JP2004363411A - 磁気記憶装置および磁気記憶装置の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】同一半導体素子基板10にメモリセル領域6と周辺回路領域8とが搭載された磁気記憶装置1であって、メモリセル領域は、第1配線11と、第1配線11と立体的に交差する第2配線12と、第1配線11と第2配線12との交差領域に磁気スピンの情報を記憶しかつ再生する磁気抵抗効果型の記憶素子13とを備え、メモリセル領域内のみ、第1配線11の両側面および記憶素子13に対向する面とは反対側の面に高透磁率層からなる磁性体層51が形成され、第2配線12にも第2配線12の両側面および記憶素子13に対向する面とは反対側の面に高透磁率層からなる磁性体層51が形成されているものである。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、磁気記憶装置および磁気記憶装置の製造方法に関し、詳しくは強磁性体のスピン方向が平行もしくは反平行によって抵抗値が変化することを利用して情報を記憶する不揮発性の磁気記憶装置および磁気記憶装置の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
情報通信機器、特に携帯端末などの個人用小型機器の飛躍的な普及にともない、これを構成するメモリ素子やロジック素子等の素子には、高集積化、高速化、低消費電力化など、一層の高性能化が要求されている。特に不揮発性メモリはユビキタス時代に必要不可欠の素子と考えられている。
【0003】
例えば、電源の消耗やトラブル、サーバーとネットワークが何らかの障害により切断された場合であっても、不揮発性メモリは個人の重要な情報を保護することができる。そして、不揮発性メモリの高密度化、大容量化は、可動部分の存在により本質的に小型化が不可能なハードディスクや光ディスクを置き換える技術としてますます重要になってきている。
【0004】
また、最近の携帯機器は不要な回路ブロックをスタンバイ状態にしてでき得る限り消費電力を抑えようと設計されているが、高速ネットワークメモリと大容量ストレージメモリを兼ねることができる不揮発性メモリが実現できれば、消費電力とメモリとの無駄を無くすことができる。また、電源を入れると瞬時に起動できる、いわゆるインスタント・オン機能も高速の大容量不揮発性メモリが実現できれば可能になってくる。
【0005】
不揮発性メモリとしては、半導体を用いたフラッシュメモリや、強誘電体を用いたFRAM(Ferro electric Random Access Memory)などがあげられる。しかしながら、フラッシュメモリは、書き込み速度がμ秒の桁であるため遅いという欠点がある。また構造が複雑なために高集積化が困難であり、しかも、アクセス時間が100ns程度と遅いという欠点がある。一方、FRAMにおいては、書き換え可能回数が1012回〜1014回で完全にスタティックランダムアクセスメモリ(DRAM)やダイナミックランダムアクセスメモリ(SRAM)に置き換えるには耐久性が低いという問題が指摘されている。また、強誘電体キャパシタの微細加工が難しいという課題も指摘されている。
【0006】
これらの欠点を有さない不揮発性メモリとして注目されているのが、MRAM(Magnetic Random Access Memory)もしくはMR(Magneto Resistance)メモリと呼ばれる磁気メモリであり、近年のトンネル磁気抵抗効果素子(以下、TMR:という、TMRはTunnel Magnetic Resistanceの略)材料の特性向上により注目を集めるようになってきている(例えば、非特許文献1参照。)。
【0007】
MRAMは、構造が単純であるため高集積化が容易であり、また磁気モーメントの回転により記憶を行うために、書き換え回数が大であると予測されている。またアクセス時間についても、非常に高速であることが予想され、既に100MHzで動作可能であることが報告されている(例えば、非特許文献2参照。)。また、GMR効果により高出力が得られるようになった現在では、大きく改善されてきている。
【0008】
上述の通り、高速化・高集積化が容易という長所を有するMRAMではあるが、書き込みは、TMR素子に近接させて設けられたビット線と書き込み用ワード線に電流を流し、その発生磁界によって行う。TMR素子の記憶層(記憶層)の反転磁界は材料にもよるが、1.58kA/m〜15.8kA/m(20Oe〜200Oe)が必要であり、このときの電流は数mAから数十mAになる。これは消費電流の増大につながり、素子の低寿命化、発熱、消費電力の増加という半導体素子にとってはデメリットとなることが多い。
【0009】
この消費電流が増大する問題を解決するために、書き込みワード線およびビット線の周りを磁性体層でシールドして、電流が発生する磁束を集中させる構造(以下 クラッド構造という)が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0010】
図6に磁性体層により形成されるクラッド構造を用いたMRAMの一部を簡略化して示す概略斜視図を示す。図6に示すように、ワード線11の周りに対して、磁気抵抗効果型の記憶素子(例えばTMR素子)13側の面以外を第1磁性体層16で覆い磁束を記憶素子13に集中させるようにしている。同様に、ビット線12の周りに対して、記憶素子13側の面以外を第2磁性体層17で覆い磁束を記憶素子13に集中させるようにしている。
【0011】
【特許文献1】
特開2002−246566号公報(第4頁、図6)
【非特許文献1】
Wang et al., “Feasibility of Ultra−Dense Spin−Tunneling Random Access Memory” IEEE Transaction on Magnetics 33 [6] (Nov. 1997) p4498−4512
【非特許文献2】
R.Scheuerlein et al, “TA7.2 A 10ns Read and Write Non−Volatile Memory Array Using a Magnetic Tunnel Junction and FET Switch in each Cell”2000 IEEE International Solid−State Circuits Conference Digest of Papers (Feb.2000) p128−129
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、クラッド構造を用いることによって、磁場効率を高め素子の書き込み電流値を低減することが可能になる一方、メモリセル以外の周辺回路領域において、配線の周りを磁性層で覆うプロセスを適用した場合、プロセスが複雑になるため、微細な配線に適用することが困難になり高集積化を阻害する懸念がある。また、周辺回路領域では磁性層が配線面積を低減する為に配線抵抗を増加する懸念もある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記課題を解決するためになされた磁気記憶装置および磁気記憶装置の製造方法である。
【0014】
本発明の第1磁気記憶装置は、同一基板にメモリセル領域と周辺回路領域とが搭載された磁気記憶装置であって、前記メモリセル領域は、第1配線と、前記第1配線と立体的に交差する第2配線と、前記第1配線と前記第2配線との交差領域に磁気スピンの情報を記憶しかつ再生する磁気抵抗効果型の記憶素子とを備え、前記周辺回路領域は、前記メモリセル領域の第1配線と同一配線層の第1配線と、前記メモリセル領域の第2配線と同一配線層の第2配線とを備え、前記メモリセル領域内のみの前記第1配線の両側面および前記記憶素子に対向する面とは反対側の面に高透磁率層からなる磁性体層が形成されているものである。
【0015】
上記第1磁気記憶装置では、メモリセル領域内のみの第1配線の両側面および記憶素子に対向する面とは反対側の面に高透磁率層からなる磁性体層が形成されていることから、磁性体層によって第1配線で発生される磁場の利用効率が高められるので、記憶素子への書き込み電流値が低減される。しかも、配線を被覆する磁性体層は、メモリセル領域内のみに形成されていて、それ以外の周辺回路領域には形成されていない。そのため、周辺回路領域の第1配線では、その配線周りに磁性体層を形成しない分だけ配線の高集積化が可能になる。言い換えれば、磁性体層が形成されることによる配線面積の低減を無くすことができるので、その分、配線面積を増加することにより配線抵抗が低減される。これによって、消費電力の低減、発熱量の低減がなされる。
【0016】
本発明の第2磁気記憶装置は、同一基板にメモリセル領域と周辺回路領域とが搭載された磁気記憶装置であって、前記メモリセル領域は、第1配線と、前記第1配線と立体的に交差する第2配線と、前記第1配線と前記第2配線との交差領域に磁気スピンの情報を記憶しかつ再生する磁気抵抗効果型の記憶素子とを備え、前記周辺回路領域は、前記メモリセル領域の第1配線と同一配線層の第1配線と、前記メモリセル領域の第2配線と同一配線層の第2配線とを備え、前記メモリセル領域内のみの前記第2配線の両側面および前記記憶素子に対向する面とは反対側の面に高透磁率層からなる磁性体層が形成されているものである。
【0017】
上記第2磁気記憶装置では、メモリセル領域内のみの第2配線の両側面および記憶素子に対向する面とは反対側の面に高透磁率層からなる磁性体層が形成されていることから、磁性体層によって第2配線で発生される磁場の利用効率が高められるので、記憶素子への書き込み電流値が低減される。しかも、配線を被覆する磁性体層は、メモリセル領域内のみに形成されていて、それ以外の周辺回路領域には形成されていない。そのため、配線周りに磁性体層を形成しない分だけ配線の高集積化が可能になる。言い換えれば、磁性体層が形成されることによる配線面積の低減を無くすことができるので、その分、配線面積を増加することにより配線抵抗が低減される。これによって、消費電力の低減、発熱量の低減がなされる。
【0018】
本発明の磁気記憶装置の第1製造方法は、同一基板にメモリセル領域と周辺回路領域とを形成する磁気記憶装置の製造方法であり、第1配線を形成する工程と、トンネル絶縁層を強磁性体で挟んでなるもので前記第1配線と電気的に絶縁されたトンネル磁気抵抗素子を形成する工程と、前記トンネル磁気抵抗素子と電気的に接続するもので前記トンネル磁気抵抗素子を間にして前記第1配線と立体的に交差する第2配線を形成する工程とを備え、前記第1配線を形成する工程は、前記メモリセル領域の第1配線を形成する工程と、前記周辺回路領域の第1配線を形成する工程とからなり、前記メモリセル領域の第1配線を形成する工程は、前記基板のメモリセル領域を形成する領域に配線溝を形成する工程と、前記配線溝の内面に高透磁率層からなる磁性体層を形成する工程と、前記配線溝の内部に前記磁性体層を介して第1配線を形成する工程とを備えた製造方法である。
【0019】
上記磁気記憶装置の第1製造方法では、第1配線を形成する工程は、メモリセル領域の第1配線を形成する工程と、周辺回路領域の第1配線を形成する工程とからなり、メモリセル領域の第1配線を形成する工程で、第1配線の両側面および記憶素子に対向する面とは反対側の面に高透磁率層からなる磁性体層を設けた第1配線が形成されることから、磁性体層によって第1配線で発生される磁場の利用効率が高められるので、記憶素子への書き込み電流値が低減される構造になる。しかも、メモリセル領域の第1配線を形成する工程と、周辺回路領域の第1配線を形成する工程とを別々の工程で行うことから、配線を被覆する磁性体層は、メモリセル領域内のみに形成することができ、それ以外の周辺回路領域には形成されない。そのため、周辺回路領域の第1配線では、配線周りに磁性体層を形成しない分だけ配線の高集積化が可能になる。言い換えれば、磁性体層が形成されることによる配線面積の低減を無くすことができるので、その分、配線面積が増加することにより配線抵抗が低減される。これによって、消費電力の低減、発熱量の低減がなされる配線構造が形成される。
【0020】
本発明の磁気記憶装置の第2製造方法は、同一基板にメモリセル領域と周辺回路領域とを形成する磁気記憶装置の製造方法であり、第1配線を形成する工程と、トンネル絶縁層を強磁性体で挟んでなるもので前記第1配線と電気的に絶縁されたトンネル磁気抵抗素子を形成する工程と、前記トンネル磁気抵抗素子と電気的に接続するもので前記トンネル磁気抵抗素子を間にして前記第1配線と立体的に交差する第2配線を形成する工程とを備え、前記第2配線を形成する工程は、前記メモリセル領域の第2配線を形成する工程と、前記周辺回路領域の第2配線を形成する工程とからなり、前記メモリセル領域の第2配線を形成する工程は、前記基板のメモリセル領域を形成する領域に配線溝を形成する工程と、前記配線溝の側面に高透磁率層からなる磁性体層を形成する工程と、前記配線溝の側面に前記磁性体層を介して前記配線溝を埋め込む第2配線を形成する工程と、前記第2配線上に高透磁率層からなる磁性体層を形成する工程とを備えた製造方法である。
【0021】
上記磁気記憶装置の第2製造方法では、第2配線を形成する工程は、メモリセル領域の第2配線を形成する工程と、周辺回路領域の第2配線を形成する工程とからなり、メモリセル領域の第2配線を形成する工程で、第2配線の両側面および記憶素子に対向する面とは反対側の面に高透磁率層からなる磁性体層を設けた第2配線が形成されることから、磁性体層によって第2配線で発生される磁場の利用効率が高められるので、記憶素子への書き込み電流値が低減される構造になる。しかも、メモリセル領域の第2配線を形成する工程と、周辺回路領域の第2配線を形成する工程とを別々の工程で行うことから、配線を被覆する磁性体層は、メモリセル領域内のみに形成することができ、それ以外の周辺回路領域には形成されない。そのため、周辺回路領域の第2配線では、配線周りに磁性体層を形成しない分だけ配線の高集積化が可能になる。言い換えれば、磁性体層が形成されることによる配線面積の低減を無くすことができるので、その分、配線面積が増加することにより配線抵抗が低減される。これによって、消費電力の低減、発熱量の低減がなされる配線構造が形成される。
【0022】
【発明の実施の形態】
本発明の磁気記憶装置に係る第1実施の形態を、図1の概略構成断面図によって説明する。本発明の第1実施の形態は、メモリセル領域の書き込みワード線から発する電流磁界を効率よく記憶層に集中させることができるように磁性体層を形成し、周辺回路領域には磁性体層を形成しない配線を配置したものである。
【0023】
図1に示すように、素子、配線、絶縁膜等が形成された半導体素子基板10がある。この半導体素子基板10は、例えば、半導体基板(例えばp型半導体基板)の表面側にp型ウエル領域が形成され、このp型ウエル領域に、トランジスタ形成領域を分離する素子分離領域が、いわゆるSTI(Shallow Trench Isolation)で形成されている。上記p型ウエル領域上には、ゲート絶縁膜を介してゲート電極(ワード線)が形成され、ゲート電極の両側におけるp型ウエル領域には拡散層領域(例えばN+ 拡散層領域)が形成され、選択用の電界効果型トランジスタが構成されている。この電界効果トランジスタは読み出しのためのスイッチング素子として機能する。これは、n型またはp型電界効果トランジスタの他に、ダイオード、バイポーラトランジスタ等の各種スイッチング素子を用いることも可能である。
【0024】
上記電界効果型トランジスタを覆う状態に第1絶縁膜が形成され、この第1絶縁膜41に上記拡散層領域に接続するコンタクト(例えばタングステンプラグ)が形成されている。さらに第1絶縁膜上にはコンタクトに接続するセンス線(図示せず)、接続用電極31等が形成されている。
【0025】
上記第1絶縁膜上には第2絶縁膜42が形成されている。メモリセル領域6における第2絶縁膜42は、センス線(図示せず)、接続用電極31等を覆う。また第2絶縁膜42には上記接続用電極31に接続するコンタクト(例えばタングステンプラグ)32が形成されている。さらに上記第2絶縁膜42上には、コンタクト32に接続する接続用電極33、第1配線(書き込みワード線)11等が形成されている。以下、書き込みワード線として説明する。上記書き込みワード線11には、書き込みワード線11の両側面およびトンネル磁気抵抗素子(以下TMRという)13に対向する面とは反対側の面を囲むように、高透磁率層からなる磁性体層51が設けられている。一方、周辺回路領域8における上記第2絶縁膜上42には、周辺回路領域8の第1配線61が形成されている。この第1配線61の側壁および底面側には磁性体層は形成されていない。
【0026】
また磁性体層51を構成する高透磁率材料には、例えば最大透磁率μmが100以上の軟磁性体を用いることができ、具体的には、一例としてニッケル・鉄・コバルトを含む合金、鉄・アルミニウム(FeAl)合金もしくはフェライト合金を用いることができる。なお、書き込みワード線11と磁性体層51の間に電気的絶縁層を設けない場合、磁性体層51には電流損を防ぐため比抵抗率の高い軟磁性膜を用いることが望ましい。
【0027】
メモリセル領域6における上記第2絶縁膜42上には、上記書き込みワード線(第1配線)11、磁性体層51、接続用電極33、周辺回路領域8の第1配線61等を覆う第3絶縁膜43が形成されている。この第3絶縁膜43は、例えば、エッチングストッパとなる絶縁膜、層間絶縁膜、エッチングストッパとなる絶縁膜、層間絶縁膜を下層より順に積層した構造となっている。書き込みワード線(第1配線)11、第1配線61を、例えば埋め込み銅配線で形成する場合には、上層のエッチングストッパとなる絶縁膜を銅の拡散を防止するとともに銅配線への酸素の侵入を防止する膜としても機能することが好ましく、例えば、窒化膜で形成される。この第3絶縁膜43には、上記接続用電極33に接続するプラグ34、周辺回路領域8の第1配線61に接続するプラグ71が形成されている。
【0028】
さらに、メモリセル領域6における上記第3絶縁膜43上には、上記書き込みワード線11上方から上記プラグ34に接続する反強磁性体層305が形成され、この反強磁性体層305上でかつ上記書き込みワード線11の上方には、記憶素子(以下、TMR素子という)13が形成されている。この記憶素子13は、一例として、強磁性体層からなる磁化固定層と、磁化固定層上に形成されたトンネル絶縁層と、トンネル絶縁層上に形成されたもので磁化が比較的容易に回転する記憶層と、記憶層上に形成されたキャップ層とから構成されている。なお、反強磁性体層305上に磁化固定層を延長した状態でバイパス線(図面では反強磁性層305と一体に描かれている)が構成されている。
【0029】
メモリセル領域6における上記第3の絶縁膜43上には上記記憶素子13等を覆う第4の絶縁膜44が形成されている。この第4の絶縁膜44は表面が平坦化され、上記記憶素子13の最上層のキャップ層表面が露出されている。上記第4の絶縁膜44上には、上記記憶素子13の上面に接続するものでかつ上記書き込みワード線11と上記記憶素子13を間にして立体的に交差(例えば直交)する第2配線(ビット線)12が形成されている。
【0030】
一方、周辺回路領域8における第4絶縁膜44上には、周辺回路領域8の第2配線62が形成されている。また第4絶縁膜44中には、上記第1配線61に接続されるプラグ71と上記第2配線62とに接続するプラグ72が形成されている。このプラグ71、72は一体に形成されたものであってもよい。
【0031】
上記記憶素子13は、トンネル磁気抵抗(TMR:Tunnel Magnetic Resistance)効果を有するものであればよく、上記構成に限定されることはない。一例として、上記反強磁性体層305上に形成される磁化固定層を、第1の磁化固定層と磁性層が反強磁性的に結合するような導電体層と第2の磁化固定層とを順に積層して形成することもできる。この磁化固定層は積層構造であっても、強磁性体層の単層構造であってもよく、もしくは3層以上の強磁性体層を、導電体層を挟んで積層させた構造であってもよい。また上記反強磁性体層305の下地に、TMR素子と直列に接続されるスイッチング素子との接続に用いられる下地導電層(図示せず)を形成することも可能である。また、下地導電層を反強磁性体層305によって兼ねることも可能である。
【0032】
上記記憶層、第1の磁化固定層は、例えば、ニッケル、鉄もしくはコバルト、またはニッケル、鉄およびコバルトのうちの少なくとも2種からなる合金のような、強磁性体からなる。上記導電体層は、例えば、ルテニウム、銅、クロム、金、銀等で形成される。
【0033】
上記第1の磁化固定層は、反強磁性体層と接する状態に形成されていて、これらの層間に働く交換相互作用によって、第1の磁化固定層は、強い一方向の磁気異方性を有している。
【0034】
上記反強磁性体層は、例えば、鉄・マンガン合金、ニッケル・マンガン合金、白金マンガン合金、イリジウム・マンガン合金、ロジウム・マンガン合金、コバルト酸化物およびニッケル酸化物のうちの1種を用いることができる。
【0035】
上記トンネル絶縁層は、例えば、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化シリコン、窒化アルミニウム、窒化マグネシウム、窒化シリコン、酸化窒化アルミニウム、酸化窒化マグネシウムもしくは酸化窒化シリコンからなる。
【0036】
上記トンネル絶縁層は、上記記憶層と上記磁化固定層との磁気的結合を切るとともに、トンネル電流を流すための機能を有する。これらの磁性膜および導電体膜は、主に、スパッタリング法によって形成される。トンネル絶縁層は、スパッタリング法によって形成された金属膜を酸化、窒化もしくは酸化窒化させることにより得ることができる。
【0037】
上記キャップ層は、記憶素子13と別の記憶素子13とを接続する配線との相互拡散防止、接触抵抗低減および記憶層の酸化防止という機能を有する。通常、銅、窒化タンタル、タンタル、窒化チタン等の材料により形成されている。
【0038】
次に上記磁気記憶装置1の動作を説明する。上記記憶素子13では、磁気抵抗効果によるトンネル電流変化を検出して情報を読み出すが、その磁気抵抗効果は記憶層と磁化固定層との相対磁化方向に依存する。
【0039】
また上記記憶素子13では、ビット線12および書き込みワード線11に電流を流し、その合成磁界で記憶層の磁化の方向を変えて「1」または「0」を記録する。読み出しは磁気抵抗効果によるトンネル電流変化を検出して行う。記憶層と磁化固定層の磁化方向が等しい場合を低抵抗(これを例えば「0」とする)とし、記憶層と磁化固定層の磁化方向が反平行の場合を高抵抗(これを例えば「1」とする)とする。
【0040】
上記磁気記憶装置1では、メモリセル領域6のみの第1配線(書き込みワード線)11の両側面および記憶素子13に対向する面とは反対側の面に高透磁率層からなる磁性体層51が形成されていることから、磁性体層51によって第1配線11で発生される磁場の利用効率が高められるので、記憶素子13への書き込み電流値が低減される。しかも、第1配線を被覆する磁性体層51は、メモリセル領域6内のみに形成されていて、それ以外の周辺回路領域8には形成されていない。そのため、周辺回路領域8では第1配線61周りに磁性体層を形成しない分だけ第1配線61の高集積化が可能になる。言い換えれば、磁性体層が形成されることによる配線面積の低減を無くすことができるので、その分、第1配線61の配線面積を増加させることにより配線の断面積が増加する。よって、配線抵抗が低減されるため、消費電力の低減、発熱量の低減がなされる。
【0041】
次に、本発明の磁気記憶装置に係る第2実施の形態を、図2の概略構成断面図によって説明する。図2(2)は図2(1)におけるメモリセル領域6に形成されるビット線の幅方向断面を示す。
【0042】
本発明の第2実施の形態は、メモリセル領域6のビット線から発する電流磁界を効率よく記憶層に集中させることができるように磁性体層を形成し、周辺回路領域8には磁性体層を形成しない第2配線を配置したものである。
【0043】
図2に示すように、素子、配線、絶縁膜等が形成された半導体素子基板10がある。この半導体素子基板10は、例えば、半導体基板(例えばp型半導体基板)の表面側にp型ウエル領域が形成され、このp型ウエル領域に、トランジスタ形成領域を分離する素子分離領域が、いわゆるSTI(Shallow Trench Isolation)で形成されている。上記p型ウエル領域上には、ゲート絶縁膜を介してゲート電極(ワード線)が形成され、ゲート電極の両側におけるp型ウエル領域には拡散層領域(例えばN+ 拡散層領域)が形成され、選択用の電界効果型トランジスタが構成されている。この電界効果トランジスタは読み出しのためのスイッチング素子として機能する。これは、n型またはp型電界効果トランジスタの他に、ダイオード、バイポーラトランジスタ等の各種スイッチング素子を用いることも可能である。
【0044】
上記電界効果型トランジスタを覆う状態に第1絶縁膜が形成され、この第1絶縁膜41に上記拡散層領域に接続するコンタクト(例えばタングステンプラグ)が形成されている。さらに第1絶縁膜上にはコンタクトに接続するセンス線(図示せず)、接続用電極31等が形成されている。
【0045】
上記第1絶縁膜上には第2絶縁膜42が形成されている。メモリセル領域6における第2絶縁膜42は、上記センス線、接続用電極31等を覆う。また第2絶縁膜42には上記接続用電極31に接続するコンタクト(例えばタングステンプラグ)32が形成されている。さらに上記第2絶縁膜42上には、コンタクト32に接続する接続用電極33、第1配線の書き込みワード線11等が形成されている。上記書き込みワード線11には、前記第1実施の形態で説明したように、書き込みワード線11の両側面およびトンネル磁気抵抗素子(以下TMRという)13に対向する面とは反対側の面を囲むように、高透磁率層からなる磁性体層51を設けることがより好ましいが、磁性体層51を設けなくとも書き込みワード線11による記憶素子13への情報の書き込みはできる。一方、周辺回路領域8における上記第2絶縁膜上42には、周辺回路領域8の第1配線61が形成されている。この第1配線61の側壁および底面側には磁性体層は形成されていない。
【0046】
メモリセル領域6における上記第2絶縁膜42上には、上記書き込みワード線(第1配線)11、磁性体層51、接続用電極33、周辺回路領域8の第1配線61等を覆う第3絶縁膜43が形成されている。この第3絶縁膜43は、例えば、エッチング停止層となる絶縁膜、層間絶縁膜、エッチング停止層となる絶縁膜、層間絶縁膜を下層より順に積層した構造となっている。書き込みワード線(第1配線)11、第1配線61を、例えば埋め込み銅配線で形成する場合には、上層のエッチング停止層となる絶縁膜を銅の拡散を防止するとともに銅配線への酸素の侵入を防止する膜としても機能することが好ましく、例えば、窒化膜で形成される。この第3絶縁膜43には、上記接続用電極33に接続するプラグ34、周辺回路領域8の第1配線61に接続するプラグ71が形成されている。
【0047】
さらに、メモリセル領域6における上記第3絶縁膜43上には、上記書き込みワード線11上方から上記プラグ34に接続する反強磁性体層305が形成され、この反強磁性体層305上でかつ上記書き込みワード線11の上方には、記憶素子(以下、TMR素子という)13が形成されている。この記憶素子13は、一例として、強磁性体層からなる磁化固定層と、磁化固定層上に形成されたトンネル絶縁層と、トンネル絶縁層上に形成されたもので磁化が比較的容易に回転する記憶層と、記憶層上に形成されたキャップ層とから構成されている。なお、反強磁性体層305上に磁化固定層を延長した状態でバイパス線(図面では反強磁性層305と一体に描かれている)が構成されている。
【0048】
メモリセル領域6における上記第3の絶縁膜43上には上記記憶素子13等を覆う第4の絶縁膜44が形成されている。この第4の絶縁膜44は表面が平坦化され、上記記憶素子13の最上層のキャップ層表面が露出されている。上記第4の絶縁膜44上には、上記記憶素子13の上面に接続するものでかつ上記書き込みワード線11と上記記憶素子13を間にして立体的に交差(例えば直交)する第2配線(ビット線)12が形成されている。上記ビット線12には、ビット線12の両側面およびトンネル磁気抵抗素子(以下TMRという)13に対向する面とは反対側の面を囲むように、高透磁率層からなる磁性体層52が形成されている。
【0049】
一方、周辺回路領域8における第4絶縁膜44上には、周辺回路領域8の第2配線62が形成されている。この第2配線62の側壁および底面側には磁性体層は形成されていない。また第4絶縁膜44中には、上記第1配線61に接続されるプラグ71と上記第2配線62とに接続するプラグ72が形成されている。このプラグ71、72は一体に形成されたものであってもよい。
【0050】
また、上記磁性体層51、52を構成する高透磁率材料には、例えば最大透磁率μmが100以上の軟磁性体を用いることができ、具体的には、一例としてニッケル・鉄・コバルトを含む合金、鉄・アルミニウム(FeAl)合金もしくはフェライト合金を用いることができる。なお、書き込みワード線11と磁性体層51の間に電気的絶縁層を設けない場合、およびビット線12と磁性体層61との間に電気的絶縁層を設けない場合には、磁性体層51には電流損を防ぐため比抵抗率の高い軟磁性膜を用いることが望ましい。
【0051】
上記記憶素子13は、トンネル磁気抵抗(TMR:Tunnel Magnetic Resistance)効果を有するものであればよく、上記第1実施の形態で説明したのと同様のものを用いることができる。また上記反強磁性体層305の下地に、TMR素子と直列に接続されるスイッチング素子との接続に用いられる下地導電層(図示せず)を形成することも可能である。また、下地導電層を反強磁性体層305によって兼ねることも可能である。
【0052】
上記反強磁性体層、第1の磁化固定層、導電体層、第2の磁化固定層、トンネル絶縁層、記憶層、キャップ層等は、前記第1実施の形態で説明したものと同様なものを用いることができる。
【0053】
また、上記磁気記憶装置2の動作は、基本的には、前記第1実施の形態の磁気記憶装置1と同様である。
【0054】
上記磁気記憶装置2では、メモリセル領域6における書き込みワード線11、ビット線12に磁性体層51、52を備えたが、第1実施の形態のように書き込みワード線11にのみ磁性体層51を設けても、もしくはビット線12にのみ磁性体層52を設けても、磁性体層を設けない構成と比較して記憶素子13への書き込み効率を高めることができる。
【0055】
上記磁気記憶装置2では、メモリセル領域6のみの第2配線(書き込みワード線)12の両側面および記憶素子13に対向する面とは反対側の面に高透磁率層からなる磁性体層52が形成されていることから、磁性体層52によって第2配線12で発生される磁場の利用効率が高められるので、記憶素子13への書き込み電流値が低減される。しかも、第2配線12を被覆する磁性体層52は、メモリセル領域6内のみに形成されていて、それ以外の周辺回路領域8には形成されていない。そのため、周辺回路領域8では第2配線62周りに磁性体層が形成されない分だけ第2配線62の高集積化が可能になる。言い換えれば、磁性体層が形成されることによる配線面積の低減を無くすことができるので、その分、第2配線62の配線面積を増加することにより配線の断面積が増加するので、配線抵抗が低減される。これによって、消費電力の低減、発熱量の低減がなされる。
【0056】
なお、上記磁気記憶装置2において、製造工程を簡略化する理由により、周辺回路領域8の第2配線62の側壁部に磁性体層52が形成されても、第2配線62はメモリセル領域6のビット線12と同一プロセスで第2配線62が形成された場合と比較して配線抵抗が低減される。
【0057】
上記磁気記憶装置1、2においては、第1、第2配線11、12においては、配線周囲を取り囲むようにバリアメタル層(図示せず)を形成することが好ましい。すなわち、第1配線11に形成される磁性体層51および第2配線12に形成される磁性体層52は、バリアメタル層(図示せず)を介して配線周囲に形成されることが好ましい。また、磁性体層51、52の外側にも磁性体層51、52その周囲の絶縁膜とを隔絶するバリアメタル層を形成することが好ましい。また、第1〜第5絶縁膜の膜構成は一例であり、他の構成であってもよい。例えば、ストッパ絶縁膜は、そのストッパ絶縁膜上層の絶縁膜をエッチングした際にそのストッパ絶縁膜下層の絶縁膜とのエッチング選択性が十分に取れるのであれば省略することもできる。また、配線構造は、通常の配線形成プロセスにより配線を形成した後にその配線を覆う絶縁膜を形成し、その絶縁膜表面を平坦化したものであってもよく、または絶縁膜を形成した後にその絶縁膜に配線溝を形成して配線材料を埋め込む溝配線構造であってもよい。
【0058】
次に、本発明の磁気記憶装置の製造方法に係る第1実施の形態を、図3の製造工程断面図によって説明する。この第1実施の形態では、本発明の特徴とする第1配線(書き込みワード線)の製造方法について詳細に説明する。なお、図3では、左図にメモリセル領域6を示し、右図に周辺回路領域8を示す。
【0059】
既知技術により、例えば、半導体基板に、メモリセル領域6の素子形成領域同士や周辺回路領域8の素子形成領域同士を分離する素子分離領域を形成し、メモリセル領域6の素子形成領域に読み出しのためのスイッチング素子を形成する。このスイッチング素子は、n型またはp型電界効果トランジスタ、ダイオード、バイポーラトランジスタ等の各種スイッチング素子で形成することが可能である。また周辺回路領域8にも所望の素子、配線等を形成する。
【0060】
上記電界効果型トランジスタ、周辺回路領域8等を覆う状態に第1絶縁膜を形成し、例えば、第1絶縁膜41に上記スイッチング素子等の下層の素子、配線等に接続するコンタクト(例えばタングステンプラグ)を形成する。さらに第1絶縁膜上にコンタクトに接続するセンス線、接続用電極等を形成する。
【0061】
上記第1絶縁膜上に第2絶縁膜42を形成する。メモリセル領域6における第2絶縁膜42は、上記センス線、接続用電極等を覆う。また第2絶縁膜42には上記接続用電極に接続するコンタクト(例えばタングステンプラグ)を形成する。
【0062】
次いで、図3(1)に示すように、上記第2絶縁膜42上に第3絶縁膜43を形成する。まず、第2絶縁膜42上にエッチング停止層となるストッパ絶縁膜431を形成した後、第1配線が形成される層間絶縁膜432を形成する。上記ストッパ絶縁膜431は、例えば窒化シリコンもしくは炭化シリコンで形成することができる。上記層間絶縁膜432は、例えば、酸化シリコン(SiO2)膜、酸化フッ化シリコン(SiOF)膜、酸化炭化シリコン(SiOC)膜、有機化合物膜などの絶縁材料膜、もしくはそれらのうちに複数種からなる積層膜で形成することができる。その後、メモリセル領域6に第1配線(書き込みワード線)を形成するための第1配線溝436を形成する。この第1配線溝436は、レジストを用いたリソグラフィー技術とそれによる形成されたレジストマスクを用いたエッチング技術により形成する。その際、第1配線が形成される絶縁膜432をエッチングする際に下層の第2絶縁膜42をオーバーエッチングすることを防ぐために、一旦、ストッパ絶縁膜431上で第1配線が形成される絶縁膜432のエッチングを停止させ、その後、第2絶縁膜42に対してストッパ絶縁膜431を選択的にエッチングして、第1配線溝436を完成させる。
【0063】
次に、図3(2)に示すように、例えばスパッタ法を用いて、第1配線溝436内面に、バリアメタル層53、磁性体層51(この磁性体層51は複数種の磁性体層を積層して形成してもよい)を成膜した後、バリアメタル層54を成膜する。バリアメタル層53、54には、配線層および磁性体層の反応、拡散を抑制する材料であればよく、例えば、タンタル(Ta)、窒化タンタル(TaN)、タングステン(W)、窒化タングステン(WN)、チタン(Ti)、窒化チタン(TiN)等を用いることができる。また、磁性体層51には、例えば最大透磁率μmが100以上の軟磁性体を用いることができ、具体的には、一例としてニッケル、鉄、コバルト、もしくはこれらのうちの一種もしくは複数種を含む合金、鉄・アルミニウム(FeAl)合金もしくはフェライト合金を用いることができる。なお、書き込みワード線11と磁性体層51の間に電気的絶縁層を設けない場合、磁性体層51には電流損を防ぐため比抵抗率の高い軟磁性膜を用いることが望ましい。さらに、第1配線11を銅で形成する場合には、スパッタリングにより銅シード層(図示せず)を形成する。その後、例えば電解めっきにより、第1配線溝436内を銅膜で埋め込む。その後、化学的機械研磨法によって、層間絶縁膜432上の余剰な銅膜、バリアメタル層53、54、磁性体層51等を除去して、第1配線溝436内にバリアメタル層53、磁性体層51、バリアメタル層54を介して銅膜からなる第1配線(書き込みワード線)11を形成する。上記第1配線11は、銅の他に、例えば銅合金、アルミニウム、アルミニウム合金等で形成することも可能である。
【0064】
次いで、図3(3)に示すように、上記層間絶縁膜432上に上記第1配線11を被覆するエッチング停止層および銅配線の保護層になるストッパ絶縁膜433を形成する。上記ストッパ絶縁膜433は、例えば窒化シリコンもしくは炭化シリコンで形成することができる。その後、周辺回路領域8に第1配線を形成するための第1配線溝437を形成する。この第1配線溝437は、レジストを用いたリソグラフィー技術とそれによる形成されたレジストマスクを用いたエッチング技術により形成する。その際、第1配線が形成される層間絶縁膜432をエッチングする際に下層の第2絶縁膜42をオーバーエッチングすることを抑制するために、一旦、エッチング停止層となるストッパ絶縁膜431上で第1配線が形成される層間絶縁膜432のエッチングを停止させ、その後、第2絶縁膜42に対してストッパ絶縁膜431を選択的にエッチングして、周辺回路領域8の第1配線溝437を完成させる。
【0065】
次に、図3(4)に示すように、例えばスパッタリングにより、第1配線溝437内面に、バリアメタル層56を成膜する。バリアメタル層56には、配線層の反応、拡散を抑制する材料であればよく、例えば、タンタル(Ta)、窒化タンタル(TaN)、タングステン(W)、窒化タングステン(WN)、チタン(Ti)、窒化チタン(TiN)等を用いることができる。さらに、第1配線11を銅で形成する場合には、スパッタリングにより銅シード層(図示せず)を形成する。その後、例えば電解めっきにより、第1配線溝437内を銅膜で埋め込む。その後、化学的機械研磨法によって、層間絶縁膜432上の余剰な銅膜、バリアメタル層56等を除去して、第1配線溝437内にバリアメタル層56を介して銅膜からなる第1配線61を形成する。上記第1配線61は、銅の他に、例えば銅合金、アルミニウム、アルミニウム合金等で形成することも可能である。なお、この周辺回路領域8の第1配線11上に、銅の拡散を防止するとともに、銅の酸化を防止するキャップバリアメタル層(図示せず)を形成することが好ましい。キャップバリアメタル層としては、例えば窒化シリコン膜、コバルト−タングステン−リン(Co−W−P)膜等を用いることができる。
【0066】
次いで、上記メモリセル領域6および周辺回路領域8に第1配線11、61を形成した後、上記ストッパ絶縁膜433上に、第1配線11、61を覆う層間絶縁膜(図示せず)を形成する。
【0067】
なお、上記周辺回路領域8に第1配線11を形成するのと同時プロセスによって、メモリセル領域6におけるプラグ、接続用電極等を形成することも可能である。
【0068】
次いで、図示はしないが、通常に知られた磁気記憶装置の製造プロセスによって、書き込みワード線11上に絶縁膜を介してTMR効果を有する記憶素子を形成し、この記憶素子に接続するとともに書き込みワード線11と記憶素子を挟んで立体的に交差(直交)するビット線等を形成する。
【0069】
上記磁気記憶装置の第1製造方法では、第1配線を形成する工程は、メモリセル領域6の第1配線(書き込みワード線)11を形成する工程と、周辺回路領域8の第1配線61を形成する工程とからなり、メモリセル領域6の第1配線11を形成する工程で、第1配線(書き込みワード線)の両側面および記憶素子13に対向する面とは反対側の面に高透磁率層からなる磁性体層51を設けた第1配線(書き込みワード線)11が形成されることから、磁性体層によって第1配線(書き込みワード線)11で発生される磁場の利用効率が高められるので、記憶素子13への書き込み電流値が低減される構造になる。しかも、メモリセル領域6の第1配線(書き込みワード線)11を形成する工程と、周辺回路領域8の第1配線61を形成する工程とを別々の工程で行うことから、第1配線11を被覆する磁性体層51は、メモリセル領域6内のみに形成することができ、それ以外の周辺回路領域8には形成されない。そのため、周辺回路領域8の第1配線61では、配線周りに磁性体層を形成しない分だけ配線の高集積化が可能になる。言い換えれば、磁性体層が形成されることによる配線面積の低減を無くすことができるので、その分、配線面積が増加することにより配線抵抗が低減される。これによって、消費電力の低減、発熱量の低減がなされる配線構造が形成される。
【0070】
上記製造方法は、図1によって説明した磁気記憶装置1を製造する一例である。磁気記憶装置1を形成する場合、周辺回路領域8の第1配線11の側面もしくは底面に磁性体層が残されるようなプロセスであってもよい。
【0071】
次に、本発明の磁気記憶装置の製造方法に係る第2実施の形態を、図4の製造工程断面図によって説明する。この第2実施の形態では、本発明の特徴とする第2配線(ビット線)の製造方法について詳細に説明する。なお、図4では、図面向かって左側の図面にメモリセル領域6を示し、右側の図面に周辺回路領域8を示す。
【0072】
既知技術により、例えば、半導体基板に、メモリセル領域6の素子形成領域同士や周辺回路領域8の素子形成領域同士を分離する素子分離領域を形成し、メモリセル領域6の素子形成領域に読み出しのためのスイッチング素子を形成する。このスイッチング素子は、n型またはp型電界効果トランジスタ、ダイオード、バイポーラトランジスタ等の各種スイッチング素子で形成することが可能である。また周辺回路領域8にも所望の素子、配線等を形成する。
【0073】
上記電界効果型トランジスタ、周辺回路領域8等を覆う状態に第1絶縁膜を形成し、例えば、第1絶縁膜に上記スイッチング素子等の下層の素子、配線等に接続するコンタクト(例えばタングステンプラグ)を形成する。さらに第1絶縁膜上にコンタクトに接続するセンス線、接続用電極等を形成する。
【0074】
上記第1絶縁膜上に第2絶縁膜を形成する。メモリセル領域6における第2絶縁膜は、上記センス線、接続用電極等を覆う。また第2絶縁膜には上記接続用電極に接続するコンタクト(例えばタングステンプラグ)を形成する。
【0075】
次いで、上記第2絶縁膜上に第3絶縁膜を形成する。次いで、前記図3によって説明した方法もしくは通常の書き込みワード線の形成方法により、第3絶縁膜に第1配線(書き込みワード線)を形成する。前記図3によって説明した方法では、上記メモリセル領域6に第1配線(書き込みワード線)を形成した後に周辺回路領域8に第1配線を形成する。一方、通常の書き込みワード線の形成方法では、メモリセル領域6および周辺回路領域8の両方に同時に第1配線(書き込みワード線)を形成する。好ましくは、前者の方法である。その後、第1配線を被覆するように、さらに第3絶縁膜を形成する。なお、上記周辺回路領域8に第1配線を形成するのと同時プロセスによって、メモリセル領域6におけるプラグ、接続用電極等を形成することも可能である。
【0076】
図4(1)に示すように、次いで、上記第3絶縁膜(図示せず)上に、導電層131、磁気抵抗効果型の記憶素子(例えばTMR素子)13、導電性のキャップ層(保護メタル層)133を形成する。さらに記憶素子13、キャップ層133等を埋め込むように第4絶縁膜44を形成する。その後化学的機械研磨法によって、キャップ層133の上面を露出させるとともに、第4絶縁膜44表面を平坦化する。ここまでのプロセスは既存の方法により行うことができ、上記プロセスに限定はされない。また、既存の上層配線と下層配線とを接続するプラグ形成技術を用いて、上記第4絶縁膜44に下層の配線もしくは電極に接続するプラグを形成することもできる。ここでは、図示したように、一例として、周辺回路領域8にプラグ72を形成した。このプラグ72の形成は、通常のプラグ形成技術を用いることができる。
【0077】
さらに第4絶縁膜44上にエッチング停止層となるストッパ絶縁膜451、第5絶縁膜45となる層間絶縁膜452を順に形成する。ストッパ絶縁膜451と層間絶縁膜453とで第5絶縁膜45が構成される。上記ストッパ絶縁膜451は、層間絶縁膜452をエッチングする際のエッチングが停止される絶縁膜で形成され、例えば窒化シリコン(SiN)膜、炭化シリコン(SiC)膜等で形成する。上記層間絶縁膜452は、例えば酸化シリコン(SiO2 )膜、フッ素を含む酸化シリコン(SiOF)膜、酸化炭化シリコン(SiOC)膜、有機化合物膜などの絶縁材料膜もしくはそれらのうちの2種以上を用いた積層構造として形成する。
【0078】
次いで、通常のレジスト塗布技術、リソグラフィー技術およびエッチング技術を用いて、メモリセル領域6におけるビット線が形成される領域の上記第5絶縁膜45に配線溝453を形成する。この時点では、周辺回路領域8には配線溝を形成しない。その後、不要となったレジストマスクを除去する。
【0079】
その後、既知の成膜技術を用いて、例えばスパッタリング法を用いて、上記配線溝453の内面および第5絶縁膜45表面に、第1バリアメタル層55、磁性体層521を順に成膜する。第1バリアメタル層55は、銅および磁性体との反応を抑制するとともに銅および磁性体の拡散を抑制する材料であればよい。例えば、タンタル(Ta)、窒化タンタル(TaN)、タングステン(W)、窒化タングステン(WN)などが挙げられる。また、磁性体層521としては、例えば最大透磁率μmが100以上の軟磁性体を用いることができ、具体的には、一例として鉄、コバルト、ニッケルのうち少なくとも1種を含む合金、鉄・アルミニウム(FeAl)合金もしくはフェライト合金を用いる。
【0080】
次に、既知のエッチバック技術により、磁性体層521および第1バリアメタル層55を異方性エッチングする。このエッチングのガスには、例えば塩素を含んだハロゲンガスまたはそれに一酸化炭素(CO)もしくはアンモニア(NH3 )を添加したエッチングガスを用いる。さらに酸素を添加してもよい。例えば、エッチングガスに塩素(流量:50cm3 /min)とアルゴン(流量:50cm3 /min)との混合ガスを用い、ソースパワーを600W〜2kW、バイアスパワーを50W〜500W、エッチング雰囲気の圧力を0.67Pa〜1.3Pa、基板温度を20℃〜60℃に設定して、エッチングを行った。この結果、配線溝453の側壁に第1バリアメタル層55を介して磁性体層521のサイドウォールが形成される。
【0081】
次に、配線溝453の底部に露出しているストッパ絶縁膜451をエッチングにより除去して、例えば、メモリセル領域6のキャップ層133表面を露出させる。このストッパ絶縁膜451のエッチング処理のガスには、例えばフッ素系のガスを用いる。例えば、塩素(流量:60cm3 /min)と三塩化ホウ素(BCl3 )(流量:90cm3 /min)とトリフルオロメタン(CHF3 )(流量:5cm3 /min)との混合ガスを用い、ソースパワーを600W〜2kW、バイアスパワーを50W〜200W、エッチング雰囲気の圧力を1.3Pa〜4.0Pa、基板温度を20℃〜60℃に設定して、エッチングを行った。もしくは、エッチングガスにトリフルオロメタン(CHF3 )と一酸化炭素(CO)の混合ガス、トリフルオロメタン(CHF3 )とテトラフルオロメタン(CF4 )とアルゴン(Ar)との混合ガス、トリフルオロメタン(CHF3 )と酸素(O2 )とアルゴン(Ar)との混合ガス等を用いる。
【0082】
次に、スパッタリング法によって、磁性体層521を覆うように配線溝453の内面を含めて第2バリアメタル層56を成膜する。第2バリアメタル層56としては、銅との反応および銅の拡散を抑制する材料であることが求められ、例えばタンタル(Ta)、窒化タンタル(TaN)、タングステン(W)、窒化タングステン(WN)などが挙げられ、上記第1バリアメタル層55と同じ材質であっても、異なる材質であっても良い。
【0083】
その後、第2バリアメタル層56の表面に銅シード層(図示せず)を成膜した後、例えば電解めっきによって、配線溝453を埋め込むように導電体(以下銅膜と記す)を成膜する。この銅膜は、例えば銅もしくは銅合金からなる。これにより、配線溝453内部が銅膜によって埋め込まれるとともに、第5絶縁膜45上にも第2バリアメタル層56を介して銅膜が形成される。その後に、第2絶縁膜42上の銅膜、第2バリアメタル層56、磁性体層521、第1バリアメタル層55およびを、例えば化学的機械研磨(CMP)法等を用いて除去して、溝配線構造の銅膜を主材料とする第2配線12を形成する。したがって、メモリセル領域6にのみ、書き込みワード線(図示せず)との間に上記記憶素子13を介して、書き込みワード線に直交する第2配線(以下、ビット線という)12が形成される。
【0084】
さらに図4(2)に示すように、第2配線(ビット線を含む)12上面からの銅との反応、銅の拡散を抑制するために第3バリアメタル層58を形成し、次いで磁性体層522を形成する。さらに反射防止膜(図示せず)を形成してもよい。第3バリアメタル層58は、例えば窒化シリコン(SiN)、炭化シリコン(SiC)などの絶縁膜、もしくは、第1、第2バリアメタル層55、56と同様に、タンタル(Ta)、窒化タンタル(TaN)、タングステン(W)、窒化タングステン(WN)などを用いることができる。また磁性体層522は、前記磁性体層521と同様の材料で形成することができる。なお、反射防止膜は、その後のリソグラフィー工程の露光時に下地からの反射の影響が問題とならない場合には必須ではない。ここでは、反射防止膜を形成しない場合を説明する。
【0085】
次に、通常のレジスト塗布技術を用いて、磁性体層522上にレジスト膜(図示せず)を形成する。次いでリソグラフィー技術によって、クラッド構造を残したい部分、つまりTMR素子が形成される部分の上部にあたる部分のみにレジスト膜を残して、その他の部分のレジスト膜を除去する。
【0086】
その後、上記レジスト膜をエッチングマスクに用いて、既知のエッチング技術により、磁性体層522および第3バリアメタル層58をエッチング除去する。このエッチングは、第5絶縁膜45をエッチング停止層にしてエッチングを行う。このようにして、上記サイドウォール状に形成された磁性体層521と上記磁性体層522とからなる磁性体層52がビット線12の上面および側面に形成される。
【0087】
次いで、図4(3)に示すように、上記第5絶縁膜45上に上記磁性体層522を被覆するように保護膜81を形成する。この保護膜81には、例えば窒化シリコン(SiN)、炭化シリコン(SiC)などの絶縁膜を用いることができる。次いで、通常のレジスト塗布技術、リソグラフィー技術およびエッチング技術を用いて、周辺回路領域8における第2配線が形成される領域の上記保護膜81および第5絶縁膜45に配線溝454を形成する。上記保護膜81のエッチングには、エッチングガスに、例えば塩素を含んだハロゲンガスまたはそれに一酸化炭素(CO)もしくはアンモニア(NH3 )を添加したエッチングガスを用いる。さらに酸素を添加してもよい。また第5絶縁膜45のエッチングは、第5絶縁膜45が酸化シリコン系材料からなる場合には通常の酸化シリコン系材料をエッチングする、例えばフッ素系ガスを用いる。
【0088】
続いて、配線溝454の底部に露出しているストッパ絶縁膜451をエッチングにより除去して、例えば、周辺回路領域8のプラグ72表面を露出させる。このストッパ絶縁膜451のエッチング処理のガスには、例えばフッ素系のガスを用いる。
【0089】
その時、基本的にはメモリセル領域6には配線溝を形成しないが、メモリセル領域6内に、配線側壁に磁性体層を形成する必要がない配線、プラグ等を形成する場合には、その配線溝、接続孔等を形成することもできる。その後、不要となったレジストマスクを除去する。
【0090】
次いで、図4(4)に示すように、既知の成膜技術を用いて、例えばスパッタリング法を用いて、上記配線溝454の内面および保護膜81表面に、バリアメタル層82を成膜する。バリアメタル層82は、銅および磁性体との反応を抑制するとともに銅および磁性体の拡散を抑制する材料であればよい。例えば、タンタル(Ta)、窒化タンタル(TaN)、タングステン(W)、窒化タングステン(WN)などが挙げられる。
【0091】
その後、バリアメタル層82の表面に銅シード層(図示せず)を成膜した後、例えば電解めっきによって、配線溝454を埋め込むように導電体(以下銅膜と記す)を成膜する。この銅膜は、例えば銅もしくは銅合金からなる。これにより、配線溝454内部が銅膜によって埋め込まれるとともに、保護膜81上にもバリアメタル層82を介して銅膜が堆積される。その後に、保護膜81上の銅膜、バリアメタル層82を、例えば化学的機械研磨(CMP)法等を用いて除去して、溝配線構造の銅膜を主材料とする周辺回路領域8の第2配線62を形成する。したがって、このプロセスでは、周辺回路領域8にのみ、第2配線62が形成される。
【0092】
上記磁気記憶装置の製造方法の第2実施の形態では、第2配線12、62を形成する工程は、メモリセル領域6の第2配線(ビット線)12を形成する工程と、周辺回路領域8の第2配線62を形成する工程とからなり、メモリセル領域6のビット線12を形成する工程で、ビット線12の両側面および記憶素子13に対向する面とは反対側の面に高透磁率層からなる磁性体層52を設けたビット線12が形成されることから、磁性体層52によってビット線12で発生される磁場の利用効率が高められるので、記憶素子13への書き込み電流値が低減される構造になる。しかも、メモリセル領域6のビット線12を形成する工程と、周辺回路領域8の第2配線62を形成する工程とを別々の工程で行うことから、ビット線12を被覆する磁性体層52は、メモリセル領域6内のみに形成することができ、それ以外の周辺回路領域8には形成されない。そのため、周辺回路領域8の第2配線62では、配線周りに磁性体層を形成しない分だけ配線の高集積化が可能になる。すなわち、第2配線62では、その直上に磁性体層522を形成しないため、周辺回路領域8における磁性体層522の合わせずれ余裕を考慮する必要がない。その結果、周辺回路領域8の第2配線62は最小設計寸法で形成することができるので、高集積化が可能になる。言い換えれば、磁性体層が形成されることによる配線面積の低減を無くすことができるので、その分、配線面積が増加することにより配線抵抗が低減される。これによって、消費電力の低減、発熱量の低減がなされる配線構造が形成される。さらに信号遅延が抑制され、高速応答が可能になる。
【0093】
次に、本発明の磁気記憶装置の製造方法に係る第3実施の形態を、図5の製造工程断面図によって説明する。この第3実施の形態では、本発明の特徴とする第2配線(ビット線)の製造方法について詳細に説明する。なお、図5では、図面向かって左側の図面にメモリセル領域6を示し、右側の図面に周辺回路領域8を示す。
【0094】
既知技術により、例えば、半導体基板に、メモリセル領域6の素子形成領域同士や周辺回路領域8の素子形成領域同士を分離する素子分離領域を形成し、メモリセル領域6の素子形成領域に読み出しのためのスイッチング素子を形成する。このスイッチング素子は、n型またはp型電界効果トランジスタ、ダイオード、バイポーラトランジスタ等の各種スイッチング素子で形成することが可能である。また周辺回路領域8にも所望の素子、配線等を形成する。
【0095】
上記電界効果型トランジスタ、周辺回路領域8等を覆う状態に第1絶縁膜を形成し、例えば、第1絶縁膜に上記スイッチング素子等の下層の素子、配線等に接続するコンタクト(例えばタングステンプラグ)を形成する。さらに第1絶縁膜上にコンタクトに接続するセンス線、接続用電極等を形成する。
【0096】
上記第1絶縁膜上に第2絶縁膜を形成する。メモリセル領域6における第2絶縁膜は、上記センス線、接続用電極等を覆う。また第2絶縁膜には上記接続用電極に接続するコンタクト(例えばタングステンプラグ)を形成する。
【0097】
次いで、上記第2絶縁膜上に第3絶縁膜を形成する。次いで、前記図3によって説明した方法もしくは通常の書き込みワード線の形成方法により、第3絶縁膜に第1配線(書き込みワード線)を形成する。上記図3によって説明した方法では、上記メモリセル領域6に第1配線(書き込みワード線)を形成した後に周辺回路領域8に第1配線を形成する。通常の書き込みワード線の形成方法では、メモリセル領域6および周辺回路領域8の両方に同時に第1配線(書き込みワード線)を形成する。好ましくは、前者の方法である。その後、第1配線を被覆するように、さらに第3絶縁膜を形成する。なお、上記周辺回路領域8に第1配線を形成するのと同時プロセスによって、メモリセル領域6におけるプラグ、接続用電極等を形成することも可能である。
【0098】
図5(1)に示すように、次いで、上記第3絶縁膜(図示せず)上に、導電層131、磁気抵抗効果型の記憶素子(例えばTMR素子)13、導電性のキャップ層(保護メタル層)133を形成する。さらに記憶素子13、キャップ層133等を埋め込むように第4絶縁膜44を形成する。その後化学的機械研磨法によって、キャップ層133の上面を露出させるとともに、第4絶縁膜44表面を平坦化する。ここまでのプロセスは既存の方法により行うことができ、上記プロセスに限定はされない。また、既存の上層配線と下層配線とを接続するプラグ形成技術を用いて、上記第4絶縁膜44に下層の配線もしくは電極に接続するプラグを形成することもできる。ここでは、図示したように、一例として、周辺回路領域8にプラグ72を形成した。このプラグ72の形成は、通常のプラグ形成技術を用いることができる。
【0099】
さらに第4絶縁膜44上にエッチング停止層451を形成し、さらに層間絶縁膜452を形成して、第5絶縁膜45を形成する。上記ストッパ絶縁膜451は、第5絶縁膜45をエッチングする際のエッチングが停止される絶縁膜で形成され、例えば窒化シリコン(SiN)膜、炭化シリコン(SiC)膜等で形成する。上記第5絶縁膜45は、例えば酸化シリコン(SiO2 )膜、フッ素を含む酸化シリコン(SiOF)膜、酸化炭化シリコン(SiOC)膜、有機化合物膜などの絶縁材料膜もしくはそれらのうちの2種以上を用いた積層構造として形成する。
【0100】
次いで、通常のレジスト塗布技術、リソグラフィー技術およびエッチング技術を用いて、メモリセル領域6および周辺回路領域8におけるビット線が形成される領域の上記第5絶縁膜45に配線溝453、454を形成する。その後、不要となったレジストマスクを除去する。
【0101】
その後、既知の成膜技術を用いて、例えばスパッタリング法を用いて、上記配線溝453、454の内面および第5絶縁膜45表面に、第1バリアメタル層55、磁性体層521を順に成膜する。第1バリアメタル層55は、銅および磁性体との反応を抑制するとともに銅および磁性体の拡散を抑制する材料であればよい。例えば、タンタル(Ta)、窒化タンタル(TaN)、タングステン(W)、窒化タングステン(WN)などが挙げられる。また、磁性体層521としては、例えば最大透磁率μmが100以上の軟磁性体を用いることができ、具体的には、一例として鉄、コバルト、ニッケルのうち少なくとも1種を含む合金、鉄・アルミニウム(FeAl)合金もしくはフェライト合金を用いる。
【0102】
次に、既知のエッチバック技術により、磁性体層521および第1バリアメタル層55を異方性エッチングする。このエッチングのガスには、例えば塩素を含んだハロゲンガスまたはそれに一酸化炭素(CO)もしくはアンモニア(NH3 )を添加したエッチングガスを用いる。さらに酸素を添加してもよい。例えば、例えば、前記第2実施の形態で説明した磁性体層521および第1バリアメタル層55を異方性エッチングするエッチングガスと同様のガスを用いた。この結果、配線溝453、454の側壁に第1バリアメタル層55を介して磁性体層521のサイドウォールが形成される。
【0103】
次に、配線溝453、454の底部に露出しているストッパ絶縁膜451をエッチングにより除去して、例えば、メモリセル領域6のキャップ層133表面、周辺回路領域8のプラグ72表面を露出させる。このストッパ絶縁膜451のエッチング処理のガスには、例えばフッ素系のガスを用いる。例えば、前記第2実施の形態で説明したストッパ絶縁膜451のエッチングガスと同様のガスを用いた。
【0104】
次に、スパッタリング法によって、磁性体層521を覆うように配線溝453、454の各内面を含めて第2バリアメタル層56を成膜する。第2バリアメタル層56としては、銅との反応および銅の拡散を抑制する材料であることが求められ、例えばタンタル(Ta)、窒化タンタル(TaN)、タングステン(W)、窒化タングステン(WN)などが挙げられ、上記第1バリアメタル層55と同じ材質であっても、異なる材質であっても良い。
【0105】
その後、第2バリアメタル層56の表面に銅シード層(図示せず)を成膜した後、例えば電解めっきによって、配線溝453、454を埋め込むように導電体(以下銅膜と記す)を成膜する。この銅膜は、例えば銅もしくは銅合金からなる。これにより、配線溝453、454内部が銅膜によって埋め込まれるとともに、第5絶縁膜45上にも第2バリアメタル層56を介して銅膜が形成される。その後に、第2絶縁膜42上の銅膜、第2バリアメタル層56、磁性体層521、第1バリアメタル層55およびを、例えば化学的機械研磨(CMP)法等を用いて除去して、溝配線構造の銅膜を主材料とする第2配線12、62を形成する。
【0106】
さらに図5(2)に示すように、第2配線(ビット線を含む)12上面からの銅との反応、銅の拡散を抑制するために第3バリアメタル層58を形成し、次いで磁性体層522を形成する。さらに反射防止膜(図示せず)を形成してもよい。第3バリアメタル層58は、例えば窒化シリコン(SiN)、炭化シリコン(SiC)などの絶縁膜、もしくは、第1、第2バリアメタル層55、56と同様に、タンタル(Ta)、窒化タンタル(TaN)、タングステン(W)、窒化タングステン(WN)などを用いることができる。また磁性体層522は、前記磁性体層521と同様の材料で形成することができる。なお、反射防止膜は、その後のリソグラフィー工程の露光時に下地からの反射の影響が問題とならない場合には必須ではない。ここでは、反射防止膜を形成しない場合を説明する。
【0107】
次に、通常のレジスト塗布技術を用いて、磁性体層522上にレジスト膜(図示せず)を形成する。次いでリソグラフィー技術によって、クラッド構造を残したい部分、つまりTMR素子が形成される部分の上部にあたる部分のみにレジスト膜を残して、その他の部分のレジスト膜を除去する。
【0108】
その後、上記レジスト膜をエッチングマスクに用いて、既知のエッチング技術により、磁性体層522および第3バリアメタル層58をエッチング除去する。このエッチングは、第5絶縁膜45をエッチング停止層にしてエッチングを行う。このようにして、上記サイドウォール状に形成された磁性体層521と、上記磁性体層522とからなる磁性体層52がビット線12の上面および側面に形成される。なお、第3バリアメタル層58が絶縁膜で形成される場合には、周辺回路領域8に残してもよい。さらに、上記プロセスによって、周辺回路領域8の第2配線62上にバリアメタル層が形成されない場合には、別プロセスによって、周辺回路領域8の第2配線62を被覆するバリアメタル層を形成することが好ましい。
【0109】
上記磁気記憶装置の製造方法の第3実施の形態では、第5絶縁膜45に第2配線(ビット線)12を形成するための配線溝453を形成する際に、キャップ層133を被覆するストッパ絶縁膜451によりエッチングが停止する。そして、配線溝453内面および第5絶縁膜45表面に第1バリアメタル層55と磁性体層521とを順に形成した後、配線溝453底部の磁性体層521、第1バリアメタル層55およびストッパ絶縁膜451を除去して上記キャップ層133上面を露出させるとともに第5絶縁膜45上の磁性体層521と第1バリアメタル層55を除去することから、配線溝453その側壁に第1バリアメタル層55を介して磁性体層521のサイドウォールが形成される。その際、記憶素子13上のキャップ層133上面が配線溝453底部に露出される。その後、配線溝453内に第2バリアメタル層56を介して配線の主材料となる銅膜(導電体)を埋め込んだ後、第5絶縁膜45上の銅膜および第2バリアメタル層56を除去して配線溝453内に銅膜からなる第2配線(ビット線)12を形成する。この結果、メモリセル領域6の第2配線12は第2バリアメタル層56を介して記憶素子13上部のキャップ層133と接続されることになり、周辺回路領域8の第2配線62は第2バリアメタル層56を介してプラグ72と接続されることになる。このようなプロセスを経ることによって、溝配線形成技術により、第2配線12の側面を覆う磁性体層55を容易に形成することが可能になる。
【0110】
さらに、第5絶縁膜45上にメモリセル領域6のビット線12を被覆する第3バリアメタル層58を形成した後に磁性体層522を形成し、その後、ビット線12上に磁性体層522および第3バリアメタル層58とを残すようにパターニングを行うことから、ビット線12の側壁および上面はその側壁に形成された磁性体層521と上記磁性体層522とによってほぼ被覆される。
【0111】
しかも、周辺回路領域8の第2配線62上には磁性体層522は形成されない。したがって、周辺回路領域8の第2配線62の側壁には磁性体層521が形成されているものの、第2配線62では、その直上に磁性体層522を形成しないため、周辺回路領域8における磁性体層522の合わせずれ余裕を考慮する必要がない。その結果、周辺回路領域8の第2配線62は最小設計寸法で形成することができるので、高集積化が可能になる。
【0112】
周辺回路領域8に第2配線を形成する方法としては、上記説明した方法以外に、以下のような方法としてもよい。
【0113】
例えば、前記磁気記憶装置の製造方法に係る第2実施の形態において、メモリセル領域6のビット線12を被覆する保護膜81を形成した後、前記第2実施の形態で説明したのと同様にして、周辺回路領域8に第2配線62を形成する。その後、メモリセル領域6のビット線12上の保護膜81を除去し、メモリセル領域6のビット線12上および周辺回路領域8の第2配線62上を被覆するようにバリアメタル層82および磁性体層522を形成し、ビット線12および第2配線62の形状にバリアメタル層82および磁性体層522のパターニングを行ってもよい。
【0114】
上記各実施の形態では、溝配線のみの構造を記載しているが、溝配線とその底部に形成される接続孔とを同時プロセスにて形成する構造、いわゆるデュアルダマシン構造の場合も含み、配線構造の形状は問わない。また、記憶素子のキャップ層133との導通をとるために、導通孔等が存在しても構わない。
【0115】
上記各実施の形態では、第1、第2バリアメタル層55、56、バリアメタル層82を用いたプロセスを記載したが、第1配線11が記憶素子13側を除いて磁性体層51に被覆され、第2配線12が記憶素子13側を除いて磁性体層52に被覆されていることを特徴としていれば、第1、第2バリアメタル層55、56、バリアメタル層82が無くても構わない。
【0116】
上記各実施の形態では、ビット線12上および第2配線62上に形成されるバリアメタル層を、例えばコバルト・タングステン・リン(Co−W−P)膜で形成することも可能である。この場合、形成方法が配線材料との置換めっきとなるため、メモリセル領域では、その後に形成される磁性体層522と配線側壁に形成される磁性体層521とが接続されるように形成され、記憶素子13への電流磁界の印加効率が高められるので、より低電流での書き込みが行える。
【0117】
【発明の効果】
以上、説明したように本発明の磁気記憶装置によれば、メモリセル領域内のみの第1配線の両側面および記憶素子に対向する面とは反対側の面に高透磁率層からなる磁性体層が形成されているので、磁性体層によって第1配線で発生される磁場の利用効率が高められるので、記憶素子への書き込み電流値が低減できる。しかも、第1配線を被覆する磁性体層は、メモリセル領域内のみに形成されていて、それ以外の周辺回路領域には形成されていないため、周辺回路の第1配線では、その配線周りに磁性体層を形成しない分だけ配線の高集積化が可能になる。また、磁性体層が形成されない分、配線面積を増加することができるので、配線抵抗が低減できる。これによって、消費電力の低減、発熱量の低減が可能になる。また、第2配線についても、メモリセル領域内のみの第2配線の両側面および記憶素子に対向する面とは反対側の面に高透磁率層からなる磁性体層が形成されているので、第1配線と同様なる作用、効果を得ることができる。
【0118】
本発明の磁気記憶装置の製造方法によれば、メモリセル領域の第1配線(書き込みワード線)および第2配線(ビット線)の少なくとも一方の配線の両側面および記憶素子に対向する面とは反対側の面に高透磁率層からなる磁性体層を形成するいわゆるクラッド構造とするので、磁場の利用効率を高めた磁気記憶装置を製造することができる。それによって、記憶素子への書き込み電流値を低減することが可能になるので、低消費電力、低発熱量の磁気記憶装置を製造することができる。また、メモリセル以外の周辺回路領域においては、従来の配線形成技術を用いることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の磁気記憶装置に係る第1実施の形態を示す概略構成断面図である。
【図2】本発明の磁気記憶装置に係る第2実施の形態を示す概略構成断面図である。
【図3】本発明の磁気記憶装置の製造方法に係る第1実施の形態を示す製造工程断面図である。
【図4】本発明の磁気記憶装置の製造方法に係る第2実施の形態を示す製造工程断面図である。
【図5】本発明の磁気記憶装置の製造方法に係る第3実施の形態を示す製造工程断面図である。
【図6】磁性体層で形成されるクラッド構造を用いたMRAMの一部を簡略化して示す概略斜視図である。
【符号の説明】
1…磁気記憶装置、6…メモリセル領域、8…周辺回路領域、10…半導体素子基板、11…第1配線(書き込みワード線)、12…第2配線(ビット線)、13…記憶素子、51…磁性体層、61…第1配線、M…メモリセル領域、C…周辺回路領域
Claims (9)
- 同一基板にメモリセル領域と周辺回路領域とが搭載された磁気記憶装置であって、
前記メモリセル領域は、
第1配線と、
前記第1配線と立体的に交差する第2配線と、
前記第1配線と前記第2配線との交差領域に磁気スピンの情報を記憶しかつ再生する磁気抵抗効果型の記憶素子とを備え、
前記周辺回路領域は、
前記メモリセル領域の第1配線と同一配線層の第1配線と、
前記メモリセル領域の第2配線と同一配線層の第2配線とを備え、
前記メモリセル領域内のみの前記第1配線の両側面および前記記憶素子に対向する面とは反対側の面に高透磁率層からなる磁性体層が形成されている
ことを特徴とする磁気記憶装置。 - 同一基板にメモリセル領域と周辺回路領域とが搭載された磁気記憶装置であって、
前記メモリセル領域は、
第1配線と、
前記第1配線と立体的に交差する第2配線と、
前記第1配線と前記第2配線との交差領域に磁気スピンの情報を記憶しかつ再生する磁気抵抗効果型の記憶素子とを備え、
前記周辺回路領域は、
前記メモリセル領域の第1配線と同一配線層の第1配線と、
前記メモリセル領域の第2配線と同一配線層の第2配線とを備え、
前記メモリセル領域内のみの前記第2配線の両側面および前記記憶素子に対向する面とは反対側の面に高透磁率層からなる磁性体層が形成されている
ことを特徴とする磁気記憶装置。 - 前記メモリセル領域内のみの前記第2配線の両側面および前記記憶素子に対向する面とは反対側の面に高透磁率層からなる磁性体層が形成されている
ことを特徴とする請求項1記載の磁気記憶装置。 - 前記周辺回路領域内における前記第2配線の一部の面に高透磁率層からなる磁性体層が形成されている
ことを特徴とする請求項2記載の磁気記憶装置。 - 同一基板にメモリセル領域と周辺回路領域とを形成する磁気記憶装置の製造方法であり、
第1配線を形成する工程と、
トンネル絶縁層を強磁性体で挟んでなるもので前記第1配線と電気的に絶縁されたトンネル磁気抵抗素子を形成する工程と、
前記トンネル磁気抵抗素子と電気的に接続するもので前記トンネル磁気抵抗素子を間にして前記第1配線と立体的に交差する第2配線を形成する工程とを備え、
前記第1配線を形成する工程は、
前記メモリセル領域の第1配線を形成する工程と、
前記周辺回路領域の第1配線を形成する工程とからなり、
前記メモリセル領域の第1配線を形成する工程は、
前記基板のメモリセル領域を形成する領域に配線溝を形成する工程と、
前記配線溝の内面に高透磁率層からなる磁性体層を形成する工程と、
前記配線溝の内部に前記磁性体層を介して第1配線を形成する工程とを備えた
ことを特徴とする磁気記憶装置の製造方法。 - 同一基板にメモリセル領域と周辺回路領域とを形成する磁気記憶装置の製造方法であり、
第1配線を形成する工程と、
トンネル絶縁層を強磁性体で挟んでなるもので前記第1配線と電気的に絶縁されたトンネル磁気抵抗素子を形成する工程と、
前記トンネル磁気抵抗素子と電気的に接続するもので前記トンネル磁気抵抗素子を間にして前記第1配線と立体的に交差する第2配線を形成する工程とを備え、
前記第2配線を形成する工程は、
前記メモリセル領域の第2配線を形成する工程と、
前記周辺回路領域の第2配線を形成する工程とからなり、
前記メモリセル領域の第2配線を形成する工程は、
前記基板のメモリセル領域を形成する領域に配線溝を形成する工程と、
前記配線溝の側面に高透磁率層からなる磁性体層を形成する工程と、
前記配線溝の側面に前記磁性体層を介して前記配線溝を埋め込む第2配線を形成する工程と、
前記第2配線上に高透磁率層からなる磁性体層を形成する工程とを備えた
ことを特徴とする磁気記憶装置の製造方法。 - 前記第2配線を形成する工程は、
前記メモリセル領域の第2配線を形成する工程と、
前記周辺回路領域の第2配線を形成する工程とからなり、
前記メモリセル領域の第2配線を形成する工程は、
前記基板のメモリセル領域を形成する領域に配線溝を形成する工程と、
前記配線溝の側面に高透磁率層からなる磁性体層を形成する工程と、
前記配線溝の側面に前記磁性体層を介して前記配線溝を埋め込む第2配線を形成する工程と、
前記第2配線上に高透磁率層からなる磁性体層を形成する工程とを備えた
ことを特徴とする請求項5記載の磁気記憶装置の製造方法。 - 前記基板のメモリセル領域を形成する領域に配線溝を形成する際に前記基板の周辺回路領域を形成する領域にも配線溝を形成し、
前記メモリセル領域を形成する領域および前記周辺回路領域を形成する領域の配線溝の側面に高透磁率層からなる磁性体層を形成し、
前記メモリセル領域を形成する領域および前記周辺回路領域を形成する領域の配線溝の側面に前記磁性体層を介して前記配線溝を埋め込む第2配線を形成し、
前記メモリセル領域のみの第2配線上に高透磁率層からなる磁性体層を形成する
ことを特徴とする請求項5記載の磁気記憶装置の製造方法。 - 前記基板のメモリセル領域を形成する領域に配線溝を形成する際に前記基板の周辺回路領域を形成する領域にも配線溝を形成し、
前記メモリセル領域を形成する領域および前記周辺回路領域を形成する領域の配線溝の側面に高透磁率層からなる磁性体層を形成し、
前記メモリセル領域を形成する領域および前記周辺回路領域を形成する領域の配線溝の側面に前記磁性体層を介して前記配線溝を埋め込む第2配線を形成し、
前記メモリセル領域のみの第2配線上に高透磁率層からなる磁性体層を形成する
ことを特徴とする請求項6記載の磁気記憶装置の製造方法。
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