JP2004188904A - 液体噴射装置 - Google Patents

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Masaaki Miyamoto
雅昭 宮本
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Abstract

【課題】キャップの排出口から排出される流体の流れを妨げることなく、液体噴射ヘッドのノズルにおける液体の乾燥を防止することができるキャップを備える液体噴射装置を提供すること。
【解決手段】インクジェットプリンタは、ノズルからインク滴を吐出する記録ヘッド20と、記録ヘッド20のノズル形成面を覆う、底部26b及び底部26bを囲む壁部26aを有するキャップホルダ26とを有する。また、ノズル形成面、キャップホルダ26及びキャップ部材30によって形成されるキャップ内空間Sを、底部26bに形成された排出口26cを介してキャップホルダ26外部に連通させるチューブ31とを有する。このインクジェットプリンタにおいて、排出口26cと対向するように設けられ、記録ヘッド20がキャップホルダ26及びキャップ部材30で覆われる際に、排出口26cを閉塞し、排出口26cの面積を縮小させるリブ27が備えられる。
【選択図】 図3

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、液体噴射ヘッドのノズル形成面を覆うキャップ底部の排出口を閉塞する手段を備えた液体噴射装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
液体を噴射させる液体噴射装置として、インクジェットプリンタが広く用いられている。このインクジェットプリンタは、キャリッジと、キャリッジに搭載された記録ヘッドとを備える。そして、このキャリッジを記録媒体に対して移動させながら、記録ヘッドに形成されたノズルからインクを吐出し、記録媒体に対して印刷を行うようになっている。
【0003】
このようなインクジェットプリンタは、非印刷時において、記録ヘッドのノズルから水蒸気等のインクの溶媒が蒸発することにより、ノズルにおけるインク粘度が上昇したり、インクが固化したりしてしまうことがあった。そして、その結果、ノズルに塵埃が付着したり、インクの吐出が良好に行われなくなったりして、印刷が良好に行われなくなる現象が生じる可能性があった。
【0004】
これらの現象を防ぐために、インクジェットプリンタにはキャッピング手段を備えたものが数多くある。キャッピング手段は、記録ヘッドのノズル形成面を覆うことが可能な有底状のキャップを備えており、非印刷時にはこのキャップによって記録ヘッドのノズル形成面を覆うキャッピング操作を行うようになっている。そして、記録ヘッドとキャップとによって形成される空間(以下、キャップ内空間という。)の湿度を保つようになっている。これにより、ノズルにおけるインクの乾燥が防がれ、ノズルの性能を最適な状態に保つことが図られている。
【0005】
また、キャップの底面には排出口が形成されており、この排出口はチューブ等を介して吸引ポンプへ連通されるようになっている。この排出口及び吸引ポンプは、ノズルの目詰まりを防止する目的で、ノズル内の粘度の大きいインクや気泡等を吸引してクリーニングを行うためのものである。このクリーニング操作を行う際は、記録ヘッドをキャップにより封止すると共に、吸引ポンプを作動させ、キャップ内空間の空気やインク等の流体を吸引する。このように吸引ポンプによりノズルに負圧を加えると、ノズルからインクが排出され、この排出されたインクは、キャップ底面の排出口及び排出口に接続されたチューブを介して、廃インクタンクに収容される(例えば、特許文献1参照。)。
【0006】
【特許文献1】
特開2000−141676号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記のように底面に排出口を有したキャップにより記録ヘッドのノズル形成面を封止して、キャップ内空間を形成しても、排出口が開口した状態となっている。この排出口に接続されたチューブは、排出口に接続した側と反対側の端部が大気に開放されているため、キャップ内空間の水蒸気等が流出し、キャップ内空間の湿度が低下する場合があった。従って、ノズル内のインクの水蒸気等が蒸発して、ノズル内のインクの粘度が増大する可能性があった。一方、排出口から流出する水蒸気量や溶媒量を減少させるため、排出口の面積を小さくすると、排出口からチューブへ流れるインクの流路の抵抗が増加する。このため、クリーニングの際の、キャップから廃インクタンクへの流路における流速が低下し、クリーニングが効果的に行われない可能性があった。
【0008】
本発明は、キャップの排出口から排出される流体の流れを妨げることなく、液体噴射ヘッドのノズルにおける液体の乾燥を防止することができるキャップを備える液体噴射装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、ノズルから液滴を吐出する液体噴射ヘッドと、底部と該底部を囲む壁部とを有し、前記液体噴射ヘッドのノズル形成面を覆うキャップと、前記ノズル形成面と前記キャップとによって形成されるキャップ内空間を、前記底部に形成された排出口を介して前記キャップ外部に連通させる流路とを有する液体噴射装置において、前記排出口と対向するように設けられ、前記ノズル形成面が前記キャップで覆われる際に、前記排出口を閉塞し、前記排出口の開口面積を縮小させる閉塞手段を備える。
【0010】
これによれば、液体噴射ヘッドをキャップで覆い、ノズルの乾燥を防止する際に、閉塞手段により排出口の開口面積を縮小させることができる。このため、キャップ内空間に充満されている水蒸気等の溶媒が、排出口を通じて外部に逃げないようにすることができる。従って、液体噴射ヘッドのノズル形成面付近における湿度を高く保つことができ、ノズル内の液体の乾燥を極力防ぐことができる。
【0011】
この液体噴射装置において、前記キャップの前記底部は、前記キャップ内空間側に撓むと共に、前記閉塞手段は、前記キャップに設けられた支持部及び該支持部に形成され、前記排出口側へ突出するように配設された閉塞部と、前記キャップの前記底部に押圧力を加えて、前記底部を前記キャップ内空間側に撓ませて、前記閉塞部に当接させる押圧手段とから構成される。
【0012】
これによれば、キャップの底部を閉塞部側に撓ませて、排出口を閉塞部で閉塞することにより、排出口の開口面積を縮小することができる。また、押圧手段による押圧力を解除すると、閉塞部と排出口とが離間し、排出口の開口面積を最大にすることができる。このため、ノズルの乾燥を防止する場合は、排出口の開口面積を縮小させる一方、排出口から流体の排出を行う場合は、排出口の開口面積を最大とし、流速を低下させないというように、場合によって排出口の開口面積を変化させることができる。従って、キャップの排出口から排出される流体の流れを妨げることなく、液体噴射ヘッドのノズルにおける液体の乾燥を極力防止することができる。さらに、排出口を閉塞手段で閉塞するため、キャップ内部には、キャップ内空間を湿潤な状態に保持するための、保水剤等を備えなくてもよい。このため、キャップ内空間を有効に使用することができる。
【0013】
この液体噴射装置において、前記閉塞部には、該閉塞部が前記排出口に当接した際に、前記排出口と前記キャップ内空間とを連通させる連通孔が形成される。
これによれば、閉塞部により排出口を閉塞した際に、キャップ内空間は、連通孔と流路を介して外部と連通される。このため、キャップで液体噴射ヘッドを覆った際に、キャップ内空間の流体が密閉状態となることを防止できる。従って、キャップ内空間の温度変化が生じたときに圧力変化が生じて、ノズル内の液体のメニスカスが破壊されるのを極力防止できる。
【0014】
この液体噴射装置において、前記閉塞部の前記排出口に対向した面の一部には切り欠きが形成され、該切り欠きは、前記排出口に当接した該閉塞部と、前記排出口との間に、間隙を形成する。
【0015】
これによれば、閉塞部により排出口を閉塞した際に、キャップ内空間を、流路を介して外部と連通するための間隙を形成することができる。このため、キャップで液体噴射ヘッドのノズル形成面を覆った際に、キャップ内空間が密閉状態となることを防止できる。従って、キャップ内空間の温度変化が生じたときに圧力変化が生じて、ノズル内の液体のメニスカスが破壊されるのを極力防止できる。また、この切り欠きは、閉塞部の下方を切り欠いて形成されるため、粘度の高い液体等によって塞がれたりすることがなく、より確実に間隙を形成することができる。
【0016】
この液体噴射装置において、前記押圧手段は、カムと、前記キャップに設けられ、前記カムを支持固定するカム用支持部とからなる。
これによれば、簡単な構成により押圧手段を構成することができる。
【0017】
この液体噴射装置において、前記キャップの前記底部は、方形状に形成され、前記キャップの前記壁部は該底部を囲むように4個配設されると共に、前記支持部は、2個の前記壁部の間に架設される。
【0018】
これによれば、支持部は2個の壁部の間に架設されるため、支持部を液体の流れを妨害するような箇所以外に設けることができる。従って、液体噴射ヘッドから吐出された液体の、排出口への流れを阻害することを防止することができる。
【0019】
この液体噴射装置において、前記支持部は、複数の腕部を有し、前記各腕部は複数の前記壁部にそれぞれ固定され、前記腕部の長手方向は異なる方向に延びる。
【0020】
これによれば、支持部は複数の腕で構成されるため、支持部に形成された閉塞部をより確実に支持することができる。
この液体噴射装置において、前記閉塞手段及び前記排出口は、前記排出口を介して前記キャップ内空間の流体を吸引するクリーニングの際は、互いに離間する。
【0021】
これによれば、クリーニングの際、閉塞手段が、液体噴射ヘッドから吐出された液体の排出口への流れを阻害することがない。
【0022】
【発明の実施の形態】
(第1の実施形態)
以下、本発明を具体化した第1の実施形態を図1〜図4に従って説明する。
【0023】
図1は液体噴射装置としてのインクジェットプリンタ(以下、プリンタとする。)の要部斜視図である。プリンタに備えられる図示しないケースの中には、プリンタ本体11がある。プリンタ本体11には、フレーム12内にプラテン13が配設され、このプラテン13上に紙Pが搬送される。フレーム12内には、キャリッジ15がガイド部材16を介してプラテン13の長手方向へ移動可能に支持され、キャリッジモータ17の駆動によりタイミングベルト18を介して往復移動される。
【0024】
また、キャリッジ15には、各種インクを吐出する、液体噴射ヘッドとしての記録ヘッド20が搭載されている。記録ヘッド20の下面は、図示しないノズル群が形成されたノズル形成面となっており、図示しない圧電素子の駆動によりノズルから、液滴としてのインク滴が吐出される。また、キャリッジ15には、各種インクが貯留されたインクカートリッジ21が着脱可能に搭載されており、各インクカートリッジ21からノズル群へそれぞれ各種インクが供給される。従って、キャリッジ15がガイド部材16に沿って移動されながら、印刷データに基づいて圧電素子が駆動され、記録ヘッド20から紙P上にインクが吐出され、印刷が行われる。
【0025】
また、フレーム12の一側部の非印刷領域(ホームポジション)には、ヘッドクリーニング機構25が設けられている。ヘッドクリーニング機構25には、キャップホルダ26、チューブ31(図3参照)、及びチューブポンプ33が備えられている。キャップホルダ26は、図示しない昇降手段により上下動可能にフレーム12に取着されている。このキャップホルダ26には、四角枠状のキャップ部材30(図3参照)が設けられている。このキャップ部材30は、上端縁が記録ヘッド20のノズル形成面に当接されることにより、ノズル形成面を封止することが可能なように構成されている。
【0026】
このキャップホルダ26について、図2に従って詳述する。キャップホルダ26は、硬質合成樹脂からなる、4個の壁部26aと、底部26bとで形成されている。各壁部26aは、底部26bの四辺をそれぞれ取り囲むように立設されており、キャップホルダ26は上部に開口を有する有底状に形成されている。底部26bは、各壁部26aよりも薄く形成されており、キャップホルダ26の下方からの押圧力により、キャップホルダ26の内側へ撓むことが可能となっている。底部26bが撓んだ状態で、底部26bの下方からの押圧力を解除すると、底部26bは撓んだ状態から、力が加えられていない元の形状に戻る。
【0027】
また、底部26bには、排出口26cと、排出口26cが貫通した接続部26dとが形成されており、この排出口26cからキャップホルダ26内のインクを外部へ排出できる。さらに、対向する2個の壁部26aの間には、閉塞手段としてのリブ27が架設されている。このリブ27には、壁部26a間に配設された板状の支持部27aと、排出口26cに対向するように、支持部27aの中央に下方に向けて凸状に形成された閉塞部27bとが備えられている。支持部27aと閉塞部27bとは、同素材で形成されており、支持部27aから閉塞部27bの下面まで貫通するように、連通孔としての細孔27cが形成されている。
【0028】
図3は、このキャップホルダ26により、記録ヘッド20のノズル形成面が封止されたときの要部断面図である。キャップホルダ26の各壁部26aの上端部には、四角枠形状に形成された、エラストマー等の可撓性素材からなるキャップ部材30が配設されている。このキャップ部材30が、記録ヘッド20のノズル形成面に当接されて、ノズル形成面を封止することにより、キャップ内空間Sが形成される。
【0029】
また、キャップホルダ26の底部26bには、接続部26dが外側に突出されるように形成される。接続部26dには、シリコンゴム等の可撓性素材からなるチューブ31が連通されている。チューブ31の一端部であって、排出口26c側に接続されている側と反対側の端部は、廃インクタンク32に接続されている。チューブ31の途中には、チューブポンプ33が設けられている。このチューブポンプ33は、図示しない駆動手段により駆動されて、チューブポンプ33の上流側のチューブ31内を減圧することが可能となっている。従って、キャップ部材30によって記録ヘッド20のノズル形成面を封止した状態で、チューブポンプ33を駆動させると、記録ヘッド20、キャップ部材30及びキャップホルダ26で形成されるキャップ内空間S内の、流体としての水蒸気や気化したインクの溶媒又はインク等が吸引される。このようにキャップ内空間Sが減圧されると、負圧が記録ヘッド20のノズルに加えられ、ノズルからインクが吸引される。そして、記録ヘッド20から吸引された廃インクは、キャップホルダ26の排出口26cから、チューブ31を介して、廃インクタンク32へ収集される。
【0030】
また、キャップホルダ26の接続部26dの外周には、図3に示すように、4個のカム用支持部26eが形成されている。カム用支持部26eは、2個ずつ対向するように、所定の間隔を開けて配設されており、対向したカム用支持部26eの間には、押圧手段としてのカム28が嵌挿されている。各カム28は、その長手方向が略平行になるように配設されており、その端部は図示しないカム駆動機構に接続されている。このカム28は、このカム駆動機構によりA方向に上下動可能であり、図3はカム28が移動可能範囲の下端に移動したときを示している。このとき、キャップホルダ26の底部26bは、キャップ内空間S側に撓まず、リブ27に形成された閉塞部27bは、排出口26cと離間した状態となっている。この状態においては、排出口26cの開口面積は最大となっている。
【0031】
図4はカム28が移動可能範囲の上端に移動したときの、要部断面図である。カム28が上方に移動すると、接続部26dがキャップホルダ26の底部26bを押し上げ、底部26bがキャップ内空間S側に撓む。そして、底部26bが、リブ27の閉塞部27bに当接する。このため、排出口26cは、リブ27の閉塞部27bによって閉じられた閉塞状態となり、細孔27cによってチューブ31内の空間と連通されている以外は、キャップ内空間Sは密閉される。この閉塞状態では、キャップ内空間Sの水蒸気等の流出が極力防止される。このため、キャップ内空間Sの湿度の低下が防がれる。一方、閉塞部27bの細孔27cにより、キャップ内空間Sは、大気と連通された状態となっており、完全な密閉状態とはなっていない。このため、キャップ内空間Sにおける温度が変化し、キャップ内空間Sの空気等の流体が膨張又は収縮することがあっても、キャップ内空間Sの圧力が一定に保たれやすくなる。従って、キャップ内空間Sの圧力変化により、記録ヘッド20のノズル開口部のメニスカスが破壊されるのが極力防止され、印刷再開時に良好な印刷を行うことができる。
【0032】
そして、このように構成されているプリンタ本体11は、印刷が終了した場合等に、次のようなキャッピング操作を行う。プリンタ本体11の図示しない制御部によりキャッピング操作の実行命令が受信されると、キャリッジモータ17の駆動により、キャリッジ15が非印刷領域まで移動する。キャリッジ15が非印刷領域に到達すると、昇降手段によりキャップホルダ26が上方へ移動して、キャップ部材30が記録ヘッド20のノズル形成面に当接する。その結果キャップ内空間Sが形成される。このとき、キャップホルダ26は、図3のように、排出口26cが開放され、開口面積が最大の状態となっている。ここで、さらに制御部がクリーニング操作の実行命令を受信したか否かを判断する。クリーニング操作の実行命令を受信せず、記録ヘッド20をキャップ部材30で封止する場合、カム駆動機構の駆動によりカム28が上方へ移動され、キャップホルダ26の底部26bがキャップ内空間S側に撓む。そして、図4のような、排出口26cの開口面積が縮小された閉塞状態となる。このため、キャップ内空間Sは、ほぼ密閉状態となり、ノズル内の乾燥が極力防止される。
【0033】
制御部により、クリーニング操作の実行命令が受信されたと判断されると、キャップホルダ26は、図3のような、排出口26cが開放され、開口面積が最大となった状態が保持される。そして、チューブポンプ33の駆動により、チューブポンプ33よりも上流側のチューブ31内が減圧される。その結果、キャップ内空間Sに負圧が形成され、記録ヘッド20のノズル内の、粘度が上昇したインクや、カートリッジ交換等によって発生した気泡等が、排出口26c及びチューブ31を介して廃インクタンク32へ排出される。このとき、排出口26cは、開口面積が最大となっているため、インクは速やかにチューブ31へ流出する。
【0034】
第1の実施形態のプリンタによれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)第1の実施形態では、キャップホルダ26の底部26bを、カム28により押圧してリブ27の閉塞部27bに当接させることにより、排出口26cの開口面積を縮小することができる。また、カム28の下方への移動により底部26bへの押圧力を解除させると、排出口26cの開口面積を最大にすることができる。このため、ノズルの乾燥を防止する場合は、排出口26cの開口面積を縮小させる一方、ノズル内のインクの吸引を行う場合は、排出口26cの開口面積を最大として、インクの吸引流速を低下させないというように、場合に応じて排出口26cの開口面積を変化させることができる。従って、キャップホルダ26の排出口26cから排出されるインク等の流れを妨げることなく、記録ヘッド20のノズルにおけるインクの乾燥を防止することができる。さらに、キャップホルダ26内部には、キャップ内空間Sを湿潤な状態に保持するための、スポンジ等を備えなくてもよく、キャップ内空間Sを有効に使用することができる。
【0035】
(2)第1の実施形態では、リブ27の支持部27a及び閉塞部27bには、上下方向に貫通した細孔27cが形成されるようにした。このため、キャップホルダ26及びキャップ部材30でノズル形成面を封止し、閉塞部27bにより排出口26cが閉塞されたとき、キャップ内空間Sは、細孔27cを介して大気と連通される。従って、プリンタが印刷を休止して、キャップホルダ26及びキャップ部材30がノズル形成面を封止している際に、キャップ内空間Sにおける温度が変化し、キャップ内空間Sの空気等の流体が膨張又は収縮することがあっても、キャップ内空間Sの圧力が一定に保たれやすくなる。従って、キャップ内空間Sの圧力変化により、記録ヘッド20のノズル開口部のメニスカスが破壊されるのが防がれ、印刷再開時に良好な印刷を行うことができる。
【0036】
(3)第1の実施形態では、キャップホルダ26の接続部26dに2個ずつ対向した、4個のカム用支持部26eが形成されるようにした。そして、対向したカム用支持部26eの間には、上下動可能なカム28が嵌挿されるようにした。このため、カム28の上下動する動作により、キャップホルダ26の底部26bを同方向に変形させることができる。すなわち、カム28が上方へ移動したときは、底部26bがキャップ内空間S側へ撓み、底部26bを閉塞部27bと当接させることができる。そして、カム28が下方へ移動したときは、底部26bはもとの形状に戻される。このため、底部26bを変形させる押圧手段を、比較的簡易な構成とすることができ、押圧手段を複雑化又は大型化させることを防止できる。
【0037】
(4)第1の実施形態では、リブ27の支持部27aは、対向する2個の壁部26aの間に架設されるようにした。このため、リブ27の支持部27aを、インクの排出口26cへの流れを妨害するような箇所以外に設けることができる。従って、クリーニングの際に、記録ヘッド20から吐出されたインクの、排出口26cへの流れを阻害することを防止することができる。
【0038】
(第2の実施形態)
以下、本発明を具体化した第2の実施形態を図5及び図6に従って説明する。なお、第2の実施形態は、第1の実施形態のキャップホルダの構成を変更したのみの構成であるため、同様の部分についてはその詳細な説明を省略する。
【0039】
図5はキャップホルダ34の斜視図である。キャップホルダ34は、壁部34a間にリブ35を有している。このリブ35は、2本の腕部36aからなる支持部36を有し、各腕部36aは中央で互いに交叉している。腕部36aの端部は、それぞれ異なる壁部34aに固定されている。腕部36aが交叉した箇所の下方には、閉塞部37が支持部36と一体に形成されている。
【0040】
図6は、記録ヘッド20のノズル形成面をキャップホルダ34及びキャップ部材30が封止し、閉塞部37が排出口34cを閉塞したときのキャップホルダ34を模式的に示した、要部断面図である。閉塞部37は四角柱形状に形成されており、キャップホルダ34の排出口34cと対向する面において、隅部に切り欠き37aが形成されている。この切り欠き37aは、閉塞部37が排出口34cを閉塞した際に、閉塞部37と排出口34cとの間に間隙を形成するためのものである。この間隙により、ノズル形成面がキャップホルダ34及びキャップ部材30で封止され、閉塞部37により排出口34cが閉塞された際に、キャップ内空間Sが排出口34c及びチューブ31を介して大気に連通される。このため、プリンタが印刷を休止して、キャップホルダ34及びキャップ部材30がノズル形成面を封止している際に、キャップ内空間Sにおける温度が変化し、キャップ内空間Sの空気等の流体が膨張又は収縮することがあっても、キャップ内空間Sの圧力が一定に保たれる。従って、キャップ内空間Sの圧力変化による、記録ヘッド20のノズル開口部のメニスカスが破壊されるのが防がれ、印刷再開時に良好な印刷を行うことができる。
【0041】
従って、第2の実施形態によれば、第1の実施形態の(1)及び(3)に記載の効果と同様の効果に加えて以下の効果を得ることができる。
(5)第2の実施形態では、リブ35の支持部36は、互いに交叉した2本の腕部36aを有するようにした。そして、各腕部36aの端部は、それぞれ異なる壁部34aに固定されるようにした。従って、支持部36に一体に形成された閉塞部37を、2本の腕部36aで支持するため、より確実に支持することができる。
【0042】
(6)第2の実施形態では、閉塞部37の排出口34cと対向する面において、隅部に切り欠き37aが形成されるようにした。この切り欠き37aにより、閉塞部37が排出口34cを閉塞した際に、閉塞部37と排出口34cとの間に間隙が形成される。この間隙により、閉塞部37により排出口34cが閉塞された際に、キャップ内空間Sが排出口34c及びチューブ31を介して大気に連通される。このため、キャップホルダ34及びキャップ部材30がノズル形成面を封止している際に、キャップ内空間Sの圧力を一定に保つことができる。従って、キャップ内空間Sの圧力変化による、記録ヘッド20のノズル開口部のメニスカスが破壊されるのが極力防止される。また、切り欠き37aは、閉塞部37の下方の偶部を切り欠いて形成されるため、インクが詰まったり、蓄積して塞がれることがない。このため、キャップ内空間Sをより確実に大気へ連通させることができる。
【0043】
なお、上記各実施形態は以下のように変更してもよい。
・上記各実施形態では、キャップホルダ26,34の底部26b,34bを、壁部26a,34aと同じ硬質の合成樹脂で形成されるようにしたが、これとは別の素材で形成してもよい。例えば、底部26b,34bを、水蒸気等を透過させない厚みを有したエラストマー、シリコンゴム等の可撓性部材で構成してもよい。
【0044】
・上記各実施形態では、キャップホルダ26,34の底部26b,34bを撓ませる押圧手段を、カム28としたが、キャップホルダ26,34の底部26b,34bを直接押圧する、駆動手段に接続されたプランジャや偏心カム等で構成してもよい。
【0045】
・第1の実施形態では、支持部27a及び閉塞部27bに細孔27cを形成したが、閉塞部27bの排出口26cと対向する面に切り欠きを形成し、閉塞部27bが底部26bに当接する際に間隙が存在するようにしてもよい。
【0046】
・第2の実施形態では、2本の腕部36aから支持部36を構成したが、2本以上であればいくつでもよい。
・第2の実施形態では、閉塞部37の下面に切り欠き37aを形成したが、これ以外に第1の実施形態に記載のように、支持部36及び閉塞部37を貫通する細孔を形成してもよい。
【0047】
・上記各実施形態では、キャップホルダ26,34内には、キャップ内空間Sの湿度を高めるための、スポンジ材等の多孔質材が配設されないようにした。キャップ内空間Sの湿度をより上昇させる必要がある場合には、排出口26c,34c以外の箇所であって、閉塞部27b,37と排出口26c,34cとの当接する動作を阻害しない箇所であれば、多孔質材を配設するようにしてもよい。
【0048】
・上記各実施形態では、液体噴射装置をインクジェット式プリンタに使用したが、インク以外の液体を噴射する液体噴射装置に応用してもよい。例えば、液晶ディスプレイやELディスプレイ、FED(面発光ディスプレイ)等の製造などに用いられる電極材や色材などの液体を噴射する液体噴射装置、バイオチップ製造に用いられる生体有機物を噴射する液体噴射装置、精密ピペットとしての試料噴射装置であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施形態のプリンタの要部斜視図。
【図2】第1の実施形態のキャップホルダの斜視図。
【図3】第1の実施形態のキャップホルダの要部断面図。
【図4】第1の実施形態のキャップホルダの要部断面図。
【図5】第2の実施形態のキャップホルダの斜視図。
【図6】第2の実施形態のキャップホルダの要部断面図。
【符号の説明】
11…液体噴射装置としてのプリンタ、20…液体噴射ヘッドとしての記録ヘッド、26,34…キャップとしてのキャップホルダ、26a,34a…壁部、26b,34b…底部、26c,34c…排出口、26e,34e…カム用支持部、27,35…閉塞手段としてのリブ、27a,36…閉塞手段としての支持部、27b,37…閉塞手段としての閉塞部、27c…連通孔としての細孔、28…押圧手段としてのカム、30…キャップとしてのキャップ部材、31…流路としてのチューブ、36a…腕部、37a…切り欠き、S…キャップ内空間。

Claims (8)

  1. ノズルから液滴を吐出する液体噴射ヘッドと、
    底部と該底部を囲む壁部とを有し、前記液体噴射ヘッドのノズル形成面を覆うキャップと、
    前記ノズル形成面と前記キャップとによって形成されるキャップ内空間を、前記底部に形成された排出口を介して前記キャップ外部に連通させる流路と
    を有する液体噴射装置において、
    前記排出口と対向するように設けられ、前記ノズル形成面が前記キャップで覆われる際に、前記排出口を閉塞し、前記排出口の開口面積を縮小させる閉塞手段を備えることを特徴とする液体噴射装置。
  2. 請求項1に記載の液体噴射装置において、
    前記キャップの前記底部は、前記キャップ内空間側に撓むと共に、
    前記閉塞手段は、前記キャップに設けられた支持部及び該支持部に形成され、前記排出口側へ突出するように配設された閉塞部と、前記キャップの前記底部に押圧力を加えて、前記底部を前記キャップ内空間側に撓ませて、前記閉塞部に当接させる押圧手段とから構成されることを特徴とする液体噴射装置。
  3. 請求項2に記載の液体噴射装置において、
    前記閉塞部には、該閉塞部が前記排出口に当接した際に、前記排出口と前記キャップ内空間とを連通させる連通孔が形成されることを特徴とする液体噴射装置。
  4. 請求項2に記載の液体噴射装置において、
    前記閉塞部の前記排出口に対向した面の一部には切り欠きが形成され、該切り欠きは、前記排出口に当接した該閉塞部と、前記排出口との間に、間隙を形成することを特徴とする液体噴射装置。
  5. 請求項2〜4のいずれかに記載の液体噴射装置において、
    前記押圧手段は、
    カムと、
    前記キャップに設けられ、前記カムを支持固定するカム用支持部とからなることを特徴とする液体噴射装置。
  6. 請求項2〜5のいずれかに記載の液体噴射装置において、
    前記キャップの前記底部は、方形状に形成され、前記キャップの前記壁部は該底部を囲むように4個配設されると共に、
    前記支持部は、2個の前記壁部の間に架設されることを特徴とする液体噴射装置。
  7. 請求項2〜5のいずれかに記載の液体噴射装置において、
    前記支持部は、複数の腕部を有し、前記各腕部は複数の前記壁部にそれぞれ固定され、前記腕部の長手方向は異なる方向に延びることを特徴とする液体噴射装置。
  8. 請求項1〜7のいずれかに記載の液体噴射装置において、
    前記閉塞手段及び前記排出口は、前記排出口を介して前記キャップ内空間の流体を吸引するクリーニングの際は、互いに離間することを特徴とする液体噴射装置。
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