JP4907980B2 - 孔版印刷装置 - Google Patents
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Description
印刷作業のダウンタイムをできるだけ少なくする観点から、1つのマスタロールにおけるマスタの終わりである「マスタエンド」を検知してオペレータに知らせることが行われており、検知方式としては、1版分以上の余裕を残した状態で終わりとする方式やマスタの後端(終端)を検知する方式の「マスタエンド検知方式」と、マスタが終わりに近づいていることを検知する「マスタニアエンド検知方式」とがある。
マスタエンド検知方式では、マスタの後端の通過を光学的に検知するようになっており、搬送力でマスタの終端が芯材から分離し得るマスタロールや、芯材を有しないマスタロールが用いられる。
また、マスタエンド検知方式では、例えばマスタの端部(製版領域外)に繰り出し方向に延びる帯状のマーク(黒色のセンサパターン)を形成し、反射型フォトセンサでこれを検知するもので、検知した時点でマスタ無しと判断して警告するようになっている。
マスタニアエンド検知方式では、マスタロール交換時からの製版回数をカウントし、カウント値に基づいてマスタ無しを判断する方式も知られている。
特許文献1には、マスタエンド検知方式において、マスタの終端が検知された時点からの送り可能なマスタの量を算出して1版分の送り量が得られるか否かを判断し、1版分の送り量が得られないときはマスタを印刷ドラムに巻装した後版付動作を行うことなく排版する孔版印刷装置が開示されている。
また、電源の入った状態でマスタロールの交換がなされた場合でも、新品でないマスタロールを交換したり、マスタエンド表示がなされる前にマスタロールを交換することがあり、正確なカウント(エンド表示)ができないという問題があった。
特許文献1に記載の方式では、マスタを最後まで有効的に使用できるが、排版を行っているため、交換用のマスタロールが無い場合や、交換用のマスタロールをセットしないで電源をOFFにした場合などには、印刷ドラム上にマスタが無い状態となってしまう。この状態が長く続いた場合には印刷ドラムのインキが乾燥し、印刷に悪影響を及ぼす。
まず、図1に基づいて本実施形態における孔版印刷装置の構成の概要を説明する。なお、スキャナー、製版・給版、排版の機構、主要な機能については従来知られている製版・印刷一体型の孔版印刷装置(例えば特開2005−153224号公報参照)と同様であるので説明を省略する。
印刷ドラム1は矢印方向(時計回り方向)に回転駆動される。印刷ドラム1の外周面には製版装置2により穿孔製版されたマスタ3がその先端部をクランパ4によってクランプされて巻き付け装着されるようになっている。
製版されたマスタ3には、原稿の画像が回転方向に配置されている。孔版印刷ではマスタ3から用紙に直接転写印刷されるので、マスタ3上の画像は鏡像になっている。
これらマスタ3上の画像の元となるデジタル画像データは、原稿を図示しないスキャナーで読み取り、作成される。この場合の原稿のセットは、図示しない自動原稿送り装置(ADF)や自動両面原稿送り装置(ADRF)、あるいはオペレータによる図示しないコンタクトガラスへのセット操作により行われる。
給紙台5には印刷用紙6が積載されている。給紙台5は昇降可能となっている。印刷用紙6は最上のものから順に給紙コロ7で送られ、分離コロ8と分離パッド9で1枚ずつに分離され、レジストローラ対10に送られて停止する。この状態にあるのが印刷用紙6Aである。この印刷用紙6Aが印刷ドラム1に対して所定の位相タイミングにて印刷ドラム1とプレスローラ11との間、すなわち印刷部に向けて送り出される。
孔版印刷装置の給紙制御系50(図4参照)は、この位相タイミング信号と、図示しないメインモータが一定角度回転する毎に発生する回転パルス信号を用いて、印刷ドラム1の回転位相位置(タイミング)をリアルタイムで検知・認識することができる。
ここで、印刷ドラム1の任意の位相角度にて位相タイミング信号を発生させるためには、フォトインタラプタ13が位相タイミング検知板12を検知してから、印刷ドラム1の任意の位相角度分の印刷ドラム1の回転位相位置(タイミング)を検知した後位相タイミング信号を発生させる。このようにすることで、位相タイミング信号を遅らせて発生することができる。
この結果、給紙制御系50は、印刷ドラム1の任意の位相角度にて位相タイミング信号を発生することができるようになっている。
印刷用紙6Cはその積載状態を示している。印刷用紙6Bはベルト式吸着搬送装置19により搬送されている状態を示している。
図1において、符号21は印刷ドラム1上の使用済みのマスタを剥離して収容する排版装置を示している。
例えば55kg紙のような標準紙を搬送印刷するときに、135kg紙のような厚紙や、45kg紙のような薄紙を搬送印刷することは困難である。このため、本実施形態では、操作パネル22(図4参照)上の図示しない用紙厚みボタンを繰り返し押すことによって、操作パネル22の図示しない液晶表示部で用紙厚みを選択・セットするようになっている。その操作により、厚紙や薄紙がセットされたときには、給紙部の給紙圧、分離圧の設定をそれぞれ設定された値に変更するようになっている。
これによって、厚紙や薄紙などの印刷時にもジャムを発生させる不具合を回避することができる。また、図示しない排紙のジャンプ台も標準紙と薄紙、厚紙の設定で、それぞれ設定されたジャンプ台の高さに変更するようになっている。これによって、厚紙や薄紙などの印刷時にも良好な排紙揃えをすることができ、排紙ジャムを発生させる不具合を回避することができる。
原稿をセットして操作パネル22上の図示しないスタートキーを押下すると原稿読み取り動作が始まり、同時に製版が開始される。感熱性フィルムを和紙にコーティングしたマスタにサーマルヘッド24で印字することにより製版を行う。サーマルヘッド24は上記デジタル画像データに基づいて駆動される。
マスタロール30から順次引き出されて製版されたマスタ3は、印刷ドラム1のマスタ巻き付け動作に入る前に、印刷ドラム1が排版動作で回転中であるため、一時的にたわみダクト25に保留される。
印刷ドラム1が給版待機位置に移動すると、たわみダクト25に保留されたマスタ3の先端部がクランパ4にクランプされる。その後、印刷ドラム1が回転して、マスタ巻き付け動作を開始する。
印刷ドラム1の回転中には、同時に印刷用紙6が給紙され続けて印刷(版付け)を行い、印刷ドラム1上のマスタ3にインキを供給し、画像立ち上がりを改善する。すなわち、印刷開始直ぐに十分な画像濃度が得られる状態となる。印刷ドラム1はホーム位置に戻り、印刷待機状態となる。
搬送機構は、上記プロッタモータ(ステッピングモータ)によって、マスタセットローラ26+テンションローラ31、32を駆動しマスタを搬送する。反転ローラ29は専用の反転ローラモータによって駆動される。
製版時のマスタシワ発生防止のため、テンションローラ31、32は常にプラテンローラ33より少し速い周速で回転している。上テンションローラ31はトルクリミッタを介してモータのトルクを受けるため、マスタに一定以上のテンションが掛かると、トルクリミッタが空転してマスタのダメージを防止する。
マスタの終端部に繰り出し方向に延びるマークが形成されている場合、マスタニアエンド検知手段としてのマスタニアエンドセンサ35によりマークが検出された時に、マスタエンドとすることができる。
また、マスタエンド検知手段としてのマスタフランジ回転検知センサ36が設けられており、製版中にマスタの終端が芯材から分離し、マスタロール30の回転が停止したときにマスタエンドとすることができる。
図3に示すように、マスタフランジ回転検知センサ36は、マスタフランジ内部のスリッタ37により回転数を検知する構成を有している。
図2において、符号38はカッターを、39はクランプテンションローラを、40はたわみダクトファンを、41はダクトマスタセンサをそれぞれ示している。
図4は本実施形態における制御ブロック図である。
本実施形態ではマスタエンドセンサ34によりマスタの後端が検知された時をマスタエンドとする。
まず、図4に示したコントローラ45により製版開始の信号が発せられたかどうか、すなわち製版スタートキーが押下されたかどうかがチェックされ(S1)、押下された場合には製版処理を開始する(S2)。
次に、マスタエンドセンサ34からの信号に基づいてマスタ有りかどうかをチェックし(S3)、マスタエンドセンサ34によりマスタの後端が検知された場合には、排版装置21による排版処理を禁止し、操作パネル22の表示手段としての上記液晶表示部にマスタエンド(マスタ無し)を表示して警告する(S4)。
この警告を受けて、オペレータはマスタロール30を新しいものに交換する。マスタロール30が交換されると、S3においてマスタ有りとなり、排版処理がなされる(S5)。続いて巻き付け処理(S6)、版付け処理がなされる(S7)。
版付け処理後、連続モードか否かがチェックされ(S8)、連続モードでない場合には終了となり、連続モードの場合には操作パネル22上で設定された枚数の印刷がなされる(S9)。
マスタエンドセンサ34は、検知タイミングを早くするために、マスタロール30の近くに設けるのが好ましい。
マスタエンドセンサ34をマスタロール30の近くに設けて検知タイミングを早くすることで、マスタ無し時には確実に排版動作に移行させないようにする。そうすることで、印刷ドラム1上にマスタが無いという状態を回避することができ、インキの乾燥による不具合を防止できる。
製版開始の信号が出力された場合、画像読み取り処理で得られた画像データがメモリとしての画像保存用メモリ46(図4参照)に記憶される(S2)。コンピュータからオンラインで画像データが送信される場合にはそのデータがそのまま記憶される。
S4にてマスタエンドセンサ34によりマスタの後端が検知された場合には、排版装置21による排版処理を禁止するとともに、製版を中止し、操作パネル22上の表示手段としての上記液晶表示部にマスタエンド(マスタ無し)を表示して警告する(S5)。
この警告を受けて、オペレータはマスタロール30を新しいものに交換する。その後マスタロール30がセットされたか否かがチェックされ(S6)、セットされた場合には画像保存用メモリ46の画像データを読み出し(S7)、製版処理を行う。マスタ無しの場合に再度原稿の読み取り動作を行う必要が無いので、印刷作業(製版時間)のダウンタイムを少なくすることができる。
また、原稿がADFにセットされていた場合には再び原稿をセットする必要が無く、手間を省くことができる。
マスタロール30が、搬送力でマスタの終端が芯材から分離しないタイプの場合、マスタニアエンド検知手段としてマスタフランジ回転検知センサ36が用いられる。
製版開始の信号が出力された場合、マスタニアエンドセンサ35がマーク(黒帯)を検知したか否かがチェックされ(S2)、マークが検知された場合にはマスタエンド表示モードか否かがチェックされる(S3)。
実際の終端から余裕をもって形成されたマークを検知したときにマスタエンドとして表示して製版中にマスタが無くなってしまうことを回避したいユーザは上記エンド表示設定手段にてマスタエンド表示に設定する。
このように上記エンド表示設定手段によりマスタエンド表示が設定されている場合には、マスタニアエンドセンサ35によりマスタのマークが検知された時点でマスタエンド表示がなされ(S4)、その後の動作は図5で示したのと同様となる。
S3においてマスタニアエンド表示が設定されている場合には、マスタニアエンドセンサ35によりマークが検知された時点でマスタニアエンド表示がなされ(S5)、その後の動作は図5で示したのと同様となる。
いずれに設定するかは、ユーザの好みやその作業形態によって決定される。
2 製版手段としての製版装置
21 排版手段としての排版装置
30 マスタロール
34 マスタエンド検知手段としてのマスタエンドセンサ
35 マスタニアエンド検知手段としてのマスタニアエンドセンサ
36 マスタエンド検知手段としてのマスタフランジ回転検知センサ
46 メモリとしての画像保存用メモリ
Claims (6)
- マスタロールから繰り出されるマスタを画像情報に基づいて製版する製版手段と、製版されたマスタが外周面に巻装される印刷ドラムと、使用済みのマスタを上記印刷ドラムから剥離する排版手段とを有する孔版印刷装置において、
製版処理後に排版処理を行うようになっており、
マスタの終わりであるマスタエンドを検知するマスタエンド検知手段を有し、製版中にマスタエンドが検知された場合、排版を禁止することを特徴とする孔版印刷装置。 - 請求項1に記載の孔版印刷装置において、
上記画像情報を記憶するメモリを有し、マスタエンドが検知された場合、製版を中止するとともにマスタエンドを表示し、新たなマスタがセットされて製版が開始されたとき、上記メモリに記憶されている画像情報を読み出して製版を行うことを特徴とする孔版印刷装置。 - 請求項1又は2に記載の孔版印刷装置において、
上記マスタエンド検知手段がマスタの終端の通過を検知した時にマスタエンドとすることを特徴とする孔版印刷装置。 - 請求項1又は2に記載の孔版印刷装置において、
上記マスタエンド検知手段が上記マスタロールの回転を検知する構成を有し、製版中に上記マスタロールの回転が停止したときにマスタエンドとすることを特徴とする孔版印刷装置。 - 請求項1乃至4のうちのいずれかに記載の孔版印刷装置において、
マスタの終端部に設けられた繰り出し方向に延びるマークを検出し、マスタが終わりに近づいていることを検知するマスタニアエンド検知手段を有していることを特徴とする孔版印刷装置。 - 請求項5に記載の孔版印刷装置において、
上記マスタニアエンド検知手段により上記マークを検出したときに、マスタエンドとして表示するか又はマスタニアエンドとして表示するかのいずれかを選択して設定するエンド表示設定手段を有していることを特徴とする孔版印刷装置。
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