JP2004262425A - 燃料タンクの取付構造 - Google Patents

Abstract

【課題】 高いスペース効率を有する燃料タンクの取付構造を提供する。
【解決手段】 燃料タンク２４を車体後部に設けられたフロアの下部に配設する燃料タンクの取付構造において、前記燃料タンクの後方にリアサスペンションメンバ１３を配設し、該リアサスペンションメンバ１３の前縁部に設けられた前側サスペンションクロスメンバ２７を、前記燃料タンク２４の後面形状に沿った形状に形成している。
【選択図】 図１

Description

本発明は、車体後部の床下に燃料タンクを効率良く配設する燃料タンクの取付構造に関する。

従来、ＣＮＧボンベ等の高圧燃料タンクを車両に搭載する場合は、車体のフロア下部にタンク取付フレーム等を介して配設する車体構造が開示されている（例えば、特許文献１，２参照）。
特開２００２−４６４８４公報 特開２００１−１４６１１５公報

しかしながら、車体後部のフロア下部には、例えばサスペンション等の種々の車体部材が設けられているため、燃料タンクを配設するための充分なスペースを確保することが困難であった。

そこで、本発明は、高いスペース効率を有する燃料タンクの取付構造を提供することを目的としている。

前記目的を達成するために、本発明は、高圧燃料タンクを車体後部の床下に取り付ける燃料タンクの取付構造において、前記高圧燃料タンクの後方に設けられたリアサスペンションメンバの前縁部を、前記高圧燃料タンクの後面形状に沿って形成した構成としてある。

本発明によれば、リアサスペンションメンバの前縁部が、燃料タンクの後面形状に沿った形状であるため、車体後部のフロア下部にデッドスペースを生じさせることなく、高いスペース効率をもって大容量の燃料タンクを車両に搭載することができる。即ち、車両側にデッドスペースを生じさせることなく、燃料タンクの径を最大（従って、燃料タンク容量も最大）にして車両に搭載することができる。

以下、本発明の実施形態を図面に基づき説明する。

[第１の実施形態]
第１の実施形態による燃料タンクの取付構造を適用した車体後部１０は、図１に示すような構造になっている。フロア（図示せず）の下部には、車両前後方向に沿ってリアサイドメンバ１１が配設されており、該リアサイドメンバ１１の下部には、第１のタンクフレーム１２が設けられている。該第１のタンクフレーム１２には、例えば高圧燃料タンクである水素タンク等の燃料タンク２４が保持されており、第１のタンクフレーム１２の後側には、リアサスペンションメンバ１３が配設され、該リアサスペンションメンバ１３の後側にはリアクロスメンバ１４が設けられている。以下、それぞれを説明する。

前記リアサイドメンバ１１は、後述する図４に示すように、フロアパネル４３の下部でかつ車体の車幅方向の両端部に配設されている。

また、前記リアサイドメンバ１１の前部の下部には、第１のタンクフレーム１２が配設されている。この第１のタンクフレーム１２は、図1に示すように、前端側のフロントクロスフレーム１７と、該フロントクロスフレーム１７の左右両側から車両後方に延設された側面フレーム１８と、該側面フレーム１８の車両前後方向の中央部に取り付けられたセンタークロスフレーム１９と、側面フレーム１８の後端に取り付けられたリアクロスフレーム２０とから構成されている。

前記フロントクロスフレーム１７は、左右のリアサイドメンバ同士１１，１１を橋渡すように車幅方向に沿って延設されており、このフロントクロスフレーム１７から車両後方に向けて側面フレーム１８が延設されている。該側面フレーム１８は、フロントクロスフレーム１７から車両後方に向けて延び、センタークロスフレーム１９との結合部２２から車幅方向内側に折り曲がり、図２に示すように、その後端部２３は上方に向けて屈曲して延びてリアクロスフレーム２０に固定されている。

前記リアサスペンションメンバ１３は、前記第１のタンクフレーム１２の車両後方かつ上方に配設されており、図１に示すように、略井桁状に形成されている。このリアサスペンションメンバ１３は、車両前方側に車幅方向に沿って配設された前側サスペンションクロスメンバ２７と、該前側サスペンションクロスメンバ２７の車両後方側に車幅方向に沿って配設された後側サスペンションクロスメンバ２８と、これらの前側サスペンションクロスメンバ２７及び後側サスペンションクロスメンバ２８を車両前後方向に橋渡すサスペンションサイドメンバ２９，２９とを備えている。これらの前側サスペンションクロスメンバ２７及び後側サスペンションクロスメンバ２８の左右両端がリアサイドメンバ１１の下面に固定されている。

また、前側サスペンションクロスメンバ２７は、車幅方向の中央側の本体部３０と、該本体部３０の左右両端から車両前方に屈曲して延びる延設部３１とから構成されており、これらの本体部３０及び延設部３１は、燃料タンク２４の後面に沿った形状に形成されている。

前記リアクロスメンバ１４は、左右のリアサイドメンバ同士１１，１１を車幅方向に橋渡すように、リアサイドメンバ１１に連結されており、この連結部から車両前方かつ車幅方向の内方に向かう方向にタンクマウントブラケット３３，３３が延設されている。該タンクマウントブラケット３３は、リアクロスメンバ１４と同じ高さに取り付けられており、タンクマウントブラケット３３の先端部３４の下面に、第１のタンクフレーム１２のリアクロスフレーム２０の左右両端の固定部３５が取り付けられている。なお、タンクマウントブラケット３３，３３の前端は、リアサイドメンバ１１，１１を橋渡すクロスメンバ５０の下面に取り付けられている。

この固定部３５は、図２に示すように、リアサスペンションメンバ１３の前側サスペンションクロスメンバ２７と後側サスペンションクロスメンバ２８との間に配置されている。ここで、リアサスペンションメンバ１３は、高さ方向で第１のタンクフレーム１２の側面フレーム１８とタンクマウントブラケット３３との間に配置されている。

また、前記リアサスペンションメンバ１３には、図１に示すように、リアサスペンション固定部であるリアサスペンションブラケット３７が下方に突出して形成されている。このリアサスペンションブラケット３７，３７は、図３に示すように、リアサスペンションメンバ１３の下面から車両下方に延びる、車両前後方向に間隔を隔てて配設された２つの三角状ブラケットであり、これらのリアサスペンションブラケット３７，３７の間にサスペンション３８を挿入し、取付軸３９を介して揺動自在に取り付けられている。このリアサスペンションブラケット３７の下方には、図１に示すように、側面フレーム１８が配置されている。

また、図４に示すように、第１のタンクフレーム１２の前端に設けられたフロントクロスフレーム１７の左右両側は、台形状に形成されている。即ち、リアサイドメンバ１１の下面に固定された左右両端部４０，４０と、該左右両端部４０，４０から車幅方向の中心側に向けて車両下方に傾斜する傾斜部４１，４１と、これら左右の傾斜部４１，４１の下端部同士を結ぶ底部４２とが一体に形成されており、これらの左右両端部４０，４０、傾斜部４１，４１及び底部４２が台形状を形成している。また、車体のフロアパネル４３は、燃料タンク２４の上面の形状に沿って形成されている。

前記構成を有する第１の実施形態の燃料タンク２４の取付構造によれば、以下の作用効果をもたらす。

まず、図１で説明したように、燃料タンク２４は、リアサスペンションメンバ１３及びリアサイドメンバ１１，１１で囲まれたスペース内に位置し、リアサスペンションメンバ１３の前縁部である前側サスペンションクロスメンバ２７は燃料タンク２４の後面形状に沿った形状に形成されているため、燃料タンク２４とリアサスペンションメンバ１３との隙間を最小限にすることが可能となり、フロア下のスペース効率を向上させることができる。

また、タンクマウントブラケット３３は、リアサイドメンバ１１とリアクロスメンバ１４との連結部３２に取り付けられているため、車体剛性を向上することができ、また車両後方から入力された衝突荷重に対して連結部３２の変形を抑制することができる。

さらに、図４で説明したように、第１のタンクフレーム１２のフロントクロスフレーム１７は、リアサイドメンバ１１に向かい、車両上方かつ車幅方向の外側へなだらかに傾斜した形状を有しているため、車体の剛性向上に寄与するとともに、側面衝突など車両側方から入力された衝突荷重に対して車体変形を抑制することができる。

そして、第１のタンクフレーム１２の後側の固定部３５はリアサスペンションメンバ１３を構成する前側サスペンションクロスメンバ２７と後側サスペンションクロスメンバ２８との間に位置されているため、燃料タンク２４の後面をリヤサスペンションメンバ１３に極力接近させながら、かつ燃料タンク２４の第１のタンクフレーム１２を車体側に固定することができる。また、後面衝突など車両後方から入力された衝突荷重に対して第１のタンクフレーム１２の後側の固定部３５への影響を低減することができる。

また、第１のタンクフレーム１２の前後を結合する側面フレーム１８は、リアサスペンションメンバ１３のリアサスペンション固定部であるリアサスペンションブラケット３７の下方に配設されているため、側面フレーム１８がサスペンション３８の作動の障害になることがなく、高いスペース効率をもって燃料タンク２４とサスペンション３８を配設することができる。

なお、第１のタンクフレーム１２の側面フレーム１８は、リアサスペンションブラケット３７の下方に配設されているために車幅方向の内側へ屈曲した両側の側面フレーム１８の後端部同士の間隔が短くなるが、これをリアクロスフレーム２０に接合してリアクロスフレーム２０の両端を車体側のタンクマウントブラケット３３に固定することにより、車体の高剛性部位に第１のタンクフレーム１２を固定するための取付け自由度が向上するとともに、第１のタンクフレーム１２の後端部の車幅方向の取付けスパンを大きく取ることができ、第１のタンクフレーム１２の取付け剛性が向上する。

[第２の実施形態]
次いで、第２の実施形態について説明するが、前記第１の実施形態と同一の構造については、同一の符号を付して説明を省略する。

図５は、第２実施形態による燃料タンクの取付構造を適用した車体後部１１０を下方から見た底面図である。前述した第１実施形態と同様に、車幅方向の両側には車両前後方向に沿ってリアサイドメンバ１１，１１が配設されている。そして、燃料タンク２４の後方にはリアサスペンションメンバ１１３が配設され、燃料タンク２４の前方及び側方には第２のタンクフレーム１１２が配設されている。

前記リアサスペンションメンバ１１３は、前方側に配置されて車幅方向に延びる前側サスペンションクロスメンバ１２７と、該前側サスペンションクロスメンバ１２７の後方側に配置されて車幅方向に延びる後側サスペンションクロスメンバ１２８と、これらの前側サスペンションクロスメンバ１２７及び後側サスペンションクロスメンバ１２８の左右両端同士を連結する側方サスペンションクロスメンバ１５０，１５０と、該側方サスペンションクロスメンバ１５０，１５０の車幅方向の内方に配置されて車両前後方向に延び、前側サスペンションクロスメンバ１２７及び後側サスペンションクロスメンバ１２８を連結するサスペンションサイドメンバ１２９，１２９とから一体的に構成されている。

前記前側サスペンションクロスメンバ１２７及び後側サスペンションクロスメンバ１２８は、左右のリアサイドメンバ１１，１１同士を橋渡して設けられている。また、前側サスペンションクロスメンバ１２７は、車幅方向の中央側に直線状に設けられた本体部１３０と、該本体部１３０の左右両端から車両斜め前方に屈曲して延びる延設部１３１，１３１とから一体に構成されており、これらの本体部１３０及び延設部１３１，１３１は、燃料タンク２４の後面に沿った形状に形成されている。さらに、前記側方サスペンションクロスメンバ１５０は、リアサイドメンバ１１の下面に沿って車両前後方向に延設されている。

そして、第２のタンクフレーム１１２は、図５に示すように、平面視略コ字状に形成されており、前端側に配置されたフロントクロスフレーム１１７と、該フロントクロスフレーム１１７の左右両端から前側サスペンションクロスメンバ１２７の左右両端に至るまで延設された側面フレーム１５１，１５１とから構成されている。なお、前述したリアサスペンションメンバ１１３の左右両端、フロントクロスフレーム１１７及び側面フレーム１５１は、固定部１５２を介してリアサイドメンバ１１に取り付けられており、また、側面フレーム１５１の後端は、側方サスペンションクロスメンバ１５０の前端及び前側サスペンションクロスメンバ１２７の左右両端に、固定部１５２を介して一体的に連結されている。このように、第２のタンクフレーム１１２は、リアサスペンションメンバ１１３に一体化（モジュール化）して設けられている。

また、図６に示すように、第２のタンクフレーム１１２を構成する側面フレーム１５１はリアサスペンションメンバ１１３の側方サスペンションクロスメンバ１５０に固定部１５２を介して直線状に一体的にモジュール化されている。なお、側面フレーム１５１は側方サスペンションクロスメンバ１５０とほぼ同一の高さ位置に配設されている。

なお、図７に示すように、前記第２のタンクフレーム１１２を構成するフロントクロスフレーム１１７の左右両端は、リアサイドメンバ１１の下面に設けられた固定部１５２の下端に取り付けられている。つまり、リアサイドメンバ１１の下面には固定部１５２が設けられており、フロントクロスフレーム１１７は、この固定部１５２の下端から斜め下方側に延び、車幅方向内側に向けて徐々に湾曲している。また、フロントクロスフレーム１１７の後方側には、リアサスペンションメンバ１１３が左右のリアサイドメンバ１１，１１同士を直線状に連結している。

前記第２の実施形態の燃料タンクの取付構造によれば、以下の作用効果を奏する。

第２のタンクフレーム１１２をリアサスペンションメンバ１１３に一体化（モジュール化）して設けているため、リアサスペンションメンバ１１３と燃料タンク２４との間をスペースの無駄なく近接して配置できるとともに、部品点数の低減を図ることができ、これに伴い、コスト低減、軽量化及び車両の生産効率も向上させることができる。

また、第２のタンクフレーム１１２及びリアサスペンションメンバ１１３は、左右のリアサイドメンバ１１，１１同士を連結して設けられているため、車体強度を向上させることができ、特に、側面衝突などの車両側方から入力される荷重に対して剛性を保持することができる。

さらに、第２のタンクフレーム１１２の側面フレーム１５１，１５１は、リアサイドメンバ１１，１１の下面に沿って車両前後方向に配設され、フロントクロスフレーム１１７及び前側サスペンションクロスメンバ１２７の両端の固定部１５２を橋渡して設けられているため、後面衝突等の車両後方から入力される荷重に対して車体剛性を高めることができる。

本発明の第１実施形態による燃料タンクの取付構造を有する車体下部を下方から見た底面図である。 図１の側面図であり、図１に対して上下を逆にして示している。 リアサスペンションメンバにサスペンションメンバを取り付ける状態を、上下を逆に配置して示す斜視図である。 図１のＡ−Ａ線による断面図であり、図１に対して上下を逆にして示している。 本発明の第２実施形態による燃料タンクの取付構造を有する車体下部を下方から見た底面図である。 図５の側面図であり、図５に対して上下を逆にして示している。 図５のＢ−Ｂ線による断面図であり、図５に対して上下を逆にして示している。

符号の説明

１０ 車体後部
１１ リアサイドメンバ
１２ 第１のタンクフレーム
１３，１１３ リアサスペンションメンバ
１４ リアクロスメンバ
１７ フロントクロスフレーム（タンクフレーム前部）
１８，１５１ 側面フレーム
２０ リアクロスフレーム
２４ 燃料タンク
２７ 前側サスペンションクロスメンバ（リアサスペンションメンバ前縁部）
２８ 後側サスペンションクロスメンバ
３２ 連結部
３３ タンクマウントブラケット（燃料タンク取付用車体部材）
３７ リアサスペンションブラケット（サスペンション固定部）
１１２…第２のタンクフレーム

Claims (9)

1. 車体後部に設けられたフロアの下部に燃料タンクを配設する燃料タンクの取付構造において、
   前記燃料タンクの後方にリアサスペンションメンバを配設し、該リアサスペンションメンバの前縁部を、前記燃料タンクの後面形状に沿った形状に形成したことを特徴とする燃料タンクの取付構造。
2. 前記リアサスペンションメンバは、その前縁部に車幅方向に沿って配設した前側サスペンションクロスメンバと該前側サスペンションクロスメンバの後方に車幅方向に沿って配設した後側サスペンションクロスメンバとを備え、前記燃料タンクを保持する第１のタンクフレームの後側を、前記前側サスペンションクロスメンバと後側サスペンションクロスメンバとの間で車体側に取り付けたことを特徴とする請求項１に記載の燃料タンクの取付構造。
3. 前記第１のタンクフレームの前部の左右両側を車両上方かつ車幅方向の外側に向けて傾斜させたことを特徴とする請求項１又は２に記載の燃料タンクの取付構造。
4. 前記リアサイドメンバとリアクロスメンバとの連結部にタンクマウントブラケットを設け、該タンクマウントブラケットに、前記第１のタンクフレームの後端を構成するリアクロスフレームの両端部を固定したことを特徴とする請求項１〜３のいずれか１項に記載の燃料タンクの取付構造。
5. 前記第１のタンクフレームの前後を橋渡す側面フレームは、前記リアサスペンションメンバのサスペンション固定部よりも下方に配置されていることを特徴とする請求項１〜３のいずれか１項に記載の燃料タンクの取付構造。
6. 前記側面フレームは、車両後方に向かうにつれて車幅方向の内側に近づくように屈曲し、側面フレームの後端は、第１のタンクフレームの後端を構成するリアクロスフレームの両端部より車幅方向の内側に固定され、このリアクロスフレームは、両端部で車体側に固定されたことを特徴とする請求項５に記載の燃料タンクの取付構造。
7. 前記燃料タンクを保持する第２のタンクフレームを、前記リアサスペンションメンバに一体に設けたことを特徴とする請求項１に記載の燃料タンクの取付構造。
8. 前記第２のタンクフレームを前記燃料タンクの前方に配置し、これらの第２のタンクフレーム及びリアサスペンションメンバを、車幅方向の左右両側に配設したリアサイドメンバ同士を橋渡して設けたことを特徴とする請求項７に記載の燃料タンクの取付構造。
9. 前記第２のタンクフレームに、前記リアサスペンションメンバの左右両端部からリアサイドメンバに沿って車両前方に延びる側面フレームを設けたことを特徴とする請求項７又は８に記載の燃料タンクの取付構造。
   
   

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