JP6312418B2 - 茶抽出物の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、茶抽出物の製造方法に関する。
消費者の嗜好の多様化、健康志向の高揚により多種多様の飲料が上市されている。中でも、非重合体カテキン類などの機能性物質を含む茶飲料が注目されている。茶飲料は、通常、茶抽出物などを利用して非重合体カテキン類などの機能性物質を飲料に溶解状態で配合して製造されているが、茶飲料に配合される茶抽出物の種類によって、苦渋味や濁りにより商品価値が損なわれることがあった。
そこで、このような問題を解決すべく、茶飲料に配合すべき茶抽出物の精製方法について様々な検討がなされている。例えば、緑茶抽出物を有機溶媒と水の重量比が90/10〜99/1の混合溶液中で活性炭及び酸性白土又は活性白土と接触させ、有機酸及びその塩を添加して生成する不溶物を除去することで、容器詰飲料を調製した際に濁りを生じない精製茶抽出物を得る方法(特許文献1)、緑茶抽出物を有機溶媒と水の重量比が91/9〜97/3の混合溶液中で、活性炭及び酸性白土又は活性白土と接触させ、水溶性無機塩を添加して生成する不溶物を除去することで、容器詰飲料を調製した際に濁りを生じない精製茶抽出物を得る方法(特許文献2)などが提案されている。
特開2006−288383号公報 特開2007−89561号公報
茶抽出物の精製においては、通常エタノールなどの有機溶媒が使用されているが、本発明者らの検討により、非重合体カテキン類の純度が特定範囲内にある粗茶抽出物を高濃度のエタノールに溶解すると、非重合体カテキン類の溶解性が低下することが判明した。
本発明の課題は、高濃度の有機溶媒に対する非重合体カテキン類の溶解性を高めた茶抽出物の製造方法、及び非重合体カテキン類の有機溶媒への溶出率向上方法を提供することにある。
本発明者らは、上記課題に鑑み種々検討した結果、固形分中の非重合体カテキン類の含有量が5〜40質量%である粗茶抽出物と水溶性金属塩とを混合することにより、高濃度の有機溶媒に対する非重合体カテキン類の溶解性が大幅に改善された茶抽出物が得られることを見出した。そして、当該茶抽出物を有機溶媒水溶液と接触させることで、非重合体カテキン類の溶出率が向上した茶抽出物が得られることを見出した。
すなわち、本発明は、固形分中の非重合体カテキン類の含有量が5〜40質量%である粗茶抽出物と、水溶性金属塩とを混合し、有機溶媒水溶液と接触させる工程を含む茶抽出物の製造方法を提供するものである。
本発明はまた、固形分中の非重合体カテキン類の含有量が5〜40質量%である粗茶抽出物と、水溶性金属塩とを混合する、非重合体カテキン類の有機溶媒水溶液への溶出率向上方法を提供するものである。
本発明によれば、高濃度の有機溶媒に対する非重合体カテキン類の溶解性を高めた茶抽出物を得ることができる。また、本発明の茶抽出物は、高濃度のエタノールをはじめとする有機溶媒に対する非重合体カテキン類の溶解性が改善されているため、更に精製工程に供するための原料としても有用である。
本発明の茶抽出物の製造方法は、固形分中の非重合体カテキン類の含有量が5〜40質量%である粗茶抽出物と、水溶性金属塩とを混合し、有機溶媒水溶液と接触させる工程を含むものである。
本発明で使用する「粗茶抽出物」としては、例えば、茶抽出液又はその濃縮物が挙げられ、その形態としては、固体、液体、溶液、スラリー等の種々のものがある。
ここで、「茶抽出液」とは、茶から水又は親水性有機溶媒を用いてニーダー抽出やカラム抽出等により抽出したものであって、濃縮や精製操作が行われていないものをいう。なお、親水性有機溶媒として、例えば、エタノール等のアルコールを使用することができる。
また、「茶抽出液の濃縮物」とは、茶から水又は親水性有機溶媒により抽出した茶抽出液から溶媒の少なくとも一部を除去して非重合体カテキン類濃度を高めたものをいい、例えば、特開昭59−219384号公報、特開平4−20589号公報、特開平5−260907号公報、特開平5−306279号公報等に記載の方法により調製することができる。
抽出に使用する茶としては、例えば、Camellia属、例えば、C.sinensis.var.sinensis(やぶきた種を含む)、C.sinensis.var.assamica及びそれらの雑種から選択される茶樹が挙げられる。茶樹は、その加工方法により、不発酵茶、半発酵茶、発酵茶に大別することができる。
不発酵茶としては、例えば、煎茶、番茶、碾茶、釜入り茶、茎茶、棒茶、芽茶の緑茶が挙げられる。また、半発酵茶としては、例えば、鉄観音、色種、黄金桂、武夷岩茶等の烏龍茶が挙げられる。更に、発酵茶としては、ダージリン、アッサム、スリランカ等の紅茶が挙げられる。これらは単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。中でも、非重合体カテキン類の含有量の点から、緑茶が好ましい。
ここで、「非重合体カテキン類」とは、カテキン、ガロカテキン、カテキンガレート及びガロカテキンガレート等の非エピ体カテキン類、並びにエピカテキン、エピガロカテキン、エピカテキンガレート及びエピガロカテキンガレート等のエピ体カテキン類を併せての総称である。非重合体カテキン類濃度は、上記8種の合計量に基づいて定義される。
本発明においては、茶抽出液又はその濃縮物の固形物、すなわち粉末状の粗茶抽出物として、例えば、三井農林(株)の「ポリフェノン」、伊藤園(株)の「テアフラン」、太陽化学(株)の「サンフェノン」等の市販品を使用することもできる。
本発明で用いる粗茶抽出物は、固形分中の非重合体カテキン類の含有量が5〜40質量%であるが、非重合体カテキン類の溶出率向上の観点から、8質量%以上が好ましく、10質量%以上がより好ましく、15質量%以上が更に好ましく、そして、38質量%以下が好ましく、36質量%以下がより好ましく、35質量%以下が更に好ましい。粗茶抽出物の固形分中の非重合体カテキン類の範囲としては、好ましくは8〜38質量%、より好ましくは10〜36質量%、更に好ましくは15〜35質量%である。ここで、本明細書において「非重合体カテキン類」の含有量の測定は、後掲の実施例に記載の方法にしたがうものとする。また、「固形分」とは、試料を105℃の電気恒温乾燥機で3時間乾燥して揮発物質を除いた残分をいう。
また、本発明で使用する水溶性金属塩とは、水への溶解度が10g/100mL以上の金属塩を意味する。水溶性金属塩としては、水溶性の無機金属塩が好ましく、具体的には、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩を挙げることができる。アルカリ金属塩としては、塩化カリウム、塩化ナトリウム、塩化リチウム等のアルカリ金属のハロゲン化物が挙げられ、またアルカリ土類金属塩としては、塩化カルシウム、塩化マグネシウム等のアルカリ土類金属のハロゲン化物、硫酸マグネシウム等のアルカリ土類金属の硫酸塩を挙げることができる。中でも、アルカリ金属又はアルカリ土類金属のハロゲン化物、アルカリ土類金属の硫酸塩が好ましく、硫酸マグネシウム、塩化マグネシウム、塩化ナトリウム、塩化カルシウム、塩化リチウムが好ましく、硫酸マグネシウム、塩化マグネシウム、塩化カルシウムがより好ましい。
なお、水溶性金属塩は、1種でも良く、2種類以上混合して使用しても良い。2種の水溶性金属塩を用いる場合の好適な組み合わせとしては、塩化リチウム、塩化カルシウム又は硫酸マグネシウムと、塩化マグネシウムとの組み合わせ、硫酸マグネシウム又は塩化リチウムと、塩化ナトリウムとの組み合わせを挙げることができる。
水溶性金属塩の使用量は、非重合体カテキン類の溶出率向上の観点から、粗茶抽出物の固形分に対して、0.1質量%以上が好ましく、0.5質量%以上がより好ましく、1質量%以上が更に好ましく、また生産性の観点から、30質量%以下が好ましく、25質量%以下がより好ましく、20質量%以下が更に好ましく、15質量%以下が更に好ましい。かかる使用量の範囲としては、粗茶抽出物の固形分に対して、好ましくは0.1〜30質量%、より好ましくは0.5〜25質量%、更に好ましくは0.5〜20質量%、更に好ましくは1〜15質量%である。なお、本明細書において、水溶性金属塩の使用量は、無水物換算した値である。
また、粗茶抽出物の固形分1g当たりの水溶性金属塩の使用量は、非重合体カテキン類の溶出率向上の観点から、0.05mmol以上が好ましく、0.1mmol以上がより好ましく、0.2mmol以上が更に好ましく、また生産性の観点から、2.0mmol以下が好ましく、1.5mmol以下がより好ましく、1.0mmol以下が更に好ましい。かかる使用量の範囲としては、粗茶抽出物の固形分1g当たり、好ましくは0.05〜2.0mmol、より好ましくは0.1〜1.5mmol、更に好ましくは0.2〜1.0mmolである。
粗茶抽出物と水溶性金属塩との混合方法としては、一方を他方に添加して混合しても、両者を同時に添加して混合してもよい。
また、粗茶抽出物と水溶性金属塩との混合は、均一に分散する点から、水存在下で行うことが好ましい。水存在下で粗茶抽出物と水溶性金属塩とを混合する方法としては特に限定されず、水、粗茶抽出物及び水溶性金属塩を個別に添加しても、3者を同時に添加してもよい。なお、個別に添加する場合、水、粗茶抽出物及び水溶性金属塩の添加順序は特に限定されない。
粗茶抽出物と水溶性金属塩を混合する際の水の使用量は、粗茶抽出物の固形分に対して、1質量倍以上が好ましく、3質量倍以上がより好ましく、6質量倍以上が更に好ましく、そして、100質量倍以下が好ましく、50質量倍以下がより好ましく、30質量倍以下が更に好ましい。水の使用量の範囲としては、粗茶抽出物の固形分に対して、好ましくは1〜100質量倍、より好ましくは3〜50質量倍、更に好ましくは6〜30質量倍である。
粗茶抽出物に溶媒として水が含まれている場合には、当該粗茶抽出物中の水の含有量を考慮し、水の使用量が上記範囲内となるように加水することができる。また、水溶性金属塩は、固体のまま添加しても良いが、水溶液の形態で添加しても良い。水溶液の形態で添加する場合、当該水溶液中の水の含有量を考慮し、水の使用量が上記範囲内となるように加水することができる。
また、水溶媒の一部を有機溶媒で置換し有機溶媒水溶液としてもよい。有機溶媒としては、親水性有機溶媒が好ましい。具体的には、エタノール、メタノールなどのアルコール、アセトンなどのケトン、酢酸エチルなどのエステル等を挙げることができる。中でも、アルコール、ケトンが好ましく、エタノールが更に好ましい。有機溶媒水溶液中の有機溶媒濃度は、30質量%以下が好ましく、20質量%以下がより好ましく、10質量%以下が更に好ましい。なお、下限値は、特に限定されない。
粗茶抽出物と水溶性金属塩との混合時間は、非重合体カテキン類の溶出率向上の観点から、0.1時間以上が好ましく、0.2時間以上がより好ましく、また生産性の観点から、12時間以下が好ましく、6時間以下がより好ましく、3時間以下が更に好ましい。混合時間の範囲としては、好ましくは0.1〜12時間、より好ましくは0.2〜6時間、更に好ましくは0.2〜3時間である。
また、混合温度は、生産効率の観点から、5℃以上が好ましく、10℃以上がより好ましく、20℃以上が更に好ましく、そして、98℃以下が好ましく、90℃以下がより好ましく、80℃以下が更に好ましい。混合温度の範囲としては、好ましくは5〜98℃、より好ましくは10〜90℃、更に好ましくは20〜80℃である。
次に、混合後の茶抽出物を有機溶媒水溶液と接触させる。この場合、混合後の茶抽出物をそのまま有機溶媒水溶液と接触させてもよいが、接触前に混合後の茶抽出物を、濃縮しても、乾燥してもよい。濃縮は、常圧下でも、減圧下でもよく、特に限定されない。また、乾燥方法としては、例えば、噴霧乾燥、凍結乾燥等を挙げることができる。
混合後の茶抽出物と有機溶媒水溶液との接触は、混合後の茶抽出物を有機溶媒水溶液に溶解又は分散すればよい。溶解又は分散方法は特に限定されず、一方を他方に添加しても、両者を同時に添加してもよい。
有機溶媒水溶液中の有機溶媒としては、前述と同様に親水性有機溶媒が好ましく、例えば、エタノール、メタノール等のアルコール、アセトン等のケトン、酢酸エチル等のエステルが挙げられる。中でも、アルコール、ケトンが好ましく、食品への使用を考慮すると、アルコールがより好ましく、エタノールが更に好ましい。
有機溶媒水溶液中の有機溶媒濃度は、非重合体カテキン類の溶解性改善の観点から、60質量%以上が好ましく、63質量%以上がより好ましく、65質量%以上が更に好ましく、そして98質量%以下が好ましく、96質量%以下が好ましく、94質量%以下が更に好ましい。かかる有機溶媒濃度の範囲としては、好ましくは60〜98質量%、より好ましくは63〜96質量%、更に好ましくは65〜94質量%である。
有機溶媒水溶液の濃度調整方法としては、例えば、有機溶媒濃度が上記範囲内となるように有機溶媒と水を混合する方法、混合後の茶抽出物を水に溶解した後、有機溶媒を添加して有機溶媒濃度を上記範囲内に調整する方法、混合後の茶抽出物を有機溶媒に懸濁後、徐々に水を添加して有機溶媒濃度を上記範囲内に調整する方法等が挙げられ、特に限定されない。
有機溶媒水溶液の使用量は、非重合体カテキン類の溶解性改善の観点から、茶抽出物の固形分に対して、2質量倍以上が好ましく、3質量倍以上がより好ましく、4質量倍以上が更に好ましく、そして、10質量倍以下が好ましく、8質量倍以下がより好ましく、6質量倍以下が更に好ましい。有機溶媒水溶液の使用量の範囲としては、茶抽出物の固形分に対して、好ましくは2〜10質量倍、より好ましくは3〜8質量倍、更に好ましくは4〜6質量倍である。
接触時間は、好ましくは0.5〜12時間、より好ましくは1〜10時間、更に好ましくは2〜8時間である。
また、接触温度は、生産効率の観点から、好ましくは10〜50℃、より好ましくは15〜40℃、更に好ましくは20〜30℃である。
次に、有機溶媒水溶液と接触後の茶抽出物を、固液分離してもよい。固液分離としては、例えば、デカンテーション、濾紙ろ過、遠心分離、膜ろ過、及び珪藻土ろ過等が挙げられる。これらは1種又は2種以上を組み合わせて行うことができる。
遠心分離に用いる遠心分離機としては、分離板型、円筒型、デカンター型等の一般的な機器を使用することができる。遠心分離条件は、適宜選択することができるが、例えば、次のとおりである。温度は、5〜70℃が好ましく、10〜40℃が更に好ましい。回転数と時間は、例えば、分離板型の場合、好ましくは2000〜10000r/min、より好ましくは2500〜9000r/min、更に好ましくは3000〜8000r/minで、好ましくは0.2〜75分、より好ましくは0.5〜60分、更に好ましくは1〜30分である。
膜ろ過による処理条件としては、一般的なろ過条件を採用することができるが、膜孔径は、好ましくは0.1〜10μm、より好ましくは0.15〜5μm、更に好ましくは0.2〜2μmである。なお、膜孔径の測定方法は、水銀圧入法、バブルポイント試験、細菌ろ過法等を用いた一般的な測定方法が挙げられるが、バブルポイント試験で求めた値を用いることが好ましい。膜ろ過で使用する膜の材質としては、高分子膜、セラミック膜、ステンレス膜等を挙げることができる。
また、本発明においては、混合後の茶抽出物と有機溶媒水溶液との接触を、活性炭、酸性白土及び活性白土から選ばれる少なくとも1種の吸着剤の存在下にて行うことができる。中でも、カフェイン除去の観点から、活性炭及び酸性白土の存在下にて行うことが好ましい。なお、混合後の茶抽出物と、有機溶媒水溶液と、活性炭、酸性白土及び活性白土との接触順序は特に限定されない。例えば、(1)有機溶媒水溶液に混合後の茶抽出物を添加し、活性炭を添加し、次いで酸性白土又は活性白土を添加する方法、(2)有機溶媒水溶液に混合後の茶抽出物を添加し、酸性白土又は活性白土を添加し、次いで活性炭を接触する方法、(3)有機溶媒水溶液に活性炭を添加し、これに混合後の茶抽出物を添加し、次いで酸性白土又は活性白土を添加する方法等が挙げられるが、(4)有機溶媒水溶液に酸性白土又は活性白土を添加し、これに混合後の茶抽出物を添加し、次いで活性炭を添加する方法が好ましい。これらの各成分の添加の間に、ろ過を行うのが好ましい。また混合後の茶抽出物を2回以上に分割して添加した場合、その間にろ過を行ってもよい。
活性炭としては、一般に工業レベルで使用されているものであれば特に制限されず、例えば、ZN−50(北越炭素社製)、クラレコールGLC、クラレコールPK−D、クラレコールPW−D(クラレケミカル社製)、白鷲AW50、白鷲A、白鷲M、白鷲C(武田薬品工業社製)等の市販品を用いることができる。活性炭の細孔容積は0.01〜0.8mL/gが好ましく、0.1〜0.7mL/gが更に好ましい。また、比表面積は、800〜2000m2/gが好ましく、900〜1600m2/gが更に好ましい。なお、これらの物性値は窒素吸着法に基づく値である。
活性炭の使用量は、有機溶媒水溶液に対して、好ましくは0.5〜15質量%、より好ましくは0.5〜10質量%、更に好ましくは1.0〜8質量%である。また、活性炭の使用量は、茶抽出物の固形分に対して、5質量%以上が好ましく、10質量%以上がより好ましく、また生産性の観点から、40質量%以下が好ましく、30質量%以下がより好ましい。かかる活性炭の使用量は、茶抽出物の固形分に対して、好ましくは5〜40質量%、より好ましくは10〜30質量%である。このような活性炭の使用量とすることで、カフェインを効率的に除去することができる。
酸性白土又は活性白土は、ともに一般的な化学成分として、SiO2、Al23、Fe23、CaO、MgO等を含有するものであり、SiO2/Al23比は、好ましくは3〜12、更に好ましくは4〜9である。また、Fe23を2〜5質量%、CaOを0〜1.5質量%、MgOを1〜7質量%含有する組成のものが好ましい。活性白土は、天然に産出する酸性白土(モンモリロナイト系粘土)を硫酸等の鉱酸で処理したものであり、大きい比表面積と吸着能を有する多孔質構造をもった化合物である。
酸性白土又は活性白土の比表面積は、酸処理の程度等により異なるが、50〜350m2/gが好ましく、pH(5質量%サスペンジョン)は2.5〜8が好ましく、3.6〜7が更に好ましい。例えば、酸性白土としては、ミズカエース#600(水澤化学社製) 等の市販品を用いることができる。
酸性白土又は活性白土の使用量は、有機溶媒水溶液に対して、好ましくは0.5〜30質量%、より好ましくは1.5〜20質量%、更に好ましくは2.5〜15質量%である。また、酸性白土又は活性白土の使用量は、茶抽出物の固形分に対して、20質量%以上が好ましく、30質量%以上がより好ましく、そして生産性の観点から、200質量%以下が好ましく、100質量%以下がより好ましい。酸性白土又は活性白土の使用量は、茶抽出物の固形分に対して、好ましくは20〜200質量%、より好ましくは30〜100質量%である。
また、活性炭と、酸性白土又は活性白土とを併用する場合、その割合は、活性炭を1とする質量比で、好ましくは1〜10、更に好ましくは1〜6である。
本発明においては、吸着剤で処理した後の茶抽出物を、例えば、濾紙ろ過、遠心分離、膜ろ過、珪藻土ろ過等の固液分離に供することができる。これらは、2以上を組み合わせて行ってもよい。
更に、有機溶媒水溶液と接触後の茶抽出物を、合成吸着剤、イオン交換樹脂と接触させることもできる。
また、本発明の茶抽出物は、高濃度のアルコールを始めとする種々の有機溶媒水溶液に対する非重合体カテキン類の溶解性が改善されているため、高濃度の有機溶媒を用いた精製工程に供することが可能である。例えば、下記の(i)〜(iii)のいずれかの方法が挙げられる。
(i)当該茶抽出物を有機溶媒又は有機溶媒水溶液に溶解ないし分散し析出物を除去する方法。
(ii)当該茶抽出物を有機溶媒又は有機溶媒水溶液に溶解ないし分散し、活性炭、酸性白土、活性白土、合成吸着剤等の吸着剤と接触させる方法。
(iii)当該茶抽出物を有機溶媒又は有機溶媒水溶液に溶解ないし分散し、イオン交換樹脂と接触させる方法。
次に、非重合体カテキン類の有機溶媒水溶液への溶出率向上方法について説明する。
本発明の溶出率向上方法は、固形分中の非重合体カテキン類の含有量が5〜40質量%である粗茶抽出物と、水溶性金属塩とを混合するものである。これにより、高濃度の有機溶媒、例えば、有機溶媒濃度が60質量%以上、好ましくは70質量%以上の有機溶媒水溶液に対する非重合体カテキン類の溶出率を向上させることができる。有機溶媒水溶液中の有機溶媒濃度は、60質量%以上が好ましく、63質量%以上がより好ましく、65質量%以上が更に好ましく、70質量%以上が更に好ましく、80質量%以上がより更に好ましく、90質量%以上が殊更に好ましく、そして、98質量%以下が好ましく、96質量%以下がより好ましく、94質量%以下が更に好ましい。かかる有機溶媒濃度の範囲としては、好ましくは60〜98質量%、より好ましくは63〜96質量%、更に好ましくは65〜94質量%であり、また好ましくは70〜98質量%、より好ましくは80〜96質量%、更に好ましくは90〜94質量%とすることもできる。有機溶媒水溶液中の有機溶媒としては、親水性有機溶媒が好ましく、例えば、前述と同様のアルコール、ケトン、エステルを挙げることができる。中でも、アルコールが好ましく、エタノールが更に好ましい。
なお、本発明の溶出率向上方法は、前述の茶抽出物の製造方法と同様の構成を採用することができる。
このようにして本発明の茶抽出物が得られるが、製品形態としては液体でも固体でもよく、固体が望ましい場合は、例えば、噴霧乾燥や凍結乾燥等により乾燥して粉体化することができる。
前述の実施形態に関し、本発明は更に以下の茶抽出物の製造方法、非重合体カテキン類の有機溶媒水溶液への溶出率向上方法を開示する。
<1>
固形分中の非重合体カテキン類含有量が5〜40質量%である粗茶抽出物と、水溶性金属塩とを混合し、有機溶媒水溶液と接触させる工程を含む茶抽出物の製造方法。
<2>
固形分中の非重合体カテキン類含有量が5〜40質量%である粗茶抽出物と、水溶性金属塩とを混合する、非重合体カテキン類の有機溶媒水溶液への溶出率向上方法。
<3>
前記粗茶抽出物が、好ましくは茶抽出液又はその濃縮物である、前記<1>記載の茶抽出物の製造方法又は前記<2>記載の非重合体カテキン類の有機溶媒水溶液への溶出率向上方法(以下。「茶抽出物の製造方法又は非重合体カテキン類の有機溶媒水溶液への溶出率向上方法」を「製造方法等」と称する)。
<4>
前記粗茶抽出物が、好ましくは粗緑茶抽出物である、前記<1>〜<3>のいずれか一に記載の製造方法等。
<5>
前記粗茶抽出物は、固形分中の非重合体カテキン類の含有量が、好ましくは8質量%以上、より好ましくは10質量%以上、更に好ましくは15質量%以上であって、好ましくは38質量%以下、より好ましくは36質量%以下、更に好ましくは35質量%以下である、前記<1>〜<4>のいずれか一に記載の製造方法等。
<6>
前記粗茶抽出物は、固形分中の非重合体カテキン類の含有量が、好ましくは8〜38質量%、より好ましくは10〜36質量%、更に好ましくは15〜35質量%である、前記<1>〜<5>のいずれか一に記載の製造方法等。
<7>
前記非重合体カテキン類が、カテキン、ガロカテキン、カテキンガレート、ガロカテキンガレート、エピカテキン、エピガロカテキン、エピカテキンガレート及びエピガロカテキンガレートから選ばれる少なくとも1種である、前記<5>又は<6>記載の製造方法等。
<8>
前記水溶性金属塩が、好ましくは水溶性の無機金属塩、より好ましくはアルカリ金属塩及びアルカリ土類金属塩から選ばれる少なくとも1種、更に好ましくはアルカリ金属のハロゲン化物、アルカリ土類金属のハロゲン化物、及びアルカリ土類金属の硫酸塩から選ばれる少なくとも1種、より更に好ましくは塩化カリウム、塩化ナトリウム、塩化リチウム、塩化カルシウム、塩化マグネシウム及び硫酸マグネシウムから選ばれる少なくとも1種である、前記<1>〜<7>のいずれか一に記載の製造方法等。
<9>
前記水溶性金属塩を組み合わせて用いる場合、好ましくは塩化リチウム、塩化カルシウム又は硫酸マグネシウムと、塩化マグネシウムとの組み合わせであるか、又は硫酸マグネシウム又は塩化リチウムと、塩化ナトリウムとの組み合わせである、前記<1>〜<8>のいずれか一に記載の製造方法等。
<10>
前記水溶性金属塩の使用量が、前記粗茶抽出物の固形分に対して、好ましくは0.1質量%以上、より好ましくは0.5質量%以上、更に好ましくは1質量%以上であって、好ましくは30質量%以下、より好ましくは25質量%以下、更に好ましくは20質量%以下、更に好ましくは15質量%以下である、前記<1>〜<9>のいずれか一に記載の製造方法等。
<11>
前記水溶性金属塩の使用量が、前記粗茶抽出物の固形分に対して、好ましくは0.1〜30質量%、より好ましくは0.5〜25質量%、更に好ましくは0.5〜20質量%、更に好ましくは1〜15質量%である、前記<1>〜<10>のいずれか一に記載の製造方法等。
<12>
前記水溶性金属塩の使用量が、粗茶抽出物の固形分1g当たり、好ましくは0.05mmol以上、より好ましくは0.1mmol以上、更に好ましくは0.2mmol以上であって、好ましくは2.0mmol以下、より好ましくは1.5mmol以下、更に好ましくは1.0mmol以下である、前記<1>〜<11>のいずれか一に記載の製造方法等。
<13>
前記水溶性金属塩の使用量が、粗茶抽出物の固形分1g当たり、好ましくは0.05〜2.0mmol、より好ましくは0.1〜1.5mmol、更に好ましくは0.2〜1.0mmolである、前記<1>〜<12>のいずれか一に記載の製造方法等。
<14>
前記粗茶抽出物と前記水溶性金属塩との混合を、好ましくは水存在下で行う、前記<1>〜<13>のいずれか一に記載の製造方法等。
<15>
前記粗茶抽出物と前記水溶性金属塩を混合する際の水の使用量が、粗茶抽出物の固形分に対して、好ましくは1質量倍以上、より好ましくは3質量倍以上、更に好ましくは6質量倍以上であって、好ましくは100質量倍以下、より好ましくは50質量倍以下、更に好ましくは30質量倍以下である、前記<14>記載の製造方法等。
<16>
前記粗茶抽出物と前記水溶性金属塩を混合する際の水の使用量が、粗茶抽出物の固形分に対して、好ましくは1〜100質量倍、より好ましくは3〜50質量倍、更に好ましくは6〜30質量倍である、前記<14>又は<15>記載の製造方法等。
<17>
前記粗茶抽出物と前記水溶性金属塩との混合を、好ましくは有機溶媒水溶液存在下で行う、前記<1>〜<13>のいずれか一に記載の製造方法等。
<18>
前記有機溶媒が、好ましくは親水性有機溶媒、より好ましくはアルコール、ケトン及びエステルから選ばれる少なくとも1種、更に好ましくはアルコール及びケトンから選ばれる少なくとも1種、更に好ましくはアルコール、更に好ましくはエタノールである、前記<17>記載の製造方法等。
<19>
前記有機溶媒水溶液中の有機溶媒濃度が、好ましくは30質量%以下、より好ましくは20質量%以下、更に好ましくは10質量%以下である、前記<17>又は<18>記載の製造方法等。
<20>
前記粗茶抽出物と前記水溶性金属塩との混合時間が、好ましくは0.1時間以上、より好ましくは0.2時間以上であって、好ましくは12時間以下、より好ましくは6時間以下、更に好ましくは3時間以下である、前記<1>〜<19>のいずれか一に記載の製造方法等。
<21>
前記粗茶抽出物と前記水溶性金属塩との混合時間が、好ましくは0.1〜12時間、より好ましくは0.2〜6時間、更に好ましくは0.2〜3時間である、前記<1>〜<20>のいずれか一に記載の製造方法等。
<22>
前記粗茶抽出物と前記水溶性金属塩との混合温度が、好ましくは5℃以上、より好ましくは10℃以上、更に好ましくは20℃以上であって、好ましくは98℃以下、より好ましくは90℃以下、更に好ましくは80℃以下である、前記<1>〜<21>のいずれか一に記載の製造方法等。
<23>
前記粗茶抽出物と前記水溶性金属塩との混合温度が、好ましくは5〜98℃、より好ましくは10〜90℃、更に好ましくは20〜80℃である、前記<1>〜<22>のいずれか一に記載の製造方法等。
<24>
混合後の茶抽出物と有機溶媒水溶液との接触が、好ましくは混合後の茶抽出物を有機溶媒水溶液に溶解又は分散する方法である、前記<1>〜<23>のいずれか一に記載の製造方法等。
<25>
有機溶媒水溶液が、好ましくは親水性有機溶媒水溶液、より好ましくはアルコール水溶液、ケトン水溶液及びエステル水溶液から選ばれる少なくとも1種、更に好ましくはアルコール水溶液及びケトン水溶液から選ばれる少なくとも1種、更に好ましくはアルコール水溶液、更に好ましくはエタノール水溶液である、前記<1>〜<24>のいずれか一に記載の製造方法等。
<26>
有機溶媒水溶液中の有機溶媒濃度が、好ましくは60質量%以上、より好ましくは63質量%以上、更に好ましくは65質量%以上であって、好ましくは98質量%以下、より好ましくは96質量%以下、更に好ましくは94質量%以下である、前記<1>〜<25>のいずれか一に記載の製造方法等。
<27>
有機溶媒水溶液中の有機溶媒濃度が、好ましくは60〜98質量%、より好ましくは63〜96質量%、更に好ましくは65〜94質量%である、前記<1>〜<26>のいずれか一に記載の製造方法等。
<28>
有機溶媒水溶液の使用量が、茶抽出物の固形分に対して、好ましくは2質量倍以上、より好ましくは3質量倍以上、更に好ましくは4質量倍以上であって、好ましくは10質量倍以下、より好ましくは8質量倍以下、更に好ましくは6質量倍以下である、前記<1>〜<27>のいずれか一に記載の製造方法等。
<29>
有機溶媒水溶液の使用量が、茶抽出物の固形分に対して、好ましくは2〜10質量倍、より好ましくは3〜8質量倍、更に好ましくは4〜6質量倍である、前記<1>〜<28>のいずれか一に記載の製造方法等。
<30>
混合後の茶抽出物と有機溶媒水溶液との接触時間が、好ましくは0.5〜12時間、より好ましくは1〜10時間、更に好ましくは2〜8時間である、前記<1>〜<29>のいずれか一に記載の製造方法等。
<31>
混合後の茶抽出物と有機溶媒水溶液との接触温度が、好ましくは10〜50℃、より好ましくは15〜40℃、更に好ましくは20〜30℃である、前記<1>〜<30>のいずれか一に記載の製造方法等。
<32>
混合後の茶抽出物と有機溶媒水溶液との接触を、好ましくは活性炭、酸性白土及び活性白土から選ばれる少なくとも1種の存在下、より好ましくは活性炭及び酸性白土の存在下にて行う、前記<1>〜<31>のいずれか一に記載の製造方法等。
<33>
活性炭は、細孔容積が、好ましくは0.01〜0.8mL/g、より好ましくは0.1〜0.7mL/gであり、比表面積が、好ましくは800〜2000m2/g、より好ましくは900〜1600m2/gである、前記<32>記載の製造方法等。
<34>
活性炭の使用量は、有機溶媒水溶液に対して、好ましくは0.5〜15質量%、より好ましくは0.5〜10質量%、更に好ましくは1.0〜8質量%である、前記<32>又は<33>記載の製造方法等。
<35>
活性炭の使用量は、茶抽出物の固形分に対して、好ましくは5質量%以上、より好ましくは10質量%以上であって、好ましくは40質量%以下、より好ましくは30質量%以下である、前記<32>〜<34>のいずれか一に記載の製造方法等。
<36>
活性炭の使用量は、茶抽出物の固形分に対して、好ましくは5〜40質量%、より好ましくは10〜30質量%である、前記<32>〜<35>のいずれか一に記載の製造方法等。
<37>
酸性白土又は活性白土が、好ましくはSiO2、Al23、Fe23、CaO、MgO等を含有するものであり、SiO2/Al23比が、好ましくは3〜12、更に好ましくは4〜9であり、Fe23を好ましくは2〜5質量%、CaOを好ましくは0〜1.5質量%、MgOを好ましくは1〜7質量%含有するものである、前記<32>〜<36>のいずれか一に記載の製造方法等。
<38>
酸性白土又は活性白土は、比表面積が、好ましくは50〜350m2/gであり、pH(5質量%サスペンジョン)が、好ましくは2.5〜8、より好ましくは3.6〜7である、前記<32>〜<37>のいずれか一に記載の製造方法等。
<39>
酸性白土又は活性白土の使用量が、有機溶媒水溶液に対して、好ましくは0.5〜30質量%、より好ましくは1.5〜20質量%、更に好ましくは2.5〜15質量%である、前記<32>〜<38>のいずれか一に記載の製造方法等。
<40>
酸性白土又は活性白土の使用量が、茶抽出物の固形分に対して、好ましくは20質量%以上、より好ましくは30質量%以上であって、好ましくは200質量%以下、より好ましくは100質量%以下である、前記<32>〜<39>のいずれか一に記載の製造方法等。
<41>
酸性白土又は活性白土の使用量が、茶抽出物の固形分に対して、好ましくは20〜200質量%、より好ましくは30〜100質量%である、前記<32>〜<40>のいずれか一に記載の製造方法等。
<42>
活性炭と、酸性白土又は活性白土とを併用する場合、その割合は、活性炭を1とする質量比で、好ましくは1〜10、更に好ましくは1〜6である、前記<32>〜<41>のいずれか一に記載の製造方法等。
<43>
有機溶媒水溶液と接触後の茶抽出物を、好ましくは固液分離する、前記<1>〜<42>のいずれか一に記載の製造方法等。
<44>
固液分離が、好ましくはデカンテーション、濾紙ろ過、遠心分離、膜ろ過、及び珪藻土ろ過から選ばれる1種又は2種以上である、前記<43>記載の製造方法等。
<45>
有機溶媒水溶液と接触後の茶抽出物を、好ましくは合成吸着剤、又はイオン交換樹脂と接触させる、前記<1>〜<44>のいずれか一に記載の製造方法等。
<46>
有機溶媒濃度が、好ましくは60質量%以上、より好ましくは63質量%以上、更に好ましくは65質量%以上、更に好ましくは70質量%以上、更に好ましくは80質量%以上、より更に好ましくは90質量%以上であって、好ましくは98質量%以下、より好ましくは96質量%以下、更に好ましくは94質量%以下である有機溶媒水溶液に対する非重合体カテキン類の溶出率を向上させるものである、前記<1>〜<45>のいずれか一に記載の製造方法等。
<47>
有機溶媒濃度が、好ましくは60〜98質量%、より好ましくは63〜96質量%、更に好ましくは65〜94質量%であり、また好ましくは70〜98質量%、より好ましくは80〜96質量%、更に好ましくは90〜94質量%である有機溶媒水溶液に対する非重合体カテキン類の溶出率を向上させるものである、前記<1>〜<46>のいずれか一に記載の製造方法等。
<48>
有機溶媒水溶液中の有機溶媒が、好ましくは親水性有機溶媒、より好ましくはアルコール、ケトン又はエステル、更に好ましくはアルコール、より更に好ましくはエタノールである、前記<46>又は<47>記載の製造方法等。
非重合体カテキン類の測定
茶抽出物を各々蒸留水で適宜希釈を行い、フィルター(0.45μm)で濾過し、高速液体クロマトグラフ(型式SCL−10AVP、島津製作所製)を用い、オクタデシル基導入液体クロマトグラフ用パックドカラム(L−カラムTM ODS、4.6mmφ×250mm:財団法人 化学物質評価研究機構製)を装着し、カラム温度35℃でグラジエント法により行った。カテキン類の標準品としては、三井農林製のものを使用し、検量線法で定量した。移動相A液は酢酸を0.1mol/L含有する蒸留水溶液、B液は酢酸を0.1mol/L含有するアセトニトリル溶液とし、試料注入量は20μL、UV検出器波長は280nmの条件で行った。なお、グラジエントの条件は、以下のとおりである。
時間(分) A液濃度(体積%) B液濃度(体積%)
0.0 97 3
5.0 97 3
37.0 80 20
43.0 80 20
43.5 0 100
48.5 0 100
49.0 97 3
60.0 97 3
実施例1
粉末状の粗茶抽出物(非重合体カテキン類31.3質量%)40.0gと、塩化カリウム2.98gを採取し、これらをイオン交換水280gに添加し、25℃で0.2時間混合した。次いで、得られた混合液を凍結乾燥し、粉末状の茶抽出物(非重合体カテキン類28.9質量%)を42.9g得た。次いで、この茶抽出物を4.0g採取し、92.4質量%のエタノール水溶液16.0g添加し、25℃で6時間混合し、液状の茶抽出物1を得た。そして、この茶抽出物1について、次のエタノールへの非重合体カテキン類の溶解性について検討し、下記式(1)によりエタノールへの非重合体カテキン類の溶出率を求めた。その結果を茶抽出物1の製造条件とともに表1に示す。
1)エタノールへの非重合体カテキン類の溶解試験
エタノール水溶液と混合後、スラリーを静置分離し、上清を0.2μmのフィルター処理を行い、上清液を回収した。この上清液中の非重合体カテキン類の含有量、乾燥固形分の測定を行った。なお、乾燥固形分は、試料を105℃の電気恒温乾燥機で3時間乾燥した後、測定した。
2)エタノールへの非重合体カテキン類の溶出率
エタノールへの非重合体カテキン類の溶出率は、下記式(1)により算出した。
エタノールへの非重合体カテキン類の溶出率=(上清液中の非重合体カテキン類量)/(粗茶抽出物中の非重合体カテキン類量)×100 ・・・(1)
実施例2
塩化カリウムの代わりに、塩化カルシウム4.44gを使用したこと以外は、実施例1と同様の操作により、粉末状の茶抽出物(非重合体カテキン類27.0質量%)を44.4g得た。次いで、この茶抽出物を4.0g採取し、92.4質量%のエタノール水溶液16.0g添加し、25℃で6時間混合し、液状の茶抽出物2を得た。そして、この茶抽出物2について、実施例1と同様に、エタノールへの非重合体カテキン類の溶解性について検討し、エタノールへの非重合体カテキン類の溶出率を求めた。その結果を茶抽出物2の製造条件とともに表1に示す。
実施例3
塩化カリウムの代わりに、塩化ナトリウム2.34gを使用したこと以外は、実施例1と同様の操作により、粉末状の茶抽出物(非重合体カテキン類29.2質量%)を42.3g得た。次いで、この茶抽出物を4.0g採取し、92.4質量%のエタノール水溶液16.0g添加し、25℃で6時間混合し、液状の茶抽出物3を得た。そして、この茶抽出物3について、実施例1と同様に、エタノールへの非重合体カテキン類の溶解性について検討し、エタノールへの非重合体カテキン類の溶出率を求めた。その結果を茶抽出物3の製造条件とともに表1に示す。
実施例4
塩化カリウムの代わりに、塩化マグネシウム3.81gを使用したこと以外は、実施例1と同様の操作により、粉末状の茶抽出物(非重合体カテキン類28.1質量%)を43.8g得た。次いで、この茶抽出物を4.0g採取し、92.4質量%のエタノール水溶液16.0g添加し、25℃で6時間混合し、液状の茶抽出物4を得た。そして、この茶抽出物4について、実施例1と同様に、エタノールへの非重合体カテキン類の溶解性について検討し、エタノールへの非重合体カテキン類の溶出率を求めた。その結果を茶抽出物4の製造条件、及び92.4質量%エタノールへの非重合体カテキン類の溶出率をとともに表1に示す。
実施例5
塩化カリウムの代わりに、硫酸マグネシウム・7水和物4.82gを使用したこと以外は、実施例1と同様の操作により、粉末状の茶抽出物(非重合体カテキン類29.2質量%)を42.3g得た。次いで、この茶抽出物を4.0g採取し、92.4質量%のエタノール水溶液16.0g添加し、25℃で6時間混合し、液状の茶抽出物5を得た。そして、この茶抽出物5について、実施例1と同様に、エタノールへの非重合体カテキン類の溶解性について検討し、エタノールへの非重合体カテキン類の溶出率を求めた。その結果を茶抽出物5の製造条件、及び92.4質量%エタノールへの非重合体カテキン類の溶出率をとともに表1に示す。
実施例6
塩化カリウムの代わりに、塩化リチウム1.70gを使用したこと以外は、実施例1と同様の操作により、粉末状の茶抽出物(非重合体カテキン類30.2質量%)を41.7g得た。次いで、この茶抽出物を4.0g採取し、92.4質量%のエタノール水溶液16.0g添加し、25℃で6時間混合し、茶抽出物6を得た。そして、この茶抽出物6について、実施例1と同様に、エタノールへの非重合体カテキン類の溶解性について検討し、エタノールへの非重合体カテキン類の溶出率を求めた。その結果を茶抽出物6の製造条件とともに表1に示す。
比較例1
水溶性金属塩を添加しなかったこと以外は、実施例1と同様の操作により、粉末状の粗茶抽出物(非重合体カテキン類31.3質量%)を40.0g得た。次いで、この粗茶抽出物を4.0g採取し、92.4質量%のエタノール水溶液16.0g添加し、25℃で6時間混合し、液状の茶抽出物を得た。そして、この茶抽出物について、実施例1と同様に、エタノールへの非重合体カテキン類の溶解性について検討し、エタノールへの非重合体カテキン類の溶出率を求めた。その結果を当該茶抽出物の製造条件とともに表1に示す。
Figure 0006312418
実施例7
粉末状の粗茶抽出物(非重合体カテキン類31.3質量%)40.0gと、硫酸マグネシウム・7水和物1.0gを採取し、これらをイオン交換水280gに添加し、25℃で0.2時間混合した。次いで、得られた混合液を凍結乾燥し、粉末状の茶抽出物(非重合体カテキン類31.6質量%)を40.4g得た。次いで、この茶抽出物を4.0g採取し、92.4質量%のエタノール水溶液16.0g添加し、25℃で6時間混合し、液状の茶抽出物7を得た。そして、この茶抽出物7について、実施例1と同様に、エタノールへの非重合体カテキン類の溶解性について検討し、エタノールへの非重合体カテキン類の溶出率を求めた。その結果を茶抽出物7の製造条件とともに表2に示す。
実施例8
硫酸マグネシウム・7水和物の使用量を2.0gに変更したこと以外は、実施例7と同様の操作により、粉末状の茶抽出物(非重合体カテキン類31.1質量%)を40.9g得た。次いで、この茶抽出物を4.0g採取し、92.4質量%のエタノール水溶液16.0g添加し、25℃で6時間混合し、液状の茶抽出物8を得た。そして、この茶抽出物8について、実施例1と同様に、エタノールへの非重合体カテキン類の溶解性について検討し、エタノールへの非重合体カテキン類の溶出率を求めた。その結果を茶抽出物8の製造条件とともに表2に示す。
実施例9
硫酸マグネシウム・7水和物の使用量を3.0gに変更したこと以外は、実施例7と同様の操作により、粉末状の茶抽出物(非重合体カテキン類30.3質量%)を41.4g得た。次いで、この茶抽出物を4.0g採取し、92.4質量%のエタノール水溶液16.0g添加し、25℃で6時間混合し、液状茶抽出物9を得た。そして、この茶抽出物9について、実施例1と同様に、エタノールへの非重合体カテキン類の溶解性について検討し、エタノールへの非重合体カテキン類の溶出率を求めた。その結果を茶抽出物9の製造条件とともに表2に示す。
実施例10
硫酸マグネシウム・7水和物の使用量を4.0gに変更したこと以外は、実施例7と同様の操作により、粉末状の茶抽出物(非重合体カテキン類29.8質量%)を41.9g得た。次いで、この茶抽出物を4.0g採取し、92.4質量%のエタノール水溶液16.0g添加し、25℃で6時間混合し、液状の茶抽出物10を得た。そして、この茶抽出物10について、実施例1と同様に、エタノールへの非重合体カテキン類の溶解性について検討し、エタノールへの非重合体カテキン類の溶出率を求めた。その結果を茶抽出物10の製造条件とともに表2に示す。
実施例11
硫酸マグネシウム・7水和物の使用量を6.0gに変更したこと以外は、実施例7と同様の操作により、粉末状の茶抽出物(非重合体カテキン類29.0質量%)を42.9g得た。次いで、この茶抽出物を4.0g採取し、92.4質量%のエタノール水溶液16.0g添加し、25℃で6時間混合し、液状の茶抽出物11を得た。そして、この茶抽出物11について、実施例1と同様に、エタノールへの非重合体カテキン類の溶解性について検討し、エタノールへの非重合体カテキン類の溶出率を求めた。その結果を茶抽出物11の製造条件とともに表2に示す。
実施例12
硫酸マグネシウム・7水和物の使用量を8.0gに変更したこと以外は、実施例7と同様の操作により、粉末状の茶抽出物(非重合体カテキン類28.0質量%)を43.9g得た。次いで、この茶抽出物を4.0g採取し、92.4質量%のエタノール水溶液16.0g添加し、25℃で6時間混合し、液状の茶抽出物12を得た。そして、この茶抽出物12について、実施例1と同様に、エタノールへの非重合体カテキン類の溶解性について検討し、エタノールへの非重合体カテキン類の溶出率を求めた。その結果を茶抽出物12の製造条件とともに表2に示す。
Figure 0006312418
実施例13
粉末状の粗茶抽出物(非重合体カテキン類31.3質量%)40.0gと、塩化マグネシウム3.8g、及び、塩化リチウム1.7gを採取し、これらをイオン交換水280gに添加し、25℃で0.2時間混合した。次いで、得られた混合液を凍結乾燥し、粉末状の茶抽出物(非重合体カテキン類27.5質量%)を45.5g得た。次いで、この茶抽出物を4.0g採取し、92.4質量%のエタノール水溶液16.0g添加し、25℃で6時間混合し、液状の茶抽出物13を得た。そして、この茶抽出物13について、実施例1と同様に、エタノールへの非重合体カテキン類の溶解性について検討し、エタノールへの非重合体カテキン類の溶出率を求めた。その結果を茶抽出物13の製造条件とともに表3に示す。
実施例14
塩化マグネシウム及び塩化リチウムの代わりに、塩化ナトリウム2.3g、及び、硫酸マグネシウム・7水和物4.8gを使用したこと以外は、実施例13と同様の操作により、粉末状の茶抽出物(非重合体カテキン類28.0質量%)を44.6g得た。次いで、この茶抽出物を4.0g採取し、92.4質量%のエタノール水溶液16.0g添加し、25℃で6時間混合し、液状の茶抽出物14を得た。そして、この茶抽出物14について、実施例1と同様に、エタノールへの非重合体カテキン類の溶解性について検討し、エタノールへの非重合体カテキン類の溶出率を求めた。その結果を茶抽出物14の製造条件とともに表3に示す。
実施例15
塩化マグネシウム及び塩化リチウムの代わりに、塩化ナトリウム2.3g、及び、塩化リチウム1.7gを使用したこと以外は、実施例13と同様の操作により、粉末状の茶抽出物(非重合体カテキン類28.4質量%)を44.0g得た。次いで、この茶抽出物を4.0g採取し、92.4質量%のエタノール水溶液16.0g添加し、25℃で6時間混合し、液状の茶抽出物15を得た。そして、この茶抽出物15について、実施例1と同様に、エタノールへの非重合体カテキン類の溶解性について検討し、エタノールへの非重合体カテキン類の溶出率を求めた。その結果を茶抽出物15の製造条件とともに表3に示す。
実施例16
塩化マグネシウム及び塩化リチウムの代わりに、塩化カルシウム4.4g、及び、塩化マグネシウム3.8gを使用したこと以外は、実施例13と同様の操作により、粉末状の茶抽出物(非重合体カテキン類25.9質量%)を48.2g得た。次いで、この茶抽出物を4.0g採取し、92.4質量%のエタノール水溶液16.0g添加し、25℃で6時間混合し、液状の茶抽出物16を得た。そして、この茶抽出物16について、実施例1と同様に、エタノールへの非重合体カテキン類の溶解性について検討し、エタノールへの非重合体カテキン類の溶出率を求めた。その結果を茶抽出物16の製造条件とともに表3に示す。
実施例17
塩化マグネシウム及び塩化リチウムの代わりに、塩化マグネシウム3.8g、及び、硫酸マグネシウム・7水和物4.82を使用したこと以外は、実施例13と同様の操作により、粉末状の茶抽出物(非重合体カテキン類27.1質量%)を46.1g得た。次いで、この茶抽出物を4.0g採取し、92.4質量%のエタノール水溶液16.0g添加し、25℃で6時間混合し、液状の茶抽出物17を得た。そして、この茶抽出物17について、実施例1と同様に、エタノールへの非重合体カテキン類の溶解性について検討し、エタノールへの非重合体カテキン類の溶出率を求めた。その結果を茶抽出物17の製造条件とともに表3に示す。
Figure 0006312418
実施例18
粉末状の粗茶抽出物(非重合体カテキン類31.3質量%)40.0gと、硫酸マグネシウム・7水和物4.0gを採取し、これらをイオン交換水280gに添加し、25℃で0.2時間混合した。次いで、得られた混合液を凍結乾燥し、粉末状の茶抽出物A(非重合体カテキン類30.0質量%)を44.8g得た。次いで、茶抽出物Aを4.0g採取し、85質量%のエタノール水溶液16.0g添加し、25℃で6時間混合し、液状の茶抽出物18を得た。そして、この茶抽出物18について、実施例1と同様に、エタノールへの非重合体カテキン類の溶解性について検討し、エタノールへの非重合体カテキン類の溶出率を求めた。その結果を茶抽出物18の製造条件とともに表4に示す。
実施例19
実施例18で得られた茶抽出物Aを4.0g採取し、80質量%のエタノール水溶液16.0g添加し、25℃で6時間混合し、液状の茶抽出物19を得た。そして、この茶抽出物19について、実施例1と同様に、エタノールへの非重合体カテキン類の溶解性について検討し、エタノールへの非重合体カテキン類の溶出率を求めた。その結果を茶抽出物19の製造条件とともに表4に示す。
実施例20
実施例18で得られた茶抽出物Aを4.0g採取し、75質量%のエタノール水溶液16.0g添加し、25℃で6時間混合し、液状の茶抽出物20を得た。そして、この茶抽出物20について、実施例1と同様に、エタノールへの非重合体カテキン類の溶解性について検討し、エタノールへの非重合体カテキン類の溶出率を求めた。その結果を茶抽出物20の製造条件とともに表4に示す。
実施例21
実施例18で得られた茶抽出物Aを4.0g採取し、70質量%のエタノール水溶液16.0g添加し、25℃で6時間混合し、液状の茶抽出物21を得た。そして、この茶抽出物21について、実施例1と同様に、エタノールへの非重合体カテキン類の溶解性について検討し、エタノールへの非重合体カテキン類の溶出率を求めた。その結果を茶抽出物21の製造条件とともに表4に示す。
実施例22
実施例18で得られた茶抽出物Aを4.0g採取し、65質量%のエタノール水溶液16.0g添加し、25℃で6時間混合し、液状の茶抽出物22を得た。そして、この茶抽出物22について、実施例1と同様に、エタノールへの非重合体カテキン類の溶解性について検討し、エタノールへの非重合体カテキン類の溶出率を求めた。その結果を茶抽出物22の製造条件とともに表4に示す。
比較例2
実施例18で使用した粗茶抽出物を4.0g採取し、92.4質量%のエタノール水溶液16.0g添加し、25℃で6時間混合し、液状の茶抽出物を得た。そして、この茶抽出物について、実施例1と同様に、エタノールへの非重合体カテキン類の溶解性について検討し、エタノールへの非重合体カテキン類の溶出率を求めた。その結果を当該茶抽出物の製造条件とともに表4に示す。
比較例3
実施例18で使用した粗茶抽出物を4.0g採取し、85質量%のエタノール水溶液16.0g添加し、25℃で6時間混合し、液状の茶抽出物を得た。そして、この茶抽出物について、実施例1と同様に、エタノールへの非重合体カテキン類の溶解性について検討し、エタノールへの非重合体カテキン類の溶出率を求めた。その結果を当該茶抽出物の製造条件とともに表4に示す。
比較例4
実施例18で使用した粗茶抽出物を4.0g採取し、80質量%のエタノール水溶液16.0g添加し、25℃で6時間混合し、液状の茶抽出物を得た。そして、この茶抽出物について、実施例1と同様に、エタノールへの非重合体カテキン類の溶解性について検討し、エタノールへの非重合体カテキン類の溶出率を求めた。その結果を当該茶抽出物の製造条件とともに表4に示す。
比較例5
実施例18で使用した粗茶抽出物を4.0g採取し、75質量%のエタノール水溶液16.0g添加し、25℃で6時間混合し、液状の茶抽出物を得た。そして、この茶抽出物について、実施例1と同様に、エタノールへの非重合体カテキン類の溶解性について検討し、エタノールへの非重合体カテキン類の溶出率を求めた。その結果を当該茶抽出物の製造条件とともに表4に示す。
Figure 0006312418
表4の比較例2〜5より、非重合体カテキン類の純度が5〜40質量%の粗茶抽出物は、高濃度のエタノールに対して非重合体カテキン類の溶解性が低いことがわかる。これに対し、表1〜4の実施例により、固形分中の非重合体カテキン類含有量が5〜40質量%である粗茶抽出物と水溶性金属塩とを混合し、有機溶媒水溶液と接触させることにより、高濃度の有機溶媒に対する非重合体カテキン類の溶解性が向上することがわかる。

Claims (10)

  1. 固形分中の非重合体カテキン類の含有量が5〜40質量%である粗茶抽出物と、水溶性金属塩とを混合し、60〜98質量%のエタノール水溶液と接触させる工程を含む、エタノール水溶液に対する非重合体カテキン類の溶解性が改善された茶抽出物の製造方法。
  2. 水溶性金属塩がアルカリ金属塩及びアルカリ土類金属塩から選ばれる1種以上である、請求項1記載の茶抽出物の製造方法。
  3. 水溶性金属塩が塩化カリウム、塩化カルシウム、塩化ナトリウム、塩化マグネシウム、硫酸マグネシウム及び塩化リチウムから選ばれる1種以上である、請求項1又は2記載の茶抽出物の製造方法。
  4. 水溶性金属塩の使用量が粗茶抽出物の固形分に対して0.1〜30質量%である、請求項1〜3のいずれか1項記載の茶抽出物の製造方法。
  5. 粗茶抽出物と水溶性金属塩との混合を、水存在下で行う、請求項1〜4のいずれか1項に記載の茶抽出物の製造方法。
  6. 粗茶抽出物と水溶性金属塩との混合を、有機溶媒濃度が30質量%以下の有機溶媒水溶液の存在下で行う、請求項1〜4のいずれか1項に記載の茶抽出物の製造方法。
  7. 粗茶抽出物が緑茶抽出液又はその濃縮物である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の茶抽出物の製造方法。
  8. 粗茶抽出物と水溶性金属塩との混合後、有機溶媒水溶液との接触前に、乾燥する工程を有する、請求項1〜7のいずれか1項に記載の茶抽出物の製造方法。
  9. 有機溶媒水溶液との接触後、固液分離する工程を含む、請求項1〜8のいずれか1項に記載の茶抽出物の製造方法。
  10. 固形分中の非重合体カテキン類の含有量が5〜40質量%である粗茶抽出物と、水溶性金属塩とを混合する、60〜98質量%のエタノール水溶液への非重合体カテキン類の溶出率向上方法。
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