JP4751113B2 - 非重合体カテキン類組成物の製造方法 - Google Patents

非重合体カテキン類組成物の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、カテキン製剤の精製処理前の組成を損なうことなく、風味が改善され、カフェイン量が低減された非重合体カテキン類組成物を高収率で得る製造法に関する。
カテキン類の効果としてはαアミラーゼ活性阻害作用等が報告されている(特許文献1)。このような生理効果を発現させるためには、成人一日あたり4〜5杯のお茶を飲むことが必要であることから、より簡便に大量のカテキン類を摂取するため、飲料にカテキン類を高濃度配合する技術が望まれていた。
この方法の一つとして、緑茶抽出物の濃縮物等の水溶性抽出組成物を利用して、カテキン類を飲料に溶解状態で添加する方法が用いられている。しかしながら、カテキン類を高濃度に配合する対象となる飲料の種類によっては、例えば紅茶抽出液や炭酸飲料にカテキン類を添加する場合等は、カフェイン及び緑茶由来の風味の残存が飲料の商品価値を大きく損ねることがわかっている。
この課題を解決するために高純度に精製された非重合体カテキン類組成物を添加する方法を用いると、従来の精製法のいずれもが水溶性抽出組成物の精製前後における非重合体カテキン類の組成維持の考慮がなされていないので、精製前の水溶性抽出組成物で検証された生理効果が精製による組成変化後においては保証できないという問題があった。また生理活性上好ましくないカフェインを低減するために、クロロホルム処理等の更なる処理が必要となる問題があった。
従来、陽イオン交換樹脂を使用することによりカフェインを低減する方法も知られている(特許文献1〜3)。しかしながら、特許文献1及び2では、カフェインを低減させることは可能であるが、陽イオン交換樹脂に緑茶葉から抽出した抽出液を直接接触させているためカリウムやナトリウムの塩交換が起き、カフェインの除去効率が低下し、陽イオン交換樹脂の再生頻度が多くなる。また、特許文献3では、澱発生の原因となるタンパク質、多糖類等の水溶性高分子を多く含む他、得られる非重合体カテキン類含有液の風味が低下する問題があった。
特開平11-228565号公報 特開平11-292870号公報 特開2004-305012号公報
本発明の目的は、カテキン製剤からその精製処理前の組成を損なうことなく、カフェイン量が大幅に低減され、風味が改善された非重合体カテキン類組成物を高収率で得る製造方法を提供することにある。
本発明者らは、カテキン製剤中のカフェイン量を低減させるべく検討した結果、カテキン製剤を水洗水が特定の塩分濃度、電気伝導度、そして水洗水のpHが4以上になるまで水洗した水素イオン型陽イオン交換樹脂と特定のエタノール濃度範囲で接触処理させると、従来よりもカフェイン含量が低く、酸味が低減された非重合体カテキン類組成物を得られることを見出した。
すなわち、本発明は、非重合体カテキン類を25〜40重量%含有するカテキン製剤を、水素イオン型陽イオン交換樹脂の洗浄水の塩分濃度が0.2重量%未満、電気伝導度が0.5[S/m]未満及びpHが4以上となるまで水洗を行った水素イオン型陽イオン交換樹脂にエタノール濃度が0〜30重量%の水溶液として接触させる非重合体カテキン類組成物の製造方法を提供するものである。
本発明により、従来法よりも組成変化がなく、カフェイン量が低減され、風味が改善された非重合体カテキン類組成物を高収率で得ることができる。
本発明で非重合体カテキン類とは、カテキン、ガロカテキン、カテキンガレート、ガロカテキンガレート等の非エピ体カテキン類及びエピカテキン、エピガロカテキン、エピカテキンガレート、エピガロカテキンガレート等のエピ体カテキン類をあわせての総称である。
本発明で非重合体カテキンガレート体類とは、カテキンガレート、ガロカテキンガレート、エピカテキンガレート、エピガロカテキンガレート等をあわせての総称である。また非重合体ガロ体類とは、ガロカテキン、ガロカテキンガレート、エピガロカテキン、エピガロカテキンガレート等をあわせての総称である。
本発明に用いるカテキン製剤は、Camellia属、例えばC.sinensis、C.assamica及びやぶきた種又はそれらの雑種から得られる茶葉から製茶された茶葉から得られる。当該製茶された茶葉は不発酵茶であれば全て利用できるが、釜入り茶以外の製茶葉、例えば普通煎茶、深蒸し煎茶、玉露、かぶせ茶、玉緑茶、番茶等の蒸し製茶葉が好ましい。
本発明に用いるカテキン製剤は、例えば水を用いて通常の緑茶抽出条件で抽出製造される。緑茶葉から抽出する時の水の温度は、非重合体カテキン類の抽出効率を高くする観点から70〜100(沸騰水)℃が好ましく、更に好ましくは80〜100(沸騰水)℃である。緑茶葉からの抽出時の水の量は、緑茶葉に対して5〜60重量倍が好ましく、更に好ましくは5〜40重量倍である。緑茶葉からの抽出時間は1〜60分が好ましく、より好ましくは1〜40分、更に好ましくは1〜30分である。抽出時間が短すぎると非重合体カテキン類の溶出が不十分であり、長すぎると非重合体カテキン類の熱変性異性化反応が進行してしまう。
本発明に用いるカテキン製剤は、非重合体カテキン類を25〜40重量%含有するいわゆる緑茶抽出物を濃縮したものであって、例えば特開昭59−219384号公報、特開平4−20589号公報、特開平5−260907号公報、特開平5−306279号公報、特開2003−304811号公報、特開2003−219800号公報等に詳細に例示されている方法で調製したものを使用してもよい。緑茶抽出物を濃縮した市販品としては、三井農林(株)「ポリフェノン」、伊藤園(株)「テアフラン」、太陽化学(株)「サンフェノン」等が挙げられる。そのほか、カラム精製品及び化学合成品を使用してもよい。これらのカテキン製剤は、通常25〜40重量%の非重合体カテキン類を含有する。ここでいう茶抽出物の濃縮物の形態としては、固体、水溶液、スラリー状等種々のものが挙げられるが、本発明の処理において、茶抽出物の濃縮物は事前に水溶液の状態に調製する。
本発明の非重合体カテキン類組成物の製造方法で使用する水素イオン型陽イオン交換樹脂には、スルホン酸基、カルボン酸基、リン酸基等の基を有する樹脂が用いられる。陽イオン交換樹脂として、具体的には、ダイヤイオンSK−1BをはじめとするSKシリーズ、ダイヤイオンPK208をはじめとするPKシリーズ(三菱化学社製)、アンバーライトIR116をはじめとする100番シリーズ(ローム・アンド・ハーシュ社製)、ダウエックス50W・X1をはじめとするWシリーズ(ダウケミカル社製)、またダイヤイオンCR10(三菱化学社製)等のキレート樹脂等が挙げられる。ここで、陽イオン効果樹脂は、金属イオン型と水素イオン型に大別され、ナトリウムイオン、カリウムイオン等が上記スルホン酸基等の陰イオン基に結合した金属イオン型陽イオン樹脂は塩酸等の酸処理をして、水素イオン型陽イオン交換樹脂に変換してから使用する。陽イオン交換樹脂としては、カフェインの吸着能の観点から、特に強イオン陽イオン交換能であるスルホン酸基を有するものが好ましく、例えばダイヤイオンSK−1Bや予め水素イオン交換を行ったダイヤイオンSK−1BHが好ましい。
カテキン製剤と水素イオン型陽イオン交換樹脂との接触方法は、バッチ式、半バッチ式、半連続式又は連続式で行うことができるが、カラムに樹脂を充填して連続的に通過させるのがカフェイン除去効率の観点から良い。
カテキン製剤をカラムに充填された水素イオン型陽イオン交換樹脂に接触させる際、カラム内の洗浄水の塩分濃度が0.2重量%未満であり、電気伝導度を0.5[S/m]未満まで低下させて、水素イオン型陽イオン交換樹脂から十分に金属イオンを除去してから通液を行うことにより、更に十分なカフェインの吸着能が得られる。特に金属イオン型陽イオン交換樹脂は、塩酸等を通液させ、次いで水洗して、上記塩分濃度及び電気伝導度以下の水素イオン型陽イオン交換樹脂としてから使用する。具体的には、金属イオン型強イオン陽イオン交換樹脂100mLに対し2mol/Lの塩酸1,000〜5,000mLを、SV=50〜100で通液させ水素イオン型陽イオン交換樹脂に変換することにより、後の水洗処理においてカラム内の塩分濃度0.2重量%未満、電気伝導度0.5[S/m]未満の洗浄水が得られる。
通常金属イオン型陽イオン交換樹脂を水素イオン型陽イオン交換樹脂に変換したカラムに水を通液させると、通過液のpHが1.0〜3.0程度まで低下する。しかし、前処理工程で得られた処理液を接触させる前にカラムを水洗し、水洗水のpHが4以上、好ましくは4.5〜6.0、更に好ましくは5.0〜5.5になってから通液させることで、本発明の第2工程で得られる非重合体カテキン類組成物の酸味が改善されるので好ましい。
水素イオン型陽イオン交換樹脂にカテキン製剤を接触させる際のエタノール水溶液の濃度は、水素イオン型陽イオン交換樹脂に対するカフェイン吸着効率の観点から0〜30重量%、特に好ましくは0〜20重量%程度、さらに好ましくは0〜10重量%程度にエタノール濃度で接触させるとカフェイン除去効率が向上する。
水素イオン型イオン交換樹脂が充填したカラムに、カテキン製剤を接触させる際の非重合体カテキン濃度としては、水素イオン型イオン交換樹脂100mLに対して100mg/100mL以下の非重合体カテキン濃度で通液させることが、カフェインの吸着力の点から好ましい。
水素イオン型陽イオン交換樹脂が充填したカラムに、カテキン製剤を接触させる際の条件としては、水素イオン型陽イオン交換樹脂に対する通液倍数として0.5〜100[v/v]が好ましく、このときの通液速度はSV=0.5〜20[ h-1]が好ましい。
本発明で使用した水素イオン型陽イオン交換樹脂は、精製処理後に所定の方法を用いることにより再使用できる。具体的には95重量%程度の高濃度エタノールを通液させて吸着されているカフェインを除去する方法のほかに、塩酸による水素型へのイオン交換と水洗浄により回生再使用の操作を行う。
本発明の非重合体カテキン類組成物の製造方法により得られる非重合体カテキン類組成物中のカフェイン含有量と非重合体カテキン類含有量の重量比率が0.05未満、更に0.01〜0、更に好ましくは0.005〜0の場合、カフェインが十分低減されているため安定性上好ましい。
更に、製造される非重合体カテキン類組成物の非重合体カテキン類の回収率は70重量%以上、更に70〜90重量%、更に好ましくは70〜90重量%であり、非重合体カテキン類中の非重合体カテキンガレート体率の濃度変化が10重量%未満、更に9〜1重量%、更に好ましくは8〜2重量%及び非重合体カテキン類中の非重合体カテキンガロ体率の濃度変化が10重量%未満、更に9〜1重量%、更に好ましくは8〜2重量%である方が、天然の非重合体カテキン類の組成変化が少ないく好ましい。
本発明で得られた非重合体カテキン類組成物はそのままで使用してもよく、減圧濃縮、薄膜濃縮等の方法により水又はエタノール水溶液を除去してもよい。通常飲料への配合に使用する場合、エタノールを完全に除去した方が好ましい。また非重合体カテキン類組成物の製品形態として粉体が望ましい場合は、噴霧乾燥や凍結乾燥等の方法によって粉体化できる。
本発明の非重合体カテキン類組成物の製造方法では、エタノールによる不溶の固形分を除去する前処理工程を行うと、カテキン製剤中のナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウムは不溶の固形分中に含有するため除去できるので好ましい。水素イオン型陽イオン交換樹脂に前処理工程で得られた処理液を接触させる際、上記金属イオンが十分に低減しているためカフェインの吸着効率が向上し、水素イオン交換の回生の頻度が少なくなり生産効率が向上する。
本発明の非重合体カテキン類組成物の製造方法における前処理工程は、まず当該カテキン製剤をエタノールと水の重量比率が100/0〜70/30のエタノール水溶液に添加して懸濁させる。エタノールと水の重量比率は、100/0〜70/30が、非重合体カテキン類の抽出効率の観点から好ましい。カテキン製剤とエタノール水溶液との混合重量比率としては、1:99〜40:60、特に5:95〜30:70が、非重合体カテキン類の抽出効率やスラリーの分散性の点から好ましい。
次いで、先に加えたエタノール水溶液よりも低濃度のエタノール水溶液又は水を添加するのが抽出効率の点で好ましい。懸濁液に添加する低濃度のエタノール水溶液又は水の量は、調整後のエタノールと水の重量比率が99/1〜50/50、好ましくは95/5〜60/40になる量である。この範囲にあると抽出時の緑茶の水溶性抽出組成物から水側への抽出効率の点で好ましく、またエタノール/水比が50/50未満の場合、味の改善効果が不十分となり好ましくない。ここで、最初に用いたエタノールと水の重量比率100/0〜90/10に分散した時点で非重合体カテキン類組成物の抽出効率の良いカテキン製剤を使用する場合は、低濃度のエタノール水溶液を添加する必要はないが、抽出効率が十分でない場合は懸濁液に低濃度のエタノール水溶液を添加することが好ましい。
エタノール水溶液又は水の添加方法は、必要量を10〜30分程度の時間でゆっくり滴下するのが好ましく、また固液抽出効率を上げるために攪拌状態で滴下するのが好ましい。エタノール水溶液又は水の滴下終了後は10分から40分程度の熟成時間を設けると更に好ましい。
前記混合溶媒の添加、エタノール水溶液又は水の添加及び固液抽出時の温度は、エタノールを使用する為に0〜60℃が良く、好ましくは10〜60℃、更に好ましくは10〜40℃が精製工程の管理上簡便であり好ましい。
更に、本発明の前処理工程では、カテキン製剤とエタノール水溶液の混合液から不溶の固形分をろ過等の公知の方法で除去する前に、活性炭及び酸性白土又は活性白土と接触させると、ろ過工程が最小回数で済む観点から好ましい。
用いる活性炭としては、一般に工業レベルで使用されているものであれば特に制限されず、例えば、ZN−50(北越炭素社製)、クラレコールGLC、クラレコールPK−D、クラレコールPW−D(クラレケミカル社製)、白鷲AW50、白鷲A、白鷲M、白鷲C(武田薬品工業社製)等の市販品を用いることができる。
活性炭の細孔容積は0.01〜0.8mL/gが好ましく、特に0.1〜0.7mL/gが好ましい。また、比表面積は800〜1300m2/g、特に900〜1200m2/gの範囲のものが好ましい。なお、これらの物性値は窒素吸着法に基づく値である。
活性炭は、エタノール水溶液100に対して0.5〜5重量%、特に0.5〜3重量%添加するのが好ましい。活性炭の添加量が少なすぎると、カフェイン除去効率が悪くなり、また多すぎると濾過工程におけるケーク抵抗が大きくなり好ましくない。
用いる酸性白土又は活性白土は、共に一般的な化学成分として、SiO2、Al23、Fe23、CaO、MgO等を含有するものであるが、SiO2/Al23比が3〜12、特に4〜9であるのが好ましい。またFe23を2〜5重量%、CaOを0〜1.5重量%、MgOを1〜7重量%含有する組成の白土が好ましい。
活性白土は天然に産出する酸性白土(モンモリロナイト系粘土)を硫酸等の鉱酸で処理したものであり、大きい比表面積と吸着能を有する多孔質構造をもった化合物である。酸性白土を更に、酸処理することにより比表面積が変化し、脱色能の改良及び物性が変化することが知られている。
酸性白土又は活性白土の比表面積は、酸処理の程度等により異なるが、50〜350m2/gであるのが好ましく、pH(5重量%サスペンジョン)は2.5〜8、特に3.6〜7のものが好ましい。例えば、酸性白土としては、ミズカエース#600(水澤化学社製)等の市販品を用いることができる。
酸性白土又は活性白土は、エタノール水溶液100に対して2.5〜25重量%、特に2.5〜15重量%添加するのが好ましい。酸性白土又は活性白土の添加量が少なすぎると、カフェイン除去効率が悪くなり、また多すぎると濾過工程におけるケーク抵抗が大きくなり好ましくない。
また、活性炭と、酸性白土又は活性白土の割合は、重量比で活性炭1に対して1〜10であるのが好ましく、特に、活性炭:酸性白土又は活性白土=1:1〜1:6であるのが好ましい。更に、本発明の第1段階の工程で接触させる際、活性炭と酸性白土又は活性白土は2種同時に接触させても、いずれか1種ずつ接触させてもよい。
前処理工程において活性炭及び酸性白土又は活性白土との接触処理を行う場合は、バッチ式、カラムによる連続処理等のいずれの方法で行っても良い。一般には、粉末状の活性炭等を添加、攪拌し、カフェインを選択的に吸着後、濾過操作によりカフェインを除去した濾液を得る方法、あるいは顆粒状の活性炭等を充填したカラムを用いて連続処理によりカフェインを選択的に吸着する方法が採用される。
本発明で得られた非重合体カテキン類組成物は容器詰飲料に配合できる。使用される容器は一般の飲料と同様にポリエチレンテレフタレートを主成分とする成形容器(いわゆるPETボトル)、金属缶、金属箔やプラスチックフィルムと複合された紙容器、瓶等の通常の形態で提供することができる。
また上記の容器詰飲料は、例えば、金属缶のように容器に充填後、加熱殺菌できる場合にあっては食品衛生法に定められた殺菌条件で製造される。PETボトル、紙容器のようにレトルト殺菌できないものについては、あらかじめ上記と同等の殺菌条件、例えばプレート式熱交換器等で高温短時間殺菌後、一定の温度迄冷却して容器に充填する等の方法が採用される。また無菌下で、充填された容器に別の成分を配合して充填してもよい。
(カテキン類及びカフェインの測定法)
フィルター(0.8μm)で濾過し、次いで蒸留水で希釈した試料を、島津製作所製、高速液体クロマトグラフ(型式SCL−10AVP)を用い、オクタデシル基導入液体クロマトグラフ用パックドカラム L−カラムTM ODS(4.6mmφ×250mm:財団法人 化学物質評価研究機構製)を装着し、カラム温度35℃でグラジエント法により測定した。移動相A液は酢酸を0.1mol/L含有の蒸留水溶液、B液は酢酸を0.1mol/L含有のアセトニトリル溶液とし、試料注入量は20μL、UV検出器波長は280nmの条件で行った(通常カテキン類及びカフェインの濃度は、重量/体積%(%[w/v])で表すが、実施例中の含有量は液量を掛けて重量で示した)。
(電気伝導度及び塩分濃度の測定法)
堀場製作所製電気伝導度計DS−51を使用し、25℃に換算した数値である電気伝導度[S/m]及び塩分濃度(重量%)で表した。
(殺菌後の風味評価)
各実施例で得られた非重合体カテキン類組成物をカテキン含有率が0.175%[w/v]となるように脱イオン水で希釈し、その40mLを50mLの耐圧製ガラス容器に入れた。そこにアスコルビン酸ナトリウムを0.1重量%添加し、5重量%重炭酸ナトリウム水溶液でpHを6.4に調整し、窒素置換を行い、オートクレーブで121℃、10分間加熱滅菌した。その後、評価パネラー5名によって緑茶由来の異味・異臭の確認を行った。
(沈殿の評価方法)
耐圧製ガラス容器に入っている評価サンプルを、55℃の恒温槽に入れて、2週間後の濁りの発生状況を確認した。イルミネーター上で内容物の状態を観察し、澱の観察された時点を澱生成日とした。
実施例1
(前処理工程)
カテキン製剤(ポリフェノンHG、東京フードテクノ社製、非重合体カテキン類含有量33.70重量%、カフェイン含有量5.5重量%、非重合体カテキン類/カフェイン=6.1、ガレート体率50.7重量%、ガロ体率76.3重量%)270gを常温、200r/min攪拌条件下の95重量%エタノール水溶液1325g中に懸濁させ、活性炭(クラレコールGLC、クラレケミカル社製)54gと酸性白土(ミズカエース#600、水澤化学社製)135gを投入後、約10分間攪拌を続けた。そして40重量%エタノール水溶液1104.6gを10分間かけて滴下したのち、室温のまま約30分間の攪拌処理を続けた。その後、2号濾紙で活性炭及び沈殿物を濾過したのち、0.2μmメンブランフィルターによって再濾過を行った。最後にイオン交換水540gを濾過液に添加し、40℃、3.3kPaでエタノールを留去し、前処理工程処理液326.5gを得た(非重合体カテキン類含有量22.79重量%、カフェイン含有量1.94重量%、非重合体カテキン類/カフェイン=0.085、エタノール含有量0.2重量%)。
(本工程)
ステンレスカラム(内径72.3mm×高さ3,200mm)に充填したイオン交換樹脂SK−1BH(三菱化学(株)製)2,200mLを、次いでSV=70[h-1]で51,920mLのイオン交換水で洗浄した。水素イオン置換後の塩濃度は0.0重量%、電気伝導度は0.00082[S/m]であった。また、洗浄液のpHは7.16であり、風味確認を行い酸味、塩味は感じられなかった。
次いで、前処理工程で得られた処理液に水を加え全量を8,000gとした後、上記カラムにSV=5.0[h-1]で通液した。得られた溶出液を減圧濃縮し、非重合体カテキン類組成物を得た。濃縮液中には非重合体カテキン類66.0gが含まれており、抽出液からの非重合体カテキン類の回収率は72.5重量%、非重合体カテキン類組成物のガレート体率は50.9重量%、非重合体カテキン類中のガロ体率は78.3重量%であった。また、カフェインは全く含まれておらず、カフェイン/非重合体カテキン類の重量比率は0であった。
実施例2
(前処理工程)
実施例1と同様にして、前処理工程処理液を得た。
(本工程)
ステンレスカラム(内径72.3mm×高さ3,200mm)に充填したイオン交換樹脂SK−1B(三菱化学(株)製)2,200mLを、予めSV=70[h-1]で2mol/L塩酸29,075mLによる水素イオン交換を行い、次いでSV=70[h-1]で51,920mLのイオン交換水で洗浄した。水素イオン置換後の塩濃度は0.10重量%、電気伝導度は0.23[S/m]に低減した。また、洗浄液のpHは5.12であり、風味確認を行い酸味、塩味は感じられなかった。以後、実施例1と同様にして非重合体カテキン類組成物を得た。
実施例3
(前処理工程)
95重量%エタノール水溶液を2430g使用し、40重量%エタノール水溶液を添加しなかった以外は実施例1と同様の操作を行った。
(本工程)
実施例1と同様の操作を行った。
実施例4
(前処理工程)
活性炭及び酸性白土を使用しなかった以外は実施例1と同様の操作を行った。
(本工程)
実施例1と同様の操作を行った。
実施例5
(前処理工程)
濃縮後のエタノールの残存濃度が10重量%であった以外は実施例1と同様の操作を行った。
(本工程)
実施例1と同様の操作を行った。
実施例6
(本工程)
カテキン製剤(ポリフェノンHG、東京フードテクノ社製、非重合体カテキン類含有量33.70重量%、カフェイン含有量5.5重量%、非重合体カテキン類/カフェイン=6.1、ガレート体率50.7重量%、ガロ体率76.3重量%)148.2gを常温、200r/min攪拌条件下で8、000gの水に溶解した。ステンレスカラム(内径72.3mm×高さ3,200mm)に充填したイオン交換樹脂SK−1BH(三菱化学(株)製)2,200mLを、次いでSV=70[h-1]で51,920mLのイオン交換水で洗浄した。水素イオン置換後の塩濃度は0.0重量%、電気伝導度は0.00082[S/m]であった。また、洗浄液のpHは7.16であり、風味確認を行い酸味、塩味は感じられなかった。次いで、上記溶解液をカラムにSV=5.0[h-1]で通液した。
比較例
前処理工程の濃縮操作による70重量%エタノール水溶液の除去及び本工程の水を加えなかった以外は、実施例1と同様の操作を行った。
表1に分析並びに評価結果を示す。
実施例1〜6のいずれにおいても比較例に比べて、処理前後における非重合体カテキン類の回収率が高く、非重合体カテキンガレート率と非重合体カテキンガロ体率の変化が少なく、カフェインが低減した非重合体カテキン類組成物を得ることができた。また容器詰飲料をモデル系とした殺菌後の風味評価において酸味や緑茶由来の異味・異臭が感じられず、55℃保存後の澱生成もみられなかった。

Claims (6)

  1. 非重合体カテキン類を25〜40重量%含有するカテキン製剤を、水素イオン型陽イオン交換樹脂の洗浄水の塩分濃度が0.2重量%未満、電気伝導度が0.5[S/m]未満及びpHが4以上となるまで水洗を行った水素イオン型陽イオン交換樹脂に、エタノール濃度が0〜30重量%の水溶液として接触させる非重合体カテキン類組成物の製造方法。
  2. カテキン製剤をエタノールと水の重量比率が100/0〜70/30のエタノール水溶液に添加して不溶の固形分を除去する前処理を行う請求項1記載の非重合体カテキン類組成物の製造方法。
  3. 前処理において、カテキン製剤をエタノール水溶液に添加した後、該エタノール水溶液より低濃度のエタノール水溶液又は水を加えてエタノールと水の重量比率を90/10〜50/50に調整する請求項1又は2記載の非重合体カテキン類組成物の製造方法。
  4. 前処理において、カテキン製剤と溶液の混合液を活性炭及び酸性白土又は活性白土と接触させる請求項1〜3のいずれか1項記載の非重合体カテキン類組成物の製造方法。
  5. 製造された非重合体カテキン類組成物中のカフェイン含有量と非重合体カテキン類含有量の重量比率が0.05未満である請求項1〜4のいずれか1項記載の非重合体カテキン類組成物の製造方法。
  6. カテキン製剤から回収される非重合体カテキン類組成物の回収率が70重量%以上、非重合体カテキン類中の非重合体カテキンガレート体率の濃度変化が10重量%未満及び非重合体カテキン類中の非重合体カテキンガロ体率の濃度変化が10重量%未満である請求項1〜5のいずれか1項記載の非重合体カテキン類組成物の製造方法。
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