JP2004210879A - 再剥離性粘着加工紙用組成物および再剥離性粘着加工紙 - Google Patents

再剥離性粘着加工紙用組成物および再剥離性粘着加工紙 Download PDF

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Abstract

【課題】紫外線を照射して貼り合わせた後の接着力が経時的に殆ど変化することなく、剥離の際になめらかな剥離感を有する。
【解決手段】再剥離性粘着加工紙用組成物は、ゴム弾性体成分および(メタ)アクリル基含有弾性体成分から選ばれた少なくとも一つの重量平均分子量が 5,000〜40,000 の弾性体成分と、紫外線硬化性オリゴマーおよび紫外線硬化性モノマーから選ばれた少なくとも一つの紫外線硬化性成分と、重合開始剤とを含み、再剥離性粘着加工紙は、この再剥離性粘着加工紙用組成物を用いる。
【選択図】 無

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は再剥離性粘着加工紙用組成物および該組成物を用いた再剥離性粘着加工紙に関し、特に滑らかな剥離感と接着力とが経時的に変動しない再剥離性粘着加工紙に関する。
【0002】
【従来の技術】
重ね合わせ面に一般情報、親展情報などを印刷してある折り畳みシートの対向面を再剥離可能に貼り合わせる再剥離性粘着加工紙は、近年、郵便コストの削減や通知物作成の自動化等のため、葉書きや通知書に多用されている。
この再剥離性粘着加工紙は、その重ね合わせ面同士が接着するように、重ね合わせ面の所定部分に感圧接着剤層が設けられている。この感圧接着剤層を対接させ強圧をかけることにより、通常の取り扱い時には相互に接着し、引き剥がすことにより再剥離が可能となる。
従来、次のような再剥離性粘着加工紙用組成物が知られている。
(1)硬化層同士を対接させた状態で強圧をかけて密着させて接着すると高接着力が得られるとともに、硬化速度が速い紫外線硬化型の感圧接着剤を得るために、アクリル系光重合性オリゴマーと、アクリル系光重合性モノマーと、光重合開始剤と、分子構造中にアミノ基を有する光重合促進剤とを含有し、上記アクリル系光重合性オリゴマーとアクリル系光重合性モノマーの合計100質量部中にウレタンアクリレート系オリゴマーが30〜60質量部、Tgが0℃以下のアクリル系光重合性モノマーが5〜20質量部含まれている紫外線硬化型感圧接着剤(特許文献1参照)。
(2)印刷面に光沢ニス本来の優れた塗工被膜と優れた表面特性を与え、加工が容易で作業効率に優れ、低廉な価格で再剥離性接着加工の施された加工紙が得られ、使用済み加工紙の古紙再生が容易に可能であり、しかも加工作業時の労働安全衛生面、環境汚染防止性及び火災防止性等に優れた紫外線硬化型ニス組成物及びそれを用いた再剥離性接着加工紙を得るために、紫外線硬化型ニスの組成を、(メタ)アクリロイル基を有する紫外線硬化性モノマー及びオリゴマーから選ばれる少なくとも一種の紫外線硬化性成分(A)、重量平均分子量が10,000〜100,000、ガラス転移温度が−60℃〜20℃である(メタ)アクリル系共重合体(B)及び光重合開始剤(C)からなり、実質的に水と有機溶剤の何れをも含まないものとした紫外線硬化型ニス組成物(特許文献2参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開2001−214135号公報(特許請求の範囲)
【特許文献2】
特開2000−136320号公報(特許請求の範囲)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、アクリル系光重合性オリゴマーと、アクリル系光重合性モノマーを主成分とする紫外線硬化型感圧接着剤は、紫外線を照射して貼り合わせた直後から接着力が経時的に増加する。そのため、時間が経過すると接着力が強くなりすぎて接着面を再剥離するとき、「バリバリ」あるいは「ビリビリ」といった音が発生し、抵抗感がある剥離感を有する。また、剥離のときに用紙が破れる場合もあるという問題がある。
本発明は、このような問題に対処するためになされたもので、(1)紫外線を照射して貼り合わせた後の接着力が経時的に殆ど変化することなく、剥離の際になめらかな剥離感を有する再剥離性粘着加工紙用組成物および該組成物を用いた再剥離性粘着加工紙、(2)塗工時における乾燥工程を不要とするとともに、作業時の労働安全衛生面、環境汚染防止性、組成物の加工安定性に優れ、しかも印刷面に優れた表面光沢、耐摩耗性、耐水性、耐ブロッキング性等の光沢ニス本来の表面特性を与え、かつ耐熱、加圧による良好な再剥離性接着を可能にする再剥離性粘着加工紙用組成物および該組成物を用いた再剥離性粘着加工紙の提供を目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る再剥離性粘着加工紙用組成物は、ゴム弾性体および(メタ)アクリル基含有弾性体から選ばれた少なくとも一つの重量平均分子量(以下、Mwと略称する)が 5,000〜400,000 の弾性体成分と、紫外線硬化性オリゴマーおよび紫外線硬化性モノマーから選ばれた少なくとも一つの紫外線硬化性成分と、重合開始剤とを含むことを特徴とする。
また、上記(メタ)アクリル基含有弾性体がウレタンアクリレートであることを特徴とする。また、上記組成物にさらに粘着付与剤が配合されてなることを特徴とする。
本発明に係る再剥離性粘着加工紙は、基材紙の重ね合わせ面の所定部に再剥離性粘着加工紙用組成物の硬化層を形成し、重ね合わせ面同士を対接させ所定の圧力を付与することにより再剥離可能に接着する再剥離性粘着加工紙であって、上記組成物が上記本発明に係る再剥離性粘着加工紙用組成物であることを特徴とする。
【0007】
ゴム弾性体および(メタ)アクリル基含有弾性体から選ばれた少なくとも一つの弾性体成分を配合することにより、弾性体成分に占める架橋部の濃度が少ないことから紫外線による硬化反応を抑制することができる。また、Mwが 5,000〜400,000 の弾性体成分とすることにより、再剥離性粘着加工紙用組成物の粘度を抑えつつ、自着力を高めることができる。その結果、接着力が経時的に変化することなく、剥離の際になめらかな剥離感を有する再剥離性粘着加工紙用組成物が得られる。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明に使用できるゴム弾性体は、天然ゴム(NR)、またはアクリル変性天然ゴムや、合成ゴムである。
合成ゴムとしては、スチレン−イソプレンブロック共重合体(SlS)やブチルゴム(IIR)、イソブチレンゴム(IR)、クロロプレンゴム(CR)、アクリルゴム(ACM)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、ブタジエンゴム(BR)、ポリイソプレン、ポリブテン、ハイスチレンゴム、エチレン−プロピレン共重合体(EPM)、エチレンプロピレンジエンターポリマー(EPDM)、アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)、シリコーンゴム、多硫化ゴム、水素化二トリルゴム、ポリエーテル系特殊ゴム、フッ素系ゴム、クロルスルホン化エチレンゴム、エピクロルヒドリンゴム、プロピレンオキサイドゴム、エチレン・アクリルゴム、ノルボルネンゴム等が挙げられる。
また、合成ゴムとして、熱可塑性エラストマーを使用することができ、例えば、ウレタンエラストマー(U)、スチレン系熱可塑性エラストマー、オレフィン系熱可塑性エラストマー、ポリエステル系熱可塑性エラストマー、ポリアミド系熱可塑性エラストマー、1,2−ポリブタジエン系熱可塑性エラストマー等が挙げられる。
また、液状ゴムも使用することができ、例えば液状ブタジエンゴム(液状BR)、液状スチレン−ブタジエンゴム(液状SBR)、液状スチレン−イソプレンブロック共重合体(液状SlS)、液状アクリロニトリルブタジエンゴム(液状NBR)、液状クロロプレンゴム(液状CR)、液状ポリブテン、液状チオコール、液状ポリイソプレン、液状ポリイソブチレン等が挙げられる。
これらの弾性体、熱可塑性エラストマー等はそれぞれ単独で用いてもよいし、2種類以上を組み合わせてもよい。
【0009】
本発明に好適に使用できるゴム弾性体を、そのMwとともに以下に示す。
(1)液状天然ゴムまたはその誘導体:Mw 30,000〜100,000
(2)液状スチレン−イソプレンブロック共重合体またはその誘導体:Mw 30,000〜100,000
(3)ウレタンエラストマーまたはその誘導体:Mw 10,000〜100,000
(4)ブタジエンゴムまたはその誘導体:Mw 5,000〜20,000
(5)スチレン−イソプレンブロック共重合体:Mw 150,000〜250,000
(6)ポリイソブチレンまたはその誘導体:Mw 5,000〜60,000
(7)アクリルゴムまたはその誘導体:Mw 40,000以下
【0010】
上記ゴム弾性体と併用して、あるいは単独で弾性体として使用できる(メタ)アクリロイル基含有弾性体について説明する。
(メタ)アクリロイル基含有弾性体は、反応性官能基を有する弾性体に光重合性(メタ)アクリレートを反応させたものをいう。
反応性官能基を有する弾性体とは、分子内に水酸基やカルボキシル基などの官能基を有する液状ゴム、または過剰の水酸基またはイソシアネート基を分子端に有するウレタンエラストマーなどが挙げられる。
分子内に水酸基やカルボキシル基などの官能基を有する液状ゴムとしては、水酸基を有するブタジエンゴム(Poly−bd R−45M、出光石油化学社商品名)、カルボキシル基を有するブタジエンゴム(Hycar CTB、宇部興産社商品名)、水酸基を有するスチレンブタジエンゴム(Poly−bd CS−15、出光石油化学社商品名)、水酸基を有するアクリロニトリルブタジエンゴム(Poly−bd CN−15、出光石油化学社商品名)等が挙げられる。
【0011】
また、水酸基を分子端に有するウレタンエラストマーとしては、ポリイソシアネートにイソシアネート当量で過剰モル量のポリオールを反応させることで得られ、イソシアネート基を分子端に有するウレタンエラストマーとしては、ポリイソシアネートにイソシアネート当量で不足モル量のポリオールを反応させることで得られる。
ポリイソシアネートとしては、ジイソシアネート、トリイソシアネート等が挙げられ、本発明においては線状の重合体を形成するジイソシアネートが好ましい。ジイソシアネートを例示すれば、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、フェニレンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、ジフェニルジイソシアネートなどの芳香族ジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、オクタデカメチレンジイソシアネート、デカメチレンジイソシアネートなどの脂肪族ジイソシアネート、シクロヘキシルジイソシアネート、モルフォリンジイソシアネート、ノルボルナンジイソシアネートなどの脂環族ジイソシアネートなどがある。ポリイソシアネートの中でも工業的利用のしやすさからトリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネートが好ましい。
ポリオールとしては、ポリエステル系ポリオール、ポリエーテル系ポリオール、水酸基含有ブタジエン系ポリオール、カルボキシル基含有ブタジエン系ポリオールなど分子構造中に水酸基および/またはカルボキシル基を有する物質が挙げられる。例示としては、ポリエチレングリコール、ポリプピレングコール、ポリテトラメチレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコール、ひまし油系ポリオール、セバシン酸ポリエステルポリオールなどが挙げられ、これらの中でもポリプピレングコール、ポリテトラメチレングリコール、ひまし油系ポリオール、セバシン酸ポリエステルポリオールが好ましい。
【0012】
上記末端水酸基化された弾性体にジイソシアネートを介し水酸基含有(メタ)アクリレートを反応させることで、あるいはイソシアネート基を分子端に有するウレタンエラストマーと水酸基含有(メタ)アクリレートとを反応させることで、分子内に(メタ)アクリロイル基含有弾性体、すなわち重合性(メタ)アクリレートを有するエラストマーが得られる。
(メタ)アクリロイル基含有弾性体の具体例を以下に示す。
(1)末端官能基を有するブタジエンゴムにアクリル変性した末端アクリル変性ブタジエンゴム:Poly−bd R−45HTのアクリル変性体(出光石油化学社商品名)、Poly−bd R−15HTのアクリル変性体(出光石油化学社商品名)、α−ω−ポリブタジエングリコールG−1000、同G−2000、同G−3000のアクリル変性体(日本曹達社商品名)、α−ω−ポリブタジエンカルボン酸C−1000、同C−2000、同C−3000のアクリル変性体(日本曹達社商品名)、TEA−1000、TEA−2000(日本曹達社商品名)
(2)末端官能基を有し、不飽和二重結合を水素添加したブタジエンゴムにアクリル変性した末端アクリル変性水素添加型ブタジエンゴム:TEAl−1000(日本曹達社商品名)
(3)末端アクリル変性ウレタンポリマー:ライトタックPSA705、同805、同901(共栄化学社商品名)
(4)末端アクリル変性ウレタンエラストマー:ライトタックPUA−613N、同PUA−901(共栄化学社商品名)
【0013】
水酸基含有(メタ)アクリレートは、CH2=C(R1)COOR2OHで表され、R1は水素またはメチル基を、R2は炭素数1〜7の直鎖状または分岐状のアルキレン基をそれぞれ表す。
直鎖状または分岐状のアルキレン基の例としては、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基等が挙げられ、水酸基含有(メタ)アクリレートの具体例としては、2−ヒドロキシメチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシメチルメタアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタアクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、2−ヒドロキシ−3−アクリロイロキシプロピルメタクリレート等を挙げることができ、これらは単独であるいは組み合わせて用いることができる。
【0014】
上記ゴム弾性体および(メタ)アクリル基含有弾性体の中で、好ましい弾性体は、ブタジエンゴムまたはその(メタ)アクリル変性誘導体、アクリルゴムまたはその(メタ)アクリル変性誘導体、スチレン−イソプレンブロック共重合体、ウレタンポリマーまたはその(メタ)アクリル変性誘導体である。これらは経時的な接着力の変化を抑制できることと、なめらかな剥離感を付与できるので好ましい。
また、弾性体成分は、分子量によって形態が異なり、Mwが100,000までは液状・半固体状が多く、100,000以上は固形が殆どである。構造でも、直鎖と網目構造で形状が異なる。
本発明に使用できる弾性体成分のMwは5,000〜400,000である。従って、固形から液状までの弾性体成分が使用できる。
Mwの好ましい範囲は 5,000〜400,000で、特に好ましい範囲は 5,000〜100,000である。Mwが400,000をこえると、組成物の粘度が著しく増加し、または他の配合成分と相溶せず相分離を引き起こすため、塗工性能が著しく低下する。Mwが5,000未満であると、高接着性やなめらかな剥離感が消失し、接着力も経時的に変化する。
【0015】
弾性体成分の配合量の好適範囲は、紫外線硬化性成分100重量部に対して0.5〜40重量部、好ましくは1.0〜20重量部である。0.5重量部未満であると、高接着性やなめらかな剥離感が消失し、接着力も経時的に変化する。また、40重量部をこえると粘度が著しく増加または他の配合成分と相溶せず相分離を引き起こすため塗工性能が著しく低下する。
【0016】
紫外線硬化性成分として使用できるオリゴマーとしては、(メタ)アクリロイル基を有し、単官能、2官能、多官能のエポキシアクリレート系オリゴマー、ウレタンアクリレート系オリゴマー、ポリエステルアクリレート系オリゴマー、ポリエーテルアクリレート系オリゴマー、ポリビニルアルコール系オリゴマー、シリコーンアクリレート系オリゴマー等が挙げられる。これらは単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。
エポキシアクリレート系オリゴマーは、ビスフェノールAのジグリシジルエーテルジアクリレート、エポキシ樹脂とアクリル酸とメチルテトラヒドロフタル酸無水物との反応生成物、エポキシ樹脂と2‐ヒドロキシエチルアクリレートとの反応生成物、エポキシ樹脂とアクリル酸との反応生成物等が挙げられる。
ウレタンアクリレート系オリゴマーは、ウレタン結合を介してポリオキシアルキレンセグメントまたは飽和ポリエステルセグメントあるいはその両方が連結し、両末端にアクリロイル基またはメタクロイル基を有するオリゴマー等が挙げられる。
ポリエステルアクリレート系オリゴマーは、グリシジルジアクリレートと無水フタル酸との開環共重合エステル、メタクリル酸二量体とポリオールとのエステル、アクリル酸と無水フタル酸とプロピレンオキシドから得られるポリエステル、ポリエチレングリコールと無水マレイン酸とグリシジルメタクリレートとの反応生成物などのようなオリゴマー等が挙げられる。
ポリエーテルアクリレート系オリゴマーは、トリメチロールプロパンやペンタエリスリトール等のポリオールと、エチレンオキサイドやプロピレンオキサイド等のアルキレンオキサイドと、(メタ)アクリル酸との反応生成物、メチルビニルエーテル−無水マレイン酸共重合体と2−ヒドロキシエチルアクリレートとの反応生成物またはこれにさらにグリシジルメタクリレートを反応させたものなどのオリゴマー等が挙げられる。
ポリビニルアルコール系オリゴマーは、ポリビニルアルコールとN‐メチロールアクリルアミドとの反応生成物、ポリビニルアルコールを無水コハク酸でエステル化したのち、グリシジルメタクリレートを付加させたオリゴマー等が挙げられる。
シリコーンアクリレート系オリゴマーは、ウレタン結合を介してシリコーンの両末端にアクリロイル基またはメタクロイル基を有するオリゴマー等が挙げられる。
【0017】
上記オリゴマーの中で、本発明はエポキシアクリレート系オリゴマーおよび/またはウレタンアクリレート系オリゴマーが好ましい。
エポキシアクリレート系オリゴマーは、紫外線量が低照射でも高速硬化できる。また、エポキシアクリレート系オリゴマーを配合した場合、製品の機械的性質として、引張り伸びが大きく、はがき製品時の折り曲げや衝撃等の耐疲労性に優れている。すなわち、速硬化性と接着剤被膜の強靭性に優れている。
ウレタンアクリレート系オリゴマーは、その分子骨格がフレキシブルであるため、柔軟性、高弾性といった特性を製品に付与できる。また機械的性質として引張り伸びが大きく、はがき製品時の折り曲げや衝撃等の耐疲労性に優れている。
【0018】
紫外線硬化性オリゴマーの例としては、ポリテトラメチレングリコールジアクリレート、ポリテトラメチレングリコールトリアクリレート、ポリひまし油系ポリオールジアクリレート、ポリひまし油系ポリオールトリアクリレート、トリメチロールプロパンエチレンオキサイド変性トリアクリレート、トリメチロールプロパンプロピレンオキサイド変性トリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(ペンタ)アクリレート、フェノールエチレンオキサイド変性アクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、ビスフェノールAエチレンオキサイド変性ジアクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールのアクリレート、カプロラクトン変性テトラヒドロフルフリルアクリレート、カプロラクトン変性ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールエステルジアクリレート、ネオペンチルグリコールヒドロキシピバリン酸エステルジアクリレート、2−プロペノイックアシッド[2−[1,1−ジメチル−2−[(1−オキソ−2−プロペニル)オキシ]エチル]−5−エチル−1,3−ジオキサン−5−イル]メチルエステル、無水フタル酸−アクリル酸2−ヒドロキシエチル付加物等が挙げられる。
【0019】
紫外線硬化性成分として使用できるモノマーとしては、例えば、アクリル酸やメタクリル酸等の不飽和カルボン酸またはそのエステル類が挙げられる。
アクリル酸またはメタクリル酸のエステルとしては、アルキルアクリレート、シクロアルキルアクリレート、ハロゲン化アルキルアクリレート、アルコキシアルキルアクリレート、ヒドロキシアルキルアクリレート、アミノアルキルアクリレート、アルキレングリコールジアクリレート、アルキルメタアクリレート、シクロアルキルメタアクリレート、ハロゲン化アルキルメタアクリレート、アルコキシアルキルメタアクリレート、ヒドロキシアルキルメタアクリレート、アミノアルキルメタアクリレート、テトラヒドロフルフリルメタアクリレート、アリルメタアクリレート、グリシジルメタアクリレート、ベンジルメタアクリレート、フェノキシメタアクリレート、アルキレングリコールジメタアクリレート、アルコキシアルキルメタアクリレート等が挙げられる。
【0020】
アクリル酸エステルとして、具体的には、メチルアクリレート、エチルアクリレート、n−ブチルアクリレート、i−ブチルアクリレート、t−ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、オクチルアクリレート、ノニルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、ラウリルアクリレート、ステアリルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、n−デシルアクリレート、グリコールジアクリレート、エチレングリコールジアクリレート、ブチレングリコールジアクリレート、ヘキサングリコールジアクリレート、1,9−ノナンジオールジアクリレート、メトキシエチルアクリレート、エトキシエチルアクリレート、ヒドロキシメチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、アリルアクリレート、グリシジルアクリレート、ベンジルアクリレート、フェノキシアクリレート、イソボルニルアクリレート、ジメチルアミノエチルアクリレート、アクリル酸カルビトール、セチルアクリレート、ステアリルアクリレート等が挙げられる。
【0021】
メタアクリル酸エステルとして、具体的には、メチルメタアクリレート、エチルメタアクリレート、n−ブチルメタアクリレート、i−ブチルメタアクリレート、t−ブチルメタアクリレート、2−エチルヘキシルメタアクリレート、ラウリルメタアクリレート、ステアリルメタアクリレート、シクロヘキシルメタアクリレート、n−デシルメタアクリレート、グリコールジメタアクリレート、エチレングリコールジメタアクリレート、ブチレングリコールジメタアクリレート、ヘキサングリコールジメタアクリレート、1,9−ノナンジオールジメタアクリレート、メトキシエチルメタアクリレート、エトキシエチルメタアクリレート、ヒドロキシメチルメタアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタアクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタアクリレート、4−ヒドロキシブチルメタアクリレート、テトラヒドロフルフリルメタアクリレート、アリルメタアクリレート、グリシジルメタアクリレート、ベンジルメタアクリレート、フェノキシメタアクリレート、イソボルニルメタアクリレート、ジメチルアミノエチルメタアクリレート、セチルメタアクリレート、ステアリルメタアクリレート等が挙げられる。
上記アクリル酸やメタクリル酸のエステルは単独あるいは組み合わせて用いることができる。
【0022】
また、紫外線硬化性成分として使用できるモノマーであれば、上記(メタ)アクリル酸エステル類のモノマーと併用できる。併用できるモノマーとしては、例えばイタコン酸等のカルボン酸含有のエチレン性不飽和モノマー、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、グリジジル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロニトリル、(メタ)アクリルアミド、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルカプロラクタム、ビニルピロリドン等を用いることができる。これらは単独あるいは組み合わせて用いることができる。
【0023】
紫外線硬化性成分の中でオリゴマー成分とモノマー成分とは、それぞれ単独でも紫外線硬化性成分として使用できる。単独で使用する場合はモノマー成分を使用することが好ましい。紫外線硬化性オリゴマー成分と紫外線硬化性モノマー成分との配合割合は、上記合計量100重量部に対してモノマー成分が30〜100重量%、好ましくは40〜80重量%、紫外線硬化性オリゴマー成分が0〜70重量%、好ましくは20〜60重量%である。紫外線硬化性成分の中でオリゴマー成分が増加すると、紫外線硬化性が低下し軟化しやすくなり、また、粘度が増加する。
【0024】
本発明に使用できる重合開始剤は、公知の重合開始剤を使用できる。例示すれば、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾイン−n−プロピルエーテル、ベンゾインーイソプロピルエーテル、ベンゾインブチルエーテル、2−アリルベンゾイン、2−クロルベンゾイン、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルフォスフィンオキサイド等のベンゾイン類、ベンゾフェノン、4−メチルベンゾフェノン、4−クロルベンゾフェノン、4−クロルベンゾフェノン等のベンゾフェノン類、ジエトキシアセトフェノン、ヒドロキシアセトフェノン、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、α−アミノアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルメタン−1−オン等のアセトフェノン類、2−メチルチオキサンソン、2−イソプロピルチオキサンソン、2−クロロチオキサンソン等のチオキサンソン類、アゾビスイソブチロニトリル等のアゾ類、アントラキノン、2−クロルアントラキノン、フェナントレン等のキノン類がある。これらは単独でも混合しても使用できる。
また、分子内にアミノ基を有する重合開始剤は非常に高い反応性を持ち、高速硬化可能であるため、弾性体成分を含有する本発明に好適に使用できる。分子内にアミノ基を有する開始剤を例示すれば、2−メチル−1[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1などがある。
重合開始剤はアミノ基を有する開始剤単独で使用できる。また、アミノ基を有する開始剤とベンゾイン類等の上記公知の重合開始剤と併用してもよい。
【0025】
上記重合開始剤に、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、2−ジメチルアミノエチルベンゾエート、N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート−N−メチルジエタノールアミン等の重合促進剤を併用することが好ましい。
【0026】
重合開始剤および重合促進剤は、紫外線硬化性成分100重量部に対して、1〜15重量部、好ましくは5〜10重量部配合する。1重量部未満であると硬化反応が十分でなく、また15重量部をこえると接着力が経時的に変化しやすくなる。また、本発明に好適なアミノ基を有する重合開始剤および重合促進剤の場合、過剰に配合された重合開始剤および重合促進剤の臭気が強くなる。
【0027】
本発明に係る再剥離性粘着加工紙用組成物は、上記ゴム弾性体および/または(メタ)アクリロイル基含有弾性体の弾性体成分と、上記紫外線硬化性オリゴマーおよび/または紫外線硬化性モノマーの紫外線硬化性成分と、上記重合開始剤とに加えてさらに、粘着付与剤を配合できる。
粘着付与剤としては、天然樹脂および/または合成樹脂を用いることができる。
天然樹脂としては、ロジン、このロジンに対して水素化、不均化、重合、エステル化処理等を施したロジン誘導体、テルペン系樹脂、テルペンフェノール系樹脂などのテルペン系樹脂類等が挙げられる。
合成樹脂としては、脂肪族系樹脂、芳香族系樹脂、脂環族系樹脂、共重合系樹脂、クマロン樹脂、インデン樹脂等の石油樹脂類、アルキルフェノール樹脂、変性フェノール樹脂等のフェノール樹脂類、ジシクロペンタジエン系炭化水素樹脂類、キシレン樹脂、変性キシレン樹脂等のキシレン樹脂類が挙げられる。
【0028】
粘着付与剤の配合量の好適範囲は、紫外線硬化性成分100重量部に対して1〜20重量部、好ましくは5〜20重量部である。1重量部未満であると、接着力および光沢度がそれぞれ低下し、20重量部をこえると硬化後の塗膜表面にタックやベタツキが発生する。
【0029】
本発明に係る再剥離性粘着加工紙用組成物は、上記ゴム弾性体および/または(メタ)アクリロイル基含有弾性体の弾性体成分と、上記紫外線硬化性オリゴマーおよび/または紫外線硬化性モノマーの紫外線硬化性成分と、上記重合開始剤とに加えてさらに、必要に応じて、重合禁止剤、粘度調整剤、レベリング剤、ワックス、消泡剤、老化防止剤、安定剤、着色剤、微粒子充填剤などを配合できる。
再剥離性粘着加工紙用組成物は、上記各成分を溶媒を使用することなく均一に混合することで得られる。より優れた表面光沢や塗工安定性等の確保のために、組成物は均一に相溶していることが好ましい。
【0030】
本発明に係る再剥離性粘着加工紙は、上記再剥離性粘着加工紙用組成物をプリント用シート、はがき用紙などの基材紙の重ね合わせ面にグラビアコーター、フレキソ、エアナイフコーター、バーコーターなどの塗布手段により基材紙全面あるいは所定の部分に塗布し、次いで、紫外線を照射することにより、適度に硬化した接着層を形成させることで得られる。硬化した接着層同士を重ね合わせ、例えば加圧ローラによって所定の圧力下で接着させることで再剥離性可能となる。なお、基材紙としては、上質紙、中質紙、ザラ紙、コットン紙、アート紙、コート紙、軽量コート紙、プラスチックラミネート紙、布、プラスチックラミネート布、プラスチックフィルム、金属箔などが挙げられる。
【0031】
【実施例】
次に、本発明を実施例に基いて具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に制限されるものではない。なお、以下の実施例および比較例で用いられる「部」および「%」はいずれも重量基準であり、また、Mwは下記測定条件に基づきゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定されたものである。
Mwの測定方法:
各試料を固形分について0.025%となるようにテトラヒドロフラン(THF)溶液に調製し、下記条件で測定した。
(1)GPC測定装置;東ソー株式会社製、高速GPC装置HLC−8820
(2)カラム;TSK−GELシリーズ
(3)移動相;THF
(4)流量;1ml/min.
(5)カラム温度;40℃
(6)検出器;RI、UV
(7)換算;ポリスチレン
【0032】
参考合成例1
アクリル基含有弾性体成分であるウレタンアクリレート(URポリマー)を以下の方法で合成した。
攪拌機を備えた反応容器に、トリレンジイソシアネート5.36部、分子量4,000の水酸基を2つ含有するポリプロピレングリコールエーテル92.95部および重合禁止剤である2,6−ジ−1−ブチル−P−クレゾ一ル0.02部を仕込んだ。内容物を攪拌しながら冷却し液温度が10℃以下になったらジブチル錫ジラウリレート0.08部を添加し、液温度を20〜30℃に制御しながら1時間攪拌した後、さらに40〜50℃で2時間攪拌した。その後、ヒドロキシエチルアクリレート1.59部加え、液温度50〜60℃にて3時間連続攪拌させ残留イソシアネートが0.1%以下になったときを反応終了とした。
得られたURポリマーのMwは10,000であった。
【0033】
参考合成例2
分子量20,000の水酸基を2つ含有するポリプロピレングリコールエーテルを用いる以外は参考合成例1と同様にしてURポリマーを得た。得られたURポリマーのMwは100,000であった。
【0034】
各実施例および比較例に用いた材料を以下に示す。なお、[ ]内は表1および表2に示す略号を表す。
(1)液状天然ゴム(Mw:35,000)[A−1]:エレメンティス スペシャリティス社製、DPR35
(2)液状スチレン−イソプレンブロック共重合体(Mw:40,000)[A−2]:エレメンティス スペシャリティス社製、ISOLENE40S
(3)末端アクリル変性ブタジエン(Mw:5,000)[A−3]:日本曹達社製、TEA−1000
(4)URポリマー(Mw:10,000)[A−4]:参考合成例1
(5)ウレタンアクリレート系反応性ポリマー(Mw:56,000)[A−5]:共栄化学社製、ライトタックPSA−705
(6)URポリマー(Mw:100,000)[A−6]:参考合成例2
(7)ポリイソブチレン(Mw:60,000)[A−7]:日本石油化学社製、ハイモール6T
(8)アクリルゴムポリマー(Mw:320,000)[A−8]:根上工業社製、パラクロンAW−4500H DR
(9)アクリルゴムポリマー(Mw:400,000)[A−9]:根上工業社製、パラクロンW197C DR
(10)アクリルゴムポリマー(Mw:650,000)[A−10]:根上工業社製、パラクロンAS−3000 DR
(11)アクリルゴムポリマー(Mw:1,100,000)[A−11]:根上工業社製、パラクロンAX−2 DR
(12)ロジン樹脂[B−1]:荒川化学社製、スーパーエステルA−100
(13)テルペンフェノール樹脂[B−2]:ヤスハラケミカル社製、YSポリスターT100
(14)光重合性モノマー(2官能性光重合性モノマー)[C−1]:昭和高分子社製、リポキシSP−1509
(15)フェノールエチレンオキサイド変性アクリレート(エチレンオキサイドのnが約4)(単官能性光重合性モノマー)[C−2]:東亜合成社製、アロニックスM102
(16)トリメチロールプロパンプロピレンオキサイド変性トリアクリレート(プロピレンオキサイドのnが約1)(3官能性光重合性モノマー)[C−3]:東亜合成社製、アロニックスM310
(17)ラウリルアクリレート(単官能性光重合性モノマー)[C−4]:大阪有機化学工業社製、LA
(18)イソオクチルアクリレート(単官能性光重合性モノマー)[C−5]:大阪有機化学工業社製、IOAA
(19)1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニルケトン[D−1]:チバスペシャリティケミカルズ社製、イルガキュア184
(20)2−メチル−1[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン[D−2]:チバスペシャリティケミカルズ社製、イルガキュア907
(21)4−ジメチルアミノ安息香酸エチル[E−1]:日本火薬社製、KAYACURE EPA
【0035】
実施例1
弾性体成分として液状天然ゴム[A−1]15部、紫外線硬化性成分としてフェノールエチレンオキサイド変性アクリレート(エチレンオキサイドのnが約4)[C−2]20部、トリメチロールプロパンプロピレンオキサイド変性トリアクリレート(プロピレンオキサイドのnが約1)[C−3]40部、ラウリルアクリレート[C−4]40部、重合開始剤として1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニルケトン[D−1]5重量部、重合促進剤として4−ジメチルアミノ安息香酸エチル[E−1]2重量部を均一に混合して再剥離性粘着加工紙用組成物を調製した。
【0036】
実施例2〜実施例11、比較例1〜比較例6
実施例と同一の方法により、表1および表2に示す配合で各成分を均一に混合して再剥離性粘着加工紙用組成物を調製した。なお、表1および表2に示す配合割合の単位は重量部である。
【0037】
各実施例および各比較例で得られた再剥離性粘着加工紙用組成物の安定性・相溶性を目視で評価した。各成分が相溶し透明な場合を○、僅かな混濁が見られた場合を△、混濁または沈殿が見られた場合を×でそれぞれ表した。結果を表1および表2に示す。
【0038】
各実施例および各比較例で得られた再剥離性粘着加工紙用組成物を用いて、再剥離性粘着加工紙を次の方法で作製した。
秤量110g/m2のコート紙にワイヤーバーにより7g/m2の割合で各実施例および比較例で得られた組成物を塗布し、紫外線照射による硬化によって接着層を形成した。紫外線照射条件は、メタルハライドまたは高圧水銀ランプ80W/cm2にて積算光量100〜200mJ/cm2である。
得られた再剥離性粘着加工紙は、塗工時における乾燥工程が不要であり、印刷面に優れた表面光沢がみられた。また、以下に述べる方法により接着力、剥離感、光沢度、耐ブロッキング性を評価した。結果を表1および表2に示す。
【0039】
(1)接着力
得られた再剥離性粘着加工紙を、幅25mm、長さ100mmに裁断して試料を作成し、この試料を2枚重ねで接着面層同士を貼り合わせ、40kg/cmの線圧を加え圧着した。
次いで、この再剥離性粘着加工紙のT型剥離接着力を接着剤の剥離接着強さ試験方法JISK6854に準じて、オートグラフAG500N(島津製作所製)を用いて、初期、1週間、2週間後のT型剥離接着力(gf/25mm幅)を測定した。なお、初期値は貼り合わせ1時間後のT型剥離接着力(gf/25mm)であり、1週間、2週間後の剥離接着力は、日光・大気暴露下の条件で経時変化させたときの剥離接着力である。
また、50℃に48時間放置した後の剥離接着力を耐熱接着力として、23℃、相対湿度90%に48時間放置した後の剥離接着力を耐湿接着力として、それぞれ評価した。
(2)剥離感
再剥離性粘着加工紙の加圧貼り合わせにより得られた加圧疑似接着紙における剥離感を以下の基準で評価した。評価は、圧着後、23℃、相対湿度90%に静置した後に行なった。
○:紙やぶれなく、なめらかに剥がれる。
△:紙やぶれなく剥がれるが、「ビリビリ」といった音がする。
×:紙やぶれが発生する。
(3)光沢度
再剥離性粘着加工紙の塗工面について、グロスメータを用いて反射角60度における反射率(%)を測定した。
(4)耐ブロッキング性
50℃雰囲気下で再剥離性粘着加工紙の塗工面同士を重ね合わせ、1cm2当り1kgの荷重をかける。その後、24時間放置し、剥離性を以下の基準で評価した。
○:不接着、若しくは紙やぶれなく容易に剥離できる。
△:微接着し剥離時に「バリバリ]とした音を立てるが、紙やぶれなく剥がせる。
×:紙やぶれする。
【0040】
【表1】
Figure 2004210879
【表2】
Figure 2004210879
【0041】
表1および表2に示すように、各実施例の再剥離性粘着加工紙用組成物は安定性・相溶性に優れ、この組成物を用いて作製された再剥離性粘着加工紙は接着力の経時変化が少なかった。
【0042】
【発明の効果】
本発明に係る再剥離性粘着加工紙用組成物は、ゴム弾性体および(メタ)アクリル基含有弾性体から選ばれた少なくとも一つのMwが 5,000〜40,000 の弾性体成分と、紫外線硬化性オリゴマーおよび紫外線硬化性モノマーから選ばれた少なくとも一つの紫外線硬化性成分と、重合開始剤とを含むので、塗工時における乾燥工程が不要であるとともに、優れた表面光沢、耐摩耗性、耐水性、耐ブロッキング性に優れた表面特性を有する再剥離性粘着加工紙が得られる。
【0043】
本発明に係る再剥離性粘着加工紙は、上記組成物を用いたので、接着力の経時変化が少ない再剥離性粘着加工紙が得られる。

Claims (4)

  1. ゴム弾性体および(メタ)アクリロイル基含有弾性体から選ばれた少なくとも一つの重量平均分子量が 5,000〜400,000 の弾性体成分と、紫外線硬化性オリゴマーおよび紫外線硬化性モノマーから選ばれた少なくとも一つの紫外線硬化性成分と、重合開始剤とを含むことを特徴とする再剥離性粘着加工紙用組成物。
  2. 前記(メタ)アクリロイル基含有弾性体がウレタンアクリレートであることを特徴とする請求項1記載の再剥離性粘着加工紙用組成物。
  3. 前記組成物に粘着付与剤が配合されてなることを特徴とする請求項1または請求項2記載の再剥離性粘着加工紙用組成物。
  4. 基材紙の重ね合わせ面の所定部に再剥離性粘着加工紙用組成物の硬化層を形成し、重ね合わせ面同士を対接させ所定の圧力を付与することにより再剥離可能に接着する再剥離性粘着加工紙であって、前記組成物が請求項1、請求項2または請求項3記載の再剥離性粘着加工紙用組成物であることを特徴とする再剥離性粘着加工紙。
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