JP2006342222A - 光硬化性樹脂組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】光学部品や光学デバイスの接合、封止、コーティングあるいは成形、及びガラス工芸品、時計、鏡等のガラス加工品における接着に好適な、粘度調整可能範囲が広く、低臭気、低アウトガスであり、かつ、透明性、接着力、耐湿熱性、耐熱性、耐紫外線性に優れた硬化物が得られる光硬化性樹脂組成物の提供。
【解決手段】(A)分子内にブタジエン単位に由来するエチレン性二重結合以外のラジカル重合性基を有しないポリブタジエン化合物、(B)炭素数が6以上の脂環族基又は鎖状脂肪族基を有する単官能(メタ)アクリレート、(C)水酸基及び/又は環状エーテル結合をもつ脂環族基又は鎖状脂肪族基を有する単官能(メタ)アクリレート、及び単官能アクリルアミド化合物からなる群から選ばれた少なくとも1種、及び(D)光重合開始剤を必須成分とする光硬化性樹脂組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は、光硬化性樹脂組成物に関するものである。詳しくは、粘度調整可能範囲が広く、低臭気、低アウトガスであり、かつ、透明性、接着力、耐湿熱性、耐熱性、耐紫外線性に優れた硬化物が得られる光硬化性樹脂組成物に関するものである。特に、種々の光学部品や光学デバイスの接合、封止、コーティングあるいは成形、及びガラス工芸品、時計、鏡等のガラス加工品における接着に好適な光硬化性樹脂組成物に関するものである。
従来、種々の電子部品、光学部品や光学デバイスの製造において紫外線硬化性あるいは可視光硬化性等の光硬化性樹脂組成物が多用されている。使用される形態としては接着、ポッティング、コーティング、封止、成型等の種々の形態がある。使用される組成物としては(メタ)アクリル系、エポキシ系、オキセタン系、ポリビニル系、ポリエン/ポリチオール系等が知られているが、特に(メタ)アクリル系が最も多用されており、用途に応じてウレタンアクリレート系、エポキシアクリレート系、ポリエステルアクリレート系等が使用されている。また、光学部品や光学デバイスの接合に限れば、ウレタンアクリレート系等の(メタ)アクリル系とともにポリエン/ポリチオール系が多用されている。
しかし、近年、光学部品や光学デバイスの高機能化が進むとともに、光硬化性樹脂組成物に求められる性能、品質も多種多様で、しかも高い水準となってきており、従来の光硬化性樹脂組成物では不十分となりつつある。そのため、種々の検討が行われているのが現状である。光硬化性樹脂組成物に求められる性能、品質として、具体的には、用途に適した粘度、低臭気、低アウトガス、高透明性、高接着力、高耐湿熱性、高耐熱性、高耐紫外線性等が挙げられる。
粘度については用途、作業に適していることが求められるが、光学部品や光学デバイスの接合においては低粘度が必要となることが多い。特許文献1には薄くて脆い光学基板を破損させることなく、かつ接着層に泡や干渉縞の無い状態で光学基板を接合する方法及び装置が示されているが、接着剤として使用される光硬化性樹脂組成物がより低粘度であることが好ましい。また、光学部品や光学デバイスにおいて、より高い透明性を得るためには接着剤の厚みをより小さくすることが望ましく、光硬化性樹脂組成物が低粘度であることが好ましい。さらに、光硬化性樹脂組成物が低粘度であることにより、種々の電子部品、光学部品や光学デバイス等において、薄いコーティングや浸透接着、浸透封止等が容易になるという場合もある。一方で、光学部品や光学デバイスの固定においては、塗布作業性や構造上の要求等から、光硬化性樹脂組成物が適度の高粘度を有することが好ましい場合が多い。また、光学部品や光学デバイスの一部を光硬化性樹脂組成物により成形する場合は、生産工程や構造上の要求に応じて、種々の好適な粘度が選択される。
低臭気、低アウトガスは作業環境、部品やデバイスの特性維持等の点で要求される。種々の電子部品、光学部品や光学デバイスの製造はクリーンルームで行うことが一般的であるが、適切な排気処理ができない場合には光硬化性樹脂組成物から発生する臭気、アウトガスにより作業環境が悪化したり、製造する部品、デバイスの汚染を生じることがある。また、作業環境の悪化には至らずとも、アウトガスにより部品、デバイスの局所的な汚染が生じたり、製造された後の工程や使用時に発生するアウトガスにより部品、デバイスの特性が低下することがある。特に、近年の光学部品、光学デバイスの小型化、精密化に伴い、アウトガスによる特性低下の問題が顕著となってきている。
光硬化性樹脂組成物の硬化物の高透明性は光学部品、光学デバイスの接合、封止、コーティング、成形等の透明性が必要な用途で必須の性能であるが、初期の透明性のみならず、種々環境に曝された後も透明性を維持することが重要である。後述するような高温高湿、高温加熱処理、長時間の紫外線照射等の条件に曝されても、白濁、変色や分光透過率の低下等が無いことが求められる。
光硬化性樹脂組成物の高接着力についてはガラス、セラミック、金属、プラスチック、熱硬化性樹脂等、種々材質の接着、封止、コーティング等において接着力が高いことが要求される。実用的な初期強度の確保以外に、切断、研磨や洗浄等の精密加工において剥がれや接着力の低下が生じないことも必要である。また、後述するような高温高湿、高温加熱処理、長時間の紫外線照射等の条件に曝されても、高い接着力を維持し、剥がれや接着力の低下を生じないことが必要である。
耐湿熱性は実用性を考慮して高温高湿試験を行うことにより評価されるが、この試験により光硬化性樹脂組成物の使用箇所において白濁、変色、剥がれや接着力の低下等が生じないことが、実際の使用における信頼性を高めることになる。近年、車載機器のみならず、車載以外の部品、デバイスにおいても、それらを搭載する機器が車内に放置されることを想定して厳しい高温高湿試験を行うことが多くなっている。また、特に長期間の信頼性が必要とされる光通信関連の部品、デバイスにおいては、より厳しい高温高湿試験が適用され、実用性が評価される。さらに、内視鏡等の医療機器ではプレッシャークッカーによる殺菌処理が必要であり、安全性を高めるためにより厳しい条件での高温高湿試験が適用され、実用性が評価される。
耐熱性は耐湿性と同様に実用性を考慮して高温試験を行うことにより評価されるが、近年、特に必要とされるものとして生産時の耐熱性が挙げられる。例えば、光学部品、光学デバイスへの表面処理や部分的な塗装等において、200℃を超えるような高温での蒸着処理や、高温での焼付塗装が施される場合がある。また、ICや抵抗、インダクタ等の電子部品以外にイメージセンサ等の光学部品も回路基板への表面実装が適用されるようになってきており、その場合は高温のハンダリフローに通される。近年、特にハンダの鉛フリー化に伴い、ハンダリフローの温度条件も厳しくなってきている。このような生産工程において、光学部品や光学デバイスの品質を高めるため、あるいは生産性や生産歩留まりを高めるために、光硬化性樹脂組成物の使用箇所が高温加熱処理に十分に耐えることが要求される。すなわち、高温加熱処理で剥がれ、発泡、クラック、変色等が生じないことが必要である。
耐紫外線性はブルーレイ、HD−DVD等の短波長レーザーを使用する光ディスク関連の部品、デバイスあるいは記録媒体等において重要となっている。レンズ、プリズム等光学部品の光路の接合や光ディスクの貼り合わせに光硬化性樹脂組成物が使用されることが多いが、ブルーレイ等の光学部品、媒体では初期の光透過性はもとより、長期間の使用時に光透過性が低下しないことが必要である。また、プロジェクター、フラットパネルディスプレイの光学部材も長時間の光照射に曝されるため、光硬化性樹脂組成物が使用される場合には耐紫外線性に優れることが望ましい。また、白色発光ダイオードでは蛍光体を含む封止剤により紫外線あるいは近紫外線を白色光に変換することが行われるが、封止剤のバインダー樹脂として光硬化性樹脂組成物を使用するためには樹脂の劣化による変色やクラック等が生じないことが必要である。
なお、光硬化性樹脂組成物に求められるこのような性能、品質については、光学部品や光学デバイスのみならず、従来、光硬化性樹脂組成物が使用されてきたガラス工芸品、時計、鏡等のガラス加工品においても有効である。
光学部品や光学デバイスの製造に適した光硬化性樹脂組成物として、多くの組成物が公知である。しかし、いずれの公知技術においても前述の性能、品質を十分に満たすものは無かった。例えば、低粘度で透明性に優れた光硬化性樹脂組成物としては、特許文献2にポリエン/ポリチオール系の組成物が示されている。本技術によれば低粘度で透明性、接着力に優れた光硬化性樹脂組成物が得られるが、ポリチオール成分に基づく異臭が強く、非特許文献1にはアウトガスとして発生したポリチオール成分によりガラスの腐食が生じることがあるという問題も示されている。また、本技術の組成物は透明性や接着力に関する耐湿熱性や耐熱性が十分ではない。また、光硬化性のポリエン/ポリチオール系の組成物は特許文献3、特許文献4にも示されているが、いずれも先述した課題をすべて満たすものではない。さらに、特許文献5ではオプトエレクトロニクス用に接着力が高められたポリエン/ポリチオール系の光硬化性樹脂組成物が示されているが、初期の接着力が良好であるものの、耐湿熱性、耐熱性、耐紫外線性は不十分であり、また、臭気、アウトガスについては特許文献1の技術と本質的な違いが無い。
光学部品、光学デバイス等の透明接着に適した(メタ)アクリル系の光硬化性樹脂組成物については、特許文献6〜8に示されている。特許文献6には(a)分子内の主鎖骨格がポリブタジエン、ポリイソプレン又はその水素添加物のいずれか、又はその混合物からなり、両端又は側鎖に1個以上の(メタ)アクリロイル基を有する、分子量500から5000のプレポリマー30〜70質量部、(b)イソボルニルメタクリレート20〜60質量部、(c)特定の(メタ)アクリレートモノマー10〜40質量部、(d)光重合開始剤からなる組成物が、高い接着力、高い耐湿性、及び低内部応力であることが示されている。しかし、本技術では、種々材質への接着力が不十分であり、特に剥離接着強さが不足する傾向にある。また、接着力、透明性の両方に関して、高温高湿放置、高温加熱処理、及び長時間の紫外線照射において十分な性能を得ることが難しい。特許文献7にはカンファーキノン等の光重合開始剤0.01〜5重量%、アシルホスフィンオキサイド系の光重合開始剤0.01〜5重量%、脂肪族3級アミン0.1〜20重量%、及びラジカル重合性モノマーより成る可視光重合型接着剤が示されている。本技術によれば、接着力、透明性に優れ、耐紫外線性も良好な低粘度接着剤が得られる。しかしながら、例示されたような単官能モノマー主体の組成では硬化収縮が大きく、応力緩和性も乏しいため、剥離接着強さが不足する傾向にあり、接着耐熱性や切削加工時の接着性等に問題がある。また、硬化性が低く、臭気やアウトガスが多くなる傾向がある。また、特許文献8には飽和吸水率0.4重量%以下の透明樹脂を接着するための接着剤組成物が示されており、高温高湿試験後も接着強度と透明性が保持されることが示されている。しかし、光学部品や光学デバイスの主要材料であるガラスに対する接着性が低い傾向にあり、また、高温加熱処理時や長時間の紫外線照射時の接着性や透明性が不十分であった。
光学部品、光学デバイス等における光硬化性樹脂組成物の利用については、他にも多数の技術の開示がある。特許文献9、特許文献10には光学部品、光学デバイス等の固定接着、シール等に適した光カチオン重合性の樹脂組成物が示されている。特許文献9に記載の組成物は光通信系の光導波路やVグルーブ等の精密光部品の接着に適したものであり、低粘度、低アウトガスで初期及び湿熱後の接着力に優れ、適度な透明性を有することが示されている。しかし、使用される光カチオン重合開始剤が原因となり、高温加熱処理、高温高湿放置、長時間の紫外線照射時の透明性が不十分である。特許文献10には光、電子デバイス中空パッケージを気密封止するために用いられ、耐湿性に優れ、低応力化がなされた接着剤が示されている。低応力化により高温加熱処理時の接着性はある程度確保できるが、本技術は本質的にパッケージの外周シールを目的としたもので透明接合や透明封止を目的としたものではなく、透明性は不十分である。
特許文献11〜14には光ディスクやスクリーンの製造に使用される光硬化性樹脂組成物が示されている。特許文献11〜13には光ディスク用の硬化物層を形成するための光硬化性樹脂組成物が示されており、低硬化収縮、低吸水性で透明性に優れた硬化物層が得られ、波長400nm程度の短波長レーザーに対応することも示されているが、これらの技術では、例えば300mPa・s以下のような低粘度の組成物を得ることは困難である。また、光ディスク用の硬化物を形成するための組成物であり、接着剤としての使用や、さらにはガラス系の光学部品や光学デバイス等で実施されるような200℃程度の高温加熱処理を想定したものではない。また、透明性については環境試験における400nmの光線透過率は良好であるものの、近紫外線である400nmの光線を長時間照射した場合の透過率は不十分である。特許文献14には透過型スクリーン用の光硬化型接着剤組成物として比較的低粘度の組成物が得られ、接着性、透明性に優れることが示されている。しかし、厳しい高温高湿条件での接着耐久性、透明性や高温加熱処理時、長時間の紫外線照射時の接着性や透明性に関しては不十分である。
以上のように光学用途に使用される光硬化性樹脂組成物に関して、種々の技術が開示されているものの、粘度調整可能範囲の広さ、低臭気、低アウトガス、高透明性、高接着力、高耐湿熱性、高耐熱性、及び高耐紫外線性の要求をすべて満たすものは無かった。なお、これまでに挙げた特許文献のいくつかにおいて、(メタ)アクリル変性されたポリブタジエン化合物を使用することが示されているが、光学用途以外でも(メタ)アクリル変性されたポリブタジエン化合物を使用した光硬化性樹脂組成物が多く示されている。その例として、特許文献15〜20が挙げられるが、先に挙げた特許文献の技術と同様に、透明性や接着性に関して十分な性能を得ることができない。また、非特許文献2には液状ブタジエンオリゴマーとメタクリル酸メチル、アクリル酸エチルの混合物がラジカル重合開始剤の作用により硬化して、液状ブタジエンオリゴマー単独の場合と同様に、硬度が高く透明な樹脂を与えることが示されている。しかし、光学用途の接着、封止、コーティング等についての具体的な検討は行われていない。
特開2005−91595号公報 特公昭63−20255号公報 特開昭63−280711号公報 特開平2−32157号公報 特開2005−76018号公報 特開2005−76017号公報 特許3442776号公報 特開平10−95967号公報 特開2004−339246号公報 特開平10−102026号公報 特開平9-194546号公報 特開2003−119231号公報 特開2004−299263号公報 特開平9−194547号公報 特開昭54−34338号公報 特開昭63−238102号公報 特開昭64−20215号公報 特開昭64−85209号公報 特開平6−65334号公報 特開平7−33837号公報 片岡麻理子,若林ゆかり,佐竹一基:Proceedings of the Third Sony Research Forum,p.339(1993). 「液状ブタジエンオリゴマーNISSO−PB」(日本曹達株式 会社カタログ、1993年、第5頁)
前述のとおり、光硬化性樹脂組成物として多くの組成物が公知であるが、粘度、臭気、アウトガス、透明性や接着性、また、透明性や接着性に関する耐湿熱性、耐熱性、耐紫外線性の点で光学部品、光学デバイス等の高機能化における要求に適した組成物は見いだされていない。(メタ)アクリル系の光硬化性樹脂組成物では分子量が大きいアクリルオリゴマー、すなわち、ウレタン(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート等を主成分とすることが多いが、これらの(メタ)アクリルオリゴマーの使用により硬化性や接着性等の性能を確保するためには、その配合割合をある程度高くする必要があり、その結果として粘度が高くなる傾向にある。粘度が高くなると作業性が低下する場合があるほかに、接着時の硬化物層が厚くなりやすく、アウトガスが多くなったり、透明性が損なわれることがある。また、(メタ)アクリルオリゴマーは製造時にラジカル重合防止剤を多量に使用する必要があるため、ラジカル重合防止剤に起因する変色が起こりやすい。一方、このような(メタ)アクリルオリゴマーを使用しないか、あるいは少量配合とした場合には低粘度となるものの、硬化収縮が大きくなり、また、応力緩和性が低下するために接着性が低下する傾向にある。また、低分子量の(メタ)アクリルモノマーの配合割合が高くなることにより、臭気やアウトガスが大きくなりやすい。なお、ポリエン/ポリチオール系光硬化性樹脂組成物の場合に臭気、アウトガス、接着耐久性等が問題となることは前記した通りである。また、エポキシ系やオキセタン系等の光カチオン重合性の光硬化性樹脂組成物の場合は、必須成分である光カチオン重合開始剤により、特許文献9、特許文献10の例のように透明接合の用途には不適当となることが多い。本発明はこれらの従来の技術での問題点を解決した光硬化性樹脂組成物の提供を目的としている。すなわち、粘度調整可能範囲が広く、低臭気、低アウトガスであり、かつ、透明性、接着力、耐湿熱性、耐熱性、及び耐紫外線性に優れた光硬化性樹脂組成物の提供を目的としている。
以上の課題を解決するため、本発明者は鋭意検討を行い、第一ないし第五の発明である光硬化性樹脂組成物を見いだした。
第一の発明は、(A)分子内にブタジエン単位に由来するエチレン性二重結合以外のラジカル重合性基を有しないポリブタジエン化合物、(B)炭素数が6以上の脂環族基又は鎖状脂肪族基を有する単官能(メタ)アクリレート、(C)水酸基及び/又は環状エーテル結合をもつ脂環族基又は鎖状脂肪族基を有する単官能(メタ)アクリレート、及び単官能アクリルアミド化合物からなる群から選ばれた少なくとも1種、及び(D)光重合開始剤を必須成分とする光硬化性樹脂組成物である。
第二の発明は、第一の発明において、(A)成分のポリブタジエン化合物が、分子内に水酸基、エポキシ基、又はカルボキシル基のいずれか1種以上を有するポリブタジエン化合物である光硬化性樹脂組成物である。
第三の発明は、第一の発明または第二の発明において、(A)成分、(B)成分、及び(C)成分からなる硬化樹脂成分100質量部において、(A)成分が10〜70質量部、(B)成分と(C)成分の合計が30〜90質量部であり、(B)成分と(C)成分の合計のうち(B)成分の割合が30〜95重量%である光硬化性樹脂組成物である。
第四の発明は、第一の発明、第二の発明、第三の発明のいずれかにおいて、(B)成分のうち50重量%以上が炭素数が6以上の脂環族基を有する単官能(メタ)アクリレートである光硬化性樹脂組成物である。
第五の発明は、第一の発明、第二の発明、第三の発明、第四の発明のいずれかにおいて、(A)成分、(B)成分、及び(C)成分からなる硬化樹脂成分100質量部に対して、(E)多官能(メタ)アクリレート0〜20質量部、(D)光重合開始剤0.1〜5質量部を配合することを特徴とする光硬化性樹脂組成物である。
本発明の光硬化性樹脂組成物によれば、種々の光学部品、光学デバイス等において、作業に適するよう粘度を調整することが可能となり、特に低粘度で泡を含まない薄膜での接着も容易となる。また、低臭気、低アウトガスで作業環境の悪化や光学部品、光学デバイスの汚染による性能低下を生じることが無い。また、初期の透明性や接着力が優れるだけでなく、高温高湿放置、高温加熱処理、紫外線ないし近紫外線の長時間照射の後も変色、曇り、剥がれやクラックが無く、透明性、接着力に優れた接着が可能となる。また、光学部品、光学デバイス等の接着に限らず、封止、コーティング、及び成形等の使用でも優れた性能が得られる。
本発明では、(A)分子内にブタジエン単位に由来するエチレン性二重結合以外のラジカル重合性基を有しないポリブタジエン化合物、(B)炭素数が6以上の脂環族基又は鎖状脂肪族基を有する単官能(メタ)アクリレート、(C)水酸基及び/又は環状エーテル結合をもつ脂環族基又は鎖状脂肪族基を有する単官能(メタ)アクリレート、及び単官能アクリルアミド化合物からなる群から選ばれた少なくとも1種、及び(D)光重合開始剤を必須成分として含有する。以下にこれらの必須成分について詳細に説明する。
(A)成分の分子内にブタジエン単位に由来するエチレン性二重結合以外のラジカル重合性基を有しないポリブタジエン化合物は、ブタジエンの重合により得られる化合物であり、分子中に1,2−結合、シス1,4−結合、トランス1,4−結合を種々の割合で有する化合物である。その割合はブタジエンの重合時の触媒や重合条件によって変化することが知られているが、本発明では、その割合によらず、すべてのポリブタジエン化合物を使用することができ、一種単独で、もしくは二種以上を併用して用いることができる。従来、光硬化性樹脂組成物でポリブタジエン化合物を使用する場合、背景技術の項で例示したように、(メタ)アクリル基のようなラジカル重合性基を分子内に有するものを主成分として使用することが殆どである。しかし、本発明が特徴とするところは、主成分の一つとして用いるポリブタジエン化合物が分子内にこのようなラジカル重合性基を有しないことである。(A)成分の代わりに、従来の技術のようなラジカル重合性基を有するポリブタジエン化合物を用いた場合、本発明の目的を達成することはできなくなる。本発明のごとく、ラジカル重合性基を有しないポリブタジエン化合物を用いた場合に特に優れた接着性が得られる理由は定かでないが、ポリブタジエン化合物と(メタ)アクリルモノマーとの間の架橋反応が進行する際、及び進行した後に応力緩和が有効に得られる硬化物となるためと推定される。本発明では、ラジカル重合性基を有しないポリブタジエン化合物の配合割合が少なくても優れた接着性が得られるが、これも応力緩和性が高いためと推定される。このように、配合割合を少なくできることや、ラジカル重合性基を有しないポリブタジエン化合物は(メタ)アクリル基のようなラジカル重合性基を分子内に有するポリブタジエン化合物に比べると分子量が低めであることから、低粘度の調整も容易となる。また、ラジカル重合性基を有しないポリブタジエン化合物はその製造工程において、ラジカル重合防止剤を多量に用いる必要が無いため、変色が少ない透明性に優れた硬化物が得られるものと考えられる。
本発明の(A)成分としてより好ましいポリブタジエン化合物は、分子内に水酸基、エポキシ基、又はカルボキシル基のいずれか1種以上を有するポリブタジエン化合物である。このような特定のポリブタジエン化合物を使用することにより、接着力や透明性がより高くなり、耐湿熱性、耐熱性がより優れたものとなる。なお、ポリブタジエン化合物の分子量は500〜20000が好ましく、1000〜10000がより好ましい。
本発明の(A)成分として、ポリブタジエングリコールのような末端水酸基を有するポリブタジエン化合物とジイソシアネート化合物の反応により、分子量が高くなりすぎない程度にポリブタジエン鎖を延長した化合物を使用することも可能である。ポリエステルグリコール、ポリエーテルグリコール、水素添加ポリブタジエングリコール、(水素添加)ポリイソプレングリコール等の他の末端水酸基化合物を併用して合成した、ポリブタジエン鎖を含むウレタン化合物を使用することも可能である。本発明では、上記の化合物に限らず、種々の合成方法で得られるポリブタジエン誘導体も使用できる。ただし、化合物中のポリブタジエン鎖の割合が少なすぎると、架橋反応が起こりにくくなるため、30重量%以上がポリブタジエン鎖であることが好ましい。
(A)成分のポリブタジエン化合物の配合割合は、(A)成分、(B)成分、及び(C)成分からなる硬化樹脂成分(以下基本硬化樹脂成分という)を100質量部とした場合、そのうちの10〜70質量部であることが好ましく、15〜60質量部がより好ましい。配合割合が10質量部未満であると応力緩和性が少なくなり接着力が低下して、耐湿熱性、耐熱性も不十分となりやすい。また、配合割合が70質量部を超えると粘度が高くなりすぎたり、硬化性の低下や硬化物の凝集力低下が生じて接着力が低くなる傾向がある。
(A)成分のポリブタジエン化合物は市販の製品をそのまま使用することができる。水酸基、エポキシ基、又はカルボキシル基のいずれも有しないもの、すなわちブタジエンを重合させただけのものとしては、日本曹達株式会社製のNISSO−PB B−1000(数平均分子量900〜1300)、B−2000(数平均分子量1800〜2200)、B−3000(数平均分子量2600〜3400)等が挙げられる。また、水酸基、エポキシ基、又はカルボキシル基のいずれか1種以上を有するものとしては、日本曹達株式会社製のNISSO−PB G−1000(末端水酸基、数平均分子量1250〜1650)、G−2000(末端水酸基、数平均分子量1800〜2200)、G−3000(末端水酸基、数平均分子量2600〜3200)、C−1000(末端カルボキシル基、数平均分子量1200〜1550)、出光興産株式会社のPoly bd R−15HT(末端水酸基、数平均分子量1200)、R−45HT(末端水酸基、数平均分子量2800)、ダイセル化学工業株式会社のエポリードPB3600(内部エポキシ化、数平均分子量5900)、旭電化工業株式会社のアデカレジンEPB1200(内部エポキシ化)、長瀬産業株式会社のデナレックスR−45EPT(末端エポキシ化)等が挙げられる。
(B)成分の炭素数が6以上の脂環族基又は鎖状脂肪族基を有する単官能(メタ)アクリレートとしては、例えば、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、ヘプチル(メタ)クリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート等が挙げられ、一種単独で、もしくは二種以上を併用して用いることができる。炭素数が6未満の場合は、臭気が強く、アウトガスも多くなりやすい。また、硬化収縮が大きくなるため接着力が低くなったり、耐水性の低い硬化物となって耐湿熱性が低くなったりする。
(C)成分は水酸基及び/又は環状エーテル結合をもつ脂環族基又は鎖状脂肪族基を有する単官能(メタ)アクリレート、及び単官能アクリルアミド化合物からなる群から選ばれた少なくとも1種であり、具体的には、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、オキセタニル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートグリシジルエーテル、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート、1,4−シクロヘキサンジメタノールモノ(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアクリルアミド、アクリロイルモルフォリン、N−ビニルホルムアミド等が挙げられ、一種単独で、もしくは二種以上を併用して用いることができる。
(B)成分、及び(C)成分の配合割合は、基本硬化樹脂成分を100質量部とした場合、(B)成分と(C)成分の合計が30〜90質量部で、そのうち30〜95重量%を(B)成分とすることが好ましい。(B)成分と(C)成分の合計は40〜85質量部であることがより好ましく、(B)成分の割合は40〜90重量%であることがより好ましい。(B)成分と(C)成分の合計が30質量部未満であると、粘度が高くなるとともに、硬化性の低下や硬化物の凝集力の低下が生じて接着力が低くなる傾向がある。(B)成分と(C)成分の合計配合割合が90質量部を超えると、硬化収縮が大きくなる一方で応力緩和性が不十分となり、接着力が低下する傾向がみられる。また、(B)成分と(C)成分の合計のうち、(B)成分が30重量%未満であると、相溶性が悪くなり透明性が低下したり、白濁したり、均一な液にならないことがある。均一性、透明性が良好であっても、接着力に関して耐湿熱性や耐熱性が不十分となりやすい。(B)成分と(C)成分の合計のうち、(B)成分が95重量%を超えると、接着力が低下する傾向がみられ、特にガラス、金属等の無機系材料への接着力が低下しやすく、耐湿熱性や耐熱性も不十分となりやすい。また、高温高湿放置後に白濁しやすくなる。なお、(B)成分のうちでは、炭素数が6以上の脂環族基を有する単官能(メタ)アクリレートを50重量%以上とすることが好ましい。脂環族基を有する(メタ)アクリレートを50重量%以上とすることにより、硬化物の凝集力が高くなり、高い接着力が得られる。
(D)成分の光重合開始剤としては、例えば、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、メチルフェニルグリオキシレート、アセトフェノン、ベンゾフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2−メチル[−4−(メチルチオ)フェニル−]モルフォリノ−1−プロパン、ベンジル、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、2−クロロチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニル−フォスフィンオキサイド、ビス−(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチル−フォスフィンオキサイド、カンファーキノン等が挙げられ、一種単独で、もしくは二種以上を併用して用いることができる。これらのうち、硬化性や透明性の点から、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニル−フォスフィンオキサイドが特に好ましい。
(D)成分の配合割合は基本硬化樹脂成分100質量部に対して、0.1〜5質量部であることが好ましく、0.3〜3質量部がより好ましい。配合割合が0.1質量部未満であると十分な硬化が得られず、初期の接着力、耐湿熱性、耐熱性が低くなる。また、臭気、アウトガスも多くなる。配合割合が5質量部を超えると硬化性が向上しない一方で、(D)成分自身やその分解物に由来すると思われる黄変が生じやすくなる。また、(D)成分の種類によっては臭気やアウトガスも多くなることがある。
本発明の必須成分である(A)成分、(B)成分、(C)成分、及び(D)成分以外に、(E)成分である多官能(メタ)アクリレートの配合も本発明の効果を高めることがあり、特に硬化性や耐湿熱性、耐熱性の向上に有効である場合がある。しかしながら、多官能(メタ)アクリレートを添加しすぎると、硬化時及び硬化後の応力緩和性が低下して接着力が低下しやすい。また、多官能(メタ)アクリレート中には一般的にラジカル重合防止剤や不純物が多いため、変色が生じやすくなる。従って、その配合割合は基本硬化樹脂成分100質量部に対して、0〜20質量部であることが好ましく、0〜10質量部がより好ましく、0〜5質量部が特に好ましい。多官能(メタ)アクリレートの具体例としては、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメタノールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリス(メタ)アクリロキエチルイソシアヌレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリヒドロキシエチルイソシアヌレートトリ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物のジ(メタ)アクリレート等が挙げられ、一種単独で、もしくは二種以上を併用して用いることができる。また、これらの低分子量物に限らず、各種のウレタン(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート等のオリゴマーも多官能(メタ)アクリレートとして配合することが可能である。
また、本発明の組成物には、本発明での性能を損なわない範囲であれば、(A)成分、(B)成分、(C)成分、(E)成分の他に単官能(メタ)アクリレート等のエチレン性不飽和化合物を配合することができる。具体的にはベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、ノニルフェノールエチレンオキサイド付加物の(メタ)アクリレート、パラクミルフェノールエチレンオキサイド付加物の(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、2−メトキシエチル(メタ)アクリレート、メトキシトリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、2−エトキシエチル(メタ)アクリレート、エチルカルビトール(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリロイロキシエチルコハク酸、2−(メタ)アクリロイロキシエチルフタル酸、2−(メタ)アクリロイロキシエチルヘキサヒドロフタル酸、2−(メタ)アクリロイロキシエチルアシッドホスフェート、1H,1H,5H−オクタフルオロペンチル(メタ)アクリレート、パーフルオロオクチルエチル(メタ)アクリレート等が挙げられ、一種単独で、もしくは2種以上を併用して用いることができる。これらのエチレン性不飽和化合物は光硬化性樹脂組成物の粘度、接着性や屈折率等を調整するのに有効である。(A)成分、(B)成分、(C)成分、(E)成分以外のエチレン性不飽和化合物の配合割合は、ベースとなる硬化樹脂組成、使用するエチレン性不飽和化合物の種類により変わるが、基本硬化樹脂成分を100質量部とした場合に0〜20質量部であることが好ましい。
本発明の組成物には、上記の(A)〜(E)成分及びそれ以外のエチレン性不飽和化合物の他に種々の添加剤を加えることが可能である。添加剤としてはシランカップリング剤、可塑剤、タッキファイヤー、熱可塑性樹脂、無機微粒子又は繊維、有機微粒子又は繊維、顔料、染料、赤外線吸収剤、光増感剤、有機過酸化物、レドックス重合触媒、ラジカル重合防止剤、酸化防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤、ワックス類、界面活性剤等が挙げられる。これらの添加剤の配合により、添加剤の種類によっては本発明の効果の一つである優れた透明性が生かされなくなる場合もあるが、粘度調整可能範囲が広く、低臭気、低アウトガスであり、かつ、接着力、耐湿熱性、耐熱性、耐紫外線性に優れた硬化物が得られるという他の性能を生かして、優れた機能が発揮される。
シランカップリング剤は接着性を向上させる効果があり、特にガラス、セラミック、金属等の無機系材料の接着耐湿熱性の確保に有効である。その配合割合は基本硬化樹脂成分100質量部に対して、0〜10質量部であることが好ましく、1〜5質量部がより好ましい。配合割合が10質量部を超えるとシランカップリング剤の加水分解によりアルコールが生成するためアウトガスが多くなりやすく、また、保存中にシランカップリング剤が加水分解、縮合してゲル化や沈殿を生じることもある。シランカップリング剤の具体例としては、3−(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−(メタ)アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(2−メトキシエトキシ)シラン等が挙げられ、一種単独で、もしくは二種以上を併用して用いることができる。また、これらのシラン化合物を一種単独で、もしくは二種以上混合して部分的に加水分解した後、縮合させたものも用いることができる。
可塑剤、タッキファイヤー、熱可塑性樹脂は粘度や硬化物の柔軟性、接着性、靭性等を調整する効果がある。例えば、ジブチルフタレート、ジオクチルフタレート、ジノニルフタレート、アセチルクエン酸トリエチル、アセチルクエン酸トリブチル等の可塑剤、ポリエステル系可塑剤、エポキシ樹脂、水添石油樹脂、ロジンエステル、テルペン樹脂、(メタ)アクリルポリマー、アクリルゴム、ポリエステル樹脂、スチレン系ブロック共重合体等が挙げられる。また、水添ポリブタジエン、(水添)ポリイソプレン、ポリブテン等の液状ポリマーやその誘導体も同様の目的のために配合できる。これらの配合割合は特に限定されないが、基本硬化樹脂成分100質量部に対して、0〜50質量部が好ましい。50質量部を超えると粘度が高くなりすぎたり、硬化性、接着性、透明性が低下する傾向がある。
無機微粒子又は繊維としては、ヒュームドシリカ、溶融シリカ、破砕シリカ、球状シリカ、シリカバルーン、アルミナ、タルク、クレー、マイカ、ハイドロタルサイト、無機イオン交換体等の微粒子、ガラス繊維、セラミックウィスカー等の繊維を加えることが可能である。ヒュームドシリカは透明性をある程度維持したままで、組成物の粘度、チキソトロピー性を調整するのに有効である。また、他の無機微粒子では硬化収縮の低減、硬化物への光散乱性の付与、線膨張係数の低減、強靭性の付与、熱伝導性の向上、イオン性不純物の捕捉等の効果が得られる。このほかに、ITO等の金属酸化物微粒子、金、銀、銅、白金、ニッケル、カーボンブラック、カーボン繊維、カーボンナノチューブ等の微粒子又は繊維を配合して、導電性を付与することも可能である。
有機微粒子としては、球状ポリマー微粒子、コアシェルポリマー微粒子、エラストマー微粒子、熱膨張性マイクロカプセル等を加えることが可能である。球状ポリマー微粒子は、例えば屈折率差を利用した光散乱効果を得るのに有効である。コアシェルポリマー微粒子、エラストマー微粒子は、例えば応力緩和性の付与により接着力をより高めることに有効である。また、熱膨張性マイクロカプセルは内部にブタン、イソブタン等の低沸点炭化水素を封入したマイクロカプセルであり、硬化後に加熱や熱水浸漬を行うことで剥離性を付与することが可能であり、仮固定剤やマスキング剤、解体性接着剤として利用できる。
光増感剤は光重合開始剤の分解を促進する助剤として使用することができる。光増感剤としては、例えば、トリエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、ジ−n−ブチルアミン、n−ブチルアミン、4,4’−ビス(N,N−ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4’−ビス(N,N−ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、4−N,N−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4−N,N−ジメチル安息香酸プロピル、4−N,N−ジメチル安息香酸イソプロピル、4−N,N−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル等が挙げられる。エチレン性不飽和化合物であるN,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレートも使用することができる。
有機過酸化物は光が届かない部分を加熱あるいは嫌気重合性により硬化させる場合に有効である。また、レドックス重合触媒を含むプライマーと組み合わせたり、レドックス重合触媒を配合した硬化性樹脂組成物と組み合わせることによりハネムーン接着剤、二液硬化性樹脂として使用することも可能となる。有機過酸化物としては、例えば、t−ブチルパーオキシベンゾエート、t−ブチルパーオキシピバレート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシラウレート、ジラウリロイルパーオキサイド、ジベンゾイルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、メチルエチルケトンパーオキサイド、t−ブチルハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド等が挙げられる。本発明の組成物に有機過酸化物を配合した場合の熱硬化性は、有機過酸化物の分解温度、配合割合により変わるが、80〜150℃に加熱されることが多く、100〜120℃に加熱されることがより一般的である。また、加熱時間は10分〜6時間であることが多く、30分〜2時間であることがより一般的である。また、レドックス重合触媒としては、N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジメチル−p−トルイジン、テトラヒドロキノリン、チオ尿素、エチレンチオ尿素、ベンゾイルチオ尿素、アセチルチオ尿素、テトラメチルチオ尿素、1,3−ブチルチオ尿素、ナフテン酸コバルト、ナフテン酸ニッケル、ナフテン酸銅等が挙げられる。
酸化防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤は熱や光による硬化物の変色や劣化を抑制するために使用することができる。酸化防止剤としては、例えば、2,6−ジ−t−ブチルヒドロキシトルエン、テトラキス〔メチレン(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシヒドロシンナメート)〕メタン等のヒンダードフェノール系酸化防止剤、ジラウリル−3,3’−チオジプロピオネート、ジステアリル−3,3’−チオジプロピオネート等のイオウ系酸化防止剤、トリエチルホスファイト、ジラウリルヒドロゲンホスファイト等のホスファイト系酸化防止剤等が挙げられる。光安定剤としては、例えば、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペラジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペラジル)セバケート、ペンタメチルピペリジル(メタ)アクリレート、テトラメチルピペリジル(メタ)アクリレート等のヒンダードアミン系光安定剤等が挙げられる。紫外線吸収剤としては、例えば、2−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−〔2−ヒドロキシ−3−(3,4,5,6−テトラヒドロフタルイミド−メチル)−5−メチルフェニル〕ベンゾトリアゾール等のベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシベンゾフェノン等のベンゾフェノン系紫外線吸収剤等が挙げられる。
以下に実施例及び比較例を示し、本発明を具体的に説明する。各成分の配合割合は質量部で示す。各種物性は、次のように測定した。
〔粘度〕円錐平板型回転粘度計を用いて、25℃での粘度を測定した。
〔臭気〕スライドガラス上に組成物を塗布して臭気を嗅ぎ、異臭の有無を評価した。
〔光硬化条件〕接着試験及び硬化物作成のための光硬化に際しては、250W超高圧水銀ランプにより、365nmの受光器(ウシオ電機社製、UVD−365PD)での積算光量が2000mJ/cmとなる条件にて硬化させた。
〔アウトガス〕100μm厚のシリコンゴムシートをスペーサーとして周辺に配置したスライドガラス上に組成物を滴下し、もう1枚のスライドガラスを載せて円形状に貼り合わせた状態とした後、窒素雰囲気下にして光硬化を行った。シリコンゴムシートを取り除いて重量を測定し、スライドガラスのみの重量との差から硬化物の初期重量を求めた。200℃にて4時間加熱した後、重量を再測定し、重量減少からアウトガスの割合を求めた。
〔光透過率〕25μm厚のPETフィルムをスペーサーとして周辺に配置したスライドガラスに組成物を適量塗布し、気泡が入らないようにもう1枚のスライドガラスを載せて全体を貼り合わせた状態とした後、空気中で光硬化を行った。周囲にはみ出した組成物の未硬化部分はアセトンを用いて拭き取り、測定面を清浄にした後、紫外可視分光光度計にて400nmでの光透過率を測定した。
〔密着性〕種々の材料に組成物を塗布し、シリコン処理PETセパレートフィルムを載せて貼り合わせた状態として光硬化を行った。フィルムを剥がし、JIS K 5400に準じて、1mm間隔の碁盤目テープ試験を行い、残存した個数を測定した。
〔耐湿熱性〕光透過性の測定と同様にして作成した試料を、60℃95%RHの恒温恒湿槽に168時間放置した後、取り出して23℃50%RHの室内に1時間放置してから、剥がれの有無を観察し、剥がれが無い場合を○、部分的に剥がれがある場合を△、半分以上に剥がれがある場合を×とした。また、○、又は△の場合には紫外可視分光光度計で400nmの光透過率を測定した。
〔耐熱性〕光透過性の測定と同様にして作成した試料を、200℃のオーブンに4時間放置した後、取り出して23℃50%RHの室内に1時間放置してから、剥がれ、クラックの有無を観察し、剥がれ、クラックが無い場合を○、部分的に剥がれ、又はクラックがある場合を△、半分以上に剥がれ、又はクラックがある場合を×とした。また、○、又は△の場合には紫外可視分光光度計で400nmの光透過率を測定した。
〔耐紫外線性〕光透過性の測定と同様にして作成した試料を、ブラックライトのすぐ近くに固定して3週間照射を続けた後、剥がれの有無を観察し、剥がれが無い場合を○、部分的に剥がれがある場合を△、半分以上に剥がれがある場合を×とした。また、○、又は△の場合には紫外可視分光光度計で400nmの光透過率を測定した。なお、ブラックライトの照度は365nmの受光器にて3mW/cmであり、3週間照射時の積算光量は約5400J/cmであった。
(実施例1〜22)表1、表2、及び表3の配合割合で各成分を混合して光硬化性樹脂組成物を調製した。この組成物について、粘度、臭気、アウトガス、光透過率、密着性、耐湿熱性、耐熱性、耐紫外線性を評価した。結果を表1、表2、及び表3に併記した。また、配合組成中の成分としては、下記のものを使用した。
A−1:α,ω−ポリブタジエングリコール(日本曹達株式会社製、NISSO−PB G−1000)
A−2:α,ω−ポリブタジエングリコール(日本曹達株式会社製、NISSO−PB G−3000)
A−3:エポキシ化ポリブタジエン(ダイセル化学工業株式会社製、エポリードPB3600)
A−4:α,ω−ポリブタジエンジカルボン酸(日本曹達株式会社製、NISSO−PB C−1000)
B−1:イソボルニルアクリレート
B−2:ジシクロペンテニルオキシエチルアクリレート
B−3:ラウリルアクリレート
C−1:4−ヒドロキシブチルアクリレート
C−2:テトラヒドロフルフリルアクリレート
C−3:N,N−ジメチルアクリルアミド
D−1:1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン
D−2:2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニル−フォスフィンオキサイド
E−1:トリエチレングリコールジメタクリレート
E−2:トリシクロデカンジメタノールジアクリレート
E−3:ウレタンアクリレート(根上工業社製、アートレジンUN−9200A)
他−1:3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン
他−2:3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン
実施例1〜8では、(A)成分、(B)成分、(C)成分、及び(D)成分の種々組み合わせについて評価したところ、各評価項目にて良好な結果が得られた。実施例9、実施例10では、(A)成分の配合割合を少なくしたところ、非常に低粘度の組成物が得られたが、(A)成分の配合割合が10質量部と最も少ない実施例10にてポリカーボネートの密着性が低下すると共に、耐熱性試験で部分的にクラックが生じた。一方、実施例11、実施例12では、(A)成分の配合割合を多くしたところ、高粘度の組成物となり、(A)成分の配合割合が70質量部と最も多い実施例12にてアルミニウムの密着性が低下した。実施例13〜17では、(B)成分と(C)成分の配合割合について評価したところ、(B)成分の配合割合が95重量%と最も多い実施例14、(B)成分の配合割合が33重量%と最も少ない実施例16、及び(B)成分として脂環族のイソボルニルアクリレートが50重量%である実施例17にて、密着性の低下や耐湿熱性試験での部分的な剥がれなどが確認された。また、実施例14の耐湿熱性試験では接合面に若干の曇りが確認された。実施例18〜22では、(E)成分の配合について評価したところ、(E)成分の配合割合が20質量部と多い実施例21、実施例22にて、密着性の低下や耐熱性試験での部分的な剥がれなどが確認された。以上のように、配合割合によっては、密着性等の低下が確認される場合もあったが、全般的に良好な結果が得られ、種々の光学用途において十分に使用可能であることが確認された。
(比較例1〜11)表4、表5の配合割合で各物質を混合して光硬化性樹脂組成物を調製した。この組成物について、粘度、臭気、アウトガス、光透過率、密着性、耐湿熱性、耐熱性、耐紫外線性を評価した。結果を表4、表5に併記した。また、配合組成中の成分としては、前記のもの以外に下記のものを使用した。なお、比較例9〜11は、それぞれ、特開平6−65334号公報、特開平10−95967号公報、特許3442776号公報に記載された実施例に準じて配合したものである。
A−5:ブタジエンホモポリマー(日本曹達株式会社製、NISSO−PB B−1000)
A’−1:末端アクリル変性ポリブタジエン(日本曹達社製、NISSO−PB TEA−1000)
A’−2:末端メタクリル変性ポリブタジエン(日本曹達社製、NISSO−PB TE−2000)
A’−3:水酸基末端液状ポリブタジエンの末端アクリル化物(大阪有機化学工業社製、BAC−45)
B−4:ジシクロペンタニルメタクリレート
B’−1:n−ブチルアクリレート
B’−2:パラクミルフェノールエチレンオキサイド変性(1モル)アクリレート(東亞合成社製、アロニックスM−110)
C−4:2−ヒドロキシプロピルメタクリレート
C−5:2−ヒドロキシエチルメタクリレート
C’−1:2−アクリロイロキシエチルコハク酸
C’−2:2−エトキシエチルアクリレート
D−3:カンファーキノン
E−4:トリメチロールプロパントリアクリレート
他−3:水素添加テルペン樹脂(安原油脂工業社製、クリアロンM−115)
他−4:N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート
比較例1〜8では、(A)成分、(B)成分、(C)成分のいずれかを欠いた組成物について評価した。(A)成分の代わりに、(メタ)アクリル基を有するポリブタジエン化合物を配合した比較例1〜3では、密着性が低下し、耐湿熱性試験や耐熱性試験にて全体ないし部分的に剥がれが確認された。(B)成分の代わりに、炭素数4のn−ブチルアクリレートを用いた比較例4では、異臭が強く、アウトガスも多めとなった。また、耐湿熱性試験にて部分的に剥がれが確認された。また、(B)成分、(C)成分の代わりに、それぞれ別の成分を用いた比較例5〜7、及び(C)成分を欠いた比較例8では、密着性が低下し、耐湿熱性試験や耐熱性試験にて全体ないし部分的に剥がれが確認された。さらに、前記した公報の実施例に準じて配合した比較例9〜11では、密着性が低下し、耐湿熱性試験、耐熱性試験にて剥がれが確認された。なお、比較例9、比較例10では、耐紫外線性試験で黄変が起こり、光透過率の低下が確認された。以上のように、実施例と比較例とでは、各種の評価結果に大きな差が確認された。
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Claims (5)

  1. (A)分子内にブタジエン単位に由来するエチレン性二重結合以外のラジカル重合性基を有しないポリブタジエン化合物、(B)炭素数が6以上の脂環族基又は鎖状脂肪族基を有する単官能(メタ)アクリレート、(C)水酸基及び/又は環状エーテル結合をもつ脂環族基又は鎖状脂肪族基を有する単官能(メタ)アクリレート、及び単官能アクリルアミド化合物からなる群から選ばれた少なくとも1種、及び(D)光重合開始剤を必須成分とする光硬化性樹脂組成物。
  2. (A)成分のポリブタジエン化合物が、分子内に水酸基、エポキシ基、又はカルボキシル基のいずれか1種以上を有するポリブタジエン化合物である請求項1記載の光硬化性樹脂組成物。
  3. (A)成分、(B)成分、及び(C)成分からなる硬化樹脂成分100質量部において、(A)成分が10〜70質量部、(B)成分と(C)成分の合計が30〜90質量部であり、(B)成分と(C)成分の合計のうち(B)成分の割合が30〜95重量%である請求項1または請求項2に記載の光硬化性樹脂組成物。
  4. (B)成分のうち50重量%以上が炭素数が6以上の脂環族基を有する単官能(メタ)アクリレートである請求項1〜3のいずれかに記載の光硬化性樹脂組成物。
  5. (A)成分、(B)成分、及び(C)成分からなる硬化樹脂成分100質量部に対して、(E)多官能(メタ)アクリレート0〜20質量部、(D)光重合開始剤0.1〜5質量部を配合することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の光硬化性樹脂組成物。
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