JP2005138313A - 吸引装置及び液滴吐出装置 - Google Patents

吸引装置及び液滴吐出装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 本発明は、液滴吐出ヘッド内に貯留されている液体を、必要以上無駄に消費せずに、液滴吐出ヘッドのメンテナンスを可能とし得る吸引装置等の提供を目的としている。
【解決手段】 ノズル41から液滴を外部に吐出する液滴吐出ヘッド12のノズル41を外部から吸引する吸引装置30であって、液滴吐出ヘッド12のノズル41の周囲を覆って閉空間を形成する一方端が開口したキャップ31と、キャップ31の開口側に開口部を閉じるように設けられて、第一の吸引力で気体を透過し、第二の吸引力で液体を透過可能な第一の膜32aと、第一の膜32aとキャップ31との間に第一の膜32aと離間してこの開口を閉じるように設けられ、第三の吸引力で液体を透過可能な第二の膜32bと、第二の膜32bと前記キャップとで画定される空間を、外部から第一の吸引力、第二の吸引力及び第三の吸引力で吸引可能な吸引手段と、を備える吸引装置により、上記課題を解決する。
【選択図】 図2


Description

本発明は、インクジェット方式を利用した液滴吐出技術に関する。
従来、一般に用いられているインクジェットプリンタでは、全ノズルから正常に液滴を吐出するために、吐出前の準備動作として液滴の吐出動作を行うなどしてノズル先端に液体を充填していた。
また、液滴吐出ヘッドの吐出口であるノズルは非常に小さいため乾燥しやすく、長期間にわたり動作させない状態が続くと溶媒の蒸発によりノズル内に気泡が生じたり、増粘物質が生じたりする場合がある。
このような問題を解決する方法として、特開平10−264402号公報(特許文献1)には、吸引により気泡や増粘物質を除去する方法が開示されている。しかしながら、吸引の際にインクが大量に排出され、インクを浪費していた。
一方で、インクジェット方式は効率良くしかも高精度に対象物に対し液滴を吐出し得ることから、近年、他の技術分野にも応用され始めている。例えば、特開2001−186880号公報(特許文献2)には、インクジェット方式の製造装置を利用してDNAマイクロアレイを製造する方法が開示されている。しかしながら、インクジェットプリンタの場合と同様に、生体試料溶液を浪費せずに、生体試料溶液を液滴吐出ヘッドのノズル先端にまで充填し、また、液滴吐出ヘッドのメンテナンスを行うことは困難であった。特に、マイクロアレイの製造装置では、使用する生体試料は高価な場合が多くコスト的にも問題であった。
特開平10−264402号公報 特開2001−186880号公報
したがって、本発明は、液滴吐出ヘッド内に貯留されている液体を無駄に消費せずに、液滴吐出ヘッドを保守(メンテナンス)することを可能とし得る吸引装置、及び液滴吐出装置を提供することを目的としている。
本発明の第1の態様は、ノズルから液滴を外部に吐出する液滴吐出ヘッドの当該ノズルを外部から吸引する吸引装置であって、上記液滴吐出ヘッドのノズルの周囲を覆って閉空間を形成する一方端が開口したキャップと、上記キャップ内の開口側に該開口部を閉じるように設けられて、第一の吸引力で気体を透過し、第二の吸引力で液体を透過可能な第一の膜と、上記第一の膜と上記キャップとの間に当該第一の膜と離間して当該開口を閉じるように設けられ、第三の吸引力で液体を透過可能な第二の膜と、上記第二の膜と上記キャップとで画定される閉空間を、外部から上記第一の吸引力、上記第二の吸引力及び上記第三の吸引力で吸引可能な吸引手段と、を備える吸引装置である。
かかる構成によれば、閉空間が膜により仕切られているため、液滴吐出ヘッドから排出される液体の排出量を抑制することが可能となる。したがって、液滴吐出ヘッド内に溜まった増粘物質、気泡、汚染液等を除去する際に、無駄に液体が消費されるのを防止することが可能となる。また、第一の膜と第二の膜を含み構成される空間内に液体を溜めることができるので、液滴吐出ヘッドを長時間使用しないときに、液体を溜めたキャップを装着することにより湿度を保持し、ノズルの乾燥を防止することが可能となる。
上記第一の膜が、上記液滴吐出ヘッドのノズルが形成された面に密着し、上記第二の膜が、上記キャップと上記第一の膜により形成される閉空間を上記第一の膜と上記第二の膜とで画定した第一の空間と上記第二の膜と上記キャップとで画定した第二の空間とに区画することが好ましい。これによれば、第一の膜がノズル形成面に密着しているので、無駄に液体を消費せずにノズル先端にまで液体の充填が可能となる。また、第一の膜と第二の膜により第一の空間が形成されることにより、第二の膜まで液体を吸引することにより吸引する液体量を制限することができるので、無駄に液体を消費せずに液滴吐出ヘッド内の増粘物質、気泡、汚染液等を除去が可能となる。
上記吸引手段は、上記第一の吸引力で、上記液滴吐出ヘッド内に存在する気体を上記第一の空間側に吸引し、上記第二の吸引力で、上記液滴吐出ヘッド内に存在する液体を上記第一の空間側に吸引し、上記第三の吸引力で、上記第一の空間内に存在する液体を上記第二の空間側に吸引することが好ましい。これによれば、吸引力を制御することで、各空間への液体の移動を制御することが可能となる。
上記第一の空間に、上記第一の膜及び上記第二の膜の強度を補強する支持層が形成されていることが好ましい。これによれば、第一の膜及び第二の膜を強化し得る。
上記第二の空間に、上記第二の膜の強度を補強する支持層が形成されていることが好ましい。これによれば、第二の膜の強度を強化し得る。
上記支持層が、多孔質を有するフォーム材料から形成されていることが好ましい。これによれば、キャップ内を保湿することが可能となる。また、キャップを液滴吐出ヘッドに装着することにより、液滴吐出ヘッドのノズルの乾燥を防止し得る。
上記第一の膜及び/又は上記第二の膜は、撥液性材料から構成されていることが好ましい。好適には、ポリテトラフルオロエチレンが用いられる。これによれば、液体の付着による膜の透過性の低下を防止し得る。また、第一の膜が撥液性であることにより、液滴吐出ヘッドのノズル面の汚染を防止することが可能となる。
上記第一の膜及び/又は上記第二の膜は、親水性ポリマーにより被覆されていることが好ましい。これによれば、生体試料の変性といった構造変化等による試料溶液の失活を防止し得る。
本発明の第二の態様は、上記吸引装置を備える液滴吐出装置である。これによれば、液体を無駄に消費することなく、液滴吐出ヘッドの保守が可能となる。上記液滴吐出装置としては、例えばインクジェット式印刷装置又はマイクロアレイの製造装置等が挙げられる。
本発明の第三の態様は、上記吸引装置を用い、当該吸引装置のキャップを上記液滴吐出ヘッドのノズル形成面に装着して第一の吸引力で吸引を行うことにより、上記液滴吐出ヘッドのノズル先端部まで液体を充填する充填方法である。これによれば、液体を無駄に消費することなく、ノズル先端部まで液体を充填することが可能となる。
本発明の第四の態様は、上記吸引装置を用い、当該吸引装置のキャップを上記液滴吐出ヘッドのノズル形成面に装着して第二の吸引力で吸引を行い、上記液滴吐出ヘッド内の液体を上記第一の空間側に移行させた後、上記液滴吐出ヘッドのノズルが形成面を当該キャップで覆う液滴吐出ヘッドの乾燥防止方法である。これによれば、第一の空間内に液体を溜めることができるので、キャップ内を保湿することができ、液滴吐出ヘッドにキャップを装着した際のノズルの乾燥を防止することが可能となる。
本発明の第五の態様は、上記吸引装置を用い、当該吸引装置のキャップを上記液滴吐出ヘッドのノズル形成面に装着して第二の吸引力で吸引を行い、上記液滴吐出ヘッド内の液体を吸引し、上記第一の膜を透過させることにより、液滴吐出ヘッドのノズル詰まりを回復する液滴吐出ヘッドの保守方法である。これによれば、無駄な液体を消費することなく、液滴吐出ヘッドの保守を行うことが可能となる。
以下、本発明の実施形態について説明する。
(第一の実施形態)
図1は、第一の実施形態に係るインクジェット印刷装置を説明するための図である。
図1に示すように、本実施形態のインクジェット印刷装置10は、キャリッジ11、液滴吐出ヘッド12、インクカートリッジ13、キャリッジモータ14、タイミングベルト15、ガイド部材16、ブラテン17、及び吸引装置30から要部が構成されている。
キャリッジ11は、液滴(インク滴)を吐出する液滴吐出ヘッド12及び液滴吐出ヘッド12にインクを供給するインクカートリッジ13を搭載し、搬送するためのものである。キャリッジ11は、キャリッジモータ14により駆動されるタイミングベルト15に結合されており、ガイド部材16に案内されてプラテン17の主軸と平行(主走査方向X)に往復移動するように構成されている。記録媒体20の送り方向(副走査方向Y)は、主走査方向Xと直交している。
液滴吐出ヘッド(インクジェットヘッド)12は、ノズルから液滴を記録媒体20に吐出するものであり、キャリッジ11下部の記録媒体20に対向する側に装備されている。液滴吐出ヘッド12は、静電アクチュエータ、圧電方式のアクチュエータ、サーマル方式のいずれの方式を採るものであってもよい。
インクカートリッジ(タンク)13は、液滴吐出ヘッド12に供給する液体(インク)を貯留する容器であり、不図示の接続部を介して液滴吐出ヘッド12上に取り付けられている。なお、本実施形態では、インクカートリッジ13は液滴吐出ヘッド12と別体として構成されているが、一体に構成されていてもよい。
吸引装置30は、液滴吐出ヘッド12のノズルを外部から吸引するための装置である。吸引装置30は、印刷領域外に位置する液滴吐出ヘッド12の格納位置(ホームポジション)に設置される。吸引装置30は、シリンダ又はボールネジ機構等により昇降可能に構成されている。これにより、必要に応じて、吸引装置30を液滴吐出ヘッド12のノズル開口面まで移動させることが可能となる。なお、吸引装置30全体ではなく、キャップ31のみが昇降可能に構成されていてもよい。
次に、吸引装置30についてさらに詳しく説明する。
図2は、本実施形態の吸引装置30を説明するための図である。
図2に示すように、本実施形態の吸引装置30は、キャップ31、キャップ31の内側に備えられた第一の膜32a、第二の膜32b、キャップ31にチューブ33を介して連結されている吸引手段としてのポンプ34を含んで構成されている。
キャップ31は、ポンプ34により減圧される空間を形成するものであり、液滴吐出ヘッド12のノズル41の周囲を覆って閉空間を形成するものである。キャップ31は、凹部形状を有し、例えばブチルゴムなどの弾性部材を用い、射出成形等により形成される。弾性部材を用いることで、液滴吐出ヘッド12のノズル41が形成された面42(以下、ノズル面という)との密着性を向上し、閉空間内の機密性を高めることが可能となるので好ましい。また、キャップ31の先端に、液滴吐出ヘッド12のノズル面42との密着性をさらに高めるために襞部等が形成されていてもよい。
キャップ31には、チューブ33を介して吸引手段としてのポンプ34が接続されている。これにより、液滴吐出ヘッド12を装着した際にキャップ31内を減圧にすることが可能となる。チューブ33は、キャップ31の第二の空間35bに連結する位置に設けられる。なお、チューブ33は、キャップ31と一体形成されていても別体であってもよい。
第一の膜32a及び第二の膜32bは、気体を透過することが可能な膜であり、さらに、所定圧力で吸引することにより液体をも透過することが可能な多孔性の膜である。このような膜としては、具体的には、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)の微細な繊維で形成されたもの等が挙げられる。透過性膜32の平均孔径は、液体の性質(例:濡れ性)にも依存するが、例えば1μm〜3μmのものが好適に用いられる。
第一の膜32a及び第二の膜32bは、キャップ31の凹部36内に取り付けられている。第一の膜32aは、キャップ31を液滴吐出ヘッド12に装着した際に、液滴吐出ヘッド12のノズル面42に密着し得る位置、すなわち、キャップ開口部の先端部に形成される。また、第二の膜32bは、第一の膜32aよりも内側に形成される。この第二の膜32bにより、第一の膜32aとキャップ31とにより形成された閉空間は、第一の膜32aと第二の膜32bの一方面とを含み形成される第一の空間35aと、第二の膜32bの他方面を含み形成される第二の空間35bとに画定される。
第一の膜32aと第二の膜32bは、耐水圧の異なる膜である。両者の耐水圧は、第一の膜32aの耐水圧をP1、第二の膜32bの耐水圧をP2とすると、P1<P2の関係にある。例えば、第一の膜32aとして、耐水圧P1=約20kPaの膜(例:ゴアテックス(登録商標)メンブレン 公称穴径3μm)を用いた場合、第二の膜32bとしては、耐水圧P2=約50kPaの膜(例:ゴアテックス(登録商標)メンブレン 公称穴径2μm)が用いられる。このような関係の膜を用いることにより、吸引圧の制御による液体の透過制御が可能となる。
具体的には、第一の吸引力(P1より低い吸引力)で吸引を行った場合、主に気体のみが第一の膜32aを透過し、液体は殆ど透過しない。第二の吸引力(P1より高くP2より低い吸引力)で吸引を行った場合には、液体は第一の膜32aを通過するが第二の膜32bは透過し得ないので、液体は第一の空間35a内に移行し、そこに留まる。第三の吸引力(P2より高い吸引力)で吸引を行った場合は、第一の空間35a内の液体は、第二の膜32bを透過して、第二の空間内に移行する。このように吸引力を調整することで段階的に液体を移動させられるので、液体のノズル先端部への充填、液滴吐出ヘッド内の気泡、増粘物質の除去による液滴吐出ヘッドの回復等の動作を必要最小限の液体の消費で行うことが可能となる。
ここで、第一の膜32aと第二の膜32bは、第一の空間35aの体積V2が液滴吐出ヘッド12内の流路の体積V1よりも大きくなるように配置することが好ましい。これにより、液滴吐出ヘッド12内の流路内に含まれる液体を全て入れ替えることが可能となるので、気泡や増粘物質を排出し、液滴吐出ヘッドの回復を図ることが可能となる。
図3は、吸引装置30の他の構成例を説明する図である。図3に示す構成例では、第一の空間35a及び/又は第二の空間35bには、液体を保持し得る保湿材としてフォーム材37が形成されている。フォーム材37は、吸湿性を有する多孔質材、たとえば(ポリウレタン等の発泡材料、海綿など)を用いることが可能である。このように、フォーム材37が形成されることで、第一の膜32a及び/又は第二の膜32bの強度を補強することも可能となる。すなわち、フォーム材37は、第一の膜32a及び/又は第二の膜32bを支えるための支持部材としての役割も果たすことになる。なお、支持部材として、フォーム材37以外のものを用いることを妨げるものではない。
フォーム材37の厚みは特に限定されず、第一の空間及び/又は第二の空間35bをほぼ埋める大きさであってもよく、それより薄いものであってもよい。
次に、上記印刷装置の動作について説明する。
(1)液滴吐出ヘッド12のノズル41先端に液体を充填させる場合(プライミング)
まず、キャリッジ11を移動させて、液滴吐出ヘッド12を格納位置に移動させる(図1参照)。
次に、図4(a)に示すように、吸引装置30を図示しない昇降手段により上昇させて、キャップ31を液滴吐出ヘッド12のノズル面42に押し付け、ノズル全体を覆うように密着させる。なお、本例においては、第一の膜32aとして、Gore-Tex社製、公称孔径3μm、耐水圧19.6kPaのゴアテックス(登録商標)メンブレンを、第二の膜32bとしては、Gore-Tex社製、公称孔径2μm、耐水圧44.1kPaのゴアテックス(登録商標)メンブレンを用いる。
図4(b)に示すように、ポンプ34を作動して第二の空間35bを減圧し、第一の膜32aの耐水圧P1より低い圧力(第一の吸引力)で、液滴吐出ヘッド12内に存在する気体を第一の空間35a側に吸引する。この動作により、液滴吐出ヘッド12の全てのノズル41に先端にまで液体を充填させることが可能となる(充填動作)。このような第一の吸引力は、特に限定するものではないが、膜の透過精度及び液体の移動効率等の観点からは、10kPa〜15kPa程度であることが好ましい。
(2)液滴吐出ヘッド12に吐出不良及び汚染の回復を図る場合
上記図4(a)に示す過程の後、下記の過程を経る。
図4(c)に示すように、ポンプ34を作動して第二の空間35bを減圧し、第一の膜32aの耐水圧P1より高く、第二の膜32bの耐水圧P2より低い圧力(第二の吸引力)で、液滴吐出ヘッド12内に存在する液体を第一の空間35a側に吸引する。この動作により、液滴吐出ヘッド12内に含まれる増粘物質、気泡、及び汚染液等を排出することが可能となる。また、液体は、第二の吸引力では第二の膜32bを通過し得ないので、液体の排出量は第一の空間35aに収容される量に制限される。これにより、液滴吐出ヘッド12を回復させる際に、無駄な液体の消費を防止し得る。このような第二の吸引力は、特に限定するものではないが、膜の透過精度等の観点からは、25kPa〜40kPa程度であることが好ましい。
その後、図5(d)に示すように、ポンプ34を停止させ、キャップ31内の圧力を大気圧に戻し、キャップ31をノズル面42から離間させる。ここで、ノズル面42をゴムブレード等でクリーニングし、付着したインクを除去してもよい。ノズル面42に撥液性の表面処理がなされていると、ノズル面42に付着したインクをより容易に除去し得るので好ましい。
次に、図5(e)に示すように、第二の膜32bの耐水圧を越える第三の吸引力で、キャップ31内の第二の空間35bを減圧吸引する。これにより、第一の空間35a内に残留しているインクは、第二の膜32bを通過して第二の空間35bを経由し、外部に廃棄される。このように、ポンプ34による吸引により容易に吐出された液体を廃棄し得るので、保守作業が容易となる。このような第三の吸引力は、特に限定するものではないが、膜の透過精度等の観点からは、約50kPa以上であることが好ましい。
(3)液滴吐出ヘッドのノズルの乾燥防止方法
上記図5(e)に示す過程により、液滴吐出ヘッドの機能を回復した後、印刷を開始(再開)するまでに時間が空く場合には、図4(c)に示した過程と同様の過程により第一の空間35aに液体を溜め、液体が溜まった状態でキャップ31を液滴吐出ヘッド12のノズル面42に装着する。第一の空間35a内に液体が存在することにより、ノズル内のインクの乾燥を防止することが可能となる。また、第一の膜32aは、常圧では液体を透過しないため、液体の付着によるノズル面42の汚染も防止することが可能となる。
本実施形態によれば、キャップと液滴吐出ヘッドのノズル面により形成される閉空間が膜により仕切られているため、液滴吐出ヘッドから排出される液体の排出量を制限することが可能となる。したがって、液滴吐出ヘッド内に溜まった増粘物質、気泡、汚染液等を除去する際に、無駄に液体が消費されるのを防止することが可能となる。また、吸引力の相違により透過性の異なる二つの膜を有することで、液体の透過・不透過を段階的に制御することが可能となる。さらに、第一の膜と第二の膜を含む空間内に液体を溜めることができるので、液滴吐出ヘッドを長時間使用しないときに、液体を溜めたキャップを装着することにより湿度を保持し、ノズルの乾燥を防止することが可能となる。
また、第一の膜がノズル形成面に密着させることで、第一の膜まで吸引を行うことにより、無駄な液体を消費せずに、ノズル先端への液体の充填が可能となる。
また、第一の空間がこのような液体の透過性を制御し得る膜によりしきられていることで、液滴吐出ヘッドから排出される液量を制御し得る他、第一の空間内に溜まった液体を容易に外部に廃棄することが可能となる。したがって、メンテナンス時の無駄な液体の消費を防止し、メンテナンス操作も容易となり、印刷時のコストも削減することが可能となる。
したがって、本実施形態の印刷装置によれば、液体の無駄な消費を最小限に留め、コスト効率よく印刷することが可能となる。
(第二の実施形態)
図6は、本実施形態のマイクロアレイの製造装置を説明するための図である。
図6に示すように、本実施形態のマイクロアレイの製造装置100は、基台101、X軸方向に往復移動する液滴吐出ヘッド12、Y軸方向に往復移動しマイクロアレイ基板105を載置するテーブル103、及び、液滴吐出ヘッド12の格納位置(ホームポジション)に吐出液体充填用の吸引装置30を備えている。なお、図7において、104は液滴吐出ヘッド12及びテーブル103の駆動部であり、液滴吐出ヘッド12及びテーブル103は、例えば、タイミングベルト機構やボールネジ機構等を用いて数値制御方式等により移動させることができる。
液滴吐出ヘッド12は、DNA又はタンパク質等を含む生体試料溶液をマイクロアレイ基板105上に吐出するものである。液滴吐出ヘッド12は、外部に液滴を吐出するヘッド部とヘッド部に生体試料溶液を供給する貯留部(タンク)が一体的に形成されていても、別体として形成されていてもよい。
吸引装置30は、第一の実施形態で記載したものと同様のものを用いることが可能である。なお、吸引装置30のキャップに備えられた第一の膜32a及び/又は第二の膜32bは、生体試料の変性等による試料溶液の失活を防止するために、2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン(MPC)、ポリエチレングリコール、2−ヒドロキシエチルメタクリレート等の親水性ポリマーにより被覆されていてもよい。
また、本実施形態のマイクロアレイの製造装置100の動作手順についても第一の実施形態と同様の手順で行うことができる。なお、図8〜図9に、マイクロアレイの製造装置の動作手順を説明する図を示す。図8〜図9に示すように、多数の加圧室及びそれに対応する多数のノズル41を有する液滴吐出ヘッド12を用いた場合においても、吸引装置の30のキャップ31の開口をノズル41が形成された領域に合わせて大きくすることにより複数のノズル孔を一括して吸引することが可能となる。また、これらの図に示すように、キャップ31はノズル41が形成された領域を覆っていればよく、必ずしも液滴吐出ヘッドのノズル面42全体を覆う必要はない。
第二の実施形態においても、第一の実施形態と同様の効果が得られる。したがって、本実施形態によれば、メンテナンス時の無駄な液体の消費を防止することが可能となり、メンテナンス操作も容易となるので、マイクロアレイの製造コストを低減することが可能となる。よって、貴重な生体試料溶液を用いることの多いマイクロアレイの製造において本実施形態のマイクロアレイの製造装置は特に好適である。
図1は、第一の実施形態のインクジェット印刷装置を説明するための図である。 図2は、第一の実施形態の吸引装置を説明するための図である。 図3は、他の態様に係るキャップの構造を説明するための図である。 図4は、第一の実施形態の吸引装置の動作手順を説明するための図である。 図5は、第一の実施形態の吸引装置の動作手順を説明するための図である。 図6は、第二の実施形態のマイクロアレイの製造装置を説明するための図である。 図7は、第二の実施形態の吸引装置の動作手順を説明するための図である。 図8は、第二の実施形態の吸引装置の動作手順を説明するための図である。
符号の説明
10・・・インクジェット印刷装置、11・・・キャリッジ、12・・・液滴吐出ヘッド、13・・・インクカートリッジ、14・・・キャリッジモータ、15・・・タイミングベルト、16・・・ガイド部材、17・・・ブラテン、20・・・記録媒体、30・・・吸引装置、31・・・キャップ、32a・・・第一の膜、32b・・・第二の膜、33・・・チューブ、34・・・ポンプ、35a・・・第一の空間、35b・・・第二の空間、36・・・凹部、37・・・フォーム材、41・・・ノズル、42・・・ノズル面、
100・・・マイクロアレイの製造装置、101・・・基台、103・・・テーブル、105・・・マイクロアレイ基板

Claims (13)

  1. ノズルから液滴を外部に吐出する液滴吐出ヘッドの当該ノズルを外部から吸引する吸引装置であって、
    前記液滴吐出ヘッドのノズルの周囲を覆って閉空間を形成する一方端が開口したキャップと、
    前記キャップ内の開口側に該開口部を閉じるように設けられて、第一の吸引力で気体を透過し、第二の吸引力で液体を透過可能な第一の膜と、
    前記第一の膜と前記キャップとの間に当該第一の膜と離間して当該開口を閉じるように設けられ、第三の吸引力で液体を透過可能な第二の膜と、
    前記第二の膜と前記キャップとで画定される空間を、外部から前記第一の吸引力、前記第二の吸引力及び前記第三の吸引力で吸引可能な吸引手段と、
    を備える吸引装置。
  2. 前記第一の膜が、前記液滴吐出ヘッドのノズルが形成された面に密着し、
    前記第二の膜が、前記キャップと前記第一の膜により形成される閉空間を前記第一の膜と前記第二の膜とで画定した第一の空間と前記第二の膜と前記キャップとで画定した第二の空間とに区画する、
    請求項1に記載の吸引装置。
  3. 前記吸引手段は、前記第一の吸引力で、前記液滴吐出ヘッド内に存在する気体を前記第一の空間側に吸引し、
    前記第二の吸引力で、前記液滴吐出ヘッド内に存在する液体を前記第一の空間側に吸引し、
    前記第三の吸引力で、前記第一の空間内に存在する液体を前記第二の空間側に吸引する、
    請求項2に記載の吸引装置。
  4. 前記第一の空間に、前記第一の膜及び前記第二の膜の強度を補強する支持層が設けられている、請求項2又は請求項3に記載の吸引装置。
  5. 前記第二の空間に、前記第二の膜の強度を補強する支持層が設けられている、請求項2乃至4のいずれかに記載の吸引装置。
  6. 前記支持層が、多孔質のフォーム材料から形成されている、請求項4又は請求項5に記載の吸引装置。
  7. 前記第一の膜及び/又は前記第二の膜が、撥液性材料から構成されている、請求項1乃至6のいずれかに記載の吸引装置。
  8. 前記撥液性材料が、ポリテトラフルオロエチレンである、請求項7に記載の吸引装置。
  9. 前記第一の膜及び/又は前記第二の膜が、親水性ポリマーにより被覆されている、請求項1乃至6のいずれかに記載の吸引装置。
  10. 請求項1乃至9のいずれかに記載の吸引装置を備えることを特徴とする液滴吐出装置。
  11. 請求項1乃至9のいずれかに記載の吸引装置を用い、当該吸引装置のキャップを前記液滴吐出ヘッドのノズル形成面に装着して第一の吸引力で吸引を行うことにより、前記液滴吐出ヘッドのノズル先端部まで液体を充填することを特徴とする充填方法。
  12. 請求項1乃至9のいずれかに記載の吸引装置を用い、当該吸引装置のキャップを前記液滴吐出ヘッドのノズル形成面に装着して第二の吸引力で吸引を行い、前記液滴吐出ヘッド内の液体を前記第一の空間側に移動させた後、前記液滴吐出ヘッドのノズルが形成面を当該キャップで覆うことを特徴とする液滴吐出ヘッドの乾燥防止方法。
  13. 請求項1乃至9のいずれかに記載の吸引装置を用い、当該吸引装置のキャップを前記液滴吐出ヘッドのノズル形成面に装着して第二の吸引力で吸引を行い、前記液滴吐出ヘッド内の液体を吸引し、前記第一の膜を透過させることにより、液滴吐出ヘッドのノズル詰まりを回復することを特徴とする液滴吐出ヘッドの保守方法。


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