JP2526279B2 - 孔版印刷装置 - Google Patents

孔版印刷装置

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JP2526279B2
JP2526279B2 JP63307287A JP30728788A JP2526279B2 JP 2526279 B2 JP2526279 B2 JP 2526279B2 JP 63307287 A JP63307287 A JP 63307287A JP 30728788 A JP30728788 A JP 30728788A JP 2526279 B2 JP2526279 B2 JP 2526279B2
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Description

【発明の詳細な説明】 《産業上の利用分野》 この発明は、孔版印刷装置に関し、特に孔版印刷装置
における印刷濃度調整機構に関する。
《従来技術とその問題点》 円筒状版胴の外周に巻き付けられた孔版原紙に、プレ
スローラにより印刷用紙を圧接させて押圧式に孔版印刷
を行う孔版印刷装置はよく知られている。
上述の如き孔版印刷装置において、操作パネルに設け
られた印刷濃度設定キーなどによる印刷濃度情報設定手
段によって設定された印刷濃度情報に応じてプロレスロ
ーラの版胴に対する圧接力を可変設定することにより、
印刷用紙に印刷する画像の印刷濃度を可変設定すること
は、既に提案されており、これは例えば特開昭62−1272
76号公報に示されている。
孔版印刷装置において、印刷濃度に影響する要因とし
ては、印刷スピード、温度、前回使用されてからの不使
用期間の長短、印刷開始直後であるか否かなどがある。
このため、印刷濃度に影響を与える上述の如き要件
が、変化、変動すると、印刷濃度が変動し、一定の印刷
濃度が維持されない。
《発明の目的》 この発明は、上記問題点に鑑み、印刷インキ温度、印
刷速度、装置使用状態など印刷濃度に影響を与える要件
の変動に拘らず所望の印刷濃度が保たれるように構成さ
れた孔版印刷装置を提供することを目的とする。
《問題点を解決するための手段》 上記目的を達成するために、この発明は、 外周面に穿孔画像が施された孔版原紙が装着され、自
身の中心軸線の周りに回転するインキ通過性の円筒状版
胴と、前記円筒状版胴の内周面にインキを供給するイン
キ供給手段と、前記円筒状版胴の外周面に圧接されるプ
レスローラとを有し、所定のタイミングで供給されてき
た印刷用紙を前記プレスローラにて前記円筒状版胴外周
面に圧接することにより、前記円筒状版胴内周面に供給
されたインキを前記円筒状版胴の前記インキ通過部、前
記孔版原紙の穿孔画像部を通過させて前記印刷用紙に印
刷を行う孔版印刷装置において、 印刷用紙に印刷する画像の印刷濃度情報を設定する印
刷濃度情報設定手段と、 印刷速度情報を設定する印刷速度情報設定手段と、 印刷インキの温度を検出する印刷インキ温度検出手段
と、 装置の前回使用時から今回使用時までの時間である不
使用時間を計測する不使用時間計測手段と、 装置が印刷開始時状態なのか印刷中なのかを判別する
印刷状態判別手段と、 前記印刷濃度設定手段からの印刷濃度情報、前記印刷
速度情報設定手段からの印刷速度情報、前記印刷インキ
温度検出手段からの印刷インキ温度情報、前記不使用時
間計測手段からの不使用時間情報、前記印刷状態判別手
段からの印刷状態情報を基に印刷濃度を決定する制御手
段と、 前記制御手段で決定された前記印刷濃度に基づき、前
記プレスローラの前記版胴に対する圧接力を可変設定す
る圧接力可変手段と、 を有していることを特徴とする。
《実施例の説明》 以下に添付の図を参照してこの発明を実施例について
詳細に説明する。
第1図はこの発明に係る孔版印刷装置1の外観図であ
る。
同図において、孔版印刷装置1のケース1a上部の一側
には、蝶番2a(第3図参照)により蓋体2が開閉自在に
取り付けられており、印刷に際しては、蓋体2を開けて
製版済みの孔版原紙Sを蓋体2上の所定位置にセットす
ることが行われる。
ケース1aには、第2図に示されている如く、フラット
キーボードなどによる操作パネル5が設けられている。
操作パネル5は、印刷枚数を設定するテンキー5a、印刷
開始キー5d、印刷ストップキー5c、印刷濃度設定キー5
d、印刷スピード(印刷速度)設定キー5e、および設定
された印刷枚数などを表示するLCD表示器などによる表
示部5fを有している。
第3図はこの発明に係る孔版印刷装置1の内部機構を
示している。
同図において、円筒状版胴20は図示されていない機枠
より自身の中心軸線周りに回転可能に支持されている。
この版胴20は、多孔構造に構成され、外周部に孔版原紙
Sの一端を版胴20に対して着脱可能に係止するクランプ
機構21を有している。
孔版原紙Sは、一端をクランプ機構21により版胴20に
係止され、版胴20の外周面に巻き付け装着される。
すなわち、クランプ機構21は、版胴20の外周面に固定
されてその一つの母線に沿って延在する帯状の永久磁石
22と、版胴20にその軸線方向に沿って延在する軸23によ
り枢支された可動クランプ片24とを有している。軸23の
一端部には歯車25が取り付けられており、この歯車25に
は版胴20が初期回転位置(第3図に示す位置)にあると
きにレバー26の一端に支持された駆動歯車27が適宜に噛
合する。
レバー26は、枢軸28によって図示されていない機枠よ
り枢支され、ばね30のばね力によって図中反時計廻り方
向に付勢され、ソレノイド29に通電が行なわれていない
ときには駆動歯車27を歯車25から引き離す回動位置に位
置する。これに対して、ソレノイド29に通電が行なわれ
ているときには、レバー26は、ばね30のばね力に抗して
図中時計廻り方向へ回動し、駆動歯車27を初期回転位置
にある版胴20の歯車25に噛合させる回動位置に移動す
る。駆動歯車27はレバー26に取り付けられた電動機31に
より回転駆動され、これによって歯車25が回転され、ク
ランプ片24は、永久磁石22に吸着されたクランプ位置
と、当該クランプ位置より図中反時計廻り方向にほぼ18
0゜回動したアンクランプ位置との間に回転駆動され
る。
版胴20は中心軸20cと同軸に設けられたスプロケット3
4aと駆動連結され、スプロケット34aは無端チェーン32
によってモータ33の駆動スプロケット34bに駆動連結さ
れている。この動力伝達装置により版胴20は、モータ33
によって図中反時計廻り方向へ間欠的、あるいは連続的
に回転駆動される。
版胴20の胴内には、印刷インキ供給手段35が設けられ
ている。印刷インキ供給手段35は、外周面にて版胴20の
内周面に接触すべく配設されて自身の中心軸37として回
転可能なスキージローラ36と、スキージローラ36の外周
面に対し所定の微小間隙をもってそのローラ母線方向に
沿って延在するドクターロッド38とを有しており、スキ
ージローラ36が版胴20の回転に同期して版胴20と同方向
に回転駆動されることによりインキ溜まりAの印刷イン
キを版胴20の内周面に供給する。
インキ溜まりAの印刷インキは、スキージローラ36の
回転に伴い、当該スキージローラ36とドクターロッド38
との微小間隙を通過し、その際にインキ量を計量されて
スキージローラ36の外周面に一様な厚さの印刷インキ層
を形成し、この印刷インキ層は、スキージローラ36の回
転に伴って版胴20の内周面に運ばれて印刷に供される。
孔版印刷装置1には給紙台4が上下動可能に設けられ
ている。給紙台4には図示されていないモータにより回
転駆動されるピニオン48が取り付けられ、図示されてい
ない機枠にはピニオン48が噛合する一連のラック歯49a
を有するラック49が上下方向に固定装着され、ピニオン
48の回転により給紙台4が印刷用紙Pの積載量に応じて
上下駆動される。
給紙機構60は、ゴムなどにより構成されたローラ61、
62、63などを有し、給紙台4より印刷用紙Pを一枚ずつ
取り出して所定のタイミングにて版胴20とプレスローラ
40との間に給紙する。
孔版印刷装置1には印刷済み用紙剥がし爪80が設けら
れている。この用紙剥がし爪80は、印刷済み用紙を版胴
20より剥し取るものであり、剥がされた印刷用紙は版胴
20の回転により与えられた慣性力により図にて右方下側
へ飛翔し、排紙台3上に順次積層、排紙される。
孔版原紙Sをセットする孔版セット板100上には、孔
版原紙Sの有無を検知する光センサ101が設けられてお
り、孔版原紙Sが孔版原紙セット板100上にセットされ
たことを検出すると、送りローラ102、103により孔版原
紙Sが搬送路107に案内されて版胴20のクランプ機構21
に向けて搬送される。
孔版印刷装置1には使用済みの孔版原紙Sを版胴より
取り外す排版機構70が設けられている。
孔版印刷装置1には印刷用紙Pを版胴20に押し付ける
プレスローラ40およびプレスローラ40を版胴20の回転に
同期して駆動するプレスローラ駆動装置400が設けられ
ている。
第4図は、プレスローラ駆動装置400の詳細実施例図
である。
版胴20の中心軸20cには、版胴20と一体に回転するカ
ム41が取り付けられており、カム41には一端を軸42aに
よって図示されていない機枠より枢支されたカムフォロ
ワレバー42が係合している。カムフォロワレバー42は、
図示されていないばねによって第4図において下方へ付
勢され、他端を軸42bによりレバー要素43と駆動連結さ
れている。
レバー要素43は、軸42bによってカムフォロワレバー4
2と直接連結された第1のレバー要素44と、パルスモー
タ50および減速機構51を設けられた第2のレバー要素45
とにより構成されている。
第1のレバー要素44には第2のレバー要素45が摺動す
るコの字形断面の摺動溝44bが設けられ、この摺動溝44b
に案内されて両レバー要素44、45はレバー長方向に互い
に伸縮自在とされている。レバー要素45には長孔46aが
形成され、レバー要素44に取り付けられた係合端子46が
長孔46aに係合していることにより、両レバー要素44、4
5は最大伸縮量を規定されている。
また第1のレバー要素44には、プレスカム41の回転に
よってレバー要素43全体が上下動し得るよう、中心軸20
cを逃がす長孔44aが設けられている。
第2のレバー要素45の下端部には支持板部47が折曲形
成されており、この支持板部47にパルスモータ50とパル
スモータ50の出力を減速する減速機構51とが設けられて
いる。
パルスモータ50の出力軸にはギア50aが取り付けら
れ、ギア50aには当該ギア50aと共に減速機構51を構成す
る大径ギア52が噛み合っている。大径ギヤ52の中心部に
は、ねじを切られた制御棒53が螺合する貫通孔52aが設
けられ、パルスモータ50の回転は、ギア50aと大径ギア5
2との噛合により減速され、ねじ係合により制御棒53の
軸方向運動に変換される。
制御棒53の一端には引張コイルばね54の一端が係止さ
れ、引張コイルばね54は、他端にて第1のレバー要素44
に固定されたピン55に係止され、第2のレバー要素45を
第1のレバー要素44に対し図にて上方へ付勢している。
なお、第2のレバー要素45にはピン55が挿通される長
孔55aが形成されている。
第2のレバー要素45には軸56bにより揺動レバー56の
一端が連結され、揺動レバー56は中間部を図示されてい
ない機枠より軸56aによって回動可能に枢支されてい
る。軸56aには連結板57と連結レバー93の一端が同軸固
定され、連結板57には回転軸59aによりプレスローラ40
を回転可能に支持したブラケット59が連結部材58により
取り付けられている。
図示されていない機枠には振動減衰作用を行うダンパ
96がねじ97により固定されており、ダンパ96のプランジ
ャ91には軸91aによりフックレバー92の中間部と連結レ
バー93の他端が各々回動可能に取り付けられている。
フックレバー92の下端部にはL字状に折曲された係合
部92aが設けられ、揺動レバー56の端部には係合部92aに
系脱可能に係合する突起56cが設けられている。これに
より揺動レバー56の図にて反時計廻り方向の回動に関
し、揺動レバー56と連結レバー93とが選択的に駆動連結
される。
なお、連結レバー93の図にて時計廻り方向の最大回動
量、換言すればプレスローラ40の最大離間位置は支持部
材72に螺合したアジャストスクリュ71により調節可能に
設定される。
フックレバー92は、図示されていないばねにより、図
にて時計廻り方向、即ち揺動レバー56との係合より離れ
る方向へ付勢されている。
図示されていない機枠には枢軸94aによりプランジャ
レバー94が回動可能に取り付けられており、プランジャ
レバー94は、ソレノイド98により図にて時計廻り方向へ
選択的に回動駆動され、フックレバー92を、図にて反時
計廻り方向、即ち揺動レバー56との係合方向へ回動させ
る。
これによりソレノイド98のオン動作によって揺動レバ
ー56と連結レバー93とが駆動連結される。
なお、第4図にて、符号95はプレスローラ40の位置を
監視する監視センサである。
カム41が第4図に示された回転位置にあるときは、レ
バー要素43は全体として下方位置にあり、プレスローラ
40が、第4図に示されている如く、版胴20より離れた離
間位置にある。
この状態よりモータ33の駆動により中心軸20cが図に
て反時計廻り方向へ180度回転されると、第5図に簡略
化して示されている如く、カム41も180度回転し、レバ
ー要素43は全体的に上方に移動され、揺動レバー56が軸
56aを中心として図にて反時計廻り方向へ回転されるこ
とになる。
このとき、ソレノイド98が引かれ、フックレバー92の
係合部92aとレバー56の突起56cとが係合した状態である
と、揺動レバー56の回動がフックレバー92を介して連結
レバー93に伝達され、これにより軸56aが図にて反時計
廻り方向へ回動され、プレスローラ40が、版胴20の外周
面に圧接する方向、即ちプレス作用位置へ移動し、給紙
された印刷用紙を版胴20の外周面に圧接させ、押圧式に
孔版印刷を行う。
この際、プレスローラ40のプレス作用位置への移動
は、第1のレバー要素44が引き上げられてこの動きが引
張コイルばね54に引張力を与えつつ第2のレバー要素45
に伝達され、揺動レバー56が軸56aを中心として第4図
にて反時計廻り方向へ回動することにより行われる。プ
レスローラ40が印刷用紙Pを挟んで版胴20の外周面に対
して押し付けられて揺動レバー56の軸56aを中心とした
第4図にて反時計廻り方向の回動が制限され、この状態
よりもなおも第1のレバー要素44が引き上げられること
により、第1のレバー要素44が第2のレバー要素45に対
して変位し、引張コイルばね54が伸張するようになる。
この結果、引張コイルばね54の伸張によるばね力によ
りプレスローラ40が印刷用紙Pを挟んで版胴37の外周面
に対して押し付けられ、これによりプレス圧、即ち圧接
力はこのばね力により決まるようになる。
プレス圧(圧接力)の調節に際しては、パルスモータ
50を駆動して大径ギア52を回転させ、制御棒53の第2レ
バー要素45における軸線方向位置を変化させる。これに
より引張コイルばね54の取付長さが変化し、これに応じ
て引張コイルばね54取付荷重が変化する。
この引張コイルばね54の取付荷重の変化により、上述
の如き作用下にてプレスローラ40を版胴20の外周面に対
して押し付ける圧力、即ちプレス圧が変化する。
パルスモータ50は、プレスローラ40の圧接力の調節の
ために、基本的には、印刷濃度設定キー5eにより設定さ
れる印刷濃度に応じて駆動され、設定された印刷濃度に
応じてプレス圧を自動的に修正する。
モータ33の駆動により中心軸20cが第5図に示されて
いる状態より更に反時計廻り方向へ180度回転される
と、再び第4図に示す状態に戻り、版胴20の回転に同期
してプレスローラ40の版胴20に対する圧接離間動作が繰
り返されることになる。
なお、印刷用紙Pの給紙が行われないときは、ソレノ
イド98のオン動作が解除され、フックレバー92が揺動レ
バー56との係合により外れ、揺動レバー56と連結レバー
93との連結が解かれることにより、カム41の回転に拘ら
ずプレスローラ40は常に版胴20より離れた離間位置に保
持される。
第6図は、上記の如き孔版印刷装置1の電気的構成部
分を示す。
同図において、符号200はマイクロプロセッサなどに
より構成されたCPU200を示しており、CPU200には、装置
内の各機構を制御するためのプログラムが格納されたRO
M210と、操作パネル5と、印刷インキの温度を検出する
温度センサ104と、現在印刷開始直後か否かや前回使用
されてからの放置期間(不使用期間)などの装置の使用
状態を検出する使用状態検出機構105と、監視センサ95
と、ソレノイド98と、孔版原紙Sの有無を検知する光セ
ンサ101と、孔版原紙Sがクランプ可能な位置まで搬送
されたことを検出する光センサ90と、版胴20を分割回転
または連続回転させるための版胴駆動部を構成する版動
駆動用モータ33と、給紙ローラ駆動用モータ60Mと、孔
版原紙Sを搬送する搬送ローラ駆動用モータ102Mと、ク
ランプ機構21の電気的駆動部と、排版機構(孔版原紙取
外し機構)70の電気的駆動部と、パルスモータ50と、パ
ルスモータ50に印刷濃度情報に対応した数のパルスを供
給するパルス発生装置50Aと、マイクロプロセッサの演
算結果を一時記憶、あるいは操作パネル5のテンキー5a
から入力された印刷枚数設定情報、印刷スピード設定キ
ー5dにより設定される印刷スピード情報、温度センサ10
4により検出されるインキ温度情報、使用状態検出機構1
05により検出される不使用期間などの使用状態情報、印
刷濃度設定キー5eにより設定される印刷濃度情報を随時
記憶するRAM220とが各々接続されている。
次に、この発明の要部を第7図に示すフローチャート
に従って説明する。
孔版原紙S(原稿)が孔版原紙セット板100上にセッ
トされると、その旨が光センサ101によって検出され
(ステップ501肯定)、操作パネル5のテンキー5aによ
り印刷枚数設定情報、印刷スピード設定キー5dおよび印
刷濃度設定キー5eによりそれぞれ印刷スピード、印刷濃
度情報が入力、設定されると、それぞれの設定情報はRA
M220のそれぞれのエリアに格納され(ステップ502,503,
504)、印刷処理の条件の一つとされる。
こうして所定の印刷処理情報が設定されると、温度セ
ンサ104および使用状態検出機構105より現在の印刷イン
キの温度および孔版印刷装置1が前回使用されたときか
らの不使用期間、あるいは孔版印刷装置1がこれから使
用されようとしている場合なのか、既に何枚かを印刷済
である場合なのかの判別情報を含む孔版印刷装置1の使
用状態情報がRAM220のそれぞれのエリアに格納される
(ステップ505)。
次に印刷スタートキー5bが押下されると(ステップ50
6肯定)、CPU200らの指令に基づいてクランプ機構21が
作動され、前回の印刷に使用され、版胴20の外周に巻き
付けられている孔版原紙Sがクランプ状態から解放さ
れ、その後に排版機構70によって版胴20の外周面から剥
ぎとられて図示されていない排版ボックスに廃棄される
(ステップ507)。
次いでCPU200の指令により搬送ローラ駆動用モータ10
2Mが駆動されることにより、送りローラ102が回転駆動
され、孔版原紙Sがクランプ機構21へ搬送される。孔版
原紙Sの先端部がクランプ機構21に達すると、光センサ
90によりその旨が検出され、その検出信号がCPU200に伝
送されると、CPU200は、孔版原紙Sの先端をクランプす
べき指令をクランプ機構21に対して送る。これにより孔
版原紙Sの先端がクランプ機構21によってクランプされ
る。
そして、CPU200からの指令により、版胴駆動用モータ
33が駆動され、版胴20が図中反時計廻り方向に1回転さ
れ、版胴20の外周面に孔版原紙Sが巻き付け装着される
(ステップ508)。
次のステップ509においては、RAM220に格納されてい
る印刷枚数設定情報、印刷スピード情報、印刷濃度設定
情報とともに、印刷インキ温度情報、孔版印刷装置1の
使用状態情報に基づいて印刷処理が行なわれる。
すなわち、この印刷処理においては、版胴20を回転駆
動させる版胴駆動用モータ33は、RAM220に格納されてい
る印刷スピード設定情報に基づき制御され、また、その
印刷スピード、印刷インキ温度および孔版印刷装置1の
使用状態に応じて設定された印刷濃度による印刷処理が
実行されるよう、プレスローラ40の圧接力(プレス圧)
を制御する。
つまり、CPU200は、RAM220に格納されている印刷濃度
設定情報の印刷濃度を満たすべく、印刷スピード、印刷
インキ温度および孔版印刷装置1の使用状態を総合的に
判断し、これによりパルス発生装置50Aを制御してパル
スモータ50に供給すべきパルス数を決定する。
従って、第2図に示す印刷濃度設定キー5dにより印刷
濃度を濃い方向に設定しておくと、パルスモータ50へ供
給されるパルス数はそれに対応して大きくなり、その結
果、プレスローラ40の版胴20への圧接力が大きくなって
印刷濃度が大きくなる。
これに対し、印刷濃度が薄い方向に設定されると、パ
ルスモータ50へ供給されるパルス数が小さくなり、その
結果、プレスローラ40の版胴20への圧接力が小さくな
る。
上記の如くRAM220に格納された情報をもとに、版胴2
0、プレスローラ40が駆動され、給紙機構60およびスキ
ージローラ36などが作動されて印刷が行なわれる(ステ
ップ509)。
なお、この場合、最初の印刷時と何枚か印刷された後
ではインキ回りが異なり、孔版印刷装置1の使用状態は
異なる。従って、印刷中は、使用状態検出機構105から
入力される情報を遂次取り込みつつ、設定された印刷濃
度を満足すべく、パルスモータ50へ供給されるパルス数
が適宜制御されることになる。
次に、CPU220は、印刷回数が設定された印刷枚数に達
したか否かを判断する。ここで、印刷回数が設定された
印刷枚数に達すると(ステップ510肯定)、印刷処理は
終了する。一方、印刷回数が設定された印刷枚数に達し
ていない場合には(ステップ510否定)、CPU200は、ま
ず操作パネル5の印刷濃度設定キー5dの操作により印刷
濃度が変更されていないか否かを識別し、印刷濃度が変
更されていなければ(ステップ511否定)、前回の印刷
条件のもとで次の印刷処理を実行する(ステップ50
9)。
これに対し、印刷濃度が変更されている場合は(ステ
ップ511肯定)、RAM220に格納されている印刷濃度設定
情報を変更後の印刷濃度設定情報に変更する(ステップ
512)。従って、以降の印刷処理においては、プレスロ
ーラ40の版胴20への駆動、圧接に際し、パルス発生装置
50Aからパルスモータ50へ供給されるパルス数は、変更
された印刷濃度設定情報に応じて変更される。
その後、印刷濃度設定キー5dの操作により印刷濃度が
変更される度に上記の処理が行なわれ、パルスモータ50
への供給パルス数が変更され、これによりプレスローラ
40の版胴20への圧接力が変更される。
すなわち、プレスローラ40の版胴20への圧接力の変更
により印刷用紙Pへの印刷濃度が変更されることにな
る。
上述の如き動作により、印刷された印刷濃度だけでな
く、印刷スピード、印刷インキの温度、孔版印刷装置1
の使用状態情報を勘案して所望の印刷濃度による印刷処
理が行われ、印刷スピードや外気温や孔版印刷装置1の
使用状態などに応じたきめ細かな濃度制御が自動的に行
われることになる。
なお、本実施例では、印刷インキの温度や孔版印刷装
置1の使用状態情報はマイクロコンピュータ制御により
自動的に装置側に入力されるよう構成されているが、こ
れら情報は操作パネル5のテンキー5aの操作により入力
されるよう構成することもできる。
また、本実施例ではカムとリンク機構によりプレスロ
ーラ40の駆動装置400が構成されているが、駆動源とし
て、版胴駆動用モータ33とは別のモータ、あるいはソレ
ノイドが用いらてもよく、この場合にはフックレバー92
などが必要でなくなり、簡素な構成とすることができ
る。
さらに、本実施例では円筒状のプレスローラを用いて
いるが、本発明を特開昭63−73987号で提案されている
変形プレスローラに対して実施することも勿論可能であ
る。
《発明の効果》 以上の説明より明らかな如く、この発明による孔版印
刷装置においては、印刷濃度設定キーなどによる印刷濃
度情報設定手段により設定された印刷濃度情報と、温
度、印刷速度、装置使用状態など印刷濃度に影響を与え
る要件の状態とに応じてプレスローラの版胴に対する圧
接力が可変設定され、温度、印刷速度、装置使用状態な
ど印刷濃度に影響を与える要件の変動に拘らず所望の印
刷濃度が保たれるようになり、所望の印刷濃度の印刷物
を得るためにオペレータが設定濃度を微調整する如き手
間が省かれるようになる。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの発明に係る孔版印刷装置の外観図、第2図
はこの発明に係る孔版印刷装置の操作パネルを示す説明
図、第3図はこの発明に係る孔版印刷装置の内部機構を
示す全体概略図、第4図はこの発明に係る孔版印刷装置
に用いられるプレス揺動装置の詳細実施例を示す正面
図、第5図プレスローラがプレス作用位置に位置しいる
状態を示す概略図、第6図はこの発明に係る孔版印刷装
置の電気的構成を示すブロック図、第7図はこの発明に
係る孔版印刷装置の全体動作を示すフローチャートであ
る。 1……孔版印刷装置 5……操作パネル 5d……印刷濃度設定キー 20……版胴 40……プレスローラ S……孔版原紙 104……温度センサ 105……使用状態検出機構 400……プレス揺動装置

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】外周面に穿孔画像が施された孔版原紙が装
    着され、自身の中心軸線の周りに回転するインキ通過性
    の円筒状版胴と、前記円筒状版胴の内周面にインキを供
    給するインキ供給手段と、前記円筒状版胴の外周面に圧
    接されるプレスローラとを有し、所定のタイミングで供
    給されてきた印刷用紙を前記プレスローラにて前記円筒
    状版胴外周面に圧接することにより、前記円筒状版胴内
    周面に供給されたインキを前記円筒状版胴の前記インキ
    通過部、前記孔版原紙の穿孔画像部を通過させて前記印
    刷用紙に印刷を行う孔版印刷装置において、 印刷用紙に印刷する画像の印刷濃度情報を設定する印刷
    濃度情報設定手段と、 印刷速度情報を設定する印刷速度情報設定手段と、 印刷インキの温度を検出する印刷インキ温度検出手段
    と、 装置の前回使用時から今回使用時までの時間である不使
    用時間を計測する不使用時間計測手段と、 装置が印刷開始時状態なのか印刷中なのかを判別する印
    刷状態判別手段と、 前記印刷濃度設定手段からの印刷濃度情報、前記印刷速
    度情報設定手段からの印刷速度情報、前記印刷インキ温
    度検出手段からの印刷インキ温度情報、前記不使用時間
    計測手段からの不使用時間情報、前記印刷状態判別手段
    からの印刷状態情報を基に印刷濃度を決定する制御手段
    と、 前記制御手段で決定された前記印刷濃度に基づき、前記
    プレスローラの前記版胴に対する圧接力を可変設定する
    圧接力可変手段と、 を有していることを特徴とする孔版印刷装置。
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日本印刷学会編「印刷工学便覧」第1版第2刷、1983年7月20日技報堂出版

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