JP2004315802A - 防曇シートおよびそれを用いた容器 - Google Patents

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Abstract

【課題】 高い防曇性及び離型性(又は耐ブロッキング性)を有する樹脂シート及び容器を提供する。
【解決手段】 高さ0.2〜2μmの突起物が1mm2当り平均5〜50個程度の割合で形成されているスチレン系樹脂シートに防曇剤を塗布して容器成形し、防曇性容器を得る。防曇剤は、ショ糖脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステルなどの多価アルコール脂肪酸エステル100重量部に対して、多糖類やポリビニルピロリドンなどの親水性高分子1〜100重量部と、シリコーンオイル0〜100重量部とで構成されている。樹脂シートの一方の面に前記防曇剤の被覆層を形成し、他方の面に濡れ指数30〜55dyn/cmの離型層を形成してもよい。他方の面にも高さ0.2〜2μmの突起物が1mm2当り平均5〜50個程度の割合で形成されていてもよい。
【選択図】 なし

Description

本発明は、高い防曇性および耐ブロックキング性を有する防曇性シートおよびその製造方法並びにこのシートを用いた容器に関する。
スチレン系樹脂シートなどの疎水性合成樹脂シートは防曇性が低い。そのため、シートを容器成形して食品などを収容すると、気温、湿度の変化により水蒸気が容器の表面に微小水滴として付着し、曇りが生じ、透明性を低下させる。
特公昭63−62538号公報(特許文献1)には、ショ糖脂肪酸エステル(A)、重合度800以下の無変性ポリビニルアルコール(B)及びシリコーンエマルジョン(C)を、A:B:C=1:0.5〜2:0.5〜3の割合(純分質量比)で含む水溶液を、スチレン系樹脂フィルムに塗布する方法が開示されている。
特開平10−309785号公報(特許文献2)には、片面がショ糖脂肪酸エステルとメチルセルロースとの混合物10〜50mg/m2で被覆されているとともに、さらにこの被覆層がシリコーンオイルで被覆され、他方の面がシリコーンオイルで被覆されているスチレン系樹脂シートが開示されている。この文献には、防曇処理剤の上のシリコーンオイル被覆量は2〜14mg/m2であると記載され、比較例5では、ショ糖脂肪酸エステルの被覆量18mg/m2に対して、シリコーンオイルの被覆量1.2mg/m2のシートでは、シートにブロッキングが発生している。
さらに、特許第3241797号明細書(特許文献3)には、ショ糖脂肪酸エステルと、シリコーンエマルジョンと、多糖類及び/又は親水性高分子(ポリビニルアルコールを除く)とを含む表面処理剤を、ポリマーフィルムの少なくとも一方の面に塗布することが開示されている。この表処理剤において、シリコーンエマルジョンの割合は、ショ糖脂肪酸エステル100重量部に対して、固形分として20〜1000重量部である。
容器成形に供される樹脂シート(例えば、スチレン系樹脂シート)は、例えば、樹脂を溶融混練し、シート状に押出成形し、生成したシートを二軸延伸した後、防曇剤を塗布し、乾燥してロール状に巻き取られる。そして、容器成形においては、ロールから樹脂シートを繰り出して熱成形により容器を成形している。しかし、前記樹脂シートの巻き取りに伴って、防曇剤が樹脂シートの非防曇処理面と接触して転移し、さらに、容器成形過程においても、熱板などの加熱体との接触により防曇剤が転移するためか、樹脂シートや容器の防曇性や耐ブロッキング性が大きく低下する。特に、深絞り成形により容器を成形すると、防曇性が大きく低下する。また、防曇剤によって成形機が汚れる。さらに、前記防曇性シートの離型性を高めるためには、比較的多くのシリコーンオイルを必要とする。
シリコーンオイルを含むこれらの防曇性シート又はフィルムは、耐ブロッキング性が高い。しかし、これらの防曇性シートは未だ防曇性が十分でない。すなわち、前記防曇性シートは、例えば、容器内に高温の内容物を収容したとき、内容物から発生する水蒸気に対する防曇性(高温防曇性)、特に、容器内に水分を含む内容物(食品など)を収容して低温で保存するとき、水蒸気又は結露に対する防曇性(低温防曇性)が低い。さらに、シートの巻き取りや容器成形により防曇性が大きく低下する。
特開2002−46232号公報(特許文献4)及び特開2002−47366号公報(特許文献5)には、一方の表面にショ糖脂肪酸エステル及びポリグリセリン脂肪酸エステルから選択された少なくとも一種の防曇剤を5〜30mg/m2塗布し、他方の面にエーテル系多量体類(ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンブロック共重合体)などで構成された離型剤を3〜30mg/m2塗布したポリスチレン系シートが開示されている。特開2002−86639号公報(特許文献6)には、一方の表面に、ショ糖脂肪酸エステル及びポリグリセリン脂肪酸エステルから選択された少なくとも一種の脂肪酸エステルと、エーテル系多量体(ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンブロック共重合体、ポリエチレングリコール)と、ポリビニルアルコールとで構成された防曇剤を塗布し、他方の面にエーテル系多量体類(ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンブロック共重合体、ポリエチレングリコール)で構成された離型剤を塗布したポリスチレン系樹脂防曇シートが開示されている。
しかし、これらの防曇シートは、離型剤としてエーテル系多量体を用いるため、シリコーンオイルを用いたシートに比べて耐ブロッキング性や離型性が大きく低下する。さらに、成形過程で熱板などの加熱体と接触すると、熱板が汚れ、それによって透明性が低下し、容器の品質を低下させる。
特公昭63−62538号公報 特開平10−309785号公報 特許第3241797号明細書 特開2002−46232号公報 特開2002−47366号公報 特開2002−86639号公報
従って、本発明の目的は、高い防曇性及び離型性を有する樹脂シートおよびその製造方法並びにこのシートを用いた容器を提供することにある。
本発明の他の目的は、巻き取りや熱成形などに供しても高い防曇性を維持できる防曇性樹脂シートおよびその製造方法並びに容器を提供することにある。
本発明のさらに他の目的は、シリコーンオイルの使用量が少なくても高い離型性(又は耐ブロッキング性)を有する防曇性樹脂シートおよびその製造方法並びに容器を提供することにある。
本発明者は、前記課題を達成するため鋭意検討した結果、特定の表面形態を有する樹脂シートの少なくとも一方の面を、多価アルコール脂肪酸エステルと特定の親水性高分子とで構成された成分で被覆すると、高い防曇性と離型性とを両立できることを見いだし、本発明を完成した。
すなわち、本発明の被覆樹脂シートは、樹脂シートの少なくとも一方の面に、多価アルコール脂肪酸エステルと親水性高分子とで構成された被覆層が形成されているシートであって、前記被覆層の表面に、高さ0.2〜2μmの突起物が1mm2当り平均5〜50個の割合で形成されている。前記多価アルコール脂肪酸エステルは、種々の脂肪酸エステル、例えば、ショ糖脂肪酸エステルやポリグリセリン脂肪酸エステルなどから選択してもよい。また、親水性高分子は、多糖類、アクリル酸系重合体又はその塩、ビニルピロリドンの単独又は共重合体などの非エーテル系親水性高分子や、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンブロック共重合体、オキシエチレン単位を有するノニオン系界面活性剤などのエーテル系親水性高分子などから選択される。さらに、前記被覆層には、シリコーンエマルジョンなどのシリコーンオイルが含まれていてもよい。
前記成分の割合は、例えば、多価アルコール脂肪酸エステル100重量部に対して、親水性高分子1〜100重量部、シリコーンオイル0〜100重量部(特に0〜50重量部)程度であってもよい。
前記樹脂シートにおいて、樹脂シートの一方の面に被覆層が形成され、他方の面の濡れ指数が30〜55dyn/cm程度であってもよい。他方の面にも、高さ0.2〜2μmの突起物が1mm2当り平均5〜50個の割合で形成されていてもよい。また、他方の面に、シリコーンオイルで構成された離型層が形成されていてもよい。
前記樹脂シートは、スチレン系樹脂シートであってもよい。特に、スチレン系樹脂100重量部と架橋有機粒子0.001〜5重量部とで構成されていてもよい。また、スチレン系樹脂シートは、スチレン系樹脂100重量部とゴム強化スチレン系樹脂0.2〜1.5重量部と架橋スチレン系樹脂粒子0.003〜0.05重量部とで構成されていてもよい。
本発明は、さらに、高さ0.2〜2μmの突起物が1mm2当り平均5〜50個の割合で形成されている樹脂シートの少なくとも一方の面に、被覆層を形成する前記シートの製造方法も含む。さらには、前記シートで形成された容器も包含する。
なお、本明細書において「シート」とは、二次元的な構造物、例えば、フィルム、プレートなどを含む意味に用いる。また、「エーテル系親水性高分子」は、エチレンオキサイドの付加により分子量が増大したエチレンオキサイド付加体も含む。
本発明では、特定の構造と特定の成分とを組み合わせているため、防曇性(高温防曇性及び低温防曇性)及び耐ブロッキング性を大きく改善できる。特に、シートを巻き取りや熱成形などに供しても高い防曇性を維持できるとともに、離型性(又は耐ブロッキング性)を高めることができる。さらに、シリコーンオイルの使用量が少なくても高い離型性(又は耐ブロッキング性)を付与できる。また、防曇剤による成形機の汚れを低減できる。
[被覆(防曇)層]
本発明の被覆樹脂シートは、樹脂シートの少なくとも一方の面に、多価アルコール脂肪酸エステルと親水性高分子と必要に応じてシリコーンオイルとで構成された被覆(防曇)層が形成されている。さらに、前記被覆層の表面が、高さ0.2〜2μmの突起物を1mm2当り平均5〜50個有している。
(多価アルコール脂肪酸エステル)
前記被覆層(又は防曇層)を構成する脂肪酸エステルは、多価アルコールと脂肪酸(特に高級脂肪酸)とのエステルで構成できる。多価アルコールとしては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコールなどのC2-12アルキレングリコール;ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコールなどの(ポリ)オキシC2-4アルキレングリコール;グリセリン、重合度2〜20程度のポリグリセリン(ジグリセリン、トリグリセリン、テトラグリセリン、ポリグリセリンなど)、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、糖類(ショ糖、ソルビトール、マンニトール、キシリトール、マルチトール、ソルビタン、オリゴ糖など)などのポリヒドロキシ化合物(多価アルコール類)などが例示できる。これらの多価アルコールは単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
好ましい多価アルコールには、3以上のヒドロキシル基を有する化合物、例えば、グリセリン、重合度2〜15程度のポリグリセリン、糖類(ショ糖など)などが含まれる。
脂肪酸としては、例えば、カプロン酸、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、モンタン酸などのC6-30飽和脂肪酸、リンデル酸、パルミトオレイン酸、オレイン酸、エライジン酸、イソオレイン酸、エルカ酸、リノール酸、リノレン酸などのC10-24不飽和脂肪酸などが挙げられる。これらの脂肪酸は単独で使用してもよく、二種以上組み合わせて混酸エステルを形成してもよい。
これらの脂肪酸のうち、C8-24飽和又は不飽和脂肪酸、特に飽和脂肪酸が好ましい。脂肪酸は、例えば、C10-22脂肪酸を主成分とする脂肪酸(例えば、ラウリン酸などのC12-18飽和脂肪酸を少なくとも50モル%以上の割合で含む脂肪酸)である場合が多い。
防曇性などを改善するために有用な脂肪酸エステルとしては、ショ糖脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステルが好ましく、これらの脂肪酸エステルも単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。ショ糖脂肪酸エステルとしては、例えば、ショ糖とC8-24飽和脂肪酸(特にC10-22飽和脂肪酸)とのモノ乃至ヘキサエステル類、例えば、ショ糖脂肪酸モノ乃至ヘキサカプリル酸エステル、ショ糖脂肪酸モノ乃至ヘキサラウリン酸エステル、ショ糖脂肪酸モノ乃至ヘキサステアリン酸エステル、ショ糖脂肪酸モノ乃至ヘキサベヘン酸エステルなど;ショ糖とC12-24不飽和脂肪酸(特にC16-22不飽和脂肪酸)とのモノ乃至ヘキサエステル類、例えば、ショ糖脂肪酸モノ乃至ヘキサオレイン酸エステルなどが例示できる。
ポリグリセリン脂肪酸エステルとしては、重合度2〜16程度のポリグリセリンとC8-24飽和脂肪酸(特にC10-22飽和脂肪酸)とのモノ乃至ドデカエステル類、例えば、テトラグリセリンモノ乃至テトラカプリル酸エステル、ヘキサグリセリンモノ乃至ヘキサカプリル酸エステル、デカグリセリンモノ乃至デカカプリル酸エステル、テトラグリセリンモノ乃至テトララウリン酸エステル、ヘキサグリセリンモノ乃至ヘキサラウリン酸エステル、デカグリセリンモノ乃至デカラウリン酸エステル、テトラグリセリンモノ乃至テトラステアリン酸エステル、ヘキサグリセリンモノ乃至ヘキサステアリン酸エステル、デカグリセリンモノ乃至デカステアリン酸エステル、テトラグリセリンモノ乃至テトラベヘン酸エステル、ヘキサグリセリンモノ乃至ヘキサベヘン酸エステル、デカグリセリンモノ乃至デカベヘン酸エステルなど;重合度2〜16程度のポリグリセリンとC16-24不飽和脂肪酸(特にC16-22不飽和脂肪酸)とのモノ乃至ドデカエステル類、例えば、テトラグリセリンモノ乃至テトラオレイン酸エステル、ヘキサグリセリンモノ乃至ヘキサオレイン酸エステル、デカグリセリンモノ乃至デカオレイン酸エステル、テトラグリセリンモノ乃至テトラエルカ酸エステル、ヘキサグリセリンモノ乃至ヘキサエルカ酸エステル、デカグリセリンモノ乃至デカエルカ酸エステルなどが例示できる。
脂肪酸エステルのHLB(hydrophile-lipophile balance)は、特に制限されず、例えば、2〜20、好ましくは5〜18、さらに好ましくは10〜18程度であってもよく、通常、12〜17程度である。
(親水性高分子)
親水性高分子には、非エーテル系親水性高分子とエーテル系親水性高分子とが含まれる。
非エーテル系親水性高分子としては、種々の親水性高分子、例えば、多糖類(オリゴ糖、セルロース誘導体)、ビニル単量体の重合体又はその塩などが例示できる。これらの親水性高分子は単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。なお、防曇性を高めるためには、親水性高分子として、ポリビニルアルコールは含まないのが好ましい。
非エーテル系親水性高分子のうち多糖類は、例えば、単一多糖類、複合多糖類やそれらの誘導体などであってもよい。多糖類には、例えば、オリゴ糖を含む多糖類、澱粉誘導体、セルロース誘導体などが含まれる。これらの多糖類は、食品及び食品添加物として使用されているので、安全性が高い。
多糖類としては、例えば、澱粉、フィトグリコーゲン、フルクタン、ガラクトマンナン、グルコマンナン、マンナン、大麦及び燕麦グルカン、セルロース、ヘミセルロース、β−1,3−グルカン、ガラクタン、アラバン、キシラン、アラボガラクタン、アラボキシラン、アラボグルカン、ペクチン、アラビアガム、トラガカントガム、ローカストビーンガム、グアールガム、メスキットガム、カラゲニン、グルクロノキシラン、ラミナラン、イヌリン、リケニン、フルクトサン、キチン、キトサン、アルギン酸又はその塩(アルギン酸ナトリウムなど)、ヒアルロン酸、コンドロイチン硫酸、カロニン硫酸、ゼラチン、寒天、フコイジン、トロロアオイ、カードラン、ザンタンガム、プルラン、デキストラン、シクロデキストリン、ニゲラン、レバンなどが例示される。なお、オリゴ糖(又はオリゴ糖アルコール)としては、二糖類、三糖類、四糖類、五糖類、六糖類、七糖類、八糖類、十糖類などが例示でき、通常、三糖類乃至八糖類のオリゴ糖(例えば、四糖類など)が使用できる。オリゴ糖は単一の糖であってもよく、複数の糖類、例えば、少なくとも四糖類を含むオリゴ糖として利用できる。また、オリゴ糖は分岐糖アルコールを含んでいてもよい。
澱粉誘導体としては、例えば、白色デキストリン、黄色デキストリン、ブリティッシュガム、酸化澱粉、酸処理澱粉、α−澱粉、高含アミロース澱粉、ジアルデヒド澱粉、酢酸澱粉、澱粉グリコール酸ナトリウム、ヒドロキシエチル澱粉、燐酸澱粉、カチオン澱粉、架橋澱粉、澱粉有機酸エステル、澱粉無機酸エステル、アルキル及び置換アルキル澱粉エーテル、グラフト重合澱粉、及びそれらの誘導体などが例示される。
セルロース誘導体としては、例えば、アルキルセルロース(メチルセルロース、エチルセルロース、プロピルセルロースなどのC1-6アルキルセルロース)、カルボキシアルキルセルロース(カルボキシメチルセルロース、カルボキシエチルセルロース、カルボキシプロピルセルロースなどのカルボキシC1-6アルキルセルロースなど)、ヒドロキシアルキルセルロース(ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースなどのヒドロキシC1-6アルキルセルロースなど)、ヒドロキシアルキルアルキルセルロース(ヒドロキシエチルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースなど)、可溶性セルロースアセテート、無機酸エステル(硫酸セルロース、リン酸セルロースなど)などが例示される。
多糖類としては、オリゴ糖、セルロース誘導体(アルキルセルロース、カルボキシアルキルセルロース、ヒドロキシアルキルセルロース、ヒドロキシアルキルアルキルセルロースなど)を利用する場合が多い。
親水性高分子には、水溶性高分子、水分散性高分子および水膨潤性高分子が含まれる。親水性高分子としては、ビニル単量体、例えば、ヒドロキシル基を有する単量体、カルボキシル基又はスルホン酸基を有する単量体、アミド基を有する単量体、塩基性窒素原子を有する単量体、ビニルエーテル系単量体などを構成成分とする単独または共重合体などが含まれる。
ヒドロキシル基を有する単量体としては、例えば、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレートなどのヒドロキシアルキルアクリレート、これらに対応するヒドロキシアルキルメタクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。カルボキシル基を有する単量体としては、例えば、(メタ)アクリル酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸などが挙げられ、スルホン酸基を有する単量体としては、例えば、エチレンスルホン酸、スチレンスルホン酸などが例示できる。アミド基を有する単量体としては、例えば、(メタ)アクリルアミドが挙げられ、塩基性窒素原子を有する単量体としては、例えば、N,N−ジメチルアミノエチルアクリレート、N,N−ジエチルアミノエチルアクリレートやこれらに対応するメタクリレート、ビニルピロリドンなどが含まれる。ビニルエーテル系単量体には、例えば、ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルイソプロピルエーテル、ビニルブチルエーテル、ビニルイソブチルエーテルなどのアルキルビニルエーテル類が含まれる。
前記単量体を構成成分として含む親水性重合体は、(メタ)アクリル酸エステル((メタ)アクリル酸C1-10アルキルエステルなど)、スチレン、カルボン酸ビニルエステル(酢酸ビニルなど)などの単量体との共重合体であってもよい。
好ましい親水性高分子には、水溶性高分子(アクリル系重合体、ビニル系重合体)が含まれる。このような重合体としては、例えば、カルボキシル基又はその塩を有する重合体(例えば、ポリ(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸−無水マレイン酸共重合体、(メタ)アクリル酸−ビニルスルホン酸共重合体、(メタ)アクリル酸−メタクリル酸メチル共重合体などの(メタ)アクリル酸系重合体とその塩)、エーテル基や塩基性窒素原子を有するビニル系重合体(例えば、ポリアルキルビニルエーテル、アルキルビニルエーテル−無水マレイン酸共重合体、ポリビニルピロリドンなどのビニルピロリドン単位を有する重合体(単独又は共重合体))が好ましい。(メタ)アクリル酸系高分子の塩としては、例えば、ナトリウム塩、カリウム塩などのアルカリ金属塩、アンモニウム塩、有機アミン塩などが挙げられる。
親水性高分子のうち食品添加物として認可されている(メタ)アクリル酸系重合体又はその塩(ポリアクリル酸ナトリウムなどのアクリル酸系重合体又はその塩)、ビニルピロリドンの単独又は共重合体(ポリビニルピロリドンなど)などが好ましい。
エーテル系親水性高分子は、少なくともオキシエチレン単位を有していればよく、エチレンオキサイド付加体、エチレンオキサイドのランダム又はブロック重合体などを含む。エーテル系親水性高分子は界面活性能を有している場合が多い。代表的なエーテル系親水性高分子は、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンブロック共重合体(以下、単にPOE−POPブロック共重合体という場合がある)、オキシエチレン単位を有するノニオン系界面活性剤を含む。これらのエーテル系親水性高分子は単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンブロック共重合体(POE−POPブロック共重合体)は、オキシエチレンブロック−(CH2CH2O)m−とオキシプロピレンブロック−(CH(CH3)CH2O)n−とで構成された共重合体であり、共重合体中のエチレンオキサイド鎖の含有率(m/(m+n)×100)は、10〜95%(又は重量%)(好ましくは20〜90%(又は重量%)、さらに好ましくは40〜90%(又は重量%)、特に50〜90%(又は重量%))程度である。上記ブロック共重合体のブロック構造は特に制限されず、オキシエチレンブロックとオキシプロピレンブロックとのジブロック構造、オキシプロピレンブロックの両端にオキシエチレンブロックが結合したトリブロック構造などであってもよい。トリブロック構造の共重合体は、下記式
HO−(CH2CH2O)m1−(CH(CH3)CH2O)n−(CH2CH2O)m2−H
(式中、m1+m2=mである)
で表すことができる。
ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンブロック共重合体(POE−POPブロック共重合体)の分子量は特に制限されず、例えば、重量平均分子量1,000〜50,000、好ましくは3,000〜30,000、さらに好ましくは5,000〜30,000(例えば、10,000〜25,000)程度の範囲から選択でき、通常、8,000〜20,000(例えば、10,000〜20,000)程度であってもよい。
ノニオン系界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類(ポリオキシエチレンC12-24アルキルエーテルなど)、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル類(ポリオキシエチレンC6-18アルキルフェニルエーテルなど)、ポリオキシエチレン多価アルコール脂肪酸エステル(ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンヒマシ油)、ポリオキシエチレンアルキルアミン類(ポリオキシエチレンC10-24アルキルアミンなど)、ポリオキシエチレン脂肪酸アミド類(ポリオキシエチレンC8-24脂肪酸アミドなど)などが例示できる。これらのノニオン系界面活性剤は単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。ノニオン系界面活性剤としては、ポリオキシエチレン多価アルコール脂肪酸エステル(ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルなど)を用いる場合が多い。なお、脂肪酸としては、前記脂肪酸エステルの項目で例示の高級脂肪酸(C6-30飽和脂肪酸、C10-24不飽和脂肪酸)が利用できる。
ノニオン系界面活性剤において、オキシエチレン単位の付加モル数は、例えば、2〜100、好ましくは5〜50(例えば、10〜50)、さらに好ましくは10〜30程度であってもよい。さらに、ノニオン系界面活性剤のHLBは、例えば、5〜20、好ましくは10〜20(例えば、10〜18)程度であってもよい。
高い防曇性を維持するために、非エーテル系親水性高分子とエーテル系親水性高分子とを組み合わせて用いてもよい。両者を組み合わせる場合、非エーテル系親水性高分子100重量部に対するエーテル系親水性高分子の割合は0.1〜1000重量部(例えば、1〜700重量部、好ましくは10〜500重量部)程度であってもよい。エーテル系親水性高分子として、POE−POPブロック共重合体とオキシエチレン単位を有するノニオン系界面活性剤とを使用してもよく、両者の割合は、前者100重量部に対して、後者0.1〜1000重量部(例えば、1〜500重量部、好ましくは5〜250重量部)程度である。
(シリコーンオイル)
本発明では、被覆層が、ブロッキング防止性や離型性の高いシリコーンオイルを含有してもよい。シリコーンオイルの種類は特に制限されず、例えば、ジメチルポリシロキサン、ジエチルポリシロキサン、トリフルオロプロピルポリシロキサンなどのアルキルポリシロキサン;ジフェニルポリシロキサンなどのアリールポリシロキサン;メチルフェニルポリシロキサンなどのアルキルアリールポリシロキサンなどが挙げられる。シリコーンオイルは、鎖状ポリシロキサンであってもよく、環状ポリシロキサンであってもよい。
さらに、シリコーンオイルは、耐ブロッキング性や離型性を付与できる限り、変性シリコーンオイル、例えば、ヒドロキシアルキル基(ヒドロキシエチル基などのヒドロキシC2-4アルキル基)、ポリオキシアルキレン基、アミノ基、N−アルキルアミノ基、グリシジル基又はエポキシ基、重合性基(ビニル基、(メタ)アクリロイル基など)などを有するシリコーンオイルであってもよい。
これらのシリコーンオイルも単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。これらのシリコーンオイルのうち、通常、汎用性の高いジメチルポリシロキサンが使用される。シリコーンオイルは、種々の形態で使用できるが、通常、シリコーンエマルジョンの形態(シリコーンオイルを乳化分散させたエマルジョン)で使用する場合が多い。
シリコーンオイルの粘度は特に制限されず、例えば、室温(15〜25℃)でのオストワルド粘度50〜50000センチストークス(0.5×10-4〜500×10-42/s)、好ましくは100〜30000センチストークス(1×10-4〜300×10-42/s)、さらに好ましくは150〜30000センチストークス(1.5×10-4〜300×10-42/s)程度である。
被覆層において、各成分は防曇性や耐ブロッキング性(又は離型性)などを損なわない範囲で組み合わせることができ、このような組合せとしては、例えば、ショ糖脂肪酸エステル及びポリグリセリン脂肪酸エステルから選択された少なくとも一種の脂肪酸エステル(特に少なくともショ糖脂肪酸エステルで構成された脂肪酸エステル)と、多糖類、アクリル酸系重合体又はその塩、及びビニルピロリドンの単独又は共重合体から選択された少なくとも一種の非エーテル系高分子(特に少なくともビニルピロリドンの単独又は共重合体で構成された非エーテル系高分子)と、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンブロック共重合体、オキシエチレン単位を有するノニオン系界面活性剤から選択された少なくとも一種のエーテル系親水性高分子(特に少なくともポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンブロック共重合体で構成されたエーテル系親水性高分子)と、シリコーンオイル(特にジメチルポリシロキサンなどのシリコーンエマルジョン)との組合せなどが例示できる。
前記被覆層(又は防曇層)において、各成分の割合は防曇性や耐ブロッキング性(又は離型性)などを損なわない範囲で選択でき、親水性高分子の割合は、例えば、多価アルコール脂肪酸エステル100重量部に対して、1〜100重量部、好ましくは3〜70重量部、さらに好ましくは5〜50重量部程度であってもよい。シリコーンオイルの使用量は、例えば、多価アルコール脂肪酸エステル100重量部に対して、0〜100重量部(例えば、1〜100重量部)、好ましくは0〜50重量部(例えば、1〜50重量部)、さらに好ましくは0〜30重量部(例えば、1〜30重量部)程度であってもよい。本発明では、シリコーンオイルの使用量が少なくても(特に、シリコーンオイルを使用しない場合でも)、高い耐ブロッキング性及び離型性を得ることができる。
なお、各成分は単独で又は複数の成分を組み合わせて使用してもよく、複数の成分を組み合わせる場合、第1の成分100重量部に対する第2の成分の割合は0.1〜1000重量部(例えば、1〜500重量部、好ましくは5〜250重量部)程度であってもよい。例えば、多価アルコール脂肪酸エステルとして、ショ糖脂肪酸エステルとポリグリセリン脂肪酸エステルとを組み合わせて使用する場合、両者の割合は、例えば、前者100重量部に対して後者1〜500重量部(例えば、5〜300重量部、好ましくは5〜100重量部)程度の範囲から選択してもよい。親水性高分子として、多糖類とビニルピロリドン系重合体とを組み合わせて使用する場合、両者の割合は広い範囲から選択でき、例えば、前者100重量部に対して、後者0.1〜1000重量部(例えば、1〜500重量部、好ましくは10〜250重量部)の範囲内で選択してもよい。
なお、被覆層は、種々の添加剤、例えば、安定剤(酸化防止剤、紫外線吸収剤など)、充填剤、着色剤、帯電防止剤、難燃剤、滑剤、ワックス、防腐剤、粘度調整剤、増粘剤、レベリング剤、消泡剤などを含んでいてもよい。
本発明では、被覆層の表面に、高さ0.2〜2μmの突起物が、1mm2当り平均5〜50個、好ましくは5〜40個、さらに好ましくは5〜35個(特に5〜30個)程度の割合で形成されている。本発明の被覆樹脂シートは、このような突起物を有することにより、シリコーンオイルの割合が少なくても優れた耐ブロッキング性を有する。表面にこのような突起物が形成された被覆層は、被覆層に粒子などの突起物を含有させてもよいが、通常、表面にこのような突起物が形成された樹脂シートを用いることにより調製できる。突起物の形状は特に制限されないが、通常、球状や楕円体状、多角状などの粒状物が突出した構造である。
[樹脂シート]
樹脂シートは、フィルム又はシート成形性を有する種々の熱可塑性樹脂、例えば、ポリエチレン系樹脂(ポリエチレン、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、アイオノマーなど)、ポリプロピレン系樹脂(ポリプロピレン、プロピレン−エチレン共重合体など)、ポリ−4−メチルペンテン−1などのオレフィン系樹脂;ポリビニルアルコール、エチレン−ビニルアルコール共重合体などのビニルアルコール系樹脂;ポリ塩化ビニルなどの塩化ビニル系樹脂;スチレン系樹脂;ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートなどのアルキレンアリレート単位を有するホモ又はコポリエステル系樹脂;ナイロン又はポリアミド系樹脂;ポリアクリロニトリル系樹脂;ポリカーボネート系樹脂;ポリフェニレンオキシド系樹脂;ポリスルホン系樹脂;セルロース誘導体などで形成できる。これらの樹脂は単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。また、樹脂シートは単層シートであってもよく、複数の樹脂層が積層された積層シートであってもよい。樹脂シートの厚みは、用途に応じて適当に選択でき、例えば、10μm〜5mm、好ましくは25μm〜1mm程度である。容器成形に利用する場合、樹脂シートの厚みは、例えば、50μm〜5mm、好ましくは100〜3000μm(例えば、100〜1000μm)、さらに好ましくは130〜500μm程度であってもよい。
好ましい樹脂シートは、成形加工性を有するシート、特に疎水性合成樹脂シート、例えば、オレフィン系樹脂(特にポリプロピレン系樹脂)、ポリエステル系樹脂(特にポリエチレンテレフタレート系樹脂)、スチレン系樹脂で構成できる。特に、成形加工性の高い樹脂シート、例えば、スチレン系樹脂シートが好ましい。なお、ポリスチレンシートは透明性が高い。
スチレン系樹脂には、芳香族ビニル単量体(スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレンなど)を構成成分として含む単独重合体、芳香族ビニル単量体と共重合性単量体との共重合体およびこれらの混合物が含まれる。より具体的には、スチレン系樹脂としては、例えば、一般用ポリスチレン(GPPS)、ゴム強化ポリスチレン(ハイインパクトポリスチレンHIPS)、ポリスチレン−ポリブタジエン−ポリスチレンブロック共重合体、アクリロニトリル−スチレン共重合体(AS樹脂)、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS樹脂)、スチレン−ブタジエンブロック共重合体、ゴム成分X(アクリルゴム、塩素化ポリエチレン、エチレン−プロピレンゴム(EPDM)、エチレン−酢酸ビニル共重合体など)にアクリロニトリルAとスチレンSとがグラフト重合したAXS樹脂、スチレン−メタクリル酸メチル共重合体、アクリロニトリル−スチレン−メタクリル酸メチル共重合体などが例示される。これらのスチレン系樹脂は単独で又は二種以上混合して使用できる。
樹脂シートは、被覆層に突起物を形成するために、その表面に突起物が形成されていてもよい。樹脂シートの表面における突起物は、樹脂シートの表面に粒子などの突起物を含む層をコーティングして形成してもよく、粒子などの突起物を樹脂シートに練り込んで形成してもよい。これらのうち、簡便性の点で、粒子を樹脂シートに練り込む方法、すなわち樹脂シートを樹脂と粒子とで構成する方法が好ましい。粒子には、有機粒子及び無機粒子が含まれる。これらの粒子は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
無機粒子としては、例えば、金属粉、ホワイトカーボン、金属珪酸塩(珪酸カルシウム、珪酸アルミニウム、珪酸マグネシウム、アルミノ珪酸マグネシウムなど)、鉱物質粒子(ゼオライト、ケイソウ土、焼成珪成土、タルク、カオリン、セリサイト、ベントナイト、スメクタイト、クレーなど)、金属炭酸塩(炭酸マグネシウム、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウムなど)、金属酸化物(アルミナ、シリカ、酸化亜鉛、二酸化チタンなど)、金属水酸化物(水酸化アルミニウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウムなど)、金属硫酸塩(硫酸カルシウム、硫酸バリウムなど)などが挙げられる。
有機粒子は、熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂、ゴム粒子などで構成できる。熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリオレフィン系樹脂、スチレン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリフェニレンオキシド系樹脂、ビニル系樹脂等の架橋又は非架橋有機粒子、ワックス粒子(フィッシャー−トロプシュワックス、エステルワックス、高級脂肪酸又はその塩、高級脂肪酸エステル、高級脂肪酸アミドなど)などが例示できる。これらの熱可塑性樹脂のうち、ポリオレフィン系樹脂(例えば、架橋ポリエチレン、架橋ポリプロピレンなど)、スチレン系樹脂(例えば、架橋ポリスチレン、架橋ポリビニルトルエン、架橋スチレン−メタクリル酸メチル共重合体など)、アクリル系樹脂(例えば、架橋ポリメタクリル酸メチルなど)などが好ましい。熱硬化性樹脂としては、特に制限されず、シリコーン系樹脂、アミノ樹脂(尿素樹脂、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂など)、ポリウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂等の有機粒子などが挙げられる。ゴム粒子としては、例えば、ジエン系ゴム、アクリルゴム、エチレン−α−オレフィン−ポリエン共重合体、シリコーンゴム、水添ジエン系ゴムなどが例示できる。さらに、これらの粒子(特にゴム粒子)は、マトリックスである熱可塑性樹脂中に分散された粒子であってもよい。
これらの粒子のうち、離型性(耐ブロッキング性)及び前記樹脂との相溶性の点から、架橋有機粒子、特に架橋樹脂粒子(例えば、ポリオレフィン系樹脂、アクリル系樹脂、スチレン系樹脂、シリコーン系樹脂など)や、架橋又はグラフトしたゴム分散粒子(例えば、架橋又はグラフトしたジエン系ゴムや水添ジエン系ゴム粒子など)が好ましい。架橋有機粒子としては、相溶性の点から、樹脂シートと同系統の樹脂で構成された粒子が好ましい。これらの架橋有機粒子は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
粒子(架橋有機粒子など)の割合は、樹脂(スチレン系樹脂など)100重量部に対して、0.001〜5重量部、好ましくは0.003〜3重量部、さらに好ましくは0.005〜2重量部程度である。
さらに、シートを構成する樹脂と、粒子との相溶性の点から、粒子として、架橋又はグラフトゴム粒子が分散した樹脂と、架橋樹脂粒子とを組み合わせて用いるのが好ましい。この場合、架橋樹脂粒子の割合は、シートを構成する樹脂100重量部に対して、0.003〜0.05重量部、好ましくは0.005〜0.03重量部程度であり、前記ゴム粒子が分散した樹脂の割合は、シートを構成する樹脂100重量部に対して、0.2〜1.5重量部、好ましくは0.3〜1.2重量部程度である。
樹脂シートがスチレン系樹脂で構成されている場合は、架橋有機粒子としては、例えば、架橋ポリスチレン粒子などの架橋スチレン系樹脂粒子や、マトリックス樹脂中に架橋又はグラフトゴム粒子が分散したスチレン系樹脂(例えば、HIPSなどのゴム強化スチレン系樹脂)を、スチレン系樹脂の添加剤として使用するのも好ましい。前記ゴム粒子としては、例えば、ポリブタジエン(ブタジエンゴム)、イソプレンゴム、スチレン−ブタジエン共重合体などのジエン系ゴム粒子などが好ましく、例えば、グラフト共重合などにより、スチレン系樹脂で構成されたマトリックス中に前記ゴム粒子が分散しているのが好ましい。このようなゴム粒子の割合は、スチレン系樹脂100重量部に対して、3〜50重量部、好ましくは3〜20重量部、さらに好ましくは5〜10重量部程度である。特に、架橋スチレン系樹脂粒子とゴム強化スチレン系樹脂とを組み合わせて使用するのが効果的である。
粒子の平均粒径は、前記突起物を形成できる粒径であれば特に限定されず、例えば、0.3〜60μm、好ましくは0.4〜50μm、さらに好ましくは0.5〜40μm程度である。
粒子の形状は、特に制限されないが、例えば、球状、楕円体状、多角体状、角柱状、円柱状、棒状、不定形状などであってもよい。
樹脂シートは、種々の添加剤、例えば、安定剤(酸化防止剤、紫外線吸収剤、熱安定剤など)、帯電防止剤、結晶核成長剤、炭化水素系重合体、可塑剤、ミネラルオイル、充填剤、着色剤などを含んでいてもよい。
樹脂シートは、慣用の方法、例えば、T−ダイ法またはインフレーション法などの慣用の成膜方法で得ることができる。樹脂シートは、未延伸であってもよいが、延伸されているのが好ましい。延伸フィルムは、一軸延伸フィルムであってもよいが、二軸延伸フィルムであるのが好ましい。また、必要に応じて、延伸フィルムは熱処理(熱固定処理)してもよい。延伸法としては、慣用の延伸法、例えば、ロール延伸、圧延延伸、ベルト延伸、テンター延伸、チューブ延伸や、これらを組合せた延伸法などが挙げられる。延伸倍率は、所望するシートの特性に応じて適宜設定でき、例えば1.2〜20倍、好ましくは1.5〜15倍、さらに好ましくは1.5〜10倍程度であってもよい。
樹脂シートの表面には、慣用の表面処理、例えば、コロナ放電処理、高周波処理などを施してもよい。樹脂シートの表面張力は、シートの種類により異なるので一概に決定できないが、JIS K−6768「ポリエチレン及びポリプロピレンフィルムのぬれ試験方法」に準拠して測定したとき、30〜65dyn/cm(30×10-5〜65×10-5N/cm)程度である。スチレン系樹脂シートの場合、表面張力は40〜62dyn/cm(40×10-5〜62×10-5N/cm)、好ましくは42〜62dyn/cm(42×10-5N/cm〜62×10-5N/cm)、さらに好ましくは45〜60dyn/cm(45×10-5〜60×10-5N/cm)程度である。
このような表面張力を有する樹脂シート面に前記被覆層を形成すると、塗膜との密着性を向上でき、シート表面の水濡れに対する塗膜の耐久性が向上する。なお、シート表面の表面張力が高すぎると、シート表面が活性化され過ぎるためか、ブロッキングし易くなる。そのため、ロール状に巻いたシートを巻き戻すのが困難となったり、成形した複数の容器を積み重ねて打ち抜くと、容器同士が密着し、容器を剥離して内容物を収納する作業効率が低下し易い。
[被覆樹脂シート又は防曇性シート及びその製造方法]
本発明の被覆樹脂シートは、前記樹脂シートと、この樹脂シートの少なくとも一方の面(片面又は両面)を被覆して形成された被覆層(又はコーティング層)とで構成されている。
前記被覆層が形成された本発明の被覆樹脂シートは、表面外観に優れ、巻き取っても防曇性の低下が少なく、深絞り成形によっても高い防曇性及び耐ブロッキング性を有するという特色がある。また、成形加工に供しても、高い防曇性を持続できる。さらに、防曇剤による成形機の汚れも低減できる。
前記被覆層は、通常、塗布液や含浸液の形態である液状組成物を被覆して形成される。このような液状組成物は、有機溶媒を溶媒とする非水性液状組成物であってもよいが、通常、水性組成物として利用される。なお、水性組成物において、溶媒は水単独であってもよく、水と親水性溶媒(特に水混和性溶媒)[例えば、アルコール類(メタノール、エタノール、イソプロパノールなど)、ケトン類(アセトンなど)、エーテル類(ジオキサン、テトラヒドロフランなど)、セロソルブ類(メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブなど)、カルビトール類など]との混合溶媒であってもよい。
前記被覆層の塗布液は、慣用の混合撹拌機や混合分散機を用いて調製することができ、調製に際して前記シリコーンオイルを分散させてもよい。被覆層の粘度は、塗布性を損わない範囲で適当に選択できる。塗布液の粘度は、例えば、5000cps(=5Pa・s)以下(好ましくは100〜3000cps(=0.1〜3.0Pa・s)、さらに好ましくは10〜2500cps(=0.01〜2.5Pa・s))程度であってもよい。
本発明の被覆層は塗布量が少量であっても高い防曇性及び耐ブロッキング性を示すという特色がある。そのため、被覆層の塗布量(乾燥後の塗布量)は、例えば、5〜150mg/m2程度の広い範囲から選択でき、通常、10〜100mg/m2、好ましくは15〜80mg/m2(例えば、20〜70mg/m2)、さらに好ましくは20〜50mg/m2程度であってもよく、塗布量10〜50mg/m2程度であっても高い防曇性及び耐ブロッキング性を示す。
本発明の被覆樹脂シートでは、樹脂シートの少なくとも一方の面に被覆層を形成すればよく、一方の面に被覆層を形成し、他方の面を、コロナ放電処理により30〜55dyn/cm(30×10-5〜55×10-5N/cm)程度に処理するのが好ましい。他方の面については、さらにその上から、種々の処理剤(例えば、耐ブロッキング性を向上させるためのブロッキング防止剤、帯電防止性や滑り性を高めるための帯電防止剤や滑剤を含むコーティング剤など)で処理(又は塗布処理)してもよい。特に、樹脂シートの一方の面に被覆層を形成し、他方の面に離型層(又はブロッキング防止層)を形成してもよい。
本発明では、離型層(又はブロッキング防止層)は、シリコーンオイルで構成されている。シリコーンオイルとしては、前記と同様のシリコーンオイル(ジメチルポリシロキサンなど)が好ましい。好ましい態様において、シリコーンオイルは、前記と同様に、エマルジョン(水性エマルジョン)の形態で使用できる。
離型層には、シリコーンオイルに加えて、種々の離型剤(又はブロッキング防止剤)、例えば、ワックス(鉱物系ワックス、植物系ワックス、合成ワックスなどを含む)、高級脂肪酸アミドなどが含まれていてもよいが、オキシエチレン単位を有するエーテル系親水性高分子が含まれているのが好ましい。オキシエチレン単位を有するエーテル系親水性高分子としては、前記と同様のエーテル系親水性高分子(ノニオン系界面活性剤、例えば、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンブロック共重合体、オキシエチレン単位を有するノニオン系界面活性剤など)が使用できる。種々の離型剤の割合は、防曇性や耐ブロッキング性を損なわない範囲で選択でき、シリコーンオイル100重量部に対して0〜100重量部程度である。
なお、離型剤などの処理剤は、種々の添加剤、例えば、安定剤(酸化防止剤、紫外線吸収剤など)、充填剤、着色剤、帯電防止剤、難燃剤、滑剤、ワックス、防腐剤、粘度調整剤、増粘剤、レベリング剤、消泡剤などを含んでいてもよい。また、処理剤は、通常、塗布液や含浸液の形態で使用でき、有機溶媒を溶媒とする非水性液状組成物であってもよいが、通常、水性組成物として利用される。なお、水性組成物において、溶媒は水単独であってもよく、水と前記例示の親水性溶媒(特に水混和性溶媒)との混合溶媒であってもよい。
処理剤の塗布量(乾燥後の塗布量)は、処理剤の種類などに応じて1〜200mg/m2(例えば、5〜100mg/m2)程度の広い範囲から選択でき、通常、2〜100mg/m2、好ましくは3〜50mg/m2(例えば、5〜30mg/m2)、さらに好ましくは5〜25mg/m2程度であってもよい。
前記処理剤(離型剤など)で処理された表面にも、被覆層と同様の突起物が形成されているのが好ましい。離型層に突起物を形成する方法としても、被覆層と同様に、突起物が形成された樹脂シートを用いる方法などが挙げられる。
被覆樹脂シートは、前記樹脂シートの少なくとも一方の面に前記被覆層(又は防曇層)の塗布液を塗布することにより製造できる。また、前記樹脂シートの一方の面に前記塗布液を塗布し、他方の面に前記処理剤(例えば、離型剤やブロッキング防止剤など)を塗布することによっても被覆樹脂シートを製造できる。前記被覆層の塗布液(又は処理剤)の塗布には、慣用の塗布手段、例えば、スプレー、ロールコーター、グラビアロールコーター、ナイフコーター、ディップコーターなどが利用できる。なお、必要であれば、前記被覆層の塗布液(又は処理剤)は複数回に亘り塗布してもよい。前記被覆層の塗布液(及び処理剤)を樹脂シートに塗布した後、通常、塗布層を乾燥することにより被覆層(又は防曇層)や処理層(離型層など)を形成できる。
被覆樹脂シートは、後処理工程(容器成形工程など)に連続的に供してもよいが、通常、ロール状に巻き取り、後処理工程に供する場合が多い。このような巻き取りによっても、高い耐ブロッキング性により防曇成分の転移を大きく抑制でき、高温防曇性のみならず低温防曇性に優れるだけでなく、長期間に亘り高い防曇性を維持できる。また、ベタツキや白化を抑制でき、樹脂シートの透明性、光沢などを損うことがない。そのため、種々の用途、例えば、カバーシート(又はフィルム)、食品包装などの包装用シート(又はフィルム)などに利用できる。成形性の高い樹脂シートを用いた被覆樹脂シートは、二次成形性が高く、容器などの成形加工に適している。
[容器及びその製造方法]
本発明は前記被覆樹脂シートで形成された容器(食品包装用容器など)などの成形品も開示する。また、容器は、通常、食品などの収容物を収容するための少なくとも容器本体を有しており、容器本体の開口部はラッピングフィルムで覆ってもよい。また、容器は、容器本体と、ヒンジ部を介して、前記容器本体の開口部を覆う蓋体とで構成してもよい。
好ましい方法では、前記被覆樹脂シート(又は防曇性シート)を慣用の熱成形法により容器(食品包装用容器などの水分を含有する収容物を収容するための容器など)を成形する場合が多い。熱成形法(又は二次成形加工)としては、例えば、吹き込み成形法、真空成形法、圧空成形法(熱板加熱式圧空成形法、輻射加熱式圧空成形法などの加熱圧空成形法)、真空圧空成形法、プラグアシスト成形法、マッチドモールド成形法などが利用できる。延伸樹脂シートを用いる場合、通常、熱板加熱式圧空成形法を利用する場合が多い。
本発明では、このような熱成形(二次成形)に供しても高い防曇性及び耐ブロッキング性を維持できる。特に、被覆樹脂シートを深絞り成形しても、高温防曇性のみならず低温防曇性に優れ、高い防曇性を維持できる。
なお、二次成形容器内に収容可能な収容物は特に制限されず、乾燥又は水分の揮散が少ない収容物であってもよいが、防曇性が高いため、水分を含む収容物(食品など)の収容に適している。また、本発明の容器は、結露が生じやすい環境下で使用する容器(例えば、低温で保存する生鮮食料品や調理食品などの他、加熱調理食品などを収容するための容器)としても適している。なお、前記熱成形に供しても高い透明性や光沢を確保でき、内容物の視認性を改善できる。
以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。なお、実施例及び比較例において、以下の成分を用いた。
[多価アルコール脂肪酸エステル]
A−1:ショ糖ラウリン酸エステル(理研ビタミン(株)製、「リケマールA」、HLB=15)
A−2:ポリグリセリン脂肪酸エステル(理研ビタミン(株)製、デカグリセリンモノラウリン酸エステル「ポエムJ−0021」、HLB=15.5)
[親水性高分子]
B−1:カルボキシメチルセルロースナトリウムCMC(ダイセル化学工業(株)製、「CMCダイセル1350」)
B−2:ヒドロキシプロピルメチルセルロースHPMC(信越化学工業(株)製、「メトローズ60SH−15」、2重量%水溶液粘度13〜18mPa・s、メチル基の平均置換度1.9、ヒドロキシプロピル基の平均置換度0.25)
B−3:ポリアクリル酸ナトリウム PAcNa((株)日本触媒製、「アクアリックFH−G」、重量平均分子量400×104〜500×104
B−4:ポリビニルピロリドン(BASFジャパン(株)製、「ルビテックK−90」、重量平均分子量90×104〜150×104、5重量%水溶液粘度80〜100mPa・s)
B−5:ポリビニルアルコール PVA(クラレ(株)製、「PVA205」)
B−6:ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンブロック共重合体(第一工業製薬(株)、「エパン785」、重量平均分子量13000、オキシエチレン鎖含有率85重量%(又は%))。
[シリコーンオイル]
ジメチルシリコーン水性エマルジョン(信越化学工業(株)製、「KM9738」、10000センチストークス=100×10-42/s)
また、被覆樹脂シートについて、以下のようにして、被覆樹脂シートの突起物の高さ、プレス後の防曇性及び成形品の防曇性を次のようにして評価した。
[突起物の平均個数]
表面粗さ計(東京精密(株)製、サーフコム1400A)を用いて、各シートを1.5mm×1.5mm四方、n=3で、三次元の粗さを測定し、突起物の高さが0.2〜2μmの突起物の個数をカウントし、1mm2当りの突起物の平均個数に換算した。
[プレス後の防曇性]
被覆樹脂シートを30×30cm四方にカットし、防曇面と離型面とを合わせて2枚重ねた後(上側のシートの防曇面と下側のシートの離型面とを重ねた)、ハンドプレス機を用いて、温度30℃で、10kgf/cm2(≒98N/cm2)の荷重で、1時間加圧した後、圧力を開放し、シートを分離した。上側のシートについて、60℃のお湯を入れた容器に、防曇被覆面を容器の開口部に向けて蒸気にあたるようにシートを載せて、常温環境下で2分間放置し、シートの曇の程度を目視で観察し、以下の基準で評価した。
◎:内容物がくっきり見える
○:内容物がほぼくっきり見える
△:内容物がにじんで見える
×:内容物が見えない。
[成形品の防曇性]
シートを熱板成形し、直径100mm、深さ30mm(絞り比0.3)の円形蓋材を作製した。この円形蓋材について、23℃の水を入れた容器に、前記蓋材を載せて、5℃環境下で10分間放置した後、蓋材の曇の程度を目視で観察し、以下の基準で評価した。
◎:フォントサイズ5の「防曇性」の文字が読み取れる
○:フォントサイズ10の「防曇性」の文字が読み取れる
△:フォントサイズ14の「防曇性」の文字が読み取れる
×:フォントサイズ18の「防曇性」の文字が読み取れる。
実施例1〜8及び比較例1〜4
表1に示す突起物数を有する二軸延伸ポリスチレンシート(シート厚み0.25mm)の一方の面を60dyn/cm(60×10-5N/cm)にコロナ放電処理した。表1に示す割合(重量部)で各成分を含む水性防曇処理剤を調製し(シリコーンオイルについては固形分換算)、これらの防曇処理剤をコロナ放電処理面に塗布し、乾燥することにより、所定の防曇層を形成した。さらに、二軸延伸ポリスチレンシートの他方の面を、表1に示す濡れ指数となるようにコロナ放電処理した。また、実施例5〜7については、固形分換算で、表1に示す割合(重量部)で離型剤としてシリコーンオイルをコロナ放電処理面に塗布し、乾燥することにより、所定の離型層を形成した。結果を表1に示す。
Figure 2004315802
表1から、実施例の被覆樹脂シートは、プレス後の防曇性だけでなく、成形品の防曇性も高い。

Claims (15)

  1. 樹脂シートの少なくとも一方の面に、多価アルコール脂肪酸エステルと親水性高分子とで構成された被覆層が形成されているシートであって、前記被覆層の表面に、高さ0.2〜2μmの突起物が1mm2当り平均5〜50個の割合で形成されている被覆樹脂シート。
  2. 多価アルコール脂肪酸エステルが、ショ糖脂肪酸エステル及びポリグリセリン脂肪酸エステルから選択された少なくとも一種で構成されている請求項1記載のシート。
  3. 親水性高分子が、非エーテル系親水性高分子及びエーテル系親水性高分子から選択された少なくとも一種で構成されている請求項1記載のシート。
  4. 非エーテル系親水性高分子が、多糖類、アクリル酸系重合体又はその塩、及びビニルピロリドンの単独又は共重合体から選択された少なくとも一種で構成され、エーテル系親水性高分子が、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンブロック共重合体、及びオキシエチレン単位を有するノニオン系界面活性剤から選択された少なくとも一種で構成されている請求項3記載のシート。
  5. 被覆層が、多価アルコール脂肪酸エステル100重量部に対して、親水性高分子1〜100重量部と、シリコーンオイル0〜100重量部とを含む請求項1記載のシート。
  6. 被覆層が、多価アルコール脂肪酸エステル100重量部に対して、シリコーンオイル0〜50重量部を含む請求項1記載のシート。
  7. 樹脂シートの一方の面に被覆層が形成され、他方の面の濡れ指数が30〜55dyn/cmである請求項1記載のシート。
  8. 他方の面に、高さ0.2〜2μmの突起物が1mm2当り平均5〜50個の割合で形成されている請求項7記載のシート。
  9. 他方の面に、シリコーンオイルで構成された離型層が形成されている請求項8記載のシート。
  10. 樹脂シートがスチレン系樹脂シートである請求項1〜9のいずれかの項に記載のシート。
  11. スチレン系樹脂シートが、スチレン系樹脂100重量部と架橋有機粒子0.001〜5重量部とで構成されている請求項10記載のシート。
  12. スチレン系樹脂シートが、スチレン系樹脂100重量部とゴム強化スチレン系樹脂0.2〜1.5重量部と架橋スチレン系樹脂粒子0.003〜0.05重量部とで構成されている請求項10記載のシート。
  13. 樹脂シートの一方の面に、多価アルコール脂肪酸エステルと親水性高分子とシリコーンエマルジョンとで構成された被覆層が形成されるとともに、他方の面に、シリコーンエマルジョンで構成された離型層が形成されているシートであって、前記被覆層が、多価アルコール脂肪酸エステル100重量部に対して、固形分換算としてシリコーンエマルジョン0〜30重量部を含むとともに、前記被覆層及び離型層の表面に、高さ0.2〜2μmの突起物が1mm2当り平均5〜30個の割合で形成されている被覆樹脂シート。
  14. 高さ0.2〜2μmの突起物が1mm2当り平均5〜50個の割合で形成されている樹脂シートの少なくとも一方の面に、被覆層を形成する請求項1記載のシートの製造方法。
  15. 請求項1記載のシートで形成された容器。
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