JP2004522776A - 蛋白質キナーゼ阻害剤としての3−(4−アミドピロール−2−イルメチリデン)−2−インドリノン誘導体 - Google Patents

蛋白質キナーゼ阻害剤としての3−(4−アミドピロール−2−イルメチリデン)−2−インドリノン誘導体 Download PDF

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Abstract

本発明は,蛋白質キナーゼの活性を調節し,したがって,蛋白質キナーゼ関連細胞性疾患,例えば癌の予防および治療において有用であると予測される,ピロール置換2−インドリノン化合物およびその薬学的に許容しうる塩に関する。

Description

【技術分野】
【0001】
優先権主張の基礎となる出願
本出願は,米国特許仮出願60/312,361(2001年8月15日出願)および60/268,683(2001年2月15日出願)に基づく優先権を主張する。これらの出願の全内容を本明細書の一部としてここに引用する。
【0002】
発明の分野
本発明は,蛋白質キナーゼ("PK")の活性を調節するある種の3−(4−アミドピロール−2−イルメチリデン)−2−インドリノン誘導体に関する。したがって,本発明の化合物は,異常なPK活性に関連する疾患の治療に有用である。これらの化合物を含む医薬組成物,これらの化合物を含む医薬組成物を用いて疾病を治療する方法,およびこれらを製造する方法も開示される。
【背景技術】
【0003】
PKは,蛋白質のチロシン,セリンおよびトレオニン残基上のヒドロキシ基のリン酸化を触媒する酵素である。この外観上は単純な活性の結果は圧倒的である。細胞成長,分化および増殖,すなわち,細胞生命のほぼすべての観点が種々の仕方でPK活性に依存する。さらに,異常なPK活性は,比較的生命を脅かさない疾患(例えば乾癬)から,非常に悪性の疾患(例えば神経膠細胞腫(脳癌))までの範囲の疾患の宿主と関連づけられてきた。
【0004】
PKは,慣用的に2種類に分類することができる:蛋白質チロシンキナーゼ(PTK)およびセリン−トレオニンキナーゼ(STK)。
【0005】
PTK活性の主な観点の1つは,成長因子レセプターに対するその関与である。成長因子レセプターは細胞表面蛋白質である。成長因子リガンドが結合すると,成長因子レセプターは活性型に変換され,これが細胞膜の内表面上の蛋白質と相互作用する。この相互作用は,レセプターおよび他の蛋白質のチロシン残基のリン酸化を引き起こし,細胞内部で種々の細胞質シグナリング分子との複合体を形成する。次にこれらの複合体は多くの細胞性応答,例えば,細胞分裂(増殖),細胞分化,細胞成長,細胞外微細環境への代謝的効果の発現等を行う。さらに詳しい議論については,Schlessinger and Ullrich,Neuron,9:303−391,1992(本明細書において完全に記載されているように,図面を含め本明細書の一部としてここに引用する)を参照されたい。
【0006】
PK活性を有する成長因子レセプターは,レセプターチロシンキナーゼ("RTK")として知られている。これらは,多様な生物学的活性を有する貫膜レセプターの大きなファミリーを含む。現在のところ,RTKの少なくとも19個の異なるサブファミリーが同定されている。これらのサブファミリーの例は,"HER"RTKと称されるサブファミリーであり,これにはEGFR(上皮成長因子レセプター),HER2,HER3およびHER4が含まれる。これらのRTKは,細胞外グリコシル化リガンド結合ドメイン,貫膜ドメイン,および蛋白質上のチロシン残基をリン酸化しうる細胞内細胞質触媒ドメインから構成される。
【0007】
別のRTKサブファミリーは,インスリンレセプター(IR),インスリン様成長因子Iレセプター(IGF−1R)およびインスリンレセプター関連レセプター(IRR)を含む。IRおよびIGF−1Rはインスリン,IGF−IおよびIGF−IIと相互作用して,2つの完全に細胞外のグリコシル化されたαサブユニットと,細胞膜を横断しチロシンキナーゼドメインを含有する2つのβサブユニットのヘテロ4量体を形成する。
【0008】
第3のRTKサブファミリーは,血小板由来成長因子レセプター("PDGFR")群と称され,これにはPDGFRα,PDGFRβ,CSFIR,c−kitおよびc−fmsが含まれる。これらのレセプターは,可変数のイムノグロビン様ループからなるグリコシル化された細胞外ドメイン,およびチロシンキナーゼドメインが関連のないアミノ酸配列により分断されている細胞内ドメインから構成される。
【0009】
別の群は,そのPDGFRサブファミリーとの類似性のため,しばしばPDGFRサブファミリーに包摂される,胎児肝キナーゼ("flk")レセプターサブファミリーである。この群は,キナーゼ挿入ドメイン−レセプター胎児肝キナーゼ−1(KDR/FLK−1,VEGF−R2),flk−1R,flk−4およびfms様チロシンキナーゼ1(flt−1)からなると考えられている。
【0010】
チロシンキナーゼ成長因子レセプターファミリーの別のメンバーは,繊維芽細胞成長因子("FGF")レセプターサブグループである。この群は,4つのレセプター,FGFR1−4,および7つのリガンド,FGF1−7から構成される。まだあまり明確にされていないが,レセプターは,可変数のイムノグロビン様ループを含有するグリコシル化された細胞外ドメイン,およびチロシンキナーゼ配列が関係のないアミノ酸配列の領域により分断されている細胞内ドメインから構成されるようである。
【0011】
チロシンキナーゼ成長因子レセプターファミリーのさらに別のメンバーは血管内皮成長因子(VEGF")レセプターサブグループである。VEGFは,PDGFに類似する二量体の糖蛋白質であるが,異なる生物学的機能およびインビボでの標的細胞特異性を有する。特に,VEGFは,現在,脈管形成および新脈管形成において必須の役割を果たすと考えられている。
【0012】
既知のRTKサブファミリーのより完全なリストは,Plowman et al.,DN&P,7(6):334−339(1994)(本明細書において完全に記載されているように,図面を含め本明細書の一部としてここに引用する)に記載されている。
【0013】
RTKに加え,"非レセプターチロシンキナーゼ"または"細胞性チロシンキナーゼと称される,完全に細胞内のPTKのファミリーが存在する。本明細書においては"CTK"と略されるこの後者の定義を用いる。CTKは細胞外および貫膜ドメインを含有しない。現在のところ,11個のサブファミリー(Src,Frk,Btk,Csk,Abl,Zap70,Fes,Fps,Fak,JakおよびAck)の24個を越えるCTKが同定されている。Srcサブファミリーは,これまでのところ,CTKのもっとも大きい群であるようであり,Src,Yes,Fyn,Lyn,Lck,Blk,Hck,FgrおよびYrkを含む。CTKのより詳細な議論については,Bolen,Oncogene,8:2023−2031(1993)(本明細書において完全に記載されているように,図面を含め本明細書の一部としてここに引用する)を参照されたい。
【0014】
セリン/トレオニンキナーゼもしくはSTKは,CTKと同様に,主として細胞内にあるが,STKタイプのレセプターキナーゼは少ない。STKはもっとも一般的なサイトゾルキナーゼである。すなわち,細胞質オルガネラおよび細胞骨格以外の,細胞質のその部分でその機能を行うキナーゼである。サイトゾルは,細胞の中間代謝および生合成活性のほとんどが生ずる細胞中の領域である。例えば,蛋白質がリボソーム上で合成されるのはサイトゾル内である。
【0015】
RTK,CTKおよびSTKはすべて,病原性状態,特に癌を含む状態の宿主であることが示唆されてきた。PTKと関連づけられてきた他の病原性状態には,限定されないが,乾癬,肝硬変,糖尿病,動脈硬化,新脈管形成,再狭窄,眼性疾患,慢性関節リウマチおよび他の炎症性疾患,自己免疫疾患等の免疫疾患,アテローム性動脈硬化等の心臓血管疾患,および種々の腎臓疾患が含まれる。
【0016】
癌に関しては,腫瘍の発達を推進する過剰な細胞増殖を説明する主要な仮説の2つは,PKにより制御されることが知られている機能に関連する。すなわち,悪性細胞成長は細胞分裂および/または分化を調節するメカニズムの故障に起因することが示唆されている。多数のプロトオンコジンの蛋白質産物は,細胞成長および分化を制御するシグナル伝達経路に関与することが示されている。これらのプロトオンコジンの蛋白質産物には,上で議論した,細胞外成長因子,貫膜成長因子PTKレセプター(RTK),細胞質PTK(CTK)およびサイトゾルSTKが含まれる。
【0017】
PKに関連する細胞活性と広範な種類のヒト疾患との間の見かけ上の連結の観点から,PK活性を調節する方法を同定しようとする試みに多大な努力が払われていることは驚くべきことではない。これらのいくつかには,実際の細胞プロセスに関与する分子を模倣する大きな分子を用いるバイオミメティック方法が含まれる(例えば,変異体リガンド(米国特許4,966,849);可溶性レセプターおよび抗体(WO94/10202,Kendall and Thomas,Proc.Nat'l.Acad.Sci.,90:10705−09(1994),Kim,et al.,Nature,362:841−844(1993));RNAリガンド(Jelinek,et al.,Biochemistry,33:10450−56);Takano,et al.,Mol.Bio.Cell,4:358A(1993);Kinsella, et al.,Exp.Cell Res.199:566−62(1992);Wright,et al.,J.Cellular Phys.,152:448−57)およびチロシンキナーゼ阻害剤(WO94/03427;WO92/21660;WO91/15495;WO94/14808;米国特許5,330,992;Mariani,et al.,Proc.Am.Assoc.Cancer Res.35:2268(1994))。
【0018】
上述に加え,PK阻害剤として作用する小分子を同定する試みがなされている。例えば,ビス単環,二環およびヘテロ環アリール化合物(PCT WO92/20642),ビニレンアザインドール誘導体(PCT WO94/14808)および1−シクロプロピル−4−ピリジルキノロン類(米国特許5,330,992)が,チロシンキナーゼ阻害剤として記載されている。スチリル化合物(米国特許5,217,999),スチリル置換ピリジル化合物(米国特許5,302,606),キナゾリン誘導体(欧州特許出願0566266A1),セレナインドール類およびセレニド類(PCT WO94/03427),三環ポリヒドロキシル化合物(PCT WO92/21660)およびベンジルホスホン酸化合物(PCT WO91/15495)はすべて,癌の治療において有用なPTK阻害剤として記載されている。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0019】
本発明は,PK調節能力を示し,したがって異常なPK活性に関連する疾患の治療に有用な,ある種の3−(4−アミドピロール−2−イルメチリデン)−2−インドリノン誘導体に関する。
【0020】
本発明の1つの態様は,式(I):
【化4】
Figure 2004522776
[式中,
1は,水素,ハロ,アルキル,ハロアルコキシ,シクロアルキル,ヘテロ脂環式,ヒドロキシ,アルコキシ,−C(O)R8,−NR910および−C(O)NR1213からなる群より選択され;
2は,水素,ハロ,アルキル,トリハロメチル,ヒドロキシ,アルコキシ,シアノ,−NR910,−NR9C(O)R10,−C(O)R8,−S(O)2NR910および−SO214(ここで,R14は,アルキル,アリール,アラルキル,ヘテロアリールおよびヘテロアラルキルである)からなる群より選択され;
3,R4およびR5は,独立して,水素またはアルキルであり;
Zは,アリール,ヘテロアリール,複素環,または−NR1516であり,ここで,R15およびR16は,独立して,水素またはアルキルであり;またはR15およびR16は,これらが結合している窒素原子と一緒になってヘテロシクロアミノ基を形成し;
6は,水素またはアルキルからなる群より選択され;
7は,水素,アルキル,アリール,ヘテロアリール,および−C(O)R17からなる群より選択され;
8は,ヒドロキシ,アルコキシ,およびアリールオキシからなる群より選択され;
9およびR10は,独立して,水素,アルキル,シアノアルキル,シクロアルキル,アリールおよびヘテロアリールからなる群より選択され;または
9およびR10は,一緒になってヘテロシクロアミノ基を形成し;
12およびR13は,独立して,水素,アルキル,ヒドロキシアルキル,およびアリールからなる群より選択され;またはR12およびR13は,これらが結合している窒素原子と一緒になってヘテロシクロアミノを形成し;
17は,ヒドロキシ,アルキル,シクロアルキル,アリールおよびヘテロアリールからなる群より選択される]
の化合物またはその薬学的に許容しうる塩である。
【0021】
別の態様は,
1は,水素,ハロ,アルキル,シクロアルキル,ヘテロ脂環式,ヒドロキシ,アルコキシ,−C(O)R8,−NR910および−C(O)NR1213からなる群より選択され;
2は,水素,ハロ,アルキル,トリハロメチル,ヒドロキシ,アルコキシ,シアノ,−NR910,−NR9C(O)R10,−C(O)R8,−S(O)2NR910および−SO214(ここで,R14は,アルキル,アリール,アラルキル,ヘテロアリールおよびヘテロアラルキルである)からなる群より選択され;
3,R4およびR5は,独立して,水素またはアルキルであり;
Zは,アリール,ヘテロアリール,複素環,または−NR1516であり,ここで,R15およびR16は,独立して,水素またはアルキルであり;またはR15およびR16は,これらが結合している窒素原子と一緒になってヘテロシクロアミノ基を形成し;
6は,水素またはアルキルからなる群より選択され;
7は,水素,アルキル,アリール,ヘテロアリール,および−C(O)R17からなる群より選択され;
8は,ヒドロキシ,アルコキシ,およびアリールオキシからなる群より選択され;
9およびR10は,独立して,水素,アルキル,シアノアルキル,シクロアルキル,アリールおよびヘテロアリールからなる群より選択され;または
9およびR10は,一緒になってヘテロシクロ基を形成し;
12およびR13は,独立して,水素,アルキルおよびアリールからなる群より選択され,またはR12およびR13は,これらが結合している窒素原子と一緒になって複素環を形成し;
17は,ヒドロキシ,アルキル,シクロアルキル,アリールおよびヘテロアリールからなる群より選択される,
式Iの化合物またはその薬学的に許容しうる塩である。
【0022】
別の態様は,式(Ia):
【化5】
Figure 2004522776
[式中,
1,R3,R4,およびR5は水素であり;
2は,フルオロであり,これはインドリノン環の5位に存在し;
Zはモルホリン−4−イルであり;
6およびR7はメチルである]
の化合物である。
好ましくは,*Cの立体化学は(S)である。
【0023】
別の態様は,式(II):
【化6】
Figure 2004522776
[式中,
Rは,水素またはアルキルであり;
1は,水素,ハロ,アルキル,ハロアルコキシ,シクロアルキル,ヘテロ脂環式,ヒドロキシ,アルコキシ,−C(O)R8,−NR910および−C(O)NR1213からなる群より選択され;
2は,水素,ハロ,アルキル,トリハロメチル,ヒドロキシ,アルコキシ,シアノ,−NR910,−NR9C(O)R10,−C(O)R8,−S(O)2NR910および−SO214(ここで,R14は,アルキル,アリール,アラルキル,ヘテロアリールおよびヘテロアラルキルである)からなる群より選択され;
3,R4およびR5は,独立して,水素またはアルキルであり;
Zは,アリール,ヘテロアリール,複素環,または−NR1516であり,ここで,R15およびR16は,独立して,水素またはアルキルであり;またはR15およびR16は,これらが結合している窒素原子と一緒になってヘテロシクロアミノ基を形成し;
6は,水素またはアルキルからなる群より選択され;
7は,水素,アルキル,アリール,ヘテロアリール,および−C(O)R17からなる群より選択され;
8は,ヒドロキシ,アルコキシ,およびアリールオキシからなる群より選択され;
9およびR10は,独立して,水素,アルキル,シアノアルキル,シクロアルキル,アリールおよびヘテロアリールからなる群より選択され;または
9およびR10は,一緒になってヘテロシクロアミノ基を形成し;
12およびR13は,独立して,水素,アルキル,ヒドロキシアルキル,およびアリールからなる群より選択され;またはR12およびR13は,これらが結合している窒素原子と一緒になってヘテロシクロアミノを形成し;
17は,ヒドロキシ,アルキル,シクロアルキル,アリールおよびヘテロアリールからなる群より選択される]
の化合物またはその薬学的に許容しうる塩である。
【0024】
別の態様は,式I,Ia,またはIIの化合物または塩および薬学的に許容しうる担体または賦形剤を含む医薬組成物である。
【0025】
別の態様は,蛋白質キナーゼを式I,Ia,またはIIの化合物または塩と接触させることを含む,蛋白質キナーゼの触媒活性を調節する方法である。この方法のための蛋白質キナーゼは,レセプターチロシンキナーゼ,非レセプターチロシンキナーゼおよびセリン−トレオニンキナーゼでありうる。
【0026】
別の態様は,式I,Ia,またはIIの化合物または塩および薬学的に許容しうる担体または賦形剤を含む治療上有効量の医薬組成物を生物に投与することを含む,生物において蛋白質キナーゼ関連疾患を治療または予防する方法である。この方法のための蛋白質キナーゼは,レセプターチロシンキナーゼ,非レセプターチロシンキナーゼおよびセリン−トレオニンキナーゼでありうる。蛋白質キナーゼ関連疾患は,EGFR関連疾患,PDGFR関連疾患,IGFR関連疾患およびflk関連疾患でありうる。蛋白質キナーゼ疾患はまた,扁平上皮癌,星状細胞腫,カポジ肉腫,神経膠芽細胞腫,肺癌,膀胱癌,頭頚部癌,黒色腫,卵巣癌,前立腺癌,乳癌,小細胞肺癌,神経膠腫,結腸直腸癌,尿生殖器癌および胃腸癌でありうる。さらに,蛋白質キナーゼ疾患はまた,糖尿病,自己免疫疾患,過増殖性疾患,再狭窄,繊維症,乾癬,フォン・ヒッペル・リンダウ症候群,変形性関節症,慢性関節リウマチ,新脈管形成,炎症性疾患,免疫学的疾患および心臓血管疾患でありうる。これらの方法は,ヒトを治療するために用いることができる。
【0027】
別の態様においては,本発明は,式(I)の化合物を製造する方法に関する。
【0028】
さらに,本発明はまた,蛋白質キナーゼを発現する細胞を本発明の化合物または塩と接触させ,次に影響について細胞をモニターすることにより,蛋白質キナーゼの触媒活性を調節する化学化合物を同定することに関する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
定義
特に記載しない限り,明細書および特許請求の範囲において用いられる以下の用語は,以下に議論される意味を有する。
【0030】
"アルキル"とは,直鎖または分枝鎖の1−20個の炭素原子を含む飽和脂肪族炭化水素ラジカルを表す(本明細書において数値範囲,例えば"1−20"と記載される場合,これはその基(この場合はアルキル基)が,1個の炭素原子,2個の炭素原子,3個の炭素原子,以下同様に,20個までの炭素原子を含んでいてもよいことを意味する)。より好ましくは,アルキル基は,1−10個の炭素原子を有する中程度のサイズのアルキル,例えば,メチル,エチル,プロピル,2−プロピル,n−ブチル,イソブチル,tert−ブチル,ペンチル等である。最も好ましくは,これは1−4個の炭素原子を有する低級アルキル,例えば,メチル,エチル,プロピル,2−プロピル,n−ブチル,イソブチル,またはtert−ブチル等である。アルキルは置換されていてもされていなくてもよい。置換されている場合,置換基は,好ましくは,ハロ,ヒドロキシ,低級アルコキシ,アリール,アリールオキシ,ヘテロアリール,ヘテロ脂環式,C(O)R8,NR910,およびC(O)NR910である。
【0031】
"シクロアルキル"とは,3−8員の全炭素単環,全炭素5員/6員または6員/6員の縮合二環または多環縮合環("縮合"環系とは,系の各環が系の他の環と隣接する1対の炭素原子を互いに共有することを意味する)基を表し,ここで,1またはそれ以上の環は1またはそれ以上の二重結合を含んでいてもよいが,いずれの環も完全に共役したパイ電子系を有しない。シクロアルキル基の例は,限定されないが,シクロプロパン,シクロブタン,シクロペンタン,シクロペンテン,シクロヘキサン,シクロヘキサジエン,アダマンタン,シクロヘプタン,シクロヘプタトリエン等である。シクロアルキル基は置換されていてもされていなくてもよい。置換されている場合,置換基は,好ましくは,低級アルキル,トリハロアルキル,ハロ,ヒドロキシ,低級アルコキシ,アリール(互いに独立して,ハロ,ヒドロキシ,低級アルキルまたは低級アルコキシ基の1またはそれ以上,好ましくは1または2個の基で任意に置換されている),アリールオキシ(互いに独立して,ハロ,ヒドロキシ,低級アルキルまたは低級アルコキシ基の1またはそれ以上,好ましくは1または2個の基で任意に置換されている),環中に1−3個の窒素原子を有し,環中の炭素が互いに独立して,ハロ,ヒドロキシ,低級アルキルまたは低級アルコキシ基の1またはそれ以上,好ましくは1または2個の基で任意に置換されている6員のヘテロアリール,窒素,酸素およびイオウからなる群より選択される1−3個の複素原子を有し,基の炭素および窒素原子が互いに独立して,ハロ,ヒドロキシ,低級アルキルまたは低級アルコキシ基の1またはそれ以上,好ましくは1または2個の基で任意に置換されている5員のヘテロアリール,窒素,酸素およびイオウからなる群より選択される1−3個の複素原子を有し,基の炭素および窒素(存在する場合には)原子が互いに独立して,ハロ,ヒドロキシ,低級アルキルまたは低級アルコキシ基の1またはそれ以上,好ましくは1または2個の基で任意に置換されている5員または6員のヘテロ脂環式基,メルカプト,(低級アルキル)チオ,アリールチオ(互いに独立して,ハロ,ヒドロキシ,低級アルキルまたは低級アルコキシ基の1またはそれ以上,好ましくは1または2個の基で任意に置換されている),シアノ,アシル,チオアシル,O−カルバミル,N−カルバミル,O−チオカルバミル,N−チオカルバミル,C−アミド,N−アミド,ニトロ,N−スルホンアミド,S−スルホンアミド,R9S(O)−,R9S(O)2−,−C(O)OR9,R9C(O)O−,および−NR910(上で定義したとおりである)からなる群より独立して選択される1またはそれ以上の,より好ましくは1または2個の置換基である。
【0032】
"アルケニル"基とは,少なくとも2つの炭素原子および少なくとも1つの炭素−炭素二重結合から構成される,本明細書において定義されるアルキル基を表す。代表的例には,限定されないが,エテニル,1−プロペニル,2−プロペニル,1−,2−,または3−ブテニル等が含まれる。
【0033】
"アルキニル"基とは,少なくとも2つの炭素原子および少なくとも1つの炭素−炭素三重結合から構成される,本明細書において定義されるアルキル基を表す。代表的例には,限定されないが,エチニル,1−プロピニル,2−プロピニル,1−,2−,または3−ブチニル等が含まれる。
【0034】
"アリール"とは,完全に共役したパイ電子系を有する,1−12個の炭素原子を有する,全炭素単環または縮合多環(すなわち,隣接する炭素原子対を共有する環)基を表す。アリール基の例としては,限定されないが,フェニル,ナフタレニルおよびアントラセニルが挙げられる。アリール基は置換されていてもされていなくてもよい。置換されている場合には,置換基は,好ましくは,低級アルキル,トリハロアルキル,ハロ,ヒドロキシ,低級アルコキシ,メルカプト,(低級アルキル)チオ,シアノ,アシル,チオアシル,O−カルバミル,N−カルバミル,O−チオカルバミル,N−チオカルバミル,C−アミド,N−アミド,ニトロ,N−スルホンアミド,S−スルホンアミド,R9S(O)−,R9S(O)2−,−C(O)OR9,R9C(O)O−,および−NR910(R9およびR10は上で定義したとおりである)からなる群より独立して選択される1またはそれ以上の,より好ましくは1,2または3個,さらにより好ましくは1または2個の基である。好ましくは,アリール基は,ハロ,低級アルキル,トリハロアルキル,ヒドロキシ,メルカプト,シアノ,N−アミド,モノまたはジアルキルアミノ,カルボキシ,またはN−スルホンアミドから独立して選択される1または2個の置換基で任意に置換されている。
【0035】
"ヘテロアリール"とは,N,O,またはSから選択される1,2,3または4個の環複素原子を含み,残りの環原子がCであり,かつ,完全に共役したパイ電子系を有する,5−12個の環原子の単環式または縮合環(すなわち,隣接する1対の原子を共有する複数の環)を表す。未置換ヘテロアリール基の例には,限定されないが,ピロール,フラン,チオフェン,イミダゾール,オキサゾール,チアゾール,ピラゾール,ピリジン,ピリミジン,キノリン,イソキノリン,プリン,テトラゾール,トリアジンおよびカルバゾールが含まれる。ヘテロアリール基は,置換されていてもされていなくてもよい。置換されている場合,置換基は,好ましくは,低級アルキル,トリハロアルキル,ハロ,ヒドロキシ,低級アルコキシ,メルカプト,(低級アルキル)チオ,シアノ,アシル,チオアシル,O−カルバミル,N−カルバミル,O−チオカルバミル,N−チオカルバミル,C−アミド,N−アミド,ニトロ,N−スルホンアミド,S−スルホンアミド,R9S(O)−,R9S(O)2−,−C(O)OR9,R9C(O)O−,および−NR910(R9およびR10は上で定義したとおりである)からなる群より独立して選択される1またはそれ以上の,より好ましくは1,2または3個の,さらにより好ましくは1または2個の基である。好ましくは,ヘテロアリール基は,ハロ,低級アルキル,トリハロアルキル,ヒドロキシ,メルカプト,シアノ,N−アミド,モノまたはジアルキルアミノ,カルボキシ,またはN−スルホンアミドから独立して選択される1または2個の置換基で任意に置換されている。
【0036】
"ヘテロ脂環式"とは,5−9個の環原子を有し,1または2個の環原子がN,O,またはS(O)n(nは0−2の整数)から選択される複素原子であり,残りの環原子がCである,単環または縮合環基を表す。環はさらに1またはそれ以上の二重結合を有していてもよい。しかし,環は完全に共役したパイ電子系を有しない。未置換ヘテロ脂環式基の例には,限定されないが,ピロリジノ,ピペリジノ,ピペラジノ,モルホリノ,チオモルホリノ,ホモピペラジノ等が含まれる。ヘテロ脂環式環は,置換されていてもされていなくてもよい。置換されている場合,置換基は,好ましくは,低級アルキル,トリハロアルキル,ハロ,ヒドロキシ,低級アルコキシ,メルカプト,(低級アルキル)チオ,シアノ,アシル,チオアシル,O−カルバミル,N−カルバミル,O−チオカルバミル,N−チオカルバミル,C−アミド,N−アミド,ニトロ,N−スルホンアミド,S−スルホンアミド,R9S(O)−,R9S(O)2−,−C(O)OR9,R9C(O)O−,および−NR910(R9およびR10は上で定義したとおりである)からなる群より独立して選択される1またはそれ以上の,より好ましくは1,2または3個,さらにより好ましくは1または2個の基である。好ましくは,ヘテロ脂環式基は,ハロ,低級アルキル,トリハロアルキル,ヒドロキシ,メルカプト,シアノ,N−アミド,モノまたはジアルキルアミノ,カルボキシ,またはN−スルホンアミドから独立して選択される1または2個の置換基で任意に置換されている。
【0037】
"複素環"とは,3−8個の環原子を有する飽和環状ラジカルを意味し,ここで,1または2個の環原子はN,O,またはS(O)n(nは0−2の整数である)から選択される複素原子であり,残りの環原子はCであり,ここで,1または2個のC原子は任意にカルボニル基で置き換えられていてもよい。複素環は,独立して,カルボキシまたはエステルから独立して選択される1または2個の置換基で任意に置換されている低級アルキル,ハロアルキル,シアノアルキル,ハロ,ニトロ,シアノ,ヒドロキシ,アルコキシ,アミノ,モノアルキルアミノ,ジアルキルアミノ,アラルキル,ヘテロアラルキル,−COR(Rはアルキルである)から選択される1,2または3個の置換基で任意に置換されていてもよい。より詳細には,複素環との用語には,限定されないが,テトラヒドロピラニル,2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン,ピペリジノ,N−メチルピペリジン−3−イル,ピペラジノ,N−メチルピロリジン−3−イル,ピロリジノ,モルホリノ,チオモルホリノ,チオモルホリノ−1−オキシド,チオモルホリノ−1,1−ジオキシド,4−エチルオキシカルボニルピペラジノ,3−オキソピペラジノ,2−イミダゾリドン,2−ピロリジノン,2−オキソホモピペラジノ,テトラヒドロピリミジン−2−オン,およびその誘導体が含まれる。好ましくは,複素環基は,ハロ,低級アルキル,およびカルボキシ,エステルヒドロキシ,モノまたはジアルキルアミノで置換されている低級アルキルから独立して選択される1または2個の置換基で任意に置換されていてもよい。
【0038】
"ヘテロシクロアミノ"とは,3−8個の環原子を有し,環原子の少なくとも1つが窒素であり,さらに任意に1または2個の環原子がN,O,またはS(O)n(nは0−2の整数である)からなる群より選択される複素原子であり,残りの環原子が炭素である飽和環状ラジカルを意味し,ここで,1または2個のC原子は,任意にカルボニル基により置き換えられていてもよい。ヘテロシクロアミノ環は,カルボキシまたはエステル基から独立して選択される1または2個の置換基で任意に置換されていてもよい低級アルキル,ハロアルキル,シアノアルキル,ハロ,ニトロ,シアノ,ヒドロキシ,アルコキシ,アミノ,モノアルキルアミノ,ジアルキルアミノ,アラルキル,ヘテロアラルキル,および−COR(Rはアルキルである)からなる群より選択される1,2,または3個の置換基で任意に置換されていてもよい。より詳細には,ヘテロシクロアミノとの用語には,限定されないが,ピペリジン−1−イル,ピペラジン−1−イル,ピロリジン−1−イル,モルホリン−4−イル,チオモルホリン−4−イル,チオモルホリノ−1−オキシド,チオモルホリノ−1,1−ジオキシド,4−エチルオキシカルボニルピペラジン−1−イル,3−オキソピペラジン−1−イル,2−イミダゾリドン−1−イル,2−ピロリジノン−1−イル,2−オキソホモピペラジノ,テトラヒドロピリミジン−2−オン,およびその誘導体が含まれる。好ましくは,複素環基は,独立して,ハロ,低級アルキル,カルボキシまたはエステルで置換されている低級アルキル,ヒドロキシ,またはモノまたはジアルキルアミノから選択される1または2個の置換基で任意に置換されていてもよい。ヘテロシクロアミノ基は上で定義した複素環の部分集合である。
【0039】
"ヒドロキシ"とは−OH基を表す。
【0040】
"アルコキシ"とは,−O−(アルキル)および−O−(未置換シクロアルキル)基の両方を表す。代表例には,限定されないが,例えば,メトキシ,エトキシ,プロポキシ,ブトキシ,シクロプロピルオキシ,シクロブチルオキシ,シクロペンチルオキシ,シクロヘキシルオキシ等が含まれる。
【0041】
"ハロアルコキシ"とは,−O−(ハロアルキル)基を表す。代表例には,限定されないが,トリフルオロメトキシ,トリブロモメトキシ等が含まれる。
【0042】
"アリールオキシ"とは,本明細書において定義される−O−アリールおよび−O−ヘテロアリール基の両方を表す。代表的例には,限定されないが,フェノキシ,ピリジニルオキシ,フラニルオキシ,チエニルオキシ,ピリミジニルオキシ,ピラジニルオキシ等,およびその誘導体が含まれる。
【0043】
"メルカプト"とは,−SH基を表す。
【0044】
"アルキルチオ"とは,−S−(アルキル)および−S−(未置換シクロアルキル)基の両方を表す。代表的例には,限定されないが,例えば,メチルチオ,エチルチオ,プロピルチオ,ブチルチオ,シクロプロピルチオ,シクロブチルチオ,シクロペンチルチオ,シクロヘキシルチオ等が含まれる。
【0045】
"アリールチオ"とは,本明細書において定義される−S−アリールおよび−S−ヘテロアリール基の両方を表す。代表的例には,限定されないが,フェニルチオ,ピリジニルチオ,フラニルチオ,チエニルチオ,ピリミジニルチオ等,およびその誘導体が含まれる。
【0046】
"アシル"とは,−C(O)−R"基を表し,ここで,R"は,水素;低級アルキル;トリハロメチル;未置換シクロアルキル;低級アルキル,トリハロメチル,低級アルコキシ,ハロおよび−NR910基からなる群より選択される1またはそれ以上の,好ましくは1,2または3個の置換基で任意に置換されていてもよいアリール;低級アルキル,トリハロアルキル,アルコキシ,ハロおよび−NR910基からなる群より選択される1またはそれ以上の,好ましくは1,2または3個の置換基で任意に置換されていてもよいヘテロアリール(環炭素を介して結合);および低級アルキル,トリハロアルキル,低級アルコキシ,ハロおよび−NR910基からなる群より選択される1またはそれ以上の,好ましくは1,2または3個の置換基で任意に置換されていてもよいヘテロ脂環式(環炭素を介して結合)からなる群より選択される。代表的なアシル基には,限定されないが,アセチル,トリフルオロアセチル,ベンゾイル等が含まれる。
【0047】
"アルデヒド"とは,R"が水素であるアシル基を表す。
【0048】
"チオアシル"とは,−C(S)−R"基を表し,R"は本明細書において定義されるとおりである。
【0049】
"エステル"とは,−C(O)O−R"基を表し,R"は本明細書において定義されるとおりであるが,ただし,R"は水素ではありえない。
【0050】
"アセチル"基とは−C(O)CH3基を表す。
【0051】
"ハロ"基は,フッ素,塩素,臭素またはヨウ素を表し,好ましくはフッ素または塩素を表す。
【0052】
"トリハロメチル"基とは,−CX3基を表し,ここで,Xは,本明細書において定義されるハロ基である。
【0053】
"トリハロメタンスルホニル"基とは,X3CS(=O)2−基を表し,ここでXは上で定義したとおりである。
【0054】
"シアノ"基とは−C≡N基を表す。
【0055】
"S−スルホンアミド"とは,−S(O)2NR910基を表し,R9およびR10は本明細書において定義されるとおりである。
【0056】
"N−スルホンアミド"とは,−NR9S(O)210基を表し,R9およびR10は本明細書において定義されるとおりである。
【0057】
"O−カルバミル"基とは,−OC(O)NR1213基を表し,R12およびR13は本明細書において定義されるとおりである。
【0058】
"N−カルバミル"とは,R9OC(O)NR10−基を表し,R9およびR10は本明細書において定義されるとおりである。
【0059】
"O−チオカルバミル"とは,−OC(S)NR1213基を表し,R12およびR13は本明細書において定義されるとおりである。
【0060】
"N−チオカルバミル"とは,R9OC(S)NR10−基を表し,R9およびR10は本明細書において定義されるとおりである。
【0061】
"アミノ"とは,R9およびR10が両方とも水素である−NR910を表す。
【0062】
"C−アミド"とは,−C(O)NR910基を表し,R9およびR10は本明細書において定義されるとおりである。
【0063】
"N−アミド"とは,R9C(O)NR10−基を表し,R9およびR10は本明細書において定義されるとおりである。
【0064】
"ニトロ"とは,−NO2基を表す。
【0065】
"ハロアルキル"とは,1またはそれ以上の同じまたは異なるハロ原子で置換された上述したアルキル,好ましくは低級アルキルを意味し,例えば,−CH2Cl,−CF3,−CH2CF3,−CH2CCl3等である。
【0066】
"ヒドロキシアルキル"とは,1,2,または3個のヒドロキシ基で置換された上で定義したアルキル,好ましくは低級アルキルを意味し,例えば,ヒドロキシメチル,1または2−ヒドロキシエチル,1,2−,1,3−,または2,3−ジヒドロキシプロピル等である。
【0067】
"アラルキル"とは,上で定義したアリール基で置換されている,上で定義したアルキル,好ましくは低級アルキルを意味し,例えば,−CH2フェニル,−(CH22フェニル,−(CH23フェニル,CH3CH(CH3)CH2フェニル等,およびその誘導体である。
【0068】
"ヘテロアラルキル"基とは,ヘテロアリール基で置換されている,上で定義したアルキル,好ましくは低級アルキルを意味し,例えば,−CH2ピリジニル,−(CH22ピリミジニル,−(CH23イミダゾリル等,およびその誘導体である。
【0069】
"モノアルキルアミノ"とは,ラジカル−NHR(Rは上で定義したアルキルまたは未置換シクロアルキル基である)を意味し,例えば,メチルアミノ,(1−メチルエチル)アミノ,シクロヘキシルアミノ等である。
【0070】
"ジアルキルアミノ"とは,ラジカル−NRR(各Rは,独立して,上で定義したアルキルまたは未置換シクロアルキル基である)を意味し,例えば,ジメチルアミノ,ジエチルアミノ,(1−メチルエチル)−エチルアミノ,シクロヘキシルメチルアミノ,シクロペンチルメチルアミノ等である。
【0071】
"任意"または"任意に"とは,その後に記載される事象または状況が生じてもよいが生じる必要はないこと,およびその記述がその事象または状況が生ずる場合と生じない場合とを含むことを意味する。例えば,"アルキル基で任意に置換されている複素環基"とは,アルキルが存在してもよいが存在する必要はないこと,およびその記述が複素環基がアルキル基で置換されている状況と複素環基がアルキル基で置換されていない状況とを含むことを意味する。
【0072】
"2−インドリノン","インドリン−2−オン"および"2−オキシインドール"との用語は,化学構造:
【化7】
Figure 2004522776
を有する分子を表すために本明細書において互換的に用いられる。
【0073】
"ピロール"との用語は,化学構造:
【化8】
Figure 2004522776
を有する分子を表す。
【0074】
同じ分子式を有するが,その原子の結合の種類または順序またはその原子の空間の配置が異なる化合物は,"異性体"と称される。その原子の空間の配置が異なる異性体は,"立体異性体"と称される。互いに鏡像ではない立体異性体は,"ジアステレオマー"と称され,互いに重ね合わせられない鏡像であるものは"エナンチオマー"と称される。化合物が不斉中心を有する場合,例えば,これが4つの異なる基と結合している場合,1対のエナンチオマーが可能である。エナンチオマーは,その不斉中心の絶対コンフィギュレーションにより特徴づけることができ,CahnおよびPrelogのR−およびS−の順序規則により,または分子が偏光平面のまわりに回転して,右旋性または左旋性として(すなわち,それぞれ(+)または(−)−異性体として)示されることにより記述される。キラル化合物は個々のエナンチオマーとして,またはそれらの混合物として存在しうる。同じ割合のエナンチオマーを含む混合物は"ラセミ混合物"と称される。
【0075】
本発明の化合物は,1またはそれ以上の不斉中心を有するかもしれない。したがって,そのような化合物は,個々の(R)−または(S)−立体異性体として,またはそれらの混合物として製造することができる。例えば,式(I)の化合物において,−CONHCHR3−CR4(OH)CR5Z中の,ヒドロキシ基を有する炭素原子は不斉中心であり,したがって,式(I)の化合物は(R)−または(S)−立体異性体として存在しうる。特に記載しない限り,本明細書および特許請求の範囲における特定の化合物の記述または命名は,個々のエナンチオマーおよびその混合物(ラセミまたはそれ以外)の両方を含むことが意図される。立体異性体の立体化学の決定および分離の方法は当該技術分野においてよく知られている("Advanced Organic Chemistry",4th edition J.March,John Wiley and Sons,New York,1992の第4節の考察を参照)。
【0076】
式(I)の化合物は,互変異性および構造的異性の現象を示すかもしれない。例えば,本明細書に記載される化合物は,2−インドリノン成分をピロール成分につなぐ二重結合のまわりにEまたはZコンフィギュレーションをとることができるか,またはEおよびZの混合物でありうる。本発明は,RTK,CTKおよび/またはSTK活性を調節する能力を有するすべての互変異性および構造的異性型およびそれらの混合物を包含し,特定の1つの互変異性および構造的異性型に限定されない。
【0077】
"医薬組成物"とは,本明細書に記載される1またはそれ以上の化合物またはその生理学的に/薬学的に許容しうる塩またはプロドラッグと,他の化学成分,例えば,生理学的に/薬学的に許容しうる担体および賦形剤との混合物を表す。医薬組成物の目的は,化合物の生物への投与を容易にすることである。
【0078】
式(I)の化合物はまたプロドラッグとしても作用することができる。"プロドラッグ"とは,インビボで親薬剤に変換される薬剤を表す。プロドラッグは,場合により,親薬剤より投与が容易であるかもしれないため,しばしば有用である。例えば,プロドラッグは経口投与により生物学的に利用可能であるが,親薬剤はそうではない。プロドラッグはまた,親薬剤よりも医薬組成物中で改良された溶解性を有するかもしれない。プロドラッグの例は,限定されないが,エステル("プロドラッグ")として投与されて,水溶性であることが移動に不利である細胞膜の通過を容易にし,次に,水溶性であることが有利である細胞内に入った後,代謝的に加水分解されて活性種のカルボン酸となるような,本発明の化合物であろう。
【0079】
プロドラッグのさらに別の例は,短いポリペプチド,例えば,限定されないが,末端アミノ基を介して本発明の化合物のカルボキシ基に結合した2−10アミノ酸のポリペプチドであり,ポリペプチドはインビボで加水分解されるかまたは代謝されて活性分子を放出する。式(I)の化合物のプロドラッグは本発明の範囲内である。
【0080】
さらに,式(I)の化合物が生物,例えばヒトの体内で酵素により代謝されて,代謝産物を生成し,これが蛋白質キナーゼの活性を調節しうることが企図される。そのような代謝産物は本発明の範囲内である。
【0081】
本明細書において用いる場合,"生理学的に/薬学的に許容しうる担体"とは,生物に有意な刺激を引き起こさず,投与された化合物の生物学的活性および特性を排除しない担体または希釈剤を表す。
【0082】
"薬学的に許容しうる賦形剤"とは,医薬組成物に添加して化合物の投与をさらに容易にする不活性物質を表す。賦形剤の例には,限定されないが,炭酸カルシウム,リン酸カルシウム,種々の糖および各種のデンプン,セルロース誘導体,ゼラチン,植物油およびポリエチレングリコールが含まれる。
【0083】
本明細書において用いる場合,"薬学的に許容しうる塩"との用語は,親化合物の生物学的効力および特性を保持している塩を表す。そのような塩には,以下のものが含まれる:(i)親化合物の遊離塩基を,例えば塩酸,臭化水素酸,硝酸,リン酸,硫酸,および過塩素酸等の無機酸と,または酢酸,シュウ酸,(D)または(L)リンゴ酸,マレイン酸,メタンスルホン酸,エタンスルホン酸,p−トルエンスルホン酸,サリチル酸,酒石酸,クエン酸,コハク酸またはマロン酸等の有機酸と,好ましくは,塩酸または(L)−リンゴ酸と反応させることにより得られる酸付加塩;または(2)親化合物中に存在する酸性プロトンが,金属イオン,例えば,アルカリ金属イオン,アルカリ土類金属イオン,またはアルミニウムイオンで置き換えられるか,または有機塩基,例えばエタノールアミン,ジエタノールアミン,トリエタノールアミン,トロメタミン,N−メチルグルカミン等と配位することにより形成される塩。
【0084】
"PK"とは,レセプター蛋白質チロシンキナーゼ(RTK),非レセプターまたは"細胞性"チロシンキナーゼ(CTK)およびセリントレオニンキナーゼ(STK)を表す。
【0085】
"方法"とは,所与の作業を遂行するための様式,手段,技術,および手順を表し,限定されないが,化学,薬理学,生物学,生化学,および医学的技術の従業者には周知の,あるいは既に該従業者によって既知の様式,手段,技術,および手順から容易に開発される様式,手段,技術,および手順を含む。
【0086】
"調節"または"調節する"とは,RTK,CTKおよびSTKの触媒活性が変化することを表す。特に,調節するとはRTK,CTKおよびSTKの触媒活性が活性化されることを表し,好ましくは,RTK,CTKまたはSTKが暴露される化合物または塩の濃度に依存してRTK,CTKおよびSTKの触媒活性が活性化または阻害され,またはより好ましくは,RTK,CTKおよびSTKの触媒活性が阻害されることを表す。
【0087】
"触媒活性"とは,RTKおよび/またはCTKの直接的または間接的な影響下におけるチロシンのリン酸化の速度,またはSTKの直接的または間接的な影響下におけるセリンおよびトレオニンのリン酸化の速度を表す。
【0088】
"接触させる"とは,本発明の化合物と標的PKとを,当該化合物がPKの触媒活性を直接に,すなわちキナーゼ自体と相互作用することによるか,または間接に,すなわち当該キナーゼの触媒活性が依存している別の分子と相互作用することにより,影響することが可能な様式で一緒に合わせることを表す。このような"接触させる"ことは,インビトロで,すなわち試験管,ペトリ皿等において行うことができる。試験管内では,接触させることは,化合物と目的とするPKのみが関与してもよく,あるいは全細胞が関与してもよい。細胞は培養皿中で維持または成長させ,その環境において化合物と接触させることができる。この文脈においては,特定の化合物がPK関連疾患に影響を及ぼす能力,すなわち当該化合物のIC50(以下に定義される)を,より複雑な生体を用いてのインビボでの使用を試みる前に測定することが可能である。生体の外の細胞については,PKを当該化合物と接触させるための多様な方法が存在し,かつ当業者には周知であり,例えば,限定されないが,直接の細胞マイクロインジェクションおよび多数の貫膜担体技術を含む。
【0089】
"インビトロ"とは,人工的環境,例えば,限定されないが,試験管または培養培地中で行われる手順を表す。
【0090】
"インビボ"とは,生きている生物,例えば,限定されないが,マウス,ラットまたはウサギの中で行われる手順を表す。
【0091】
"PK関連疾患","PK推進性疾患",および"異常なPK活性"とは,すべて不適切な,すなわち不完全な,あるいはより一般的には過剰な,PK触媒活性によって特徴づけられる状態を表し,ここで特定のPKはRTK,CTK,またはSTKでありうる。不適切な触媒活性は;(1)正常にはPKを発現しない細胞におけるPKの発現,(2)望ましくない細胞増殖,分化および/または成長に導くPK発現の増加,または(3)細胞増殖,分化および/または成長の望ましくない減少に導くPK発現の減少,のいずれかの結果として生じることができる。PKの過剰な活性は,細胞増殖,分化および/または成長と相関しうる,特定のPKをコードしている遺伝子の増幅またはあるレベルのPK活性の産生を表す(すなわち,PKのレベルが増加すると,細胞性障害による1またはそれ以上の症状の激しさが増す)。低い活性は,もちろんその逆であり,PK活性のレベルが低下すると,細胞性障害による1またはそれ以上の症状の激しさが増加する。
【0092】
"治療する","治療すること"または"治療"とは,PK媒介性細胞疾患および/またはその付随する症状を軽減または排除することを表す。特に癌に関しては,これらの用語は単に,癌に罹患した個体の予測生存率が増加するか,または疾病の1またはそれ以上の症状が軽減することを意味する。
【0093】
"生物"との用語は少なくとも1つの細胞からなる任意の生きているものを表す。生物は,1つの真核生物細胞程度の単純なものであってもよく,ヒトを含む哺乳動物等の複雑なものであってもよい。
【0094】
"治療上有効量"とは,治療される疾患の1またはそれ以上の症状をある程度緩和するであろう,投与される化合物の量を表す。癌の治療に関しては,治療上有効量は,(1)腫瘍の大きさを減少させる,(2)腫瘍の転移を阻害する(すなわち速度をある程度減じる,好ましくは停止する),(3)腫瘍の成長をある程度阻害する(すなわち速度をある程度減じる,好ましくは停止する),および/または(4)癌に関連した1またはそれ以上の症状をある程度緩和する(または,好ましくは除去する)という効果を有する量を表す。
【0095】
"モニターする"とは,化合物を特定のPKを発現する細胞と接触させる影響を観察または検出することを意味する。観察されるまたは検出される影響は,細胞表現型の変化,PKの触媒活性,またはPKと天然の結合パートナーとの相互作用の変化でありうる。そのような影響を観察または検出する手法は当該技術分野においてよく知られている。
【0096】
本発明の最後の観点において,上述の影響は,細胞表現型の変化または無変化,前記蛋白質キナーゼの触媒活性の変化または無変化,または前記蛋白質キナーゼと天然の結合パートナーとの相互作用の変化または無変化から選択される。
【0097】
"細胞表現型"との用語は,細胞もしくは組織の外観または細胞もしくは組織の機能を表す。細胞表現型の例は,細胞サイズ,細胞増殖,細胞分化,細胞生存,アポトーシス,および栄養の取り込みおよび利用である。そのような細胞表現型の特徴は,当該技術分野においてよく知られる手法により容易に測定することができる。
【0098】
"天然の結合パートナー"とは,細胞内で特定のPKに結合するポリペプチドを表す。天然の結合パートナーは,PK媒介性シグナル伝達プロセスにおいてシグナルを伝播する役割を果たすことができる。天然の結合パートナーとPKとの相互作用の変化は,PK/天然の結合パートナー複合体の濃度の増加または減少として,およびその結果,PKがシグナル伝達を媒介する能力の観察可能な変化として現れることができる。
【0099】
本発明の代表的化合物は以下の表1aに示される。
表1a
【表17】
Figure 2004522776
【0100】
【表18】
Figure 2004522776
【0101】
【表19】
Figure 2004522776
【0102】
【表20】
Figure 2004522776
【0103】
【表21】
Figure 2004522776
【0104】
【表22】
Figure 2004522776
【0105】
【表23】
Figure 2004522776
【0106】
【表24】
Figure 2004522776
【0107】
本発明の別の代表的化合物は以下の表1bに示される。
表1b
【表25】
Figure 2004522776
【0108】
【表26】
Figure 2004522776
【0109】
【表27】
Figure 2004522776
【0110】
【表28】
Figure 2004522776
【0111】
【表29】
Figure 2004522776
【0112】
【表30】
Figure 2004522776
【0113】
【表31】
Figure 2004522776
【0114】
本発明の別の代表的化合物は以下の表1cに示される。
表1c
【表32】
Figure 2004522776
【0115】
表1a−1cに示される化合物は例示のためのみのものであり,いかなる意味においても本発明の範囲を限定すると解釈してはならない。
【0116】
好ましい態様
発明の概要においては最も広い定義を記載したが,以下に記載されるある種の式(I)の化合物が好ましい。
【0117】
1.式(I)の化合物の好ましい群は以下のとおりである:
6は,水素およびアルキル,好ましくは水素,メチル,エチル,イソプロピル,tert−ブチル,イソブチル,またはn−ブチルからなる群より選択され,より好ましくは水素またはメチルであり;および
7は,水素,アルキル,アリール,ヘテロアリール,および−C(O)R17からなる群より選択され,ここでR17は,ヒドロキシ,アルキル,シクロアルキル,アリール,またはヘテロアリールであり,より好ましくは,R7は,水素,メチル,エチル,イソプロピル,n−ブチル,イソブチルまたはtert−ブチル,フェニル,ベンゾイル,アセチルまたはカルボキシであり,さらにより好ましくは,メチル,水素またはフェニルである。
【0118】
2.式(I)の化合物の別の好ましい群は以下のとおりである:
6は,水素およびアルキル,好ましくは水素,メチル,エチル,イソプロピル,tert−ブチル,イソブチル,またはn−ブチルからなる群より選択され,より好ましくは水素またはメチルであり,最も好ましくはメチルであり;
7は,水素,アルキル,アリール,ヘテロアリール,および−C(O)R17からなる群より選択され,ここでR17は,ヒドロキシ,アルキルまたはアリールであり,およびR7は,より好ましくは水素,メチル,エチル,イソプロピル,n−ブチル,イソブチルまたはtert−ブチル,フェニル,ベンゾイル,アセチルまたはカルボキシであり,さらに好ましくは,メチル,水素またはフェニルであり;および
3,R4,およびR5は水素であり;および
Zはアリールである。
【0119】
3.式(I)の化合物の別の好ましい群は以下のとおりである:
6は,水素およびアルキル,好ましくは水素,メチル,エチル,イソプロピル,tert−ブチル,イソブチル,またはn−ブチルからなる群より選択され,より好ましくは水素またはメチルであり,最も好ましくはメチルであり;
7は,水素,アルキル,アリール,ヘテロアリール,および−C(O)R17からなる群より選択され,ここで,R17は,ヒドロキシ,アルキルまたはアリールであり,およびR7は,より好ましくは,水素,メチル,エチル,イソプロピル,n−ブチル,イソブチルまたはtert−ブチル,フェニル,ベンゾイル,アセチルまたはカルボキシであり,さらに好ましくはメチル,水素またはフェニルであり,最も好ましくはメチルであり;および
3,R4,およびR5は水素であり;および
Zはヘテロアリールであり,好ましくはトリアジニル,テトラゾリル,イミダゾリル,ピリジニル,ピリミジニルまたはピラジニルである。
【0120】
4.式(I)の化合物の別の好ましい群は以下のとおりである:
6は,水素およびアルキル,好ましくは水素,メチル,エチル,イソプロピル,tert−ブチル,イソブチル,またはn−ブチルからなる群より選択され,より好ましくは水素またはメチルであり,最も好ましくはメチルであり;
7は,水素,アルキル,アリール,ヘテロアリール,および−C(O)R17からなる群より選択され,ここで,R17は,ヒドロキシ,アルキルまたはアリールであり,およびR7は,より好ましくは,水素,メチル,エチル,イソプロピル,n−ブチル,イソブチルまたはtert−ブチル,フェニル,ベンゾイル,アセチルまたはカルボキシであり,さらに好ましくはメチル,水素またはフェニルであり;および
3,R4,およびR5は水素であり;および
Zは複素環である。
【0121】
5.式(I)の化合物の別の好ましい群は以下のとおりである:
6は,水素およびアルキル,好ましくは水素,メチル,エチル,イソプロピル,tert−ブチル,イソブチル,またはn−ブチルからなる群より選択され,より好ましくは水素またはメチル,最も好ましくはメチルであり;
7は,水素,アルキル,アリール,ヘテロアリール,および−C(O)R17からなる群より選択され,ここで,R17は,ヒドロキシ,アルキルまたはアリールであり,およびR7は,より好ましくは水素,メチル,エチル,イソプロピル,n−ブチル,イソブチルまたはtert−ブチル,フェニル,ベンゾイル,アセチルまたはカルボキシであり,さらに好ましくは,メチル,水素またはフェニルであり,最も好ましくはメチルであり;および
3,R4,およびR5は水素であり;および
Zは−NR1516であり,ここで,R15およびR16は,一緒になってヘテロシクロアミノ,好ましくはピペリジン−1−イル,N−メチルピペリジン−1−イル,ピペラジン−1−イル,N−メチルピロリジン−1−イル,ピロリジン−1−イル,モルホリン−4−イル,チオモルホリン−4−イル,チオモルホリノ−1−オキシド,チオモルホリノ−1,1−ジオキシド,4−エチルオキシカルボニルメチルピペラジン−1−イル,3−オキソピペラジン−1−イル,イミダゾリジン−1−イル−2−オン,ピロリジン−1−イル−2−オン,2−オキソホモピペラジン−1−イル,またはテトラヒドロピリミジン−1−イル−2−オン,より好ましくはモルホリン−4−イルを形成する。
【0122】
6.式(I)の化合物の別の好ましい群は以下のとおりである:
6は,水素およびアルキル,好ましくは水素,メチル,エチル,イソプロピル,tert−ブチル,イソブチル,またはn−ブチルからなる群より選択され,より好ましくは水素またはメチルであり;
7は,水素,アルキル,アリール,ヘテロアリール,および−C(O)R17からなる群より選択され,ここで,R17は,ヒドロキシ,アルキルまたはアリールであり,およびR7は,より好ましくは水素,メチル,エチル,イソプロピル,n−ブチル,イソブチルまたはtert−ブチル,フェニル,ベンゾイル,アセチルまたはカルボキシであり,さらに好ましくはメチル,水素またはフェニルであり;および
3,R4,およびR5は水素であり;および
Zは−NR1516であり,ここで,R15およびR16は,アルキルであり,好ましくはジエチルアミノ,ジメチルアミノ,またはエチルアミノである。
【0123】
7.上述の好ましいおよびより好ましい群(1)−(6)の中で,さらに好ましい化合物の群は以下のとおりである:
1は,水素,アルキル,−C(O)NR1213,未置換シクロアルキルであり,好ましくは水素,3,4−ジメトキシフェニルアミノカルボニル,4−メトキシ−3−クロロフェニル−アミノカルボニルであり,さらに好ましくは水素またはメチルであり,最も好ましくは水素であり;および
2は,水素,シアノ,ハロ,低級アルコキシ,または−S(O)2NR910であり,ここで,R9は水素であり,およびR10は,水素,アリールまたはアルキルであり,これはオキシインドール環の5位に存在し,好ましくはR2は,水素,クロロ,ブロモ,フルオロ,メトキシ,エトキシ,フェニル,ジメチルアミノスルホニル,3−クロロフェニル−アミノスルホニル,カルボキシ,メトキシ,アミノスルホニル,メチルアミノスルホニル,フェニルアミノスルホニル,ピリジン−3−イル−アミノスルホニル,ジメチルアミノスルホニル,イソプロピルアミノ−スルホニルであり,より好ましくは水素,フルオロ,またはブロモである。最も好ましくは,R2はフルオロであり,これはインドリノン環の5位に存在する。
【0124】
上述の好ましい,より好ましい,およびさらに好ましい化合物において,−CONHCH(R3)*CR4(OH)CR5Z鎖中のヒドロキシ基を有する炭素原子における立体化学は*により表され,RS,R,またはSのいずれかであり,より好ましくはSである。
【0125】
用途
その触媒活性が本発明の化合物により調節されるPKには,蛋白質チロシンキナーゼが含まれ,これには2つのタイプがある:レセプターチロシンキナーゼ(RTK)および細胞性チロシンキナーゼ(CTK),およびセリン−トレオニンキナーゼ(STK)である。RTKに媒介されるシグナル伝達は,特定の成長因子(リガンド)との細胞外相互作用により開始され,次にレセプターが二量化し,固有の蛋白質チロシンキナーゼ活性が過渡的に刺激され,リン酸化する。このことにより,内部シグナル伝達分子用の結合部位が形成され,種々の細胞質シグナリング分子との複合体の形成につながり,これは,適切な細胞応答(例えば,細胞分裂,細胞外微小環境に及ぼす代謝的効果等)を促進する。Schlessinger and Ullrich,1992,Neuron 9:303−391を参照。
【0126】
成長因子レセプターのチロシンリン酸化部位がシグナリング分子のSH2(srcホモロジー)ドメインの高親和性結合部位として機能することが示されている(Fantl et al.,1992,Cell 69:413−423,Songyang et al.,1994,Mol.Cell.Biol.14:2777−2785),Songyang et al.,1993,Cell72:767−778,およびKoch et al.,1991,Science 252:668−678)。RTKと会合するいくつかの細胞内基質蛋白質が同定されている。それらは二つの主要なグループに分けられる:(1)触媒ドメインを有する基質,および(2)そのようなドメインを欠くが,アダプターとして働き,触媒活性のある分子と会合する。Songyang et al.1993,Cell 72:767−778。レセプターとその基質のSH2ドメインとの間の相互作用の特異性は,リン酸化されたチロシン残基を直接取囲んでいるアミノ酸残基によって決定される。SH2ドメインと,特定のレセプターのホスホチロシン残基を取り囲んでいるアミノ酸配列との間の結合親和性の差異は,それらの基質リン酸化のプロファイルに見られる差異と一致している。Songyang et al.1993,Cell 72:767−778。これらの知見は,各々のRTKの機能が,その発現パターンならびにリガンド利用可能性によるのみならず,特定のレセプターによって活性化される下流の一連のシグナル伝達経路によっても決定されることを示唆している。したがって,リン酸化は特異的な成長因子レセプター,ならびに分化因子レセプターによってリクルートされる,シグナリング経路の選択性を決定する重要な段階を提供する。
【0127】
STKは,本来細胞質ゾル性であり,しばしばPTK事象についての下流方向の応答として,細胞内部の生化学に影響を及ぼす。STKは,細胞増殖に導くDNA合成とそれに続く細胞分裂とを開始する,シグナリング過程に関与することが示唆されている。
【0128】
したがって,PKシグナル伝達は,種々の応答の中で特に,細胞増殖,分化,成長,および代謝をもたらす。異常な細胞増殖は,癌腫,肉腫,神経膠芽細胞腫,および血管腫等の新生物,白血病,乾癬,動脈硬化症,関節炎,および糖尿病性網膜炎,および制御されない新脈管形成および/または脈管形成に関連する他の疾患を含む,広い範囲の疾患および疾病という結果をもたらしうる。
【0129】
本発明の化合物がPKを阻害するメカニズムについての正確な理解は,本発明の実施のためには必要ではない。しかしながら,本発明においてはいかなる特定のメカニズムまたは理論にも束縛されるものではないが,化合物はPKの触媒領域のアミノ酸と相互作用すると考えられている。PKは典型的には2葉構造を有しており,ATPは,PKの中でアミノ酸が保存されている領域内の,2つの葉の間の裂け目に結合するように見える。PKの阻害剤は,前記のATPがPKに結合するのと同じ普遍領域において,水素結合,ファン−デル−ワールス力,およびイオン相互作用等の非共有結合によって結合すると考えられる。さらに具体的には,本発明の化合物の2−インドリノン成分が,通常はATPのアデニン環によって占められる普遍区域に結合すると考えられている。このように,ある特定の分子の特定のPKに対する特異性は,2−インドリノンコア上の種々の置換基と,特定のPKに特異的なアミノ酸ドメインとの間の,付加的な相互作用の結果として生じるのであろう。すなわち,異なるインドリノン置換基が,特定のPKに対する優先的な結合に寄与するかもしれない。異なるATP(または他のヌクレオチド)結合部位において活性のある化合物を選択する能力は,本発明の化合物を,そのような部位を有する任意の蛋白質を標的とするのに有用なものにする。したがって本明細書において開示される化合物は,かかる蛋白質についてのインビトロでのアッセイ用としての有用性を有すると同時に,かかる蛋白質との相互作用を通じてインビボでの治療効果を示すものでありうる。
【0130】
さらに,本発明の化合物は,多くの種類の固形腫瘍,例えば,限定されないが,癌腫,肉腫,例えばカポジ肉腫,赤芽球腫,神経膠芽細胞腫,髄膜腫,星状細胞腫,黒色腫および筋原細胞腫の治療に対する治療方法を提供する。非固形腫瘍癌,例えば白血病の治療又は予防もまた本発明により企図される。適応症には,限定されないが,脳癌,膀胱癌,卵巣癌,胃癌,膵臓癌,結腸癌,血液癌,肺癌および骨癌が含まれる。
【0131】
本明細書に記載される化合物がその予防,治療および研究に有用であろう,不適切なPK活性に関連する疾患のタイプのさらなる例には,限定されないが,細胞増殖性疾患,繊維性疾患および代謝性疾患が含まれる。
【0132】
本発明により予防,治療またはさらに研究することができる細胞増殖性疾患には,癌,血管増殖性疾患およびメサンギウム細胞増殖性疾患が含まれる。
【0133】
血管増殖性疾患とは,異常な脈管形成(血管の形成)および新脈管形成(血管の拡散)に関連する疾患を表す。脈管形成および新脈管形成は胚発生,黄体形成,創傷治癒,および臓器再生等の種々の正常な生理学的過程において重要な役割を果たすが,それらはまた腫瘍を生かしておくために必要な新しい毛細血管をそれらが形成させる癌の発生においても中枢的な役割を演じる。血管増殖疾患の他の例は,新しい毛細血管が関節に侵入して軟骨を破壊する関節炎,および糖尿病性網膜炎のように,網膜内の新しい毛細血管が硝子体に侵入し,出血させ,さらに失明を引起す眼性疾患を含む。
【0134】
高い親和性をもってVEGFに結合する2つの構造的に関連するRTKが同定されている:fms様チロシン1(fit−1)レセプター(Shibuya et al.,1990,Oncogene,5:519−524;DeVries et al.,1992,Science,255:989−991)およびKDR/FLK−1レセプター(VEGF−R2としても知られる)。血管内皮成長因子(VEGF)は,インビトロ内皮細胞成長促進活性を有する内皮細胞特異的有糸分裂促進物質であることが報告されている(Ferrara&Henzel,1989,Biochein.Biophys.Res.Comm.,161:851−858;Vaisman et al.,1990,J.Biol.Chem.,265:19461−19566)。米国特許出願08/193,829,08/038,596および07/975,750に記載される情報は,VEGFが内皮細胞増殖の原因となるのみならず,正常および病的な新脈管形成の主要な調節剤であることを強く示唆する。一般に,Klagsburn&Soker,1993,Current Biology,3(10)699−702;Houck, et al.,1992,J.Biol.Chem.,267:26031−26037を参照。
【0135】
正常な脈管形成および新脈管形成は,種々の生理学的プロセス,例えば,胚発生,創傷治癒,臓器再生等の種々の生理学的過程,および排卵期の黄体における濾胞形成と妊娠後の胎盤の成長等の女性の生殖過程において重要な役割を果たしている(Folkman&Shing,1992,J.BiologicalChem.,267(16):10931−34)。制御されない脈管形成および/または新脈管形成は,糖尿病等の疾病ならびに成長が血管形成に依存する悪性固形腫瘍に関連づけられてきた(Klagsburn&Soker,1993,Current Biology,3(10):699−702;Folkham,1991,J.Natl.Cancer Inst.,82:4−6;Weidner, et al.,1991,New Engl.J.Med.,324:1−5)。
【0136】
新脈管形成および脈管形成の間の内皮細胞増殖および移動におけるVEGFの推測される役割は,これらのプロセスにおけるKDR/FLK−1レセプターの重要な役割を示す。真性糖尿病(Folkman,198,XIth Congress of Thrombosis and Haemostasis(Verstraeta, et al.,eds.),pp.583−596,LeuvenUniversity Press,Leuven)および関節炎等の疾病,ならびに悪性腫瘍成長は,制御されない新脈管形成により引き起こされうる。例えば,Folkman,1971,N.Engl.J.Med.,285:1182−1186を参照。VEGFが特異的に結合するレセプターは,そのようなプロセスにより引き起こされる異常な細胞成長が関与する脈管形成および/または新脈管形成,および種々の重症の疾病の制御および調節の重要かつ強力な治療標的である(Plowman, et al.,1994,DN&P,7(6):334−339)。より詳細には,血管新生におけるKDR/FLK−1レセプターの高度に特異的な役割のため,これは,血管の制御されない形成が関与する癌および他の疾病の治療に対する治療方法の選択すべき標的であろう。
【0137】
すなわち,本発明は,新脈管形成および/または脈管形成を阻害または促進するために,チロシンキナーゼシグナル伝達,例えばKDR/FLK−1レセプターシグナル伝達を制御および/または調節しうる化合物,すなわち,VEGF等のリガンドにより活性化されたときにKDR/FLK−1により伝達されるシグナルを阻害,妨害または干渉する化合物を提供する。本発明の化合物はレセプターまたはチロシンキナーゼシグナル伝達経路に沿った他の成分で作用すると考えられるが,これらはまた,制御されない新脈管形成に起因する腫瘍細胞に直接作用することができる。
【0138】
一般的な"flk−1"レセプターの,ヒトおよびマウスの同等物の命名は異なるが,それらは多くの点において交換可能である。マウスのレセプターFlk−Iと,ヒトにおけるその同等物であるKDRは,細胞内ドメインのうちの93.4%の配列相同性を共有している。同様に,マウスFlk−1は,マウスVEGFと同じ親和性をもってヒトVEGFと結合し,したがっていずれの種に由来するリガンドによっても活性化される。Millauerら,1993,Cell,72:835−846;Quinnら,1993,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,90:7533−7537。Flk−Iはまた,293細胞(ヒト胚性腎臓の線維芽細胞)において同時発現された場合,ヒトRTKの基質(例えばPLC−γまたはp85)と結合し,続いてチロシンをリン酸化する。
【0139】
したがって,Flk−1レセプターに依存したモデルは,KDRレセプターの理解に直接適用することができる。例えば,マウスのシグナル伝達経路を調節する化合物を同定する方法においてマウスFlk−1レセプターを使用することは,ヒトのシグナル伝達経路を調節するために用いることができる化合物,すなわちKDRレセプターに関連した活性を調節する化合物の同定に直接適用することができる。すなわち,インビトロにおいてKDR/FLK−1の阻害剤として同定された化学的化合物は,適当なインビボのモデルにおいて確認すことが可能である。インビボでのマウスおよびラット双方の動物モデルは,KDR/FLK−1に誘導されるシグナル伝達経路に作用する薬剤の,臨床上の潜在能力を調べるために優れた価値があることが証明されている。
【0140】
すなわち,本発明は,KDR/FLK−1レセプターの酵素活性を変化させ,KDR/FLK−1により伝達されるシグナルを妨害することにより脈管形成および/または新脈管形成を制御,調節および/または阻害する化合物を提供する。すなわち,本発明は,多くの種類の固形腫瘍,例えば,限定されないが,神経膠芽細胞腫,黒色腫およびカポジ肉腫,および卵巣,肺,乳,前立腺,膵臓,結腸および類表皮癌腫を治療するための治療方法を提供する。さらに,データは,KDR/Flk−1媒介性シグナル伝達経路を阻害する化合物の投与はまた,血管腫,再狭窄,および糖尿病性網膜症の治療にも用いられることを示唆する。
【0141】
さらに,本発明は,他のレセプターが媒介する経路,例えば,flt−1レセプターを含む経路による脈管形成および新脈管形成の阻害に関する。
【0142】
レセプターチロシンキナーゼにより媒介されるシグナル伝達は,特定の成長因子(リガンド)との細胞外相互作用により開始され,次にレセプターが二量化し,固有の蛋白質チロシンキナーゼ活性が過渡的に刺激され,自己リン酸化する。このことにより,内部シグナル伝達分子用の結合部位が形成され,種々の細胞質シグナリング分子との複合体の形成につながり,これは,適切な細胞応答(例えば,細胞分裂,細胞外微小環境に及ぼす代謝的効果等)を促進する。Schlessinger and Ullrich,1992,Neuron 9:303−391を参照。
【0143】
KDR/FLK−1の細胞内領域と,PDGF−βレセプターの細胞内領域(50.3%の相同性),および/または関連するflt−1レセプターとの緊密な相同性は,重複したシグナル伝達経路の誘導を示している。例えばPDGF−βレセプターについては,srcファミリーのメンバー(Twamleyら,1993,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,90:7696−7700),ホスファチジルイノシトール−3’−キナーゼ(Huら,1992,Mol.Cell.Biol.12:981−990),ホスホリパーゼcγ(Kashishian&Cooper,1993,Mol.Cell.Biol.,4:49−51),ras−GTPアーゼ活性化蛋白質(Kashishianら,1992,EMBOJ.,11:1373−1382),PTP−ID/syp(Kazulauskasら,1993,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,1090:6939−6943),Grb2(Arvidssonら,1994,Mol.Cell.Biol.,14:6715−6726),およびアダプター分子ShcおよびNuk(Nishimuraら,1993,Mol.Cell.Biol.,13:6889−6896)が,異なる自己リン酸化部位に関与する領域に結合することが示されている。全般的には,Claesson−Welsh,1994,Prog.Growth Factor Res.,5:37−54参照のこと。したがって,KDR/FLK−1により活性化されるシグナル伝達経路は,ras経路(Rozakisら,1992,Nature,360:689−692),PI−3’−キナーゼ,src介在性,およびplcγ介在性の経路を含むと考えられる。これらの経路の各々は,内皮細胞におけるKDR/FLK−1の新脈管形成および/または脈管形成効果において,重大な役割を演じることができる。したがって本発明のまたさらなる特徴は,本文に述べた有機化合物を,新脈管形成および脈管形成を調節するべく用いることに関するが,それはかかる過程がこれらの経路によって調節されるためである。
【0144】
逆に,再狭窄などの,血管の収縮,狭窄,または閉鎖に関連した疾患にも関与することが示唆されており,本発明の方法により治療または予防することができる。
【0145】
繊維性疾患とは,細胞外マトリックスの異常な形成を表す。繊維性疾患の例には,肝硬変およびメサンギウム細胞増殖性疾患が含まれる。肝硬変は,肝臓瘢痕の形成を引き起こす細胞外マトリックスの組成の増加を特徴とする。肝臓瘢痕を引き起こす細胞外マトリックスの増加はまた,肝炎ウイルス等のウイルス感染に起因する。脂肪細胞は,肝硬変において主要な役割を果たすようである。示唆されている他の繊維性疾患には,アテローム性動脈硬化症が含まれる。
【0146】
メサンギウム細胞増殖疾患とは,メサンギウム細胞の異常な増殖により引き起こされる疾患を表す。メサンギウム増殖疾患には,種々のヒト腎臓疾病,例えば,糸球体腎炎,糖尿病性腎症,悪性腎硬化症,ならびに血栓性細小血管症候群,移植拒絶,および糸球体症が含まれる。RTK PDGF−Rは,メサンギウム細胞増殖の維持に関与することが示唆されている(Floege et al.,1993,Kidney International 43:47S−54S)。
【0147】
多くの癌は細胞増殖性疾患であり,先に記載されるように,PKは細胞増殖性疾患と関連づけられてきた。すなわち,PK,例えば,RTKファミリーのメンバーが癌の発達と関連づけられてきたことも驚くべきことではない。EGFR(Tuzi et al.,1991,Br.J.Cancer 63:227−233,Torp et al.,1992,APMIS 100:713−719),HER2/neu(Slamon et al.,1989,Science 244:707−712),およびPDGF−R(Kumabe et al.,1992,Oncogene,7:627−633)等のこれらのレセプターのいくつかは多くの腫瘍において過剰発現され,および/またはオートクリンループにより持続的に活性化される。事実,ほとんどの一般的かつ重症の癌においては,これらのレセプターの過剰発現(Akbasak and Suner−Akbasak et al.,1992,J.Neurol.Sci.,111:119−133,Dickson et al.,1992,Cancer Treatment Res.61:249−273,Korc et al.,1992,J.Clin.Invest.90,1352−1360),およびオートクリンループ(Lee and Donoghue,1992,J.Cell.Biol.,118:1057−1070,Korc et al.,前掲,Akbasak and Suner−Akbasak et al.,前掲)が示されている。例えば,EGFRは扁平上皮癌,星状細胞腫,神経芽細胞腫,頭頚部癌,肺癌,および膀胱癌と関連づけられている。HER2は乳,卵巣,胃,肺,膵臓,および膀胱の癌と関連づけられている。PDGF−Rは神経芽細胞腫,黒色腫,ならびに肺,卵巣および前立腺の癌と関連づけられている。RTKc−metはまた,悪性腫瘍形成と関連づけられている。例えば,c−metは,他の癌の中でも特に,結腸直腸,甲状腺,膵臓,胃および造血細胞癌腫およびリンパ腫と関連づけられている。さらに,c−metは白血病と結びつけられている。c−met遺伝子の過剰発現はまた,ホジキン病およびバーキット病を有する患者において検出されている。
【0148】
IGF−IRは,栄養上の支持およびII型糖尿病に関係づけられていることに加えて,いくつかの型の癌に関係づけられている。例えば,IGF−Iはいくつかの型の腫瘍,例えばヒト乳癌の癌腫細胞(Arteaga et al.,1989,J.Clin.Invest.84:1418−1423),および小細胞肺腫瘍(Macauley et al.,1990,Cancer Res.,50:2511−2517)のオートクリン成長刺激因子として示唆されている。さらに,IGF−Iは神経系の正常な成長および分化に完全に関与しており,ヒトの神経膠腫のオートクリン刺激因子であるように見える。Sandberg−Nordqvist et al.,1993,Cancer Res.53:2475−2478。細胞増殖におけるIGF−IRとそのリガンドの重要性は,培養されている多くの細胞型(線維芽細胞,上皮細胞,平滑筋細胞,Tリンパ球,骨髄性細胞,軟骨細胞,および骨芽細胞(骨髄の幹細胞)がIGF−Iによって成長するよう刺激されるという事実によってさらに支持される。Goldring and Goldring,1991,Eukaryotic Gene Expression,1:301−326。BasergaおよびCoppolaは,IGF−IRが形質転換の機構において中心的な役割を果たしていること,またそれ自体がヒトの広範囲の悪性腫瘍に対する治療的介入のための好ましい標的となり得ることを示唆している。Baserga,1995,Cancer Res.,55:249−252,Baserga,1994,Cell 79:927−939,Coppola et al.,1994,Mol.Cell.Biol.,14:4588−4595。
【0149】
STKは,特に乳癌を含む多くの型の癌に関与することが示唆されている(Cance,et al.,Int.J.Cancer,54:571−77(1993))。
【0150】
異常なPK活性と疾病との関連性は,癌に限られない。例えば,RTKは,疾病,例えば,乾癬,糖尿病,子宮内膜症,新脈管形成,じゅく状斑の発達,アルツハイマー疾病,再狭窄,フォン・ヒッペル−リンダウ症候群,表皮過増殖および神経変性性疾病,加齢性黄斑変性および血管腫と関連づけられている。例えば,EGFRは,角膜および皮膚の創傷治癒における関与が示唆されている。タイプII糖尿病においてインスリン−RおよびIGF−1Rの欠陥が示されている。特定のRTKとその治療適応症との間のより完全な相関はPlowman et al.,1994,DN&P7:334−339に記載されている。
【0151】
先に記載されているように,RTKのみならず,CTK,例えば,限定されないが,src,ab1,fps,yes,fyn,lyn,Ick,blk,hck,fgrおよびyrk(Bolen et al.,1992,FASEB J.,6:3403−3409により概説)もまた,増殖および代謝性シグナル伝達経路に関与しており,したがって,本発明にかかる多くのPTK媒介性疾患に関与することが予測され,このことが実際に示されている。例えば,変異したsrc(v−src)は,トリにおいて発癌蛋白質(pp60v-src)であることが示されている。さらに,その細胞性ホモログであるプロトオンコジンpp60c-srcは,多くのレセプターの発癌シグナルを伝達する。腫瘍におけるEGFRまたはHER2/neuの過剰発現は,悪性細胞に特徴的であるが正常細胞では見られないpp60c-srcの構成的活性化につながる。一方,c−srcの発現に欠陥を有するマウスは大理石骨病的表現型を示し,このことは,c−srcが破骨細胞機能において鍵となるよう関与していること,および関連する疾患に関与している可能性を示唆する。
【0152】
同様に,Zap70は,自己免疫疾患に関連するかもしれないT−細胞シグナリングにおける関与が示唆されている。
【0153】
STKは,炎症,自己免疫疾患,免疫応答,および過増殖疾患,例えば再狭窄,繊維症,乾癬,変形性関節症および慢性関節リウマチと関連づけられている。
【0154】
PKはまた,胚着床における関与も示唆されている。すなわち,本発明の化合物は,そのような胚着床を防止する有効な方法を提供することができ,したがって,産児調節剤として有用であろう。本発明の化合物を用いて治療または予防しうるさらなる疾患は,免疫学的疾患,例えば自己免疫疾病,AIDSおよび心臓血管疾患,例えばアテローム性動脈硬化症である。
【0155】
最後に,現在,RTKおよびCTKの両方とも過剰免疫疾患に関与していることが疑われている。
【0156】
本発明の多数の例示的化合物がいくつかのPTKに及ぼす影響の例は,以下の表2に示される。示される化合物およびデータは,いかなる意味においても本発明の範囲を限定するものと解釈すべきではない。
【0157】
投与および医薬組成物
本発明の化合物またはその薬学的に許容しうる塩は,そのままでヒト患者に,または,上述の物質が適当な担体または賦形剤と混合されている医薬組成物中で投与することができる。薬剤の処方および投与の手法は,"Remington’s Pharmacological Sciences,"Mack Publishing Co.,Easton,PA.,の最新版に見いだすことができる。
【0158】
本明細書において用いる場合,"投与する"または"投与"とは,本発明の式(I)の化合物またはその薬学的に許容しうる塩,または式(I)の化合物またはその薬学的に許容しうる塩を含む医薬組成物を,PK関連疾患の予防または治療の目的で生物に輸送することを表す。
【0159】
適当な投与経路には,限定されないが,経口,直腸内,経粘膜,または腸内投与,または筋肉内,皮下,骨髄内,鞘内,直接心室内,静脈内,硝子体内,腹腔内,鼻腔内,または眼内注射が含まれる。好ましい投与経路は経口および非経口である。
【0160】
あるいは,化合物は,全身的方法ではなく局所に,例えば化合物を固形癌内に直接,しばしばデポ剤または持続放出処方中で注射することにより投与してもよい。
【0161】
さらに,薬物はターゲティングされたドラッグデリバリーシステムにおいて,例えば腫瘍特異的抗体により被覆されたリポソーム中で投与してもよい。リポソームは腫瘍にターゲティングされ,選択的に取り込まれるであろう。
【0162】
本発明の医薬組成物は,当該技術分野においてよく知られる方法,例えば,慣用の混合,溶解,顆粒化,糖衣作成,研和,乳化,カプセル封入,捕捉,または凍結乾燥により製造することができる。
【0163】
本発明にしたがって使用するための医薬組成物は,活性化合物を薬剤として使用することができる製剤に加工することを容易にする賦形剤および補助剤を含む,1またはそれ以上の生理学的に許容しうる担体を用いて,慣用の方法で処方することができる。適切な処方は,選択される投与経路に依存する。
【0164】
注射用には,本発明の化合物を水性溶液,好ましくはハンクス溶液,リンゲル溶液,または生理的食塩緩衝液等の生理学的に適合性の緩衝液中で処方することができる。経粘膜投与用には,浸透すべき障壁に適した浸透剤が処方に用いられる。そのような浸透剤は当該技術分野において一般に知られている。
【0165】
経口投与のためには,活性化合物を当該技術分野においてよく知られる薬学的に許容しうる担体と混合することにより化合物を処方することができる。そのような担体は,本発明の化合物を,治療すべき患者による経口摂取のための錠剤,丸薬,糖衣剤,カプセル,液体,ゲル,シロップ,スラリー,懸濁液等として処方することを可能とする。経口で使用するための医薬製剤は,固体賦形剤を用いて,得られた混合物を任意にすりつぶし,所望の場合には適当な助剤を加えた後に,顆粒の混合物を加工して,錠剤または糖衣錠コアを得ることができる。適当な賦形剤には,特に,ラクトース,ショ糖,マンニトール,またはソルビトール等の糖類;トウモロコシデンプン,小麦デンプン,米デンプン,およびジャガイモデンプン等のセルロース製品,ゼラチン,トラガカントゴム,メチルセルロース,ヒドロキシプロピルメチルセルロース,カルボキシメチルセルロースナトリウム,および/またはポリビニルピロリドン(PVP)等の増量剤などの賦形剤が含まれる。所望の場合には,架橋されたポリビニルピロリドン,寒天,またはアルギン酸またはその塩,例えばアルギン酸ナトリウム等の崩壊剤を加えてもよい。
【0166】
糖衣剤のコアは,適当なコーティングとともに供給される。この目的のためには,濃縮された糖溶液を用いることができる。これは,アラビアゴム,タルク,ポリビニルピロリドン,カルボポールゲル,ポリエチレングリコール,および/または二酸化チタン,ラッカー溶液,および適当な有機溶媒または溶媒混合物を任意に含むことができる。識別のため,あるいは活性化合物の用量の異なる組合せを特徴づけるため,染料または色素を錠剤または糖衣剤コーティングに添加してもよい。
【0167】
経口で使用することができる医薬組成物は,ゼラチンから作成されるプッシュフィットカプセル,ならびにゼラチンおよびグリセロール,ソルビトール等の可塑剤から作成される密封軟カプセルを含む。プッシュフィットカプセルは,活性成分を,ラクトース等の増量剤,デンプン等の結合剤,および/またはタルクおよびステアリン酸マグネシウム等の潤滑剤,さらに任意に安定剤との混合物中に含むことができる。軟カプセルにおいては,活性化合物は脂肪油,流動パラフィン,または液体ポリエチレングリコール等の適当な液体中に溶解または懸濁することができる。これらの処方にはさらに安定剤を添加してもよい。
【0168】
用いることができる医薬組成物にはまた硬質ゼラチンカプセルが含まれる。非限定的例として,活性化合物カプセルの経口薬剤製品は,50および200mgの用量強度(それぞれ処方コードJ−011248−AA−00およびJ−011248−AA−01)である。2つの用量強度は同じ顆粒から作成し,異なるサイズの硬質ゼラチンカプセル,すなわち,50mgカプセル用にはサイズ3に,200mgカプセル用にはサイズ0に充填する。処方の組成は,例えば,表2に示したものであることができる。
【0169】
【表33】
Figure 2004522776
【0170】
カプセルは,褐色のガラスまたはプラスチック瓶中に包装して,活性化合物を光から保護することができる。活性化合物のカプセル処方を含む容器は調節された室温(15−30℃)で保存しなければならない。
【0171】
吸入による投与用には,本発明に従って用いられる化合物は,噴射剤,例えば,ジクロロジフルオロメタン,トリクロロフルオロメタン,ジクロロテトラフルオロエタン,二酸化炭素または他の適当な気体を用いて,加圧されたパックまたはネブライザーからエアーゾルスプレイの形状で便利に輸送される。加圧されたエアーゾルの場合,用量単位は計量された量を送達するべく備えられたバルブにより調節することができる。例えば吸入器または注入器において使用するためのゼラチン製のカプセルおよびカートリッジは,化合物の粉末混合物と,ラクトースまたはデンプン等の適当な粉末基剤とを含むよう処方することができる。
【0172】
化合物は,例えばボーラス注射または連続注入による非経口投与用に処方することができる。注射用の処方は,単位用量にて,例えばアンプルにて,あるいは添加された保存料と共に多用量容器中で提供することができる。組成物は油性または水性のベヒクル中で,懸濁液,溶液,または乳濁液等の形状をとることができ,懸濁剤,安定剤および/または分散剤等の製剤物質を含んでいてもよい。
【0173】
非経口投与用の薬剤処方は,水溶性の形態の活性化合物の水性溶液を含む。さらに,活性化合物の懸濁液は,親油性ベヒクル中に製造することができる。適切な親油性ベヒクルには,ゴマ油等の脂肪油,オレイン酸エチルまたはトリグリセリド等の合成脂肪酸エステル,またはリポソーム等を含む。水性の注射用懸濁液は,カルボキシメチルセルロースナトリウム,ソルビトール,またはデキストラン等の,懸濁液の粘度を増加させる物質を含んでいてもよい。任意に,懸濁液はまた,高度に濃縮された溶液の調製を可能にする,当該化合物の溶解性を増加させる適当な安定剤および/または薬剤を含んでいてもよい。
【0174】
あるいは,活性成分は粉体の形態であって,使用前に適当なベヒクル,例えば発熱物質を含まない滅菌水を用いて構成することができる。
【0175】
化合物はまた,例えばカカオバターまたは他のグリセリド等の慣用の坐剤基剤を用いて,坐剤または停留浣腸等の直腸用組成物に処方することができる。
【0176】
上述した処方に加えて,化合物はまたデポ製剤として処方することができる。そのような長時間作用性の処方は,埋込み(例えば皮下または筋肉内への)によるか,または筋肉内注射により投与することができる。本発明の化合物は,この投与経路用に,適当な高分子性または疎水性物質と共に(例えば許容される油剤中の乳濁液として),イオン交換樹脂と共に,溶けにくい塩等の溶けにくい誘導体として,処方することができる。
【0177】
本発明の疎水性化合物のための薬学的担体の非限定的例は,ベンジルアルコール,非極性界面活性剤,水混和性有機ポリマーおよび水性相を含む共溶媒系,例えばVPD共溶媒系である。VPDは,3%(w/v)ベンジルアルコール,8%(w/v)非極性界面活性剤ポリソルベート80,および65%(w/v)ポリエチレングリコール300を純粋エタノール中に作成した溶液である。VPD共溶媒系(VPD:D5W)は,VPDを5%デキストロースの水溶液中に1:1で希釈したものである。この共溶媒系は疎水性化合物をよく溶解し,それ自体,全身投与に際して低い毒性を示す。本来,そのような共溶媒系の比率は,その溶解性および毒性特性を破壊することなく相当変化させることができる。さらに,共溶媒成分の同一性も変化させることができる。例えば,他の低毒性非極性界面活性剤をポリソルベート80の代わりに用いることができ,ポリエチレングリコールの分画サイズは様々でありうる。他の生体適合性ポリマー,例えばポリビニルピロリドンをポリエチレングリコールの代わりに用いることができ,他の糖または多糖類をデキストロースの代わりに用いることができる。
【0178】
あるいは,疎水性の医薬化合物のための他の輸送系を用いてもよい。リポソームおよび乳剤は,疎水的薬剤のための輸送用ベヒクルまたは担体の例としてよく知られている。さらに,ある種の有機溶媒,例えばジメチルスルホキシドもまた用いることができるが,しばしば毒性がより高くなる。
【0179】
さらに,化合物は,持続放出系,例えば治療薬剤を含む固体疎水性ポリマーの準透過性マトリックスを用いて輸送することができる。種々の持続放出材料が確立されており,当業者にはよく知られている。持続放出カプセルはその化学的性質に応じて,数週間から100日を越える期間,化合物を放出する。治療薬剤の化学的性質および生物学的安定性に応じて,さらに別の蛋白質安定化戦略を用いてもよい。
【0180】
本明細書に記載される医薬組成物は,適当な固体またはゲル相の担体または賦形剤を含んでいてもよい。そのような担体または賦形剤の例には,限定されないが,炭酸カルシウム,リン酸カルシウム,種々の糖,デンプン,セルロース誘導体,ゼラチン,およびポリエチレングリコールなどのポリマーが含まれる。
【0181】
本発明のPK調節化合物の多くは,本発明の化合物が負にまたは正に荷電した種を形成する,生理学的に許容しうる塩として提供することができる。化合物が正に荷電した成分を形成する塩の例には,限定されないが,四級アンモニウム(本明細書において定義される),四級アンモニウム基の窒素原子が適切な酸と反応させた本発明の選択された化合物の窒素である塩,例えば,塩酸,硫酸,炭酸,乳酸,酒石酸,マレイン酸,コハク酸の塩が含まれる。本発明の化合物が負に荷電した種を形成している塩には,限定されないが,化合物中のカルボン酸基を適当な塩基(例えば水酸化ナトリウム(NaOH),水酸化カリウム(KOH),水酸化カルシウム(Ca(OH)2)等)と反応させることにより形成されるナトリウム,カリウム,カルシウムおよびマグネシウム塩が含まれる。
【0182】
本発明において使用するのに適した医薬組成物には,活性成分がその意図される目的,例えば,PK活性の調節またはPK関連疾患の治療または予防を達成するのに有効な量で含まれている組成物が含まれる。より詳細には,治療上有効量とは,疾病の症状を予防,緩和または改善するのに,または治療している被験者の生存を長くするのに有効な化合物の量を意味する。
【0183】
治療上有効量の決定は,特に本明細書に提供される詳細な開示に鑑みて,十分に当業者の能力の範囲内である。
【0184】
本発明の方法において用いられる任意の化合物について,治療上有効な量または用量は,最初は細胞培養アッセイから見積もることができる。次に,動物モデルにおいて,培養細胞において決定されたIC50(すなわちPK活性の最大阻害の半分を達成する試験化合物の濃度)を含む循環濃度範囲を達成するような用量を処方することができる。次にそのような情報を用いてヒトにおける有用な用量をさらに正確に決定することができる。
【0185】
本明細書に記載される化合物の毒性および治療有効性は,培養細胞または実験動物における標準的な薬理学的方法により,例えば対象化合物についてIC50およびLD50(いずれも本明細書において議論される)を決定することにより,決定することができる。これらの培養細胞アッセイおよび動物研究から得られるデータは,ヒトにおいて用いるためのある範囲の投与量を処方するために用いることができる。投与量は,用いる投与形態および用いる投与経路により様々でありうる。正確な処方,投与経路,および投与量は,個々の医師が,患者の状態を考慮して選択することができる(例えば,Fingl et al.1975,"The Pharmacological Basis of Therapeutics",Ch.1,p.1を参照)。
【0186】
投与量および間隔は,個々に,活性成分がキナーゼ調節効果を維持するのに十分な血漿レベルを与えるよう調節することができる。このような血漿レベルは最小有効濃度(MEC)と称される。MECは,各化合物について異なるが,インビトロのデータ,例えば,本明細書に記載されるアッセイを用いて,キナーゼの50−90%の阻害を達成するのに必要な濃度から見積もることができる。MECを達成するのに必要な投与量は,個々の特性および投与経路に依存するであろう。しかし,血漿濃度はHPLCアッセイまたはバイオアッセイを用いて決定することができる。
【0187】
投与間隔もまた,MEC値を用いて決定することができる。化合物は,10−90%の時間,好ましくは30−90%の時間,最も好ましくは50−90%の時間,MECより高い血漿レベルを維持する投与計画を用いて投与すべきである。
【0188】
現在のところ,式I,IaまたはIIの化合物の治療上有効量は,1日あたり約25mg/m2−1500mg/m2の範囲内であり,好ましくは約3mg/m2/dayである。さらにより好ましくは50mg/qm qdから400mg/qdである。
【0189】
局所投与または選択的取り込みの場合には,薬剤の有効な局所濃度は血漿濃度とは関係ないであろう。当該技術分野において知られる他の方法を用いて,正確な投与量および間隔を決定することができる。
【0190】
投与される組成物の量は,もちろん,治療中の患者,苦痛の激しさ,投与方法,および担当医師の判断に依存するであろう。
【0191】
組成物は,所望の場合には,活性成分を含む1またはそれ以上の単位用量形を含んでいてもよいパックまたはディスペンサー装置,例えばFDAに認可されたキット中で提供することができる。パックは,例えば,ブリスターパックなどの金属またはプラスチック箔を含むことができる。パックまたはディスペンサー装置には,投与の指示が添付されていてもよい。パックまたはディスペンサー装置はまた,薬剤の製造,使用,または販売を規制する政府機関によって規定された形式の,容器に付随した注意書が添付されていてもよく,その注意書はヒトまたは獣医学的投与用の化合物の形状の当該機関による承認を反映するものである。そのような注意書は,例えば米国食品医薬品局により処方箋調剤薬として承認されたラベルによるものか,または承認された製品に差込まれたものでもよい。適合した薬学的担体中に処方された,本発明の化合物を含む組成物もまた製造され,適当な容器内に配置され,さらに指示された状態の治療のためにラベルを付すことができる。ラベル上に示される適切な状態としては,腫瘍の治療,新脈管形成の阻害,線維症,糖尿病等の治療が挙げられる。
【0192】
本発明は,CMC懸濁液ベヒクルとともに投与することができる。CMC懸濁液の例は以下の表3に示される。
表3
【表34】
Figure 2004522776
*必要な濃度(日)により異なる
【0193】
1.0リットルのCMC懸濁液ベヒクルのプロトコルは以下のとおりである。ベヒクル処方の組成およびバッチサイズを示す表を用いて,ベヒクル処方を作製するのに必要な適当な量の賦形剤を計算する。清浄な広口ガラス瓶またはポリエチレン瓶等の適当な空の容器を秤量する。容器に約600mLの水を加える。カルボキシメチルセルロースナトリウム(5g)を秤量し,容器に移す。磁気撹拌子またはプロペラ付きラボラトリースターラーを用いて均一になるまで撹拌する(約2−3時間)。NaClを秤量し,容器に加える。溶解するまで混合を続ける(約10分間)。ポリソルベート−80を加える。溶液が均一になるまで混合する(約20分間)。ベンジルアルコールを加える。溶液が均一になるまで混合する(約10分間)。溶液の重量(重量または容量)が必要なバッチサイズとなるように残りの水を加える(1010gまたは1000mL,22℃における密度=1.01)。2−8℃で保存する(冷蔵下)。
【0194】
懸濁液処方は以下のようにして製造することができる。乳鉢および乳棒を用いてAPIをすりつぶして,均一な外観の小さい粒子サイズの粉体を得る(大きい塊または大きい粒子がないこと−理想的にはUS標準シーブ>80,すなわち<180μmのサイズを通過すべきである)。計算量のAPIを秤量して容器に入れる。必要な総量の約90%のCMC懸濁液ベヒクルを容器に加える。プロペラ付きラボラトリースターラーまたは同等物を用いて化合物をベヒクル中に懸濁する。効率的な混合を確実にするために,プロペラブレードの直径は容器の底の直径と適合させなければならない。50rpmで30分間または薬剤がよく懸濁するまで撹拌する。ベヒクル処方をバッチサイズに対応する適当な重量まで“qs”で(十分な量まで)加え,水を加える。50rpmでさらに30分間撹拌する。懸濁液を直ちに琥珀色ガラスまたはポリプロピレン容器に小分けする。容器は光から保護する。2−8℃で撹拌する(冷蔵下,冷凍してはならない)。
【0195】
本発明の1つの観点においては,上述した疾病および疾患の治療のために,本明細書に記載される化合物またはその塩またはプロドラッグを他の化学療法剤と組み合わせることができる。例えば,本発明の化合物,塩またはプロドラッグは,アルキル化剤,例えば,フルオロウラシル(5−FU)単独で,またはさらにロイコボリンと組み合わせて;または,他のアルキル化剤,例えば,限定されないが,他のピリミジン類似体,例えば,UFT,カペシタビン,ゲムシタビンおよびシタラビン,アルキルスルホネート,例えばブルスファン(慢性顆粒球性白血病の治療に用いられる),イムプロスルファンおよびピポスルファン;アジリジン類,例えばベンゾデパ,カルボコン,メツレデパおよびウレデパ;エチレンイミン類およびメチルメラミン類,例えばアルトレタミン,トリエチレンメラミン,トリエチレンホスホルアミド,トリエチレンチオホスホルアミドおよびトリメチロールメラミン,およびナイトロジェンマスタード類,例えばクロラムブシル(慢性リンパ性白血病,原発性マクログロブリン血症および非ホジキンリンパ腫の治療において用いられる),シクロホスファミド(ホジキン病,多発性骨髄腫,神経芽細胞腫,乳癌,卵巣癌,肺癌,ウイルムス腫瘍および横紋筋肉腫の治療において用いられる),エストラムスチン,イフォスファミド,ノベムブリチン,プレドニムスチンおよびウラシルマスタード(原発性血小板増加症,非ホジキンリンパ腫,ホジキン病および卵巣癌用);およびトリアジン類,例えばダカルバジン(軟組織肉腫用)と組み合わせることができる。
【0196】
本発明の化合物,塩またはプロドラッグはまた,他の抗代謝化学療法剤,例えば,限定されないが,葉酸類似体(例えば,メトトレキセート(急性リンパ性白血病,絨毛癌腫,菌状息肉腫,乳癌,頭頸部癌および肺癌,骨形成性肉腫の治療に用いられる)およびプテロプテリン),プリン類似体,例えばメルカプトプリンおよびチオグアニン(急性顆粒球性白血病,急性リンパ性白血病および慢性顆粒球性白血病の治療に用いられる)と組み合わせて用いることができる。
【0197】
さらに,本発明の化合物,塩またはプロドラッグは,天然産物化学療法剤,例えば,限定されないが,ビンカアルカロイド(例えばビンブラスチン(乳癌および精巣癌に用いられる),ビンクリスチン,ビンデシン),エピポドフィロトキシン類(例えばエトポシド,テニポシド(両方とも精巣癌およびカポジ肉腫の治療に用いられる)),抗生物質化学療法剤(例えばダウノルビシン,ドキソルビシン,エピルビシン,マイトマイシン(胃癌,子宮頸癌,結腸癌,乳癌,膀胱癌および膵臓癌に用いられる),ダクチノマイシン,テモゾロミド,プリカマイシン,ブレオマイシン(皮膚癌,食道癌および尿生殖器管癌に用いられる)および酵素的化学療法剤,例えばL−アスパラギナーゼと組み合わせて用いることができる。
【0198】
上述に加えて,本発明の化合物,塩またはプロドラッグは,化学療法剤,例えば白金配位錯体(例えばシスプラチン),置換尿素(例えばヒドロウレア),メチルヒドラジン誘導体(例えばプロカルバジン),副腎皮質抑制剤(例えばミトーテン,アミノグルテチミド),ならびにホルモンおよびアンタゴニスト,例えばアドレノコルチコステロイド(例えばプレドニゾン),プロゲスチン(例えばヒドロキシプロゲステロンカプロネート),エストロゲン(例えばジエチルスチルベストロール),抗エストロゲン(例えばタモキシフェン)およびアンドロゲン(例えばテストステロンプロピオネート),およびアロマターゼ阻害剤(例えばアナストロゾール)と組み合わせて用いることができる。
【0199】
最後に,本発明の化合物の組み合わせは,当該技術分野において知られるミトザントロン,パクリタキセル,当該技術分野において知られるシクロオキシゲナーゼ−2阻害剤,特に,Celebrex(登録商標),Paracoxib(登録商標),Vioxx(登録商標),WO99/11605に開示されるAbbott社のCox−189,トポイソメラーゼ阻害剤,例えばCamptosar(登録商標),Her−2レセプターアンタゴニスト,例えばHerceptin(登録商標),エンドスタチン,Gleevac(登録商標),ImCloneVEGFレセプターアンタゴニストIMCC225(登録商標)との組み合わせにおいて,固形腫瘍癌または白血病,例えば,限定されないが,急性骨髄性(非リンパ球)白血病の治療に有効であることが企図される。
【0200】
一般的合成方法
以下の一般的方法論を用いて本発明の化合物を製造することができる:
適切に置換された2−オキシインドール(1当量),適切に置換された3−カルボキシ−5−ホルミルピロール(1.2当量)および塩基(0.1当量)を溶媒(1−2ml/mmol2−オキシインドール)中で混合し,次に混合物を約2から約12時間加熱する。冷却した後,形成する沈澱物を濾過し,冷エタノールまたはエーテルで洗浄し,真空乾燥して,対応する5−(2−オキソ−1,2−ジヒドロインドール−(3Z)−イリデンメチル)−1−H−ピロール−3−カルボン酸を得る。沈澱物が形成しない場合には,反応混合物を濃縮し,残渣をジクロロメタン/エーテル中で砕き,得られる固体を濾過により回収し,乾燥する。生成物は任意にクロマトグラフィーによりさらに精製してもよい。
【0201】
塩基は有機塩基でも無機塩基でもよい。有機塩基を用いる場合には,好ましくはこれは窒素塩基である。有機窒素塩基の例には,限定されないが,ジイソプロピルアミン,トリメチルアミン,トリエチルアミン,アニリン,ピリジン,1,8−ジアザビシクロ[5.4.1]ウンデセ−7−エン,ピロリジンおよびピペリジンが含まれる。
【0202】
無機塩基の例としては,限定されないが,アンモニア,アルカリ金属またはアルカリ土類金属の水酸化物,リン酸塩,炭酸塩,重炭酸塩,酢酸塩,重硫酸塩およびアミドが挙げられる。アルカリ金属には,リチウム,ナトリウムおよびカリウムが含まれ,アルカリ土類金属にはカルシウム,マグネシウムおよびバリウムが含まれる。
【0203】
本発明の現在好ましい態様においては,溶媒がプロトン性溶媒,例えば水またはアルコールであるとき,塩基はアルカリ金属またはアルカリ土類の無機塩基,好ましくは,アルカリ金属またはアルカリ土類の水酸化物である。
【0204】
当業者には,有機合成の既知の一般原則と本明細書の記載の両方に基づいて,意図される反応にはいずれの塩基が最も適当であるかが明らかであろう。
【0205】
反応を実施する溶媒は,プロトン性溶媒であっても非プロトン性溶媒であってもよい。好ましくは,プロトン性溶媒である。"プロトン性溶媒"は,酸素または窒素原子に共有結合した水素原子を有する溶媒であり,これは水素原子をかなり酸性にし,このため水素結合を介して溶質と"共有"されることができる。プロトン性溶媒の例としては,水およびアルコールが挙げられるが,これらに限定されない。
【0206】
"非プロトン性溶媒"は,極性であっても非極性であってもよいが,いずれの場合も,酸性水素を含まず,したがって,溶質と水素結合を形成することができない。非極性非プロトン性溶媒の例としては,限定されないが,ペンタン,ヘキサン,ベンゼン,トルエン,塩化メチレンおよび四塩化炭素が挙げられる。極性非プロトン性溶媒の例は,クロロホルム,テトラヒドロフラン,ジメチルスルホキシドおよびジメチルホルムアミドである。
【0207】
本発明の現在好ましい態様においては,溶媒はプロトン性溶媒,好ましくは,水またはエタノール等のアルコールである。
【0208】
反応は,室温より高い温度で行う。温度は一般に約30℃−約150℃,好ましくは,約80℃−約100℃,最も好ましくは約75℃−約85℃であり,これはおよそエタノールの沸点である。"約"とは,温度範囲が,好ましくは示される温度の10℃以内,より好ましくは示される温度の5℃以内,最も好ましくは示される温度の2℃以内であることを意味する。すなわち,例えば,"約75℃"とは,75℃±10℃,好ましくは75℃±5℃,最も好ましくは75℃±2℃である。
【0209】
2−オキシインドールおよび3−カルボキシ−5−ホルミルピロールは,容易に入手可能な出発物質を用いて,化学の技術分野においてよく知られる手法を用いて容易に合成することができる。
【0210】
5−(2−オキソ−1,2−ジヒドロインドール−(3Z)−イリデンメチル)−1−H−ピロール−3−カルボン酸と式ZCH(R5)−CR4(OH)−CHR3NH2のアミンとを,有機溶媒,例えばジメチルホルムアミド,テトラヒドロフラン等の中で,適当な結合剤,例えばジシクロヘキシルカルボジイミド,DEAD,EDCおよびHOBt等の存在下でカップリングさせて,式(I)の化合物を得る。式ZCH(R5)−CR4(OH)−CHR3NH2のアミンは,市販されているか,または当該技術分野においてよく知られる方法により製造することができる。いくつかのそのような方法が以下に記載される。
【0211】
本発明の化合物を形成するための他の合成経路が利用可能であり,以下の記載は例示のためにのみ提供され限定ではないことが当業者には明らかであろう。
【実施例1】
【0212】
以下の製造例および実施例は,当業者が本発明をより明確に理解し,これを実施することを可能とするために提供される。これらの実施例は,本発明の範囲を限定するものと解釈すべきではなく,単に例示的なものであり,本発明の代表例である。
【0213】
合成例
実施例1
5−[5−フルオロ−2−オキソ−1,2−ジヒドロ−ンドール−(3Z)−イリデン−メチル]−2,4−ジメチル−1H−ピロール−3−カルボン酸の合成
工程1
ジメチルホルムアミド(25mL,3eq.)を氷浴中で撹拌しながら冷却した。これにPOCl3(1.1eq.,10.8mL)を加えた。30分後,DMF(2M,40mL)中の3,5−ジメチル−4−エチルエステルピロール(17.7g,105.8mmol)の溶液を反応液に加え,撹拌を続けた。2時間後,反応液を水(250mL)で希釈し,1N水性NaOHでpH=11に塩基性にした。白色固体を濾過により除去し,水,次にヘキサンですすぎ,乾燥して,5−ホルミル−2,4−ジメチル−1H−ピロール−3−カルボン酸エチルエステル(19.75g,95%)を褐色固体として得た。1H NMR(360MHz,DMSO−d6)δ12.11(brs,1H,N),9.59(s,1H,CO),4.17(q,J=6.7Hz,2H,OC 2CH3),2.44(s,3H,C 3),2.40(s,3H,C 3),1.26(d,J=6.7Hz,3H,OCH2 3
工程2
5−ホルミル−2,4−ジメチル−1H−ピロール−3−カルボン酸エチルエステル(2g,10mmol)をメタノール(3mL)および水(10mL)に溶解した水酸化カリウム(3g,53mmol)の溶液に加えた。混合物を3時間還流し,室温に冷却し,6N塩酸でpH3に酸性にした。固体を濾過により回収し,水で洗浄し,真空オーブン中で一夜乾燥して,5−ホルミル−2,4−ジメチル−1H−ピロール−3−カルボン酸(1.6g,93%)を得た。1H NMR(300MHz,DMSO−d6)δ12.09(s,br,2H,NH&COOH),9.59(s,1H,CHO),2.44(s,3H,CH3),2.40(s,3H,CH3
工程3
5−フルオロイサチン(8.2g,49.7mmol)を50mLのヒドラジン水和物に溶解し,1時間還流した。次に反応混合物を氷水に注加した。次に沈殿物を濾過し,水で洗浄し,真空オーブンで乾燥して,5−フルオロ−2−オキシインドール(7.5g)を得た。
工程4
エタノール(3mL)中の5−フルオロオキシインドール(100mg,0.66mmol),5−ホルミル−2,4−ジメチル−1H−ピロール−3−カルボン酸(133mg,0.79mmol),および10滴のピペリジンの反応混合物を60℃で一夜撹拌し,濾過した。固体を1Mの水性塩酸溶液,水で洗浄し,乾燥して,5−(5−フルオロ−2−オキソ−1,2−ジヒドロ−インドール−3−イリデンメチル)−2,4−ジメチル−1H−ピロール−3−カルボン酸(201mg,定量的)を黄色固体として得た。MS m/z(相対強度,%)299([M−1]+.,100)
【0214】
実施例2
5−(5−フルオロ−2−オキソ−1,2−ジヒドロ−インドール−3−イリデン−メチル)−2,4−ジメチル−1H−ピロール−3−カルボン酸(3−ジエチルアミノ−2−ヒドロキシ−プロピル)−アミドの合成
工程1
2−クロロメチルオキシラン(95g,1.03mole)に30℃で水(3.08g,0.17mole)およびジエチルアミン(106.2mL,1.03mole)の混合物を加えた。次に反応混合物を28−35℃で6時間撹拌し,20−25℃に冷却して,1−クロロ−3−ジエチルアミノ−プロパン−2−オールを得た。
工程2
78mLの水中の水酸化ナトリウム(47.9g,1.2mole)の溶液に1−クロロ−3−ジエチルアミノ−プロパン−2−オールを加えた。生成物を20−25℃で1時間撹拌し,178mLの水で希釈し,エーテルで2回抽出した。合わせたエーテル溶液を固体水酸化カリウムで乾燥し,蒸発させて,135gの粗生成物を得,これを分留して,純粋なグリシジルジエチルアミン(98g,76%)を油状物として得た。
工程3
25%(w/w)の水酸化アンモニウム(25mL,159mmole)の氷冷溶液にグリシジルジエチルアミン(3.2g,24.8mmol)を10分間かけて滴加した。反応混合物を0−5℃で1時間撹拌し,次に室温で14時間撹拌した。得られた反応混合物を蒸発させ,蒸留(84−90℃,500−600mT)して,1−アミノ−3−ジエチルアミノ−プロパン−2−オール(3.3g,92%)を得た。MS m/z147([M+1]+.
工程4
1.0mLのDMF中の5−ホルミル−2,4−ジメチル−1H−ピロール−3−カルボン酸(100mg,0.43mmol),EDC(122.7mg,0.64mmol)およびHOBt(86.5mg,0.64mmol)の溶液に1−アミノ−3−ジエチルアミノ−プロパン−2−オール(93.2mg,0.64mmol)を加えた。得られた反応溶液を室温で一夜撹拌し,蒸発させた。残渣を10mLの水に懸濁し,濾過した。固体を飽和炭酸水素ナトリウムおよび水で洗浄し,高真空オーブンで一夜乾燥して,粗生成物を得,これをカラムクロマトグラフィーで精製し,トリエチルアミンを含む6%メタノール−ジクロロメタン(2滴/100mLの6%メタノール−ジクロロメタン)で溶出して,5−(5−フルオロ−2−オキソ−1,2−ジヒドロ−インドール−3−イリデンメチル)−2,4−ジメチル−1H−ピロール−3−カルボン酸(3−ジエチルアミノ−2−ヒドロキシ−プロピル)−アミド(62mg,34%)を黄色固体として得た。1H NMR(400MHz,DMSO−d6)δ13.70(s,1H,NH−1’),10.90(s,1H,NH−1),7.76(dd,J=2.38,9.33Hz,1H,H−4),7.72(s,1H,ビニル−H),7.60(m,br.,1H,CONHCH2CH(OH)−CH2N(C252−4’),6.93(dt,J=2.38,8.99Hz,1H,H−5),6.85(dd,J=4.55,8.99Hz,1H,H−6),3.83(m,br,1H,OH),3.33(m,4H),2.67(m,br,5H),2.46(s,3H,CH3),2.44(s,3H,CH3),1.04(m,br,6H,CH3x2).MS m/z(相対強度,%)427([M+1]+.,100)
【0215】
実施例3
5−[5−フルオロ−2−オキソ−1,2−ジヒドロ−インドール−(3Z)−イリデン−メチル]−2,4−ジメチル−1H−ピロール−3−カルボン酸(2−ヒドロキシ−3−モルホリン−4−イル−プロピル)−アミドの合成
工程1
エタノール(50mL)中のモルホリン(2.6mL,30mmol)およびエピクロロヒドリン(2.35ml,30mmol)の混合物を70℃で一夜撹拌した。溶媒を除去した後,残渣を塩化メチレン(50mL)で希釈した。沈殿した透明固体を真空濾過により回収して,1−クロロ−3−モルホリン−4−イル−プロパン−2−オール(2.0g,37%)を得た。1H NMR(DMSO−d6)δ3.49(t,J=4.8Hz,2H),3.60(t,J=4.6Hz,2H),3.75(m,4H,2xCH2),4.20(dd,J=5.2,12Hz,2H),4.54(m,2H),4.62(m,1H,CH),6.64(d,J=6.4Hz,1H,OH).MS(m/z)180.2(M+1)
工程2
1−クロロ−3−モルホリン−4−イル−プロパン−2−オール(2.0g,11mmol)をメタノール中NH3(25重量,20mL)の溶液で室温で処理した。窒素を反応混合物中に吹き込んでアンモニアを除去した。溶媒を蒸発させて,1−アミノ−3−モルホリン−4−イル−プロパン−2−オール(2.0g,91%)の塩酸塩を得た。1H NMR(DMSO−d6)δ2.30(d,J=6.0Hz,2H),2.36(m,4H,NCH2),2.65(dd,J=8.4,12.8Hz,1H),2.91(dd,J=3.6,12.8Hz,1H),3.52(m,4H,OCH2),3.87(m,1H,CH),5.32(s,1H,OH),8.02(brs.,3H,NH3 +).MS(m/z)161.1(M+1)
工程3
5−(5−フルオロ−2−オキソ−1,2−ジヒドロ−インドール−3−イリデンメチル)−2,4−ジメチル−1H−ピロール−3−カルボン酸(120mg,0.4mmol)を1−アミノ−3−モルホリン−4−イル−プロパン−2−オール(74mg,0.48mmol)と縮合させて,5−[5−フルオロ−2−オキソ−1,2−ジヒドロ−インドール−(3Z)−イリデンメチル]−2,4−ジメチル−1H−ピロール−3−カルボン酸(2−ヒドロキシ−3−モルホリン−4−イル−プロピル)−アミド(65mg,36%)を沈殿させた。母液を蒸発乾固させ,残渣をフラッシュクロマトグラフィーにより精製して,追加の2N(70mg,39%)を得た。1H NMR(DMSO−d6)δ2.28(m,1H),2.32(m,1H),2.40(m,4H),2.40,2.42(2xs,6H,2xCH3),3.15(s,1H),3.31(m,1H),3.55(m,4H),3.78(m,1H),4.73(brs,1H,OH),6.82(dd,J=4.5,8.4Hz,1H),6.90(td,2J=2.8,3J=10.0Hz,1H),7.53(m,1H),7.70(s,1H),7.74(dd,J=2.0,9.6Hz,1H)(芳香族およびビニル),10.87(s,1H,CONH),13.66(s,1H,NH).LC−MS(m/z)441.4(M−1)
【0216】
塩化2−ヒドロキシ−7−オキサ−4−アゾニアスピロ[3.5]ノナンの合成
【化9】
Figure 2004522776
熱電対,窒素入口および250mlの滴下漏斗を備えた1Lの3ツ口丸底フラスコに,モルホリン(91.5g,91.5ml,1.05mole,1.0eq.)および100mlのエタノールを入れた。エピクロロヒドリン(100g,84.5ml,1.08mole,1.03eq.)を滴下漏斗から約30分間かけて加えながら溶液を急速に撹拌した。温度をモニターし,フラスコの温度が27℃に達したときに,反応液を氷水浴で冷却した。透明溶液を18時間撹拌した。反応はGCにより測定した(5滴の反応混合物を1mlのエタノールで希釈し,15mDB−5キャピラリーGCカラムに注入し,以下のパラメータで運転した:インジェクター250℃,検出器250℃,初期オーブン温度28℃,10℃/分で250℃に加熱)。反応が完了したとき,3%未満のモルホリンが残存していた。反応液を50℃の浴およびフルハウスバキュームを用いて回転蒸発器で蒸発物が凝縮しなくなるまで濃縮した。得られた油状物を室温で24−48時間,または有意な量の結晶が観察されるまで保存した(種晶を入れることにより工程を加速することができる)。スラリーを250mlのアセトンで希釈し,濾過した。固体を真空オーブン中で60℃で18−24時間乾燥した。84gの結晶生成物が得られた。母液を濃縮し,結晶化工程を繰り返すことにより,回収率を増加することができる。1H NMR(400MHz,DMSO−d6)δ6.55(d,1H),4.64(m,1H),4.53(m,2H),4.18(m,2H),3.74(m,4H),3.60(m,2H),3.48(m,2H).13C NMR(100MHz,DMSO−d6)δ70.9,61.39,61.04,60.25,58.54,57.80
【0217】
1−アミノ−3−(4−モルホリニル)−2−プロパノール(ラセミ体)の合成
【化10】
Figure 2004522776
機械的撹拌子を備えた3Lの1ツ口丸底フラスコに塩化2−ヒドロキシ−7−オキサ−4−アゾニアスピロ[3.5]ノナン(150g,835mmole)を入れ,次にメタノール中23重量%の無水アンモニア(2120ml)を加えた。フラスコに栓をし,得られた透明溶液を20−23℃で18時間撹拌した。上述の条件のGCは,出発物質が残存していないことを示した。栓をはずし,アンモニアを溶液から30分間曝気した。次にフラスコを回転蒸発器に移し,45℃の油浴中でフルハウスバキュームで濃縮して,白色固体を得た。1H NMR(400MHz,DMSO−d6)δ3.57(dd,2H),3.3−3.5(m,6H),2.59(m,2H),2.2−2.4(m,6H);13C NMR(100MHz,DMSO−d6)δ70.8,67.1,60.1,53.8,48.1
【0218】
上述の実施例3に記載される方法にしたがって,2−(RS)−1−アミノ−3−モルホリン−4−イル−プロパン−2−オールを2−(S)−1−アミノ−3−モルホリン−4−イル−プロパン−2−オール(以下に記載されるようにして製造)で置き換えて,所望の化合物5−[5−フルオロ−2−オキソ−1,2−ジヒドロ−インドール−(3Z)−イリデンメチル]−2,4−ジメチル−1H−ピロール−3−カルボン酸(2−(S)−ヒドロキシ−3−モルホリン−4−イル−プロピル)−アミドを得た。
【0219】
1−アミノ−3−(4−モルホリニル)−2−プロパノール(非ラセミ体)の合成
【化11】
Figure 2004522776
機械的撹拌,熱電対および滴下漏斗を備えた1Lの3ツ口丸底フラスコにモルホリン(91.5g,91.5ml,1.05mole,1.0eq.)および45mlのt−ブタノールを入れた。R−エピクロロヒドリン(100g,84.5ml,1.08mole.1.03eq.)を滴下漏斗から約30分間かけて加えながら溶液を急速に撹拌した。温度をモニターし,フラスコの温度が27℃に達したときに,反応液を氷水浴で冷却した。透明溶液を18時間撹拌した。反応はGCにより測定した(5滴の反応混合物を1mlのエタノールで希釈し,15mDB−5キャピラリーGCカラムに注入し,以下のパラメータで運転した:インジェクター250℃,検出器250℃,初期オーブン温度28℃,10℃/分で250℃に加熱)。反応が完了したとき,3%未満のモルホリンが残存していた。溶液を10℃に冷却し,温度を15℃未満に保持しながらTHF(576g)中のカリウムt−ブトキシドの20重量%溶液を滴加した。得られた白色スラリーを10−15℃で2時間撹拌し,上述の条件を用いてGCで調べた。クロロヒドリンは認められなかった。混合物を50℃の浴およびフルハウスバキュームを用いて回転蒸発器で濃縮した。得られた混合物を水(500ml)および塩化メチレンで希釈した。相を分離し,水性相を塩化メチレン(500ml)で洗浄した。合わせた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し,濃縮して,透明無色油状物を得た。145g(収率97%)のエポキシドが得られた。1H NMR(400MHz,DMSO−d6)δ3.3(dd,4H),3.1(m,1H),2.6(dd,1H),2.5(dd,1H),2.4(m,4H),2.2(dd,2H);13C NMR(100MHz,DMSO−d6)δ65.4,60.1,53.1,48.9,43.4
【0220】
上述の粗エポキシドを機械的撹拌子を備えた3Lの1ツ口丸底フラスコに入れた。メタノール中の無水アンモニア(24%w/w2.5L)を加え,フラスコに蓋をして,混合物を室温で24時間撹拌した。上述の条件でのGCは,出発物質が残存していないことを示した。蓋をはずし,30分間アンモニアを溶液から曝気した。次に,フラスコから回転蒸発器に移し,45℃の浴およびフルハウスバキュームを用いて濃縮して,透明無色油状物を得た。124gの生成物が得られた。1H NMR(400MHz,DMSO−d6)δ3.57(dd,2H),3.3−3.5(m,6H),2.59(m,2H),2.2−2.4(m,6H);13C NMR(100MHz,DMSO−d6)δ70.8,67.1,60.1,53.8,48.1
【0221】
1−アミノ−3−(4−モルホリニル)−2−(S)−プロパノールの合成
機械的撹拌,熱電対および滴下漏斗を備えた1Lの3ツ口丸底フラスコに,モルホリン(91.5g,91.5ml,1.05mole,1.0eq.)および200mlのメタノールを入れた。R−エピクロロヒドリン(100g,84.5ml,1.08mole,1.03eq.)を滴下漏斗から約30分間かけて加えながら溶液を急速に撹拌した。温度をモニターし,フラスコの温度が27℃に達したときに,反応液を氷水浴で冷却した。透明溶液を18時間撹拌した。反応はGCにより測定した(5滴の反応混合物を1mlのエタノールで希釈し,15mDB−5キャピラリーGCカラムに注入し,以下のパラメータで運転した:インジェクター250℃,検出器250℃,初期オーブン温度28℃,10℃/分で250℃に加熱)。反応が完了したとき,3%未満のモルホリンが残存していた。溶液を10℃に冷却し,温度を15℃未満に保持しながらメタノール(233g,1.08mole,247ml)中のナトリウムメトキシドの25重量%溶液を滴加した。得られた白色スラリーを10−15℃で2時間撹拌し,GCにより上述の条件を用いて調べた。クロロヒドリンは認められなかった。混合物を50℃の浴およびフルハウスバキュームを用いて回転蒸発器で濃縮した。得られた混合物を水(500ml)および塩化メチレンで希釈した。相を分離し,水性相を塩化メチレン(500ml)で洗浄した。合わせた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し,濃縮して,透明な無色油状物を得た。これにより,145g,収率97%の1,2−エポキシ−3−モルホリン−4−イルプロパンを得た。1H NMR(400MHz,DMSO−d6)δ3.3(dd,4H),3.1(m,1H),2.6(dd,1H),2.5(dd,1H),2.4(m,4H),2.2(dd,2H);13C NMR(100MHz,DMSO−d6)δ65.4,60.1,53.1,48.9,43.4
【0222】
上述の粗1,2−エポキシ−3−モルホリン−4−イルプロパンを磁気撹拌子を有する3Lの1ツ口丸底フラスコに入れた。メタノール(24%w/w2.5L)中の無水アンモニアを加え,フラスコに栓をし,混合物を室温で24時間撹拌した。上述の条件のGCは,出発物質が残存していないことを示した。栓をはずし,アンモニアを30分間溶液から曝気した。次にフラスコから回転蒸発器に移し,45℃の浴でフルハウスバキュームで濃縮して,透明無色油状物を得た。124gの1−アミノ−3−(4−モルホリニル)−2−(S)−プロパノールが得られた。1H NMR(400MHz,DMSO−d6)δ3.57(dd,2H),3.3−3.5(m,6H),2.59(m,2H),2.2−2.4(m,6H);13C NMR(100MHz,DMSO−d6)δ70.8,67.1,60.1,53.8,48.1
【0223】
【化12】
Figure 2004522776
イミダゾールアミド(7.0g,32.3mmol),アミン(15.0g,64.6mmol),5−フルオロオキシインドール(4.93g,32.6mmol),トリエチルアミン(9.79g,96.9mmol),およびTHF(88ml)を混合し,60℃に加熱した。茶色溶液が形成した。60℃で24時間撹拌した後,黄色スラリーを室温に冷却し,濾過した。ケークを80mlのTHFで洗浄し,50℃でハウスバキュームで一夜乾燥した。茶色固体(23.2g)が得られた。固体を350mlの水中で室温で5時間スラリー化し,濾過した。ケークを100mlの水で洗浄し,50℃でハウスバキュームで一夜乾燥した。8.31gが得られ,化学収率は56%であった。
【0224】
【化13】
Figure 2004522776
温度計,凝縮器,磁気撹拌,および窒素入口を備えた0.25Lフラスコに4.92gの5−フルオロオキシインドール,7.0gのイミダゾールアミド,15.5gの(R)−1−アミノ−3−(4−モルホリニル)−2−プロパノール,9.78gのトリエチルアミンおよび88mlのテトラヒドロフランを入れた。混合物を60℃で16.5時間加熱した。反応液を周囲温度に冷却し,濾過した。得られた固体をアセトニトリル中で11ml/gで3回連続してスラリー化し,真空下で乾燥して,3.6g(25.25%)を得た[HPLC,HypersilBDS,C−18,5μ,(6:4),アセトニトリル:0.1M塩化アンモニウム,PHA−571437=4.05分間]。H1NMR(DMSO):δ10.86(1H,bs);7.75(1H,d);7.70(1H,s);7.50(1H,m);6.88(2H,m);4.72(1H,bs);3.78(1H,bs);3.56(4H,m);3.32(6H,m);3.15(1H,m);2.43(8H,bm)
【0225】
実施例4
2,4−ジメチル−5−[2−オキソ−1,2−ジヒドロ−インドール−(3Z)−イリデンメチル]−1H−ピロール−3−カルボン酸(2−ヒドロキシ−3−モルホリン−4−イル−プロピル)−アミドの合成
5−(2−オキソ−1,2−ジヒドロ−インドール−3−イリデンメチル)−2,4−ジメチル−1H−ピロール−3−カルボン酸(113mg,0.4mmol)を1−アミノ−3−モルホリン−4−イル−プロパン−2−オール(74mg,0.48mmol)と縮合させて,2,4−ジメチル−5−[2−オキソ−1,2−ジヒドロ−インドール−(3Z)−イリデンメチル]−1H−ピロール−3−カルボン酸(2−ヒドロキシ−3−モルホリン−4−イル−プロピル)−アミド(77mg,45.3%)を沈殿させた。1H NMR(DMSO−d6)δ2.27(m,1H),2.32(m,1H),2.40(m,4H),2.40,2.42(2xs,6H,2xCH3),3.15(s,1H),3.32(m,1H),3.55(m,4H),3.77(m,1H),4.74(d,J=4.8Hz,1H,OH),6.86(d,J=7.6Hz,1H),6.96(t,J=7.2Hz,1H),7.10(t,J=7.6Hz,1H),7.49(t,J=5.6Hz,1H),7.61(s,1H),7.77(d,J=8.0Hz,1H)(芳香族およびビニル),10.88(s,1H,CONH),13.62(s,1H,NH).LC−MS(m/z)425.4(M+1)
【0226】
実施例5
5−[5−クロロ−2−オキソ−1,2−ジヒドロ−インドール−(3Z)−イリデン−メチル]−2,4−ジメチル−1H−ピロール−3−カルボン酸(2−ヒドロキシ−3−モルホリン−4−イル−プロピル)−アミドの合成
5−(5−クロロ−2−オキソ−1,2−ジヒドロ−インドール−3−イリデンメチル)−2,4−ジメチル−1H−ピロール−3−カルボン酸(126.6mg,0.4mmol)を1−アミノ−3−モルホリン−4−イル−プロパン−2−オール(74mg,0.48mmol)と縮合させて,5−[5−クロロ−2−オキソ−1,2−ジヒドロ−インドール−(3Z)−イリデンメチル]−2,4−ジメチル−1H−ピロール−3−カルボン酸(2−ヒドロキシ−3−モルホリン−4−イル−プロピル)−アミド(107mg,58%)を沈殿させた。1H NMR(DMSO−d6)δ2.29(m,1H),2.33(m,1H),2.39(m,4H),2.40,2.42(2xs,6H,2xCH3),3.15(s,1H),3.37(m,1H),3.55(m,4H),3.77(m,1H),4.74(d,J=4.8Hz,1H,OH),6.85(d,J=8.4Hz,1H),7.11(dd,J=2.0,8.0Hz,1H),7.53(t,J=5.6Hz,1H),7.75(s,1H),7.97(d,J=2.0Hz,1H)(芳香族およびビニル),10.99(s,1H,CONH),13.62(s,1H,NH).LC−MS(m/z)457.4(M−1)
【0227】
RおよびS立体異性体は以下のようにして製造することができる。
【化14】
Figure 2004522776
イミダゾールアミド(7.0g,32.3mmol),アミン(15.5g,96.9mmol),5−クロロオキシインドール(5.48g,32.6mmol),トリエチルアミン(14ml),およびTHF(88ml)を混合し,60℃に加熱した。赤色溶液が形成された。60℃で16時間撹拌した後,黄色スラリーを室温に冷却し,濾過した。ケークを2x50mlのTHFで洗浄し,ハウスバキュームで50℃で一夜乾燥した。4.36gが得られ,化学収率は29%であった。
【0228】
【化15】
Figure 2004522776
イミダゾールアミド(6.8g,31.3mmol),アミン(10.0g,62.5mmol),5−クロロオキシインドール(5.3g,31.6mmol),およびTHF(100ml)を混合し,60℃に加熱した。赤色溶液が形成された。60℃で68時間撹拌した後,トリエチルアミン(14ml)を加え,60℃で5時間撹拌した。反応は完了しなかった。4.6gのアミン側鎖を加え,60℃で20時間撹拌した。黄色スラリーを室温に冷却し,濾過した。ケークを2x50mlのTHFで洗浄し,50℃でハウスバキュームで一夜乾燥した。5.48gが得られ,化学収率は38%であった。
【0229】
実施例6
5−[5−ブロモ−2−オキソ−1,2−ジヒドロ−インドール−(3Z)−イリデン−メチル]−2,4−ジメチル−1H−ピロール−3−カルボン酸(2−ヒドロキシ−3−モルホリン−4−イル−プロピル)−アミドの合成
5−(5−ブロモ−2−オキソ−1,2−ジヒドロ−インドール−3−イリデンメチル)−2,4−ジメチル−1H−ピロール−3−カルボン酸(72.2mg,0.2mmol)を1−アミノ−3−モルホリン−4−イル−プロパン−2−オール(38mg,0.24mmol)と縮合させて,5−[5−ブロモ−2−オキソ−1,2−ジヒドロ−インドール−(3Z)−イリデンメチル]−2,4−ジメチル−1H−ピロール−3−カルボン酸(2−ヒドロキシ−3−モルホリン−4−イル−プロピル)−アミド(55mg,55%)を沈殿させた。1H NMR(DMSO−d6)δ2.27(m,1H),2.32(m,1H),2.39(m,4H),2.41,2.42(2xs,6H,2xCH3),3.13(s,1H),3.35(m,1H),3.55(m,4H),3.77(m,1H),4.74(d,J=4.4Hz,1H,OH),6.80(d,J=8.4Hz,1H),7.24(dd,J=2.0,8.0Hz,1H),7.51(t,J=5.6Hz,1H),7.76(s,1H),8.09(d,J=2.0Hz,1H)(芳香族およびビニル),10.99(s,1H,CONH),13.62(s,1H,NH).LC−MS(m/z)503.4(M−1)
【0230】
実施例7
2,4−ジメチル−5−[2−オキソ−1,2−ジヒドロ−インドール−(3Z)−イリデン−メチル]−1H−ピロール−3−カルボン酸(2−ヒドロキシ−3−[1,2,3]トリアゾール−1−イル−プロピル)−アミドの合成
工程1
エタノール(50mL)中の3−[1,2,3]トリアゾール(2.0g,29mmol),エピクロロヒドリン(3.4ml,43.5mmol)およびN,N−ジイソプロピル−エチルアミン(2.6mL,15mmol)の混合物を室温で一夜撹拌した。溶媒を除去した後,残渣をフラッシュクロマトグラフィー(CH2Cl2/CH3OH=100/1−100/2−100/4)により精製して,1−クロロ−3−(1,2,3)−トリアゾール−2−イルプロパン−2−オール(2.1g,45%)を得た。1H NMR(CDCl3)δ3.52(m,2H,OHおよびCH2),3.60(dd,J=5.2,11.2Hz,1H),4.36(m,1H,CH),4.68(m,2H),7.67(s,2H).MS(m/z)162.1(M+1)および1−クロロ−3−(1,2,3)トリアゾール−1−イルプロパン−2−オール(2.3g,49%).1H NMR(CDCl3)δ3.56(s,1H),3.57(s,1H),4.35(m,1H),4.53(dd,J=7.2,14Hz,1H),4.67(dd,J=3.8,14Hz,1H),7.67(s,1H),7.71(s,1H).MS(m/z)162.1(M+1)
工程2
1−クロロ−3(1,2,3)トリアゾール−1−イルプロパン−2−オール(2.3g,13mmol)を密封圧力容器中でメタノール(25重量%,20mL)中のNH3の溶液で60℃で一夜処理した。室温に冷却した後,反応混合物中に窒素を曝気して,アンモニアを除去した。溶媒を蒸発させて,1−アミノ−3−(1,2,3)トリアゾール−1−イルプロパン−2−オール(2.57g,100%)の塩酸塩を得た。1H NMR(DMSO−d6)δ2.68(dd,J=8.8,12.8Hz,1H),2.97(dd,J=3.6,12.8Hz,1H),4.15(m,1H),4.44(dd,J=6.4,14Hz,1H),4.57(dd,J=4.6,14Hz,1H),5.95(d,J=5.2Hz,1H,OH),7.77(s,1H),8.01(brs.,3H,NH3 +),8.12(s,1H).MS(m/z)143.1(M+1)
工程3
5−(2−オキソ−1,2−ジヒドロ−インドール−3−イリデンメチル)−2,4−ジメチル−1H−ピロール−3−カルボン酸(113mg,0.4mmol)を1−アミノ−3(1,2,3)トリアゾール−1−イル−プロパン−2−オール(85mg,0.48mmol)と縮合させて,2,4−ジメチル−5−[2−オキソ−1,2−ジヒドロ−インドール−(3Z)−イリデンメチル]−1H−ピロール−3−カルボン酸(2−ヒドロキシ−3−[1,2,3]トリアゾール−1−イル−プロピル)−アミド(70mg,41%)を沈殿させた。1H NMR(DMSO−d6)δ2.45,2.48(2xs,6H,2xCH3),3.35(m,2H),4.02(m,1H),4.32(dd,J=7.6,14Hz,1H),4.53(dd,J=3.4,14Hz,1H),5.43(d,J=5.6Hz,1H,OH),6.91(d,J=7.6Hz,1H),7.01(t,J=7.6Hz,1H),7.15(t,J=8.0Hz,1H),7.66(s,1H),7.12(t,J=5.6Hz,1H),7.74(s,1H),7.77(d,J=7.6Hz,1H),8.11(s,1H),10.93(s,1H,CONH),13.68(s,1H,NH).LC−MS(m/z)405.4(M−1)
【0231】
実施例8
5−[5−フルオロ−2−オキソ−1,2−ジヒドロ−インドール−(3Z)−イリデン−メチル]−2,4−ジメチル−1H−ピロール−3−カルボン酸(2−ヒドロキシ−3−[1,2,3]トリアゾール−1−イル−プロピル)−アミドの合成
5−(5−フルオロ−2−オキソ−1,2−ジヒドロ−インドール−3−イリデンメチル)−2,4−ジメチル−1H−ピロール−3−カルボン酸(120mg,0.4mmol)を1−アミノ−3(1,2,3)トリアゾール−1−イル−プロパン−2−オール(85mg,0.48mmol)と縮合させて,5−[5−フルオロ−2−オキソ−1,2−ジヒドロ−インドール−(3Z)−イリデンメチル]−2,4−ジメチル−1H−ピロール−3−カルボン酸(2−ヒドロキシ−3−[1,2,3]トリアゾール−1−イル−プロピル)−アミド(100mg,62%)を沈殿させた。1H NMR(DMSO−d6)δ2.42,2.44(2xs,6H,2xCH3),3.27(m,2H),3.98(m,1H),4.27(dd,J=7.6,14Hz,1H),4.50(dd,J=3.4,13.6Hz,1H),5.38(d,J=5.6Hz,1H,OH),6.82(dd,J=4.4,8.4Hz,1H),6.91(td,2J=2.4,3J=9.0Hz,1H),7.70(m,3H),7.75(dd,J=2.4,9.2Hz,1H),8.11(s.1H),10.93(s,1H,CONH),13.73(s,1H,NH).LC−MS(m/z)423.4(M−1)
【0232】
実施例9
5−[5−クロロ−2−オキソ−1,2−ジヒドロ−インドール−(3Z)−イリデン−メチル]−2,4−ジメチル−1H−ピロール−3−カルボン酸(2−ヒドロキシ−3−[1,2,3]トリアゾール−1−イル−プロピル)−アミドの合成
5−(5−クロロ−2−オキソ−1,2−ジヒドロ−インドール−3−イリデンメチル)−2,4−ジメチル−1H−ピロール−3−カルボン酸(126.6mg,0.4mmol)を1−アミノ−3(1,2,3)トリアゾール−1−イル−プロパン−2−オール(85mg,0.48mmol)と縮合させて,5−[5−クロロ−2−オキソ−1,2−ジヒドロ−インドール−(3Z)−イリデンメチル]−2,4−ジメチル−1H−ピロール−3−カルボン酸(2−ヒドロキシ−3−[1,2,3]トリアゾール−1−イル−プロピル)−アミド(48mg,27%)を沈殿させた。1H NMR(DMSO−d6)δ2.42,2.44(2xs,6H,2xCH3),3.27(m,2H),3.99(m,1H),4.28(dd,J=7.8,14Hz,1H),4.51(dd,J=3.2,14Hz,1H),5.39(d,J=6.0Hz,1H,OH),6.85(d,J=8.4Hz,1H),7.12(dd,J=2.0,8.2Hz,1H),7.70(m,2H),7.74(s,1H),7.97(d,J=2.0Hz,1H),8.07(s,1H),10.99(s,1H,CONH),13.65(s,1H,NH).LC−MS(m/z)439.4(M−1)
【0233】
実施例10
5−[5−ブロモ−2−オキソ−1,2−ジヒドロ−インドール−(3Z)−イリデン−メチル]−2,4−ジメチル−1H−ピロール−3−カルボン酸(2−ヒドロキシ−3−[1,2,3]トリアゾール−1−イル−プロピル)−アミドの合成
5−(5−ブロモ−2−オキソ−1,2−ジヒドロ−インドール−3−イリデンメチル)−2,4−ジメチル−1H−ピロール−3−カルボン酸(144.4mg,0.4mmol)を1−アミノ−3(1,2,3)トリアゾール−1−イル−プロパン−2−オール(85mg,0.48mmol)と縮合させて,5−[5−ブロモ−2−オキソ−1,2−ジヒドロ−インドール−(3Z)−イリデンメチル]−2,4−ジメチル−1H−ピロール−3−カルボン酸(2−ヒドロキシ−3−[1,2,3]トリアゾール−1−イル−プロピル)−アミド(130mg,67%)を沈殿させた。1H NMR(DMSO−d6)δ2.41,2.44(2xs,6H,2xCH3),3.27(m,2H),3.99(m,1H),4.28(dd,J=7.6,14Hz,1H),4.50(dd,J=3.6,14Hz,1H),5.40(d,J=5.6Hz,1H,OH),6.81(d,J=8.4Hz,1H),7.24(dd,J=2.0,8.0Hz,1H),7.70(m,2H),7.77(s,1H),8.07(s.1H),8.10(d,J=1.6Hz,1H),11.0(s,1H,CONH),13.64(s,1H,NH).LC−MS(m/z)485.4(M−1)
5−(5−ブロモ−2−オキソ−1,2−ジヒドロ−インドール−3−イリデンメチル)−2,4−ジメチル−1H−ピロール−3−カルボン酸,5−(5−クロロ−2−オキソ−1,2−ジヒドロ−インドール−3−イリデンメチル)−2,4−ジメチル−1H−ピロール−3−カルボン酸,5−(2−オキソ−1,2−ジヒドロ−インドール−3−イリデンメチル)−2,4−ジメチル−1H−ピロール−3−カルボン酸の合成は,“PYRROLE SUBSTITUTED 2−INDOLINONE−−PROTEIN KINASE INHIBITORS”と題する米国特許出願09/783,264(本出願人の出願,2001年2月14日出願)に記載されており,その開示をすべて本明細書の一部としてここに引用する。
【0234】
実施例11
1−アミノ−3−(1,l−ジオキソ−λ6−チオモルホリン−4−イル)−プロパン−2−オールの合成
【化16】
Figure 2004522776
HOCH3(200mL)中のチオモルホリン(5.0g,48.7mmol)の溶液に,H2O(100mL)中のオキソン(36.0g,58.5mmol)の溶液を加えた。混合物を40℃で48時間よく撹拌し,次に0℃に冷却した。水性NaOHを滴加してpH=12に調節した。固体を濾別し,HOCH3(3x40mL)で洗浄した。合わせた液体を凝縮し,シリカゲルのフラッシュクロマトグラフィーにより精製して(CHCl3/CH3OH/NH3・H2O=3/1/0.1−2/1/0.l),チオモルホリン1,1−ジオキシド(6.2g)を収率93%で得た。1H NMR(DMSO−d6)δ2.97(m,4H),3.07(m,4H),3.42(brs,1H),MS(m/z)136(M+l)。
【0235】
エタノール(50mL)とH2O(5ml)との混合溶媒中のチオモルホリン1,1−ジオキシド(2.5g.,18.5mmol)および(R)−(−)エピクロロヒドリン(1.55mL,20mmol)の混合物を25℃で24時間撹拌した。溶媒を除去した後,残渣をフラッシュクロマトグラフィーにより精製して,(R)−1−クロロ−3−(1,1−ジオキソ−λ6−チオモルホリン−4−イル)−プロパン−2−オール(4.0g,96%)を得た。1H NMR(DMSO−d6)δ2.50(m,2H),2.94(m,4H),305(m,4H),3.54(dd,J=5.8,11.2,Hz,1H),3.63(dd,J=4.4,11.2Hz,1H),3.78(m,`H,CH),5.10(d,J=5.2Hz,1H,OH),MS(m/z)228.2(M+1)
【0236】
(R)−1−クロロ−3−(1,1−ジオキソ−λ6−チオモルホリン−4−イル)−プロパン−2−オール(2.27g,10mmol)をメタノール中のNH3の溶液(25重量%,20mL)で50℃で12時間処理した。溶媒を蒸発させた後,残渣を水中でアニオン交換樹脂(AG1x8,OH形)で処理して,粗(S)−1−アミノ−3−(1,1−ジオキソ−λ6−チオモルホリン−4−イル)−プロパン−2−オール(2.0g)を得た。これには,約30%のダイマーが夾雑しており,単にカラムクロマトグラフィーにより精製することができた。MS(m/z)209.2(M+1)。(S)−1−アミノ−3−(1,1−ジオキソ−λ6−チオモルホリン−4−イル)−プロパン−2−オールをオキシインドールと縮合させて,所望のインドリノンを得た(精製後収率50−80%)。
【0237】
(R)−5−(2−オキソ−1,2−ジヒドロ−インドール−3−イリデンメチル)−2,4−ジメチル−1H−ピロール−3−カルボン酸[3−(1,1−ジオキソ−λ6−チオモルホリン−4−イル)−2−ヒドロキシ−プロピル]−アミド
【化17】
Figure 2004522776
1H NMR(DMSO−d6)δ2.39,2.42(2xs,6H,2xCH3),2.49(m,1H),2.56(m,1H),2.97(m,4H),3.07(m,4H),3.16(m,1H),3.34(m,1H),3.74(m,1H),4.83(d,J=4.8Hz,IH,OH),6.86(d,=7.6Hz,1H),6.97(t,J=7.4Hz,1H),7.11(t,J=7.5Hz,1H),7.50(t,J=5.6Hz,1H),7.61(s,1H),7.76(d,J=7.6Hz,1H)(芳香族およびビニル),10.88(s,1H,CONH),13.62(s,1H,NH),LC−MS(m/z)473.4(M+1)
【0238】
(R)−5−(5−フルオロ−2−オキソ−1,2−ジヒドロ−インドール−3−イリデンメチル)−2,4−ジメチル−1H−ピロール−3−カルボン酸[3−(1,1−ジオキソ−λ6−チオモルホリン−4−イル)−2−ヒドロキシ−プロピル]−アミド
【化18】
Figure 2004522776
1H NMR(DMSO−d6)δ2.40,2.42(2xs,6H,2xCH3),2.47(m,1H),2.54(m,1H),2.97(m,4H),3.06(m,4H),3.17(m,1H),3.30(m,1H),3.74(m,1H),4.83(d,J=4.4Hz,1H),6.82(t,J=4.0Hz,1H)6.91(td,2J=2.8,3J=9.0Hz,1H),7.53(t,J=5.8Hz,1H),7.70(s,1H)7.75(dd,J=2.4,9.2Hz,1H),10.88(s,1H),13.67(s,1H).LC−MS(m/z)491.4(M+1)
【0239】
(R)−5−(5−クロロ−2−オキソ−1,2−ジヒドロ−インドール−3−イリデンメチル)−2,4−ジメチル−1H−ピロール−3−カルボン酸[3−(1,1−ジオキソ−λ6−チオモルホリン−4−イル)−2−ヒドロキシ−プロピル]−アミド
【化19】
Figure 2004522776
1H NMR(DMSO−d6)δ2.40,2.42(2xs,6H,2xCH3),2.45(m,1H),2.53(m,1H),2.96(m,4H),3.06(m,4H),3.17(m,1H),3.33(m,1H),3.75(m,1H),4.83(d,J=4.4Hz,1H,OH),6.85(t,J=8.4Hz,1H),7.11(dd,J=2.2,8.2Hz,1H),7.53(t,J=5.5Hz,1H),7.75(s,1H),7.97(d,J=2.0Hz,1H),10.98(s,1H),13.62(s,1H),LC−MS(m/z)507.2(M+1)
【0240】
(R)−5−(5−ブロモ−2−オキソ−1,2−ジヒドロ−インドール−3−イリデンメチル),2,4−ジメチル−1H−ピロール−3−カルボン酸[3−(1,1−ジオキソ−λ6−チオモルホリン−4−イル)−2−ヒドロキシ−プロピル]−アミド
【化20】
Figure 2004522776
1H NMR(DMSO−d6)δ2.41,2.42(2xs,6H,2xCH3),2.47(m,1H),2.54(m,1H),2.97(m,4H),3.06(m,4H),3.18(m,1H),3.30(m,1H),3.74(m,1H),4.83(d,J=4.8Hz,1H),6.81(d,J=8.4Hz,1H),7.24(dd,J=1.8,8.2Hz,1H),7.53(t,J=5.8,1H),7.76(s,1H),8.09(d,J=2.0Hz,1H),10.98(s,1H)13.62(s,1H),LC−MS(m/z)553.6(M+1)
【0241】
実施例12
(S)または(R)−1−メチルアミノ−3−モルホリン−4−イル−プロパン−2−オールの合成
【化21】
Figure 2004522776
エタノール(10mL)中のモルホリン(1.74mL,20mmol)および(R)−エピクロロヒドリン(1.56mL,20mmol)の混合物を室温で48時間撹拌した。溶媒を除去した後,残渣を,水中のCH3NH2の溶液(40重量%,20mL)で室温で14時間で処理した。溶媒を除去して,粗(S)−1−メチルアミノ−3−モルホリン−4−イル−プロパン−2−オールを得,これは真空蒸留またはカラムクロマトグラフィーにより精製することができた(2.4g.70%)。(R)−1−メチルアミノ−3−モルホリン−4−イル−プロパン−2−オールは,(S)−エピクロロヒドリンから収率76%で生成した。1H NMR(CDCl3)δ2.33(dd,J=3.6,12.4Hz,1H),2.42(m,1H),2.44(dd,J=2.8,9.8Hz,2H),2.45(s,3H),2.53(dd,J=7.6,11.8Hz,1H),2.62(m,2H),2.65(dd,J=3.6,12.0Hz,1H),3.71(m,4H),3.85(m,1H),13C NMR(CDCl3)δ67.06,65.58,62.80,55.87,53.94,36.72,MS(m/z)175(M+1)
【0242】
(S)−1−メチルアミノ−3−モルホリン−4−イル−プロパン−2−オールを5−フルオロキシインドールと縮合させて,(R)−5−(5−フルオロ−2−オキソ−1,2−ジヒドロ−インドール−3−イリデンメチル)−2,4−ジメチル−1H−ピロール−3−カルボン酸(2−ヒドロキシ−3−モルホリン−4−イル−プロピル)−メチル−アミドを得た。
【化22】
Figure 2004522776
1H NMR(DMSO−d6)δ2.0(s,3H),2.15(m,1H),2.25(m,6H),2.28(m,2H),2.42(s,1H),2.95(s,1H),3.0(s,3H),3.25(m,2H),3.57(m,2H),3.97&3.68(2xbrs,1H),4.80&4.74(2xbrs,1H),6.82(dd,J=4.0,8.0Hz,1H),6.90(td,2J=2.3,3J=8.7Hz,1H),7.67(s,1H),7.71(dd,J=2.2,9.0Hz,1H),10.86(s,1H),13.57(s,1H),LC−MS(m/z)457.2(M+1)
【0243】
(R)−1−アミノ−3モルホリン−4−イル−プロパン−2−オールから(S)−5−(5−フルオロ−2−オキソ−1,2−ジヒドロ−インドール−3−イリデンメチル)−2,4−ジメチル−1H−ピロール−3−カルボン酸(2−ヒドロキシ−3−モルホリン−4−イル−プロピル)−メチル−アミドを得た。
【化23】
Figure 2004522776
1H NMR(DMSO−d6)δ2.0(m,3H),2.10(m,1H),2.22(m,6H),2.25(m,2H),2.38(m,1H),2.90(s,1H),2.96(s,3H),3.27(m,2H),3.52(m,2H),3.93&3.64(2xbrs,1H),4.75&4.70(2xbrs,1H),6.77(dd,J=4.6,8.2Hz,1H),6.85(td,2J=2.5,3J=8.8Hz,1H),7.62(s,1H),767(dd,J=2.0,9.6Hz,1H),10.81(s,1H)13.52(s,1H),LC−MS(m/z)457.2(M+1)
【0244】
実施例13
アミン側鎖の製造
3−(1−H−テトラゾール−1−イル)]−2−ヒドロキシ−1−クロロプロパンおよび3−(2−H−テトラゾール−2−イル)−2−ヒドロキシ−1−クロロプロパン
無水アセトニトリル(30ml)中の6.905gのテトラゾール(100mmol)および1.75mlのジイソプロピルエチルアミン(10mmol)および11.73mlのエピクロロヒドリン(150mmol)を60℃で4時間撹拌した。得られた溶液を蒸発させ,ハイバックで乾燥し,シリカのカラムでクロロホルム−メタノール100:8で精製した。第1の画分から純粋な3−(2−H−テトラゾール−2−イル)−2−ヒドロキシ−1−クロロプロパン,6.215g(無色油状物,収率38%)が得られ,第2の画分から9.208gの純粋な3−(1−H−テトラゾール−1−イル)]−2−ヒドロキシl−1−クロロプロパン(粘着性ガム;収率57%)を得た。
【0245】
3−(1−H−テトラゾール−1−イル)]−2−ヒドロキシ−1−アミノプロパン
9.110gの3−(1−H−テトラゾール−1−イル)]−2−ヒドロキシ−1−クロロプロパン,15gの炭酸カリウムおよび130mlの飽和メタノール性アンモニアを21時間撹拌し,次に濾過し,蒸発させた。残渣をシリカのカラムでクロロホルム−メタノール−水性アンモニア80:35:4で精製した。7.326gの白色粘着性ガム(91.5%(th))を得た。
【0246】
3−(2−H−テトラゾール−2−イル)]−2−ヒドロキシ−1−アミノプロパン
6.105gの3−(2−H−テトラゾール−2−イル)]−2−ヒドロキシ−1−クロロプロパン,10gの炭酸カリウムおよび95mlの飽和メタノール性アンモニアを21時間撹拌し,次に濾過し,蒸発させた。残渣をシリカのカラムでクロロホルム−メタノール−水性アンモニア60:25:2で精製して,3.726gの白色結晶固体(69.5%(th))を得た。
【0247】
3−[(2R,6S)−2,6−ジメチルモルホリン−4−イル]−2−ヒドロキシ−1−アミノプロパン
4.7mlのエピクロロヒドリン(60mmol)を,トリフルオロエタノール(5ml)中のcis−2,6−ジメチルモルホリン(4.607g,40mmol)の氷冷溶液に加えた。溶液を0−5℃で1時間撹拌し,冷浴をはずし,室温でさらに5時間撹拌した。混合物をハイバックで蒸発させ,得られた油状残渣を無水エタノール(50ml)に溶解し,溶液を氷浴で冷却し,固体ナトリウムメトキシド(2.27g)を2回に分けて加え,混合物を0−5℃で2時間撹拌した。次に反応混合物を濾過し,塩をエタノール(30ml)で洗浄し,合わせた濾液を氷冷濃水性アンモニア(200ml)に加えた。混合物を室温で12時間撹拌し,次にハイバックで蒸発させた。残渣をシリカのカラムでクロロホルム−メタノール−7Mメタノール性アンモニア80:15:3の混合物で精製して,5.75gの白色結晶吸湿性固体を得た(76.3%(th))。
【0248】
(2S)−3−(3−メチル−2,5−ジオキソイミダゾリジン−1−イル)−2−ヒドロキシ−1−クロロプロパンおよび(2S)−3−(3−メチル−2,5−ジオキソイミダゾリジン−1−イル)−2−ヒドロキシ−1−アミノプロプロパン
無水アセトニトリル中の3.423gの3−メチル−2,5−ジオキソイミダゾリジン(3.423g)および3.60mlのRエピクロロヒドリン(−)(99%e.e.)および0.30mlのバートン(Barton)塩基(1.5mmol)を60℃で20時間撹拌した。得られた溶液をハイバックで蒸発させ,シリカのカラムでクロロホルム−メタノールの混合物(5−20%メタノールの勾配)で精製して,5.572gのクロロ−化合物を白色非晶質固体(収率90%)として得た。塩化物は以下のようにしてアミンに変換した。得られたヒドロキシ−クロロ中間体をメタノール性アンモニア(アンモニアガスで飽和)に溶解し,炭酸カリウムを加え,混合物を密封フラスコ中で2.5日撹拌した。反応混合物を濾過し,濾液を蒸発させた。残渣をシリカカラムでクロロホルム−メタノール−濃水性アンモニア80:15:1.5の混合物で精製した。
【0249】
実施例14
5−[(Z)−(5−フルオロ−2−オキソ−1,2−ジヒドロ−3H−インドール−3−イリデン)メチル]−N−[2−ヒドロキシ−3−(2H−テトラゾール−2−イル)プロピル]−2,4−ジメチル−1H−ピロール−3−カルボキサミド(化合物22)(一般的方法)
72mgの3−(2−H−テトラゾール−2−イル)]−2−ヒドロキシ−1−アミノプロパンを,105mg(0.25mmol)の5−[(Z)−(5−フルオロ−2−オキソ−1,2−ジヒドロ−3H−インドール−3−イリデン)メチル]−2,4−ジメチル−1H−ピロール−3−カルボン酸1−オキシ−7−アザベンズトリアゾールエステル<(3Z)−3−({3,3−ジメチル−4−カルボキシ−1−H−ピロール−2−イル}メチレン)−5−フルオロ−1,3−ジヒドロ−2H−インドール−2−オン(480mg;1.6mmol)をDMF(5ml)でヒューニッヒ塩基(3.0mol;0.525ml)の存在下でHATU試薬(570mg;1.5mmol)で活性化し,クロロホルム(5ml)で沈殿させ,高真空で乾燥することにより収率92%(579mg)で純粋な形で単離することにより製造した>の無水ジメチルアセトアミド(1.5ml)中のスラリーに加えた。混合物を30分間撹拌し,ハイバックで蒸発させた。残渣をメタノール−ジエチルアミン20:1(3ml)の混合物に懸濁し,冷蔵庫(5℃)で1時間放置して結晶化させ,濾過し,沈殿物を氷冷メタノールで洗浄し,ハイバックで乾燥して,106mgの橙色結晶固体を得た。
【0250】
実施例15
5−[(Z)−(5−クロロ−2−オキソ−1,2−ジヒドロ−3H−インドール−3−イリデン)メチル]−N−[2−ヒドロキシ−3−(2H−テトラゾール−2−イル)プロピル]−2,4−ジメチル−1H−ピロール−3−カルボキサミド(化合物23)(一般的方法)
72mgの3−(2−H−テトラゾール−2−イル)]−2−ヒドロキシ−1−アミノプロパンを,109mg(0.25mmol)の5−[(Z)−(5−クロロ−2−オキソ−1,2−ジヒドロ−3H−インドール−3−イリデン)メチル]−2,4−ジメチル−1H−ピロール−3−カルボン酸1−オキシ−7−アザベンズトリアゾールエステル<(3Z)−3−([3,3−ジメチル−4−カルボキシ−1−H−ピロール−2−イル)メチレン)−5−クロロ−1,3−ジヒドロ−2H−インドール−2−オン(1.520g;4.8mmol)をDMF(20ml)中でヒューニッヒ塩基(9.0mmol;1.58ml)の存在下でHATU試薬(1.768g;4.65mmol)で活性化し,クロロホルム(20ml)で沈殿させ,高真空で乾燥して収率94%(1.907g)で純粋な形で単離することにより製造した>の無水ジメチルアセトアミド(1.5ml)中のスラリーに加えた。混合物を30分間撹拌し,ハイバックで蒸発させた。残渣をメタノール−ジエチルアミン20:1(3ml)の混合物に懸濁し,冷蔵庫(5℃)で1時間放置して結晶化させ,濾過し,沈殿物を氷冷メタノールで洗浄し,ハイバックで乾燥して,109mgの橙色結晶固体を得た。
【0251】
実施例16
N−[2−ヒドロキシ−3−(2H−テトラゾール−2−イル)プロピル]−2,4−ジメチル−5−[(Z)−[2−オキソ−5−(トリフルオロメトキシ)−1,2−ジヒドロ−3H−インドール−3−イリデン]メチル)−1H−ピロール−3−カルボキサミド(化合物24)(一般的方法)
72mgの3−(2−H−テトラゾール−2−イル)]−2−ヒドロキシ−1−アミノプロパンを,121.5mg(0.25mmol)の5−[(Z)−(5−トリフルオロメトキシ−2−オキソ−1,2−ジヒドロ−3H−インドール−3−イリデン)メチル]−2,4−ジメチル−1H−ピロール−3−カルボン酸1−オキシ−7−アザベンズトリアゾールエステル<(3Z)−3−((3,3−ジメチル−4−カルボキシ−1−H−ピロール−2−イル)メチレン)−5−トリフルオロメトキシ−1,3−ジヒドロ−2H−インドール−2−オン(1.768g;4.8mmol)をDMF(25ml)中のヒューニッヒ塩基(9.0mmol;1.58ml)の存在下でHATU試薬(1.758g;4.8mmol)で活性化し,蒸発させ,無水アセトニトリルで沈殿させ,高真空中で乾燥することにより収率85.5%(1.929g)で純粋な形で単離することにより製造した>の無水ジメチルアセトアミド(1.5ml)中のスラリーに加えた。混合物を30分間撹拌し,ハイバックで蒸発させた。残渣をメタノール−ジエチルアミン20:1(3ml)の混合物に懸濁し,冷蔵庫(5℃)で1時間放置して結晶化させ,濾過し,沈殿物を氷冷メタノールで洗浄し,ハイバックで乾燥した。収率113mgで橙色結晶固体を得た。
【0252】
実施例17
5−[(Z)−(5−フルオロ−2−オキソ−1,2−ジヒドロ−3H−インドール−3−イリデン)メチル]−N−[2−ヒドロキシ−3−(1H−テトラゾール−1−イル)プロピル]−2,4−ジメチル−1H−ピロール−3−カルボキサミド(化合物25)
実施例14の方法にしたがって,72mgの対応するアミンから113mgの橙色結晶固体を得た。
【0253】
実施例18
5−[(Z)−(5−クロロ−2−オキソ−1,2−ジヒドロ−3H−インドール−3−イリデン)メチル]−N−[2−ヒドロキシ−3−(1H−テトラゾール−1−イル)プロピル]−2,4−ジメチル−1H−ピロール−3−カルボキサミド(化合物26)
実施例15の方法にしたがって,72mgの対応するアミンから122mgの橙色結晶固体を得た。
【0254】
実施例19
N−[2−ヒドロキシ−3−(1H−テトラゾール−1−イル)プロピル]−2,4−ジメチル−5−[(Z)−[2−オキソ−5−(トリフルオロメトキシ)−1,2−ジヒドロ−3H−インドール−3−イリデン]メチル]−1H−ピロール−3−カルボキサミド(化合物27)
実施例16の方法にしたがって,72mgの対応するアミンから118mgの橙色結晶固体を得た。
【0255】
実施例20
N−[3−[(2R,6S)−2,6−ジメチルモルホリン−4−イル]−2−ヒドロキシプロピル)−5−[(Z)−(5−フルオロ−2−オキソ−1,2−ジヒドロ−3H−インドール−3−イリデン)メチル]−2,4−ジメチル−1H−ピロール−3−カルボキサミド(化合物28)
実施例14の方法にしたがって,95mgの対応するアミンから99mgの橙色結晶固体を得た。
【0256】
実施例21
5−[(Z)−(5−クロロ−2−オキソ−1,2−ジヒドロ−3H−インドール−3−イリデン)メチル]−N−[3−[(2R,6S)−2,6−ジメチルモルホリン−4−イル]−2−ヒドロキシプロピル]−2,4−ジメチル−1H−ピロール−3−カルボキサミド(化合物29)
実施例15の方法にしたがって,95mgの対応するアミンから101mgの橙色結晶固体を得た。
【0257】
実施例22
N−[3−[(2R,6S)−2,6−ジメチルモルホリン−4−イル]−2−ヒドロキシプロピル]−2,4−ジメチル−5−[(Z)−[2−オキソ−5−(トリフルオロメトキシ)−1,2−ジヒドロ−3H−インドール−3−イリデン]メチル]−1H−ピロール−3−カルボキサミド(化合物30)
実施例16の方法にしたがって,95mgの対応するアミンから89mgの橙色結晶固体を得た。
【0258】
実施例23
5−[(Z)−(5−フルオロ−2−オキソ−1,2−ジヒドロ−3H−インドール−3−イリデン)メチル]−N−[(2S)−2−ヒドロキシ−3−(3−メチル−2,5−ジオキソイミダゾリジン−1−イル)]2,4−ジメチル−1H−ピロール−3−カルボキサミド(化合物34)
実施例14の方法にしたがって,95mgの対応するアミンから109mgの橙色結晶固体を得た。
【0259】
実施例24
5−[(Z)−(5−クロロ−2−オキソ−1,2−ジヒドロ−3H−インドール−3−イリデン)メチル]−N−[(2S)−2−ヒドロキシ−3−(3−メチル−2,5−ジオキソイミダゾリジン−1−イル)プロピル]−2,4−ジメチル−1H−ピロール−3−カルボキサミド(化合物36)
実施例15の方法にしたがって,95mgの対応するアミンから107mgの橙色結晶固体を得た。
【0260】
実施例25
N−[(2S)−2−ヒドロキシ−3−(3−メチル−2,5−ジオキソイミダゾリジン−1−イル)プロピル]−2,4−ジメチル−5−{(Z)−[2−オキソ−5−(トリフルオロメトキシ)−1,2−ジヒドロ−3H−インドール−3−イリデン]メチル}−1H−ピロール−3−カルボキサミド(化合物35)
実施例16の方法にしたがって,95mgの対応するアミンから123mgの橙色結晶固体を得た。
【0261】
実施例26
5−[(Z)−(5−フルオロ−2−オキソ−1,2−ジヒドロ−3H−インドール−3−イリデン)メチル]−N−[(2R)−2−ヒドロキシ−3−(3−メチル−2,5−ジオキソイミダゾリジン−1−イル)プロピル]−2,4−ジメチル−1H−ピロール−3−カルボキサミド(化合物31)
実施例14の方法にしたがって,95mgの対応するアミンから110mgの橙色結晶固体を得た。
【0262】
実施例27
5[(Z)−(5−クロロ−2−オキソ−1,2−ジヒドロ−3H−インドール−3−イリデン)メチル]−N−[(2R)−2−ヒドロキシ−3−(3−メチル−2,5−ジオキソイミダゾリジン−1−イル)プロピル]−2,4−ジメチル−1H−ピロール−3−カルボキサミド(化合物32)
実施例15の方法にしたがって,95mgの対応するアミンから103mgの橙色結晶固体を得た。
【0263】
実施例28
N−[(2R)−2−ヒドロキシ−3−(3−メチル−2,5−ジオキソイミダゾリジン−1−イル)プロピル]−2,4−ジメチル−5−{(Z)−[2−オキソ−5−(トリフルオロメトキシ)−1,2−ジヒドロ−3H−インドール−3−イリデンメチル}−1H−ピロール−3−カルボキサミド(化合物33)
実施例16の方法にしたがって,95mgの対応するアミンから120mgの橙色結晶固体を得た。
【0264】
実施例29
5−ホルミル−2−メチル−4−フェニル−1H−ピロール−3−カルボン酸エチルエステル
【化24】
Figure 2004522776
DMF(4mL,3eq)を氷浴中で撹拌しながら冷却した。これにPOCL3(1.1eq.,1.8mL)を加えた。30分後,DMF(2M,9mL)中の3,5−ジメチル−4−エチルエステルピロール(4g,17.4mmol)の溶液を反応液に加え,撹拌を続けた。10分後,反応混合物は固化した。これを5mLのDMFで希釈し,90℃の油浴中で加熱した。1時間後,反応液を室温に冷却し,水(100mL)で希釈し,1NNaOHでpH=11に塩基性にした。生成物を塩化メチレン(3x200mL)で抽出し,有機層をブライン(200mL)で洗浄し,乾燥し(MgSO4),濃縮して,4.3g(95%)の5−ホルミル−2−メチル−4−フェニル−1H−ピロール−3−カルボン酸エチルエステルを茶色固体として得た。1H NMR(360MHz,DMSO−d6)δ12.5(brs,1H,N),9.11(s,1H,CO),7.35(s,5H,Ar),3.98(q,J=6.8および7.2Hz,2H,OC 2CH3),2.48(s,3H,C 3),0.98(t,J=7Hz,3H,OCH2 3
【0265】
5−ホルミル−2−メチル−4−フェニル−1H−ピロール−3−カルボン酸
【化25】
Figure 2004522776
5−ホルミル−2−メチル−4−フェニル−1H−ピロール−3−カルボン酸エチルエステルを水(100mL)およびメタノール(45mL)に撹拌しながら溶解した。KOH(2eq.1.9g)を加え,100℃に加熱した。2.5時間後,室温に冷却し,酢酸エチル(200mL)で抽出することにより残存エステルを除去し,乾燥し,濃縮した。水層を2NHClを用いてpH=3に酸性にした。白色固体を濾過により除去し,水ですすいだ。固体をトルエンから再濃縮し,ヘキサン中で破砕し,乾燥して,2g(52%)の灰白色固体を得た。1H NMR(360MHz,DMSO−d6)δ12.46(brs,1H,CO2H),11.95(s,1H,N),9.08(s,1H,CO),7.36(s,5H,Ar),2.49(s,3H,C 3).MS m/z(相対強度%,イオン)実測値229(100,M+);計算値229.2
【0266】
5−ホルミル−2−メチル−4−フェニル−1H−ピロール−3−カルボン酸(3−ジエチルアミノ−2−ヒドロキシ−プロピル)−アミド
【化26】
Figure 2004522776
クロロホルム(60mL)中の5−ホルミル−2−メチル−4−フェニル−1H−ピロール−3−カルボン酸(1.0gm,4.36mmol),1−アミノ−3−ジエチルアミノ−2−プロパノール(950mg,6.54mmol),DDC(900mg,4.36mmol)およびHOBt(884mg,6.54mmol)の混合物を室温で12時間撹拌した。反応液を飽和炭酸水素ナトリウム(60mL)に注加し,これに1NNaOH(8mL)を加えた。次にこれをEtOAc(3x100mL)で抽出し,水およびブラインで洗浄し,乾燥し,濃縮して,400mgの5−ホルミル−2−メチル−4−フェニル−1H−ピロール−3−カルボン酸(3−ジエチルアミノ−2−ヒドロキシ−プロピル)−アミドを得た。
【0267】
実施例30
化合物11−21の合成の方法
DMSO中に,各オキシインドールの0.36M溶液および各アルデヒドの0.576M溶液を調製する。200μLのDMSOの存在下で300μLの適当なオキシインドールを300μLの適当なアルデヒドと混合する。次に,40mgのジエチレントリアミンスカベンジャー樹脂を加える。混合物をロビンズ(Robbins)ブロックに入れ,ブロックを密封し,60℃のオーブン中に入れ,18時間振盪する。
18時間後,ロビンズブロックをオーブンから取り出す。ブロックの上部シールを除き,800μLのDMSOを混合物に加える。次に,ブロックを再び密封し,60℃のオーブンに入れ,1時間連続して回転させる。
1時間が経過した後,ロビンズブロックをオーブンから取り出し,冷却させる。ロビンズブロックの下部シールを注意深く除き,ブロック全体を濾過装置に取り付け,ここで,新たに合成された化合物を樹脂から濾別する。
【0268】
実施例31
3−[1−H−(7−アザベンズトリアゾリル)−オキシ]−2−ヒドロキシ−1−アミノプロパン
無水クロロホルム中の4.083gの1−ヒドロキシ−7−アザベンズトリアゾール(30mmol)および0.53mlのジイソプロピルアミン(3mmol)および4.70mlのエピクロロヒドリンを60℃で2時間撹拌した。反応混合物をシリカのカラムに負荷し,クロロホルム−メタノール混合物100:3で溶出した。得られたヒドロキシ−クロロ中間体(4.83g,淡黄色油状物,収率70%)をメタノール性アンモニア(100ml,アンモニアガスで飽和)に溶解し,8.3gの炭酸カリウムを加え,混合物を密封フラスコ中で2.5日間撹拌した。反応混合物を濾過し,濾液を蒸発させた。残渣をクロロホルム−メタノール−濃水性アンモニア80:15:1.5の混合物でシリカカラムで精製して,2.793gの白色結晶固体を得た(塩化物から合計63%)。
【0269】
3−[1−H−(ベンズトリアゾリル)−オキシ]−2−ヒドロキシ−1−クロロプロパンおよび3−[1−H−(ベンズトリアゾリル−3−N−オキシド)]−2−ヒドロキシ−1−クロロプロパン
無水クロロホルム中の12.162gのヒドロキシアザベンズトリアゾール(90mmol),1.59mlのジイソプロピルエチルアミン(9mmol)および14.1mlのエピクロロヒドリン(180mmol)を55℃で2時間撹拌した。反応混合物を蒸発させ,残渣をハイバックで乾燥し,次にシリカカラムでクロロホルム−メタノール100:5の混合物で精製した。第1の画分から3−[1−H−(ベンズトリアゾリル)−オキシ]−2−ヒドロキシ−1−クロロプロパン10.570g(淡黄蜂蜜色;収率51.5%)を,次に3−[1−H−(ベンズトリアゾリル−3−N−オキシド)]−2−ヒドロキシ−1−クロロプロパン9.990g(白色結晶固体,収率48.5%)を得た。
【0270】
3−[1−H−(ベンズトリアゾリル−3−N−オキシド)]−2−ヒドロキシ−1−アミノプロパン
3−[1−H−(ベンズトリアゾリル−3−N−オキシド)]−2−ヒドロキシ−1−クロロプロパンのアミノ分解により,3−[1−H−(7−アザベンズトリアゾリル)−オキシ]−2−ヒドロキシ−1−アミノプロパンの合成と同様にして表題化合物を製造した。
【0271】
実施例32
5−[(Z)−(5−フルオロ−2−オキソ−1,2−ジヒドロ−3H−インドール−3−イリデン)メチル]−N−[2−ヒドロキシ−3−(3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−b]ピリジン−3−イルオキシ)プロピル]−2,4−ジメチル−1H−ピロール−3−カルボキサミド(一般的方法)
105mgの3−[1−H−(7−アザベンズトリアゾリル)−オキシ]−2−ヒドロキシ−1−アミノプロパンを,105mg(0.25mmol)の5−[(Z)−(5−フルオロ−2−オキソ−1,2−ジヒドロ−3H−インドール−3−イリデン)メチル]−2,4−ジメチル−1H−ピロール−3−カルボン酸1−オキシ−7−アザベンズトリアゾールエステル<DMF(5ml)中の(3Z)−3−({3,3−ジメチル−4−カルボキシ−1−H−ピロール−2−イル}メチレン)−5−フルオロ−1,3−ジヒドロ−2H−インドール−2−オン(480mg;1.6mmol)mmol;0.525ml)をクロロホルム(5ml)で沈殿させ,高真空下で乾燥することにより収率92%(579mg)で純粋な形で単離することにより製造した>の無水ジメチルアセトアミド(1.5ml)中のスラリーに加えた。混合物を30分間撹拌し,ハイバックで蒸発させた。残渣をメタノール−ジエチルアミン20:1(3ml)の混合物に懸濁し,冷蔵庫(5℃)中で1時間放置して結晶化させ,濾過し,沈殿物を氷冷メタノールで洗浄し,ハイバックで乾燥して,121mgの橙色結晶固体を得た。
【0272】
実施例33
5−[(Z)−(5−クロロ−2−オキソ−1,2−ジヒドロ−3H−インドール−3−イリデン)メチル]−N−[2−ヒドロキシ−3−(3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−b]ピリジン−3−イルオキシ)プロピル]−2,4−ジメチル−1H−ピロール−3−カルボキサミド(一般的方法)
105mgの3−[1−H−(7−アザベンズトリアゾリル)−オキシ]−2−ヒドロキシ−1−アミノプロパンを,109mg(0.25mmol)の5−[(Z)−(5−クロロ−2−オキソ−1,2−ジヒドロ−3H−インドール−3−イリデン)メチル]−2,4−ジメチル−1H−ピロール−3−カルボン酸1−オキシ−7−アザベンズトリアゾールエステル<(3Z)−3−({3,3−ジメチル−4−カルボキシ−1−H−ピロール−2−イル}メチレン)−5−クロロ−1,3−ジヒドロ−2H−インドール−2−オン(1.520g;4.8mmol)をヒューニッヒ塩基(9.0mmol;1.58ml)の存在下でDMF(20ml)中でHATU試薬(1.768g;4.65mmol)で活性化し,クロロホルム(20ml)で沈殿させ,高真空下で乾燥することにより収率94%(1.907g)で純粋な形で単離することにより製造した>の無水ジメチルアセトアミド(1.5ml)中のスラリーに加えた。混合物を30分間撹拌し,ハイバックで蒸発させた。残渣をメタノール−ジエチルアミン20:1(3ml)の混合物に懸濁し,冷蔵庫(5℃)で1時間放置して結晶化させ,濾過し,沈殿物を氷冷メタノールで洗浄し,ハイバックで乾燥して,130mgの橙色結晶固体を得た。
【0273】
実施例34
5−[(Z)−(5−トリフルオロメトキシ−2−オキソ−1,2−ジヒドロ−3H−インドール−3−イリデン)メチル]−N−[2−ヒドロキシ−3−(3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−b]ピリジン−3−イルオキシ)プロピル]−2,4−ジメチル−1H−ピロール−3−カルボキサミド(一般的方法)
105mgの3−[1−H−(7−アザベンズトリアゾリル)−オキシ]−2−ヒドロキシ−1−アミノプロパンを,121.5mg(0.25mmol)の5−[(Z)−(5−トリフルオロメトキシ−2−オキソ−1,2−ジヒドロ−3H−インドール−3−イリデン)メチル]−2,4−ジメチル−1H−ピロール−3−カルボン酸1−オキシ−7−アザベンズトリアゾールエステル<(3Z)−3−({3,3−ジメチル−4−カルボキシ−1−H−ピロール−2−イル}メチレン)−5−トリフルオロメトキシ−1,3−ジヒドロ−2H−インドール−2−オン(1.768g;4.8mmol)をヒューニッヒ塩基(9.0mmol;1.58ml)の存在下でDMF(25ml)中でHATU試薬(1.758g;4.8mmol)で活性化し,蒸発させ,無水アセトニトリルで沈殿させ,高真空下で乾燥することにより収率85.5%(1.929g)で純粋な形で単離することにより製造した>の無水ジメチルアセトアミド(1.5ml)中のスラリーに加えた。混合物を30分間撹拌し,ハイバックで乾燥した。残渣をメタノール−ジエチルアミン20:1(3ml)の混合物に懸濁し,冷蔵庫(5℃)で1時間放置して結晶化させ,濾過し,沈殿物を氷冷メタノールで洗浄し,ハイバックで乾燥して,142mgの橙色結晶固体を得た。
【0274】
実施例35
5−[(Z)−(5−フルオロ−2−オキソ−1,2−ジヒドロ−3H−インドール−3−イリデン)メチル]−N−[2−ヒドロキシ−3−(3−オキシド−1H−1,2,3−ベンゾトリアゾール−1−イル)プロピル]−2,4−ジメチル−1H−ピロール−3−カルボキサミド
実施例32の方法にしたがって,105mgの対応するアミンから120mgの橙色結晶固体を得た。
【0275】
実施例36
5−[(Z)−(5−クロロ−2−オキソ−1,2−ジヒドロ−3H−インドール−3−イリデン)メチル]−N−[2−ヒドロキシ−3−(3−オキシド−1H−1,2,3−ベンゾトリアゾール−1−イル)プロピル]−2,4−ジメチル−1H−ピロール−3−カルボキサミド
実施例33の方法にしたがって,105mgの対応するアミンから127mgの橙色結晶固体を得た。
【0276】
実施例37
N−[2−ヒドロキシ−3−(3−オキシド−1H−1,2,3−ベンゾトリアゾール−1−イル)プロピル]−2,4−ジメチル−5−[(Z)−[2−オキソ−5−(トリフルオロメトキシ)−1,2−ジヒドロ−3H−インドール−3−イリデン]メチル)−1H−ピロール−3−カルボキサミド
実施例34の方法にしたがって,105mgの対応するアミンから141mgの橙色結晶固体を得た。
【0277】
生物学的実施例
以下のアッセイを用いて,最適な程度の所望の活性を示す化合物を見いだす。
A.アッセイ方法
以下のアッセイを用いて,活性のレベルおよび本発明の種々の化合物が1またはそれ以上のPKに及ぼす影響を決定することができる。任意のPKについて,当該技術分野においてよく知られる手法を用いて同じように同様のアッセイを設計することができる。
【0278】
本明細書に記載されるアッセイのいくつかは,ELISA(酵素結合イムノソルベントサンドイッチアッセイ)フォーマットで行う(Voller, et al.,1980,"Enzyme−Linked Immunosorbent Assay,"Manual of Clinical Immunology,2d ed.,Rose and Friedman,Am.Soc.Of Microbiology,Washington,D.C.,pp.359−371)。一般的方法は以下のとおりである:試験キナーゼを発現する(天然にまたは組換え的に)細胞に化合物を導入し,選択された時間が経過した後,試験キナーゼがレセプターである場合には,レセプターを活性化することが知られているリガンドを加える。細胞を溶解させ,溶解物を酵素的リン酸化反応の基質を認識する特定の抗体で予め被覆したELISAプレートのウエルに移す。細胞溶解物の非基質成分を洗い流し,ホスホチロシンを特異的に認識する抗体で基質上のリン酸化の量を検出し,試験化合物と接触していない対照細胞と比較する。
【0279】
特定のPKについてのELISA実験を実施するための現在好ましいプロトコルを以下に記載する。しかし,他のRTK,ならびにCTKおよびSTKに対する化合物の活性を決定するためにこれらのプロトコルを適合させることは,十分に当業者の技術の範囲内である。本明細書に記載される他のアッセイは試験キナーゼの活性化に応答して作成されたDNAの量を測定するものであり,これは増殖性応答の一般的尺度である。このアッセイの一般的方法は以下のとおりである:試験キナーゼを発現する(天然にまたは組換え的に)細胞に化合物を導入し,選択された時間が経過した後,試験キナーゼがレセプターである場合には,レセプターを活性化することが知られているリガンドを加える。少なくとも一夜インキュベートした後,DNA標識試薬,例えば5−ブロモデオキシウリジン(BrdU)またはH3−チミジンを加える。抗BrdU抗体を用いて,または放射活性を測定することにより標識DNAの量を検出し,試験化合物と接触していない対照細胞と比較する。
【0280】
GST−FLK−1バイオアッセイ
このアッセイは,ポリ(glu,tyr)ペプチドにおけるGST−Flklのチロシンキナーゼ活性を分析する。
【0281】
材料および試薬:
1.Corning96−ウエルELISAプレート(CorningカタログNo.5805−96)
2.ポリ(glu,tyr)4:1,lyophilizate(Sigmaカタログ#P0275)
3.ポリ(glu,tyr)(pEY)被覆アッセイプレートの調製:100μlPBS中の2μg/ウエルのポリ(glu,tyr)(pEY)を加え,室温で2時間保持するか,4℃で一夜保持する。プレートをよく覆って蒸発を防ぐ。
4.PBS緩衝液:1Lにつき,0.2gKH2PO4,1.15gNa2HPO4,0.2gKClおよび8gNaClを約900mlのdH2O中で混合する。すべての試薬が溶解したとき,HClでpHを7.2に調節する。dH2Oで総容量を1Lとする。
5.PBST緩衝液:1LのPBS緩衝液に1.0mlTween20を加える。
6.TBB−ブロッキング緩衝液:1Lにつき,1.21gTRIS,8.77gNaCl,1mlTWEEN−20を約900mlのdH2O中で混合する。HClでpHを7.2に調節する。10gBSAを加え,撹拌して溶解させる。dH2Oで総容量を1Lとする。濾過して粒子状物質を除去する。
7.1%BSA,PBS中:1x作業溶液を作成するためには,10gBSAを約990mlのPBS緩衝液に加え,撹拌して溶解させる。PBS緩衝液で総容量を1Lに調節し,濾過して,粒子状物質を除去する。
8.50mMHepespH7.5
9.sf9組換えバキュロウイルストランスフォーメーションから精製したGST−Flklcd(SUGEN,Inc.)。
10.4%DMSO,dH2O中
11.10mMATP,dH2O中
12.40mMMnCl2
13.キナーゼ希釈緩衝液(KDB):10mlHepes(pH7.5),1ml5MNaCl,40μlの100mMオルトバナジン酸ナトリウムおよび0.4mlの5%BSA(dH2O中)を88.56mlのdH2O中で混合する。
14.NUNC96−ウエルV底ポリプロピレンプレート,Applied Scientificカタログ#AS−72092
15.EDTA:14.12gエチレンジアミン四酢酸(EDTA)を約70mldH2Oに混合する。EDTAが溶解するまで10NNaOHを加える。pHを8.0に調節する。dH2Oで総容量を100mlに調節する。
16.1抗体希釈緩衝液:10mlのPBS緩衝液中5%BSAを89.5mlのTBSTと混合する。
17.西洋ワサビペルオキシダーゼとコンジュゲートした抗ホスホチロシンモノクローナル抗体(PY99HRP,Santa Cruz Biotech)
18.2,2’−アジノビス(3−エチルベンズチアゾリン−6−スルホン酸(ABTS,Moss,Cat.No.ABST)
19.10%SDS
【0282】
方法:
1.Corning96−ウエルELISAプレートを無菌PBS中の2μgのポリEYペプチドで,材料および試薬の工程3に記載されるように被覆する。
2.プレートを逆さにすることにより未結合液体をウエルから除去する。TBSTで1回洗浄する。プレートをペーパータオル上で軽くたたいて,過剰の液体を除去する。
3.100μlの1%BSA(PBS中)を各ウエルに加える。振盪しながら室温で1時間インキュベートする。
4.工程2を繰り返す。
5.ウエルを50mMHEPES(pH7.5)(150μl/ウエル)に浸漬する。
6.試験化合物を96−ウエルポリプロピレンプレート中でdH2O/4%DMSOで所望の最終アッセイ濃度の4倍に希釈する。
7.25μlの希釈試験化合物をELISAプレートに加える。対照ウエルには,25μlのdH2O/4%DMSOを加える。
8.25μlの40mMMnCl2および4xATP(2μM)を各ウエルに加える。
9.25μlの0.5MEDTAを陰性対照ウエルに加える。
10.GST−Flklを0.005μg(5ng)/ウエルでKDBで希釈する。
11.50μlの希釈酵素を各ウエルに加える。
12.振盪しながら室温で15分間インキュベートする。
13.50μlの250mMEDTA(pH8.0)を加えることにより反応を停止する。
14.TBSTで3回洗浄し,プレートをペーパータオル上で軽くたたいて過剰の液体を除去する。
15.抗体希釈緩衝液中で1:5,000に希釈した100μl/ウエルの抗ホスホチロシンHRPコンジュゲートを加える。振盪しながら室温で90分間インキュベートする。
16.工程14と同様に洗浄する。
17.100μlのrtABTS溶液を各ウエルに加える。
18.振盪しながら10−15分間インキュベートする。泡を除去する。
19.20μlの10%SDSを各ウエルに加えることにより反応を停止する。
20.DynatechMR7000ELISAリーダーで,試験フィルタ410nM,参照フィルタ630nMで結果を読む。
【0283】
PYK2バイオアッセイ
このアッセイを用いて,ELISAアッセイにおいて,HAエピトープタグ付け全長pyk2(FL.pyk2−HA)のインビトロキナーゼ活性を測定する。
【0284】
材料および試薬:
1.Corning96−ウエルElisaプレート
2.12CA5モノクローナル抗HA抗体(SUGEN,Inc.)
3.PBS(ダルベッコリン酸緩衝化食塩水(Gibcoカタログ#450−1300EB)
4.TBST緩衝液:1Lにつき,8.766gNaCl,6.057gTRISおよび1mlの0.1%TritonX−100を約900mldH2O中で混合する。pHを7.2に調節し,容量を1Lとする。
5.ブロッキング緩衝液:1Lにつき,100g10%BSA,12.1g100mMTRIS,58.44g1MNaClおよび10mLの1%TWEEN20を混合する。
6.sf9細胞溶解物からのFL.pyk2−HA(SUGEN,Inc.)
7.4%DMSO,MilliQueH2O中
8.10mMATP,dH2O中
9.1MMnCl2
10.1MMgCl2
11.1Mジチオスレイトール(DTT)
12.10Xキナーゼ緩衝液リン酸化:5.0ml1MHepes(pH7.5),0.2ml1MMnCl2,1.0ml1MMgCl2,1.0ml10%TritonX−100を2.8mldH2O中で混合する。使用直前に0.1ml1MDTTを加える。
13.NUNC96−ウエルV底ポリプロピレンプレート
14.500mMEDTA,dH2O中
15.抗体希釈緩衝液:100mLにつき,1mL5%BSA/PBSおよび1mL10%Tween−20を88mLTBS中で混合する。
16.HRP−コンジュゲート化抗PtyrPY99),Santa Cruz BiotechCat.No.SC−7020
17.ABTS,Moss,Cat.No.ABST−2000
18.10%SDS
【0285】
方法:
1.Corning96ウエルELISAプレートを100μlPBS中の0.5μg/ウエルの12CA5抗HA抗体で被覆する。4℃で一夜保存する。
2.プレートを逆さにすることにより未結合HA抗体をウエルから除去する。プレートをdH2Oで洗浄する。プレートをペーパータオル上で軽くたたいて,過剰の液体を除去する。
3.150μlのブロッキング緩衝液を各ウエルに加える。振盪しながら室温で30分間インキュベートする。
4.プレートをTBS−Tで4回洗浄する。
5.溶解物をPBS中で希釈する(1.5μg溶解物/100μlPBS)。
6.100μlの希釈溶解物を各ウエルに加える。室温で1時間振盪する。
7.工程4と同様に洗浄する。
8.50μlの2Xキナーゼ緩衝液を捕捉pyk2−HAを含むELISAプレートに加える。
9.25μlの4%DMSO中400μM試験化合物を各ウエルに加える。対照ウエルには4%DMSOのみを用いる。
10.25μlの0.5MEDTAを陰性対照ウエルに加える。
11.25μlの20pMATPをすべてのウエルに加える。振盪しながら10分間インキュベートする。
12.25μlの500mMEDTA(pH8.0)をすべてのウエルに加えることにより反応を停止する。
13.工程4と同様に洗浄する。
14.100μlのHRPコンジュゲート化抗Ptyr(1:6000に希釈,抗体希釈緩衝液中)を各ウエルに加える。振盪しながら室温で1時間インキュベートする。
15.プレートをTBSTで3回,PBSで1回洗浄する。
16.100μlのABST溶液を各ウエルに加える。
17.必要ならば,20μlの10%SDSを各ウエルに加えることにより発色反応を停止する。
18.ELISAリーダーで,試験フィルタ410nM,参照フィルタ630nMでプレートを読む。
【0286】
FGFR1バイオアッセイ
このアッセイを用いて,ELISAアッセイでFGF1−Rのインビトロキナーゼ活性を測定する。
【0287】
材料および試薬:
1.Costar96−ウエルElisaプレート(Corningカタログ#3369)
2.ポリ(Glu−Tyr)(Sigmaカタログ#P0275)
3.PBS(Gibcoカタログ#450−1300EB)
4.50mMHepes緩衝液溶液
5.ブロッキング緩衝液(5%BSA/PBS)
6.精製GST−FGFR1(SUGEN,Inc.)
7.キナーゼ希釈緩衝液:500μlの1MHepes(GIBCO),20μlの5%BSA/PBS,10μlの100mMオルトバナジン酸ナトリウムおよび50μlの5MNaClを混合する。
8.10mMATP
9.ATP/MnCl2リン酸化ミックス:20μlのATP,400μlの1MMnCl2および9.56mlのdH2Oを混合する。
10.NUNC96−ウエルV底ポリプロピレンプレート(Applied Scientificカタログ#AS−72092)
11.0.5MEDTA
12.0.05%TBST
500μlのTWEENを1リットルのTBSに加える。
13.ウサギポリクローナル抗ホスホチロシン血清(SUGEN,Inc.)
14.ヤギ抗ウサギIgGペルオキシダーゼコンジュゲート(Biosource,カタログ#ALI0404)
15.ABTS溶液
16.ABTS/H22溶液
【0288】
方法:
1.Costar96ウエルELISAプレートを1μg/ウエルの100μlPBS中ポリ(Glu,Tyr)で被覆する。4℃で一夜保存する。
2.被覆したプレートをPBSで1回洗浄する。
3.150μlの5%BSA/PBSブロッキング緩衝液を各ウエルに加える。振盪しながら室温で1時間インキュベートする。
4.プレートをPBSで2回,次に50mMHepesで1回洗浄する。プレートをペーパータオル上で軽くたたいて過剰の液体および泡を除去する。
5.25μlの0.4mM試験化合物(4%DMSO中),または4%DMSO単独(対照)をプレートに加える。
6.精製GST−FGFR1を希釈緩衝液(5μキナーゼ/50μlKDB/ウエル)で希釈する。
7.50μlの希釈キナーゼを各ウエルに加える。
8.25μl/ウエルの新たに調製したATP/Mn++(0.4ml1MMnCl2,40μl10mMATP,9.56mldH2O,新たに調製)を加えることによりキナーゼ反応を開始する
9.これは迅速なキナーゼ反応であり,ATPの添加と同様の様式で25μlの0.5MEDTAを加えることにより停止しなければならない。
10.プレートを新たなTBSTで4回洗浄する。
11.抗体希釈緩衝液を作成する:50mlにつき,5mlの5%BSA,250μlの5%ミルクおよび50μlの100mMバナジン酸ナトリウムを混合し,0.05%TBSTで最終容量とする。
12.100μl/ウエルの抗ホスホチロシン(1:10000希釈,ADB中)を加える。振盪しながら室温で1時間インキュベートする。
13.工程10と同様に洗浄する。
14.100μl/ウエルのBiosourceヤギ抗ウサギIgGペルオキシダーゼコンジュゲート(1:6000希釈,ADB中)を加える。振盪しながら室温で1時間インキュベートする。
15.工程10と同様に洗浄し,次にPBSで洗浄して泡および過剰のTWEENを除去する。
16.100μlのABTS/H22溶液を各ウエルに加える。
17.振盪しながら10−20分間インキュベートする。泡を除去する。
18.DynatechMR7000Elisaリーダーで,試験フィルタ410nM,参照フィルタ630nMでアッセイを読む。
【0289】
EGFRバイオアッセイ
このアッセイを用いて,ELISAアッセイにおいてFGF1−Rのインビトロキナーゼ活性を測定する。
【0290】
材料および試薬:
1.Corning96−ウエルElisaプレート
2.SUMO1モノクローナル抗EGFR抗体(SUGEN,Inc.)
3.PBS
4.TBST緩衝液
5.ブロッキング緩衝液:100mlにつき,5.0gカーネーションインスタント無脂ミルクを100mlPBSと混合する。
6.A431細胞溶解物(SUGEN,Inc.)
7.TBS緩衝液:
8.TBS+10%DMSO:1Lにつき,1.514gTRIS,2.192gNaClおよび25mlDMSOを混合物し,dH2Oで総容量1リットルとする。
9.ATP(アデノシン−5’−三リン酸,ウマ筋肉,SigmaCat.No.A−5394),1.0mM溶液,dH2O中。この試薬は,使用直前に作成し氷上に保持しなければならない。
10.1.0mMMnCl2
11.ATP/MnCl2リン酸化ミックス:10mlを作成するには,300μlの1mMATP,500μlのMnCl2および9.2mlのdH2Oを混合する。使用直前に調製し,氷上に保持する。
12.NUNC96−ウエルV底ポリプロピレンプレート
13.EDTA
14.ウサギポリクローナル抗ホスホチロシン血清(SUGEN,Inc.)
15.ヤギ抗ウサギIgGペルオキシダーゼコンジュゲート(BiosourceCat.No.ALI0404)
16.ABTS
17.30%過酸化水素
18.ABTS/H22
19.0.2MHCl
【0291】
方法:
1.Corning96ウエルELISAプレートをウエルあたり100μlPBS中の0.5μgのSUM01で被覆する。4℃で一夜保存する。
2.プレートを逆さにして液体を除去することにより未結合SUMO1をウエルから除去する。dH2Oで1回洗浄する。プレートをペーパータオル上で軽くたたいて,過剰の液体を除去する。
3.150μlのブロッキング緩衝液を各ウエルに加える。振盪しながら室温で30分間インキュベートする。
4.プレートを脱イオン水で3回,次にTBSTで1回洗浄する。プレートをペーパータオル上で軽くたたいて,過剰の液体および泡を除去する。
5.溶解物をPBS中で希釈する(7μg溶解物/100μlPBS)。
6.100μlの希釈溶解物を各ウエルに加える。室温で1時間振盪する。
7.プレートを上述の4と同様に洗浄する。
8.120μlのTBSを捕捉EGFRを含むELISAプレートに加える。
9.試験化合物をTBS中に1:10で希釈し,ウエル中に入れる。
10.13.5μlの希釈試験化合物をELISAプレートに入れる。対照ウエルには10%DMSO中13.5μlのTBSを加える。
11.振盪しながら室温で30分間インキュベートする。
12.15μlのリン酸化ミックスを陰性対照ウエルを除くすべてのウエルに加える。最終ウエル容量は約150μlであり,各ウエル中3μMATP/5mMMnCl2の最終濃度となるはずである。振盪しながら5分間インキュベートする。
13.振盪しながら16.5μlのEDTA溶液を加えることにより反応を停止させる。さらに1分間振盪する。
14.脱イオン水で4回,TBSTで2回洗浄する。
15.ウエルあたり100μlの抗ホスホチロシン(1:3000希釈,TBST中)を加える。振盪しながら室温で30−45分間インキュベートする。
16.上述の4と同様に洗浄する。
17.100μlのBiosourceヤギ抗ウサギIgGペルオキシダーゼコンジュゲート(1:2000希釈,TBST中)を各ウエルに加える。振盪しながら室温で30分間インキュベートする。
18.上述の4と同様に洗浄する。
19.100μlのABTS/H22溶液を各ウエルに加える。
20.振盪しながら5−10分間インキュベートする。泡を除去する。
21.必要ならば,100μlの0.2MHCl/ウエルを加えることにより反応を停止させる。
22.DynatechMR7000ELISAリーダーでアッセイを読む:試験フィルタ410nM,参照フィルタ630nM。
【0292】
PDGFRバイオアッセイ
このアッセイを用いて,ELISAアッセイにおいてFGF1−Rのインビトロキナーゼ活性を測定する。
【0293】
材料および試薬:
1.Corning96−ウエルElisaプレート
2.28D4C10モノクローナル抗PDGFR抗体(SUGEN,Inc.)
3.PBS
4.TBST緩衝液
5.ブロッキング緩衝液(EGFRバイオアッセイと同じ)
6.PDGFR−発現NIH3T3細胞溶解物(SUGEN,Inc.)
7.TBS緩衝液
8.TBS+10%DMSO
9.ATP
10.MnCl2
11.キナーゼ緩衝液リン酸化ミックス:10mlにつき,250μl1MTRIS,200μl5MNaCl,100μl1MMnCl2および50μl100mMTritonX−100を十分なdH2O中で混合して,10mlとする。
12.NUNC96−ウエルV底ポリプロピレンプレート
13.EDTA
14.ウサギポリクローナル抗ホスホチロシン血清(SUGEN,Inc.)
15.ヤギ抗ウサギIgGペルオキシダーゼコンジュゲート(BiosourceCat.No.ALI0404)
16.ABTS
17.過酸化水素,30%溶液
18.ABTS/H22
19.0.2MHCl
【0294】
方法:
1.Corning96ウエルELISAプレートをウエルあたり100μlのPBS中0.5μg28D4C10で被覆し,4℃で一夜保存する。
2.プレートを逆さにして液体を除去することにより未結合28D4C10をウエルから除去する。dH2Oで1回洗浄する。プレートをペーパータオル上で軽くたたいて過剰の液体を除去する。
3.150μlのブロッキング緩衝液を各ウエルに加える。振盪しながら室温で30分間インキュベートする。
4.プレートを脱イオン水で3回,次にTBSTで1回洗浄する。プレートをペーパータオル上で軽くたたいて,過剰の液体および泡を除去する。
5.溶解物をHNTG中で希釈する(10μg溶解物/100μlHNTG)
6.100μlの希釈溶解物を各ウエルに加える。室温で60分間振盪する。
7.プレートを工程4に記載されるように洗浄する。
8.80μlの作業キナーゼ緩衝液ミックスを捕捉PDGFRを含むELISAプレートに加える。
9.試験化合物を96−ウエルポリプロピレンプレート中でTBS中で1:10に希釈する。
10.10μlの希釈試験化合物をELISAプレートに加える。対照ウエルには,10μlのTBS+10%DMSOを加える。振盪しながら室温で30分間インキュベートする。
11.10μlのATPを陰性対照ウエルを除くすべてのウエルに直接加える(最終ウエル容量は約100μlであり,各ウエルは20μMATPであるはずである)。振盪しながら30分間インキュベートする。
12.10μlのEDTA溶液を各ウエルに加えることにより反応を停止する。
13.脱イオン水で4回,TBSTで2回洗浄する。
14.ウエルあたり100μlの抗ホスホチロシン(1:3000希釈,TBST中)を加える。振盪しながら室温で30−45分間インキュベートする。
15.工程4と同様に洗浄する。
16.100μlのBiosourceヤギ抗ウサギIgGペルオキシダーゼコンジュゲート(1:2000希釈,TBST中)を各ウエルに加える。振盪しながら室温で30分間インキュベートする。
17.工程4と同様に洗浄する。
18.100μlのABTS/H22溶液を各ウエルに加える。
19.振盪しながら10−30分間インキュベートする。泡を除去する。
20.必要ならば,100μl/ウエルの0.2MHClを加えることにより反応を停止させる。
21.DynatechMR7000ELISAリーダーで,試験フィルタ410nM,参照フィルタ630nMでアッセイを読む。
【0295】
細胞性HER−2キナーゼアッセイ
このアッセイを用いて,全細胞におけるHER−2キナーゼ活性をELISAフォーマットで測定する。
【0296】
材料および試薬:
1.DMEM(GIBCOカタログ#11965−092)
2.ウシ胎児血清(FBS,GIBCOカタログ#16000−044),水浴中で56℃で30分間熱不活性化する。
3.トリプシン(GIBCOカタログ#25200−056)
4.L−グルタミン(GIBCOカタログ#25030−081)
5.HEPES(GIBCOカタログ#15630−080)
6.成長培地:500mlDMEM,55ml熱不活性化FBS,10mlHEPESおよび5.5mlL−グルタミンを混合する。
7.血清飢餓培地:500mlDMEM,2.5ml熱不活性化FBS,10mlHEPESおよび5.5mlL−グルタミンを混合物する。
8.PBS
9.平底96−ウエル組織培養マイクロタイタープレート(Corningカタログ#25860)
10.15cm組織培養皿(Corningカタログ#08757148)
11.Corning96−ウエルELISAプレート
12.NUNC96−ウエルV底ポリプロピレンプレート
13.Costarトランスファーカートリッジ,Transtar96(Costarカタログ#7610)用
14.SUMO1:モノクローナル抗EGFR抗体(SUGEN,Inc.)
15.TBST緩衝液
16.ブロッキング緩衝液:5%カーネーションインスタントミルク,PBS中
17.EGFリガンド:EGF−201,Shinko American,Japan.。粉体を100μlの10mMHClに懸濁する。100μlの10mMNaOHを加える。800μlのPBSを加え,エッペンドルフチューブに移し,使用するまで−20℃で保存する。
18.HNTG溶解緩衝液:保存5XHNTG用には,23.83gHepes,43.83gNaCl,500mlグリセロールおよび100mlTritonX−100および十分なdH2Oを混合して1Lの溶液とする。1XHNTG*用には,2mlHNTG,100L0.1MNa3VO4,250μl0.2MNa427および100μlEDTAを混合する。
19.EDTA
20.Na3VO4.保存溶液を作成するためには,1.84gNa3VO4を90mldH2Oと混合する。pHを10に調節する。電子レンジで1分間沸騰させる(溶液は透明になる)。室温に冷却する。pHを10に調節する。pHが10で安定するまで加熱/冷却のサイクルを繰り返す。
21.200mMNa4P2O7
22.ホスホチロシン特異的ウサギポリクローナル抗血清(抗Ptyr抗体,SUGEN,Inc.)
23.アフィニティー精製抗血清,ヤギ抗ウサギIgG抗体,ペルオキシダーゼコンジュゲート(Biosourceカタログ#ALI0404)
24.ABTS溶液
25.30%過酸化水素溶液
26.ABTS/H22
27.0.2MHCl
【0297】
方法:
1.Corning96ウエルELISAプレートをPBS中1.0μg/ウエルのSUM01で被覆する。最終容量100μl/ウエル。4℃で一夜保存する。
2.使用の日に,被覆緩衝液を除去し,プレートをdH2Oで3回,TBST緩衝液で1回洗浄する。このアッセイにおいては,特に記載しない限り,すべての洗浄はこのように行う。
3.100μlのブロッキング緩衝液を各ウエルに加える。プレートを振盪しながら室温で30分間インキュベートする。使用直前にプレートを洗浄する。
4.このアッセイにはEGFr/HER−2キメラ/3T3−C7細胞株を用いる。
5.80−90%コンフルエントの皿を選択する。トリプシン処理により細胞を回収し,1000rpmで室温で5分間遠心分離する。
6.細胞を血清飢餓培地に懸濁し,トリパンブルーで計数する。90%より高い生存度が必要である。細胞を血清飢餓培地に2,500細胞/ウエルの密度で,90μl/ウエルで96ウエルマイクロタイタープレートに播種する。播種した細胞を37℃,5%CO2で一夜インキュベートする。
7.播種の2日後にアッセイを開始する。
8.試験化合物を4%DMSOに溶解する。次に試料をプレート上で直接血清飢餓DMEMでさらに希釈する。典型的には,この希釈は1:10またはそれより高い。次にすべてのウエルを細胞プレートにさらに1:10希釈して加える(10μlの試料および培地を90μlの血清飢餓培地に加える。最終DMSO濃度は1%以下でなければならない。標準的連続希釈を用いてもよい。
9.5%CO2,37℃で2時間インキュベートする。
10.保存EGF(16.5μM)を暖めたDMEMで150nMに希釈することによりEGFリガンドを調製する。
11.100μl/ウエルに十分な量のHNTG*を新たに調製する。氷上に置く。
12.試験化合物とともに2時間インキュベートした後,調製したEGFリガンドを細胞に50μl/ウエルで加える。最終濃度は50nMである。陽性対照ウエルには同量のEGFを加える。陰性対照にはEGFを加えない。37℃で10分間インキュベートする。
13.試験化合物,EGF,およびDMEMを除去する。細胞をPBSで1回洗浄する。
14.HNTG*を細胞に100μl/ウエルで移す。氷上に5分間置く。この間にブロッキング緩衝液をELISAプレートから除去し,洗浄する。
15.細胞をマイクロピペッターでプレートから掻き取り,HNTG*溶解緩衝液を繰り返し吸引分配することにより細胞材料をホモジナイズする。溶解物を,被覆しブロッキングし洗浄したELISAプレートに移す。あるいは,Costarトランスファーカートリッジを用いて溶解物をプレートに移す。
16.振盪しながら室温で1時間インキュベートする。
17.溶解物を除去し,洗浄する。新たに希釈した抗Ptyr抗体(1:3000,TBST中)をELISAプレートに100μl/ウエルで加える。
18.振盪しながら室温で30分間インキュベートする。
19.抗Ptyr抗体を除去し,洗浄する。新たに希釈したBIOSOURCE抗体をELISAプレートに加える(1:8000,TBST中,100μl/ウエル)。
20.振盪しながら室温で30分間インキュベートする。
21.BIOSOURCE抗体を除去し,洗浄する。新たに調製したABTS/H22溶液をELISAプレートに100μl/ウエルで加える。
22.振盪しながら5−10分間インキュベートする。泡を除去する。
23.100μl/ウエルの0.2MHClを加えて反応を停止する。
24.DynatechMR7000ELISAリーダーで,試験フィルタセット410nMおよび参照フィルタ630nMでアッセイを読む。
【0298】
CDK2/サイクリンAアッセイ
このアッセイを用いて,シンチレーションプロキシミティーアッセイ(SPA)におけるヒトcdk2/サイクリンAのインビトロセリン/トレオニンキナーゼ活性を測定する。
【0299】
材料および試薬:
1.Wallac96−ウエルポリエチレンテレフタレート(flexi)プレート(Wallacカタログ#1450−401)
2.Amersham Redivue[γ33P]ATP(Amershamカタログ#AH9968)
3.Amershamストレプトアビジン被覆ポリビニルトルエンSPAビーズ(Amershamカタログ#RPNQ0007)。ビーズはPBS中でマグネシウムまたはカルシウムなしで20mg/mlで再構成しなければならない。
4.Sf9細胞から精製した活性化cdk2/サイクリンA酵素複合体(SUGEN,Inc.)
5.ビオチニル化ペプチド基質(Debtide).ペプチドビオチン−X−PKTPKKAKKLをdH2Oに5mg/mlの濃度で溶解する。
6.ペプチド/ATP混合物:10mlにつき,9.979mldH2O,0.00125ml"コールド"ATP,0.010mlDebtideおよび0.010mlγ33P−ATPを混合する。ウエルあたり最終濃度は,0.5μM"コールド"ATP,0.1μgDebtideおよび0.2μCiγ33P−ATPである。
7.キナーゼ緩衝液:10mlにつき,8.85mldH2O,0.625mlTRIS(pH7.4),0.25ml1MMgCl2,0.25ml10%NP40を混合し,使用直前に0.025ml1MDTTを新たに加える。
8.10mMATP,dH2O中
9.1MTris,HClでpHを7.4に調節する。
10.1MMgCl2
11.1MDTT
12.PBS(Gibcoカタログ#14190−144)
13.0.5MEDTA
14.停止溶液:10mlにつき,9.25mlPBS,0.005ml100mMATP,0.1ml0.5MEDTA,0.1ml10%TritonX100および1.25mlの20mg/mlSPAビーズを混合する。
【0300】
方法:
1.試験化合物の溶液を5%DMSO中に所望の最終濃度の5倍で調製する。各ウエルに10μlを加える。陰性対照用には,10μlの5%DMSO飲みをウエルに加える。
2.5μlのcdk2/サイクリンA溶液を2.1ml2xキナーゼ緩衝液で希釈する。
3.20μlの酵素を各ウエルに加える。
4.10μlの0.5MEDTAを陰性対照ウエルに加える。
5.キナーゼ反応を開始させるため,20μlのペプチド/ATP混合物を各ウエルに加える。振盪せずに1時間インキュベートする。
6.200μlの停止溶液を各ウエルに加える。
7.少なくとも10分間保持する。
8.プレートを約2300rpmで3−5分間回転させる。
9.Triluxまたは類似のリーダーを用いてプレートを計数する。
【0301】
METトランスリン酸化アッセイ
このアッセイを用いて,基質のmetトランスリン酸化のアゴニスト/アンタゴニストを同定する手段として,ポリ(グルタミン酸:チロシン(4:1))基質のホスホチロシンレベルを測定する。
【0302】
材料および試薬:
1.Corning96−ウエルElisaプレート,Corningカタログ#25805−96
2.ポリ(glu,tyr)4:1,Sigma,Cat.No;P0275
3.PBS,Gibcoカタログ#450−1300EB
4.50mMHEPES
5.ブロッキング緩衝液:25gのウシ血清アルブミン,SigmaCat.NoA−7888,を500mlPBSに溶解し,4μmフィルターを通して濾過する。
6.Metキナーゼドメインを含む精製GST融合蛋白質,Sugen,Inc
7.TBST緩衝液
8.10%水性(MilliQueH2O)DMSO
9.10mM水性(dH2O)アデノシン−5’−三リン酸,SigmaCat.No.A−5394
10.2Xキナーゼ希釈緩衝液:100mlにつき,10mL1MHEPES,pH7.5,0.4mL5%BSA/PBS,0.2mL0.1Mオルトバナジン酸ナトリウムおよび1mL5M塩化ナトリウムを88.4mLdH2O中で混合する。
11.4XATP反応混合物:10mLにつき,0.4mL1M塩化マンガンおよび0.02mL0.1MATPを9.56mLdH2O中で混合する。
12.4X陰性対照混合物:10mLにつき,0.4mL1M塩化マンガンを9.6mLdH2O中に混合する。
13.NUNC96−ウエルV底ポリプロピレンプレート,Applied Scientificカタログ#S−72092
14.500mMEDTA
15.抗体希釈緩衝液:100mLにつき,10mL5%BSA/PBS,0.5mL5%カーネーションインスタントミルク,PBS中,および0.1mL0.1Mオルトバナジン酸ナトリウムを88.4mLTBST中で混合する。
16.ウサギポリクローナル抗ホスホチロシン抗体,Sugen,Inc
17.ヤギ抗ウサギ西洋ワサビペルオキシダーゼコンジュゲート化抗体,Biosource,Inc
18.ABTS溶液:1Lにつき,19.21gクエン酸,35.49gNa2HPO4および500mgABTSを十分なdH2O中で混合し,1Lとする。
19.ABTS/H22:15mLABST溶液と2μlH22を使用の5分前に混合する。
20.0.2MHCl
【0303】
方法:
1.ELISAプレートを100μlPBS中2μgのポリ(Glu−Tyr)で被覆し,4℃で一夜保存する。
2.プレートを150μlの5%BSA/PBSで60分間ブロッキングする。
3.プレートをPBSで2回,50mMHepes緩衝液,pH7.4で1回洗浄する。
4.50μlの希釈キナーゼをすべてのウエルに加える。
(精製キナーゼはキナーゼ希釈緩衝液中で希釈する。最終濃度は10ng/ウエルとなるはずである)。
5.25μlの試験化合物(4%,DMSO中)または対照にはDMSO単独(4%,dH2O中)をプレートに加える。
6.キナーゼ/化合物混合物を15分間インキュベートする。
7.25μlの40mMMnCl2を陰性対照ウエルに加える。
8.25μlのATP/MnCl2混合物を他のすべてのウエル(陰性対照を除く)に加える。5分間インキュベートする。
9.25μlの500mMEDTAを加えて反応を停止させる。
10.プレートをTBSTで3回洗浄する。
11.抗体希釈緩衝液中で1:10,000に希釈した100μlのウサギポリクローナル抗Ptyrを各ウエルに加える。振盪しながら室温で1時間インキュベートする。
12.プレートをTBSTで3回洗浄する。
13.BiosourceHRPコンジュゲート化抗ウサギ抗体を抗体.希釈緩衝液中に1:6,000で希釈する。100μl/ウエルを加え,振盪しながら室温で1時間インキュベートする。
14.プレートをPBSで1回洗浄する。
15.100μlのABTS/H22溶液を各ウエルに加える。
16.必要ならば,100μl/ウエルの0.2MHClを加えることにより発色反応を停止させる。
17.DynatechMR7000elisaリーダーで,試験フィルタ410nM,参照フィルタ630nMでプレートを読む。
【0304】
IGF−1トランスリン酸化アッセイ
このアッセイを用いて,基質のgst−IGF−1トランスリン酸化のアゴニスト/アンタゴニストを同定するために,ポリ(グルタミン酸:チロシン)(4:1)中のホスホチロシンレベルを測定する。
【0305】
材料および試薬:
1.Corning96−ウエルElisaプレート
2.ポリ(Glu−tyr)(4:1),SigmaCat.No.P0275
3.PBS,Gibcoカタログ#450−1300EB
4.50mMHEPES5.TBBブロッキング緩衝液:1Lにつき,100gBSA,12.1gTRIS(pH7.5),58.44g塩化ナトリウムおよび10mL1%TWEEN−20を混合する。
6.IGF−1キナーゼドメインを含む精製GST融合蛋白質(Sugen,Inc.)
7.TBST緩衝液:1Lにつき,6.057gTris,8.766g塩化ナトリウムおよび0.5mlTWEEN−20を混合し,dH2Oで1リットルとする。
8.4%DMSO,Milli−QH2O中
9.10mMATP,dH2O中
10.2Xキナーゼ希釈緩衝液:100mLにつき,10mL1MHEPES(pH7.5),0.4mL5%BSA,dH2O中,0.2mL0.1Mオルトバナジン酸ナトリウムおよび1mL5M塩化ナトリウムを混合し,dH2Oで100mLとする。
11.4XATP反応混合物:10mLにつき,0.4mL1MMnCl2および0.008mL0.01MATPおよび9.56mLdH2Oを混合する。
12.4X陰性対照混合物:0.4mLの1M塩化マンガンを9.60mLdH2Oと混合する。
13.NUNC96−ウエルV底ポリプロピレンプレート
14.500mMEDTA,dH2O中
15.抗体希釈緩衝液:100mLにつき,10mL5%BSA(PBS中),0.5mL5%カーネーションインスタント無脂ミルク(PBS中)および0.1mL0.1Mオルトバナジン酸ナトリウムを88.4mLTBSTと混合する。
16.ウサギポリクローナル抗ホスホチロシン抗体,Sugen,Inc
17.ヤギ抗ウサギHRPコンジュゲート化抗体,Biosource
18.ABTS溶液
20.ABTS/H22:使用の5分前に15mLABTSを2μlH22と混合する。
21.0.2MHCldH2O中
【0306】
方法:
1.ELISAプレートを2.0μg/ウエルのポリ(Glu,Tyr)4:1(SigmaP0275)100μlPBSで.被覆する。プレートを4℃で一夜保存する。
2.プレートをPBSで1回洗浄する。
3.100μlのTBBブロッキング緩衝液を各ウエルに加える。プレートを振盪しながら室温で1時間インキュベートする。
4.プレートをPBSで1回,50mMHepes緩衝液pH7.5で2回洗浄する。
5.25μlの4%DMSO中の試験化合物(10mM試験化合物の100%DMSO中の保存溶液をdH2Oで希釈することにより得る)をプレートに加える。
6.10.0ngのgst−IGF−1キナーゼ(50μlキナーゼ希釈緩衝液中)をすべてのウエルに加える。
7.25μlの4XATP反応混合物をすべての試験ウエルおよび陽性対照ウエルに加えることによりキナーゼ反応を開始させる。25μlの4X陰性対照混合物をすべての陰性対照ウエルに加える。振盪しながら室温で10分間インキュベートする。
8.25μlの0.5MEDTA(pH8.0)をすべてのウエルに加える。
9.プレートをTBST緩衝液で4回洗浄する。
10.ウサギポリクローナル抗ホスホチロシン抗血清を,100μlの抗体希釈緩衝液中1:10,000の希釈ですべてのウエルに加える。振盪しながら室温で1時間インキュベートする。
11.プレートを工程9と同様に洗浄する。
12.100μlのBiosource抗ウサギHRPを抗体希釈緩衝液中1:10,000の希釈ですべてのウエルに加える。振盪しながら室温で1時間インキュベートする。
13.プレートを工程9と同様に洗浄し,さらにPBSで1回洗浄して,泡および過剰のTween−20を減少させる。
14.100μlのABTS/H22を各ウエルに加えることにより発色させる。
15.約5分後,試験フィルタ410nm,参照フィルタ630nmでELISAリーダーを読む。
【0307】
BRDU取り込みアッセイ
以下のアッセイは,選択されたレセプターを発現するよう遺伝子工学的に改変された細胞を使用して,DNA中へのBrdU取り込みを決定することにより,リガンド−誘導性DNA合成の活性に及ぼす目的化合物の影響を評価する。
以下の材料,試薬および方法は,以下のBrdU取り込みアッセイのそれぞれについて一般的である。特定のアッセイにおける変更は特に記載される。
【0308】
材料および試薬:
1.適当なリガンド
2.工学的に改変した適当な細胞
3.BrdU標識試薬:10mM,PBS(pH7.4)中(Boehringer Mannheim,Germany)
4.FixDenat:固定溶液(即使用可)(Boehringer Mannheim,Germany)
5.抗−BrdU−POD:マウスモノクローナル抗体,ペルオキシダーゼとコンジュゲート化(Boehringer Mannheim,Germany)
6.TMB基質溶液:テトラメチルベンジジン(TMB,Boehringer Mannheim,Germany)
7.PBS洗浄溶液:1XPBS,pH7.4
8.アルブミン,ウシ(BSA),画分V粉体(Sigma Chemical Co.,USA)
【0309】
一般的方法:
1.細胞を8000細胞/ウエルで,10%CS,2mMGln,DMEM中で96ウエルプレートに播種する。細胞を37℃で5%CO2で一夜インキュベートする。
2.24時間後,細胞をPBSで洗浄し,次に無血清培地(0%CSDMEM,0.1%BSA)中で24時間血清飢餓とする。
3.第3日に,適当なリガンドおよび試験化合物を細胞に同時に加える。陰性対照ウエルには無血清DMEM,0.1%BSAのみを加える。陽性対照細胞にはリガンドを加えるが試験化合物は加えない。試験化合物は,無血清DMEM中でリガンドとともに96ウエルプレート中で調製し,連続希釈して7種類の試験濃度とする。
4.リガンド活性化の18時間後,希釈BrdU標識試薬(1:100,DMEM中,0.1%BSA)を加え,細胞をBrdU(最終濃度=10μM)とともに1.5時間インキュベートする。
5.標識試薬とともにインキュベートした後,デカントし逆さにしたプレートをペーパータオル上で軽くたたくことにより培地を除去する。FixDenat溶液を加え(50μl/ウエル),プレートをプレート振盪器で室温で45分間インキュベートする。
6.デカントし逆さにしたプレートをペーパータオル上で軽くたたくことによりFixDenat溶液をよく除去する。ミルク(5%脱水ミルク,PBS中,200μl/ウエル)をブロッキング溶液としてを加え,プレートをプレート振盪器で室温で30分間インキュベートする。
7.デカントすることによりブロッキング溶液を除去し,ウエルをPBSで1回洗浄する。抗−BrdU−POD溶液(1:200希釈,PBS中,1%BSA)を加え(50μl/ウエル),プレートをプレート振盪器で室温で90分間インキュベートする。
8.デカントし,ウエルをPBSで5回すすぐことにより抗体コンジュゲートをよく除去し,プレートを逆さにし,ペーパータオル上で軽くたたくことにより乾燥する。
9.TMB基質溶液を加え(100μl/ウエル),プレート振盪器で室温で20分間,発色が光学的検出に十分となるまでインキュベートする。
10.試料の吸収をDynatechELISAプレートリーダーで410nmで測定する("デュアル波長"モード,参照波長として490nmでフィルターを読む)。
【0310】
EGF−誘導性BrdU取り込みアッセイ
材料および試薬:
1.マウスEGF,201(ToyoboCo.,Ltd.,Japan)
2.3T3/EGFRc7
【0311】
EGF−誘導性Her−2−推進性BrdU取り込みアッセイ
材料および試薬:
1.マウスEGF,201(ToyoboCo.,Ltd.,Japan)
2.3T3/EGFr/Her2/EGFr(EGFrおよびHer−2キナーゼドメイン)
【0312】
EGF−誘導性Her−4−推進性BrdU取り込みアッセイ
材料および試薬:
1.マウスEGF,201(ToyoboCo.,Ltd.,Japan)
2.3T3/EGFr/Her4/EGFr(EGFrおよびHer−4キナーゼドメイン)
【0313】
PDGF−誘導性BrdU取り込みアッセイ
材料および試薬:
1.ヒトPDGFB/B(Boehringer Mannheim,Germany)
2.3T3/EGFRc7
【0314】
FGF−誘導性BrdU取り込みアッセイ
材料および試薬:
1.ヒトFGF2/bFGF(GibcoBRL,USA)
2.3T3c7/EGFr
【0315】
IGF1−誘導性BrdU取り込みアッセイ
材料および試薬:
1.ヒト,組換え(G511,Promega Corp.,USA)
2.3T3/IGFlr
【0316】
インスリン−誘導性BrdU取り込みアッセイ
材料および試薬:
1.インスリン,結晶,ウシ,亜鉛(13007,GibcoBRL,USA)
2.3T3/H25
【0317】
HGF−誘導性BrdU取り込みアッセイ
材料および試薬:
1.組換えヒトHGF(Cat.No.249−HG,R&DSystems,Inc.USA)
2.BxPC−3細胞(ATCCCRL−1687)
【0318】
方法:
1.細胞をRPMI10%FBS中で96ウエルプレートに9000細胞/ウエルで播種する。細胞を37℃で5%CO2中で一夜インキュベートする
2.24時間後,細胞をPBSで洗浄し,次に100μlの無血清培地(RPMI,0.1%BSA)中で24時間血清飢餓とする。
3.第3日に,リガンド(1μg/mlでRPMI,0.1%BSA中で調製;最終HGF濃度200ng/ml)および試験化合物を含有する25μlを細胞に加える。陰性対照ウエルには25μlの無血清RPMI,0.1%BSAのみを加える。陽性対照細胞にはリガンド(HGF)を加えるが試験化合物は加えない。試験化合物は,96ウエルプレートで,リガンドを含む無血清RPMI中でその最終濃度の5倍で調製し,一連の希釈を作成して7種類の試験濃度とする。典型的には,試験化合物の最高最終濃度は100μMであり,1:3希釈を用いる(すなわち,最終試験化合物濃度範囲は0.137−100μMである)。
4.リガンド活性化の18時間後,12.5μlの希釈BrdU標識試薬(1:100,RPMI,0.1%BSA)を各ウエルに加え,細胞をBrdU(最終濃度は10pM)とともに1時間インキュベートする。
5.一般的方法と同じ。
6.一般的方法と同じ。
7.デカントすることによりブロッキング溶液を除去し,ウエルをPBSで1回洗浄する。抗−BrdU−POD溶液(1:100希釈,PBS中,1%BSA)を加え(100μl/ウエル),プレートを室温でプレート振盪器で90分間インキュベートする。
8.一般的方法と同じ。
9.一般的方法と同じ。
10.一般的方法と同じ。
【0319】
HUV−EC−Cアッセイ
このアッセイを用いて,PDGF−R,FGF−R,VEGF,aFGFまたはFlk−1/KDR(これらはすべてHUV−EC細胞により天然に発現されている)に対する化合物の活性を測定する。
【0320】
第0日
1. HUV−EC−C細胞(ヒト臍静脈内皮細胞,(American Type Cuture Collection;カタログNo.1730CRL)を洗浄し,トリプシン処理する。ダルベッコリン酸緩衝化食塩水(D−PBS;Gibco BRL;カタログNo.14190−029から入手)で2回,約1ml/10cm2組織培養フラスコで洗浄する。非酵素細胞解離溶液(Sigma 化学 Company;カタログNo.C−1544)中で0.05%トリプシン−EDTAでトリプシン処理する。0.05%トリプシンは,0.25%トリプシン/1mMEDTA(Gibco;カタログNo.25200−049)を細胞解離溶液中で希釈することにより作成する。約1ml/25−30cm2組織培養フラスコで37℃で約5分間トリプシン処理する。細胞をフラスコからはがした後,等量のアッセイ培地を加え,50ml滅菌遠心分離管(Fisher Scientific;カタログNo.05−539−6)に移す。
2. 50ml滅菌遠心分離管中にアッセイ培地を加えることにより,細胞を約35mlのアッセイ培地で洗浄し,約200gで10分間遠心分離し,上清を吸引し,35mlのD−PBSに再懸濁する。D−PBSでさらに2回洗浄し,細胞を約1ml/組織培養フラスコ15cm2のアッセイ培地に再懸濁する。アッセイ培地は,F12K培地(Gibco BRL;カタログNo.21127−014)+0.5%熱不活性化ウシ胎児血清からなる。Coulter Counter(商標)(Coulter Electronics,Inc.)で細胞を計数し,アッセイ培地を細胞に加えて0.8−1.0x105細胞/mlの濃度とする。
3. 細胞を96ウエル平底プレートに100μl/ウエルまたは0.8−1.0x104細胞/ウエルで加える;37℃,5%CO2で約24時間インキュベートする。
【0321】
第1日
1. 試験化合物の2倍滴定を別々の96ウエルプレート中に作成する。一般に,50μMから0μMまで。上述の第0日,工程2と同じアッセイ培地を用いる。滴定は,90μl/ウエルの試験化合物を200μM(4X最終ウエル濃度)で特定のプレートカラムの最上のウエルに加えることにより行う。試験化合物保存液濃度は通常DMSO中20mMであるため,200μMの薬剤濃度は2%DMSOを含む。
したがって,DMSO濃度を一定に保持しながら薬剤を希釈するために,アッセイ培地中(F12K+0.5%ウシ胎児血清)2%DMSOとした希釈剤を,試験化合物滴定の希釈剤として用いる。この希釈物をカラム中の残りのウエルに60μl/ウエルで加える。カラムの最上ウエル中の120μlの200μM試験化合物希釈物から60μlを採取し,カラムの第2のウエル中の60μlと混合する。このウエルから60μlを採取し,カラム中の第3のウエル中の60μlと混合し,2倍滴定が完了するまでこれを続ける。最後から2番目のウエルが混合されたとき,このウエル中の120μlの60μlを採取し,これを廃棄する。最後のウエルには薬剤非含有対照として60μlのDMSO/培地希釈物を加える。以下のアッセイの,滴定する試験化合物の三重のウエルに十分な9つのカラムを作成する:(1)VEGF(Pepro Tech Inc.,から入手,カタログNo.100−200,(2)内皮細胞成長因子(ECGF)(酸性繊維芽細胞成長因子またはaFGFとしても知られる)(Boehringer Mannheim Biochemicaから入手,カタログNo.1439600);または(3)ヒトPDGF B/B(1276−956,Boehringer Mannheim,Germany)およびアッセイ培地対照。ECGFはヘパリンナトリウムを有する調製物として得た。
2. 50μl/ウエルの試験化合物希釈物を,第0日からのHUV−EC−C細胞0.8−1.0x104細胞/100μl/ウエルを含む96ウエルアッセイプレートに移し,37℃,5%CO2で約2時間インキュベートする。
3. 三重に,80μg/mlVEGF,20ng/mlECGF,または各試験化合物の条件に対する培地対照を50μl/ウエルで加える。試験化合物については,成長因子濃度は所望の最終濃度の4倍である。第0日,工程2からのアッセイ培地を用いて,成長因子の濃度を調節する。37℃,5%CO2で約24時間インキュベートする。各ウエルに50μlの試験化合物希釈物,50μlの成長因子または培地,および100μlの細胞を加え,総量200μl/ウエルとする。すなわち,すべてをウエルに加えたとき,4倍濃度の試験化合物および成長因子は1倍となる。
【0322】
第2日
1. 3H−チミジン(Amersham;カタログNo.TRK−686)を1μCi/ウエル(RPMI培地+10%熱不活性化ウシ胎児血清中で調製した100μCi/ml溶液を10μl/ウエル)で加え,37℃,5%CO2で約24時間インキュベートする。RPMIはGibco BRLから入手する,カタログNo.11875−051
第3日
1. プレートを−20℃で一夜凍結する。
第4日
1. プレートを融解し,96ウエルプレート回収器(Tomtec Harvester96(登録商標))でフィルターマット(Wallac;カタログNo.1205−401)上に回収する;Wallac Betaplate(商標)液体シンチレーション計数機で計数する。
化合物を評価するために用いられてきたかまたは用いることができるバイオアッセイを如何に詳細に記載する。化合物1−9を試験し,これらがflkGST,FGFR1およびPDGFアッセイにおいて活性であることが見いだされた。
【0323】
インビボ動物モデル
A.異種移植片動物モデル
ヒト腫瘍が無胸腺マウス(例えば,Balb/c,nu/nu)中で異種移植片として成長する能力は,ヒト腫瘍の治療に対する生物学的応答を研究するのに有用なインビボモデルを提供する。ヒト腫瘍の無胸腺マウスへの最初の成功的な異種移植(Rygaard and Povlsen,1969,Acta Pathol.Microbial.Scand.77:758−760)以来,多くの異なるヒト腫瘍細胞株(例えば,乳房,肺,尿生殖器,胃腸,頭頸部,神経膠芽細胞腫,骨,および悪性黒色腫)が移植され,ヌードマウス中での成長に成功してきた。以下のアッセイを用いて,本発明の種々の化合物の活性,特異性および効果のレベルを決定することができる。3種類の一般的アッセイ,すなわち細胞/触媒,細胞/生物学的およびインビボアッセイが化合物の評価に有用である。細胞/触媒アッセイの目的は,TKが細胞中の既知の基質上のチロシンをリン酸化する能力に及ぼす化合物の影響を判定することである。細胞/生物学的アッセイの目的は,細胞中でTKにより刺激される生物学的応答に及ぼす化合物の影響を判定することである。インビボアッセイの目的は,特定の疾患,例えば癌の動物モデルにおける化合物の影響を判定することである。
【0324】
皮下異種移植片実験に適した細胞株としては,C6細胞(神経膠腫,ATCC#CCL107),A375細胞(黒色腫,ATCC#CRL1619),A431細胞(類表皮癌腫,ATCC#CRL1555),Calu6細胞(肺,ATCC#HTB56),PC3細胞(前立腺,ATCC#CRL1435),およびEGFR,PDGFR,IGF−1Rまたは任意の他の試験キナーゼを過剰発現するように遺伝子工学処理されたSKOV3TP5細胞およびNIH3T3繊維芽細胞が挙げられる。以下のプロトコルを用いて異種移植片実験を行うことができる。
【0325】
雌無胸腺マウス(BALB/c,nu/nu)はSimonsen Laboratories(Gilroy,CA)から入手する。すべての動物は,クリーンルーム条件下で,マイクロアイソレーターケージでアルファドライ敷きわらで維持する。動物には,滅菌齧歯類食および水を任意に与える。
【0326】
細胞株は,適当な培地(例えば,MEM,DMEM,Ham'sF10,またはHam'sF12プラス5%−10%ウシ胎児血清(FBS)および2mMグルタミン(GLN))中で成長させる。すべての細胞培養培地,グルタミン,およびウシ胎児血清は,特に断らない限り,Gibco Life Technologies(Grand Island,NY)から購入する。すべての細胞は,90−95%空気および5−10%CO2の湿潤環境下で37℃で成長させる。すべての細胞株は,週に2回,定期的に継代し,Mycotect法(Gibco)により判定して,マイコプラズマについては陰性である。
【0327】
細胞は,コンフルエント,またはそれに近い状態で,0.05%トリプシン−EDTAで回収し,450xgで10分間ペレット化する。ペレットを滅菌PBSまたは培地(FBSなし)中に懸濁して特定の濃度とし,細胞をマウス(1群あたり,8−10匹のマウス,2−10x106細胞/動物)の後側腹部内に移植する。腫瘍成長は,ベニエカリパスを用いて3−6週間にわたり測定する。腫瘍体積は,とくに記載のないかぎり,長さx幅x高さの積として計算する。P値は,スチューデントt−テストを用いて計算する。50−100μlの賦形剤(DMSO,またはVPD:D5W)中の試験化合物は,通常は移植後の第1日から初めて,異なる濃度でIP注入により輸送することができる。
【0328】
B.腫瘍侵襲モデル
以下の腫瘍侵襲モデルが開発されており,KDR/FLK−1レセプターを選択的に阻害すると同定された化合物の治療的価値および有効性を評価するために用いることができる。
【0329】
方法
8週齢のヌードマウス(雌)(Simonsen Inc.)を実験動物として用いる。腫瘍細胞の移植は,層流フード内で行うことができる。麻酔用に,キシラジン/ケタミンカクテル(100mg/kgケタミンおよび5mg/kgキシラジン)を腹膜内に投与する。中線切開を行って,腹腔を露出して(約1.5cmの長さ),容量100μlの培地中の107個の腫瘍細胞を注入する。細胞は,膵臓の十二指腸葉または結腸の漿膜下に注入する。腹膜および筋肉を6−0絹連続縫糸により縫合し,皮膚は創傷クリップを用いて縫合する。動物は毎日観察する。
【0330】
分析
動物の全体的所見により2−6週間後,マウスを殺し,局所腫瘍の種々の臓器(肺,肝臓,脳,胃,脾臓,心臓,筋肉)への転移を調べ,分析する(腫瘍サイズ,侵襲の程度,免疫化学,およびインサイチオハイブリダイゼーション測定等)。
【0331】
C−KITアッセイ
このアッセイを用いて,c−kitチロシンリン酸化のレベルを検出する。MOPE(ヒト急性骨髄性白血病)細胞を0.1%血清中で一夜血清飢餓とした。リガンド刺激の前に細胞を化合物で前処理した(血清飢餓と同時)。細胞を250ng/mlrh−SCFで15分間刺激した。刺激後,細胞を溶解させ,抗−c−kit抗体で免疫沈澱させた。ホスホチロシンおよび蛋白質レベルはウエスタンブロッティングにより決定した。
【0332】
MTT増殖アッセイ
M07E細胞を血清飢餓とし,リン酸化実験について記載したように,化合物で前処理した。細胞を100μlRPMI+10%血清中で4X105細胞/ウエルで96ウエル皿に播種した。rh−SCF(100ng/mL)を加え,プレートを48時間インキュベートした。48時間後,10μlの5mg/mlMTT(臭化3−(4,5−ジメチルチアゾール−2−イル)−2,5−ジフェニルテトラゾリウム)を加え,4時間インキュベートした。酸イソプロパノール(100μlのイソプロパノール中0.04NHCl)を加え,波長550nmで光学密度を測定した。
【0333】
アポトーシスアッセイ
M07E細胞を10%FBS中でrh−GM−CSF(10ng/mL)およびrh−IL−3(10ng/mL)とともに+/−SCFおよび+/−化合物でインキュベートした。試料は24および48時間にアッセイした。活性化カスパーゼ−3を測定するためには,試料をPBSで洗浄し,氷冷70%エタノールで透過性にした。次に,細胞をPE−コンジュゲート化ポリクローナルウサギ抗活性カスパーゼ−3で染色し,FACSにより分析した。切断されたPARPを測定するためには,試料を溶解させ,抗PARP抗体を用いてウエスタンブロッティングにより分析した。
【0334】
追加のアッセイ
本発明の化合物を評価するために用いることができる追加のアッセイには,限定されないが,bio−flk−1アッセイ,全細胞におけるEGFレセプター−HER2キメラレセプターアッセイ,bio−srcアッセイ,bio−lckアッセイおよびrafのリン酸化機能を測定するアッセイが含まれる。これらのアッセイのそれぞれのプロトコルは,米国特許出願09/099,842(図面を含め本明細書の一部としてここに引用する)に見いだすことができる。
【0335】
細胞毒性の測定
治療用化合物は,細胞毒性効果を示すよりもレセプターチロシンキナーゼ活性においてより強力でなければならない。化合物の有効性および細胞毒性の尺度は,治療指数,すなわち,IC50/LD50を決定することにより得ることができる。IC50(50%の阻害を達成するのに必要な用量)は,本明細書に記載されるもの等の標準的な手法を用いて測定することができる。LD50(50%の毒性をもたらす用量)もまた,放出されるLDHの量を測定することにより(Korzeniewski and Callewaert,1983,J.Immunol.Methods,64:313,Decker and Lohmann−Matthes,1988,J.Immunol.Methods,115:61),または動物モデルにおける致死用量を測定することにより,標準的な手法により測定することができる(Mossman,1983,J.Immunol.Methods,65:55−63)。より大きい治療指数を有する化合物が望ましい。治療指数は,2より高くあるべきであり,好ましくは少なくとも10,より好ましくは少なくとも50である。
【0336】
当業者は,本発明は,その目的を実施し,記載される結果および利点,ならびに本明細書に固有のものを得るのによく適合していることを容易に理解するであろう。本明細書に記載される分子複合体および方法,手順,処理,分子,特定の化合物は,現在のところ好ましい態様の代表的なものであり,例示的なものであって,本発明の範囲を限定することを意図するものではない。当業者は,特許請求の範囲において定義される本発明の精神の中に包含される変更および他の用途をなすであろう。
【0337】
当業者は,本発明の範囲および精神から逸脱することなく,本明細書に開示される本発明に対して置換基の変更および改変をなすことができることを容易に理解するであろう。
【0338】
本明細書において言及されるすべての特許および刊行物は,本発明の属する技術分野の技術者のレベルを示す。すべての特許および刊行物は,それぞれの刊行物が特定的に個々に本明細書の一部としてここに引用されることと同じ程度に,本明細書の一部として引用される。
【0339】
本明細書に例示的に記載されている発明は,本明細書に特定的に開示されていない任意の要素または限定なしでも適切に実施することができる。すなわち,例えば,本明細書における各例において,"・・・を含む","・・・から本質的になる"および"・・・からなる"との用語は,他の2つのいずれかと置き換えることができる。本明細書において用いた用語および表現は,説明の用語として用いるものであり,限定ではない。そのような用語および表現の使用においては,示されかつ記載されている特徴またはその一部の等価物を排除することを意図するものではなく,特許請求の範囲に記載される本発明の範囲中で種々の変更が可能であることが理解される。すなわち,好ましい態様および任意の特徴により本発明を特定的に開示してきたが,当業者には本明細書に記載される概念の変更および変種が可能であり,そのような変更および変種も特許請求の範囲に定義される本発明の範囲内であると考えられることが理解されるべきである。
【0340】
さらに,発明の特徴および局面がマーカッシュグループの用語で記載されている場合,当業者は,本発明が,マーカッシュグループのメンバーの個々のメンバーまたはサブグループに関してもまた記載されていることを認識するであろう。例えば,Xが,臭素,塩素およびヨウ素からなる群より選択されるとして記載されている場合,Xが臭素である特許請求の範囲およびXが臭素および塩素である特許請求の範囲も完全に記載されている。
【0341】
他の態様は特許請求の範囲の範囲内である。

Claims (17)

  1. 式(I):
    Figure 2004522776
    [式中,
    1は,水素,ハロ,アルキル,ハロアルコキシ,シクロアルキル,ヘテロ脂環式,ヒドロキシ,アルコキシ,−C(O)R8,−NR910および−C(O)NR1213からなる群より選択され;
    2は,水素,ハロ,アルキル,トリハロメチル,ヒドロキシ,アルコキシ,シアノ,−NR910,−NR9C(O)R10,−C(O)R8,−S(O)2NR910および−SO214(ここで,R14は,アルキル,アリール,アラルキル,ヘテロアリールおよびヘテロアラルキルである)からなる群より選択され;
    3,R4およびR5は,独立して,水素またはアルキルであり;
    Zは,アリール,ヘテロアリール,複素環,または−NR1516であり,ここで,R15およびR16は,独立して,水素またはアルキルであり;またはR15およびR16は,これらが結合している窒素原子と一緒になってヘテロシクロアミノ基を形成し;
    6は,水素またはアルキルからなる群より選択され;
    7は,水素,アルキル,アリール,ヘテロアリール,および−C(O)R17(下で定義される)からなる群より選択され;
    8は,ヒドロキシ,アルコキシおよびアリールオキシからなる群より選択され;
    9およびR10は,独立して,水素,アルキル,シアノアルキル,シクロアルキル,アリールおよびヘテロアリールからなる群より選択され;または
    9およびR10は,一緒になってヘテロシクロアミノ基を形成し;
    12およびR13は,独立して,水素,アルキル,ヒドロキシアルキル,およびアリールからなる群より選択され;またはR12およびR13は,これらが結合している窒素原子と一緒になってヘテロシクロアミノを形成し;
    17は,アルキル,シクロアルキル,アリール,ヒドロキシおよびヘテロアリールからなる群より選択される]
    の化合物またはその薬学的に許容しうる塩。
  2. 1は,水素,ハロ,アルキル,シクロアルキル,ヘテロ脂環式,ヒドロキシ,アルコキシ,−C(O)R8,−NR910および−C(O)NR1213からなる群より選択され;
    2は,水素,ハロ,アルキル,トリハロメチル,ヒドロキシ,アルコキシ,シアノ,−NR910,−NR9C(O)R10,−C(O)R8,−S(O)2NR910および−SO214(ここで,R14は,アルキル,アリール,アラルキル,ヘテロアリールおよびヘテロアラルキルである)からなる群より選択され;
    3,R4およびR5は,独立して,水素またはアルキルであり;
    Zは,アリール,ヘテロアリール,複素環,または―NR1516であり,ここで,R15およびR16は,独立して,水素またはアルキルであり;またはR15およびR16は,これらが結合している窒素原子と一緒になってヘテロシクロアミノ基を形成し;
    6は,水素またはアルキルからなる群より選択され;
    7は,水素,アルキル,アリール,ヘテロアリール,および−C(O)R17(下で定義される)からなる群より選択され;
    8は,ヒドロキシ,アルコキシおよびアリールオキシからなる群より選択され;
    9およびR10は,独立して,水素,アルキル,シアノアルキル,シクロアルキル,アリールおよびヘテロアリールからなる群より選択され;または
    9およびR10は,一緒になってヘテロシクロ基を形成し;
    12およびR13は,独立して,水素,アルキルおよびアリールからなる群より選択され,
    またはR12およびR13は,これらが結合している窒素原子と一緒になって複素環を形成し;
    17は,アルキル,シクロアルキル,アリール,ヒドロキシおよびヘテロアリールからなる群より選択される,請求項1記載の化合物またはその薬学的に許容しうる塩。
  3. 化合物が,
    Figure 2004522776
    Figure 2004522776
    Figure 2004522776
    Figure 2004522776
    Figure 2004522776
    Figure 2004522776
    Figure 2004522776
    からなる群より選択される,請求項1記載の化合物または塩。
  4. 化合物が,
    Figure 2004522776
    Figure 2004522776
    Figure 2004522776
    Figure 2004522776
    Figure 2004522776
    Figure 2004522776
    Figure 2004522776
    Figure 2004522776
    からなる群より選択される,請求項3記載の化合物または塩。
  5. 式(Ia):
    Figure 2004522776
    [式中,
    1,R3,R4,およびR5は水素であり;
    2はフルオロであり,インドリノン環の5位に位置しており;および
    Zはモルホリン−4−イルであり;
    6およびR7はメチルであり;および
    *Cにおける立体化学は(S)である]
    の化合物。
  6. 式(II):
    Figure 2004522776
    [式中,
    Rは,水素またはアルキルであり;
    1は,水素,ハロ,アルキル,ハロアルコキシ,シクロアルキル,ヘテロ脂環式,ヒドロキシ,アルコキシ,−C(O)R8,−NR910および−C(O)NR1213からなる群より選択され;
    2は,水素,ハロ,アルキル,トリハロメチル,ヒドロキシ,アルコキシ,シアノ,−NR910,−NR9C(O)R10,−C(O)R8,−S(O)2NR910および−SO214(ここで,R14は,アルキル,アリール,アラルキル,ヘテロアリールおよびヘテロアラルキル)からなる群より選択され;
    3,R4およびR5は,独立して,水素またはアルキルであり;
    Zは,アリール,ヘテロアリール,複素環,または−NR1516であり,ここで,R15およびR16は,独立して,水素またはアルキルであり;またはR15およびR16は,これらが結合している窒素原子と一緒になってヘテロシクロアミノ基を形成し;
    6は,水素またはアルキルからなる群より選択され;
    7は,水素,アルキル,アリール,ヘテロアリール,および−C(O)R17(下で定義される)からなる群より選択され;
    8は,ヒドロキシ,アルコキシおよびアリールオキシからなる群より選択され;
    9およびR10は,独立して,水素,アルキル,シアノアルキル,シクロアルキル,アリールおよびヘテロアリールからなる群より選択され;または
    9およびR10は,一緒になって,ヘテロシクロアミノ基を形成し;
    12およびR13は,独立して,水素,アルキル,ヒドロキシアルキル,およびアリールからなる群より選択され;またはR12およびR13は,これらが結合している窒素原子と一緒になってヘテロシクロアミノを形成し;
    17は,アルキル,シクロアルキル,アリール,ヒドロキシ,およびヘテロアリールからなる群より選択される]
    の化合物またはその薬学的に許容しうる塩。
  7. 化合物が,
    Figure 2004522776
    からなる群より選択される,請求項6記載の化合物または塩。
  8. 請求項1,2,3,4,5,6,または7のいずれかに記載の化合物または塩および薬学的に許容しうる担体または賦形剤を含む医薬組成物。
  9. 請求項5記載の化合物または塩および薬学的に許容しうる担体または賦形剤を含む医薬組成物。
  10. 蛋白質キナーゼの触媒活性を調節する方法であって,前記蛋白質キナーゼを請求項1,3,または6のいずれかに記載の化合物または塩と接触させることを含む方法。
  11. 前記蛋白質キナーゼが,レセプターチロシンキナーゼ,非レセプターチロシンキナーゼおよびセリン−トレオニンキナーゼからなる群より選択される,請求項10記載の方法。
  12. 生物において蛋白質キナーゼ関連疾患を治療または予防する方法であって,請求項1,3,または6のいずれかに記載の化合物または塩および薬学的に許容しうる担体または賦形剤を含む治療上有効量の医薬組成物を前記生物に投与することを含む方法。
  13. 前記蛋白質キナーゼ関連疾患が,レセプターチロシンキナーゼ関連疾患,非レセプターチロシンキナーゼ関連疾患およびセリン−トレオニンキナーゼ関連疾患からなる群より選択される,請求項12記載の方法。
  14. 前記蛋白質キナーゼ関連疾患が,EGFR関連疾患,PDGFR関連疾患,IGFR関連疾患およびflk関連疾患からなる群より選択される,請求項12記載の方法。
  15. 前記蛋白質キナーゼ関連疾患が,扁平上皮癌,星状細胞腫,カポジ肉腫,神経膠芽細胞腫,肺癌,膀胱癌,頭頚部癌,黒色腫,卵巣癌,前立腺癌,乳癌,小細胞肺癌,神経膠腫,結腸直腸癌,尿生殖器癌および胃腸癌からなる群より選択される癌である,請求項12記載の方法。
  16. 前記蛋白質キナーゼ関連疾患が,糖尿病,自己免疫疾患,過増殖性疾患,再狭窄,繊維症,乾癬,フォン・ヒッペル・リンダウ症候群,変形性関節症,慢性関節リウマチ,新脈管形成,炎症性疾患,免疫学的疾患および心臓血管疾患からなる群より選択される,請求項12記載の方法。
  17. 前記生物がヒトである,請求項12記載の方法。
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