JPH09104158A

JPH09104158A - 印刷装置

Info

Publication number: JPH09104158A
Application number: JP7261517A
Authority: JP
Inventors: Katsuaki Ono; 克昭小野
Original assignee: Tohoku Ricoh Co Ltd
Current assignee: Tohoku Ricoh Co Ltd
Priority date: 1995-10-09
Filing date: 1995-10-09
Publication date: 1997-04-22

Abstract

(57)【要約】【課題】低コストで簡易な構造の天地移動手段を具備
した印刷装置を提供する。【解決手段】第１の駆動力伝達手段２２と第２の駆動
力伝達手段１３とに掛け渡されたベルト３７と、ベルト
３７を張架させる第１及び第２のテンションローラー２
７，２８とを有する天地移動手段３９であって、第１の
テンションローラー２７は、付勢手段３０によってベル
ト３７を緊張させる方向に付勢され、第２のテンション
ローラー２８は、移動手段３８によってベルト３７を緊
張させる方向または弛緩させる方向に選択的に移動され
る。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、孔版印刷装置及び
オフセット印刷装置等の印刷装置の天地移動機構に関す
る。

【０００２】

【従来の技術】従来、オフセット印刷装置や一部の孔版
印刷装置等には、押圧手段として、版胴と対向配置さ
れ、版胴と同じ径を有する圧胴が用いられている。孔版
印刷装置では、この圧胴を用いると、プレスローラーを
用いた場合に比べて装置全体が大型化してしまう反面、
印刷時における押圧手段の移動量をなくすことができ
る。これにより、押圧手段と版胴との接触音の発生及び
接触時における振動を防止することができ、防音効果、
振動による画像への悪影響並びに装置のガタを防止する
効果等を得ることができる。

【０００３】上述の圧胴を用いた印刷装置では、印刷用
紙を巻装させた状態で圧胴を版胴に押圧し、印刷用紙に
画像を転写させる方式を採用しているため、天地方向
（胴の回転方向）に画像位置を調整する場合には、版胴
と圧胴とを相対的に回転させる必要がある。そこで、従
来の印刷装置では、図９に示すような天地移動手段５０
によって版胴と圧胴とを相対的に回転させて画像位置を
調整している。

【０００４】この天地移動手段５０は、図示しない版胴
と同軸上に配設され、図示しない版胴に回転力を伝達す
る版胴ギヤ５１、図示しない圧胴と同軸上に配設され、
図示しない圧胴に回転力を伝達する圧胴プーリー５２、
版胴ギヤ５１と圧胴プーリー５２との間に配設され、版
胴ギヤ５１と同径で版胴ギヤ５１と噛合する図示しない
ギヤを同軸に有するアイドルプーリー５３、圧胴プーリ
ー５２とアイドルプーリー５３との間に配設された回転
自在な４個のテンションローラー５４、各テンションロ
ーラー５４の内側に配設され、図示しない移動手段によ
って、圧胴プーリー５２とアイドルプーリー５３のそれ
ぞれの中心軸を結ぶ線と直交する矢印Ａ方向に移動自在
に配設されたローラー支持部材５５、ローラー支持部材
５５に回転自在に支持された２個のテンションローラー
５６、各プーリー５２，５３、各テンションローラー５
４、及び各テンションローラー５６間に掛け渡されたベ
ルト５７等から主に構成されている。

【０００５】上記構成により、図示しない移動手段を作
動させて、ローラー支持部材５５を例えば図の上方に移
動させると、版胴ギヤ５１と圧胴プーリー５２はそれぞ
れ時計回り方向に回転する。これによって版胴と圧胴と
の位相がずれるのである。

【０００６】また、押圧手段としてプレスローラーを用
いた場合の天地移動手段としては、図１０に示すような
天地移動手段６０がある。この天地移動手段６０は、天
地移動手段５０と比較すると、圧胴プーリー５２に代え
て同形のレジストプーリー６１を用いる点において相違
し、他の構成は同一である。

【０００７】レジストプーリー６１の同軸上には、周面
に凹部６２ａを有し、レジストプーリー６１と同期して
回転するカム６２が取り付けられており、レジストプー
リー６１及びカム６２の近傍には、支軸６３によって揺
動自在に支持された扇形ギヤ６４が配設されている。扇
形ギヤ６４の一端にはギヤ部６４ａが形成され、他端に
は回転自在なカムフォロア６４ｂが取り付けられてい
る。扇形ギヤ６４には、他端を装置本体に固着された引
張バネ６６の一端が取り付けられており、この付勢力に
よって扇形ギヤ６４は支軸６３を中心に時計回り方向の
回動付勢力を付与され、カムフォロア６４ｂをカム６２
に常時当接させている。さらに、扇形ギヤ６４の近傍に
は、ギヤ部６４ａと噛合し、図示しないレジストローラ
ーを回転駆動するレジストギヤ６５が配設されている。

【０００８】上記構成により、図示しない移動手段を作
動させて、ローラー支持部材５４を移動させることによ
り、天地移動手段５０と同様にレジストプーリー６１が
回転し、カム６２が回転することにより凹部６２ａの位
置がずれ、図示しないレジストローラーの回転タイミン
グが変化する。

【０００９】

【発明が解決しようとする課題】しかし、上述の天地移
動手段では、単価の高いテンションローラーを６個も使
用しているため、印刷装置がコストアップしてしまうと
共に、構造が複雑となってしまうという問題点がある。
また、テンションローラー５４とテンションローラー５
６との間においてベルト５７の屈曲率が非常に高くな
り、ベルト５７の回転抵抗が上昇してしまうため、大き
な駆動力を有する移動手段を用いなくてはならないとい
う問題点がある。

【００１０】本発明は、低コストで簡易な構造の天地移
動手段を具備した印刷装置の提供を目的とする。

【００１１】

【課題を解決するための手段】請求項１記載の発明は、
外周面にマスタを巻装し、第１の駆動力伝達手段を介し
て駆動力を伝達されて回転する版胴と、外周面に印刷用
紙を巻装し、第２の駆動力伝達手段を介して駆動力を伝
達されて前記版胴と同期して回転し、前記マスタに対し
て前記印刷用紙を押圧する圧胴とを有し、前記版胴と前
記圧胴とを相対的に回転させることにより、前記マスタ
と前記印刷用紙との圧接位置を変化させる天地移動手段
を具備する印刷装置において、前記天地移動手段は、第
１の駆動力伝達手段と第２の駆動力伝達手段とに掛け渡
されたベルトと、前記ベルトを張架させる第１及び第２
のテンションローラーとを有し、第１のテンションロー
ラーは、付勢手段によって前記ベルトを緊張させる方向
に付勢され、第２のテンションローラーは、移動手段に
よって、前記ベルトを緊張させる方向または前記ベルト
を弛緩させる方向に選択的に移動されることを特徴とす
る。

【００１２】請求項２記載の発明は、外周面にマスタを
巻装し、第１の駆動力伝達手段を介して駆動力を伝達さ
れて回転する版胴と、前記版胴に対して接離自在に設け
られたプレスローラーと、第２の駆動力伝達手段を介し
て駆動力を伝達されて作動し、前記版胴と前記プレスロ
ーラーとの間に向けて印刷用紙を給送するレジストロー
ラー対と、前記レジストローラー対の作動タイミングを
変化させ、前記印刷用紙の給送タイミングを変化させる
天地移動手段とを具備する印刷装置において、前記天地
移動手段は、第１の駆動力伝達手段と第２の駆動力伝達
手段とに掛け渡されたベルトと、前記ベルトを張架させ
る第１及び第２のテンションローラーとを有し、第１の
テンションローラーは、付勢手段によって前記ベルトを
緊張させる方向に付勢され、第２のテンションローラー
は、移動手段によって、前記ベルトを緊張させる方向ま
たは前記ベルトを弛緩させる方向に移動されることを特
徴とする。

【００１３】請求項３記載の発明は、請求項１または請
求項２記載の印刷装置において、さらに、前記ベルトが
タイミングベルトであることを特徴とする。

【００１４】請求項４記載の発明は、請求項１、請求項
２または請求項３記載の印刷装置において、さらに、前
記各テンションローラーは、共に前記ベルトの内側と当
接していることを特徴とする。

【００１５】請求項５記載の発明は、請求項１、請求項
２、請求項３または請求項４記載の印刷装置において、
さらに、前記移動手段が送りネジ機構であることを特徴
とする。

【００１６】

【実施例】図１は、本発明の第１の実施例を採用した孔
版印刷装置要部の部分側断面図である。同図において、
インキ供給パイプを兼ねた支軸５で回転自在に支持され
た版胴１は、支軸５と平行に配設されたステージ部６を
その外周面上に有している。ステージ部６とでマスタの
先端部を挟持するクランパー７は、軸７ａで版胴１の外
周面上に枢着され、図示しない開閉部材で回動される。
また、版胴１の外周面には図示しない網目状の開孔部が
形成されており、後述するインキ供給手段８より供給さ
れたインキは、この開孔部より滲出し、マスタの穿孔部
を通過して印刷用紙に転移する。

【００１７】版胴１の内部には、インキ供給手段８が配
設されている。インキ供給手段８は、支軸２ａで図示し
ない側板に回転自在に支持され、ギヤやベルト等の図示
しない駆動力伝達手段で版胴１と同期して同方向に回転
駆動されるインキローラー２と、インキローラー２の外
周面と僅かに隙間をもってその外周面が位置するように
配設されたドクターローラー３とから主に構成されてい
る。インキ供給手段８は、インキローラー２とドクター
ローラー３との間に形成される楔状空間に、支軸５より
供給されたインキを貯留することによりインキ溜まり４
を形成する。インキ供給手段８は、このインキ溜まり４
のインキによってインキローラー２の外周面上にインキ
の薄層を形成し、版胴１の内周面にインキを供給する。

【００１８】版胴１の下方には、版胴１と接離自在に設
けられた圧胴９が配設されている。圧胴９は、その表面
に耐油性合成ゴム等の弾性部材を貼着され、図２に示す
ように、軸受１２を介して圧胴軸１０によって回転自在
に支持されている。圧胴軸１０の両端には、その偏心位
置に偏心軸１０ａが一体的に設けられている。また、圧
胴９の周面の一部には凹部９ａが形成されており、この
凹部９ａの内部には啣え爪軸１１ａが配設されている。
啣え爪軸１１ａは、圧胴９の側端部に回動自在に支持さ
れており、啣え爪軸１１ａには啣え爪１１が一体的に固
着されている。啣え爪１１は、図示しない付勢手段によ
って図の時計回り方向に付勢されており、平生、その先
端部を凹部９ａ内の用紙把持面に当接させている。啣え
爪１１は、圧胴９が所定位置に停止したときに図示しな
い開閉手段によって開閉される。また、圧胴９の一方の
端板９ｂには、駆動力伝達手段としての歯付プーリー１
３が固着されている。

【００１９】ここで、圧胴９の接離機構について説明す
る。各偏心軸１０ａ，１０ａは、それぞれの端部を孔版
印刷装置の図示しない本体側板に回動自在に支持されて
おり、一方の偏心軸１０ａには、く字形状の揺動アーム
１４が、その略中央部において一体的に固着されてい
る。揺動アーム１４の一端には回転自在なカムフォロア
１９が取り付けられている。カムフォロア１９の近傍に
は、図示しないステッピングモーターによって回転駆動
されるカム１５が配設されている。また、揺動アーム１
４の他端１４ａ側には、一端を孔版印刷装置本体に固着
された引張バネ１６の他端が固着されており、これによ
って揺動アーム１４は時計回り方向の回動付勢力を付与
され、平生、カムフォロア１９をカム１５の周面に当接
させている。上記構成により、図示しないステッピング
モーターが回転して、カム１５の凸部がカムフォロア１
９と当接すると、揺動アーム１４が引張バネ１６の付勢
力に抗して反時計回り方向に回動し、偏心軸１０ａが同
方向に回動することにより、圧胴９の周面が版胴１の周
面より離間する。

【００２０】揺動アーム１４の下方には、圧胴９の版胴
１からの離間状態を保持する機構が設けられている。孔
版印刷装置の図示しない側板に回転自在に支持された支
軸１７ａには、一端１７ｂが鈎型に形成された保持アー
ム１７の他端が固着されている。保持アーム１７は、一
端１７ｂと揺動アーム１４の他端１４ａとが係合可能で
ある位置に配置されている。また、保持アーム１７に
は、孔版印刷装置本体に取り付けられたソレノイド１８
のプランジャ１８ａと、一端を孔版印刷装置本体に固着
された引張バネ４０の他端とが、それぞれの付勢力が逆
向きとなるように取り付けられている。これにより保持
アーム１７は、ソレノイド１８の非作動時には図の実線
位置に、また、ソレノイド１８の作動時には図の二点鎖
線位置にそれぞれ位置決めされる。

【００２１】図４は、上述の孔版印刷装置の駆動機構と
本発明に係る天地移動手段３９とを示している。同図に
おいて、版胴１の一方の側板の外側には、支軸５と同軸
上に設けられ、版胴１に回転駆動力を伝達する版胴ギヤ
２０が取り付けられている。

【００２２】版胴ギヤ２０の下方には、版胴ギヤ２０と
噛合する駆動ギヤ２１が配設されている。駆動ギヤ２１
は、孔版印刷装置本体に回転自在に支持された支軸２１
ａに固着されており、支軸２１ａには歯付プーリー１３
と同径の、駆動力伝達手段としての歯付プーリー２２が
固着されている。さらに、支軸２１ａには歯付プーリー
２３が固着されている。

【００２３】版胴１の右方近傍には、版胴１を回転駆動
するギヤモーター２４が配設されている。ギヤモーター
２４は、孔版印刷装置本体に固着されており、その出力
軸２４ａには歯付プーリー２５が固着されている。そし
て、歯付プーリー２３と歯付プーリー２５との間には、
タイミングベルト２６が掛け渡されている。

【００２４】版胴１と圧胴９との間に相当する位置に
は、テンションローラーとしての歯付プーリー２７と歯
付プーリー２８とが配設されている。各歯付プーリー１
３，２３，２７，２８には、タイミングベルト３７が掛
け渡されている。

【００２５】歯付プーリー２７は支軸２７ａに固着され
ており、支軸２７ａはプーリー受け２９に回転自在に支
持されている。プーリー受け２９は、孔版印刷装置本体
に設けられた支軸２９ａに揺動自在に支持されている。
プーリー受け２９には、他端を孔版印刷装置本体に固着
された付勢手段としての引張バネ３０の一端が取り付け
られており、プーリー受け２９は、平生、支軸２９ａを
中心にして反時計回り方向の回動付勢力を付与されてい
る。

【００２６】歯付プーリー２８は支軸２８ａに固着され
ており、支軸２８ａはブロック３１に回転自在に支持さ
れている。ブロック３１には、水平方向に貫通孔３１ａ
が形成され、その両側端部にはネジブッシュ３２がそれ
ぞれ嵌着されている。また、ブロック３１は図示しない
レール上に配設されており、このレール上を図の左右方
向に移動自在となっている。

【００２７】各ネジブッシュ３２，３２には、両端部を
図示しないプランマブロックに回転自在に支持された送
りネジ軸３３が螺合している。送りネジ軸３３の一方の
端部近傍には、送りネジ軸３３に回転力を伝達するギヤ
３４が固着されている。

【００２８】送りネジ軸３３の近傍には、エンコーダー
を有するモーター３５が配設されている。モーター３５
の出力軸３５ａには、ギヤ３４と噛合するギヤ３６が固
着されている。ネジブッシュ３２，３２、送りネジ軸３
３、ギヤ３４，３６、モーター３５によって移動手段３
８が構成されている。

【００２９】また、上記構成のうち、各歯付プーリー１
３，２２，２７，２８、プーリー受け２９、引張バネ３
０、タイミングベルト３７、移動手段３８によって天地
移動手段３９が構成されている。

【００３０】上述の構成に基づいて、以下に動作を説明
する。図示しない製版手段によって穿孔製版されたマス
タの先端がステージ部６とクランパー７との間に挟み込
まれ、図示しない印刷用紙の先端が啣え爪１１に挟持さ
れた後、ギヤモーター２４が作動してタイミングベルト
２６が図４の矢印ａ方向に送られると、版胴１が矢印ｂ
方向に、また圧胴９が矢印ｃ方向にそれぞれ回転駆動さ
れ、印刷が行われる。

【００３１】印刷終了後、オペレーターは排出された印
刷物を目視して、印刷画像の位置の確認を行う。このと
き、印刷画像が天地方向（用紙搬送方向）にずれている
場合に、天地移動手段３９を作動させて画像位置の調整
を行う。

【００３２】天地移動手段３９の作動に先立ち、オペレ
ーターは版胴１と圧胴９とを離間させる。図示しない離
間スイッチを押すことによりカム１５が回転し、その凸
部をカムフォロア１９に当接させると、揺動アーム１４
が偏心軸１０ａを中心に反時計回り方向に回動する。こ
れにより圧胴軸１０も反時計回り方向に回動して、圧胴
９が図４に一点鎖線で示す版胴１より離間した位置に揺
動される。

【００３３】その後、オペレーターによって図示しない
保持スイッチが押されると、ソレノイド１８への通電が
遮断され、保持アーム１７が引張バネ４０の付勢力によ
って支軸１７ａを中心に時計回り方向に回動して、保持
アーム１７の一端１７ｂが揺動アーム１４の他端１４ａ
に係合して、圧胴９の版胴１からの離間状態が保持され
る。

【００３４】圧胴９が版胴１から離間した状態で保持さ
れると、オペレーターによって図示しない天地移動スイ
ッチが押されることによりモーター３５が作動し、ブロ
ック３１が図４の左右方向に移動される。

【００３５】ブロック３１が図の左方向に移動される
と、タイミングベルト３７が引っ張られることにより、
歯付プーリー２２は反時計回り方向に、また、歯付プー
リー１３は時計回り方向にそれぞれ回動され、歯付プー
リー２７とプーリー受け２９とは、引張バネ３０の付勢
力に抗して左方向に移動される。これにより版胴１が矢
印ｂ方向に、また、圧胴９が矢印ｄ方向にそれぞれ回動
して、版胴１の位相が進み、圧胴９の位相が遅れる。従
って、印刷画像の位置は、印刷用紙の上方向にずれるこ
ととなる。印刷画像の位置を印刷用紙の下方向にずらす
場合は、ブロック３１を図の右方向に移動させるように
モーター３５を作動させればよい。

【００３６】なお、上述の天地移動時において、歯付プ
ーリー２７とプーリー受け２９とが引張バネ３０によっ
て引っ張られているため、ブロック３１の移動量と版胴
１及び圧胴９の回動量とは比例していない。そこで、予
めブロック３１の移動量と版胴１及び圧胴９の回動量と
を測定して図示しない制御手段に記憶させておき、オペ
レーターが天地移動量（版胴１及び圧胴９の回動量）を
設定すると自動的にブロック３１の移動量を割り出し、
その移動量に基づいてモーター３５を作動させることに
より、所定量だけ天地移動を行うことができる。

【００３７】図５は、本発明の第２の実施例を採用した
孔版印刷装置要部の部分側断面図である。この第２の実
施例は、第１の実施例と比較すると、圧胴９に代えてプ
レスローラー４１及びレジストローラー対４２を用いた
点において相違する。

【００３８】プレスローラー４１は、図示しない揺動ア
ームに回転自在に支持された支軸４１ａに固着されてお
り、この揺動アームの揺動によって、その外周面を版胴
１の外周面に対して接離自在に設けられている。プレス
ローラー４１の揺動動作は、版胴１の回転動作と同期し
て行われる。

【００３９】プレスローラー４１の右方には、レジスト
ローラー対４２が配設されている。レジストローラー対
４２は、回転駆動力を伝達される駆動ローラー４２ａ
と、駆動ローラー４２ａと連れ回りする従動ローラー４
２ｂとから構成されており、図示しない給紙手段より給
送される印刷用紙の先端部を駆動ローラー４２ａと従動
ローラー４２ｂとで挟み込み、タイミングをとって版胴
１とプレスローラー４１との間の位置へ給送する。

【００４０】図６に、レジストローラー対４２の駆動機
構を示す。図において、駆動ローラー４２ａは、孔版印
刷装置本体に回転自在に支持された支軸４２ｃに固着さ
れており、この支軸４２ｃには、図示しない一方向クラ
ッチを介してギヤ４２ｅが固着されている。この図示し
ない一方向クラッチは、図において反時計回り方向の回
転のみを支軸４２ｃに伝達する。

【００４１】支軸４２ｃの上方には、揺動自在な図示し
ないアーム部材に回転自在に支持された支軸４２ｄが配
設されており、この支軸４２ｄには従動ローラー４２ｂ
が固着されている。従動ローラー４２ｂは、図示しない
アーム部材の揺動によって、その外周面を駆動ローラー
４２ａの外周面に対して接離自在とされており、駆動ロ
ーラー４２ａとの当接時において、駆動ローラー４２ａ
と連れ回りする。

【００４２】レジストローラー対４２の左方には、扇形
ギヤ４３が配設されている。扇形ギヤ４３は、その略中
央部を孔版印刷装置本体に固着された支軸４３ａに枢支
されており、一端にはギヤ部４３ｂが形成され、他端に
はカムフォロア４３ｃが回転自在に配設されている。扇
形ギヤ４３は、ギヤ部４３ｂをギヤ４２ｅと噛合し、か
つ、カムフォロア４３ｃを後述するカム４７と当接させ
た状態で配置されている。また、扇形ギヤ４３の、ギヤ
部４３ｂ側の端部近傍には、一端を孔版印刷装置本体に
固着された引張バネ４４の他端が固着されており、扇形
ギヤ４３には時計回り方向の回動付勢力が付与されてい
る。

【００４３】図７は、第２の実施例における孔版印刷装
置の駆動機構と天地移動手段４５とを示している。この
第２の実施例における駆動機構は、図４に示した第１の
実施例における駆動機構と比較すると、歯付プーリー１
３に代えて歯付プーリー４６を用いた点においてのみ相
違し、他の構成は同一である。

【００４４】歯付プーリー４６は、孔版印刷装置本体に
回転自在に支持された支軸４６ａに固着されており、支
軸４６ａにはカム４７が固着されている。カム４７の周
面には、カムフォロア４３ｃが入り込むに十分な凹部４
７ａが形成されている。

【００４５】天地移動手段４５は、各歯付プーリー２
２，２７，２８，４６、プーリー受け２９、引張バネ３
０、タイミングベルト３７、移動手段３８によって構成
されている。

【００４６】上述の構成に基づいて、以下に動作を説明
する。図示しない製版手段によって穿孔製版されたマス
タの先端がステージ部６とクランパー７との間に挟み込
まれ、図示しない印刷用紙の先端がレジストローラー対
４２に挟持された後、ギヤモーター２４が作動してタイ
ミングベルト２６が図４の矢印ａ方向に送られると、版
胴１が矢印ｂ方向に、またカム４７が矢印ｅ方向にそれ
ぞれ回転駆動される。

【００４７】カム４７が回転し、カムフォロア４３ｃが
凹部４７ａ内に落ち込むと、扇形ギヤ４３が支軸４３ａ
を中心に時計回り方向に回動する。これにより、ギヤ４
２ｅが反時計回り方向に回動されて駆動ローラー４２ａ
が回動し、従動ローラー４２ｂとで印刷用紙を給送す
る。そして、版胴１と同期して揺動するプレスローラー
４１によって、印刷用紙を版胴１の外周面に押圧するこ
とで印刷が行われる。

【００４８】印刷終了後、オペレーターは排出された印
刷物を目視して印刷画像の位置の確認を行い、印刷画像
が天地方向（用紙搬送方向）にずれている場合に、第１
の実施例と同様に、天地移動手段４５を作動させて画像
位置の調整を行う。

【００４９】オペレーターによって図示しない天地移動
スイッチが押されることによりモーター３５が作動し、
ブロック３１が図４の左右方向に移動される。

【００５０】ブロック３１が図の左方向に移動される
と、タイミングベルト３７が引っ張られることにより、
歯付プーリー２２は反時計回り方向に、また、歯付プー
リー４６は時計回り方向にそれぞれ回動され、歯付プー
リー２７とプーリー受け２９とは、引張バネ３０の付勢
力に抗して左方向に移動される。これにより版胴１が矢
印ｂ方向に、また、カム４７が矢印ｆ方向にそれぞれ回
動して、版胴１の位相が進み、カムフォロア４３ｃが凹
部４７ａ内に落ち込むタイミングが遅れる。従って、印
刷画像の位置は、印刷用紙の上方向にずれることとな
る。印刷画像の位置を印刷用紙の下方向にずらす場合
は、ブロック３１を図の右方向に移動させるようにモー
ター３５を作動させればよい。

【００５１】なお、第２の実施例中における、版胴１の
位相に対する駆動ローラー４２ａの作動タイミングの変
化は、図８に示すように、プレスローラー４１との当接
時における版胴１の回動距離ｇの中に給送される印刷用
紙Ｐの長さｈが含まれる範囲内で行われる。

【００５２】上記各実施例では、歯付プーリーとタイミ
ングベルトとを用いたが、平プーリーと平ベルト、ある
いはＶプーリーとＶベルトとを用いる構成としてもよ
い。

【００５３】

【発明の効果】本発明によれば、テンションローラーの
数が少なく、かつ、ベルトに対する回転抵抗が少ない天
地移動手段とすることができるので、簡易な構造で低コ
ストの印刷装置を提供することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の第１の実施例を採用した孔版印刷用紙
要部の概略側面図である。

【図２】本発明の第１の実施例に用いられる圧胴を説明
する側断面図である。

【図３】本発明の第１の実施例に用いられる圧胴の接離
機構及び保持機構を説明する図である。

【図４】本発明の第１の実施例における孔版印刷装置の
駆動機構と天地移動手段とを示す側面図である。

【図５】本発明の第２の実施例を採用した孔版印刷装置
要部の概略側面図である。

【図６】本発明の第２の実施例に用いられるレジストロ
ーラー対の駆動機構を示す図である。

【図７】本発明の第２の実施例における孔版印刷装置の
駆動機構と天地移動手段とを示す側面図である。

【図８】本発明の第２の実施例を説明する図である。

【図９】従来の天地移動手段を示す概略側面図である。

【図１０】従来の天地移動手段を示す概略側面図であ
る。

【符号の説明】

１版胴９圧胴１３，２２駆動力伝達手段（歯付プーリー）２６，３７タイミングベルト２７，２８テンションローラー（歯付プーリー）３８移動手段３９，４５天地移動手段４１プレスローラー４２レジストローラー対

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】外周面にマスタを巻装し、第１の駆動力伝
達手段を介して駆動力を伝達されて回転する版胴と、外周面に印刷用紙を巻装し、第２の駆動力伝達手段を介
して駆動力を伝達されて前記版胴と同期して回転し、前
記マスタに対して前記印刷用紙を押圧する圧胴とを有
し、前記版胴と前記圧胴とを相対的に回転させることによ
り、前記マスタと前記印刷用紙との圧接位置を変化させ
る天地移動手段を具備する印刷装置において、前記天地移動手段は、第１の駆動力伝達手段と第２の駆
動力伝達手段とに掛け渡されたベルトと、前記ベルトを
張架させる第１及び第２のテンションローラーとを有
し、第１のテンションローラーは、付勢手段によって前記ベ
ルトを緊張させる方向に付勢され、第２のテンションロ
ーラーは、移動手段によって、前記ベルトを緊張させる
方向または前記ベルトを弛緩させる方向に選択的に移動
されることを特徴とする印刷装置。
【請求項２】外周面にマスタを巻装し、第１の駆動力伝
達手段を介して駆動力を伝達されて回転する版胴と、前記版胴に対して接離自在に設けられたプレスローラー
と、第２の駆動力伝達手段を介して駆動力を伝達されて作動
し、前記版胴と前記プレスローラーとの間に向けて印刷
用紙を給送するレジストローラー対と、前記レジストローラー対の作動タイミングを変化させ、
前記印刷用紙の給送タイミングを変化させる天地移動手
段とを具備する印刷装置において、前記天地移動手段は、第１の駆動力伝達手段と第２の駆
動力伝達手段とに掛け渡されたベルトと、前記ベルトを
張架させる第１及び第２のテンションローラーとを有
し、第１のテンションローラーは、付勢手段によって前記ベ
ルトを緊張させる方向に付勢され、第２のテンションロ
ーラーは、移動手段によって、前記ベルトを緊張させる
方向または前記ベルトを弛緩させる方向に選択的に移動
されることを特徴とする印刷装置。
【請求項３】前記ベルトがタイミングベルトであること
を特徴とする請求項１または請求項２記載の印刷装置。
【請求項４】前記各テンションローラーは、共に前記ベ
ルトの内側と当接していることを特徴とする請求項１、
請求項２または請求項３記載の印刷装置。
【請求項５】前記移動手段が送りネジ機構であることを
特徴とする請求項１、請求項２、請求項３または請求項
４記載の印刷装置。