JP2004325762A - 画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】画像形成部12Bk、12Y、12M、12Cと、該画像形成部12Bk、12Y、12M、12Cに接触させて走行自在に配設されたベルトと、該ベルトによって搬送される記録媒体21に、前記画像形成部12Bk、12Y、12M、12Cから転写された可視像を定着させる定着部と、温度検出部による検出温度に基づいて、定着部における加熱の制御を行い、前記像担持体の温度を低くする冷却処理手段とを有する。温度検出部による検出温度に基づいて、定着部における加熱の制御を行い、前記像担持体の温度を低くするので、画像形成装置の内部の温度が高くなるのを抑制することができる。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、画像形成装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、画像形成装置、例えば、カラーのプリンタ、複写機、ファクシミリ装置等においては、ブラック、イエロー、マゼンタ及びシアンの各色の印刷機構を備え、該各印刷機構は、IDユニットを構成し、各色のトナー像を形成する画像形成部、該各画像形成部によって形成された各色のトナー像を記録媒体に順次重ねて転写する転写部材等を備える。前記各画像形成部においては、画像形成部の本体に対してトナーカートリッジが着脱自在に配設され、各色のトナーは、各トナーカートリッジの下部に形成された供給口から画像形成部に供給される。
【0003】
そして、記録媒体は、用紙収容カセットから1枚ずつ給紙され、搬送ベルトに静電気力によって吸引させられて搬送され、前述されたように各色のトナー像が順次重ねて転写され、カラーのトナー像が形成されると、前記搬送ベルトから分離させられて定着器に送られ、該定着器によって前記カラーのトナー像が定着させられ、カラー画像が形成される(例えば、特許文献1参照。)。
【0004】
【特許文献1】
特開2000−19807号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記従来の画像形成装置においては、環境に変化が生じたり、連続して行われる印刷の枚数、すなわち、連続印刷枚数が多くなったりして画像形成装置の内部の温度が高くなると、画像品位が低下してしまう。
【0006】
すなわち、トナーは、温度が極度に高くなると、各画像形成部内における流動性が低下し、現像部の現像ローラによるトナーの搬送能力が低下してしまう。その結果、トナーは、現像部内で攪拌(かくはん)され続けて凝集し、微妙な色合いが要求される中間調濃度の再現性が低下し、ガンマ特性が立ったり、連続階調変化の滑らかさが無くなったりしてしまう。
【0007】
また、トナーは、高温高湿の環境条件下において帯電量が多くなり、帯電量の多いトナーを使用して画像を形成すると、記録媒体上の非画像形成領域にトナーが付着して地かぶりが形成されてしまう。そして、トナーは、温度が高くなるのに伴って軟化し、凝固気味になり、凝固気味になったトナーが帯電ローラ、感光体ドラム等に付着すると、感光体ドラムの表面の電位、すなわち、表面電位が低下し、地かぶりが形成されてしまう。
【0008】
本発明は、前記従来の画像形成装置の問題点を解決して、内部の温度が高くなるのを抑制することができ、画像品位を向上させることができる画像形成装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
そのために、本発明の画像形成装置においては、帯電させられた像担持体上に静電潜像を形成し、該静電潜像に現像剤を付着させて可視像を形成する画像形成部と、該画像形成部に接触させて走行自在に配設されたベルトと、該ベルトによって搬送される記録媒体に、前記画像形成部から転写された可視像を定着させる定着部と、温度検出部による検出温度に基づいて、定着部における加熱の制御を行い、前記像担持体の温度を低くする冷却処理手段とを有する。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。なお、この場合、画像形成装置としてプリンタを使用し、該プリンタによってカラー画像を形成し、印刷を行う例について説明するが、本発明を複写機、ファクシミリ装置等に適用することもできる。
【0011】
図1は本発明の第1の実施の形態におけるプリンタの概略図、図2は本発明の第1の実施の形態におけるプリンタの制御装置を示す第1のブロック図、図3は本発明の第1の実施の形態におけるプリンタの制御装置を示す第2のブロック図である。
【0012】
図において、プリンタには、第1〜第4の印刷機構P1〜P4が用紙、OHPシート等の記録媒体21の搬送方向に沿って順にタンデム型に配設され、前記第1〜第4の印刷機構P1〜P4は、いずれも電子写真方式のLEDプリント機構から成る。なお、第1〜第4の印刷機構P1〜P4によって第1〜第4の画像形成機構が構成される。
【0013】
前記第1の印刷機構P1は、ブラックのIDユニットとしての画像形成部12Bk、画像データに従って像担持体としての感光体ドラム16Bkの表面を露光するLEDヘッド13Bk、及び前記画像形成部12Bkによって形成されたブラックの可視像としてのトナー像を記録媒体21に転写する転写部材としての転写ローラ14Bkから成る。
【0014】
また、前記第2の印刷機構P2は、イエローのIDユニットとしての画像形成部12Y、画像データに従って像担持体としての感光体ドラム16Yの表面を露光するLEDヘッド13Y、及び前記画像形成部12Yによって形成されたイエローの可視像としてのトナー像を記録媒体21に転写する転写部材としての転写ローラ14Yから成る。
【0015】
そして、前記第3の印刷機構P3は、マゼンタのIDユニットとしての画像形成部12M、画像データに従って像担持体としての感光体ドラム16Mの表面を露光するLEDヘッド13M、及び前記画像形成部12Mによって形成されたマゼンタの可視像としてのトナー像を記録媒体21に転写する転写部材としての転写ローラ14Mから成る。
【0016】
さらに、前記第4の印刷機構P4は、シアンのIDユニットとしての画像形成部12C、画像データに従って像担持体としての感光体ドラム16Cの表面を露光するLEDヘッド13C、及び前記画像形成部12Cによって形成されたシアンの可視像としてのトナー像を記録媒体21に転写する転写部材としての転写ローラ14Cから成る。
【0017】
前記各画像形成部12Bk、12Y、12M、12Cは、いずれも同じ構造を有し、矢印方向に回転させられる感光体ドラム16Bk、16Y、16M、16C、該感光体ドラム16Bk、16Y、16M、16Cの表面を一様に、かつ、均一に帯電させる帯電ローラ17Bk、17Y、17M、17C、及び現像部18Bk、18Y、18M、18Cから成る。そして、該現像部18Bk、18Y、18M、18Cは現像ローラ19Bk、19Y、19M、19Cを有し、該現像ローラ19Bk、19Y、19M、19Cは、半導電性ゴム材から成り、現像ブレード55及びスポンジローラ56が圧接させられる。また、画像形成部12Bk、12Y、12M、12Cには、非磁性1成分の各色の現像剤としてのトナーを収容するトナーカートリッジ57が一体に、又は画像形成部12Bk、12Y、12M、12Cの本体に対して着脱自在に配設され、各色のトナーは、トナーカートリッジ57から前記現像部18Bk、18Y、18M、18Cに供給される。
【0018】
そして、クリーニングブレード95は、各感光体ドラム16Bk、16Y、16M、16Cに圧接させて配設され、転写後に感光体ドラム16Bk、16Y、16M、16Cの表面に残留したトナーを削り落とす。そして、削り落とされたトナーは、スパイラルスクリュー58によって図示されない廃トナーボックスに蓄えられる。
【0019】
次に、現像部18Bk、18Y、18M、18Cの機能について説明する。
【0020】
前記各トナーカートリッジ57から供給されたトナーは、スポンジローラ56を介して現像ローラ19Bk、19Y、19M、19Cに送られ、前記現像ブレード55によって現像ローラ19Bk、19Y、19M、19Cの表面において薄層化され、感光体ドラム16Bk、16Y、16M、16Cとの接触面に達する。そして、トナーは、薄層化されるときに現像ローラ19Bk、19Y、19M、19C及び現像ブレード55によって強く擦(こす)られて帯電させられる。本実施の形態において、トナーは負の極性に帯電させられ、反転現像が行われる。
【0021】
次に、前記LEDヘッド13Bk、13Y、13M、13Cについて説明する。
【0022】
該LEDヘッド13Bk、13Y、13M、13Cは、図示されないLEDアレイ、該LEDアレイを駆動する図示されないドライブIC、該ドライブICを搭載する図示されない基板、前記LEDアレイの光を集光する図示されないロッドレンズアレイ等から成り、画像データに従ってLEDアレイのLED素子を選択的に発光させ、感光体ドラム16Bk、16Y、16M、16Cの表面に静電潜像を形成する。そして、該静電潜像に現像ローラ19Bk、19Y、19M、19C上のトナーが静電気力によって付着させられ、トナー像が形成される。
【0023】
また、前記各画像形成部12Bk、12Y、12M、12Cに接触させて、エンドレスのベルトとしての搬送ベルト20が走行自在に配設され、該搬送ベルト20は、前記各感光体ドラム16Bk、16Y、16M、16Cと転写ローラ14Bk、14Y、14M、14Cとの間の各転写部を走行させられる。
【0024】
前記搬送ベルト20は、高抵抗の半導電性プラスチックフィルムから成り、駆動ローラ31、従動ローラ32及び図示されない張設ローラ間に張設され、搬送ベルト20の抵抗値は、記録媒体21が搬送ベルト20の静電気力によって吸引され、かつ、記録媒体21が搬送ベルト20から分離させられたときに、搬送ベルト20に残存する静電気が自然に除電されるような範囲に設定される。
【0025】
そして、前記駆動ローラ31は、ベルト走行用の駆動手段としてのモータ74に連結され、該モータ74によって矢印f方向に回転させられ、搬送ベルト20を走行させる。
【0026】
該搬送ベルト20の上半部は、第1〜第4の印刷機構P1〜P4の転写部を通して張設され、搬送ベルト20の下半部にクリーニングブレード34の先端が当接させられる。前記クリーニングブレード34は、可撓(とう)性のゴム材又はプラスチック材から成り、搬送ベルト20の表面に残留したトナーを廃トナータンク35に削り落とす。
【0027】
そして、プリンタの右下側には給紙機構36が配設される。該給紙機構36は、用紙収容カセット、ホッピング機構及びレジストローラ45から成り、前記用紙収容カセットは、記録媒体収容箱37、押上板38及び押圧部材39を備える。また、前記ホッピング機構は、弁別部材40、ばね41及び給紙ローラ42を備え、前記弁別手段40はばね41によって給紙ローラ42に圧接される。
【0028】
この場合、記録媒体収容箱37に収容された記録媒体21は、押上板38を介して押圧部材39によって給紙ローラ42に圧接され、図示されない給紙用のモータを駆動して給紙ローラ42を回転させると、ばね41によって給紙ローラ42に圧接された前記弁別部材40により1枚ずつ弁別されて給紙され、レジストローラ45に送られる。
【0029】
続いて、前記記録媒体21は、吸引ローラ47と搬送ベルト20との間に送られる。なお、前記吸引ローラ47は、搬送ベルト20を介して従動ローラ32に圧接されていて、給紙機構36から送られてきた記録媒体21を帯電させ、静電気力によって搬送ベルト20に吸引させる。そのために、前記吸引ローラ47は高抵抗の半導電性ゴム材から成る。そして、吸引ローラ47と画像形成部12Bkとの間には、記録媒体21の前端を検出する第1の記録媒体検出部としてのホトセンサ52が配設される。また、前記記録媒体21の搬送方向における画像形成部12Cより下流側には、記録媒体21の後端を検出する第2の記録媒体検出部としてのホトセンサ53が配設される。
【0030】
そして、記録媒体21の搬送方向における前記ホトセンサ53より下流側には、第1〜第4の印刷機構P1〜P4の各転写部において記録媒体21に転写された各色のトナー像を定着させるための定着部としての定着器48が配設される。該定着器48は、記録媒体21上のトナーを加熱する第1のローラとしてのヒートローラ49、及び該ヒートローラ49に向けて記録媒体21を押圧する第2のローラとしての加圧ローラ50を有する。
【0031】
前記ヒートローラ49は、アルミニウム等の心金の上にシリコーンゴム等の弾性体を被覆し、該弾性体の表面にオフセットを防止するためのフッ素樹脂を被覆することによって形成される。また、前記加圧ローラ50は、アルミニウム等の心金の上にシリコーンゴム等の弾性体を被覆することによって形成される。そして、前記ヒートローラ49と対向させてサーミスタ59が配設され、該サーミスタ59によってヒートローラ49の温度を検出し、検出された温度、すなわち、検出温度に従って、前記ヒートローラ49が所定の定着温度になるように、ヒートローラ49内の図示されないヒータをオン・オフ制御することができるようになっている。
【0032】
さらに、前記記録媒体21の搬送方向における定着器48より下流側には排出口51が配設され、該排出口51の外側には排出スタッカ96が配設される。カラー画像が形成され、印刷が終了した後の記録媒体21は、排出口51を介して前記排出スタッカ96に排出される。
【0033】
ところで、図2及び3において、61は、図示されないマイクロプロセッサ、ROM、RAM、入出力ポート、タイマ等を備えた制御部としての制御回路であり、該制御回路61は図示されない上位装置、例えば、ホストコンピュータからインタフェース部70を介して受信された印刷データ及び制御コマンドに基づいて、プリンタの全体の印字動作の制御を行い、カラー画像を形成する。なお、前記インタフェース部70は、前記ホストコンピュータにプリンタの状態を表す情報を送信するとともに、ホストコンピュータから受信された制御コマンドを解析し、受信された印刷データを色ごとに受信メモリ67に記録する。そして、前記インタフェース部70を介して入力された印刷データは、制御回路61によって編集され、LEDヘッド13Bk、13Y、13M、13Cに送るための各色の画像データとして画像データ編集メモリ69に記録される。
【0034】
また、54は操作部としての操作パネルであり、該操作パネル54は、プリンタの状態を表示する図示されないLED、及び操作者がプリンタへの指示を入力するための図示されないスイッチを備える。
【0035】
そして、90は、前記ホトセンサ52、53、サーミスタ59等のほかに、前記プリンタの内部の各部の温度及び湿度を検出する図示されないセンサ、及びカラー画像の濃度を検出する図示されないセンサから成るセンサ部であり、該センサ部90の各センサのセンサ出力は制御回路61に送られる。
【0036】
また、前記制御回路61には、帯電電圧制御部77、ヘッド制御部79、現像電圧制御部81、転写電圧制御部83、モータ制御部85、定着制御部87及び搬送モータ制御部60が接続される。
【0037】
そして、前記帯電電圧制御部77は、制御回路61の指示を受け、各帯電ローラ17Bk、17Y、17M、17Cに電圧を印加し、感光体ドラム16Bk、16Y、16M、16Cの表面を帯電させるための制御を行う。なお、前記帯電電圧制御部77は、各色ごとに制御を行い、帯電電圧制御部78Bk、78Y、78M、78Cを備える。
【0038】
また、ヘッド制御部79は、制御回路61の指示を受け、画像データ編集メモリ69に記録された各色の画像データを受け、各LEDヘッド13Bk、13Y、13M、13Cに送り、LEDアレイのLED素子を選択的に発光させ、感光体ドラム16Bk、16Y、16M、16Cの表面に静電潜像を形成する。なお、前記ヘッド制御部79は、各色ごとに制御を行い、ヘッド制御部80Bk、80Y、80M、80Cを備える。
【0039】
また、前記現像電圧制御部81は、制御回路61の指示を受け、各現像ローラ19Bk、19Y、19M、19Cに電圧を印加し、各感光体ドラム16Bk、16Y、16M、16Cの表面に形成された静電潜像に、各色のトナーを付着させ、各色のトナー像を形成する。なお、前記現像電圧制御部81は、各色ごとに制御を行い、現像電圧制御部82Bk、82Y、82M、82Cを備える。
【0040】
また、前記転写電圧制御部83は、制御回路61の指示を受け、各転写ローラ14Bk、14Y、14M、14Cに電圧を印加し、感光体ドラム16Bk、16Y、16M、16Cの表面に形成されたトナー像を記録媒体21に転写する。なお、前記転写電圧制御部83は、各色ごとに制御を行い、かつ、各色のトナー像を順次記録媒体21に転写するために、転写電圧制御部84Bk、84Y、84M、84Cを備える。
【0041】
また、前記モータ制御部85は、制御回路61の指示を受け、各感光体ドラム16Bk、16Y、16M、16C、及び各現像ローラ19Bk、19Y、19M、19Cを回転させるためのモータ28Bk、28Y、28M、28Cを駆動する。なお、前記モータ制御部85は、各色ごとに制御を行い、モータ制御部86Bk、86Y、86M、86Cを備える。
【0042】
また、前記定着制御部87は、制御回路61の指示を受け、定着器48に内蔵されたヒータに電圧を印加する。なお、前記定着制御部87は、サーミスタ59による検出温度に基づいて前記ヒータをオン・オフ制御するとともに、定着器48が所定の設定温度になったときに、モータ75を駆動してヒートローラ49及び加圧ローラ50を回転させる。
【0043】
そして、前記搬送モータ制御部60は、モータ74を駆動することによって前記搬送ベルト20を走行させる。
【0044】
次に、前記構成のプリンタの動作について説明する。
【0045】
前記制御回路61は、インタフェース部70を介してホストコンピュータから送信された印刷データ及び制御コマンドを受信すると、定着制御部87に所定の指示を送り、該定着制御部87は、サーミスタ59による検出温度を読み込み、定着器48の温度が使用可能な温度範囲に収まるかどうかを判断する。定着器48の温度が使用可能な温度範囲に収まらない場合、定着制御部87は、ヒータをオンにして前記温度範囲になるまで定着器48を加熱する。そして、該定着器48の温度が所定の温度になり、使用可能な温度範囲に収まると、定着制御部87は、モータ75を駆動してヒートローラ49及び加圧ローラ50を回転させる。
【0046】
次に、前記制御回路61は、モータ制御部85に所定の指示を送り、該モータ制御部85は、各モータ28Bk、28Y、28M、28Cを駆動し、各感光体ドラム16Bk、16Y、16M、16C及び各現像ローラ19Bk、19Y、19M、19Cを回転させる。また、前記制御回路61は、帯電電圧制御部77、現像電圧制御部81及び転写電圧制御部83に所定の指示を送り、各帯電電圧制御部77、現像電圧制御部81及び転写電圧制御部83は、各帯電ローラ17Bk、17Y、17M、17C、各現像ローラ19Bk、19Y、19M、19C及び各転写ローラ14Bk、14Y、14M、14Cに電圧を印加する。
【0047】
そして、制御回路61は、媒体残量センサ及び媒体サイズセンサによって検出された記録媒体収容箱37にセットされている記録媒体21の残量及びサイズを読み込み、前記記録媒体21の種類に対応させて搬送を行うために、搬送モータ制御部60に所定の指示を送り、前記搬送モータ制御部60は、モータ74を駆動して駆動ローラ31を回転させ、記録媒体21の搬送を開始する。この場合、モータ74を双方向に駆動することができるようになっていて、まず、モータ74を逆方向に駆動すると、給紙ローラ42が回転させられ、記録媒体21は記録媒体収容箱37から取り出され、図示されない媒体吸入口センサによって記録媒体21の前端が検出されるまであらかじめ設定された量だけ搬送される。続いて、モータ74を正方向に駆動すると、レジストローラ45が回転させられ、記録媒体21は第1の印刷機構P1の転写部に送られる。
【0048】
そして、前記制御回路61は、記録媒体21が所定の位置に到達すると、画像データ編集メモリ69から画像データを読み出してヘッド制御部79に送る。該ヘッド制御部79は、1ライン分の画像データを受けると、各LEDヘッド13Bk、13Y、13M、13Cに画像データ及びラッチ信号を送り、画像データをLEDヘッド13Bk、13Y、13M、13Cに保持させる。そして、前記ヘッド制御部79は、各LEDヘッド13Bk、13Y、13M、13Cに印刷駆動信号STBを送り、その結果、各LEDヘッド13Bk、13Y、13M、13Cは、前記画像データに従ってラインごとにLEDアレイのLED素子を選択的に点灯させる。
【0049】
前記各LEDヘッド13Bk、13Y、13M、13Cは、負の極性に帯電させられた各感光体ドラム16Bk、16Y、16M、16Cを照射し、該感光体ドラム16Bk、16Y、16M、16Cの表面に、電位の高くなったドットを形成することによって静電潜像を形成する。そして、負の極性に帯電させられたトナーが電気的な吸引力によって各ドットに吸引され、各色のトナー像が形成される。その後、該各トナー像は、第1〜第4の印刷機構P1〜P4の転写部に送られる。このとき、前記制御回路61は、転写電圧制御部83に指示を送り、該転写電圧制御部83は、転写ローラ14Bk、14Y、14M、14Cに正の極性の転写用の電圧を印加する。その結果、転写ローラ14Bk、14Y、14M、14Cによって、各転写部を通過する記録媒体21に各色のトナー像が順次重ねて転写され、記録媒体21にカラーのトナー像が形成される。
【0050】
そして、カラーのトナー像が形成された記録媒体21は、定着器48に送られ、前記カラーのトナー像は定着器48において加熱され、加圧されて記録媒体21に定着させられ、カラー画像が形成される。その後、記録媒体21は、更に搬送され、図示されない用紙排出口センサを通過し、プリンタの外に排出される。
【0051】
そして、記録媒体21が前記用紙排出口センサを通過すると、LEDヘッド13Bk、13Y、13M、13C、各現像ローラ19Bk、19Y、19M、19C、転写ローラ14Bk、14Y、14M、14C等への電圧の印加を終了し、同時にモータ28Bk、28Y、28M、28C及びモータ74、75の駆動を停止させる。
【0052】
ところで、前記プリンタの内部には、一連の動作を行うための多数の駆動部材が配設され、該各駆動部材はそれぞれ熱源となって発熱する。各駆動部材のうちの、特に、ヒートローラ49は、記録媒体21に形成されたカラーのトナー像を定着させるために150〔℃〕を超える高温で制御され、大きな熱源になる。また、モータ28Bk、28Y、28M、28C、74、75等も駆動時には熱源になる。
【0053】
したがって、環境に変化が生じたり、連続印刷枚数が多くなったりすると、プリンタの内部の、特に、定着器48と第4の印刷機構P4との間の領域においては、前記各熱源からの熱によって雰囲気の温度が50〔℃〕を超えてしまう。
【0054】
一般に、トナーは、温度が極度に高くなると、各画像形成部12Bk、12Y、12M、12C内における流動性が低下し、現像ローラ19Bk、19Y、19M、19Cによるトナーの搬送能力が低下してしまう。その結果、トナーは、現像部18Bk、18Y、18M、18C内で攪拌され続けて凝集し、微妙な色合いが要求される中間調濃度の再現性が低下し、ガンマ特性が立ったり、連続階調変化の滑らかさが無くなったりしてしまう。
【0055】
また、トナーは、高温高湿の環境条件下において帯電量が多くなり、帯電量の多いトナーを使用すると、記録媒体21上の非画像形成領域にトナーが付着して地かぶりが形成されてしまう。そして、トナーは、温度が高くなるのに伴って軟化し、凝固気味になり、凝固気味になったトナーが帯電ローラ17Bk、17Y、17M、17C、感光体ドラム16Bk、16Y、16M、16C等に付着すると、感光体ドラム16Bk、16Y、16M、16Cの表面電位が低下し、地かぶりが形成されてしまう。
【0056】
そこで、各第1〜第4の印刷機構P1〜P4ごとの感光体ドラム16Bk、16Y、16M、16Cにおいて、トナーの温度又は感光体ドラム16Bk、16Y、16M、16Cの表面温度を検出し、トナーの温度又は感光体ドラム16Bk、16Y、16M、16Cの表面温度が高くなるのを抑制することが望ましいが、画像形成部12Bk、12Y、12M、12C内に、例えば、トナーの温度又は感光体ドラム16Bk、16Y、16M、16Cの表面温度を検出するためのサーミスタを直接接触させて配設することは困難であり、また、感光体ドラム16Bk、16Y、16M、16Cの表面には特殊な感光材料が薄膜状に塗布され、デリケートな感光層が形成されているので、仮に、サーミスタを直接押し当てて感光体ドラム16Bk、16Y、16M、16Cの表面温度を検出すると、感光体ドラム16Bk、16Y、16M、16Cの表面に傷が付き、画像形成プロセスに支障をきたしてしまう。
【0057】
そこで、本実施の形態においては、各感光体ドラム16Bk、16Y、16M、16Cと接触し、ほぼ同じ温度に加熱される搬送ベルト20の表面温度を検出することによって、各感光体ドラム16Bk、16Y、16M、16Cの表面温度を推測し、実質的に各感光体ドラム16Bk、16Y、16M、16Cの表面温度を検出するようにしている。
【0058】
そのために、ヒートローラ49より下方において、ヒートローラ49の熱の影響を直接受けることのない位置に温度検出部としての温度検出センサ88が搬送ベルト20と当接させて配設され、温度検出センサ88は、所定の箇所の温度として、記録媒体21が分離させられた後の搬送ベルト20の表面温度を検出する。前記温度検出センサ88が配設される位置は、搬送ベルト20の走行方向における感光体ドラム16Cより下流側において、感光体ドラム16Cに近接する位置であるので、感光体ドラム16Cを通過した搬送ベルト20の表面温度と感光体ドラム16Cの表面温度とはほぼ等しくなる。また、前記温度検出センサ88が配設される位置は、搬送ベルト20を介して駆動ローラ31と対向する位置でもあるが、駆動ローラ31及び各感光体ドラム16Bk、16Y、16M、16Cは、いずれも、図示されないアルミニウム製の管から成るシャフトを備え、温度特性が同じであるので、駆動ローラ31の温度と各感光体ドラム16Bk、16Y、16M、16Cの表面温度とはほぼ等しい。
【0059】
そして、前記温度検出センサ88は駆動ローラ31上の湾曲部と対向させられるので、温度検出センサ88を搬送ベルト20に容易に押し当てることができる。
【0060】
なお、前記温度検出センサ88のセンサ出力は、温度検出測定回路89によって検出電圧に変換され、該検出電圧が制御回路61に送られる。該制御回路61の図示されない温度検出処理手段は、温度検出処理を行い、前記検出電圧を読み込み、搬送ベルト20の検出温度に変換する。このようにして、搬送ベルト20の表面温度を検出することによって、感光体ドラム16Bk、16Y、16M、16Cの表面温度を推測することができる。
【0061】
本実施の形態においては、温度検出センサ88を搬送ベルト20と当接させて配設するようになっているが、温度検出部として所定の温度検出センサを、画像形成部12C内において感光体ドラム16Cと近接する位置に配設して、所定の箇所の位置として、感光体ドラム16Cの近傍の温度を検出したり、LEDヘッド13Cの端部に配設して、所定の箇所の温度として、LEDヘッド13Cの端部の温度を検出したりして、感光体ドラム16Cの表面温度を推測することもできる。
【0062】
図4は本発明の第1の実施の形態における搬送ベルト温度検出装置のブロック図、図5は本発明の第1の実施の形態における温度テーブルを示す図である。
【0063】
図において、62は5〔V〕の電源系、63は0〔V〕のグラウンドであり、前記電源系62とグラウンド63との間に、温度検出センサ88及び基準抵抗R1が直列に接続され、温度検出センサ88と基準抵抗R1との間に出力抵抗R2の一端が接続され、該出力抵抗R2の他端が制御回路61に接続される。そして、前記基準抵抗R1及び出力抵抗R2によって温度検出測定回路89が構成される。
【0064】
前記温度検出センサ88はサーミスタによって構成され、該サーミスタは、図5の温度テーブルに示されるような特性を有し、検出温度が高くなるほど、抵抗値が小さくなり、その分、温度検出測定回路89から出力される検出電圧が高くなる。
【0065】
次に、前記構成のプリンタの動作について説明する。この場合、プリンタが印刷を行うのに当たり、制御回路61の図示されない画像処理手段は、画像処理を行い、画像データの編集を行うが、画像データの編集が終了した後のプリンタの動作について説明する。
【0066】
図6は本発明の第1の実施の形態におけるプリンタの動作を示すフローチャート、図7は本発明の第1の実施の形態におけるプリンタの動作を示す波形図、図8は本発明の第1の実施の形態における待機状態を説明するための第1の波形図、図9は本発明の第1の実施の形態における待機状態を説明するための第2の波形図である。なお、図7において、横軸に経過時間を、縦軸に検出温度Tbを、図8及び9において、横軸に経過時間を、縦軸に検出温度Tb、定着器モータ制御信号SG1及びヒータ制御信号SG2を採ってある。
【0067】
まず、前記温度検出処理手段は、前記検出電圧を読み込み、前記制御回路61のROMに記録された図5の温度テーブルを参照し、搬送ベルト20(図1)の表面温度を表す検出温度Tbに変換する。続いて、前記制御回路61の図示されない温度判定処理手段は、温度判定処理を行い、検出温度Tbが閾(しきい)値ψ1(本実施の形態においては、50〔℃〕)より高いかどうかを判断し、検出温度Tbが閾値ψ1より高い場合、制御回路61の図示されない冷却処理手段は、冷却処理を行い、給紙機構36による記録媒体供給動作としての給紙動作を行わず、設定時間τ(本実施の形態においては、20秒)が経過するまで、画像形成処理としての印刷処理を開始するのを待機する。このようにして、プリンタを待機状態に置き、印刷処理を一時的に停止させることができる。
【0068】
なお、前記温度検出処理手段は、前記温度テーブルに基づいて検出温度Tbが閾値ψ1より高いかどうかを判断する場合、検出電圧が2.712〔V〕より高いかどうかを判断する。また、前記閾値ψ1は、本実施の形態において50〔℃〕に設定されているが、使用されるトナーの特性によって種々の値を採り、前述されたように、トナーの流動性が低下したり、帯電量が多くなったり、軟化したりする温度を考慮し、あらかじめ実験によって求められ、設定され、ROMに記録される。
【0069】
前記設定時間τは、本実施の形態において20秒に設定されているが、50〔℃〕を超えた温度が50〔℃〕を下回るのに必要な時間であり、プリンタの構造、冷却手段(例えば、冷却用のファン装置)の有無等によって異なる。なお、高温の環境下において、前記設定時間τの間隔を置いて間欠的に印刷を行ったときに、プリンタの内部の温度が上昇しないように設定時間τが設定される。
【0070】
このようにして、搬送ベルト20の表面温度が低くなると、給紙動作が行われ、制御回路61の図示されない印刷処理手段は、印刷処理を開始する。なお、連続した印刷処理が行われる場合、指定された枚数の印刷が終了するまで、図6に示されるように前記動作が繰り返される。
【0071】
なお、前記待機状態において、前記冷却処理手段は、印刷スループットを低下させないように、記録媒体21を記録媒体収容箱37内に置くのではなく、画像形成プロセスを直ちに開始することができる位置、例えば、記録媒体21の前端をホトセンサ52の直前に設定された待機位置に置く。また、前記冷却処理手段は、前記定着器48の設定温度を低くするか、定着器48のヒータをオフにすることによって感光体ドラム16Bk、16Y、16M、16C及びプリンタの内部の温度を低くする。
【0072】
前記定着器48において加熱の制御を行い、定着器48の温度を低くする場合、前記冷却処理手段の低デューティ制御処理手段は、低デューティ制御処理を行い、図8に示されるように、設定時間τの間、定着器モータ制御信号SG1をオフにしてローラの回転を停止し、ヒータ制御信号SG2がオフになる時間を長くし、ヒータの電源のオン・オフデューティを低くする。この場合、設定時間τの間、ヒータの電源がオン・オフ制御され続けるので、検出温度Tbは所定の時間が経過すると低くなるが、ヒータは間欠的に通電され続ける。したがって、プリンタの内部の温度を急速に低くすることができない。ところが、設定時間τが経過して印刷処理が開始されたときに、ヒータは定着器48の設定温度に近い温度で制御されているので、定着器48は直ちに設定温度に到達する。したがって、印刷動作を直ちに行うことができる。
【0073】
一方、ヒータをオフにする場合、前記冷却処理手段のオフ制御処理手段は、オフ制御処理を行い、図9に示されるように、設定時間τの間、定着器モータ制御信号SG1をオフにし、ヒータ制御信号SG2を完全にオフにする。この場合、設定時間τの間、ヒータの電源がオフにされるので、検出温度Tbは所定の時間が経過すると低くなり、プリンタの内部の温度を急速に低くすることができる。ところが、設定時間τが経過して印刷処理が開始されたときに、ヒータの温度が低くなっているので、定着器48が設定温度に到達するのに時間がかかる。したがって、印刷動作を直ちに行うことができない。
【0074】
前記冷却処理において、前記定着器48の設定温度を低くするか、ヒータをオフにするかは、プリンタの構造的な特徴、使用されている部品の特性、実現される画像品位等によって適宜選択される。
【0075】
このように、搬送ベルト20の温度が検出され、検出温度Tbが閾値ψ1より高い場合に、低デューティ制御処理又はオフ制御処理が行われるので、感光体ドラム16Bk、16Y、16M、16Cの表面温度及びプリンタの内部の温度が高くなるのを抑制することができる。
【0076】
したがって、各画像形成部12Bk、12Y、12M、12C内におけるトナーの流動性が低下することがないので、現像ローラ19Bk、19Y、19M、19Cによるトナーの搬送能力を向上させることができる。その結果、トナーが現像部18Bk、18Y、18M、18C内で攪拌され続けて凝集することがないので、中間調濃度の再現性を向上させることができ、ガンマ特性が立ったり、連続階調変化の滑らかさが無くなったりすることがない。
【0077】
また、トナーの帯電量が多くならないので、記録媒体21上の非画像形成領域にトナーが付着して地かぶりが形成されるのを防止することができる。そして、トナーが凝固気味になることがないので、感光体ドラム16Bk、16Y、16M、16Cの表面電位が低下するのを防止することができ、地かぶりが形成されるのを防止することができる。その結果、画像品位を向上させることができる。
【0078】
また、本実施の形態においては、搬送ベルト20の温度を検出するようになっているので、感光体ドラム16Bk、16Y、16M、16Cの表面を傷つけることがないだけでなく、ほぼ感光体ドラム16Bk、16Y、16M、16Cと同じ温度を検出することができる。
【0079】
そして、非接触方式で感光体ドラム16Bk、16Y、16M、16Cの表面温度を検出する必要がないので、温度検出センサ88のコストを低くすることができるだけでなく、温度検出センサ88を取り付けるために必要なスペースを小さくすることができる。
【0080】
次に、フローチャートについて説明する。
ステップS1 検出温度Tbが閾値ψ1より高いかどうかを判断する。検出温度Tbが閾値ψ1より高い場合はステップS2に、検出温度Tbが閾値ψ1以下である場合はステップS4に進む。
ステップS2 給紙動作を行わず待機する。
ステップS3 設定時間τが経過したかどうかを判断する。設定時間τが経過した場合はステップS4に進み、経過していない場合はステップS2に戻る。
ステップS4 給紙動作を行う。
ステップS5 1ページの印刷を行う。
ステップS6 指定された枚数の印刷が終了したかどうかを判断する。指定された枚数の印刷が終了した場合は処理を終了し、終了していない場合はステップS1に戻る。
【0081】
ところで、本実施の形態においては、検出温度Tbが閾値ψ1より高い場合に、低デューティ制御処理又はオフ制御処理が行われるようになっているが、オフ制御処理が行われている間に、前記冷却処理手段は、ヒータをオフにした状態でモータ75(図3)を駆動し、ヒートローラ49の空回しを行うこともできる。
【0082】
この場合、空回しを行うことによって、ヒートローラ49に蓄えられた熱を低温の空気中に放散することができるので、ヒートローラ49が冷却される速度を高くすることができる。その結果、短時間で検出温度Tbを低くすることができるので、設定時間τを短くすることができ、印刷スループットを向上させることができる。
【0083】
また、前記ヒートローラ49の空回しが行われている間に、搬送ベルト20の空走行及び各感光体ドラム16Bk、16Y、16M、16Cの空回しを行うこともできる。
【0084】
図10は本発明の第1の実施の形態におけるヒートローラ及び感光体ドラムの空回し、並びに搬送ベルトの空走行を行う際のプリンタの動作を示す第1の波形図である。なお、図において、横軸に経過時間を、縦軸に検出温度Tb、定着器モータ制御信号SG1、ドラムモータ制御信号SGd及び搬送ベルトモータ制御信号SGbを採ってある。
【0085】
この場合、前記冷却処理手段は、設定時間τの間、ヒータ制御信号SG2をオフにし、ヒータをオフにした状態で定着器モータ制御信号SG1をオンにしてモータ75(図3)を駆動し、ヒートローラ49(図1)の空回しを行うとともに、ドラムモータ制御信号SGd(SGdb、SGdy、SGdm、SGdc)をオンにして各モータ28Bk、28Y、28M、28Cを駆動し、各感光体ドラム16Bk、16Y、16M、16Cの空回しを行い、それに伴って、転写ローラ14Bk、14Y、14M、14C、帯電ローラ17Bk、17Y、17M、17C、現像ローラ19Bk、19Y、19M、19C等を回転させる。さらに、前記冷却処理手段は、搬送ベルトモータ制御信号SGbをオンにしてモータ74を駆動し、前記搬送ベルト20を走行させ、空走行を行う。
【0086】
これに伴って、感光体ドラム16Bk、16Y、16M、16C及び搬送ベルト20に蓄えられた熱を低温の空気中に放散することができる。
【0087】
また、搬送ベルト20の走行方向に沿って各画像形成部12Bk、12Y、12M、12Cが配設されるので、定着器48に近い画像形成部12Cの感光体ドラム16Cほど定着器48の熱を受けて表面温度が高くなり、定着器48から離れた画像形成部12Bk、12Y、12Mの感光体ドラム16Bk、16Y、16Mほど定着器48の熱を受けず、表面温度が低くなるが、ヒータをオフにした状態で前記搬送ベルト20の空走行を行うと、搬送ベルト20は表面温度が高い感光体ドラム16Cの熱を表面温度が低い感光体ドラム16Bk、16Y、16Mに伝達して放散することができる。
【0088】
したがって、感光体ドラム16Bk、16Y、16M、16C及び搬送ベルト20が冷却される速度を高くすることができ、短時間で検出温度Tbを低くすることができる。その結果、設定時間τを短くすることができ、印刷スループットを向上させることができる。
【0089】
なお、ヒートローラ49の空回し、各感光体ドラム16Bk、16Y、16M、16Cの空回し、及び搬送ベルト20の空走行を行う間、前記冷却処理手段は、帯電電圧制御部77(図2)による帯電ローラ17Bk、17Y、17M、17Cへの電圧を印加して感光体ドラム16Bk、16Y、16M、16Cの表面を帯電させ、ヘッド制御部79によるLEDヘッド13Bk、13Y、13M、13Cでの静電潜像の書込みを停止させ、現像電圧制御部81によって現像ローラ19Bk、19Y、19M、19Cを通常印刷時と逆の極性又は0〔V〕にし、転写電圧制御部83による転写ローラ14Bk、14Y、14M、14Cへの電圧の印加を停止させ、画像を形成しないように制御する。
【0090】
したがって、各感光体ドラム16Bk、16Y、16M、16Cの空回しが行われるのに伴って、トナー像が形成されたり、搬送ベルト20の空走行が行われるのに伴って、トナー像が記録媒体21に転写されることはない。
【0091】
さらに、ヒートローラ49及び各感光体ドラム16Bk、16Y、16M、16Cの空回しを行う際の各モータ75、28Bk、28Y、28M、28Cの回転速度、及び搬送ベルト20の空走行を行う際のモータ74の回転速度を、通常の印刷が行われる際の値より高くすることができる。
【0092】
図11は本発明の第1の実施の形態におけるヒートローラ及び感光体ドラムの空回し、並びに搬送ベルトの空走行を行う際のプリンタの動作を示す第2の波形図である。なお、図において、横軸に経過時間を、縦軸に検出温度Tb、定着器モータ制御信号SG1、ドラムモータ制御信号SGd(SGdb、SGdy、SGdm、SGdc)及び搬送ベルトモータ制御信号SGb、並びにモータ75(図3)の回転速度Nh、モータ28Bk、28Y、28M、28Cの回転速度Nd及びモータ74の回転速度Nbを採ってある。
【0093】
この場合、前記冷却処理手段は、設定時間τの間、ヒータ制御信号SG2をオフにし、ヒータをオフにした状態で定着器モータ制御信号SG1をオンにしてモータ75を駆動し、モータ75の回転速度Nhを通常の印刷が行われる際の値より高くして、ヒートローラ49の空回しを行うとともに、ドラムモータ制御信号SGd(SGdb、SGdy、SGdm、SGdc)をオンにして各モータ28Bk、28Y、28M、28Cを駆動し、各モータ28Bk、28Y、28M、28Cの回転速度Ndを通常の印刷が行われる際の値より高くして、各感光体ドラム16Bk(図1)、16Y、16M、16Cの空回しを行い、それに伴って、転写ローラ14Bk、14Y、14M、14C、帯電ローラ17Bk、17Y、17M、17C、現像ローラ19Bk、19Y、19M、19C等を回転させる。さらに、前記冷却処理手段は、搬送ベルトモータ制御信号SGbをオンにしてモータ74を駆動し、モータ74の回転速度Nbを通常の印刷が行われる際の値より高くして、前記搬送ベルト20を通常の印刷が行われる際の値より高い走行速度で走行させ、空走行を行う。
【0094】
したがって、ヒートローラ49、感光体ドラム16Bk、16Y、16M、16C及び搬送ベルト20に蓄えられた熱を低温の空気中に一層放散することができる。
【0095】
なお、本実施の形態において、白黒の印刷速度は20〔ppm〕(121〔mm/s〕であり、カラーの印刷速度は12〔ppm〕(72.6〔mm/s〕であるのに対して、ヒートローラ49の空回し、各感光体ドラム16Bk、16Y、16M、16Cの空回し、及び搬送ベルト20の空走行を行う間の印刷速度は、制御プログラムを簡素化することができる場合、最高の20〔ppm〕にするのが好ましい。そのために、印刷速度テーブルを図示されない記録装置に記録し、印刷速度テーブルを参照して各モータ75、28Bk、28Y、28M、28C、74の各回転速度Nh、Nd、Nbを制御することができる。
【0096】
次に、画像形成部12Bk、12Y、12M、12Cを上下方向に移動自在に配設し、下方の作動位置及び上方の退避位置を選択的に採ることができるようにした本発明の第2の実施の形態について説明する。なお、第1の実施の形態と同じ構造を有するものについては、同じ符号を付与することによってその説明を省略し、同じ構造を有することによる発明の効果については同実施の形態の効果を援用する。
【0097】
図12は本発明の第2の実施の形態における画像形成部を退避位置に置いた状態のプリンタの概略図、図13は本発明の第2の実施の形態におけるアップダウン機構の動作を示す第1の図、図14は本発明の第2の実施の形態におけるアップダウン機構の斜視図、図15は本発明の第2の実施の形態におけるアップダウン機構の動作を示す第2の図、図16は本発明の第2の実施の形態におけるプリンタの制御装置を示す第1の図、図17は本発明の第2の実施の形態におけるプリンタの制御装置を示す第2の図である。
【0098】
この場合、各画像形成部12Bk、12Y、12M、12Cは、上下方向に移動自在に配設され、下方の印刷を行うための作動位置、及び上方の印刷を行わない退避位置を選択的に採ることができる。そして、制御部としての制御回路61の前記冷却処理手段は、冷却処理を行い、前記検出温度Tbが閾値ψ1(本実施の形態においては、50〔℃〕)より高いかどうかを判断し、検出温度Tbが閾値ψ1より高い場合、アップダウン機構制御部101によってアップダウン制御機構用の駆動部としてのモータ138を駆動し、図13〜15に示されるアップダウン機構130を作動させ、前記各画像形成部12Bk、12Y、12M、12Cを退避位置に置く。
【0099】
それに伴って、像担持体としての感光体ドラム16Bk、16Y、16M、16Cがベルトとしての搬送ベルト20から離され、各感光体ドラム16Bk、16Y、16M、16Cと搬送ベルト20との間に数〔mm〕の隙(すき)間dcが形成される。
【0100】
該隙間は、各感光体ドラム16Bk、16Y、16M、16Cの熱を逃がすためのダクトの機能を有し、隙間dcがない状態と比較して感光体ドラム16Bk、16Y、16M、16Cを十分に冷却することができる。
【0101】
また、各画像形成部12Bk、12Y、12M、12Cが退避位置に置かれている間、前記冷却処理手段は、搬送モータ制御部60によってモータ74を駆動して、搬送ベルト20を走行させる。したがって、感光体ドラム16Bk、16Y、16M、16C及びその付近に蓄えられた熱を放散することができるので、感光体ドラム16Bk、16Y、16M、16Cを一層十分に冷却することができる。
【0102】
このように、画像形成部12Bk、12Y、12M、12Cを退避位置に置き、モータ74を駆動して搬送ベルト20が走行させるだけで、感光体ドラム16Bk、16Y、16M、16Cを冷却することができるので、各感光体ドラム16Bk、16Y、16M、16Cの空回しを行う必要がなくなる。又は、感光体ドラム16Bk、16Y、16M、16Cの空回しにおける各モータ28Bk、28Y、28M、28Cの回転速度Ndを低くすることができる。
【0103】
その結果、余分な電力を消費することがなくなるだけでなく、騒音が発生するのを抑制することができる。
【0104】
なお、前記隙間dcにおいて冷却用の空気を強制的に循環させるために、前記記録媒体21の搬送方向における隙間dcの上流端にファン103が配設される。該ファン103は、図示されないフロントユニットアッセンブリに実装される。
【0105】
したがって、前記冷却処理手段は、検出温度Tbが閾値ψ1より高い場合、前記各画像形成部12Bk、12Y、12M、12Cを退避位置に置くのに伴って、送風制御部102によってファン103を作動させ、プリンタの外部から吸引した空気を、隙間dcを介して定着部としての定着器48に送る。したがって、空気が隙間dcを通過する間に感光体ドラム16Bk、16Y、16M、16Cを強制的に冷却することができるだけでなく、ヒートローラ49を直接冷却することができる。
【0106】
その結果、冷却処理における冷却時間を短くすることができるだけでなく、印刷スループットを向上させることができる。なお、前記ファン103を記録媒体21の搬送方向における隙間dcの下流端に配設することもできる。
【0107】
次に、前記アップダウン機構130について説明する。
【0108】
図13〜15において、160は矢印A、B方向に移動自在に配設されたスライドリンクであり、該スライドリンク160は、記録媒体21の搬送方向における下流端の下方及び上方に、水平方向に延びる長穴60a、60bが形成され、上縁の画像形成部12Bkに対応する位置に、黒用のガイド面170が、上縁の各画像形成部12Y、12M、12Cに対応する位置に、カラー用のガイド面171が形成される。前記ガイド面170は、第1のガイド面70a、該第1のガイド面70aより高い位置において第1のガイド面70aに対して段差部を形成する第2のガイド面70b、及び前記第1、第2のガイド面70a、70bを接続する斜面70cを備える。また、ガイド面171は、前記第1のガイド面70aと同じ高さに形成される第1のガイド面71a、前記第2のガイド面70bと同じ高さに形成される第2のガイド面71b、及び前記第1、第2のガイド面71a、71bを接続する斜面71c備える。そして、第1のガイド面70aは、第2のガイド面70b及び第1のガイド面71aより長く、一方、前記第2のガイド面71bは、第1のガイド面71a及び第2のガイド面70bより長くされる。
【0109】
したがって、スライドリンク160を矢印A、B方向に移動させ、所定の位置に置くと、感光体ドラム16Bkを第1のガイド面70aによって、感光体ドラム16Y、16M、16Cの各シャフト20aを第1のガイド面71aによって支持したり、感光体ドラム16Bkのシャフト20aを第1のガイド面70aによって、感光体ドラム16Y、16M、16Cの各シャフト20aを第2のガイド面71bによって支持したり、感光体ドラム16Bkを第2のガイド面70bによって、感光体ドラム16Y、16M、16Cの各シャフト20aを第2のガイド面71bによって支持したりすることができる。
【0110】
ところで、前記モータ138を正方向及び逆方向に駆動すると、出力ギヤ139を矢印C、D方向に回転させることができる。そして、該出力ギヤ139と減速用の大径のギヤ140とが噛(し)合させられ、該ギヤ140と一体に形成された小径のギヤ141とアイドル用のギヤ142とが噛合させられ、該ギヤ142と太陽ギヤとしてのギヤ137とが噛合させられる。
【0111】
該ギヤ137は、前記長穴60aを貫通して延びる回転軸133の両端に固定され、回転軸133と共に回転自在に、かつ、前記長穴60a内を移動自在に配設される。また、前記回転軸133の両端にはブラケット165が固定され、該ブラケット165は、回転軸133の回転に伴って、回転軸133を回動中心にして矢印E、F方向に回動させられる。そして、前記ブラケット165の先端に、遊星ギヤとしてのギヤ161が前記ギヤ137と噛合させて回転自在に配設され、前記ブラケット165が矢印E方向に回転させられたときに、ギヤ161とスライドリンク160の下端に形成されたラック162とが噛合させられ、前記ブラケット165が矢印F方向に回転させられたときに、ギヤ161と前記長穴60b内で回転自在に、かつ、移動自在に配設されたギヤ163とが噛合させられる。該ギヤ163は、スライドリンク160の上端に形成されたラック164と噛合させられる。
【0112】
そして、各画像形成部12Bk、12Y、12M、12Cを退避位置に置く場合、駆動モータ138を逆方向に駆動して出力ギヤ139を矢印D方向に回転させると、ブラケット165が矢印F方向に回転させられ、ギヤ161とギヤ163とが噛合させられてギヤ163が矢印G方向に回転させられる。その結果、スライドリンク160が矢印B方向に移動させられ、各感光体ドラム16Bk、16Y、16M、16Cの各シャフト20aがガイド面170、171に沿って移動し、第2のガイド面70b、71bによって支持される。
【0113】
これに伴って、各画像形成部12Bk、12Y、12M、12Cは、プリンタ本体に形成されたガイド溝128に沿って矢印I方向に移動し、各画像形成部12Bk、12Y、12M、12Cの側壁に突出させて配設されたシャフト116a、117a、118a、119aは、プリンタ本体に形成されたガイド溝129に沿って矢印I方向に移動する。その結果、各画像形成部12Bk、12Y、12M、12Cが上方に移動させられる。
【0114】
そして、各感光体ドラム16Bk、16Y、16M、16Cと搬送ベルト20との間に数〔mm〕の隙間dcが形成されたときに、駆動モータ138を停止させ、適正な保持電流によって保持すると、前記各画像形成部12Bk、12Y、12M、12Cは退避位置に置かれる。
【0115】
また、画像形成部12Bkを作動位置に、画像形成部12Y、12M、12Cを退避位置に置く場合、駆動モータ138を正方向に駆動して出力ギヤ139を矢印C方向に回転させると、ブラケット165が矢印E方向に回転させられ、ギヤ161とラック162とが噛合させられる。
【0116】
その結果、スライドリンク160が矢印A方向に移動させられ、各感光体ドラム16Bk、16Y、16M、16Cの各シャフト20aがガイド面170、171に沿って移動し、感光体ドラム16Bkのシャフト20aが第1のガイド面70aによって、感光体ドラム16Y、16M、16Cの各シャフト20aが第2のガイド面71bによって支持される。
【0117】
これに伴って、画像形成部12Bkは、ガイド溝128に沿って矢印H方向に移動し、シャフト116aは、ガイド溝129に沿って矢印H方向に移動する。その結果、画像形成部12Bkが下方に移動させられる。
【0118】
一方、画像形成部12Y、12M、12Cは、ガイド溝128に沿って矢印I方向に移動し、シャフト117a、118a、119aは、ガイド溝129に沿って矢印I方向に移動する。その結果、画像形成部12Y、12M、12Cが上方に移動させられる。
【0119】
そして、感光体ドラム16Bkと搬送ベルト20とが接触させられたときに、駆動モータ138を停止させ、適正な保持電流によって保持すると、前記画像形成部12Bkが作動位置に、画像形成部12Y、12M、12Cは退避位置に置かれる。したがって、画像形成部12Bkによって白黒の印刷を行うことができる。
【0120】
また、画像形成部12Bk、12Y、12M、12Cを作動位置に置く場合、駆動モータ138を更に正方向に駆動して出力ギヤ139を矢印C方向に回転させると、ブラケット165が矢印E方向に回転させられ、ギヤ161とラック162とが噛合させられる。
【0121】
その結果、スライドリンク160が更に矢印A方向に移動させられ、各感光体ドラム16Bk、16Y、16M、16Cの各シャフト20aが、ガイド面170、171に沿って移動し、第1のガイド面70a、71aによって支持される。
【0122】
これに伴って、画像形成部12Bk、12Y、12M、12Cは、ガイド溝128に沿って更に矢印H方向に移動し、シャフト116a、117a、118a、119aは、ガイド溝129に沿って矢印H方向に移動する。その結果、画像形成部12Bk、12Y、12M、12Cが下方に移動させられる。
【0123】
そして、感光体ドラム16Bk、16Y、16M、16Cと搬送ベルト20とが接触させられたときに、駆動モータ138を停止させ、適正な保持電流によって保持すると、前記画像形成部12Bk、12Y、12M、12Cが作動位置に置かれる。したがって、画像形成部12Bk、12Y、12M、12Cによってカラーの印刷を行うことができる。
【0124】
ところで、本実施の形態においては、印刷が繰り返し行われると、搬送ベルト20上にトナーが残留することがあるが、残留したトナーが、搬送ベルト20に付着したままにされると、異物になって感光体ドラム16Bk、16Y、16M、16Cの表面を傷つけてしまう。
【0125】
本実施の形態においては、画像形成部12Bk、12Y、12M、12Cを退避位置に置いたときに、搬送ベルト20を走行させることができるので、搬送ベルト20の下半部に配設されたクリーニングブレード34の先端が、搬送ベルト20に当接させられ、搬送ベルト20の表面に残留したトナーを廃トナータンク35に削り落とすことができる。
【0126】
次に、本発明の第3の実施の形態について説明する。なお、第1の実施の形態と同じ構造を有するものについては、同じ符号を付与することによってその説明を省略し、同じ構造を有することによる発明の効果については同実施の形態の効果を援用する。
【0127】
図18は本発明の第3の実施の形態におけるプリンタの概略図、図19は本発明の第3の実施の形態におけるプリンタの動作を示すフローチャートである。
【0128】
この場合、プリンタ内に用紙反転ユニット(以下「両面印刷機構」という。)180が着脱自在に配設される。該両面印刷機構180は、記録媒体21の両面に印刷を行うために、一方の面の印刷が終了した記録媒体21を裏返し、他方の面に印刷させるためのものであるが、本実施の形態においては、両面印刷機構180を印刷を行うために使用するのではなく、像担持体としての感光体ドラム16Bk、16Y、16M、16Cの表面温度を低くするために使用する。
【0129】
そのために、制御部としての制御回路61(図2)の冷却処理手段は、冷却処理を行い、印刷が行われていない記録媒体21を、感光体ドラム16Bk、16Y、16M、16Cと転写部材としての転写ローラ14Bk、14Y、14M、14Cとの間を搬送させたり、両面印刷機構180内を繰り返し通過させたりする。なお、前記記録媒体21を両面印刷機構180内を通過させる場合、搬送路の構成上、定着部としての定着器48をも通過させなくてはならない。
【0130】
そこで、本実施の形態において、冷却処理手段は、定着器48のヒータがオフにされていて、第1のローラとしてのヒートローラ49及び第2のローラとしての加圧ローラ50が十分に冷却された状態、又はヒートローラ49の温度が印刷が行われているときの定着温度より低い設定温度で制御された状態で前記記録媒体21を搬送する。
【0131】
次に、前記構成のプリンタの動作について説明する。
【0132】
まず、印刷起動時に、制御回路61の前記温度判定処理手段は、温度判定処理を行い、検出温度Tbが閾値ψ1(本実施の形態においては、50〔℃〕)より高いかどうかを判断し、検出温度Tbが閾値ψ1より高い場合、前記冷却処理手段は、冷却処理を行い、給紙動作を開始し、記録媒体収容箱37から記録媒体21を給紙する。この場合、記録媒体収容箱37に収容されている印刷用の記録媒体21を冷却処理用の冷却媒体として使用する。
【0133】
続いて、前記冷却処理手段は、記録媒体21をレジストローラ45に突き当てた後、各画像形成部12Bk、12Y、12M、12Cの下を通過させ、続いて、ヒータがオフにされている定着器48を通過させる。なお、この場合、各画像形成部12Bk、12Y、12M、12Cにおいて画像は形成されず、定着器48のヒータはオフにされるか、又は通常より低い温度にされる。
【0134】
次に、前記冷却処理手段は、定着器48と排出スタッカ96との間において揺動自在に配設された第1の経路切替ゲート181を、両面印刷側(図18に示される状態から反時計回りに回転させた状態)に切り替えるとともに、前記第1の経路切替ゲート181と両面印刷機構180との間において揺動自在に配設された第2の経路切替ゲート182を、引込み側(図18に示される状態)に切り替え、記録媒体21を両面印刷機構180内に引き込む。そして、記録媒体21の後端が第2の経路切替ゲート182を通過し、記録媒体21の引込みが終了すると、前記冷却処理手段は、第2の経路切替ゲート182を反引込み側(図18に示される状態から時計回りに回転させた状態)に切り替える。
【0135】
続いて、前記冷却処理手段は、両面印刷機構180内において記録媒体21を反転させた後、搬送路を搬送し、給紙機構36の給紙ルートに合流させる。
【0136】
このようにして、印刷が行われない状態で記録媒体21を反転させては、各画像形成部12Bk、12Y、12M、12Cの下を繰り返し通過させることによって、感光体ドラム16Bk、16Y、16M、16Cの熱を記録媒体21によって放散させ、感光体ドラム16Bk、16Y、16M、16Cを冷却することができる。この場合、同じ記録媒体21を繰り返し使用するようにしていて、本実施の形態においては、用紙ルート長の制限から最大で3枚の記録媒体21が使用される。
【0137】
なお、前記給紙機構36による給紙と両面印刷機構180による給紙とを別の制御によって行うことができるが、本実施の形態においては、制御を簡素化するために、共通にされる。したがって、両面印刷機構180による給紙は、速度制御、色ずれ防止用の突当て制御等も行われる。
【0138】
そして、検出温度Tbが閾値ψ1以下になると、前記冷却処理手段は、冷却処理を終了し、給紙を停止させる。
【0139】
次に、フローチャートについて説明する。
ステップS11 検出温度Tbが閾値ψ1より高いかどうかを判断する。検出温度Tbが閾値ψ1より高い場合はステップS12に、検出温度Tbが閾値ψ1以下である場合は処理を終了する。
ステップS12 給紙動作を開始する。
ステップS13 記録媒体収容箱37から記録媒体21を給紙する。
ステップS14 レジストローラ45に突き当てる。
ステップS15 各画像形成部12Bk、12Y、12M、12Cの下を通過させる。
ステップS16 定着器48を通過させる。
ステップS17 第1の経路切替ゲート181を両面印刷側に切り替える。
ステップS18 第2の経路切替ゲート182を引込み側に切り替える。
ステップS19 引込みを終了する。
ステップS20 第2の経路切替ゲートを反引込み側に切り替える。
ステップS21 搬送路を搬送する。
ステップS22 給紙ルートに合流させ、ステップS11に戻る。
【0140】
各本実施の形態においては、画像形成装置としてカラーのプリンタについて説明しているが、本発明を単色のプリンタに適用することもできる。
【0141】
なお、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々変形させることが可能であり、それらを本発明の範囲から排除するものではない。
【0142】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、本発明によれば、画像形成装置においては、帯電させられた像担持体上に静電潜像を形成し、該静電潜像に現像剤を付着させて可視像を形成する画像形成部と、該画像形成部に接触させて走行自在に配設されたベルトと、該ベルトによって搬送される記録媒体に、前記画像形成部から転写された可視像を定着させる定着部と、温度検出部による検出温度に基づいて、定着部における加熱の制御を行い、前記像担持体の温度を低くする冷却処理手段とを有する。
【0143】
この場合、温度検出部による検出温度に基づいて、定着部における加熱の制御を行い、前記像担持体の温度を低くするので、画像形成装置の内部の温度が高くなるのを抑制することができる。
【0144】
したがって、各画像形成部内における現像剤の流動性が低下することがないので、画像品位を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態におけるプリンタの概略図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態におけるプリンタの制御装置を示す第1のブロック図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態におけるプリンタの制御装置を示す第2のブロック図である。
【図4】本発明の第1の実施の形態における搬送ベルト温度検出装置のブロック図である。
【図5】本発明の第1の実施の形態における温度テーブルを示す図である。
【図6】本発明の第1の実施の形態におけるプリンタの動作を示すフローチャートである。
【図7】本発明の第1の実施の形態におけるプリンタの動作を示す波形図である。
【図8】本発明の第1の実施の形態における待機状態を説明するための第1の波形図である。
【図9】本発明の第1の実施の形態における待機状態を説明するための第2の波形図である。
【図10】本発明の第1の実施の形態におけるヒートローラ及び感光体ドラムの空回し、並びに搬送ベルトの空走行を行う際のプリンタの動作を示す第1の波形図である。
【図11】本発明の第1の実施の形態におけるヒートローラ及び感光体ドラムの空回し、並びに搬送ベルトの空走行を行う際のプリンタの動作を示す第2の波形図である。
【図12】本発明の第2の実施の形態における画像形成部を退避位置に置いた状態のプリンタの概略図である。
【図13】本発明の第2の実施の形態におけるアップダウン機構の動作を示す第1の図である。
【図14】本発明の第2の実施の形態におけるアップダウン機構の斜視図である。
【図15】本発明の第2の実施の形態におけるアップダウン機構の動作を示す第2の図である。
【図16】本発明の第2の実施の形態におけるプリンタの制御装置を示す第1の図である。
【図17】本発明の第2の実施の形態におけるプリンタの制御装置を示す第2の図である。
【図18】本発明の第3の実施の形態におけるプリンタの概略図である。
【図19】本発明の第3の実施の形態におけるプリンタの動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
12Bk、12Y、12M、12C 画像形成部
16Bk、16Y、16M、16C 感光体ドラム
20 搬送ベルト
21 記録媒体
48 定着器
61 制御回路
88 温度検出センサ
180 両面印刷機構
dc 隙間
Claims (7)
- (a)帯電させられた像担持体上に静電潜像を形成し、該静電潜像に現像剤を付着させて可視像を形成する画像形成部と、
(b)該画像形成部に接触させて走行自在に配設されたベルトと、
(c)該ベルトによって搬送される記録媒体に、前記画像形成部から転写された可視像を定着させる定着部と、
(d)温度検出部による検出温度に基づいて、定着部における加熱の制御を行い、前記像担持体の温度を低くする冷却処理手段とを有することを特徴とする画像形成装置。 - 前記冷却処理手段は、定着部においてローラの空回しを行う請求項1に記載の画像形成装置。
- 前記冷却処理手段は、前記像担持体の空回しを行うとともに、前記ベルトの空走行を行う請求項1に記載の画像形成装置。
- 前記冷却処理手段は、モータの回転速度を通常より高くする請求項2又は3に記載の画像形成装置。
- (a)前記画像形成部は、像担持体をベルトに当接させる作動位置及び像担持体をベルトから離す退避位置を採り、
(b)前記冷却処理手段は前記画像形成部を退避位置に置く請求項1に記載の画像形成装置。 - 前記冷却処理手段は、画像形成部とベルトとの隙間に空気を通過させる請求項5に記載の画像形成装置。
- (a)両面印刷機構を有するとともに、
(b)前記冷却処理手段は、記録媒体を反転させては、画像形成部による画像の形成がされない状態で画像形成部の下を繰り返し通過させる請求項1に記載の画像形成装置。
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