JP5152919B2 - 画像形成装置および孔版印刷装置 - Google Patents
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Description
印刷に際しては、原稿画像の読取情報に基づいてサーマルヘッドを備えた製版装置により加熱穿孔製版を行い、版胴のサイズに応じて定まる所定のサイズ(クランパによるくわえ込み分を含め、1版分と称する。)に切断手段によりカットされる。こうして製版されたマスタをその熱可塑性樹脂フィルム面が外側になるように多孔性円筒状である版胴の外周面上に巻装する。
マスタロールは、筒状をした芯部にマスタを巻装したものであり、印刷に伴い消費されていく。マスタロールの残部が少なくなり、芯部近くまで消費されたときに自動検知して交換を促すために、マスタロールの実質的最後尾部に透過率の異なった被検出部分(エンドマーク)を、少なくとも1ヵ所以上設けている。
一方、孔版印刷装置には、設けられたエンドマークを検知する検知手段が設けられていて、前記検出部分の検知を行なう。マスタロールの残部が少なくなると、この検知に基づいてオペレーターに対して警告し、原稿の送りを停止させることが公知になっている。
このように、毎回所定の量を使用していくのであるが、残量がわずかになった場合、最後の製版1枚分で丁度終わりになるというわけにはいかない。そのため、残量のチェックを全くしていない場合は、最後の1版を製版し始めた途中でエンドマークを検知し突然マスタの残りが無くなってしまって、その製版の完成を諦めなければならなくなることがある。そうなると、製版途中のマスタを除去する作業(版胴のクランパを解除したり、送りローラによるくわえ込みを解除するなど)や、使用済みの巻き芯を新しいマスタロールに入れ替える作業が発生し、製版作業の中断を余儀なくされる。できれば、やりかけの印刷だけは終わらせてからマスタロールの交換を行いたい。
マスタ残量をロールマスタ支持部材の回転量から算出する例がある(例えば、特許文献2 参照。)。この文献によれば、複雑な計算法や装置を用いる代わり、使用中のマスタロールがあとどのくらい印刷が可能であるかを知ることができ、非常に便利であるが、やはり、最後の1版分に関してまで正確に知るためには、他の手段を併用する必要がある。
最後の1版が印刷終了して、マスタ残量が製版可能領域ゼロとなった時点でその旨を利用者に通知し、マスタロールの交換を、印刷途中で行わなくても済むようにしたい。
請求項4に記載の発明では、請求項1ないし3のいずれか1つに記載の画像形成装置を製版手段として備えた孔版印刷装置を特徴とする。
マスタを使い切ったことを利用者に知らせることで、印刷のやりかけ状態ではなく、次の作業に入る前にマスタロールの交換を行うことができる。
マスタ残量1版を検知した際に破棄しなければならないマスタは、その長さによって、可能な限り自動排出を行い、大きな廃棄量を利用者に認識させないで済む。
同図において1は孔版印刷装置、2は印刷部、3は製版装置としての画像形成部、4は給紙装置、5は排版装置、6は排紙装置、7は版胴、8はインキ供給装置、9は印圧装置のプレスローラ、11はクランパ、sは検知手段をそれぞれ示す。その他の符号は以下の説明中において随時引用しながら説明する。
孔版印刷装置1は、周知の感熱デジタル製版一体型孔版印刷装置の構造であり、製版済みのマスタ34を外周面に巻き付けることにより像を担持した状態となる像担持体ドラムとしての版胴7と、版胴7の右方上側に配置されマスタ34を製版する製版装置3と、版胴7の左方上側に配置され使用済みのマスタ34を版胴7から剥ぎ取り排版する排版装置5と、画像形成部3の下方に配置され給紙トレイ46上に積載されたシート状媒体としての印刷用紙Pを給送する給紙装置4と、給紙装置4に備えられ給紙トレイ46側から給送されてきた印刷用紙Pを版胴7に巻かれたマスタ34の画像と印刷部で会合し得る所定のタイミングで該印刷部に向けて搬送するレジストローラ49と、版胴7の下方に配置され給送されてくる印刷用紙Pを版胴7上の製版済みのマスタ34に押し付けることにより印刷を行うプレスローラ9を含む印圧装置と、版胴7、画像形成部3、排版装置5の上方に位置し図示しない原稿の画像を読み取るための原稿読取装置32と、孔版印刷装置1の左方に配置され印圧装置10で印刷された印刷済みの印刷用紙Pを版胴7から剥ぎ取るためのエアナイフ63と、剥ぎ取られた印刷用紙Pを搬送する排紙部26と、排紙部26によって搬送され孔版印刷装置1から排出される印刷用紙Pを積載する排紙台68と、孔版印刷装置1を操作し印刷を行うための図示しない操作パネルなどから主に構成されている。
マスタ34としては、ポリエステル等の熱可塑性樹脂フィルムに多孔質の支持体として和紙等を貼り合わせたものが用いられているが、これに限らず、非常に薄い実質的に熱可塑性樹脂フィルムのみからなるものを用いることも可能である。
排版工程と並行して、原稿読取部32が作動して原稿読み取りが行われる。この原稿読み取りに係る詳細な構成および動作は、例えば公知の「縮小式の原稿読取方式」により行われるようになっている。原縞読み取りされた画像は最終的にCCD(電荷結合素子)等の光電変換素子からなる画像センサにより光電変換される。光電変換された電気信号は、図示しないアナログ/デジタル(A/D)変換基板に送信されることによりデジタル画像信号に変換される。
このように搬送されるマスタ34に対して、サーマルヘッド37の主走査方向に一列に配列された多数の微小な発熱素子が、上記A/D変換基板およびその後の製版制御基板(図示せず)で各種処理を施されて送られてくるデジタル画像信号に応じて各々選択的に発熱し、発熱した発熱素子に接触しているマスタ34の熱可塑性樹脂フィルムが溶融穿孔される。
このようにして製版済みのマスタ34が版胴7の外周面にそれぞれ巻装されると製版・給版工程が終了し、印刷工程が開始される。給紙トレイ46上に積載された最上位の印刷用紙Pが呼び出しコロ47に接触するまで給紙トレイ46は図示しない周知の手段により上昇されている。呼び出しコロ47に接触している最上位の印刷用紙Pが、呼び出しコロ47の回転動作により搬送されると共に、一対の分離コロ48により1枚の印刷用紙Pだけが分離されて一対のレジストローラ49に向けて給送される。
印刷動作が始まると版胴7が所定の線速度に対応する回転速度で回転され始める。版胴7の内周側では、インキ供給ディストリビュータ(図示せず)からインキ供給手段としてのインキローラ14とドクタローラ15との間に形成されたインキ溜り16にインキが供給され、そのインキはインキローラ14とドクタローラ15とが回転することによって混練され伸ばされると共に、インキローラ14の外周面に均一に付着するようになる。
印圧装置は、プレスローラ9、図示しないプレスローラブラケット、図示しないバネからなるプレスローラテンションおよび図示しないプレスローラカムによって主に構成されている。プレスローラは、レジストローラ49によって所定のタイミングで給送されてきた印刷用紙Pを版胴7に押し付けて印刷画像を印刷用紙P上に形成する押圧手段としての機能を有する。
プレスローラ9は、プレスローラブラケットの一方の揺動端において回転自在に支持されていて、プレスローラテンションおよびプレスローラカムからなる周知の機構により版胴7の外周面に接離自在に設けられている。
これにより、版胴7の多孔部から滲み出たインキの粘性による付着力によって、製版済みのマスタ34が版胴7の外周面上に密着すると同時にさらに製版済みのマスタ34の穿孔パターン部からインキが滲み出し、この滲み出たインキが印刷用紙Pの表面に転移されて、所望の印刷画像が形成される。
次に、操作パネル上の図示しないテンキーで印刷枚数、印刷速度を設定し、再度スタートキーを押下すると上記試し刷りと同様の工程で、給紙、印刷および排紙の各工程が設定した印刷速度にて印刷枚数分繰り返して行なわれ、孔版印刷の全工程が終了する。
図2は本発明に用いられるマスタロールのマーク部分を示す概要図である。
同図において符号Mは何らかの方法で検知可能なマークを示す。
マスタロール25は、製版中に必要量が引き出されながら搬送され続けるが、残量が少なくなってくると、マークMが付与された部分が引き出されて、検知用のセンサsの検知範囲に入ってくる。ある画像が製版中であっても、このマークMが検出されると、製版を中断し、マークMが切断手段30の近傍に来た位置でマスタを切断する。製版が完了していないマスタは同図で「破棄部分」と示すように、印刷に使用できないので破棄する。破棄の仕方については後述する。
このときの切断位置は、マークが切断部を通り過ぎた位置とすれば(同図の黒丸)、確実にマーク自身が印刷に影響を与えることがないので好適であるが、少しでもマスタを有効に使うためには次のようにすると良い。すなわち、製版済みのマスタは前述のように、版胴7のクランプ部11にその一部を咥えられ、その部分はもともと印刷には寄与しない部分であるから、そこにマーク部Mが含まれていても実害はない。ここで、製版済みマスタのクランプ部、およびその直後の印刷に寄与しない部分を含めた長さを所定の長さとして、マーク部Mが切断手段30の直前の上記所定の距離以内に入ったら(同図における点線白丸)マスタを切断することにすれば、最後の1版の先端部近傍にマーク部Mが残っていても問題は生じなくなる。
なお、マーク検知から切断部までの距離が、製版済みマスタの先端から印刷領域までの距離に比べて小さい場合は、マーク検知と同時に切断を行っても、そのマークが印刷領域に入り込む虞はない。
これによって既に印刷指示を出した画像に関しては、マスタロールの交換をせずに印刷完了ができる。同図において符号Aで示したマスタの長さは、製版1版分の後端が切断部30に到達したときの、切断位置(同図に最終カット位置として示す)からロール芯端部までの長さであって、この部分は製版に供することができない。ただし、これはマスタの最終端部がロール芯にテープ等で貼り付けてある場合である。マスタ最終端がロール芯に留めてない場合、あるいは通常のマスタ引き出しの力で簡単に剥がれる貼り付けの場合はこの長さAは不要になる。
マスタに付与するマークはなるべくなら光学式のような非接触で検知可能であることが望ましい。なぜなら、接触式の検知手段であると、和紙を基体としたマスタを傷つけやすいからである。ただし、マスタを傷つけない弱い力でも検知可能な機械式検知手段を用いれば接触式であっても構わない。
光学式検知手段としては、マスタロール35の所定の位置に例えば和紙の白い部分に黒い線、丸、あるいは四角などの書き込みをしておく(同図では黒丸を例示)。勿論印刷でもかまわない。黒い紙のようなものを貼り付けておいても良い。センサとしてはマークからの反射光を検知する投光受光方式を用いる。和紙の白の反射光を検出し電気的出力を得ている状態から、マークの黒による無反射がくるとセンサの出力が無くなることで変化を検出してマークの存在を知ることができる。
黒色マークを貼り付ける代わりに、導電性のアルミ箔を貼っておいて、近接した2本の導電性のワイヤがマスタの面に接触するように配置しても良い。アルミ箔が通過することで、通常は両ワイヤ間が非導通であったものが、アルミ箔の存在により電気的に導通となることでマーク検知ができる。
マークを付与すべき位置に検知可能な大きさの孔を空けておいても良い。例えばマイクロスイッチのアクチュエータのように軽い力で孔を検知することができれば、スイッチのオン・オフでマーク検知が可能になる。
同図において符号Sはステップを示す。
製版中にマークを検出して製版を中断した場合、そのマスタ部分は印刷に供することができないので以下に示すような方法で破棄する。
画像形成部には前回のカット位置からマスタ切断部までの送り出し量が演算できるような演算部を設けておく。方法としては、例えば、プラテンローラ36の回転量から算出することができる。版胴7に巻き付けられたマスタを途中で剥がす場合、その長さが装置構成によって定まる或る所定長さ以上でないと自動排版できない。そのため、演算部によって、製版途中のマスタ先端から、マーク検知直後のカット位置までの長さを演算した結果が上記所定長さ以上であれば、特に利用者に知らせることなく自動排版を実行し、連続して次の再製版を実行する。
もし、演算結果が上記所定長さに満たない場合は、自動排版ができないとして利用者にその旨を知らせ、手動で排版作業を行ってもらうようにする。知らせる方法としては、音声や警告音とともになるべく可視的な表示を行うのがよい。そのために、操作パネル上には表示部分を設けておくのがよい。
製版指示が出されると、製版スタート(S01)が作動し、製版開始(S02)が行われる。マスタがロールから引き出されてサーマルヘッド部を通して搬送される(S03)。1版分が搬送できたかどうかをチェック(S04)し、搬送途中であれば、「NO」に分岐しさらにマスタ残量センサが所定のマークを検出したがどうかをチェックする(S05)。マーク検知がない場合「NO」へ分岐しマスタ搬送(S03)へ戻る。
マークを検出した場合、「YES」へ分岐し、直ちに製版を中止し(S06)、マーク部分が印刷領域に入らなくなるまで搬送を行う(S07)。ただし、前記したように、長さの関係で、マークMを検知したら直ちに切断をしても良い場合は、このS07が割愛できる。
演算された結果の長さが、自動排版可能な長さであるかどうかをチェックし(S10)、可能であれば「YES」に分岐し自動排版を行う(S11)。長さが自動排版に足りないときは「NO」に分岐し、手動排版を促すメッセージを音または表示により行う(S12)。
何れの場合も、破棄部の排版が終了すれば次の版の版胴巻き付けが可能になるので、最後の1版の製版を開始するためS02の製版開始へ戻る。
通常の場合は製版1版分が問題なく搬送されるのでチェック結果は「NO」となり、そのまま製版が続けられ製版が終了する(S15)。
マークM検出以後であれば、マスタ残量がなくなっていることが分かっているので、「YES」に分岐し、「マスタ無し」の警告を表示した後(S14)、製版を終了する(S15)。表示としては、例えば、「マスタの残量がなくなりました。印刷終了後にマスタロールを交換してください」などの表示をするとよい。
この後は図示していないが、版付け、試し刷りなどの工程を経て印刷が開始され、指定された所望の枚数が印刷されて1つのジョブが完了する。
製版途中で製版取りやめになった破棄部分の長さが長い場合は、自動排版が可能な限り、自動排版をすることで、利用者が手動で排版しなければならないときは破棄するマスタが短いときであるため、利用者にマスタの無駄をあまり感じさせないで済む。
2 印刷部
3 画像形成部
4 給紙装置
5 排版装置
6 排紙装置
7 版胴
9 プレスローラ
30 切断部
35 マスタロール
36 プラテンローラ
37 サーマルヘッド
Claims (4)
- 原紙(以下マスタと呼ぶ)の残り製版可能領域が1版分であることを示す機械的もしくは光学的に検知可能なマークが付与されているマスタロールを使用する画像形成装置であって、前記マスタをロールから引き出しながら搬送するマスタ搬送部と、画像形成部と、マスタ切断部と、該マスタ引き出し部近傍に設けた前記マークを検出する検知部と、を少なくとも有し、前記マスタの搬送中に前記画像形成部において画像形成中に前記検知部において前記マークを検出した後、前記マークが前記マスタ切断部に対して所定の距離以内に入った位置で前記マスタを切断し、該切断された画像形成中であった前記マスタを破棄することを特徴とする画像形成装置。
- 請求項1に記載の画像形成装置において、前記残り製版可能領域が1版分になったときに破棄した前記形成中であった画像の再製版を行った場合は、マスタ残量が無くなったことを、音もしくは表示によって利用者に知らせることを特徴とする画像形成装置。
- 請求項1または2に記載の画像形成装置において、前記破棄すべきマスタの長さを演算する演算部を有し、演算結果が自動排版可能な長さであった場合は自動排版を行い、自動排版可能な長さに満たなかった場合は手動排版をするように利用者に知らせることを特徴とする画像形成装置。
- 請求項1ないし3のいずれか1つに記載の画像形成装置を製版手段として備えたことを特徴とする孔版印刷装置。
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