JP2005001326A - キャッピング装置、キャッピング方法、及び液滴吐出装置 - Google Patents

キャッピング装置、キャッピング方法、及び液滴吐出装置 Download PDF

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Abstract

【課題】インクジェット方式により吐出する液状体が無駄に排出されることなく、液状体のインクジェットヘッドへの充填動作や、吐出不良状態のインクジェットヘッドの回復動作を行うことが可能となるキャッピング装置、キャッピング方法、及び液滴吐出装置を提供する。
【解決手段】液状体を貯留するキャビティと当該キャビティに連通するノズルとキャビティ内に貯留された液状体をノズルより吐出させるための吐出手段とを有した吐出ヘッドを被覆手段によって被覆するキャッピング装置22であって、被覆手段は、気体に対する透過性が高い気体透過性部材31bを有する第1の被覆手段31と、ノズル近傍を湿潤状態に保管する湿潤部材32bを有する第2の被覆手段32と、を具備することを特徴とする。
【選択図】 図4

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、キャッピング装置、キャッピング方法、及び液滴吐出装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、インクジェット装置(液滴吐出装置)は、インクジェットプリンタとして一般に広く使用されている。このようなインクジェット装置の特徴としては、インクジェットヘッド(吐出ヘッド)の小型・高密度化が可能なこと、極少量の液滴を目的の位置に高精度に打つことができること、吐出させる液状体の種類、性質等に左右されないこと、紙のほか、フィルム、布帛、ガラス基板、合成樹脂基板、金属基板等任意の印刷媒体に適用できること、印刷時の騒音が低いこと、低コストであることなどが挙げられる。
【0003】
最近では、本来の印刷だけでなく、例えばDNAチップ(DNAマイクロアレイともいう)の製造等のように多方面への応用にインクジェット方式が注目を浴びるようになってきている(例えば、特許文献1参照)。ここで、DNAチップとは、例えばスライドグラスのような基板上に、数千〜数万種類のDNA断片を含む溶液をマトリックス状に並べて貼り付けたもので、遺伝子の種類や解析に用いられている。
【0004】
【特許文献1】
特開2001−186880号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、インクジェット装置では、吐出する液状体(インク等)をインクジェットヘッドの全ノズルに充填することが必要である。
この充填方法は、インクジェットヘッドのノズル開口面に吸引キャップを密着させてポンプにより液状体を吸引し、ノズル開口面からインク室を吸引脱気することにより、インク室内に液状体を充填している。
しかしながら、液状体がノズルの先端まで完全に充填したことを検出するのは困難であることから、ポンプの吸引時間を多少長くして吸引脱気している。そのため、液状体がノズル先端から無駄に排出されるという問題があった。
また、上記のDNAチップ等を製造する場合においては、極少量の生体高分子溶液をノズル先端まで充填させることが困難であるだけでなく、インクジェット装置と同様な充填方法をとると、極少量で高価な生体高分子溶液を無駄に捨ててしまうという問題があった。
【0006】
また、インクジェット装置では、液状体の吐出不良が生じた場合に、インクジェットヘッドに対してフラッシング等の回復動作を行う必要がある。
この場合においても、ポンプによって液状体をノズル開口面から吸引しているため、液状体を無駄に排出してしまうという問題があった。
【0007】
この発明は、このような事情を考慮してなされたもので、インクジェット方式により吐出する液状体が無駄に排出されることなく、液状体のインクジェットヘッドへの充填動作や、吐出不良状態のインクジェットヘッドの回復動作を行うことが可能となるキャッピング装置、キャッピング方法、及び液滴吐出装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本発明は以下の手段を採用した。
即ち、本発明のキャッピング装置は、液状体を貯留するキャビティと当該キャビティに連通するノズルとキャビティ内に貯留された液状体をノズルより吐出させるための吐出手段とを有した吐出ヘッドを被覆手段によって被覆するキャッピング装置であって、被覆手段は、気体に対する透過性が高い気体透過性部材を有する第1の被覆手段と、ノズル近傍を湿潤状態に保管する湿潤部材を有する第2の被覆手段と、を具備することを特徴とする。
ここで、吐出ヘッドには、キャビティに液状体を供給するための液状体流路が接続されている。更に、当該液状体流路には、液状体が貯留された液状体貯留部が接続されている。
また、気体透過性部材とは、気体を好適に透過し、ある限界圧力下では液状体を透過させないフィルタ等を意味するものである。当該気体透過性部材は、例えばポリテトラフルオロエチレン等の微細な繊維からなり、その平均孔径が1から3μmであるものが好ましい。
また、湿潤部材とは、液状体に対する吸収性が高い材料に液状体が湿潤した状態の部材を意味するものである。当該湿潤部材としては、例えば、スポンジ等の多孔質材料、かつ弾性材料であることが好ましい。
本発明によれば、吐出ヘッドを第1の被覆手段で被覆した状態で、気体透過性部材を介してノズル開口面(または吐出ヘッド先端面)から液状体を吸引すると、キャビティ内の圧力が液状体貯留部内よりも低くなり、液状体貯留部内の液状体が液状体流路を介してキャビティ内に流入し、当該液状体は吐出ヘッド内全体に充填される。ここで、気体透過性部材は、気体を透過させるが、液状体を透過させないので、吐出ヘッド内の全ての気体が吸引されると共に、液状体の流動がノズル先端で止まる。従って、完全に吐出ヘッド内の気体を吸引除去して当該吐出ヘッド内に液状体のみを充填することが可能となる。また、吐出ヘッド内への気体の残留に起因するノズル内の目詰まりや吐出不良を防止することができる。
更に、吐出ヘッドに液状体が充填された状態で、当該吐出ヘッドを第2の被覆手段で被覆すると、ノズル開口面が湿潤部材と対向するので、ノズル内から液状体が乾燥することがない。従って、ノズル内でメニスカスを形成している液状体の粘度上昇を防止することができる。また、粘度上昇に起因するノズル内の目詰まりや吐出不良を防止することができる。
【0009】
また、本発明は先に記載のキャッピング装置であり、第1の被覆手段は気体透過性部材の吐出ヘッドとは反対側に当該第1の被覆手段の外部に通じる第1の連通管を具備し、また、第2の被覆手段は湿潤部材の吐出ヘッドとは反対側に当該第2の被覆手段の外部に通じる第2の連通管を備えることを特徴とする。
本発明によれば、第1の被覆手段の気体透過性部材によって吐出ヘッドを被覆した状態で当該吐出ヘッド内を吸引すると、吐出ヘッド内の全ての気体が吸引され、当該気体は第1の連通管を経てキャッピング装置の外部に排出される。従って、第1の連通管を介して気体を排出することができる。
更に、第2の被覆手段の湿潤部材に含まれる液状体が所定量よりも過多となった場合に、第2の被覆手段を吸引すると、第2の被覆手段内の液状体が第2の連通管を経てキャッピング装置の外部に排出される。従って、第2の連通管を介して液状体を排出することができる。
【0010】
また、本発明は先に記載のキャッピング装置であり、第1の連通管と第2の連通管とに接続された吸引手段と、第1の被覆手段と第2の被覆手段とのうちいずれか一方を選択して吸引手段に連通させる選択手段とを具備することを特徴とする。
ここで、吸引手段とは、ポンプ等を意味し、第1の連通管又はと第2の連通管を介して第1の被覆手段又は第2の被覆手段を吸引するものである。
また、選択手段とは、バルブ等を意味し、第1の被覆手段と第2の被覆手段とのうちいずれか一方を吸引手段に連通されるものである。
本発明によれば、選択手段が第1の被覆手段と第2の被覆手段とのうちいずれか一方を吸引手段に連通させて、吸引手段が吸引動作をすることにより、連通された側の被覆手段を吸引することができる。
【0011】
また、本発明は先に記載のキャッピング装置であり、第1の連通管よりも第2の連通管の断面積が大きいことを特徴とする。
上述したように、第1の被覆手段においては、吐出ヘッド内を吸引することにより、第1の連通管を気体が流動し、当該気体がキャッピング装置外に排出される。また、第2の被覆手段においては、所定量よりも過多となった液状体を吸引することにより、第2の連通管を液状体が流動し、当該液状体がキャッピング装置外に排出される。
本発明によれば、第2の連通管において液状体の粘度上昇が生じた場合であっても、第1の連通管よりも断面積が大きいので、第2の連通管内の目詰まりを防止することができる。
【0012】
また、本発明は先に記載のキャッピング装置であり、第2の被覆手段は当該第2の被覆手段と吐出ヘッドとが接触する側に突出部を具備することを特徴とする。
ここで、突出部とは、当該突出部の周囲の平坦部よりも相対的に突出している部位を意味するものである。また、当該突出部は、ゴムや高分子材料等からなる弾性体であることが好ましい。
本発明によれば、第2の被覆手段が吐出ヘッドを被覆した場合に、吐出ヘッドの一部と突出部とが接触する。ここで、吐出ヘッドと突出部との接触面積は、吐出ヘッドと平坦部との接触面積よりも小さい。
従って、第2の被覆手段と吐出ヘッドとにおいて、上記の接触面積内で液状体が乾燥した場合であっても、突出部を有することにより接触面積が小さくなっているので、液状体の乾燥による固着を防止することができる。
【0013】
また、本発明のキャッピング方法は、液状体を貯留するキャビティと当該キャビティに連通するノズルとキャビティ内に貯留された液状体をノズルより吐出させるための吐出手段とを有した吐出ヘッドを被覆するキャッピング方法であって、気体に対する透過性が高い気体透過性部材を有する第1の被覆手段によって吐出ヘッドを被覆する第1の被覆工程と、ノズル近傍を湿潤状態に保管する湿潤部材を有する第2の被覆手段によって吐出ヘッドを被覆する第2の被覆工程とを具備することを特徴とする。
本発明によれば、吐出ヘッドを第1の被覆手段で被覆した状態で、気体透過性部材を介してノズル開口面(または吐出ヘッド先端面)から液状体を吸引すると、キャビティ内の圧力が液状体貯留部内よりも低くなり、液状体貯留部内の液状体が液状体流路を介してキャビティ内に流入し、当該液状体は吐出ヘッド内全体に充填される。ここで、気体透過性部材は、気体を透過させるが、液状体を透過させないので、吐出ヘッド内の全ての気体が吸引されると共に、液状体の流動がノズル先端で止まる。従って、完全に吐出ヘッド内の気体を吸引除去して当該吐出ヘッド内に液状体のみを充填することが可能となる。また、吐出ヘッド内への気体の残留に起因するノズル内の目詰まりや吐出不良を防止することができる。
更に、吐出ヘッドに液状体が充填された状態で、当該吐出ヘッドを第2の被覆手段で被覆すると、ノズル開口面が湿潤部材と対向するので、ノズル内から液状体が乾燥することがない。従って、ノズル内でメニスカスを形成している液状体の粘度上昇を防止することができる。また、粘度上昇に起因するノズル内の目詰まりや吐出不良を防止することができる。
【0014】
また、本発明は先に記載のキャッピング方法であり、第1の被覆手段と第2の被覆手段とのうちいずれか一方によって被覆された吐出ヘッドを吸引する吸引工程を具備することを特徴とする。
本発明によれば、先に記載のキャッピング方法と吸引工程を施すことにより、第1の被覆手段と第2の被覆手段とのうちいずれか一方を吸引することができる。
【0015】
また、本発明は先に記載のキャッピング方法であり、第1の被覆工程と吸引工程とを施すことにより、吐出ヘッドのキャビティ内に液状体を充填することを特徴とする。
本発明によれば、吐出ヘッドを第1の被覆手段で被覆した状態で、気体透過性部材を介してノズル開口面(または吐出ヘッド先端面)から液状体を吸引すると、キャビティ内の圧力が液状体貯留部内よりも低くなり、液状体貯留部内の液状体が液状体流路を介してキャビティ内に流入し、当該液状体は吐出ヘッド内全体に充填される。ここで、気体透過性部材は、気体を透過させるが、液状体を透過させないので、吐出ヘッド内の全ての気体が吸引されると共に、液状体の流動がノズル先端で止まる。従って、完全に吐出ヘッド内の気体を吸引除去して当該吐出ヘッド内に液状体のみを充填することが可能となる。
【0016】
また、本発明は先に記載のキャッピング方法であり、吐出ヘッドの吐出休止状態で、第2の被覆工程を施すことにより、当該吐出ヘッドを湿潤状態で保管することを特徴とする。
ここで、吐出休止状態とは、例えば、液滴吐出装置内に基板を搬送している場合、もしくは基板を搬出している場合、液滴吐出装置のステージに基板が載置されていても液滴吐出動作を待機している場合等、を意味するものである。
本発明によれば、液滴の吐出休止状態で、第2の被覆手段が当該吐出ヘッドを被覆することにより、ノズル開口面が湿潤部材に接触するので、ノズル開口面において液状体が乾燥することがない。従って、ノズル内でメニスカスを形成している液状体の粘度上昇を防止することができる。
【0017】
また、本発明は先に記載のキャッピング方法であり、吐出ヘッドの吐出不良状態で、第1の被覆工程と、吸引工程と、第2の被覆工程とを連続して施すことにより、吐出ヘッドを吐出良好状態に回復させることを特徴とする。
ここで、吐出不良状態とは、例えば、吐出手段が駆動してもノズルから液状体が吐出しない状態や、液状体が吐出されたとしても、飛行曲がりが生じて着弾位置に誤差が生じる状態等、正常に液状体が吐出されない状態を意味する。
また、吐出良好状態とは、上記の吐出不良状態に相対しており、正常に液状体が吐出される状態を意味する。
本発明によれば、第1の被覆工程及び吸引工程によって、気体透過性部材を介して吐出ヘッド内を吸引し、ノズル内のメニスカス近傍の液状体が移動、攪拌される。更に、第2の被覆工程によって当該吐出ヘッドが湿潤状態で保管される。従って、吐出不良状態の吐出ヘッドを吐出良好状態に回復することができる。
【0018】
また、本発明は先に記載のキャッピング方法であり、第2の被覆工程において、吐出ヘッドが湿潤部材に所定回数の液滴吐出を行うことにより、吐出ヘッドを回復させることを特徴とする。
ここで、所定回数の液滴吐出とは、所謂捨て打ち、試し打ちであって、フラッシングを意味するものである。
本発明によれば、所定回数の液滴吐出を行うことによって、ノズル内のメニスカス近傍の液状体が移動、攪拌される。従って、吐出不良状態の吐出ヘッドを吐出良好状態に回復することができる。
【0019】
また、本発明の液滴吐出装置は、液状体を貯留するキャビティと当該キャビティに連通するノズルとキャビティ内に貯留された液状体をノズルより吐出させるための吐出手段とを有した吐出ヘッドと、キャビティに液状体を供給する液状体貯留部とを有する液滴吐出装置であって、先に記載のキャッピング装置を備えることを特徴とする。
本発明によれば、吐出ヘッドを第1の被覆手段で被覆した状態で、気体透過性部材を介してノズル開口面(または吐出ヘッド先端面)から液状体を吸引すると、キャビティ内の圧力が液状体貯留部内よりも低くなり、液状体貯留部内の液状体が液状体流路を介してキャビティ内に流入し、当該液状体は吐出ヘッド内全体に充填される。ここで、気体透過性部材は、気体を透過させるが、液状体を透過させないので、吐出ヘッド内の全ての気体が吸引されると共に、液状体の流動がノズル先端で止まる。従って、完全に吐出ヘッド内の気体を吸引除去して当該吐出ヘッド内に液状体のみを充填することが可能となる。また、吐出ヘッド内への気体の残留に起因するノズル内の目詰まりや吐出不良を防止することができる。
更に、吐出ヘッドに液状体が充填された状態で、当該吐出ヘッドを第2の被覆手段で被覆すると、ノズル開口面が湿潤部材に接触するので、ノズル内から液状体が乾燥することがない。従って、ノズル内でメニスカスを形成している液状体の粘度上昇を防止することができる。また、粘度上昇に起因するノズル内の目詰まりや吐出不良を防止することができる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明のキャッピング装置、キャッピング方法、及び液滴吐出装置について図面を参照しながら説明する。図1は本発明の液滴吐出装置の一実施形態を示す概略斜視図である。
【0021】
(液滴吐出装置)
図1において、液滴吐出装置IJは、ベース12と、ベース12上で基板Pを支持するステージSTと、ベース12とステージSTとの間に介在し、ステージSTを移動可能に支持する第1移動装置14と、ステージSTに支持されている基板Pに対して所定の液状体材料を吐出可能な吐出ヘッド20と、吐出ヘッド20を移動可能に支持する第2移動装置16と、吐出ヘッド20から吐出される液状体が貯蔵されたタンク(液状体貯留部)63と、当該液状体を吐出ヘッド20に供給する液状体流路61と、吐出ヘッド20の液状体の吐出動作を制御する制御装置CONTと、ベース12上に設けられているキャッピングユニット(キャッピング装置)22と、クリーニングユニット24と、を具備した構成となっている。また、第1移動装置14及び第2移動装置16を含む液滴吐出装置IJの動作は、制御装置CONTによって制御される。
【0022】
第1移動装置14はベース12の上に設置されており、Y軸方向に沿って位置決めされている。第2移動装置16は、支柱16A、16Aを用いてベース12に対して立てて取り付けられており、ベース12の後部12Aにおいて取り付けられている。第2移動装置16のX軸方向は、第1移動装置14のY軸方向と直交する方向である。ここで、Y軸方向はベース12の前部12Bと後部12A方向に沿った方向である。これに対してX軸方向はベース12の左右方向に沿った方向であり、各々水平である。また、Z軸方向はX軸方向及びY軸方向に垂直な方向である。
【0023】
第1移動装置14は、例えばリニアモータによって構成され、ガイドレール40、40と、このガイドレール40に沿って移動可能に設けられているスライダー42とを備えている。このリニアモータ形式の第1移動装置14のスライダー42は、ガイドレール40に沿ってY軸方向に移動して位置決め可能である。
【0024】
また、スライダー42はZ軸回り(θZ)用のモータ44を備えている。このモータ44は、例えばダイレクトドライブモータであり、モータ44のロータはステージSTに固定されている。これにより、モータ44に通電することでロータとステージSTとは、θZ方向に沿って回転してステージSTをインデックス(回転割り出し)することができる。すなわち、第1移動装置14は、ステージSTをY軸方向及びθZ方向に移動可能である。
【0025】
ステージSTは基板Pを保持し、所定の位置に位置決めするものである。また、ステージSTは吸着保持装置50を有しており、吸着保持装置50が作動することによってステージSTの穴46Aを通して基板PをステージSTの上に吸着して保持する。
【0026】
第2移動装置16はリニアモータによって構成され、支柱16A、16Aに固定されたコラム16Bと、このコラム16Bに支持されているガイドレール62Aと、ガイドレール62Aに沿ってX軸方向に移動可能に支持されているスライダー60とを備えている。スライダー60はガイドレール62Aに沿ってX軸方向に移動して位置決め可能であり、吐出ヘッド20はスライダー60に取り付けられている。
【0027】
吐出ヘッド20は、揺動位置決め装置としてのモータ62、64、66、68を有している。モータ62を作動すれば、吐出ヘッド20は、Z軸に沿って上下動して位置決め可能である。このZ軸はX軸とY軸に対して各々直交する方向(上下方向)である。モータ64を作動すると、吐出ヘッド20は、Y軸回りのβ方向に沿って揺動して位置決め可能である。モータ66を作動すると、吐出ヘッド20は、X軸回りのγ方向に揺動して位置決め可能である。モータ68を作動すると、吐出ヘッド20は、Z軸回りのα方向に揺動して位置決め可能である。すなわち、第2移動装置16は、吐出ヘッド20をX軸方向及びZ軸方向に移動可能に支持するとともに、この吐出ヘッド20をθX方向(X軸回り)、θY方向(Y軸回り)、θZ方向(Z軸回り)に移動可能に支持する。
【0028】
このように、図1の吐出ヘッド20は、スライダー60において、Z軸方向に直線移動して位置決め可能で、α、β、γに沿って揺動して位置決め可能であり、吐出ヘッド20の液状体吐出面(ノズル開口面)20Pは、ステージST側の基板Pに対して正確に位置あるいは姿勢をコントロールすることができる。なお、吐出ヘッド20の液状体吐出面20Pには液状体を吐出する複数のノズルが設けられている。
【0029】
図2は吐出ヘッド20を示す分解斜視図である。
図2に示すように、吐出ヘッド20は、ノズル211が設けられたノズルプレート210及び振動板230が設けられた圧力室基板220を、筐体250に嵌め込んで構成されている。この吐出ヘッド20の主要部構造は、図3の斜視図一部断面図に示すように、圧力室基板220をノズルプレート210と振動板230で挟み込んだ構造を備える。ノズルプレート210は、圧力室基板220と貼り合わせられたときにキャビティ221に対応することとなる位置にノズル211が形成されている。圧力室基板220には、シリコン単結晶基板等をエッチングすることにより、各々が圧力室として機能可能にキャビティ221が複数設けられている。キャビティ221間は側壁(隔壁)222で分離されている。各キャビティ221は供給口224を介して共通の流路であるリザーバ223に繋がっている。振動板230は、例えば熱酸化膜等により構成される。振動板230には液状体タンク口231が設けられ、図1のタンク63から液状体流路61を通して任意の液状体を供給可能に構成されている。振動板230上のキャビティ221に相当する位置には、圧電体素子(吐出手段)240が形成されている。圧電体素子240は、ピエゾ素子等の圧電性セラミックスの結晶を上部電極及び下部電極(図示せず)で挟んだ構造を備える。圧電体素子240は、制御装置CONTから供給される吐出信号に対応して体積変化を生ずることが可能に構成されている。
【0030】
吐出ヘッド20から液状体を吐出するには、まず、制御装置CONTが液状体を吐出させるための吐出信号を吐出ヘッド20に供給する。液状体は吐出ヘッド20のキャビティ221に流入しており、吐出信号が供給された吐出ヘッド20では、その圧電体素子240がその上部電極と下部電極との間に加えられた電圧により体積変化を生ずる。この体積変化は振動板230を変形させ、キャビティ221の体積を変化させる。この結果、そのキャビティ221のノズル穴211から液状体の液滴が吐出される。液状体が吐出されたキャビティ221には吐出によって減った液状体が新たにタンクから供給される。
【0031】
なお、上記吐出ヘッドは圧電体素子に体積変化を生じさせて液状体を吐出させる構成であったが、発熱体により液状体に熱を加えその膨張によって液滴を吐出させるようなヘッド構成であってもよい。また、静電気によって振動板を変形させることにより体積変化を生じさせて液滴を吐出させるような吐出ヘッドであってもよい。
【0032】
第2移動装置16は、吐出ヘッド20をX軸方向に移動させることで、吐出ヘッド20をクリーニングユニット24あるいはキャッピングユニット22の上部に選択的に位置決めさせることができる。つまり、デバイス製造作業の途中であっても、例えば吐出ヘッド20をクリーニングユニット24上に移動すれば、吐出ヘッド20のクリーニングを行うことができる。吐出ヘッド20をキャッピングユニット22の上に移動すれば、吐出ヘッド20の液状体吐出面20Pにキャッピングを施したり、液状体をキャビティ221に充填したり、吐出不良を回復させたりすることが可能となる。つまり、クリーニングユニット24、及びキャッピングユニット22は、ベース12上の後部12A側で、吐出ヘッド20の移動経路直下に、ステージSTと離間して配置されている。ステージSTに対する基板Pの搬入作業及び搬出作業はベース12の前部12B側で行われるため、これらクリーニングユニット24あるいはキャッピングユニット22により作業に支障を来すことはない。
【0033】
また、上述の吐出ヘッド20から吐出される液状体としては、着色材料を含有するインク、金属微粒子等の材料を含有する分散液、PEDOT:PSS等の正孔注入材料や発光材料等の有機EL物質を含有する溶液、液晶材料等の高粘度の機能性液体、マイクロレンズの材料を含有する機能性液体等、種種の材料を含有する液状体が採用される。本実施形態においては、たんぱく質や核酸等を含有する生体高分子溶液が採用される。
また、基板Pは、ガラス等の材料からなるものである。
このような生体高分子溶液を基板P上に形成することにより、例えば、DNAチップ等のマイクロアレイを形成することが可能となる。
【0034】
クリーニングユニット24は、吐出ヘッド20のノズル等のクリーニングをデバイス製造工程中や待機時に定期的にあるいは随時に行うことができる。
キャッピングユニット22は、吐出ヘッド20の液状体吐出面20Pが乾燥しないように、デバイスを製造しない待機時にこの液状体吐出面20Pにキャッピングを施したり、液状体をキャビティ221に充填する際に用いたり、また、吐出不良が生じた吐出ヘッド20を回復させるものである。
【0035】
(キャッピングユニット)
図4は、キャッピングユニット22の構成を示す図であって、図4(a)は吐出ヘッド側から見た平面図、図4(b)は図4(a)のX−X方向から見た断面図である。
図4(a)、(b)に示すようにキャッピングユニット22は、本体22aと、第1キャッピング部(第1の被覆手段)31と、第1連通管(第1の連通管)33と、第2キャッピング部(第2の被覆手段)32と、第2連通管(第2の連通管)34と、切り替えバルブ(選択手段)35と、ポンプ(吸引手段)36と、から構成されている。
【0036】
第1キャッピング部31は、本体22aに形成された凹部31aの内部に嵌入された気体透過性フィルタ(気体透過性部材)31bと、本体22aの下面22bに貫通する第1連通管33とを備えている。ここで、気体透過性フィルタ31bとは、気体に対する透過性が高く、所定の限界圧力以下では液状体を透過させないフィルタを意味するものである。このような気体透過性フィルタは、その平均孔径が1〜3μmであることが好ましく、また、例えばポリテトラフルオロエチレン等からなる微細な繊維によって形成されているものが好ましい。
【0037】
第2キャッピング部32は、本体22aに形成された凹部32aの内部に嵌入された湿潤部材32bと、下面22bに貫通する第2連通管34と、本体22の上面に突出した突出部32cとを備えている。ここで、湿潤部材32bとは、液状体に対するの吸収性に優れ、液状体が吸収された際には湿潤状態を保つものである。例えば、スポンジ等の材料からなる。
切り替えバルブ35には、第1連通管33と、第2連通管34と、ポンプ36とが接続されており、第1連通管33と第2連通管34とのうちいずれか一方を選択的してポンプ36に連通させるものである。
ポンプ36は、切り替えバルブ35によって連通状態となった第1連通管33又は第2連通管34を介して、第1キャッピング部31又は第2キャッピング部を吸引、減圧するものである。
また、切り替えバルブ35及びポンプ36は、制御装置CONTと電気的に接続されており、その駆動が制御されるようになっている。
また、第2連通管34の断面積は、第1連通管33よりも大きく設定されている。
【0038】
(液滴吐出方法、及びキャッピング方法)
次に、図1の液滴吐出装置IJを用いて、基板P上にマイクロアレイを形成する方法について説明すると共に、図5を参照してキャッピングユニット22を用いたキャッピング方法について詳述する。
ここで、図5(a)は第1キャッピング部31によるキャッピング方法を説明するためのキャッピングユニット22の断面図、図5(b)は第2キャッピング部32によるキャッピング方法を説明するためのキャッピングユニット22の断面図を示している。
【0039】
まず、搬送装置(不図示)は、基板PをステージSTの前部12BからこのステージSTに搬入する。更に、ステージSTは基板Pを吸着保持し、位置決めする。そして、モータ44が作動して、基板Pの端面がY軸方向に並行になるように設定される。
【0040】
次に、ステージSTに基板Pが搬入されている間に、制御装置CONTは第2移動装置16を制御し、X軸方向に吐出ヘッド20を移動させて、キャッピングユニット22の上部に位置決めする。更に、Z軸方向に吐出ヘッド20を移動させて、キャッピングユニット22に接触配置させる。詳細には、図5(a)に示すように第1キャッピング部31の気体透過性フィルタ31bに吐出ヘッド20の液状体吐出面20Pを接触配置させる。
【0041】
このように液状体吐出面20Pが気体透過性フィルタ31bに接触配置された状態で、制御装置CONTがキャッピングユニット22の切り替えバルブ35を作動させることにより、第1連通管33とポンプ36とを連通状態、第2連通管34とポンプ36とを非連通状態にする。次に、制御装置CONTがポンプ36を作動させることにより、第1連通管33内を介して吐出ヘッド20のキャビティ221内が減圧される。これに伴って、タンク63から吐出ヘッド20に向かって液状体が液状体流路61内を流動し、吐出ヘッド20のキャビティ221内に液状体が到達する。ここで、気体透過性フィルタ31bは、上述したように気体に対する透過性が高く、限界圧力以下では液状体を透過させない性質を有しているので、キャビティ221内の液状体が気体透過性フィルタ31bを介して第1キャッピング部31内に透過することがない。また、吐出ヘッド20の気体は気体透過性フィルタ31bを介して吸引される。従って、吐出ヘッド20のキャビティ221内には、気体が残留することなく液状体のみが充填される。
【0042】
次に、液状体の充填を終了した後に、制御装置CONTは、吐出ヘッド20と基板PとをX軸方向に相対移動(走査)しつつ、基板P上に対して吐出ヘッド20の所定のノズルから所定幅で液状体を吐出し、マイクロアレイを形成する。本実施形態では、吐出ヘッド20が基板Pに対して+X方向に移動しつつ吐出動作する。
【0043】
次に、吐出ヘッド20と基板Pとの1回目の相対移動(走査)が終了すると、基板Pを支持するステージSTが吐出ヘッド20に対してY軸方向に所定量ステップ移動する。制御装置CONTは、吐出ヘッド20を基板Pに対して、例えば−X方向に2回目の相対移動(走査)しつつ吐出動作を行う。この動作を複数回繰り返すことにより、吐出ヘッド20は制御装置CONTの制御に基づいて液状体を吐出し、基板P上にマイクロアレイを形成する。
【0044】
次に、上記のように基板P上にマイクロアレイが形成された後に、ステージSTによる吸着保持が解除され、搬送装置が基板PをステージSTから搬出する。
次に、ステージSTから基板Pが搬出されている間に、制御装置CONTは、第2移動装置16を制御し、X軸方向に吐出ヘッド20を移動させて、キャッピングユニット22の上部に位置決めする。更に、Z軸方向に吐出ヘッド20を移動させて、キャッピングユニット22に接触配置させる。詳細には、図5(b)に示すように第2キャッピング部32の湿潤部材32bに吐出ヘッド20の液状体吐出面20Pを対向配置させ、突出部32cに係合させる。
【0045】
このように第2キャッピング部32内に吐出ヘッド20を配置することによって、液状体吐出面20Pを湿潤状態に維持して、吐出ヘッド20を保管する。即ち、液状体吐出面20Pが乾燥することがない。
このような吐出ヘッド20の保管は、液滴吐出装置IJに基板が搬入・搬出されている間だけでなく、液滴の吐出動作が行われていない場合において常時行われる。
【0046】
以上説明したように、液滴吐出装置IJにおいては、気体透過性フィルタ31bを具備しているので、吐出ヘッド20内の気体を完全に吸引除去して当該吐出ヘッド20内に液状体のみを充填することが可能となる。また、吐出ヘッド20内への気体の残留に起因するノズル211内の目詰まりや吐出不良を防止することができる。
また、湿潤部材32bを具備しているので、ノズル211内でメニスカスを形成している液状体の粘度上昇を防止することができる。また、粘度上昇に起因するノズル211内の目詰まりや吐出不良を防止することができる。
また、第1連通管33及びポンプ36を具備しているので、気体透過性フィルタ31bが吐出ヘッド20を被覆した状態で当該吐出ヘッド20内を吸引すると、第1連通管33を介して吐出ヘッド20内の気体を排出することができる。
また、切り替えバルブ35を具備しているので、第1キャッピング部31と第2キャッピング部32とのうちいずれか一方を選択的に吸引することができる。
また、吐出ヘッド20が第2キャッピング部32に配置される際には、吐出ヘッド20は突出部32cと接触状態となるので、その接触面積を最小にすることが可能となり、液状体の乾燥による固着を防止することができる。
【0047】
次に、液滴吐出装置IJにおいて液状体の吐出不良が生じた場合について説明する。
まず、液状体の吐出不良が生じたことが確認されると、制御装置CONTは第2移動装置16を制御し、X軸方向に吐出ヘッド20を移動させて、キャッピングユニット22の上部に位置決めする。更に、Z軸方向に吐出ヘッド20を移動させて、キャッピングユニット22に接触配置させる。詳細には、図5(a)に示すように第1キャッピング部31の気体透過性フィルタ31bに吐出ヘッド20の液状体吐出面20Pを接触配置させる。
【0048】
このように液状体吐出面20Pが気体透過性フィルタ31bに接触配置された状態で、制御装置CONTがキャッピングユニット22の切り替えバルブ35を作動させることにより、第1連通管33とポンプ36とを連通状態、第2連通管34とポンプ36とを非連通状態にする。次に、制御装置CONTがポンプ36を作動させることにより、第1連通管33内を介して吐出ヘッド20のキャビティ221内が減圧され、気体透過性フィルタ31bを介して吐出ヘッド20内が吸引され、ノズル211内のメニスカス近傍の液状体が移動、攪拌される。これによって、吐出不良の原因となる吐出ヘッド20内に侵入した気泡の除去や、乾燥によって粘度上昇した液状体からなる固形物の除去が行われる。
【0049】
次に、制御装置CONTは、第2移動装置16を制御し、X軸方向に吐出ヘッド20を移動させて、キャッピングユニット22の上部に位置決めする。更に、Z軸方向に吐出ヘッド20を移動させて、図5(b)に示すように第2キャッピング部32の湿潤部材32bに吐出ヘッド20の液状体吐出面20Pを対向配置させ、突出部32cに係合させる。
【0050】
次に、第2キャッピング部32内において、制御装置CONTが吐出ヘッド20の圧電体素子240を駆動させて、液状体を湿潤部材32bに吐出する。これによってノズル211内のメニスカス近傍の気泡の除去や、乾燥によって粘度上昇した液状体からなる固形物の除去が完全に行われる。即ち、吐出ヘッド20を吐出良好状態に回復される。
【0051】
なお、上述の吐出ヘッド20の回復動作においては、必ずしも第1キャッピング部31と第2キャッピング部32との両方によって行う必要がなく、いずれか一方によって吐出ヘッド20の回復動作を行ってもよい。
また、第2キャッピング部32内の液状体が所定量よりも過多となった場合には、当該液状体を除去してもよい。この場合、切り替えバルブ35を作動させることにより、第1連通管33とポンプ36とを非連通状態、第2連通管34とポンプ36とを連通状態にして、制御装置CONTがポンプ36を作動させることにより、第2連通管34内を介して第2キャッピング部32内の液状体が排出される。ここで、第2連通管34の断面積は、第1連通管33よりも大きく設定されているので、第2連通管34内で液状体の粘度上昇が生じた場合であっても、目詰まりが生じることがない。
【0052】
以上説明したように、液滴吐出装置IJにおいては、吐出ヘッド20の吐出不良が生じた際に、第1キャッピング部31及び第2キャッピング部32によるキャッピングと、ポンプ36による吸引と、を行うことにより、吐出ヘッド20を吐出良好状態に回復させることが可能となる。
また、湿潤部材32bに対して所定回数の捨て打ちを行うことにより、吐出ヘッド20を吐出良好状態に回復させることが可能となる。
また、第2連通管34の断面積は、第1連通管33よりも大きく設定されているので、第2キャッピング部32内の液状体を第2連通管34を介して吸引した場合に、第2連通管34内での液状体の目詰まりを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の液滴吐出装置の一実施形態を示す概略斜視図。
【図2】吐出ヘッドの分解斜視図。
【図3】吐出ヘッドの主要部の斜視図。
【図4】キャッピングユニットの構成を示す平面図、及び断面図。
【図5】キャッピングユニットの動作を説明するための要部の断面図。
【符号の説明】
IJ…液滴吐出装置、20…吐出ヘッド、22…キャッピングユニット(キャッピング装置)、31…第1キャッピング部(第1の被覆手段)、31b…気体透過性フィルタ(気体透過性部材)、32…第2キャッピング部(第2の被覆手段)、32b…湿潤部材、32c…突出部、33…第1連通管(第1の連通管)、34…第2連通管(第2の連通管)、35…切り替えバルブ(選択手段)、36…ポンプ(吸引手段)、63…タンク(液状体貯留部)、211…ノズル、221…キャビティ、240…圧電体素子(吐出手段)

Claims (12)

  1. 液状体を貯留するキャビティと当該キャビティに連通するノズルと前記キャビティ内に貯留された液状体を前記ノズルより吐出させるための吐出手段とを有した吐出ヘッドを被覆手段によって被覆するキャッピング装置であって、
    前記被覆手段は、気体に対する透過性が高い気体透過性部材を有する第1の被覆手段と、
    前記ノズル近傍を湿潤状態に保管する湿潤部材を有する第2の被覆手段と、
    を具備することを特徴とするキャッピング装置。
  2. 前記第1の被覆手段は、前記気体透過性部材の前記吐出ヘッドとは反対側に、当該第1の被覆手段の外部に通じる第1の連通管を具備し、
    また、前記第2の被覆手段は、前記湿潤部材の前記吐出ヘッドとは反対側に、当該第2の被覆手段の外部に通じる第2の連通管を備えることを特徴とする請求項1に記載のキャッピング装置。
  3. 前記第1の連通管と前記第2の連通管とに接続された吸引手段と、
    前記第1の被覆手段と前記第2の被覆手段とのうちいずれか一方を選択して前記吸引手段に連通させる選択手段と、
    を具備することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のキャッピング装置。
  4. 前記第1の連通管よりも前記第2の連通管の断面積が大きいことを特徴とする請求項2又は請求項3に記載のキャッピング装置。
  5. 前記第2の被覆手段は、当該第2の被覆手段と前記吐出ヘッドとが接触する側に突出部を具備することを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載のキャッピング装置。
  6. 液状体を貯留するキャビティと当該キャビティに連通するノズルと前記キャビティ内に貯留された液状体を前記ノズルより吐出させるための吐出手段とを有した吐出ヘッドを被覆するキャッピング方法であって、
    気体に対する透過性が高い気体透過性部材を有する第1の被覆手段によって前記吐出ヘッドを被覆する第1の被覆工程と、
    前記ノズル近傍を湿潤状態に保管する湿潤部材を有する第2の被覆手段によって前記吐出ヘッドを被覆する第2の被覆工程と、
    を具備することを特徴とするキャッピング方法。
  7. 前記第1の被覆手段と前記第2の被覆手段とのうちいずれか一方によって被覆された吐出ヘッドを吸引する吸引工程を具備することを特徴とする請求項6に記載のキャッピング方法。
  8. 前記第1の被覆工程と、前記吸引工程とを施すことにより、前記吐出ヘッドの前記キャビティ内に前記液状体を充填することを特徴とする請求項6又は請求項7に記載のキャッピング方法。
  9. 前記吐出ヘッドの吐出休止状態で、前記第2の被覆工程を施すことにより、当該吐出ヘッドを湿潤状態で保管することを特徴とする請求項6に記載のキャッピング方法。
  10. 前記吐出ヘッドの吐出不良状態で、前記第1の被覆工程と、前記吸引工程と、前記第2の被覆工程とを連続して施すことにより、前記吐出ヘッドを吐出良好状態に回復させることを特徴とする請求項6から請求項9のいずれかに記載のキャッピング方法。
  11. 前記第2の被覆工程において、前記吐出ヘッドが前記湿潤部材に所定回数の液滴吐出を行うことにより、前記吐出ヘッドを回復させることを特徴とする請求項6又は請求項10に記載のキャッピング方法。
  12. 液状体を貯留するキャビティと当該キャビティに連通するノズルと前記キャビティ内に貯留された液状体を前記ノズルより吐出させるための吐出手段とを有した吐出ヘッドと、前記キャビティに前記液状体を供給する液状体貯留部とを有する液滴吐出装置であって、
    請求項1から請求項5のいずれかに記載のキャッピング装置を備えることを特徴とする液滴吐出装置。
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