JP2011134976A - 半導体装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】磁気抵抗素子における磁場の漏洩をより抑制し、性能をより向上することが可能な半導体装置を提供する。
【解決手段】半導体基板は主表面を有する。磁気抵抗素子32は半導体基板の上記主表面上に位置する。配線43は上記磁気抵抗素子32上に位置する。バリア層41a、410は上記配線43の側面および上面を連続するように覆うように配置される。クラッド層41c、41dは上記バリア層41a、410の、配線43に対向する表面と反対側の表面を連続して覆うように配置される。上記磁気抵抗素子32と上記配線43と上記バリア層41a、410と上記クラッド層41c、41dとを含むメモリユニットが複数形成される。複数の上記メモリユニットが配線43の延在する方向に交差する方向に並列しており、複数のメモリユニット間でクラッド層41c、41dが分離されている。
【選択図】図4

Description

本発明は半導体装置に関し、特に磁気抵抗素子を備える半導体装置に関する。
記憶用の半導体集積回路などの半導体装置として、従来よりDRAM(Dynamic Random Access Memory)やSRAM(Static Random Access Memory)が広く用いられている。一方、MRAM(Magnetic Random Access Memory)は、磁気によって情報を記憶するデバイスであり、高速動作、書換え耐性、不揮発性などの点で、他のメモリ技術と比較し優れた特徴を有している。
MRAMは、トンネル磁気抵抗(TMR:Tunneling Magnetoresistive)効果を利用するMTJ(Magnetic Tunnel Junction)素子と称される磁気抵抗素子を備え、この磁気抵抗素子の磁化状態により情報を記憶する。磁気抵抗素子は、たとえば一方向に延在するディジット線と、これと略直交する方向に延在するビット線とが交差する部分に配置され、アレイ状に形成されている。個々の磁気抵抗素子には、トンネル絶縁膜を間に介在させて2つの磁性層が積層されている。磁気抵抗素子は、ディジット線とビット線とを流れる電流がつくる磁場により磁化の方向が変化する層を含んでいる。磁気抵抗素子はこの磁化の方向を情報として記憶する。そして当該層の磁化方向に応じて、磁気抵抗素子の電気抵抗が変化する。この電気抵抗の変化により、磁気抵抗素子を流れる電流の変化を検出することにより、磁気抵抗素子に記憶された情報を検出する。
電流がつくる磁場を磁気抵抗素子に集中的に供給するために、配線の側面や上面に、透磁率の高いクラッド層を配置する。このようなクラッド層が採用されたMRAMは従来から各種提案されている。
たとえば特開2000−353791号公報(特許文献1)や特開2003−249630号公報(特許文献2)に記載されたMRAM装置においては、電流がつくる磁場を供給する配線であるビット線の側面および上面を覆うように、高透磁率の薄膜層が配置されている。
しかし特開2000−353791号公報のMRAM装置や特開2003−249630号公報の半導体記憶装置のように、ビット線の側面および上面に直接高透磁率の層を配置すると、ビット線中の原子とクラッド層中の原子とが相互拡散を起こす可能性がある。このような拡散が起こると、配線(ビット線)の抵抗が上昇したり、電流がつくる磁場を磁気抵抗素子へ集中させる効率が低下することがある。
一方、特開2009−38221号公報(特許文献3)に記載された半導体装置は、磁気メモリ素子のビット線とその上方の高透磁率膜との間に絶縁膜が挟まれており、ビット線とその側方の高透磁率膜との間にバリアメタル層が挟まれている。またたとえば特開2006−32762号公報(特許文献4)に記載された磁気記憶装置は、配線(銅膜)の側方については高透磁率膜との間にバリアメタル膜と層間絶縁膜とが配置されている。また配線の上方については高透磁率膜との間に絶縁膜が配置されている。さらに特表2006−511956号公報(特許文献5)に記載された磁気電子デバイスは、ビットラインとその上方のクラッド層との間にエッチング停止層が挟まれている。
特開2000−353791号公報 特開2003−249630号公報 特開2009−38221号公報 特開2006−32762号公報 特表2006−511956号公報
特開2009−38221号公報の半導体装置は、ビット線の上方の高透磁率膜とビット線の側方の高透磁率膜とが、ビット線の上方の高透磁率膜とビット線との間に挟まれた絶縁膜の存在により分離されている。つまりビット線の上方の高透磁率膜とビット線の側方の高透磁率膜とが不連続となっている。このため高透磁率膜に沿って流れる磁力線が、高透磁率膜の不連続となった領域において、ビット線から離れる方向に漏洩することがある。するとたとえば隣接する磁気抵抗素子に当該磁力線が漏洩するため、隣接する磁気抵抗素子に情報が誤って書き込まれる可能性がある。特表2006−511956号公報の磁気電子デバイスにおいても同様である。
また特開2006−32762号公報の磁気記憶装置は、並列する2本の配線のそれぞれの上方や側方に配置された高透磁率膜が共通となっている。つまり並列する2本の配線間において高透磁率膜が連続となっている。この場合、一方の配線がつくる磁力線が、2本の配線間を橋渡しする高透磁率膜を伝うことにより、他方の配線の方へ漏洩することがある。するとたとえば隣接する磁気抵抗素子に当該磁力線が漏洩するため、隣接する磁気抵抗素子に情報が誤って書き込まれる可能性がある。つまり、ある配線に流れる電流がつくる磁力線が、当該配線の直下に存在する磁気抵抗素子に集中的に供給され、当該磁気抵抗素子が正確に作動することが好ましい。
本発明は、以上の問題に鑑みなされたものである。本発明の一つの目的は、配線と高透磁率膜との間の相互拡散を抑制するとともに、配線に流れる電流がつくる磁場を集中的に所望の磁気抵抗素子に供給することが可能なMRAMのメモリユニットを含む半導体装置を提供することである。
本発明の一実施例によれば、半導体基板と、磁気抵抗素子と、配線と、バリア層と、クラッド層とを備えた半導体装置が提供される。半導体基板は主表面を有する。磁気抵抗素子は半導体基板の上記主表面上に位置する。配線は上記磁気抵抗素子上に位置する。バリア層は上記配線の側面および上面を連続するように覆うように配置される。クラッド層は上記バリア層の、配線に対向する表面と反対側の表面を連続して覆うように配置される。上記磁気抵抗素子と上記配線と上記バリア層と上記クラッド層とを含むメモリユニットが複数形成される。複数の上記メモリユニットが配線の延在する方向に交差する方向に並列しており、複数のメモリユニット間でクラッド層が分離されている。
この実施例によれば、バリア層により、配線と高透磁率膜との間の相互拡散が抑制される。また、配線の側部に配置されるクラッド層と、配線の上部に配置されるクラッド層とが、互いに連続するように配置された磁気抵抗素子が提供される。このため当該クラッド層の内部を通る磁力線がクラッド層の外部、特に隣接する磁気抵抗素子の方へ漏洩することが抑制される。したがって、当該磁気抵抗素子を含む半導体装置の誤作動を抑制する効果がある。
本実施の形態に係る半導体装置を模式的に示す平面図である。 図1の磁気抵抗素子およびその周囲を示す平面図である。 本実施の形態に係る半導体装置の断面図である。 本実施の形態1に係る図3の半導体装置の、ディジット線より上側に関する拡大断面図である。 本実施の形態1に係る図3の半導体装置の、複数のメモリユニットが形成された領域の周辺部の回路の態様を示す断面図である。 磁化固定層を構成する積層構造の一例を示す断面図である。 図4のビット線およびその近傍領域の拡大図であり、本実施の形態1に係るビット線の態様を示す断面図である。 図7のクラッド層端部およびその近傍領域の拡大図である。 図8に示すクラッド層端部およびその近傍領域の態様を示す第1の変形例である。 図4のビット線に電流を流したときに形成される磁力線の態様を示す拡大断面図である。 本実施の形態に係る半導体装置の製造工程の第1工程を示す断面図である。 図11に示す製造工程後の製造工程を示す断面図である。 図12に示す製造工程後の製造工程を示す断面図である。 図13に示す製造工程後の製造工程を示す断面図である。 図14に示す製造工程後の製造工程を示す断面図である。 図15に示す製造工程後の製造工程を示す断面図である。 図16に示す製造工程後の製造工程を示す断面図である。 図17に示す製造工程後の製造工程を示す断面図である。 スパッタリング装置の模式図である。 図18に示す製造工程後の製造工程を示す断面図である。 図20に示す製造工程後の製造工程を示す断面図である。 図21に示す製造工程後の製造工程を示す断面図である。 図22に示す製造工程後の製造工程を示す断面図である。 図23に示す製造工程後の製造工程を示す断面図である。 図24に示す製造工程後の製造工程を示す断面図である。 図25に示す製造工程後の製造工程を示す断面図である。 図26に示す製造工程後の製造工程を示す断面図である。 (A)図27に示す製造工程後の製造工程を示す断面図である。(B)図28(A)に交差する方向から見た態様を示す断面図である。(C)図28(A)(B)の周辺回路部の態様を示す断面図である。 (A)実施の形態1における、図28に示す製造工程後の製造工程を示す断面図である。(B)図29(A)に交差する方向から見た態様を示す断面図である。(C)図29(A)(B)の周辺回路部の態様を示す断面図である。 (A)図29に示す製造工程後の製造工程を示す断面図である。(B)図30(A)に交差する方向から見た態様を示す断面図である。(C)図30(A)(B)の周辺回路部の態様を示す断面図である。 (A)図30に示す製造工程後の製造工程を示す断面図である。(B)図31(A)に交差する方向から見た態様を示す断面図である。(C)図31(A)(B)の周辺回路部の態様を示す断面図である。 (A)図31に示す製造工程後の製造工程を示す断面図である。(B)図32(A)に交差する方向から見た態様を示す断面図である。(C)図32(A)(B)の周辺回路部の態様を示す断面図である。 (A)図32に示す製造工程後の製造工程を示す断面図である。(B)図33(A)に交差する方向から見た態様を示す断面図である。(C)図33(A)(B)の周辺回路部の態様を示す断面図である。 (A)図33に示す製造工程後の製造工程を示す断面図である。(B)図34(A)に交差する方向から見た態様を示す断面図である。(C)図34(A)(B)の周辺回路部の態様を示す断面図である。 (A)図34に示す製造工程後の製造工程を示す断面図である。(B)図35(A)に交差する方向から見た態様を示す断面図である。(C)図35(A)(B)の周辺回路部の態様を示す断面図である。 (A)図35に示す製造工程後の製造工程を示す断面図である。(B)図36(A)に交差する方向から見た態様を示す断面図である。(C)図36(A)(B)の周辺回路部の態様を示す断面図である。 (A)図36(A)の、配線本体部より上側のみの態様を示す断面図である。(B)図36(B)の、配線本体部より上側のみの態様を示す断面図である。(C)図36(C)の、配線本体部より上側のみの態様を示す断面図である。 (A)図37に示す製造工程後の製造工程を示す断面図である。(B)図38(A)に交差する方向から見た態様を示す断面図である。(C)図38(A)(B)の周辺回路部の態様を示す断面図である。 (A)図38に示す製造工程後の製造工程を示す断面図である。(B)図39(A)に交差する方向から見た態様を示す断面図である。(C)図39(A)(B)の周辺回路部の態様を示す断面図である。 (A)図39に示す製造工程後の製造工程を示す断面図である。(B)図40(A)に交差する方向から見た態様を示す断面図である。(C)図40(A)(B)の周辺回路部の態様を示す断面図である。 (A)図40に示す製造工程後の製造工程を示す断面図である。(B)図41(A)に交差する方向から見た態様を示す断面図である。(C)図41(A)(B)の周辺回路部の態様を示す断面図である。 (A)図41に示す製造工程後の製造工程を示す断面図である。(B)図42(A)に交差する方向から見た態様を示す断面図である。(C)図42(A)(B)の周辺回路部の態様を示す断面図である。 (A)図42に示す製造工程後の製造工程を示す断面図である。(B)図43(A)に交差する方向から見た態様を示す断面図である。(C)図43(A)(B)の周辺回路部の態様を示す断面図である。 本実施の形態2に係るビット線の態様を示す断面図である。 本実施の形態2に係る図3の半導体装置の、ディジット線より上側に関する拡大断面図である。 本実施の形態2に係る図3の半導体装置の、複数のメモリユニットが形成された領域の周辺部の回路の態様を示す断面図である。 (A)本実施の形態2における、図28に示す製造工程後の製造工程を示す断面図である。(B)図47(A)に交差する方向から見た態様を示す断面図である。(C)図47(A)(B)の周辺回路部の態様を示す断面図である。 (A)図47に示す製造工程後の製造工程を示す断面図である。(B)図48(A)に交差する方向から見た態様を示す断面図である。(C)図48(A)(B)の周辺回路部の態様を示す断面図である。 (A)図48に示す製造工程後の製造工程を示す断面図である。(B)図49(A)に交差する方向から見た態様を示す断面図である。(C)図49(A)(B)の周辺回路部の態様を示す断面図である。 (A)図49に示す製造工程後の製造工程を示す断面図である。(B)図50(A)に交差する方向から見た態様を示す断面図である。(C)図50(A)(B)の周辺回路部の態様を示す断面図である。 (A)図50に示す製造工程後の製造工程の、コンタクト部より上側のみの態様を示す断面図である。(B)図51(A)に交差する方向から見た態様を示す断面図である。(C)図51(A)(B)の周辺回路部の態様を示す断面図である。 (A)図51に示す製造工程後の製造工程を示す断面図である。(B)図52(A)に交差する方向から見た態様を示す断面図である。(C)図52(A)(B)の周辺回路部の態様を示す断面図である。 (A)図52に示す製造工程後の製造工程を示す断面図である。(B)図53(A)に交差する方向から見た態様を示す断面図である。(C)図53(A)(B)の周辺回路部の態様を示す断面図である。 (A)図53に示す製造工程後の製造工程を示す断面図である。(B)図54(A)に交差する方向から見た態様を示す断面図である。(C)図54(A)(B)の周辺回路部の態様を示す断面図である。 (A)図54に示す製造工程後の製造工程を示す断面図である。(B)図55(A)に交差する方向から見た態様を示す断面図である。(C)図55(A)(B)の周辺回路部の態様を示す断面図である。 (A)図55に示す製造工程後の製造工程を示す断面図である。(B)図56(A)に交差する方向から見た態様を示す断面図である。(C)図56(A)(B)の周辺回路部の態様を示す断面図である。 本実施の形態3に係るビット線の態様を示す断面図である。 本実施の形態3に係る図3の半導体装置の、配線本体部より上側に関する拡大断面図である。 (A)本実施の形態3における、図38に示す製造工程後の製造工程を示す断面図である。(B)図59(A)に交差する方向から見た態様を示す断面図である。(C)図59(A)(B)の周辺回路部の態様を示す断面図である。 (A)図59に示す製造工程後の製造工程を示す断面図である。(B)図60(A)に交差する方向から見た態様を示す断面図である。(C)図60(A)(B)の周辺回路部の態様を示す断面図である。 (A)図60に示す製造工程後の製造工程を示す断面図である。(B)図61(A)に交差する方向から見た態様を示す断面図である。(C)図61(A)(B)の周辺回路部の態様を示す断面図である。 (A)図61に示す製造工程後の製造工程を示す断面図である。(B)図62(A)に交差する方向から見た態様を示す断面図である。(C)図62(A)(B)の周辺回路部の態様を示す断面図である。 (A)図62に示す製造工程後の製造工程を示す断面図である。(B)図63(A)に交差する方向から見た態様を示す断面図である。(C)図63(A)(B)の周辺回路部の態様を示す断面図である。 本実施の形態4および5に係るビット線の態様を示す断面図である。 本実施の形態4および5における、図3に相当する半導体装置の断面図である。 本実施の形態4に係る図3の半導体装置の、ディジット線より上側に関する拡大断面図である。 本実施の形態4に係る図3の半導体装置の、複数のメモリユニットが形成された領域の周辺部の回路の態様を示す断面図である。 (A)本実施の形態4における、図37に示す製造工程後の製造工程を示す断面図である。(B)図68(A)に交差する方向から見た態様を示す断面図である。(C)図68(A)(B)の周辺回路部の態様を示す断面図である。 (A)図68に示す製造工程後の製造工程を示す断面図である。(B)図69(A)に交差する方向から見た態様を示す断面図である。(C)図69(A)(B)の周辺回路部の態様を示す断面図である。 (A)図69に示す製造工程後の製造工程を示す断面図である。(B)図70(A)に交差する方向から見た態様を示す断面図である。(C)図70(A)(B)の周辺回路部の態様を示す断面図である。 (A)図70に示す製造工程後の製造工程を示す断面図である。(B)図71(A)に交差する方向から見た態様を示す断面図である。(C)図71(A)(B)の周辺回路部の態様を示す断面図である。 本実施の形態5に係る図3の半導体装置の、ディジット線より上側に関する拡大断面図である。 (A)本実施の形態5における、図37に示す製造工程後の製造工程を示す断面図である。(B)図73(A)に交差する方向から見た態様を示す断面図である。(C)図73(A)(B)の周辺回路部の態様を示す断面図である。 (A)図73に示す製造工程後の製造工程を示す断面図である。(B)図74(A)に交差する方向から見た態様を示す断面図である。(C)図74(A)(B)の周辺回路部の態様を示す断面図である。 (A)図74に示す製造工程後の製造工程を示す断面図である。(B)図75(A)に交差する方向から見た態様を示す断面図である。(C)図75(A)(B)の周辺回路部の態様を示す断面図である。 (A)図75に示す製造工程後の製造工程を示す断面図である。(B)図76(A)に交差する方向から見た態様を示す断面図である。(C)図76(A)(B)の周辺回路部の態様を示す断面図である。 本実施の形態6に係るビット線の態様を示す断面図である。 本実施の形態6に係る図3の半導体装置の、ディジット線より上側に関する拡大断面図である。 本実施の形態6に係る図3の半導体装置の、複数のメモリユニットが形成された領域の周辺部の回路の態様を示す断面図である。 (A)本実施の形態6における、図36に示す製造工程後の製造工程を示す断面図である。(B)図80(A)に交差する方向から見た態様を示す断面図である。(C)図80(A)(B)の周辺回路部の態様を示す断面図である。 (A)図80に示す製造工程後の製造工程の、配線本体部より上側のみの態様を示す断面図である。(B)図81(A)に交差する方向から見た態様を示す断面図である。(C)図81(A)(B)の周辺回路部の態様を示す断面図である。 (A)図81に示す製造工程後の製造工程を示す断面図である。(B)図82(A)に交差する方向から見た態様を示す断面図である。(C)図82(A)(B)の周辺回路部の態様を示す断面図である。 本発明の比較例としての半導体装置のビット線の構成を、図3と同方向から見た態様を示す断面図である。 図83のビット線を、図4と同方向から見た態様を示す断面図である。 本発明の比較例としてのビット線の、図84とは異なる第1の変形例を示す断面図である。 本発明の比較例としてのビット線の、図85とは異なる第2の変形例を示す断面図である。
以下、図面を参照しながら、本発明の各実施の形態について説明する。なお、各実施の形態において、同一の機能を果たす要素には同一の参照符号を付し、その説明は、特に必要がなければ繰り返さない。また、以下に説明する実施の形態において、個数、量などに言及する場合、特に記載がある場合を除き、本発明の範囲は必ずしもその個数、量などに限定されない。また、以下の実施の形態において、各々の構成要素は、特に記載がある場合を除き、本発明にとって必ずしも必須のものではない。
(実施の形態1)
図1は、本実施の形態1に係る半導体装置200を模式的に示す平面図である。この図1に示すように、半導体基板100は、一方向に向けて延びるビット線40と、ビット線40の下方に位置し、ビット線40と交差するように形成されたディジット線50と、ディジット線50およびビット線40間に位置し、ディジット線50およびビット線40が交差する領域に形成された磁気抵抗素子32とを備える。
ビット線40は、一方向に延びると共に、間隔をあけて複数形成されている。ディジット線50は、ビット線40の配列方向に延び、ビット線40の延在方向に間隔をあけて複数形成されている。磁気抵抗素子32は、ディジット線50およびビット線40が交差する部分ごとに設けられている。
図2は、磁気抵抗素子32およびその周囲を示す平面図であり、この図2に示すように、磁気抵抗素子32は、平面視すると、ディジット線50とビット線40との交差する領域の内側に形成されている。
図3の断面図に示すように半導体装置200は、半導体基板100と、この半導体基板100の主表面上に形成された複数のMOSトランジスタ(スイッチング素子)10と、このMOSトランジスタ10を覆うように形成された複数の絶縁膜および絶縁膜上に形成された平坦絶縁膜270、271を含む層間絶縁膜9と、平坦絶縁膜271の上面上に形成された、引出配線としての下部電極31とを備える。
半導体装置200は、MOSトランジスタ10と、下部電極31とを接続する接続配線8と、下部電極31上に形成された磁気抵抗素子32とを備える。つまり図3に示すように、半導体装置200においては、半導体基板100の主表面上に磁気抵抗素子32が位置する構成となっている。
なお、この図3においては、2つの下部電極31が間隔をあけて設けられており、下部電極31の上面上に、磁気抵抗素子32が形成されている。また磁気抵抗素子32の下方にはディジット線50が形成されており、磁気抵抗素子32の上方にはビット線40が形成されている。
ディジット線50とビット線40とに電流が流れることで、ディジット線50およびビット線40の周囲に磁場が形成される。ディジット線50の磁場と、ビット線40の磁場との合成磁場が、磁気抵抗素子32に加えられる。
半導体基板100の主表面上には、活性領域を規定する分離絶縁膜2が形成されており、MOSトランジスタ10は、この活性領域上に形成されている。
なお、この図3に示す断面においては、MOSトランジスタ10Aと、MOSトランジスタ10Bとが間隔をあけて形成されている。
MOSトランジスタ10Aは、半導体基板100の主表面に形成されたチャネル領域と、このチャネル領域の両側に形成された不純物領域14と、ゲート絶縁膜11と、ゲート絶縁膜11上に形成されたゲート電極12とを備えている。MOSトランジスタ10Aは、ゲート電極12の側面に形成されたサイドウォール13と、不純物領域14の上面上に形成された金属膜15と、ゲート電極上に形成された金属膜15とを含む。
ドレイン電極として機能する不純物領域14に接続配線8が接続されており、他方の不純物領域14はソース電極として機能する。
ソース電極として機能する不純物領域14には、図示されないコンタクト部が接続されており、層間絶縁膜9内に形成されたソース配線46に接続されている。なお、MOSトランジスタ10Bは、MOSトランジスタ10Aと同様に形成されている。
図4は、図3に対して交差する方向から見たときの、磁気抵抗素子32が2つ並んだ状態を示す断面図である。図4と図3とを参照して、磁気抵抗素子32は、下部電極31の一方(上側)の主表面上に形成されている。磁気抵抗素子32は、下部電極31上に形成され、下部電極31に接続された磁化固定層35と、この磁化固定層35上に形成されたトンネル絶縁膜38と、トンネル絶縁膜38上に形成された磁化自由層37とを備えている。
磁化自由層37は、磁場が作用することで、磁化する方向が可変となっている。磁化固定層35は、磁化方向が固定されており、周囲から磁場が加えられたとしても、磁化方向は一定に保たれるように形成されている。
磁気抵抗素子32は、図3に示す下部電極31、および接続配線8によって、MOSトランジスタ10に接続されている。
磁気抵抗素子32の上面には金属膜である上部電極44が形成されており、この上部電極44の上面には、ビット線40に接続されたコンタクト部39が形成されている。このように、磁気抵抗素子32の磁化自由層37は、ビット線40に接続されている。
下部電極31、磁気抵抗素子32(磁化固定層35、トンネル絶縁膜38および磁化自由層37)および上部電極44の側面を覆うように、保護膜としての絶縁膜34が形成されている。
またビット線40の配線本体部43は、バリアメタル48の上面に形成されている。ビット線40は、配線本体部43の側面を覆うように、配線本体部43側から順にバリアメタル41a、クラッド層41c、バリアメタル41bが配置された構成となっている。さらに配線本体部43の上面には、配線本体部43側から順にライナー膜410、クラッド層41d、バリアメタル41fが配置されている。ただしライナー膜410は配線本体部43の上面上に直接配置されているものの、たとえばクラッド層41cやバリアメタル41bの上端部上の領域においては図4の左右方向に関して不連続になっており、当該領域においてはクラッド層41dが陥没するように延在するクラッド層端部41eが形成されている。
言い換えれば、配線本体部43の側面を覆うようにバリアメタル41aが、配線本体部43の上面を覆うようにライナー膜410が配置されている。これらは配線本体部43の側面や上面を直接覆うバリア層として配置されるものである。配線本体部43の側面を覆うバリア層と、配線本体部43の上面を覆うバリア層とは、図4に示すビット線40の延在する方向に交差する断面上において連続していることが好ましい。つまり当該断面上において、配線本体部43と、バリア層の外側に配置される薄膜(クラッド層41c、41dなど)とが接触する領域が存在しないことが好ましい。
そしてクラッド層41dやクラッド層端部41eとクラッド層41cとは、図4の断面図において連続となっている。つまり図4においてライナー膜410がクラッド層端部41eの近傍において不連続となっており、不連続となった領域を埋めるようにクラッド層端部41eが配置されている。このためクラッド層41dやクラッド層端部41eと、クラッド層41cとは連続となっている。言い換えればバリア層の、配線本体部43に対向する表面と反対側の表面(つまり図4におけるバリア層の外側の表面)を連続して覆うようにクラッド層が配置されている。
図3および図4には磁気抵抗素子32が2つ並列した態様のみを図示している。しかし実際には半導体装置200には磁気抵抗素子32が2次元方向に複数列(3列以上)並列した態様となっている。つまり磁気抵抗素子32と、配線本体部43(磁気抵抗素子32上に位置する配線)と、バリアメタル41aやライナー膜410のようなバリア層と、クラッド層とを備えるメモリユニットが複数形成されている。なおここでは、配線本体部43(配線)とバリアメタル41b、41f(保護層)、クラッド層41c、41d、クラッド層端部41e、配線本体部43の上面上のライナー膜410およびバリアメタル41a(バリア層)を合わせてビット線40と定義することとする。
図4に示すように、メモリユニットは配線本体部43の延在する方向に交差する方向(図4の左右方向)に複数台並列している。そして図4に示すように、ディジット線50の延在する方向に2台並列する磁気抵抗素子32上のビット線40のそれぞれのクラッド層41c、41dは、クラッド層端部41e同士を接続するライナー膜410や、配線本体部43の下部のバリアメタル48同士を接続するライナー膜49により分離されている。つまり並列する複数のメモリユニット間でクラッド層41c、41dは分離されている。
これらの複数のメモリユニットが図1や図2に示す平面視において複数並列している周囲には、たとえば各メモリユニットを選択してデータの読出しや書き込みをしたり、電極パッドを経由して外部の負荷に電気的情報や電流を供給するための外部負荷に接続するための周辺回路部が存在する。図5には半導体装置200の周辺回路部の、図3における絶縁膜5よりも上部の領域の断面図の一例を示している。図5と図3とを参照して、半導体装置200のメモリユニット形成部、周辺回路部ともに、複数の絶縁膜3,4,5や絶縁層23,24などを貫通するように形成された単位コンタクト部26、26B、26Cなどの導電層が形成される。これは半導体基板100からビット線40、さらに絶縁層360上の外部負荷までを導通するための部材である。たとえば図5の周辺回路部における、配線本体部43と同時に成膜される周辺配線本体部430への電流の供給は、その下部の単位コンタクト部81、26Cなどにより行なわれる。たとえば図3に示す単位コンタクト部26と同時に単位コンタクト部26Cが形成され、単位コンタクト部26のクラッド層62、バリアメタル63、64と同時に単位コンタクト部26Cのクラッド層62、バリアメタル63、64が形成される。クラッド層62、バリアメタル63、64と同様のクラッド層82、バリアメタル83、84が、単位コンタクト部81の内表面に形成されている。
ここで、以上に述べた各部材の材質や寸法について説明する。下部電極31や上部電極44はたとえばTa(タンタル)、TaN(窒化タンタル)、Ru(ルテニウム)、TiN(窒化チタン)などの金属材料の薄膜からなることが好ましい。また下部電極31や上部電極44は1層でもよいが、上述した異なる材料からなる複数の薄膜が積層された構成であってもよい。下部電極31の厚み(図3〜図4における上下方向)はたとえば10nm以上70nm以下であることが好ましく、なかでも20nm以上50nm以下であることが好ましい。上部電極44の厚みはたとえば30nm以上70nm以下であることが好ましく、なかでも35nm以上65nm以下であることが好ましい。
磁化固定層35は、図3および図4においては1層として図示されている。しかし一般に磁化固定層35は、反強磁性層上に強磁性層が積層された2層構造や、反強磁性層上に強磁性層、非磁性層、強磁性層の順に積層された4層構造、あるいは5層構造などが用いられる。ただし積層数や積層される層の順序などはこれに限られない。
たとえば磁化固定層35が5層構造である場合、図6に示すように下側からシード層35p、反強磁性層35q、強磁性層35r、非磁性層35s、強磁性層35tの順に積層された構成であることが好ましい。
シード層35pは、Ta、RuもしくはNi(ニッケル)と、Fe(鉄)との合金からなる金属膜であることが好ましい。あるいはシード層35pは、NiとFeとCr(クロム)との合金からなる金属膜であってもよい。または上述した各種の合金からなる金属膜が複数積層されることによりシード層35pを形成してもよい。シード層35p全体の厚みは0.5nm以上10nm以下であることが好ましく、なかでも1.0nm以上8.5nm以下であることがより好ましい。
反強磁性層35qは、Pt(白金)とMn(マンガン)との合金か、Ir(イリジウム)とMn(マンガン)との合金か、RuとMnとの合金かのいずれかからなる金属膜であることが好ましい。その厚みは10nm以上30nm以下であることが好ましく、なかでも12nm以上25nm以下であることがより好ましい。
強磁性層35rは、Ni、Co(コバルト)、Fe、B(ボロン)からなる群から選択される1種以上から構成される金属単体または合金の膜であることが好ましい。あるいはこれらの材料を適宜組み合わせた合金層が複数層積層された構成であってもよい。強磁性層35rの全体の厚みは1.2nm以上3.0nm以下であることが好ましく、1.5nm以上2.5nm以下であることがより好ましい。
非磁性層35sは、Ruからなる、厚みが0.4nm以上1.0nm以下の金属膜であることが好ましい。なお、非磁性層35sの厚みは0.6nm以上0.9nm以下であることがより好ましい。
さらに強磁性層35tは、強磁性層35rと同様の材質からなることが好ましい。またその厚みは、強磁性層35rと磁化量がほぼ同じになる膜厚とすることが好ましい。
トンネル絶縁膜38は、AlO(酸化アルミニウム)、MgO(酸化マグネシウム)、HfO(酸化ハフニウム)のいずれかからなる絶縁膜であることが好ましい。その厚みは0.5nm以上2.0nm以下であることが好ましく、なかでも0.6nm以上1.5nm以下であることがより好ましい。
磁化自由層37は、強磁性層からなる薄膜であることが好ましい。具体的にはNi、Co、Fe、B、Ruからなる群から選択される1種以上から構成される金属単体または合金の膜であることが好ましい。また上記の異なる材質の合金からなる薄膜が複数積層された構成であってもよい。その全体の厚みは2.0nm以上10nm以下であることが好ましく、3.0nm以上9.0nm以下であることがより好ましい。
次にビット線40の、配線本体部43の外周部を構成する薄膜について、バリアメタル41a、41b、41fとしては非磁性のタンタルの薄膜や、これに窒素が添加されたTaN(窒化タンタル)が用いられることが好ましい。バリアメタル48についても同様である。またクラッド層41c、41d、クラッド層端部41eとしては、透磁率が高く残留磁化の非常に低い軟磁性体を用いることが好ましい。具体的にはNiFe(鉄ニッケル)、NiFeMo、CoNbZr(コバルトニオブジルコニウム)、CoFeNb、CoFeSiB、CoNbRu、CoNbZrMoCr、CoZrCrMoなどの合金、もしくはアモルファス合金を用いることが好ましい。ライナー膜410やライナー膜49は、図4の左右方向に関して、隣接するメモリユニット同士を接続するように配置される。このためライナー膜410やライナー膜49は、バリアメタル41aなどと異なり、たとえばSiN、SiC、SiON、SiOCなどの誘電体(絶縁体)材料からなることが好ましい。
図4に示すように、バリアメタル41a、41b、41fは導電体材料であるため、隣接するメモリユニット間では分離されている必要がある。またライナー膜410、49は誘電体材料であるため、隣接するメモリユニット間で接続されていることが好ましい。以上の条件を満たせば、バリア層として導電体材料を用いてもよいし、誘電体材料を用いてもよい。あるいは両者を組み合わせてもよい。
以上のような構成を有する半導体装置200の動作原理について説明する。ディジット線50(配線本体部51)やビット線40(配線本体部43)に電流を流すと、これらに連なっているすべての磁気抵抗素子32の磁化自由層37の磁化の向きが変化する。このときこれらのディジット線50やビット線40に流れる電流(または当該電流がつくる磁場)が、磁化の向きの反転に必要な電流よりも小さければ、電流を切った後、そのディジット線50やビット線40に連なっているすべての磁気抵抗素子32の磁化自由層37の磁化の向きは、電流を流す前の状態に戻る。これは当該電流がつくる磁場が、磁化自由層37の磁化の向きの反転に必要な磁場よりも小さい場合を意味する。しかし当該電流が磁化自由層37の磁化の向きの反転に必要な電流よりも大きければ、電流を切った後、そのディジット線50やビット線40に連なっているすべての磁気抵抗素子32の磁化自由層37の磁化の向きが反転された状態となる。これは当該電流がつくる磁場が、磁化自由層37の磁化の向きの反転に必要な磁場よりも大きい場合を意味する。
以上に述べた特性を利用して、まずディジット線50またはビット線40のいずれか一方に、磁化自由層37の磁化の向きの反転に必要な電流よりも小さい電流(第1の電流)を流す。次にその状態で、ディジット線50またはビット線40のうち、上述した一方と異なる他方に、適切な電流(第2の電流)を流す。
ここで適切な電流とは、上述した第1の電流と第2の電流とを流す配線が交差する領域においてのみ、第1の電流と第2の電流とがつくる合成磁場が、磁気抵抗素子32の磁化自由層37の磁化の向きの反転に必要な磁場よりも大きくなるために必要な電流値を意味する。
このようにすれば、これらの電流を流したディジット線50とビット線40との交差する領域内にある磁気抵抗素子32のみ、磁化自由層37の磁化の向きが反転することによりデータが書き換えられる。つまりデータの書き換え時には、書き換えを行なう磁気抵抗素子32の選択と書き換えとは同時に行なわれる。
具体的には、磁化自由層37の磁化の向きが、磁化固定層35の磁化の向きと同じ向きとなったり、磁化自由層37の磁化の向きが磁化固定層35の磁化の向きと反対方向となる。磁化自由層37の磁化の向きと磁化固定層35の磁化の向きとが一致しているときと、磁化自由層37の磁化の向きと磁化固定層35の磁化の向きとが反対方向となっているときとでは、磁気抵抗素子32の電気的抵抗が変化する。この抵抗値の違いが「0」または「1」に対応する情報として利用される。
選択された磁気抵抗素子32情報を読み出す際には、選択された磁気抵抗素子32に接続されたMOSトランジスタ10がONとなる。
そして、MOSトランジスタ10およびビット線40を通るように電圧が印加され、選択された磁気抵抗素子32の抵抗値を検知し、磁気抵抗素子32に格納された電気的情報を読み出すことができる。
ここで特にビット線40に流れる電流がつくる磁場を、磁気抵抗素子32の磁化自由層37に集中的に作用させるために、配線本体部43の側方を囲むようにクラッド層41cが、配線本体部43の上方を囲むようにクラッド層41dが配置されている。このようにすれば、ビット線40(配線本体部43)を流れる電流による磁場はクラッド層41c、41dの内部に集中する。これは高透磁率を有するクラッド層41c、41dの磁気シールド効果に起因する。
そのため当該磁場を、ビット線の直下の磁気抵抗素子32の磁化自由層37に集中的に作用させることができる。また配線本体部43の側方のクラッド層41cと、配線本体部43の上方のクラッド層41dとは、側方のクラッド層41cの上端部において接続されている。つまり配線本体部43の側方のクラッド層41cと上方のクラッド層41dとは互いに連続している。図7における丸点線で囲った領域Aにおいても、異なる方向に延在するクラッド層同士が繋がっている。
仮にクラッド層41cとクラッド層41dとが一部の領域において不連続となっていれば、不連続となりクラッド層が寸断された領域において、クラッド層41c、41dの内部を通る磁場(磁束)がクラッド層の外部へ漏洩する。この漏洩した磁場(磁束)が、たとえば図4に示す隣接するメモリユニットの磁気抵抗素子32の方へ進入すれば、当該磁気抵抗素子32に情報が誤って書き込まれるために誤作動する可能性がある。したがってクラッド層41cとクラッド層41dとが互いに連続していることにより、このような磁場の漏洩を抑制して当該磁場を、半導体装置200が選択したメモリユニットの磁気抵抗素子32に集中させ、磁気抵抗素子32により高効率に正確な情報を供給することができる。
クラッド層の厚みは、図4に示す配線本体部43の側方の(クラッド層41cの)厚みW1が、配線本体部43の上方の(クラッド層41dの)厚みW2よりも大きいことがより好ましい。隣接する磁気抵抗素子32の方への磁場の漏洩は、磁気抵抗素子32や配線本体部43の上方よりも側方から起こる傾向がある。このためW1をW2よりも厚くすることにより、クラッド層41dの磁気シールド効果を高め、より確実に磁場の漏洩を抑制することができる。つまり当該磁気抵抗素子32に隣接する磁気抵抗素子32に磁場が漏洩することによる誤作動を抑制することができる。
厚みW2はW1のように厚くしなくても、隣接するメモリユニットの磁気抵抗素子32への誤った情報の書き込みが起こる可能性は小さい。むしろW2はW1よりも薄くすることが好ましい。W2を薄くすることにより、クラッド層41dの加工時の形状制御性を高めることができる。このため、複数のビット線40やディジット線50間における情報を書き込む電流のばらつき(発生する磁場のばらつき)を抑制することができる。また、W2を薄くすることにより相対的に配線本体部43の厚みを増すことができるため、ビット線40の抵抗を下げることができる。
具体的にはW1は10nm以上30nm以下であることが好ましく、15nm以上25nm以下であることがより好ましい。またW2は5nm以上20nm以下であることが好ましく、10nm以上15nm以下であることがより好ましい。
バリア層(バリアメタル41a、配線本体部43の上面上のライナー膜410)は、配線本体部43を構成するたとえば銅の原子と、クラッド層41c、41dを構成する金属材料の原子とが相互拡散することを抑制するために、配線本体部43とクラッド層41dとの間に挟まれるように配置されるものである。バリアメタル41b、41f(保護層)は、直接接触する絶縁層47、360を構成するたとえばシリコンの原子と、クラッド層41c、41dを構成する金属材料の原子とが相互拡散することを抑制するために、絶縁層47、360とクラッド層41dとの間に挟まれるように配置されるものである。言い換えればクラッド層の、バリア層に対向する表面と反対側の表面(つまり図4におけるクラッド層の外側の表面)を覆うように保護層が配置されている。
つまり図7に示すように、バリア層としてのバリアメタル41aやライナー膜410、さらに保護層(絶縁層47、360)が配置されることにより、図7中の矢印が示す方向における原子の相互拡散を抑制し、配線本体部43やクラッド層41c、41dなどの変質や変形を抑制することができる。
このような相互拡散を抑制する機能を十分に持たせるためには、バリアメタル41a、41fの厚みは3nm以上25nm以下とすることが好ましく、10nm以上20nm以下とすることがより好ましい。仮にバリアメタル41a、41fの厚みが上述した範囲よりも厚くなると、バリアメタルに囲まれた領域が小さくなり、配線本体部43の断面積が小さくなる。その結果、配線本体部43を流れる電流の抵抗が大きくなる可能性がある。このため当該バリアメタルの厚みは上述した範囲内とすることが好ましい。
またライナー膜410の厚みは10nm以上80nm以下とすることが好ましく、40nm以上70nm以下とすることがより好ましい。当該厚みが上記の下限値よりも薄くなると、配線本体部43の銅配線の品質が低下し、配線の信頼性が低下する可能性がある。また当該厚みが上記の上限値よりも厚くなると、当該ライナー膜410の占有する領域が広くなるために、薄膜の加工が困難となる可能性がある。このため当該ライナー膜410の厚みは上述した範囲内とすることが好ましい。
なお図8に示す、配線本体部43と導通する領域のうちもっとも外側(バリアメタル41bのもっとも外側)から、たとえば図7に示すクラッド層端部41eのもっとも外側までの距離Bは、図7や図8の左右方向において隣接するメモリユニットの配線本体部43と導通する領域のうちもっとも外側との距離が、線間のTDDB(Time Dependent Dielectric Breakdown)特性が劣化することを抑制できる程度に広くなるように設計することが好ましい。
なおクラッド層端41eの近傍においては、クラッド層41cとクラッド層41dとが、互いにほぼ直交するように交差しなくてもよい。たとえば図9のようにクラッド層41cとクラッド層41dとを連結する領域の近傍において、(配線本体部43の延在する方向に交差する断面上にて)クラッド層41cとクラッド層41dとの両方と鋭角をなすようにクラッド層が延在していてもよい。クラッド層が斜めになった領域においても、丸点線で囲った領域Cに示すように、クラッド層と配線本体部との間にはバリアメタル41aやライナー膜410が挟まれている。このため、上述した相互拡散を抑制することができる。
ここで配線本体部43に、紙面に垂直方向である手前側から奥行き側へ電流を流した場合を考える。このとき配線本体部43の電流により、図10における時計回り方向の磁力線71が発生する。この磁力線71は、磁気抵抗素子32の磁化自由層37に働きかけて磁化自由層37の磁化の向きを反転させる。このとき本実施の形態1においては、一のメモリユニットのクラッド層41c、41dの内部を通る磁力線71が、隣接するメモリユニットのクラッド層41c、41dの方へ漏洩する可能性を低くすることができる。これは図10に示すように、隣接するメモリユニット間のクラッド層41c、41d同士が分離されているためである。
一のメモリユニットのクラッド層41cとクラッド層41dとが連続であれば、当該クラッド層41c、41dの磁気シールド効果により、当該クラッド層41c、41dからなるループ状の領域の内部を磁力線71が通る。仮に隣接するメモリユニット間のクラッド層41c同士が(ライナー膜49、410のように)連続していれば、一のメモリユニットにおいて当該クラッド層41cの内部を通る磁力線71は、隣接するメモリユニット間を連結するクラッド層の延在する方向に(図10の左右方向に)沿った方向に進行する。つまり磁力線71は、隣接するメモリユニットの方へ進行することになる。このようになれば、選択されていない隣接のメモリユニットが磁力線71の影響を受けて誤作動する可能性がある。
したがって図10に示すように、隣接するメモリユニット間でクラッド層を分離させることが好ましい。このようにすれば、隣接するメモリユニットへの磁場の漏洩を抑制することができる。このため図10のように、半導体装置200が選択したメモリユニットの磁気抵抗素子32の方へ(配線本体部43の下方へ)磁力線71を集中的に進行させ、当該選択された磁気抵抗素子32により高効率に正確な情報を供給する効果をより高めることができる。
次に、以上に述べた半導体装置200の製造方法について説明する。まず下地配線を準備する工程を実施する。具体的には主表面を有する半導体基板を準備する工程や、当該半導体基板の主表面上にメモリユニットを形成するための下地の回路を形成する工程である。
図11〜図18、図20〜図27は、図3と同様の方向から見た、各プロセスにおける態様を示す断面図である。図11に示すように、主表面を有する半導体基板100を準備する。半導体基板100の主表面上に分離絶縁膜2を形成する。分離絶縁膜2によって、半導体基板100の主表面上に活性領域1が形成される。
次に、活性領域にイオン注入法などにより、不純物を活性領域内に導入して、ウエル領域1wおよびチャネル領域1cを順次形成する。
図12に示すように、熱酸化処理法により、チャネル領域1cの主表面上にゲート絶縁膜11を形成する。その後、多結晶シリコン膜等を堆積し、この多結晶シリコン膜等をパターニングすることで、ゲート電極12をゲート絶縁膜11上に形成する。
次に、図13に示すように、ゲート電極12をマスクとして、所定の導電型の不純物を活性領域1に導入する。さらに、ゲート電極12の側面にシリコン酸化膜等の絶縁膜を形成し、この絶縁膜を形成した後に、再度、不純物を活性領域1に導入する。
2度目の不純物を導入した後、シリコン酸化膜や窒化シリコン膜等の絶縁膜を堆積する。この堆積した絶縁膜をドライエッチングして、サイドウォール13を形成する。サイドウォール13を形成した後、再度、不純物をチャネル領域1cに導入する。これにより、ソースまたはドレインとして機能する不純物領域14が形成される。
図14に示すように、スパッタリングで金属膜を形成し、その後、パターニングすることで、不純物領域14の上面およびゲート電極12の上面に金属膜15を形成する。これにより、MOSトランジスタ10が形成される。
図15に示すように、MOSトランジスタ10を形成した後、たとえば、MOSトランジスタ10を覆うように、シリコン酸化膜等から形成された絶縁層16を形成する。
形成された絶縁層16にフォトリソグラフィおよびエッチングを施して、コンタクトホールを形成する。このコンタクトホールは、不純物領域14上に形成された金属膜15に達するように形成される。
その後、スパッタリング等で、上記コンタクトホールの内表面にバリアメタルを形成する。バリアメタルを形成した後、コンタクトホール内に銅等の導電膜を充填し、この導電膜にCMP(Chemical Mechanical Polishing)処理を施すことで、単位コンタクト部17を形成する。
次に、図16に示すように、絶縁層16の上面上に、絶縁膜3および絶縁層18を順次形成する。そして、絶縁層18および絶縁膜3に溝部を形成する。形成された溝部にバリアメタルを形成し、導電膜を充填する。この導電膜を平坦化することで、絶縁層18および絶縁膜3に単位コンタクト部19およびソース配線46を形成する。
次に、図17に示すように、絶縁膜4,絶縁層20,21を順次形成する。その後、絶縁膜4,20,21に穴部を形成し、バリアメタルを当該穴部の内表面に形成する。バリアメタル上に導電膜を充填し、この導電膜を平坦化することで、単位コンタクト部22を形成する。
図18に示すように、絶縁層21の上面上に絶縁膜5,絶縁層23,24を順次形成する。その後、絶縁膜5,23,24にコンタクトホール26aを形成すると共に、絶縁層24にディジット線用溝部55を形成する。
そして、コンタクトホール26aにバリアメタル64を形成すると共に、ディジット線
用溝部55の内表面にバリアメタル54を形成する。これらのバリアメタルは、上述したバリアメタル41a、41b、41f、48と同様の材質からなることが好ましい。
このバリアメタル54,64は、図19に示すスパッタリング装置170を用いて、成膜する。スパッタリング装置170は、チャンバ内に配置され、上面に製造過程中の半導体基板が配置されるステージ172と、ターゲットが配置されるターゲット171と、直流コイル173および高周波コイル174とを備えている。
そして、直流コイル173および高周波コイル174から生じる磁力によって、チャンバ内の粒子の指向性を調整することができる。
バリアメタル54,64を形成する際には、ステージ172には、たとえば、200W〜230W程度の交流電力を印加する。そして、バリアメタル54,64のサイドカバレッジ率を高くすることができる。
ここで、サイドカバレッジ率とは、図18に示す絶縁層24の上面に成膜される成膜速度を基準とし、この成膜速度に対するコンタクトホール26aおよびディジット線用溝部55の内側面に成膜される成膜速度の比である。
バリアメタル54,64を形成した後、図18に示すクラッド層52およびクラッド層62を形成する。これらのクラッド層は、上述したクラッド層41dと同様の材質からなることが好ましい。
クラッド層52,62を形成する際には、高周波コイル174には、たとえば、2000W程度の電力を印加する。直流コイル173には、たとえば、0W〜500W程度の電力を印加する。さらに、チャンバ内の圧力は、0.2Pa程度とする。さらに、ターゲット171およびステージ172に所定電力を印加する。
上記のような条件で、クラッド層を形成すると、バリアメタル54の内側面に成膜される成膜速度が、バリアメタル54の底部に成膜される成膜速度よりも速くなる。
すなわち、クラッド層を形成する際のサイドカバレッジ率は、バリアメタル54を形成するときのサイドカバレッジ率よりも高くなっている。
なお、クラッド層を形成するときのサイドカバレッジ率は、絶縁層24の上面に形成されるクラッド層の成膜速度を基準とし、この成膜速度に対するバリアメタル54,64の内側面に形成されるクラッド層の成膜速度の比となる。これにより、形成されるクラッド層52の側壁部の厚さは、底壁部の厚さよりも厚くなる。
このように、クラッド層を形成した後、バリアメタル53,63をクラッド層の上面上に形成する。なお、バリアメタル53,63の成膜条件は、バリアメタル54,64を形成するときの成膜条件と同じ条件とする。
バリアメタル53,63を形成した後、銅などの導電膜をバリアメタル53,63上に充填する。導電膜を充填した後、図20に示すように、CMP法により、絶縁層24の上面を平坦化することで、単位コンタクト部26およびディジット線50を形成する。そして、ディジット線50を形成するのと同時に単位コンタクト部26を形成することができる。
このように、絶縁層16,絶縁膜3,絶縁層18,絶縁膜4,絶縁層20,絶縁層21,絶縁膜5,絶縁層23,絶縁層24を順次積層することで、層間絶縁膜9が形成される。
さらに、単位コンタクト部17,19,22,26を順次形成することで、接続配線8が形成される。
次に図21に示すように、絶縁層24の上面上に、窒化シリコン膜(SiN)等から形成された絶縁膜270Aを形成する。絶縁膜270Aの上面上に、酸化シリコン膜(SiO)等から形成された絶縁膜271Aを形成する。これらの絶縁膜に貫通孔28を形成する。
そして、図22に示すように、絶縁膜270A、271A上および貫通孔28の内周面にバリアメタル29Aを形成する。このバリアメタル29A上に導電膜30Aを堆積する。
その後、図23に示すように、CMP法により、絶縁膜270Aをストッパ膜として、絶縁膜271A上に形成されたバリアメタル29Aおよび導電膜30Aを除去する。
これにより、バリアメタル29および導電膜30からなる接続部7が形成される。その一方で、絶縁膜270A、271Aの上面は平坦化され、平坦絶縁膜270、271が形成される。
次に、図24に示すように、平坦絶縁膜271A(接続部7)の上に導電膜31Aを形成し、導電膜31Aの上に導電膜35A、絶縁膜38A、導電膜37A、導電膜44Aの順に形成する。導電膜31Aは下部電極31となるべき層であり、導電膜35A、絶縁膜38A、導電膜37A、導電膜44Aはそれぞれ磁化固定層35、トンネル絶縁膜38、磁化自由層37、上部電極44となるべき層である。したがって上述した各層を構成する材質や厚みは、それぞれ下部電極31や磁化固定層35など形成しようとする層の材質や厚みとすることが好ましい。
図25に示すように、導電膜35A、絶縁膜38A、導電膜37Aおよび導電膜44Aをパターニングして、磁気抵抗素子32およびこの磁気抵抗素子32の上面上に形成された上部電極44を形成する。
図26に示すように、磁気抵抗素子32を覆うように、導電膜31A上に、ライナー膜としてシリコン窒化膜等から形成された絶縁膜34Aを形成する。この絶縁膜34Aは絶縁膜34(保護膜)となるべき層である。絶縁膜34は、磁気抵抗素子32を構成する特に磁化自由層37や磁化固定層35などの側面が酸化されることによる、磁場の漏洩などの不具合を抑制するためのものである。絶縁膜34AはCVD法(Chemical Vapor Deposition)等を用いて形成されることが好ましい。絶縁膜34Aの膜厚は10nm以上80nm以下であることが好ましく、40nm以上70nm以下であることがより好ましい。
この絶縁膜34A上にレジスト膜を形成し、下部電極31を形成するためのパターニングをレジスト膜に施し、レジストパターン59を形成する。このレジストパターンをマスクとして、絶縁膜34Aおよび導電膜31Aをパターニングして、図27に示すように、絶縁膜34Bおよび下部電極31を形成する。
以後、図28〜図36については、図27に続く工程について、図27の絶縁膜5より上側のみの態様を追っており、図27の絶縁層21より下側については図示を省略している。各図の(A)は図27と同じ方向から見た図であり、(B)は(A)と同じく絶縁膜5より上側の領域を、図27の方向に対して交差する方向すなわち図4と同じ方向から見た図である。そして(C)は上述した周辺回路部の、各(A)や(B)と積層方向に関して同じ層(絶縁膜5より上側の領域)の部分の態様を示す図である。
図28(A)(B)に示すように、図27の磁気抵抗素子32の絶縁膜34B上、および下部電極31の周囲を覆うように、シリコン酸化膜等からなる絶縁層を形成し、この絶縁層にCMP処理を施す。そしてこの絶縁層上に、コンタクトホール39aを形成するためのレジストパターンを形成する。そして、このレジストパターンを用いてコンタクトホール39aを形成する。このようにして所望形状の絶縁層36および絶縁膜34が形成される。
図28(C)に示す周辺回路部については、図5の単位コンタクト部26が形成された状態である。この領域にはメモリユニットが存在しないため、図28の工程においては態様に変化はない。
次に図28の絶縁層36の最上面とコンタクトホール39aの内表面にバリアメタルを形成し、さらにバリアメタルが形成されたコンタクトホール39a内に導電膜を充填する。そしてこの導電膜とバリアメタルとをCMP処理して平坦化する。このようにすれば、図29に示すように、コンタクトホール39a内に充填されたバリアメタル45と導電膜とが形成され、これによりコンタクト部39が形成される。この導電膜は配線本体部43と同様の銅からなるものであってもよいが、W(タングステン)であってもよい。導電膜が銅からなる場合にはバリアメタル45はTaやTaNからなることが好ましいが、導電膜がタングステンからなる場合にはバリアメタル45はTi(チタン)やTiN(窒化チタン)からなることが好ましい。その後、コンタクト部39を含む絶縁層36上のたとえば全面に、ライナー膜49となるべき層であるライナー膜49Aを形成する。つまりライナー膜49Aは、ライナー膜49の材質や所望の厚みとなるように形成することが好ましい。ライナー膜49AはCVD法(Chemical Vapor Deposition)等を用いて形成されることが好ましい。ライナー膜49Aの膜厚は10nm以上80nm以下であることが好ましく、40nm以上70nm以下であることがより好ましい。このようにすれば図29(A)〜(C)に示すようになる。
次にライナー膜49Aの最上面に、CVD法などにより、シリコン酸化膜等からなる絶縁層47Aを形成する。この絶縁層47Aの、特に周辺回路部の単位コンタクト部26Cの上部に相当する領域にビア72と呼ばれる開口を形成するようにフォトリソグラフィおよびエッチング等を行なう。ビア72は単位コンタクト部26Cの上部のライナー膜49A、および平坦絶縁膜270、271をエッチングすることにより形成される。すると図30(A)〜(C)に示すようになる(ライナー膜49Aはライナー膜49Bとなる)。
次に絶縁層47Aやライナー膜49Bの、特に磁気抵抗素子32の上部に相当する領域や、ビア72の周囲の領域を除去するようにフォトリソグラフィおよびエッチング等を行なう。このようにして図31(B)、(C)に示すように磁気抵抗素子32の上部に溝75、単位コンタクト部26Cの上部に溝74が形成される。絶縁層47Aがエッチングされなかった領域は絶縁層47となり、ライナー膜49Bがエッチングされなかった領域はライナー膜49となる。溝75は図31(A)(B)に示すように、隣接する磁気抵抗素子32の上部同士を跨ぐように延在する。
そして図31(A)〜(C)に示すように、露出している最上面、すなわち絶縁層36の最上面や溝75、74、ビア72の内表面などにスパッタリング等によりバリアメタルを形成する。これらのバリアメタルはTaまたはTaNからなるものであることが好ましい。これらのバリアメタルは同時に一体として形成されるが、ここでは絶縁層47の最上面に形成されるバリアメタルをバリアメタル73A、溝75、74の内側面に形成されるバリアメタルをバリアメタル41b0、溝75、74の内底面に形成されるバリアメタルをバリアメタル48Aと呼ぶこととする。
次に露出している最上面、すなわち上述したバリアメタル73A、41b0、48Aの表面上にクラッド層41Zを一括成膜する。このクラッド層41Zは図4、図5のクラッド層41cとなるべき層である。したがってクラッド層41cの材質や厚みとなるように形成することが好ましい。このようにして図32(A)〜(C)に示す態様となる。
次にクラッド層41Zのうち絶縁層36の主表面(積層方向に交差する面)に沿った方向の成分を、スパッタリング等により除去する。このようにして図33(A)〜(C)に示すようにクラッド層のうち側面に形成されたもののみがクラッド層41cとして残る。なおこのとき、端部におけるスパッタリング時のエッチングレートが高いことにより、図33(B)(C)のバリアメタル48Aの端部は斜め方向にエッチングされてバリアメタル48Bとなることがある。
次に図34(A)〜(C)に示すように、露出されている最上面、すなわちバリアメタル73A、48B、クラッド層41cの表面上にスパッタリング等によりバリアメタルを形成する。これらのバリアメタルは図31(A)〜(C)において形成したバリアメタルと同様にTaまたはTaNからなるものであることが好ましい。これらのバリアメタルは同時に一体として形成されるが、ここではバリアメタル73A上にバリアメタルが成膜され、両者が一体となった部分をバリアメタル41g、バリアメタル48B上にバリアメタルが成膜され、両者が一体となった部分をバリアメタル48、クラッド層41c上に形成されたバリアメタルをバリアメタル41a0と呼ぶことにする。
次に図35(A)〜(C)に示すようにバリアメタルが形成された溝75、74内にたとえば銅からなる導電膜を充填する。このうち図35(A)(B)の、メモリユニットが形成されている領域上の導電膜を導電膜43A、図35(C)の周辺回路部上の導電膜を導電膜43Bと呼ぶこととする。
そして図36(A)〜(C)に示すように、バリアメタル41gがすべて除去されるように図35の上面側の一定深さ分に対してCMP処理を施す。このようにして溝75内の導電膜は、ビット線40の配線本体部43となり、溝74内の導電膜は、周辺回路部の周辺配線本体部430となる。バリアメタル41a0はバリアメタル41aとなり、バリアメタル41b0はバリアメタル41bとなる。
以後、図37〜図43については、図36に続く工程について、図36の配線本体部43より上側のみの態様を順に追っており、下側については図示を省略している。また各(A)〜(C)は、図28〜図36の(A)〜(C)と同方向から見たものである。
図37(A)〜(C)は図36(A)〜(C)の配線本体部43より上側のみの態様と同じである。この状態で、次に図38(A)〜(C)に示すように、ライナー膜410となるべき層であるライナー膜410Aを成膜する。さらに図39(A)〜(C)に示すように、フォトリソグラフィおよびエッチング等によりライナー膜410Aがエッチングされ、ライナー膜410となる。
続いて図40(A)〜(C)に示すように、ライナー膜410の表面上および、図39(B)の溝410Bの内表面上に、クラッド層41dとなるべき層であるクラッド層41d0を成膜する。このとき溝410Bの内表面上に形成されるクラッド層41d0は、たとえばライナー膜410の表面上に形成されるクラッド層41d0と膜厚がほぼ等しくなる。このため図40(B)に示すように溝410Bの内部において下側に落ち込んだ形状となる。
次に図41(A)〜(C)に示すように、クラッド層41d0の表面上に、バリアメタル41fとなるべき層であるバリアメタル41f0を形成する。そして図42(A)〜(C)に示すように、隣接するメモリユニット間でクラッド層41d0やバリアメタル41f0が分離されるように、フォトリソグラフィおよびエッチングを行なう。すると図42(A)〜(C)に示す態様となり、クラッド層41d0はクラッド層41dに、バリアメタル41f0はバリアメタル41fとなる。
最後に図43(A)〜(C)に示すように、バリアメタル41fの上面および、露出されたライナー膜410の上面を覆うように、シリコン酸化膜等からなる絶縁層が形成される。この絶縁層は、さらに上部に配置される外部負荷との電気的な短絡を抑制するために形成されるものである。したがってこの絶縁層をエッチングして、たとえば磁気抵抗素子32が並んだ領域の周辺の領域に、外部と電気的に接続するための配線を形成することにより絶縁層360が形成される。図43(B)のビット線40の部分の態様は、図4や図7、図10の該当部分の態様に等しい。以上の手順により、本実施の形態1のビット線40およびそれを含む半導体装置200が完成する。
(実施の形態2)
本実施の形態2に係る半導体装置200は、実施の形態1の半導体装置200と大筋で同様の構成を備えている。ただしビット線40の構成に関して若干の相違がある。具体的には図44と図7とを対比して、図44のビット線40は、配線本体部43(配線)の側面を覆うようにバリアメタル41a(バリア層)が配置され、当該配線(配線本体部43)の上面を覆うようにライナー膜410(バリア層)が配置される。このライナー膜410は図44の示す断面図において、配線本体部43の上面を覆う成分と、配線本体部43の側面を覆う成分とが存在する。これら配線本体部43の上面を覆う成分と、配線本体部43の側面を覆う成分とは同時に成膜された一体のものとなっている。
このように側方と上方の成分が一体であるライナー膜410の外側を覆うようにクラッド層41c、41dが、さらにクラッド層41c、41dの外側を覆うようにバリアメタル41b、41f(保護層)が配置されている。言い換えればバリア層の、配線本体部43に対向する表面と反対側の表面(つまり図44におけるバリア層の外側の表面)を連続して覆うようにクラッド層41c、41dが配置されている。またクラッド層41c、41dの、バリア層に対向する表面と反対側の表面(つまり図44におけるクラッド層の外側の表面)を覆うように保護層であるバリアメタル41b、41fが配置されている。
クラッド層についても、ライナー膜410と同様に、配線本体部43の側方の成分であるクラッド層41cと、配線本体部43の上方の成分であるクラッド層41dとが一体として成膜されている。保護層についても、配線本体部43の側方の成分であるバリアメタル41bと、配線本体部43の上方の成分であるバリアメタル41fとが一体として成膜されている。このことは図45および図46からもわかる。なお図45は、図4と同様に、図3に対して交差する方向から見たときの、メモリユニットが2つ並んだ状態を示す断面図である。図46は図5と同様に、周辺回路部の断面図である。
したがってクラッド層41dは、側方と上方との境界部である屈曲部(図44における丸点線Aで囲った領域)において連続になっている。このため実施の形態1と同様に、クラッド層が寸断した領域の存在により、クラッド層の内部を通る磁場(磁力線)がクラッド層の外部へ漏洩することが抑制された構成となっている。
またバリアメタル41aとライナー膜410とにより、バリア層が配線本体部43の側面および上面を連続するように覆うように配置されている。このため実施の形態1と同様に、クラッド層と配線本体部との間の、図44にて矢印で示すような相互拡散が抑制される。なお実施の形態1と同様に、バリア層として導電体材料からなるバリアメタル41aと誘電体材料からなるライナー膜410とが併用されている。
さらに図45に示すように、隣接する2つのメモリユニット間にて、クラッド層41dが不連続となっている。このため実施の形態1と同様に、一のメモリユニットのクラッド層41dの内部を通る磁力線71が、隣接するメモリユニットのクラッド層41dの方へ伝播して漏洩する可能性を抑制することができる。つまり図10と同様に、当該磁力線71が、選択した一のメモリユニットの磁気抵抗素子32の方へ集中的に進行するために、当該磁気抵抗素子32を効率的に正確に作動させることができる。これと同時に、磁力線71が選択した一のメモリユニットに隣接する、選択しないメモリユニットの磁気抵抗素子32の方に漏洩することにより、隣接するメモリユニットの磁気抵抗素子32が磁力線71の影響を受けて誤作動するなどの不具合を抑制することができる。
以上の実施の形態1と同様の効果に加え、実施の形態2の半導体装置200は、以下の効果を奏する。たとえば図45と図4とを比較検討する。ここで図45における2つの配線本体部43間の距離と、図4における2台の配線本体部43間の距離は等しいとする。
これらの図面の2つのビット線間の、配線本体部43と導通する領域(バリアメタル領域)間の距離を考察する。まず図4の場合、配線本体部43とバリアメタル41a、クラッド層41c、バリアメタル41bとは互いに導通している。このためバリアメタル41bの外側の端部間の距離が、2台のビット線間の配線本体部43と導通する領域(バリアメタル領域)間の距離となる。図4においてバリアメタル41fの端部はバリアメタル41bの端部よりも外側にあるが、バリアメタル41fは配線本体部43と非導通である。
これに対して図45の場合、配線本体部43と直接接触するバリアメタル41aの外側の端部間の距離が、2台のビット線間の配線本体部43と導通する領域(バリアメタル領域)間の距離となる。バリアメタル41aの外側が誘電体であるライナー膜410に覆われているためである。つまり図45においては、配線本体部43とクラッド層41c、41dとが電気的に絶縁されている。
したがって図4のバリアメタル41aと図45のバリアメタル41aとの厚みが等しいと仮定すれば、図45の配線本体部43と導通する領域間の距離の方が、図4の配線本体部43と導通する領域間の距離よりも長いことになる。
配線本体部43と導通する領域間の距離により、配線の信頼性が決定する。配線本体部43と導通する領域間の距離が長いほど、配線の信頼性(TDDB)が高い。このため実施の形態2のようなビット線40の構成とすることにより、配線の信頼性を高めることができる。
続いて実施の形態2に係る半導体装置200の製造方法について説明する。図11〜図28に示す工程については実施の形態1に係る半導体装置200の製造方法に順ずるため、ここでは説明を省略する。また各図の(A)〜(C)は、図28〜図43の(A)〜(C)と同方向から見たものである。
図28(A)〜(C)に示す態様に続く工程として、図47(A)〜(C)に示すように、図29(A)〜(C)と同様の処理を行なう。しかし図29(A)〜(C)と異なり、ライナー膜49Aを形成する処理は行なわない。つまり図29(A)〜(C)と同様に、バリアメタル45と導電膜とが形成され、コンタクト部39が形成される。
次に図48(A)〜(C)に示すように、図30(A)〜(C)と同様の処理を行なう。ライナー膜49Aが形成されていないため、絶縁層36上に絶縁層47Aが形成され、また図48(C)に示すようにビア72が形成される。なお、本実施の形態2においても、実施の形態1と同様にライナー膜49Aを形成してもよい。ライナー膜49Aはビット線40の溝をエッチングで形成する場合のエッチングストッパの役割を有する。これはエッチングするときの溝75の深さを制御よく形成できる場合には必ずしも要しない。
次に図49(A)〜(C)に示すように、図31(A)〜(C)と同様の処理を行なう。図31と同様に、ここで形成されるバリアメタルは同時に一体として形成されるが、ここでは絶縁層47の最上面に形成されるバリアメタルをバリアメタル41g、溝75、74の内側面に形成されるバリアメタルをバリアメタル41a0、溝75、74の内底面に形成されるバリアメタルをバリアメタル48Aと呼ぶこととする。
そして図50(A)〜(C)に示すように、図35(A)〜(C)と同様に導電膜43A、43Bを充填する。なお以後、図50(C)に示すように、図49にて形成されたバリアメタルのうち、溝75、74の内側面に形成されるバリアメタルは、実施の形態1の図34に合わせてバリアメタル48と呼ぶことにする。またビア72の側面のバリアメタルは、実施の形態1の図34に合わせてバリアメタル84とする。
以後、図51〜図56については、図50に続く工程について、図36のコンタクト部39より上側のみの態様を順に追っており、下側については図示を省略している。また各(A)〜(C)は、図28〜図36の(A)〜(C)と同方向から見たものである。
図51(A)〜(C)に示すように、図36(A)〜(C)と同様に、バリアメタル41gがすべて除去されるようにCMP処理を施す。このようにして溝75内の導電膜は、ビット線40の配線本体部43となり、溝74内の導電膜は、周辺回路部の周辺配線本体部430となる。バリアメタル41a0はバリアメタル41aとなる。
次に図52(A)〜(C)に示すように、フォトリソグラフィおよびエッチング等により、絶縁層47を除去する。このとき露出されている最上面、すなわち配線本体部43の上面、バリアメタル41aの表面、絶縁層36の最上面の上に、図53(A)〜(C)に示すようにライナー膜410を形成する。
次に図54(A)〜(C)に示すように、ライナー膜410の表面を覆うように、クラッド層41d0、さらにその表面を覆うようにバリアメタル41f0を形成する。クラッド層41d0は図44、図45のクラッド層41c、41dとなるべき層である。またバリアメタル41f0は図44、図45のバリアメタル41b、41fとなるべき層である。したがってクラッド層41c、41d、バリアメタル41b、41fのそれぞれの材質や厚みとなるように形成することが好ましい。
ただしクラッド層41cとクラッド層41dとがクラッド層41d0として一括成膜されるため、たとえば実施の形態1のように配線本体部43の側方のクラッド層41cを、配線本体部43の上方のクラッド層41dよりも厚くなるように形成することが困難である。このため、クラッド層41cをクラッド層41dよりも厚くするために、たとえばクラッド層をいったん成膜した後に、スパッタエッチングやドライエッチングにより全面エッチングバックを行なうことが好ましい。そうすると、配線本体部43の側壁のみサイドウォール状にクラッド層を残すことができる。その後クラッド層を再度成膜すると、先に成膜したサイドウォール状のクラッド層の厚みの分だけ側壁のクラッド層が厚く形成される。その結果、クラッド層41cをクラッド層41dよりも厚く形成することができる。
次に図55(A)〜(C)に示すように、隣接する配線本体部43に挟まれた領域のクラッド層41dやバリアメタル41f0、および周辺回路部におけるクラッド層41dやバリアメタル41f0を除去するようにフォトリソグラフィやエッチング等を施す。最後に図56(A)〜(C)に示すように、図43(A)〜(C)と同様に最上面に絶縁層360が形成される。以上の手順により、本実施の形態2のビット線40およびそれを含む半導体装置200が完成する。
このように実施の形態2においては、配線本体部43の側方のクラッド層41cと上方のクラッド層41d、配線本体部43の側方の保護層としてのバリアメタル41bと上方の保護層としてのバリアメタル41fとを同時に成膜する。このようにすれば、工程数が少ないため形成されるクラッド層41c、41dの膜質安定性が向上する。
たとえば実施の形態1のようにクラッド層41cとクラッド層41dとを別の工程にて形成する場合には、工程数が増加するため、工程ごとに行なうウェットエッチング処理などにより、特に先の工程にて形成されたクラッド層がダメージを受ける可能性がある。特に当該クラッド層の薄膜の側壁や、側方のクラッド層と上方のクラッド層との接続される部分において、加工に起因するダメージを受けたり、酸化されたりする可能性がある。このようなダメージや酸化を生じると、当該クラッド層の性能の劣化を招く可能性がある。
しかし実施の形態2のようにクラッド層41cとクラッド層41dとが同時に成膜されるため、クラッド層41cとクラッド層41dとの接続部が存在しない。このことからも加工のダメージを受ける可能性のある領域を減少させることができ、結果として成膜されるクラッド層の品質を安定させることができる。
本発明の実施の形態2は、以上に述べた各点についてのみ、本発明の実施の形態1と異なる。すなわち、本発明の実施の形態2について、上述しなかった構成や条件、手順や効果などは、全て本発明の実施の形態1に順ずる。つまり本実施の形態2の効果は、実施の形態1の効果を兼ね備えており、本実施の形態2に記載した効果は、実施の形態1の効果に付随する効果である。
(実施の形態3)
本実施の形態3に係る半導体装置200は、実施の形態1の半導体装置200と大筋で同様の構成を備えている。ただしビット線40の構成に関して若干の相違がある。具体的には図57と図7とを対比して、図57のビット線40は、図7のビット線40と同様の配置をしているが、配線本体部43の側方のクラッド層41cと、配線本体部43の上方のクラッド層41dとが交差して接続されるコーナー部(図57において丸点線Aで囲まれた領域)において、互いに接続されるクラッド層41cの延在する方向とクラッド層41dの延在する方向とがなす角度が90°を超え180°未満の鈍角をなしている。これに対して図7のビット線は、上記コーナー部におけるクラッド層41cとクラッド層41dとの延在する方向のなす角度はほぼ90°である。この点において、実施の形態3は実施の形態1と異なる。
図58は、図4と同様に、図3に対して交差する方向から見たときの、メモリユニットが2つ並んだ状態を示す断面図である。なお、周辺回路部については実施の形態1における図5と同様であるため、図示を省略している。
図57に示すように、実施の形態3のビット線40についても、クラッド層41cとクラッド層41dとは、丸点線Aで囲まれた領域において連続になっている。このため実施の形態1と同様に、クラッド層が寸断した領域の存在により、クラッド層の内部を通る磁場(磁力線)がクラッド層の外部へ漏洩することが抑制された構成となっている。
実施の形態3のビット線40についても、配線本体部43の側面および上面にバリアメタル41aやライナー膜410がバリア層として配置されており、両者は連続している。このため図57中に矢印で示すような、配線本体部43とクラッド層との間の相互拡散が抑制される。
実施の形態3のビット線40についても、隣接する2つのメモリユニット間にてクラッド層が不連続となっている。このため隣接する選択されないメモリユニットの方へ磁力線71(図10参照)が漏洩し、当該隣接するメモリユニットの磁気抵抗素子32を誤作動させる不具合を抑制することができる。
以上の実施の形態1と同様の効果に加え、実施の形態3の半導体装置200は、以下の効果を奏する。たとえば図57と図7とを比較検討する。図7の実施の形態1のビット線40は、クラッド層41cとクラッド層41dとが延在する方向が、図7の断面図状において互いに約90°をなしている。この場合、クラッド層41cとクラッド層41dとが交差するコーナー部において、当該クラッド層の内部を通る磁力線の向きが90°変わる部分が生じる。
図7のようにクラッド層41cとクラッド層41dとのそれぞれの延在する方向がなす角度が90°あるいはそれ以下の場合、配線本体部43に電流を流してクラッド層の内部を通る磁力線が発生する際に、上記コーナー部が急峻な磁化変化の起こる領域となる。そしてコーナー部はエネルギの高い不安定な磁化状態となる。
このときクラッド層41c、41dはよりエネルギの低い安定な状態へと移行しようとする。このためにコーナー部付近は磁化状態が乱れる可能性がある。ここで磁化状態が乱れるとは、本来クラッド層41c、41dの延在する方向に進行しようとする磁力線が、それ以外の方向を向くことを意味する。このように磁化状態が乱れた場合、これを理想状態であるクラッド層41c、41dの延在する方向に近づけるためには、配線本体部43により大きな電流を流すことが必要となる。
しかし図57のように、クラッド層41cとクラッド層41dとの交差するコーナー部における両者の延在する方向のなす角度が90°を超える場合は、コーナー部において起こる磁化変化は、図7のコーナー部ほど急峻にはならない。このため図57のコーナー部は図7のコーナー部ほどエネルギの高い不安定な磁化状態となる可能性は少ない。
したがって図57の構成とすれば、コーナー部付近における磁化状態の乱れが起こる可能性を低くすることができる。そのため、配線本体部43に流す電流を小さくすることができる。すなわち当該半導体装置200の消費電力をさらに低減することができる。
続いて実施の形態3に係る半導体装置200の製造方法について説明する。図11〜図38に示す工程については実施の形態1に係る半導体装置200の製造方法に順ずるため、ここでは説明を省略する。また各図の(A)〜(C)は、図28〜図43の(A)〜(C)と同方向から見たものである。
図59〜図63においては、図37〜図43と同様に、配線本体部43より上側のみの態様を順に追っており、下側については図示を省略している。
図38(A)〜(C)のように、ライナー膜410となるべき層であるライナー膜410Aが成膜されたところで、図59(A)〜(C)に示すように、ライナー膜410Aの上面を覆うように、シリコン酸化膜等からなる絶縁層360Aが形成される。これは上述した絶縁層360となるべき層である。
続いて絶縁層360Aの、特に配線本体部43の上部に相当する領域を除去するようにフォトリソグラフィおよびエッチング等を行なう。このようにして図60(A)、(B)に示すように配線本体部43の上部に溝75が形成される。絶縁層360Aがエッチングされなかった領域は絶縁層360Bとなる。溝75は図60(A)(B)に示すように、隣接する配線本体部43の上部同士を跨ぐように延在する。
なお絶縁層360Aをエッチングする際に、図60(C)に示さないが、絶縁層360Aの、特に周辺配線本体部430の上部に相当する領域の一部を除去することが好ましい。このようにすれば、最終的に形成される絶縁層360上に配置される外部負荷との電気的な接続が可能となる単位コンタクト部を形成するための溝を形成することができる。
次に溝75の底面をスパッタリング等によりエッチング、除去する。このようにすれば図61(A)、(B)に示すように、溝75の内部においてはライナー膜410Aが厚み方向(上下方向)に関して一部が除去され、薄くなる。このようにしてライナー膜410が形成される。なおこのとき、溝75の側壁に近い端部におけるスパッタリング時のエッチングレートが高いことにより、図61(B)に示すように、溝75の内部のライナー膜410には斜め方向エッチング領域75eが形成されることになる。このように斜め方向エッチング領域75eが形成されることにより、バリアメタル41bやクラッド層41cも上端部の一部の領域を露出することができる。
次に露出している最上面、すなわち絶縁層360Bの側面および上面、溝75の内部のライナー膜410、斜め方向エッチング領域75e上に、クラッド層41d0およびバリアメタル41f0が形成される。その態様を示すものが図62(A)〜(C)である。
最後にクラッド層41d0やバリアメタル41f0の、図62(B)(C)における比較的上側の領域を、たとえばCMP加工により除去することにより、図63(A)〜(C)に示す、上面が平坦化された絶縁層360および、クラッド層41d、バリアメタル41fが形成される。なおこの工程において、CMP加工の代わりにフォトリソグラフィとエッチング等を行なうことにより、同様の処理を行なってもよい。
図63(A)〜(C)に示す、上面を平坦化する処理を行なうために、図63(B)や図57に示すように、クラッド層端部41eにはクラッド層やバリアメタルが上方に突き出るように延在する突出し端部42bが形成される。しかし突出し端部42bは、図62(B)に示すように溝75の側面上にクラッド層41d0やバリアメタル41f0を形成するために発生する付随的な領域である。このため突出し端部42bは、図63に示す上面部の除去工程において除去する量を調整する(大きくする)ことにより、限りなく寸法を小さくすることができる。突出し端部42bはビット線40の動作に直接影響しない領域であるため、たとえば突出し領域42bを構成するクラッド層がシリコン酸化膜などから形成された絶縁層360と直接接触していてもよい。
以上の手順により、本実施の形態3のビット線40およびそれを含む半導体装置200が完成する。このようにクラッド層41dの延在する方向がクラッド層41cとなす鈍角は、溝75の端部におけるスパッタリング時のエッチングレートの差により発生する斜め方向エッチング領域75eを利用したものである。
本発明の実施の形態3は、以上に述べた各点についてのみ、本発明の実施の形態1と異なる。すなわち、本発明の実施の形態3について、上述しなかった構成や条件、手順や効果などは、全て本発明の実施の形態1に順ずる。つまり本実施の形態3の効果は、実施の形態1の効果を兼ね備えており、本実施の形態3に記載した効果は、実施の形態1の効果に付随する効果である。
(実施の形態4)
本実施の形態4に係る半導体装置200は、実施の形態3の半導体装置200と大筋で同様の構成を備えている。ただしビット線40の構成に関して若干の相違がある。具体的には、図64と図57とを対比して、図64のビット線40は、配線本体部43とクラッド層41dとに挟まれた領域が、ライナー膜410の代わりにバリアメタル42となっている。そして突出し端部42bにおいても、クラッド層を両側から挟むように、バリアメタル42と同一の材料からなるバリアメタルが配置されている。以上の点において、実施の形態4は実施の形態3と異なる。
ライナー膜410の代わりにバリアメタル42が配置されていることが、図65に示されている。図65は図3に対して、ライナー膜410の代わりにバリアメタル42が配置されている点のみが異なる。また図66は、図4と同様に、図3に対して交差する方向から見たときの、メモリユニットが2つ並んだ状態を示す断面図である。図67は図5と同様に、周辺回路部の断面図である。
バリアメタル42は、他のバリアメタル(バリアメタル41a、41b、41f)と同一の材料からなることが好ましい。このようにすれば、ビット線40のバリア層(バリアメタル41a、42)と保護層(バリアメタル41b、41f)とが同一の材料からなることになる。
実施の形態4のビット線40についても、実施の形態1〜3のビット線40と同様に、たとえば図65に示す矢印の領域における相互拡散の抑制、丸点線Aで囲った領域における磁場の漏洩の抑制、そして図66に示すように隣接するビット線40間がクラッド層で接続されないことによる隣接メモリユニットへの磁場の漏洩の抑制といった効果を有する。これらの効果に加えて、実施の形態4の半導体装置200は、以下の効果を奏する。
ここで図64と図57とを比較検討する。図57に示す実施の形態3のビット線40は、配線本体部43の側方のバリア層は、Ta系の金属材料からなるバリアメタル41aである。しかし配線本体部43の上方のバリア層は、誘電体材料からなるライナー膜410である。つまり実施の形態3のビット線40は、配線本体部43の側方のバリア層と配線本体部43の上方のバリア層とが異なる材料からなる。しかし図64の実施の形態4のビット線40は配線本体部43の側方のバリア層と上方のバリア層とがともに同一の材料(Ta系の金属材料)からなる。
クラッド層41cを構成する結晶構造は、これに接触する配線本体部43の側方のバリア層の影響を受ける。同様にクラッド層41dを構成する結晶構造は、これに接触する配線本体部43の上方のバリア層の影響を受ける。
仮に配線本体部43の側方のバリア層と、配線本体部43の上方のバリア層との材質が異なると、クラッド層41cとクラッド層41dとの内部の結晶構造が大きく異なるものとなる場合がある。このようにクラッド層41cとクラッド層41dとの結晶構造が大きく異なれば、クラッド層41cとクラッド層41dとの結晶の粒界等で磁化の向きが変化する領域(磁壁)が発生する。その結果、クラッド層41cやクラッド層41dの磁化の向きが複数の方向となる多磁区構造をとる可能性がある。多磁区構造をとるとクラッド層41cやクラッド層41dの磁気特性が劣化することがある。
クラッド層の内部に発生した磁壁を消滅させる(移動させる)ためには、当該クラッド層に高いエネルギを与えることが必要となる。このためには、配線本体部43に大きな電流を流すことが必要となる。
しかし配線本体部43の側方のバリア層と、配線本体部43の上方のバリア層との材質が同一であれば、クラッド層41cとクラッド層41dとの内部の結晶構造の差を小さくすることができる。これはクラッド層41c、41dはこれに接触するバリア層の結晶性に追随するように結晶成長する傾向があるためである。このためしかし配線本体部43の側方のバリア層と、配線本体部43の上方のバリア層との材質が同一であれば、クラッド層41cとクラッド層41dとが同様の結晶性を有する構造とすることができる。
クラッド層41cとクラッド層41dとの結晶構造の差が小さくなれば、クラッド層41cとクラッド層41dとの結晶の粒界等で磁壁が発生する可能性が低くなる。そのため配線本体部43に流す電流を小さくすることができる。すなわち当該半導体装置200の消費電力をさらに低減することができる。
続いて実施の形態4に係る半導体装置200の製造方法について説明する。図11〜図37に示す工程については実施の形態1に係る半導体装置200の製造方法に順ずるため、ここでは説明を省略する。また各図の(A)〜(C)は、図28〜図43の(A)〜(C)と同方向から見たものである。
図68〜図71においては、図37〜図43と同様に、配線本体部43より上側のみの態様を順に追っており、下側については図示を省略している。
図37(A)〜(C)の状態に対して、次に露出されている最上面のたとえば全面を覆うように、シリコン酸化膜等からなる絶縁層が形成される。これは上述した絶縁層360となるべき層である。
続いて絶縁層の、特に配線本体部43の上部に相当する領域を除去するようにフォトリソグラフィおよびエッチング等を行なう。このようにして図68(A)、(B)に示すように配線本体部43の上部に溝75が形成される。絶縁層がエッチングされなかった領域は絶縁層360となる。溝75は図68(A)(B)に示すように、隣接する配線本体部43の上部同士を跨ぐように延在する。
なお絶縁層をエッチングして絶縁層360とする際に、図68(C)に示さないが、絶縁層の、特に周辺配線本体部430の上部に相当する領域の一部を除去することが好ましい。このようにすれば、最終的に形成される絶縁層360上に配置される外部負荷との電気的な接続が可能となる単位コンタクト部を形成するための溝を形成することができる。
次に、露出されている最上面のたとえば全面を覆うように、すなわち絶縁層360の最上面や溝75の内表面などにスパッタリング等によりバリアメタルを形成する。これらのバリアメタルは同時に一体として形成されるが、ここでは絶縁層360の最上面や溝75の底面に形成されるバリアメタルをバリアメタル42A、溝75の内側面に形成されるバリアメタルをバリアメタル42b0と呼ぶこととする。その態様を図69(A)〜(C)に示す。
次に、特にバリアメタル42Aが薄くなるように、スパッタリング等によるエッチング、除去が行なわれる。その態様は図61(A)(B)における、ライナー膜410Aを薄くする処理と同様であり、図70(A)〜(C)に示される。したがってこのとき、溝75の側壁に近い端部におけるスパッタリング時のエッチングレートが高いことにより、図70(B)に示すように斜め方向エッチング領域75eが形成されることになる。このように斜め方向エッチング領域75eが形成されることにより、バリアメタル41bやクラッド層41cも上端部の一部の領域を露出することができる。またバリアメタル42b0はバリアメタル42b1に、バリアメタル42Aはバリアメタル42になる。
次に露出している最上面、すなわちバリアメタル42、42b1、42A上に、クラッド層およびバリアメタルが形成される。そして最後にクラッド層やバリアメタルの比較的上側の領域を、図63と同様に除去する。このようにすれば図71(A)〜(C)に示すクラッド層41d、バリアメタル41f、突出し端部42bが形成される。
図64のビット線40には突出し端部42bにクラッド線を両側から挟むようにバリアメタルが配置されている。これは一方のバリアメタルが、図69の工程において、バリアメタル42b0として、バリアメタル42(バリアメタル42A)と同時に形成されるためである。突出し端部42bに技術的な効果はないため、当該バリアメタルが存在しなくても、機能上問題はない。
本発明の実施の形態4は、以上に述べた各点についてのみ、本発明の実施の形態1、3と異なる。すなわち、本発明の実施の形態4について、上述しなかった構成や条件、手順や効果などは、全て本発明の実施の形態1、3に順ずる。つまり本実施の形態4の効果は、実施の形態1、3の効果を兼ね備えており、本実施の形態4に記載した効果は、実施の形態1、3の効果に付随する効果である。
(実施の形態5)
本実施の形態5に係る半導体装置200は、実施の形態4の半導体装置200と大筋で同様の構成を備えている。図72は、図4や図66と同様に、図3に対して交差する方向から見たときの、メモリユニットが2つ並んだ状態を示す断面図である。図72と図66とを比較して、実施の形態4(図66)においては隣接するメモリユニット間がライナー膜410で連結されていないのに対し、実施の形態5(図72)においては隣接するメモリユニット間がライナー膜410で連結されている。また周辺回路部についても、実施の形態4(図67)においては絶縁層360と絶縁層47との間にライナー膜410が配置されていない。しかし実施の形態5の半導体装置200の周辺回路部は図5(実施の形態1)の周辺回路部と同様の態様であり、絶縁層360と絶縁層47との間にライナー膜410が配置されている。このライナー膜410は周辺回路部における異なる単位コンタクト部など同士を連結するように配置されている。以上の点において、実施の形態5は実施の形態4と異なる。
このように実施の形態5は実施の形態4と対比すれば、複数のユニット間の領域についてのみ態様が異なっている。したがって、たとえば実施の形態4の図64のように、1つのビット線40の延在する方向に交差する断面のみを見ると、実施の形態5においては図64と同様の態様を示す。
複数のメモリユニット間を連結するようにライナー膜410が配置されていても、基本的にライナー膜410が配置されない実施の形態4と同様の効果を奏する。
続いて実施の形態5に係る半導体装置200の製造方法について説明する。図11〜図37に示す工程については実施の形態1に係る半導体装置200の製造方法に順ずるため、ここでは説明を省略する。また各図の(A)〜(C)は、図28〜図43の(A)〜(C)と同方向から見たものである。
図73〜図76においては、図37〜図43と同様に、配線本体部43より上側のみの態様を順に追っており、下側については図示を省略している。
図37(A)〜(C)の状態に対して、次に露出されている最上面のたとえば全面を覆うように、ライナー膜410となるべき層が形成される。その層の上に、図68と同様のシリコン酸化膜等からなる絶縁層が形成される。これは上述した絶縁層360となるべき層である。
続いて絶縁層360となるべき層およびライナー膜410となるべき層の、特に配線本体部43の上部に相当する領域を除去するようにフォトリソグラフィおよびエッチング等を行なう。このようにして図73(A)、(B)に示すように配線本体部43の上部に溝75が形成される。絶縁層がエッチングされなかった領域は絶縁層360となる。なおこのとき、図73(C)に示さないが、周辺回路部の絶縁層360の一部をエッチングして、外部負荷との電気的な接続を可能とするための溝を形成することが好ましい。
この後の図74〜図76の各工程は、それぞれ図69〜図71の各工程と同様である。このようにして、図76(A)〜(C)に示すクラッド層41d、バリアメタル41f、突出し端部42bが形成される。
本発明の実施の形態5は、以上に述べた各点についてのみ、本発明の実施の形態4と異なる。すなわち、本発明の実施の形態5について、上述しなかった構成や条件、手順や効果などは、全て本発明の実施の形態4に順ずる。つまり本実施の形態5の効果は、実施の形態4の効果を兼ね備えており、本実施の形態5に記載した効果は、実施の形態4の効果に付随する効果である。
(実施の形態6)
本実施の形態6に係る半導体装置200は、実施の形態4の半導体装置200と大筋で同様の構成を備えている。ただしビット線40の構成に関して若干の相違がある。具体的には図77と図64とを対比して、実施の形態4および5においては、実施の形態3と同様に、クラッド層41cとクラッド層41dとのコーナー部において、クラッド層41cとクラッド層41dとのそれぞれがビット線40の延在する方向に交差する断面中で延在する方向がなす角度が鈍角となっている。しかし実施の形態6のように、当該角度がほぼ90°をなしていてもよい。
また図77においては配線本体部43の上面が凹形状に湾曲した曲面部43zとなっている。このような態様であれば、配線本体部43の曲面部43zとクラッド層41dとの(図77の上下方向に関する)距離が、たとえば配線本体部43の上面が平面でありその高さが配線本体部43の側面の最上部の高さに等しい場合における、当該上面とクラッド層41dとの距離に比べて長くなる。このことから、図77中に矢印で示す、上下方向における配線本体部43とクラッド層41dとの相互拡散をさらに確実に抑制することができる。
その他の、たとえば図77にて丸点線Aで囲った領域における磁場の漏洩防止、隣接するメモリユニットへの磁場の漏洩防止、クラッド層41c、41dの結晶構造をほぼ同一にすることによる低電流化などの効果はすべて実施の形態4や5に順ずる。
なお図78は、図4と同様に、図3に対して交差する方向から見たときの、メモリユニットが2台並んだ状態を示す断面図である。図79は図5と同様に、周辺回路部の断面図である。なお図78や図79においては、実施の形態4の図66や図67と同様に、絶縁層360と絶縁層47の間にライナー膜410が配置されていない。しかし実施の形態6においても、たとえば実施の形態5の図72と同様に、絶縁層360と絶縁層47の間にライナー膜410が配置された構成であってもよい。
続いて実施の形態6に係る半導体装置200の製造方法について説明する。図11〜図36に示す工程については実施の形態1に係る半導体装置200の製造方法に順ずるため、ここでは説明を省略する。
図36(A)〜(C)に示す態様に続く工程として、図80(A)〜(C)に示すように、配線本体部43の上面から一定の深さ分を、当該上面が図80(B)の曲面部43z、図80(C)の曲面部430zとなるようにCMP加工を施す。
なお、たとえば図35の上面側の一定深さ分に対して、導電膜43BをCMP加工により研磨する際に図80(B)(C)に示す曲面部43z、430zが形成されるように(つまり図36の状態を経ずに図35から図80の状態となるように)加工してもよい。
以後、図81〜図82については、図80に続く工程について、図80の配線本体部43より上側のみの態様を順に追っており、下側については図示を省略している。また各(A)〜(C)は、図28〜図36の(A)〜(C)と同方向から見たものである。
図80(A)〜(C)において露出している最上面の上に、バリアメタルを成膜し、その上面が平坦となるようCMP加工を施す。このようにすれば、図81(A)〜(C)に示すように、曲面部43z、430zとバリアメタル41a、41bとで囲まれた領域を充填するように、バリアメタル42が形成される。
そして、露出している最上面にスパッタリング等によりクラッド層、バリアメタルを形成し、特に配線本体部43上においてこれらの薄膜が残るようにフォトリソグラフィおよびエッチング等を行なう。このようにすれば、図82(A)〜(C)に示すようにクラッド層41dとバリアメタル41fが形成される。以後、上述の各実施の形態と同様に絶縁層360を形成することにより、図77〜79に示す態様の構成が完成する。
本発明の実施の形態6は、以上に述べた各点についてのみ、本発明の実施の形態4、5と異なる。すなわち、本発明の実施の形態6について、上述しなかった構成や条件、手順や効果などは、全て本発明の実施の形態4、5に順ずる。つまり本実施の形態6の効果は、実施の形態4、5の効果を兼ね備えており、本実施の形態6に記載した効果は、実施の形態4、5の効果に付随する効果である。
(比較例)
以下、参考用の比較例として、本発明の半導体装置200のビット線40の構成について説明する。
図83は、比較例の技術に基づくビット線を、図3と同方向から見た態様を示す図である。図84は図83のビット線を、図4と同方向すなわち図3に対して交差する方向から見たときの態様を示す図である。図84に示すように、比較例においてはビット線の配線本体部43の側面を覆うクラッド層41cや、配線本体部43の上面を覆うクラッド層41dは、配線本体部43の側面や上面に直接接触するように配置されている。このため、配線本体部43を構成するたとえば銅の原子と、クラッド層41c、41dを構成する金属材料の原子とが相互拡散する可能性がある。つまり配線本体部43やクラッド層41c、41dなどが変質や変形を起こし、ビット線の電気特性や半導体装置200の性能が劣化する可能性がある。
このことは図85のようにクラッド層41c、41dの外側にバリアメタル41b、41fを配置しても同様である。図85は図84と同方向から見た断面図である。この場合においても配線本体部43とクラッド層41c、41dとが直接接触する状況に変わりはない。このため図85中に矢印で示すような相互拡散が起こる可能性がある。
また図86は丸点線で囲んだ領域Dにおいて、クラッド層41cとクラッド層41dとが不連続となっている場合を示す。図86も図84と同方向から見た断面図である。この場合、当該領域Dにおいて、クラッド層41cやクラッド層41dの内部を当該クラッド層の延在する方向に沿って通る磁力線が、クラッド層の外部へ食み出て漏洩する可能性がある。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した実施の形態ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本発明の半導体装置は、磁気抵抗素子が誤作動することを抑制する技術として、特に優れている。
1 活性領域、1c チャネル領域、1w ウエル領域、2 分離絶縁膜、3,4,5,34,34A,34B,38A,270A,271A 絶縁膜、7 接続部、8 接続配線、9 層間絶縁膜、10,10A,10B MOSトランジスタ、11 ゲート絶縁膜、12 ゲート電極、13 サイドウォール、14 不純物領域、15 金属膜、16,18,20,21,23,24,36,47,47A,360,360A,360B 絶縁層、17,19,22,26,26B,26C,81 単位コンタクト部、26a コンタクトホール、28 貫通孔、29,29A,41a,41a0,41a1,41b,41b0,41b1,41f,41f0,41g,42,42A,42b0,42b1,48,48A,48a,48B,48b,53,54,63,64,73A,83,84 バリアメタル、30,30A,31A,35A,37A,43A,43B,44A 導電膜、31 下部電極、32 磁気抵抗素子、35 磁化固定層、35p シード層、35q 反強磁性層、35r 強磁性層、35s 非磁性層、35t 強磁性層、37 磁化自由層、38 トンネル絶縁膜、39 コンタクト部、39a コンタクトホール、40 ビット線、41c,41c0,41c1,41d,41d0,41Z,48c,52,62,82 クラッド層、41e クラッド層端部、42b 突出し端部、43,51 配線本体部、43z,430z 曲面部、44 上部電極、46 ソース配線、49,49A,49B,410,410A ライナー膜、50 ディジット線、55 ディジット線用溝部、59 レジストパターン、71 磁力線、72 ビア、74,75,410B 溝、75e 斜め方向エッチング領域、100 半導体基板、170 スパッタリング装置、171 ターゲット、172 ステージ、173 直流コイル、174 高周波コイル、200 半導体装置、270,271 平坦絶縁膜、430 周辺配線本体部。

Claims (9)

  1. 主表面を有する半導体基板と、
    前記半導体基板の前記主表面上に位置する磁気抵抗素子と、
    前記磁気抵抗素子上に位置する配線と、
    前記配線の側面および上面を連続して覆うように配置されたバリア層と、
    前記バリア層の、前記配線に対向する表面と反対側の表面を連続して覆うように配置されたクラッド層とを備える半導体装置であり、
    前記磁気抵抗素子と前記配線と前記バリア層と前記クラッド層とを含むメモリユニットが複数形成され、
    複数の前記メモリユニットが前記配線の延在する方向に交差する方向に並列しており、
    複数の前記メモリユニット間で前記クラッド層が分離されている、半導体装置。
  2. 前記バリア層は導電体材料からなり、複数の前記メモリユニット間で前記バリア層が分離されている、請求項1に記載の半導体装置。
  3. 前記バリア層は誘電体材料からなり、複数の前記メモリユニット間で前記バリア層が接続されている、請求項1に記載の半導体装置。
  4. 前記配線の側面の前記バリア層を覆うように配置された前記クラッド層の側方部の厚みが、前記配線の上面の前記バリア層を覆うように配置された前記クラッド層の上方部の厚みよりも大きい、請求項1〜3のいずれか1項に記載の半導体装置。
  5. 前記クラッド層の、前記バリア層に対向する表面と反対側の表面を覆うように配置された保護層をさらに有する、請求項1〜4のいずれか1項に記載の半導体装置。
  6. 前記配線と前記クラッド層とが電気的に絶縁されている、請求項1〜5のいずれか1項に記載の半導体装置。
  7. 前記配線の側面を覆う前記バリア層の前記反対側の表面を覆うように配置された前記クラッド層の部分が、前記配線の上面を覆う前記バリア層の前記反対側の表面を覆うように配置された前記クラッド層の部分と接続するコーナー部において、互いに接続される前記クラッド層の前記部分の延在する方向がなす角度が90°を超え180°未満である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の半導体装置。
  8. 前記配線の側面を覆う前記バリア層と、前記配線の上面を覆うバリア層とは、同一の材料からなる、請求項1〜7のいずれか1項に記載の半導体装置。
  9. 前記配線の上面が凹形状に湾曲している、請求項1〜8のいずれか1項に記載の半導体装置。
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