JP2018068193A - 粉末飲料 - Google Patents

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明日香 池江
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雄 中島
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Abstract

【課題】水への溶解性に優れ、非重合体カテキン類を高濃度に含有する飲料を容易に用時調製することができる粉末飲料の提供。【解決手段】次の成分(A)、(B)及び(C):(A)不溶性食物繊維量が0〜0.5質量%であり、(a)非重合体カテキン類を含む粉末緑茶抽出物、(B)炭酸塩、(C)有機酸を含有し、(a)非重合体カテキン類と、(B)炭酸塩及び(C)有機酸の合計量との質量比[{(B)+(C)}/(a)]が4以上であり、飲用時の(a)非重合体カテキン類の濃度が0.05mg/mL以上である、粉末飲料。【選択図】なし

Description

本発明は、非重合体カテキン類と発泡成分を含有する粉末飲料に関する。
ウィルス感染症は、ウィルスが呼吸器等の細胞表面にあるレセプターに吸着、侵入して増殖すると発症する。なかでも、口腔や鼻腔、咽頭等の上気道は感染症を発症する頻度が高い器官である。上気道における感染症の原因ウィルスは、インフルエンザウィルス、アデノウィルス、コロナウィルス等がある。
これらのウィルス感染症の予防としては、ウィルス除去の観点から、日常的に頻繁な手洗いやうがいを行うことが推奨されている。
うがい薬は、殺菌剤や抗炎症剤を配合したものが上市されている。また、緑茶に含まれる非重合体カテキン類がインフルエンザウィルスの細胞表面への吸着、侵入を阻止することや、緑茶抽出液によるうがいでインフルエンザ発症率が低下することが報告され(非特許文献1、2)、緑茶を用いたうがいが提案されている。
一般的にうがいは、うがい水を口に含んで漱いだ後に吐き出すため咽頭の上部までしか漱げず、咽頭下部のケアを十分にすることはできない。これに対して、緑茶のように口に含んだ後吐き出すことなく飲み飲めば口腔内から下咽頭までのケアが可能であり、緑茶をうがいだけでなく飲用してウィルス感染症を予防することも提案されている。
一方、緑茶の飲用形態として、緑茶葉を粉末又は錠剤等の固形の形状とし、必要な時に熱水等と混合して飲用できるよう簡便性を訴求したインスタント緑茶が知られている(例えば、特許文献1)。また、非重合体カテキン類の生理機能を簡便に得るために、所定の精製緑茶抽出物の造粒物を配合して非重合体カテキン類を高濃度に含有させたインスタント粉末飲料が知られている(特許文献2)。
特開平10−276673号公報 特開2009−72188号公報
衛生化学、1997、43(5)、311−315 Alternative and Complementary Therapies.2006、12(6)、315−318
前記非特許文献1によれば、非重合体カテキン類のインフルエンザウィルスに対する不活化作用を得るためには、飲用時の非重合体カテキン類濃度として0.05mg/mL以上が必要であると考えられている。
しかしながら、従来のインスタント緑茶を飲用時の非重合体カテキン類を高濃度にして飲用しようとすると、分散しても均一に溶解しなかったり、溶解するまでに時間を要したりする場合があった。とりわけ、うがい水も兼ねた飲料を調製する場合は、熱水ではなく水に溶解させるのが望ましいところ、水に対しては溶解性が低くこれらの傾向が顕著であった。
したがって、本発明は、水への溶解性に優れ、非重合体カテキン類を高濃度に含有する飲料を容易に用時調製することができる粉末飲料を提供することに関する。
本発明者は、上記課題に鑑み鋭意研究を行ったところ、先ず不溶性食物繊維量が少ない粉末緑茶抽出物であれば水に溶け易くなることを見出した。ところが、斯かる不溶性食物繊維量が少ない粉末緑茶抽出物を水に溶解させた飲料は、口当たりや喉ごしが悪く感じられる場合があった。そこで、本発明者はこの問題について検討したところ、粉末緑茶抽出物に含まれる非重合体カテキン類に対して所定の比率で炭酸塩と有機酸とを組み合わせれば、さらに水への溶解性が高まり、且つ、飲用する際の口当たり、喉ごしが良くなることを見出した。
すなわち、本発明は、次の成分(A)、(B)及び(C):
(A)不溶性食物繊維量が0〜0.5質量%であり、(a)非重合体カテキン類を含む粉末緑茶抽出物、
(B)炭酸塩、
(C)有機酸
を含有し、
(a)非重合体カテキン類と、(B)炭酸塩及び(C)有機酸の合計量との質量比[{(B)+(C)}/(a)]が4以上であり、
飲用時の(a)非重合体カテキン類の濃度が0.05mg/mL以上である、粉末飲料を提供するものである。
本発明によれば、水への溶解性に優れ、非重合体カテキン類を高濃度にして、口当たり、喉ごし良く飲用することができる粉末飲料が提供される。本発明の粉末飲料は、その水溶解性を利用して非重合体カテキン類をウィルス感染予防が期待される濃度で含有する飲料を用時に容易に調製することができるため、ウィルス感染予防用の飲料として有用である。
本発明の粉末飲料は、(A)粉末緑茶抽出物を含有する。
本発明で用いられる(A)粉末緑茶抽出物は、不溶性食物繊維量が0〜0.5質量%であり、(a)非重合体カテキン類を含む。
粉末緑茶抽出物中の不溶性食物繊維の含有量は、好ましくは0〜0.4質量%であり、更に好ましくは0〜0.3質量%である。
不溶性食物繊維量は、プロスキー変法(酵素−重量法)(分析実務者が書いた五訂日本食品標準成分表 分析マニュアルの解説、編集者:財団法人日本食品分析センター、発行者:中央法規出版(株)、2001年発行、66〜72頁)によって測定することができる。
本明細書において(a)非重合体カテキン類は、エピガロカテキンガレート、ガロカテキンガレート、エピカテキンガレート及びカテキンガレートからなるガレート体と、エピガロカテキン、ガロカテキン、エピカテキン及びカテキンからなる非ガレート体を併せての総称である。本明細書において(a)非重合体カテキン類の含有量は上記8種の合計量に基づいて定義される。本発明においては非重合体カテキン類として上記8種のうち少なくとも1種を含有すればよいが、生理効果の点から、ガレート体を含有することが好ましく、エピガロカテキンガレートを含有することがより好ましい。
(A)粉末緑茶抽出物は、生理効果の点、茶風味維持の点から、(a)非重合体カテキン類の含有量が、好ましくは20〜50質量%であり、より好ましくは30〜40質量%であり、更に好ましくは32〜38質量%である。
また、(A)粉末緑茶抽出物は、そのガレート体率(非重合体カテキン類8種に対するガレート体4種の質量比率)が、好ましくは10〜60質量%であり、より好ましくは15〜57質量%であり、更に好ましくは30〜57質量%であり、より更に好ましくは35〜55質量%であり、より更に好ましくは35〜53質量%であり、殊更に好ましくは40〜51質量%である。
非重合体カテキン類の分析は、通常知られている非重合体カテキン類の分析法のうち測定試料の状況に適した分析法により測定することができる。例えば、液体クロマトグラフィー法で分析することが可能であり、具体的には、後掲の実施例に記載の方法で分析することが可能である。なお、測定の際には装置の検出域に適合させるため、試料を凍結乾燥したり、装置の分離能に適合させるため試料中の夾雑物を除去したりする等、必要に応じて適宜処理を施してもよい。
(A)粉末緑茶抽出物は、茶風味維持の点から、カフェインを含有することが好ましい。粉末緑茶抽出物中のカフェインの含有量は、同様の点から、好ましくは1〜8質量%であり、より好ましくは2〜6.5質量%である。
(A)粉末緑茶抽出物は、緑茶(Camellia sinensis)を抽出工程に付すことによって得ることができる。緑茶は、摘採された生茶葉、これを乾燥や凍結等させたもの、又はこれらを製茶したものが包含される。生茶葉は、その品種、摘採時期、摘採方法等いずれでもよく、また、茶葉の他、茎を使用してもよい。
抽出方法及び抽出条件は、粉末緑茶抽出物が前記構成を具備することができれば特に限定されず、例えば、緑茶から、水や熱水、水溶性有機溶媒を用いて、撹拌抽出、ドリップ抽出、カラム抽出等の公知の方法により行うことができる。
(A)粉末緑茶抽出物は、好ましくは、粉末緑茶水抽出物であり、より好ましくは粉末生茶葉水抽出物である。
抽出後、得られた抽出液を粉末状とする手段としては、凍結乾燥、蒸発乾固、噴霧乾燥等が挙げられる。粉末緑茶抽出物の水分量は、好ましくは5質量%以下であり、また、好ましくは0.1質量%以上、より好ましくは1.5質量%以上である。
粉末状とする前に、必要に応じて、抽出液を、減圧濃縮、逆浸透膜濃縮等により濃縮してもよい。また、必要に応じて、抽出液を、又はその濃縮液を精製してもよい。精製手段としては、例えば、膜処理、タンナーゼ処理が挙げられる。
粉末緑茶抽出物は、例えば、特開2015−109829号公報に記載の緑茶抽出組成物の調整方法により得ることができる。また、市販品を用いてもよい。
本発明の粉末飲料において、(A)粉末緑茶抽出物の含有量は、飲用に際して(a)非重合体カテキン類を所望の濃度にできれば特に制限されず、適宜選択可能である。例えば、粉末飲料中の(a)非重合体カテキン類の含有量が、好ましくは0.1〜5質量%、更に好ましくは0.1〜4.5質量%、更に好ましくは0.4〜4.5質量%となるように粉末緑茶抽出物を含有させることができる。
粉末飲料中の(A)粉末緑茶抽出物の含有量は、好ましくは1〜15質量%であり、更に好ましくは1〜8質量%である。
また、本発明の粉末飲料中の不溶性食物繊維量は、粉末飲料の水への溶解性の点から、好ましくは0〜0.5質量%であり、より好ましくは0〜0.1質量%であり、更に好ましくは0〜0.07質量%である。
本発明の粉末飲料は、発泡成分として(B)炭酸塩と(C)有機酸を含有する。
本発明で用いられる(B)炭酸塩としては、例えば、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素カリウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、セスキ炭酸ナトリウム等が挙げられる。なかでも、粉末飲料の水への溶解性の点、酸味と苦味のバランスの点から、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウムが好ましく、炭酸水素ナトリウムが更に好ましい。
(B)炭酸塩は、単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
本発明の粉末飲料中、(B)炭酸塩の含有量は、粉末飲料の水への溶解性の点、酸味と苦味のバランスの点から、好ましくは4〜30質量%であり、より好ましくは4〜25質量%であり、更に好ましくは4〜15質量%である。
本発明で用いられる(C)有機酸としては、可食性の酸を使用することができる。例えば、クエン酸、コハク酸、アスコルビン酸、酢酸、グルコン酸、リンゴ酸、酒石酸、フマル酸、アジピン酸等の有機酸が挙げられる。なかでも、風味の良さ、保存安定性の点から、好ましくはクエン酸、アスコルビン酸、リンゴ酸、酒石酸であり、より好ましくは酒石酸である。
(C)有機酸は、単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
本発明の粉末飲料中、(C)有機酸の含有量は、口当たり、喉ごし、苦味と酸味のバランスの点から、好ましくは4〜30質量%であり、より好ましくは4〜26質量%であり、更に好ましくは5〜20質量%である。
本発明の粉末飲料中、(B)炭酸塩と(C)有機酸の合計含有量は、粉末飲料の水への溶解性の点、飲用時の口当たりと喉ごしが良好な点から、好ましくは10質量%以上である。また、(B)炭酸塩と(C)有機酸が多くなると飲用時の口当たりが悪くなる傾向や、苦味やえぐ味、酸味が突出して酸味と苦味のバランスが崩れる傾向が見られることから、粉末飲料中の(B)炭酸塩と(C)有機酸の合計含有量は、好ましくは60質量%以下であり、より好ましくは30質量%以下である。
本発明の粉末飲料において、(B)炭酸塩と(C)有機酸の当量比[(B)の当量/(C)の当量]は、飲用時の風味のバランスの点から、好ましくは0.4〜4である。当該「当量比」とは、粉末飲料に含まれる(B)炭酸塩の当量を(C)有機酸の当量で除した値である。(B)炭酸塩と(C)有機酸の当量比[(B)の当量/(C)の当量]は、同様の点から、好ましくは0.4〜1である。
本発明の粉末飲料は、粉末飲料に含有される(a)非重合体カテキン類と、(B)炭酸塩及び(C)有機酸の合計量との質量比[{(B)+(C)}/(a)]が4以上である。粉末飲料中の(a)非重合体カテキン類の含有量1に対し、(B)炭酸塩及び(C)有機酸の合計量を4以上とすることで、水に対する溶解性が良好となり、また、飲用時の口当たりと喉ごしが良くなる。
(a)非重合体カテキン類と、(B)炭酸塩及び(C)有機酸の合計量との質量比[{(B)+(C)}/(a)]は、同様の点から、好ましくは10以上である。また、(a)非重合体カテキン類と、(B)炭酸塩及び(C)有機酸の合計量との質量比[{(B)+(C)}/(a)]は、好ましくは70以下であり、より好ましくは67以下である。
また、本発明の粉末飲料は、粉末飲料に含有される(a)非重合体カテキン類と(C)有機酸との質量比[(C)/(a)]が、口当たり、喉ごし、酸味と風味のバランスの点から、好ましくは2〜40であり、より好ましくは6〜35である。
本発明の粉末飲料には、上記成分の他に本発明の効果を損なわない範囲において、甘味料(例えば、単糖、少糖、糖アルコール、非糖質天然甘味料、合成甘味料等)、デンプン類、乳製品、エキス類、香料、着色料、酸化防止剤、乳化剤、保存料、pH調整剤、流動性改善剤等が適宜配合されていてもよい。
粉末飲料の水分量は、防腐防黴、製品の安定性を考慮して、好ましくは1.6質量%以下である。水分量は、加熱乾燥法により求めることができる。
本発明の粉末飲料は、水、熱水、牛乳等の水系媒体に溶解して、(a)非重合体カテキン類の濃度が0.05mg/mL以上の飲料として飲用に供されるものである。非重合体カテキン類を飲料1mL当たり0.05mg以上と高い濃度で摂取することで、インフルエンザ等のウィルス感染症の予防効果が期待できる。本発明の粉末飲料は、好ましくは水に溶解して、(a)非重合体カテキン類の濃度が0.05mg/mL以上の飲料として飲用に供される。水は、例えば、イオン交換水、蒸留水、天然水、水道水等が挙げられる。水の温度は、好ましくは4〜60℃、より好ましくは10〜50℃である。
本発明の粉末飲料は、その高い水への溶解性を利用して用時に容易に飲料を調製することができ、手軽にウィルス感染予防が期待される濃度の非重合体カテキン類を摂取可能なため、日常的に頻繁な予防対応が求められるインフルエンザ、風邪等のウィルス感染予防用の飲料として有用である。とりわけ、うがい水も兼ねたウィルス感染予防用の飲料として有用である。
本発明の粉末飲料の飲用時の(a)非重合体カテキン類の濃度は、ウィルス感染症の予防効果の点から、好ましくは0.05mg/mL以上であり、より好ましくは0.2mg/mLであり、更に好ましくは1mg/mL以上であり、また、風味の点から、好ましくは3mg/mL以下である。
粉末飲料を溶解する水系媒体の量は、適宜選択可能であるが、飲用性の点から、一回の飲用分あたり10mL〜200mL、好ましくは10mL〜90mLである。この場合、粉末飲料中の(a)非重合体カテキン類の含有量は飲用時に上述した所望の濃度とすることができる量であるが、一回の飲用分あたり0.5〜250mg、更に10〜150mgとするのが好ましい。
本発明の粉末飲料は、一回の飲用分毎に個包装した形態とすることができる。また、使用時に振り出したり、スプーンで計量したりする容器詰めの形態としてもよい。
粉末飲料の一回あたりの分量は、好ましくは0.5〜10g、更に好ましくは1〜5gである。
本発明の粉末飲料は、例えば、(a)非重合体カテキン類と、(B)炭酸塩及び(C)有機酸の合計量との質量比[{(B)+(C)}/(a)]が4以上となるように、(A)不溶性食物繊維量が0〜0.5質量%であり、(a)非重合体カテキン類を含む粉末緑茶抽出物、(B)炭酸塩、(C)有機酸、及びその他の成分の混合工程等を経て製造することができる。包装する際は、更に殺菌・充填工程を経て製造することができる。
(A)不溶性食物繊維量が0〜0.5質量%であり、(a)非重合体カテキン類を含む粉末緑茶抽出物、(B)炭酸塩、(C)有機酸、及び必要応じて添加される成分を全てあるいは一部混合した後、混合物を乾式造粒法、湿式造粒法等を用いて造粒、乾燥して顆粒状としてもよい。
また、さらに成形された固形の形状としてもよい。例えば、(A)不溶性食物繊維量が0〜0.5質量%であり、(a)非重合体カテキン類を含む粉末緑茶抽出物、(B)炭酸塩、(C)有機酸、及び必要応じて添加される成分を全てあるいは一部混合した後、その混合物を原料粉末として直接圧縮して錠剤を成形しても、前記乾式造粒法、湿式造粒法等を用いて造粒してから、造粒物を打錠成形機で圧縮して錠剤を成形しても良い。
[非重合体カテキン類、カフェインの分析]
粉末飲料中の非重合体カテキン類、カフェインの含有量の分析方法は以下の通りである。
純水で溶解希釈した粉末飲料を、高速液体クロマトグラフに供した。
<高速液体クロマトグラフ操作条件>
機種:SCL−10AVP、株式会社島津製作所
検出器:UV検出器波長280nm
カラム:オクタデシル基導入液体クロマトグラフ用パックドカラム、L−カラムTM ODS、4.6mmφ×250mm、財団法人 化学物質評価研究機構
カラム温度:35℃
移動相A:酢酸を0.1mol/L含有する蒸留水溶液
移動相B:酢酸を0.1mol/L含有するアセトニトリル溶液
流速:1mL/分
試料注入量:10μL
なお、グラジエント条件は以下の通りである。
濃度勾配条件(体積%)
時間 A液濃度 B液濃度
0分 97% 3%
5分 97% 3%
37分 80% 20%
43分 80% 20%
43.5分 0% 100%
48.5分 0% 100%
49分 97% 3%
60分 97% 3%
[食物繊維の分析]
水溶性食物繊維の含有量と不溶性食物繊維の含有量は、プロスキー変法(酵素−重量法)により測定した。
[炭酸塩の分析]
粉末飲料中の炭酸塩の含有量の分析方法は以下の通りである。
粉末飲料を0.1〜0.2g採取し、水10mLと50%りん酸2mLを加え密栓した。10分間超音波処理を行った後、1時間放置しヘッドスペースガスをガスクロマトグラフに供してCO2量を求め、発生したCO2量から算出した。
<ガスクロマトグラフ操作条件>
機種:GC−14B、株式会社島津製作所
検出器:TCD
カラム:Chromosorb101,80〜100mesh
ガラス管,φ3.2mm×2m
温度:カラム50℃,注入口及び検出器100℃
セル電流75mA
ガス圧力:ヘリウム(キャリヤーガス)100kPa
注入量:ヘッドスペースガス0.2mL
[有機酸の分析]
粉末飲料中の有機酸の含有量の分析方法は以下の通りである。
粉末飲料を1g採取し5%過塩素酸20mLを加え、10分間振とうすることで抽出した。これを水で200mLに定容し10分間超音波処理を行った。ろ過後高速液体クロマトグラフに供した。
<高速液体クロマトグラフ操作条件>
機種:LC−20AD、株式会社島津製作所
検出器:紫外可視吸光光度計SPD−20AV、株式会社島津製作所
カラム:Shim−pack SCR−102H 300×80(長さ×内径(mm))株式会社島津製作所
カラム温度:40℃
移動相:3mmоl/L過塩素酸
反応液:0.2mmоl/Lブロムチモールブルー含有
15mmоl/Lりん酸水素二ナトリウム溶液
流量:移動相1.0mL/min、反応液1.4mL/min
測定波長:445nm
[粉末緑茶抽出物の調製]
特開2015−109829号公報の緑茶抽出組成物の製造方法(比較例2)を参考にして、以下の手順により粉末緑茶抽出物を製造した。
(1)CTC処理
生茶葉に対してCTC(Crush、Tear、Curl)処理を行い、乾燥して乾燥茶葉を得た。
(2)抽出
乾燥茶葉を90℃のイオン交換水で10分間、攪拌抽出し、その後金網により濾過して緑茶抽出液Aを得た。イオン交換水の使用量は、水/生茶葉の質量比として120であった。
(3)濃縮・噴霧乾燥
得られた緑茶抽出液Aをエバポレータ―で濃縮し、その後スプレードライヤーで粉末緑茶抽出物を得た。得られた粉末緑茶抽出物について高速液体クロマトグラフにより分析を行った。
上記で調製した粉末緑茶抽出物と市販粉末緑茶の分析値を表1に示す。
Figure 2018068193
また、次の原料を用いた。
炭酸水素ナトリウム:重曹(食添C)、東ソー
酒石酸:L−酒石酸、扶桑化学工業(株)
クエン酸:無水クエン酸MS、扶桑化学工業(株)
リンゴ酸:フソウS、扶桑化学工業(株)
アスコルビン酸:L−アスコルビン酸、扶桑化学工業(株)
マルチトール:アマルティMR−50、三菱商事フードテック(株)
試験例1〜4
〔粉末飲料の調製〕
表2に記載の配合組成で各原料成分を均一に混合し、粉末状の飲料を得た。
各粉末飲料における(a)非重合体カテキン類の含有量、不溶性食物繊維量、(B)炭酸塩と(C)有機酸の合計量、(B)炭酸塩と(C)有機酸の当量比、(a)非重合体カテキン類と(B)炭酸塩及び(C)有機酸の合計量との質量比、(C)有機酸と(a)非重合体カテキン類との質量比は表1のとおりであった。
〔溶解性の評価〕
(1)プラスチックカップに精製水40mLを入れ、粉末飲料2.28gを投入した。次いで、手でカップを持ち撹拌しながら、撹拌開始から目視にてカップ底及び上部に溶け残りが確認できなくなるまでの時間を溶解するまでの時間(分)として測定した。
(2)プラスチックカップに精製水40mLを入れ、粉末飲料2.28gを投入し、手でカップを持ち撹拌後目視にて溶け残りが確認できなくなった飲料(10分攪拌しても溶け残りがある飲料についてはそのまま用いた)を、ADVANTECメンブレンフィルター(孔径0.2μm)を用いて濾過した後、フィルターを105℃で2時間乾燥させた。乾燥後のフィルター重量から予め測定したフィルター重量を引き、残りを溶け残りの量(mg)とした。
結果を表2に示す。
Figure 2018068193
表2に示すように、試験例1の飲料は撹拌開始から2分と早くに溶け残りが確認できなくなった。手撹拌の回数は20回程度であった。また、試験例2の飲料は試験例1よりもはるかに水への溶解性が高かった。他方、試験例3と4の飲料は水に溶けにくく、撹拌開始から10分経ってもカップ底に沈殿が残り、その後撹拌を追加しても結局溶解しなかった。
試験例5〜14
〔粉末飲料の調製〕
表3に記載の配合組成で各原料成分を均一に混合し、粉末状の飲料を得た。
各粉末飲料における(a)非重合体カテキン類の含有量、不溶性食物繊維量、(B)炭酸塩と(C)有機酸の合計量、(B)炭酸塩と(C)有機酸の当量比、(a)非重合体カテキン類と(B)炭酸塩及び(C)有機酸の合計量との質量比、(C)有機酸と(a)非重合体カテキン類との質量比は表3のとおりであった。
〔官能評価〕
粉末飲料の官能評価は、粉末飲料2.28gを精製水40mLを入れたプラスチックカップに入れ20回程度手撹拌した飲料を摂取し、「口当たり」、「喉ごし」、「酸味と苦味のバランス」について以下の基準に従って、専門パネル3名にて行った。評価は、試験例11の飲料の評点を「1」とする相対評価とし、3名の平均を評点とした。
尚、口当たりは飲用時の茶のくさみ、喉ごしは飲用時のすっきり感、酸味と苦味のバランスは飲用時の風味の良好さを意味する。
結果を表3に示す。
(評点)
4:非常に良好
3:良好
2:やや不良
1:不良
Figure 2018068193
試験例15〜19
〔粉末飲料の調製〕
表4に示す有機酸を用いて表4に記載の配合組成で各原料成分を均一に混合し、粉末状の飲料を得た。
各粉末飲料における(a)非重合体カテキン類の含有量、不溶性食物繊維量、(B)炭酸塩と(C)有機酸の合計量、(B)炭酸塩と(C)有機酸の当量比、(a)非重合体カテキン類と(B)炭酸塩及び(C)有機酸の合計量との質量比、(C)有機酸と(a)非重合体カテキン類との質量比は表4のとおりであった。
〔官能評価〕
試験例15〜19の粉末飲料について、上記と同様に官能評価を行った。結果を表4に示す。
Figure 2018068193
試験例20〜22
〔粉末飲料の調製〕
表5に示す量の粉末緑茶抽出物を用いて表5に記載の配合組成で各原料成分を均一に混合し、粉末状の飲料を得た。
各粉末飲料における(a)非重合体カテキン類の含有量、不溶性食物繊維量、(B)炭酸塩と(C)有機酸の合計量、(B)炭酸塩と(C)有機酸の当量比、(a)非重合体カテキン類と(B)炭酸塩及び(C)有機酸の合計量との質量比、(C)有機酸と(a)非重合体カテキン類との質量比は表5のとおりであった。
〔官能評価〕
試験例20〜22の粉末飲料について、上記と同様に官能評価を行った。結果を表5に示す。
Figure 2018068193
表3、表4及び表5から、本発明に係る粉末飲料から調製した飲料は、口当たり、喉ごし良好で、また、酸味と苦味のバランスに優れていた。尚、本発明に係る粉末飲料はいずれも優れた水溶解性を有していた。

Claims (6)

  1. 次の成分(A)、(B)及び(C):
    (A)不溶性食物繊維量が0〜0.5質量%であり、(a)非重合体カテキン類を含む粉末緑茶抽出物、
    (B)炭酸塩、
    (C)有機酸
    を含有し、
    (a)非重合体カテキン類と、(B)炭酸塩及び(C)有機酸の合計量との質量比[{(B)+(C)}/(a)]が4以上であり、
    飲用時の(a)非重合体カテキン類の濃度が0.05mg/mL以上である、粉末飲料。
  2. (B)炭酸塩と(C)有機酸の合計含有量が10〜60質量%である請求項1記載の粉末飲料。
  3. (B)炭酸塩と(C)有機酸の当量比[(B)の当量/(C)の当量]が0.4〜4である請求項1又は2記載の粉末飲料。
  4. (a)非重合体カテキン類と(C)有機酸との質量比[(C)/(a)]が2〜40である請求項1〜3のいずれか1項記載の粉末飲料。
  5. (C)有機酸がクエン酸、アスコルビン酸、リンゴ酸又は酒石酸である請求項1〜4のいずれか1項記載の粉末飲料。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項記載の粉末飲料を水に溶解させてなる飲料。
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