JP2008068467A - ヘッドの維持回復装置、液体吐出装置、画像形成装置 - Google Patents

ヘッドの維持回復装置、液体吐出装置、画像形成装置 Download PDF

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Abstract

【課題】キャップ部材で吐出面をキャッピングして吸引を行うことで気泡を排出する場合に無駄に消費される液体の消費量を少なくする。
【解決手段】液体吐出ヘッド1の複数のノズル15が並べて形成されたノズル列を有する吐出面10をキャッピングするキャップ部材21と、空気及び液体の透過を制限する(吸引されることで空気及び液体が透過する)透過性膜22と、キャップ部材内21を吸引して負圧を発生させるための吸引ポンプ23とを備え、液体吐出ヘッド1の吐出面10に透過性膜22を密着させた状態で、キャップ部材21によって透過性膜22を介して吐出面10をキャッピングし、吸引ポンプ23によってノズル15から透過性膜22を介して液体を吸引する。
【選択図】図1

Description

本発明はヘッドの維持回復装置、液体吐出装置、画像形成装置に関する。
プリンタ、ファクシミリ、複写装置、これらの複合機等の画像形成装置として、例えば、記録液(液体)の液滴を吐出する液体吐出ヘッド(液滴吐出ヘッドともいう。)で構成した記録ヘッドを含む液体吐出装置を用いて、媒体(以下「用紙」ともいうが材質を限定するものではなく、また、被記録媒体、記録媒体、転写材、記録紙なども同義で使用する。)を搬送しながら、液体としての記録液(以下、インクともいう。)を用紙に付着させて画像形成(記録、印刷、印写、印字も同義語で用いる。)を行なうものがある。
なお、画像形成装置は、紙、糸、繊維、布帛、皮革、金属、プラスチック、ガラス、木材、セラミックス等の媒体に液体を吐出して画像形成を行う装置を意味し、また、「画像形成」とは、文字や図形等の意味を持つ画像を媒体に対して付与することだけでなく、パターン等の意味を持たない画像を媒体に付与することをも意味する。また、液体とは記録液、インクに限るものではなく、画像形成を行うことができる液体であれば特に限定されるものではない。また、液体吐出装置とは、液体吐出ヘッドから液体を吐出する装置を意味し、画像を形成するものに限らない。
このように液体吐出ヘッドから液滴を吐出する液体吐出装置、これを含む画像形成装置においては、ヘッドのノズル外面に増粘あるいは乾燥したインクやほこり、ごみなどの異物が付着することによって、ノズルに目詰まりを起こしたり、ノズルの内部では気泡の発生などによりエアーダンパー現象が発生したりするなどして、正常な吐出ができなくなることを防止するため、ヘッドの信頼性を維持回復するためのヘッドの維持回復機構(装置)が不可欠である。
このヘッドの維持回復機構は、ヘッドのノズル面(液滴を吐出する面)を密閉するキャップ(キャップ部材)を備えている。また、適宜、キャップ内に連通する吸引ポンプなどの吸引手段により、ノズルからヘッド内に充填されているインクを吸引する動作(ヘッド吸引又はノズル吸引)、ゴムなどの弾性部材を用いたワイパーブレードによるヘッド表面のワイピング動作、および、画像形成に寄与しないようにインクを吐出しノズル孔内部及び入り口付近にある増粘インクや混色インクを排出する空吐出動作(或いは予備吐出動作ともいう。)などを組み合わせて、液室内の気泡や増粘インク、付着したごみなどを取り除き、安定した液滴吐出を行なえる状態に保持する動作を行なうようにしている。
従来のキャップ部材やヘッドの維持回復装置として、特許文献1にはノズルから液滴を吐出する液滴吐出ヘッドのノズル面をキャップした状態で吸引するための吸引用キャップを備え、この吸引用キャップはチューブを介して吸引手段を接続し、吸引用キャップの短手方向に対しキャップ中央位置下方からチューブを這い回して接続している装置が記載されている。
特開2005−144910号公報
特許文献2には吐出口面に付着したインク等の異物を拭き取り除去するためのインク吸収部材と、吐出口面に付着したインク等の異物を掃き取り除去するためのワイピング部材とを有し、インク吸収部材とワイピング部材を吐出口面に沿って吐出口の配列方向に移動させるものが記載されている。
特開2005−022193号公報
特許文献3にはラインヘッドと、ラインヘッドの吐出口の不良を回復するヘッド回復処理を行うヘッド回復手段と、ラインヘッドをヘッド回復処理を行うための退避位置に移動させるヘッド退避手段と、記録媒体の搬送方向と略垂直な方向に移動可能な補助ヘッドとを備え、ラインヘッドに対し退避位置においてヘッド回復処理実行中に補助ヘッドにより画像記録を行うことを可能としたものが記載されている。
特開2005−231352号公報
特許文献4には複数のノズルがなすノズル列をキャッピングするキャッピング手段と、キャッピング手段をノズル列に対して当接・非当接動作する駆動手段と、インクを吸引するための負圧を発生させる負圧発生手段とを備え、キャッピング手段には、負圧発生手段に通じ、ノズル列の方向に並ぶ複数の吸引口を設けたメンテナンス機構が記載されている。
特開2000−272147号公報
特許文献5には液滴吐出ヘッドのノズルの周囲を覆って閉空間を形成するキャップと、閉空間をノズルが形成された面を壁面として含む第1の空間と閉鎖された第2の空間とに画定する、気体を透過可能で、液体の透過を吸引力により制御し得る透過性膜と、キャップの第2の空間を外部から吸引する減圧手段とを備える吸引装置が記載されている。
特開2005−138312号公報
特許文献6にはインクジェットヘッドのノズル面に対してワイピング動作を行うワイピング部と、インクジェットヘッドのノズル面に対して吸引動作を行う吸引部と、インクジェットヘッド、ワイピング部又は吸引部の動作停止状況を検出する検出手段と、検出手段により検出された動作停止状況に応じてワイピング部と吸引部とを選択的に駆動させる駆動手段とを備えるものが記載されている。
特開2005−007866号公報
特許文献7には記録ヘッドのノズル面にあるインクを吐出する複数の吐出口を覆うキャップが該キャップの外壁と該キャップの内部空間を分割する隔壁とで構成される部分キャップ群からなるキャップであり、部分キャップ群によりそれぞれ独立して記録ヘッドのノズル面の一部の吐出口群を覆い密封し、部分キャップごとに密封した吐出口群を加圧または/および吸引して吐出不良の回復動作を行うものが記載されている。
特開2004−216818号公報
ところで、上述したヘッドの維持回復装置によってキャップ部材でヘッドの吐出面(ノズルが形成された面)をキャッピングしてノズルからインク(液体)の排出を行ってノズルを回復する場合、排出されるインクは廃棄されることになるため、維持回復に伴う無駄なインク消費はできる限り少なくすることが求められる。特に、多数のノズルが配置されるライン型ヘッドのような長尺ヘッドにあっては、回復動作によって多量にインクが無駄に消費されることになる。
また、ヘッドの維持回復装置による維持回復動作では確実のノズルの回復を行えることが求められるが、1つのノズル列を構成してノズル数が増加するに従って、キャップ部材でキャッピングして吸引を行っても、キャップ内に均一な負圧が発生せず、例えば両端部の吸引が相対的に弱くなって確実に吸引を行うことができない事態が生じている。
そこで、特許文献4に記載の装置では、透過性膜によってキャップ部材内にヘッドの吐出面側と吸引側とに第1、第2空間を形成することで、第1空間の体積にヘッドからの吸引量が制限されるようにして、維持回復に伴う無駄なインク消費を低減しようとするが、すべてのノズルから吸引が行われることに変わりないので、インク消費の低減効果は十分でなく、また均一な負圧を発生し得ないという課題も解決されていない。
この点、特許文献6に記載の装置ではキャップ部材を部分キャップ群によって構成することで、部分キャップごとに密封した吐出口群を加圧または/および吸引することできるので、無駄なインク消費の低減、負圧の均一化を図ることができる。
しかしながら、この特許文献6に記載の装置では、キャップ部材自体の構成が複雑になるとともに、部分キャップ群ごとに吸引を行うおうとすると、部分キャップ群毎に吸引手段に接続しなければならなくなって維持回復機構の構成が複雑になるという課題がある。
本発明は上記の課題に鑑みてなされたものであり、無駄な液体消費を抑えつつ均一な負圧を発生できて確実維持回復を行うことができるヘッドの維持回復装置、これを備える液体吐出装置、画像形成装置を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するため、本発明に係るヘッドの維持回復装置は、液体を吐出する複数のノズルが並べて配置されているノズル列を有する液体吐出ヘッドのノズルから液体を吸引するヘッドの維持回復装置において、液体吐出ヘッドのノズルが形成された吐出面をキャッピングするキャップ部材と、空気及び液体の透過を制限する透過性膜と、キャップ部材内を吸引する吸引手段とを備え、液体吐出ヘッドの吐出面に透過性膜を密着させた状態で、キャップ部材によって透過性膜を介して吐出面をキャッピングし、吸引手段によってノズルから透過性膜を介して液体を吸引する構成とした。
ここで、透過性膜はノズル列のすべてのノズルを被覆可能で、キャップ部材はノズル列の内の一部のノズルをキャッピング可能である構成とできる。この場合、キャップ部材はノズルの並び方向に沿って移動可能に設けられている構成とでき、この場合、キャップ部材は所要のノズル位置で吐出面に対して進退可能に設けられている構成、キャップ部材は透過性膜を介して吐出面をキャッピングした状態でノズルの並び方向に移動可能に設けられている構成とできる。
また、透過性膜は孔径が0.5μmないし50μmの範囲内のポーラスな膜である構成、透過性膜は可撓性を有する膜である構成、液体吐出ヘッドの不吐出のノズルを検知する手段を備え、この不吐出のノズルの検知結果に基づいてキャップ部材を移動させる構成とできる。
本発明に係る液体吐出装置、本発明に係る画像形成装置は、本発明に係るヘッドの維持回復装置を備えているものである。
本発明に係るヘッドの維持回復装置によれば、液体吐出ヘッドの吐出面に透過性膜を密着させた状態で、キャップ部材によって透過性膜を介して吐出面をキャッピングし、吸引手段によってノズルから透過性膜を介して液体を吸引する構成としたので、一部のノズルをキャッピングした状態で吸引することが可能になり、回復するノズルを選択的に吸引することで無駄な消費を低減し、キャップ部材内の負圧の均一化も図れて確実な回復を行うことができるようになる。
本発明に係る液体吐出装置によれば、本発明に係るヘッドの維持回復装置を備えているので、安定した滴吐出を行うことができる。本発明に係る画像形成装置によれば、本発明に係るヘッドの維持回復装置を備えているので、安定した滴吐出を行うことができ、安定した画像形成を行うことができる。
以下、本発明の実施形態について添付図面を参照して説明する。本発明に係るヘッドの維持回復装置の一例について図1及び図2を参照して説明する。なお、図1は同装置の模式的構成説明図、図2はキャップ部材を密着させた状態での要部拡大断面説明図である。
液体吐出ヘッド1は、例えばサーマル型液体吐出ヘッドであり、電気熱変換素子11を設けたアクチュエータ基板12と、流路(液室)13を形成する流路板14と、液滴を吐出するノズル15を形成したノズル板16とを積層して構成され、電気熱変換素子11を駆動することによって流路13内の液体中に膜沸騰による気泡を発生させて流路13内の液体を加圧することでノズル15から液滴を吐出させる。各液室13に液体を供給する共通液室(流路)、電気熱変換素子11の保護膜や駆動電極ラインなどの図示は省略している。
一方、この液体吐出ヘッド1の維持回復を行う維持回復装置2は、液体吐出ヘッド1の複数のノズル15が並べて形成されたノズル列を有する吐出面10をキャッピングするキャップ部材21と、空気及び液体の透過を制限する(吸引されることで空気及び液体が透過する)透過性膜22と、キャップ部材内21を吸引して負圧を発生させるための吸引手段として吸引ポンプ23とを備えている。
キャップ部材21は、透過性膜22を介して液体吐出ヘッド1の吐出面10をキャッピングしたときに密閉空間を形成する凹部21aと、この凹部21aの底部に吸引ポンプ23にチューブ24を介して接続される排出口部21bとを備えている。このキャップ部材21は、スプリング25を介してキャップホルダ26に保持されている。
このキャップホルダ26は昇降機構部27に保持され、昇降機構部27を駆動することによってキャップ部材21を液体吐出ヘッド1の吐出面10に対して矢示A、B方向に進退させる(昇降させる)。この昇降機構部27でキャップ部材21が上昇されることで、キャップ部材21は図2にも示すように透過性膜22を介して液体吐出ヘッド1の吐出面10に密着する。
また、昇降機構部27は、装置フレーム2a、2aに架け渡したガイドロッド28に摺動自在に装着され、図示しない走査機構(例えば、所謂キャリッジの主走査機構と同様に、駆動モータ、駆動プーリ、従動プーリ、タイミングベルト等で構成される。)によって、液体吐出ヘッド1のノズル15の並び方向(ノズル列に沿う方向)に移動可能としている。
透過性膜22は、装置フレーム2a、2a間に保持され、キャップ部材21と液体吐出ヘッド1との間に配置されている。この透過性膜22は、キャップ部材21が液体吐出ヘッド1に向って移動されることにより、キャップ部材21で押圧されて液体吐出ヘッド1の吐出面10に密着される。
この透過性膜22としては、孔径が0.5μmないし50μmの範囲内のポーラスな膜であることが好ましい。また、透過性膜22としては可撓性を有する膜を用いることで、吐出面10への密着性が向上し、吐出面10に対する傷などのダメージを低減することができる。
ここで、透過成膜23は液体吐出ヘッド1の吐出面10に形成されたノズル列のすべてのノズル15を被覆可能な長さを有している。これに対して、キャップ部材21は、ノズル列の内一部のノズル15をキャッピング可能な長さを有している。
吸引ポンプ23は、昇降機構部27に図示しない保持部材を介して保持されてキャップ部材21とともにノズル列方向に移動する構成としているが、吸引ポンプ23はノズル列方向に移動しないでチューブ24を這い回している構成とすることもできる。
このように構成したヘッドの維持回復装置の作用について図3及び図4を参照して説明する。なお、図3は同装置の作用説明に供する模式的説明図、図4は液体吐出ヘッドを模式化した説明図である。
この図4では、液体吐出ヘッド1の各ノズル15、液室13及び電気熱変換素子11などを含む部分を液体吐出部18として示し、各液体吐出部18の液室13に液体を供給する部分を共通液室(共通流路)19として示している。
この液体吐出ヘッド1の回復動作を行うときには、図3に示すように昇降機構部27によってキャップ部材21を上昇(矢示A方向に移動)させてキャップ部材21を、透過性膜22を介して、液体吐出ヘッド1の吐出面10に密着させてキャッピングする。つまり、透過性膜22はキャップ部材21の当接部21c(図2参照)と液体吐出ヘッド1の吐出面10との間に密着されて、透過性膜22と液体吐出ヘッド1の吐出面10との間には空間が形成されない。
そこで、吸引ポンプ23を駆動してキャップ部材21の凹21aと透過性膜22との間で形成される密閉空間の空気を吸引することで、密閉空間(凹部21a内空間)を減圧する(負圧を発生させる)。このとき、透過性膜22はキャップ部材21の凹部に対向している領域では吸引によって液体及び空気が透過可能になるので、液体吐出ヘッド1の吐出面10の内、キャップ部材21の凹部21aに対向している領域内のノズル15内の液体が透過性膜22を通過して、キャップ部材21内に吸引排出される(ノズル15から液体を吸引することを「ノズル吸引」という。)。
したがって、液体吐出部18のノズル15や液室13内に気泡30が存在しているとき、気泡30は吸引される液体とともに透過性膜22を通過してキャップ部材21内に排出されることになる。
この場合、キャップ部材21が密着している範囲は液体吐出ヘッド1の吐出面10に形成されたノズル15の列の一部分であるが、透過性膜22は液体吐出ヘッド1の吐出面10に形成されたノズル15の列の全体を被覆している。そして、キャップ部材21でキャッピングしている一部のノズル15についてノズル吸引を行った場合、液室15や共通液室19を介して、他のキャッピングされていないノズル15についてもある程度の吸引力が作用するものの、透過性膜23が空気を通過する程度の吸引力は作用しないので、透過性膜23を介して外部からキャッピングされていないノズル15に空気が流入することはない(図4の矢印の先端部に×を付して例示している。)。これによって、ノズル列よりも短いキャップ部材21によって所要範囲内のノズルについてのみキャッピングして吸引を行うこともできるようになる。
これに対して、図5に示すように、透過性膜22がない場合、キャップ部材21でキャッピングしている一部のノズル15について吸引を行った場合、液室15や共通液室19を介して、他のキャッピングされていないノズル15に対して吸引力が作用し、キャッピングされていないノズル15については空気の透過を阻害するものがないので、同図に矢印で示すように、外部から空気が流入することになり、キャップ部材21でキャッピングしている一部のノズル15について作用する吸引力がほとんど増加しないので、気泡30を排出することができなくなる。
この点について、図6をも参照して説明する。図6は、ヘッドの吐出面(ノズル面)にキャップ部材を密着し、キャップ部材内を減圧した場合の圧力(P)と液体(インク)の流出流量の関係を示している。
ここで、図5に示すようにノズル面10に直接キャップ部材21を当てて吸引した場合には、図6に線aで示すように、比較的低い吸引圧(ヘッド内の流体抵抗Pr)でインクの流出が始まり、吸引圧の増大とともにインク流量も増加する。
これに対して、図4に示すようにノズル面10に透過性膜22を介してキャップ部材21を当てて吸引した場合には、図6に線bで示すように、流体抵抗Prに加え、透過性膜22の抵抗により吸引圧をより高くしないとインク流出が始まらない(キャップ部材21内の負圧を高くしていった場合に流出開始する圧力をPiと記してある)。また、一旦流出が始まると、吸引圧を流出開始圧Piより低くしても、引き続きインク流出は止まらない。すなわち、キャップ部材21内の負圧を小さくしていく場合にインク流出が止まる圧Ptは、流出開始圧Piよりも大幅に低い圧力となる。
したがって、図5に示すように、液体吐出ヘッド1のノズル面10に、当該ノズル列の一部のみを被覆するようなキャップ部材21を密着し、キャップ部材21内を減圧した場合においては、ヘッド1内からのインク流出とともに、キャップ部材21近傍におけるキャップ部材21で被覆されていないノズル15から空気がヘッド1内に吸入される。これは、ヘッド1内の流路を通ってインクが流入する抵抗(Pr)よりも、近傍のノズル15から空気が流入する抵抗が小さいためと考えられる。このため、当該ノズル15に気泡が入り込むことになり、その後のインク吐出を阻害することになる。
これに対し、図4に示す本発明の構成のように、液体吐出ヘッド1のノズル面10に、ノズル列の一部のみを被覆するようなキャップ部材21を透過性膜22を介して密着し、キャップ部材21内を減圧した場合においては、キャップ部材21内の圧力が、インクが吸引される圧力Piに達した時点でインクがキャップ部材21内に流入し、キャップ部材21内の圧力が流出開始圧Piより低くなるが、インク流出が止まる圧力Pt以上であれば、ヘッド1内からインクが吸引され続ける。
この時点において、ヘッド1内の流路からインクが流入する圧力(Pr)よりも吸引圧が高いため、インクはキャップ部材21内に吸引されると同時に、透過性膜22を通して近傍のノズル15から空気が入り込むには、流出開始圧Pi相当の圧力が必要であるため、空気が近傍のノズル15内に入り込むことはない。すなわち、透過性膜22の抵抗により、外部から、近傍のノズル15を通して空気が吸入されることがなく、キャップ部材21によって被覆された部分のノズル15からのみノズル吸引が可能となるのである。
そこで、キャップ部材21による吸引及びキャップ部材21の移動制御の異なる例について説明する。
先ず、図7に示すように、気泡30a、30b、30cによる不吐出ノズルがある場合に不吐出ノズルを検出する検出手段を備えている場合の第1例について図8のフロー図を参照して説明する。
この場合には、昇降機構部27をガイドロッド28に沿って移動させてキャップ部材21を対象となる不吐出ノズル(対象ノズル)をキャッピング可能な位置に移動させ、昇降機構部27によってキャップホルダ26を介してキャップ部材21を上昇させ、キャップ部材21によって透過性膜22を介してヘッド1の吐出面10の内対象ノズルを含む部分をキャッピングする。
そして、吸引ポンプ23を駆動して前述したようにノズル吸引を行って対象ノズルから液体及び気泡を排出させ、吸引ポンプ23の駆動を停止してノズル吸引を停止し、キャップ部材21を下降する。
その後、次の吸引対象となるノズル(不吐出ノズル)があるか否かを判別し、対象ノズルがあれば、上述したようにキャップ部材21を所定の位置へ移動させ、キャッピング、吸引、吸引停止、下降の動作を行い、対象ノズルがなくなるまで同様の処理を繰り返し、対象ノズルがなくなれば、この処理を抜ける。
図7の例では気泡30aがあるノズル15の位置でキャッピング、ノズル吸引、吸引停止、下降の動作を行い、次いで、キャップ部材21を気泡30bがあるノズル15の位置へ移動してキャッピング、ノズル吸引、吸引停止、下降の動作を行い、次いで、ャップ部材21を気泡30cがあるノズル15の位置へ移動してキャッピング、ノズル吸引、吸引停止、下降の動作を行なう。したがって、キャップ部材21が不必要に透過性膜22に摺接することがなく、透過性膜22との接触による傷などの損傷を抑えることができる。
次に、同様に不吐出ノズルを検出する検出手段を備えている場合の第2例について図9のフロー図を参照して説明する。
この場合には、昇降機構部27をガイドロッド28に沿って移動させてキャップ部材21を対象となる不吐出ノズル(対象ノズル)をキャッピング可能な位置に移動させ、昇降機構部27によってキャップホルダ26を介してキャップ部材21を上昇させ、キャップ部材21によって透過性膜22を介してヘッド1の吐出面10の内対象ノズルを含む部分をキャッピングする。
そして、吸引ポンプ23を駆動して前述したようにノズル吸引を行って対象ノズルから液体及び気泡を排出させ、吸引ポンプ23の駆動を停止してノズル吸引を停止し、そのまま、つまりキャップ部材21が透過性膜22を介して吐出面10をキャッピングしている状態で、次の吸引対象となるノズル(不吐出ノズル)があるか否かを判別し、対象ノズルがあれば、キャップ部材21を所定の位置へ移動させ、ノズル吸引を行い、対象ノズルがなくなるまで同様の処理を繰り返し、対象ノズルがなくなれば、この処理を抜ける。
図7の例では気泡30aがあるノズル15の位置でキャッピング、ノズル吸引、吸引停止を行ない、そのままキャップ部材21を気泡30bがあるノズル15の位置へ移動してノズル吸引、吸引停止の動作を行い、次いで、ャップ部材21を気泡30cがあるノズル15の位置へ移動してノズル吸引、吸引停止を行った後、キャップ部材24を下降する。したがって、キャップ部材21の上昇下降動作が上記の第1例の場合より少なく、特に対象ノズルが多い場合でも速やかに目的とするノズルからノズル吸引を行うことができる。
次に、不吐出ノズルに関係なくすべてのノズルからノズル吸引を行う場合の第3例について図10を参照して説明する。
この場合には、昇降機構部27によってキャップホルダ26を介してキャップ部材21を上昇させ、キャップ部材21によって透過性膜22を介してヘッド1の吐出面10の内一端部側のノズル15を含む部分をキャッピングし、吸引ポンプ23を駆動して前述したようにノズル吸引を行って液体及び気泡を排出させるノズル吸引を行う。
そして、吸引ポンプ23に駆動を継続したまま、昇降機構部27をガイドロッド27に沿って移動させてキャップ部材21を透過性膜22に密着させた状態で、吐出面10の他端部側まで走査(移動)させ、走査が終了すれば、吸引ポンプ23を停止し、キャップ部材23を下降させる。
この場合にはヘッド1の吐出面10に形成されたすべてノズル15からノズル吸引が行われ、その間、吸引ポンプ23の駆動及び停止の切替やキャップ部材21の上げ下げを行わないので、より短時間で駆動機構に対する動作切替負荷もなくノズル吸引を行うことができる。
次に、本発明に係るヘッドの維持回復装置の他の異なる例について図11及び図12を参照して説明する。
これらの例は液体吐出ヘッド31がライン型液体吐出ヘッドである場合であり、図11の構成では、透過性膜22を固定として、液体吐出ヘッド31の吐出面10に透過性膜22を介してキャップ部材21を密着させた状態で、キャップ部材21を矢示方向に移動させて、ライン型液体吐出ヘッド31のすべてのノズル15についてノズル吸引を行うようにしている。
また、図12の構成では、透過性膜22をベルト状に形成してキャップ部材21と密着している(当接している)状態でキャップ部材21を移動させることによって透過性膜22が矢示方向に周回移動するように配設している。これにより、液体吐出ヘッド31の吐出面10に透過性膜22を介してキャップ部材21を密着させた状態で、キャップ部材21を矢示方向に移動させることで、透過性膜22とキャップ部材21は相互に摺接することなくすべてのノズル15についてノズル吸引を行うことができる。
ここで、具体例について説明する。
〔実施例1〕
透過性膜22としてテフロン(登録商標)製のフィルタ(ゴアテックス製)を用いて、液体吐出ヘッド1のノズル列長さの1/5の長さを有するキャップ部材21を用いて気泡排出を実施したところ、気泡排出に要した液体の排出量は、0.01mlであった。
〔実施例2〕
実施例1と同様な透過性膜22及びキャップ部材21を用いて、図8に示すように複数の箇所に気泡30が存在して不吐出状態となっている液体吐出ヘッド1に対して、キャップ部材21をノズル面10に密着させた状態で、吸引しながらノズル面10を走査させることによって、全てのノズル15から液体の吸引を実施した。このとき、液体の排出量0.1mlで気泡を排出することができた。
〔比較例2〕
図13に示すように液体吐出ヘッド1のノズル列長さ相当分の長さを有するキャップ部材41を用いて気泡排出を行った。気泡が確実に排出できるための最低条件は、減圧値0.75気圧で、気泡排出に要した液体の排出量は、0.3mlであった。
これらのことから本発明に係るヘッドの回復装置を用いることで、少ない液体消費量で気泡排出を行えることが分かる。
なお、液体吐出ヘッドなしで、透過性膜22にキャップ部材21を密着させて吸引を行いながらキャップ部材21を走査すれば、透過性膜22自体を清掃することもできる。
次に、本発明に係るヘッドの維持回復装置を備える液体吐出装置を含む画像形成装置の一例について図14を参照して説明する。なお、図10は同装置の機構部の全体構成を説明する概略構成図である。
この画像形成装置は、媒体の印字領域幅以上の長さのノズル列(ノズル4を並べたもの)を有するフルライン型ヘッドからなる記録ヘッドを搭載したライン型画像形成装置である。
この画像形成装置は、例えばブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の各色の液滴を吐出する、フルライン型の4個の液体吐出ヘッドで構成した記録ヘッド101k、101c、101m、101y(色を区別しないときには「記録ヘッド101)という。)を備え、各記録ヘッド101はノズル4を形成した面を下方に向けて図示しないヘッドホルダに装着している。また、各記録ヘッド101に対応して本発明に係るヘッドの維持回復装置(機構)102を備えている。この維持回復装置102には、上述した吸引用のキャップ部材の他、保湿用のキャップ部材、ワイピング部材なども備えている。
なお、ここでは、記録ヘッド101は、用紙搬送方向上流側から、ブラック、シアン、マゼンダ、イエローの順に各色の液滴を吐出する配置としているが、配置及び色数はこれに限るものではない。また、ライン型ヘッドとしては、各色の液滴を吐出する複数のノズル列を所定間隔で設けた1又は複数のヘッドを用いることもできるし、ヘッドとこのヘッドに記録液を供給する記録液カートリッジを一体とすることも別体とすることもできる。
給紙トレイ103は、用紙104を載置する底板105と、用紙104を給送するための給紙コロ(半月コロ)106を備えている。底板105はベース108に取り付けられた回転軸109を中心に回転可能であって、加圧ばね110によって給紙コロ106側に付勢されている。なお、給紙コロ106に対向して、用紙104の重送を防止するため、人工皮、コルク材等の摩擦係数の大きい材質からなる図示しない分離パッドが設けられている。また、底板105と給紙コロ106の当接を解除する図示しないリリースカムが設けられている。
そして、この給紙トレイ103から給紙された用紙104を搬送ローラ112とピンチローラ113との間に送り込むために用紙104を案内するガイド部材110、111を設けている。
搬送ローラ112は、図示しない駆動源によって回転されて、送り込まれる用紙104を記録ヘッド101に対向して配置したプラテン115に向けて搬送する。プラテン115は、記録ヘッド101と用紙104とのギャップを維持することができるものであれば、剛体構造体でもよいし、搬送ベルトなどを用いることもできる。
プラテン115の下流側には、画像が形成された用紙104を排紙するための排紙ローラ116及びこれに対向する拍車117を配置し、排紙ローラ116によって画像が形成された用紙104を排紙トレイ118に排紙する。
また、排紙トレイ118と反対側には、用紙104を手差し給紙するための手差しトレイ121と、手差しトレイ121に載置された用紙104を給紙する給紙コロ122を配置している。この手差しトレイ121から給紙される用紙104はガイド部材111に案内されて搬送ローラ112とピンチローラ113との間に送り込まれる。
この画像形成装置においては、待機状態では、リリースカムが給紙トレイ103底板105を所定位置まで押し下げ、底板105と給紙コロ106との当接を解除している。そして、この状態で、搬送ローラ112が回転されることによって、この回転駆動力が図示しないギア等により給紙コロ106及び図示しないリリースカムに伝達されて、リリースカムが底板105から離れて底板105が上昇し、給紙コロ106と用紙104が当接し、給紙コロ106の回転に伴って用紙104がピックアップされて給紙が開始され、図示しない分離爪によって一枚ずつ分離される。
そして、給送コロ106の回転によって用紙104がガイド部材110、111に案内されて搬送ローラ112とピンチローラ113との間に送り込まれ、搬送ローラ112によって用紙104がプラテン115上に送り出される。その後、用紙104の後端は給紙コロ106のDカット部に対向して当接が解除され、搬送ローラ112によってプラテン115上に搬送される。なお。給紙コロ106と搬送ローラ112との間に、補助的に、搬送回転対を設けることもできる。
このようにしてプラテン115上を搬送される用紙104に対して、記録ヘッド1から液滴を吐出して画像を形成し、画像が形成された用紙104は排紙ローラ116によって排紙トレイ118に排紙される。なお、画像形成時における紙搬送の速度と液滴吐出のタイミングは図示しない制御部によって制御される。
このように、ライン型画像形成装置において、本発明に係るヘッドの維持回復装置を備えることによって、無駄な記録液消費を抑えつつノズル吸引を行ってヘッドの性能を維持、回復することができる。
次に、本発明に係るヘッドの維持回復装置を備える液体吐出装置を含む画像形成装置の他の例について図15及び図16を参照して説明する。なお、図15は同装置の機構部の全体構成を説明する概略構成図、図16は同機構部の要部平面説明図である。
この画像形成装置はシリアル型画像形成装置であり、左右の側板201A、201Bに横架したガイド部材である主従のガイドロッド231、232でキャリッジ233を主走査方向に摺動自在に保持し、図示しない主走査モータによってタイミングベルトを介して矢示方向(キャリッジ主走査方向)に移動走査する。
このキャリッジ233には、イエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)、ブラック(K)の各色のインク滴を吐出するための液体吐出ヘッドからなる記録ヘッド234a、234b(区別しないときは「記録ヘッド234」という。)を複数のノズルからなるノズル列を主走査方向と直交する副走査方向に配列し、インク滴吐出方向を下方に向けて装着している。
記録ヘッド234は、それぞれ2つのノズル列を有し、記録ヘッド234aの一方のノズル列はブラック(K)の液滴を、他方のノズル列はシアン(C)の液滴を、記録ヘッド234bの一方のノズル列はマゼンタ(M)の液滴を、他方のノズル列はイエロー(Y)の液滴を、それぞれ吐出する。
また、キャリッジ233には、記録ヘッド234のノズル列に対応して各色のインクを供給するためのヘッドタンク235a、235b(区別しないときは「ヘッドタンク35」という。)を搭載している。このサブタンク235には各色の供給チューブ36を介して、各色のインクカートリッジ210から各色のインクが補充供給される。
一方、給紙トレイ202の用紙積載部(圧板)241上に積載した用紙242を給紙するための給紙部として、用紙積載部241から用紙242を1枚ずつ分離給送する半月コロ(給紙コロ)243及び給紙コロ243に対向し、摩擦係数の大きな材質からなる分離パッド244を備え、この分離パッド244は給紙コロ243側に付勢されている。
そして、この給紙部から給紙された用紙242を記録ヘッド234の下方側に送り込むために、用紙242を案内するガイド部材245と、カウンタローラ246と、搬送ガイド部材247と、先端加圧コロ249を有する押さえ部材248とを備えるとともに、給送された用紙242を静電吸着して記録ヘッド234に対向する位置で搬送するための搬送手段である搬送ベルト251を備えている。
この搬送ベルト251は、無端状ベルトであり、搬送ローラ252とテンションローラ253との間に掛け渡されて、ベルト搬送方向(副走査方向)に周回するように構成している。また、この搬送ベルト251の表面を帯電させるための帯電手段である帯電ローラ256を備えている。この帯電ローラ256は、搬送ベルト251の表層に接触し、搬送ベルト251の回動に従動して回転するように配置されている。この搬送ベルト251は、図示しない副走査モータによってタイミングを介して搬送ローラ252が回転駆動されることによってベルト搬送方向に周回移動する。
さらに、記録ヘッド234で記録された用紙242を排紙するための排紙部として、搬送ベルト251から用紙242を分離するための分離爪261と、排紙ローラ262及び排紙コロ263とを備え、排紙ローラ262の下方に排紙トレイ203を備えている。
また、装置本体1の背面部には両面ユニット271が着脱自在に装着されている。この両面ユニット271は搬送ベルト251の逆方向回転で戻される用紙242を取り込んで反転させて再度カウンタローラ246と搬送ベルト251との間に給紙する。また、この両面ユニット271の上面は手差しトレイ272としている。
さらに、キャリッジ233の走査方向一方側の非印字領域には、記録ヘッド234のノズルの状態を維持し、回復するための本発明に係るヘッドの維持回復装置である維持回復機構281を配置している。
この維持回復機構281には、記録ヘッド234の各ノズル面(吐出面)を保湿のためにキャピングするための各キャップ部材(以下「キャップ」という。)282a、282b(区別しないときは「キャップ282」という。)と、記録ヘッド234の各ノズル面(吐出面)を吸引(ノズル吸引)のためにキャッピングする吸引用キャップ部材282及び透過性膜285と、ノズル面をワイピングするためのブレード部材であるワイパーブレード283と、増粘した記録液を排出するために記録に寄与しない液滴を吐出させる空吐出を行うときの液滴を受ける空吐出受け284などを備えている。
また、キャリッジ233の走査方向他方側の非印字領域には、記録中などに増粘した記録液を排出するために記録に寄与しない液滴を吐出させる空吐出を行うときの液滴を受ける液体回収容器であるインク回収ユニット(空吐出受け)288を配置し、このインク回収ユニット288には記録ヘッド234のノズル列方向に沿った開口部289などを備えている。
このように構成したこの画像形成装置においては、給紙トレイ202から用紙242が1枚ずつ分離給紙され、略鉛直上方に給紙された用紙242はガイド245で案内され、搬送ベルト251とカウンタローラ246との間に挟まれて搬送され、更に先端を搬送ガイド237で案内されて先端加圧コロ249で搬送ベルト251に押し付けられ、略90°搬送方向を転換される。
このとき、帯電ローラ256に対してプラス出力とマイナス出力とが交互に繰り返すように、つまり交番する電圧が印加され、搬送ベルト251が交番する帯電電圧パターン、すなわち、周回方向である副走査方向に、プラスとマイナスが所定の幅で帯状に交互に帯電されたものとなる。このプラス、マイナス交互に帯電した搬送ベルト251上に用紙242が給送されると、用紙242が搬送ベルト251に吸着され、搬送ベルト251の周回移動によって用紙242が副走査方向に搬送される。
そこで、キャリッジ233を移動させながら画像信号に応じて記録ヘッド234を駆動することにより、停止している用紙242にインク滴を吐出して1行分を記録し、用紙242を所定量搬送後、次の行の記録を行う。記録終了信号又は用紙242の後端が記録領域に到達した信号を受けることにより、記録動作を終了して、用紙242を排紙トレイ203に排紙する。
このようなシリアル型画像形成装置であっても、本発明に係るヘッドの維持回復装置を備えることによって、無駄な記録液消費を抑えつつノズル吸引を行ってヘッドの性能を維持、回復することができる。
また、上記各実施形態では本発明に係る画像形成装置としてプリンタ構成で説明したが、これに限るものではなく、例えば、プリンタ/ファックス/コピア複合機などの画像形成装置に適用することができる。また、インク以外の液体である記録液や定着処理液などを用いる画像形成装置、その他の液滴、例えばDNA試料、レジストなどの液体を吐出する液体吐出装置、画像形成装置にも適用することができる。
本発明に係るヘッドの維持回復装置の一例を示す模式的説明図である。 同じく同装置のキャップ部材を密着させた状態での要部拡大断面説明図である。 同装置の作用説明に供する模式的構成説明図である。 同じく液体吐出ヘッドを模式化して示す作用説明図である。 透過性膜を有しない場合の説明に供する模式的説明図である。 透過性膜の有無と吸引圧、排出される流量の関係の説明に供する説明図である。 キャップ部材による吸引及びキャップ部材の移動制御の説明に供する模式的説明図である。 同じく第1例の説明に供するフロー図である。 同じく第2例の説明に供するフロー図である。 同じく第3例の説明に供するフロー図である。 本発明に係るヘッドの維持回復装置の他の例の説明に供する模式的説明図である。 同じく更に他の例の説明に供する模式的説明図である。 比較例のキャップ部材を用いた場合の説明に供する模式的説明図である。 本発明に係るヘッドの維持回復装置を含む液体吐出装置を備えた本発明に係る画像形成装置の一例を示す概略構成図である。 本発明に係るヘッドの維持回復装置を含む画像形成装置の他の例を示す概略構成図である。 同じく要部平面説明図である。
符号の説明
1…液体吐出ヘッド
10…吐出面(ノズル面)
15…ノズル
21…キャップ部材
22…透過性膜
23…吸引ポンプ
27…昇降機構部
28…ガイドロッド
31…ライン型液体吐出ヘッド
101k、101c、101m、101y…記録ヘッド(液体吐出ヘッド)
102k、102c、102m、102y…維持回復機構
234a、234b…記録ヘッド(液体吐出ヘッド)
281…維持回復機構
282c…キャップ部材
285…透過性膜

Claims (11)

  1. 液体を吐出する複数のノズルが並べて配置されているノズル列を有する液体吐出ヘッドのノズルから液体を吸引するヘッドの維持回復装置において、
    前記液体吐出ヘッドのノズルが形成された吐出面をキャッピングするキャップ部材と、空気及び液体の透過を制限する透過性膜と、前記キャップ部材内を吸引する吸引手段とを備え、
    前記液体吐出ヘッドの吐出面に前記透過性膜を密着させた状態で、前記キャップ部材によって前記透過性膜を介して前記吐出面をキャッピングし、前記吸引手段によって前記ノズルから前記透過性膜を介して液体を吸引する
    ことを特徴とするヘッドの維持回復装置。
  2. 請求項1に記載のヘッドの維持回復装置において、前記透過性膜は前記ノズル列のすべてのノズルを被覆可能で、前記キャップ部材はノズル列の内の一部のノズルをキャッピング可能であることを特徴とするヘッドの維持回復装置。
  3. 請求項2に記載のヘッドの維持回復装置において、前記キャップ部材は前記ノズルの並び方向に沿って移動可能に設けられていることを特徴とするヘッドの維持回復装置。
  4. 請求項3に記載のヘッドの維持回復装置において、前記キャップ部材は所要のノズル位置で前記吐出面に対して進退可能に設けられていることを特徴とするヘッドの維持回復装置。
  5. 請求項3又は4に記載のヘッドの維持回復装置において、前記キャップ部材は前記透過性膜を介して前記吐出面をキャッピングした状態で前記ノズルの並び方向に移動可能に設けられていることを特徴とするヘッドの維持回復装置。
  6. 請求項1ないし5のいずれかに記載のヘッドの維持回復装置において、前記透過性膜は孔径が0.5μmないし50μmの範囲内のポーラスな膜であることを特徴とするヘッドの維持回復装置。
  7. 請求項1ないし6のいずれかに記載のヘッドの維持回復装置において、前記透過性膜は可撓性を有する膜であることを特徴とするヘッドの維持回復装置。
  8. 請求項1ないし7のいずれかに記載のヘッドの維持回復装置において、前記液体吐出ヘッドの不吐出のノズルを検知する手段を備え、この不吐出のノズルの検知結果に基づいて前記キャップ部材を移動させることを特徴とするヘッドの維持回復装置。
  9. 液体吐出ヘッドから液滴を吐出する液体吐出装置において、前記請求項1ないし8のいずれかに記載のヘッドの維持回復装置を備えていることを特徴とする液体吐出装置。
  10. 液体吐出ヘッドから液滴を吐出して画像を形成する画像形成装置において、前記請求項1ないし8のいずれかに記載のヘッドの維持回復装置を備えていることを特徴とする画像形成装置。
  11. 請求項10に記載の画像形成装置において、前記液体吐出ヘッドがライン型ヘッドであることを特徴とする画像形成装置。
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