JP4821817B2 - 液滴噴射装置 - Google Patents

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Description

本発明は、液滴を噴射する液滴噴射装置に関する。
従来から、ノズルから液滴を噴射する液滴噴射装置として、記録用紙等に対してインクの液滴を噴射するインクジェットヘッドを備えた、インクジェットプリンタが知られている。ところで、このようなインクジェットプリンタにおいては、乾燥によるノズル内のインクの粘度上昇(増粘)やインク流路内への気泡侵入等に起因して、ノズルに噴射不良が生じることがある。そこで、一般的なインクジェット記録装置は、インク流路内の増粘インクや気泡を排出してノズルの噴射性能を回復する装置が設けられている。
その中でも、本願出願人は、インク流路の末端に位置するノズルから強制的に増粘インクや気泡を吸引排出する吸引パージと、ノズルよりも上流側のインク流路から気泡を吸引排出する排気パージとを、それぞれ実行可能なインクジェットプリンタを提案している。例えば、特許文献1に記載のインクジェットプリンタは、吸引パージ用の構成として、インクジェットヘッドの液滴噴射面に密着してノズルの噴射口を塞ぐノズルキャップを備えている。これに加えて、さらに、排気パージ用の構成として、インクジェットヘッドに連通した気泡貯留室を有するバッファタンクと、気泡貯留室から延出された排出路と、排出路を開閉する開閉弁と、排出路の末端(排気口)を塞ぐ排気キャップとを備えている。また、ノズルキャップと排気キャップは切り替えユニットを介して吸引ポンプに接続されている。
そして、このインクジェットプリンタは、ノズルキャップでノズルの噴射口が塞がれた状態で吸引ポンプを作動させることにより、ノズルからノズルキャップ内へ、増粘インクや気泡を含むインクを吸引排出させる。一方で、排気キャップで排出路の排気口が塞がれ、且つ、開閉弁が排出路を開放している状態で、吸引ポンプを作動させることにより、ノズルよりも上流側に位置するバッファタンク内の気泡貯留室から気泡を、排出路を介して排気キャップへ排出する。この排気パージを行うことにより、気泡排出のために行う吸引パージの回数や吸引時間を減らすことができ、インク消費量を抑えることができる。
特開2005−246928号公報
特許文献1のインクジェットプリンタにおいては、主にノズル内のインク増粘による噴射不良が生じている場合には、その増粘インクをノズルから排出するために吸引パージを実行する。しかし、プリンタの電源OFFの状態が長期間続いた等の理由によって、ノズル内のインクの増粘程度がひどい場合には、通常の吸引パージでは、ノズル内に形成された増粘インクのメニスカスを破壊することがなかなかできず、ノズルから増粘インクを排出することが難しい。
本発明の目的は、液体供給流路内に混入した気体をノズルよりも上流側から排出することができるとともに、ノズル内の液体増粘の程度がひどい場合には、その増粘した液体を確実にノズルから排出することが可能な液滴噴射装置を提供することである。
第1の発明の液滴噴射装置は、液滴を噴射するノズルを有する液滴噴射ヘッドと、前記液滴噴射ヘッドに液体を供給する液体供給流路と、前記液体供給流路に連通した排気流路と、前記液滴噴射ヘッドの前記ノズルから液体を排出させる液体パージを行うパージ手段と、前記排気流路に接続された吸引手段と、前記パージ手段及び前記吸引手段を制御する制御手段とを備え、
前記制御手段は、前記吸引手段による吸引により前記排気流路を介して前記液体供給流路内の気体を排出する排気パージを行った後、前記パージ手段により前記液体パージを行う、第1パージモードと、前記吸引手段により、前記排気パージのときよりも前記液体供給流路内の圧力を急激に減らして前記ノズル内の液体のメニスカスを破壊するように、単位時間当たりの吸引気体量が前記排気パージよりも大きく設定された、吸引速度の大きい高速吸引を行った後、前記パージ手段により前記液体パージを行う、第2パージモードとを、選択的に実行可能であることを特徴とするものである。
液滴噴射ヘッドに接続された液体供給流路内に空気等の気体が混入してしまっている場合に、末端のノズルから気体を全て排出するのは困難であり、また、気体を排出できたとしても同時にノズルから捨てられることとなる液体の量が多くなってしまう。そこで、このような場合には、ノズルよりも上流側から気体を排出可能な第1パージモードを選択する。まず、吸引手段による排気パージを行って、ノズルよりも上流側の液体供給流路に連通した排気流路から、液体供給流路内に混入している気体の大部分を排出する。その後、パージ手段による液体パージを行うことにより、ノズルから液体を排出しつつ、同時に、前記排気パージでは排出されなかった液体中の気泡やノズル内の増粘液体を排出する。
一方、ノズル内の増粘の程度がひどく、液体パージを行っただけではノズル内の増粘した液体を排出することが困難な場合には、増粘液体の排出に特化した第2パージモードを選択する。まず、液体供給流路に連通した排気流路から、前記排気パージよりも吸引速度(吸引力)の大きい、強力な吸引(高速吸引)を行って、液体供給流路内の圧力を急激に低下させることにより、ノズル内の増粘した液体のメニスカスを破壊する。そのため、この高速吸引後の液体パージによって、ノズル内の増粘液体を排出することが容易になる。
尚、本発明において、「液体パージ」とは、ノズルから液体を排出することを目的として行われるものであるが、実際にノズルから排出されるのは液体だけ限られず、液体中に混入している気体が液体とともにノズルから排出される場合も液体パージに含まれる。また、「排気パージ」とは、排気流路から気体を排出することを目的として行われるものであるが、実際に、排気流路から排出されるのは気体だけに限られず、気体に混じって液体も一緒に排出される場合も排気パージに含まれる。
第2の発明の液滴噴射装置は、前記第1の発明において、前記制御手段は、前記第2パージモード選択時に、前記吸引手段による前記高速吸引と前記パージ手段による前記液体パージを行った後、さらに前記排気パージを行うことを特徴とするものである。
第2パージモードにおける高速吸引は、あくまで液体供給流路内の圧力を急激に低下させてノズル内のメニスカスを破壊することを目的とするものであり、吸引時間をそれほど長くする必要はない。それゆえ、ノズル内の液体増粘の程度がひどいだけでなく、液体供給流路内に混入した気体の量も多い場合には、第2パージモードを実行するだけでは、液体供給流路内の気体を十分に排出できないこともある。そこで、そのような場合には、高速吸引と液体パージを行った後に、さらに、排気パージを行うことにより、液体供給流路内の気体を確実に排出する。
第3の発明の液滴噴射装置は、前記第1又は第2の発明において、装置電源が一定時間以上投入されていなかった後の電源投入時には、前記制御手段は、前記第2パージモードを実行することを特徴とするものである。
装置電源がOFFとなっている時間が長いほど、ノズル内の液体の乾燥は進行し、液体の増粘はひどくなる。そこで、電源が投入されたときに、それまで電源が一定時間以上投入されていなかった場合には、ノズル内の増粘した液体のメニスカスを破壊することのできる、第2パージモードを選択する。
第4の発明の液滴噴射装置は、前記第1〜第3の何れかの発明において、前記制御手段は、所定期間内における外部からのパージ指令の入力回数が、所定回数以上である場合に、前記第2パージモードを実行することを特徴とするものである。
外部からのパージ指令の入力がそれほど繰り返し行われていないときには、制御手段は、液体増粘がそれほどひどくないと判断して、通常のパージモード(第1パージモード)を選択する。一方、パージ指令が繰り返し入力される場合には、制御手段は、第1パージモードでは何度パージを行っても噴射不良が解消されないと判断し、ノズル内の増粘した液体のメニスカスを破壊することのできる、第2パージモードを選択する。
本発明によれば、ノズル内の増粘の程度がひどく、液体パージを行っただけではノズル内の増粘した液体を排出することが困難な場合には第2パージモードを選択する。まず、排気流路から、排気パージよりも吸引速度の大きい強力な吸引(高速吸引)を行って、液体供給流路内の圧力を急激に低下させることで、ノズル内の増粘した液体のメニスカスを破壊する。そのため、この高速吸引後の液体パージによって、ノズル内の増粘した液体をノズルから排出することが容易になる。
次に、本発明の実施の形態について説明する。本実施形態は、インクジェットヘッドから記録用紙に対してインクの液滴を噴射することにより、記録用紙に所望の文字や画像等を記録(印刷)するプリンタに、本発明を適用したものである。
図1は、本実施形態に係るプリンタの概略構成を示す平面図である。図1に示すように、プリンタ1(液滴噴射装置)は、一方向に沿って往復移動可能に構成されたキャリッジ2と、このキャリッジ2に搭載されたインクジェットヘッド3(液滴噴射ヘッド)及びサブタンク4a〜4dと、記録用紙Pを図1の紙送り方向に搬送する搬送機構5と、インクを貯留するインクカートリッジ6a〜6dと、インクジェットヘッド3の液滴噴射性能が低下したときにその性能を回復させるメンテナンスユニット7と、プリンタ1の各部をそれぞれ制御する制御装置8(図5参照)等を備えている。
キャリッジ2は、図1の左右方向(走査方向)に平行に延びる2本のガイド軸17に沿って往復移動可能に構成されている。また、キャリッジ2には、無端ベルト18が連結されており、キャリッジ駆動モータ19によって無端ベルト18が走行駆動されたときに、キャリッジ2は、無端ベルト18の走行に伴って左右方向に移動するようになっている。
このキャリッジ2には、インクジェットヘッド3と4つのサブタンク4a〜4dが搭載されている。インクジェットヘッド3は、キャリッジ2とともに走査方向に往復移動しつつ、その下面(図1の紙面向こう側の面)に設けられたノズル40(図2参照)から、搬送機構5により図1の下方(紙送り方向)に搬送される記録用紙Pにインクの液滴を噴射する。これにより、記録用紙Pに所望の文字や画像等が記録される。
4つのサブタンク4a〜4dは走査方向に沿って並べて配置されている。また、これら4つのサブタンク4にはチューブジョイント20が一体的に設けられている。そして、これらのチューブジョイント20に連結された可撓性のチューブ11a〜11dを介して、4つのサブタンク4a〜4dと4つのインクカートリッジ6a〜6dとがそれぞれ接続されている。また、4つのサブタンク4a〜4dの、紙送り方向に関する一端部には、サブタンク4内に滞留する空気を排出するための4つの排気ユニット64が設けられている。排気ユニット64の詳細については後で説明する。
搬送機構5は、インクジェットヘッド3よりも紙送り方向上流側に配置された給紙ローラ25と、インクジェットヘッドよりも紙送り方向下流側に配置された排紙ローラ26とを有する。給紙ローラ25と排紙ローラ26は、それぞれ、給紙モータ27と排紙モータ28により回転駆動される。そして、この搬送機構5は、給紙ローラ25により、記録用紙Pを図1の上方からインクジェットヘッド3に供給するとともに、排紙ローラ26により、インクジェットヘッド3によって画像等が記録された記録用紙Pを図1の下方へ排出するように構成されている。
4つのインクカートリッジ6a〜6dには、マゼンタ、シアン、イエロー、ブラックの、4色のインクがそれぞれ貯留されており、これらのインクカートリッジ6a〜6dは、ホルダ10に着脱自在に装着されている。尚、図1には示されていないが、ホルダ10には、4つのインクカートリッジ6a〜6dが装着されているか否かを検出するカートリッジ検出センサ90(図5参照)が設けられている。このカートリッジ検出センサ90としては、例えば、発光素子と受光素子とを有する光学式センサであって、ホルダ10に装着されたインクカートリッジ6a〜6dによって発光素子からの光が遮断されることにより、その装着状態を検出するものを採用できる。あるいは、ホルダ10にインクカートリッジ6a〜6dが装着されているときに、ホルダ10側に設けられた接点とインクカートリッジ6a〜6d側に設けられた接点とが接触して、両接点が導通することによってインクカートリッジ6a〜6dを検出する、接点式のものであってもよい。
4つのインクカートリッジ6a〜6dに貯留された4色のインクは、サブタンク4a〜4dに一時的に貯留された後、インクジェットヘッド3に供給される。つまり、4つのサブタンク4a〜4dと、これら4つのサブタンク4a〜4dと4つのインクカートリッジ6a〜6dとを接続するチューブ11a〜11dによって、インクジェットヘッド3にインクを供給するインク供給流路が構成されている。
メンテナンスユニット7は、インクジェットヘッド3のノズル40から強制的にインクを排出させてその噴射性能を回復させるものであり、走査方向に関するキャリッジ2の移動範囲のうちの、記録用紙Pと対向する印刷領域よりも外側(図1における右側)の領域(メンテナンス位置)に配置されている。このメンテナンスユニット7の詳細については後ほど説明する。
次に、インクジェットヘッド3及びサブタンク4について説明する。図2は、キャリッジがメンテナンス位置にあるときのサブタンク4とインクジェットヘッド3、及び、メンテナンスユニット7の、走査方向と直交する鉛直面に関する断面図である。尚、4色のインクをそれぞれ貯留する4つのサブタンク4a〜4dの構造は基本的に同一であるので、そのうちの1つのサブタンク4について以下説明する。
図2に示すように、サブタンク4内にはインク貯留室60が設けられている。このインク貯留室60は、チューブジョイント20に連結された合成樹脂材料等からなる可撓性チューブ11を介してインクカートリッジ6(図1参照)と連通している。また、サブタンク4の底部にはインク供給孔4aが形成されている。そして、インクカートリッジ6からチューブ11を介してサブタンク4に供給されたインク(図2に符号Iで示す)は、インク貯留室60に一時的に貯留された後、インク供給孔4aからインクジェットヘッド3へ供給される。
尚、サブタンク4及びチューブ11からなるインク供給流路に空気が混入したときには、この空気(図2に符号Aで示す)の大部分は、図4に示すように、インク貯留室60の上部に滞留する。そして、サブタンク4の、紙送り方向上流側(チューブジョイント20と反対側)の端部には、メンテナンスユニット7と協働してインク貯留室60内に滞留した空気を排出する排気ユニット64が設けられ、サブタンク4の側壁上端部に設けられた貫通孔4bを介してインク貯留室60の上部と排気ユニット64内部の排気流路66とが連通している。この排気ユニット64の具体的構成については後ほど説明することにする。
図3は、インクジェットヘッド3の一部分の鉛直断面図である。図3に示すように、インクジェットヘッド3は、ノズル40及び圧力室34を含むインク流路が形成された流路ユニット22と、圧力室34内のインクに圧力を付与することにより、流路ユニット22のノズル40からインクを吐出させる圧電アクチュエータ23を備えている。
流路ユニット22は、ステンレス鋼等の金属材料で形成された、キャビティプレート30、ベースプレート31、及び、マニホールドプレート32と、絶縁材料(例えば、ポリイミド等の高分子合成樹脂材料)で形成されたノズルプレート33を備えており、これら4枚のプレート30〜33は積層状態で接合されている。
キャビティプレート30には圧力室34が形成されている。尚、圧力室34は、図3の紙面垂直方向に複数並べて設けられている。ベースプレート31には、各圧力室34にそれぞれ連通する連通孔35,36が形成されている。また、マニホールドプレート32には、前述したサブタンク4のインク貯留室60からインクが供給されるとともに、連通孔35を介して複数の圧力室34に連通したマニホールド37と、連通孔36に連なる連通孔39が形成されている。さらに、ノズルプレート33には複数のノズル40が形成され、これら複数のノズル40は、複数の圧力室34に対応して、図3の紙面垂直方向に配列されている。尚、ノズルプレート33の下面が複数のノズル40の噴射口が配置された液滴噴射面3aとなっている。そして、流路ユニット22内には、マニホールド37から圧力室34を経てノズル40に至る個別インク流路41が複数形成されている。
図3に示すように、圧電アクチュエータ23は、複数の圧力室34を覆うように流路ユニット22の上面に接合された金属製の振動板50と、この振動板50の上面に配置された圧電層51と、圧電層51の上面に形成された複数の個別電極52とを備えている。
金属製の振動板50は、ヘッドドライバ53によって常にグランド電位に保持されている。また、圧電層51は、チタン酸鉛とジルコン酸鉛との固溶体であり強誘電体であるチタン酸ジルコン酸鉛(PZT)を主成分とする圧電材料からなり、振動板50の上面において複数の圧力室34に跨るように配置されている。複数の個別電極52は、圧電層51の上面の、複数の圧力室34の中央部と対向する領域にそれぞれ配置されている。そして、これら複数の個別電極52は、ヘッドドライバ53によって、グランド電位と、このグランド電位とは異なる所定の駆動電位の何れか一方が付与されるようになっている。
液滴噴射時における圧電アクチュエータ23の作用について説明する。あるノズル40からインクの液滴を噴射させる場合には、このノズル40に連通する圧力室34に対応する個別電極52に、ヘッドドライバ53から駆動電位が付与される。すると、駆動電位が付与された個別電極52とグランド電位に保持されている振動板50との間に電位差が生じ、両者に挟まれた圧電層51に厚み方向に平行な電界が発生する。ここで、圧電層51の分極方向が電界方向と同じである場合には、圧電層51は厚み方向に伸びて面方向に収縮する。そして、この圧電層51の収縮変形に伴って、振動板50の圧力室34と対向する部分が圧力室34側に凸となるように変形する(ユニモルフ変形)。このとき、圧力室34の容積が減少することになるから、その内部のインクの圧力が上昇し、圧力室34に連通するノズル40からインクが噴射される。
次に、サブタンク4に設けられた排気ユニット64について説明する。図4は、図2のIV-IV線断面図である。図1、図2に示すように、排気ユニット64は、サブタンク4の紙送り方向に関する一端部(チューブジョイント20と反対側の端部)に設けられている。尚、図4に示すように、4色のインク(マゼンタ、シアン、イエロー、ブラック)を貯留する4つのサブタンク4a〜4dに対して、4つの排気ユニット64a〜64dがそれぞれ設けられている。
4つのサブタンク4a〜4dにそれぞれ対応する4つの排気ユニット64a〜64dの構造は基本的に同一であるので、そのうちの1つの排気ユニット64について以下説明する。図2、図4に示すように、排気ユニット64は、サブタンク4の側面に固定されたケース65と、このケース65内において上下方向に延在するとともに、その上端においてインク貯留室60に連通する排気流路66と、排気流路66を開閉する開閉弁67とを備えている。
図2に示すように、ケース65の上端部側壁には貫通孔65aが形成されている。そして、ケース65内の排気流路66の上端は、貫通孔65aと、サブタンク4の側壁に形成された貫通孔4bを介して、インクジェットヘッド3へのインク供給流路を構成する、インク貯留室60の上部と連通している。また、この排気流路66は、インク貯留室60に連なる上端から、ケース65の下端に形成された排気口69まで延在している。
開閉弁67は、排気流路66内において上下方向に移動可能に配設されるとともに排気流路66を閉止可能な弁部材70と、この弁部材70を下方(排気流路66を閉止する方向)に付勢するコイルバネ71とを備えている。
弁部材70は、排気流路66内において上下方向に移動可能な有底筒状の弁体72と、この弁体72の底部から下方へ延びる弁棒73を有する。弁体72の外径は、排気流路66の内径よりは小さくなっており、この弁体72と排気流路66の内壁面との間をインクが流れることが可能となっている。また、弁体72の下面には環状のシール材74が装着されており、弁体72は、排気流路66の途中の段部に設けられた弁座面75にシール材74を介して当接することで、排気流路66を閉止するように構成されている。
ケース65の上端部の内部にはバネ受け部76が固定的に設けられている。このバネ受け部76には貫通孔77が形成されており、バネ受け部76の上部空間と下部空間とが貫通孔77を介して連通している。また、このバネ受け部76と弁部材70の弁体72との間にコイルバネ71が圧縮状態で配置されており、このコイルバネ71によって弁部材70が下方(排気流路66の閉止方向)へ付勢される。そして、後述するメンテナンスユニット7の開閉部材43により、弁体72がコイルバネ71の付勢力に抗して上方へ駆動されたときには、弁体72が弁座面75から離間し、排気流路66が開放される。
次に、メンテナンスユニット7について説明する。図1、図2、図4に示すように、メンテナンスユニット7は、インクジェットヘッド3の液滴噴射面3a(下面)に密着可能な吸引キャップ12と、吸引キャップ12と走査方向に隣接して配置されたワイパー13と、4つの排気ユニット64の下面に密着可能な排気キャップ15と、吸引キャップ12と排気キャップ15の両方に接続された吸引ポンプ14と、4つの排気キャップ15内の開閉弁67をそれぞれ開閉させる4本の開閉部材43等を備えている。
吸引キャップ12は、ゴムや合成樹脂等の可撓性を有する材料で形成されている。そして、図2に示すように、メンテナンス位置にキャリッジ2(インクジェットヘッド3)が移動してきたときに、この吸引キャップ12は、インクジェットヘッド3の下面の、複数のノズル40の噴射口が配置された液滴噴射面3aと対向する。この状態で、吸引キャップ駆動モータ91(図5参照)を含む駆動機構(図示省略)によって上方に駆動されることにより、吸引キャップ12は、インクジェットヘッド3の液滴噴射面3aに密着し、複数のノズル40の噴射口を覆う。
排気キャップ15も、吸引キャップ12と同じく、ゴムや合成樹脂等の可撓性を有する材料で形成されている。図1に示すように、この排気キャップ15は、吸引キャップ12よりも紙送り方向上流側の位置に配置されており、メンテナンス位置にキャリッジ2(インクジェットヘッド3)が移動してきたときには、図2に示すように、排気キャップ15は、4つの排気ユニット64の下面と対向する。この状態で、排気キャップ駆動モータ92(図5参照)を含む駆動機構(図示省略)により、上方(図1の紙面手前側)に駆動されることにより、排気キャップ15は、排気ユニット64の下面に密着し、4つの排気ユニット64の排気口69を一度に覆う。
4本の開閉部材43(43a〜43d)はそれぞれ上下方向に延在した棒状の部材であり、図4に示すように、走査方向に間隔を空けて並べて配置されている。また、4本の開閉部材43は、排気キャップ15の底壁を気密を保った状態で貫通し、排気キャップ15に対して上下に相対移動可能に構成されている。また、メンテナンス位置にキャリッジ2(インクジェットヘッド3)が移動してきたときには、図2、図4に示すように、4本の開閉部材43は、対応する排気ユニット64の下面の排気口69の真下に位置する。
図4に示すように、4本の開閉部材43a〜43dのうち、ブラックインクの排気ユニット64dに対応する開閉部材43dは、単独で上下方向に移動可能となっている。一方、3色のカラーインク(マゼンタ、シアン、イエロー)の排気ユニット64a〜64cにそれぞれ対応する3本の開閉部材43a〜43cは、それらの下端部において互いに連結され、3本の開閉部材43a〜43cは一体的に上下方向に移動可能となっている。さらに、ブラックインク用の開閉部材43dと、互いに連結されたカラーインク用の開閉部材43a〜43cは、2つの弁駆動モータ93,94(図5参照)をそれぞれ含む2つの駆動機構(図示省略)により、互いに独立して上下に駆動される。
そして、排気キャップ15により排気ユニット64の下面の排気口69が覆われた状態で、開閉部材43が排気キャップ15に対して上方に移動すると、開閉部材43の上端部が、排気口69から排気流路66内に挿通されることになり、排気流路66内の弁棒73を上方に押圧する。すると、弁棒73と一体的に弁体72が上方へ移動して弁座面75から離間し、排気流路66が開放される。
吸引ポンプ14は、切り替えユニット16を介して、吸引キャップ12と排気キャップ15にチューブで接続されている。吸引キャップ12がインクジェットヘッド3の液滴噴射面3aに密着してノズル40の噴射口を覆っており、且つ、切り替えユニット16により、吸引ポンプ14の連通先が吸引キャップ12に切り替えられている状態で、吸引ポンプ14の吸引動作が行われたときには、吸引キャップ12と液滴噴射面3aによって形成される密閉空間内の空気が吸引されて圧力が低下し、ノズル40からインクが吸引キャップ12へ排出される(液体パージ)。これにより、ノズル40内の増粘インクやインクジェットヘッド3内のインク流路に混入している気泡を、インクとともにノズル40から排出することが可能となっている。
また、この液体パージ後、吸引キャップ12がインクジェットヘッド3の液滴噴射面3aから離間したときには、液滴噴射面3aにはノズルから排出されたインクの一部が付着する。そこで、この状態からインクジェットヘッド3がキャリッジ2とともにワイパー13に対して走査方向に移動することで、吸引キャップ12に対して走査方向に隣接して配置されたワイパー13が、液滴噴射面3aに付着したインクを拭き取るようになっている。
一方、排気キャップ15が排気ユニット64の下面に密着して排気口69を覆っており、且つ、切り替えユニット16により吸引ポンプ14の連通先が排気キャップ15に切り替えられ、さらに、開閉部材43により排気流路66が開放されている状態で、吸引ポンプ14の吸引動作が行われたときには、排気キャップ15と排気ユニット64の下面によって形成される密閉空間内の空気が吸引されて圧力が低下する。このとき、サブタンク4のインク貯留室60の上部に滞留した空気が、排気流路66を介して排出される(排気パージ)。
さらに、本実施形態では、吸引ポンプ14に、前記排気パージの実行時よりも吸引速度の高い吸引動作を行わせること(以下、高速吸引という)も可能となっている。後でも説明するが、この高速吸引は、インク貯留室60内の空気を排出することを目的とする排気パージとは違い、排気流路66を介してインク貯留室60内の圧力を急激に低下させて、ノズル40内の増粘したインクのメニスカスを意図的に破壊することを主な目的とするものである。従って、この高速吸引を行った後に前記液体パージを実行することで、ノズル40内の増粘インクを容易に排出することができる。
尚、本実施形態では、吸引ポンプ14が、液体パージを行うためのパージ手段と、排気流路66に接続されて前記排気パージ及び前記高速吸引を行うための吸引手段の、両方を兼ねている。
次に、プリンタ1の全体制御を司る制御装置8について説明する。図5は、プリンタ1の電気的な構成を示すブロック図である。図6に示される制御装置8は、例えば、中央処理装置であるCPU(Central Processing Unit)と、プリンタ1の全体動作を制御する為の各種プログラムやデータ等が格納されたROM(Read Only Memory)と、CPUで処理されるデータ等を一時的に記憶するRAM(Random Access Memory)等を備え、ROMに格納されたプログラムがCPUで実行されることにより、以下に説明するような種々の制御を行うものであってもよい。あるいは、演算回路を含む各種回路が組み合わされたハードウェア的なものであってもよい。
この制御装置8(制御手段)は、記録制御部81とメンテナンス制御部82とを備えている。記録制御部81は、PC等の入力装置84から入力されたデータに基づいて、キャリッジ2を往復駆動するキャリッジ駆動モータ19、インクジェットヘッド3のヘッドドライバ53、記録用紙Pを搬送する給紙モータ27及び排紙モータ28等を制御して、インクジェットヘッド3による記録用紙Pへの画像等の記録を行わせるものである。また、メンテナンス制御部82は、吸引キャップ駆動モータ91、排気キャップ駆動モータ92、吸引ポンプ14等のメンテナンスユニット7の各部を制御して、前述した液体パージや排気パージ等を含む一連のメンテナンス動作(液滴噴射性能回復動作)を行わせるものである。
さらに、メンテナンス制御部82により制御されるメンテナンスユニット7のメンテナンス動作についてより詳細に説明する。
長期間プリンタ1を使用していない場合など、長い間ノズル40からインクが噴射されていない状態が続くと、乾燥によりノズル40内のインクの増粘が進行する。そして、インクの増粘の程度によっては、前述した液体パージ(ノズル40からのインク吸引排出)を行っただけではノズル40内の増粘したインクを排出するのはかなり困難な場合もある。そこで、メンテナンス制御部82は、増粘インク排出及び気泡排出のために、排気パージと液体パージを行う通常のパージモード(第1パージモード)と、インク増粘の程度が特にひどい場合にその増粘インクを排出することに特化した、高速吸引と液体パージを行うパージモード(第2パージモード)を、ノズル40内のインク増粘の程度に応じて選択的に実行可能となっている。
以下では、プリンタ1の電源がOFFの間のインク乾燥によって生じた増粘インクを排出するための、電源投入直後の吸引パージを例に挙げて説明する。図6は、電源投入直後のメンテナンス動作に関するフローチャートである。尚、図6において、Si(i=10,11,12・・・)は各ステップを示している。
尚、特に図示はしないが、本実施形態のプリンタ1は、インクジェットヘッド3等の主要構成に電力を供給する主電源(装置電源)と、主電源のOFF時に、タイマーを含むプリンタ1の一部の構成に電力を供給する補助電源(バッテリ等)を備えている。そのため、補助電源で作動するタイマーによって主電源OFFの時間を計測することができるようになっている。
図6に示すように、主電源がOFFの状態からONになったときに(S10)、タイマーによって計測された主電源のOFF時間が所定時間T0(例えば、1ヶ月程度)よりも短かった場合には(S11:No)、メンテナンス制御部82は、第1パージモードを選択してメンテナンスユニット7に実行させる(S12)。
図7は、第1パージモード選択時におけるメンテナンスユニット7の動作を示す図である。第1パージモードの選択時には、メンテナンス制御部82は、メンテナンスユニット7に、排気パージを実行させた後、液体パージを実行させる。
まず、図7(a)に示すように、排気キャップ15を上方へ移動させて排気ユニット64の下面に密着させ、排気キャップ15により排気口69を塞ぐ。次に、開閉部材43を排気キャップ15に対して上方へ移動させて、開閉弁67の弁体72を弁座面75から離間させ、排気流路66を開放させる。その状態で、切り替えユニット16により吸引ポンプ14を排気キャップ15に連通させてから、吸引ポンプ14に吸引動作を行わせる。これにより、排気キャップ15と排気ユニット64の下面により形成された密閉空間内の圧力を低下させて、サブタンク4のインク貯留室60内の空気(符号Aで示す)を排気流路66から排気キャップ15へ排出させる(排気パージ)。尚、この排気パージにおいては、排気流路66からは主に空気が排出されるが、インク貯留室60内のインクが空気と混じって一部排出されることも勿論あり得る。
また、この排気パージの実行時には、吸引キャップ12も液滴噴射面3aに密着させて、ノズル40の噴射口を覆うようにしておくことが好ましい。これにより、排気パージによってインク貯留室60内の圧力が低下したときに、ノズル40内のインクのメニスカスが破壊されてしまうのを防止できる。
次に、図7(b)に示すように、開閉部材43を下方へ移動させて排気流路66を閉止するとともに、切り替えユニット16により吸引ポンプ14の連通先を、排気キャップ15から吸引キャップ12に切り替えた後、吸引ポンプ14に吸引動作を行わせる。これにより、吸引キャップ12とインクジェットヘッドの液滴噴射面3aにより形成された密閉空間内の圧力を低下させて、ノズル40からインクを排出させる(液体パージ)。このとき、ノズル40内の増粘したインクや、インク中に混入している気泡、あるいは、塵等が、インクとともに排出されることになる。
図6に戻り、タイマーによって計測された主電源のOFF時間が所定時間T0以上である、つまり、主電源が所定時間T0以上投入されていなかった後の電源投入であった場合には(S11:Yes)、メンテナンス制御部82は、ノズル40内の増粘インクをより確実に排出するための第2パージモードを選択し、メンテナンスユニット7に実行させる(S13)。
図8は、第2パージモード選択時におけるメンテナンスユニット7の動作を示す図である。第2パージモードの選択時には、メンテナンス制御部82は、メンテナンスユニット7に、前記排気パージよりも吸引速度の大きい高速吸引を実行させた後、液体パージを実行させる。
この第2パージモードの高速吸引と、前述した第1パージモードの排気パージとで、メンテナンスユニット7の動作は基本的には同じである。即ち、図8(a)に示すように、排気キャップ15により排気ユニット64の排気口69を塞ぎ、さらに、開閉部材43により弁体72を上方へ駆動して排気流路66を開放させた状態で、吸引ポンプ14に排気キャップ15内の吸引動作を行わせる。
但し、この高速吸引においては、吸引ポンプ14の吸引速度(単位時間当たりの吸引空気量)は、排気パージよりもかなり大きくする(例えば、排気パージ時の10倍程度)。尚、吸引ポンプ14の吸引速度を変化させることは、例えば、回転式のポンプの場合において、回転数を変化させることにより容易に実現できる。また、この高速吸引は、吸引キャップ12がインクジェットヘッド3の液滴噴射面3aから離間した状態、即ち、ノズル40内のメニスカスに大気圧が作用している状態で行う。
このように、吸引ポンプ14により高速で吸引を行うと、排気流路66に連通しているインク貯留室60内の圧力が急激に低下する。すると、このインク貯留室60に連なるインクジェットヘッド3内のインク流路の末端に位置する、ノズル40内の圧力も急速に低下することから、ノズル40の噴射口の外側から作用する大気圧とのバランスが崩れて、ノズル40内の増粘インクのメニスカスが破壊される。
次に、この高速吸引後に続けて液体パージを行う。即ち、図8(b)に示すように、開閉部材43を下方へ移動させて排気流路66を閉止した後、吸引キャップ12を液滴噴射面3aに密着させてノズル40の噴射口を塞いでから、吸引ポンプ14に吸引キャップ12内の吸引動作を行わせ、ノズル40から液体を排出させる。ここで、先の高速吸引によってノズル40内の増粘インクのメニスカスが一旦破壊されているため、この液体パージによってノズル40内の増粘インクを容易に排出することができる。
尚、上述のように電源OFFの時間によって2つのパージモードを切り替えるために、プリンタ1が電源OFFの時間を計測するタイマーを備えていることは必ずしも必要ではない。例えば、電源投入時にユーザーに対しておおよその電源OFF期間を尋ね、得られた情報に基づいて、2つのパージモードを切り替えるように構成されてもよい。
次に、前記実施形態に種々の変更を加えた変更形態について説明する。但し、前記実施形態と同様の構成を有するものについては、同じ符号を付して適宜その説明を省略する。
1]前記実施形態では、第1パージモードと第2パージモードの何れかを選択する例として、電源OFF時間による切り替えを挙げているが、パージモード選択の手法はこれに限られない。
例えば、実際の記録された画像を見て印字品質が低下していることを確認したユーザーによってパージ指令が入力される場合など、外部(プリンタ1に接続されたPC等の外部入力装置、あるいは、プリンタ1の操作パネル等)から制御装置8に対してパージ指令が入力されたときに、その入力が所定時間内で繰り返し行われたか否かによって、メンテナンス制御部82がパージモードの切り替えを行うように構成されてもよい。即ち、所定期間内における外部からのパージ指令の入力回数nが、所定回数n1(n1は2以上の整数)未満である場合にはメンテナンスユニット7に第1パージモードを実行させ、パージ指令の入力回数nが所定回数n1以上となった場合には、メンテナンスユニット7に第2パージモードを実行させる。
図9は、この変更形態におけるメンテナンス動作に関するフローチャートである。まず、プリンタ1の主電源がONとなった後の初期設定において、パージ指令の繰り返し入力回数nをゼロクリアしておく(S20)。
外部からパージ指令が入力されたときに(S21:Yes)、このパージ指令が電源投入後初めてのパージ指令である、即ち、入力回数nが0の場合には(S22:Yes)、タイマーによりこの最初のパージ指令からの時間計測を開始してから(S23)、S27に進む。また、既にパージ指令の入力が過去に行われており、n=0でない場合に(S22:No)、さらに、タイマーにより計測されている最初のパージ指令からの経過時間が所定期間(例えば、1時間程度)未満である場合には(S24:No)、そのままS27に進む。一方、最初のパージ指令から所定期間以上経過している場合には(S24:Yes)、今回のパージ指令の入力から改めて繰り返し入力回数をカウントするため、入力回数nをゼロクリアし(S25)、さらに、タイマーの計測時間をリセットしてから(S26)、S27に進む。そして、S27において、入力回数nのインクリメントを行う。
次に、S28において、パージ指令の入力回数nを所定の繰り返し回数n1(n1は2以上の整数)と比較する。nがn1未満である場合には(S28:No)、所定期間内に頻繁にパージ指令の要求が繰り返しなされている訳ではないと判断して、第1パージモードを選択する(S29)。一方、nがn1以上である場合には(S28:Yes)、短期間に何回も第1パージモードを繰り返し行っても、増粘がひどいためにまだノズル40の噴射不良を解消できていない状態であると判断し、第2パージモードを選択する(S30)。第1パージモードと第2パージモードの何れかが終了すると、S21に戻る。
あるいは、インクカートリッジ6からインクジェットヘッド3に至る、チューブ11やサブタンク4内のインク貯留室60を含むインク供給流路において、インクに空気が混入しやすい状態にあると判断される場合に、排気パージを含む第1パージモードを選択するように構成されてもよい。インク供給流路に空気が混入しやすい状態としては、例えば、ホルダ10とインクカートリッジ6との接続部分から空気が侵入しやすい、インクカートリッジ6の着脱が挙げられる。この場合、例えば、インクカートリッジ6の着脱動作がカートリッジ検出センサ90(図5参照)によって検出されたときに、第1パージモードを選択するようにすればよい。
あるいは、記録用紙Pへの記録が行われた直後に、外部(例えば、ユーザー)からパージ指令が入力された場合には、そのときのノズル40の噴射不良は、気泡混入に起因するものではなくノズル40内に残存する増粘インクに起因するものであると判断し、高速吸引を含む第2パージモードを選択するように構成されてもよい。
また、排気パージ+液体パージの2段階からなる第1パージモードと、高速吸引+液体パージの2段階からなる第2パージモードの他に、排気パージのみ行うパージモードや、あるいは、液体パージのみを行うパージモードを選択できるように構成されてもよい。
2]ノズル40内のインク増粘の程度がひどいときに選択される、第2パージモードで実行される高速吸引(図8(a)参照)は、あくまでインク貯留室60内の圧力を急激に低下させてノズル40内のメニスカスを破壊することを目的とするものであり、この目的を達成するだけであれば、吸引時間自体はそれほど長くする必要がなく、吸引速度(吸引力)の大きな吸引動作をほんの短時間行うだけでよい。しかし、このような吸引時間の短い高速吸引では、排気流路66から排出される空気(気体)の量は少ない。そのため、ノズル40内のインク増粘がひどいだけでなく、インク貯留室60への空気の混入も多い場合には、高速吸引+液体パージの2段階からなる第2パージモードを実行するだけでは、インク貯留室60内の空気を十分に排出できないこともある。
また、高速吸引によってノズル40内のメニスカスを破壊するだけでなく、インク貯留室60内の空気を排出することもできるように、高速吸引を長い時間行うとすると、メニスカスが破壊されたノズル40の噴射口からインクジェットヘッド3内に多量の空気が逆流する。この場合には、高速吸引後の液体パージでは、逆流してきた空気を完全に排出することが困難となる。
そこで、ノズル40内のインク増粘がひどく、且つ、外部からの空気の混入量も多いと推測される場合には、第2パージモード(高速吸引と液体パージ)を行った後に、さらに、高速吸引よりも小さい吸引速度で、且つ、高速吸引よりも吸引時間の長い、排気パージを行い、インク貯留室60内の空気を確実に排出することが好ましい。例えば、前記実施形態で挙げられている、長期間電源が投入されない状態が続いた場合には、ノズル40におけるインクの乾燥(増粘)が進行するだけでなく、合成樹脂材料等の気体透過性材料からなるチューブ11において、インク中への空気の混入も進行する。そのため、例えば、装置電源が一定時間以上投入されていなかった後の電源投入時には、メンテナンス制御部82は、メンテナンスユニット7に第2パージモードを実行させ、さらにその後に、排気パージを実行させるようにしてもよい。
3]1つの吸引ポンプ14に、ノズル40からのインクの吸引排出と、排気流路66からの空気の吸引排出の両方を行わせる必要は必ずしもなく、ノズル40からの吸引と排気流路66からの吸引をそれぞれ別々の吸引ポンプで行わせるように構成されてもよい。
また、ノズル40からのインクの排出は、吸引ポンプによる吸引に限られるものではない。即ち、インクジェットヘッド3にインクを供給する、インク貯留室60やチューブ11を含むインク供給流路にポンプ(パージ手段)が接続され、このポンプによりインク供給流路内のインクを加圧してノズル40からインクを押し出してもよい。
以上説明した実施形態及びその変更形態は、本発明を、記録用紙にインクを噴射して画像等を記録する、インクジェットプリンタに適用したものであるが、本発明の適用対象は、このような用途に使用されるものに限られない。即ち、気体の混入及び乾燥による増粘が生じ得る、インク以外の様々な種類の液体を、その用途に応じて噴射する、種々の液滴噴射装置に本発明を適用することが可能である。
本発明の実施形態に係るプリンタの概略構成図である。 キャリッジがメンテナンス位置にあるときの、サブタンクとインクジェットヘッド、及び、メンテナンスユニットの、走査方向と直交する鉛直面に関する断面図である。 インクジェットヘッドの一部分の鉛直断面図である。 図2のIV-IV線断面図である。 プリンタの電気的構成を示すブロック図である。 電源投入直後のメンテナンス動作に関するフローチャートである。 第1パージモード選択時におけるメンテナンスユニットの動作を示す図であり、(a)は排気パージ実行時の状態、(b)は液体パージ実行時の状態を示す。 第2パージモード選択時におけるメンテナンスユニットの動作を示す図であり、(a)は高速吸引実行時の状態、(b)は液体パージ実行時の状態を示す。 変更形態におけるメンテナンス動作に関するフローチャートである
符号の説明
1 プリンタ
3 インクジェットヘッド
8 制御装置
11 チューブ
14 吸引ポンプ
40 ノズル
60 インク貯留室
66 排気流路

Claims (4)

  1. 液滴を噴射するノズルを有する液滴噴射ヘッドと、
    前記液滴噴射ヘッドに液体を供給する液体供給流路と、
    前記液体供給流路に連通した排気流路と、
    前記液滴噴射ヘッドの前記ノズルから液体を排出させる液体パージを行うパージ手段と、
    前記排気流路に接続された吸引手段と、
    前記パージ手段及び前記吸引手段を制御する制御手段とを備え、
    前記制御手段は、
    前記吸引手段による吸引により前記排気流路を介して前記液体供給流路内の気体を排出する排気パージを行った後、前記パージ手段により前記液体パージを行う、第1パージモードと、
    前記吸引手段により、前記排気パージのときよりも前記液体供給流路内の圧力を急激に減らして前記ノズル内の液体のメニスカスを破壊するように、単位時間当たりの吸引気体量が前記排気パージよりも大きく設定された、吸引速度の大きい高速吸引を行った後、前記パージ手段により前記液体パージを行う、第2パージモードとを、
    選択的に実行可能であることを特徴とする液滴噴射装置。
  2. 前記制御手段は、
    前記第2パージモード選択時に、前記吸引手段による前記高速吸引と前記パージ手段による前記液体パージを行った後、さらに前記排気パージを行うことを特徴とする請求項1に記載の液滴噴射装置。
  3. 装置電源が一定時間以上投入されていなかった後の電源投入時には、前記制御手段は、前記第2パージモードを実行することを特徴とする請求項1又は2に記載の液滴噴射装置。
  4. 前記制御手段は、
    所定期間内における外部からのパージ指令の入力回数が、所定回数以上である場合に、前記第2パージモードを実行することを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の液滴噴射装置。
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