JP2007228911A - 精製茶抽出物の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】非重合体カテキンガレート体率を低減し、更にカフェイン量を低減し、没食子酸を低減することにより精製処理された茶抽出物の提供。
【解決手段】茶抽出物を加水分解処理した後、合成吸着剤に吸着させ、次いで塩基性水溶液を接触させて非重合体カテキン類を溶出させる精製茶抽出物の製造方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、非重合体カテキンガレート体率を低減し、カフェイン量を低減し、没食子酸を低減することにより呈味が改善された精製茶抽出物の製造方法に関する。
カテキンの生理効果としてはαアミラーゼ活性阻害作用などが報告されている(例えば、特許文献1参照)。このような生理効果を発現させるためには、成人一日あたりお茶を4〜5杯飲むことが必要であることから、より簡便に大量のカテキンを摂取するため、飲料にカテキンを高濃度配合する方法が望まれていた。
この方法の一つとして、緑茶抽出物の濃縮物(特許文献2)などの茶抽出物を利用して、カテキンを飲料に溶解状態で添加する方法が用いられている。しかしながら、この方法によりカテキンを高濃度に配合する対象となる飲料の種によっては、例えば紅茶抽出液や炭酸飲料にカテキンを添加する場合など、カフェイン及び緑茶由来の苦渋みの残存が飲料の商品価値を大きく損ねることがわかっている。
紅茶等の発酵茶抽出液に対してタンナーゼ処理を行い、低温冷却時の懸濁、即ちテイークリーム形成を抑制できることは古くから知られていた。又、特許文献3に見られる、ガレート体カテキンにタンナーゼ処理を行い、一部又は全部を没食子酸とすることにより、カテキン類と没食子酸との混合物を得る方法によれば、苦味の原因となるガレート体カテキン類を低減することができる。また、茶抽出物から、カフェイン等の夾雑物を取り除く方法としては、吸着法(特許文献4〜6)、抽出法(特許文献7)等が知られている。
特開平3−133928号公報 特開昭59−219384号公報 特開2004−321105号公報 特開2004−222719号公報 特開平8―109178号公報 特開2002−335911号公報 特開平1−289447号公報
しかしながら、タンナーゼ処理により得られるカテキン類と没食子酸の混合物は、酸味・エグ味が発生するという問題があった。
従って、本発明の課題は、非重合体カテキンガレート体率を低減し、かつ呈味の改善された精製茶抽出物の製造法を提供することにある。
本発明者らは、茶抽出物中の非重合体カテキン類精製処理を検討した結果、加水分解処理して非重合体カテキンガレート体を遊離型非重合体カテキン類と没食子酸に分解し、非重合体カテキンガレート体率を低減させる第一の工程、更に、加水分解処理を行った後の茶抽出物を合成吸着剤に通液し、一旦、合成吸着剤に吸着させ、次いで、吸着した非重合体カテキン類を塩基性水溶液により溶出させる第二の工程を行うことにより、非重合体カテキンガレート体率が低減し、カフェイン含量及び、副生する没食子酸を低減させた呈味の改善された茶抽出物が得られることを見出した。
本発明は、茶抽出物を加水分解し、次いで合成吸着剤に吸着させた後に、合成吸着剤に塩基性水溶液を接触させて非重合体カテキン類を溶出させる精製茶抽出物の製造方法を提供するものである。
本発明により、処理前と比較して、非重合体カテキンガレート体率が低減され、カフェイン含量が低く、更に加水分解処理の際に副生する没食子酸が大幅に低減され、呈味の改善された精製茶抽出物を得ることができる。
本発明で非重合体カテキン類とは、カテキン、ガロカテキン、カテキンガレート、ガロカテキンガレートなどの非エピ体カテキン及びエピカテキン、エピガロカテキン、エピカテキンガレート、エピガロカテキンガレートなどのエピ体カテキンをあわせての総称である。
本発明で非重合体カテキンガレート体とは、カテキンガレート、ガロカテキンガレート、エピカテキンガレート、エピガロカテキンガレートなどをあわせての総称である。
本発明で用いる茶抽出物としては、緑茶、紅茶、烏龍茶等の茶葉から得られた抽出液が挙げられる。その他のカフェイン含有植物由来、例えばコーヒー等のカフェイン含有抽出物と茶抽出液の混合物等も用いることができる。使用する茶葉としては、より具体的には、Camellia属、例えばC.sinensis、C.assamica及びやぶきた種又はそれらの雑種等から得られる茶葉から製茶された茶葉が挙げられる。製茶された茶葉には、煎茶、番茶、玉露、てん茶、釜炒り茶等の緑茶類がある。また、超臨界状態の二酸化炭素接触処理を施した茶葉を用いてもよい。
茶葉からの抽出は、抽出溶媒として水又は水溶性有機溶媒又はそれらの混合物を使用し、攪拌抽出等により行われる。抽出の際、水又は水溶性有機溶媒又はそれらの混合物にあらかじめアスコルビン酸ナトリウム等の有機酸塩類又は有機酸を添加してもよい。また、煮沸脱気や窒素ガス等の不活性ガスを通気して溶存酸素を除去しつつ、いわゆる非酸化的雰囲気下で抽出する方法を併用してもよい。このようにして得られた抽出液は、そのままでも、乾燥、濃縮しても本発明に使用できる。茶抽出物の形態としては、液体、スラリー、半固体、固体の状態が挙げられる。
本発明に使用する茶抽出物には、茶葉から抽出した抽出液を使用する代わりに、茶抽出物の濃縮物を水又は有機溶媒に溶解又は水又は有機溶媒に希釈して用いても、茶葉からの抽出液と茶抽出物の濃縮物とを併用してもよい。
ここで、茶抽出物の濃縮物とは、茶葉から熱水又は水溶性有機溶媒により抽出された抽出物を濃縮したものであり、例えば、特開昭59−219384号公報、特開平4−20589号公報、特開平5−260907号公報、特開平5−306279号公報等に記載されている方法により調製したものをいう。具体的には、緑茶抽出物として、市販の東京フードテクノ社製「ポリフェノン」、伊藤園社製「テアフラン」、太陽化学社製「サンフェノン」等の粗カテキン製剤を固体の緑茶抽出物として用いることもできる。
本発明においては、まず茶抽出物を加水分解処理する。当該加水分解処理により、非重合体カテキン類中のガレート体率が低下する。加水分解による非重合体カテキン類中の非重合体カテキンガレート体の濃度減少は、呈味改善の点から5質量%以上、更に7質量%以上、特に10質量%以上が好ましい。加水分解の方法は、酵素類による処理、酸処理、アルカリ処理等により行なわれる。酵素類としては、タンナーゼ活性を有する酵素、菌体又は培養液、酸としては、塩酸、硫酸、リン酸、アルカリとしては苛性ソーダなどが好ましい。その中でも反応制御の点から酵素類での加水分解が好ましい。ここでタンナーゼ活性を有するとは、タンニンを分解する活性を有することを意味し、本活性を有すれば任意の酵素、菌体、培養液が使用できる。
具体的には、タンナーゼ活性を有する酵素として市販品では、ペクチナーゼPLアマノ(天野エンザイム社製)、ヘミセルラーゼアマノ90(天野エンザイム社製)、タンナーゼKTFH(キッコーマン社製)等が利用できる。その中でもタンナーゼが好ましい。例えば、アスペルギルス属、ペニシリウム属、リゾプス属のタンナーゼ生産菌を培養して得られるタンナーゼが挙げられる。このうちアスペルギルス オリーゼ由来のものが好ましい。
タンナーゼ活性を有する菌体とは、タンナーゼ活性を有する酵素を産生することができる菌体であり、麹菌等があげられる。例えば、アスペルギルス属、ペニシリウム属等が挙げられ、このうちアスペルギルス オリーゼが好ましい。
タンナーゼ活性を有する培養液とは、アスペルギルス属、ペニシリウム属、リゾプス属のタンナーゼ生産菌を培養して得られる培養液である。好ましくは、タンニン酸を唯一の炭素源として培養して得られる培養液があげることができ、精製品であっても未精製なものであっても用いることができる。
風味劣化の抑制及び生産性の点から加水分解を極力短時間で終了する際は、酵素又は培養液を利用することが好ましい。
本発明で使用するタンナーゼ活性を有する酵素又は培養液は、500〜100,000U/gの酵素活性を有することが好ましく、500U/g以下であると工業的に限られた時間内で処理するためには多量の酵素が必要となり、100,000U/g以上であると酵素反応速度が速すぎる為、反応系を制御することが困難となる。ここで1Unitは30℃の水中においてタンニン酸に含まれるエステル結合を1マイクロモル加水分解する酵素量を示す。
タンナーゼ活性を有する酵素及び培養液による処理を行うときの非重合体カテキン濃度は、好ましくは0.1〜22質量%、更に好ましくは0.1〜15質量%、特に好ましくは0.5〜10質量%、殊更好ましくは0.5〜3質量%である。0.1質量%未満ではこの後の合成吸着剤への吸着時に吸着量が低下し、22質量%を超えると、加水分解処理に長時間を要し、生産性及び茶抽出物の味の点から好ましくない。
呈味を改善した非重合体カテキンガレート体率を得るため、茶抽出物中の非重合体カテキン類に対して酵素又は培養液を0.01〜10質量%の範囲になるように添加することが好ましい。酵素失活の工程を含め、上記加水分解処理を工業的に最適な酵素反応時間である2時間以内で終了させるためには、酵素又は培養液濃度が0.01〜7質量%、更に0.03〜5質量%であることが好ましい。
緑茶抽出物中の非重合体カテキン類に対してタンナーゼ活性を有する酵素又は培養液を、好ましくは1〜300Unit/g−非重合体カテキン、更に好ましくは3〜200Unit/g−非重合体カテキン、特に好ましくは5〜150Unit/g−非重合体カテキンになるように添加する。
酵素又は培養液による処理の温度は、最適な酵素活性が得られる0〜70℃が好ましく、更に好ましくは0〜60℃、特に好ましくは5〜50℃である。
酵素又は培養液での加水分解反応を終了させるには、酵素活性を失活させる必要がある。酵素失活は、加熱ことにより達成される。酵素失活温度は、70〜100℃が好ましく、70℃未満では酵素を短時間で充分に失活することが困難であるため加水分解反応が進行し、非重合体カテキンガレート体率の範囲内で酵素反応を停止することができない。又、失活温度に到達してからの保持時間が10秒程度以下であると酵素活性を充分に失活することが困難であるため、酵素反応が進行し、また、20分以上の保持時間では、非重合体カテキン類の非エピメリ化が起こる場合があり好ましくない。
酵素反応の失活方法は、バッチ式もしくはプレート型熱交換機のような連続式で加熱を行うことで停止することができる。又、タンナーゼ処理の失活終了後、遠心分離などの操作により茶抽出物を清澄化することができる。
菌体として例えば麹菌を利用する場合は、非重合体カテキンの濃度が、好ましくは0.1〜22質量%、更に好ましくは0.1〜15質量%、特に好ましくは0.5〜15質量%である茶抽出物に麹菌を入れ加水分解処理を行なう。麹菌は、その種類等により大幅に異なるが、茶抽出物中の非重合体カテキン類に対して通常0.5質量%〜10質量%の範囲内、特に1.0質量%〜5質量%の範囲内で添加される。温度条件としては、45℃〜70℃、更に50〜60℃が好ましい。醗酵時間は通常12時間〜20日間、更に1日〜10日間で行われることが好ましい。麹菌の酵素活性の失活は、酵素又は培養液での加水分解反応を終了させる時と同様である。
加水分解後の茶抽出物を合成吸着剤に吸着させ、次いで塩基性水溶液を接触させて非重合体カテキン類を溶出させる。当該合成吸着剤処理により、カフェイン及び没食子酸が低減できる。
吸着後、塩基性水溶液を接触させる前に、合成吸着剤を洗浄し、合成吸着剤中の没食子酸や不純物を除去するのが好ましい。
合成吸着剤は、一般に不溶性の三次元架橋構造ポリマーでイオン交換基のような官能基を実質的に持たないものである。好ましくは、イオン交換基が1meq/g未満のものを用いることができる。本発明に用いる合成吸着剤としては、その母体がスチレン系、例えばアンバーライトXAD4、XAD16HP、XAD1180、XAD2000、(供給元:米国ローム&ハース社);ダイヤイオンHP20、HP21(三菱化学社製);セパビーズSP850、SP825、SP700、SP70(三菱化学社製);VPOC1062(Bayer社製)、臭素原子を核置換して吸着力を強めた修飾スチレン系、例えばセパビーズSP205、SP206、SP207(三菱化学社製)、メタクリル系、例えばダイヤイオンHP1MG、HP2MG(三菱化学社製)、フェノール系、例えばアンバーライトXAD761(ロームアンドハース社製)、アクリル系、例えばアンバーライトXAD7HP(ロームアンドハース社製)、ポリビニル系、例えばTOYOPEARL、HW-40C(東ソー社製)、デキストラン系、例えばSEPHADEX、LH-20(ファルマシア社製)等が使用できる。
合成吸着剤としては、その母体がスチレン系、メタクリル系、アクリル系、ポリビニル系が好ましく、特にスチレン系がカテキンとカフェインとの分離性の点から好ましい。
加水分解処理後の茶抽出物を合成吸着剤に吸着させる手段としては、加水分解処理後の茶抽出物に合成吸着剤を添加、撹拌し吸着後、ろ過操作により合成吸着剤を回収するバッチ方法又は合成吸着剤を充填したカラムを用いて連続処理により吸着処理を行なうカラム方法が採用されるが、生産性の点からカラムによる連続処理方法が好ましい。
合成吸着剤が充填されたカラムは、予めSV(空間速度)=0.5〜10[h-1]、合成吸着剤に対する通液倍数として2〜10[v/v]の通液条件で95vol%エタノール水溶液による洗浄を行い、合成吸着剤の原料モノマーや原料モノマー中の不純物等を除去するのが好ましい。そして、その後SV=0.5〜10[h-1]、合成吸着剤に対する通液倍数として1〜60[v/v]の通液条件により水洗を行い、エタノールを除去して合成吸着剤の含液を水系に置換する方法により非重合体カテキン類の吸着能が向上する。
加水分解処理後の茶抽出物を合成吸着剤に吸着させる手段としては、合成吸着剤が充填されたカラムに当該茶抽出物を通液するのが好ましい。茶抽出物を合成吸着剤の充填したカラムに通液する条件としては、SV(空間速度)=0.5〜10[h-1]の通液速度で、合成吸着剤に対する通液倍数として0.5〜20[v/v]で通液するのが好ましい。10[h-1]以上の通液速度や20[v/v]以上の通液量であると非重合体カテキン類の吸着が不充分又は不安定となる場合がある。
更に、加水分解処理後の茶抽出物を合成吸着剤に吸着させた後に洗浄する場合は、洗浄に使用する水溶液としては、カテキンの回収率の点からpH7以下が好ましく、水溶性有機溶媒との混合系においても使用することができる。水溶性有機溶媒としては、アセトン、メタノール、エタノールなどが挙げられ、食品への使用の観点から、エタノールが好ましい。含有する有機溶媒の濃度は、0〜20質量%、好ましくは0〜10質量%、より好ましくは0〜5質量%がカテキンの回収率の点から好ましい。
SV(空間速度)=0.5〜10[h-1]の通液速度で、合成吸着剤に対する通液倍数として1〜10[v/v]で、合成吸着剤に付着した没食子酸や不純物を除去するのが好ましい。更にSV=0.5〜5[h-1] の通液速度で、通液倍数として1〜5[v/v] で洗浄することが没食子酸や不純物の除去及び非重合体カテキン類の回収率の点から好ましい。
非重合体カテキン類の溶出に用いる塩基性水溶液としては、アルカリ金属塩、アルカリ土類のアルカリ水溶液、好ましくは、ナトリウム系のアルカリ性水溶液、例えば水酸化ナトリウム水溶液、炭酸ナトリウム水溶液等を好適に用いることができる。また、アルカリ性水溶液のpHは7〜14の範囲が好ましい。非重合体カテキン類回収率の点から9〜13.8、特に10〜13.5が好ましい。pH7〜14のナトリウム系水溶液としては、4%以下の水酸化ナトリウム水溶液、1N−炭酸ナトリウム水溶液等が挙げられる。塩基性水溶液に、水溶性有機溶媒が含まれていてもよい。有機溶媒の濃度としては、カフェインとカテキンの分離性の点から0〜90質量%の範囲が好ましく、0〜50質量%がより好ましく、0〜20質量%が更に好ましい。
溶出工程においては、溶出に用いる塩基性水溶液として互いにpHが異なる2種以上の塩基性水溶液を用い、これら塩基性水溶液をpHが低い順に合成吸着剤に接触させることができる。それぞれのpH区分で異なる非重合体カテキン類や他の成分を脱着することができる。
本発明で使用される合成吸着剤は本発明実施後に再使用できる。再生処理としては、具体的には、エタノールのような有機溶媒を通液し合成吸着剤上に吸着したカフェイン等の不溶分を脱着させる。又は水酸化ナトリウムのようなアルカリ水溶液を通液・洗浄し、合成吸着剤上に残存する水溶性成分をすべて脱着させるなどの方法が挙げられる。更に水蒸気による洗浄を組み合わせても良い。
非重合体カテキン類の溶出液は、塩基性水溶液で溶出したため塩基性であり、非重合カテキン類の安定性の観点から、溶出液のpHを7以下に調整することが好ましい。具体的には酸による中和、電気透析によるアルカリ金属イオンの除去、又はカチオン交換樹脂によるアルカリ金属イオンの除去が利用できる。イオン交換樹脂としては特にH型のカチオン交換樹脂を用いるのが好ましい。プロセスの簡便性からイオン交換樹脂によるpH調整が好ましい。カチオン交換樹脂としては、具体的には、アンバーライト200CT、IR120B、IR124、IR118、ダイヤイオンSK1B、SK1BH、SK102、PK208、PK212等を用いることができる。
更に非重合体カテキン類の溶出液は、必要に応じて濃縮して後の工程に付すことができる。
得られた非重合体カテキン類の溶出液が懸濁する場合は、除濁することが好ましい。除濁の具体的な操作としては、ろ過及び/又は遠心分離処理により固形分と水溶性部分とを固液分離することが挙げられる。
本発明によって得られる精製茶抽出物は、その固形分中に、非重合体カテキン類を25〜95質量%含有するが、40〜95質量%、更に50〜90質量%、特に55〜80質量%含有するのが好ましい。
また、本発明により得られる精製茶抽出物中のカテキンガレート、エピカテキンガレート、ガロカテキンガレート及びエピガロカテキンガレートからなるガレート体の全非重合体カテキン類中での割合は、0〜70質量%、更に0〜50質量%であるのが好ましく、特に0〜40質量%であるのが、非重合体カテキン類の苦味低減の点で好ましい。
本発明で得られる精製茶抽出物中のカフェイン濃度は、非重合体カテキン類に対して、カフェイン/非重合体カテキン類(質量比)=0〜0.15、更に0〜0.1、特に0〜0.05、殊更に0〜0.035であるのが呈味改善の点で好ましい。
また、本発明で得られる精製茶抽出物中の没食子酸濃度は、苦味、酸味等の呈味の点から、非重合体カテキン類に対して、没食子酸/非重合体カテキン類(質量比)=0〜0.1、更に0〜0.07、特に0〜0.05が好ましい。
本発明で得られる精製茶抽出物としては、固形分中に非重合体カテキン類を25〜95質量%、非重合体カテキンガレート体率0〜70質量%、没食子酸/非重合体カテキン類(質量比)0〜0.1であり、カフェイン/非重合体カテキン類(質量比)が0〜0.15であるものが、呈味改善の点で好ましい。
飲料の色調の安定性向上のため、非重合体カテキン類の溶出液を脱色することが好ましい。具体的な脱色操作としては、茶抽出物を水又は有機溶媒との混合液に分散また溶解し、活性炭又は/及び、活性白土又は/及び酸性白土に接触させることにより、脱色することができる。
本発明で得られた精製茶抽出物はそのままで使用できる。また、減圧濃縮、薄膜濃縮などの方法により溶媒を除去してもよい。また茶抽出物の製品形態として粉体が望ましい場合は、噴霧乾燥や凍結乾燥等の方法により粉体化できる。
本発明で得られた精製茶抽出物は容器詰飲料に配合できる。使用される容器は一般の飲料と同様にポリエチレンテレフタレートを主成分とする成形容器(いわゆるPETボトル)、金属缶、金属箔やプラスチックフィルムと複合された紙容器、瓶などの通常の形態で提供することができる。ここでいう容器詰飲料とは希釈せずに飲用できるものをいう。
また上記の容器詰飲料は、例えば、金属缶のように容器に充填後、加熱殺菌できる場合にあっては食品衛生法に定められた殺菌条件で製造される。PETボトル、紙容器のようにレトルト殺菌できないものについては、あらかじめ上記と同等の殺菌条件、例えばプレート式熱交換器などで高温短時間殺菌後、一定の温度迄冷却して容器に充填する等の方法が採用される。また無菌下で、充填された容器に別の成分を配合して充填してもよい。
(カテキン、カフェイン及び没食子酸の測定法)
試料溶液をフィルター(0.45μm)で濾過し、島津製作所製、高速液体クロマトグラフ(型式SCL−10AVP)を用い、オクタデシル基導入液体クロマトグラフ用パックドカラムL−カラムTM ODS(4.6mmφ×250mm:財団法人 化学物質評価研究機構製)を装着し、カラム温度35℃でグラジエント法で行った。カテキン類の標準品としては、三井農林製のものを使用し、検量線法で定量した。移動相A液は酢酸を0.1mol/L含有の蒸留水溶液、B液は酢酸を0.1mol/L含有のアセトニトリル溶液とし、試料注入量は20μL、UV検出器波長は280nmの条件で行った。
(タンナーゼ活性の測定法)
試薬A:pH5.5クエン酸緩衝溶液50mmol:蒸留水800mLにクエン酸10.5gを溶解し、1NのNaOH溶液でpH5.5に調整し、1000mLに希釈する。
試薬B:0.35質量%基質水溶液(タンニン酸):50mLクエン酸緩衝溶液(試薬A)にタンニン酸175mgを溶解する。
試薬C:90vol%エタノール溶液。
測定方法
1.試験管に基質溶液(試薬B)を1.0mL採取し、30℃で5分間保つ。
2.試料溶液0.25mL添加し、15分間30℃で培養する。ブランク溶液は、試料溶液の代わりにクエン酸緩衝溶液(試薬A)を加える。
3.酵素反応を停止するため試料溶液とブランク溶液に5.0mLのエタノール溶液(試薬C)を加える。
4.310nmの吸光度を測定する[試料:As、ブランク:A0]。
次の計算式により活性を計算する。
体積当たりの活性(U/mL)=(As−A0)×20.3×1.0(mL)×1.04×df/(0.71×0.25(mL)×15(min))=ΔA×7.93×df
質量当たりの活性(U/g)=(U/mL)×1/C
20.3:基質溶液(試薬B)の1.0mL中に含まれるタンニン酸のμmol。
0.71:分析条件下での20.3μmolのタンニン酸が完全に加水分解した後の吸光度の変化量、1.04:換算係数、df:希釈係数、C:サンプル(g/mL)中のタンナーゼ濃度。
殺菌後の風味評価
各実施例で得られた茶抽出物をカテキン含有率が0.175%[w/v]となるように脱イオン水で希釈し、その40mLを50mLの耐圧製ガラス容器に入れた。そこにアスコルビン酸Naを0.1質量%添加し、5%重炭酸Na水溶液でpHを6.4に調整し、窒素置換を行い、オートクレーブで121℃、10分間加熱滅菌した。その後、評価パネラー5名によって緑茶由来の異味・異臭が感じられないか確認を行った。
硫酸キニーネ法(等価濃度試験法)による苦味評価
硫酸キニーネ2水和物を表1に記載の苦味強度に対応した濃度に調整する。評価サンプルを試飲した後、標準苦味溶液のどのサンプルと苦味の強さが等しいか判断する。評価パネラー5名によって苦味強度の確認を行った(参考文献:新版官能検査ハンドブック 日科技連官能検査委員会p448-449、Perception & Psychophysics,5,1696,347-351)。
実施例1
緑茶葉(中国雲南省、大葉種)1.8kgに90℃の熱水27kgを添加し、30分間攪拌バッチ抽出したのち、100メッシュ金網で粗濾過、遠心分離操作後、2号濾紙による濾過を行い、「緑茶抽出液」20.4kg(pH5.3)を得た。(緑茶抽出液の非重合体カテキン類濃度=0.96質量%、緑茶抽出液のガレート体率=69.5質量%、カフェイン=0.24質量%、没食子酸=0.01質量%)
この緑茶抽出液を温度25℃に設定し、タンナーゼ(キッコーマン社製タンナーゼKTFH、500U/g)を緑茶抽出液に対して300ppmとなる濃度で添加し、85分間保持し、ガレート体率52.4質量%になったところで、90℃に溶液を加熱して、2分間保持し酵素を失活させ、反応を止めた(pH4.8、タンナーゼ処理液(1))。
次いで、ステンレスカラム1(内径110mm×高さ230mm、容積2185mL)に充填した合成吸着剤SP−70(三菱化学(株)製)2048mLを、予めSV=5(h-1)で95(v/v)エタノール8192mLによる洗浄を行い、次いでSV=5(h-1)で20480mLの水で洗浄した。ステンレスカラム2(内径38mm×高さ770mm、容積873mL)に充填したイオン交換樹脂SK1BH(三菱化学(株)製)852mLを、予めSV=5(h-1)で95(v/v)エタノール3408mLによる洗浄を行い、次いでSV=5(h-1)で8520mLの水で洗浄した。その後、タンナーゼ処理液(1)8192g(4倍容積対合成吸着剤)をSV=1(h-1)でカラム1に通液し透過液は廃棄した。次いでSV=2(h-1)で2048mL(1倍容積対合成吸着剤)の水で洗浄した。水洗後、0.1質量%水酸化ナトリウム水溶液(pH12.5)をSV=5(h-1)で30720mL通液し(15倍容積対合成吸着剤)カテキン溶出液を得た。溶出液は連続でステンレスカラム2に通液し、脱イオンを行い、非重合体カテキン類組成物28222g(pH3.0)を得た。この組成物中には非重合体カテキン類0.24質量%が含まれており、タンナーゼ処理液(1)からの非重合体カテキン類の回収率は92.9%、非重合体カテキン類組成物のガレート体率は55.3質量%であった。又、カフェイン0質量%、没食子酸量0.001質量%であった。茶抽出物の固形分中の非重合体カテキン類62.4質量%であった。
比較例1
実施例1と同様にタンナーゼ処理を行ない、合成吸着剤への通液及び溶出は行わなかった。
比較例2
タンナーゼ処理を行わなかった以外は、実施例1と全く同様に行った。
実施例2
(1)緑茶葉(ケニア産、大葉種)3kgに88℃の熱水45kgを添加し、60分間攪拌バッチ抽出したのち、100メッシュ金網で粗ろ過後、抽出液中の微粉を除去する為に遠心分離操作を行い、「緑茶抽出液」37.2kg(pH5.4)を得た。(緑茶抽出液中の非重合体カテキン類濃度=0.89質量%、緑茶抽出液のガレート体率=52.3質量%、カフェイン0.17質量%)
この緑茶抽出液を温度15℃に保持し、タンナーゼ(キッコーマン社製タンナーゼKTFH、500U/g)を緑茶抽出液に対して430ppmとなる濃度で添加し、55分間保持し、ガレート体率30.5質量%になったところで、90℃に溶液を加熱して、2分間保持し酵素を失活させ、反応を止めた(pH5.1)。次いで減圧濃縮にて70℃、6.7kpaでBrix濃度20%まで濃縮処理を行い、更に噴霧乾燥して粉末状の「タンナーゼ処理した緑茶抽出物」0.9kgを得た。得られた緑茶抽出物は非重合体カテキン類含有量27.8質量%、非重合体カテキンガレート体率30.3質量%、カフェイン含有量6.74質量%、没食子酸3.58質量%であった。「タンナーゼ処理した緑茶抽出物」10gを、脱イオン水300gに25℃で30分間攪拌溶解した(タンナーゼ処理液(2)。
次いで、ステンレスカラム3(内径22mm×高さ96mm、容積36.5mL)に充填した合成吸着剤SP−70(三菱化学(株)製)36.1mLを、予め実施例1と同様の方法で洗浄し、ガラスカラム(内径16mm×高さ80mm、容積16.1mL)に充填したイオン交換樹脂SK1BH(三菱化学(株)製)14.7mLを、予め実施例1と同様の方法で洗浄した。その後、得られたタンナーゼ処理液(2)144.4g(4倍容積対合成吸着剤)をSV=1(h-1)でカラム1に通液し透過液は廃棄した。次いでSV=2(h-1)で36.1mL(1倍容積対合成吸着剤)の水で洗浄した。水洗後、0.1質量%水酸化ナトリウム水溶液(pH12.4)をSV=5(h-1)で561.8mL通液した(15倍容積対合成吸着剤)。溶出液は連続でガラスカラムに通液して、脱イオンを行い、非重合体カテキン類組成物552g(pH2.7)を得た。この抽出物中には非重合体カテキン類0.21質量%が含まれており、タンナーゼ処理液(2)からの非重合体カテキン類の回収率は90.3%、非重合体カテキン類組成物のガレート体率は32.5質量%、であった。又、カフェイン0質量%、没食子酸量0.002質量%であった。茶抽出物の固形分中の非重合体カテキン類64.7質量%であった。
実施例3
粗カテキン製剤(三井農林製 非重合体カテキン類濃度=32.0質量%、非重合体カテキンガレート体率=52.0質量%、カフェイン=5.51質量%、没食子酸=0.17質量%)10gを、脱イオン水300gに25℃で30分間攪拌溶解し茶抽出物溶解液(pH5.3)を得た。次いで、タンナーゼ(キッコーマン社製タンナーゼKTFH、500U/g)を茶抽出物溶解液に対して500ppmとなる濃度で添加し、15℃、120分間保持し、ガレート体率4質量%になったところで、90℃に溶液を加熱して、2分間保持し酵素を失活させ、反応を止めた(pH4.2、タンナーゼ処理液(3))。
原料が上記タンナーゼ処理液以外は、実施例2と同様のカラム及び操作条件にて精製を行い、非重合体カテキン類組成物534.2g(pH3.7)を得た。この抽出物中には非重合体カテキン類0.18質量%が含まれており、タンナーゼ処理液(3)からの非重合体カテキン類の回収率は91.3%、非重合体カテキン類組成物のガレート体率は6.0質量%、であった。又、カフェイン0質量%、没食子酸量0.004質量%であった。茶抽出物の固形分中の非重合体カテキン類57.6質量%であった。
実施例4
ステンレスカラム4(内径60mm×高さ360mm、容積1017mL)に充填した合成吸着剤SP−207(三菱化学(株)製)1004mLを、予めSV= 5(h-1)で95(v/v)エタノール4016mLによる洗浄を行い、次いでSV=5(h-1)で10040mLの水で洗浄した。ステンレスカラム5(内径38mm×高さ1200mm、1360容積mL)に充填したイオン交換樹脂SK1BH(三菱化学(株)製)1338mLを、予めSV=5(h-1)で95(v/v)エタノール5352mLによる洗浄を行い、次いでSV=5(h-1)で13380mLの水で洗浄した。実施例1のタンナーゼ処理液4016g(4倍容積対合成吸着剤)をSV=1(h-1)でステンレスカラム4に通液し透過液は廃棄した。次いでSV=2(h-1)で1004m(1倍容積対合成吸着剤)の水で洗浄した。水洗後、1質量%水酸化ナトリウム水溶液(pH14.0)をSV=5(h-1)で5020mL通液した(5倍容積対合成吸着剤)。溶出液は連続でステンレスカラム5に通液して、脱イオンを行い、非重合体カテキン類組成物4975.5g(pH4.1)を得た。この抽出物中には非重合体カテキン類0.63質量%が含まれており、タンナーゼ処理液(1)からの非重合体カテキン類の回収率は88.2%、非重合体カテキン類組成物のガレート体率は58.3質量%、であった。又、カフェイン0質量%、没食子酸量0.001質量%であった。茶抽出物の固形分中の非重合体カテキン類59.3質量%であった。
実施例5
実施例2のイオン交換樹脂SK1BHの充填量を3.6mLとした以外は実施例2と同様の操作を行なった。得られた抽出物は非重合体カテキン0.17質量%が含まれており、タンナーゼ処理液(2)からの非重合体カテキン類の回収率は78.2%、非重合体カテキン類組成物のガレート体率は35.8質量%、であった。又、カフェイン0質量%、没食子酸量0.001質量%であった。茶抽出物の固形分中の非重合体カテキン類43.3質量%であった。
比較例3
ステンレスカラム4(内径60mm×高さ360mm、容積1017mL)に充填した合成吸着剤SP−70(三菱化学(株)製)860mLを、予めSV=5(h-1)で95(v/v)エタノール3440mLによる洗浄を行い、次いでSV=5(h-1)で8600mLの水で洗浄した。実施例1のタンナーゼ処理液3440g(4倍容積対合成吸着剤)をSV=1(h-1)でステンレスカラム4に通液し透過液は廃棄した。
次いでSV=2(h-1)で860mL(1倍容積対合成吸着剤)の水で洗浄した。水洗後、20質量%エタノール水溶液をSV=2(h-1)で5160mL通液した(6倍容積対合成吸着剤)。40℃、2.7kPaでエタノールを留去し、その後、水分量を調整して得られた抽出物は非重合体カテキン0.50質量%が含まれており、タンナーゼ処理液(1)からの非重合体カテキン類の回収率は84.4%、非重合体カテキン類組成物のガレート体率は45.9質量%であった。又、カフェイン0.1質量%、没食子酸量0.008質量%であった。茶抽出物の固形分中の非重合体カテキン類60.8質量%であった。
比較例4
酸性白土(ミズカエース#600、水澤化学社製)100gを常温、350r/min攪拌条件下の92.4質量%エタノール水溶液800g中に分散させ、約10分間攪拌を行った後、(実施例2)で得られたタンナーゼ処理した緑茶抽出物200gを投入し、室温のまま約3時間の攪拌を続けた(pH4.0)。その後、生成している沈殿及び酸性白土を2号ろ紙でろ過した。得られたろ液を活性炭(クラレコールGLC、クラレケミカル社製)30gと接触させ、続けて0.2μmメンブランフィルターによってろ過を行った。最後にイオン交換水200gを添加して、40℃、2.7kPaでエタノールを留去し、その後、水分量を調整して「精製緑茶抽出物」を得た。得られた抽出物は非重合体カテキン20.2質量%が含まれており、実施例2のタンナーゼ処理した緑茶抽出物からの非重合体カテキン類の回収率は60.5%、非重合体カテキン類組成物のガレート体率は29.3質量%、であった。又、カフェイン0.73質量%、没食子酸量2.56質量%であった。茶抽出物の固形分中の非重合体カテキン類56.6質量%であった。
実施例1〜5、比較例1及び2記載の茶抽出物を食品衛生法に基づく殺菌処理をし、風味及び苦味を評価した。その結果を表2に示す。
実施例1〜5では処理前後における非重合体カテキン類の回収率が高く、非重合体カテキンガレート率が減少し、没食子酸を殆ど含まず、カフェイン濃度が低減した茶抽出物を得ることができた。更に実施例6では、外観、呈味の安定性が良い飲料が製造できた。比較例1では酸味と雑味が、比較例2では苦味が残る。比較例3ではカフェイン含量が多く、比較例4では酸味が残る。
実施例6
実施例3の精製緑茶抽出物を用いて表3に記載の容器詰飲料を調製した。食品衛生法に基づく殺菌処理及びホットパック充填を行って容器詰飲料とした。
製造した容器詰飲料を37℃で30日間保存した後、評価した。外観、呈味の安定性は良かった。

Claims (6)

  1. 茶抽出物を加水分解し、次いで合成吸着剤に吸着させた後に、合成吸着剤に塩基性水溶液を接触させて非重合体カテキン類を溶出させる精製茶抽出物の製造方法。
  2. 加水分解を、タンナーゼ活性を有する酵素、菌体又は培養液で行なう請求項1記載の精製茶抽出物の製造方法。
  3. 合成吸着剤に塩基性水溶液を接触させて非重合体カテキン類を溶出させた後、溶出液をpH7以下に調整する請求項1又は2記載の精製茶抽出物の製造方法
  4. 茶抽出物を加水分解後、合成吸着剤に吸着させ、合成吸着剤を洗浄し、次いで合成吸着剤に塩基性水溶液を接触させて非重合体カテキン類を溶出させる請求項1〜3のいずれか1項記載の精製茶抽出物の製造方法。
  5. 非重合体カテキン類中の非重合体カテキンガレート体の濃度減少が茶抽出物に対して5質量%以上である請求項1〜4のいずれか1項記載の精製茶抽出物の製造方法。
  6. 固形分中の非重合体カテキン類25〜95質量%、非重合体カテキンガレート体0〜70質量%、没食子酸と非重合体カテキン類との比率が0〜0.1であり、カフェインと非重合体カテキン類の比率が0〜0.15である精製茶抽出物。
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