体では強い凝集を起こしていることが判る。動的レーザー散乱(DLS)法、透過型電子顕微鏡(TEM)、走査型電子顕微鏡(SEM)、原子間力電子顕微鏡(AFM)などの手法を用いて調べると凝集体の大きさは約10ミクロンに達する。中空単層球状非極性分子C60の凝集はファンデルワールス相互作用のみによって起こるが、球対称分子であるために凝集効率が高く面心立方結晶に近い充填を示すと予想される。そうであれば、個々のC60分子は中心から1nm強の範囲に12個程度の最近接隣接分子と接し、全体として大きな凝集エネルギーを獲得する。しかし、凝集体中の分子間接触は点に過ぎず、十分なエネルギーを凝集体に与えれば比較的容易に凝集解除できると予想される。ただし、あとで述べるように固相で凝集解除を行うと直ちに再凝集するので、水または有機溶媒中で行う必要がある。本発明においては、C60以外のナノ炭素材料についても、凝集解除を水中あるいは有機溶媒で行い、同じ分散媒中でコロイドまたはスラリーとして保存することを特徴とする。
カーボンブラックは工業的に製造される純粋な煤であり、化学的には黒鉛型炭素で、一次粒子はナノサイズの超微粒球であることが良く知られている。ここでは最小一次粒子からなるカーボンブラック、ASTMコードN110クラスの超耐摩耗性ゴム添加用品種を例に取り上げるが、ここで得られた結論は他のクラスのカーボンブラックにも多かれ少なかれ当てはまる。N110クラスのカーボンブラックは平均直径18nmの一次粒子が数十個凝集して「アグレゲート」と呼ばれる一次凝膠構造を作ることが知られている。図1にカーボンブラック一次凝膠体の強固な凝膠の様子を模式図として示す。欠陥の多い変形黒鉛層が複数の一次粒子を包含し、両者の境界は判然としない。カーボンブラックアグレゲートにおける凝集は非常に強固で、C60に於けるような単純な一次粒子間ファンデルワールス相互作用だけではなく、一次粒子間に跨ってかかる低結晶性黒鉛薄層に起因すると考えられる。したがって、アグレゲートという呼び方は適当でなく、ここでは凝膠という言葉によって、黒鉛薄層被覆による強制的集合体形成を表現する。
カーボンブラック一次粒子の凝膠は、その生成過程において既に発生すると考えられる。一次粒子の成長が進み、また粒子濃度が増大するにつれて粒子間衝突頻度が増し、また温度が低下するので、一次粒子表面で成長しつつある黒鉛層の結晶性が低下して構造欠陥が増大する。これらの理由により、粒子間で表面層を共有する傾向を生じ、凝膠へと進むと考えられる。この種の凝膠は、様々なナノ構造炭素をボトムアップ方式で作る場合に、室温常圧における炭素の安定形である黒鉛型sp2混成炭素層状構造が副生し得る条件を経由する製造方法において普遍的に起きる現象である。
凝膠体の解膠は一般に極めて困難であり、CC共有結合の切断、構造欠陥部分の破壊などを行わない限り、通常粉砕、軽度の超音波照射など尋常一様な解除法を用いるだけでは実現不可能である。
爆発法ナノダイヤモンドもまた顕著な凝膠体である。X線回折によってダイヤモンド結晶の大きさを求めると平均4−5nmである。しかし、ナノダイヤモンド含有粗製煤を熱硝酸で酸化精製したと称する市販ナノダイヤモンド粉末を、DLS法による粒度分布測定にかけると、平均300nm又は/および10ミクロン程度の粒子群であり(図5a)、水分散を通常の250W超音波洗浄浴に4時間浸漬しても一次粒子への解体は起こらない(図5b)。さらに、出力2kWの高エネルギー超音波処理にかけると平均粒径は約200nmまで低下するが、長時間超音波処理を継続しても粒径はこれ以上小さくならない。図5の縦軸は重量基準分布に相当する。図5a,図5bに共通して見られる100−200nmの小粒子群を第一凝膠体、2−10ミクロンの大粒子群を第二凝膠体と名づけることにする。
このような粗製煤をTEMで観察すると、図6に示すように表面に数層の球形黒鉛層をもつ直径4−5nmのナノダイヤモンド粒子が確かに見えるが、一次粒子は孤立して存在せず、巨大な凝集構造に含まれていて、爆発合成段階終了時にすでに凝膠が完了していることがわかる。ダイヤモンドの結晶成長は、爆発時に発生する高温高圧の衝撃波が不完全燃焼によって生じる炭素に作用して始まると考えられている。衝撃波が極めて短時間で減衰し、系の温度圧力がダイヤモンド相領域内に留まる時間が短いので、ナノダイヤモンドの粒子は小さく、且つ分布が狭い。その後黒鉛相領域に入ると、粒子表面に黒鉛が発達し、ここから先はカーボンブラックと同じ状況となって一次粒子間の凝膠が起きると理解される。図2に一次凝膠体の模式図を示す。系の温度が低下するにつれて、一次凝膠体同士はさらファンデルワールス力によって会合し、ミクロン領域の大きさを持つ二次凝集体へと成長する。
市販爆発法ナノダイヤモンドの解膠は困難で、普通の解砕方法では不可能であった。このため、爆発法ナノダイヤモンドの精製は過去20年以上に亘って不成功のままであったが、本発明は始めてこれを達成したものである。
炭素ナノ粒子のさまざまな形の最後の例として、炭素ナノホーンの結合集積体について述べる。すでに述べたように、ホーン間結合は常に広縁部に沿って起きるために、ホーン同士の立体反発を避けて先端部が互いにanti配置を取り、ダリア状集積結合体へと生長し、ダリア花台に相当する中心部が閉じた球殻を完成すると成長が止まる。このとき、ダリア状結合体の大きさはほぼ100nmである。結合集積体は中心部分が強固に結合しているために、尋常一様の方法では解体されない。これまで炭素ナノホーンについて観測された水素吸蔵、電子放出特性、触媒活性などはすべてダリア型結合集積体の多孔表面構造に起因するものであって、最も興味深いホーンの広縁開口部又は/およびホーン内部空間は利用されないままであった。
以上の解析から明らかなように、一口にナノ炭素粒子の集合と言っても、すくなくとも3種類のタイプがある。
第1のタイプは、既に化学における分子間相互作用の研究から明らかにされているファンデルワールス力による粒子間凝集である。原子対一組当たりのファンデルワールス相互作用エネルギーは僅かであるが、上述のサイズ効果のために全体として大きな凝集エネルギーを獲得し、そのためナノ粒子ではファンデルワールス凝集が特に顕著に現れることが多い。本来青ないし紫色のC60分子が、粉末として集まると黒く見えるのは、巨大なファンデルワールス凝集体の表面乱反射のためである。これまで、例えば直径1nmの球形分子形状からナノ潤滑作用を予想してC60バルクの粉末を平滑表面にそのまま適用しても予期した潤滑結果が得られなかったのは、ナノ粒子の凝集エネルギーが予想外に大きいために通常の摩擦過程では凝集解除が起きなかったと解釈すべきである。
ナノ粒子のファンデルワールス凝集を解除するには、相当のエネルギーを加える必要がある。実用的見地からは、水または有機溶媒中の高エネルギー超音波照射あるいは弱いビーズミリングが有効である。例えばC60バルク粉末の超音波解砕には超音波発振周波数20kHz以上、発振機電力500W以上が有効であり、またビーズミリング解砕には直径0.1mmあるいはそれ以下の微小セラミック又は金属のビーズの使用とアジテータの周速5m/s以上の条件が必要である。
ナノ炭素粒子の集合の第2のタイプは凝膠である。第2の集合タイプである凝膠は、ファンデルワールス凝集に比べて遥かに強固である。粒子間CC結合の生成または黒鉛層包み込みなどによって起こっているので、これを解膠するには多数のCC結合を切断し、外皮構造を除かなければならない。実用的見地からは湿式ミリング法、ジェット噴射法、薄膜法などが有効である。たとえば爆発法ナノダイヤモンド凝膠体の解膠には0.1ないし0.05mmの直径を持つセラミックビーズ又は金属ビーズを用い、アジテーター周速5m/s以上のビーズミリングが適している。
ナノ炭素粒子の集合の第3のタイプは結合である。第3の集合タイプである結合集積体は、粒子同士が化学結合を形成することによって生成していて、凝膠と似ているが、後者におけるような膠着を助ける黒鉛層などが介在しない点が特徴である。結合集積を分解するには、多数のC-C結合を切断しなければならないので、凝膠解除と同様に湿式ミリングなど苛酷な処理を必要とする。炭素ナノホーン結合体のように機械的強度の低いホーン先端部が共存する場合には、後者を破壊しないような工夫が必要である。 個々の場合に対して有効な対応策については、以下において実例を示す。如何なる場合でもドライミリングなど乾式処理を行うことは、粉塵爆発を起こす危険が高いし、再凝集も迅速に起こるので避けなければならない。
なお、本発明においては対象素材元素を炭素に限定して述べたが、本発明の手法は炭素以外の元素を含むナノ材料に関しても同様又はそれ以上に有効である。
本発明が完成するまでは、真の意味で孤立超分散状態にある炭素ナノ粒子は、C60の有機溶媒中希薄溶液を除けば未知であった。C60分子においては、分子の直径0.7nm,炭素のファンデルワールス半径を考慮に入れても僅か1nmと、ナノ粒子としては最小の大きさであって、有機溶媒に僅かに溶解するために、希薄溶液中で非会合孤立粒子を実現することができる。C60又は/および類似高級フラーレンCn(n=70−100)はナノ粒子としては例外的に小さく、むしろ化学の領域に属する分子と見做すべきである。一方、以前からナノサイズの一次粒子をもつことが知られているナノダイヤモンド、超耐摩耗性カーボンブラック、炭素ナノホーンなどは、いずれも強固な凝膠または結合集積体であり、不溶、不融、非昇華性であるために、科学者の長年月にわたる努力にもかかわらず一次粒子への解除が実現したことはなく、肝心のナノ炭素粒子の性質は未知に留まっていた。
本発明によって、超微粒子技術における積年の難問が解決され、ナノテクノロジー実現のために必須とされる超分散状態ナノ粒子の大量取得が始めて可能となった。本発明の最大の要因は湿式ミリング又は/および類似分散技術の適用にある。典型的方法としてビーズミリングを例にとって説明すると、この方式はかなり以前から粉体工学において多用され、1mm以上のガラスビーズ、ステンレス鋼ボールなどを用いてミクロン程度の粒子を製造する際に用いられていた。硬いボールを被粉砕物質に加えて回転することによって均質な粉砕を可能とするミリングが、水などの分散媒を加えて行う湿式ミリングに変わったのは、おそらく粉体爆発事故の防止が動機であったと思われるが、次第に一層細かな粒度が要求されるようになって1mm以下の特殊ビーズが用いられるようになり、nmサイズ粉末への粉砕・分散が可能となった。
ビーズミリングがナノ一次粒子への解膠・分解に有効であるのは次の理由による。(1)ミル内でビーズが高速回転するアジテーターの羽根の端から強い遠心力に乗って発射される際に獲得する運動エネルギーがC−C結合を切断するに十分の大きさである。(2)ビーズ同士又は/およびビーズとミル内壁との衝突などの非破壊的「空撃ち」によって放出される熱が水などの湿式媒体又は/および容器の外部冷却によって効率よく吸収・除去され、望ましくない局所的温度上昇が起こらない。(3)高速で運動するビーズが凝膠・結合集積体に衝突あるいは接触して、これらの解膠・分解が起こると、化学結合の切断を伴うために非結合電子をもつラジカル種を生じるが、これが直ちに水などの分散媒と反応して、原子価が飽和され安定化するために、望ましからざる分解、重合などの副反応が起こらない。
もう一つの重要な成功要因は高エネルギー超音波照射である。超音波によるファンデルワールス凝集体の解砕は、水など凝縮相分散媒のキャビテーションに伴って発生する弱い衝撃波によって起こるために、間接的である。したがって湿式ミリングに比べて効果が弱いが、副生物を生じることがなく、クリーンで手軽であるので、本発明では主として再凝集の解除を目的として用いる。しかし、ここで注意を要するのは、一旦分散媒を乾固すると固相で再凝集が速やかに起こり、この再凝集は媒体存在下に起きた再凝集よりも遥かに強固なことである。これは後者が溶媒和と競合するために完全に進行せず、最終的に溶媒和との平衡に終わるために凝集が100%進行しないのに比べて、前者では再凝集が完全に進行して凝集エネルギーが全体として大きくなるためである。乾固再凝集が起こった場合、これを解砕するためには、再び十分に大きな解体エネルギーを供給しなければならない。
本発明の超分散ナノ炭素粒子の製造方法は、ビーズミル、超音波発生装置、動的レーザー散乱測定装置などの公知の装置を用いて実施するものである。しかし従来これらの装置をもってして本発明のようなナノ炭素粒子が製造できるものとは考えられなかったものであり、まったく新しい発明であることを強調したい。すなわち、取得される一次ナノ炭素粒子はいずれも新規物質である。これらは分子に近い大きさを持つため、大部分の構成原子が反応性の高い粒子表面にあり、またその性質挙動は量子物理学の法則によって支配されることが多いと期待される、C60を除いて詳細に調べられた記録がない。
また、折角ナノ炭素一次粒子が得られても、再集合を防止しなければ、本発明の目的を達したことにならない。分子の世界を支配する微視的可逆性法則によれば、集合解除と同じ機構が再集合の場合にも有効であり、そうすると再凝集機構は、少なくともファンデルワールス凝集、凝膠又は/および結合集積の3通りがあり得る。
ファンデルワールス再凝集を防ぐ最も手軽な方法は、水または他の液体分散媒中に出来る限り希薄なコロイド状態に保ち、窒素などの不活性気体中で置換し、密閉して冷暗所に保存することである。分散媒がナノ粒子表面に強く溶媒和して粒子間接触を防ぐために、分散媒中保存が一般的に有効である。界面活性剤などの添加も有効であるが、単純安価な塩を添加して、粒子のゼータ電位を適切な値に保持することが望ましい。安易な粉末化、加熱乾燥など、ミクロ以上の粒子に対して従来行われてきた処理をそのまま適用するのは禁物である。ただし、万一再集合がおこっても、ファンデルワールス再凝集の場合は、適切な超音波処理を行えば比較的容易に凝集を解除することができる。
一方、再凝膠および再結合集積は一旦起こると尋常一様な手段では解除することができない。ビーズミリングなどを何度も行うのはコスト上昇の原因となり、またビーズ破砕による汚染を防ぐ上でも、できるだけ避けることが望ましい。再凝膠および再結合集積がおこるとすれば、それはダングリングボンドの再結合によるから、後者を飽和しておけば防ぐことができる。そのためには、分散媒中でビーズミリングなどによって解膠・分解を行った場合、生じた炭素ラジカルが直ちに分散媒分子からプロトン引き抜きなどを行って消滅すると考えられるので、一度活性水素をもつ媒体中で湿式ミリングを行うことにより再凝膠・再結合を防止できる。
自発的集合の解除、再集合防止など一連の一次ナノ粒子取得操作の途上で、常に粒度分布を検査して、粒子の状態を正確に把握することが必要である。最も手軽な品質管理法は動的レーザー散乱(DLS)測定装置を用いて、常に粒度分布を調べることである。ただし、この方法は粒子の大きさを直接に測定するのではなく、分散媒中に浮遊する粒子によって散乱された光の干渉の時間変化を装置内蔵プログラムによって解析して、間接的に粒度分布に換算しているので、得られる数字を鵜呑みにすると危険である。そのために、TEM,SEM,AFMなどを補助的に用いることによって、DLS法による粒度分布測定結果を視覚によって確認することが望ましい。低ナノ粒子の大きさは可視光線の最短波長300nmよりも1−2桁小さいので、肉眼で見ることはできない。水分散は無色透明である。
本実施例には図7に示すビーズミルを用いた。このビーズミルの粉砕容器1にプラズマ溶解法で製造したシリカビーズ3を粉砕容器体積の70%まで充填し、これに被粉砕粉4として市販爆発法ナノダイヤモンド凝膠体粉末を純水に分散したものを加え、モーター5によりアジテータ2を周速10m/sで2h回転撹拌した。処理後ビーズを濾別して除き、洗浄水を濾液に合して、灰白色スラリーを得た。スラリーは安定で、密閉容器中で数週間室内迷光中室温に放置しても相分離、沈降物、変色などを起こさなかった。
このようにして得たスラリーは、室温で長時間放置すると除々に凝集が進み、数週間後には平均粒径105nmまで成長した。この軽度の再凝集を起こしたビーズミル処理ナノダイヤモンドスラリーを希釈し、Dr.Hielscher社製超音波処理装置UP400S型を用いて200W,0.5秒パルスで再解砕処理を行い、大塚電子製動的レーザー散乱法(DLS)粒度分布測定器FPAR1000を用いて重量換算粒度分布の時間経過を測定した。結果を図8に示す。40−60分後に一次粒子までほぼ完全に解砕された。この結果は、既にビーズミリング処理中に一次粒子までの解膠が実現し、それがファンデルワールス型再凝集を起こしていたが、軽い超音波処理によって容易に再解膠を受けたと解釈することができる。このコロイドをTEM試料ホルダーの炭素蒸着膜上に広げて、凍結乾燥してTEMを撮ったところ、よく分散した一次粒子像が得られた。図9にそのナノダイヤモンドのTEM写真( 125keV)を示す。良く揃った一次粒子の直径は5−6nmと見積もられDLS法による粒子径測定結果(図8)と一致した。電気泳動光散乱法(大塚電子製ELS8000)によるコロイド粒子のζ電位は−39.2mV(25℃)と負の大きな値を示し、粒子間の静電反発が強いために再凝集がゆっくりとしか進まないことがわかる。スラリーの一部を凍結乾燥して粉末X線回折図中の(111)面強度からダイヤモンド結晶核の大きさを求めると4.3nmとなった。以上の結果から、上に述べたミリング条件によってナノダイヤモンドの凝膠が完全に解除され、安定な一次粒子コロイドが得られたこと、再凝集が徐々に起こるが軽い超音波処理によって容易に凝集解除されることが明らかとなった。
上記処理により、ファンデルワールス力による強固な凝集を解砕して超分散状態ナノダイヤモンド一次粒子を得ることができた。
市販C60の黒い粉末を2回真空昇華(5×10−6mmHg,600℃、30分)に掛けて精製し、東ソー製逆相高速液体クロマト(カラムCrest Pak C18T−5,L250×φ4.6mm,移動相トルエン/メタノール=1:1容積比,流速1.0ml/m,温度10℃、検出波長335nm、C60流出時間12.6分)によってC70ピークが検出できないことを確認した。このようにして精製した直後のC60を5g秤取し、純水70mlに分散し、家庭用ミキサーで2分間撹拌後、さらに250W超音波洗浄浴に10分間浸漬して均一微細な分散液を作った。その7mlを用い、実施例1で用いたと同じビーズミル中で、0.3mmシリカビーズを70%充填して、水冷下アジテータ周速5m/sで1時間回転撹拌した。ビーズを濾別して除くと、濾液は薄い黄色を帯びたスラリーであった。洗浄水を濾液に合して30mlとした。スラリーは非常に安定で、密閉容器中数週間室温に放置しても相分離、沈降物、変色などを起こさない。一部のコロイド溶液から水を乾固した暗色固体残渣をトルエンに溶かしてHPLC分析を行ったところ、C60の分解などは認められなかった。
上記処理により、ファンデルワールス力による強固な凝集を解砕して超分散したC60一次粒子を得ることができた。
市販超耐摩耗性カーボンブラック(トーカブラック8000F)10gを水70mlに懸濁し、実施例2に述べたと同じ予備分散処理によって均一なサスペンションを作り、その7mlを取って実施例1と同じ条件でビーズミリングを行った。ビーズを濾別すると、濾液は灰色のスラリーで、洗液を併せて容量は30mlとなった。DLS法によって測定したコロイド粒子の粒度分布の平均粒径は32nmであったが、1kW超音波処理装置に10分間掛けたところ20nmまで低下したが、粒度分布は高粒径側に100nmに亘って広がる幅広さを示した。一次粒子に相当する粒子が実際に大半を占めるものの、外皮層の黒鉛破片が様々の大きさで共存しているようである。さらにビーズミリングを続ければ、数nmのオーダーのナノ黒鉛のみのサスペンションとなると予想された。
そこで前記実施例3の予想に従って、前記作成したカーボンブラックの均一サスペンション7mlを同一条件ながら、撹拌時間を4時間に延ばしてビーズミリングを行った。ミリング終了後10mlの水を加えて、ビーズを濾別した残りの濾液と洗浄液を合わせて全容量を35mlとした。濃灰色のスラリーは低ナノサイズのナノ黒鉛と予想されるが、同量のトルエンを加えて高速磁気撹拌下1時間還流加熱したところ、上澄みの有機層が赤に着色し、HPLC分析によるとC60/C70を含んでいた。
上記処理により、薄くかつ構造欠陥の多い黒鉛層による包み込み型凝膠構造を解膠してナノ黒鉛粒子の超分散した超分散状態ナノ炭素を得ることができた。
NECつくば研究所製造の炭素ナノホーンの軽い黒粉0.5gを、純水7mlに懸濁し、400W超音波処理装置の小型振動子を差し込んで10分間超音波照射を行い均一なサスペンションを得、これに対して、実施例2と同様の条件でビーズミリングをおこなった。ビーズを濾過して得られた濾液は淡灰色のスラリーで、洗浄後全容量は25mlとなった。スラリーは安定で、密閉容器中数週間室温に放置しても相分離、沈降物、変色などを起こさなかった。スラリー1滴をTEM試料ホルダー炭素蒸着膜上に垂らして水を飛ばし、TEM観察を行うと、ビーズミリング処理以前に存在した数十nmに及ぶ大きなダリア状凝膠体はほぼ完全に消滅し、無数の最大長さ10nm程度の円錐形構造体のみを認めた。
上記処理により、共有化学結合構造によって結合した強固な結合集積体を分解して炭素ナノホーン一次粒子の超分散状態を得ることができた。
上記実施例においては、ビーズミルのみを用いたが、前述したこれに湿式分散法を用いても、またこれらを併用しても良い。また上記実施例のビーズミルのビーズとしてはシリカビーズを使用したが、その他のセラミックスビーズを使用することもできる。さらに、ナノ炭素の種類、形、大きさによってはステンレススティール、クローム鋼、タングステンカーバイドなどの金属ビーズも有効である。
本実施例6ではコトブキ技研工業株式会社製ビーズ撹拌ミル(ウルトラアペックスミルUAM−015)を用いた。市販粗製爆発法ナノダイヤモンド凝膠体10%を水に分散させたスラリー500mlをスラリータンクに入れ、まずそのうち50mlを送液ポンプによって粉砕室内に導入し、撹拌ローターを最低周速(1.9m/s)で回転させながら、平均直径0.03mmの市販ジルコニアビーズ嵩体積134cm3を、粉砕室上部に設けた投入口よりビーズミルに導入する。ビーズ体積は粉砕室容積80%に相当する。はじめからビーズを粉砕室に入れておくと、粉体抵抗が高過ぎてローター回転がスタートしないので、上に述べたようにスラリーを一部導入してローターを低速回転しつつビーズを充填する。
撹拌ローターの回転速度を徐々に上げて周速12m/sに達したところでこの速度に固定し、スラリータンクから送液ポンプにてナノダイヤモンドスラリーを160ml/minの流速で、粉砕室下端より連続供給する。スラリーは、大量の高速回転ビーズでほぼ満たされた粉砕室内を上昇し、粉砕室上部に設置された遠心分離装置を通過する際にビーズとスラリーに分離される。ビーズは遠心分離装置の外縁部開口から粉砕室に戻り、スラリーは遠心分離装置中央部から粉砕室の外に出て、スラリータンクに還流される。スラリータンクは独立した攪拌装置によって常に攪拌され、またタンクに窒素の与圧をかけて空気の混入を防ぐ。
かくしてビーズは粉砕室に留まったまま、スラリーのみが回流して解砕が連続的に進行し、ナノダイヤモンドの平均粒度は速やかに減少する。粉砕室から出て来たスラリー還流物を一定時間毎に0.5mlずつサンプリングして、動的レーザー散乱法(Dynamic Laser Scattering,DLS)粒度分布測定器(FPAR−1000,大塚電子株式会社製)を用いて粒度分布を測定した結果を図10に示す。粒度変化は単調でなく、また分布は常に不連続である。
上記の市販粗製爆発法ナノダイヤモンド凝膠体は、上記ビーズミルによる凝集解除処理前に凝集体スラリーを特殊機化株式会社製粉砕装置Robomilによって8000rpmの速度で10分間処理し、400WHielscherソノロッド付連続回流型超音波照射装置によって20分間処理する。これにより市販ナノダイヤモンド凝膠体のミクロン以上の凝集体は消滅し、図10の解砕時間0分の曲線に示すように平均約200nmの比較的小さな凝集体となる。この200nm凝集体は超音波処理などによっては変化を受けない。この200nm凝集体を前記のビーズミルにより解砕する。ビーズミル解砕における粒度分布の時間推移を図10に示す。ビーズミル解砕開始後、数分間で18.1±2.3nmの粒径のピーク(図10の解砕時間5分の低い山)が出現し、これは10分後まで分率(質量%)が増え続け、ついで速やかに消滅する。従ってこのピークは解砕過程で出現する不安定中間体に相当すると思われる。
20分後には7.0±0.8nmの粒径ピークが出現して、これが一挙に85wt%を占め、時間と共に分率を増しつつ徐々に粒度を下げ、60分後には、最終値5.2±0.4nmに達する。この粒径は(1 1 1)結晶面のX線回折半値幅から求めたダイヤモンド結晶核の大きさ4.4nmにわずかに大きいが、これ以上解砕を続けるとビーズの破壊が起こるので、ここで中止する。この時点でほぼ完全にナノダイヤモンドの一次粒子まで解膠が進んだことを示す。
解砕開始後20分から約30nmを中心とする幅広いピークが現れるが、このピークの分率は徐々に減少し、最終的には5%まで低下する。このピークは遅くから現れて、最後まで消滅せず、粒径分布パターンが左右対称に近いことから、一次粒子が再凝集して生成した二次粒子であろう。
60分ビーズミル解砕したスラリーに含まれる固形分のTEM写真を図11に示す。図11から孤立した5nm以下のナノダイヤモンド一次粒子が、多面体状の形をしていることがわかる。
実施例7のビーズミリング操作は図7の装置を用いて行った。粉砕室は容積25ml円筒状(直径35mm、高さ26mm)密閉蓋付きテフロン容器、蓋の中央部にオイルシール+O-リングを通して最大直径5mm、長さ55mmのSUS440Cシャフトを通し、その先端にテフロン製アジテータ(直径25mm、幅12mm)を取り付ける。粉砕室部分を冷却水ジャケットで覆い、操作中は水を流して冷却する。この中に高周波熱錬株式会社製直径0.1mmシリカミクロビーズと解砕しようとするナノ炭素凝集体をイソプロピルアルコールに分散したスラリーを一定比で充填し、密閉して一定時間高速回転したのち内容物を取り出し、ビーズを適当なメッシュの篩を用いて濾し分け、解砕されたナノ炭素のコロイドを試験にかけて解砕程度を検討した。
日本電気製炭素ナノホーンの0.3wt%スラリーを、アジテータ周速度10m/sで3時間攪拌してからビーズを濾別して黒色透明コロイドを得た。そのTEM写真を図12に示す。良く知られているように、未解砕炭素ナノホーンではホーン先端が全て外側を向いた球形ダリア形凝集構造をとるが、ビーズミル処理後は図12に見られるように凝集構造はほぼ完全に破壊され、図3に示すような個々のナノホーン一次粒子が再び乱雑に集まって新たな凝集体を作っている様子が伺われる。複数のTEM写真を調べると、新凝集体の大きさは20−200nmと結論される。
実施例8においては、東京化成製C60(純度99.9%以上)の黒色粉末1.5wt%スラリーを、アジテータ周速度10m/sで3時間攪拌してからビーズを濾別して濃暗橙色透明コロイドを得た。これをTEM観察したTEM写真を図14に示す。図14によると、コロイド粒子はほぼ球形であるが、よく見ると角が丸い多面体で、形が比較的良く揃っている。これを動的レーザー散乱法(DLS)粒度分布測定器(FPAR−1000,大塚電子株式会社製)を用いて粒度分布を測定した結果、60±13nmであった。
これまで水、アルコールなどC60の貧溶媒(poor solvent)中で凝集を解除して直径1nmの一次粒子を得る試みは多くの研究者によって試みられたが、いまだに成功には至っていない。最近ではトルエン、テトラヒドロフランなど、C60溶解性の比較的高い溶媒中で溶液を作っておいてから、これらを大過剰の水中に注いで有機溶媒を超音波処理、窒素吹き込みなどの方法によって追い出してC60の透明な水性コロイドを作ることに成功した例があるが、これらの溶媒置換実験によっても、最終的に到達できた凝集体の大きさは60nmであった。本実施例は貧媒体中のビーズミリングによって、同じ60nm凝集体を含む透明コロイドの迅速大量製造が可能であることが始めて示された。
以上述べたように、本発明によりナノ炭素一次粒子超分散体を大量に取得することが可能になった。ここで、大量に取得可能になったナノ炭素一次粒子超分散体は、ナノテクノロジーにおける基本的素材として、近い将来その展開のさまざまな局面において重要な役割を果たすと思われるが、現時点においても直ちに多くの有用な用途に使うことができる。その一部を下に掲げる。
a.ナノダイヤモンド
研磨剤−水分散の直接利用、とくにハードディスクドライブの基板および磁気ヘッド、光ファイバー末端連結部分、シリコン又は/およびサファイアウエファーなどの超精密研磨用
潤滑剤−過フッ素化によるナノベアリング
超多結晶ダイヤモンドへの焼結−衝撃焼結法利用、ダイヤモンド工具
ダイヤモンド成長核−CVD、静的高温高圧法による人工ダイヤモンド
FE電極−ダイヤモンド固有の大きな正の電子親和力を利用
被膜コーティング−高い凝集性を逆に利用して道路、建物、車など
伝熱媒体−冷媒、熱媒として水分散の直接利用
組成物−ポリマ、樹脂、顔料、インキ
b.炭素ナノホーン
水素吸蔵−燃料電池用水素キャリヤー(ホーン内部空間への可逆的貯蔵) FE陰極先端−非常に先鋭なチップからの低電圧電子放出
c.C60
生体防御用抗酸化物質−水中のC60超分散は安定剤を加えなくても非常に安定であることが知られているが、最も活性の高いラジカル捕集材。とくに老化の三大要因の一つである体内ラジカルの除去薬
d.カーボンブラック
ナノ黒鉛−従来用いられてきた伝導性ミクロ黒鉛に比べて多くの優れた特徴的な性質が期待される。
上記応用例中、爆発法ナノダイヤモンドの超精密研磨剤用途は大きな需要を 目前に控えているので、特に重要である。
カーボンブラックの一次凝膠体の強固な凝膠の模式図である。 爆発法ナノダイヤモンドの一次凝膠体の模式図である。 (a)炭素ナノホーン一次粒子の模式図、(b)炭素ナノホーン結合集積体の透過電子顕微鏡写真である。 C60の構造写真である。 (a)動的レーザー散乱(DLS)法による市販ナノダイヤモンド凝膠体水中分散の粒度分布を示す図、(b)同じナノダイヤモンド凝膠体を超音波処理した粒度分布を示す図である。分散状態に大きな変化はない。 水中におけるTNT−ヘキソーゲンcompositeB火薬の爆発に際して生成した未精製煤の電界放出陰極透過電子顕微鏡写真である。 実施例に使用したビーズミル装置の断面図である。 実施例1のナノダイヤモンドスラリー粒径の時間変化を示す図である。 ビーズミル処理ナノダイヤモンド一次粒子のTEM写真である。 粗製ナノダイヤモンド凝集体をビーズミル解砕する際の粒度分布の時間推移を示す図である。 粗製ナノダイヤモンド凝集体をビーズミル解砕した後のTEM写真である。 粗製ナノダイヤモンド凝集体をビーズミル解砕して得たコロイドのTEM写真である。 理想化された平均的ナノホーンの想像図である。 市販C60凝集体粉末をビーズミル解砕して得たコロイドのTEM写真である。
符号の説明
1 粉砕容器、2 アジテータ、3 ビーズ、4 被粉砕粉、5モーター

Claims (18)

  1. ナノ炭素粒子凝集体に湿式ミリング又は/および湿式分散法を適用し、ファンデルワールス凝集を解砕することによって得られたことを特徴とする超分散状態のナノ炭素一次粒子。
  2. ナノ炭素粒子凝膠体に湿式ミリング又は/および湿式分散法を適用し、薄く且つ構造欠陥の多い、黒鉛層による包み込み型凝膠構造を解膠することによって得られたことを特徴とする超分散状態のナノ炭素一次粒子。
  3. ナノ炭素粒子結合集積体に湿式ミリング又は/および湿式分散法を適用し、粒子間直接共有結合型高次構造を分解することによって得られたことを特徴とする超分散状態のナノ炭素一次粒子。
  4. C60、またはC70、あるいはその他のフラーレンの黒色凝集体粉末に、湿式ミリング又は/および湿式分散法を適用し、ファンデルワールス凝集を解砕することによって得られたことを特徴とする相当する単分子状分散フラーレン。
  5. 超耐磨耗性カーボンブラックに、湿式ミリング又は/および湿式分散法を適用し、薄く且つ構造欠陥の多い黒鉛層による包み込み型凝膠構造を解膠することによって得られたことを特徴とする超分散ナノ黒鉛一次粒子。
  6. 爆発法ナノダイヤモンド凝膠体に、湿式ミリング又は/および湿式分散法を適用し、薄く且つ構造欠陥の多い黒鉛層による包み込み型凝膠構造を解膠することによって得られたことを特徴とする超分散ナノダイヤモンド一次粒子。
  7. 炭素ナノホーンのダリア状結合集積体に湿式ミリング又は/および湿式分散法を適用し、粒子間直接共有結合型高次構造を分解することによって得られたことを特徴とする超分散炭素ナノホーン一次粒子。
  8. ナノ炭素粒子凝集体に湿式ミリング又は/および湿式分散法を適用し、ファンデルワールス凝集を解砕することによって、一次粒子の超分散を得ることを特徴とする超分散状態ナノ炭素の製造方法。
  9. ナノ炭素粒子凝膠体に湿式ミリング又は/および湿式分散法を適用し、薄く且つ構造欠陥の多い黒鉛層による包み込み型凝膠構造を解膠することによって、一次粒子の超分散を得ることを特徴とする超分散状態ナノ炭素の製造方法。
  10. ナノ炭素粒子結合集積体に湿式ミリング又は/および湿式分散法を適用し、粒子間直接共有結合型高次構造を分解することによって一次粒子の超分散を得ることを特徴とする超分散状態ナノ炭素の製造方法。
  11. C60、またはC70、あるいはその他のフラーレンの黒色凝集体粉末に、湿式ミリング又は/および湿式分散法を適用し、ファンデルワールス凝集を解砕することによって得ることを特徴とする相当する単分子状分散フラーレンの製造方法。
  12. 超耐磨耗性カーボンブラックに、湿式ミリング又は/および湿式分散法を適用し、薄く且つ構造欠陥の多い黒鉛層による包み込み型凝膠構造を解膠することによって得ることを特徴とする超分散ナノ黒鉛一次粒子の製造方法。
  13. 爆発法ナノダイヤモンド凝膠体に、湿式ミリング又は/および湿式分散法を適用し、薄く且つ構造欠陥の多い黒鉛層による包み込み型凝膠構造を解膠することによって得ることを特徴とする超分散ナノダイヤモンド一次粒子の製造方法。
  14. 炭素ナノホーンのダリア状結合集積体に、湿式ミリング又は/および湿式分散法を適用し、粒子間直接共有結合型高次構造を分解することによって、一次粒子の超分散を得ることを特徴とする超分散炭素ナノホーン一次粒子の製造方法。
  15. 前記凝集体、凝膠体又は結合集積体の解除を水又は有機溶媒中で行うことを特徴とする請求項8から14のいずれかに記載の製造方法。
  16. 前記凝集体、凝膠体又は結合集積体の解除後に起こる炭素ナノ粒子間の再凝集を超音波処理により再解除することを特徴とする請求項8から15のいずれかに記載の製造方法。
  17. 前記湿式ミリングは、直径0.1mm以下のセラミックビーズ又は金属ビーズを使用しアジテータの周速5m/s以上で行うことを特徴とする請求項8から14のいずれかに記載の製造方法。
  18. 活性水素を持つ媒体中で湿式ミリングを行うことにより再凝膠・再結合を防止することを特徴とする請求項8から14のいずれかに記載の製造方法。
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