JP4673247B2 - 風味の改善された茶抽出処理物の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、カテキン類特有の苦渋味・収斂味が低減され、かつ、酸味・えぐ味を有さない風味の改善された茶抽出処理物の製造方法に関する。
茶は古くより、嗜好飲料として親しまれてきたが、最近十数年前より手軽に飲用することができる缶あるいはペットボトル等に充填した容器詰め飲料として提供されており、消費者の甘味ばなれもあり、高い支持を得て、その生産量は増加の一途をたどっている。一方、茶はまた、近年その機能性においても注目され、盛んに研究が行われており、カテキン類のヒトの体脂肪蓄積抑制(非特許文献1)等の生理効果が報告されている。しかしながら容器詰め飲料としてカテキン類を多く配合しようとすると苦渋味・収斂味が強くなってしまい風味的に非常に摂取しづらくなってしまうという欠点がみられた。
茶中の非重合体カテキン類の主な成分として遊離型カテキン(エピカテキン、エピガロカテキン、カテキン、ガロカテキン)およびエステル型カテキン(エピカテキンガレート、エピガロカテキンガレート、カテキンガレート、ガロカテキンガレート)が挙げられるが、これらのうち遊離型カテキンは渋味、収斂味の閾値が高く、エステル型カテキンは渋味、収斂味の閾値が低いことが報告されている(特許文献1)。
一方、タンナーゼは茶飲料の清澄化に用いることが出来ることが知られているが、カテキンと没食子酸とのエステル結合に作用してカテキンと没食子酸に加水分解する酵素である。茶飲料中のクリームダウン(沈殿生成)は、ガレート型カテキン(エステル型カテキンと同義)とカフェインなどが複合体を形成することにより発生することが知られているが、その防止策としてタンナーゼ処理を行うことでガレート型カテキンを非ガレート型カテキン(遊離型カテキンと同義)に分解し、カフェインとの複合体形成をしづらくする方法が報告されている(非特許文献2)。
また、前記タンナーゼ処理を緑茶の製茶工程に応用し、茶葉中に含まれる苦渋味の強いエピカテキンガレート、エピガロカテキンガレートをタンナーゼにて処理することで、没食子酸と爽快な苦みを持つエピカテキン、エピガロカテキンに分解する方法が開示されている(特許文献2)。
一方、容器詰め飲料においても、前記の通りカテキン類の機能性に着目し、カテキン類を多く配合することが求められているが、カテキン類を高濃度に含有する茶飲料を、タンナーゼ処理することによりカテキン類の苦渋味を低減する方法が開示されている(特許文献3)。
しかしながら、特許文献3の方法では、カテキン類をタンナーゼ処理することによりエステル型カテキンが遊離型カテキンと没食子酸に分解し、エステル型カテキン由来の渋味・収斂味は低減するものの、それにより没食子酸由来の酸味・えぐ味が発生してしまい、やはり風味的に満足できるものとはいえない。
また、一方では非重合体カテキン類のタンナーゼによる分解を制御し、カテキン類における、ガレート体率を40〜60重量%の範囲内にコントロ−ルすることにより、エステル型カテキン由来の渋味・収斂味を低減させ、かつ風味を改善する方法(特許文献4)が開示されている。
特開平6−343389号公報 特開平5−308901号公報 特開2005−130809号公報 特開2004−321105号公報 Journal of Oleo Science Vol.50(2001), No.9 p717−728 「食品と開発」32(12)、1997年、p14−16
特許文献4には、非重合体カテキン類中のガレート体率が40〜60重量%である風味の改善された緑茶抽出物が開示されているが、この方法においてもやはりタンナーゼ処理により遊離の没食子酸が生成し、没食子酸由来のえぐ味を伴った酸味を呈するという課題が依然として未解決のままであった。また、これまでに報告されている茶抽出液のタンナーゼ処理は、非重合体カテキン類濃度として1重量%未満の水溶液で行われており、製造コスト、生産効率の面で問題があると考えられる。
したがって、本発明の目的は、茶抽出液から、高濃度非重合体カテキン含有飲料においても苦渋味・収斂味および酸味・えぐ味などの不快感を感じさせる味を有さない優れた風味を有する茶抽出物を効率よく製造する方法を提供することにある。
本発明者等は緑茶抽出物の風味を改善すべく鋭意検討したところ、茶抽出液をタンナーゼ処理することにより、非重合体カテキン類の総量に対するガレート型カテキンの含量を0〜40%に調整することでエステル型カテキン由来の渋味・収斂味を低減させ、さらにこのタンナーゼ処理した茶抽出物を濃縮し、冷却することにより、タンナーゼ処理により遊離した没食子酸が析出し、遊離した没食子酸を分離除去することにより、没食子酸特有の酸味・えぐ味を有さない茶抽出物が得られることを見出し、本発明の完成に至った。
また、非重合体カテキン類の濃度として1〜10重量%含有する状態にてタンナーゼ処理を行うことにより、大量製造においても効率よく、苦渋味・収斂味の低減した非重合体カテキン類含有水性溶液を製造できることを見出した。
かくして本発明は、茶抽出液をタンナーゼ処理した後、該処理液をBx20°〜Bx50°に濃縮し、冷却することにより、タンナーゼ処理により遊離した没食子酸を析出させ、析出した没食子酸を分離除去することを特徴とする茶抽出処理物の製造方法を提供するものである。
また、本発明は、前記茶抽出処理物における
(a)非重合体カテキン類中のガレート体率が0〜40重量%であり、かつ
(b)没食子酸/(非重合体カテキン類+没食子酸)が0〜0.3(重量比)である前記に記載の茶抽出処理物の製造方法を提供するものである。
さらに、本発明では、前記茶抽出液中の非重合体カテキン類の濃度が1〜10重量%である前記に記載の茶抽出処理物の製造方法も提供される。
また、本発明は、前記いずれかに記載の方法により得られる茶抽出処理物を提供するものである。
本発明には、また、前記茶抽出処理物を含有する飲食品も含まれる。
本発明によればタンナーゼ処理により非重合カテキン中のガレート型カテキン類含量を低減させることにより苦渋味・収斂味を低減させ、さらにタンナーゼ処理により遊離した没食子酸含量を低減させることにより酸味・えぐ味を除くことができ、風味の良好な茶抽出物の製造方法を提供することができる。また、従来の方法に比べて高濃度でタンナーゼ処理を行うことにより、生産効率・製造コストの観点から有利である。
本発明における非重合体カテキン類とは、カテキン、ガロカテキン、カテキンガレート、ガロカテキンガレートなどの非エピ体カテキン類及びエピカテキン、エピガロカテキン、エピカテキンガレート、エピガロカテキンガレートなどのエピ体カテキン類を8種あわせての総称である。本発明のガレート型カテキン類(エステル型カテキン類と同義)とは、前記のカテキン類のうちカテキンガレート、ガロカテキンガレート、エピガロカテキンガレート、エピカテキンガレート等の没食子酸エステル型のカテキン類の総称を意味する。本発明におけるガレート体率とは、前記ガレート型カテキン類4種の重量和の、前記8種からなる非重合体カテキン類の重量和に対する100分率である。
本発明に用いられる茶葉としては、ツバキ科の常緑樹であるチャ(学名:Camellia sinensis(L)O.Kuntze)から得られる茶葉から製茶された煎茶、番茶、玉露、てん茶、釜入り茶などの不発酵茶である緑茶;前記茶葉から半発酵又は発酵工程を経て製茶された烏龍茶、紅茶、黒茶などが挙げられる。
本発明の茶抽出液としては、例えば、上記した茶葉の抽出物又はその濃縮物が挙げられる。茶葉の抽出物としては、上記した茶葉を水又は水溶性有機溶媒で、例えば、10〜100℃にて、3分〜2時間、攪拌又はカラム抽出し、遠心分離など適宜な分離手段を採用して抽出液を分離した抽出物を例示することができ、茶葉抽出物の濃縮物としては、茶葉抽出物を有機溶媒、減圧濃縮、膜濃縮等により濃縮した濃縮物を例示することができる。また、市販の「ポリフェノン」(三井農林(株))、「テアフラン」((株)伊藤園)、「サンフェノン」(太陽化学(株))、「サンウーロン」(サントリー(株))、「PF−TP」((株)ファーマフーズ)、「ポリフェノンHG」(東京フードテクノ(株))などのカテキン粉末を水又は水溶性有機溶媒に溶解して茶抽出液とすることもできる。茶抽出液の非重合体カテキン類濃度は、1〜10%、好ましくは1〜5%、更に好ましくは1〜3%が適当である。非重合体カテキン類濃度が10%を越えると、非重合体カテキン類の浸透圧によりタンナーゼの活性が低下し、同じガレート体率を得るためにはタンナーゼ使用量を増やす必要があり効率が悪い。また非重合体カテキン類濃度が1%未満の場合、処理する液体の量が増えてしまい、生産効率が低下し製造コストの増大を引き起こす。この非重合体カテキン類濃度範囲内でタンナーゼ処理を行うことにより、工業的規模において効率よく作業を行うことが出来る。
本発明で使用されるタンナーゼは、非重合体カテキン類の没食子酸エステル結合を分解する活性を有するものであればいずれでも使用可能であり、具体的には、アスペルギルス属、ペニシリウム属、リゾプス属などのタンナーゼ生産菌を培養して得られるタンナーゼが使用できる。このうち、アスペルギルス・オリゼ由来のものが特に好ましい。
茶抽出液に対するタンナーゼの添加量は非重合体カテキン類量1mgあたりに換算すると、約0.02〜約2.0Unit、好ましくは約0.05〜約0.4Unitである。ここで1Unitは、30℃の水中においてタンニン酸に含まれるエステル結合を1分間に1マイクロモル加水分解する酵素量で定義される。タンナーゼ処理条件としては、その水溶液のpHは4.0〜6.0、好ましくは4.5〜5.5にすることが適当であり、その水溶液の温度は30〜45℃、好ましくは35〜40℃で行うことが適当である。タンナーゼ処理後はできるだけ速やかに70〜90℃に昇温し、タンナーゼを失活させ反応を停止する。
非重合体カテキン総量に対するエステル型カテキン含量はタンナーゼ処理時間、処理温度、処理濃度を制御することで目的にあったものに調整することが可能で、その反応の挙動は、反応液のpH変化により判断することができる。
以上の方法により、茶抽出液中の非重合体カテキン総量に対するエステル型カテキン含量を0〜40重量%となるように調整する。非重合体カテキン総量に対するエステル型カテキン含量を0〜40重量%に調整することにより苦渋味・収斂味を低減させることができる。エステル型カテキン含量が40重量%を越えた場合、苦渋味・収斂味が強く感じられ好ましくない。
タンナーゼ処理により、エステル型カテキンは分解され没食子酸が遊離する。この没食子酸はえぐ味のある酸味を有している。本発明ではタンナーゼ処理後のカテキン類含有水溶液を濃縮し、冷却することにより、タンナーゼ処理により遊離した没食子酸を析出させ、分離除去することを特徴とする。没食子酸の溶解度は沸騰水では33.3%であるのに対し、常温の水では1.15%(THE MERCK INDEX 13THEDITION 2001,p.772 MERCK&CO.,INC.)であり、温度により大きく異なる。多成分系である茶抽出液においては、水に対する溶解度とはやや異なるが、常温において没食子酸として約1.5〜2%を越える場合は結晶化して析出する。
没食子酸を析出させるためのタンナーゼ処理後の茶抽出液の好ましいpHは2.8〜5.2、より好ましくは3.2〜4.8である。これよりもpHが高いと、没食子酸が析出しにくくなり、pHが低い場合は茶飲料にした場合の風味が悪くなる。
没食子酸を析出させるためにはタンナーゼ処理後の茶抽出液中の没食子酸濃度が約1.5〜2%を越えるように濃縮する。没食子酸濃度として約1.5〜2%を越えた分が、後の冷却、静置の工程により析出する。そのためのタンナーゼ処理液の濃度は屈折糖度でBx10〜70°、好ましくはBx15〜60°、より好ましくはBx20〜50°である。Bxが10°未満では没食子酸の濃度も低く、冷却しても没食子酸の析出が起こりにくい。Bxが70°を越えると茶抽出液成分中のサポニン等の乳化力により系が均一な乳化状態となり、また、粘度が増し、没食子酸の分離が起こりにくくなる。濃縮方法としてはいかなる方法も用いることができるが、例えば、バッチ式、回転薄膜式または遠心式等による減圧濃縮、凍結濃縮、UF膜濃縮等を挙げることができる。
次いで得られた濃縮液は没食子酸の溶解度を下げるために、温度を下げる。没食子酸の溶解度は低温ほど低くなるため、冷却温度は凍結しない範囲内で低い方が好ましく、0〜20℃、好ましくは3〜15℃、より好ましくは5〜10℃の範囲内を例示することができる。次いで没食子酸を十分析出させるため同温度で、1〜96時間、好ましくは2〜72時間、より好ましくは5〜48時間静置する。静置時間が短いと没食子酸が十分析出せず、分離液中の没食子酸が多くなり、静置時間が長すぎると、目的成分である非重合体カテキン類まで析出してしまう可能性がある。
析出した没食子酸は、次いで、濾過、遠心分離等の適当な手段により分離除去する。
かくして、没食子酸/(非重合体カテキン類+没食子酸)が0〜0.3(重量比)である茶抽出処理物を得ることができる。
上記した方法により得られる本発明の茶抽出処理物は、そのまま水溶液の形態として使用することもできるが、所望により適宜な濃縮手段を採用して濃縮物の形態とする
こともできる。また、さらに所望により該水溶液にデキストリン、加工澱粉、サイクロデキストリン、アラビアガム等の賦形剤を添加又は添加しないで噴霧乾燥、真空乾燥、凍結乾燥などの適宜な乾燥手段を採用して乾燥することにより粉末状とすることもできる。
かくして、本発明によれば、苦渋味、収斂味の低減されかつ酸味・えぐ味を有しない非重合体カテキン類を含有する飲食品類、香粧品類、保健・衛生・医薬品類等を提供することができる。これらの例としては、例えば、茶類飲料、スポーツ飲料、炭酸飲料、果汁飲料、乳飲料、酒類などの飲料類;アイスクリーム類、シャーベット類、アイスキャンディー類などの冷菓類;和・洋菓子、チューインガム類、チョコレート類、パン類、コーヒー、紅茶などの嗜好品類;各種のスナック類などに本発明の製造方法によって得られる非重合体カテキン類を配合することにより、各種の機能性が付与された飲食品類を提供することができる。
以下、実施例および比較例を挙げて、本発明をさらに具体的に説明する。
実施例1
PF−TP90((株)ファーマフーズ製:非重合体カテキン類含有量84重量%、ガレート体率81.6%)1.43%水溶液6000gを調製し(Bx2.22°、pH5.4、非重合体カテキン類含量1.2%、没食子酸含量0.01%)35℃に加温した後、タンナーゼ(キッコーマン社製5000Unit/g)を2.16g(非重合体カテキン類1mgに対し0.15Unit)添加した。同温度にて120分間静置保持した後、80℃に昇温することでタンナーゼを失活し反応を停止した(pH3.2、非重合体カテキン類1.00%、ガレート体率0.34%、没食子酸含量0.45%)。引き続きロータリーエバポレーターにて減圧濃縮し、Bx20.1°の濃縮液を得た(非重合体カテキン類8.24%、ガレート体率0.43%、没食子酸含量3.98%)。得られた濃縮液を5℃に冷却し、40時間静置した。析出した沈殿物をデカンテーションおよび濾紙濾過にて除去し、重曹にてpH5.4に調整し、カテキン類含有水溶液を得た(本発明品1:pH5.4、非重合体カテキン類8.20%、ガレート体率0.55%、没食子酸含量1.96%、没食子酸/(没食子酸+非重合体カテキン類)=0.193)。
カテキン類の測定方法
試料を蒸留水で希釈した後、フィルター(0.45μm)でろ過し、Waters製高速液体クロマトグラフィー(Waters2695型セパレーションモジュール、Waters2996フォトダイオードアレーモジュール)を用い、オクタデシル基導入液体クロマトグラフ用パックドカラム L−カラムTM ODS(4.6mmφ×250mm:(財)化学物質評価研究機構製)を装着し、カラム温度35℃でグラジエント法で行い、移動相A液は酢酸を0.1モル/リットル含有の水溶液、B液は酢酸を0.1モル/リットル含有のアセトニトリル溶液とし、試料注入量は10μL、UV検出波長は280nmの条件で行った。
比較例1
PF−TP90((株)ファーマフーズ製:非重合体カテキン類含有量84重量%、ガレート体率81.6%)1.43%水溶液6000gを調製し(Bx2.22°、pH5.4、非重合体カテキン類含量1.2%、没食子酸含量0.01%)、80℃に昇温後30℃まで冷却し、カテキン類含有水溶液を得た(比較品1:pH5.4、非重合体カテキン類1.20%、ガレート体率81.6%、没食子酸含量0.01%、没食子酸/(没食子酸+非重合体カテキン類)=0.008)。
比較例2
PF−TP90(株式会社ファーマフーズ製:非重合体カテキン類含有量84重量%、ガレート体率81.6%)1.43%水溶液6000gを調製し(Bx2.22°、pH5.4、非重合体カテキン類含量1.2%、没食子酸含量0.01%)35℃に加温した後、タンナーゼ(キッコーマン社製5000Unit/g)を2.16g(非重合体カテキン類1mgに対し0.15Unit)添加した。同温度にて120分間静置保持した後、80℃に昇温することでタンナーゼを失活し反応を停止し、30℃まで冷却し、重曹にてpHを5.4に調製した(比較品2、pH5.4、非重合体カテキン類1.00%、ガレート体率0.34%、没食子酸含量0.45%、没食子酸/(没食子酸+非重合体カテキン類)=0.310)。
実施例2
PF−TP90((株)ファーマフーズ製:非重合体カテキン類含有量84重量%、ガレート体率81.6%)1.43%水溶液6000gを調製し(pH5.4、非重合体カテキン類含量1.2%、没食子酸含量0.01%)35℃に加温した後、タンナーゼ(キッコーマン社製5000Unit/g)を2.16g(非重合体カテキン類1mgに対し0.15Unit)添加した。同温度にて30分間静置保持した後、80℃に昇温することでタンナーゼを失活し反応を停止した(pH4.2、非重合体カテキン類1.05%、ガレート体率22.5%、没食子酸含量0.32%)。引き続きロータリーエバポレーターにて減圧濃縮し、Bx20.0°の濃縮液を得た(非重合体カテキン類8.66%、ガレート体率22.5%、没食子酸含量2.85%)。得られた濃縮液を5℃に冷却し、40時間静置した。析出した沈殿物をデカンテーションおよび濾紙濾過にて除去し、重曹にてpH5.4に調整し、カテキン類含有水溶液を得た(本発明品2:pH5.4、非重合体カテキン類8.60%、ガレート体率23.5%、没食子酸含量1.94%、没食子酸/(没食子酸+非重合体カテキン類)=0.184)。
比較例3
PF−TP90((株)ファーマフーズ製:非重合体カテキン類含有量84重量%、ガレート体率81.6%)1.43%水溶液6000gを調製し(Bx2.22°、pH5.4、非重合体カテキン類含量1.2%、没食子酸含量0.01%)35℃に加温した後、タンナーゼ(キッコーマン社製5000Unit/g)を0.72g(非重合体カテキン類1mgに対し0.05Unit)添加した。同温度にて30分間静置保持した後、80℃に昇温することでタンナーゼを失活し反応を停止した(pH4.7、非重合体カテキン類1.12%、ガレート体率41.5%、没食子酸含量0.20%)。引き続きロータリーエバポレーターにて減圧濃縮し、Bx30.0°の濃縮液を得た(非重合体カテキン類14.05%、ガレート体率41.5%、没食子酸含量2.55%)。得られた濃縮液を5℃に冷却し、40時間静置した。析出した沈殿物をデカンテーションおよび濾紙濾過にて除去し、重曹にてpH5.4に調整し、カテキン類含有水溶液を得た(比較品3:pH5.4、非重合体カテキン類13.85%、ガレート体率42.4%、没食子酸含量1.87%、没食子酸/(没食子酸+非重合体カテキン類)=0.119)。
実施例3
PF−TP90((株)ファーマフーズ製:非重合体カテキン類含有量84重量%、ガレート体率81.6%)9.53%水溶液500gを調製し(Bx14.8°、非重合体カテキン類8.0%、ガレート体率81.6%、pH5.0)、35℃に加温した後タンナーゼ(キッコーマン社製5000Unit/g)を2.4g(非重合体カテキン類1mgに対し0.3Unit)添加した。同温度にて180分間静置保持した後、80℃に昇温することでタンナーゼを失活し反応を停止した(pH4.6、非重合体カテキン類7.3%、ガレート体率35.5%、没食子酸1.43%)。実施例3においてはタンナーゼを非重合体カテキンに対し実施例1の2倍使用し、さらに反応時間も1.5倍に延長したにもかかわらず、タンナーゼ処理液のガレート体率は35.5%までしか下がらなかった。タンナーゼ処理後の液は引き続きロータリーエバポレーターにて減圧濃縮し、Bx30.0°の濃縮液を得た(非重合体カテキン類13.9%、ガレート体率35.5%、没食子酸含量2.69%)。得られた濃縮液を5℃に冷却し、40時間静置した。析出した沈殿物をデカンテーションおよび濾紙濾過にて除去し、重曹にてpH5.4に調整し、カテキン類含有水溶液を得た(本発明品3:非重合体カテキン類13.6%、ガレート体率37.8%、没食子酸含量1.94%、没食子酸/(没食子酸+非重合体カテキン類)=0.125)。
本発明品1〜3および比較品1〜3茶抽出処理液の(a)非重合体カテキン類中のガレート体率および(b)没食子酸/(非重合体カテキン類+没食子酸)の値を表1に示す。
Figure 0004673247
実施例4(緑茶飲料に配合した例)
煎茶100gに60℃イオン交換水2000gを加え、時々攪拌しながら10分間静置した後、40メッシュ金網にて茶葉を分離した。茶葉の残渣をイオン交換水1000gにて洗浄し、抽出液と洗浄液をあわせNo.2濾紙を使用して吸引ろ過した後、ろ液にL−アスコルビン酸ナトリウム4gと重曹0.2gを加え、イオン交換水にて非重合体カテキン類濃度として500ppmとなるよう調製した(全体量約10Kg)。この緑茶飲料に本発明品1〜3および比較品1〜3の緑茶抽出処理物をそれぞれ非重合体カテキン類濃度として1000ppmとなるように配合し、138℃、30秒UHT殺菌を行い、88℃に冷却しペットボトルに充填し、さらに30℃まで水冷した。それぞれのペットボトル飲料は常温で2週間保存後、20名の良く訓練されたパネラーにて官能評価を行った。官能評価結果は苦渋味・収斂味、酸味・えぐ味、総合評価を対象としそれぞれ20点を満点とし、非常に好ましい:17〜20点、やや良い:14〜17点、普通:11〜14点、やや劣る:8〜11点、劣る:8点以下の評価基準で採点し20名のパネラーの平均点を表2に示す。
Figure 0004673247
表2に示すとおり本発明品を添加した緑茶飲料は、1000ppmという高濃度の非重合体カテキン類を含有するにもかかわらず、苦渋味・収斂味および酸味・えぐ味等の不自然な味は感じられず、自然な緑茶の風味を有していた。
一方、比較品1(タンナーゼ処理未処理:ガレート体率81.6%)および比較品3(タンナーゼ処理を行ったがガレート体率が42.4%)を添加した緑茶飲料は苦渋味・収斂味が強く、顕著に感じられた。また、タンナーゼ処理によりガレート率を40%以下としたが没食子酸の除去処理を行っていない比較品2を添加した緑茶飲料は酸味・えぐ味が強く感じられた。
実施例5
PF−TP90((株)ファーマフーズ製:非重合体カテキン類含有量84重量%、ガレート体率81.6%)14.3%水溶液500gを調製し(Bx22.2°、非重合体カテキン類12.0%、ガレート体率81.6%、pH5.0)、35℃に加温した後タンナーゼ(キッコーマン社製5000Unit/g)を3.6g(非重合体カテキン類1mgに対し0.3Unit)添加した。同温度にて180分間静置保持した時点でのガレート体率は45.6%であった。そこでさらに、同温度にて60分間保持したが、ガレート体率は42.3%までしか低下しておらず、水溶液中の非重合体カテキン類濃度が10%を越えた場合には、タンナーゼの作用が十分発揮されないことが示された。
実施例6
PF−TP90((株)ファーマフーズ製:非重合体カテキン類含有量84重量%、ガレート体率81.6%)1.43%水溶液6000gを調製し(Bx2.22°、pH5.4、非重合体カテキン類含量1.2%、没食子酸含量0.01%)35℃に加温した後、タンナーゼ(キッコーマン社製5000Unit/g)を2.16g(非重合体カテキン類1mgに対し0.15Unit)添加した。同温度にて120分間静置保持した後、80℃に昇温することでタンナーゼを失活し反応を停止した(pH3.2、非重合体カテキン類1.00%、ガレート体率0.34%、没食子酸含量0.45%)。引き続きロータリーエバポレーターにて表3に示す濃度まで減圧濃縮し、濃縮液を得た。得られた濃縮液を5℃に冷却し、40時間静置した。析出した沈殿物をデカンテーションおよび濾紙濾過にて除去し、カテキン類含有水溶液を得た。濃縮液の濃度および沈殿除去前後の液の組成(非重合体カテキン類、ガレート体率、没食子酸含量、没食子酸/(没食子酸+非重合体カテキン類))を表3に示す。
Figure 0004673247
表3に示したとおり、没食子酸濃度が約1.5〜2%を越えた場合、冷却、静置により没食子酸が析出し除去されていることがわかる。また、濃縮液の濃度としては約Bx10°を越える時点から没食子酸が効率よく析出し除去されている。

Claims (3)

  1. 茶抽出液をタンナーゼ処理した後、該処理液をBx20°〜Bx50°に濃縮し、冷却することにより、タンナーゼ処理により遊離した没食子酸を析出させ、析出した没食子酸を分離除去することを特徴とする茶抽出処理物の製造方法。
  2. 前記茶抽出処理物における
    (a)非重合体カテキン類中のガレート体率が0〜40重量%であり、かつ
    (b)没食子酸/(非重合体カテキン類+没食子酸)が0〜0.3(重量比)である請求項1に記載の茶抽出処理物の製造方法。
  3. 前記茶抽出液中の非重合体カテキン類の濃度が1〜10重量%である請求項1または2のいずれかに記載の茶抽出処理物の製造方法。
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