JP2004306422A - 孔版印刷装置及び印刷方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】省インク効果のより大きな孔版印刷装置及び印刷方法を提供する。
【解決手段】サーマルヘッドで孔版原紙を穿孔して製版し、製版された孔版原紙を着版した版胴に印刷用紙を押圧して印刷する孔版印刷装置であって、省インク印刷を設定する設定手段と、設定された省インク印刷に対する省インク製版を実行する省インク製版手段を有する製版部と、印刷条件を設定された省インク印刷に対する省インク印刷条件に制御する印刷条件調整部を有する印刷部とを備え、省インク印刷が設定手段から設定されると、製版部は設定された省インク印刷に対応する省インク製版を省インク製版手段で実行し、且つ、印刷部は設定された省インク印刷に対応する印刷条件を印刷条件調整部で制御して印刷する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、省インク印刷等の印刷条件に応じて製版/印刷を実行する孔版印刷装置及び印刷方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
版胴に着版された孔版原紙にプレスローラにより印刷用紙を押圧して印刷する孔版印刷装置において、印刷圧力(印圧)や印刷速度等の印刷条件を所定範囲で可変設定することで、所望の印刷濃度で印刷を実行することが可能な孔版印刷装置が、本出願人により提案されている(例えば、特許文献1を参照)。
【0003】
特許文献1に記載の記載の技術により、薄い印刷濃度で印刷を実行するように印刷条件を設定することで、例えば低印刷コスト、対環境エコロジー等を考慮してインク消費量を抑えた省インク印刷を実現することもできる。
【0004】
また、インクジェット方式の印刷装置において、ビットマップに展開した画像データから、外観・輪郭に関わる画素のみを抽出して輪郭パターンを形成し、その輪郭パターンのみを印刷することで、印刷画素数を減らしてインク消費量を削減させる技術が開示されている(特許文献2を参照)。
【0005】
【特許文献1】
特許第2593923号公報
【0006】
【特許文献2】
特開平08−156247号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
省インク印刷は、印刷品質は低下するがそれにもまして印刷コストの低減や対環境性能の観点からユーザが自らの意志で選択する機能である。従って、印刷品質の低下を極力抑制して、省インク効果のより大きな孔版印刷装置及び印刷方法を提供することが重要な課題である。
【0008】
しかし、上記特許文献1に記載の技術によって、孔版原紙を着版した版胴に印刷用紙をプレスローラにより押圧する押圧力(印圧)を低減して薄い印刷濃度で印刷すれば、印刷品質の低下は少ないものの大きな省インク効果は得られないという欠点があった。
【0009】
また、特許文献2の技術によって、輪郭画素以外の印刷画素を削減して印刷すれば省インク効果は大きいものの印刷品質は大幅に低下するという欠点があった。
【0010】
本発明は、以上のような状況を鑑みてなされたものであり、印刷品質の低下を極力抑制した、より省インク効果の大きい孔版印刷装置及び印刷方法を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明に係わる孔版印刷装置の特徴は、サーマルヘッドで孔版原紙を穿孔して製版し、製版された前記孔版原紙を着版した版胴に印刷用紙を押圧して印刷する孔版印刷装置であって、省インク印刷を設定する設定手段と、設定された省インク印刷に対する省インク製版を実行する省インク製版手段を有する製版部と、印刷条件を設定された省インク印刷に対する省インク印刷条件に制御する印刷条件調整部を有する印刷部とを備え、省インク印刷が前記設定手段から設定されると、製版部は設定された省インク印刷に対応する省インク製版を前記省インク製版手段で実行し、且つ、印刷部は設定された省インク印刷に対応する印刷条件を前記印刷条件調整部で制御して印刷することことにある。
【0012】
また、本発明に係わる孔版印刷方法の特徴は、サーマルヘッドで孔版原紙を穿孔して製版し、製版された前記孔版原紙を着版した版胴に印刷用紙を押圧して印刷する印刷方法であって、設定手段から省インク印刷に設定し、製版部は設定された省インク印刷に対する省インク製版を省インク製版手段で実行し、且つ、印刷部は設定された省インク印刷に対する省インク印刷条件を印刷条件調整部で制御して印刷することである。
【0013】
即ち、省インク印刷が設定手段から設定されると、省インク製版手段は孔版原紙に省インク製版を行い、印刷条件調整部は印刷条件を省インク印刷条件に制御し印刷部で印刷するという省インク製版処理と省インク印刷処理を併せて実行することで、インク消費量の少ない省インク印刷が実現できる。
【0014】
また、前記省インク製版手段は少なくとも前記サーマルヘッドと前記サーマルヘッドを制御するサーマルヘッド駆動制御部とで構成され、前記サーマルヘッド駆動制御部は前記サーマルヘッドの温度と前記孔版原紙の熱収縮性フィルムの温度との温度差が小さくなるよう前記サーマルヘッドに印加する印加パワーと印加時間とを制御し、且つ、前記孔版原紙の熱収縮性フィルムの温度が溶融点温度に達した時、前記サーマルヘッドに印加する印加パワーを停止するよう制御して、製版することを特徴とする。
【0015】
即ち、製版時サーマルヘッド駆動制御部は、サーマルヘッドに印加する印加パワーと印加時間とを制御してゆっくりと発熱させ、且つ、熱収縮性フィルムの温度が溶融点温度に達した時サーマルヘッドに印加する印加パワーを停止して発熱を停止することにより、サーマルヘッドの温度と孔版原紙の熱収縮性フィルムの温度の温度差が少なく保たれ、熱収縮性フィルムの温度は溶融点温度を超えるものの低温に抑制されるので、穿孔径は小さくなる。さらに熱収縮性フィルムへの熱伝達時間が長くなるので、サーマルヘッドの温度が熱収縮性フィルムに正確に伝達され、穿孔径のばらつきを小さくできる。
【0016】
また、小穿孔径製版された孔版原紙を着版した版胴に印刷用紙を押圧する押圧力を省インク印刷に適した押圧力に印刷条件調整部で制御して印刷することにより、印刷品質の低下が抑制された省インク効果の大きい孔版印刷を実現できる。
【0017】
さらにまた、省インク製版手段は少なくとも前記サーマルヘッドと前記サーマルヘッドを制御するサーマルヘッド駆動制御部とで構成され、前記サーマルヘッド駆動制御部は前記サーマルヘッドに印加する印加パワーをサーマルヘッドの1走査ライン単位で停止するよう制御して、前記サーマルヘッドの1走査ライン単位で非穿孔製版することを特徴とする。
【0018】
即ち、サーマルヘッド駆動制御部は、サーマルヘッドに印加する印加パワーをサーマルヘッドの1走査ライン単位で停止するよう制御してサーマルヘッドの発熱を停止させて、1走査ライン単位でサーマルヘッドの副走査方向に非穿孔として、穿孔数を削減する間引き製版を実行する。
【0019】
さらにまた、前記印刷条件調整部は、製版された前記孔版原紙を着版した前記版胴に前記印刷用紙を押圧する押圧力を制御する印圧調整部と、前記版胴の回転速度を制御する印刷速度調整部とで構成され、前記印圧調整部は設定された省インク製版に対応して押圧力と回転速度または押圧力のみを制御して印刷することを特徴とする。
【0020】
即ち、印刷部は省インク製版された孔版原紙で印刷する場合、省インク製版された孔版原紙に適合する押圧力を印圧調整部で、印刷速度を印刷速度調整部で制御して印刷することで、より省インク効果の大きい孔版印刷を実現出来る。
【0021】
このように本発明の孔版印刷装置及び印刷方法によれば、設定手段から省インク印刷に設定されると、製版部は設定された省インク印刷(印刷モード)に対応する省インク製版を省インク製版手段で実行し、且つ、印刷部は印刷条件を印刷条件調整部で省インク製版に適した省インク印刷条件に制御して印刷するので、印刷品質の低下が少なく省インク効果の大きい印刷ができる。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、図1から図13を参照して、本発明の実施の形態について詳しく説明する。なお、各図面を通じて同一もしくは同等の部位や構成要素には、同一もしくは同等の参照符号を付し、その説明を省略もしくは簡略化する。
【0023】
[孔版印刷装置の構成]
図1に示すように、孔版印刷装置100は、制御部9、操作パネル8、読み取り部1、製版部2、着版部3、排版部4、給紙部5、排紙部6、印刷部7、外部インタフェース部74等を備える。
【0024】
制御部9は、図示しない処理装置(CPU)、RAM、ROM、記憶手段(例えばハードディスク)等で構成され、処理装置はROMや記憶手段に記憶されたプログラムやデータをRAMに読み出して処理し、処理結果に基づいて印刷装置全体を制御する。
【0025】
外部インタフェース部74は、孔版印刷装置100がネットワーク等を介して他装置と接続するための機能を有する。
【0026】
操作パネル8は、ユーザとのインタフェースを実現するために孔版印刷装置100の上部に配置され、図3に例示するように、ユーザによる原稿の種類、変倍、印刷モード、用紙サイズ等の設定やユーザへの情報等を表示する液晶タッチパネル85、印刷枚数等を設定するテンキー81、製版/印刷開始を指示するSTARTキー82、製版/印刷停止を指示するSTOPキー83、設定された印刷枚数等を表示する表示部84が設けられている。
【0027】
さらに、操作パネル8は、印刷濃度を設定する印刷濃度設定キー87a、87b及び設定された印刷濃度を表示する印刷濃度表示部86、印刷速度を設定する印刷速度設定キー89a、89b及び設定された印刷速度を表示する印刷速度表示部88、試し刷りを指示する試し刷りキー90等が設けられている。
【0028】
製版する場合は液晶タッチパネル85の右上角に表示される製版/印刷ボタンを操作(タッチ)すると、製版、印刷が順次設定される。例えば、「製版」に設定すると図3に例示する設定画面が表示され、原稿の種類、変倍、印刷モード、用紙サイズ等の各選択ボタンを操作することで所望の条件に設定され、STARTキー82を操作すると製版が開始される。製版が終了すると液晶タッチパネル85の左上角に表示される表示ボタンに「印刷できます」と表示される。また、「印刷」に設定すると図4に例示する設定画面が表示される。所望の条件を必要に応じて設定し、STARTキー82を操作すると印刷が開始される。さらに具体的には印刷モードを「省インク1」または「省インク2」に設定すると、印刷条件は予め設定し制御部9のROM等に記憶された「省インク1」または「省インク2」の標準的な印刷濃度、印刷速度を印刷濃度表示部86、印刷速度表示部88に表示する。ユーザは印刷濃度設定キー87a、87b及び印刷速度設定キー89a、89bを操作して設定値を変更することもできる。
【0029】
再び図1に戻って、製版部2は設定された印刷条件に対応する製版を実行するために、孔版原紙18を穿孔するサーマルヘッド20、およびサーマルヘッド20を制御するサーマルヘッド駆動制御部76等で構成されている。サーマルヘッド駆動制御部76はユーザにより設定された印刷モードに応じてサーマルヘッド20に印加する印加パワー(印加電圧と印加電流の積、以下、パワーと略す)と印加時間、即ち印加エネルギー(パワーと印加時間の積、以下、エネルギーと略す)を制御する。なお、制御データとしての孔版原紙18の熱収縮性フィルム(以下、熱収縮性フィルムと略す)の温度が溶融点温度に達する迄のパワー、印加時間、1ライン周期(サーマルヘッド20の1走査ライン当たりの穿孔データ書き込み周期、即ちパワー印加周期)等の制御データは実験等で設定し、制御部9のROM等に記憶しておく。
【0030】
さらに具体的には、印刷モードが「省インク1」に設定されるとサーマルヘッド駆動制御部76は予め制御部9のROM等に記憶されている制御データに従って、印加するパワー、印加時間を制御してサーマルヘッド20の温度をゆっくりと上昇させ、且つ、熱収縮性フィルムの温度が溶融点温度に達した時、前記サーマルヘッドに印加する印加パワーを停止するようサーマルヘッド20を制御する。この制御により、熱収縮性フィルムの温度は溶融点温度を超えるものの低温に抑制され、穿孔径の揃った小穿孔径の製版となる。
【0031】
同様に「省インク2」に設定されるとサーマルヘッド駆動制御部76は予め制御部9のROM等に記憶されている制御データに従ってパワーを1走査ラインで停止してサーマルヘッド20の発熱を停止するよう制御する。この制御により、サーマルヘッド20は1走査ライン単位で発熱しないため、1走査ライン単位で穿孔されない製版となる。
【0032】
即ち、ユーザにより印刷モードが省インク1に設定された場合、印刷モードが標準の場合と比較して穿孔数(印刷画素数)を同一、穿孔径が小穿孔径となるようサーマルヘッド駆動制御部76はサーマルヘッド20を制御し、省インク2に設定された場合、穿孔径を同一、穿孔数(印刷画素数)がサーマルヘッド20の副走査方向に1走査ライン単位で削減されるよう制御する。
【0033】
印刷条件調整部75は印刷濃度を制御する印圧調整部72と印刷速度を制御する印刷速度調整部73により構成される。より具体的には、印刷濃度はプレスローラ140による版胴26への押圧力として、印圧調整部72がユーザにより設定された印刷濃度に対応する押圧力に制御し、印刷速度はドラム駆動モータ25の回転速度(版胴26の回転数)として、印刷速度調整部73がユーザにより設定された印刷速度(印刷モードに対応する印刷速度)に制御する。なお、印刷濃度と押圧力、印刷速度と版胴の回転数の変換データは制御部9のROM等に予め記憶され、印刷速度調整部73は制御部9のROM等に記憶されている制御データを参照して、制御する。
【0034】
また、印刷モードが「省インク1」または「省インク2」の場合、押圧力は標準と比較して低く設定され、印刷速度は標準に比べ同等か速く設定される。なお、印刷条件として印刷速度は固定されていてもよい。
【0035】
なお、各印刷モードに対応する押圧力、印刷速度は制御部9のROM等に予め記憶されている。
【0036】
さらにユーザは操作パネル8を介して印刷濃度(押圧力)、印刷速度を所望の設定値に変更することもできる。
【0037】
つまり、設定手段から省インク印刷に設定されると、設定された省インク印刷に適合する省インク製版と省インク製版に適合する押圧力、印刷速度等の印刷条件を組み合わせて印刷することにより、省インク効果の高い省インク印刷を実現することができる。
【0038】
さらに図2に示すように孔版印刷装置100において、読み取り部1は、印刷すべき原稿が載置される原稿セット台10、原稿セット台10上の原稿の有無を検出する反射型の原稿センサ11,12、原稿セット台10の原稿を搬送する原稿搬送ロール対13,14、原稿搬送ロール対13,14を回転駆動するステッピングモータ15、原稿搬送ロール対13,14によって搬送される原稿の画像を光学的に読み取り、これを電気信号に変換する密着型のイメージセンサ16、原稿セット台10より排出される原稿を載置する原稿排出トレー17などを有する。原稿セット台10に載置された原稿は原稿搬送ロール対13,14によって搬送され、搬送された原稿の画像をイメージセンサ16が読み取る。
【0039】
製版部2は、ロールされた長尺状の孔版原紙18を収容する原紙収容部19、原紙収容部19の搬送下流に配置されたサーマルヘッド20、サーマルヘッド20の対向位置に配置されたプラテンロール21、プラテンロール21及びサーマルヘッド20の搬送下流に配置された原紙送りロール対22、プラテンロール21及び原紙送りロール対22を回転駆動するライトパルスモータ23、原紙送りロール対22の搬送下流に配置された原紙カッタ24などを有する。プラテンロール21と原紙送りロール対22の回転により長尺状の孔版原紙18を搬送し、イメージセンサ16で読み取られた画像データに基づきサーマルヘッド20により、孔版原紙18を感熱穿孔して製版し、製版された孔版原紙18を所定長さに原紙カッタ24で切断する。
【0040】
着版部3は、版胴26の外周面に設けられ、孔版原紙18の先端をクランプする原紙クランプ部27、版胴26の検出片28aを検出することによって版胴26の外周面に孔版原紙18が着版されているか否かを検出する原紙確認センサ28などを有する。
【0041】
印刷部7は、外周部分が多孔構造によるインク通過性の部材で構成され、ドラム駆動モータ25の駆動力によって図2のA矢印方向に回転する版胴26、版胴26の検出片29を検出することによって版胴26の基準位置を検出する基準位置検出センサ30、ドラム駆動モータ25の回転を検出するロータリエンコーダ31などを有する。基準位置検出センサ30の検出出力を基にロータリエンコーダ31の出力パルスを検出することによって、版胴26の回転位置を検出することができる。ドラム駆動モータ25は、印刷速度調整部73により制御される。
【0042】
また、印刷部3は、版胴26の内部に配置されたスキージロール32、スキージロール32に近接配置されたドクターロール33を有し、スキージロール32とドクターロール33とで囲まれた外周スペースにインク34が溜められている。回転するスキージロール32の外周に付着するインク34がドクターロール33との隙間を通ることで、スキージロール32には所定膜厚のインク34のみが付着され、この所定膜厚のインク34が版胴26の内周面に供給される。
【0043】
さらに印刷用紙37を版胴26に押し付けるプレスローラ140およびプレスローラ140は、印圧調整部72により版胴26の回転に同期して駆動される。
【0044】
そして、製版部2から搬送される孔版原紙18の先端を原紙クランプ部27でクランプし、このクランプした状態で版胴26が回転されて孔版原紙18が版胴26の外周面に着版され、版胴26の回転に同期して給紙部5より搬送される印刷用紙37をプレスローラ140で版胴26に着版された孔版原紙18に押圧することによって孔版原紙18の穿孔からインク34が印刷用紙37に転写されて原稿の画像が印刷される。
【0045】
給紙部5は、印刷用紙37が載置される給紙台38、給紙台38から最上位置の印刷用紙37のみを搬送させる1次給紙ロール39,40、1次給紙ロール39,40によって搬送された印刷用紙37を版胴26の回転に同期して版胴26とプレスローラ140の間に搬送する2次給紙ロール対41、2次給紙ロール対41間に印刷用紙37が搬送されたか否かを検出する給紙センサ42などを有する。1次給紙ロール39,40には給紙クラッチ43を介してドラム駆動モータ25の回転が選択的に伝達されるように構成されている。
【0046】
排紙部6は、印刷処理された印刷用紙37を版胴26から分離する用紙分離爪44、用紙分離爪44により版胴26から剥離された印刷用紙37が搬送される搬送通路45、搬送通路45より排紙される印刷用紙37が載置される排紙台46などを有する。排紙台46には、サイドフェンス59,60とエンドフェンス61が設けられている。
【0047】
排版部4は、版胴26に着版された孔版原紙18を引き剥がしながら搬送する排版搬送ロール対47、排版搬送ロール対47を回転駆動する排版モータ48、排版搬送ロール対47により搬送されて来る孔版原紙18を収納する排版ボックス49、排版搬送ロール対47により搬送されてくる孔版原紙18が排版ボックス49に搬送されたか否かを検出する排版センサ50などを有する。
【0048】
[孔版印刷装置の処理動作]
次に、図5に示すフローチャートを参照して、本実施形態における孔版印刷装置100の処理動作について詳しく説明する。なお、以下に示す孔版印刷装置100の処理動作は、制御部9が孔版印刷装置100の各部を制御することにより実現される。
【0049】
印刷処理は操作パネル8の液晶タッチパネル85の右上角に表示される製版/印刷選択ボタンにより製版が選択されると処理を開始する。
【0050】
ステップS01の処理において、制御部9は図3に例示する製版設定画面を表示する。
【0051】
ステップS02の処理において、ユーザは液晶タッチパネル85に表示された製版設定画面から原稿種類、変倍、印刷モード、用紙サイズ等の条件を設定する。
【0052】
ステップS03の処理において、制御部9は設定された設定内容を表示する。印刷濃度や印刷速度は設定された印刷モードに対応する標準的な設定値を制御部9のROM等の記憶手段を参照して、印刷濃度表示部86、印刷速度表示部88に表示するとともに、制御部9のRAMに記憶する。ユーザにより印刷濃度設定キー87a,87bや印刷速度設定キー89a,89bから標準的設定値が修正された場合、制御部9は表示を変更し、RAMに記憶した設定値を書き換える。
【0053】
ステップS04の処理において、ユーザは原稿セット台10に原稿をセットし、テンキー81から印刷枚数を設定する。
【0054】
ステップS05の処理において、制御部9はSTARTキー82により製版開始が指示されたか否かを判別する。制御部9は製版開始が指示されたと判別した場合は処理をステップS06に進め、指示されていないと判別した場合は待機する。
【0055】
ステップS06の処理において、制御部9は原稿セット台10に原稿がセットされているか否かを判別する。制御部9は原稿がセットされていると判別した場合は処理をステップS07に進め、原稿がセットされていないと判別した場合は処理をステップS04に処理を戻す。
【0056】
ステップS07の処理において、排版部4は版胴26に着版されている孔版原紙18を排版ボックス49に排版する。
【0057】
ステップS08の処理において、読み取り部1は原稿セット台にセットされている原稿の画像を読み取り、製版部2に送る。
【0058】
ステップS09の処理において、制御部9は設定された印刷モードを判別する。印刷モードが「省インク1」に設定されている場合は処理をステップS11に、「省インク2」に設定されている場合は処理をステップS21に、「標準」に設定されている場合は処理をステップS31に進める。
【0059】
ステップS11の処理において、製版部2は制御部9のROM等に記憶されている省インク1に対応する制御データを参照して、読み取り部1から送られた画像データを孔版原紙18に製版処理し、制御部9は処理をステップS12に進める。省インク1の製版処理については、後で詳細に説明する。
【0060】
同様に省インク2が設定されている場合は、ステップS21の処理において、製版部2は制御部9のROM等に記憶されている省インク2に対応する制御データを参照して、読み取り部1から送られた画像データを孔版原紙18に製版処理し、制御部9は処理をステップS12に進める。省インク2の製版処理については、後で詳細に説明する。
【0061】
また同様に標準に設定されている場合は、ステップS31の処理において、製版部2は制御部9のROM等に記憶されている標準に対応する制御データを参照して、読み取り部1から送られた画像データを孔版原紙18に製版処理し、制御部9は処理をステップS12に進める。
【0062】
ステップS12の処理において、着版部3は製版された孔版原紙18を版胴26に着版する。
【0063】
ステップS13の処理において、製版が終了すると制御部9は図4に例示する印刷設定画面を液晶タッチパネル85に表示する。
【0064】
ステップS14の処理において、ユーザが印刷設定画面に従って印刷条件を設定しSTARTキー82により印刷開始を指示する。制御部9はSTARTキー82により印刷開始が指示されたか否かを判別する。制御部9は印刷開始が指示されたと判別した場合、処理をステップS15に進め、印刷開始が指示されないと判別した場合待機する。
【0065】
ステップS15の処理において、制御部9は制御部9のRAMに記憶した印刷モード、印刷条件に従って、制御部9のROMに予め記憶されている制御データ(印圧調整部72、印刷速度調整部73の制御データ)を参照する。そして、参照した制御データに基づいて印圧調整部72、印刷速度調整部73は印刷条件を制御する。
【0066】
より具体的には、印刷モードが省インク1に対応する印刷条件は、印刷モードが標準と比較して押圧力が低く、印刷速度が同等またはそれ以上に設定されている。同様に、省インク2に対応する印刷条件は、押圧力が同等またはそれ以下に、印刷速度が同等またはそれ以上に設定されている。
【0067】
ステップS16の処理において、給紙部4は印刷部3に印刷用紙37を一枚給紙する。
【0068】
ステップS17の処理において、印刷部7は版胴26に着版された孔版原紙18に給紙された印刷用紙37をプレスローラ140により設定された押圧力で押圧して搬送し、印刷用紙37にインク34を転移して印刷する。
【0069】
ステップS18の処理において、排紙部6は印刷された印刷用紙37を排紙台46に排紙する。
【0070】
ステップS19の処理において、制御部9はユーザにより設定された印刷枚数の印刷を終了したか否かを判別する。制御部9は設定された印刷枚数の印刷を終了していないと判別した場合は、処理をステップS16に戻す。設定された印刷枚数の印刷を終了したと判別した場合は、処理を終了する。
【0071】
[省インク製版処理]
本発明における省インク印刷を実現するため、省インク印刷に適した省インク製版を行う。省インク製版には印刷モードが省インク1に対応する「省インク1製版処理」と、印刷モードが省インク2に対応する「省インク2製版処理」がある。なお、印刷モードが標準の場合は「標準製版処理」である。
【0072】
[省インク1製版処理]
製版は、サーマルヘッド20の発熱素子にパワー(電圧)を印加して発熱させ、孔版原紙18の熱収縮性フィルムを溶融穿孔することである。しかし穿孔径を所望の寸法に穿孔することや、穿孔径を均一に穿孔(製版)することは困難である。また、穿孔メカニズムを論理的に解明することはさらに困難である。そのため、サーマルヘッド20に印加するパワーや印加時間を様々に変化させ小穿孔径製版できる条件を実験により調査した。
【0073】
図9は印加するエネルギー(パワーと印加時間の積)を同一にして、印加するパワーと印加時間を変化させた場合のサーマルヘッド20の温度変化を示す図である。図9において条件1はパワーを大きく、印加時間を短くした場合であり、条件2はパワーを小さく、印加時間を長くした場合である。サーマルヘッド20の放熱特性の影響により条件1の方が温度変化は急峻で、ピーク温度は高い。
【0074】
図10はサーマルヘッド20に一定のパワーを印加した時の孔版原紙18の時間的な温度変化を示す。なお、孔版原紙18の温度と熱収縮性フィルムの温度は同一と仮定した。
【0075】
図10においてサーマルヘッド20にパワーを印加するとサーマルヘッド20の温度は印加時間とともに上昇し、熱収縮性フィルムの温度はサーマルヘッド20の温度上昇に追随して上昇する。そして、印加するパワーを停止するとサーマルヘッド20の温度はそれ以後降下し始める。印加するパワーが停止されても熱収縮性フィルムの温度は、しばらく上昇を続けた後、降下し始める。
【0076】
サーマルヘッド20の最高温度をT1、熱収縮性フィルムの最高温度をT2とすると、T1>T2の関係にある。
【0077】
一方、穿孔は熱収縮性フィルムの温度が溶融点温度Taに達すると発生(T2>Taなら必ず穿孔される)し、ある穿孔径まで拡大すると、以後穿孔径はほとんど変化しない。
【0078】
実験では、穿孔径は熱収縮性フィルムの最高温度T2、即ち印加するパワーを停止した時のサーマルヘッド20の最高温度T1が高いほど穿孔径も大きくなる傾向がみられたが詳細なメカニズムは不明である。
【0079】
また、サーマルヘッド20の温度と熱収縮性フィルムの温度の温度差は図9で説明した条件1(パワーを大きく、印加時間を短くした場合)の方が、条件2(パワーを小さく、印加時間を長くした場合)より大きく、サーマルヘッド20にパワーを印加している期間は常にこの関係が成立する。
【0080】
以上のことから、穿孔径を小さくするためには
▲1▼ 熱収縮性フィルムの温度とサーマルヘッド20の温度との温度差が小さくなるようサーマルヘッド20に印加するパワー、印加時間を制御する。
【0081】
▲2▼ 熱収縮性フィルムの温度が溶融点温度Taに達した時、サーマルヘッド20に印加するパワーを停止する。
【0082】
一方、穿孔径の不均一性は、サーマルヘッドの物理的な形状や孔版原紙の凹凸等による熱抵抗のばらつきなどに加え、サーマルヘッドのコモンドロップや発熱素子間の抵抗値の差等による発熱のばらつきにより、サーマルヘッド20から熱収縮性フィルムに伝達される熱量に差が生じ、熱収縮性フィルムの温度が溶融点温度Taに達していないためと考えられる。実験ではパワーの印加時間、1ライン周期を長く設定することで穿孔径のばらつきは所定範囲に収束する結果が得られた。なお、熱収縮性フィルムの温度が溶融点温度Taに達する迄の印加時間、印加パワー及び穿孔径のばらつきを抑える1走査ライン等は実験で最適値を求めることが望ましい。
【0083】
さて上記ステップS11の処理における省インク1製版処理は、標準製版処理と比較して穿孔数(印刷画素数)は同一で、穿孔径を小さくする小穿孔径製版である。
【0084】
従って、サーマルヘッド駆動制御部76はサーマルヘッド20に印加するパワーと印加時間を上述のごとく制御して、孔版原紙18に小穿孔径の製版処理を行うことによって実現される。
【0085】
図6においてサーマルヘッド駆動制御部76は二値化された画像データ、クロック信号(CLK)、主走査方向の走査スタートポイントを規定するラインスタート信号(/LST)、ストローブ開始信号(STRT)、ストローブ無効信号(STBMASK)等を入力信号としてサーマルヘッド20に出力する穿孔データ(DATA0〜DATA3)、穿孔データをサーマルヘッドに出力するための穿孔クロック(CLK0〜CLK3)、穿孔データに対応してシリアル信号をパラレル信号に変換し保持するためのラッチ信号(/LAT0〜/LAT3)、パワーを印加するストローブ信号(/STB0〜/STB3)を作成する。
【0086】
図7にラインスタート信号(LST)、ストローブ無効信号(STBMASK)とサーマルヘッド駆動制御部76から出力される各信号のタイミングチャートを示す。なお、図7における/LST,/LAT0〜/LAT3,/STB0〜/STB3は負論理であることを示す。
【0087】
サーマルヘッド20は穿孔データ(DATA0〜DATA3)、穿孔クロック(CLK0〜CLK3)、ラッチ信号(/LAT0〜/LAT3)、ストローブ信号(/STB0〜/STB3)を入力信号として製版動作を行う。なお、入力信号を4分割した理由はサーマルヘッド20に印加するパワーを分割して電源部の出力容量を小さくするためである。
【0088】
サーマルヘッド駆動制御部76は穿孔データ(DATA0〜DATA3)、穿孔クロック(CLK0〜CLK3)、ラッチ信号(/LAT0〜/LAT3)、ストローブ信号(/STB0〜/STB3)の信号を使用して、4分割されたサーマルヘッド20の各ブロックを制御、駆動する。サーマルヘッド20に入力された穿孔データ(DATA0〜DATA3)はサーマルヘッド20に設けられたシリアル入力シフトレジスタ(図示省略)を介して入力され、パラレルデータに変換されて所定のタイミングで生成されるラッチ信号(/LAT0〜/LAT3)によりサーマルヘッド20に設けられたラッチ部(図示省略)に保持される。そして、入力されたストローブ信号(/STB0〜/STB3)とラッチ部に保持されたデータとの論理積によって所望のタイミングでサーマルヘッド20は発熱する。従って、印加するエネルギーはストローブ信号で制御できる。
【0089】
また、サーマルヘッド駆動制御部76は制御部9から印刷モード信号を受けてサーマルヘッド20に印加する電圧を制御する電圧制御信号を電源部に出力し、電源部は電圧制御信号を受けて印刷モード信号に対応する印加電圧Vhをサーマルヘッド20に印加する。従って、印加するパワーは印刷モード信号で制御できる。
【0090】
図11は省インク1製版処理(小穿孔径製版)の最適条件を見いだすために行った穿孔試験を模式的に示す図で、標準製版処理のパワー、印加時間、エネルギーをそれぞれ「1」として、小穿孔径製版Aはパワーを0.9倍、印加時間を1倍、エネルギーを0.9倍とし、小穿孔径製版Bはパワーを0.55倍、印加時間を2倍、エネルギーを1.1倍とした時の穿孔結果である。つまり標準製版処理と比較して、小穿孔径製版Aのように単にパワーを低減すると、穿孔径は小さくなるものの均一な穿孔径とはならず、パワーの低減とは逆に穿孔径の不均一度は大きくなり、小穿孔径製版Bの条件、即ち標準製版処理と比較してパワーを半減、印加時間を2倍に制御すると、均一で穿孔径の小さな製版となることが判る。
【0091】
上記のごとくサーマルヘッド20に印加するパワー、印加時間を制御することで、均一な穿孔径で小穿孔径の製版ができ、省インク印刷ができる。
【0092】
図13は、B4サイズ、印刷画素率17.3%の原稿を使用して、200枚印刷したときの省インク効果を示す。No.1,2は標準製版処理、No.3,4は省インク1製版処理(小穿孔径製版)で、それぞれ印刷条件として押圧力を標準と低押圧力で印刷した結果である。なお、印刷速度は標準製版処理と同一に設定した。
【0093】
即ち、省インク1製版は省インク効果が大きいことが判る。さらに印刷条件として、プレスローラ140による押圧力を低減することで省インク効果をより高めることができる。
【0094】
また、省インク1製版処理は標準製版処理と比較して穿孔径を小さくするが、印刷画素数を削減しない製版方法であるため、印刷画像の解像度は低下せず、必要に応じ押圧力を高く設定して印刷すると標準印刷モードとほぼ同等の印刷物を得ることもできる。つまり、小穿孔径製版された孔版原紙18の再製を不要とできる。
【0095】
[省インク2製版処理]
上記、ステップS21の処理における省インク2製版処理は、標準製版処理と比較して穿孔径を同一、穿孔数(印刷画素数)を削減する(間引く)、間引き製版である。
【0096】
サーマルヘッド駆動制御部76は印加するパワーをサーマルヘッド20の1走査ライン単位で停止する制御により、サーマルヘッド20の発熱を停止して、1走査ライン単位でサーマルヘッド20の副走査方向に非穿孔として、穿孔数を削減する。
【0097】
図8にラインスタート信号(/LST)、STBマスク信号(STBMASK)とサーマルヘッド駆動制御部76から出力される各信号のタイミングチャートを示す。図7と同様に各信号は生成されるが、ストローブ無効信号(STBMASK)はストローブ信号(/STB0〜/STB3)をマスク(無効化)する信号であり、ストローブ無効信号が入力されるとストローブ信号が生成されないのでサーマルヘッド20は発熱せず、孔版原紙18はサーマルヘッド20の1走査ライン単位で非穿孔となる。
【0098】
図12(b)は図8に示す1走査ライン単位のストローブ無効信号(STBMASK)を入力して、ストローブ無効信号に対応して1走査ライン毎に穿孔/非穿孔した穿孔結果(間引き製版)を模式的に示す図である。図12(a)は画像データである。なお、ストローブ無効信号(STBMASK)の生成入力周期を変更することで、非穿孔とする走査ラインの間引き率を自由に設定することができ、間引き率(非穿孔とする走査ラインの割合)を削減すると省インク効果は減少するが、印刷品質は逆に向上する。
【0099】
図13のNo.5,6は、図12(b)に示す省インク2製版処理(間引き製版、間引き率50%)で、印刷条件として押圧力を標準と低押圧力で印刷した結果を示す。
【0100】
即ち、省インク2製版処理(間引き製版)は省インク効果が大きいことが判る。さらに印刷条件としてプレスローラ140の押圧力を低減することで省インク効果をより高めることができる。
【0101】
以上の説明から明らかなように、本実施形態による孔版印刷装置100によれば、ユーザにより入力手段から省インク印刷が設定されると、サーマルヘッド駆動制御部72がサーマルヘッド20に印加するパワー、印加時間、エネルギーを制御して孔版原紙18に省インク印刷に適合する省インク製版を実施し、且つ、印刷条件調整部が、印刷条件を設定された省インク印刷に対応する印刷条件に設定して印刷するので、より省インク効果の高い省インク印刷を実現することができる。
【0102】
また、サーマルヘッド駆動制御部72は標準製版処理と比較してサーマルヘッド20に印加するパワー、印加時間を制御してサーマルヘッド20の温度をゆっくりと上昇させ、且つ、孔版原紙18の熱収縮性フィルムの温度が溶融点温度に達した時、サーマルヘッド20に印加するパワーを停止する制御をすることで、熱収縮性フィルムの温度は溶融点温度を超えるものの低温に抑えられる上に、サーマルヘッド20の温度が孔版原紙18に伝導される時間も長くなるため、孔径の揃った小穿孔径製版ができる。穿孔径の揃った小穿孔径製版された孔版原紙18を使用して印刷することで、印刷品質の低下が少ない省インク印刷ができる。
【0103】
また、サーマルヘッド20に印加するパワーを1走査ライン単位で停止する制御をすることで、1走査ライン単位で、サーマルヘッド20の副走査方向に非穿孔として、穿孔数を削減する間引き製版ができる。間引き製版された孔版原紙18を使用して印刷することで、省インク効果の大きい省インク印刷ができる。
【0104】
さらにまた、印刷条件調整部は、入力手段から設定された省インク印刷に応じて製版された孔版原紙18に適合する押圧力と回転速度または押圧力に印刷条件を設定して印刷することで、より省インク効果の高い省インク印刷ができる。
【0105】
以上、本発明の実施形態について詳細に説明したが、本発明は、その精神または主要な特徴から逸脱することなく、他の色々な形で実施することができる。
【0106】
例えば、本実施形態においては、読み取り部1で原稿を読み取らせて製版/印刷を行う孔版印刷装置100を例に説明したが、外部インタフェース部74からネットワーク等を介して他装置と接続し、原稿データ受信して製版/印刷を行う場合でも本実施形態と同様に実施することができる。
【0107】
また、印刷用紙37を版胴26に対し押圧する押圧力(印圧)や、サーマルヘッド20へ印加する電力、電力印加時間、印加エネルギー等は、上記各比較例及び各実施例に例示した数値に限定されず、適宜変更可能な設計事項である。
【0108】
このように、前述の実施例はあらゆる点で単なる例示に過ぎず、限定的に解釈してはならない。本発明の範囲は、特許請求の範囲によって示すものであって、明細書本文には何ら拘束されない。さらに、特許請求の範囲の均等範囲に属する変形や変更は、全て本発明の範囲内のものである。
【0109】
【発明の効果】
本発明によれば、より効果的にインク消費量を削減できる孔版印刷装置及び印刷方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態による孔版印刷装置の構成を例示するブロック図である。
【図2】図1に示す孔版印刷装置の製版/印刷処理部の構成を例示する概略構成図である。
【図3】図1に示す孔版印刷装置の操作パネルを例示する概略図である。
【図4】図1に示す孔版印刷装置の操作パネルの表示を例示する概略図である。
【図5】図1に示す孔版印刷装置の製版/印刷処理の処理手順を例示するフローチャートである。
【図6】図1に示す孔版印刷装置の製版部におけるサーマルヘッド駆動制御部によるサーマルヘッドの制御を例示するブロック図である。
【図7】図6に示すブロック図における、小穿孔製版する場合のタイミングチャートを例示する図である。
【図8】図6に示すブロック図における、間引き製版する場合のタイミングチャートを例示する図である。
【図9】印加するパワー、印加時間を変化させた場合のサーマルヘッドの温度変化を例示する図である。
【図10】サーマルヘッドと孔版原紙の熱収縮性フィルムの温度変化と穿孔径の関係を例示する図である。
【図11】印加するパワー、印加時間等を変化させ小穿孔径製版した場合の製版(穿孔)結果を例示するイメージ図である。
【図12】1走査ラインおきに間引き製版した場合の製版(穿孔)結果を例示するイメージ図である。
【図13】本発明による孔版印刷装置で省インク印刷した場合の省インク効果を例示する図である。
【符号の説明】
1…読み取り部
2…製版部
3…着版部
4…排版部
5…給紙部
6…排紙部
7…印刷部
8…操作パネル
9…制御部
10…原稿セット台
11,12…原稿センサ
13,14…原稿搬送ロール対
15…ステッピングモータ
16…イメージセンサ
17…原稿排出トレー
18…孔版原紙
19…原紙収容部
20…サーマルヘッド
21…プラテンロール
22…原稿送りロール対
23…ライトパルスモータ
24…原紙カッタ
25…ドラム駆動モータ
26…版胴
27…原紙クランプ部
28…原紙確認センサ
28a…検出片
29…検出片
30…基準位置検出センサ
31…ロータリエンコーダ
32…スキージロール
33…ドクターロール
34…インク
37…印刷用紙
38…給紙台
39,40…1次給紙ロール
41…2次給紙ロール対
42…給紙センサ
43…給紙クラッチ
44…用紙分離爪
45…搬送通路
46…排紙台
47…排版搬送ロール対
48…排版モータ
49…排版ボックス
50…排版センサ
51…操作パネル
59,60…サイドフェンス
61…エンドフェンス
72…印圧調整部
73…印刷速度調整部
74…外部インタフェース部
75…印刷条件調整部
76…サーマルヘッド駆動制御部
78a,78b…モード表示部
79…モード選択キー
81…テンキー
82…スタートキー
83…ストップキー
84…表示部
85…液晶タッチパネル
86…印刷濃度表示部
87a,87b…印刷濃度設定キー
88…印刷速度表示部
89a,89b…印刷速度設定キー
90…試し刷りキー
100…孔版印刷装置
140…プレスローラ

Claims (7)

  1. サーマルヘッドで孔版原紙を穿孔して製版し、製版された前記孔版原紙を着版した版胴に印刷用紙を押圧して印刷する孔版印刷装置であって、
    省インク印刷を設定する設定手段と、設定された省インク印刷に対する省インク製版を実行する省インク製版手段を有する製版部と、印刷条件を設定された省インク印刷に対する省インク印刷条件に制御する印刷条件調整部を有する印刷部とを備え、
    省インク印刷が前記設定手段から設定されると、製版部は設定された省インク印刷に対応する省インク製版を前記省インク製版手段で実行し、且つ、印刷部は設定された省インク印刷に対応する印刷条件を前記印刷条件調整部で制御して印刷することを特徴とする孔版印刷装置。
  2. 前記省インク製版手段は少なくとも前記サーマルヘッドと前記サーマルヘッドを制御するサーマルヘッド駆動制御部とで構成され、
    前記サーマルヘッド駆動制御部は、前記サーマルヘッドの温度と前記孔版原紙の熱収縮性フィルムの温度との温度差が小さくなるよう前記サーマルヘッドに印加する印加パワーと印加時間とを制御し、且つ、前記孔版原紙の熱収縮性フィルムの温度が溶融点温度に達した時、前記サーマルヘッドに印加する印加パワーを停止するよう制御して、製版することを特徴とする請求項1に記載の孔版印刷装置。
  3. 前記省インク製版手段は少なくとも前記サーマルヘッドと前記サーマルヘッドを制御するサーマルヘッド駆動制御部とで構成され、
    前記サーマルヘッド駆動制御部は前記サーマルヘッドに印加する印加パワーをサーマルヘッドの1走査ライン単位で停止するよう制御して、前記サーマルヘッドの1走査ライン単位で非穿孔製版することを特徴とする請求項1に記載の孔版印刷装置。
  4. 前記印刷条件調整部は、製版された前記孔版原紙を着版した前記版胴に前記印刷用紙を押圧する押圧力を制御する印圧調整部と、前記版胴の回転速度を制御する印刷速度調整部とで構成され、
    前記印圧調整部は設定された省インク製版に対応して押圧力と回転速度または押圧力を制御して印刷することを特徴とする請求項1に記載の孔版印刷装置。
  5. サーマルヘッドで孔版原紙を穿孔して製版し、製版された前記孔版原紙を着版した版胴に印刷用紙を押圧して印刷する印刷方法であって、
    設定手段から省インク印刷に設定し、製版部は設定された省インク印刷に対する省インク製版を省インク製版手段で実行し、且つ、印刷部は設定された省インク印刷に対する省インク印刷条件を印刷条件調整部で制御して印刷することを特徴とする印刷方法。
  6. 前記省インク製版手段は少なくとも前記サーマルヘッドと前記サーマルヘッドを制御するサーマルヘッド駆動制御部とで構成され、
    前記サーマルヘッド駆動制御部は、前記サーマルヘッドの温度と熱収縮性フィルムの温度との温度差が小さくなるよう前記サーマルヘッドに印加する印加パワーと印加時間とを制御し、且つ、前記孔版原紙の熱収縮性フィルムの温度が溶融点温度に達した時、前記サーマルヘッドに印加する印加パワーを停止するよう制御して、製版することを特徴とする請求項5に記載の印刷方法。
  7. 前記省インク製版手段は少なくとも前記サーマルヘッドと前記サーマルヘッドを制御するサーマルヘッド駆動制御部で構成され、前記サーマルヘッド駆動制御部は前記サーマルヘッドに印加する印加パワーをサーマルヘッドの1走査ライン単位で停止するよう制御して、前記サーマルヘッドの1走査ライン単位に非穿孔製版することを特徴とする請求項5に記載の印刷方法。
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