JP2004338660A - タイヤのシミュレーション方法、タイヤ性能予測方法、タイヤ製造方法、タイヤおよびプログラム - Google Patents

タイヤのシミュレーション方法、タイヤ性能予測方法、タイヤ製造方法、タイヤおよびプログラム Download PDF

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Abstract

【課題】タイヤモデルを用いて、タイヤウェット性能をはじめとするタイヤ性能の予測を効率よく短時間にしかも精度良く行う。
【解決手段】路面モデル202上に、空間領域をメッシュ分割して得られた複数の領域要素を有し、前記空間領域に所定の流体物質を充填した流体解析領域203が作成される。この流体解析領域203にタイヤモデル201が進入することによりタイヤモデル201が流体解析領域203内の流体物質に与える境界条件が設定され流体物質の流れが計算される。また、流体物質の流れがタイヤモデル201に与える境界条件が設定され、タイヤモデル201の変形が計算される。さらに、タイヤモデル201の移動に応じて流体解析領域203の移動を行う。これらの処理は、タイヤモデル201あるいは流体物質の計算結果が所定の条件を満たすまで繰返し行われる。
【選択図】図5

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、路面上を走行するタイヤの挙動を再現するタイヤのシミュレーション方法、タイヤ性能予測方法、タイヤ製造方法、タイヤおよびプログラムに関し、特に、路面に形成された水膜上をタイヤが通過するときタイヤ挙動を再現するタイヤのシミュレーション方法、タイヤのウェット性能の予測方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、コンピュータの処理能力の向上に伴って、車両に装着される空気入りタイヤ(以降、単にタイヤという)の濡れた路面でのウェット性能を、有限要素法や有限体積法を用いて予測する方法が種々提案されている。
タイヤのウェット性能とは、例えば、路面に溜まった水膜上をタイヤが走行するとき、タイヤと路面との間に水が進入してタイヤが持つ路面へのグリップ力が低下し、最終的に水膜の上をタイヤが滑りタイヤの制御が効かなくなるハイドロプレーニング現象に代表されるように、タイヤと路面間に水が介在することによってタイヤ性能が低下することをいう。
このようなタイヤ性能の低下はタイヤの走行速度(並進速度)が増大した際に発生し易いため、有限要素法や有限体積法を用いてウェット性能を予測する場合、並進速度が高い状態にあるタイヤの有限要素モデルを用いて計算処理を行う必要がある。ハイドロプレーニング性能の場合、例えば80〜100km/時の並進速度の動的状態を再現したタイヤの有限要素モデルを作成しなければならない。
【0003】
したがって、タイヤの有限要素モデルを用いてハイドロプレーニング性能を評価する場合、水膜を再現した水膜モデル上で静止したタイヤの有限要素モデルの転動を開始させて所定の並進速度に達するまで徐々に並進速度を上げなければならない。あるいは、予め所定の走行速度に達したタイヤの有限要素モデルを、路面モデル上に作成された水膜モデル上で定常状態となるまで転動させなければならない。いずれにおいても、タイヤの有限要素モデルの進行方向に沿って水膜モデルの長さを確保してハイドロプレーニング性能の評価を行う必要がある。
【0004】
下記特許文献1では、有限要素モデルのタイヤモデルと有限体積モデルの流体モデルとを用いて、タイヤモデルが流体モデルと接触したときに生じる物理量を算出することにより、タイヤ性能を予測するタイヤ性能予測方法を提案している。当該特許文献1では、水膜モデルである流体モデルを形成する領域は、タイヤモデルが移動する領域を含むものとして作成する(当該文献1の[0061]参照)。そして、タイヤモデルが流体モデルに進入した際、流体モデルの流体領域を分割した各微小流体要素にタイヤモデルとの干渉部分があるか否かを、各微小流体要素全てについて逐次調べることにより、流体モデルがタイヤモデルに与える境界条件およびタイヤモデルが流体モデルに与える境界条件を設定する。これらの境界条件に基づいてタイヤの変形計算および流体モデルの流れ計算を行うことにより、流体モデルを通過するときのタイヤモデルの挙動を算出することができ、流体を介して使用する環境下におけるタイヤ性能の予測が可能となる、と記載されている。
【0005】
【特許文献1】
特許第3133738号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記特許文献1に記載のタイヤ性能予測方法では、図14に示すように、タイヤモデルが移動する極めて長い領域に流体モデルを作成し、しかも、流体モデルの各微小流体要素についてタイヤモデルとの干渉部分があるか否かを逐次調べる必要がある。このため、タイヤ性能を予測する際の計算処理に極めて多大の時間がかかり、例えば数十時間〜数百時間に及び、計算処理速度の点で実用的ではなかった。
このような計算処理速度の問題は、コンピュータの処理能力の向上によって解決する問題ではあるが、処理能力の向上したコンピュータの出現により正確なタイヤ性能の予測を行うためには、タイヤモデルや微小流体要素をより一層細分化した高精細なモデルを用いる必要があり、この場合も、同様の問題が発生するのは明らかである。
【0007】
上記特許文献1では、計算処理効率の問題を解決するために、トレッドパターンの無いスムースタイヤモデルを転動させた時のスムースタイヤモデルのベルト部分の移動の軌跡や変形履歴を予め求めておき(グローバル解析)、この軌跡をトレッドパターンが一部分に設けられたタイヤモデルのベルト部分に強制入力として与えることで、タイヤモデルのトレッドパターンが流体モデルに及ぼす影響を解析(ローカル解析)するグローバル/ローカル解析を提案している。しかし、この解析方法では、ローカル解析を実行する時、ベルト部分の変形履歴を、予めスムースタイヤモデル等で計算した結果の通りに強制的に入力する必要がある。このため、ローカル解析時に、トレッドパターンを付けたタイヤモデルのベルト部分の変形を拘束するため、トレッドパターンの違いによるベルト部分の変形の違いを考慮した解析結果を得ることができないといった問題があった。
【0008】
そこで、本発明は、上記問題点を解決するために、タイヤウェット性能をはじめとするタイヤ性能の予測を効率よく短時間にしかも精度良く行うためのタイヤのシミュレーション方法、タイヤ性能予測方法を提案すると共に、このタイヤ性能予測方法を用いたタイヤ製造方法、タイヤおよびタイヤのシミュレーション方法をコンピュータが行うプログラムを提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は、路面上を走行するタイヤの挙動を再現するタイヤのシミュレーション方法であって、路面を再現した路面モデルと、この路面モデル上を移動するタイヤモデルと、前記路面モデル上の一部の空間領域をメッシュ分割して得られた複数の領域要素を有し、前記空間領域に所定の流体物質を充填した流体解析領域と、を作成するモデル作成ステップと、前記タイヤモデルが前記流体解析領域に進入することにより前記タイヤモデルが前記流体解析領域内の前記流体物質に与える境界条件を設定し、この境界条件に基づいて前記流体解析領域における流体物質の流れを計算する流体計算ステップと、前記タイヤモデルの移動に応じて前記流体解析領域の移動を行う解析領域移動ステップと、前記タイヤモデルが前記流体解析領域に進入することにより前記流体解析領域内の前記流体物質の流れが前記タイヤモデルに与える境界条件を設定し、この境界条件に基づいて前記タイヤモデルの変形を計算する変形計算ステップと、前記流体計算ステップ、前記解析領域移動ステップ、および前記変形計算ステップを繰返し行う繰返しステップと、を有することを特徴とするタイヤのシミュレーション方法を提供する。
【0010】
前記繰返しステップにおいて、前記流体計算ステップで得られた前記流体物質の物理量に基づいて、次回の前記変形計算ステップにおける前記境界条件が与えられ、前記変形計算ステップで得られた前記タイヤモデルの変形に基づいて、次回の前記流体計算ステップにおける前記境界条件が与えられるのが好ましい。
また、前記解析領域移動ステップにおいて、移動後の流体解析領域の各領域要素における前記流体物質の物理量が、移動前の流体解析領域の各領域要素における前記流体物質の物理量をマッピング処理することによって生成されるのが好ましい。その際、前記マッピング処理は、例えば、移動後の流体解析領域の領域要素と移動前の流体解析領域の領域要素とが重なる重複部分の有する要素変数を重み付け係数として、移動前の流体解析領域の各領域要素における物理量を加重平均する処理である。前記要素変数は、例えば、移動前の流体解析領域の領域要素と重なる移動後の流体解析領域の領域要素に占める前記重複部分の要素体積の比率である。また、前記要素体積の比率の他に、例えば、前記重複部分の表面積の比率、さらには、この重複部分における前記流体物質の質量の比率、前記流体物質の流速の比率等が挙げられる。
前記流体物質の物理量は、前記流体物質の流体圧力、前記流体物質の流速および前記領域要素に含まれる前記流体物質の体積含有率のうち少なくとも1つを含むのが好ましい。
【0011】
また、前記流体計算ステップにおいて、前記流体物質に重力加速度を作用させて前記流体物質の流れを計算するのが好ましい。
さらに、前記解析領域移動ステップにおいて、前記タイヤモデルが前記流体物質に与える境界条件の他に、前記流体解析領域の境界面のうち、前記タイヤモデルの移動方向の前端面には前記流体物質の流入のみを許容する境界条件を、前記流体解析領域の後端面には前記流体物質の流出のみを許容する境界条件を付与するとともに、前記流体計算ステップにおいて、前記領域要素のうち、前記流体解析領域の前端に位置し、前記前端面が前記流体物質と接する少なくとも前端の領域要素には前記流体物質が前記タイヤモデルの移動方向に流速を有するように前記流体物質の流れを拘束する拘束条件を付与するのが好ましい。その際、さらに、前記流体解析領域の境界面のうち、前記流体解析領域の側面および下面には、前記流体物質の流出および流入を禁止する境界条件を付与するのが好ましい。
【0012】
また、前記タイヤモデルの移動方向における前記流体解析領域の長さは、前記タイヤモデルが前記流体解析領域のない前記路面モデルの部分と接触するときの、前記タイヤモデルの前記移動方向における最大接触長さの0.5倍以上4倍以下であるのが好ましい。
前記タイヤモデルは、タイヤ構成部材を有限個の要素に分割して作成された有限要素モデルであるのが好ましい。
【0013】
さらに、本発明は、前記タイヤのシミュレーション方法を行って、前記タイヤモデルに作用する物理量および前記流体物質の物理量の少なくとも一方を算出するステップと、算出された物理量に基づいてタイヤ性能を予測するステップと、を有することを特徴とするタイヤ性能予測方法を提供する。
【0014】
さらに、本発明は前記タイヤ性能予測方法を用いて設計されたタイヤを製造することを特徴とするタイヤ製造方法を提供する。さらに、このタイヤ製造方法を用いて製造されたことを特徴とするタイヤを提供する。
【0015】
さらに、本発明は、路面上を走行するタイヤの挙動を再現するタイヤのシミュレーション方法をコンピュータに実行させる、コンピュータが実効可能なプログラムであって、路面を再現した路面モデルと、この路面モデル上を移動するタイヤモデルと、前記路面モデル上の一部の空間領域をメッシュ分割して作成された複数の領域要素を有し、前記空間領域に所定の流体物質を充填した流体解析領域と、を前記コンピュータの演算手段に作成させるモデル作成手順と、前記タイヤモデルが前記流体解析領域に進入することにより前記タイヤモデルが前記流体解析領域内の前記流体物質に与える境界条件を設定し、この境界条件に基づいて前記流体解析領域における流体物質の流れを前記演算手段に計算させる流体計算手順と、前記タイヤモデルの移動に応じて前記流体解析領域の移動を前記演算手段に行わせる解析領域移動手順と、前記タイヤモデルが前記流体解析領域に進入することにより前記流体解析領域内の前記流体物質の流れが前記タイヤモデルに与える境界条件を設定し、この境界条件に基づいて前記タイヤモデルの変形を前記演算手段に計算させる変形計算手順と、を有し、前記流体計算手順、前記解析領域移動手順、および前記変形計算手順を繰返し行わせることを特徴とするプログラムを提供する。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明のタイヤのシミュレーション方法、タイヤ性能予測方法、タイヤ製造方法、タイヤおよびプログラムについて、添付の図面に示される好適実施例を基に詳細に説明する。
【0017】
図1は、本発明のタイヤのシミュレーション方法およびタイヤ性能予測方法を行うタイヤ性能予測装置(以降、本装置という)100の概略の構成をブロック図で示した概略構成図である。
【0018】
本装置100は、解析対象とするタイヤモデルあるいはリムモデルに装着されたタイヤモデルをはじめとする各種モデルの作成を行うモデル作成部200と、静的解析処理、例えば、リムモデルの装着されたタイヤモデルに内圧充填処理を施し、鉛直荷重を負荷して接地変形させる接地処理を行う静的解析部300と、静的解析部300で接地処理の施された静止状態にあるタイヤモデルを所定の走行速度で転動させる転動処理部400と、ハイドロプレーニング状態などのウェット路面での動的状態の解析(動的解析)を行う動的解析部500と、動的解析を行ったタイヤモデル等に作用する物理量を抽出する物理量抽出部600と、物理量の抽出結果に基づいてウエット路面でのタイヤ性能を予測するタイヤ性能予測部700と、を有する。さらに、上記各部位の機能および制御を行うCPU110と、各部位で作成された結果を記憶、保持するメモリ120とを有する。
【0019】
本装置100は、プログラムを実行することによって各部位が機能を発揮するコンピュータによって構成された装置であってもよいし、専用回路によって構成された専用装置であってもよいし、一部分がコンピュータにより、他の部分が専用回路によって構成された装置であってもよい。
【0020】
図2は、モデル作成部200で作成される各種モデルの一例を示す斜視図である。
モデル作成部200は、操作者により図示されないマウスやキーボード等の操作系を用いて設定されたモデル作成条件に基づいてトレッドパターンの付いたタイヤモデル201を作成する。さらに、別途作成されたリムモデルがタイヤモデル201にマージされて、リムモデルの装着されたタイヤモデル201を作成する。図2においては、リムモデルは省略されている。さらに、剛体平面モデルである路面モデル202と路面モデル202上に流体解析領域203とを作成する。
【0021】
図2に示される流体解析領域203とは、路面モデル202上の一部の空間領域をメッシュ分割して作成された複数の領域要素を有し、流体解析領域204内に水等の密度と粘性係数で特徴付けられた流体物質が配された、いわゆる流体モデルが形成された領域である。
【0022】
ここで、流体物質は流体解析領域203内に存在するが、流体物質を、図3(a)〜(c)に示すように初期設定して配置することができる。
例えば、図3(a)に示すように、流体解析領域203の路面モデル202と接する下面領域全面に流体物質が一様な厚さ(深さ)で配置される。図3(b)に示すように、タイヤモデル201が流体解析領域203内にある程度進入した後流体物質と接触するように、タイヤモデル201の移動方向の前方の一部分に流体物質が一様な厚さ(深さ)で配置される。また、図3(c)に示すように、図3(b)に示す流体物質の満たされる領域のうち、タイヤモデル201のタイヤ幅より広い、幅方向(タイヤモデル201の移動方向と直交する方向)の一部分に流体物質が一様な厚さ(深さ)で配置される。
【0023】
また、流体物質には、重力加速度を作用させる。これは、例えば、タイヤによってタイヤの移動方向前方に跳ね除けられた水等の流体が空間を飛散して再び路面上に着地する現象を解析できるようにする場合、重力加速度の作用が必要とされるからである。重力加速度を流体物質に作用させることで、実際の流体の流れをより正確に再現することが可能となり、タイヤの接地面前端付近で発生する水の跳ね返りを正確にモデルで再現することができる。
【0024】
流体解析領域203の境界面のうち、タイヤモデル201の移動方向の前端面には、流体解析領域203をタイヤモデル201とともに移動させる際、常に前端面から流体物質が流入だけが許容されて流体物質が補充されるように境界条件が付与される。また、流体解析領域203の境界面のうち、タイヤモデル201の移動方向の反対側に位置する後端面には、流体解析領域203の移動の際、流体物質の流出だけが許容されるように境界条件が付与される。
【0025】
路面モデル202を移動するタイヤモデル201が長い移動距離において流体物質を踏込むシミュレーションを行うために、流体解析領域203の前端面から流体物質が流入して、流体物質が補充されるように境界条件が付与される。上記前端面からの流体物質の補充がない場合、流体解析領域203の移動にともなって、流体物質はタイヤモデル201の移動方向と反対方向(後方)に移動して、タイヤモデル201の移動方向の前方にあった流体物質が存在しなくなってしまうからである。
【0026】
また、流体物質に重力加速度を付与する場合、流体解析領域203に一定の厚さで存在する流体物質が自重によって流体解析領域203から流れ出ることのないように、流体解析領域203の側面および下面には流体物質の流入および流出を禁止する境界条件が付与される。流体解析領域203の上面では流体物質の流入および流出は禁止されない。上記流体解析領域203の側面に境界条件が付与されない場合、流体物質が側面から流れ出てしまい、一定の厚さ(深さ)が維持できなくなる。
【0027】
ここで、タイヤモデル201が後述するように転動して路面モデル202を移動するときの移動方向における流体解析領域203の長さは、タイヤモデル201が路面モデル202に接地して路面モデル202と接触する前記移動方向の最大接触長さの0.5倍〜4倍とするのが好ましい。流体解析領域203が0.5倍より小さいと、タイヤが路面上の水を排除しながら移動する排水性を再現することができず、4倍より大きいと流体解析領域203の規模が大きくなって解析に要する処理時間の短縮が小さくなってしまうからである。この範囲の長さを流体解析領域203が有することで、移動するタイヤが水膜を通過するときのタイヤの挙動を、計算に要する処理時間を短縮しながら正確に再現することができる。
【0028】
タイヤモデル201は、タイヤ構成部材を有限個の変形可能な弾性体の要素に分割して構成された三次元有限要素モデルである。例えば、カーカス補強部材およびベルト補強部材、ビード補強材等の構成部材は、張力と曲げ剛性を持つシェル要素で、ゴム部材、例えば、トレッドゴム部材やサイドウォールゴム部材やビードフィラーゴム部材やカーカスコートゴム部材等の構成部材は、4面体、5面体、6面体固体要素などで作成される。
【0029】
静的解析部300は、モデル作成部200で作成されたリムモデルの装着されたタイヤモデル201に対して、静的解析処理、例えば、所定の内圧を充填する内圧充填処理と、路面モデル202に接地させてタイヤモデル201を接地変形させる接地処理と、を行うように構成される。
【0030】
転動処理部400は、接地処理の施されたタイヤモデル201を所定の走行速度で移動するようにタイヤモデル201を転動状態とする。ここで、タイヤモデル201を静止状態から所定の走行速度で移動するように処理を施すが、この処理方法は、特に制限されない。例えば、タイヤモデル201にタイヤ回転軸の周りに所定の回転速度および並進速度(走行速度)を与え、この回転速度、並進速度を徐々に増加させて目標とする回転速度および走行速度にする方法を用いて所望の転動状態のタイヤモデル201を作成する。あるいは、タイヤモデル201および装着された図示されないリムモデルを変形を許容しない剛体モデルに一旦変換し、この後、目標とする回転速度および並進速度(走行速度)を瞬時に入力し、この後、剛体モデルを変形可能なタイヤモデルおよびリムモデルに復元する方法を用いて所望の転動状態のタイヤモデル201を作成してもよい。この方法は、本願出願人により出願された特願2002−332168号に詳細に記載されている。
【0031】
動的解析部500は、転動処理部400で作成された動的状態のタイヤモデル201と流体解析領域203の形成された路面モデル202との境界条件を設定する境界条件設定部と、設定された境界条件に基づいて、走行速度を付与した条件下における転動状態(動的状態)のタイヤモデル201の変形計算および流体解析領域203内の流体物質の流れ計算を行うタイヤ・流体計算部と、を有して構成される。
タイヤ・路面モデル計算部において、流体解析領域203内の流体物質の計算結果あるいはタイヤモデル201の計算結果が所定の条件を満たさない場合、上記境界条件設定部へ戻り、タイヤモデル201の変形状態および流体物質の流れを新たな境界条件として設定して上記計算が繰り返される。
また、計算の際、タイヤモデル201にキャンバ角やスリップ角が付いたコーナリング状態、もしくはタイヤ回転軸に制動トルクや駆動トルクを付与したブレーキング状態を計算してもよい。
また、タイヤモデル201が流体解析領域202に所定長さ進入して、タイヤモデル201が流体解析領域202内の流体物質に与える境界条件が設定されると、流体解析領域202は、タイヤモデル201の移動に応じてタイヤ移動方向に移動するように構成される。
【0032】
物理量抽出部600は、作成された動的状態のタイヤモデル201の物理量を算出する部位である。
例えば、タイヤモデル201が路面モデル202上の流体解析領域203に進入したときの解析を行って、流体解析領域203内の流体物質がタイヤモデル201に作用する浮力、タイヤモデル201が路面モデル202から受ける踏面反力、流体解析領域203内の各領域要素に含まれる流体物質の体積含有率、流体物質の流体圧力、流速、流量、エネルギー密度、またはエネルギーの各種分布、また、タイヤモデル201の路面モデル202と接触する接地形状、接地面積または接地圧分布等を物理量として算出する。
タイヤ性能予測部700は、算出された物理量に基づいて、ウェット性能の良否を予測する部位である。
【0033】
このような本装置100がコンピュータによって構成される場合、以下のプログラムが実行されて各部位が機能する。すなわち、路面を再現した路面モデル202と、この路面モデル202上を移動するタイヤモデル201と、路面モデル202上の一部の空間領域をメッシュ分割して作成された複数の領域要素を有し、この空間領域に所定の流体物質を充填した流体解析領域203と、をCPU110に作成させるモデル作成手順と、タイヤモデル201が流体解析領域203に進入することによりタイヤモデル201が流体解析領域203内の流体物質に与える境界条件を設定し、この境界条件に基づいて流体解析領域203における流体物質の流れをCPU110に計算させ、計算結果をメモリ120に記憶させる流体計算手順と、タイヤモデル201の移動に応じて流体解析領域203の移動をCPU110に行わせる解析領域移動手順と、タイヤモデル201が流体解析領域203に進入することにより流体解析領域203内の流体物質がタイヤモデル201に与える境界条件を設定し、この境界条件に基づいてタイヤモデル201の変形をCPU110に計算させ、計算結果をメモリ120に記憶させる変形計算手順と、を有し、前記流体計算手順、前記解析領域移動手順、および前記変形計算手順を、タイヤモデル201あるいは流体解析領域203内の流体物質の計算結果が所定の条件を満たすまで繰返し行わせる。
【0034】
このような本装置100は、図4に示すフローに沿って動的状態のタイヤモデルを作成してウェット性能の予測を行うことができる。
図4は本発明のタイヤのシミュレーションおよびタイヤ性能予測方法の流れの一例を示すフローチャートである。
まず、本装置100に、操作者から図示されない操作系によって、モデル作成条件および転動条件が入力される。
モデル作成条件とは、トレッドパターン付きのタイヤモデル201、路面モデル202および流体解析領域203をどのように構成するか、モデルの形状、メッシュ分割数、あるいは、有限要素モデルの場合、有限要素の配置や有限要素の剛性パラメータ等を設定するための条件である。
一方、転動条件とは、図示されないリムモデルの装着されたタイヤモデル201の動的状態を定める、並進速度(走行速度)、回転速度、およびタイヤモデル201に負荷される荷重、さらには路面モデル202による摩擦係数等のタイヤモデル201の運動や接地に関する条件である。
【0035】
まず、モデル作成部200では、トレッドパターン付きのタイヤモデル201が作成される(ステップS201)。
タイヤモデル201の作成は、例えば、タイヤのトレッドパターン部分のないタイヤケーシング部分をモデル化したタイヤ基台モデルおよびトレッドパターン部分を再現したトレッドパターンモデルを作成し、このトレッドパターンモデルをタイヤ基台モデルへマージすることで、タイヤモデル201の作成が行われる。あるいは、モデル作成条件により直接トレッドパターンを有するタイヤモデル201が作成されてもよい。また、別途、図示されないリムモデルが作成され、先に作成されたタイヤモデル201にリムモデルをマージしてリムモデルの装着されたタイヤモデル201が作成される。
一方、別途、路面モデル202が作成される他、流体モデルとなる流体解析領域203が作成される(ステップS202)。
【0036】
リムモデルは、変形可能な弾性体の有限要素モデルであってもよいし、一部分が剛体となっており、他の部分が弾性体となって構成されたモデルであってもよいし、全体が剛体となったモデルであってもよい。路面モデル202は、変形を許容しない剛体モデルであってもよいし、変形可能な弾性体モデルであってもよい。
以上がモデル作成の流れである。
【0037】
次に、静的解析部300で静的解析が行われる(ステップS301)。
リムモデルの装着されたタイヤモデル201に対して内圧充填処理が行われる。内圧充填処理は、タイヤ内表面に相当するタイヤモデル201の空洞領域内面に一様な圧力を加える計算によって行われる。この処理が所定の解析時間行われたか否かが判断され、所定の解析時間が経過するまで内圧充填処理が施される。
さらに、内圧充填処理されたタイヤモデル201が路面モデル202に対して接地するように、設定された荷重に応じて接地処理が行われる。この処理が所定の解析時間行われたか否かが判断され、所定の解析時間が経過するまで接地処理が施される。なお、荷重は転動条件の1つとして与えられている。
これによってタイヤモデル201は、路面モデル202に接地して変形されたタイヤモデル201となる。接地処理の際、転動条件の1つとして設定された路面モデル202の摩擦係数を用いて接地処理を行ってもよい。
以上が静的解析の流れである。
【0038】
次に、接地処理の施されたタイヤモデル201に転動処理が行われる(ステップS401)。
転動処理は、タイヤモデル201を静止した状態から所定の走行速度で移動するようにする処理であり、この処理の方法は特に制限されない。例えば、タイヤモデル201にタイヤ回転軸の周りに所定の回転速度、並進速度(走行速度)を与え、回転速度、並進速度を徐々に増加させて目標とする回転速度および並進速度にする。あるいは、タイヤモデル201および装着された図示されないリムモデルを変形を許容しない剛体モデルに一旦変換し、この後、目標とする回転速度および並進速度(走行速度)を瞬時に入力して与え、この後、剛体モデルを変形可能なタイヤモデルおよびリムモデルに復元して所望の転動状態のタイヤモデル201を作成してもよい。
【0039】
次に、転動状態のタイヤモデル201に対して動的解析が行われる(ステップS501)。
図5は、動的解析の処理の流れを詳細に示したフローチャートである。
動的解析の計算については、流体解析領域203内の流体物質がタイヤモデル201に与える境界条件に基づいて、所定の時間の刻み幅で、逐次タイヤモデル201の変形計算が行われるとともに、タイヤモデル201が流体解析領域203内の流体物質に与える境界条件に基づいて、所定の時間の刻み幅で流体物質の流れ計算が逐次行われる。
【0040】
まず、タイヤモデル201と流体解析領域203内の流体物質との境界面が計算される(ステップS502)。
図6は、路面モデル202上を転動するタイヤモデル201が流体解析領域203に進入する直前の状態を示した図である。なお、図6における流体解析領域203には、路面モデル202の上方の空間領域を高さ方向に10分割して形成された10段の領域要素が形成されている。また、路面モデル202と接する最下段から3段目の領域要素の位置まで流体物質(図7において灰色領域)が充填されている。この状態から、タイヤモデル201が流体解析領域203に進入する。なお、流体解析領域203は、空間領域をメッシュ分割したオイラーメッシュによって路面モデル202の上に作成されたものであり、流体解析領域203内の流体物質は、密度と体積弾性率によって特徴付けられたものである。なお、流体物質は、密度と体積弾性率で特徴付けられるものの他、弾性率、粘性係数、あるいは動粘度などで特徴付けられるものであってもよい。
【0041】
図7は、タイヤモデル201が流体解析領域203に進入して、流体物質を部分的に排除した状態を模式的に説明した図である。
ここで、各領域要素に記載されている数値は、流体物質(図7中の灰色領域)が各領域要素に占有する各要素領域の体積比率を表し、1.0は、領域要素内が流体物質で完全に満たされていることを示す。
流体物質で構成された流体モデルとタイヤモデル201との境界面Aは以下のようにして計算される。
【0042】
タイヤモデル201と流体物質で構成された流体モデルとの境界面Aの計算をより具体的に説明する。
図8はタイヤモデルと流体物質との境界面の計算の流れを示すフローチャートであり、図9(a),(b)は境界面の計算を説明する説明図である。
まず、流体解析領域203の各領域要素がタイヤモデル201と交わる交点が存在する否かが判別される(ステップS600)。
交点が存在すると判別された場合、交点から境界面が求められる。具体的には、図9(a)に示されるように、タイヤモデル201の外殻を成す要素の表面Sと各領域要素の各要素辺とによって交点が存在するか求められ、少なくとも3個(図9(a)中では4個の交点P〜P)の交点が求められると、これらの交点を結ぶ線分で囲まれた境界面の位置が算出される(ステップS602)。
一方、交点が存在しないと判別された場合、領域要素がタイヤモデル201の外側に存在するか否かが判別される(ステップS604)。流体解析領域203の領域要素がタイヤモデルの内側に存在する場合、タイヤモデル201において流体物質が排除されて存在しないため、後述する流体物質の流体物理量(流速、流体圧力、体積比率等)は存在しないものとして扱われる(ステップS605)。
【0043】
ステップS600およびステップS604の判別において肯定された場合、タイヤモデル201との境界面から分離された領域要素における流体物理量の算出が行われる(ステップS606)。
流体物理量が、例えば図7に示されるような流体物質の領域要素に占める体積比率である場合、タイヤモデル201が流体解析領域203に進入することによって、図9(b)に示すように、領域要素が境界面によって分離されて図9(b)の領域Fのように小さくなり、流体物質が占める体積比率は小さくなる。また、流体物理量が、例えば流体物質の流速、流体圧力、エネルギー等の場合、境界面で分離されたタイヤモデル201の外側に位置する領域Fの、元の領域要素に対する体積比率と、境界面で分離される前の元の領域要素における流体物理量の値とを演算することで、タイヤモデル201が流体解析領域203に進入することによって規制される流体物質の流体物理量が算出される。なお、ステップS604の判別において肯定された場合、領域要素は境界面で分離されないので、流体物理量は変化しない。
ステップS600〜606の計算は、流体解析領域203の各領域要素毎に行われる。
【0044】
このようにして、タイヤモデル201と流体解析領域203内の流体物質との境界面が計算され、流体物理量が計算される。この計算は、上述したように流体解析領域203の各領域要素毎に調べられる。本発明においては、後述するように、流体解析領域203は、タイヤモデル201の移動に応じて移動するので、従来方法のようにタイヤモデル201の移動方向に長い流体解析領域を作成する必要がなく、流体解析領域の領域要素の要素数を従来の方法で用いる流体解析領域の要素数に比べて数分の1に小さくすることができる。したがって、各領域要素毎に行われる境界面の計算および流体物理量の計算に要する処理時間は従来の方法に比べて短縮される。
【0045】
次に、流体解析領域203内の流体物質からタイヤモデル201へ作用する力が境界条件として設定され(ステップS503)、これに基づいて転動するタイヤモデル201の変形計算が行われ、タイヤモデル201の変位や応力が算出される(ステップS504)。
ここで、境界条件の設定は、例えば、境界面に作用する流体物質の流体圧力が境界面を形成する領域要素の頂点に力として集約され、頂点に集約された力がタイヤモデル201の対応する節点に付与されるようタイヤモデル201の境界条件が算出される。
【0046】
一方、タイヤモデル201が流体解析領域203に進入することにより流体物質によって変形を受けたタイヤモデル201の変形形状とタイヤモデル201の転動に伴う速度成分とから流体物質への境界条件として設定される(ステップS505)。
すなわち、タイヤモデル201と流体物質との境界面は、ステップS502において設定されているので、この境界面を幾何学境界条件として、タイヤモデル201の転動に伴う速度成分によって生じる流体物質の流体解析空間203内での体積変化量が設定される。さらに、流体解析領域203の領域要素のうち、流体解析領域203の前端に位置し、前端面が流体物質と接する少なくとも前端の領域要素には、流体物質がタイヤモデル201の移動方向に流速を有するように流体物質の流れを拘束する拘束条件が付与され、さらに、流体解析領域203の境界面のうち、流体解析領域203の側面および下面には、流体物質の流出および流入を禁止する境界条件が付与される。
これに基づいて、流体物質の流れ計算が行われ、流体解析領域203における流体物質の流体圧力、流速および体積含有率等が計算される(ステップS506)。
【0047】
次に、タイヤモデル201の移動に追従するように流体解析領域203の移動が行われる(ステップS507)。この場合、流体解析領域203の境界面のうち、タイヤモデル201の移動方向の前端面には流体物質の流入のみを許容する境界条件を、流体解析領域203の後端面には流体物質の流出のみを許容する境界条件が付与される。
タイヤモデル201の移動方向における流体解析領域203の長さは短く作成されることから、流体解析領域203をタイヤモデル201の移動に追従させて十分に定常状態となった安定したタイヤモデル201の挙動を求めるために、タイヤモデル201の移動に追従するように流体解析領域203の移動が行われる。
すなわち、流体解析領域203は、タイヤモデル201の走行速度と動的解析を行う所定の解析時間の刻み幅との積で定まる距離分、タイヤモデル201の移動方向に移動する。これにより、常に、タイヤモデル201が流体解析領域203内に位置するように設定される。
なお、流体解析領域203の移動は、タイヤモデル201が流体解析領域203内に所定長さ進入した時点、または、タイヤモデル201と路面モデル202とで挟まれた空間に流体解析領域203内の流体物質が満たされた時点から開始するとよい。
【0048】
次に、流体解析領域203内の流体物質の物理量(流体物理量)のマッピング処理が行われる(ステップS508)。
マッピング処理は、動的解析を行う際の解析時間の刻み幅によって移動した流体解析領域203の移動先の流体物質の流体物理量(体積含有率、流体圧力、流速)を設定するために行われる。
【0049】
図10(a),(b)は、移動前の流体解析領域201内の1つの領域要素Eおよび移動後の領域要素E’に注目してマッピング処理を模式的に説明した説明図である。
このマッピング処理は、移動後の流体解析領域203の各領域要素と移動前の流体解析領域203の領域要素とが重なる重複部分の有する要素体積の、移動後の流体解析領域203の領域要素の体積に占める比率を重み付け係数として、移動前の流動解析領域203の領域要素における流体物理量を加重平均し、この加重平均値を移動後の流体解析領域203の各領域要素における流体物理量とする。
【0050】
図10(a)に示すように、体積Vおよび流体物理量Pを有する領域要素Eおよび隣接する体積Vおよび流体物理量Pを有する領域要素Eが移動して、図10(b)に示す位置に移動したとき、注目する移動後の領域要素E’は、移動前の領域要素Eと領域要素Eに跨がっている。この場合、領域要素E’の有する流体物理量P’は、移動後の領域要素E’と移動前の領域要素E,Eとの重なる重複部分の要素体積の比率(移動後の領域要素E’に占める重複部分の要素体積の比率)を重み付け係数として、移動前の領域要素E,Eの流体物理量P,Pを加重平均し、この加重平均値を移動後の領域要素E’における流体物理量P’とする。
すなわち、領域要素E,Eが領域要素E’内に占める要素体積の比率をα,α(α+α=1)とすると、下記式(1)によって、流体物理量P’は求められる。
’ = α・P+α・P (1)
【0051】
図10(a),(b)に示す例は、移動後の領域要素が移動前の2つの領域要素に跨がるものであるが、本発明においては、流体解析領域203のメッシュ分割によっては、複数(n個)の領域要素に跨がる場合もある。この場合、上記式(1)は、下記式(2)のように表すことができる。αは、物理量Pを有する移動前の領域要素Eが移動後の領域要素E’に占める体積比率である。
’ = α・P+α・P+・・・・+α・P (2)
但し、 α+α+・・・・+α=1
このようなマッピング処理をすることで、移動後の流体解析領域203の流体物理量を用いて、解析時間の刻み幅1つ分進んだタイヤモデル201の変形計算と流体物質の流れの計算とを行うことができる。
なお、上記マッピング処理は、必ずしも、重複部分の要素体積の比率を重み付け係数として加重平均する処理に限られず、例えば、要素体積に替えて重複部分の表面積の比率、重複部分における流体物質の質量の比率、流体物質の流速の比率等の領域要素における重複部分の有する要素変数を用いてもよい。また、マッピング処理は加重平均による処理に限られない。少なくとも、移動後の流体解析領域203の各領域要素における流体物理量を、移動前の流体解析領域203の各領域要素における流体物理量を含む要素変数を用いて算出する処理であればよい。
【0052】
次に、動的解析の計算結果が所定の条件を満たすか否かが判別される(ステップS509)。ここで、条件とは、計算終了後の流体物質の流体物理量あるいはタイヤモデル201に作用する計算終了後の物理量が、例えば予め設定された条件を満たすか否かであってもよいし、予め定められた解析時間を経過したか否かであってもよい。
判別において否定されると、解析時間が時間刻み幅1つ分進み、再度ステップS502に戻り、ステップS502〜S508が行われる。こうして流体物質の流体物理量あるいはタイヤモデル201に作用する物理量が所定の条件を満たすまで、ステップS502〜S508が繰返し行われる。
その際、ステップS504の計算結果、すなわち、タイヤモデル201の変形計算結果と、ステップS508で求められた移動後の流体解析領域203における流体物理量とを用いて、解析時間の刻み幅1つ分進んだ解析時間におけるステップS502の境界面が設定される。さらに、ステップS508で求められた流体物理量を用いて、解析時間の刻み幅1つ分進んだ解析時間におけるタイヤモデル201に与えられる境界条件が設定される。さらに、ステップS504で求められたタイヤモデル201の変形計算結果を用いて、解析時間の刻み幅1つ分進んだ解析時間における流体物質へ与えられる境界条件が設定される。このようにして、タイヤモデル201と流体解析領域203内の流体物質との干渉が計算される。
【0053】
ステップS504およびステップS508では、繰返し計算される度に、タイヤモデル201の物理量および流体物質の流体物理量が算出され、メモリ120に記憶、保持される。
タイヤモデル201の物理量として、例えば、タイヤモデル201のタイヤ回転軸に作用する浮力、路面モデル202がタイヤモデル201のタイヤ回転軸に作用する路面反力、タイヤモデル201と路面モデル202の間に生じる摩擦力、タイヤモデル201の接地形状、接地面積または接地圧分布等が算出される。一方、流体物質の流体物理量として、流体物質の体積比率率、流体圧力、および流速の分布の他に、流体物質の流量、エネルギー密度、またはエネルギー等の各種分布が算出される。
動的解析(ステップS501)は、以上のように行われる。
【0054】
なお、流体解析領域203をタイヤモデル201の移動に追従させて移動させることで、流体解析領域203のタイヤモデル203の移動方向における長さを従来方法に比べて短くすることができる。
図11(a)〜(c)は、走行速度Vでタイヤモデル201が流体解析領域203に進入する状態を模式的に表した図である。
本発明の方法では、タイヤモデル201と路面モデル202との接触部分の周辺の、タイヤモデル201の挙動に極めて大きな影響を与える範囲Xに流体解析領域203を設け、この流体解析領域203をタイヤモデル201の移動に追従させて移動させるため、流体解析領域203の長さを短くしても、解析結果の精度は低下しない。しかも、流体解析領域203の領域要素の要素数を少なくできるため、ステップS502で行う境界面の計算処理が短時間で済むといった利点を有する。
この場合、タイヤモデル201の移動方向における流体解析領域203の長さは、短いのが好ましいが、短すぎると、解析結果の精度が低下する。タイヤモデル201が路面モデル202に接地して路面モデル202と接触するタイヤモデル201の最大接触長さの0.5倍〜4倍とするのが好ましい。流体解析領域203が0.5倍より小さいと、タイヤが路面上の水を排除しながら移動する排水性を再現することができず、4倍より大きいと流体解析領域203の規模が大きくなって解析に要する処理時間の短縮が小さくなってしまうからである。この範囲の長さを流体解析領域203が有することで、従来の方法同様に、移動するタイヤが水膜を通過するときのタイヤの挙動を、計算処理時間を短縮しながら正確に再現することができるからである。
【0055】
一方、 図12(a)〜(c)に示す従来の方法では、タイヤモデル201の挙動に極めて小さな影響しか与えない、タイヤモデル201から遠くに離れた範囲Yにも流体解析領域が設けられるので、この範囲Yの領域要素における境界面の計算処理も行われることとなり、計算処理に膨大な時間がかかる。
【0056】
動的解析の終了後、動的解析の結果である各解析時間の刻み幅毎のタイヤモデル201の物理量および流体物質の流体物理量が記憶、保持されたメモリ120から呼び出されて、時系列データで表された物理量として抽出される(ステップS601)。
図13は、抽出された物理量の一例を表した図である。図13に表した物理量は、タイヤモデル201が路面モデル202から受ける、タイヤ回転軸に作用する路面反力である。
図13に示す路面反力は、乗用車用タイヤをモデル化したタイヤモデル201を荷重4(kN)で路面モデル202に接地させ、走行速度100(km/時)で厚さ3mmの流体物質が形成された流体解析領域203に進入させたときの路面反力である。タイヤモデル201が流体解析領域203に進入した直後(解析時間0.2秒の直後)、路面反力は大きく変動するが、0.08秒後(解析時間0.208秒の時点)には路面反力は略2(kN)に漸近し定常状態となっている。つまり、タイヤモデル201が略2(kN)の浮力を路面モデル202から受けていることがわかる。このような物理量の抽出結果は、図14に示す従来のタイヤ性能予測方法で得られる路面反力と一致する。
【0057】
最後に、抽出された物理量を用いてタイヤ性能の予測が行われる(ステップS701)。
例えば、図13に示す物理量が抽出された場合、定常状態の路面反力の大きさ、この場合略2(kN)であるが、この路面反力を、予め定められた値と比較することによりハイドロプレーニングの優劣を予測することができる。
また、タイヤリムモデル201のタイヤ回転軸に作用する浮力、タイヤリムモデル201の接地形状、接地面積または接地圧分布や、流体物質の体積含有率、流体物質の流体圧力、流速、流量、エネルギー密度、またはエネルギー等の各種分布を物理量として抽出してタイヤ性能を予測することもできる。
【0058】
以上のタイヤシミュレーション方法を用いて、タイヤ性能の予測を行った場合、以下のように計算処理速度が向上する。
下記表1には、図13に示す物理量を抽出した際に用いた、本発明の方法によるタイヤモデルの要素数、流体解析領域の領域要素数および計算処理速度と、図14に示す従来の方法で同様の処理を行ったときのタイヤモデルの要素数、流体解析領域の領域要素数および計算処理速度と、を示している。計算処理速度は指数で表されており、指数が高いほど計算処理速度が速いことを意味する。
本発明による方法および従来の方法で用いたタイヤモデルは同じ有限要素モデルであり、流体解析領域の領域要素数のみが異なっている。計算処理速度は、本発明による方法が従来の方法に比べて65%向上することがわかる。従来の方法では数十時間〜数百時間の計算処理時間を要するが、本発明による方法では65%の計算処理速度の向上により、計算処理時間が、数時間〜数十時間程度(1日程度)短縮する。
【0059】
【表1】
Figure 2004338660
【0060】
以上のようなタイヤ性能の予測方法は、例えば、タイヤモデル201を構成するトレッドパターンを備えていないタイヤ基台モデルおよびトレッドパターンモデルが予め種々用意しておき、この用意されたモデルの中から、タイヤ性能の予測結果が最も良好なタイヤ基台モデルおよびトレッドパターンモデルの組み合わせを効率よく選択する際に有効に用いることができる。また、遺伝的アルゴリズムなどの最適化手法を用いてタイヤ基台モデルおよびトレッドやパターンモデルを逐次修正しながら、最適なタイヤモデルを効率よく求める際に有効に用いることができる。こうして選択された、あるいは見出されたタイヤモデルを実現するタイヤを設計し、このタイヤを製造するタイヤ製造用金型を設計し、このタイヤ製造用金型を用いて設計したタイヤを製造することができる。
本発明はこのようなタイヤ製造方法およびこの製造方法を用いて製造されたタイヤを提供する。
【0061】
なお、上記実施形態では、タイヤモデルが直進する場合を説明したが、本発明では、路面モデル上を移動するタイヤモデルが旋回運動するものであってもよい。この場合、流体解析領域は、タイヤモデルの旋回する方向に追従して路面モデル上は2次元的に移動するとよい。さらに、本発明では、タイヤモデルの走行速度が加速度を持って加速、減速するものであってもよい。
また、上記実施形態では、タイヤが路面に設けられた水膜上を通過するタイヤのシミュレーション方法およびタイヤ性能予測方法を中心に説明したが、本発明における流体物質は水膜を構成する水に限らず、液体または気体であってもよい。例えば、移動するタイヤ周りの空気の流れをシミュレーションしてタイヤ性能を予測するものであってもよい。
【0062】
以上、本発明のタイヤのシミュレーション方法、タイヤ性能予測方法、タイヤ製造方法、タイヤおよびプログラムについて詳細に説明したが、本発明は上記実施例に限定はされず、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、各種の改良および変更を行ってもよいのはもちろんである。
【0063】
【発明の効果】
以上、詳細に説明したように、本発明は、タイヤモデルを用いて路面を移動するタイヤの挙動を再現する際、路面モデル上の一部の空間領域をメッシュ分割した複数の領域要素を有し、この空間領域に流体物質を充填した流体解析領域を、タイヤモデルの移動に応じて移動させるので、流体解析領域の長さを短くして領域要素数を減少させることができ、流体物質とタイヤモデルの干渉を計算する動的解析の計算処理時間を短縮することができる。これにより、実用的なタイヤ性能の予測を可能にする。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のタイヤのシミュレーション方法およびタイヤ性能予測方法を行うタイヤ性能予測装置の概略の構成を示した概略構成図である。
【図2】本発明のタイヤのシミュレーション方法およびタイヤ性能予測方法で作成される各種モデルの一例を示す斜視図である。
【図3】(a)〜(c)は、本発明のタイヤのシミュレーション方法およびタイヤ性能予測方法で用いられる流体物質の配置を説明する図である。
【図4】本発明のタイヤのシミュレーションおよびタイヤ性能予測方法の流れの一例を示すフローチャートである。
【図5】本発明のタイヤのシミュレーションおよびタイヤ性能予測方法において行われる動的解析の処理の流れを示すフローチャートである。
【図6】本発明のタイヤのシミュレーションおよびタイヤ性能予測方法において行われる、タイヤモデルが流体解析領域に進入する直前の状態を示す図である。
【図7】タイヤモデルが流体解析領域に進入して、流体物質を部分的に排除した状態を模式的に説明する図である。
【図8】タイヤモデルと流体物質との境界面の計算の流れを示すフローチャートである。
【図9】(a),(b)は境界面の計算を説明する説明図である。
【図10】(a)および(b)は、本発明のタイヤのシミュレーションおよびタイヤ性能予測方法において行われるマッピング処理を模式的に説明する説明図である。
【図11】(a)〜(c)は、本発明のタイヤのシミュレーションおよびタイヤ性能予測方法で設定された流体解析領域にタイヤモデルが進入する状態を模式的に表す図である。
【図12】(a)〜(c)は、従来のタイヤ性能予測方法で設定された流体解析領域にタイヤモデルが進入する状態を模式的に表す図である。
【図13】本発明のタイヤ性能予測方法で抽出された物理量の一例を表す図である。
【図14】従来のタイヤ性能予測方法で作成されるタイヤモデルおよび流体モデルの一例を示す斜視図である。
【符号の説明】
100 タイヤ性能予測装置
110 CPU
120 メモリ
200 モデル作成部
201 タイヤモデル
202 路面モデル
203 流体解析領域
300 静的解析部
400 転動処理部
500 動的解析部
600 物理量抽出部
700 タイヤ性能予測部

Claims (15)

  1. 路面上を走行するタイヤの挙動を再現するタイヤのシミュレーション方法であって、
    路面を再現した路面モデルと、この路面モデル上を移動するタイヤモデルと、前記路面モデル上の一部の空間領域をメッシュ分割して得られた複数の領域要素を有し、前記空間領域に所定の流体物質を充填した流体解析領域と、を作成するモデル作成ステップと、
    前記タイヤモデルが前記流体解析領域に進入することにより前記タイヤモデルが前記流体解析領域内の前記流体物質に与える境界条件を設定し、この境界条件に基づいて前記流体解析領域における流体物質の流れを計算する流体計算ステップと、
    前記タイヤモデルの移動に応じて前記流体解析領域の移動を行う解析領域移動ステップと、
    前記タイヤモデルが前記流体解析領域に進入することにより前記流体解析領域内の前記流体物質の流れが前記タイヤモデルに与える境界条件を設定し、この境界条件に基づいて前記タイヤモデルの変形を計算する変形計算ステップと、
    前記流体計算ステップ、前記解析領域移動ステップ、および前記変形計算ステップを繰返し行う繰返しステップと、を有することを特徴とするタイヤのシミュレーション方法。
  2. 前記繰返しステップにおいて、前記流体計算ステップで得られた前記流体物質の物理量に基づいて、次回の前記変形計算ステップにおける前記境界条件が設定され、前記変形計算ステップで得られた前記タイヤモデルの変形に基づいて、次回の前記流体計算ステップにおける前記境界条件が設定される請求項1に記載のタイヤのシミュレーション方法。
  3. 前記解析領域移動ステップにおいて、移動後の流体解析領域の各領域要素における前記流体物質の物理量が、移動前の流体解析領域の各領域要素における前記流体物質の物理量をマッピング処理することによって生成される請求項1または2に記載のタイヤのシミュレーション方法。
  4. 前記マッピング処理は、移動後の流体解析領域の領域要素と移動前の流体解析領域の領域要素とが重なる重複部分の有する要素変数を重み付け係数として、移動前の流体解析領域の各領域要素における物理量を加重平均する処理である請求項3に記載のタイヤのシミュレーション方法。
  5. 前記要素変数は、移動前の流体解析領域の領域要素と重なる移動後の流体解析領域の領域要素に占める、前記重複部分の要素体積の比率である請求項4に記載のタイヤのシミュレーション方法。
  6. 前記流体物質の物理量は、前記流体物質の流体圧力、前記流体物質の流速および前記領域要素に含まれる前記流体物質の体積含有率のうち少なくとも1つを含む請求項3〜5のいずれか1項に記載のタイヤのシミュレーション方法。
  7. 前記流体計算ステップおよび前記解析領域移動ステップにおいて、前記流体物質に重力加速度を作用させて前記流体物質の流れを計算する請求項1〜6のいずれか1項に記載のタイヤのシミュレーション方法。
  8. 前記解析領域移動ステップにおいて、前記流体解析領域の境界面のうち、前記タイヤモデルの移動方向の前端面には前記流体物質の流入のみを許容する境界条件を、前記流体解析領域の後端面には前記流体物質の流出のみを許容する境界条件を付与するとともに、
    前記流体計算ステップにおいて、前記領域要素のうち、前記流体解析領域の前端に位置し、前記前端面が前記流体物質と接する少なくとも前端の領域要素には前記流体物質が前記タイヤモデルの移動方向に流速を有するように前記流体物質の流れを拘束する拘束条件を付与する請求項1〜7のいずれか1項に記載のタイヤのシミュレーション方法。
  9. さらに、前記流体解析領域の境界面のうち、前記流体解析領域の側面および下面に、前記流体物質の流出および流入を禁止する境界条件を付与する請求項8に記載のタイヤのシミュレーション方法。
  10. 前記タイヤモデルの移動方向における前記流体解析領域の長さは、前記タイヤモデルが前記流体解析領域のない前記路面モデルの部分と接触するときの、前記タイヤモデルの前記移動方向における最大接触長さの0.5倍以上4倍以下である請求項1〜9のいずれか1項に記載のタイヤのシミュレーション方法。
  11. 前記タイヤモデルは、タイヤ構成部材を有限個の要素に分割して作成された有限要素モデルである請求項1〜10のいずれか1項に記載のタイヤのシミュレーション方法。
  12. 請求項1〜11のいずれか1項に記載のタイヤのシミュレーション方法を行って、前記タイヤモデルに作用する物理量および前記流体物質の物理量の少なくとも一方を算出するステップと、
    算出された物理量に基づいてタイヤ性能を予測するステップと、を有することを特徴とするタイヤ性能予測方法。
  13. 請求項12に記載のタイヤ性能予測方法を用いて設計されたタイヤを製造することを特徴とするタイヤ製造方法。
  14. 請求項13に記載のタイヤ製造方法を用いて製造されたことを特徴とするタイヤ。
  15. 路面上を走行するタイヤの挙動を再現するタイヤのシミュレーション方法をコンピュータに実行させる、コンピュータが実効可能なプログラムであって、
    路面を再現した路面モデルと、この路面モデル上を移動するタイヤモデルと、前記路面モデル上の一部の空間領域をメッシュ分割して作成された複数の領域要素を有し、前記空間領域に所定の流体物質を充填した流体解析領域と、を前記コンピュータの演算手段に作成させるモデル作成手順と、
    前記タイヤモデルが前記流体解析領域に進入することにより前記タイヤモデルが前記流体解析領域内の前記流体物質に与える境界条件を設定し、この境界条件に基づいて前記流体解析領域における流体物質の流れを前記演算手段に計算させる流体計算手順と、
    前記タイヤモデルの移動に応じて前記流体解析領域の移動を前記演算手段に行わせる解析領域移動手順と、
    前記タイヤモデルが前記流体解析領域に進入することにより前記流体解析領域内の前記流体物質の流れが前記タイヤモデルに与える境界条件を設定し、この境界条件に基づいて前記タイヤモデルの変形を前記演算手段に計算させる変形計算手順と、を有し、
    前記流体計算手順、前記解析領域移動手順、および前記変形計算手順を繰返し行わせることを特徴とするプログラム。
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