JP3801794B2 - 紫外線硬化型ニス組成物及び再剥離性接着加工紙 - Google Patents

紫外線硬化型ニス組成物及び再剥離性接着加工紙 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、紙表面に艶を付与して美粧効果を与えると共に、印刷印字面を保護しつつ加圧及び/又は加熱により再剥離性接着を可能とする紫外線硬化型ニス組成物及びそれを用いた再剥離性接着加工紙に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、郵便コストの軽減、情報の印字及び通知物作成の自動化等のため、封書に代わり親展性を有する葉書システムが急速に普及してきている。このシステムは、情報内容を隠蔽するため、用紙を折りたたみ、対向した紙面を再剥離可能に貼り合わせる方式のものである。その貼り合わせ面に用いられる接着性組成物及び塗布方式には種々のものがあるが、何れも、印刷面の表面光沢、加工作業の効率、使用済み加工紙の古紙再生及び加工紙の製造コスト等の面において十分に満足するものはなかった。
【0003】
そこで、本発明者は特願平10−181484号において、紫外線硬化性モノマー若しくはオリゴマー、(メタ)アクリル系共重合体及び光重合開始剤が均一に相溶してなる紫外線硬化型ニス組成物を提案した。このものは、印刷面に優れた表面光沢、耐摩耗性等の光沢ニス本来の表面特性を与え、しかも、加熱、加圧による良好な再剥離性接着を可能にするものである。また、このニス組成物によれば、簡便な塗工装置及び通常の紫外線照射装置等を用いても容易に加工でき、少量多品種生産が可能であるため、廉価な再剥離性接着加工の施された加工紙が得られ、またその古紙の再生も容易なものとすることができる。
【0004】
しかしながら、上記の出願で提案された紫外線硬化型ニス組成物においては、配合される(メタ)アクリル系共重合体は、有機溶剤中で溶液重合によって得られたものをその溶剤溶液のままで組成物中に配合される場合が多く、この場合、有機溶剤を含むので労働安全衛生面、環境汚染防止性、火災防止性等に問題を残していた。また、ニス組成物が前記のように有機溶剤を含む場合は、塗工被膜の乾燥工程を要し、また該乾燥工程後の被膜中に有機溶剤が残存すると、被膜の質の低下を生じる問題があった。
【0005】
【本発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、印刷面に光沢ニス本来の優れた塗工被膜と優れた表面特性を与え、加工が容易で作業効率に優れ、低廉な価格で再剥離性接着加工の施された加工紙が得られ、使用済み加工紙の古紙再生が容易に可能であり、しかも加工作業時の労働安全衛生面、環境汚染防止性及び火災防止性等に優れた紫外線硬化型ニス組成物及びそれを用いた再剥離性接着加工紙を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る紫外線硬化型ニス組成物は、(メタ)アクリロイル基を有する紫外線硬化性モノマー及びオリゴマーから選ばれる少なくとも一種の紫外線硬化性成分(A)、重量平均分子量が10,000〜100,000、ガラス転移温度が−60℃〜20℃である特定の(メタ)アクリル系共重合体(B)及び光重合開始剤(C)からなり、実質的に水と有機溶剤の何れをも含まないことを特徴としている。
【0007】
【実施の形態】
〈紫外線硬化性成分(A)〉
(メタ)アクリロイル基を有する紫外線硬化性モノマーとしては、例えばエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等のアルコールと(メタ)アクリル酸をエステル化させたもの、フタル酸、マレイン酸、イソシアヌル酸等とアリルアルコールをエステル化させたもの、若しくはグリシジル(メタ)アクリレートをエステル化させたもの等が挙げられる。
【0008】
また、(メタ)アクリロイル基を有する紫外線硬化性オリゴマーとしては、例えば単官能、2官能、多官能のウレタンアクリレート系オリゴマー、ポリエステルアクリレート系オリゴマー、エポキシアクリレート系オリゴマー、ポリエーテルアクリレート系オリゴマー、シリコンアクリレート系オリゴマー等が挙げられる。
【0009】
〈(メタ)アクリル系共重合体(B)〉
本発明における(メタ)アクリル系共重合体(B)とは、下記のような(メタ)アクリル酸エステル系モノマーを含んでなるモノマー成分を共重合して得られるものである。
【0010】
即ち、前記(メタ)アクリル系共重合体(B)は、具体的には、下記一般式で表される化合物(a)
【0011】
【化2】
Figure 0003801794
【0012】
(式中、R 1 はアルキル基、アラルキル基又は水素、R 2 は直鎖の又は分岐を有するアルキレン基、R 3 は水素又はメチル基である。)と、該化合物(a)と共重合可能なエチレン性不飽和モノマー(b)を重合してなるものである
【0013】
前記(メタ)アクリル系共重合体(B)を用いることにより、特に紫外線硬化性成分(A)との相溶性及び本発明のニス組成物の再剥離性接着が良好となる。なお、前記相溶性の向上は、組成物の貯蔵安定性及び印刷面の表面光沢の向上等に寄与する
【0014】
前記成分(a)としては、例えば、メトキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、例えば2−ヒドロキシメチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等を挙げることができ、これらは単独で或いは組み合わせて用いることができる
【0015】
また、前記成分(a)と共重合可能なエチレン性不飽和モノマー(b)としては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、i−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、n−デシル(メタ)アクリレート及びグリコールジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート及びヘキサングリコールジ(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸エステル系のモノマー等を挙げることができ、これらは単独で或いは組み合わせて用いることができる
【0016】
さらに、前記成分(a)と共重合可能な他のエチレン性不飽和モノマー(b)としては、例えば、(メタ)アクリル酸、イタコン酸等のカルボン酸含有のエチレン性不飽和モノマー、及びアルキルアミノ(メタ)アクリレート、例えばジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、及びグリジジル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロニトリル、(メタ)アクリルアミド等の如く官能基を持つエチレン性不飽和モノマー、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、スチレン、α−メチルスチレン等を挙げることができ、これらは単独で或いは組み合わせて用いることができる。
【0017】
成分(a)の配合量の好適範囲は、成分(a)及び(b)の合計量に対して1〜50重量%であり、特に2〜30重量%であるときに最適な結果が得られる。この配合量が1重量%に満たないと、(メタ)アクリル系共重合体(B)の紫外線硬化性成分(A)との相溶性が低下し、組成物の貯蔵安定性及び印刷面の表面光沢等に支障を来す恐れがあり、またこの配合量が50重量%を超えると、前記相溶性は向上するが再剥離性接着性が低下する恐れがある。
【0018】
(メタ)アクリル系共重合体(B)を得るための重合方法は特に限定されず、溶液重合、懸濁重合、乳化重合等の公知方法を適宜用いることができる。但し、本発明の紫外線硬化型ニス組成物は最終的に水及び有機溶剤を含まないことを特徴とするので、例えば有機溶剤を用いた溶液重合により(メタ)アクリル系共重合体(B)を得た場合は、重合反応の直後から最終的に紫外線硬化型ニス組成物に調製する間の何れかの工程で、例えば加熱又は減圧留去等により溶剤成分を除去しなければならない。
【0019】
有機溶剤を用いた溶液重合の場合を例にとって、具体的に説明すると、前記(メタ)アクリル系共重合体(B)の重合溶媒としては、各有機溶剤が使用可能であり、例えばメチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、i−プロピルアルコール、n−ブチルアルコール、i−ブチルアルコール等のアルコール類、セロソルブアセテート、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、n−ブチルセロソルブ、i−ブチルセロソルブ、n−プロピルセロソルブ等のセロソルブ類、プロピレングリコールn−ブチルエーテル、プロピレングリコールメチルエーテル、プロピレングリコールフェニルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエーテル、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート等のプロピレングリコールエーテル類、トルエン、酢酸エチル、酢酸ブチル、アセトン、メチルエチルケトン、芳香族系(石油留分)溶剤、フタル酸エステル系可塑剤、アルキルリン酸エステル等が挙げられ、(メタ)アクリル系共重合体(B)が溶解又は分散可能な溶剤であれば、上記に溶剤に制限されるものではない。なお、溶剤の除去の容易性を考慮すれば、揮発性の高いメチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、i−プロピルアルコール、アセトン、メチルエチルケトン、トルエン、酢酸エチル等が好ましい。
【0020】
前記のように合成された(メタ)アクリル系共重合体(B)は、特定の共重合組成、特定の分子量範囲、特定のガラス転移温度範囲である場合に、本発明における有効な使用を見出すことができる。
【0021】
(メタ)アクリル系共重合(B)の重量平均分子量は10,000〜100,000の範囲にあることが必要であり、好ましくは20,000〜50,000である。この成分(B)は、重量平均分子量が10,000に満たないと、凝集力が不足すると共に接着性が低くなり、適度な再剥離性接着性を示さない。また、この成分(B)は、重量平均分子量が100,000を越えると、紫外線硬化性成分(A)との相溶性が低下する。
【0022】
次に、(メタ)アクリル系共重合(B)のガラス転移温度は、−60〜20℃の範囲にある必要があり、好ましくは−50〜10℃である。この成分(B)は、ガラス転移温度が−60℃より低いと、ベタツキ感が強く、接着強度が十分に出ない。また、この成分(B)は、ガラス転移温度が20℃より高いと、再剥離性接着性が得られない。
【0023】
本発明でいうガラス転移温度とは、例えば大森英三著「アクリル酸エステルとそのポリマー(II)」(株)昭晃堂発行第110〜115頁に記載されているような一般の高分子で測定される二次転移点であり、共重合体の場合は、同書第120頁に記載されている計算ガラス転移温度である。即ち、共重合体のガラス転移温度は、次式によって計算されたものである。
【0024】
【数1】
Figure 0003801794
【0025】
(但し、W1+W2+W3+・・・+Wn=1)
前記式において、Tgとは共重合体のガラス転移温度であり、絶対温度に換算して計算される。Tg1、Tg2、・・・、Tgn は、成分1、2、・・・、nのそれぞれ純粋な単独重合体1、2、・・・、nのガラス転移温度であり、絶対温度に換算して計算される。また、W1、W2、・・・、Wnは、共重合体成分中における特定のモノマー重量分率である。
【0026】
以上の(メタ)アクリル系共重合体(B)は、紫外線硬化型ニス組成物の構成成分として、(メタ)アクリロイル基を有する紫外線硬化型モノマー、オリゴマー(A)及び光重合開始剤(C)と共に配合されるものであるが、この成分(B)の好ましい配合量は、(メタ)アクリロイル基を有する紫外線硬化型オリゴマー及びモノマー(A)の合計100重量部に対して5〜80重量部である。この配合量が5重量部に満たないと、得られるニス組成物は、十分な再剥離性接着性が与えられないか、接着性が弱くなる場合がある。また、この配合量が80重量部を超えると、得られるニス組成物はベタツキ感が強くなると共にニス本来の光沢性も低下し、剥離時に接着性が強すぎて紙破れが発生したり、塗工紙の耐ブロッキング性も不足したりする恐れがある。
【0027】
本発明において、(メタ)アクリル系共重合体(B)は、組成物中に他の成分と均一に相溶し、或は必要に応じて分散状態とされる。貼り合わせ時の物理的な条件として、紙表面に塗工し、硬化させたニス組成物表面を互いに合わせ、例えば、10〜100kg/cm程度の線圧、或いは0.1〜10kg/cm程度の線圧による加圧と50〜150℃程度の温度による加熱の組み合わせを用いた場合等に、成分(B)が表面に侵出して、ニスコーティング層表面に接着層が形成され、ニス組成物表面どうしの再剥離性接着が可能となる。接着強度は、前記物理的条件の選択と前記成分(B)の配合割合、ガラス転移温度、平均分子量の各変化により、適宜調整が可能であり、印刷面とニス面の接着強度より弱く、剥離時に表面に損傷を与えることなく、適度な剥離性を与えることができるのである。
【0028】
〈光重合開始剤(C)〉
前記紫外線硬化型ニスの光重合開始剤としては、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインブチルエーテル、2−アリルベンゾイン、2−クロルベンゾイン等のベンゾイン系、ベンゾフェノン、p−メチルベンゾフェノン、p−クロルベンゾフェノン、p−クロルベンゾフェノン等のベンゾフェノン系、ジエトキシアセトフェノン、ヒドロキシアセトフェノン(1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン等)、α−アミノアセトフェノン等のアセトフェノン系、2−メチルチオキサンソン、2−イソプロピルチオキサンソン、2−クロロチオキサンソン等のチオキサンソン系、アゾビスイソブチロニトリル等のアゾ系、アントラキノン、2−クロルアントラキノン、フェナントレン等のキノン系や、各種光重合開始剤の組み合わせ等が使用される。また、前記光重合開始剤に、p−ジメチルアミノ安息香酸エチル、p−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、2−ジメチルアミノエチルベンゾエート、N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート−N−メチルジエタノールアミン等の増感剤を加えることによって、紫外線の感受性を高めることができる。
【0029】
本発明に係る紫外線硬化型ニス組成物は、上記の如く、各種塗工機で表面に塗布の後、紫外線で硬化し得る(メタ)アクリロイル基を有する紫外線硬化性モノマーやオリゴマーからなる紫外線硬化性成分(A)、(メタ)アクリル系共重合体(B)及びラジカルを発生する光重合開始剤(C)を必須成分として配合してなり、前記成分(A)、成分(B)及び成分(C)は、より優れた塗工皮膜の光沢、貯蔵安定性及び再剥離接着性等を得るためには、均一に相溶していることが好ましいが、必ずしも透明に相溶している必要はない。前記ニス組成物には、必要に応じて、重合禁止剤、増感剤、レベリング剤、着色剤、ワックス、消泡剤、離型剤、耐摩剤等の添加剤を添加して、所要の物性を付与することが可能である。なお、これらの添加剤は、より優れた表面光沢や塗工安定性等の確保のためには概して均一に溶解されることが好ましいが、中には、それらが分散状態にあってニス組成物が濁りや分離を生じる場合でも所期の効果を得ることができる。
【0030】
なお、本発明の紫外線硬化型ニス組成物を用いて紙表面に硬化皮膜を形成した場合、その皮膜強度は、ラミネートフィルムの場合のようには強靱ではないので、古紙再生過程で容易に崩壊する。
【0031】
【実施例】
次に、本発明を実施例に基づいて具体的に説明を行うが、本発明は、これらの実施例に制限されるものではない。なお、以下の実施例、比較例等で用いられる「部」及び「%」は、何れも重量基準であり、また、「重量平均分子量」は、下記測定条件に基づきGPC法により測定されたものである。
【0032】
〈重量平均分子量の測定方法〉
各試料を固分について10mg/mlとなるようにTHF溶液を調製し、各々インジェクション量100μlにて測定した。
測定条件
GPC測定装置:昭和電工社製SHODEX SYSTEM 11
カラム:SHODEX KF−800P、KF−805、KF−803及びKF−801の4本直列
移動層:THF
流量:1ml/分
カラム温度:45℃
検出器:RI
換算:ポリスチレン
【0033】
〈中間製造体製造例1〉
紫外線硬化性成分(A)としてリポキシSP−1509(昭和高分子(株)社製のエポキシアクリレートオリゴマー)40部、トリプロピレングリコールジアクリレート40部、アロニックスM−400(東亞合成(株)社製のジペンタエリスリトールヘキサアクリレート)20部、光重合開始剤(C)としてイルガキュアー184(チバ・ガイギー社製のヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン)5部、重合禁止剤としてメトキノン0.1部を攪拌混合し、中間製造体(A−1)を得た。
【0034】
〈中間製造体製造例2〉
紫外線硬化性成分(A)としてKAYARAD UX−2031(日本化薬(株)製のウレタンアクリレートオリゴマー)10部、アロニックスM−309(東亞合成(株)社製のトリメチロールプロパントリアクリレート)40部、トリプロピレングリコールジアクリレート50部、光重合開始剤(C)としてイルガキュアー184(チバ・ガイギー社製のヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン)5部、重合禁止剤としてメトキノン0.1部を攪拌混合し中間製造体(A−2)を得た。
【0035】
〈(メタ)アクリル系共重合体のモノマー組成〉
下記表1に示すモノマー組成(1)(9)に従って、(メタ)アクリル系共重合体(B)を含む各種(メタ)アクリル系共重合体の製造のための各種モノマーを準備した。
【0036】
【表1】
Figure 0003801794
【0037】
〈実施例1〉
攪拌機、窒素ガス導入口、温度計、還流コンデンサーを設備した、500mlの反応容器に、モノマー組成(1)に係るモノマーを合計100部、重合溶剤としてイソプロピルアルコール100部、重合開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル6部、連鎖移動剤としてラウリルメルカプタン1部を加え、窒素ガス気流中、80℃で6時間重合せしめ、透明で粘稠性を有する樹脂成分(本発明に使用する(メタ)アクリル系共重合体(B))を50重量%含有する樹脂溶液を得た。得られた樹脂溶液について減圧下に溶媒を除去した。この樹脂成分の重量平均分子量は11,000、ガラス転移温度は−49.1℃であった。前記各成分の配合量及び樹脂成分の物性値を下記の表2上欄に示す。
【0038】
次に、前記樹脂成分を、前記中間製造体(A−1)105.1部(紫外線硬化性成分(A)100部、光重合開始剤(C)5部を含む)に対して70部配合し、実施例1に係る紫外線硬化型ニス組成物を得た。前記各成分の配合量を下記の表2中欄に示す。
【0039】
〈実施例2〜4及び6〜11〉
実施例1と同様に、攪拌機、窒素ガス導入口、温度計、還流コンデンサーを設備した、500mlの反応容器に、表1に記載のモノマー組成(1)(9)に係るモノマーの中から表2で指定したモノマーを合計100部、重合溶剤として表2に記載の重合溶剤100部、必要に応じて表2に記載の連鎖移動剤を加え、窒素ガス気流中、80℃で6時間重合せしめ、透明で粘稠性を有する樹脂成分(本発明に使用する(メタ)アクリル系共重合体(B))を50重量%含有する樹脂溶液を得た。得られた樹脂溶液について減圧下に溶媒を除去した。前記各成分の配合量及び樹脂成分の物性値を下記の表2上欄に示す。
【0040】
次に、前記各樹脂成分を、表2に記載の中間製造体105.1部(紫外線硬化性成分(A)100部、光重合開始剤(C)5部を含む)に対して表2に記載の配合量だけ配合し、実施例2〜4及び6〜11に係る紫外線硬化型ニス組成物を得た。前記各成分の配合量を下記の表2中欄に示す。
【0041】
〈比較例1〜6〉
実施例1と同様に、攪拌機、窒素ガス導入口、温度計、還流コンデンサーを設備した、500mlの反応容器に、表1に記載のモノマー組成(1)(9)に係るモノマーの中から表3で指定したモノマーを合計100部、重合溶剤として表3に記載の重合溶剤100部、必要に応じて表3に記載の連鎖移動剤を加え、窒素ガス気流中、80℃で6時間重合せしめ、粘稠性を有する樹脂成分50重量%含有する樹脂溶液を得た(但し、比較例5を除く)。得られた樹脂溶液について減圧下に溶媒を除去した。前記各成分の配合量及び樹脂成分の物性値を下記の表3上欄に示す。
【0042】
次に、前記樹脂成分を、中間製造体(A−1)105.1部(紫外線硬化性成分(A)100部、光重合開始剤(C)5部を含む)に対して表3に記載の配合量だけ配合し(但し、比較例6は中間製造体(A−1)を含まない)、比較例1〜6に係る紫外線硬化型ニス組成物を得た。前記各成分の配合量を下記の表3中欄に示す。
【0043】
〈比較例7〜8〉
実施例2に使用した樹脂成分を、中間製造体(A−1)105.1部(紫外線硬化性成分(A)100部、光重合開始剤(C)5部を含む)及び表3に記載の溶剤に対して配合し、比較例7及び8に係る紫外線硬化型ニス組成物を得た。前記各成分の配合量を下記の表3中欄に示す。
【0044】
〈性能評価〉
実施例1〜4及び6〜11並びに比較例1〜8に係る各紫外線硬化型ニス溶液を、バーコーターで印刷基紙上に6g/m2 の塗布量を塗工し、コンベア式紫外線照射機(高圧水銀灯80W/cm2 )で、積算光量が60mJ/cm2 になるコンベア速度で紫外線照射を行い、硬化した塗工面を有する再剥離性接着加工紙を得た。次に、得られた再剥離性接着加工紙を折りたたむと共に塗工面同士を合わせ、40kg/cmの線圧で加圧を行い、加圧仮着紙を得た。
【0045】
前記再剥離性接着加工紙について、ニス組成物の相溶性、光沢、接着性、剥離性及び耐ブロッキング性の各評価を行った結果を、表2下欄及び表3下欄に示す。
【0046】
【表2】
Figure 0003801794
【0047】
【表3】
Figure 0003801794
【0048】
前記、性能評価における評価項目及び評価基準は、次の通りである。
〈評価項目及び評価基準〉
(a)ニス組成物の相溶性
得られた紫外線硬化型ニス組成物の溶液状態を下記の基準で観察判定した。
◎:透明な溶液状態である。
○:僅かにかすみがあるが均一に相溶している。
△:濁りのある溶液状態であるが、攪拌で均一に分散しており、塗工上問題ない。
・:混合性が悪く、均一に塗工ができない。
【0049】
(b)光沢
再剥離性接着加工紙の塗工面について、グロスメーター(スガ試験機製)を用いて反射角60度における反射率(%)を測定した。
【0050】
(c)接着性
再剥離性接着加工紙の加圧貼り合わせにより得られた加圧仮接着紙における接着状態を下記の基準で判定した。
◎:完全に接着しており、折り曲げても接着箇所のハガレは生じない。
○:ほぼ接着しており、本発明の用途には十分使用可能である。
△:一応接着はするが、弱く、紙質により、曲げれば接着面に浮き離れが生じる場合がある。
・:接着が弱いか、全く接着しない。
【0051】
(d)剥離性
再剥離性接着加工紙の加圧貼り合わせにより得られた加圧仮接着紙における剥離状態を下記の基準で判定した。
○:紙破れなく剥がれる。
△:紙破れなく剥がれるが、剥離強度が強く、紙質により、表面のニス面に割れ筋が入る場合がある。
・:接着してしまい、剥がそうとすれば紙が破れる。
−:最初から未接着のため判定不能。
【0052】
(e)耐ブロッキング性
再剥離性接着加工紙を55℃、80%RHの条件で24時間放置後、剥離性、接着性を下記の基準で評価した。
○:接着性を持続しており、剥がすときは、紙破なく剥離する。
△:本来の接着性より強くなるが、剥がすときは、紙破なく剥離する。
・:剥がす時に紙が破れる。
【0053】
【発明の効果】
本発明に係る紫外線硬化型ニス組成物は以上のように構成され、水と有機溶剤の何れをも含まないことを特徴とするので、塗工時における乾燥工程を不要とすると共に作業時の労働安全衛生面、環境汚染防止性、火災防止性等に優れ、且つ組成物の経時安定性、塗工安定性にも優れ、しかも印刷面に優れた表面光沢、耐摩耗性、耐水性、耐ブロッキング性等の光沢ニス本来の表面特性を与え、且つ加熱、加圧による良好な再剥離性接着を可能にする。
【0054】
また、この本発明の紫外線硬化型ニス組成物によれば、ロールコーター、グラビアコーター、グラビアオフセットコーター、枚葉印刷インラインニスコーター等の簡便な塗工装置及び紫外線照射装置等を用いて容易に加工ができ、目的に沿った少量多品種生産のための加工にも無駄なく対応でき、低廉な価格で再剥離性接着加工の施された加工紙を得ることができる。
【0055】
さらに、この本発明の紫外線硬化型ニス組成物によれば、開封使用後に廃棄処分された葉書等の加工紙や製造過程で生じた切り落とし屑の加工紙の加工面が、従来のように加工面にフィルムがラミネートされた加工紙の場合とは異なって古紙再生への障害とならず、紙資源の有効利用、再利用に寄与するものである。

Claims (4)

  1. (メタ)アクリロイル基を有する紫外線硬化性モノマー及びオリゴマーから選ばれる少なくとも一種の紫外線硬化性成分(A)、下記一般式で表される化合物(a)
    Figure 0003801794
    (式中、R 1 はアルキル基、アラルキル基又は水素、R 2 は直鎖の又は分岐を有するアルキレン基、R 3 は水素又はメチル基である。)と、該化合物(a)と共重合可能なエチレン性不飽和モノマー(b)を重合してなり、重量平均分子量が10,000〜100,000、ガラス転移温度が−60℃〜20℃である(メタ)アクリル系共重合体(B)及び光重合開始剤(C)からなり、実質的に水と有機溶剤の何れをも含まないことを特徴とする紫外線硬化型ニス組成物。
  2. 紫外線硬化性成分(A)、(メタ)アクリル系共重合体(B)及び光重合開始剤(C)が均一に相溶してなる請求項1に記載の紫外線硬化型ニス組成物。
  3. 紫外線硬化性成分(A)の合計100重量部に対し、(メタ)アクリル系共重合体(B)の配合割合が5〜80重量部である請求項1又は2に記載の紫外線硬化型ニス組成物。
  4. 請求項1乃至3の何れか1項に記載の紫外線硬化型ニス組成物を基紙表面に塗工すると共に紫外線で硬化させてなる、表面光沢及び再剥離接着性を有する再剥離性接着加工紙
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