JP2001246828A - 孔版印刷装置及び該孔版印刷装置の孔版原紙への皺防止方法 - Google Patents
孔版印刷装置及び該孔版印刷装置の孔版原紙への皺防止方法Info
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Abstract
無くし、孔版原紙への皺の発生を防止する。 【解決手段】 版胴16内にあるインク供給ローラ17
を周壁15の内周面に接触可能に移動させるように構成
する。そして、版胴16に孔版原紙Mが巻装着版されて
いない状態にて、インク供給ローラ17を周壁15のイ
ンク通過性部分(孔部15a)に対して接触位置とし、
版胴16を回転させる。これにより、排版時の孔版原紙
Mの引き剥がしにて周壁15のインク通過性部分から外
周面側に引き出されたインク50が、インク供給ローラ
17が周壁15の内周面に接触した負圧によってインク
通過性部分内に引き込まれて除去される。ゆえに、周壁
15の外周面に孔版原紙Mを着版しても、周壁15の外
周面と孔版原紙Mの間に気泡を生じさせることなく孔版
原紙Mへの皺の発生を防止する。
Description
版された孔版原紙を巻装着版させる孔版印刷装置及び該
孔版印刷装置の孔版原紙への皺防止方法に関するもので
ある。
れたインク通過性の周壁を円筒状に配置して、自身の軸
線回りに回転可能とされた版胴を有している。この周壁
の外周面には、製版済みの孔版原紙が巻装着版される。
また、版胴の内部には、周壁の外周面にインクを通過さ
せる如く供給するインク供給手段がある。さらに、版胴
の外側には、周壁の外周面に接触可能とされたプレスロ
ールがある。そして、版胴の回転に同期して、版胴とプ
レスロールの間に印刷用紙を供給し、プレスロールにて
版胴に巻装された孔版原紙に対して印刷用紙を押し付け
ることにより、孔版原紙の穿孔部分をインクが通過して
印刷用紙に転移し印刷が行われる。
には、先に版胴に巻装着版された使用済みの孔版原紙を
引き剥がして排版し、新たに製版した孔版原紙を版胴に
巻装着版させることにより、上記と同様に印刷が行われ
る。
た従来の孔版印刷装置では、使用済みの孔版原紙を排版
する際、引き剥がされる孔版原紙と周壁の外周面との間
に存在するインクが開裂することとなる。これにより、
図10(a)に示すように、周壁100の外周面には、
孔版原紙Mの引き剥がしによって、周壁100の孔部1
00aからインク101が毛羽立つようにして周壁10
0の外周面側に引き出され、インク101が疎らに載っ
た状態となる。
(b)に示すように、新たに製版された孔版原紙Mを版
胴100に巻装着版すると、周壁100の外周面と孔版
原紙Mの間に空間Sが発生する。そして、印刷の際に
は、この空間Sが気泡S’となり、着版した孔版原紙M
に皺を生じさせ、印刷用紙に対して画像として現れてし
まう。
S(気泡S’)が生じた状態で孔版原紙Mが着版された
周壁100を平面に展開し、版胴の回転によってプレス
ロール102が押圧してゆく工程(印刷工程)を示して
いる。図11(a)及び(b)に示すように、プレスロ
ール102が版胴の回転によって周壁100の移動方向
に沿って押圧すると、上記気泡S’が溜まりながら塊と
なって孔版原紙Mの下流側に押し流されてゆく。そし
て、図11(c)及び(d)に示すように、溜まった気
泡S’が孔版原紙Mの下流端から放出される。この放出
される気泡S’は、孔版原紙Mの下流端の一部から放出
される。このため、プレスロール102によって均等に
押し流されない部分、即ち、孔版原紙Mにおいて気泡
S’により膨らんだ部分が、プレスロール102に押し
つぶされて折れ、これが皺103となる。
の弱い孔版原紙Mを使用した場合や、製版穿孔率の少な
い原稿にて製版を行った密閉度の高い孔版原紙Mを使用
した場合等に生じやすい。
に、着版した孔版原紙と周壁の間に生じる気泡を無く
し、孔版原紙への皺の発生を防止することができる孔版
印刷装置及び該孔版印刷装置の孔版原紙への皺防止方法
を提供することを目的としている。
本発明による請求項1に記載の孔版印刷装置は、インク
通過性の周壁を円筒状にして自身の軸線回りに回転可能
とされ、前記周壁の外周面に製版済みの孔版原紙を巻装
着版する版胴と、前記版胴の内部にて前記周壁の内周面
に接触可能とされた接触部材と、該接触部材を前記周壁
の内周面に対して接触させる接触位置、あるいは前記周
壁の内周面に対して所定の間隔をなす離間位置にそれぞ
れ移動させる移動機構と、を備え、前記版胴に前記孔版
原紙が巻装着版されていない状態にて、前記接触部材を
前記周壁のインク通過性部分に対して接触位置として前
記版胴を回転させることを特徴とする。
1に記載の孔版印刷装置において、前記接触部材は、前
記周壁の内周面にインクを供給するインク供給ローラと
して構成されていることを特徴とする。
への皺防止方法は、インク通過性の周壁を円筒状にして
自身の軸線回りに回転可能とされ、前記周壁の外周面に
製版済みの孔版原紙を巻装着版する版胴と、前記版胴の
内部にて前記周壁の内周面に接触可能とされた接触部材
と、該接触部材を前記周壁の内周面に対して接触させる
接触位置、あるいは前記周壁の内周面に対して所定の間
隔をなす離間位置にそれぞれ移動させる移動機構とを備
えた孔版印刷装置の孔版原紙への皺防止方法であって、
前記版胴から前記孔版原紙を排版して前記版胴に前記孔
版原紙が巻装されていない状態とし、前記接触部材を前
記周壁のインク通過性部分に対して接触位置として前記
版胴を回転させ、前記接触部材を離間位置として前記版
胴に製版済みの前記孔版原紙を巻装着版させることを特
徴とする。
を参照して具体的に説明する。図1は本発明による孔版
印刷装置の一例を示す側面図である。この孔版印刷装置
は、原稿読み取り部1と、製版部2と、印刷部3と、給
紙部4と、排紙部5と、排版部6とを有している。
あり、副走査方向に搬送される原稿の画像の読み取りを
行うラインイメージセンサ7と、原稿送りローラ8とを
有している。なお、原稿読み取り部1としては、上記の
構成に限らず、固定の原稿に対してラインイメージセン
サ7を副走査方向に移動させて原稿の画像を読み取るよ
うに構成してもよい。すなわち、原稿読み取り部1は、
原稿とラインイメージセンサ7を相対移動させることに
より原稿の画像を読み取る。
配置された複数個の点状発熱体により構成されたサーマ
ルヘッド10と、プラテンローラ11及び原紙送りロー
ラ12と、原紙案内ローラ13と、原紙カッタ14とを
有している。そして、プラテンローラ11の回転によ
り、原紙ロール部9から孔版原紙Mを連続して引き出
し、サーマルヘッド10とプラテンローラ11の間で搬
送する。サーマルヘッド10には、上記原稿読み取り部
1によって読み取られた原稿の画像データが入力されて
いる。そして、サーマルヘッド10の複数個の点状発熱
体が各々個別に選択的に発熱することにより、感熱性の
孔版原紙Mにドットマトリックス式に感熱穿孔製版が行
われる。この製版時において、プラテンローラ11によ
って原紙ロール部9から引き出された孔版原紙Mは、原
紙案内ローラ13によって所望の引張力が付与されて皺
等の発生を防止している。また、製版が行われた孔版原
紙Mは、原紙送りローラ12によってさらに搬送され、
原紙カッタ14により一版分に切断される。
等により構成された多孔構造のインク通過性の周壁15
を円筒状に配置した版胴16を有している。版胴16
は、図示されない駆動手段により自身の軸線回りに図1
にて反時計廻り方向に回転駆動される。また、版胴16
の外周には、孔版原紙Mの先端部をクランプするクラン
プ部16aが設けられている。そして、版胴16は、搬
送された製版済みの孔版原紙Mの先端部をクランプ部1
6aにてクランプしながら回転することにより、その外
周面に孔版原紙Mを巻装着版する。また、版胴16の内
部には、インク供給ローラ17及びドクタローラ18に
よるインク供給装置19が設けられている。さらに、版
胴16の外側には、プレスロール20が版胴16(周壁
15)の外周面に接離し得るように移動可能に設けられ
ている。
れている。給紙部4は、印刷用紙Pが積み重ね載置され
る給紙台21と、給紙台21より印刷用紙Pを一枚ずつ
取り出すピックアップローラ22と、印刷用紙Pを版胴
16とプレスロール20との間に送る給紙タイミングロ
ーラ23とを有している。
れている。排紙部5は、印刷用紙Pを版胴16よりはぎ
取るはぎ取り爪24と、はぎ取られた印刷用紙Pを搬送
する排紙送りベルト部25と、印刷済みの印刷用紙Pが
積層される排紙台26とを有している。
れている。排版部6は、使用済みの孔版原紙Mを版胴1
6より引き剥がす剥離爪27と、引き剥がされた孔版原
紙Mを搬送する排版ローラ28と、搬送された孔版原紙
Mを収容する排版ボックス29とを有している。
ク供給装置19により版胴16の周壁15の内周面に所
定のインクが供給される。版胴16は、自身の軸線の回
りに図1にて反時計廻り方向に回転駆動される。印刷用
紙Pは、版胴16の回転に同期して所定のタイミングに
て給紙タイミングローラ23により図1の左方から右方
へ移動する状態にて、版胴16とプレスロール20との
間に供給される。そして、印刷用紙Pが、プレスロール
20の移動により版胴16(周壁15)の外周面に巻装
されている孔版原紙Mに対して圧接されることによっ
て、印刷用紙Pに対して版胴16から孔版原紙Mを通過
したインクが転写されて孔版印刷が行われる。
図、図3は同インク供給装置の動作図である。版胴16
の内部であって、インク供給ローラ17の両端部側に
は、各々側板30が固定されている。各側板30には、
枢軸31によって支持レバー32の一端部がそれぞれ枢
支されている。この支持レバー32には、各々その中間
部にて、前記インク供給ローラ17を回転可能とする支
持軸33が支持されている。また、各側板30には、前
記ドクタローラ18が支持されている。ドクタローラ1
8は、その両端部に突出部34を有し、この突出部34
が側板に設けられた長孔35に係合されている。
は、ステーロッド36が貫通されている。ステーロッド
36は、その一端部が雄ネジをなし、インク供給ローラ
17の支持軸33に螺着されている。また、ステーロッ
ド36において、突出部34と支持軸33の間には、圧
縮コイルバネ37が巻装されている。これにより、イン
ク供給ローラ17とドクタローラ18は、ステーロッド
36によって互いの間隔を形成し、且つ、圧縮コイルバ
ネ37によって前記間隔が維持されることとなる。ま
た、ステーロッド36の支持軸33に対するねじ込み量
の調整により、インク供給ローラ17とドクタローラ1
8の間隔が調整される。また、インク供給ローラ17
は、側板30に支持されたドクタローラ18にステーロ
ッド36にて連結されていることで、支持レバー32を
介して側板30に支持される。
インク供給ローラ17の外周面に対してインクを供給す
るインク供給部38が設けられている。
すように、その外周面が版胴16の周壁15の内周面に
対して所定の間隔H(略0.3mm)をおいた離間位置
となるように設定されている。そして、インク供給ロー
ラ17は、印刷の際、移動したプレスロール20が周壁
15の外周面に巻装された孔版原紙Mと印刷用紙Pを押
し付けることで、この押し付け力を受けて周壁15の内
周面に接触する。これにより、インク供給ローラ17
は、プレスロール20との間で孔版原紙Mと印刷用紙P
を圧接させる。
に接触した際、インク供給ローラ17は、版胴16の回
転に同期して支持軸33を中心に図2にて反時計廻りに
回転する。このインク供給ローラ17の回転により、イ
ンク供給部38にてインク供給ローラ17の外周面に供
給されたインクが、ドクタローラ18側に移行し、イン
ク供給ローラ17とドクタローラ18との間隔部分に楔
形状のインク溜まり部39を形成する。そして、インク
供給ローラ17のさらなる回転により、インク溜まり部
39のインクが、インク供給ローラ17とドクタローラ
18の間隔を通過し、インク供給ローラ17の外周面に
対して前記間隔の大きさにより決まる厚さの層状になっ
て付着する。このようにして、インク供給ローラ17の
外周面に付着したインクが周壁15の内周面に供給され
る。即ち、インク供給ローラ17とドクタローラ18と
の間隔は、周壁15の内周面に供給するインク量を計量
するための間隔であり、上記の如く間隔を調整すること
でそのインク量が調整できる。
給ローラ17は、移動機構にて、上述の離間位置から周
壁15の内周面に接触する接触位置に移動可能である。
以下、移動機構について説明する。
軸40が回転可能となるように架設されている。枢軸4
0には、カム41が固定されている。カム41は、イン
ク供給ローラ17を支持する支持レバー32の他端部側
に設けられた長孔42に係合されている。また、枢軸4
0には、従動歯車43が固定されている。この従動歯車
43は、減速歯車44を介して駆動モータ45の出力軸
に固定された駆動歯車46に噛合している。そして、駆
動モータ45を駆動させると、従動歯車43が枢軸40
を回転させてカム41が回転する。これにより、支持レ
バー32の他端部側が図3の如く下方向に揺動し、イン
ク供給ローラ17が周壁15の内周面に接触する接触位
置へと移動する。このように、インク供給ローラ17
は、周壁15の内周面に対して接触する接触位置、ある
いは周壁15の内周面に対して所定の間隔Hをなす離間
位置にそれぞれ移動可能とされた接触部材として構成さ
れる。
び着版動作について説明する。図4乃至図6は排版動作
を示す動作図、図7及び図8は着版動作を示す動作図で
ある。
符号Aで示す部分は、版胴16の回転方向に際してイン
クを通過させるインク通過部の始端であり、符号Bは前
記インク通過部の終端である。また、インク通過部は、
始端Aから終端Bまでのクランプ部16aを介在しない
範囲である。また、始端Aから終端Bまでのクランプ部
16aを介在する範囲は、インクを通過させないインク
非通過部である。
けられたクランプ部16aが不図示の駆動機構によって
開き、孔版原紙Mの先端部のクランプを開放する。そし
て、図5に示すように、開放された孔版原紙Mの先端部
は、版胴16の図5中反時計廻りの回転により、排版部
6の剥離爪27によって引き剥がされるとともに、排版
ローラ28によって排版ボックス29側に搬送される。
供給ローラ17が周壁15の内周面に対して所定の間隔
H(略0.3mm)をおいた通常時の離間位置とされて
いる。
転により、始端Aがインク供給ローラ17のある位置に
差しかかる時、駆動モータ45が駆動し、カム41の回
転によってインク供給ローラ17が周壁15の内周面に
接触する接触位置に移動する。また、孔版原紙Mは、版
胴16の一回転に際し、版胴16から引き剥がされて排
版ボックス29に全て収容される。孔版原紙Mが排版さ
れると、新たに製版された孔版原紙Mが版胴16に着版
されることとなる。
16aが不図示の駆動機構によって開き、孔版原紙Mの
先端部のクランプを開放する。そして、このクランプ部
16aにより、製版部2側から搬送される孔版原紙Mの
先端部をクランプする。そして、版胴16が図7中反時
計廻りに回転することで、周壁15の外周面に巻装着版
され始める。この際、インク供給ローラ17は、上記排
版時に接触位置とされたままの状態にある。
ク供給ローラ17のある位置に差しかかる時、駆動モー
タ45が駆動し、カム41の回転によってインク供給ロ
ーラ17が周壁15の内周面に対して所定の間隔Hをな
す離間位置に移動する。また、孔版原紙Mは、版胴16
の一回転に際し、版胴16の周壁15に外周面に一版分
が着版される。
いて、始端Aから終端Bまでのインク通過部に対し、着
版する前の孔版原紙Mが周壁15の外周面に無い状態に
て、インク供給ローラ17が周壁15の内周面に接触す
る接触位置とされる。
終点Bがインク供給ローラ17のある位置に差しかかる
際の位置は、版胴16の回転角度や各種センサ等によっ
て検出することができ、この検出により移動機構を制御
すればよい。
版時の孔版原紙Mの引き剥がしにて周壁15の孔部15
aから外周面側に引き出されたインク50が、周壁15
の内周面にインク供給ローラ17が接触した負圧によっ
て、周壁15の孔部15a内に引き込まれて除去され
る。そして、図9(b)に示すように、この周壁15の
外周面に孔版原紙Mを着版しても、周壁15の外周面と
孔版原紙Mの間に気泡となる空間が発生しない。したが
って、印刷の際に、着版した孔版原紙Mに皺を生じさせ
ることがなくなり、所望の印刷画像を印刷用紙Pに対し
て印刷することが可能となる。
原紙Mを使用した場合や、製版穿孔率の少ない原稿にて
製版を行った密閉度の高い孔版原紙Mを使用した場合等
に、皺が生じやすかったが、上述した構成により、上記
のような孔版原紙Mであっても、皺を生じさせることが
ない。特に、剛性が低く腰が弱い孔版原紙Mは、製版の
際の感熱穿孔時に少ないエネルギーでも製版できるよう
に感度を良くする目的で熱可塑性樹脂フィルムの厚みを
薄くしている。本発明では、剛性が低くなった孔版原紙
Mであっても問題なく使用できるため、製版時のエネル
ギーを抑えることに助勢する。
着版に至る過程で、排版時の版胴16の回転中に孔版原
紙Mが排版しきる前と、着版時の版胴16の回転中に孔
版原紙Mが着版しきる前にて、周壁15の外周面に孔版
原紙Mの無い状態でインク供給ローラ17を周壁15の
内周面に接触させている。ゆえに、着版から排版に至る
過程の中で、インク供給ローラ17を移動させて孔版原
紙Mに生じる皺を防止する動作を行うので、新たに版胴
16を回転させる必要がなく、使用者が操作パネルのス
タートボタンを押して、製版、排版、着版、印刷を行い
最初の一枚目の印刷用紙に印刷が行われて排紙されるま
でのファーストプリント時間を長くすることがない。し
かしながら、場合によっては、完全に孔版原紙Mを周壁
15から引き剥がして排版を終了した後に、インク供給
ローラ17を移動させて新たに版胴16を回転させるよ
うにしてもよい。
給ローラ17を離間位置と接触位置に移動させる移動機
構として、枢軸40の従動歯車43を回転させる駆動源
として、駆動モータ45を採用した例を説明したがこの
限りでない。その他の例として、従動歯車43をクラッ
チ機構を介して版胴16の回転によって駆動するように
してもよい。即ち、必要に応じてクラッチ機構を動作さ
せて、版胴16の回転と共に、インク供給ローラ17を
離間位置と接触位置に移動させる。
装置の一例として、版胴16の外側にプレスロール20
があって、このプレスロール20が周壁15の外周面に
接触しようとする移動によって印刷を行う構成を説明し
たがこの限りではない。その他の例として、図示しない
が、版胴16の外側に、印刷用紙Pを巻き付ける紙胴を
備え、インク供給路ローラ17が中押しローラを構成し
て周壁15を膨出変形させるように移動することによ
り、紙胴に巻かれた印刷用紙Pに対して周壁15の外周
面を接触させて印刷を行うる構成がある。このように、
中押しローラとしてのインク供給ローラ17により周壁
15を膨出変形させる構成の場合には、上記の如く排版
から着版に至る過程で、孔版原紙Mが周壁15の外周面
に無い状態にて、中押しローラ(インク供給ローラ1
7)を移動させる。そして、周壁15が紙胴に接触しな
い程度に周壁15を膨出変形させて、周壁15の内周面
に中押しローラ(インク供給ローラ17)を接触させれ
ばよい。したがって、中押しローラとしてのインク供給
ローラ17により周壁15を膨出変形させる構成の孔版
印刷装置であっても、上述したように孔版原紙Mへの皺
の発生を防止できる。
給ローラ17(中押しローラ)を、孔版原紙Mが周壁1
5の外周面に無い状態にて移動させて、周壁15の内周
面に接触させる構成としている。これによれば、従来よ
りある孔版印刷装置の構成を用いて孔版原紙Mに生じる
皺を防止することが可能である。しかしながら、場合に
よっては、インク供給ローラ17(中押しローラ)から
なる接触部材に代えて、新たに周壁15の内周面に接触
あるいは離間するように移動する別の接触部材を設けて
もよい。この別の接触部材としては、例えばローラをな
すものや、板片状をなす構成等が考えられる。また、別
の接触部材を移動させる移動機構としては、例えば側板
30に別の接触部材を移動可能に設け、これを駆動モー
タや版胴16の回転を駆動源とする構成等が考えられ
る。
1に記載の孔版印刷装置は、版胴の内部にて周壁の内周
面に対して接触位置あるいは離間位置に移動可能な接触
部材を設けている。そして、接触部材を版胴に孔版原紙
が巻装着版されていない状態にて、周壁のインク通過性
部分に対して接触位置として版胴を回転させることによ
り、排版時の孔版原紙の引き剥がしにて周壁のインク通
過性部分から外周面側に引き出されたインクが、周壁の
内周面に接触部材が接触した負圧によって、インク通過
性部分内に引き込まれて除去される。これにより、周壁
の外周面に新たに孔版原紙を着版しても、周壁の外周面
と孔版原紙の間に気泡を発生させないので、印刷の際
に、着版した孔版原紙に生じていた皺を防止することが
でき、所望の印刷画像を印刷用紙に対して印刷すること
ができる。
1に記載の接触部材を、周壁の内周面にインクを供給す
るインク供給ローラとして構成したので、孔版印刷装置
の既存の構成を用いた上で、孔版原紙に生じる皺を防止
することができる。
への皺防止方法は、版胴から孔版原紙を排版して版胴に
孔版原紙が巻装されていない状態とし、接触部材を周壁
のインク通過性部分に対して接触位置として版胴を回転
させ、接触部材を離間位置として版胴に製版済みの孔版
原紙を巻装着版させている。これにより、排版から着版
に至る工程にて、周壁のインク通過性部分から外周面側
に引き出されたインクを除去し、孔版原紙に生じる皺を
防止することができる。特に、排版時にて孔版原紙を引
き剥がしながら周壁のインク通過性部分に対して接触部
材を接触位置とし、続く着版時にて孔版原紙を着版しな
がら周壁のインク通過性部分に対して接触部材を接触位
置とすれば、排版から着版の工程中に周壁のインク通過
性部分から外周面側に引き出されたインクを除去するこ
とができる。
図。
す側面図。
の外周面の状態を示す側面図。 (b)図10(a)の周壁に孔版原紙を着版した側面
図。
発生する過程を示す概念図。
触部材)、M…孔版原紙。
Claims (3)
- 【請求項1】 インク通過性の周壁を円筒状にして自身
の軸線回りに回転可能とされ、前記周壁の外周面に製版
済みの孔版原紙を巻装着版する版胴と、 前記版胴の内部にて前記周壁の内周面に接触可能とされ
た接触部材と、 該接触部材を前記周壁の内周面に対して接触させる接触
位置、あるいは前記周壁の内周面に対して所定の間隔を
なす離間位置にそれぞれ移動させる移動機構と、 を備え、前記版胴に前記孔版原紙が巻装着版されていな
い状態にて、前記接触部材を前記周壁のインク通過性部
分に対して接触位置として前記版胴を回転させることを
特徴とする孔版印刷装置。 - 【請求項2】 前記接触部材は、前記周壁の内周面にイ
ンクを供給するインク供給ローラとして構成されている
ことを特徴とする請求項1に記載の孔版印刷装置。 - 【請求項3】 インク通過性の周壁を円筒状にして自身
の軸線回りに回転可能とされ、前記周壁の外周面に製版
済みの孔版原紙を巻装着版する版胴と、 前記版胴の内部にて前記周壁の内周面に接触可能とされ
た接触部材と、 該接触部材を前記周壁の内周面に対して接触させる接触
位置、あるいは前記周壁の内周面に対して所定の間隔を
なす離間位置にそれぞれ移動させる移動機構とを備えた
孔版印刷装置の孔版原紙への皺防止方法であって、 前記版胴から前記孔版原紙を排版して前記版胴に前記孔
版原紙が巻装されていない状態とし、 前記接触部材を前記周壁のインク通過性部分に対して接
触位置として前記版胴を回転させ、 前記接触部材を離間位置として前記版胴に製版済みの前
記孔版原紙を巻装着版させることを特徴とする孔版印刷
装置の孔版原紙への皺防止方法。
Priority Applications (3)
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