JP2004222719A - カフェイン含有カテキン類組成物の脱カフェイン方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】カフェイン含有カテキン類組成物を、有機溶媒/水の重量比が9/1〜1/9の混合溶液に溶解させ、活性炭と接触させることを特徴とする、カフェイン含有カテキン類組成物から選択的にカフェインを除去する方法。
【選択図】 なし
Description
【発明の属する技術分野】
本発明はカフェイン含有カテキン類組成物から選択的にカフェインを除去する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
カテキン類はコレステロール上昇抑制作用やα−アミラーゼ活性阻害作用などを有することが知られている(例えば、特許文献1、特許文献2参照)。カテキン類のこのような生理効果を発現させるには、成人一日あたり4〜5杯のお茶を飲むことが必要である。このため、より簡便に大量のカテキン類を摂取できるよう、飲料にカテキン類を高濃度に配合する技術が望まれている。
【0003】
しかし、茶葉中にはカテキン類が約15%含まれているものの、カフェイン成分も通常2〜4%含まれている。カフェインは中枢神経興奮作用を示すことから、眠気抑制に使用されている反面、過剰摂取による神経過敏、吐き気、不眠などの有害作用を引き起こす原因にもなるといわれている。このため、カフェイン含有組成物から、カフェインのみを選択的に除去する方法が検討されてきた。
【0004】
例えば、コーヒーの脱カフェイン方法として、120〜250気圧下において、コーヒーを活性炭等のカフェイン吸着剤と接触させる方法(特許文献3)や、カフェインを含有する水溶液を活性白土又は酸性白土と接触させることにより選択的にカフェインを除去する方法(特許文献4)が提案されている。
【0005】
しかしながら、前者は超臨界抽出技術に関するものであり、プロセス上の設備負荷が過大であり、工業レベルでの実施において簡易性に欠ける。また、この方法はカフェインのみを選択的に除去するのではなく、有効成分であるカテキン類組成も変化してしまうという問題がある。一方、後者の方法は、活性白土又は酸性白土を使用するだけで選択的にカフェインを除去できるが、色相が悪化する場合があるなどの問題もあった。
【0006】
【特許文献1】
特開昭60−156614号公報
【特許文献2】
特開平3−133928号公報
【特許文献3】
特開昭53−18772号公報
【特許文献4】
特開平6−142405号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、カフェイン含有カテキン類組成物中のカフェインを、カテキン類組成を著しく変化させることなく、しかも色相を悪化させずに、選択的に除去する方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、カテキン類組成物に含まれるカフェインを、特定の割合の水と有機溶媒の混合溶液中に溶解させた状態で、活性炭と酸性白土又は活性白土とに接触させることにより、カテキン類組成を著しく変化させることなく、しかも色相を悪化させずに、選択的にカフェインを除去できることを見出した。更にまた、かくして得られた茶抽出物は、カテキン類を含有しつつ色相及び安定性も良好であって、飲料又は飲料の原料として有用であることも見出した。
【0009】
本発明は、カフェイン含有カテキン類組成物を、有機溶媒/水の重量比が9/1〜1/9の混合溶液に溶解させ、活性炭及び酸性白土又は活性白土と接触させることを特徴とする、カフェイン含有カテキン類組成物から選択的にカフェインを除去する方法を提供するものである。
【0010】
また、本発明は、固形分中、非重合体カテキン類を25〜90重量%含有するカフェイン含有カテキン類組成物を、有機溶媒/水の重量比が9/1〜1/9の混合溶液に溶解させ、活性炭及び酸性白土又は活性白土と接触させて選択的にカフェインを除去することを特徴とする緑茶抽出物の製造方法を提供するものである。
【0011】
また、本発明は、
(a)非重合体カテキン類におけるガレート体の比率が45〜60重量%、
(b)非重合体カテキン類/カフェインの重量比率が8〜40、
(c)非重合体カテキン類/(蔗糖+ブドウ糖)の重量比率が2〜15であり、
(d)固形分中の食物繊維が0.5重量%以下
であるカフェイン含有茶抽出物を提供するものである。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明で用いるカフェイン含有カテキン類組成物は、非重合体カテキン類を1種以上含有するものである。非重合体カテキン類とは、カテキン、ガロカテキン、カテキンガレート、ガロカテキンガレート等の非エピ体カテキン類及びエピカテキン、エピガロカテキン、エピカテキンガレート、エピガロカテキンガレート等のエピ体カテキン類をあわせての総称である。
【0013】
このような非重合体カテキン類を含有するカフェイン含有カテキン類組成物としては、緑茶、紅茶、烏龍茶等の茶葉から得られた抽出液が挙げられる。その他のカフェイン含有植物由来、例えばコーヒーなどのカフェインと茶抽出液の混合物なども用いることができる。
【0014】
ここで使用する茶葉は、より具体的には、Camellia属、例えばC. sinensis、C. assamica、及びやぶきた種、又はそれらの雑種等から得られる茶葉から製茶された茶葉が挙げられる。製茶された茶葉には、煎茶、番茶、玉露、てん茶、釜炒り茶等の緑茶類がある。
茶葉からカフェイン含有カテキン類組成物の抽出は、攪拌抽出等の方法により行うことができる。抽出の際、水にあらかじめアスコルビン酸ナトリウム等の有機酸又は有機酸塩類を添加しても良い。また、煮沸脱気や窒素ガス等の不活性ガスを通気して溶存酸素を除去しつつ、いわゆる非酸化的雰囲気下で抽出する方法を併用してもよい。
【0015】
茶葉から抽出するかわりに、茶抽出物の濃縮物を水に溶解あるいは希釈して用いても、茶葉からの抽出液と茶抽出物の濃縮物とを併用しても良い。
ここで、茶抽出物の濃縮物とは、茶葉から熱水又は水溶性有機溶媒により抽出された抽出物を濃縮したものであり、例えば、特開昭59−219384号公報、特開平4−20589号公報、特開平5−260907号公報、特開平5−306279号公報等に記載されている方法により調製したものをいう。
原料であるカフェイン含有カテキン類組成物としては、固形分中、非重合体カテキン類を25〜90重量%、特に25〜70重量%、更に25〜40重量%含有する緑茶抽出物を用いるのが、非重合体カテキン類以外の呈味成分が残っているために好ましい。ここで固形分とは、カフェイン含有カテキン類組成物を乾燥固化した場合に得られるカフェイン含有カテキン類組成物の重量をいう。
【0016】
具体的には、市販の東京フードテクノ社製「ポリフェノン」、伊藤園社製「テアフラン」、太陽化学社製「サンフェノン」などの粗カテキン製剤を用いることもできる。
【0017】
本発明で用いる有機溶媒としては、エタノール、メタノール、アセトン、酢酸エチル等が挙げられる。これらのうち、エタノール、メタノール、アセトンの親水性有機溶媒が好ましく、特に食品への使用を考慮すると、エタノールが好ましい。
【0018】
本発明においては、有機溶媒/水の重量比を9/1〜1/9、好ましくは9/1〜5/5、より好ましくは8/2〜6/4の範囲に調整することが必要である。有機溶媒の割合が9/1を超えるとカテキン類の抽出効率が落ちてしまい、また1/9未満では、脱カフェイン品の味の改善効果が不十分となる。
【0019】
カフェイン含有カテキン類組成物を有機溶媒と水の混合溶液に溶解する方法は特に制限されず、カフェイン含有カテキン類組成物を水に溶解した後に有機溶媒を添加していくことによって有機溶媒/水の重量比を9/1〜1/9の範囲にしても良く、カフェイン含有カテキン類組成物を有機溶媒に懸濁させた後、徐々に水を添加して同様の比率としても良い。抽出効率の点から、水に溶解後に有機溶媒を添加していく方法が好ましい。カフェイン含有カテキン類組成物を処理する場合において、水のみでの処理ではカテキン類が活性炭及び酸性白土又は活性白土に吸着されてしまうのに対し、有機溶媒の存在においてこの影響を排除できる。
【0020】
本発明においては、有機溶媒と水の混合溶液100重量部に対して、カフェイン含有カテキン類組成物10〜40重量部、特に15〜30重量部添加して処理するのが、カフェイン含有カテキン類組成物を効率良く処理できるので好ましい。
【0021】
水又は有機溶媒の必要量の添加時間は10〜30分程度の時間でゆっくり滴下するのが好ましい。また、カテキン類の抽出効率を上げるために攪拌状態で滴下するのが好ましい。水の滴下終了後は10〜120分程度の熟成時間を設けると更に好ましい。
これらの処理は、10〜60℃で行うことができ、特に10〜50℃、更に10〜40℃で行うのが好ましい。
【0022】
本発明で用いる活性炭としては、一般に工業レベルで使用されているものであれば特に制限されず、例えば、ZN−50(北越炭素社製)、クラレコールGLC、クラレコールPK−D、クラレコールPW−D(クラレケミカル社製)、白鷲AW50、白鷲A、白鷲M、白鷲C(武田薬品工業社製)などの市販品を用いることができる。
活性炭の細孔容積は0.01〜0.8mL/gが好ましく、特に0.1〜0.7mL/gが好ましい。また、比表面積は800〜1300m2/g、特に900〜1200m2/gの範囲のものが好ましい。なお、これらの物性値は窒素吸着法に基づく値である。
【0023】
活性炭は、有機溶媒と水の混合溶液100重量部に対して0.5〜5重量部、特に0.5〜3重量部添加するのが好ましい。活性炭の添加量が少なすぎると、カフェイン除去効率が悪くなり、また多すぎるとろ過工程におけるケーク抵抗が大きくなり好ましくない。
【0024】
本発明で用いる酸性白土又は活性白土は、ともに一般的な化学成分として、SiO2、Al2O3、Fe2O3、CaO、MgO等を含有するものであるが、SiO2/Al2O3比が3〜12、特に4〜9であるのが好ましい。またFe2O3を2〜5重量%、CaOを0〜1.5重量%、MgOを1〜7重量%含有する組成のものが好ましい。
活性白土は天然に産出する酸性白土(モンモリロナイト系粘土)を硫酸などの鉱酸で処理したものであり、大きい比表面積と吸着能を有する多孔質構造をもった化合物である。酸性白土を更に、酸処理することにより比表面積が変化し、脱色能の改良及び物性が変化することが知られている。
【0025】
酸性白土又は活性白土の比表面積は、酸処理の程度等により異なるが、50〜350m2/gであるのが好ましく、pH(5%サスペンジョン)は2.5〜8、特に3.6〜7のものが好ましい。例えば、酸性白土としては、ミズカエース#600(水澤化学社製)等の市販品を用いることができる。
【0026】
酸性白土又は活性白土は、有機溶媒と水の混合溶液100重量部に対して2.5〜25重量部、特に2.5〜15重量部添加するのが好ましい。酸性白土又は活性白土の添加量が少なすぎると、カフェイン除去効率が悪くなり、また多すぎるとろ過工程におけるケーク抵抗が大きくなり好ましくない。
【0027】
また、活性炭と、酸性白土又は活性白土の割合は、重量比で活性炭1に対して1〜10であるのが好ましく、特に、活性炭:酸性白土又は活性白土=1:1〜1:6であるのが好ましい。
更に、カフェイン含有カテキン類組成物と接触させる際、活性炭と酸性白土又は活性白土は2種同時に接触させても、いずれか1種ずつ(順序は制限されず)接触させてもよい。
【0028】
カフェイン含有カテキン類組成物と活性炭及び酸性白土又は活性白土との接触処理は、バッチ式、カラムによる連続処理等のいずれの方法で行っても良い。一般には、粉末状の活性炭等を添加、攪拌し、カフェインを選択的に吸着後、ろ過操作によりカフェインを除去した濾液を得る方法、あるいは顆粒状の活性炭等を充填したカラムを用いて連続処理によりカフェインを選択的に吸着する方法が採用される。
活性炭及び酸性白土又は活性白土と接触させた後のカテキン類組成物を含有する溶液は、系中から有機溶媒を取り除くべく減圧蒸留などの方法を用いて留去される。また処理後のカテキン類組成物は液状でも固体状でもいずれでも良いが、固体状に調製する場合には、凍結乾燥やスプレードライなどの方法によって粉末化しても良い。
【0029】
本発明により脱カフェイン処理を行った後のカテキン類組成物は、含有する非重合体カテキン類の組成が処理前と本質的に変化していないのが好ましい。処理前後の有機溶媒と水の混合溶液中の非重合体カテキン類の収率は70重量%以上が好ましく、特に80重量%以上が好ましい。従って、脱カフェイン処理後の組成物中の非重合体カテキン類含有量は、固形分中、80〜95重量%、特に85〜95重量%、更に90〜95重量が好ましい。
【0030】
また、本発明により脱カフェイン処理を行った後のカテキン類組成物中の非重合体カテキン類は、エピガロカテキンガレート、ガロカテキンガレート、エピガロカテキン及びガロカテキンからなるガロ体と、エピカテキンガレート、カテキンガレート、エピカテキン及びカテキンからなる非ガロ体の比率が、天然の緑茶葉の組成を維持しているのが好ましい。すなわち、上記4種のガロ体総量は常に上記4種の非ガロ体総量を上回っているのが、精製物においても天然の緑茶葉の組成を維持しているという点において好ましい。
【0031】
本発明による脱カフェイン処理後のカテキン類組成物中のカフェイン濃度は、非重合体カテキン類に対して、非重合体カテキン類/カフェインの重量比率が7〜60、更に7〜50、特に8〜40であるのが好ましい。
また、本発明による脱カフェイン処理後のカテキン類組成物中のカテキンガレート、エピカテキンガレート、ガロカテキンガレート及びエピガロカテキンガレートからなるガレート体の非重合体カテキン類中での割合は、45重量%以上、特に45〜60重量%であるのが、非重合体カテキン類の生理効果の有効性上好ましい。
【0032】
脱カフェイン処理後のカテキン類組成物の非重合体カテキン類/(蔗糖+ブドウ糖)の重量比率は2〜15が好ましく、2〜10がより好ましく、2〜8が更に好ましく、3〜7が特に好ましい。比率が15を超えると茶抽出物の風味上問題がある。一方比率が2未満の茶抽出物は糖の含有量が多すぎて好ましくない。
脱カフェイン処理後のカテキン類組成物の固形分中の食物繊維は0.5重量%以下であり、好ましくは、含まれていない方が非重合体カテキン類の体内移行のし易さから好ましい。
【0033】
【実施例】
カテキン類の測定
カテキン類組成物を蒸留水で希釈し、フィルター(0.8μm)でろ過後、島津製作所社製、高速液体クロマトグラフ(型式SCL−10AVP)を用い、オクタデシル基導入液体クロマトグラフ用パックドカラム L−カラムTM ODS(4.6mmφ×250mm:財団法人 化学物質評価研究機構製)を装着し、カラム温度35℃で、A液及びB液を用いたグラジエント法により行った。移動相A液は酢酸を0.1mol/L含有の蒸留水溶液、B液は酢酸を0.1mol/L含有のアセトニトリル溶液とし、試料注入量は20μL、UV検出器波長は280nmの条件で行った。
【0034】
カフェインの測定
(分析機器)
HPLC(日立製作所社製)装置を使用。
プロッター:D−2500,ディティクター:L−4200
ポンプ:L−7100,オートサンプラー:L−7200
カラム:lnertsil ODS−2、内径2.1mm×長さ250mm
(分析条件)
サンプル注入量:10μL,流量:1.0mL/min
紫外線吸光光度計検出波長:280nm
溶離液A:0.1M酢酸水溶液,溶離液B:0.1M酢酸アセトニトリル溶液
濃度勾配条件(体積%)
時間 溶離液A 溶離液B
0分 97% 3%
5分 97% 3%
37分 80% 20%
43分 80% 20%
43.5分 0% 100%
48.5分 0% 100%
49分 97% 3%
62分 97% 3%
(カフェインのリテンションタイム)
カフェイン:27.2分
ここで求めたエリア%から標準物質により重量%を求めた。
【0035】
色相の評価(吸光度)
(分析機器)
UV MINI1240(島津製作所社製)装置を使用。
分光光度計で450nmの吸光度における値を測定した。測定においては、精製後のカテキン類組成物をカテキン濃度100mg%になるようにイオン交換水で希釈し、そのサンプルを用いて吸光度を測定し、色相の指標とした。
【0036】
安定性の目視評価
精製後のカテキン類組成物をカテキン濃度100mg%になるようにイオン交換水で希釈し、50mLバイアル瓶に入っている評価サンプルをイルミネーター上で内容物の状態を観察し、目視判定した。
【0037】
実施例1〜2、比較例1〜2
表1に示す条件により、カフェイン含有カテキン類組成物中のカフェインの除去処理を行った。
なお、用いたカフェイン含有カテキン類組成物(ポリフェノンHG、東京フードテクノ社製)は、非重合体カテキン類含有量33.70重量%、カフェイン含有量5.5重量%、非重合体カテキン類/カフェイン=6.1、ガレート体率50.7重量%である。
【0038】
(実施例1処理方法)
カフェイン含有カテキン類組成物(ポリフェノンHG、東京フードテクノ社製)100gを常温、250rpm攪拌条件下の95%エタノール水溶液490.9g中に懸濁させ、活性炭(クラレコールGLC、クラレケミカル社製)20gと酸性白土(ミズカエース#600、水澤化学社製)100gを投入後、約10分間攪拌を続けた。そして40%エタノール水溶液409.1gを10分間かけて滴下したのち、室温のまま約30分間の攪拌処理を続けた。その後、2号濾紙で活性炭及び沈殿物を濾過したのち、0.2μmメンブランフィルターによって再濾過を行った。最後にイオン交換水200gを濾過液に添加し、40℃、25Torrでエタノールを留去し、製品を得た。
【0039】
(実施例2処理方法)
カフェイン含有カテキン類組成物(ポリフェノンHG、東京フードテクノ社製)300gを常温、250rpm攪拌条件下の47.5%エタノール水溶液630g中に懸濁させ20分間溶解後、95%エタノール水溶液570gを20分間かけて滴下した。次に、酸性白土(ミズカエース#600、水澤化学社製)30gを投入後、2時間攪拌を続けた。その後、2号濾紙で酸性白土及び沈殿物を濾過した。次に、濾液に活性炭(クラレコールGLC、クラレケミカル社製)30gを添加し2時間攪拌した。その後2号濾紙で活性炭を濾過し、0.2μmメンブランフィルターによって再濾過を行った。最後にイオン交換水230gを濾過液に添加し、40℃、25Torrでエタノールを留去し、製品を得た。
【0040】
(比較例1処理方法)
カフェイン含有カテキン類組成物(ポリフェノンHG、東京フードテクノ社製)100gを常温、250rpm攪拌条件下の水900g中に懸濁させ、酸性白土(ミズカエース#600、水澤化学社製)100gを投入後、約20分間攪拌を続けた。その後、室温のまま約30分間の攪拌処理を続けた。次に、2号濾紙で濾過したのち、0.2μmメンブランフィルターによって再濾過を行った。最後に実施例1と同等の水分量になるまで、乾燥機で徐々に水分を蒸発させ、製品を得た。
【0041】
(比較例2処理方法)
カフェイン含有カテキン類組成物(ポリフェノンHG、東京フードテクノ社製)100gを常温、250rpm攪拌条件下の水900g中に懸濁させ、活性炭(クラレコールGLC、クラレケミカル社製)20gと酸性白土(ミズカエース#600、水澤化学社製)100gを投入後、約20分間攪拌を続けた。その後、室温のまま約30分間の攪拌処理を続けた。次に、2号濾紙で濾過したのち、0.2μmメンブランフィルターによって再濾過を行った。最後に実施例1と同等の水分量になるまで、乾燥機で徐々に水分を蒸発させ、製品を得た。
【0042】
【表1】
【0043】
表1の結果から明らかなように、本発明によりカフェイン含有カテキン類組成物を処理することにより、カテキン類組成を維持したまま、カフェインを選択的に除去し、色相を改良させたカテキン類組成物を得ることができる。
【0044】
実施例3
カフェイン含有カテキン類組成物(ポリフェノンHG、東京フードテクノ社製:非重合体カテキン類含有量33.70重量%、カフェイン含有量5.5重量%、非重合体カテキン類/カフェイン=6.1、ガレート体率50.7重量%)12.8kgを脱イオン水13.44kgに溶解する。次に95%エタノール13.44kgを加え混合攪拌処理を施した。次に同じく95%エタノールを22kg/hrの滴下速度で混合し抽出処理を行った。30分間の抽出後得られた抽出液64kgに酸性白土を2kg添加し白土処理を行った。白土処理後、濾過により固液分離を行った。このようにして得られた白土処理濾液に活性炭1kgを加えて活性炭処理を行った。活性炭処理後、濾過を施して濾液を回収した。得られた濾液を濃縮しエタノールを除去した後に脱イオン水で固形分濃度を調整して所定の製品を得た。
【0045】
【表2】
【0046】
【発明の効果】
本発明によれば、カフェイン含有カテキン類組成物中のカフェインを、カテキン類組成を著しく変化させることなく、しかも色相を悪化させずに、選択的に除去することができる。
Claims (3)
- カフェイン含有カテキン類組成物を、有機溶媒/水の重量比が9/1〜1/9の混合溶液に溶解させ、活性炭及び酸性白土又は活性白土と接触させることを特徴とする、カフェイン含有カテキン類組成物から選択的にカフェインを除去する方法。
- 固形分中、非重合体カテキン類を25〜90重量%含有するカフェイン含有カテキン類組成物を、有機溶媒/水の重量比が9/1〜1/9の混合溶液に溶解させ、活性炭及び酸性白土又は活性白土と接触させて選択的にカフェインを除去することを特徴とする緑茶抽出物の製造方法。
- (a)非重合体カテキン類におけるガレート体の比率が45〜60重量%、
(b)非重合体カテキン類/カフェインの重量比率が8〜40、
(c)非重合体カテキン類/(蔗糖+ブドウ糖)の重量比率が2〜15であり、
(d)固形分中の食物繊維が0.5重量%以下
であるカフェイン含有茶抽出物。
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