JP2005138312A - 吸引装置、液滴吐出装置、及び、液滴吐出ヘッドの保守方法 - Google Patents

吸引装置、液滴吐出装置、及び、液滴吐出ヘッドの保守方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 本発明は、液滴吐出ヘッド内に貯留されている液体を、必要以上無駄に消費せずに、液滴吐出ヘッドのメンテナンスを可能とし得る吸引装置、液滴吐出装置、及び液滴吐出ヘッドのメンテナンス方法の提供を目的としている。
【解決手段】 ノズル41から液滴を外部に吐出する液滴吐出ヘッド12のノズル41を外部から吸引する吸引装置30であって、液滴吐出ヘッド12のノズル41の周囲を覆って閉空間を形成するキャップ31と、閉空間35をノズル41が形成された面を壁面として含む第1の空間35aと閉鎖された第2の空間35bとに画定する、気体を透過可能で、液体の透過を吸引力により制御し得る透過性膜32と、キャップ31の第2の空間35bを外部から吸引する減圧手段34と、を備える吸引装置により、上記課題を解決する。
【選択図】 図2

Description

本発明は、インクジェット方式を利用した液滴吐出技術に関する。
従来、一般に用いられているインクジェットプリンタでは、全ノズルから正常に液滴を吐出するために、吐出前の準備動作としてノズル先端に液体を充填する必要がある。
また、液滴吐出ヘッドの吐出口であるノズルは非常に小さいためノズル内の液体が乾燥しやすく、長期にわたり保管すると溶媒の蒸発によりノズル内に気泡が生じたり、増粘物質が生じたりする場合がある。
このような問題を解決する方法として、特開平10−264402号公報(特許文献1)には、吸引により気泡や増粘物質を吸引除去する方法が開示されている。しかしながら、吸引の際にインクが大量に排出されてしまい、インクが浪費される場合があった。
一方で、インクジェット方式は効率良くしかも高精度に対象物に対し液滴を吐出し得ることから、近年では他の技術分野にも応用され始めている。例えば、特開2001−186880号公報(特許文献2)には、インクジェット方式の製造装置を利用してDNAマイクロアレイを製造する方法が開示されている。しかしながら、貴重な生体高分子溶液を無駄なく液滴吐出ヘッドの流路内に充填し、メンテナンスをすることは困難であった。
特開平10−264402号公報 特開2001−186880号公報
したがって、本発明は、液滴吐出ヘッド内に貯留されている液体を無駄に消費せずに、液滴吐出ヘッドの保守(メンテナンス)を可能とし得る吸引装置、液滴吐出装置、及び液滴吐出ヘッドの保守方法を提供することを目的としている。
本発明の第1の態様は、ノズルから液滴を外部に吐出する液滴吐出ヘッドの当該ノズルを外部から吸引する吸引装置であって、上記液滴吐出ヘッドのノズルの周囲を覆って閉空間を形成するキャップと、上記閉空間を上記ノズルが形成された面を壁面として含む第1の空間と閉鎖された第2の空間とに画定する、気体を透過可能で、液体の透過を吸引力により制御し得る透過性膜と、上記キャップの上記第2の空間を外部から吸引する減圧手段と、を備える吸引装置である。
かかる構成によれば、キャップ内が透過性膜で仕切られているので、液滴吐出ヘッドから排出される液体の排出量を制限することが可能となる。したがって、液滴吐出ヘッド内に溜まった増粘物質、気泡、汚染液等を除去する際に、無駄に液体が消費されるのを防止することが可能となる。
上記減圧手段は、上記第1の空間に存在する気体を上記第2の空間側に吸引する第1の吸引と上記第1の空間に流入した液体をも上記第2の空間側に吸引する第2の吸引とを行うものであることが好ましい。これにより、液体を第2の空間側に透過させるか否かを制御することが可能となる。
上記透過性膜は、気体を透過可能で、液体の透過を吸引力により制御し得るフィルタ層と膜強度を担う支持層とを含む積層膜によって構成されることが好ましい。これにより、透過性膜の強度を補強することが可能となる。
上記透過性膜は、気体を透過可能で、液体の透過を吸引力により制御し得るフィルタ層と閉空間内の湿度を保持する保湿層とを含む積層膜によって構成されることが好ましい。これにより、キャップ内の乾燥を防止することが可能となる。
上記第1の空間の体積V2が、上記液滴吐出ヘッド内の流路の体積V1よりも大きいことが好ましい。これにより、液滴吐出ヘッド内の液体を全て排出することが可能となる。
上記透過性膜としては、例えばポリテトラフルオロエチレン(PTFE)が用いられる。
本発明の第2の態様は、上記いずれかに記載の吸引装置を備えることを特徴とする液滴吐出装置である。これにより、液体の無駄な消費を抑えた液滴吐出ヘッドの保守(メンテナンス)が可能となる。
上記液滴吐出装置は、インクジェット式印刷装置であっても、マイクロアレイの製造装置であってもよい。上記液滴吐出装置は上記吸引装置を備えるので、インクジェット式印刷装置の場合には、液滴吐出ヘッドの保守による無駄なインクの消費が抑えられ、運用コストを低減することが可能となる。また、マイクロアレイの製造装置の場合には、同様に、保守時に貴重な試料溶液を無駄にすることがないので、マイクロアレイの製造コストを低減することが可能となる。
本発明の第3の態様は、ノズルから液滴を外部に吐出する液滴吐出ヘッドの当該ノズルを外部から吸引して、ノズル内の液体の充填あるいはノズルの詰まりを回復する吐出ヘッドの保守方法であって、気体及び液体を吸入圧に応じて透過させる透過膜によって底部に空室を形成した二重底構造のキャップによって前記液滴吐出ヘッドのノズルの周囲を覆って前記ノズルが形成された面と前記透過膜との間に閉空間を形成する第1の過程と、前記底部の空室を第1の気圧に減圧して前記ノズルから前記閉空間内に液滴を吸引する第2の過程と、前記底部の空室を第2の気圧に減圧して前記閉空間内に導出された液体を前記透過膜を介して該底部空室側に移動させる第3の過程と、を含む液滴吐出ヘッドの保守方法である。
これによれば、吸引力を調節することで、液体の膜の透過を制御し得る。また、キャップ内を透過性膜で仕切ることで、液滴吐出ヘッドから排出される液量を制御し得る他、第1の空間内に溜まった液体を第2の空間に移動することも可能となる。したがって、保守(メンテナンス)時の無駄な液体の消費を防止し得る他、保守操作も容易となる。
本発明の第4の態様は、ノズルから液滴を外部に吐出する液滴吐出ヘッドの当該ノズルを外部から吸引して、ノズル内の液体の充填あるいはノズルの詰まりを回復する吐出ヘッドの保守方法であって、気体及び液体を吸入圧に応じて透過させる透過膜によって底部に空室を形成した二重底構造のキャップによって前記液滴吐出ヘッドのノズルの周囲を覆って前記ノズルが形成された面と前記透過膜との間に閉空間を形成する第1の過程と、前記液滴吐出ヘッドを駆動して前記閉空間に液滴を吐出する第2の過程と、前記底部の空室を減圧して前記閉空間内に導出された液体を前記透過膜を介して該底部空室側に移動させる第3の過程と、を含む液滴吐出ヘッドの保守方法である。
これによれば、吸引力を調節することで、液体の膜の透過を制御し得る。また、第1の空間がこのような液体の透過を制御し得る膜によりしきられていることで、液滴吐出ヘッドから排出される液量を制御し得る他、第1の空間内に溜まった液体をポンプ内に排出することも可能となる。したがって、保守(メンテナンス)時の無駄な液体の消費を防止し、メンテナンス操作も容易となる。
本発明の第5の態様は、基板上に液滴吐出ヘッドを用いて生体試料溶液を吐出し、マイクロアレイを製造する方法であって、上記保守方法を用いて液滴吐出ヘッドを保守する工程を含むマイクロアレイの製造方法である。
これにより、保守時の液体の無駄な消費を防止することが可能となり、また、キャップの透過性膜上に溜まった液体も吸引により簡単に除去することができるため、保守操作も容易となるので、マイクロアレイの製造コストを低減させることが可能となる。
以下、本発明の実施形態について説明する。
(第一の実施形態)
図1は、第一の実施形態に係るインクジェット印刷装置を説明するための図である。
図1に示すように、本実施形態のインクジェット印刷装置10は、キャリッジ11、液滴吐出ヘッド12、インクカートリッジ13、キャリッジモータ14、タイミングベルト15、ガイド部材16、ブラテン17、及び吸引装置30から要部が構成されている。
キャリッジ11は、液滴(インク滴)を吐出する液滴吐出ヘッド12及び液滴吐出ヘッド12にインクを供給するインクカートリッジ13を搭載し、搬送するためのものである。キャリッジ11は、キャリッジモータ14により駆動されるタイミングベルト15に結合されており、ガイド部材16に案内されてプラテン17の主軸と平行(主走査方向X)に往復移動するように構成されている。記録媒体20の送り方向(副走査方向Y)は、主走査方向Xと直交している。
液滴吐出ヘッド(インクジェットヘッド)12は、ノズルから液滴を記録媒体20に吐出するものであり、キャリッジ11下部の記録媒体20に対向する側に装備されている。液滴吐出ヘッド12は、静電アクチュエータ、圧電方式のアクチュエータ、サーマル方式のいずれの方式を採るものであってもよい。
インクカートリッジ(タンク)13は、液滴吐出ヘッド12に供給するインク(液体)を貯留する容器であり、不図示の接続部を介して液滴吐出ヘッド12上に取り付けられている。なお、本実施形態では、インクカートリッジ13は液滴吐出ヘッド12と別体として構成されているが、一体に構成されていてもよい。
吸引装置30は、液滴吐出ヘッド12のノズルを外部から吸引するための装置である。吸引装置30は、印刷領域外に位置する液滴吐出ヘッド12の格納位置(ホームポジション)に設置される。吸引装置30は、シリンダ又はボールネジ機構等により昇降可能に構成されている。これにより、必要に応じて、吸引装置30を液滴吐出ヘッド12のノズル開口面まで移動させることが可能となる。
次に、吸引装置30についてさらに詳しく説明する。
図2は、本実施形態の吸引装置30を説明するための図である。
図2に示すように、本実施形態の吸引装置30は、キャップ31、キャップ31の内側に備えられた透過性膜32、キャップ31にチューブ33を介して連結されている減圧手段としてのポンプ34を含んで構成されている。
キャップ31は、ポンプ34により減圧される空間を形成するものであり、液滴吐出ヘッド12のノズル41の周囲を覆って閉空間を形成するものである。キャップ31は、凹部形状を有し、例えばブチルゴムなどの弾性部材を用い、射出成形等により形成される。弾性部材を用いることで、液滴吐出ヘッド12のノズル41が形成された面42(以下、ノズル面という)と密着させることが可能となり、閉空間35内の機密性を高めることが可能となるので好ましい。また、キャップ31の先端に、液滴吐出ヘッド12のノズル面42との密着性をさらに高めるために襞部等が形成されていてもよい。
透過性膜32は、気体を透過することが可能な膜であり、さらに、所定圧力で吸引することにより液体をも透過することが可能な多孔性膜(フィルタ層)から構成される。このような膜としては、具体的には、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)の微細な繊維で形成されたもの等が挙げられる。透過性膜32の平均孔径は、液体の性質(例:濡れ性)にも依存するが、例えば1〜3μmのものが好適に用いられる。
透過性膜32は、キャップ31の凹部36内であって、液滴吐出ヘッド12にキャップ31を装着した際、透過性膜32が液滴吐出ヘッド12のノズル面42から離間する位置に取り付けられる。すなわち、透過性膜32は、液滴吐出ヘッド12のノズル面42とキャップ31により形成された閉空間を、ノズル面を壁面として含む第1の空間35aと、閉鎖された第2の空間35bとに画定するよう設けられる。これにより、吐出不良の原因となるノズル内の気泡や増粘物質を含む液体(インク)を第1の空間35a内に排出することが可能となる。ここで、液滴吐出ヘッド12にキャップ31を装着した際、透過性膜32と液滴吐出ヘッド12のノズル面42との間にできる第1の空間の体積V2は、液滴吐出ヘッド12内の流路の体積V1よりも大きくなるように透過性膜32を配置することが好ましい。これにより、液滴吐出ヘッド12内の流路の体積V1内に含まれる液体を全て入れ替えることが可能となるので、気泡や増粘物質を排出し、液滴吐出ヘッドの回復を図ることが可能となる。
キャップ31には、チューブ33を介して減圧手段としてのポンプ34が接続されている。これにより、液滴吐出ヘッド12装着時にキャップ31内を減圧にすることが可能となる。なお、チューブ33は、キャップ31と一体形成されていても別体であってもよい。また、上記において吸引装置30全体に昇降手段が取り付けられた場合について説明したが、キャップ31のみが昇降可能に構成されていてもよい。
図3は、吸引装置30の他の構成例を説明する図である。図3に示すように、キャップ31内には、キャップ31内の乾燥を防止するための保湿層としてのフォーム材37が形成されていることが好ましい。フォーム材37は、吸湿性を有する多孔質材、たとえば(ポリウレタン等の発泡材料、海綿など)を用いることが可能である。フォーム材37は、図3に示すように、フィルタ層32aの下部に配置され、フィルタ層32aと共に透過性膜を構成していることも好ましい。このように透過性膜をフォーム材37とフィルタ層32aとの二層構造を有することで、透過性膜の強度を補強することも可能となる。すなわち、フォーム材37は、フィルタ層を支えるための支持部材としての役割も果たすことになる。なお、支持部材としてフォーム材37以外のものを用いることを妨げるものではない。
フォーム材37の厚みは特に限定されず、第2の空間35bをほぼ埋める大きさであってもよく、それより薄いものであってもよい。また上記説明では、フォーム材37をフィルタ層32aの下部に一体的に形成して透過性膜を構成した場合について例示したが、フォーム材37を保湿材として用いる場合には、フォーム材37は、キャップ内の乾燥を防止し得る限り、設置位置は特に限定されず、例えば、透過性膜32と離れた位置に形成してもよい。また、透過性膜32の上部に形成されていてもよい。
次に、上記印刷装置の動作手順について説明する。
図4及び図5は、本実施形態の吸引装置の動作手順を説明するための図である。
まず、キャリッジ11を移動させて、液滴吐出ヘッド12を格納位置に移動させる(移動過程、図1参照)。
次に、図4(a)に示すように、吸引装置30を図示しない昇降手段により上昇させてキャップ31を液滴吐出ヘッド12のノズル面42に押し付け、ノズル全体を覆うように装着(好ましくは、密着)させる。なお、本例においては、Gore-Tex社製、公称孔径3μm、耐水圧19.6kPaのゴアテックス(登録商標)メンブレンを用いた。以下、このゴアテックスメンブレンを例に採り説明する(キャップ装着過程)。
図4(b)に示すように、ポンプ34を作動して第2の空間35bを減圧し、透過性膜32の耐水圧(19.6kPa)より低い圧力(例:10kPa)で第1の空間35a内にある気体(空気)を第2の空間側35bに吸引する(吸引過程)。これに伴い、液滴吐出ヘッド12内のインクが第1の空間35a内に移動する。透過性膜32は、透過性膜32の耐水圧より低い圧力で吸引した場合には、主に気体しか透過せず、液体は透過し難いため、液体は第2の空間35bにまでは吸引されず、第1の空間35a内に留まる。液滴吐出ヘッド12からのインクの排出は、第1の空間35aに吐出液体が完全に満たされた時点で終了する。
次に、図4(c)に示すように、ポンプ34を停止させ、キャップ31内の圧力を大気圧に戻し、キャップ31をノズル面42から外して、キャップ31を離間させる(キャップ離間過程)。ここで、ノズル面42をゴムブレード等でクリーニングし、付着したインクを除去してもよい。ノズル面42に撥液性の表面処理がなされていると、ノズル面42に付着したインクをより容易に除去し得るので好ましい。
次に、図5(d)に示すように、透過性膜32の耐水圧(約19.6kPa)を越えた圧力(例:25kPa)で、キャップ31内の第2の空間35bを減圧吸引する。これにより、透過性膜32上に残留しているインクは、透過性膜32を通過して第2の空間35bに移送される(排出過程)。
以上の過程により、液滴吐出ヘッド12に吐出不良が観察された場合には、ノズル41内の増粘物質及び気泡を除去して液滴吐出ヘッド12の機能回復を図ることが可能となる。また、この過程により、液滴吐出ヘッド12の流路内に完全にインクを充填させることも可能となる。
なお、上記排出過程の後に、図5(e)に示すようなキャップ31内に液滴吐出ヘッド12を駆動して液滴を吐出する過程を含めてもよい(液滴吐出過程)。これにより、液滴吐出ヘッド12内のインクが汚染した場合等に、インクを吐出して排出することで汚染液を除去することが可能となる。この過程でキャップ31内に吐出されたインクは、上記キャップ離間過程、排出過程と同様に、キャップ31を離間し、ポンプ34で透過性膜32の耐水圧を越えた圧力で吸引することにより、第2の空間35bに移行され、除去される。また、上記吸引過程を行わずに、液滴吐出過程以降の過程のみを別途行ってもよい。この過程によれば、ヘッド内に安定したメニスカスを形成し得る他、ノズル内に不純物が混入した場合に、混入した液体を排除し得る。
また、上記過程を行い、インクの充填又は液滴吐出ヘッド12の機能を回復した後、印刷を開始(再開)するまでに時間が空く場合には、図6に示すように液滴吐出ヘッド12に、キャップ31内の透過性膜32上に少量のインクを溜めた状態で、キャップ31を液滴吐出ヘッド12のノズル面42に装着させておくことが好ましい。このような状態でキャップを装着させることで、ノズル内の液体の乾燥を防止することが可能となる。なお、先述のようにキャップ31内にフォーム材37を備えている場合には、液体を溜める代わりにフォーム材にインクを保持することで保湿性を保つことが可能である。
本実施形態の吸引装置によれば、キャップ内が透過性膜で仕切られているので、液滴吐出ヘッドから排出される液体の排出量を制限することが可能となる。したがって、液滴吐出ヘッド内に溜まった増粘物質、気泡、汚染液等を除去する際に、無駄に液体が消費されるのを防止することが可能となる。よって、ノズル内への液体の充填の他、液滴吐出ヘッドの吐出不良が生じた際のメンテナンスを無駄な液体の排出を最小限に留めて容易に行うことができる。
また、本実施形態の印刷装置は、上記吸引装置を用いるので、液体の無駄な消費を最小限に留め、コスト効率よく印刷することが可能となる。
また、本実施形態のメンテナンス方法によれば、吸引力を調節することで、透過性膜を通過する物質を制御し得る。また、第1の空間がこのような通過する物質を制御し得る膜によりしきられていることで、液滴吐出ヘッドから排出される液量を制御し得る他、第1の空間内に溜まった液体をポンプ内に排出することも可能となる。したがって、メンテナンス時の無駄な液体の消費を防止し、メンテナンス操作も容易となり、印刷時のコストも低減せしめることが可能となる。
(第二の実施形態)
図7は、本実施形態のマイクロアレイの製造装置を説明するための図である。
図7に示すように、本実施形態のマイクロアレイの製造装置100は、基台101、X軸方向に往復移動する液滴吐出ヘッド12、Y軸方向に往復移動しマイクロアレイ基板105を載置するテーブル103、及び、液滴吐出ヘッド12の格納位置(ホームポジション)に吐出液体充填用の吸引装置30を備えている。なお、図7において、104は液滴吐出ヘッド12及びテーブル103の駆動部であり、液滴吐出ヘッド12及びテーブル103は、例えば、タイミングベルト機構やボールネジ機構等を用いて数値制御方式等により移動させることができる。
液滴吐出ヘッド12は、DNA又はタンパク質等を含む生体試料溶液をマイクロアレイ基板105上に吐出するものである。液滴吐出ヘッド12は、外部に液滴を吐出するヘッド部とヘッド部に生体試料溶液を供給する貯留部(タンク)が一体的に形成されていても、別体として形成されていてもよい。
吸引装置30は、第一の実施形態で記載したものと同様のものを用いることが可能である。
また、本実施形態のマイクロアレイの製造装置100の動作手順についても第一の実施形態と同様の手順で行うことができる。図8〜図10に、マイクロアレイの製造装置の動作手順を説明する図を示す。図8〜図10に示すように、多数の加圧室及びそれに対応する多数のノズル41を有する液滴吐出ヘッド12を用いた場合においても、吸引装置30のキャップ31の開口をノズル41が形成された領域に併せて大きくすることにより一括して吸引することが可能となる。また、これらの図に示すように、キャップ31はノズル41が形成された領域を覆っていればよく、必ずしも液滴吐出ヘッドのノズル面42全体を覆う必要はない。
第二の実施形態においても、第一の実施形態と同様の効果が得られる。したがって、本実施形態によれば、メンテナンス時の無駄な液体の消費を防止することが可能となり、メンテナンス操作も容易となるので、マイクロアレイの製造コストを低減することが可能となる。よって、貴重な生体試料溶液を用いることの多いマイクロアレイの製造において本実施形態のマイクロアレイの製造装置は特に最適である。
図1は、第一の実施形態のインクジェット印刷装置を説明するための図である。 図2は、第一の実施形態の吸引装置を説明するための図である。 図3は、他の態様に係るキャップの構造を説明するための図である。 図4は、第一の実施形態の吸引装置の動作手順を説明するための図である。 図5は、第一の実施形態の吸引装置の動作手順を説明するための図である。 図6は、印刷装置の休止状態における液滴吐出ヘッドの状態を説明するための図である。 図7は、第二の実施形態のマイクロアレイの製造装置を説明するための図である。 図8は、第二の実施形態の吸引装置の動作手順を説明するための図である。 図9は、第二の実施形態の吸引装置の動作手順を説明するための図である。 図10は、マイクロアレイ製造装置の休止状態における液滴吐出ヘッドの状態を説明するための図である。
符号の説明
10・・・インクジェット印刷装置、11・・・キャリッジ、12・・・液滴吐出ヘッド、13・・・インクカートリッジ、14・・・キャリッジモータ、15・・・タイミングベルト、16・・・ガイド部材、17・・・プラテン、18・・・減圧手段、19・・・耐水圧、19・・・透過性膜、20・・・記録媒体、30・・・吸引装置、31・・・キャップ、32a・・・フィルタ層、32・・・透過性膜、33・・・チューブ、34・・・ポンプ、35a・・・第1の空間、35b・・・第二の空間、36・・・凹部、37・・・フォーム材、41・・・ノズル、42・・・ノズル面、100・・・マイクロアレイの製造装置、101・・・基台、103・・・テーブル、105・・・マイクロアレイ基板

Claims (12)

  1. ノズルから液滴を外部に吐出する液滴吐出ヘッドの当該ノズルを外部から吸引する吸引装置であって、
    前記液滴吐出ヘッドのノズルの周囲を覆って閉空間を形成するキャップと、
    前記閉空間を前記ノズルが形成された面を壁面として含む第1の空間と閉鎖された第2の空間とに画定する、気体を透過可能で、液体の透過を吸引力により制御し得る透過性膜と、
    前記キャップの前記第2の空間を外部から吸引する減圧手段と、
    を備える吸引装置。
  2. 前記減圧手段は、前記第1の空間に存在する気体を前記第2の空間側に吸引する第1の吸引と前記第1の空間に流入した液体をも前記第2の空間側に吸引する第2の吸引とを行う請求項1に記載の吸引装置。
  3. 前記透過性膜は、気体を透過可能で、液体の透過を吸引力により制御し得るフィルタ層と膜強度を担う支持層とを含む積層膜によって構成される請求項1又は2に記載の吸引装置。
  4. 前記透過性膜は、気体を透過可能で、液体の透過を吸引力により制御し得るフィルタ層と前記閉空間内の湿度を保持する保湿層とを含む積層膜によって構成される請求項1又は2に記載の吸引装置。
  5. 前記第1の空間の体積V2が、前記液滴吐出ヘッド内の流路の体積V1よりも大きい、請求項1乃至4のいずれかに記載の吸引装置。
  6. 前記透過性膜は、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)からなる、請求項1乃至5のいずれかに記載の吸引装置。
  7. 請求項1乃至6のいずれかに記載の吸引装置を備える液滴吐出装置。
  8. 前記液滴吐出装置が、インクジェット式印刷装置である、請求項7に記載の液滴吐出装置。
  9. 前記液滴吐出装置が、マイクロアレイの製造装置である、請求項7に記載の液滴吐出装置。
  10. ノズルから液滴を外部に吐出する液滴吐出ヘッドの当該ノズルを外部から吸引して、ノズル内の液体の充填あるいはノズルの詰まりを回復する吐出ヘッドの保守方法であって、
    気体及び液体を吸入圧に応じて透過させる透過膜によって底部に空室を形成した二重底構造のキャップによって前記液滴吐出ヘッドのノズルの周囲を覆って前記ノズルが形成された面と前記透過膜との間に閉空間を形成する第1の過程と、
    前記底部の空室を第1の気圧に減圧して前記ノズルから前記閉空間内に液滴を吸引する第2の過程と、
    前記底部の空室を第2の気圧に減圧して前記閉空間内に導出された液体を前記透過膜を介して該底部空室側に移動させる第3の過程と、
    を含む液滴吐出ヘッドの保守方法。
  11. ノズルから液滴を外部に吐出する液滴吐出ヘッドの当該ノズルを外部から吸引して、ノズル内の液体の充填あるいはノズルの詰まりを回復する吐出ヘッドの保守方法であって、
    気体及び液体を吸入圧に応じて透過させる透過膜によって底部に空室を形成した二重底構造のキャップによって前記液滴吐出ヘッドのノズルの周囲を覆って前記ノズルが形成された面と前記透過膜との間に閉空間を形成する第1の過程と、
    前記液滴吐出ヘッドを駆動して前記閉空間に液滴を吐出する第2の過程と、
    前記底部の空室を減圧して前記閉空間内に導出された液体を前記透過膜を介して該底部空室側に移動させる第3の過程と、
    を含む液滴吐出ヘッドの保守方法。
  12. 基板上に液滴吐出ヘッドを用いて生体試料溶液を吐出し、マイクロアレイを製造する方法であって、請求項10又は11に記載の保守方法を用いて液滴吐出ヘッドを保守する工程を含むことを特徴とするマイクロアレイの製造方法。

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2013224041A (ja) * 2013-07-01 2013-10-31 Seiko Epson Corp クリーニング装置、液体噴射装置、及び液体噴射装置のクリーニング方法
JP2015174362A (ja) * 2014-03-17 2015-10-05 セイコーエプソン株式会社 液体噴射装置
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